WO2014208374A1 - 銀導電膜の製造方法 - Google Patents

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    • B41N1/12Printing plates or foils; Materials therefor non-metallic other than stone, e.g. printing plates or foils comprising inorganic materials in an organic matrix

Abstract

フレキソ印刷などの凸版印刷により銀微粒子分散液を基板に塗布した後に焼成して、RFIDアンテナの形状などの長細の帯状に延びる銀導電膜10を基板上に形成する銀導電膜10の製造方法において、(フレキソ印刷などの)凸版印刷に使用する(フレキソ印刷版12などの)凸版の凸部(レリーフ)12aの頂面の形状を長細の帯状の銀導電膜10を形成する形状にし、凸版の凸部12aの頂面にその凸部12aの長手方向に沿って延び且つ底面に向かって漸次幅が減少する溝部を形成し、この溝部によって凸版の凸部12aを複数のライン部(微細凸部)12cに分割して、これらのライン部12cの幅を凸版の凸部12aの頂面に向かって漸次減少させる。

Description

銀導電膜の製造方法
 本発明は、銀導電膜の製造方法に関し、特に、RFIDアンテナなどの電子部品の導電回路などの形成に使用する銀導電膜の製造方法に関する。
 従来、RFIDアンテナなどの高信頼性が要求される電子部品の配線や導電回路は、マスクした基板上に高価な貴金属のスパッタリングにより形成されている。しかし、スパッタリングにより配線や導電回路を形成する方法では、様々な工程が必要となるため、生産性が高いとはいえず、また、原料として投入される高価な貴金属のすべてが配線や導電回路の形成に使用されるのではないため、資源の有効活用の観点から、他の方法により配線や導電回路を形成することが検討されている。
 近年、電子部品の配線や導電回路などを大量に且つ容易に形成する方法として、印刷技術を応用して配線や導電回路などを形成するプリンテッド・エレクトロニクスが注目されており、金属粒子を分散媒中に分散させた導電性インクをフレキソ印刷などの凸版印刷により基材上に印刷して配線や導電回路などを形成することが提案されている(例えば、特開2008−106119号公報参照)。
 しかし、この方法では、マージナルゾーン(インクの横漏れにより線幅以上の余分な太さとなる部分)により、微細な配線や導電回路を形成することができないという問題がある。また、この方法では、配線や導電回路の厚さを均一に形成することができないため、銀導電膜をRFIDアンテナ形状に形成すると、銀導電膜の表面の凹凸によりRFIDアンテナの通信距離が短くなるという問題がある。この通信距離を長くするためには、銀導電膜中のAg量を増やせばよいが、Ag量を増やすと、銀導電膜が厚くなり、コストも高くなる。すなわち、この方法では、単位Ag量当りの通信距離が良好なRFIDアンテナを製造することができないという問題がある。
 このような問題を解消するため、凸版の凸部(レリーフ)の頂面に複数の窪みを形成することが提案されている(例えば、特開2009−286113号公報、特開2010−137420号公報参照)。
 しかし、この方法でも、上記の問題を解消するには十分であるとはいえず、単位Ag量当りの通信距離がさらに良好なRFIDアンテナを製造することができる、微細で薄く且つ均一な厚さの銀導電膜を製造することが望まれている。
 したがって、本発明は、上述した従来の問題点に鑑み、フレキソ印刷などの凸版印刷により、微細で薄く且つ均一な厚さの銀導電膜を容易に且つ安価に製造することができる、銀導電膜の製造方法を提供することを目的とする。
 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、凸版印刷により銀微粒子分散液を基板に塗布した後に焼成して長細の帯状に延びる銀導電膜を基板上に形成する銀導電膜の製造方法において、凸版印刷に使用する凸版の凸部の頂面の形状を長細の帯状の銀導電膜を形成する形状にし、凸版の凸部の頂面にその凸部の長手方向に沿って延び且つ底面に向かって漸次幅が減少する溝部を形成し、この溝部によって凸版の凸部を複数のライン部に分割して、これらのライン部の幅を凸版の凸部の頂面に向かって漸次減少させれば、微細で薄く且つ均一な厚さの銀導電膜を容易に且つ安価に製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
 すなわち、本発明による銀導電膜の製造方法は、凸版印刷により銀微粒子分散液を基板に塗布した後に焼成して長細の帯状に延びる銀導電膜を基板上に形成する銀導電膜の製造方法において、凸版印刷に使用する凸版の凸部の頂面の形状を長細の帯状の銀導電膜を形成する形状にし、凸版の凸部の頂面にその凸部の長手方向に沿って延び且つ底面に向かって漸次幅が減少する溝部を形成し、この溝部によって凸版の凸部を複数のライン部に分割して、これらのライン部の幅を凸版の凸部の頂面に向かって漸次減少させることを特徴とする。
 この銀導電膜の製造方法において、凸版印刷がフレキソ印刷であるのが好ましく、銀導電膜をRFIDアンテナの形状に形成するのが好ましい。また、銀微粒子分散液が、分散媒中に50~80質量%の銀微粒子が分散した液であるのが好ましく、銀微粒子の平均粒径が20nm以下であるのが好ましい。さらに、凸版の凸部の長手方向に対して略垂直な断面において、ライン部の溝部側の側面と頂面とのなす角が120~145°であるのが好ましい。
 本発明によれば、フレキソ印刷などの凸版印刷により、微細で薄く且つ均一な厚さの銀導電膜を容易に且つ安価に形成することができる、銀導電膜の製造方法を提供することができる。そのため、銀導電膜をRFIDアンテナの形状に形成し、銀導電膜の単位Ag量当りの通信距離が良好なRFIDアンテナを製造することができる。
 Fig.1は、実施例および比較例で作製したRFIDアンテナの形状の銀導電膜を示す平面図である。
 Fig. 2Aは、Fig.1のRFIDアンテナの形状の銀導電膜を形成するために使用したフレキソ印刷版の凸部(レリーフ)を示す拡大横断面図(銀導電膜の長手方向および幅方向に垂直な断面図)である。
 Fig.2Bは、Fig.1の銀導電膜のA部を形成するためのFig.2Aのフレキソ印刷版の凸部の平面図である。
 Fig.2Cは、Fig.1の銀導電膜のB部を形成するためのFig.2Aのフレキソ印刷版の凸部の平面図である。
 Fig.2Dは、Fig.2Aのフレキソ印刷版の凸部の長手方向に対して略垂直な断面において、ライン部の溝部側の側面と頂面とのなす角を説明する図である。
 Fig.3は、Fig.1のRFIDアンテナの形状の銀導電膜を形成するために使用したフレキソ印刷版の凸部の頂面に溝部を形成しなかった部分と溝部の本数および幅を変更した部分を示す平面図である。
 Fig.4は、Fig.1のRFIDアンテナの形状の銀導電膜に実装するためにCuストラップに接続されたICチップを概略的に示す平面図である。
 Fig.5は、Fig.1のRFIDアンテナの形状の銀導電膜にICチップを実装した状態を示す平面図である。
 本発明による銀導電膜の製造方法の実施の形態では、フレキソ印刷などの凸版印刷により銀微粒子分散液を基板に塗布した後に焼成して、RFIDアンテナの形状などの長細の帯状に延びる銀導電膜を基板上に形成する銀導電膜の製造方法において、(フレキソ印刷などの)凸版印刷に使用する(フレキソ印刷版などの)凸版の凸部(レリーフ)の頂面の形状を長細の帯状の銀導電膜を形成する形状にし、凸版の凸部の頂面にその凸部の長手方向に沿って延び且つ底面に向かって漸次幅が減少する溝部を形成し、この溝部によって凸版の凸部を複数のライン部(微細凸部)に分割して、これらのライン部の幅を凸版の凸部の頂面に向かって漸次減少させる。
 このように、RFIDアンテナの形状に対応する(フレキソ印刷版などの)凸版の凸部(レリーフ)の頂面に、その凸部の長手方向に沿って延びる1または複数の溝部を形成すれば、これらの溝部が、RFIDアンテナの形状の銀導電膜に流れる電流の方向に延びるので、複数のマージナルを電流の方向に沿って延びるように形成することができ、単位Ag量当りの通信距離を向上させることができる。また、溝部によって凸版の凸部を分割して形成されたライン部の幅が漸次減少するように、溝部の幅を底面に向かって漸次減少させれば、基板に塗布する銀微粒子分散液の量を低減することができる。なお、凸版の凸部の長手方向に対して略垂直な断面において、ライン部の溝部側の側面と頂面とのなす角は、鈍角になり、120~145°になるのが好ましく、134~141°になるのがさらに好ましい。また、溝部の開口面積は、10~65%であるのが好ましく、11~63%であるのがさらに好ましい。溝部の深さは、20~60μmであるのが好ましく、21~54μmであるのがさらに好ましい。
 また、銀微粒子分散液は、分散媒中に50~80質量%の銀微粒子が分散した液であるのが好ましい。銀微粒子分散液中の銀粒子の含有量が50質量%未満では、銀導電膜を基板上に形成し難くなり、銀導電膜中の銀微粒子の焼結体の量が少な過ぎるために導電性が悪化して電気抵抗が高くなり、80質量%を超えると、銀微粒子分散液の粘度が高くなって、フレキソ印刷などにより塗布するのが困難になる。
 また、銀微粒子の平均粒径が20nm以下であるのが好ましく、5~15nmであるのが好ましい。銀微粒子の平均粒径が数nm~十数nm程度になると、比表面積が大きくなって融点が劇的に低下するため、300℃以下の低温で焼成しても銀粒子同士を焼結させることができる(すなわち、銀ナノ粒子の低温焼結性を得ることができる)が、銀微粒子の平均粒径が20nmより大きくなると、銀ナノ粒子の低温焼結性を得ることが困難になる。
 なお、銀微粒子の平均粒径(一次粒子平均径)は、例えば、60質量%のAg粒子(平均粒径10nmの銀粒子)と3.0質量%の塩化ビニルコポリマーラテックスと2.0質量%のポリウレタンシックナーと2.5質量%のプロピレングリコールとを含むAgインク(ピーケム アソシエイツ インク社製のPFI−700型)などの銀微粒子を含むAgインク2質量部をシクロヘキサン96質量部とオレイン酸2質量部の混合溶液に添加し、超音波によって分散させた後、得られた分散溶液を支持膜付きCuマイクログリッドに滴下して乾燥させ、このマイクログリッド上の銀微粒子を透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製のJEM−100CXMark−II型)により加速電圧100kVとして明視野で観察した像を倍率300,000倍で撮影し、得られたTEM像から算出することができる。この銀微粒子の一次粒子平均径の算出は、例えば、画像解析ソフト(旭化成エンジニアリング株式会社製のA像くん(登録商標))を使用して行うことができる。この画像解析ソフトは、色の濃淡で個々の粒子を識別して解析するものであり、例えば、300,000倍のTEM像に対して「粒子の明度」を「暗」、「雑音除去フィルタ」を「有」、「円形しきい値」を「20」、「重なり度」を「50」とする条件で円形粒子解析を行って、200個以上の粒子について一次粒子径を測定し、その数平均径を求めて一次粒子平均径とすることができる。なお、TEM像中に凝結粒子や異形粒子が多数ある場合には、測定不能とすればよい。
 以下、本発明による銀導電膜の製造方法の実施例について詳細に説明する。
実施例1
 まず、60質量%のAg粒子(平均粒径10nmの銀粒子)と、3.0質量%の塩化ビニルコポリマーラテックスと、2.0質量%のポリウレタンシックナーと、2.5質量%のプロピレングリコールとを含むAgインク(ピーケム アソシエイツ インク社製のPFI−700型)を用意した。
 また、Fig.1に示すRFIDアンテナの形状の銀導電膜10を形成するために使用するフレキソ印刷版12を作製した。このフレキソ印刷版12では、市販のフレキソ印刷版(株式会社渡辺護三堂製、印刷版の材質は旭化成株式会社製の板状感光性樹脂AWP グレードDEF、版厚1.14mm、100DOT%)を使用して、Fig.1に示すRFIDアンテナの形状に対応するように(ベース厚tを540μmとして)高さ(レリーフ深度)hが600μmの凸部12aを形成した。また、Fig.2A~Fig.2Dに示すように、このフレキソ印刷版12の凸部12aの頂面に、銀導電膜10が延びる方向(長細の帯状の銀導電膜10の長手方向)に沿って略平行に延び且つ底面に向かって漸次幅が減少する2本の溝部12bを形成した。このフレキソ印刷版12の凸部12aは、RFIDアンテナの形状の銀導電膜10の大部分に対応する部分の幅を950μmとし、その部分に形成される溝部12bの開口部の幅を50μmとして、その部分の凸部12aの頂面に、互いにスペース幅50μmだけ離間した幅283μmの3本のライン部12cが(高さdが25μmで、凸部12aの長手方向に対して略垂直な断面においてライン部12cの溝部12b側の側面と頂面とのなす角αが141°に)形成されるようにした。このフレキソ印刷版12では、それぞれのライン部12cの両側にマージナルが形成されるため、マージナルの本数は6本になり、凸部12aの頂面の面積に対して溝部12bが占める面積は11%になる。なお、Fig.3に示すように、銀導電膜10の幅広部10aに対応する凸部12aの部分には、溝部12bのスペース幅を変えずに本数を増やし、銀導電膜10のICチップ実装部10bに対応する凸部12aの部分には、溝部12bを形成しないで、ベタ版(ベタ塗り用の印刷版)とした。
 このようにして作製したフレキソ印刷版12と、フレキソ印刷機(日本電子精機株式会社製の多目的微細印刷機JEM Flex)を使用し、アニロックス容量8cc/m(400線/インチ)、印刷速度20m/分、印刷回数1回として、基材(デュポンテイジンフィルム社製のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム メリネックス545(Melinex:登録商標))上に、Fig.1に示すRFIDアンテナの形状の銀導電膜10に対応する形状の膜を形成するように、上記のAgインクを印刷した後、ホットプレート上で印刷物を140℃で30秒間熱処理して焼成することによって銀導電膜10が形成されたRFIDアンテナを得た。
 このRFIDアンテナの銀導電膜10のICチップ実装部10bに異方性導電接着剤(ACP)(京セラケミカル株式会社製のTAP0604C(Au/Niコートポリマー粒子))を薄く塗布し、このACP上に、Fig.4に示すようにCuストラップ14に接続されたICチップ(NXP社製のG2XM)16を配置し、熱圧着装置(ミュールバウワー社製のTTS300)により160℃の温度で1.0Nの圧力を加えて10秒間密着させ、Cuストラップ14をRFIDアンテナの銀導電膜10のICチップ実装部10bに固定して電気的に接続させることによって、RFIDアンテナにICチップ16を実装した。
 このようにしてFig.5に示すRFIDアンテナを作製し、銀導電膜の膜厚および表面粗さを求めるとともに、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)およびICチップ実装RFIDアンテナの通信距離を測定し、銀導電膜中のAg量および単位Ag量当りの通信距離を求めた。
 銀導電膜の膜厚は、レーザーマイクロスコープ(株式会社キーエンス製のVK−9700)を用いて、銀導電膜が形成された基材の表面と銀導電膜の表面との高低差を(Fig.5において矢印Cで示す印刷方向に対して略平行に延びる部分(Aで示す部分)と印刷方向に対して略垂直に延びる部分(Bで示す部分)についてそれぞれ)300箇所測定し、平均値を算出することによって求めた。その結果、銀導電膜の膜厚は1.28μmであった。また、銀導電膜の膜厚の均一性を評価するために、銀導電膜の中央部に延びる部分とその両側に延びる部分(縁部)の膜厚を同様の方法によって求めて、中央部と縁部の膜厚比(中央/縁)を算出したところ、1.75であった。
 銀導電膜の表面粗さの評価として、レーザーマイクロスコープ(株式会社キーエンス製のVK−9700)を使用して測定した結果から、JIS B0601(1994年)に基づいて表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaを算出した。なお、レーザーマイクロスコープによる測定は、Fig.5において矢印Cで示す印刷方向に対して略平行に延びる部分(Aで示す部分)と印刷方向に対して略垂直に延びる部分(Bで示す部分)についてそれぞれ行って、その平均値を算術平均粗さRaの算出に用いた。その結果、表面粗さは0.97μmであった。
 銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)として、Fig.5のDとEの間の電気抵抗をテスター(CUSTOM社製の型式CDM−03D)により測定したところ、59.9Ωではであった。
 ICチップ実装RFIDアンテナの通信距離として、電波暗箱(マイクロニクス社製のMY1530)中において、通信距離測定器(Voyantic社製のtagformance)を用いて、800MHz~1100MHzの周波数領域(ISO/IEC 18000−6C規格に準拠)の通信距離(Theoretical read range forward)を測定した。なお、この測定に先立って、この条件における環境設定(tagformance付属のリファレンスタグによる設定)を行った。その結果、800MHz~1100MHzの周波数領域の通信距離のピーク値は、2.39mであった。
 銀導電膜中のAg量は、RFIDアンテナの銀導電膜を(既知の重量の)濃硝酸溶液に溶解して、溶液中のAg濃度をICP発光分析法より求め、そのAg濃度から算出した。その結果、銀導電膜中のAg量は0.92mgであり、ICチップ実装RFIDアンテナの単位Ag量当りの通信距離は2.60m/mgであった。
実施例2~12
 フレキソ印刷版12の凸部12aの頂面に形成したライン部12cの幅、本数、高さおよび側面の角度αをそれぞれ150μm、5本、24μm、140°(実施例2)、93μm、7本、21μm、140°(実施例3)、61μm、9本、22μm、141°(実施例4)、273μm、3本、32μm、137°(実施例5)、138μm、5本、31μm、137°(実施例6)、80μm、7本、31μm、139°(実施例7)、263μm、3本、41μm、135°(実施例8)、126μm、5本、40μm、135°(実施例9)、67μm、7本、42μm、135°(実施例10)、250μm、3本、54μm、134°(実施例11)、110μm、5本、51μm、135°(実施例12)とし、溝部12bの幅と本数をそれぞれ50μm、4本(実施例2)、50μm、6本(実施例3)、50μm、8本(実施例4)、65μm、2本(実施例5)、65μm、4本(実施例6)、65μm、6本(実施例7)、80μm、2本(実施例8)、80μm、4本(実施例9)、80μm、6本(実施例10)、100μm、2本(実施例11)、100μm、4本(実施例12)とした以外は、実施例1と同様の方法により、銀導電膜10が形成されたRFIDアンテナを作製し、ICチップ16を実装して、ICチップ実装RFIDアンテナを作製した。なお、これらの実施例では、ライン部12cの両側に形成されたマージナルの本数はそれぞれ10本(実施例2)、14本(実施例3)、18本(実施例4)、6本(実施例5)、10本(実施例6)、14本(実施例7)、6本(実施例8)、10本(実施例9)、14本(実施例10)、6本(実施例11)、10本(実施例12)になり、凸部12aの頂面の面積に対して溝部12bが占める面積はそれぞれ21%(実施例2)、32%(実施例3)、42%(実施例4)、14%(実施例5)、27%(実施例6)、41%(実施例7)、17%(実施例8)、34%(実施例9)、51%(実施例10)、21%(実施例11)、42%(実施例12)になる。
 このようにして作製したRFIDアンテナについて、実施例1と同様の方法により、銀導電膜の膜厚および表面粗さを求めるとともに、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)およびICチップ実装RFIDアンテナの通信距離を測定し、銀導電膜中のAg量および単位Ag量当りの通信距離を求めた。
 その結果、銀導電膜の膜厚は、それぞれ1.16μm(実施例2)、1.18μm(実施例3)、1.26μm(実施例4)、1.21μm(実施例5)、1.26μm(実施例6)、1.16μm(実施例7)、1.26μm(実施例8)、1.08μm(実施例9)、1.02μm(実施例10)、1.14μm(実施例11)、1.14μm(実施例12)であり、中央部と縁部の膜厚比(中央/縁)は、それぞれ1.46(実施例2)、1.26(実施例3)、1.15(実施例4)であった。
 また、銀導電膜の表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaは、それぞれ0.95μm(実施例2)、0.87μm(実施例3)、0.87μm(実施例4)、0.99μm(実施例5)、0.88μm(実施例6)、0.86μm(実施例7)、0.99μm(実施例8)、0.81μm(実施例9)、0.92μm(実施例10)、0.93μm(実施例11)、0.80μm(実施例12)であった。
 また、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)は、それぞれ57.6Ω(実施例2)、55.4Ω(実施例3)、49.2Ω(実施例4)、62.5Ω(実施例5)、62.7Ω(実施例6)、56.4Ω(実施例7)、65.3Ω(実施例8)、67.7Ω(実施例9)、70.3Ω(実施例10)、69.7Ω(実施例11)、69.0Ω(実施例12)であった。
 また、ICチップ実装RFIDアンテナの800MHz~1100MHzの周波数領域の通信距離のピーク値は、それぞれ2.38m(実施例2)、2.73m(実施例3)、3.09m(実施例4)、2.24m(実施例5)、2.50m(実施例6)、2.94m(実施例7)、2.27m(実施例8)、2.35m(実施例9)、2.75m(実施例10)、2.39m(実施例11)、2.56m(実施例12)であった。
 さらに、RFIDアンテナの銀導電膜中のAg量は、それぞれ0.89mg(実施例2)、0.95mg(実施例3)、0.96mg(実施例4)、0.94mg(実施例5)、0.90mg(実施例6)、0.89mg(実施例7)、0.90mg(実施例8)、0.84mg(実施例9)、0.82mg(実施例10)、0.84mg(実施例11)、0.78mg(実施例12)であり、ICチップ実装RFIDアンテナの単位Ag量当りの通信距離は、それぞれ2.67m/mg(実施例2)、2.89m/mg(実施例3)、3.21m/mg(実施例4)、2.38m/mg(実施例5)、2.79m/mg(実施例6)、3.32m/mg(実施例7)、2.52m/mg(実施例8)、2.80m/mg(実施例9)、3.33m/mg(実施例10)、2.83m/mg(実施例11)、3.27m/mg(実施例12)であった。
比較例1
 フレキソ印刷版12として市販のフレキソ印刷版(株式会社渡辺護三堂製、印刷版の材質は旭化成株式会社製の板状感光性樹脂AWP グレードDEF、版厚1.14mm、96DOT%)を使用し、フレキソ印刷版12の凸部12aの頂面の溝部12bを形成しなかった以外は、実施例1と同様の方法により、銀導電膜10が形成されたRFIDアンテナを作製し、ICチップ16を実装して、ICチップ実装RFIDアンテナを作製した。なお、この比較例では、ライン部12cの両側に形成されたマージナルの本数は2本になり、凸部12aの頂面の面積に対して溝部12bが占める面積は0%になる。
 このようにして作製したRFIDアンテナについて、実施例1と同様の方法により、銀導電膜の膜厚および表面粗さを求めるとともに、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)およびICチップ実装RFIDアンテナの通信距離を測定し、銀導電膜中のAg量および単位Ag量当りの通信距離を求めた。
 その結果、銀導電膜の膜厚は1.31μm、中央部と縁部の膜厚比(中央/縁)は1.84、銀導電膜の表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaは0.98μm、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)は59.5Ω、ICチップ実装RFIDアンテナの800MHz~1100MHzの周波数領域の通信距離のピーク値は2.30m、RFIDアンテナの銀導電膜中のAg量は1.00mg、ICチップ実装RFIDアンテナの単位Ag量当りの通信距離は2.31m/mgであった。
実施例13~16
 フレキソ印刷版12の凸部12aの頂面に形成したライン部12cの幅、本数、高さおよび側面の角度αをそれぞれ61μm、9本、22μm、141°(実施例13)、80μm、7本、31μm、139°(実施例14)、67μm、7本、42μm、135°(実施例15)、50μm、7本、49μm、134°(実施例16)とし、溝部12bの幅と本数をそれぞれ50μm、8本(実施例13)、65μm、6本(実施例14)、80μm、6本(実施例15)、100μm、6本(実施例16)とし、アニロックス容量20cc/m(150線/インチ)とした以外は、実施例1と同様の方法により、銀導電膜10が形成されたRFIDアンテナを作製し、ICチップ16を実装して、ICチップ実装RFIDアンテナを作製した。なお、これらの実施例では、ライン部12cの両側に形成されたマージナルの本数はそれぞれ18本(実施例13)、14本(実施例14)、14本(実施例15)、14本(実施例16)になり、凸部12aの頂面の面積に対して溝部12bが占める面積はそれぞれ42%(実施例13)、41%(実施例14)、51%(実施例15)、63%(実施例16)になる。
 このようにして作製したRFIDアンテナについて、実施例1と同様の方法により、銀導電膜の膜厚および表面粗さを求めるとともに、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)およびICチップ実装RFIDアンテナの通信距離を測定し、銀導電膜中のAg量および単位Ag量当りの通信距離を求めた。
 その結果、銀導電膜の膜厚は、それぞれ1.95μm(実施例13)、2.27μm(実施例14)、2.54μm(実施例15)、2.24μm(実施例16)であった。
 また、銀導電膜の表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaは、それぞれ1.10μm(実施例13)、0.96μm(実施例14)、1.06μm(実施例15)、0.95μm(実施例16)であった。
 また、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)は、それぞれ13.9Ω(実施例13)、14.6Ω(実施例14)、14.9Ω(実施例15)、16.5Ω(実施例16)であった。
 また、ICチップ実装RFIDアンテナの800MHz~1100MHzの周波数領域の通信距離のピーク値は、それぞれ4.65m(実施例13)、5.08m(実施例14)、4.76m(実施例15)、4.61m(実施例16)であった。
 さらに、RFIDアンテナの銀導電膜中のAg量は、それぞれ2.76mg(実施例13)、2.71mg(実施例14)、2.67mg(実施例15)、2.37mg(実施例16)であり、ICチップ実装RFIDアンテナの単位Ag量当りの通信距離は、それぞれ1.68m/mg(実施例13)、1.87m/mg(実施例14)、1.78m/mg(実施例15)、1.94m/mg(実施例16)であった。
比較例2
 フレキソ印刷版12として市販のフレキソ印刷版(株式会社渡辺護三堂製、印刷版の材質は旭化成株式会社製の板状感光性樹脂AWP グレードDEF、版厚1.14mm、96DOT%)を使用し、フレキソ印刷版12の凸部12aの頂面溝部12bを形成しなかった以外は、実施例13と同様の方法により、銀導電膜10が形成されたRFIDアンテナを作製し、ICチップ16を実装して、ICチップ実装RFIDアンテナを作製した。なお、この比較例では、ライン部12cの両側に形成されたマージナルの本数は2本になり、凸部12aの頂面の面積に対して溝部12bが占める面積は0%になる。
 このようにして作製したRFIDアンテナについて、実施例1と同様の方法により、銀導電膜の膜厚および表面粗さを求めるとともに、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)およびICチップ実装RFIDアンテナの通信距離を測定し、銀導電膜中のAg量および単位Ag量当りの通信距離を求めた。
 その結果、銀導電膜の膜厚は2.27μm、銀導電膜の表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaは1.27μm、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)は13.4Ω、ICチップ実装RFIDアンテナの800MHz~1100MHzの周波数領域の通信距離のピーク値は4.71m、RFIDアンテナの銀導電膜中のAg量は2.90mg、ICチップ実装RFIDアンテナの単位Ag量当りの通信距離は1.63m/mgであった。
実施例17~20
 印刷回数を2回とした以外は、それぞれ実施例13~16と同様の方法により、銀導電膜10が形成されたRFIDアンテナを作製し、ICチップ16を実装して、ICチップ実装RFIDアンテナを作製した。なお、これらの実施例では、ライン部12cの両側に形成されたマージナルの本数はそれぞれ18本(実施例17)、14本(実施例18)、14本(実施例19)、14本(実施例20)になり、凸部12aの頂面の面積に対して溝部12bが占める面積はそれぞれ42%(実施例17)、41%(実施例18)、51%(実施例19)、63%(実施例20)になる。
 このようにして作製したRFIDアンテナについて、実施例1と同様の方法により、銀導電膜の膜厚および表面粗さを求めるとともに、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)およびICチップ実装RFIDアンテナの通信距離を測定し、銀導電膜中のAg量および単位Ag量当りの通信距離を求めた。
 その結果、銀導電膜の膜厚は、それぞれ3.69μm(実施例17)、3.85μm(実施例18)、3.77μm(実施例19)、3.45μm(実施例20)であった。
 また、銀導電膜の表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaは、それぞれ1.59μm(実施例17)、1.46μm(実施例18)、1.34μm(実施例19)、1.26μm(実施例20)であった。
 また、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)は、それぞれ5.3Ω(実施例17)、5.6Ω(実施例18)、5.8Ω(実施例19)、6.2Ω(実施例20)であった。
 また、ICチップ実装RFIDアンテナの800MHz~1100MHzの周波数領域の通信距離のピーク値は、それぞれ5.70m(実施例17)、5.68m(実施例18)、5.84m(実施例19)、5.96m(実施例20)であった。
 さらに、RFIDアンテナの銀導電膜中のAg量は、それぞれ6.63mg(実施例17)、6.44mg(実施例18)、6.35mg(実施例19)、5.92mg(実施例20)であり、ICチップ実装RFIDアンテナの単位Ag量当りの通信距離は、それぞれ0.86m/mg(実施例17)、0.88m/mg(実施例18)、0.92m/mg(実施例19)、1.01m/mg(実施例20)であった。
比較例3
 フレキソ印刷版12として市販のフレキソ印刷版(株式会社渡辺護三堂製、印刷版の材質は旭化成株式会社製の板状感光性樹脂AWP グレードDEF、版厚1.14mm、96DOT%)を使用し、フレキソ印刷版12の凸部12aの頂面溝部12bを形成しなかった以外は、実施例17と同様の方法により、銀導電膜10が形成されたRFIDアンテナを作製し、ICチップ16を実装して、ICチップ実装RFIDアンテナを作製した。なお、この比較例では、ライン部12cの両側に形成されたマージナルの本数は2本になり、凸部12aの頂面の面積に対して溝部12bが占める面積は0%になる。
 このようにして作製したRFIDアンテナについて、実施例1と同様の方法により、銀導電膜の膜厚および表面粗さを求めるとともに、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)およびICチップ実装RFIDアンテナの通信距離を測定し、銀導電膜中のAg量および単位Ag量当りの通信距離を求めた。
 その結果、銀導電膜の膜厚は3.84μm、銀導電膜の表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaは1.82μm、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)は5.4Ω、ICチップ実装RFIDアンテナの800MHz~1100MHzの周波数領域の通信距離のピーク値は5.70m、RFIDアンテナの銀導電膜中のAg量は7.00mg、ICチップ実装RFIDアンテナの単位Ag量当りの通信距離は0.81m/mgであった。
実施例21~23
 フレキソ印刷版12の凸部12aの頂面に形成したライン部12cの幅、本数、高さおよび側面の角度αをそれぞれ61μm、9本、22μm、141°(実施例21)、80μm、7本、31μm、139°(実施例22)、67μm、7本、42μm、135°(実施例23)とし、溝部12bの幅と本数をそれぞれ50μm、8本(実施例21)、65μm、6本(実施例22)、80μm、6本(実施例23)とし、基材として塗工紙(三菱製紙株式会社製のDFカラーGN110)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、銀導電膜10が形成されたRFIDアンテナを作製し、ICチップ16を実装して、ICチップ実装RFIDアンテナを作製した。なお、これらの実施例では、ライン部12cの両側に形成されたマージナルの本数はそれぞれ18本(実施例21)、14本(実施例22)、14本(実施例23)になり、凸部12aの頂面の面積に対して溝部12bが占める面積はそれぞれ42%(実施例21)、41%(実施例22)、51%(実施例23)になる。
 このようにして作製したRFIDアンテナについて、実施例1と同様の方法により、銀導電膜の膜厚および表面粗さを求めるとともに、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)およびICチップ実装RFIDアンテナの通信距離を測定し、銀導電膜中のAg量および単位Ag量当りの通信距離を求めた。
 その結果、銀導電膜の膜厚、中央部と縁部の膜厚比(中央/縁)、銀導電膜の表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaについては、いずれも求めることができなかったが、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)は、それぞれ34.2Ω(実施例21)、35.5Ω(実施例22)、51.4Ω(実施例23)、ICチップ実装RFIDアンテナの800MHz~1100MHzの周波数領域の通信距離のピーク値は、それぞれ3.42m(実施例21)、3.54m(実施例22)、3.25m(実施例23)、RFIDアンテナの銀導電膜中のAg量は、それぞれ1.23mg(実施例21)、1.21mg(実施例22)、1.08mg(実施例23)、ICチップ実装RFIDアンテナの単位Ag量当りの通信距離は、それぞれ2.78m/mg(実施例21)、2.92m/mg(実施例22)、3.02m/mg(実施例23)であった。
比較例4
 フレキソ印刷版12として市販のフレキソ印刷版(株式会社渡辺護三堂製、印刷版の材質は旭化成株式会社製の板状感光性樹脂AWP グレードDEF、版厚1.14mm、96DOT%)を使用し、フレキソ印刷版12の凸部12aの頂面溝部12bを形成しなかった以外は、実施例21と同様の方法により、銀導電膜10が形成されたRFIDアンテナを作製し、ICチップ16を実装して、ICチップ実装RFIDアンテナを作製した。なお、この比較例では、ライン部12cの両側に形成されたマージナルの本数は2本になり、凸部12aの頂面の面積に対して溝部12bが占める面積は0%になる。
 このようにして作製したRFIDアンテナについて、実施例1と同様の方法により、銀導電膜の膜厚および表面粗さを求めるとともに、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)およびICチップ実装RFIDアンテナの通信距離を測定し、銀導電膜中のAg量および単位Ag量当りの通信距離を求めた。
 その結果、銀導電膜の膜厚、中央部と縁部の膜厚比(中央/縁)、銀導電膜の表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaについては、いずれも求めることができなかったが、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)は32.5Ω、ICチップ実装RFIDアンテナの800MHz~1100MHzの周波数領域の通信距離のピーク値は3.26m、RFIDアンテナの銀導電膜中のAg量は1.29mg、ICチップ実装RFIDアンテナの単位Ag量当りの通信距離は2.52m/mgであった。
比較例5~10
 フレキソ印刷版12の凸部12aの頂面に形成したライン部12cの幅、本数、高さおよび側面の角度αをそれぞれ45μm、17本、2μm、175°(比較例5)、45μm、13本、14μm、147°(比較例6)、30μm、20本、6μm、162°(比較例7)、30μm、16本、12μm、153°(比較例8)、20μm、30本、1μm、176°(比較例9)、20μm、25本、3μm、167°(比較例10)とし、溝部12bの幅と本数をそれぞれ11.5μm、16本(比較例5)、31.8μm、12本(比較例6)、19.1μm、19本(比較例7)、31.8μm、15本(比較例8)、11.5μm、29本(比較例9)、19.1μm、24本(比較例10)とした以外は、実施例1と同様の方法により、銀導電膜10が形成されたRFIDアンテナを作製し、ICチップ16を実装して、ICチップ実装RFIDアンテナを作製した。なお、これらの比較例では、ライン部12cの両側に形成されたマージナルの本数はそれぞれ34本(比較例5)、26本(比較例6)、40本(比較例7)、32本(比較例8)、60本(比較例9)、50本(比較例10)になり、凸部12aの頂面の面積に対して溝部12bが占める面積はそれぞれ19%(比較例5)、39%(比較例6)、38%(比較例7)、50%(比較例8)、37%(比較例9)、48%(比較例10)になる。
 このようにして作製したRFIDアンテナについて、実施例1と同様の方法により、銀導電膜の膜厚および表面粗さを求めるとともに、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)およびICチップ実装RFIDアンテナの通信距離を測定し、銀導電膜中のAg量および単位Ag量当りの通信距離を求めた。
 その結果、銀導電膜の膜厚、中央部と縁部の膜厚比(中央/縁)、銀導電膜の表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaについては、いずれの比較例でも求めることができなかったが、銀導電膜の電気抵抗(ライン抵抗)は、それぞれ31.3Ω(比較例5)、29.7Ω(比較例6)、25.1Ω(比較例7)、28.3Ω(比較例8)、34.8Ω(比較例9)、30.6Ω(比較例10)、ICチップ実装RFIDアンテナの800MHz~1100MHzの周波数領域の通信距離のピーク値は、それぞれ3.39m(比較例5)、3.73m(比較例6)、3.20m(比較例7)、3.66m(比較例8)、3.50m(比較例9)、3.33m(比較例10)、RFIDアンテナの銀導電膜中のAg量は、それぞれ1.44mg(比較例5)、1.55mg(比較例6)、1.49mg(比較例7)、1.58mg(比較例8)、1.67mg(比較例9)、1.61mg(比較例10)であり、ICチップ実装RFIDアンテナの単位Ag量当りの通信距離は、それぞれ2.36m/mg(比較例5)、2.40m/mg(比較例6)、2.14m/mg(比較例7)、2.31m/mg(比較例8)、2.09m/mg(比較例9)、2.08m/mg(比較例10)であった。
 これらの実施例および比較例においてRFIDアンテナ形状の銀導電膜を製造した条件を表1および表2に示し、銀導電膜の膜厚、表面粗さおよびライン抵抗、ICチップ実装RFIDアンテナの通信距離、銀導電膜中のAg量および単位Ag量当りの通信距離を表3および表4に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 これらの表からわかるように、実施例1~12、実施例13~16、実施例17~20および実施例21~23では、それぞれ比較例1、2、3および4~10と比べて、単位Ag当りの通信距離を向上させることができる。
 本発明による銀導電膜を使用して形成されたICタグ用アンテナなどのRFIDタグ用アンテナを組み込んで(ICチップとアンテナからなる)インレイを製造すれば、実用的な通信距離のICタグなどのRFIDタグを製造することができる。

Claims (6)

  1. 凸版印刷により銀微粒子分散液を基板に塗布した後に焼成して長細の帯状に延びる銀導電膜を基板上に形成する銀導電膜の製造方法において、凸版印刷に使用する凸版の凸部の頂面の形状を長細の帯状の銀導電膜を形成する形状にし、凸版の凸部の頂面にその凸部の長手方向に沿って延び且つ底面に向かって漸次幅が減少する溝部を形成し、この溝部によって凸版の凸部を複数のライン部に分割して、これらのライン部の幅を凸版の凸部の頂面に向かって漸次減少させることを特徴とする、銀導電膜の製造方法。
  2. 前記凸版印刷がフレキソ印刷であることを特徴とする、請求項1に記載の銀導電膜の製造方法。
  3. 前記銀導電膜をRFIDアンテナの形状に形成することを特徴とする、請求項1に記載の銀導電膜の製造方法。
  4. 前記銀微粒子分散液が、分散媒中に50~80質量%の銀微粒子が分散した液であることを特徴とする、請求項1に記載の銀導電膜の製造方法。
  5. 前記銀微粒子の平均粒径が20nm以下であることを特徴とする、請求項4に記載の銀導電膜の製造方法。
  6. 前記凸版の凸部の長手方向に対して略垂直な断面において、前記ライン部の溝部側の側面と頂面とのなす角が120~145°であることを特徴とする、請求項1に記載の銀導電膜の製造方法。
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