JP5917912B2 - 銀導電膜およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、銀導電膜およびその製造方法に関し、特に、RFIDアンテナなどの電子部品の導電回路などの形成に使用する銀導電膜およびその製造方法に関する。
従来、RFIDアンテナなどの高信頼性が要求される電子部品の配線や導電回路は、マスクした基板上に高価な貴金属のスパッタリングにより形成されている。しかし、スパッタリングにより配線や導電回路を形成する方法では、様々な工程が必要となるため、生産性が高いとはいえず、また、原料として投入される高価な貴金属のすべてが配線や導電回路の形成に使用されるのではないため、資源の有効活用の観点から、他の方法により配線や導電回路を形成することが検討されている。
近年、電子部品の配線や導電回路などを大量に且つ容易に形成する方法として、印刷技術を応用して配線や導電回路などを形成するプリンテッド・エレクトロニクスが注目されており、金属粒子を分散媒中に分散させた導電性インクを、フレキソ印刷やスクリーン印刷などの様々な印刷技術により基材上に印刷した後に、金属粒子同士を焼結させて配線や導電回路などを形成することが検討されている。
一方、金属粒子の粒径が数nm〜数十nm程度になると、比表面積が非常に大きくなって、融点が劇的に低下するため、数μm程度の粒径の金属粒子を分散媒中に分散させた導電性インクを使用して配線や導電回路を形成する場合と比べて、微細な配線や導電回路の形成が可能になるだけでなく、200℃以下の低温で焼成しても金属粒子同士を焼結させることができるようになるので、耐熱性の低い基板などの様々な基板を使用することができるようになる。そのため、粒径が数十nm以下の金属微粒子(金属ナノ粒子)を分散媒中に分散させた導電性インク(金属微粒子分散液)をプリンテッド・エレクトロニクスに応用して電子部品の微細な配線や導電回路を形成することが期待されている。
また、粒径が数十nm以下の金属微粒子は、活性が非常に高く、そのままでは粒子として不安定であるので、金属微粒子同士の焼結や凝集を防止して、金属微粒子の独立性や保存安定性を確保するために、長鎖の界面活性剤などの有機物で被覆した金属微粒子をデカンやターピネオールなどの有機溶媒中に分散させた導電性インク(金属微粒子分散液)が提案されている。しかし、金属微粒子を高分子量の長鎖の界面活性剤で被覆すると、その沸点や分解点が高いことから、金属微粒子同士を焼結させて銀導電膜を形成することにより配線や導電回路など形成する際に、金属微粒子の表面の界面活性剤を除去や分解するために、高温で処理する必要があり、耐熱性の低い基板を使用することができなくなるだけでなく、30分〜1時間程度の比較的長時間にわたって熱処理する必要があり、生産性が悪くなる。また、導電性インクの分散媒として有機溶媒を使用すると、廃棄の際に注意を払わなければ環境汚染の原因になり得るし、また、加熱の際や開放系で放置した場合に蒸発した有機成分が周囲に拡散するため、大量に処理する場合に局所排気装置の設置などが必要になるので、有機溶媒を主成分としない分散媒を使用することができれば、環境面および作業面において望ましい。
そのため、炭素数3〜8の直鎖脂肪酸またはその誘導体で被覆された金属ナノ粒子が水を主体とする媒体中に分散した金属ナノ粒子組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この金属ナノ粒子組成物を使用すれば、低温で短時間の熱処理、例えば、140℃以下で90秒未満の熱処理でも金属ナノ粒子同士を焼結させて基材上に良好な配線や導電回路など形成することができる。
また、水性媒体中に、0.1μm以下の銀超微粒子と、ポリマーラテックスと、水溶性ハロゲン化物とを含有する銀超微粒子含有組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この銀超微粒子含有組成物を使用すれば、焼成工程を必要とせずに、基材上に配線や導電回路など形成することができる。
特開2011−202265号公報(段落番号0027−0045) 特開2011−159392号公報(段落番号0020)
しかし、工業的に通常用いられているロール・ツー・ロールの連続式のフレキソ印刷機により、特許文献1の金属ナノ粒子組成物をPETフィルムや紙などの安価で且つ耐熱性の低い基板上に印刷して熱処理すると、金属ナノ粒子同士を十分に焼結させることができず、良好な導電性を得るのは困難である。すなわち、ロール・ツー・ロールの連続式のフレキソ印刷機では、生産性を高めるために、印刷速度を30m/分以上に設定することが望まれているが、このように印刷速度を高速にすると、フレキソ印刷機に付属する熱処理炉内を仮に(特許文献1の金属ナノ粒子組成物の金属ナノ粒子同士を焼結させるために)140℃に設定しても、基材がその温度まで加熱される前に熱処理炉から送出されてしまう。一方、設定温度を高くすると、金属ナノ粒子同士を焼成することができても、熱により基板が変形したり焦げてしまうなどの問題がある。そのため、金属ナノ粒子同士を十分に焼結させることができず、良好な導電性を得るのは困難である。
また、特許文献2の銀超微粒子含有組成物は、焼成工程を必要とせずに、基材上に塗布して乾燥させることにより導電性パターンを形成しているので、ロール・ツー・ロールの連続式のフレキソ印刷機により、基材上に印刷して良好な導電性を得るのは困難である。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、従来よりさらに低温で短時間の熱処理でも銀微粒子同士を焼結させて、十分な導電性を示す銀導電膜を大量生産することができる、銀導電膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、水系分散媒中に30〜70質量%の銀微粒子が分散するとともに塩素化合物が添加された銀微粒子分散液を基材に塗布した後に焼成して銀導電膜を基材上に形成することにより、従来よりさらに低温で短時間の熱処理でも銀微粒子同士を焼結させて、十分な導電性を示す銀導電膜を大量生産することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による銀導電膜の製造方法は、水系分散媒中に30〜70質量%の銀微粒子が分散するとともに塩素化合物が添加された銀微粒子分散液を基材に塗布した後に焼成することにより、銀導電膜を基材上に形成することを特徴とする。
この銀導電膜の製造方法において、塩素化合物が、Agに対するClの質量の割合(Cl/Ag)が0.05〜0.3質量%になるように添加されるのが好ましく、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カリウムおよび塩化カルシウムからなる群から選ばれる1種以上であるのが好ましい。また、銀微粒子分散液中の銀微粒子の含有量が40〜65質量%であるのが好ましく、水系分散媒が50質量%以上の水を含む溶媒であるのが好ましい。また、銀微粒子の平均粒径が1〜100nmであるのが好ましく、銀微粒子分散液の基材への塗布が、フレキソ印刷によって行われるのが好ましい。
また、本発明によるRFIDアンテナの製造方法は、上記の銀導電膜の製造方法において、銀導電膜をRFIDアンテナの形状に形成することを特徴とする。
さらに、本発明による銀導電膜は、銀微粒子の焼結体と塩素を含み、表面抵抗率が0.01〜1.00Ω/□であり且つ体積抵抗率が2.0〜100.0μΩ・cmであることを特徴とする。
なお、本明細書中において、「銀微粒子の平均粒径」とは、銀微粒子の透過型電子顕微鏡写真(TEM像)による一次粒子径の平均値である一次粒子平均径(平均一次粒径)をいう。
本発明によれば、従来よりさらに低温で短時間の熱処理でも銀微粒子同士を焼結させて、十分な導電性を示す銀導電膜を大量生産することができる、銀導電膜の製造方法を提供することができる。
実施例および比較例で作製した銀微粒子分散液を基材に塗布するために使用したフレキソプルーフを概略的に示す斜視図である。 図1Aのフレキソプルーフの側面図である。 実施例および比較例で作製したRFIDアンテナの形状を示す平面図である。 実施例および比較例で作製したICチップ実装RFIDアンテナの斜視図である。 図3AのICチップ実装RFIDアンテナの側面図である。
本発明による銀導電膜の製造方法の実施の形態では、水系分散媒中に30〜70質量%の銀微粒子が分散するとともに塩素化合物が添加された銀微粒子分散液を基材に塗布した後に焼成して銀導電膜を基材上に形成する。なお、銀微粒子分散液の基材への塗布は、フレキソ印刷によって行われるのが好ましい。
水系分散媒は、水を主成分とする溶媒であり、好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは75質量%以上の水を含む溶媒である。この水系分散媒の粘度を調整するために、銀微粒子分散液に対して10質量%以下のポリウレタンシックナーなどのシックナー(増粘剤)を添加してもよく、湿潤のために10質量%以下のプロピレングリコールなどの有機溶媒を添加してもよい。また、水系分散媒と基材との密着性をより強固にするために、水中に高分子が安定して懸濁および分散した水性分散樹脂を添加してもよい。この水性分散樹脂として、塩化ビニルなどの水性ラテックスなどを使用することができる。水性分散樹脂の添加量は、0.5〜8質量%であるのが好ましく、1〜7質量%であるのがさらに好ましい。0.5質量%未満では基材との密着性をより強固にするには十分ではなく、8質量%よりも多いと、銀微粒子分散液中に凝集塊が発生するなど、分散性が悪化するととともに、塗膜化する際の導電性に悪影響を及ぼすため好ましくない。
塩素化合物として、次亜塩素酸などのオキソ酸、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウムなどのオキソ酸塩、塩酸などの水素化物、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、バリウム塩、ストロンチウム塩、アンモニウム塩、ジルコニウム塩、アルミニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの無機塩などを使用することができる。これらのうち、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カリウムおよび塩化カルシウムからなる群から選ばれる1種以上の塩素化合物を使用するのが好ましい。このような塩素化合物を添加して、Agに対するClの質量の割合(Cl/Ag)を0.05〜0.3質量%にするのが好ましい。
銀微粒子は、平均粒径が1〜100nmであり、1〜50nmであるのが好ましく、1〜30nmであるのがさらに好ましく、1〜20nmであるのが最も好ましい。平均粒径が100nmよりも大きいと、銀微粒子として期待される低温焼結性が得られ難くなる。また、銀微粒子分散液中の銀微粒子の含有量は、30〜70質量%であり、40〜65質量%であるのが好ましい。また、銀微粒子は、表面が炭素数3〜8の直鎖脂肪酸またはその誘導体で被覆されているのが好ましい。このような被覆により銀微粒子間の焼結を防ぎ、銀微粒子間の距離を適度に保つことができる。炭素数が8よりも大きくなると、熱分解時に高い熱エネルギーが必要となり、一方、炭素数が3より小さくなると、銀微粒子間の距離を適度に保つことができなくなる。
なお、銀微粒子の平均粒径(一次粒子平均径)は、例えば、60質量%のAg粒子と3.0質量%の塩化ビニルコポリマーラテックスと2.0質量%のポリウレタンシックナーと2.5質量%のプロピレングリコールとを含む水系Agインクなどの銀微粒子を含む水系Agインク2質量部をシクロヘキサン96質量部とオレイン酸2質量部の混合溶液に添加し、超音波によって分散させた後、得られた分散溶液を支持膜付きCuマイクログリッドに滴下して乾燥させ、このマイクログリッド上の銀微粒子を透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製のJEM−100CXMark−II型)により加速電圧100kVとして明視野で観察した像を倍率300,000倍で撮影し、得られたTEM像から算出することができる。この銀微粒子の一次粒子平均径の算出は、例えば、画像解析ソフト(旭化成エンジニアリング株式会社製のA像くん(登録商標))を使用して行うことができる。この画像解析ソフトは、色の濃淡で個々の粒子を識別して解析するものであり、例えば、300,000倍のTEM像に対して「粒子の明度」を「暗」、「雑音除去フィルタ」を「有」、「円形しきい値」を「20」、「重なり度」を「50」とする条件で円形粒子解析を行って、200個以上の粒子について一次粒子径を測定し、その数平均径を求めて一次粒子平均径とすることができる。なお、TEM像中に凝結粒子や異形粒子が多数ある場合には、測定不能とすればよい。
上述した銀導電膜の製造方法の実施の形態により、銀微粒子の焼結体と塩素を含み、表面抵抗率が0.01〜1.00Ω/□であり且つ体積抵抗率が2.0〜100.0μΩ・cmである銀導電膜を製造することができる。
以下、本発明による銀導電膜およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1〜4]
まず、60質量%のAg粒子(平均粒径10nmの銀粒子)と、3.0質量%の塩化ビニルコポリマーラテックスと、2.0質量%のポリウレタンシックナーと、2.5質量%のプロピレングリコールとを含む水系Agインク(ピーケム・アソシエイツ・インク社製のPFI−700型)を、(3000rpmで10分間の)遠心分離により、上澄み液とAg粒子に分離した後、沈降したAg粒子を巻き込まない程度に上澄み液を分取して、Ag濃度71.49質量%の濃縮Agインクを用意した。
また、塩化ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)25gを純水75gに溶解して、25質量%の塩化ナトリウム水溶液を用意した。
次に、上記の濃縮Agインク19.5gに上記の塩化ナトリウム溶液をそれぞれ0.28g(実施例1)、0.18g(実施例2)、0.09g(実施例3)、0.05g(実施例4)添加した後、Ag濃度が65質量%になるように、上記の上澄み液(分取した上澄み液)を添加して、Ag濃度が65質量%でAgに対するClの質量の割合(Cl/Ag)がそれぞれ0.30質量%(実施例1)、0.20質量%(実施例2)、0.10質量%(実施例3)、0.05質量%(実施例4)の銀微粒子分散液を作製した。
このようにして作製した各実施例の銀微粒子分散液を、図1Aおよび図1Bに概略的に示すフレキソプルーフ(RKプリント・コート・インスツルメンツ社製の型式ESI12、アニロックス、200線)を用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(デュポンテイジンフィルム社製のMelinex(登録商標)545)からなる基材Aと、塗工紙(三菱製紙株式会社製のDF−110GN)からなる基材Bと、キャストコート紙(王子製紙株式会社製のミラコート)からなる基材Cの3種類の基材にそれぞれ塗布した。
なお、図1Aおよび図1Bに示すように、フレキソプルーフ1は、円筒状のゴム版2と、このゴム版2の上方に配設された円筒状のアニロックスローラ3と、このアニロックスローラ3に対向して取り付けられたドクターブレード4とを備えている。ゴム版2とアニロックスローラ3の間隔とドクターブレード4とアニロックスローラ3の間隔はそれぞれ調整可能になっており、ゴム版2を基材7上に押し当てて矢印Aの方向に引くと、ゴム版2が矢印B方向に回転し、その回転に伴ってアニロックスローラ3が矢印C方向に逆回転するようになっている。このフレキソプルーフ1では、ドクターブレード4とアニロックスローラ3の間に滴下された塗料(銀微粒子分散液)5が、回転するアニロックスローラ3とドクターブレード4の間からが一定の膜厚でアニロックスローラ3の表面に付着し、ゴム版2との接触面においてゴム版2に転写された後、ゴム版2の回転により基材7まで運ばれて基材7上に転写されることにより、基材7上に塗膜6が形成される。このようなフレキソプルーフの両端の調整用つまみを操作して、ゴム版とアニロックスローラが接触する位置からさらに0.05〜0.10mmだけ押し込んだ後、ドクターブレードとアニロックスローラの間に約1mLの銀微粒子分散液を滴下し、約1秒間で銀微粒子分散液を基材上に塗布した。
このように銀微粒子分散液を塗布した直後に、ホットプレート上において60℃で15秒間焼成して銀導電膜を作製した。なお、焼成中に基材とホットプレートの良好な接触を保つために、最初に、印刷されていない基材の部分をホットプレートに押さえ付け、焼成が進んで銀微粒子分散液がベンコットに転写されなくなった後、ベンコットにより基材全体をホットプレートに押さえ付けるように焼成を行った。
次に、作製した銀導電膜を3cm×3cmの大きさにカットし、表面抵抗率測定器(三菱化学アナリティック株式会社製のロレスターGP)を用いて、四端子法により銀導電膜の表面抵抗率(シート抵抗率)を測定した。その結果、銀導電膜の表面抵抗率は、実施例1ではそれぞれ0.12Ω/□(基材A)、0.14Ω/□(基材B)、0.21Ω/□(基材C)、実施例2ではそれぞれ0.07Ω/□(基材A)、0.11Ω/□(基材B)、0.10Ω/□(基材C)、実施例3ではそれぞれ0.07Ω/□(基材A)、0.13Ω/□(基材B)、0.11Ω/□(基材C)、実施例4ではそれぞれ0.06Ω/□(基材A)、0.31Ω/□(基材B)、0.25Ω/□(基材C)であった。
また、基材A上に形成した銀導電膜について、膜厚、体積抵抗率および銀導電膜中の金属(Ag)の割合を算出した。
銀導電膜の膜厚は、レーザーマイクロスコープ(KEYENCE社製の型式VK−9700)を用いて、銀導電膜が形成された基材Aの表面と銀導電膜の表面との高低差を100箇所測定し、平均値を算出することによって求めた。その結果、銀導電膜の膜厚は、実施例1では1.73μm、実施例2では1.82μm、実施例3では1.76μm、実施例4では1.80μmであった。
銀導電膜の体積抵抗率は、銀導電膜の膜厚、電気抵抗および面積(3.0cm×3.0cm)から求めた。その結果、銀導電膜の体積抵抗率は、実施例1では20.8μΩ・cm、実施例2では12.7μΩ・cm、実施例3では13.0μΩ・cm、実施例4では11.3μΩ・cmであった。
導電膜中の金属(Ag)の割合は、印刷面積3.0cm×3.0cmの銀導電膜を(既知の重量の)濃硝酸溶液に溶解し、溶液中のAg濃度をICP発光分析法より求めて、銀導電膜中のAgの重量(g)を算出した後、Agの密度10.5g/cmからAgの体積(cm)を求めるとともに、導電膜の膜厚と印刷面積(3.0cm×3.0cm)から銀導電膜の体積を求め、Agの体積(cm)×100/銀導電膜の体積(cm)から算出した。その結果、導電膜中のAgの割合は、実施例1では31.5体積%、実施例2では30.0体積%、実施例3では31.0体積%、実施例4では30.3体積%であった。
[比較例1]
実施例1で用意した濃縮Agインク19.5gに、Ag濃度が65質量%になるように、上記の上澄み液(分取した上澄み液)を添加して、Ag濃度が65質量%でAgに対するClの質量の割合(Cl/Ag)が0.00質量%の銀微粒子分散液を作製し、実施例1と同様の方法により、銀導電膜を作製した。このようにして作製した銀導電膜の表面抵抗率を、実施例1と同様の方法により測定したところ、それぞれ0.30Ω/□(基材A)、1.50Ω/□(基材B)、0.61Ω/□(基材C)であった。また、基材A上に形成した銀導電膜について、実施例1と同様の方法により、膜厚、体積抵抗率および銀導電膜中の金属(Ag)の割合を算出したところ、膜厚は1.83μm、体積抵抗率は54.9μΩ・cm、銀導電膜中のAgの割合は29.8体積%であった。
[比較例2]
実施例1で用意した濃縮Agインク19.5gに、実施例1で用意した塩化ナトリウム溶液0.46gを添加した後、Ag濃度が65質量%になるように、実施例1で分取した上澄み液を添加して、Ag濃度が65質量%でAgに対するClの質量の割合(Cl/Ag)が0.50質量%の銀微粒子分散液を作製した。この比較例では、濃縮Agインクに塩化ナトリウム溶液を添加した数分後に、Ag粒子の焼結と思われる現象が起こり、流動性を伴わない固形物となったため、銀導電膜を作製することができなかった。
[実施例5〜8]
実施例1で用意した濃縮Agインク18.0gに、実施例1で用意した塩化ナトリウム溶液をそれぞれ0.25g(実施例5)、0.17g(実施例6)、0.08g(実施例7)、0.04g(実施例8)添加した後、Ag濃度が60質量%になるように、上記の上澄み液(分取した上澄み液)を添加して、Ag濃度が60質量%でAgに対するClの質量の割合(Cl/Ag)がそれぞれ0.30質量%(実施例5)、0.20質量%(実施例6)、0.10質量%(実施例7)、0.05質量%(実施例8)の銀微粒子分散液を作製し、実施例1と同様の方法により、銀導電膜を作製した。
このようにして作製した銀導電膜の表面抵抗率を、実施例1と同様の方法により測定したところ、実施例5ではそれぞれ0.18Ω/□(基材A)、0.21Ω/□(基材B)、0.22Ω/□(基材C)、実施例6ではそれぞれ0.11Ω/□(基材A)、0.27Ω/□(基材B)、0.19Ω/□(基材C)、実施例7ではそれぞれ0.12Ω/□(基材A)、0.25Ω/□(基材B)、0.25Ω/□(基材C)、実施例8ではそれぞれ0.12Ω/□(基材A)、0.32Ω/□(基材B)、0.28Ω/□(基材C)であった。
また、基材A上に形成した銀導電膜について、実施例1と同様の方法により、膜厚、体積抵抗率および銀導電膜中の金属(Ag)の割合を算出したところ、膜厚はそれぞれ1.59μm(実施例5)、1.63μm(実施例6)、1.58μm(実施例7)、1.60μm(実施例8)であり、体積抵抗率はそれぞれ28.6μΩ・cm(実施例5)、17.9μΩ・cm(実施例6)、19.0μΩ・cm(実施例7)、19.2μΩ・cm(実施例8)であり、銀導電膜中のAgの割合はそれぞれ24.8体積%(実施例5)、24.2体積%(実施例6)、24.8体積%(実施例7)、25.6体積%(実施例8)であった。
また、フレキソ印刷機(日本電子精機株式会社製の多目的微細印刷機JEM Flex)と、フレキソ印刷版(株式会社渡辺護三堂製、印刷版の材質は旭化成株式会社製の板状感光性樹脂AWP グレードDEF、表面加工150ライン、96DOT%)を使用し、アニロックス容量20cc/m(150線/インチ)、印刷速度20m/分、印刷回数を1回とし、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(デュポンテイジンフィルム社製のMelinex(登録商標)545)からなる基材Aと、塗工紙(三菱製紙株式会社製のDF−110GN)からなる基材Bの2種類の基材(図3Aおよび図3Bにおいて参照符号13で示す)の各々に、実施例5および7で得られた銀微粒子分散液を図2に示す形状(全長32.0mm、全幅18.5mm、線幅0.7mmのRFIDアンテナ10の形状)に印刷した後、ホットプレート上において140℃で30秒間熱処理して焼成することによって、銀導電膜からなるRFIDアンテナを作製した。
この銀導電膜のライン抵抗(図2に示すDとEの間の電気抵抗)をテスター(CUSTOM社製の型式CDM−03D)により測定したところ、実施例5ではそれぞれ43.7Ω(基材A)、33.2Ω(基材B)であり、実施例7ではそれぞれ31.0Ω(基材A)、28.7Ω(基材B)であった。
また、これらのRFIDアンテナ10のICチップ実装部11に異方性導電接着剤(ACP)(京セラケミカル株式会社製のTAP0604C(Au/Niコートポリマー粒子))を薄く塗布し、このACP上にICチップ(Impinj社製のMonza2)12を配置した後、熱圧着装置(ミュールバウワー社製のTTS300)により160℃の温度で1.0Nの圧力を加えて10秒間密着させ、RFIDアンテナ10にICチップ12を固定して接続することによって、図3Aおよび図3Bに示すように、RFIDアンテナ10にICチップ12を実装した。
このようにして作製したICチップ実装RFIDアンテナについて、電波暗箱(マイクロニクス社製のMY1530)中において、通信距離測定器(Voyantic社製のtagformance)を用いて、800MHz〜1100MHzの周波数領域(ISO/IEC 18000−6C規格に準拠)の通信距離(Theoretical read range forward)を測定した。なお、この測定に先立って、この条件における環境設定(tagformance付属のリファレンスタグによる設定)を行った。その結果、周波数955MHzの通信距離は、実施例5ではそれぞれ1.6m(基材A)、1.4m(基材B)であり、実施例7ではそれぞれ1.6m(基材A)、1.6m(基材B)であった。
また、耐候性試験として、実施例5および7で得られた銀導電膜からなるRFIDアンテナとICチップ実装RFIDアンテナをそれぞれ温度85℃、湿度85%に設定した恒温恒湿機中に500時間放置(保持)した後、銀導電膜のライン抵抗とICチップ実装RFIDアンテナの通信距離を測定した。その結果、銀導電膜のライン抵抗は、実施例5ではそれぞれ46.4Ω(基材A)、35.1Ω(基材B)であり、実施例7ではそれぞれ30.1Ω(基材A)、32.7Ω(基材B)であった。また、ICチップ実装RFIDアンテナの周波数955MHzの通信距離は、実施例5ではそれぞれ1.5m(基材A)、1.4m(基材B)であり、実施例7ではそれぞれ1.6m(基材A)、1.5m(基材B)であった。
[比較例3]
実施例1で用意した濃縮Agインク18.0gに、Ag濃度が60質量%になるように、上記の上澄み液(分取した上澄み液)を添加して、Ag濃度が60質量%でAgに対するClの質量の割合(Cl/Ag)が0.00質量%の銀微粒子分散液を作製し、実施例1と同様の方法により、銀導電膜を作製した。このようにして作製した銀導電膜の表面抵抗率を、実施例1と同様の方法により測定したところ、それぞれ0.36Ω/□(基材A)、2.20Ω/□(基材B)、0.83Ω/□(基材C)であった。また、基材A上に形成した銀導電膜について、実施例1と同様の方法により、膜厚、体積抵抗率および銀導電膜中の金属(Ag)の割合を算出したところ、膜厚は1.63μm、体積抵抗率は58.7μΩ・cm、銀導電膜中のAgの割合は25.2体積%であった。
また、実施例5および7と同様の方法により、銀導電膜からなるRFIDアンテナとICチップ実装RFIDアンテナを作製し、銀導電膜のライン抵抗とICチップ実装RFIDアンテナの通信距離を測定した。その結果、銀導電膜のライン抵抗は、それぞれ30.8Ω(基材A)、28.5Ω(基材B)であり、ICチップ実装RFIDアンテナの周波数955MHzの通信距離は、それぞれ1.6m(基材A)、1.5m(基材B)であった。
また、作製した銀導電膜からなるRFIDアンテナとICチップ実装RFIDアンテナをそれぞれ恒温恒湿機中に500時間放置(保持)した後、銀導電膜のライン抵抗とICチップ実装RFIDアンテナの通信距離を測定した。その結果、銀導電膜のライン抵抗は、それぞれ29.2Ω(基材A)、29.5Ω(基材B)であり、ICチップ実装RFIDアンテナの周波数955MHzの通信距離は、それぞれ1.5m(基材A)、1.5m(基材B)であった。
[比較例4]
実施例1で用意した濃縮Agインク18.0gに、実施例1で用意した塩化ナトリウム溶液0.42gを添加した後、Ag濃度が60質量%になるように、実施例1で分取した上澄み液を添加して、Ag濃度が60質量%でAgに対するClの質量の割合(Cl/Ag)が0.50質量%の銀微粒子分散液を作製した。この比較例では、濃縮Agインクに塩化ナトリウム溶液を添加した数分後に、Ag粒子の焼結と思われる現象が起こり、流動性を伴わない固形物となったため、銀導電膜を作製することができなかった。
[実施例9〜11]
塩化アンモニウム(NHCl)(和光純薬工業株式会社製)25gを純水75gに溶解して25質量%の塩化アンモニウム水溶液(実施例9)、塩化カリウム(KCl)(和光純薬工業株式会社製)25gを純水75gに溶解して25質量%の塩化カリウム水溶液(実施例10)、塩化カルシウム(CaCl)(和光純薬工業株式会社製)25gを純水75gに溶解して25質量%の塩化カルシウム水溶液(実施例11)を用意した。
次に、実施例1で用意した濃縮Agインク18.0gに、上記の塩化アンモニウム溶液0.16g(実施例9)、塩化カリウム溶液0.22g(実施例10)、塩化カルシウム溶液0.16g(実施例11)をそれぞれ添加した後、Ag濃度が60質量%になるように、上記の上澄み液(分取した上澄み液)を添加して、Ag濃度が60質量%でAgに対するClの質量の割合(Cl/Ag)が0.20質量%の銀微粒子分散液を作製し、実施例1と同様の方法により、銀導電膜を作製した。
このようにして作製した銀導電膜の表面抵抗率を、実施例1と同様の方法により測定したところ、実施例9ではそれぞれ0.11Ω/□(基材A)、0.26Ω/□(基材B)、0.19Ω/□(基材C)、実施例10ではそれぞれ0.12Ω/□(基材A)、0.28Ω/□(基材B)、0.21Ω/□(基材C)、実施例11ではそれぞれ0.12Ω/□(基材A)、0.37Ω/□(基材B)、0.21Ω/□(基材C)であった。
また、基材A上に形成した銀導電膜について、実施例1と同様の方法により、膜厚、体積抵抗率および銀導電膜中の金属(Ag)の割合を算出したところ、膜厚はそれぞれ1.66μm(実施例9)、1.70μm(実施例10)、1.73μm(実施例11)であり、体積抵抗率はそれぞれ18.3μΩ・cm(実施例9)、20.4μΩ・cm(実施例10)、20.8μΩ・cm(実施例11)であり、銀導電膜中のAgの割合はそれぞれ23.8体積%(実施例9)、23.2体積%(実施例10)、22.8体積%(実施例11)であった。
[実施例12〜15]
実施例1で用意した濃縮Agインク15.0gに、実施例1で用意した塩化ナトリウム溶液をそれぞれ0.21g(実施例12)、0.14g(実施例13)、0.07g(実施例14)、0.04g(実施例15)添加した後、Ag濃度が50質量%になるように、上記の上澄み液(分取した上澄み液)を添加して、Ag濃度が50質量%でAgに対するClの質量の割合(Cl/Ag)がそれぞれ0.30質量%(実施例12)、0.20質量%(実施例13)、0.10質量%(実施例14)、0.05質量%(実施例15)の銀微粒子分散液を作製し、実施例1と同様の方法により、銀導電膜を作製した。
このようにして作製した銀導電膜の表面抵抗率を、実施例1と同様の方法により測定したところ、実施例12ではそれぞれ0.30Ω/□(基材A)、0.43Ω/□(基材B)、0.47Ω/□(基材C)、実施例13ではそれぞれ0.21Ω/□(基材A)、0.29Ω/□(基材B)、0.33Ω/□(基材C)、実施例14ではそれぞれ0.21Ω/□(基材A)、0.44Ω/□(基材B)、0.40Ω/□(基材C)、実施例15ではそれぞれ0.24Ω/□(基材A)、0.65Ω/□(基材B)、0.52Ω/□(基材C)であった。
また、基材A上に形成した銀導電膜について、実施例1と同様の方法により、膜厚、体積抵抗率および銀導電膜中の金属(Ag)の割合を算出したところ、膜厚はそれぞれ1.33μm(実施例12)、1.28μm(実施例13)、1.22μm(実施例14)、1.26μm(実施例15)であり、体積抵抗率はそれぞれ39.9μΩ・cm(実施例12)、26.9μΩ・cm(実施例13)、25.6μΩ・cm(実施例14)、30.2μΩ・cm(実施例15)であり、銀導電膜中のAgの割合はそれぞれ20.1体積%(実施例12)、20.9体積%(実施例13)、21.9体積%(実施例14)、21.2体積%(実施例15)であった。
[比較例5]
実施例1で用意した濃縮Agインク15.0gに、Ag濃度が50質量%になるように、上記の上澄み液(分取した上澄み液)を添加して、Ag濃度が50質量%でAgに対するClの質量の割合(Cl/Ag)が0.00質量%の銀微粒子分散液を作製し、実施例1と同様の方法により、銀導電膜を作製した。このようにして作製した銀導電膜の表面抵抗率を、実施例1と同様の方法により測定したところ、それぞれ0.56Ω/□(基材A)、8.60Ω/□(基材B)、1.70Ω/□(基材C)であった。また、基材A上に形成した銀導電膜について、実施例1と同様の方法により、膜厚、体積抵抗率および銀導電膜中の金属(Ag)の割合を算出したところ、膜厚は1.32μm、体積抵抗率は73.9μΩ・cm、銀導電膜中のAgの割合は20.3体積%であった。
[比較例6]
実施例1で用意した濃縮Agインク15.0gに、実施例1で用意した塩化ナトリウム溶液0.35gを添加した後、Ag濃度が50質量%になるように、実施例1で分取した上澄み液を添加して、Ag濃度が50質量%でAgに対するClの質量の割合(Cl/Ag)が0.50質量%の銀微粒子分散液を作製した。この比較例では、濃縮Agインクに塩化ナトリウム溶液を添加した数分後に、Ag粒子の焼結と思われる現象が起こり、流動性を伴わない固形物となったため、銀導電膜を作製することができなかった。
[実施例16〜19]
実施例1で用意した濃縮Agインク12.0gに、実施例1で用意した塩化ナトリウム溶液をそれぞれ0.17g(実施例16)、0.11g(実施例17)、0.06g(実施例18)、0.03g(実施例19)添加した後、Ag濃度が40質量%になるように、上記の上澄み液(分取した上澄み液)を添加して、Ag濃度が40質量%でAgに対するClの質量の割合(Cl/Ag)がそれぞれ0.30質量%(実施例16)、0.20質量%(実施例17)、0.10質量%(実施例18)、0.05質量%(実施例19)の銀微粒子分散液を作製し、実施例1と同様の方法により、銀導電膜を作製した。
このようにして作製した銀導電膜の表面抵抗率を、実施例1と同様の方法により測定したところ、実施例16ではそれぞれ0.75Ω/□(基材A)、0.70Ω/□(基材B)、0.74Ω/□(基材C)、実施例17ではそれぞれ0.80Ω/□(基材A)、0.62Ω/□(基材B)、0.40Ω/□(基材C)、実施例18ではそれぞれ0.78Ω/□(基材A)、0.60Ω/□(基材B)、0.50Ω/□(基材C)、実施例19ではそれぞれ0.86Ω/□(基材A)、0.96Ω/□(基材B)、0.73Ω/□(基材C)であった。
また、基材A上に形成した銀導電膜について、実施例1と同様の方法により、膜厚、体積抵抗率および銀導電膜中の金属(Ag)の割合を算出したところ、膜厚はそれぞれ1.20μm(実施例16)、1.16μm(実施例17)、1.13μm(実施例18)、1.15μm(実施例19)であり、体積抵抗率はそれぞれ90.0μΩ・cm(実施例16)、92.8μΩ・cm(実施例17)、88.1μΩ・cm(実施例18)、98.9μΩ・cm(実施例19)であり、銀導電膜中のAgの割合はそれぞれ16.3体積%(実施例16)、16.8体積%(実施例17)、17.3体積%(実施例18)、17.0体積%(実施例19)であった。
[比較例7]
実施例1で用意した濃縮Agインク12.0gに、Ag濃度が40質量%になるように、上記の上澄み液(分取した上澄み液)を添加して、Ag濃度が40質量%でAgに対するClの質量の割合(Cl/Ag)が0.00質量%の銀微粒子分散液を作製し、実施例1と同様の方法により、銀導電膜を作製した。このようにして作製した銀導電膜の表面抵抗率を、実施例1と同様の方法により測定したところ、それぞれ13.00Ω/□(基材A)、14.00Ω/
□(基材B)、2.00Ω/□(基材C)であった。また、基材A上に形成した銀導電膜について、実施例1と同様の方法により、膜厚、体積抵抗率および銀導電膜中の金属(Ag)の割合を算出したところ、膜厚は1.20μm、体積抵抗率は1560.0μΩ・cm、銀導電膜中のAgの割合は16.3体積%であった。
[比較例8]
実施例1で用意した濃縮Agインク12.0gに、実施例1で用意した塩化ナトリウム溶液0.28gを添加した後、Ag濃度が40質量%になるように、実施例1で分取した上澄み液を添加して、Ag濃度が40質量%でAgに対するClの質量の割合(Cl/Ag)が0.50質量%の銀微粒子分散液を作製した。この比較例では、濃縮Agインクに塩化ナトリウム溶液を添加した数分後に、Ag粒子の焼結と思われる現象が起こり、流動性を伴わない固形物となったため、銀導電膜を作製することができなかった。
[比較例9〜12]
実施例1で用意した濃縮Agインク6.0gに、実施例1で用意した塩化ナトリウム溶液をそれぞれ0.08g(比較例9)、0.06g(比較例10)、0.03g(比較例11)、0.01g(比較例12)添加した後、Ag濃度が20質量%になるように、上記の上澄み液(分取した上澄み液)を添加して、Ag濃度が20質量%でAgに対するClの質量の割合(Cl/Ag)がそれぞれ0.30質量%(比較例9)、0.20質量%(比較例10)、0.10質量%(比較例11)、0.05質量%(比較例12)の銀微粒子分散液を作製し、実施例1と同様の方法により、銀導電膜を作製した。
このようにして作製した銀導電膜の表面抵抗率を、実施例1と同様の方法により測定したところ、比較例9ではそれぞれオーバーロード(OL)で測定不能(基材A)、30.0Ω/□(基材B)、13.0Ω/□(基材C)、比較例10ではそれぞれオーバーロード(OL)で測定不能(基材A)、30.0Ω/□(基材B)、9.4Ω/□(基材C)、比較例11ではそれぞれオーバーロード(OL)で測定不能(基材A)、20.0Ω/□(基材B)、21.0Ω/□(基材C)、比較例12ではそれぞれオーバーロード(OL)で測定不能(基材A)、720.0Ω/□(基材B)、47.0Ω/□(基材C)であった。
また、基材A上に形成した銀導電膜について、実施例1と同様の方法により、膜厚、体積抵抗率および銀導電膜中の金属(Ag)の割合を算出したところ、膜厚はそれぞれ0.68μm(比較例9)、0.73μm(比較例10)、0.75μm(比較例11)、0.76μm(比較例12)であり、体積抵抗率はいずれもオーバーロード(OL)で測定不能であり、銀導電膜中のAgの割合はそれぞれ6.5体積%(比較例9)、6.0体積%(比較例10)、5.9体積%(比較例11)、5.8体積%(比較例12)であった。
[比較例13]
実施例1で用意した濃縮Agインク6.0gに、Ag濃度が20質量%になるように、上記の上澄み液(分取した上澄み液)を添加して、Ag濃度が20質量%でAgに対するClの質量の割合(Cl/Ag)が0.00質量%の銀微粒子分散液を作製し、実施例1と同様の方法により、銀導電膜を作製した。このようにして作製した銀導電膜の表面抵抗率を、実施例1と同様の方法により測定したところ、それぞれオーバーロード(OL)で測定不能(基材A)、オーバーロード(OL)で測定不能(基材B)、150.0Ω/□(基材C)であった。また、基材A上に形成した銀導電膜について、実施例1と同様の方法により、膜厚、体積抵抗率および銀導電膜中の金属(Ag)の割合を算出したところ、膜厚は0.83μm、体積抵抗率はオーバーロード(OL)で測定不能、銀導電膜中のAgの割合は5.3体積%であった。
実施例および比較例の銀導電膜の製造条件および表面抵抗率の測定結果を表1に示し、実施例および比較例の銀導電膜の膜厚、膜中のAgの割合および体積抵抗率の算出結果を表2に示し、実施例5、7および比較例3の銀導電膜からなるRFIDアンテナのライン抵抗とICチップ実装RFIDアンテナの通信距離の測定結果を表3に示す。
Figure 0005917912
Figure 0005917912
Figure 0005917912
表1〜2からわかるように、銀微粒子分散液に少量のClを添加すれば、低温で短時間の熱処理でも、十分な導電性を示す銀導電膜を得ることができる。また、表3からわかるように、銀微粒子分散液に少量のClを添加して、銀導電膜からなるRFIDアンテナやICチップ実装RFIDアンテナを作製しても、導電性や通信距離には影響がない。
本発明による銀微粒子分散液は、プリンテッド・エレクトロニクスに適用することができ、例えば、印刷CPU、印刷照明、印刷タグ、オール印刷ディスプレイ、センサ、プリント配線板、有機太陽電池、電子ブック、ナノインプリントLED、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、印刷メモリなどの製造に使用することができる。
1 フレキソプルーフ
2 ゴム版
3 アニロックスローラ
4 ドクターブレード
5 塗料(銀微粒子分散液)
6 塗膜
7 基材
10 RFIDアンテナ
11 ICチップ実装部
12 ICチップ
13 基材

Claims (8)

  1. 水系分散媒中に銀微粒子が分散するとともに塩素化合物が添加された銀微粒子分散液を基材に塗布した後に焼成して銀導電膜を基材上に形成する銀導電膜の製造方法において、銀微粒子分散液中の銀微粒子の含有量が30〜70質量%であり、Agに対するClの質量の割合(Cl/Ag)が0.05〜0.3質量%になるように塩素化合物が添加され、表面抵抗率が0.01〜1.00Ω/□である銀導電膜を製造することを特徴とする、銀導電膜の製造方法。
  2. 前記塩素化合物が、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カリウムおよび塩化カルシウムからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項に記載の銀導電膜の製造方法。
  3. 前記銀微粒子分散液中の銀微粒子の含有量が40〜65質量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の銀導電膜の製造方法。
  4. 前記水系分散媒が50質量%以上の水を含む溶媒であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の銀導電膜の製造方法。
  5. 前記銀微粒子の平均粒径が1〜100nmであることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の銀導電膜の製造方法。
  6. 前記銀微粒子分散液の基材への塗布が、フレキソ印刷によって行われることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の銀導電膜の製造方法。
  7. 前記銀導電膜が、銀微粒子の焼結体と塩素を含み、体積抵抗率が2.0〜100.0μΩ・cmであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の銀導電膜の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の銀導電膜の製造方法において、前記銀導電膜をRFIDアンテナの形状に形成することを特徴とする、RFIDアンテナの製造方法。
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