WO2014196229A1

WO2014196229A1 - 可動体移動装置

Info

Publication number: WO2014196229A1
Application number: PCT/JP2014/054500
Authority: WO
Inventors: 和田　亨; 純一櫂作; 佐治　智之
Original assignee: 株式会社椿本チエイン
Priority date: 2013-06-04
Filing date: 2014-02-25
Publication date: 2014-12-11
Also published as: JP5747055B2; JP2014234904A

Abstract

　可動体移動装置は、噛合チェーン（１２）、収容部（１３）、可動体（１４）、伸縮リンク機構（１５）及びガイド部（１６）を備えている。噛合チェーン（１２）は、伸長方向（Ｚ１）への移動により一対のチェーン部材（３１，３２）を一体化し、収縮方向（Ｚ２）への移動により一対のチェーン部材（３１，３２）を分岐させるように構成されている。伸縮リンク機構（１５）は、支軸（３４）を中心に交差しかつ回動可能に連結された第３アーム部材（４３）及び第４アーム部材（４４）と、収容部（１３）に連結された第１アーム部材（４１）及び第２アーム部材（４２）と、可動体（１４）に連結された第７アーム部材（４７）及び第８アーム部材（４８）とを有している。ガイド部（１６）は、交差軸部（６１）に設けられている。

Description

可動体移動装置

　本発明は、噛合チェーンを用いて可動体を移動させる可動体移動装置に関する。

　この種の可動体移動装置として、特許文献１に開示の噛合チェーン式昇降装置が知られている。この装置によれば、複数のチェーン部材は、進行方向への移動に伴い、相互に噛み合って一体化する。一体化したチェーン部材は、退行方向への移動に伴い、チェーン部材の噛合が解除されて分岐する。噛合チェーンの上端には、可動体としての昇降テーブルが取り付けられている。この場合、スプロケット等が駆動して噛合チェーンが進行方向に移動することで、昇降テーブルは上昇する。一方、スプロケットが駆動して噛合チェーンが退行方向に移動することで、昇降テーブルは下降する。

　この装置では、複数のチェーン部材が噛み合って一体化した噛合チェーンの傾きや座屈を抑制する必要がある。このため、伸縮リンク機構としてのレイジートング機構に、噛合チェーンの移動をガイドするためのガイド部が取り付けられている。レイジートング機構は、噛合チェーンの進退移動方向に伸縮自在である。レイジートング機構の上端は、昇降テーブルに連結されている。レイジートング機構は、ガイド部としての中間支持体を有している。中間支持体は、レイジートング機構を構成する一対の関節部間に架設されている。

　中間支持体は、断面矩形の柱状体からなる。中間支持体の中央には、噛合チェーンの進退移動方向に沿って貫通するチェーン通過孔が形成されている。複数のチェーン部材が噛み合って一体化した噛合チェーンは、中間支持体のチェーン通過孔に挿通された状態で移動する。これにより、噛合チェーンの傾きや座屈が抑制される。

　従来の装置では、レイジートング機構の伸縮に伴い、中間支持体が架設される一対の関節部のうちの一方を、中間支持体に対しその長手方向に相対移動させる必要がある。このため、中間支持体には、関節部をスライドさせるためのスライド機構が形成されている。また、レイジートング機構が伸長した状態で、中間支持体の一端は、レイジートング機構の関節部から外側に大きく出っ張っている。このため、レイジートング機構と共に移動する中間支持体の移動空間を大きく取る必要がある。

　こうした課題は、噛合チェーンを用いて昇降テーブルを移動させる噛合チェーン式昇降装置に限らない。上記の課題は、伸縮リンク機構のガイド部によりガイドされた噛合チェーンによって可動体を移動させる装置に概ね共通している。

特開２００９－２６９７５１号公報

　本発明の目的は、伸縮リンク機構の伸縮時に噛合チェーンのガイド部の移動空間を小さく抑えつつ、ガイド部により噛合チェーンの移動をガイドして噛合チェーンの傾きや座屈を抑制することのできる可動体移動装置を提供することにある。

　上記課題を解決するため、本発明の第一の態様によれば、可動体移動装置が提供される。可動体移動装置は、進退移動可能な少なくとも一対のチェーン部材を有し、チェーン部材の対が進行方向に移動し噛み合うことで一体化し、一体化したチェーン部材の対が退行方向に移動しチェーン部材の噛合が解除されることで分岐する噛合チェーンと、噛合チェーンの退行方向側の領域に固定される基体部と、基体部よりも進行方向側の領域に配置され、噛合チェーンの進退移動方向に移動可能な可動体と、可動体と基体部との間に伸縮自在に配置され、基体部と可動体とを相対移動可能に連結する伸縮リンク機構と、伸縮リンク機構の伸縮に伴い、チェーン部材の対が噛合した噛合チェーンの進退移動方向への移動をガイドするガイド部とを備えている。伸縮リンク機構は、伸縮リンク機構の伸縮方向と直交する支軸と、支軸を中心に交差しかつ回動するように連結された少なくとも一対の交差アーム部材と、交差アーム部材に対し回動自在に連結される一端と基体部に対し回動自在に連結される他端とを有する一対の基端側アーム部材と、交差アーム部材に対し回動自在に連結される一端と可動体に対し回動自在に連結される他端とを有する一対の先端側アーム部材とを有している。ガイド部は、伸縮リンク機構において一対の交差アーム部材が交差し連結される連結部分に設けられている。

　この構成によれば、伸縮リンク機構は、交差アーム部材の連結部分にガイド部を有している。伸縮リンク機構の伸縮に伴い、ガイド部は伸縮方向に移動するものの、伸縮方向と交差する方向に大きく移動することはない。また、伸縮リンク機構の伸縮に伴い、ガイド部は、噛合チェーンの伸縮方向への移動をガイドする一方で、ガイド部の移動空間は、伸縮リンク機構の外側に大きく出っ張らない。よって、伸縮リンク機構の伸縮に伴い移動するガイド部の移動空間を小さく抑えることができる。また、ガイド部により、噛合チェーンの移動をガイドすると共に、噛合チェーンの傾きや座屈を抑制することもできる。

　上記の可動体移動装置において、ガイド部は、連結部分に対して支軸を中心に回動自在であることが好ましい。

　この構成によれば、伸縮リンク機構の伸縮に伴い、交差アーム部材は、連結部分の支軸を中心に回動する。この場合、ガイド部は、連結部分に対して支軸を中心に回動自在である。このため、交差アーム部材が回動する場合であっても、基体部や可動体に対するガイド部の角度を維持しつつ、噛合チェーンの移動をガイドすることができる。

　上記可動体移動装置において、一対の基端側アーム部材及び一対の先端側アーム部材の少なくとも一方には、互いに歯合する一対の歯車が設けられ、一対の歯車は一対のアーム部材に固定され、かつ噛合チェーンに対し線対称であることが好ましい。

　この構成によれば、伸縮リンク機構が伸縮して基体部と可動体とが伸縮方向に相対移動する場合、一対の歯車によって、一対のアーム部材の対の回動角度を、略同じに維持することができる。よって、伸縮リンク機構の伸縮時の歪みを低減することができる。

　上記可動体移動装置において、ガイド部は、伸縮リンク機構の伸縮時における移動空間の内側に設けられていることが好ましい。

　この構成によれば、ガイド部は、伸縮リンク機構が伸縮時における移動空間の内側を移動する。このため、ガイド部にガイドされた噛合チェーンも、伸縮リンク機構の移動空間の内側を移動する。これらにより、噛合チェーンの移動時に、伸縮リンク機構の外側に配置された他の部材との衝突を回避することができる。

　上記可動体移動装置において、噛合チェーンを構成するチェーン部材は、進退移動方向に直列に連結される複数のリンクプレートと、隣り合うリンクプレートの重ね合わせられた端部同士を連結するピンとを有し、噛合チェーンが進退移動するとき、ガイド部は、リンクプレートの進退移動方向に延びる部分と接触することで、噛合チェーンの移動をガイドすることが好ましい。

　この構成によれば、噛合チェーンの進退移動方向と直交する方向に延びるピンとの接触によりガイドする構成に比べて、ガイド部と噛合チェーンとの接触長を大きく取ることができる。これにより、噛合チェーンの移動を、より円滑かつ安定的にガイドすることができる。

本発明の第１実施形態に係る可動体移動装置の伸縮リンク機構が伸長した状態を示す正面図。図１のＡ部分を拡大して示す部分正面図。図１の３－３線に沿った断面図。ガイド部の斜視図。伸縮リンク機構が収縮した状態を示す正面図。伸縮リンク機構が伸長した状態の可動体移動装置の斜視図。伸縮リンク機構が収縮した状態の可動体移動装置の背面図。本発明の第２実施形態に係る可動体移動装置の伸縮リンク機構が伸長した状態を示す斜視図。

　（第１実施形態）
　以下、本発明の可動体移動装置を具体化した第１実施形態について図１～図７を参照して説明する。尚、可動体移動装置を説明するに際し、噛合チェーンの進行方側及び退行方向をそれぞれ、図１に示す上方及び下方として定義する。

　図１に示すように、可動体移動装置１１は、噛合チェーン１２、基体部としての収容部１３、可動体１４、伸縮リンク機構１５、及びガイド部１６を備えている。噛合チェーン１２は、噛合チェーン１２の長手方向に沿って進退移動可能である。収容部１３は、噛合チェーン１２の下部に固定されている。可動体１４は、噛合チェーン１２の上端に取り付けられている。伸縮リンク機構１５は、可動体１４と収容部１３との間に伸縮自在に配置されると共に、収容部１３と可動体１４とを相対移動可能に連結する。ガイド部１６は、伸縮リンク機構１５に支持された状態で、噛合チェーン１２の上下方向への移動をガイドする。

　噛合チェーン１２の進退移動方向は、伸縮リンク機構１５の伸縮方向Ｚと一致する。伸縮リンク機構１５が伸びる方向を伸長方向Ｚ１とし、伸縮リンク機構１５が縮む方向を収縮方向Ｚ２とする。伸長方向Ｚ１は、噛合チェーン１２の進行方向と一致する。収縮方向Ｚ２は、噛合チェーン１２の退行方向と一致する。伸縮方向Ｚと直交する方向を、分岐方向Ｘとする。チェーン部材３１，３２は、噛み合って一体化し、直棒状の噛合チェーン１２を形成する。直棒状の噛合チェーン１２は、下方に移動して、チェーン部材３１，３２に分岐する。伸縮方向Ｚ及び分岐方向Ｘの両方と直交する方向を、前後方向Ｙ（図１の紙面と直交する方向）とする。図１及び図５は、収容部１３の内部構成を示す。図１及び図５中、図６に示す収容部１３の外装１８が省略されている。

　収容部１３には、モータ等の駆動源１９及びスプロケット２０が取り付けられている。駆動源１９が駆動すると、スプロケット２０は正方向又は逆方向に回転する。スプロケット２０の回転に伴い、噛合チェーン１２は伸縮方向Ｚに移動する。収容部１３には、外装１８と略同一形状の誘導板２１が収容されている。誘導板２１には、一対の渦巻状の誘導溝２２が形成されている。一対の誘導溝２２は、直棒状の噛合チェーン１２を基準として線対称である。分岐したチェーン部材３１，３２は、一対の誘導溝２２によって、渦巻きながらそれぞれ移動する。

　図２及び図３に示すように、一対のチェーン部材３１，３２は、リンクプレートとしての複数の内プレート２４と外プレート２５とからなる。内プレート２４及び外プレート２５は、伸縮方向Ｚに沿って直列に連結されている。チェーン部材３１，３２は、筒状のブシュ２６、ローラ２７及びピン２８を有している。ブシュ２６は、両内プレート２４に対して、両内プレート２４間を繋ぐように組み付けられている。ローラ２７は、ブシュ２６の外周面に対して回動自在に取り付けられている。ピン２８は、ブシュ２６に挿通された状態で、内プレート２４及び外プレート２５の重なり合った端部同士を回動自在に連結する。

　図２に示すように、内プレート２４及び外プレート２５には、略三角形状をなす歯部２９がそれぞれ形成されている。一方のチェーン部材３１は、外プレート２５（内プレート２４）の上端縁に歯部２９を有している。他方のチェーン部材３２は、外プレート２５（内プレート２４）の下端縁に歯部２９を有している。両チェーン部材３１，３２の歯部２９は、互いに噛合する。噛合チェーン１２は、チェーン部材３１，３２を伸長方向Ｚ１に移動させて両チェーン部材３１，３２の歯部２９を噛合させることで、直棒状の剛体を形成する。一方、噛合チェーン１２は、収縮方向Ｚ２に移動して歯部２９による噛合が解除されることで、チェーン部材３１とチェーン部材３２とに分岐される。

　チェーン部材３１，３２の上端は、可動体１４に連結されている。可動体１４には、昇降テーブルやクレーン等の機能部材が取り付けられる。この場合、噛合チェーン１２と共に可動体１４が移動すると、昇降テーブルやクレーン等の機能部材も移動する。

　図３及び図４に示すように、ガイド部１６は、略立方体形状を有している。ガイド部１６には、軸孔３５が形成されている。軸孔３５には、ガイド部１６を伸縮リンク機構１５に支持するための支軸３４が挿通されている。支軸３４の一端が伸縮リンク機構１５に支持され、支軸３４の他端がガイド部１６の軸孔３５に挿通されている。これにより、ガイド部１６は、伸縮リンク機構１５に対して、支軸３４を中心に回動自在に支持されている。

　ガイド部１６には、ガイド孔３６が形成されている。ガイド孔３６には、噛合チェーン１２が挿通される。ガイド部１６は、噛合チェーン１２の進退移動方向への移動をガイドする。ガイド孔３６は、軸孔３５と交差する方向にガイド部１６を貫通している。ガイド孔３６の内面には、一組の凸条部３７が形成されている。各凸条部３７は、軸孔３５付近に形成されかつガイド孔３６の内面から突出している。両凸条部３７間の間隔は、一対の外プレート２５の外面間の間隔と略一致している。このため、噛合チェーン１２がガイド孔３６に挿通された状態で、外プレート２５の外面は、凸条部３７の先端面と摺接する。これにより、噛合チェーン１２の前後方向Ｙへの傾きが抑制される。

　図２及び図３に示すように、チェーン部材３１，３２の歯部２９が噛み合って直棒状の噛合チェーン１２が形成されている状態で、内プレート２４及び外プレート２５の両端縁は、噛合チェーン１２の長手方向にそれぞれ延びている。この状態で噛合チェーン１２がガイド孔３６に挿通されると、内プレート２４及び外プレート２５の両端縁とガイド孔３６の内面との間には、僅かな隙間Ｓが形成されている。このため、ガイド孔３６に挿通された噛合チェーン１２が分岐方向Ｘに傾きかけた場合、内プレート２４及び外プレート２５の両端縁がガイド孔３６の内面と接触する。これにより、噛合チェーン１２の傾きや座屈が抑制される。

　図５に示すように、ガイド部１６は、伸縮リンク機構１５の２箇所に取り付けられている。伸縮リンク機構１５が収縮した場合、上側のガイド部１６の下端面と下側のガイド部１６の上端面とが当接される。上側のガイド部１６の寸法は、下側のガイド部１６に当接するものの可動体１４と当接しないように設計されている。つまり、上側のガイド部１６により、可動体１４の下方への移動が妨げられることはない。

　図６に示すように、伸縮リンク機構１５は、レイジートング機構を構成する８つのアーム部材４１～４８により構成されている。各アーム部材４１～４８は、軸部５１～５６を介して直列に連結されている。アーム部材４１～４８の端部は、隣り合うアーム部材の端部に対して回動可能に連結されている。

　第１軸部５１は、第１アーム部材４１の先端と第３アーム部材４３の基端とを回動自在に連結する。第２軸部５２は、第２アーム部材４２の先端と第４アーム部材４４の基端とを回動自在に連結する。第３軸部５３は、第４アーム部材４４の先端と第５アーム部材４５の基端とを回動自在に連結する。第４軸部５４は、第３アーム部材４３の先端と第６アーム部材４６の基端とを回動自在に連結する。第５軸部５５は、第６アーム部材４６の先端と第７アーム部材４７の基端とを回動自在に連結する。第６軸部５６は、第５アーム部材４５の先端と第８アーム部材４８の基端とを回動自在に連結する。

　第１アーム部材４１及び第２アーム部材４２は、一対の基端側アーム部材に相当する。第７アーム部材４７及び第８アーム部材４８は、一対の先端側アーム部材に相当する。第３アーム部材４３及び第４アーム部材４４と、第５アーム部材４５及び第６アーム部材４６は、一対の交差アーム部材にそれぞれ相当する。

　第１アーム部材４１の基端は、第１基端側軸部５７を介し収容部１３に対して回動自在に連結されている。第２アーム部材４２の基端は、第２基端側軸部５８を介し収容部１３に対して回動自在に連結されている。第１基端側軸部５７及び第２基端側軸部５８は、収容部１３に対し分岐方向Ｘに間隔を空けて固定されている。

　第７アーム部材４７の先端は、第１先端側軸部５９を介し可動体１４に対して回動自在に連結されている。第８アーム部材４８の先端は、第２先端側軸部６０を介し可動体１４に対して回動自在に連結されている。第１先端側軸部５９及び第２先端側軸部６０は、可動体１４に対し分岐方向Ｘに間隔を空けて固定されている。

　第３アーム部材４３及び第４アーム部材４４は、交差軸部６１を中心に交差しかつ回動可能に連結されている。第５アーム部材４５及び第６アーム部材４６は、交差軸部６２を中心に交差しかつ回動可能に連結されている。交差軸部６１，６２の構成要素には、支軸３４が含まれる。ガイド部１６は、支軸３４を介し伸縮リンク機構１５に対して回動可能に支持されている。伸縮リンク機構１５の伸縮に伴い、ガイド部１６は、交差アーム部材の交差軸部６１，６２と共に伸縮方向Ｚに移動する。

　伸縮リンク機構１５の伸縮時、第１軸部５１と第２軸部５２の対、第３軸部５３と第４軸部５４の対、及び第５軸部５５と第６軸部５６の対は、伸縮方向Ｚの同位置に配置されると共に分岐方向Ｘに同間隔を有しながらそれぞれ移動する。また、伸縮方向Ｚに隣り合う第１軸部５１、第３軸部５３及び第５軸部５５は、分岐方向Ｘの同位置に配置されると共に伸縮方向Ｚに隣り合う軸部との間隔を略同じにしながらそれぞれ移動する。伸縮方向に隣り合う第２軸部５２、第４軸部５４及び第６軸部５６についても同様である。交差軸部６１，６２は、伸縮リンク機構１５の移動空間の内側を伸縮方向Ｚに移動する。

　図６に示すように、アーム部材４１～４８は、ほぼ同じ幅及び厚みを有する板状にそれぞれ形成されている。第１アーム部材４１、第２アーム部材４２、第７アーム部材４７及び第８アーム部材４８は、略同じ長さを有している。第３アーム部材４３～第６アーム部材４６は、略同じ長さを有している。第３アーム部材４３～第６アーム部材４６の長さは、第１アーム部材４１、第２アーム部材４２、第７アーム部材４７及び第８アーム部材４８の長さの約２倍に設定されている。

　第１アーム部材４１の基端付近には、凹部４１ａが形成されている。第１アーム部材４１の先端を含む両側縁には、切り欠き部４１ｂがそれぞれ形成されている。凹部４１ａは、切り欠き部４１ｂよりも短い。第１アーム部材４１は、凹部４１ａ内に収容部１３の一部を配置した状態で、基端側軸部５７を介し収容部１３に対して連結されている。

　第２アーム部材４２の基端付近には、凹部４２ａが形成されている。第２アーム部材４２の先端付近には、凹部４２ｂが形成されている。第２アーム部材４２の基端付近の凹部４２ａは、第１アーム部材４１の基端付近の凹部４１ａと略同じである。一方、第２アーム部材４２の先端付近の凹部４２ｂは、凹部４２ａよりも大きい。第２アーム部材４２は、基端付近の凹部４２ａ内に収容部１３を配置した状態で、基端側軸部５８を介し収容部１３に対して連結されている。

　第３アーム部材４３の基端付近には、凹部４３ａが形成されている。第３アーム部材４３の先端付近には、凹部４３ａと略同じ大きさを有する凹部４３ｂが形成されている。第３アーム部材４３の中央には、略矩形状の孔４３ｃが形成されている。第３アーム部材４３の凹部４３ａ，４３ｂは、第２アーム部材４２の先端付近の凹部４２ｂと略同じである。第３アーム部材４３は、基端付近の凹部４３ａ内に第１アーム部材４１の先端を配置した状態で、第１軸部５１を介し第１アーム部材４１に対して連結されている。

　第４アーム部材４４の幅は、第３アーム部材４３の幅よりも小さい。第４アーム部材４４の幅は、第３アーム部材４３の孔４３ｃを挿通可能に設定されている。第４アーム部材４４の中央には、略矩形状の孔４４ａが形成されている。孔４４ａ内には、ガイド部１６が配置されている。第４アーム部材４４は、基端を第２アーム部材４２の凹部４２ｂ内に配置した状態で、第２軸部５２を介し第２アーム部材４２に対して連結されている。

　第５アーム部材４５は、第３アーム部材４３と同じ形状を有している。第６アーム部材４６は、第４アーム部材４４と同じ形状を有している。第７アーム部材４７は、第２アーム部材４２と同じ形状を有している。第８アーム部材４８は、第１アーム部材４１と同じ形状を有している。第７アーム部材４７及び第８アーム部材４８は、凹部４７ａ，４８ａを可動体１４に向けてそれぞれ配置されている。第７アーム部材４７及び第８アーム部材４８は、各凹部４７ａ，４８ａ内に可動体１４を配置した状態で、先端側軸部５９，６０を介し可動体１４に対してそれぞれ連結されている。

　図６に示すように、収容部１３の側面中央には、噛合チェーン１２が挿通される挿通孔６４が形成されている。分岐方向Ｘ及び前後方向Ｙで見た場合、挿通孔６４は、第１及び第２交差軸部６１，６２に取着されたガイド部１６と同じ位置に形成されている。挿通孔６４は、ガイド孔３６と同じ開口形状を有している。このため、噛合チェーン１２は、挿通孔６４から送り出された後、ガイド部１６のガイド孔３６に挿通されることによって直線状に支持される。

　図７に示すように、第１アーム部材４１及び第２アーム部材４２の基端には、略半円状の一対の歯車６５が噛み合った状態で固定されている。一対の歯車６５は、直棒状の噛合チェーン１２に対して線対称である。第７アーム部材４７及び第８アーム部材４８の先端にも、略半円状の一対の歯車６６が噛み合った状態で固定されている。一対の歯車６６も、直棒状の噛合チェーン１２に対して線対称である。一対の歯車６５のそれぞれは、基端側軸部５７，５８の各軸線を中心に回転する。一対の歯車６６のそれぞれは、先端側軸部５９，６０の各軸線を中心に回転する。

　次に、上記の可動体移動装置１１の作用について説明する。

　図５は、チェーン部材３１，３２が分岐されて収容部１３内に収容された状態を示す。この状態からスプロケット２０を正転させると、チェーン部材３１，３２が噛み合って一体化し、直棒状の噛合チェーン１２が形成される。噛合チェーン１２は、収容部１３の挿通孔６４から送り出された後、伸長方向Ｚ１に移動する。可動体１４は、噛合チェーン１２の先端により押されて、収容部１３から離間する。噛合チェーン１２の上昇に伴い、伸縮リンク機構１５は伸長方向Ｚ１に伸長する。

　伸縮リンク機構１５は、交差軸部６１，６２を伸縮方向Ｚに移動させつつ伸長する。このとき、交差軸部６１，６２に取着されたガイド部１６は、伸縮リンク機構１５の伸縮時における移動空間の内側を移動する。また、このとき、分岐方向Ｘ及び前後方向Ｙへのガイド部１６の移動範囲は制限されている。このため、ガイド部１６は、伸縮リンク機構１５の移動空間の外側に出っ張ることはない。

　ガイド部１６は、交差軸部６１，６２の支軸３４を中心に回動可能である。このため、伸縮リンク機構１５の伸縮に伴いアーム部材４１～４８の連結角度が変化しても、ガイド部１６の角度変化は小さく抑えられる。よって、ガイド部１６は、伸縮リンク機構１５に支持された状態で、直棒状の噛合チェーン１２をガイド孔３６に挿通させることで、噛合チェーン１２の伸縮方向Ｚへの移動をガイドする。

　さらに、一対の歯車６５は、噛み合った状態で、直棒状の噛合チェーン１２に対して線対称に配置されている。このため、第１アーム部材４１及び第２アーム部材４２の回動角度はそれぞれ、略同じに維持される。同様に、一対の歯車６６も、噛み合った状態で、直棒状の噛合チェーン１２に対して線対称に配置されている。このため、第７アーム部材４７及び第８アーム部材４８の回動角度もそれぞれ、略同じに維持される。

　図１に示す状態からスプロケット２０を逆転させると、噛合チェーン１２は、収縮方向Ｚ２に移動すると共にチェーン部材３１，３２に分岐されて、収容部１３に収容される。可動体１４は、噛合チェーン１２に引っ張られて収容部１３に接近する。噛合チェーン１２の収縮方向Ｚ２への移動に伴い、伸縮リンク機構１５は収縮する。

　伸縮リンク機構１５が収縮する場合も、交差軸部６１，６２が伸縮方向Ｚに移動し、噛合チェーン１２が伸縮方向Ｚに移動する。噛合チェーン１２の伸縮方向Ｚへの移動は、ガイド部１６によってガイドされる。このとき、一対の歯車６５によって、第１アーム部材４１及び第２アーム部材４２の回動角度は、略同じに維持される。また、一対の歯車６６によって、第７アーム部材４７及び第８アーム部材４８の回動角度も、略同じに維持される。

　従って、第１実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。

　（１）伸縮リンク機構１５は、収容部１３と可動体１４とを相対移動可能に連結する。伸縮リンク機構１５には、支軸３４及び交差軸部６１，６２を介して、ガイド部１６が取り付けられている。伸縮リンク機構１５の伸縮時に、交差軸部６１，６２は、伸縮方向Ｚへは移動するものの、分岐方向Ｘや前後方向Ｙに大きく移動することはない。つまり、伸縮リンク機構１５の伸縮時、交差軸部６１，６２に支持されたガイド部１６は、伸縮リンク機構１５の直線的な移動空間の内側を移動する。このため、ガイド部１６は、伸縮リンク機構１５の移動空間の外側に出っ張ることはない。従って、噛合チェーン１２のガイド部１６の移動空間を小さく抑えることができる。また、ガイド部１６により、噛合チェーン１２の移動をガイドすると共に、噛合チェーン１２の傾きや座屈を抑制することもできる
　（２）伸縮リンク機構１５の伸縮に伴い、第３アーム部材４３及び第４アーム部材４４と、第５アーム部材４５及び第６アーム部材４６とが、交差軸部６１，６２の支軸３４を中心にそれぞれ回動する。また、ガイド部１６は、交差軸部６１，６２に対して支軸３４を中心に回動自在である。このため、第３アーム部材４３～第６アーム部材４６が回動する場合であっても、ガイド部１６は、交差する各アーム部材に対して回動することができる。よって、収容部１３や可動体１４に対するガイド部１６の角度を維持しつつ、噛合チェーン１２の移動をガイドすることができる。

　（３）伸縮リンク機構１５が伸縮して収容部１３及び可動体１４が伸縮方向Ｚに相対移動する場合、一対の歯車６５によって、第１アーム部材４１及び第２アーム部材４２の回動角度はそれぞれ、略同じに維持される。また、一対の歯車６６によって、第７アーム部材４７及び第８アーム部材４８の回動角度もそれぞれ、略同じに維持される。これらにより、伸縮リンク機構１５の伸縮時の歪みを低減することができる。

　（４）ガイド部１６は、伸縮リンク機構１５が伸縮時における移動空間の内側を移動する。このため、噛合チェーン１２は、ガイド部１６によりガイドされながら、伸縮リンク機構１５の移動空間の内側を移動する。これらにより、噛合チェーン１２の移動時に、伸縮リンク機構１５の外側に配置された他の部材との衝突を回避することができる。

　（５）直棒状の噛合チェーン１２を構成する内プレート２４及び外プレート２５の両端縁がガイド部１６と接触することで、噛合チェーン１２の移動がガイドされる。このため、噛合チェーン１２を構成するピン２８の先端がガイド部１６と接触してガイドする場合に比べて、ガイド部１６と噛合チェーン１２との接触長を大きく取ることができる。これにより、噛合チェーン１２の移動を、より円滑かつ安定的にガイドすることができる。

　（６）可動体１４に対する第７及び第８アーム部材４７，４８の先端の連結位置が固定されているため、アーム部材の先端が可動体１４に当接又は離間する構成に比べて、可動体１４を安定して支持することができる。

　（第２実施形態）
　以下、本発明の第２実施形態を図８を参照して説明する。第２実施形態における第１実施形態と同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。

　図８に示すように、可動体移動装置６９では、伸縮リンク機構７０を構成する第１アーム部材７１～第８アーム部材７８の前後方向Ｙにおける幅が、第１実施形態の第１アーム部材４１～第８アーム部材４８の幅に比べて小さい。収容部１３の裏面には、基体部としての基台７９が取り付けられている。伸縮リンク機構７０の基端は、基台７９に取り付けられている。伸縮リンク機構７０の先端は、可動体８０に取り付けられている。基台７９の前後方向Ｙの幅は、収容部１３の前後方向Ｙの幅よりも小さい。

　第１アーム部材７１及び第２アーム部材７２は、一対の基端側アーム部材に相当する。第７アーム部材７７及び第８アーム部材７８は、一対の先端側アーム部材に相当する。第３アーム部材７３及び第４アーム部材７４と、第５アーム部材７５及び第６アーム部材７６は、一対の交差アーム部材にそれぞれ相当する。

　ガイド部１６は、第１交差軸部８１及び第２交差軸部８２の前面に取り付けられている。ガイド部１６は、第３アーム部材７３及び第５アーム部材７５のそれぞれに対して回動可能である。伸縮方向Ｚ及び分岐方向Ｘから見て、ガイド部１６は、伸縮リンク機構７０の移動空間の内側に配置されている。しかしながら、前後方向Ｙから見た場合、ガイド部１６は、伸縮リンク機構７０の移動空間の外側に配置されている。分岐方向Ｘ及び前後方向Ｙから見て、ガイド部１６は、挿通孔６４と同位置に配置されている。

　次に、上記の可動体移動装置６９の作用について説明する。

　伸縮リンク機構７０が収縮した状態からスプロケットを正転させると、直棒状の噛合チェーン１２が挿通孔６４から送り出されると共に、伸長方向Ｚ１に移動する。可動体８０は、噛合チェーン１２の先端により押されて、収容部１３から離間する。噛合チェーン１２の上昇に伴い、伸縮リンク機構７０は伸長する。

　伸縮リンク機構７０は、交差軸部８１，８２を伸縮方向Ｚに移動させつつ伸長する。このとき、交差軸部８１，８２に取着されたガイド部１６は、噛合チェーン１２の伸縮方向Ｚへの移動をガイドする。また、このとき、分岐方向Ｘ及び前後方向Ｙへのガイド部１６の移動範囲は制限されている。

　一方、伸縮リンク機構７０が伸長した状態でスプロケットを逆転させると、噛合チェーン１２は収縮方向Ｚ２に移動する。このため、可動体８０は、噛合チェーン１２に引っ張られて収容部１３に接近する。また、噛合チェーン１２の収縮方向Ｚ２への移動に伴い、伸縮リンク機構７０は収縮する。

　伸縮リンク機構７０が収縮する場合も、交差軸部８１，８２が伸縮方向Ｚに移動し、噛合チェーン１２が伸縮方向Ｚに移動する。噛合チェーン１２の伸縮方向Ｚへの移動は、ガイド部１６によってガイドされる。

　第２実施形態によれば、第１実施形態における（１）～（３）、（５）、（６）の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。

　（７）伸縮リンク機構７０を構成するアーム部材７１～７８の前後方向Ｙの幅が小さくなり、伸縮リンク機構７０を軽量化することができる。

　第１及び第２実施形態は、以下のように変更してもよい。

　・各実施形態において、２対以上のチェーン部材を噛み合わせて、直棒状の噛合チェーン１２を形成してもよい。

　・各実施形態において、可動体１４は、物品載置用のテーブルであってもよい。可動体１４の形状やサイズを変更してもよい。

　・各実施形態において、第３アーム部材４３，７３及び第４アーム部材４４，７４の組、第５アーム部材４５，７５と第６アーム部材４６，７６の組のうちいずれか１組を省略してもよい。また、交差軸部を中心に交差しかつ回動すべく連結されたアーム部材の組を、３組以上としてもよい。

　・各実施形態において、収容部１３から外装１８を外して、誘導板２１を露出させてもよい。誘導溝２２の形状は、渦巻状に限らず、直線状や波状であってもよい。

　・各実施形態において、スプロケット２０は、チェーン部材３１，３２毎にそれぞれ一つずつ、又は２つ以上設置してもよい。

　・各実施形態において、ガイド部１６は、軸孔３５に代えて、交差軸部６１，６２に係合可能な突起部を有してもよい。この場合、ガイド部１６は、突起部を中心に回動可能であってもよい。

　・各実施形態において、伸縮方向Ｚのサイズが異なる複数のガイド部１６を用いてもよい。噛合チェーン１２の座屈や傾きは、収容部１３から離れるほど大きくなり易い。このため、収容部１３から離れたガイド部１６を、収容部１３に近いガイド部１６よりも大きく形成してもよい。これにより、伸縮リンク機構１５の大型化を抑制しつつ、噛合チェーン１２の座屈や傾きを抑制することができる。

　・各実施形態において、ガイド部１６は、噛合チェーン１２の任意の箇所をガイドしてもよい。例えば、噛合チェーン１２のピン２８が通過可能な溝をガイド部１６に形成し、ピン２８の先端をガイド部１６に当接させて噛合チェーン１２をガイドしてもよい。

　・各実施形態において、一対の歯車６５及び一対の歯車６６のうちいずれか一方又は両方を省略してもよい。歯車６５を設けない場合、第１アーム部材４１，７１及び第２アーム部材４２，７２の両基端を、分岐方向Ｘの同位置に設定すると共に、１つの基端側軸部を介し収容部１３又は基台７９に対して連結してもよい。歯車６６を設けない場合、第７アーム部材４７，７７及び第８アーム部材４８，７８の両先端を、分岐方向Ｘの同位置に設定すると共に、１つの先端側軸部を介し可動体１４，８０に対して連結してもよい。

　・各実施形態において、ガイド部１６を、アーム部材４１～４８，７１～７８に固定してもよい。この場合、ガイド部１６のガイド孔３６の開口幅を、噛合チェーン１２の幅よりも大きくすることが好ましい。この場合、伸縮リンク機構１５，７０の伸縮に伴い、アーム部材４１～４８，７１～７８と共にガイド部１６も回動する。このため、ガイド孔３６の開口幅を噛合チェーン１２の幅よりも大きくすれば、噛合チェーン１２がガイド部１６から受ける影響を小さく抑えることができる。また、噛合チェーン１２が前後方向Ｙに傾いた場合、ガイド部１６の凸条部３７によって、噛合チェーン１２を支持することもできる。

　・各実施形態において、可動体移動装置１１，６９は、伸縮方向Ｚを鉛直方向に一致させて配置してもよい。この場合、収容部１３を、可動体１４よりも下方に配置してもよく、可動体１４よりも上方に配置してもよい。また、可動体移動装置１１，６９は、伸縮方向Ｚを水平方向に一致させて配置してもよい。

Claims

進退移動可能な少なくとも一対のチェーン部材を有し、前記チェーン部材の対が進行方向に移動し噛み合うことで一体化し、一体化したチェーン部材の対が退行方向に移動しチェーン部材の噛合が解除されることで分岐する噛合チェーンと、
　前記噛合チェーンの退行方向側の領域に固定される基体部と、
　前記基体部よりも前記進行方向側の領域に配置され、前記噛合チェーンの進退移動方向に移動可能な可動体と、
　前記可動体と前記基体部との間に伸縮自在に配置され、前記基体部と前記可動体とを相対移動可能に連結する伸縮リンク機構と、
　前記伸縮リンク機構の伸縮に伴い、前記チェーン部材の対が噛合した噛合チェーンの進退移動方向への移動をガイドするガイド部とを備え、
　前記伸縮リンク機構は、
　前記伸縮リンク機構の伸縮方向と直交する支軸と、
　前記支軸を中心に交差しかつ回動するように連結された少なくとも一対の交差アーム部材と、
　前記交差アーム部材に対し回動自在に連結される一端と前記基体部に対し回動自在に連結される他端とを有する一対の基端側アーム部材と、
　前記交差アーム部材に対し回動自在に連結される一端と前記可動体に対し回動自在に連結される他端とを有する一対の先端側アーム部材とを有し、
　前記ガイド部は、前記伸縮リンク機構において前記一対の交差アーム部材が交差し連結される連結部分に設けられていることを特徴とする可動体移動装置。
請求項１記載の可動体移動装置において、
　前記ガイド部は、前記連結部分に対して前記支軸を中心に回動自在であることを特徴とする可動体移動装置。
請求項１又は２記載の可動体移動装置において、
　前記一対の基端側アーム部材及び前記一対の先端側アーム部材の少なくとも一方には、互いに歯合する一対の歯車が設けられ、
　前記一対の歯車は一対のアーム部材に固定され、かつ前記噛合チェーンに対し線対称であることを特徴とする可動体移動装置。
請求項１～３のうちいずれか一項に記載の可動体移動装置において、
　前記ガイド部は、前記伸縮リンク機構の伸縮時における移動空間の内側に設けられていることを特徴とする可動体移動装置。
請求項１～４のうちいずれか一項に記載の可動体移動装置において、
　前記噛合チェーンを構成するチェーン部材は、前記進退移動方向に直列に連結される複数のリンクプレートと、隣り合うリンクプレートの重ね合わせられた端部同士を連結するピンとを有し、
　前記噛合チェーンが進退移動するとき、前記ガイド部は、前記リンクプレートの前記進退移動方向に延びる部分と接触することで、前記噛合チェーンの移動をガイドすることを特徴とする可動体移動装置。