WO2014196024A1 - スライドファスナー用連続エレメント列成型装置の芯紐供給装置 - Google Patents

Abstract

芯紐ボビン（Ｂ）の交換を容易に行うことができ、生産性を向上することができるコイルエレメント成型装置（１００）の芯紐供給装置（１０）を提供する。芯紐供給装置（１０）は、対向する側壁（２１ａ，２１ｂ）にそれぞれ回転可能に支持される第１及び第２駆動軸（２５ａ，２５ｂ）と、第１及び第２駆動軸（２５ａ，２５ｂ）間に配置されるボビン支持部（３０）と、を備え、ボビン支持部（３０）は、ボビンホルダ（３３）を備え、ボビンホルダ（３３）の基端部は、第１駆動軸（２５ａ）にヒンジ部（６５）を介して取り付けられ、ボビンホルダ（３３）は、ヒンジ部（６５）を中心に、ボビンホルダ（３３）の先端部が第２駆動軸（２５ｂ）から離れる方向に回転可能である。

Description

スライドファスナー用連続エレメント列成型装置の芯紐供給装置

　この発明は、スライドファスナー用連続エレメント列成型装置の芯紐供給装置に関する。

　従来のスライドファスナー用連続エレメント列成型装置としては、マンドレルを介して芯紐にモノフィラメントをコイル状に巻き付けることによりコイルエレメントを成型するものが知られており、その芯紐供給装置としては、芯紐が巻き付けられた芯紐ボビンを支持するボビン支持部と、ボビン支持部に近接配置され、芯紐ボビンの外周を回動することで芯紐を導出する芯紐用ガイド部と、を備えるものが知られている（例えば、特許文献１参照）。そして、ボビン支持部は、一対の円錐状のチャックと、一方のチャックを他方のチャックに向かって付勢するバネと、を備え、バネの付勢力により一対のチャック間に芯紐ボビンが挟持されている。

英国特許第１３１５０２１号明細書

　ところで、上記特許文献１に記載の芯紐供給装置では、芯紐ボビンを交換する際、一方のチャックをバネの付勢力に抗して他方のチャックから離間する方向に移動させつつ、比較的重量のある芯紐ボビンの交換を行うため、作業員への負担が大きく、交換作業が煩瑣であった。さらに、芯紐ボビンの周囲にモノフィラメントが存在するため、作業員がモノフィラメントとの接触を回避しつつ且つ芯紐ボビンの芯紐に汚れなどが付着しないように芯紐ボビンを交換しなければならず、交換作業に時間が掛かり、生産性が低下する可能性があった。

　本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、芯紐ボビンの交換を容易に行うことができ、生産性を向上することができるスライドファスナー用連続エレメント列成型装置の芯紐供給装置を提供することにある。

　本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
（１）対向する一対の側壁を有するハウジングと、一対の側壁にそれぞれ回転可能に支持される第１及び第２駆動軸と、第１及び第２駆動軸間に配置され、芯紐が巻き付けられた芯紐ボビンを支持するボビン支持部と、芯紐ボビンの外周を回動して芯紐ボビンの芯紐を導出する芯紐用ガイド部と、第１及び第２駆動軸にそれぞれ設けられ、モノフィラメントを案内するフィラメント用ガイド部と、を備えるスライドファスナー用連続エレメント列成型装置の芯紐供給装置であって、ボビン支持部は、ボビンホルダを備え、ボビンホルダの基端部は、第１駆動軸又は第２駆動軸にヒンジ部を介して取り付けられ、ボビンホルダは、ヒンジ部を中心に、ボビンホルダの先端部が第１又は第２駆動軸から離れる方向に回転可能であることを特徴とするスライドファスナー用連続エレメント列成型装置の芯紐供給装置。
（２）ボビン支持部は、第１駆動軸に対して回転可能に支持される第１部と、第２駆動軸に対して回転可能に支持される第２部と、第１及び第２部を連結する連結板と、を備え、ヒンジ部は、第１又は第２部に取り付けられることを特徴とする（１）に記載のスライドファスナー用連続エレメント列成型装置の芯紐供給装置。
（３）ヒンジ部は、回転軸を備える回転部と、回転部の両側に配置され、回転軸が挿通される一対の軸支持部と、ロック機構と、を備え、ロック機構は、回転部に設けられる第１係合孔と、一対の軸支持部に設けられる第２係合孔と、ロック機構のロック時に第１係合孔及び第２係合孔に挿入されるロックピンと、を備えることを特徴とする（２）に記載のスライドファスナー用連続エレメント列成型装置の芯紐供給装置。
（４）ロック機構は、ロックピンを回転軸と平行にスライド可能に支持するピン支持部を備えることを特徴とする（３）に記載のスライドファスナー用連続エレメント列成型装置の芯紐供給装置。
（５）ハウジングのヒンジ部が設けられる側の側壁に固定され、側壁と対向する側壁に向かって延設されるブラケットを備え、ブラケットには、ロック機構の解除時にロックピンをロック機構の第１係合孔及び第２係合孔から抜き出して移動させたときに、ロックピンが挿入される第３係合孔が形成されることを特徴とする（３）又は（４）に記載のスライドファスナー用連続エレメント列成型装置の芯紐供給装置。
（６）ボビンホルダの先端部に、芯紐用ガイド部を回転可能に支持するガイド支持部が着脱可能に設けられることを特徴とする（１）～（５）のいずれか１つに記載のスライドファスナー用連続エレメント列成型装置の芯紐供給装置。

　本発明のコイルエレメント成型用の芯紐供給装置によれば、ボビン支持部のボビンホルダの基端部は、第１駆動軸又は第２駆動軸にヒンジ部を介して取り付けられ、ボビンホルダは、ヒンジ部を中心に、ボビンホルダの先端部が第１又は第２駆動軸から離れる方向に回転可能であるため、ボビンホルダをヒンジ部の回転軸を中心にしてスイングさせることができる。従って、ボビンホルダをスイングさせた状態のまま、ボビンホルダに対して芯紐ボビンを抜き差しするだけで交換ができるため、芯紐ボビンの交換を容易に行うことができる。また、交換時間を短縮することができるので、コイルエレメントの生産性を向上することができる。

本発明に係る芯紐供給装置の一実施形態が採用されたスライドファスナー用連続エレメント列成型装置を説明する正面図である。 図１に示す芯紐供給装置を説明する上面図である。 図２に示すヒンジ部を説明する要部拡大斜視図である。 ロック機構のロック時の状態を説明する要部拡大正面図である。 ロック機構の解除時の状態を説明する要部拡大正面図である。 ロック機構が解除され、ボビン支持部がスイングされた状態を説明する上面図である。 ボビン支持部がスイングされ、ガイド支持部が取り外された状態を説明する正面図である。

　以下、本発明に係るコイルエレメント成型装置（スライドファスナー用連続エレメント列成型装置）の芯紐供給装置の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明において、コイルエレメント成型装置に関しては、後述するコイルエレメント列を成型して排出する方向を後側とし、その反対方向を前側とし、前側とは図１の紙面に対して左側、後側とは図１の紙面に対して右側とする。この前後方向は後述するモノフィラメントが芯紐にコイル状に巻き付けるときの軸方向に平行である。この前後方向に直交する上下左右方向にて、上側とは図１の紙面に対して上側、下側とは図１の紙面に対して下側、左側とは図１の紙面に対して手前側、右側とは図１の紙面に対して奥側とする。また、左右方向は、後側から前側に向けて見た状態で、上下を一致させた状態での左側、右側に一致する。また、コイルエレメント成型装置の前後方向は、ボビンホルダの長さ方向とも言う。また、コイルエレメント成型装置の左右方向は、ボビンホルダの幅方向とも言う。また、コイルエレメント成型装置の上下方向は、ボビンホルダの高さ方向とも言う。ここで、コイルエレメント成型装置は、左右方向が水平面に対して平行であり、上下方向が水平面に対して鉛直な鉛直方向であり、重力が作用する方向に平行である。

　本実施形態に係るコイルエレメント成型装置１００は、芯紐Ｓ及びモノフィラメントＭの両方を同調した状態で搬送して、マンドレル１０１を用いて芯紐ＳにモノフィラメントＭをコイル状に巻き付けることによりコイルエレメントを成型するものである。また、モノフィラメントＭは、連続状でボビンに巻きつけられており、そのボビンをコイルエレメント成型装置１００の前側に配置し、モノフィラメントＭをコイルエレメント成型装置１００に導入して、モノフィラメントＭと、コイルエレメント成型装置１００に備える芯紐供給装置１０の芯紐Ｓとが、コイルエレメント成型部に導入されることで、芯紐Ｓにコイル状に巻き付けたコイルエレメントが成型され、コイルエレメント成型装置１００から連続的に排出される。このコイルエレメント列は連続エレメント列とも言う。

　コイルエレメント成型装置１００は、図１に示すように、前後方向に延びる棒状のマンドレル１０１と、マンドレル１０１の両側に設けられる一対のスクリュー１０２と、外周面に芯紐Ｓが巻き付けられた芯紐ボビンＢを内部で保持すると共に、芯紐Ｓ及びモノフィラメントＭの両方を同調した状態でマンドレル１０１側に供給する芯紐供給装置１０と、を備える。芯紐ボビンＢは、所定の直径の中空状の円筒部の周囲に、複数の糸を束ねて撚りを掛けた撚り紐からなる芯紐Ｓを巻き付けている。なお、芯紐Ｓが撚り紐であることは、一例に過ぎない。

　芯紐供給装置１０は、図１及び図２に示すように、前後方向に対向する一対の側壁２１ａ，２１ｂを有するハウジング２０と、一対の側壁２１ａ，２１ｂにそれぞれ回転可能に支持される第１及び第２駆動軸２５ａ，２５ｂと、第１及び第２駆動軸２５ａ，２５ｂ間に配置され、芯紐ボビンＢを支持するボビン支持部３０と、芯紐ボビンＢの外周を回動することで芯紐ボビンＢの芯紐Ｓを導出する芯紐用ガイド部４５と、芯紐用ガイド部４５を回転可能に支持するガイド支持部５０と、第１及び第２駆動軸２５ａ，２５ｂにそれぞれ設けられ、マンドレル１０１に向けて搬送されるモノフィラメントＭを案内する第１及び第２フィラメント用ガイド部５５ａ，５５ｂと、を備える。

　第１駆動軸２５ａ及び第２駆動軸２５ｂは、前後方向に延びる軸を中心に回転するものである。また、マンドレル１０１は、この軸中心方向に沿って配置されており、マンドレル１０１の前側の先端は側壁２１ａよりも前側まで延びている。芯紐用ガイド部４５は、ガイド支持部５０の中心軸から上下方向又は左右方向に延びている。また、第１及び第２フィラメント用ガイド部５５ａ，５５ｂは、第１駆動軸２５ａ又は第２駆動軸２５ｂの中心軸から上下方向又は左右方向に延びている。ここで、芯紐用ガイド部４５及びフィラメント用ガイド部５５ａ，５５ｂは、上下方向及び左右方向の寸法が前後方向の寸法よりも大きい平板状であり、その先端に芯紐Ｓ又はモノフィラメントＭを保持するものであることから、芯紐用ガイドアーム４５及びフィラメント用ガイドアーム５５ａ，５５ｂと言うこともできる。第１駆動軸２５ａ及び第２駆動軸２５ｂには、第１及び第２フィラメント用ガイド部５５ａ，５５ｂに対して、その中心軸を対称に延びるバランス部５７ａ，５７ｂが取り付けられる。このバランス部５７ａ，５７ｂは、第１及び第２フィラメント用ガイド部５５ａ，５５ｂと同様に平板状であり、回転する際に中心軸にかかる負荷を均等にするためのものである。なお、バランス部５７ａ，５７ｂを無くすことも可能である。

　第１駆動軸２５ａは、円柱状部材であり、その外周面が前側の側壁２１ａに不図示の軸受を介して回転可能に支持されている。第２駆動軸２５ｂは、円筒状部材であり、その外周面が後側の側壁２１ｂに不図示の軸受を介して回転可能に支持されている。そして、第１及び第２駆動軸２５ａ，２５ｂは、不図示のモーター及び動力伝達機構により互いに同期して回転するように設けられている。

　第１駆動軸２５ａには、幅方向が高さ方向より小さい細板状部材で第１駆動軸２５ａの軸方向（前後方向でもある）に垂直な方向で、第１駆動軸２５ａから延びる第１フィラメント用ガイド部５５ａが取り付けられる。第１フィラメント用ガイド部５５ａの一端部には、モノフィラメントＭを挿通させるフィラメント挿通孔５６が、その軸方向に貫通して形成されている。第２駆動軸２５ｂには、第１フィラメント用ガイド部５５ａと同様の細板状部材の第２フィラメント用ガイド部５５ｂが取り付けられる。第２フィラメント用ガイド部５５ｂの一端部には、モノフィラメントＭを挿通させるフィラメント挿通孔５６が、その軸方向に貫通して形成されている。なお、第１及び第２フィラメント用ガイド部５５ａ，５５ｂは、同位相で回転するように設定されている。そして、第１及び第２フィラメント用ガイド部５５ａ，５５ｂが回転すると、そのフィラメント挿通孔５６に通されたモノフィラメントＭが、芯紐ボビンＢの周囲を回転する。この回転によって、マンドレル１０１に通った芯紐Ｓの周囲にモノフィラメントＭが巻き付けられて、スクリュー１０２でコイルエレメントに成型される。

　また、第２駆動軸２５ｂの内周面には、不図示の軸受が設けられており、この軸受内に固定軸２５ｃが挿通されている。このため、固定軸２５ｃは、第２駆動軸２５ｂに、第２駆動軸２５ｂが回転可能になるように支持されている。また、固定軸２５ｃの後端部には、マンドレル１０１が固定されている。また、固定軸２５ｃの中心軸上には、芯紐Ｓをマンドレル１０１側に通すための貫通穴２６が形成されている。

　そして、第１及び第２駆動軸２５ａ，２５ｂは、図２に示すように、その回転中心軸Ｌ１，Ｌ２が互いに平行で、且つ幅方向において互いに交わることのない、所謂、オフセットするように配置されている。

　ボビン支持部３０は、図１及び図２に示すように、第１駆動軸２５ａに対して回転可能に支持される第１側板部（第１部）３１ａと、第２駆動軸２５ｂに対して回転可能に支持される第２側板部（第２部）３１ｂと、第１及び第２側板部３１ａ，３１ｂを前後方向に連結する連結板３２と、芯紐ボビンＢを支持するボビンホルダ３３と、を備える。第１及び第２側板部３１ａ，３１ｂは、上下方向及び左右方向に延びる平板状である。

　第１側板部３１ａは、不図示の軸受を備え、その軸受内に第１駆動軸２５ａの後端部が挿通されている。このため、第１側板部３１ａは、第１駆動軸２５ａに、第１駆動軸２５ａが回転可能になるように支持されている。第２側板部３１ｂは、固定軸２５ｃの前端部に固定されている。このため、第２側板部３１ｂは、固定軸２５ｃと共に第２駆動軸２５ｂに対して回転可能に支持されている。つまり、第２駆動軸２５ｂは、固定軸２５ｃの周囲を回転する。

　これにより、第１駆動軸２５ａが回転したときには、第１側板部３１ａの軸受によって、第１駆動軸２５ａが第１側板部３１ａの軸受内を回転し、第２駆動軸２５ｂが回転したときには、第２壁部２１ｂの軸受によって、第２駆動軸２５ｂが第２壁部２１ｂの軸受内を回転する。そして、連結板３２が第１及び第２側板部３１ａ，３１ｂを介して第１及び第２駆動軸２５ａ，２５ｂに接続され、第１及び第２駆動軸２５ａ，２５ｂがオフセットして配置されているので、第１及び第２駆動軸２５ａ，２５ｂの回転と共に、第１側板部３１ａ、第２側板部３１ｂ、及び連結板３２が一緒に回転することが防止される。つまり、ボビン支持部３０が第１及び第２駆動軸２５ａ，２５ｂの回転に伴って回転することが防止される。

　ボビンホルダ３３は、第１側板部３１ａ側の基端部となる略円環状の基板部３４と、基板部３４から後方に延びる４本のロッド３５と、４本のロッド３５の先端部にて、それぞれのロッド３５に跨るように取り付けられ、芯紐ボビンＢの内周面を案内する円環状のボビン案内板３６と、を備える。そして、４本のロッド３５及びボビン案内板３６に芯紐ボビンＢの円筒部を嵌合させることにより、芯紐ボビンＢがボビンホルダ３３に支持される。また、ボビンホルダ３３の基板部３４は、第１側板部３１ａの左端部に、回転の中心軸が上下方向に延びるヒンジ部６５を介して回転可能に取り付けられている。

　ヒンジ部６５は、図１～図３に示すように、第１側板部３１ａの左端面に突出して設けられる上下一対の軸支持部６６と、一対の軸支持部６６の間に配置され、ボビンホルダ３３の基板部３４に一体に取り付けられる回転部６７と、上下一対の軸支持部６６に対して回転部６７を回転可能に支持する回転軸６８と、を備える。

　そして、上下一対の軸支持部６６及び回転部６７には、回転軸６８を挿通するための軸挿通孔６６ａ，６７ａが上下方向に沿ってそれぞれ形成されている。回転軸６８は、その両端が回転部６７から突出するように、回転部６７にネジで固定されている。そして、回転部６７から突出した回転軸６８が上下の軸支持部６６の軸挿通孔６６ａにそれぞれ挿通されて、回転部６７が回転可能になっている。このため、回転軸６８は、連結板３２の長さ方向及び幅方向に直交する方向、即ち、上下方向に沿って配置される。従って、ヒンジ部６５の回転軸６８を中心にして、ボビンホルダ３３のボビン案内板３６側を幅方向左側にスイングさせることが可能となる。

　なお、このボビンホルダ３３のスイングは、初期位置から約９０度に渡って回転することができるが、交換に必要なスイング角度は約５０度ほどで十分である。そして、このスイング角度を規制することもできる。この場合、スイング状態での作業場所が９０度回転する場合に比べて、小さくて済む。なお、上記におけるスイングは水平に回転するが、水平面に鉛直な鉛直方向の上方向にスイングするようにもできる。この場合には、芯紐ボビンＢは、コイルエレメント成型装置１００の上側から交換される。

　芯紐用ガイド部４５を支持するガイド支持部５０は、図１及び図２に示すように、略円環状部材であり、その一方面に、ボビンホルダ３３のボビン案内板３６の内周面に着脱可能に嵌合する嵌合凸部５１が形成されている。このため、芯紐用ガイド部４５を有するガイド支持部５０を、ボビンホルダ３３の先端部であるボビン案内板３６に着脱可能に取り付けることが可能となる。

　また、ガイド支持部５０の中心部には、前後方向に垂直な方向に延び、その長さが芯紐ボビンＢに芯紐Ｓが巻き付けられた状態での直径を超えた箇所で、前側に屈曲した略Ｌ字状を呈する芯紐用ガイド部４５、及びガイド支持部５０の中心軸を中心にして芯紐用ガイド部４５と対称に延びる略Ｌ字状のバランス部４６が取り付けられている。このバランス部４６は、芯紐用ガイド部４５と同様に平板状であり、回転する際に中心軸にかかる負荷を均等にするためのものである。なお、バランス部４６を無くすことも可能である。

　また、芯紐用ガイド部４５には、芯紐Ｓを挿通させる第１及び第２芯紐挿通孔４５ａ，４５ｂが形成されている。そして、芯紐ボビンＢから出された芯紐Ｓは、芯紐ボビンＢ側から芯紐用ガイド部４５の外側に向けて第１芯紐挿通孔４５ａに挿通された後、後方向に引き出されて、芯紐用ガイド部４５の外側から芯紐ボビンＢ側に向けて第２芯紐挿通孔４５ｂに挿通される。さらに、ガイド支持部５０の中心部には、第１及び第２芯紐挿通孔４５ａ，４５ｂを通過した芯紐Ｓを後述する芯紐バッファー機構８０にガイドするガイド部４５ｃが形成されている。

　また、本実施形態では、図１に示すように、ヒンジ部６５にロック機構７５が設けられており、このロック機構７５は、図３～図５に示すように、ヒンジ部６５の回転部６７に上下方向に沿って形成される第１係合孔７６ａと、第１係合孔７６ａに連通可能で上下の軸支持部６６に上下方向に沿って形成される２つの第２係合孔７６ｂと、ロック機構７５のロック時に上部側が第１係合孔７６ａ及び２つの第２係合孔７６ｂに挿入されるロックピン７７と、第１側板部３１ａの左端面に前側に突出して設けられ、ロックピン７７を上下スライド可能に支持するピン支持部７８と、を備える。

　また、ピン支持部７８には、ロックピン７７を挿通させる第１ピン挿通孔７８ａが上下方向に沿って形成されている。また、連結板３２にも、ロックピン７７を挿通させる第２ピン挿通孔７８ｂが上下方向に沿って形成されている。

　また、第１側板部３１ａの左端面には、ロック機構７５のロック時においてロックピン７７の操作片７７ａを引っ掛けることによりロックピン７７の下方へのスライドを規制する掛止ボルト７９が右方向に突出するように取り付けられている。操作片７７ａは、ロックピン７７の長手方向に対して垂直に延びている。

　ここで、ロック機構７５によるロック時とは、ロックピン７７が、回転部６７の第１係合孔７６ａと、上下の軸支持部６６の第２係合孔７６ｂとに渡って挿通された状態である。これにより、ヒンジ部６５の回転軸６８を中心にして、ボビンホルダ３３をスイングさせることができなくなる。そして、ロック解除時とは、ロックピン７７の操作片７７ａを掛止ボルト７９から外して、ロックピン７７を下方向へスライドし、ロックピン７７の上端が回転部６７の第１係合孔７６ａから抜け出て、且つ下側の軸支持部６６の第２係合孔７６ｂの中に位置した状態である。これにより、ヒンジ部６５の回転軸６８を中心にして、ボビンホルダ３３をスイングさせることが可能になる。

　ハウジング２０の前側の側壁２１ａの内側面（後側面）には、内側面からロック機構７５のロックピン７７の下方にまで延設される略Ｌ字状のブラケット６０が取り付けられており、このブラケット６０には、ロック機構７５の解除時にロックピン７７の下部側が挿入される第３係合孔６０ａが上下方向に沿って形成されている。そして、ロック解除時には、操作片７７ａがピン支持部７８の上面に当たることで、ロックピン７７の下方向へのスライドが停止され、この状態にて、ロックピン７７の下部側がブラケット６０の第３係合孔６０ａに挿入されて係合される。従って、上記第１係合孔７６ａ、第２係合孔７６ｂ、第１ピン挿通孔７８ａ、第２ピン挿通孔７８ｂ、及び第３係合孔６０ａは、ヒンジ部６５の閉状態において、その位置が上下方向において一致しており、ロックピン７７を上下にスライドして、それぞれに挿通することが可能になっている。

　また、図１及び図７に示すように、ボビン支持部３０には、芯紐ボビンＢが空になった時点からコイルエレメント成型装置１００の駆動が停止されるまでの間にマンドレル１０１に供給される芯紐Ｓを溜めておく芯紐バッファー機構８０が設けられている。

　芯紐バッファー機構８０は、第２側板部３１ｂの芯紐用ガイド部４５側の面に設けられるベース部８１と、ベース部８１の左端面に取り付けられ、芯紐Ｓのテンションを調整するテンション調整部８２と、ベース部８１の左端面に取り付けられ、芯紐Ｓをガイドする４本のガイドロッド８３と、連結板３２の上面の第１側板部３１ａ側の端部に取り付けられるプーリー８４と、を備える。

　テンション調整部８２は、成型されたコイルエレメントがスクリュー１０２の回転に伴ってコイルエレメント成型装置１００から排出される際に、排出方向に引っ張られるテンションが所定の値になるように調整する部分であり、このテンション調整部８２を介して芯紐ボビンＢから芯紐Ｓが取り出される。芯紐Ｓが引っ張られることにより、芯紐用ガイド部４５が芯紐ボビンＢの周囲を、芯紐Ｓの巻回方向と反対方向に回転することで、芯紐ボビンＢから芯紐Ｓが外され、外された芯紐Ｓは、芯紐バッファー機構８０を通ってマンドレル１０１に導出して供給される。このため、芯紐用ガイド部４５の回転には駆動を行う機構は設けられていない。

　このように構成された芯紐供給装置１０では、ロックピン７７を上方にスライドして、ロックピン７７の上部側をヒンジ部６５の回転部６７の第１係合孔７６ａ及び上下の軸支持部６６の第２係合孔７６ｂに挿入させることにより、ロック機構７５がロック状態となり、ボビンホルダ３３がスイング不能となる（図４参照）。また、ロックピン７７を下方にスライドして、ロックピン７７の下部側をブラケット６０の第３係合孔６０ａに挿入させることにより、ロック機構７５が解除状態となり、ボビンホルダ３３がスイング可能となる（図５参照）。

　さらに、上記ロック機構７５の解除時において、芯紐ボビンＢを交換するためにボビンホルダ３３を幅方向左側にスイングさせる場合（図６、図７参照）、スイングさせたボビンホルダ３３に重力が作用して、ボビン支持部３０が第１及び第２駆動軸２５ａ，２５ｂを中心にして回転しようとするが、ロックピン７７の下部側がブラケット６０の第３係合孔６０ａに挿入されているため、ボビン支持部３０が第１及び第２駆動軸２５ａ，２５ｂを中心にして回転することが規制される。このため、交換する際のボビン支持部３０の位置を固定することができるので、交換作業が行いやすく、また、ボビン支持部３０の回転による第１及び第２駆動軸２５ａ，２５ｂへの負担を回避することができるので、コイルエレメント成型装置１００の耐久性を向上することができる。

　また、本実施形態では、第１及び第２駆動軸２５ａ，２５ｂが幅方向にオフセットして配置され、ボビン支持部３０の第１側板部３１ａが第１駆動軸２５ａに回転可能に支持され、ボビン支持部３０の第２側板部３１ｂが固定軸２５ｃを介して第２駆動軸２５ｂに回転可能に支持され、第１側板部３１ａと第２側板部３１ｂとの間が連結板３２により連結されているため、ボビン支持部３０及び固定軸２５ｃは、第１及び第２駆動軸２５ａ，２５ｂと共に回転することはない。

　以下に、図４～図７を参照して、本実施形態の芯紐供給装置１０における芯紐ボビンＢの交換手順について説明する。

　まず、図４に示すように、ロック機構７５のロック時、即ち、ロックピン７７の上部側がヒンジ部６５の回転部６７の第１係合孔７６ａ及び上下の軸支持部６６の第２係合孔７６ｂに挿入された状態では、ボビンホルダ３３を幅方向左側にスイングさせることはできない。

　次に、図５に示すように、ロックピン７７の操作片７７ａを掛止ボルト７９から外した後、ロックピン７７を下方にスライドさせることにより、ロックピン７７の上部側が第１係合孔７６ａから抜き出されると共に、ロックピン７７の下部側がブラケット６０の第３係合孔６０ａに挿入される。これにより、ロック機構７５が解除状態になると共に、ボビン支持部３０の回転が規制される。

　次に、図６及び図７に示すように、ボビンホルダ３３を幅方向左側にスイングさせた後、ボビンホルダ３３からガイド支持部５０を取り外す。そして、ボビンホルダ３３から芯紐Ｓがなくなった状態の芯紐ボビンＢをロッド３５に沿って基板部３４から離れる方向にスライドさせ抜き取る。そして、新たに芯紐Ｓが巻き付けられた芯紐ボビンＢをボビンホルダ３３にボビン案内板３６側から基板部３４に向けて差し込む。その後、ガイド支持部５０をボビンホルダ３３に取り付けた後、ボビンホルダ３３を幅方向右側にスイングさせて、ヒンジ部６５を閉状態にする。なお、交換の際には、交換前の芯紐Ｓが芯紐用ガイド部４５の第１芯紐挿通孔４５ａに挿通された状態や交換前の芯紐Ｓがテンション調整部８２よりも芯紐用ガイド部４５寄りにある状態の方が、交換後に、先の芯紐Ｓに新しい芯紐ボビンＢの芯紐Ｓを結びやすいので、交換作業が行いやすい。

　次に、ロックピン７７を上方にスライドさせた後、ロックピン７７の操作片７７ａを掛止ボルト７９に引っ掛けることにより、ロックピン７７の上部側が第１係合孔７６ａに挿入されると共に、ロックピン７７の下部側がブラケット６０の第３係合孔６０ａから抜き出される。これにより、ロック機構７５がロック状態になり、芯紐ボビンＢの交換作業が完了する。

　以上説明したように、本実施形態の芯紐供給装置１０によれば、ボビン支持部３０のボビンホルダ３３の基端部が、第１駆動軸２５ａにヒンジ部６５を介して取り付けられ、ボビンホルダ３３は、ヒンジ部６５を中心に、ボビンホルダ３３の先端部が第２駆動軸２５ｂから離れる方向に回転可能であるため、ボビンホルダ３３をヒンジ部６５の回転軸を中心にしてスイングさせることができる。従って、ボビンホルダ３３をスイングさせた状態のまま、ボビンホルダ３３に対して芯紐ボビンＢを抜き差しするだけで交換ができるため、芯紐ボビンＢの交換を容易に行うことができる。また、交換時間を短縮することができるので、コイルエレメントの生産性を向上することができる。

　また、本実施形態の芯紐供給装置１０によれば、ロック機構７５の解除時に、ロックピン７７の下部側をハウジング２０側に固定されるブラケット６０の第３係合孔６０ａに挿入させるため、ボビンホルダ３３をスイングさせた際のボビン支持部３０の回転を規制することができる。このため、芯紐ボビンＢの交換を更に容易に行うことができる。また、ボビン支持部３０の回転が規制されるため、ボビン支持部３０の回転による第１及び第２駆動軸２５ａ，２５ｂへの負担を回避することができるので、コイルエレメント成型装置１００の耐久性を向上することができる。

　また、本実施形態の芯紐供給装置１０によれば、芯紐用ガイド部４５を有するガイド支持部５０を、ボビンホルダ３３の先端部のボビン案内板３６に嵌合により着脱するため、固定機構を別途設ける必要がなく、コイルエレメント成型装置１００の製造コストを低減することができる。また、固定機構を操作する必要もないので、芯紐ボビンＢの交換をスムーズに行うことができる。

　また、本実施形態の芯紐供給装置１０によれば、ロック機構７５のロックピン７７を上方にスライドさせることにより、ボビンホルダ３３のスイングを規制し、ロックピン７７を下方にスライドさせることにより、ボビン支持部３０の回転を規制するため、１本のロックピン７７が２つの機能を有している。このため、１つの機能ごとに専用の機構を用意する必要がないので、コイルエレメント成型装置１００の製造コストを低減することができる。

　なお、本発明は上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
　例えば、本実施形態では、ロックピン７７のピン支持部７８を第１側板部３１ａに設けているが、これに限定されず、ピン支持部７８を連結板３２の上面に設けてもよい。
　また、ボビンホルダ３３の４本のロッド３５を、１つの円筒状の部材にしてもよい。

　　１００　コイルエレメント成型装置（スライドファスナー用連続エレメント列成型装置）
　　１０　　芯紐供給装置
　　２０　　ハウジング
　　２１ａ　側壁
　　２１ｂ　側壁
　　２５ａ　第１駆動軸
　　２５ｂ　第２駆動軸
　　３０　　ボビン支持部
　　３１ａ　第１側板部（第１部）
　　３１ｂ　第２側板部（第２部）
　　３２　　連結板
　　３３　　ボビンホルダ
　　４５　　芯紐用ガイド部
　　５０　　ガイド支持部
　　５５ａ　第１フィラメント用ガイド部
　　５５ｂ　第２フィラメント用ガイド部
　　６０　　ブラケット
　　６０ａ　第３係合孔
　　６５　　ヒンジ部
　　６６　　軸支持部
　　６７　　回転部
　　６８　　回転軸
　　７５　　ロック機構
　　７６ａ　第１係合孔
　　７６ｂ　第２係合孔
　　７７　　ロックピン
　　７８　　ピン支持部
　　８０　　芯紐バッファー機構
　　　Ｓ　　芯紐
　　　Ｍ　　モノフィラメント
　　　Ｂ　　芯紐ボビン
　　Ｌ１　　第１駆動軸の回転中心軸
　　Ｌ２　　第２駆動軸の回転中心軸

Claims (6)

1. 　対向する一対の側壁（２１ａ，２１ｂ）を有するハウジング（２０）と、
   　前記一対の側壁（２１ａ，２１ｂ）にそれぞれ回転可能に支持される第１及び第２駆動軸（２５ａ，２５ｂ）と、
   　前記第１及び第２駆動軸（２５ａ，２５ｂ）間に配置され、芯紐（Ｓ）が巻き付けられた芯紐ボビン（Ｂ）を支持するボビン支持部（３０）と、
   　前記芯紐ボビン（Ｂ）の外周を回動して前記芯紐ボビン（Ｂ）の前記芯紐（Ｓ）を導出する芯紐用ガイド部（４５）と、
   　前記第１及び第２駆動軸（２５ａ，２５ｂ）にそれぞれ設けられ、モノフィラメント（Ｍ）を案内するフィラメント用ガイド部（５５ａ，５５ｂ）と、を備えるスライドファスナー用連続エレメント列成型装置（１００）の芯紐供給装置（１０）であって、
   　前記ボビン支持部（３０）は、ボビンホルダ（３３）を備え、
   　前記ボビンホルダ（３３）の基端部は、前記第１駆動軸（２５ａ）又は前記第２駆動軸（２５ｂ）にヒンジ部（６５）を介して取り付けられ、
   　前記ボビンホルダ（３３）は、前記ヒンジ部（６５）を中心に、前記ボビンホルダ（３３）の先端部が前記第１又は第２駆動軸（２５ａ，２５ｂ）から離れる方向に回転可能であることを特徴とするスライドファスナー用連続エレメント列成型装置（１００）の芯紐供給装置（１０）。
2. 　前記ボビン支持部（３０）は、前記第１駆動軸（２５ａ）に対して回転可能に支持される第１部（３１ａ）と、前記第２駆動軸（２５ｂ）に対して回転可能に支持される第２部（３１ｂ）と、前記第１及び第２部（３１ａ，３１ｂ）を連結する連結板（３２）と、を備え、
   　前記ヒンジ部（６５）は、前記第１又は第２部（３１ａ，３１ｂ）に取り付けられることを特徴とする請求項１に記載のスライドファスナー用連続エレメント列成型装置（１００）の芯紐供給装置（１０）。
3. 　前記ヒンジ部（６５）は、回転軸（６８）を備える回転部（６７）と、前記回転部（６７）の両側に配置され、前記回転軸（６８）が挿通される一対の軸支持部（６６）と、ロック機構（７５）と、を備え、
   　前記ロック機構（７５）は、前記回転部（６７）に設けられる第１係合孔（７６ａ）と、前記一対の軸支持部（６６）に設けられる第２係合孔（７６ｂ）と、前記ロック機構（７５）のロック時に前記第１係合孔（７６ａ）及び前記第２係合孔（７６ｂ）に挿入されるロックピン（７７）と、を備えることを特徴とする請求項２に記載のスライドファスナー用連続エレメント列成型装置（１００）の芯紐供給装置（１０）。
4. 　前記ロック機構（７５）は、前記ロックピン（７７）を前記回転軸（６８）と平行にスライド可能に支持するピン支持部（７８）を備えることを特徴とする請求項３に記載のスライドファスナー用連続エレメント列成型装置（１００）の芯紐供給装置（１０）。
5. 　前記ハウジング（２０）の前記ヒンジ部（６５）が設けられる側の前記側壁（２１ａ）に固定され、前記側壁（２１ａ）と対向する前記側壁（２１ｂ）に向かって延設されるブラケット（６０）を備え、
   　前記ブラケット（６０）には、前記ロック機構（７５）の解除時に前記ロックピン（７７）を前記ロック機構（７５）の前記第１係合孔（７６ａ）及び前記第２係合孔（７６ｂ）から抜き出して移動させたときに、前記前記ロックピン（７７）が挿入される第３係合孔（６０ａ）が形成されることを特徴とする請求項３又は４に記載のスライドファスナー用連続エレメント列成型装置（１００）の芯紐供給装置（１０）。
6. 　前記ボビンホルダ（３３）の先端部に、前記芯紐用ガイド部（４５）を回転可能に支持するガイド支持部（５０）が着脱可能に設けられることを特徴とする請求項１～５のいずれか１項に記載のスライドファスナー用連続エレメント列成型装置（１００）の芯紐供給装置（１０）。

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