WO2014136346A1

WO2014136346A1 - ウォーターサーバー

Info

Publication number: WO2014136346A1
Application number: PCT/JP2013/083330
Authority: WO
Inventors: 嘉範織田
Original assignee: 株式会社コスモライフ
Priority date: 2013-03-05
Filing date: 2013-12-12
Publication date: 2014-09-12
Also published as: CN105189332A; KR20150124975A; JP2014169119A; US20160009536A1; JP5520404B1; TW201441141A; EP2966028A4; EP2966028A1

Abstract

　残水量の減少に伴って収縮するように柔軟性をもたせて形成された交換式の水ボトルから飲料水を汲み出すときに、水ボトルの残水量を抑えることが可能なウォーターサーバーを提供する。原水汲出し管（６）は、水ボトル（４）に接続された状態で、水ボトル（４）の内部の飲料水（Ｗ）を原水汲出し管６内に導入する水吸込み孔（７２）と、水ボトル（４）の内部の水位が水吸込み孔（７２）の位置よりも高いときに、水ボトル（４）の内部の空気（Ａ）を、原水汲出し管（６）内の飲料水（Ｗ）に気泡として導入する空気吸込み孔７３とを有する。

Description

ウォーターサーバー

　この発明は、ミネラルウォーター等の飲料水を充填した交換式の水ボトルから飲料水を供給するウォーターサーバーに関する。

　従来、主にオフィスや病院などでウォーターサーバーが利用されてきたが、近年、水の安全や健康への関心の高まりから、一般家庭にもウォーターサーバーが普及しつつある。このようなウォーターサーバーとして、下記特許文献１に示されるように、筐体の上面に交換式の水ボトルをセットし、その水ボトルに充填された飲料水を、筐体の内部に収容した冷水タンクに重力落下させるようにしたものが一般に知られている。

　ここで、水ボトルは、中空筒状の胴部と、その胴部の一端に設けられた底部と、胴部の他端に肩部を介して設けられた首部とを有し、首部の先端に水出口が設けられている。そして、この水ボトルは、首部の先端の水出口が下向きの状態でウォーターサーバーにセットされる。また、水ボトルの胴部は、残水量の減少に伴って収縮するように柔軟性をもたせて形成されている。

　ところで、特許文献１のウォーターサーバーは、水ボトルが筐体の上面にセットされているので、水ボトルを交換するときに、満水状態の水ボトルを高く持ち上げる必要がある。しかし、満水状態の水ボトルは、通常１０～１２リットル程度の飲料水が収容されており、１０ｋｇ以上の重量がある。そのため、ウォーターサーバーのユーザー（特に女性や高齢者など）にとって、水ボトルの交換作業は大変であった。

　そこで、水ボトルの交換作業を楽に行なうことができるようにするために、本願の発明者は、ウォーターサーバーのなるべく低い部分に水ボトルをセットすることを検討した。水ボトルの位置が低くなると、相当の重量をもつ満水状態の水ボトルをウォーターサーバーにセットするときに、水ボトルを高く持ち上げる必要がないので、水ボトルの交換作業が楽となる。

　その一方で、水ボトルをウォーターサーバーの低い部分にセットした場合、水ボトルの位置がサーバー内部の冷水タンクに対して低くなるので、水ボトルに充填された飲料水を、サーバー内部の冷水タンクに重力落下させることができない。そのため、水ボトルから冷水タンクに飲料水を供給できるようにするために、水ボトルから飲料水を汲み出すポンプが必要となる。

特開２００８－２７３６０５号公報

　本願の発明者は、残水量の減少に伴って収縮するように柔軟性をもたせて形成された水ボトルを採用し、かつ、その水ボトルから飲料水を汲み出すポンプをウォーターサーバーに設けるのであれば、水ボトルから飲料水を重力落下させるときのように水ボトルの水出口を下向きにする必要がないことに着眼した。そして、この着眼に基づいて、ウォーターサーバーに水ボトルをセットするときに、水ボトルを横向き（すなわち水ボトルの水出口が水平を向く状態）にセットするという着想を得た。

　水ボトルの水出口が水平を向くように水ボトルをセットすると、ウォーターサーバーの設計の自由度を高めることができる。例えば、水ボトルの水出口が水平を向く状態で水ボトルを水平にスライド可能に支持し、この水ボトルのスライド動作によって水ボトルの水出口が原水汲出し管と着脱するように、サーバー内部に原水汲出し管を固定して設けることができる。このようにすると、原水汲出し管の全長が短く抑えられるため、原水汲出し管での雑菌の繁殖を防止することが可能となる。

　ところで、本願の発明者が、図１４に示すように、実際に水ボトル９０を横向きにセットして、水ボトル９０の内部の飲料水Ｗをポンプ９１で汲み出す実験を繰り返して行なったところ、水ボトル９０の内部に飲料水Ｗが多く残った状態で、飲料水Ｗをそれ以上汲み出すことができなくなる場合があることが分かった。以下説明する。

　図１５に示すように、水ボトル９０の内部の水位（空気Ａと飲料水Ｗの境界）が、原水汲出し管９２の端部９２ａに設けられた水吸込み孔９３の位置よりも高いときは、原水汲出し管９２およびポンプ９１が飲料水Ｗで満たされているので、図１４に示すポンプ９１の吸引力が発揮され、水ボトル９０の内部の飲料水Ｗが原水汲出し管９２を通って汲み出される。

　しかし、その後、図１６に示すように、水ボトル９０の内部の水位が、原水汲出し管９２の端部９２ａの水吸込み孔９３の位置まで下がると、水ボトル９０の内部の空気Ａが原水汲出し管９２を通ってポンプ９１に入るので、ポンプ９１が空転して吸引力が無くなり、水ボトル９０の内部の飲料水Ｗをそれ以上汲み出すことが困難となる。このとき、多いときは１～２リットル程度の飲料水Ｗが、ポンプ９１で汲み出すことが困難な飲料水Ｗとして、水ボトル９０に残ることとなる（図１４を参照）。

　この発明が解決しようとする課題は、残水量の減少に伴って収縮するように柔軟性をもたせて形成された交換式の水ボトルから飲料水を汲み出すときに、水ボトルの残水量を抑えることが可能なウォーターサーバーを提供することである。

　上記課題を解決するために、
　残水量の減少に伴って収縮するように柔軟性をもたせて形成された交換式の水ボトルに接続される原水汲出し管と、その原水汲出し管を通じて前記水ボトルから飲料水を汲み出すポンプとを有するウォーターサーバーであって、
　前記原水汲出し管は、
　前記水ボトルに接続された状態で、前記水ボトルの内部の飲料水を原水汲出し管内に導入する水吸込み孔と、
　前記水ボトルの内部の水位が前記水吸込み孔の位置よりも高いときに、前記水ボトルの内部の空気を、前記原水汲出し管内の飲料水に気泡として導入する空気吸込み孔と、
を有する構成を採用したのである。

　このようにすると、水ボトルの内部の水位が空気吸込み孔の位置まで下がった状態で、水ボトルの内部の飲料水をポンプで更に汲み出したときに、水ボトルの内部の空気が、空気吸込み孔を通って原水汲出し管内に導入される。このとき、原水汲出し管内に導入された空気はポンプに入るが、この空気は気泡として飲料水と混ざっているので、ポンプの吸引力は無くならない。そして、水ボトルから気泡として排出された分、水ボトルの内部の空気の量は減少する。そのため、水ボトルの内部の水位が水吸込み孔の位置に下がったときの水ボトルの収縮量が大きくなり、水ボトルの残水量を抑えることが可能となる。

　前記空気吸込み孔は、前記水吸込み孔よりも小断面積となるように形成すると好ましい。このようにすると、吐出量の小さいポンプを使用しても、空気吸込み孔から原水汲出し管内に導入される空気を気泡とすることができるので、サイズの小さいポンプを採用することができ、低コストである。

　この発明のウォーターサーバーは、水ボトルの内部の水位が空気吸込み孔の位置まで下がった状態で、水ボトルの内部の飲料水をポンプで更に汲み出したときに、水ボトルの内部の空気が、飲料水とともに気泡として排出される。そのため、水ボトルの内部の水位が水吸込み孔の位置に下がったときの水ボトルの収縮量が大きく、水ボトルの残水量を抑えることが可能である。

この発明の実施形態のウォーターサーバーを側方から見た断面図図１のボトル支持部近傍の拡大図図２のIII－III線に沿った断面図図２に示すボトル支持部を筐体から引き出した状態を示す図図２に示す原水汲上げ管のジョイント部の近傍の拡大断面図図５に示すジョイント部の先端の拡大断面図図５に示すジョイント部に、水ボトルの水出口を接続する過程を示す拡大断面図図７に示すジョイント部に、水ボトルの水出口に装着された栓体が接触した状態を示す拡大断面図図２に示す水ボトルの内部の飲料水がポンプで汲み出され、水ボトルの内部の水位が原水汲出し管の水吸込み孔の位置まで下がった状態を示す拡大断面図図２に示す水ボトルの内部の水位が空気吸込み孔の位置よりも高い段階で、ポンプが作動したときに、空気吸込み孔および水吸込み孔からジョイント部内に飲料水が流れる状態を示すジョイント部近傍の拡大断面図図２に示す水ボトルの内部の水位が空気吸込み孔の位置よりも低くかつ水吸込み孔よりも高い段階で、ポンプが作動したときに、空気吸込み孔からジョイント部内に空気が気泡となって流入する状態を示すジョイント部近傍の拡大断面図図１１に示す空気吸込み孔よりも断面積の大きい空気吸込み孔を採用し、かつ、サイズの小さいポンプを採用したときのジョイント部近傍の拡大断面図図１に示すウォーターサーバーの殺菌運転状態を示す断面図原水汲出し管のジョイント部に空気吸込み孔が無いウォーターサーバーを使用して、水ボトルの内部の飲料水を汲み出したときに、水ボトルの内部に飲料水が多く残った状態を示す断面図図１４に示す水ボトルの内部の水位が水吸込み孔の位置よりも高い段階で、ポンプが作動したときに、水吸込み孔からジョイント部内に飲料水が流れる状態を示すジョイント部近傍の拡大断面図図１４に示す水ボトルの内部の水位が水吸込み孔の位置よりも低くなった状態を示すジョイント部近傍の拡大断面図

　図１に、この発明の実施形態のウォーターサーバーを示す。このウォーターサーバーは、縦長の筐体１と、筐体１の上部に収容された冷水タンク２および温水タンク３と、筐体１の下部に収容された交換式の水ボトル４と、水ボトル４を支持するボトル支持部５と、水ボトル４と冷水タンク２との間を連通する原水汲出し管６と、原水汲出し管６の途中に設けられたポンプ７と、冷水タンク２と温水タンク３を接続するタンク接続路８とを有する。冷水タンク２と温水タンク３は、温水タンク３が冷水タンク２の下方に位置するよう上下に並べて配置されている。

　筐体１は、底板９と、底板９の周囲から立ち上がる周壁１０と、周壁１０の上端に設けられた天板１１とを有する。周壁１０の前面下部には、水ボトル４を出し入れするための開口部１２と、開口部１２を開閉する前面扉１３とが設けられている。

　原水汲出し管６の上流側の端部には、水ボトル４の水出口１４に着脱可能に接続されるジョイント部６ａが設けられ、原水汲出し管６の下流側の端部は冷水タンク２に接続されている。この原水汲出し管６は、ジョイント部６ａよりも低い位置を通るように、ジョイント部６ａから下方に延び出した後、上方に向きを変えるように設けられている。そして、原水汲出し管６のジョイント部６ａよりも低い部分にポンプ７が配置されている。

　ポンプ７は、原水汲出し管６内の飲料水を水ボトル４側から冷水タンク２側に移送し、この原水汲出し管６を通じて水ボトル４から飲料水を汲み出す。ポンプ７としては、例えばダイヤフラムポンプを用いることができる。ダイヤフラムポンプは、往復動する図示しないダイヤフラムと、このダイヤフラムの往復動により容積が増減するポンプ室と、このポンプ室に設けられた吸入口および吐出口と、ポンプ室内に流入する方向の流れのみを許容するように吸入口に設けられた吸入側チェックバルブと、ポンプ室から流出する方向の流れのみを許容するように吐出口に設けられた吐出側チェックバルブとを有し、ダイヤフラムの往動によりポンプ室の容積が増加するときに吸入口から飲料水を吸入し、ダイヤフラムの復動によりポンプ室の容積が減少するときに吐出口から飲料水を吐出するものである。

　また、ポンプ７としてギヤポンプを用いることも可能である。ギヤポンプは、図示しないケーシングと、このケーシング内に収容された互いに噛み合う一対のギヤと、この一対のギヤの噛み合い部分を介して区画されたケーシング内の吸入室および吐出室とを有し、各ギヤの歯溝とケーシングの内面との間に閉じ込められた飲料水を、ギヤの回転により吸入室側から吐出室側に移送するものである。

　また、ポンプ７として遠心ポンプを用いてもよい。遠心ポンプは、回転駆動される図示しない羽根車と、この羽根車を収容するケーシングと、このケーシングの中央に設けられた吸入口と、ケーシングの外周部に設けられた吐出口とを有し、羽根車の回転により付与される遠心力で飲料水を吸入口側から吐出口側に移送するものである。

　原水汲出し管６のポンプ７の吐出側には、流量センサ１６が設けられている。流量センサ１６は、ポンプ７の作動時に原水汲出し管６内の飲料水の流れが無くなると、その状態を検知可能となっている。

　原水汲出し管６のジョイント部６ａとポンプ７の間には、第１切替バルブ１７が設けられている。図では、ジョイント部６ａから離れた位置に第１切替バルブ１７を配置しているが、第１切替バルブ１７は、ジョイント部６ａに直接接続してもよい。第１切替バルブ１７には、温水タンク３に連通する第１バイパス管１８が接続されている。第１バイパス管１８の温水タンク３側の端部は、温水タンク３の上面に接続されている。

　第１切替バルブ１７は、ジョイント部６ａとポンプ７の間を連通し、かつ、第１バイパス管１８とポンプ７の間を遮断する通常運転状態（図１参照）と、ジョイント部６ａとポンプ７の間を遮断し、かつ、第１バイパス管１８とポンプ７の間を連通する殺菌運転状態（図１３参照）との間で流路を切り替えることができるように構成されている。

　原水汲出し管６の冷水タンク２側の端部には、温水殺菌用の第２切替バルブ１９が設けられている。第２切替バルブ１９には、温水タンク３に連通する第２バイパス管２０が接続されている。第２バイパス管２０の温水タンク３側の端部は、温水タンク３の下面に接続されている。また、第２バイパス管２０には、筐体１の外部に延びるドレン管２１が接続されている。ドレン管２１の出口はプラグ２２で閉鎖されている。プラグ２２にかえて開閉弁を設けてもよい。

　第２切替バルブ１９は、原水汲出し管６と冷水タンク２の間を連通し、かつ、原水汲出し管６と第２バイパス管２０の間を遮断する通常運転状態（図１参照）と、原水汲出し管６と冷水タンク２の間を遮断し、かつ、原水汲出し管６と第２バイパス管２０の間を連通する殺菌運転状態（図１３参照）との間で流路を切り替えることができるように構成されている。

　図では、第１切替バルブ１７と第２切替バルブ１９をそれぞれ単一の三方弁で構成した例を示しているが、複数の開閉弁を組み合わせて同一の作用をもつ切替バルブを構成するようにしてもよい。

　冷水タンク２は、空気と飲料水を上下二層に収容している。冷水タンク２には、冷水タンク２内に収容された飲料水を冷却する冷却装置２３が取り付けられている。また、冷水タンク２内には、冷水タンク２の内部を上下に仕切るバッフル板２４が設けられている。冷却装置２３は、冷水タンク２の下部外周に配置され、冷水タンク２内のバッフル板２４よりも下方の飲料水を低温（５℃程度）に保つようになっている。

　冷水タンク２には、冷水タンク２内に溜まった飲料水の水位を検知する水位センサ２５が取り付けられている。この水位センサ２５で検知される水位が下がると、その水位の低下に応じてポンプ７が作動し、水ボトル４から冷水タンク２に飲料水が供給される。バッフル板２４は、水ボトル４から冷水タンク２に飲料水が供給されるときに、冷却装置２３で冷却されて冷水タンク２の下部に溜まった低温の飲料水が、水ボトル４から冷水タンク２内に供給される常温の飲料水で攪拌されるのを防止する。バッフル板２４は、その外周縁から下方に延びる筒状の垂下壁２６を有し、この垂下壁２６で囲まれた領域に空気を保持することで、バッフル板２４の上側と下側の間の断熱効果を高めている。

　冷水タンク２の底面には、冷水タンク２内の下部に溜まった低温の飲料水を外部に注出する冷水注出路２７が接続されている。冷水注出路２７には、筐体１の外部から操作可能な冷水コック２８が設けられ、この冷水コック２８を開くことによって冷水タンク２から低温の飲料水をカップ等に注出できるようになっている。冷水タンク２の容量は、水ボトル４の容量よりも小さく、２～４リットル程度である。

　バッフル板２４の中央には、冷水タンク２と温水タンク３を接続するタンク接続路８の上端が開口している。タンク接続路８の冷水タンク２側の端部には、冷水タンク２側から温水タンク３側への飲料水の流れを許容し、かつ、温水タンク３側から冷水タンク２側への飲料水の流れを規制するチェックバルブ２９が設けられている。チェックバルブ２９は、温水タンク３内の高温の飲料水が熱対流によって冷水タンク２に流入するのを防止して、冷水タンク２および温水タンク３でのエネルギーロスを抑制する。

　冷水タンク２には、空気導入路３０を介して空気殺菌チャンバ３１が接続されている。空気殺菌チャンバ３１は、空気取り入れ口３２が形成された中空のケース３３と、ケース３３内に設けられたオゾン発生体３４とからなる。オゾン発生体３４としては、例えば、空気中の酸素に紫外線を照射して酸素をオゾンに変化させる低圧水銀灯や、絶縁体で覆われた対向一対の電極間に交流電圧を負荷して電極間の酸素をオゾンに変化させる無声放電装置などを使用することができる。この空気殺菌チャンバ３１は、一定時間ごとにオゾン発生体３４に通電してオゾンを発生することにより、常時、ケース３３内にオゾンが溜まった状態となっている。

　空気導入路３０は、冷水タンク２内の水位の低下に応じて冷水タンク２内に空気を導入して冷水タンク２内を大気圧に保つ。また、このとき冷水タンク２内に導入される空気が、空気殺菌チャンバ３１を通過してオゾン殺菌された空気なので、冷水タンク２内の空気は清浄に保たれる。

　冷水タンク２内には、原水汲出し管６から送り込まれる飲料水が、冷水タンク２内に溜まった飲料水の水面に到達するまでの飲料水の流れを拡散させる拡散板３５が設けられている。この拡散板３５を設けることによって、飲料水が冷水タンク２内の空気中のオゾン（空気殺菌チャンバ３１から冷水タンク２内に流入したもの）と広い面積で触れるようにし、冷水タンク２内の飲料水の衛生を高めている。

　タンク接続路８は、温水タンク３の上面から温水タンク３の内側を下方に延びるタンク内配管３６を有する。タンク内配管３６の下端は、温水タンク３の底面近傍で開口している。これにより、温水タンク３内の上部に溜まった高温の飲料水がタンク内配管３６に流入するのを防止している。

　温水タンク３は、飲料水で完全に満たされた状態となっている。温水タンク３には、温水タンク３内の飲料水を加熱する加熱装置３７が取り付けられており、温水タンク３内の飲料水を高温（９０℃程度）に保つようになっている。図では、加熱装置３７にシースヒーターを採用した例を示しているが、バンドヒーターを採用することもできる。シースヒーターは、金属製のパイプの中に通電により発熱する発熱線を収容したものであり、温水タンク３の壁面を貫通して温水タンク３の内部を延びるように取り付けられる。バンドヒーターは、通電により発熱する発熱線が埋め込まれた円筒形の発熱体であり、温水タンク３の外周に密着して取り付けられる。

　温水タンク３の上面には、温水タンク３内の上部に溜まった高温の飲料水を外部に注出する温水注出路３８が接続されている。温水注出路３８には、筐体１の外部から操作可能な温水コック３９が設けられ、この温水コック３９を開くことによって温水タンク３から高温の飲料水をカップ等に注出できるようになっている。温水タンク３から飲料水を注出すると、その飲料水と同量の飲料水が、タンク接続路８を通って冷水タンク２から温水タンク３に流入するので、温水タンク３は常に満水状態に保たれる。温水タンク３の容量は１～２リットル程度である。

　図２に示すように、水ボトル４は、中空筒状の胴部４０と、その胴部４０の一端に設けられた底部４１と、胴部４０の他端に肩部４２を介して設けられた首部４３とを有し、この首部４３に水出口１４が設けられている。肩部４２は、胴部４０から首部４３に向かって次第にすぼまる部分である。首部４３の外周にはフランジ４４が形成されている。水ボトル４の胴部４０は、残水量の減少に伴って収縮するように柔軟性をもたせて形成されている。水ボトル４は、ポリエチレンテレフタレート樹脂（ＰＥＴ）のブロー成形によって形成されている。水ボトル４の容量は、満水状態で１０～２０リットル程度である。水ボトル４の内部には、飲料水Ｗと、水ボトル４に飲料水Ｗを充填するときに排除することができなかった空気Ａが収容されている。

　図２、図３に示すように、ボトル支持部５は、水ボトル４の水出口１４が水平を向く状態で水ボトル４の胴部４０を下側から支持するボトル載置板４５と、水ボトル４を挟んで左右に位置する側面板４６と、水ボトル４の前方に位置する前面板４７と、水ボトル４の後方に位置する後面板４８とを有する。ここで、前後の方向は、ウォーターサーバーに向かって立つユーザーから見て手前側を前方、奥側を後方としている。ボトル支持部５は、前後方向に延びる左右一対のスライドレール４９で支持されている。

　図３に示すように、ボトル支持部５の後面板４８には、後面板４８の上縁に開放する切欠き５０が形成されている。切欠き５０は、後面板４８の上縁から下方に向かって次第に幅が狭くなる導入部５１と、その導入部５１の下側に連続して、水ボトル４の首部４３の外周に嵌合する半円状の拘束部５２とからなる。拘束部５２は、首部４３のフランジ４４よりも胴部４０側の部分に嵌合している。

　拘束部５２は、水ボトル４の首部４３のフランジ４４の外径よりも小径の円弧状に形成されている。拘束部５２は、首部４３の外周に嵌合して首部４３を径方向に位置決めすることで、水ボトル４をジョイント部６ａに接続する際に、水ボトル４の水出口１４の位置がジョイント部６ａの位置からずれるのを防止する。また、図２に示すように、拘束部５２は、首部４３のフランジ４４と係止して首部４３を軸方向に位置決めすることで、水ボトル４の水出口１４がジョイント部６ａから外れるのを防止している。

　図４に示すように、スライドレール４９は、筐体１の底板９に固定した前後方向に延びる固定側レール５３と、固定側レール５３にスライド可能に支持された中間レール５４と、中間レール５４にスライド可能に支持された移動側レール５５とからなる。移動側レール５５は、ボトル支持部５のボトル載置板４５に固定されている。ボトル支持部５は、スライドレール４９を構成する３つのレールが相対的にスライドすることにより、筐体１内に水ボトル４が収容される収容位置（図２の位置）と、筐体１から水ボトル４が出る引出位置（図４の位置）との間を水平に移動可能となっている。水ボトル４の水出口１４は、ボトル支持部５が引出位置から収容位置に移動するときのボトル支持部５の移動方向（ここでは後方）を向いている。

　ジョイント部６ａは、図４に示すように、ボトル支持部５を引出位置に移動させたときに水ボトル４の水出口１４から切り離され、図２に示すように、ボトル支持部５を収容位置に移動させたときに水ボトル４の水出口１４に接続するように筐体１内に固定されている。ここで、水ボトル４の水出口１４がジョイント部６ａに接続するとき、水ボトル４は水出口１４が水平を向いた状態でボトル支持部５に支持されている。

　筐体１の前面扉１３は、ボトル支持部５と一体にスライドするようにボトル支持部５に固定されている。そのため、前面扉１３を手前に引いて開口部１２を開く操作を行なうと、これに連動してボトル支持部５が筐体１から引き出される。また、前面扉１３を奥に押し戻して開口部１２を閉じる操作を行なうと、これに連動してボトル支持部５が筐体１内に収容される。

　前面扉１３の下部には、筐体１の載置面に転がり接触する車輪５６が取り付けられている。この車輪５６は、筐体１からボトル支持部５を引き出した状態でボトル支持部５に荷重（例えば満水状態の水ボトル４の重量や人の体重など）が作用したときに、その荷重を支えることで、筐体１の転倒を防止する。筐体１の底板９には、車輪５６を収納する凹部５７が形成されている。

　図５に示すように、水ボトル４の首部４３の先端にはキャップ６０が取り付けられている。キャップ６０の中央には、水ボトル４の内部に向かって首部４３と平行に延びる両端が開口した内筒６１が形成されている。内筒６１の内部の領域は水ボトル４の水出口１４を形成している。水出口１４には、栓体６２が着脱可能に嵌め込まれる。キャップ６０は、ポリエチレン樹脂（ＰＥ）の射出成形で形成されている。

　図７、図８に示すように、内筒６１の内周面には、水ボトル４の内部に向かって小径となる段部６３が形成されている。栓体６２は、筒部６４と、筒部６４の一端に形成された閉塞端部６５と、筒部６４の他端の内周に沿って形成された爪部６６とを有する有底筒状である。この有底筒状の栓体６２は、水ボトル４の外側に向けて開口する向きで内筒６１に嵌合する。筒部６４の外周面には、内筒６１の段部６３に係止する突起６７が形成されている。筒部６４の水ボトル４の内側の端部には、内筒６１の端部と軸方向に対向する対向片６８が形成されている。

　ジョイント部６ａは、水ボトル４の水出口１４に嵌合するように形成された水平に延びる筒体である。ジョイント部６ａは、外周が円筒面のストレート部７０と、半球状の先端部７１とを有する。ストレート部７０の直径は、水ボトル４の水出口１４（すなわち内筒６１）に締め代をもって嵌合する大きさとされている。ストレート部７０には、ジョイント部６ａが水ボトル４の水出口１４に接続された状態で、水ボトル４の内部の飲料水Ｗを原水汲出し管６内に導入する水吸込み孔７２が形成されている。水吸込み孔７２は、ジョイント部６ａの下半分の領域（図ではジョイント部６ａの下端位置）に開口している。

　ジョイント部６ａには、水吸込み孔７２よりも上方（図ではジョイント部６ａの上端位置）に空気吸込み孔７３が形成されている。空気吸込み孔７３は、ジョイント部６ａの内外を連通しており、図１１に示すように、水ボトル４の内部の水位が水吸込み孔７２の位置よりも高いときに、水ボトル４の内部の空気Ａを、ジョイント部６ａ内の飲料水Ｗに気泡として導入する。空気吸込み孔７３は、水吸込み孔７２よりも小断面積となるように形成されている。

　空気吸込み孔７３は、水吸込み孔７２と対向する位置で開口するように設けられている。このようにすると、水吸込み孔７２からジョイント部６ａ内に流入した飲料水の流れによって、空気吸込み孔７３からジョイント部６ａ内に流入する空気をせん断して効率よく気泡化することができる。空気吸込み孔７３は、ジョイント部６ａの水吸込み孔７２よりも下流側（図示する位置よりも左側）で開口するように設けてもよい。このようにしても、水吸込み孔７２からジョイント部６ａ内に流入した飲料水の流れによって、空気吸込み孔７３からジョイント部６ａ内に流入する空気をせん断して気泡化することができる。

　図６に示す空気吸込み孔７３の直径ｄ_１は０．３ｍｍ以上、２．０ｍｍ以下であり、好ましくは０．５ｍｍ以上、１．５ｍｍ以下である。空気吸込み孔７３の直径ｄ_１を０．３ｍｍ以上、好ましくは０．５ｍｍ以上に設定することにより、吐出圧力の小さいポンプ７を使用しても、空気吸込み孔７３からジョイント部６ａ内に空気Ａを確実に導入することができる。空気吸込み孔７３の直径ｄ_１を２．０ｍｍ以下、好ましくは１．５ｍｍ以下に設定することにより、空気吸込み孔７３からジョイント部６ａ内に導入された空気Ａを確実に気泡化することができる。

　また、水吸込み孔７２の直径ｄ_２は、３ｍｍ以上、１０ｍｍ以下であり、好ましくは４ｍｍ以上、８ｍｍ以下である。水吸込み孔７２の直径ｄ_２を３ｍｍ以上、好ましくは４ｍｍ以上に設定することにより、ジョイント部６ａ内の飲料水Ｗの流量を確保して、空気吸込み孔７３からジョイント部６ａ内に入る空気Ａを確実に気泡化することが可能となる。また、水吸込み孔７２の直径ｄ_２を１０ｍｍ以下、好ましくは８ｍｍ以下に設定することにより、ポンプ７の吸引力でジョイント部６ａ内を負圧に保ち、空気吸込み孔７３からジョイント部６ａ内に入る空気Ａを確実に気泡化することが可能となる。

　先端部７１の中心には、ジョイント部６ａを内外に貫通する貫通孔７４が形成されている。この貫通孔７４の径は１．０ｍｍ以下に設定されている。また、ジョイント部６ａの外周には、ストレート部７０と先端部７１の境界位置に、栓体６２の爪部６６が係合する周溝７５が形成されている。貫通孔７４は、図７、図８に示すように、ジョイント部６ａの先端部７１に栓体６２が嵌合するときに、栓体６２と先端部７１との間に囲まれる空気をジョイント部６ａの内部に逃がし、これにより、ジョイント部６ａの先端部７１への栓体６２の嵌合を円滑にする。

　図５に示すように、ジョイント部６ａは、ジョイント部６ａを囲むように設けられたカップ部８０に固定されている。カップ部８０は、水ボトル４に向かって開口する有底筒状に形成され、その底部をジョイント部６ａが貫通している。カップ部８０の開口縁には、水ボトル４に向かって拡径するテーパ面８１が形成されている。テーパ面８１は、図４の鎖線に示すように、水ボトル４を筐体１内に収容するときに、水ボトル４の首部４３の位置がジョイント部６ａからずれた場合にも、その首部４３をジョイント部６ａに向けて誘導する。

　図５に示すように、ジョイント部６ａの根元には、紫外線発光部８２が設けられている。紫外線発光部８２は、ジョイント部６ａの内部の飲料水Ｗおよびジョイント部６ａの内面に紫外線を照射して殺菌する。紫外線発光部８２としては、紫外線ＬＥＤや水銀ランプを用いることができる。

　また、ジョイント部６ａは、紫外線を透過させる透明の素材で形成されている。そのため、ジョイント部６ａ内の紫外線発光部８２で発せられた紫外線は、水ボトル４の水出口１４の内面にも照射され、水出口１４とジョイント部６ａの嵌合面間を殺菌する。これにより、水ボトル４の着脱時（すなわち空の水ボトル４の水出口１４からジョイント部６ａを抜いて、新品の水ボトル４の水出口１４をジョイント部６ａに接続したとき）に、新品の水ボトル４の内部に雑菌が混入するのを防止することが可能となっている。

　原水汲出し管６（ジョイント部６ａの部分を除く）としては、シリコンチューブを用いることも可能であるが、シリコンは酸素の透過性をもつことから、シリコンを透過する空気中の酸素により原水汲出し管６で雑菌が繁殖しやすくなる問題がある。そこで、原水汲出し管６は、金属管（例えば、ステンレススチール管や銅管）を用いることができる。このようにすると、原水汲出し管６の管壁を空気が透過するのを防止して、原水汲出し管６での雑菌の繁殖を効果的に防止することが可能となる。また、温水循環時の耐熱性も確保することができる。原水汲出し管６としてポリエチレンチューブや耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管を用いても、原水汲出し管６の管壁を空気が透過するのを防止して、原水汲出し管６での雑菌の繁殖を防止することが可能である。

　上述したウォーターサーバーの使用例について説明する。

　図１に示す通常運転状態において、ウォーターサーバーのユーザーが、冷水コック２８を操作して、冷水タンク２内の低温の飲料水をカップ等に注出すると、冷水タンク２内の水位が下がる。また、温水コック３９を操作して、温水タンク３内の高温の飲料水をカップ等に注出しても、その飲料水と同量の飲料水が、タンク接続路８を通って冷水タンク２から温水タンク３に導入されるので、冷水タンク２内の水位が下がる。そして、冷水タンク２内の水位があらかじめ設定された下限水位を下回ったことを水位センサ２５が検出すると、ポンプ７が作動して水ボトル４から飲料水Ｗを汲み出し、原水汲上げ管を通って冷水タンク２に飲料水Ｗを汲み上げる。冷水タンク２内の水位が所定の水位に達したことを水位センサ２５が検出すると、ポンプ７が停止する。

　そして、水ボトル４の内部の飲料水Ｗがポンプ７で汲み出される毎に、図９に示すように、水ボトル４が大気圧によって収縮し、この水ボトル４の収縮に伴って水ボトル４の内部の水位は次第に下がる。水ボトル４の内部の水位が、原水汲出し管６の水吸込み孔７２の位置まで下がると、水ボトル４の内部の空気Ａが原水汲出し管６を通ってポンプ７に入るので、ポンプ７が空転して吸引力が無くなり、水ボトル４の内部の飲料水Ｗをそれ以上汲み出すことが困難となる。

　このとき、ポンプ７が作動しているのにもかかわらず原水汲出し管６内の飲料水Ｗの流れが無くなるので、この状態を流量センサ１６で検知し、筐体１の正面に配置した図示しない容器交換ランプを点灯させ、水ボトル４の交換時期であることをユーザーに報知する。

　この水ボトル４の内部の飲料水Ｗの汲み出し過程において、このウォーターサーバーは、水ボトル４の内部の空気Ａを飲料水Ｗとともに気泡として排出することにより、水ボトル４の収縮量を大きくし、水ボトル４の内部の残水を抑えることが可能となっている。以下説明する。

　図１０に示すように、水ボトル４の内部の水位（すなわち空気Ａと飲料水Ｗの境界の位置）が、ジョイント部６ａに設けられた空気吸込み孔７３の位置よりも高いときは、ポンプ７の吸引力によって、空気吸込み孔７３と水吸込み孔７２の両方からジョイント部６ａ内に飲料水Ｗが導入される。

　その後、図１１に示すように、水ボトル４の内部の水位が、ジョイント部６ａに設けられた空気吸込み孔７３の位置まで下がったときに、ポンプ７を作動させると、ポンプ７の吸引力によってジョイント部６ａ内が負圧に保たれ、水ボトル４の内部の飲料水Ｗが水吸込み孔７２を通ってジョイント部６ａ内に導入されると同時に、水ボトル４の内部の空気Ａが空気吸込み孔７３を通ってジョイント部６ａ内の飲料水Ｗに気泡として導入される。

　このとき、ジョイント部６ａ内に導入された空気Ａは原水汲出し管６を通ってポンプ７に入るが、この空気Ａは気泡として飲料水Ｗと混ざっているので、ポンプ７の吸引力は無くならない。そして、水ボトル４から気泡として排出された分、水ボトル４の内部の空気Ａの量は減少する。そのため、図９に示すように、水ボトル４の内部の水位が水吸込み孔７２の位置に下がったときの水ボトル４の収縮量が大きくなり、水ボトル４の残水量を抑えることが可能となる。

　以上のように、このウォーターサーバーは、水ボトル４の内部の水位が空気吸込み孔７３の位置まで下がった状態で、水ボトル４の内部の飲料水Ｗをポンプ７で更に汲み出したときに、水ボトル４の内部の空気Ａが、飲料水Ｗとともに気泡として排出される。そのため、水ボトル４の内部の水位が水吸込み孔７２の位置に下がったときの水ボトル４の収縮量が大きく、水ボトル４の残水量を抑えることが可能である。

　ここで、空気吸込み孔７３は、水吸込み孔７２よりも小断面積となるように形成すると好ましい。このようにすると、吐出量の小さいポンプ７を使用しても、空気吸込み孔７３から原水汲出し管６内に導入される空気Ａを気泡とすることができるので、サイズの小さいポンプ７を採用することができ、低コストである。

　すなわち、図１２に示すように、空気吸込み孔７３を、水吸込み孔７２と同じ断面積かそれ以上の断面積をもつ大きさにした場合、ポンプ７の吐出量が小さいと、空気吸込み孔７３からジョイント部６ａ内に導入された空気Ａが気泡とはならない。そのため、水ボトル４の内部の飲料水Ｗをポンプ７で汲み出すときに、水ボトル４の内部の空気Ａを排出することができなくなるおそれがある。これに対し、図１１に示すように、空気吸込み孔７３を、水吸込み孔７２よりも小断面積となるように形成すると、吐出量の小さいポンプ７を使用しても、空気吸込み孔７３から原水汲出し管６内に導入される空気Ａを気泡とすることができ、水ボトル４の内部の空気Ａを安定して排出することが可能である。

　水ボトル４の内部の水位が空気吸込み孔７３の位置まで下がったとき、すなわち、水ボトル４が空の状態になったとき、ユーザーは次のようにして水ボトル４の交換作業を行なう。

　まず、図４に示すように、前面扉１３を手前に引いて、筐体１からボトル支持部５を引き出す。このとき、ボトル支持部５と一体に水ボトル４が移動するので、水ボトル４の水出口１４が、筐体１内に固定されたジョイント部６ａから切り離される。そして、ボトル支持部５から空の状態の水ボトル４を取り出す。その後、満水状態の水ボトル４の首部４３を横向きの状態でボトル支持部５に載置する。このとき、水ボトル４の首部４３をボトル支持部５の切欠き５０に嵌合させる。最後に、前面扉１３を押して、筐体１内にボトル支持部５を収容する。このとき、ボトル支持部５と一体に水ボトル４が移動するので、水ボトル４の水出口１４がジョイント部６ａに嵌合して接続される。

　上記のウォーターサーバーは、定期的に殺菌運転を行なうことにより原水汲出し管６を殺菌し、長期にわたり衛生を確保することが可能となっている。この殺菌運転について説明する。

　まず、図１３に示すように、第１切替バルブ１７を切り替えて、第１バイパス管１８とポンプ７の間を連通するとともに、第２切替バルブ１９を切り替えて、原水汲出し管６と第２バイパス管２０の間を連通する。そして、ポンプ７を作動させる。これにより、温水タンク３内の高温の飲料水が、第１バイパス管１８、第１切替バルブ１７、原水汲出し管６、第２切替バルブ１９、第２バイパス管２０を順に通り、温水タンク３に戻る。つまり、温水タンク３内の高温の飲料水が原水汲出し管６を介して循環する。このとき、温水タンク３の加熱装置３７を通電することで、循環する飲料水の温度を殺菌に適した高温に保つことができる。以上のようにして、原水汲出し管６の内部の飲料水、原水汲出し管６の内面、ポンプ７の内部を熱殺菌することができる。

　殺菌運転が終了した後、ポンプ７を停止し、図１に示すように、第１切替バルブ１７を切り替えて、ジョイント部６ａとポンプ７の間を連通するとともに、第２切替バルブ１９を切り替えて、原水汲出し管６と冷水タンク２の間を連通し、通常運転状態に戻る。

　上記の殺菌運転を定期的に行なうことにより、通常運転時に常温の飲料水が流れる原水汲出し管６を殺菌し、長期にわたり衛生を確保することが可能である。

　また、このウォーターサーバーは、ボトル支持部５を筐体１から引き出したときは、水ボトル４が原水汲出し管６の端部から切り離され、ボトル支持部５を筐体１に収容したときは、水ボトル４が原水汲出し管６の端部に接続される。すなわち、原水汲出し管６を、ボトル支持部５の移動に追従させる必要がない。そのため、原水汲出し管６を短くして、原水汲出し管６で雑菌が繁殖するのを防止することが可能である。

　また、上記のウォーターサーバーは、原水汲出し管６をボトル支持部５の移動に追従させる必要がないので、原水汲出し管６にスパイラルチューブやフレキシブルチューブを用いる必要がなく、原水汲出し管６として硬質のものを採用することが可能となる。したがって、原水汲出し管６として、酸素バリヤ性および耐熱性にきわめて優れた金属管（ステンレススチール管、銅管など）を用いることが可能である。

　また、上記のウォーターサーバーは、ボトル支持部５の拘束部５２で水ボトル４の水出口１４の移動を拘束しているので、水ボトル４の水出口１４がジョイント部６ａに接続するときに、柔軟性をもたせた水ボトル４の変形により水出口１４が逃げるのを防止することができ、ジョイント部６ａの接続操作を安定して行なうことができる。

　また、上記のウォーターサーバーは、原水汲出し管６を、ジョイント部６ａよりも低い位置を通るように設け、その原水汲出し管６のジョイント部６ａよりも低い部分にポンプ７を配置しているので、ジョイント部６ａから水ボトル４の水出口１４を切り離したときに、原水汲出し管６の内部に残存している飲料水Ｗがその自重でジョイント部６ａから流出するのを防止することが可能となっている。

　上記実施形態のように、ボトル支持部５を筐体１から前後方向に出し入れするようにすると、ウォーターサーバーの設置スペースを抑えることができるが、ボトル支持部５を筐体１から出し入れする方向が左右方向となるように構成することも可能である。

　上記実施形態では、水ボトル４の水出口１４が水平を向く状態で水ボトル４をセットし、その水出口１４に水平に延びるジョイント部６ａを接続するウォーターサーバーを例に挙げて説明したが、この発明は、水ボトル４の水出口１４が斜め上を向く状態で水ボトル４をセットするウォーターサーバーや、水ボトル４の水出口１４が斜め下を向く状態で水ボトル４をセットするウォーターサーバーにも同様に適用することができる。

４　　　　水ボトル
６　　　　原水汲出し管
７　　　　ポンプ
７２　　　水吸込み孔
７３　　　空気吸込み孔
Ｗ　　　　飲料水

Claims

　残水量の減少に伴って収縮するように柔軟性をもたせて形成された交換式の水ボトル（４）に接続される原水汲出し管（６）と、その原水汲出し管（６）を通じて前記水ボトル（４）から飲料水（Ｗ）を汲み出すポンプ（７）とを有するウォーターサーバーであって、
　前記原水汲出し管（６）は、
　前記水ボトル（４）に接続された状態で、前記水ボトル（４）の内部の飲料水（Ｗ）を原水汲出し管（６）内に導入する水吸込み孔（７２）と、
　前記水ボトル（４）の内部の水位が前記水吸込み孔（７２）の位置よりも高いときに、前記水ボトル（４）の内部の空気（Ａ）を、前記原水汲出し管（６）内の飲料水（Ｗ）に気泡として導入する空気吸込み孔（７３）と、
を有することを特徴とするウォーターサーバー。
　前記空気吸込み孔（７３）は、前記水吸込み孔（７２）よりも小断面積となるように形成されている請求項１に記載のウォーターサーバー。