WO2014118889A1 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
WO2014118889A1
WO2014118889A1 PCT/JP2013/051908 JP2013051908W WO2014118889A1 WO 2014118889 A1 WO2014118889 A1 WO 2014118889A1 JP 2013051908 W JP2013051908 W JP 2013051908W WO 2014118889 A1 WO2014118889 A1 WO 2014118889A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
fuel ratio
air
exhaust
rich
purification catalyst
Prior art date
Application number
PCT/JP2013/051908
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
中川 徳久
岡崎 俊太郎
雄士 山口
Original Assignee
トヨタ自動車株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by トヨタ自動車株式会社 filed Critical トヨタ自動車株式会社
Priority to PCT/JP2013/051908 priority Critical patent/WO2014118889A1/ja
Priority to JP2014559388A priority patent/JP5949957B2/ja
Priority to AU2013376223A priority patent/AU2013376223B2/en
Priority to EP13873698.8A priority patent/EP2952716B1/en
Priority to US14/763,653 priority patent/US9593635B2/en
Priority to CN201380071604.9A priority patent/CN104956052B/zh
Priority to KR1020157019951A priority patent/KR101780878B1/ko
Priority to BR112015018126-0A priority patent/BR112015018126B1/pt
Priority to RU2015131024A priority patent/RU2619092C2/ru
Publication of WO2014118889A1 publication Critical patent/WO2014118889A1/ja

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/14Introducing closed-loop corrections
    • F02D41/1438Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor
    • F02D41/1473Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor characterised by the regulation method
    • F02D41/1475Regulating the air fuel ratio at a value other than stoichiometry
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/021Introducing corrections for particular conditions exterior to the engine
    • F02D41/0235Introducing corrections for particular conditions exterior to the engine in relation with the state of the exhaust gas treating apparatus
    • F02D41/0295Control according to the amount of oxygen that is stored on the exhaust gas treating apparatus
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/14Introducing closed-loop corrections
    • F02D41/1438Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor
    • F02D41/1439Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor characterised by the position of the sensor
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/14Introducing closed-loop corrections
    • F02D41/1438Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor
    • F02D41/1477Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor characterised by the regulation circuit or part of it,(e.g. comparator, PI regulator, output)
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/14Introducing closed-loop corrections

Abstract

 内燃機関の制御装置は、酸素を吸蔵可能な排気浄化触媒20と、排気浄化触媒の排気流れ方向下流側に配置された下流側空燃比センサ41と、排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように空燃比を制御する空燃比制御装置とを具備する。当該制御装置は、下流側空燃比センサによって検出された排気空燃比がリッチ空燃比になったときに目標空燃比をリーン設定空燃比まで変化させ、その後、下流側空燃比センサによって検出される排気空燃比がリーン空燃比になる前に目標空燃比を弱リーン設定空燃比に変化させ、下流側空燃比センサによって検出された排気空燃比がリーン空燃比になったときに目標空燃比をリッチ設定空燃比まで変化させ、その後、下流側空燃比センサによって検出される排気空燃比がリッチ空燃比になる前に目標空燃比を弱リッチ設定空燃比に変化させる。

Description

内燃機関の制御装置
 本発明は、空燃比センサの出力に応じて内燃機関を制御する内燃機関の制御装置に関する。
 従来から、内燃機関の排気通路に空燃比センサを設け、この空燃比センサの出力に基づいて内燃機関に供給する燃料量を制御する内燃機関の制御装置が広く知られている(例えば、特許文献1~9を参照)。
 このうち、特許文献1~4に記載の内燃機関では、排気通路内に設けられた酸素吸蔵能力を有する排気浄化触媒が用いられる。酸素吸蔵能力を有する排気浄化触媒は、酸素吸蔵量が上限吸蔵量と下限吸蔵量との間の適当な量であるときには、排気浄化触媒に流入する排気ガス中の未燃ガス(HCやCO等)やNOx等を浄化できる。すなわち、排気浄化触媒に理論空燃比よりもリッチ側の空燃比(以下、「リッチ空燃比」ともいう)の排気ガスが流入すると、排気浄化触媒に吸蔵されている酸素により排気ガス中の未燃ガスが酸化浄化される。逆に、排気浄化触媒に理論空燃比よりもリーン側の空燃比(以下、「リーン空燃比」ともいう)の排気ガスが流入すると、排気ガス中の酸素が排気浄化触媒に吸蔵される。これにより、排気浄化触媒表面上で酸素不足状態となり、これに伴って排気ガス中のNOxが還元浄化される。その結果、排気浄化触媒は、酸素吸蔵量が適当な量である限り、排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比に関わらず、排気ガスを浄化することができる。
 そこで、特許文献1~4に記載の制御装置では、排気浄化触媒における酸素吸蔵量を適切な量に維持すべく、排気浄化触媒の排気流れ方向上流側に空燃比センサを設け、排気流れ方向下流側に酸素センサを設けるようにしている。これらセンサを用いて、制御装置は、上流側の空燃比センサの出力に基づいてこの空燃比センサの出力が目標空燃比に相当する目標値となるようにフィードバック制御を行う。加えて、下流側の酸素センサの出力に基づいて上流側の空燃比センサの目標値を補正する。なお、以下の説明では、排気流れ方向上流側を単に「上流側」と称し、排気流れ方向下流側を単に「下流側」と称する場合もある。
 例えば、特許文献1に記載の制御装置では、下流側の酸素センサの出力電圧が高側閾値以上であって、排気浄化触媒の状態が酸素不足状態であるときには、排気浄化触媒に流入する排気ガスの目標空燃比がリーン空燃比とされる。逆に、下流側の酸素センサの出力電圧が低側閾値以下であって、排気浄化触媒の状態が酸素過剰状態であるときには、目標空燃比がリッチ空燃比とされる。特許文献1によれば、これにより、酸素不足状態又は酸素過剰状態にあるときに、排気浄化触媒の状態を速やかにこれら両状態の中間の状態(すなわち、排気浄化触媒に適当な量の酸素が吸蔵されている状態)に戻すことができるとされている。
 加えて、上記制御装置では、下流側の酸素センサの出力電圧が高側閾値と低側閾値との間にある場合、酸素センサの出力電圧が増大傾向にあるときには目標空燃比がリーン空燃比とされる。逆に、酸素センサの出力電圧が減少傾向にあるときには目標空燃比がリッチ空燃比とされる。特許文献1によれば、これにより、排気浄化触媒の状態が酸素不足状態又は酸素過剰状態となることを未然に防止することができるとされている。
特開2011-069337号公報 特開平8-232723号公報 特開2009-162139号公報 特開2001-234787号公報 特開平8-312408号公報 特開平6-129283号公報 特開2005-140000号公報 特開2003-049681号公報 特開2000-356618号公報
 図2に、排気浄化触媒の酸素吸蔵量と排気浄化触媒から流出する排気ガス中のNOx及び未燃ガスの濃度との関係を示す。図2(A)は、排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーン空燃比であるときの、酸素吸蔵量と排気浄化触媒から流出する排気ガス中のNOx濃度との関係を示す。一方、図2(B)は、排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリッチ空燃比であるときの、酸素吸蔵量と排気浄化触媒から流出する排気ガス中の未燃ガスの濃度との関係を示す。
 図2(A)からわかるように、排気浄化触媒の酸素吸蔵量が少ないときには、最大酸素吸蔵量まで余裕がある。このため、排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーン空燃比(すなわち、排気浄化触媒に流入する排気ガスがNOx及び酸素を含む)であっても、排気ガス中の酸素は排気浄化触媒に吸蔵され、これに伴ってNOxも還元浄化される。この結果、排気浄化触媒から流出する排気ガス中にはほとんどNOxは含まれない。
 しかしながら、排気浄化触媒の酸素吸蔵量が多くなると、排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーン空燃比である場合、排気浄化触媒において排気ガス中の酸素を吸蔵しにくくなり、これに伴って排気ガス中のNOxも還元浄化されにくくなる。このため、図2(A)からわかるように、酸素吸蔵量が或る上限吸蔵量Cuplimを超えて増大すると排気浄化触媒から流出する排気ガス中のNOx濃度が急激に上昇する。
 一方、排気浄化触媒の酸素吸蔵量が多いときには、排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリッチ空燃比(すなわち、排気ガスがHCやCO等の未燃ガスを含む)であると、排気浄化触媒に吸蔵されている酸素が放出される。このため、排気浄化触媒に流入する排気ガス中の未燃ガスは酸化浄化される。この結果、図2(B)からわかるように、排気浄化触媒から流出する排気ガス中にはほとんど未燃ガスは含まれない。
 しかしながら、排気浄化触媒の酸素吸蔵量が少なくなると、排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリッチ空燃比である場合、排気浄化触媒から放出される酸素が少なくなり、これに伴って排気ガス中の未燃ガスも酸化浄化されにくくなる。このため、図2(B)からわかるように、酸素吸蔵量が或る下限吸蔵量Clowlimを超えて減少すると排気浄化触媒から流出する排気ガス中の未燃ガスの濃度が急激に上昇する。
 排気浄化触媒の酸素吸蔵量と排気浄化触媒から流出する排気ガス中の未燃ガス濃度及びNOx濃度とは上述したような関係を有する。ここで、特許文献1に記載された制御装置では、下流側の酸素センサの出力電圧が高側閾値以上である場合、すなわち下流側酸素センサによって検出された排気ガスの空燃比(以下、「排気空燃比」という)が高側閾値に対応する下限空燃比以下となったときには、目標空燃比が所定のリーン空燃比(以下、「設定リーン空燃比」という)に切り替えられて、その後その空燃比に固定される。一方、下流側の酸素センサの出力電圧が低側閾値以下である場合、すなわち下流側酸素センサによって検出された排気空燃比が低側閾値に対応する上限空燃比以上となったときには、目標空燃比が所定のリッチ空燃比(以下、「設定リッチ空燃比」という)に切り替えられて、その後その空燃比に固定される。
 ここで、下流側酸素センサによって検出された排気空燃比が高側閾値に対応する下限空燃比以下となったときには、排気浄化触媒から或る程度の未燃ガスが流出している。このため、設定リーン空燃比の理論空燃比からの差、すなわちリーン度合いを大きく設定すると、排気浄化触媒からの未燃ガスの流出を迅速に抑制することができる。しかしながら、設定リーン空燃比のリーン度合いを大きく設定すると、その後、排気浄化触媒の酸素吸蔵量が急激に増大して排気浄化触媒からNOxが流出するまでの期間が短くなる上、排気浄化触媒からNOxが流出するときのNOxの流出量が多くなってしまう。
 一方、設定リーン空燃比のリーン度合いを小さく設定すると、排気浄化触媒の酸素吸蔵量を緩やかに増加させることができ、よって排気浄化触媒からNOxが流出するまでの時間を長くすることができる。加えて、排気浄化触媒からNOxが流出するときのNOxの流出量を少量にすることができる。しかしながら、設定リーン空燃比のリーン度合いを小さく設定した場合には、下流側酸素センサによって検出された排気空燃比が下限空燃比以下となって目標空燃比を設定リッチ空燃比から設定リーン空燃比に切り替えた際に、排気浄化触媒からの未燃ガスの流出を迅速に抑制することができなくなる。
 また、下流側酸素センサによって検出された排気空燃比が低側閾値に対応する上限空燃比以上となったときには、排気浄化触媒からある程度のNOxが流出している。このため、設定リッチ空燃比の理論空燃比からの差、すなわちリッチ度合いを大きく設定すると、排気浄化触媒からのNOxの流出を迅速に抑制することができる。しかしながら、設定リッチ空燃比のリッチ度合いを大きく設定すると、その後、排気浄化触媒の酸素吸蔵量が急激に減少して排気浄化触媒から未燃ガスが流出するまでの期間が短くなる上、排気浄化触媒から未燃ガスが流出するときの未燃ガスの流出量が多くなってしまう。
 一方、設定リッチ空燃比のリッチ度合いを小さく設定すると、排気浄化触媒の酸素吸蔵量を緩やかに減少させることができ、よって排気浄化触媒から未燃ガスが流出するまでの時間を長くすることができる。加えて、排気浄化触媒から未燃ガスが流出するときの未燃ガスの流出量を少量にすることができる。しかしながら、設定リッチ空燃比のリッチ度合いを小さく設定した場合には、下流側酸素センサによって検出された排気空燃比が上限空燃比以上となって目標空燃比を設定リーン空燃比から設定リッチ空燃比に切り替えた際に、排気浄化触媒からのNOxの流出を迅速に抑制することができなくなる。
 加えて、特許文献1に記載の制御装置では、排気浄化触媒の排気流れ方向下流側に酸素センサを用いている。酸素センサにおける排気空燃比と出力電圧との関係は、基本的に、図3に破線で示したような関係となる。すなわち、起電力は、理論空燃比近傍で大きく変化し、排気空燃比がリッチ空燃比になると起電力が高くなり、逆に、排気空燃比がリーン空燃比になると起電力が低くなる。
 ところが、酸素センサでは、センサの電極上において未燃ガスや酸素等の反応性が低いことにより、実際の排気空燃比が同一であっても空燃比の変化の方向に応じて起電力が異なる値となる。換言すると、酸素センサは、排気空燃比の変化の方向に応じてヒステリシスを有する。図3はその様子を示しており、実線Aは空燃比をリッチ側からリーン側へと変化させたときの関係、実線Bは空燃比をリーン側からリッチ側へと変化させたときの関係をそれぞれ示している。
 このため、排気浄化触媒の排気流れ方向下流側に酸素センサを配置した場合には、実際の排気空燃比が或る程度理論空燃比からリッチ側へ変化してから初めて酸素センサによってリッチ空燃比が検出される。同様に、実際の排気空燃比がある程度理論空燃比からリーン側へ変化してから初めて酸素センサによってリーン空燃比が検出される。すなわち、下流側に酸素センサを配置した場合には、実際の排気空燃比に対して応答性が低い。このように、下流側の酸素センサの応答性が低いと、排気浄化触媒から或る程度NOxが流出してから目標空燃比をリッチ空燃比に切り替えることになり、また、排気浄化触媒から或る程度未燃ガスが流出してから目標空燃比をリーン空燃比に切り替えることになる。
 このように、特許文献1に記載の制御装置によれば、排気浄化触媒から流出する未燃ガスやNOxを十分に低減することはできていなかった。
 そこで、上記課題に鑑みて、本発明の目的は、排気浄化触媒から流出する未燃ガスやNOxを十分に低減することができる、内燃機関の制御装置を提供することにある。
 上記課題を解決するために、第1の発明では、内燃機関の排気通路に配置されると共に酸素を吸蔵可能な排気浄化触媒と、該排気浄化触媒の排気流れ方向下流側に配置されると共に前記排気浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比を検出する下流側空燃比検出装置と、前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように該排気ガスの空燃比を制御する空燃比制御装置とを具備する、内燃機関の制御装置において、前記下流側空燃比検出装置によって検出された排気空燃比がリッチ空燃比になったときに、前記目標空燃比を理論空燃比よりもリーンのリーン設定空燃比まで変化させる空燃比リーン切替手段と、該空燃比リーン切替手段によって空燃比を変化させた後であって前記下流側空燃比検出装置によって検出される排気空燃比がリーン空燃比になる前に前記目標空燃比を前記リーン設定空燃比よりも理論空燃比からの差が小さいリーン空燃比に変化させるリーン度合い低下手段と、前記下流側空燃比検出装置によって検出された排気空燃比がリーン空燃比になったときに、前記目標空燃比を理論空燃比よりもリッチのリッチ設定空燃比まで変化させる空燃比リッチ切替手段と、該空燃比リッチ切替手段によって空燃比を変化させた後であって前記下流側空燃比検出装置によって検出される排気空燃比がリッチ空燃比になる前に前記目標空燃比を前記リッチ設定空燃比よりも理論空燃比からの差が小さいリッチ空燃比に変化させるリッチ度合い低下手段とを具備する、内燃機関の制御装置が提供される。
 第2の発明では、第1の発明において、前記リーン度合い低下手段は、前記目標空燃比を変化させるときには、該目標空燃比を前記リーン設定空燃比から、該リーン設定空燃比よりも理論空燃比からの差が小さい所定のリーン空燃比へ、ステップ状に切り替える。
 第3の発明では、第1又は第2の発明において、前記リッチ度合い低下手段は、前記目標空燃比を変化させるときには、該目標空燃比を前記リッチ設定空燃比から、該リッチ設定空燃比よりも理論空燃比からの差が小さい所定のリッチ空燃比へ、ステップ状に切り替える。
 第4の発明では、第1~第3のいずれか一つの発明において、前記リーン度合い低下手段は、前記下流側空燃比検出装置によって検出された排気空燃比が理論空燃比に収束した後に前記目標空燃比を変化させる。
 第5の発明では、第1~第5のいずれか一つの発明において、前記リッチ度合い低下手段は、前記下流側空燃比検出装置によって検出された排気空燃比が理論空燃比に収束した後に前記目標空燃比を変化させる。
 第6の発明では、第1~第3のいずれか一つの発明において、前記排気浄化触媒の酸素吸蔵量を推定する酸素吸蔵量推定手段を更に具備し、前記リーン度合い低下手段は、前記酸素吸蔵量推定手段によって推定された酸素吸蔵量が最大酸素吸蔵量よりも少ない予め定められた吸蔵量以上となったときに前記目標空燃比を変化させる。
 第7の発明では、第1~第4のいずれか一つの発明において、前記排気浄化触媒の酸素吸蔵量を推定する酸素吸蔵量推定手段を更に具備し、前記リッチ度合い低下手段は、前記酸素吸蔵量推定手段によって推定された酸素吸蔵量が零よりも多い予め定められた吸蔵量以下となったときに前記目標空燃比を変化させる。
 第8の発明では、第6又は第7の発明において、前記排気浄化触媒の排気流れ方向上流側に配置されると共に前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの排気空燃比を検出する上流側空燃比検出装置を更に具備し、前記酸素吸蔵量推定手段は、前記上流側空燃比検出装置によって検出された空燃比及び前記内燃機関の吸入空気量に基づいて、前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比である場合に対して過剰となる未燃ガス又は不足する未燃ガスの流量を算出する流入未燃ガス過不足流量算出手段と、前記下流側空燃比検出装置によって検出された空燃比及び前記内燃機関の吸入空気量に基づいて、前記排気浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比が理論空燃比である場合に対して過剰となる未燃ガス又は不足する未燃ガスの流量を算出する流出未燃ガス過不足流量算出手段と、前記流入未燃ガス過不足流量算出手段によって算出された過不足な未燃ガスの流量と前記流出未燃ガス過不足流量算出手段によって算出された過不足な未燃ガスの流量と基づいて前記排気浄化触媒の酸素吸蔵量を算出する吸蔵量算出手段とを具備する。
 第9の発明では、第8の発明において、前記空燃比リーン切替手段によって目標空燃比をリーン設定空燃比に変化させてから前記空燃比リッチ切替手段によって目標空燃比を最大リッチ空燃比に変化させるまでの間に前記吸蔵量算出手段において算出された前記積算値と、前記空燃比リッチ切替手段によって目標空燃比をリッチ設定空燃比に変化させてから前記空燃比リーン切替手段によって目標空燃比をリーン設定空燃比に変化させるまでの間に前記吸蔵量算出手段において算出された前記積算値とに基づいて、前記目標空燃比に対して実際に排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比のずれを補正するための空燃比ずれ量学習値を算出する学習値算出手段を更に具備し、前記空燃比制御装置は、前記学習値算出手段によって算出された空燃比ずれ量学習値に基づいて、前記空燃比リーン切替手段、前記リーン度合い低下手段、前記空燃比リッチ切替手段及び前記リッチ度合い低下手段によって設定された目標空燃比を補正する。
 第10の発明では、第1~第9のいずれか一つの発明において、前記空燃比リーン切替手段は、前記下流側空燃比検出装置によって検出された排気空燃比が理論空燃比よりもリッチなリッチ判定空燃比となったときに、前記下流側空燃比検出装置によって検出された排気空燃比がリッチ空燃比になったと判断し、前記空燃比リッチ切替手段は、前記下流側空燃比検出装置によって検出された排気空燃比が理論空燃比よりもリーンなリーン判定空燃比となったときに、前記下流側空燃比検出装置によって検出された排気空燃比がリーン空燃比になったと判断する。
 第11の発明では、第10の発明において、前記下流側空燃比検出装置は、排気空燃比に応じて出力電流が零となる印加電圧が変化する空燃比センサであり、該空燃比センサには、排気空燃比が前記リッチ判定空燃比であるときに出力電流が零となる印加電圧が印加され、前記空燃比リーン切替手段は、前記出力電流が零以下となったときに排気空燃比がリッチ空燃比になったと判断する。
 第12の発明では、第10の発明において、前記下流側空燃比検出装置は、排気空燃比に応じて出力電流が零となる印加電圧が変化する空燃比センサであり、該空燃比センサには、排気空燃比が前記リーン判定空燃比であるときに出力電流が零となる印加電圧が印加され、前記空燃比リッチ切替手段は、前記出力電流が零以下となったときに排気空燃比がリーン空燃比になったと判断する。
 第13の発明では、第10~第12のいずれか一つの発明において、前記下流側空燃比検出装置は、排気空燃比に応じて出力電流が零となる印加電圧が変化する空燃比センサであり、該空燃比センサには、排気空燃比が前記リッチ判定空燃比であるときに出力電流が零となる印加電圧と排気空燃比が前記リーン判定空燃比であるときに出力電流が零となる印加電圧とが交互に印加される。
 第14の発明では、第1~第10のいずれか一つの発明において、前記排気浄化触媒の排気流れ方向上流側に配置されると共に前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの排気空燃比を検出する上流側空燃比検出装置を更に具備し、前記空燃比制御装置は、前記上流側空燃比検出装置によって検出された空燃比が前記目標空燃比になるように前記内燃機関の燃焼室に供給される燃料又は空気の量を制御する。
 第15の発明では、第14の発明において、前記上流側空燃比検出装置及び下流側空燃比検出装置は、排気空燃比に応じて出力電流が零となる印加電圧が変化する空燃比センサであり、前記上流側空燃比検出装置における印加電圧と前記下流側空燃比検出装置における印加電圧とは異なる値とされる。
 第16の発明では、第1~第15のいずれか一つの発明において、前記下流側空燃比検出装置よりも排気流れ方向下流側において排気通路に配置されると共に酸素を吸蔵可能な下流側排気浄化触媒を更に具備する。
 本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、排気浄化触媒から流出する未燃ガスやNOxを十分に低減することができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る制御装置が用いられる内燃機関を概略的に示す図である。 図2は、排気浄化触媒の酸素吸蔵量とNOx又は未燃ガスの流出量との関係を示す図である。 図3は、酸素センサにおける排気空燃比と出力電圧との関係を示した図である。 図4は、下流側空燃比センサの概略的な断面図である。 図5は、下流側空燃比センサの動作を概略的に示した図である。 図6は、下流側空燃比センサにおけるセンサ印加電圧と出力電流との関係を示した図である。 図7は、電圧印加装置及び電流検出装置を構成する具体的な回路の一例を示す図である。 図8は、上流側排気浄化触媒の酸素吸蔵量等のタイムチャートである。 図9は、制御装置の機能ブロック図である。 図10は、酸素吸蔵量推定制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。 図11は、空燃比補正量の算出制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。 図12は、上流側排気浄化触媒の酸素吸蔵量等のタイムチャートである。 図13は、各排気空燃比におけるセンサ印加電圧と出力電流との関係を示す図である。 図14は、各センサ印加電圧における排気空燃比と出力電流との関係を示す図である。 図15は、図13にX-Xで示した領域を拡大して示した図である。 図16は、図14にYで示した領域を拡大して示した図である。 図17は、空燃比センサの空燃比と出力電流との関係を示す図である。 図18は、上流側排気浄化触媒の酸素吸蔵量等のタイムチャートである。
 以下、図面を参照して本発明の内燃機関の制御装置について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。図1は、本発明の第一実施形態に係る制御装置が用いられる内燃機関を概略的に示す図である。
<内燃機関全体の説明>
 図1を参照すると1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダブロック2内で往復動するピストン、4はシリンダブロック2上に固定されたシリンダヘッド、5はピストン3とシリンダヘッド4との間に形成された燃焼室、6は吸気弁、7は吸気ポート、8は排気弁、9は排気ポートをそれぞれ示す。吸気弁6は吸気ポート7を開閉し、排気弁8は排気ポート9を開閉する。
 図1に示したようにシリンダヘッド4の内壁面の中央部には点火プラグ10が配置され、シリンダヘッド4の内壁面周辺部には燃料噴射弁11が配置される。点火プラグ10は、点火信号に応じて火花を発生させるように構成される。また、燃料噴射弁11は、噴射信号に応じて、所定量の燃料を燃焼室5内に噴射する。なお、燃料噴射弁11は、吸気ポート7内に燃料を噴射するように配置されてもよい。また、本実施形態では、燃料として排気浄化触媒における理論空燃比が14.6であるガソリンが用いられる。しかしながら、本発明の内燃機関は他の燃料を用いても良い。
 各気筒の吸気ポート7はそれぞれ対応する吸気枝管13を介してサージタンク14に連結され、サージタンク14は吸気管15を介してエアクリーナ16に連結される。吸気ポート7、吸気枝管13、サージタンク14、吸気管15は吸気通路を形成する。また、吸気管15内にはスロットル弁駆動アクチュエータ17によって駆動されるスロットル弁18が配置される。スロットル弁18は、スロットル弁駆動アクチュエータ17によって回動せしめられることで、吸気通路の開口面積を変更することができる。
 一方、各気筒の排気ポート9は排気マニホルド19に連結される。排気マニホルド19は、各排気ポート9に連結される複数の枝部とこれら枝部が集合した集合部とを有する。排気マニホルド19の集合部は上流側排気浄化触媒20を内蔵した上流側ケーシング21に連結される。上流側ケーシング21は、排気管22を介して下流側排気浄化触媒24を内蔵した下流側ケーシング23に連結される。排気ポート9、排気マニホルド19、上流側ケーシング21、排気管22及び下流側ケーシング23は、排気通路を形成する。
 電子制御ユニット(ECU)31はディジタルコンピュータからなり、双方向性バス32を介して相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)33、ROM(リードオンリメモリ)34、CPU(マイクロプロセッサ)35、入力ポート36および出力ポート37を具備する。吸気管15には、吸気管15内を流れる空気流量を検出するためのエアフロメータ39が配置され、このエアフロメータ39の出力は対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。また、排気マニホルド19の集合部には排気マニホルド19内を流れる排気ガス(すなわち、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガス)の空燃比を検出する上流側空燃比センサ(上流側空燃比検出装置)40が配置される。加えて、排気管22内には排気管22内を流れる排気ガス(すなわち、上流側排気浄化触媒20から流出して下流側排気浄化触媒24に流入する排気ガス)の空燃比を検出する下流側空燃比センサ(下流側空燃比検出装置)41が配置される。これら空燃比センサ40、41の出力も対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。なお、これら空燃比センサ40、41の構成については後述する。
 また、アクセルペダル42にはアクセルペダル42の踏込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ43が接続され、負荷センサ43の出力電圧は対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。クランク角センサ44は例えばクランクシャフトが15度回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入力ポート36に入力される。CPU35ではこのクランク角センサ44の出力パルスから機関回転数が計算される。一方、出力ポート37は対応する駆動回路45を介して点火プラグ10、燃料噴射弁11及びスロットル弁駆動アクチュエータ17に接続される。なお、ECU31は、各種センサ等の出力に基づいて内燃機関を制御する機関制御装置として機能する。
 なお、本実施形態に係る内燃機関は、ガソリンを燃料とする無過給内燃機関であるが、本発明に係る内燃機関の構成は、上記構成に限定されるものではない。例えば、本発明に係る内燃機関は、気筒数、気筒配列、燃料の噴射態様、吸排気系の構成、動弁機構の構成、過給器の有無、及び過給態様等が、上記内燃機関と異なるものであってもよい。
<排気浄化触媒の説明>
 上流側排気浄化触媒20及び下流側排気浄化触媒24は、いずれも同様な構成を有する。排気浄化触媒20、24は、酸素吸蔵能力を有する三元触媒である。具体的には、排気浄化触媒20、24は、セラミックから成る担体に、触媒作用を有する貴金属(例えば、白金(Pt))及び酸素吸蔵能力を有する物質(例えば、セリア(CeO2))を担持させたものである。排気浄化触媒20、24は、所定の活性温度に達すると、未燃ガス(HCやCO等)と窒素酸化物(NOx)とを同時に浄化する触媒作用に加えて、酸素吸蔵能力を発揮する。
 排気浄化触媒20、24の酸素吸蔵能力によれば、排気浄化触媒20、24は、排気浄化触媒20、24に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリーン(リーン空燃比)であるときには排気ガス中の酸素を吸蔵する。一方、排気浄化触媒20、24は、流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチ(リッチ空燃比)であるときには、排気浄化触媒20、24に吸蔵されている酸素を放出する。なお、「排気ガスの空燃比」は、その排気ガスが生成されるまでに供給された空気の質量に対する燃料の質量の比率を意味するものであり、通常はその排気ガスが生成されるにあたって燃焼室5内に供給された空気の質量に対する燃料の質量の比率を意味する。
 排気浄化触媒20、24は、触媒作用及び酸素吸蔵能力を有することにより、酸素吸蔵量に応じてNOx及び未燃ガスの浄化作用を有する。すなわち、図2(A)に示したように、排気浄化触媒20、24に流入する排気ガスの空燃比がリーン空燃比である場合、酸素吸蔵量が少ないときには排気浄化触媒20、24により排気ガス中の酸素が吸蔵され、NOxが還元浄化される。また、酸素吸蔵量が多くなると、上限吸蔵量Cuplimを境に排気浄化触媒20、24から流出する排気ガス中の酸素及びNOxの濃度が急激に上昇する。
 一方、図2(B)に示したように、排気浄化触媒20、24に流入する排気ガスの空燃比がリッチ空燃比である場合、酸素吸蔵量が多いときには排気浄化触媒20、24に吸蔵されている酸素が放出され、排気ガス中の未燃ガスは酸化浄化される。また、酸素吸蔵量が少なくなると、下限吸蔵量Clowlimを境に排気浄化触媒20、24から流出する排気ガス中の未燃ガスの濃度が急激に上昇する。
 以上のように、本実施形態において用いられる排気浄化触媒20、24によれば、排気浄化触媒20、24に流入する排気ガスの空燃比及び酸素吸蔵量に応じて排気ガス中のNOx及び未燃ガスの浄化特性が変化する。なお、触媒作用及び酸素吸蔵能力を有していれば、排気浄化触媒20、24は三元触媒とは異なる触媒であってもよい。
<空燃比センサの構成>
 次に、図4を参照して、本実施形態における空燃比センサ40、41の構成について説明する。図4は、空燃比センサ40、41の概略的な断面図である。図4から分かるように、本実施形態における空燃比センサ40、41は、固体電解質層及び一対の電極から成るセルが1つである1セル型の空燃比センサである。
 図4に示したように、空燃比センサ40、41は、固体電解質層51と、固体電解質層51の一方の側面上に配置された排気側電極(第一電極)52と、固体電解質層51の他方の側面上に配置された大気側電極(第二電極)53と、通過する排気ガスの拡散律速を行う拡散律速層54と、排気ガス中の酸素及び未燃ガスを反応させる触媒層55と、空燃比センサ40、41の加熱を行うヒータ部56とを具備する。
 固体電解質層51の一方の側面上には拡散律速層54が設けられ、拡散律速層54の固体電解質層51側の側面とは反対側の側面上には触媒層55が設けられる。本実施形態では、固体電解質層51と拡散律速層54との間には被測ガス室57が形成される。この被測ガス室57には拡散律速層54を介して空燃比センサ40、41による検出対象であるガス、すなわち排気ガスが導入せしめられる。また、排気側電極52は被測ガス室57内に配置され、したがって、排気側電極52は拡散律速層54を介して排気ガスに曝されることになる。なお、被測ガス室57は必ずしも設ける必要はなく、排気側電極52の表面上に拡散律速層54が直接接触するように構成されてもよい。
 固体電解質層51の他方の側面上にはヒータ部56が設けられる。固体電解質層51とヒータ部56との間には基準ガス室58が形成され、この基準ガス室58内には基準ガスが導入される。本実施形態では、基準ガス室58は大気に開放されており、よって基準ガス室58内には基準ガスとして大気が導入される。大気側電極53は、基準ガス室58内に配置され、したがって、大気側電極53は、基準ガス(基準雰囲気)に曝される。本実施形態では、基準ガスとして大気が用いられているため、大気側電極53は大気に曝されることになる。
 ヒータ部56には複数のヒータ59が設けられており、これらヒータ59によって空燃比センサ40、41の温度、特に固体電解質層51の温度を制御することができる。ヒータ部56は、固体電解質層51を活性化するまで加熱するのに十分な発熱容量を有している。
 固体電解質層51は、ZrO2(ジルコニア)、HfO2、ThO2、Bi23等にCaO、MgO、Y23、Yb23等を安定剤として配当した酸素イオン伝導性酸化物の焼結体により形成されている。また、拡散律速層54は、アルミナ、マグネシア、けい石質、スピネル、ムライト等の耐熱性無機物質の多孔質焼結体により形成されている。さらに、電極52、53は、白金等の触媒活性の高い貴金属により形成されている。
 また、排気側電極52と大気側電極53との間には、ECU31に搭載された電圧印加装置60によりセンサ印加電圧Vrが印加される。加えて、ECU31には、電圧印加装置60によってセンサ印加電圧Vrを印加したときに固体電解質層51を介してこれら電極52、53間に流れる電流(出力電流)を検出する電流検出装置61が設けられる。この電流検出装置61によって検出される電流が空燃比センサ40、41の出力電流である。
<空燃比センサの動作>
 次に、図5を参照して、このように構成された空燃比センサ40、41の動作の基本的な概念について説明する。図5は、空燃比センサ40、41の動作を概略的に示した図である。使用時において、空燃比センサ40、41は、触媒層55及び拡散律速層54の外周面が排気ガスに曝されるように配置される。また、空燃比センサ40、41の基準ガス室58には大気が導入される。
 上述したように、固体電解質層51は、酸素イオン伝導性酸化物の焼結体で形成される。したがって、高温により活性化した状態で固体電解質層51の両側面間に酸素濃度の差が生じると、濃度の高い側面側から濃度の低い側面側へと酸素イオンを移動させようとする起電力Eが発生する性質(酸素電池特性)を有している。
 逆に、固体電解質層51は、両側面間に電位差が与えられると、この電位差に応じて固体電解質層の両側面間で酸素濃度比が生じるように、酸素イオンの移動を引き起こそうとする特性(酸素ポンプ特性)を有する。具体的には、両側面間に電位差が与えられた場合には、正極性を与えられた側面における酸素濃度が、負極性を与えられた側面における酸素濃度に対して、電位差に応じた比率で高くなるように、酸素イオンの移動が引き起こされる。また、図4及び図5に示したように、空燃比センサ40、41では、大気側電極53が正極性、排気側電極52が負極性となるように、これら電極52、53間に一定のセンサ印加電圧Vrが印加されている。なお、本実施形態では、空燃比センサ40、41におけるセンサ印加電圧Vrは同一の電圧となっている。
 空燃比センサ40、41周りにおける排気空燃比が理論空燃比よりもリーンのときには、固体電解質層51の両側面間での酸素濃度の比はそれほど大きくない。このため、センサ印加電圧Vrを適切な値に設定すれば、固体電解質層51の両側面間ではセンサ印加電圧Vrに対応した酸素濃度比よりも実際の酸素濃度比の方が小さくなる。このため、固体電解質層51の両側面間の酸素濃度比がセンサ印加電圧Vrに対応した酸素濃度比に向けて大きくなるように、図5(A)に示した如く、排気側電極52から大気側電極53に向けて酸素イオンの移動が起こる。その結果、センサ印加電圧Vrを印加する電圧印加装置60の正極から、大気側電極53、固体電解質層51、及び排気側電極52を介して電圧印加装置60の負極へと電流が流れる。
 このとき流れる電流(出力電流)Irの大きさは、センサ印加電圧Vrを適切な値に設定すれば、排気中から拡散律速層54を通って被測ガス室57へと拡散によって流入する酸素量に比例する。したがって、この電流Irの大きさを電流検出装置61によって検出することにより、酸素濃度を知ることができ、ひいてはリーン領域における空燃比を知ることができる。
 一方、空燃比センサ40、41周りにおける排気空燃比が理論空燃比よりもリッチのときには、排気中から拡散律速層54を通って未燃ガスが被測ガス室57内に流入するため、排気側電極52上に酸素が存在しても、未燃ガスと反応して除去される。このため、被測ガス室57内では酸素濃度が極めて低くなり、その結果、固体電解質層51の両側面間での酸素濃度の比は大きなものとなる。このため、センサ印加電圧Vrを適切な値に設定すれば、固体電解質層51の両側面間ではセンサ印加電圧Vrに対応した酸素濃度比よりも実際の酸素濃度比の方が大きくなる。このため、固体電解質層51の両側面間の酸素濃度比がセンサ印加電圧Vrに対応した酸素濃度比に向けて小さくなるように、図5(B)に示した如く、大気側電極53から排気側電極52に向けて酸素イオンの移動が起こる。その結果、大気側電極53から、センサ印加電圧Vrを印加する電圧印加装置60を通って排気側電極52へと電流が流れる。
 このとき流れる電流(出力電流)Irの大きさは、センサ印加電圧Vrを適切な値に設定すれば、固体電解質層51中を大気側電極53から排気側電極52へと移動せしめられる酸素イオンの流量によって決まる。その酸素イオンは、排気中から拡散律速層54を通って被測ガス室57へと拡散によって流入する未燃ガスと排気側電極52上で反応(燃焼)する。よって、酸素イオンの移動流量は被測ガス室57内に流入した排気ガス中の未燃ガスの濃度に対応する。したがって、この電流Irの大きさを電流検出装置61によって検出することで、未燃ガス濃度を知ることができ、ひいてはリッチ領域における空燃比を知ることができる。
 また、空燃比センサ40、41周りにおける排気空燃比が理論空燃比のときには、被測ガス室57へ流入する酸素及び未燃ガスの量が化学当量比となっている。このため、排気側電極52の触媒作用によって両者は完全に燃焼し、被測ガス室57内の酸素及び未燃ガスの濃度に変動は生じない。この結果、固体電解質層51の両側面間の酸素濃度比は、変動せずに、センサ印加電圧Vrに対応した酸素濃度比のまま維持される。このため、図5(C)に示したように、酸素ポンプ特性による酸素イオンの移動は起こらず、その結果、回路を流れる電流は生じない。
 このように構成され且つ動作する空燃比センサ40、41は、図6に示した出力特性を有する。すなわち、空燃比センサ40、41では、排気空燃比が大きくなるほど(すなわち、リーンになるほど)、空燃比センサ40、41の出力電流Irが大きくなる。加えて、空燃比センサ40、41は、排気空燃比が理論空燃比であるときに出力電流Irが零になるように構成される。
<電圧印加装置及び電流検出装置の回路>
 図7に、電圧印加装置60及び電流検出装置61を構成する具体的な回路の一例を示す。図示した例では、酸素電池特性により生じる起電力をE、固体電解質層51の内部抵抗をRi、両電極52、53間の電位差をVsと表している。
 図7からわかるように、電圧印加装置60は、基本的に、酸素電池特性により生じる起電力Eがセンサ印加電圧Vrに一致するように、負帰還制御を行っている。換言すると、電圧印加装置60は、固体電解質層51の両側面間の酸素濃度比の変化によって両電極52、53間の電位差Vsが変化した際にも、この電位差Vsがセンサ印加電圧Vrとなるように負帰還制御を行っている。
 したがって、排気空燃比が理論空燃比となっていて、固体電解質層51の両側面間に酸素濃度比の変化が生じない場合には、固体電解質層51の両側面間の酸素濃度比はセンサ印加電圧Vrに対応した酸素濃度比となっている。この場合、起電力Eはセンサ印加電圧Vrに一致し、両電極52、53間の電位差Vsもセンサ印加電圧Vrとなっており、その結果、電流Irは流れない。
 一方、排気空燃比が理論空燃比とは異なる空燃比となっていて、固体電解質層51の両側面間に酸素濃度比の変化が生じる場合には、固体電解質層51の両側面間の酸素濃度比がセンサ印加電圧Vrに対応した酸素濃度比とはなっていない。この場合、起電力Eはセンサ印加電圧Vrとは異なる値となる。このため、負帰還制御により、起電力Eがセンサ印加電圧Vrと一致するように固体電解質層51の両側面間で酸素イオンの移動をさせるべく、両電極52、53間に電位差Vsが付与される。そして、このときの酸素イオンの移動に伴って電流Irが流れる。この結果、起電力Eはセンサ印加電圧Vrに収束し、起電力Eがセンサ印加電圧Vrに収束すると、やがて、電位差Vsもセンサ印加電圧Vrに収束することになる。
 したがって、電圧印加装置60は、実質的に、両電極52、53間にセンサ印加電圧Vrを印加しているということができる。なお、電圧印加装置60の電気回路は必ずしも図7に示したようなものである必要はなく、両電極52、53間にセンサ印加電圧Vrを実質的に印加することができれば、如何なる態様の装置であってもよい。
 また、電流検出装置61は、実際に電流を検出するのではなく、電圧E0を検出してこの電圧E0から電流を算出している。ここで、E0は、下記式(1)のように表せる。
  E0=Vr+V0+IrR   …(1)
 ここで、V0はオフセット電圧(E0が負値とならないように印加しておく電圧であり例えば3V)、Rは図7に示した抵抗の値である。
 式(1)において、センサ印加電圧Vr、オフセット電圧V0及び抵抗値Rは一定であるから、電圧E0は電流Irに応じて変化する。このため、電圧E0を検出すれば、その電圧E0から電流Irを算出することが可能である。
 したがって、電流検出装置61は、実質的に、両電極52、53間に流れる電流Irを検出しているということができる。なお、電流検出装置61の電気回路は必ずしも図7に示したようなものである必要はなく、両電極52、53間を流れる電流Irを検出することができれば、如何なる態様の装置であってもよい。
<空燃比制御の概要>
 次に、本発明の内燃機関の制御装置における空燃比制御の概要を説明する。本実施形態では、上流側空燃比センサ40の出力電流Irupに基づいて上流側空燃比センサ40の出力電流(すなわち、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比に相当)Irupが目標空燃比に相当する値となるようにフィードバック制御が行われる。
 本実施形態では、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの目標空燃比は、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwn及び上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscに基づいて設定される。具体的には、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnがリッチ判定基準値Irrich以下となったときに、下流側空燃比センサ41によって検出された排気ガスの空燃比がリッチ空燃比になったと判断される。この場合、リーン切替手段により、目標空燃比がリーン設定空燃比とされ、その空燃比に維持される。ここで、リッチ判定基準値Irrichは、理論空燃比よりも僅かにリッチである予め定められたリッチ判定空燃比(例えば、14.55)に相当する値である。また、リーン設定空燃比は、理論空燃比よりも或る程度リーンである予め定められた空燃比であり、例えば、14.65~20、好ましくは14.68~18、より好ましくは14.7~16程度とされる。
 その後、目標空燃比をリーン設定空燃比に設定した状態で上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが零よりも多い所定の吸蔵量に到達すると、リーン度合い低下手段により、目標空燃比が弱リーン設定空燃比に切り替えられる(なお、このときの酸素吸蔵量を「リーン度合い変更基準吸蔵量」という)。弱リーン設定空燃比は、リーン設定空燃比よりも理論空燃比からの差が小さいリーン空燃比であり、例えば、14.62~15.7、好ましくは14.63~15.2、より好ましくは14.65~14.9程度とされる。また、リーン度合い変更基準吸蔵量は、零からの差が所定の変更基準差αである吸蔵量とされる。
 一方、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnがリーン判定基準値Irlean以上となったときに、下流側空燃比センサ41によって検出された排気ガスの空燃比がリーン空燃比になったと判断される。この場合、リッチ切替手段により、目標空燃比がリッチ設定空燃比とされ、その空燃比に維持される。ここで、リーン判定基準値Irleanは、理論空燃比よりも僅かにリーンである予め定められたリーン判定空燃比(例えば、14.65)に相当する値である。また、リッチ設定空燃比は、理論空燃比よりも或る程度リッチである予め定められた空燃比であり、例えば、10~14.55、好ましくは12~14.52、より好ましくは13~14.5程度とされる。
 その後、目標空燃比をリッチ設定空燃比に設定した状態で上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが最大吸蔵量よりも少ない所定の吸蔵量に到達すると、リッチ度合い低下手段により、目標空燃比が弱リッチ設定空燃比に切り替えられる(なお、このときの酸素吸蔵量を「リッチ度合い変更基準吸蔵量」という)。弱リッチ設定空燃比は、リッチ設定空燃比よりも理論空燃比からの差が小さいリッチ空燃比であり、例えば、13.5~14.58、好ましくは14~14.57、より好ましくは14.3~14.55程度とされる。また、リッチ度合い変更基準吸蔵量は、最大酸素吸蔵量からの差が上記所定の変更基準差αである吸蔵量とされる。
 この結果、本実施形態では、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnがリッチ判定基準値Irrich以下になると、まず、目標空燃比がリーン設定空燃比に設定され、その後、酸素吸蔵量OSAscがある程度多くなると弱リーン設定空燃比に設定される。その後、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnがリーン判定基準値Irlean以上になると、まず、目標空燃比がリッチ設定空燃比に設定され、その後、酸素吸蔵量OSAscが或る程度少なくなると弱リッチ設定空燃比に設定され、同様な操作が繰り返される。
 なお、リッチ判定空燃比及びリーン判定空燃比は、理論空燃比の1%以内、好ましくは0.5%以内、より好ましくは0.35%以内の空燃比とされる。したがって、リッチ判定空燃比及びリーン判定空燃比の理論空燃比からの差は、理論空燃比が14.6の場合には、0.15以下、好ましくは0.0.073以下、より好ましくは0.051以下とされる。また、目標空燃比(例えば、弱リッチ設定空燃比やリーン設定空燃比)の理論空燃比からの差は、基準差よりも大きくなるように設定される。
 また、本実施形態では、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscの推定は、酸素吸蔵量推定手段によって行われる。酸素吸蔵量推定手段は、上流側空燃比センサ40によって検出された空燃比及びエアフロメータ39の出力値等に基づいて算出された内燃機関の吸入空気量に基づいて、流入未燃ガス過不足流量算出手段により、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比にしようとしたときに過剰となる未燃ガス又は不足する未燃ガスの流量(以下、「流入未燃ガス過不足流量ΔQcor」という)を算出する。
 すなわち、流入未燃ガス過不足流量算出手段は、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガス中の酸素及び未燃ガス等が完全に反応したと仮定したときに、この排気ガス中に含まれる未燃ガスの流量又はこの排気ガス中に含まれる酸素を燃焼させるのに必要な未燃ガスの流量を算出する。具体的には、流入未燃ガス過不足流量算出手段は、エアフロメータ39等に基づいて算出された内燃機関の吸入空気量と、上流側空燃比センサ40によって検出された空燃比の理論空燃比に対する差とに基づいて、流入未燃ガス過不足流量ΔQcorを算出している。
 同様に、酸素吸蔵量推定手段は、下流側空燃比センサ41によって検出された空燃比及びエアフロメータ39の出力等に基づいて算出された内燃機関の吸入空気量に基づいて、流出未燃ガス過不足流量算出手段により、上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガスの空燃比を理論空燃比にしようとしたときに過剰となる未燃ガス又は不足する未燃ガスの流量(以下、「流出未燃ガス過不足流量ΔQsc」という)を算出する。
 すなわち、流出未燃ガス過不足流量算出手段は、上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガス中の酸素及び未燃ガス等が完全に反応していると仮定したときに、この排気ガス中に含まれる未燃ガスの流量又はこの排気ガス中に含まれる酸素を燃焼させるのに必要な未燃ガスの流量を算出する。具体的には、流出未燃ガス過不足流量算出手段は、エアフロメータ39等に基づいて算出された内燃機関の吸入空気量と、下流側空燃比センサ41によって検出された空燃比の理論空燃比に対する差とに基づいて、流出未燃ガス過不足流量ΔQscを算出している。
 加えて、酸素吸蔵量推定手段は、吸蔵量算出手段により、流入未燃ガス過不足流量ΔQcorから流出未燃ガス過不足流量ΔQscを減算した流量差(ΔQcor-ΔQsc)を積算した流量差積算値ΣQsc(=Σ(ΔQcor-ΔQsc))に基づいて、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscを算出している。ここで、上記流量差は、上流側排気浄化触媒20で燃焼除去された未燃ガスの流量又は上流側排気浄化触媒20に吸蔵された酸素の流量に相当する。したがって、流量差積算値ΣQscは上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscに比例するため、この流量差積算値ΣQscに基づいて酸素吸蔵量を正確に推定することができる。
 なお、上述した酸素吸蔵量推定手段は、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガス又は上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガスにおける未燃ガスの過不足流量に基づいて上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscを推定している。しかしながら、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガス又は上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガスにおける酸素の過不足流量に基づいて上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscを推定してもよい。この場合、酸素過不足流量は、燃料噴射弁11から燃焼室5内に供給された燃料量に空燃比センサ40、41によって検出された空燃比の理論空燃比に対する差を乗算することによって算出される。
 なお、上述した目標空燃比の設定や酸素吸蔵量の推定は、ECU31によって行われる。したがって、ECU31は、空燃比リーン切替手段、リーン度合い低下手段、空燃比リッチ切替手段、リッチ度合い低下手段、流入未燃ガス過不足流量算出手段、流出未燃ガス過不足流量算出手段及び吸蔵量算出手段を有しているといえる。
<タイムチャートを用いた制御の説明>
 図8を参照して、上述したような操作について具体的に説明する。図8は、本実施形態に係る内燃機関の制御装置における空燃比制御を行った場合の、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAsc、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwn、空燃比補正量AFC、上流側空燃比センサ40の出力電流Irup、流入未燃ガス過不足流量ΔQcor、流出未燃ガス過不足流量ΔQsc、流量差積算値ΣQsc及び空燃比ずれ量学習値gkのタイムチャートである。
 なお、上述したように、上流側空燃比センサ40の出力電流Irupは、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比であるときに零になり、当該排気ガスの空燃比がリッチ空燃比であるときに負の値となり、当該排気ガスの空燃比がリーン空燃比であるときに正の値となる。また、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比がリッチ空燃比又はリーン空燃比であるときには、理論空燃比からの差が大きくなるほど、上流側空燃比センサ40の出力電流Irupの絶対値が大きくなる。
 下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnも、上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガスの空燃比に応じて、上流側空燃比センサ40の出力電流Irupと同様に変化する。また、空燃比補正量AFCは、目標空燃比に関する補正量である。空燃比補正量AFCが0のときには目標空燃比は理論空燃比とされ、空燃比補正量AFCが正の値であるときには目標空燃比はリーン空燃比となり、空燃比補正量AFCが負の値であるときには目標空燃比はリッチ空燃比となる。
 また、空燃比ずれ量学習値AFgkは、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの目標空燃比に対して、実際に上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比がずれた場合に、このずれを補正するために用いられる。具体的には、目標空燃比に対して実際の排気空燃比がずれた場合には、このずれ量に応じて空燃比ずれ量学習値AFgkが更新され、次回以降の目標空燃比は更新された空燃比ずれ量学習値AFgkを考慮して設定される。
 図示した例では、時刻t1以前の状態では、目標空燃比の空燃比補正量AFCが弱リッチ設定補正量AFCsrichとされている。弱リッチ設定補正量AFCsrichは、弱リッチ設定空燃比に相当する値であり、0よりも小さな値である。したがって、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの目標空燃比はリッチ空燃比とされ、これに伴って上流側空燃比センサ40の出力電流Irupが負の値となる。上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガス中には未燃ガスが含まれることになるため、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscは徐々に減少していく。しかしながら、排気ガス中に含まれている未燃ガスは、上流側排気浄化触媒20で浄化されるため、下流側空燃比センサの出力電流Irdwnはほぼ0(理論空燃比に相当)となる。また、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガス中には僅かながら未燃ガスが含まれているため、流入未燃ガス過不足流量ΔQcorは正の値、すなわち未燃ガス過剰となっている。
 一方、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガス中の未燃ガスは上流側排気浄化触媒20に吸蔵されている酸素により酸化、浄化される。このため、上流側排気浄化触媒20からの酸素(及びNOx)排出量のみならず未燃ガス排出量も抑制される。したがって、流出未燃ガス過不足流量ΔQscはほぼ零となっている。この結果、流量差積算値ΣQscは徐々に増大し、これは、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが徐々に減少していることを表している。
 加えて、図示した例では、時刻t1以前において、空燃比ずれ量学習値AFgkが正の値となっている。したがって、図示した例では、時刻t1以前において、空燃比補正量AFCをリーンにずらした値(AFC+AFgk)が目標空燃比として設定される。
 上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが徐々に減少すると、酸素吸蔵量OSAscは下限吸蔵量(図2のClowlim参照)を超えて減少する。酸素吸蔵量OSAscが下限吸蔵量よりも減少すると、上流側排気浄化触媒20に流入した未燃ガスの一部は上流側排気浄化触媒20で浄化されずに流出する。このため、図8の時刻t1直前においては、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが減少するのに伴って、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnが徐々に低下する。なお、上流側排気浄化触媒20から流出した排気ガス中に含まれる未燃ガスは、下流側排気浄化触媒24によって酸化、浄化される。
 このように上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガス中に未燃ガスが含まれていて、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnが徐々に低下すると、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnに基づいて算出される流出未燃ガス過不足流量ΔQscが増加する。ただし、上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガス中の未燃ガス流量は少量であるため、流入未燃ガス過不足流量ΔQcorよりも流出未燃ガス過不足流量ΔQscの方がその絶対値が小さく、よってこのときも流量差積算値ΣQscは徐々に増大する。これは、このときも上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscは徐々に減少していることを表している。
 その後、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnは徐々に低下して、時刻t1においてリッチ判定空燃比に相当するリッチ判定基準値Irrichに到達する。本実施形態では、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnがリッチ判定基準値Irrich以下になると、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscの減少を抑制すべく、空燃比補正量AFCがリーン設定補正量AFCgleanに切り替えられる。リーン設定補正量AFCgleanは、リーン設定空燃比に相当する値であり、0よりも大きい値である。
 なお、本実施形態では、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnがリッチ判定基準値Irrichに到達してから、すなわち上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガスの空燃比がリッチ判定空燃比に到達してから、空燃比補正量AFCの切替を行っている。これは、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量が十分であっても、上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガスの空燃比が理論空燃比から極わずかにずれてしまう場合があるためである。すなわち、仮に出力電流Irdwnが理論空燃比に相当する値(すなわち、零)から僅かにずれた場合にも上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量が下限吸蔵量を超えて減少していると判断してしまうと、実際には十分な酸素吸蔵量があっても、酸素吸蔵量OSAscが下限吸蔵量を超えて減少したと判断される可能性がある。そこで、本実施形態では、上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガスの空燃比がリッチ判定空燃比に到達して始めて酸素吸蔵量が下限吸蔵量を超えて減少したと判断することとしている。逆に言うと、リッチ判定空燃比は、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量が十分であるときには上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガスの空燃比がほとんど到達することのないような空燃比とされる。なお、後述するリーン判定空燃比についても同じことがいえる。
 時刻t1において、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの目標空燃比をリーン設定空燃比に切り替えると、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比もリッチ空燃比からリーン空燃比に変化する(実際には、目標空燃比を切り替えてから上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比が変化するまでには遅れが生じるが、図示した例では便宜上同時に変化するものとしている)。
 時刻t1において上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比がリーン空燃比に変化すると、上流側空燃比センサ40の出力電流Irupは正の値になると共に、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscは増大し始める。また、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガス中には多量の酸素が含まれているため、流入未燃ガス過不足流量ΔQcorは負の値、すなわち未燃ガス不足となっている。
 なお、図示した例では、目標空燃比を切り替えた直後は、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnが低下している。これは、目標空燃比を切り替えてからその排気ガスが上流側排気浄化触媒20に到達するまでに遅れが生じ、上流側排気浄化触媒20から未燃ガスが流出したままとなるためである。したがって、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnに基づいて算出される流出未燃ガス過不足流量ΔQscは正の値となっている。ただし、上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガス中の未燃ガス流量は少量であるため、流入未燃ガス過不足流量ΔQcorの絶対値よりも流出未燃ガス過不足流量ΔQscの絶対値の方が少なく、よって時刻t2以降には流量差積算値ΣQscは徐々に減少している。これは、このときには上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが徐々に増大していることを表している。
 また、流量差積算値ΣQscは、時刻t1において零にリセットされている。これは、本実施形態において、流量差積算値ΣQscは、目標空燃比をリッチ空燃比からリーン空燃比に切り替えたとき、またはリーン空燃比からリッチ空燃比に切り替えたときを基準に積算を行っているためである。同時に、時刻t1においては、空燃比ずれ量学習値AFgkの更新が行われる。このとき、空燃比ずれ量学習値AFgkの更新は、下記式(2)に基づいて、時刻t1直前における流量差積算値ΣQscに所定の係数Cを乗算したものを、それまでの値に加算することによって行われる(なお、式(2)におけるiは更新回数を表す)。
  AFgk(i)=AFgk(i-1)+C・ΣQsc   …(2)
 その後、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscの増大に伴って、上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガスの空燃比が理論空燃比へと変化し、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnも0に収束する。このため、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnは、時刻t2以降においてリッチ判定基準値Irrich以上になる。この間も、目標空燃比の空燃比補正量AFCは、リーン設定補正量AFCgleanに維持され、上流側空燃比センサ40の出力電流Irupは正の値に維持される。
 上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscの増大が続くと、時刻t3においてリーン度合い変更基準吸蔵量Cleanに到達し、このとき、流量差積算値ΣQscがリーン度合い変更基準積算値ΣQscleanに到達する。本実施形態では、流量差積算値ΣQscがリーン度合い変更基準積算値ΣQsclean以下になると、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscの増加速度を遅くすべく、空燃比補正量AFCが弱リーン設定補正量AFCsleanに切り替えられる。弱リーン設定補正量AFCsleanは、弱リーン設定空燃比に相当する値であって、AFCgleanよりも小さく且つ0よりも大きな値である。
 時刻t3において、目標空燃比を弱リーン設定空燃比に切り替えると、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比の理論空燃比に対する差も小さくなる。これに伴って、上流側空燃比センサ40の出力電流Irupの値は小さくなると共に、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscの増加速度が低下する。加えて、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガス中に含まれる酸素の量が減少するため、流入未燃ガス過不足流量ΔQcorの絶対値は低下する。
 一方、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガス中の酸素は、上流側排気浄化触媒20に吸蔵される。このため、上流側排気浄化触媒20からの未燃ガス排出量のみならず酸素排出量も抑制される。したがって、流出未燃ガス過不足流量ΣQscはほぼ零となっている。この結果、流量差積算値ΣQscは徐々に減少し、これは、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが徐々に増加していることを表している。なお、このときには、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガス中のNOxも上流側排気浄化触媒20において還元、浄化されるため、上流側排気浄化触媒20からのNOx排出量も抑制される。
 時刻t3以降においては、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscは、その増加速度が遅いながらも徐々に増加していく。上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが徐々に増加すると、酸素吸蔵量OSAscは上限吸蔵量(図2のCuplim参照)を超えて増加する。酸素吸蔵量OSAscが上限吸蔵量よりも増大すると、上流側排気浄化触媒20に流入した酸素の一部は、上流側排気浄化触媒20で吸蔵されずに流出する。このため、図8の時刻t4直前においては、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが増加するのに伴って、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnが徐々に上昇する。なお、上流側排気浄化触媒20において酸素の一部が吸蔵されなくなるのに伴ってNOxも還元、浄化されなくなるが、このNOxは下流側排気浄化触媒24によって還元、浄化される。
 このように上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガス中に酸素が含まれていて、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnが徐々に上昇すると、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnに基づいて算出される流出未燃ガス過不足流量ΔQscが減少する。ただし、上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガス中の酸素流量は少量であるため、流入未燃ガス過不足流量ΔQcorよりも流出未燃ガス過不足流量ΔQscの方がその絶対値が小さく、よってこのときも流量差積算値ΣQscは徐々に減少する。これは、このときも上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが徐々に増加していることを表している。
 その後、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnは徐々に上昇して、時刻t4においてリーン判定空燃比に相当するリーン判定基準値Irleanに到達する。本実施形態では、下流側空燃比センサ41の出力電流がリーン判定基準値Irlean以上になると、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscの増大を抑制すべく、空燃比補正量AFCがリッチ設定補正量AFCgrichに切り替えられる。リッチ設定補正量AFCgrichは、リッチ設定空燃比に相当する値であり、0よりも小さい値である。
 時刻t4において、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの目標空燃比をリッチ設定空燃比に切り替えると、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比もリーン空燃比からリッチ空燃比に変化する(実際には、目標空燃比を切り替えてから上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比が変化するまでには遅れが生じるが、図示した例では便宜上同時に変化するものとしている)。
 時刻t4において上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比がリッチ空燃比に変化すると、上流側空燃比センサ40の出力電流Irupは負の値になると共に、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscは減少し始める。また、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガス中には多量の未燃ガスが含まれているため、流入未燃ガス過不足流量ΔQcorは正の値、すなわち未燃ガス過剰となっている。
 なお、時刻t4において流量差積算値ΣQscは零にリセットされ、同時に、空燃比ずれ量学習値AFgkの更新が行われる。このとき、空燃比ずれ量学習値AFgkの更新は、上記式(2)に基づいて、時刻t4直前における流量差積算値ΣQscに所定の係数Cを乗算したものを、それまでの値に加算することによって行われる。
 その後、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscの減少に伴って、上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガスの空燃比が理論空燃比へと変化し、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnも0に収束する。このため、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnは、時刻t5以降においてリーン判定基準値Irlean以下になる。この間も、目標空燃比の空燃比補正量AFCは、リッチ設定補正量AFCgrichに維持され、上流側空燃比センサ40の出力電流Irupは負の値に維持される。
 上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscの減少が続くと、時刻t6においてリッチ度合い変更基準吸蔵量Crichに到達し、このとき、流量差積算値ΣQscがリッチ度合い変更基準積算値ΣQscrichに到達する。本実施形態では、流量差積算値ΣQscがリッチ度合い変更基準積算値ΣQscrich以上になると、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscの減少速度を遅くすべく、空燃比補正量AFCが弱リッチ設定補正量AFCsrichに切り替えられる。弱リッチ設定補正量AFCsrichは、弱リッチ設定空燃比に相当する値であり、AFCgrichよりも大きく且つ0よりも小さな値である。
 時刻t6において、目標空燃比を弱リッチ設定空燃比に切り替えると、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比の理論空燃比に対する差も小さくなる。これに伴って、上流側空燃比センサ40の出力電流Irupの値は大きくなると共に、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscの減少速度が低下する。加えて、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガス中に含まれる未燃ガスの量が減少するため、流入未燃ガス過不足流量ΔQcorの絶対値は低下する。
 一方、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガス中の未燃ガスは、上流側排気浄化触媒20において酸化、浄化される。このため、上流側排気浄化触媒20からの酸素及びNOx排出量のみならず未燃ガス排出量も抑制される。したがって、流出未燃ガス過不足流量ΣQscはほぼ零となっている。この結果、流量差積算値ΣQscは徐々に増加し、これは、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが徐々に減少していることを表している。
 時刻t3以降においては、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscは、その減少速度が遅いながらも徐々に減少していき、その結果、上流側排気浄化触媒20から未燃ガスが流出し始め、その結果、時刻t1と同様に下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnがリッチ判定基準値Irrichに到達する。その後は、時刻t1~t6の操作と同様な操作が繰り返される。
<本実施形態の制御における作用効果>
 上述した本実施形態の空燃比制御によれば、時刻t1において目標空燃比がリッチ空燃比からリーン空燃比に変更された直後、及び時刻t4において目標空燃比がリーン空燃比からリッチ空燃比に変更された直後には、理論空燃比からの差が大きなものとされる(すなわち、リッチ度合い又はリーン度合いが大きいものとされる)。このため、時刻t1において上流側排気浄化触媒20から流出していた未燃ガス及び時刻t4において上流側排気浄化触媒20から流出していたNOxを迅速に減少させることができる。したがって、上流側排気浄化触媒20からの未燃ガス及びNOxの流出を抑制することができる。
 また、本実施形態の空燃比制御によれば、時刻t1において目標空燃比をリーン設定空燃比に設定した後、上流側排気浄化触媒20からの未燃ガスの流出が止まり且つ上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscがある程度回復してから、時刻t3において目標空燃比が弱リーン設定空燃比に切り替えられる。このように目標空燃比の理論空燃比からの差を小さくすることにより、時刻t3から時刻t4において、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscの増加速度を遅くすることができる。これにより、時刻t3から時刻t4までの時間間隔を長くすることができる。この結果、単位時間当たりにおける上流側排気浄化触媒20からのNOxや未燃ガスの流出量を減少させることができる。さらに、上記空燃比制御によれば、時刻t4において、上流側排気浄化触媒20からNOxが流出するときにもその流出量を少なく抑えることができる。したがって、上流側排気浄化触媒20からのNOxの流出を抑制することができる。
 加えて、本実施形態の空燃比制御によれば、時刻t4において目標空燃比をリッチ設定空燃比に設定した後、上流側排気浄化触媒20からのNOx(酸素)の流出が止まり且つ上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscがある程度減少してから、時刻t6において目標空燃比が弱リッチ設定空燃比に切り替えられる。このように目標空燃比の理論空燃比からの差を小さくすることにより、時刻t6から時刻t7(時刻t1に相当する制御を行う時刻)において、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscの減少速度を遅くすることができる。これにより、時刻t6から時刻t7までの時間間隔を長くすることができる。この結果、単位時間当たりにおける上流側排気浄化触媒20からのNOxや未燃ガスの流出量を減少させることができる。さらに、上記空燃比制御によれば、時刻t7において、上流側排気浄化触媒20から未燃ガスが流出するときにもその流出量を少なく抑えることができる。したがって、上流側排気浄化触媒20からの未燃ガスの流出を抑制することができる。
 さらに、本実施形態では、下流側において排気ガスの空燃比を検出するセンサとして、図4に示した構成を有する空燃比センサ41を用いている。この空燃比センサ41では、酸素センサと異なり、図3に示したような排気空燃比の変化の方向に応じたヒステリシスを有しない。このため、空燃比センサ41によれば実際の排気空燃比に対して応答性が高く、上流側排気浄化触媒20からの未燃ガス及び酸素(及びNOx)の流出を迅速に検出することができる。したがって、このことによっても、本実施形態によれば、上流側排気浄化触媒20からの未燃ガス及びNOx(及び酸素)の流出を抑制することができる。
 また、酸素を吸蔵可能な排気浄化触媒では、その酸素吸蔵量をほぼ一定に維持すると、その酸素吸蔵能力の低下を招く。したがって、酸素吸蔵能力を可能な限り維持するためには、排気浄化触媒の使用時にその酸素吸蔵量を上下に変化させることが必要になる。本実施形態に係る空燃比制御によれば、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscは、零近傍と最大酸素吸蔵量近傍との間で上下に繰り返し変化する。このため、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscをできるだけ高く維持することができる。
<具体的な制御の説明>
 次に、図9~図11を参照して、上記実施形態における制御装置について具体的に説明する。本実施形態における制御装置は、機能ブロック図である図9に示したように、A1~A11の各機能ブロックを含んで構成されている。以下、図9を参照しながら各機能ブロックについて説明する。
<燃料噴射量の算出>
 まず、燃料噴射量の算出について説明する。燃料噴射量の算出に当たっては、筒内吸入空気量算出手段A1、基本燃料噴射量算出手段A2、及び燃料噴射量算出手段A3が用いられる。
 筒内吸入空気量算出手段A1は、エアフロメータ39によって計測される吸入空気流量Gaと、クランク角センサ44の出力に基づいて算出される機関回転数NEと、ECU31のROM34に記憶されているマップ又は計算式とに基づいて各気筒への吸入空気量Mcを算出する。
 基本燃料噴射量算出手段A2は、筒内吸入空気量算出手段A1によって算出された筒内吸入空気量Mcを、後述する目標空燃比設定手段A6によって算出された目標空燃比AFTで除算することにより、基本燃料噴射量Qbaseを算出する(Qbase=Mc/AFT)。
 燃料噴射量算出手段A3は、基本燃料噴射量算出手段A2によって算出された基本燃料噴射量Qbaseに、後述するF/B補正量DQiを加えることで燃料噴射量Qiを算出する(Qi=Qbase+DQi)。このようにして算出された燃料噴射量Qiの燃料が燃料噴射弁11から噴射されるように、燃料噴射弁11に対して噴射指示が行われる。
<目標空燃比の算出>
 次に、目標空燃比の算出について説明する。目標空燃比の算出に当たっては、酸素吸蔵量算出手段A4、学習値推定手段A5、基本目標空燃比算出手段A6、目標空燃比補正量算出手段A7、及び目標空燃比設定手段A8が用いられる。
 酸素吸蔵量算出手段A4は、筒内吸入空気量算出手段A1によって算出された筒内吸入空気量Mc、上流側空燃比センサ40の出力電流Irup及び下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnに基づいて、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量を表す値として流量差積算値ΣQscを算出する。また、学習値算出手段A5は、酸素吸蔵量算出手段A4において算出された流量差積算値ΣQscに基づいて空燃比ずれ量学習値AFgkを算出する。具体的には、酸素吸蔵量算出手段A4及び学習値算出手段A5は、図10に示したフローチャートに基づいて流量差積算値ΣQsc及び空燃比ずれ量学習値AFgkを算出する。
 図10は、流量差積算値ΣQsc及び空燃比ずれ量学習値AFgkの算出制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。図示した制御ルーチンは一定時間間隔の割り込みによって行われる。
 まず、ステップS11では、後述する目標空燃比補正量算出手段A7において、空燃比補正量AFCが正から負又は負から正に変更されたか否かが判定される。すなわち、ステップS11では、目標空燃比がリッチからリーンへ又はリーンからリッチへ切り替えられたか否かが判定される。
 ステップS11において、空燃比補正量AFCの正負が変更されていないと判定された場合には、ステップS12へと進む。ステップS12では、筒内吸入空気量算出手段A1によって算出された筒内吸入空気量Mc、上流側空燃比センサ40の出力電流Irup及び下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnが取得される。なお、筒内吸入空気量Mcは現在の筒内吸入空気量Mcのみならず、過去の複数サイクルにおける筒内吸入空気量Mcも取得される。
 次いで、ステップS13では、燃焼室5内に吸気ガスが吸気されてから上流側空燃比センサ40にそのガスが到達するまでの遅れに相当するサイクル数分前の筒内吸入空気量Mc及び上流側空燃比センサ40の出力電流Irupに基づいて流入未燃ガス過不足流量ΔQcorが算出される。具体的には、所定サイクル数分前の筒内吸入空気量Mcに上流側空燃比センサ40の出力電流Irup及び所定の係数Kを乗算することによって算出される(ΔQcor=K・Mc・Irup)。
 ステップS14では、燃焼室5内に吸気ガスが吸気されてから下流側空燃比センサ41にそのガスが到達するまでの遅れに相当するサイクル数分前の筒内吸入空気量Mc及び下流側空燃比センサの出力電流Irdwnに基づいて流出未燃ガス過不足流量ΔQscが算出される。具体的には、所定サイクル数分前の筒内吸入空気量Mcに下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwn及び所定の係数Kを乗算することによって算出される(ΔQsc=K・Mc・Irdwn)。
 次いで、ステップS15では、ステップS13において算出された流入未燃ガス過不足流量ΔQcor及びステップS14において算出された流出未燃ガス過不足流量ΔQscに基づいて、下記式(3)により流量差積算値ΣQscが算出される。なお、下記式(3)において、kは計算回数を表す。
  ΣQsc(k)=ΣQsc(k-1)+ΔQcor-ΔQsc   …(3)
 一方、ステップS11において、空燃比補正量AFCの正負が変更されたと判定された場合、すなわち、目標空燃比がリッチからリーンへ又はリーンからリッチへ切り替えられたと判定された場合には、ステップS16へと進む。ステップS16では、上記式(2)により、空燃比ずれ量学習値AFgkの更新が行われる。次いで、ステップS17では、流量差積算値ΣQscが0にリセットされて、制御ルーチンが終了せしめられる。
 再び図9に戻ると、基本目標空燃比算出手段A6では、空燃比制御の中心となるベース空燃比(本実施形態では理論空燃比)AFBに、空燃比ずれ量学習値AFgkを加えた値が基本目標空燃比AFRとして算出される。基本目標空燃比AFBは、目標空燃比と実際に上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比とが常に一致している場合には、ベース空燃比と同一の値となる。
 目標空燃比補正量算出手段A7では、酸素吸蔵量算出手段A4によって算出された流量差積算値ΣQsc及び下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnとに基づいて、目標空燃比の空燃比補正量AFCが算出される。具体的には、空燃比補正量AFCは、図11に示したフローチャートに基づいて設定される。
 図11は、空燃比補正量AFCの算出制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。図示した制御ルーチンは一定時間間隔の割り込みによって行われる。
 図11に示したように、まず、ステップS21において、リッチフラグFrが1にセットされているか否かが判定される。リッチフラグFrは、目標空燃比がリッチ空燃比(すなわち、弱リッチ設定空燃比又はリッチ設定空燃比)に設定されているときには1、リーン空燃比(すなわち、弱リーン設定空燃比又はリーン設定空燃比)に設定されているときには0とされるフラグである。ステップS21において、リッチフラグFrが0にセットされている場合、すなわち目標空燃比がリーン空燃比に設定されていると判定された場合には、ステップS22へと進む。
 ステップS22では、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnがリーン判定基準値Irleanよりも小さいか否かが判定される。上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが少なくて、上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガス中に酸素がほとんど含まれていない場合には、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnはリーン判定基準値Irleanよりも小さいと判定されてステップS23へと進む。
 ステップS23では、流量差積算値ΣQscがリーン度合い変更基準積算値ΣQscleanよりも大きいか否かが判定される。上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが少なくて、流量差積算値ΣQscがリーン度合い変更基準積算値ΣQscleanよりも大きい場合(すなわち、図8の時刻t1~t3)には、ステップS24へと進む。ステップS24では、空燃比補正量AFCがリーン設定補正量AFCgleanに設定され、制御ルーチンが終了せしめられる。
 その後、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが増大して、流量差積算値ΣQscが減少すると、次の制御ルーチンでは、ステップS23において、流量差積算値ΣQscがリーン度合い変更基準積算値ΣQsclean以下であると判定されてステップS25へと進む(図8における時刻t3に相当)。ステップS25では、空燃比補正量AFCが弱リーン設定補正量AFCsleanに設定され、制御ルーチンが終了せしめられる。
 上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが更に増大して、上流側排気浄化触媒20から酸素が流出し始めると、次の制御ルーチンではステップS22において、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnはリーン判定基準値Irlean以上であると判定されて、ステップS26へと進む(図8における時刻t4に相当)。ステップS26では、空燃比補正量AFCがリッチ設定補正量AFCgrichに設定される。次いで、ステップS27では、リッチフラグFrが1にセットされて、制御ルーチンが終了せしめられる。
 リッチフラグFrが1にセットされると、次の制御ルーチンでは、ステップS21からステップS28へと進む。ステップS28では、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnがリッチ判定基準値Irrichよりも大きいか否かが判定される。上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが少なくて、上流側排気浄化触媒20から流出する排気ガス中に未燃ガスがほとんど含まれていない場合には、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnはリッチ判定基準値Irrichよりも小さいと判定されてステップS29へと進む。
 ステップS29では、流量差積算値ΣQscがリッチ度合い変更基準積算値ΣQscrichよりも小さいか否かが判定される。上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが多くて、流量差積算値ΣQscがリッチ度合い変更基準積算値ΣQscrichよりも小さい場合(すなわち、図8の時刻t4~t6)には、ステップS30へと進む。ステップS30では、空燃比補正量AFCがリッチ設定補正量AFCgrichに設定され、制御ルーチンが終了せしめられる。
 その後、上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが減少して、流量差積算値ΣQscが増加すると、次の制御ルーチンでは、ステップS29において、流量差積算値ΣQscがリッチ度合い変更基準積算値ΣQscrich以上であると判定されて、ステップS31へと進む(図8における時刻t6に相当)。ステップS31では、空燃比補正量AFCが弱リッチ設定補正量AFCsrichに設定され、制御ルーチンが終了せしめられる。
 上流側排気浄化触媒20の酸素吸蔵量OSAscが更に減少して、上流側排気浄化触媒20から未燃ガスが流出し始めると、次の制御ルーチンではステップS28において、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnがリッチ判定基準値Irrich以下であると判定されて、ステップS32へと進む(図8における時刻t1に相当)。ステップS32では、空燃比補正量AFCがリーン設定補正量AFCgleanに設定される。次いで、ステップS33では、リッチフラグFrが0にセットされて、制御ルーチンが終了せしめられる。
 目標空燃比設定手段A8は、基本目標空燃比算出手段A6において算出された基本目標空燃比AFRに、目標空燃比補正量算出手段A7で算出された空燃比補正量AFCを加算することで、目標空燃比AFTを算出する。したがって、目標空燃比AFTは、理論空燃比よりも僅かにリッチである弱リッチ設定空燃比(空燃比補正量AFCが弱リッチ設定補正量AFCsrichの場合)、理論空燃比よりもかなりリッチであるリッチ設定空燃比(空燃比補正量AFCがリッチ設定補正量AFCgrichの場合)、理論空燃比よりも僅かにリッチである弱リーン設定空燃比(空燃比補正量AFCが弱リッチ設定補正量AFCsleanの場合)、理論空燃比よりもかなりリーンであるリーン設定空燃比(空燃比補正量AFCがリーン設定補正量AFCgleanの場合)のいずれかとされる。このようにして算出された目標空燃比AFTは、基本燃料噴射量算出手段A2及び後述する空燃比差算出手段A8に入力される。
<F/B補正量の算出>
 次に、上流側空燃比センサ40の出力電流Irupに基づいたF/B補正量の算出について説明する。F/B補正量の算出に当たっては、数値変換手段A9、空燃比差算出手段A10、F/B補正量算出手段A11が用いられる。
 数値変換手段A9は、上流側空燃比センサ40の出力電流Irupと、空燃比センサ40の出力電流Irupと空燃比との関係を規定したマップ又は計算式(例えば、図6に示したようなマップ)とに基づいて、上流側排気空燃比AFupを算出する。したがって、上流側排気空燃比AFupは、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比に相当する。
 空燃比差算出手段A10は、数値変換手段A9によって求められた上流側排気空燃比AFupから目標空燃比設定手段A8によって算出された目標空燃比AFTを減算することによって空燃比差DAFを算出する(DAF=AFup-AFT)。この空燃比差DAFは、目標空燃比AFTに対する燃料供給量の過不足を表す値である。
 F/B補正量算出手段A11は、空燃比差算出手段A10によって算出された空燃比差DAFを、比例・積分・微分処理(PID処理)することで、下記式(4)に基づいて燃料供給量の過不足を補償するためのF/B補正量DFiを算出する。このようにして算出されたF/B補正量DFiは、燃料噴射量算出手段A3に入力される。
  DFi=Kp・DAF+Ki・SDAF+Kd・DDAF   …(4)
 なお、上記式(4)において、Kpは予め設定された比例ゲイン(比例定数)、Kiは予め設定された積分ゲイン(積分定数)、Kdは予め設定された微分ゲイン(微分定数)である。また、DDAFは、空燃比差DAFの時間微分値であり、今回更新された空燃比差DAFと前回更新されていた空燃比差DAFとの差を更新間隔に対応する時間で除算することで算出される。また、SDAFは、空燃比差DAFの時間積分値であり、この時間積分値DDAFは前回更新された時間積分値DDAFに今回更新された空燃比差DAFを加算することで算出される(SDAF=DDAF+DAF)。
 なお、上記実施形態では、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比を上流側空燃比センサ40によって検出している。しかしながら、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比の検出精度は必ずしも高い必要はないことから、例えば、燃料噴射弁11からの燃料噴射量及びエアフロメータ39の出力に基づいて上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの空燃比を推定するようにしてもよい。
 また、上記実施形態では、流量差積算値ΣQscがリーン度合い変更基準積算値ΣQsclean以下となったときに、目標空燃比を理論空燃比からの差を小さくなるように変化させている。しかしながら、目標空燃比を理論空燃比からの差を小さくなるように変化させるタイミングは、時刻t1~t4の間のいつでもよい。例えば、図12に示したように、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnがリーン判定基準値Irrich以上になったときに、目標空燃比を理論空燃比からの差を小さくなるように変化させてもよい。
 同様に、上記実施形態では、流量差積算値ΣQscがリッチ度合い変更基準積算値ΣQscrich以上となったときに、目標空燃比を理論空燃比からの差を小さくなるように変化させている。しかしながら、目標空燃比を理論空燃比からの差を小さくなるように変化させるタイミングは、時刻t4~t7(t1)の間のいつでもよい。例えば、図12に示したように、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnがリッチ判定基準値Irrich以下になったときに、目標空燃比を理論空燃比からの差を小さくなるように変化させてもよい。
 さらに、上記実施形態では、時刻t3~t4の間、及び時刻t6~t7(t1)の間、目標空燃比は弱リーン設定空燃比又は弱リッチ設定空燃比に固定されている。しかしながら、これら期間において、目標空燃比は、その差が段階的に小さくなるように設定されてもよいし、その差が連続的に小さくなるように設定されてもよい。
 これらをまとめて表現すると、本発明によれば、ECU31は、下流側空燃比センサ41によって検出された排気空燃比がリッチ空燃比になったときに、上流側排気浄化触媒20に流入する排気ガスの目標空燃比をリーン設定空燃比まで変化させる空燃比リーン切替手段と、空燃比リーン切替手段によって目標空燃比を変化させた後であって下流側空燃比センサ41によって検出される排気空燃比がリーン空燃比になる前に目標空燃比をリーン設定空燃比よりも理論空燃比からの差が小さいリーン空燃比に変化させるリーン度合い低下手段と、下流側空燃比センサ41によって検出された排気空燃比がリーン空燃比になったときに、目標空燃比をリッチ設定空燃比まで変化させる空燃比リッチ切替手段と、空燃比リッチ切替手段によって空燃比を変化させた後であって下流側空燃比センサ41によって検出される排気空燃比がリッチ空燃比になる前に目標空燃比をリッチ設定空燃比よりも理論空燃比からの差が小さいリッチ空燃比に変化させるリッチ度合い低下手段とを具備すると言える。
<第二実施形態>
 次に、図13~図17を参照して、本発明の第二実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明する。第二実施形態に係る内燃機関の制御装置の構成及び制御は、基本的に、上記実施形態に係る内燃機関の制御装置の構成及び制御と同様である。しかしながら、上記実施形態では、下流側空燃比センサのセンサ印加電圧は一定であったのに対して、本実施形態では、状況に応じてセンサ印加電圧を変化させることとしている。
<空燃比センサの出力特性>
 本実施形態の上流側空燃比センサ40及び下流側空燃比センサ41は、第一実施形態の空燃比センサ40、41と同様に、図4及び図5を用いて説明したよう構成され且つ動作する。これら空燃比センサ40、41は、図13に示したような電圧-電流(V-I)特性を有する。図13からわかるように、センサ印加電圧Vrが0以下及び0近傍の領域では、排気空燃比が一定である場合には、センサ印加電圧Vrを負の値から徐々に増加していくと、これに伴って出力電流Irが増加していく。
 すなわち、この電圧領域では、センサ印加電圧Vrが低いため、固体電解質層51を介して移動可能な酸素イオンの流量が少ない。このため、拡散律速層54を介した排気ガスの流入速度よりも固体電解質層51を介して移動可能な酸素イオンの流量が少なくなり、よって、出力電流Irは固体電解質層51を介して移動可能な酸素イオンの流量に応じて変化する。固体電解質層51を介して移動可能な酸素イオンの流量はセンサ印加電圧Vrに応じて変化するため、結果的にセンサ印加電圧Vrの増加に伴って出力電流が増加する。なお、このようにセンサ印加電圧Vrに比例して出力電流Irが変化する電圧領域は比例領域と称される。また、センサ印加電圧Vrが0のときに出力電流Irが負値をとるのは、酸素電池特性により固体電解質層51の両側面間の酸素濃度比に応じた起電力Eが生じるためである。
 その後、排気空燃比を一定としたまま、センサ印加電圧Vrを徐々に増加していくと、これに対する出力電流の増加の割合は次第に小さくなり、ついにはほぼ飽和状態となる。その結果、センサ印加電圧Vrを増加しても出力電流はほとんど変化しなくなる。このほぼ飽和した電流は限界電流と称され、以下では、この限界電流が発生する電圧領域を限界電流領域と称する。
 すなわち、この限界電流領域では、センサ印加電圧Vrが或る程度高いため、固体電解質層51を介して移動可能な酸素イオンの流量が多い。このため、拡散律速層54を介した排気ガスの流入速度よりも固体電解質層51を介して移動可能な酸素イオンの流量の方が多くなる。したがって、出力電流Irは拡散律速層54を介して被測ガス室57に流入する排気ガス中の酸素濃度や未燃ガス濃度に応じて変化する。排気空燃比を一定としてセンサ印加電圧Vrを変化させても、基本的には拡散律速層54を介して被測ガス室57に流入する排気ガス中の酸素濃度や未燃ガス濃度は変化しないことから、出力電圧Irは変化しない。
 ただし、排気空燃比が異なれば、拡散律速層54を介して被測ガス室57に流入する排気ガス中の酸素濃度や未燃ガス濃度も異なることから、出力電流Irは排気空燃比に応じて変化する。図13からわかるように、リーン空燃比とリッチ空燃比とでは限界電流の流れる向きが逆になっており、リーン空燃比であるときには空燃比が大きくなるほど、リッチ空燃比であるときには空燃比が小さくなるほど、限界電流の絶対値が大きくなる。
 その後、排気空燃比を一定としたまま、センサ印加電圧Vrをさらに増加していくと、これに伴って再び出力電流Irが増加し始める。このように高いセンサ印加電圧Vrを印加すると、排気側電極52上では排気ガス中に含まれる水分の分解が発生し、これに伴って電流が流れる。また、センサ印加電圧Vrをさらに増加していくと、水の分解だけでは電流をまかなえなくなり、今度は固体電解質層51の分解が発生する。以下では、このように水や固体電解質層51の分解が生じる電圧領域を水分解領域と称する。
 図14は、各センサ印加電圧Vrにおける排気空燃比と出力電流Irとの関係を示す図である。図14からわかるように、センサ印加電圧Vrが0.1Vから0.9V程度であれば、少なくとも理論空燃比の近傍においては、排気空燃比に応じて出力電流Irが変化する。また、図14からわかるように、センサ印加電圧Vrが0.1Vから0.9V程度であれば、理論空燃比の近傍においては、排気空燃比と出力電流Irとの関係はセンサ印加電圧Vrに無関係にほぼ同一である。
 一方、図14からわかるように、或る一定の排気空燃比以下に排気空燃比が低くなると、排気空燃比が変化しても出力電流Irがほとんど変化しなくなる。この一定の排気空燃比はセンサ印加電圧Vrに応じて変化し、センサ印加電圧Vrが高いほど高い。このため、センサ印加電圧Vrを或る特定の値以上に増大させると、図中に一点鎖線で示したように、排気空燃比が如何なる値であっても出力電流Irが0にならなくなる。
 一方、或る一定の排気空燃比以上に排気空燃比が高くなると、排気空燃比が変化しても出力電流Irがほとんど変化しなくなる。この一定の排気空燃比もセンサ印加電圧Vrに応じて変化し、センサ印加電圧Vrが低いほど低い。このため、センサ印加電圧Vrを或る特定の値以下に低下させると、図中に二点鎖線で示したように、排気空燃比が如何なる値であっても出力電流Irが0にならなくなる(例えば、センサ印加電圧Vrを0Vとした場合には排気空燃比に関わらず出力電流Irは0にならない)。
<理論空燃比近傍における微視的特性>
 ところで、本発明者らが鋭意研究を行ったところ、センサ印加電圧Vrと出力電流Irとの関係(図13)や排気空燃比と出力電流Irとの関係(図14)を巨視的に見ると上述したような傾向になるが、これら関係を理論空燃比近傍で微視的に見るとこれとは異なる傾向になることを見出した。以下、これについて説明する。
 図15は、図13の電圧-電流線図について、出力電流Irが0近傍となる領域(図13においてX-Xで示した領域)を拡大して示した図である。図15からわかるように、限界電流領域においても、排気空燃比を一定としたときに、センサ印加電圧Vrが増大するのに伴って出力電流Irもごく僅かながら増大する。例えば、排気空燃比が理論空燃比(14.6)である場合を例にとってみると、センサ印加電圧Vrが0.45V程度のときには出力電流Irは0となる。これに対して、センサ印加電圧Vrを0.45Vよりも或る程度低く(例えば、0.2V)すると、出力電流は0よりも低い値となる。一方、センサ印加電圧Vrを0.45Vよりも或る程度高く(例えば、0.7V)すると、出力電流は0よりも高い値となる。
 図16は、図14の空燃比-電流線図について、排気空燃比が理論空燃比近傍であって且つ出力電流Irが0近傍である領域(図14においてYで示した領域)を拡大して示した図である。図16からは、理論空燃比近傍の領域においては、同一の排気空燃比に対する出力電流Irがセンサ印加電圧Vr毎に僅かに異なることがわかる。例えば、図示した例では、排気空燃比が理論空燃比である場合、センサ印加電圧Vrを0.45Vとしたときに出力電流Irが0になる。そして、センサ印加電圧Vrを0.45Vよりも大きくすると出力電流Irも大きくなり、センサ印加電圧Vrを0.45Vよりも小さくすると出力電流Irも小さくなる。
 加えて、図16からは、センサ印加電圧Vr毎に、出力電流Irが0となるときの排気空燃比(以下、「電流零時の排気空燃比」という)が異なることがわかる。図示した例では、センサ印加電圧Vrが0.45Vである場合には排気空燃比が理論空燃比であるときに出力電流Irが0になる。これに対して、センサ印加電圧Vrが0.45Vよりも大きい場合には、排気空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに出力電流Irが0になり、センサ印加電圧Vrが大きくなるほど電流零時の排気空燃比は小さくなる。逆に、センサ印加電圧Vrが0.45Vよりも小さい場合には、排気空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときに出力電流Irが0になり、センサ印加電圧Vrが小さくなるほど電流零時の排気空燃比は大きくなる。すなわち、センサ印加電圧Vrを変化させることにより、電流零時の排気空燃比を変化させることができる。
 ここで、図6における傾き、すなわち排気空燃比の増加量に対する出力電流の増加量の比率(以下、「出力電流変化率」という)は、同様な生産工程を経ても必ずしも同一にはならず、同一型式の空燃比センサであっても個体間でバラツキが生じてしまう。加えて、同一の空燃比センサにおいても、経年劣化等により出力電流変化率は変化する。この結果、たとえ図17に実線Aで示した出力特性を有するように構成されている同一型式のセンサを用いても、使用したセンサや使用期間等によって、図17に破線Bで示したように出力電流変化率が小さくなったり、一点鎖線Cで示したように出力電流変化率が大きくなったりする。
 このため、同一型式の空燃比センサを用いて同一の空燃比の排気ガスの計測を行っても、使用したセンサや使用期間等によって、空燃比センサの出力電流は異なるものとなってしまう。例えば、空燃比センサが実線Aで示したような出力特性を有する場合には、空燃比がaf1である排気ガスの計測を行ったときの出力電流は、I2になる。しかしながら、空燃比センサが破線Bや一点鎖線Cで示したような出力特性を有する場合には、空燃比がaf1である排気ガスの計測を行ったときの出力電流は、それぞれI1及びI3となり、上述したI2とは異なる出力電流となってしまう。
 しかしながら、図17からも分かるように、空燃比センサの個体間でバラツキが生じたり、同一の空燃比センサにおいて経年劣化等によってバラツキが生じたりしたとしても、電流零時の排気空燃比(図17の例では理論空燃比)はほとんど変化しない。すなわち、出力電流Irが零以外の値をとるときには、排気空燃比の絶対値を正確に検出することは困難であるのに対して、出力電流Irが零となるときには、排気空燃比の絶対値(図17の例では理論空燃比)を正確に検出することができる。
 そして、図16を用いて説明したように、空燃比センサ40、41では、センサ印加電圧Vrを変化させることにより、電流零時の排気空燃比を変化させることができる。すなわち、センサ印加電圧Vrを適切に設定すれば、理論空燃比以外の排気空燃比の絶対値を正確に検出することができる。特に、センサ印加電圧Vrを後述する「特定電圧領域」内で変化させた場合には、電流零時の排気空燃比を理論空燃比(14.6)に対して僅かにのみ(例えば、±1%の範囲(約14.45~約14.75)内)調整することができる。したがって、センサ印加電圧Vrを適切に設定することにより、理論空燃比とは僅かに異なる空燃比の絶対値を正確に検出することができるようになる。
 なお、上述したように、センサ印加電圧Vrを変化させることにより、電流零時の排気空燃比を変化させることができる。しかしながら、センサ印加電圧Vrを或る上限電圧よりも大きくするか又は或る下限電圧よりも小さくすると、センサ印加電圧Vrの変化量に対する電流零時の排気空燃比の変化量が大きくなる。したがって、斯かる電圧領域では、センサ印加電圧Vrが僅かにずれると、電流零時の排気空燃比が大きく変化してしまう。したがって、斯かる電圧領域では、排気空燃比の絶対値を正確に検出するためには、センサ印加電圧Vrを精密に制御することが必要になり、あまり実用的ではない。このため、排気空燃比の絶対値を正確に検出する観点からは、センサ印加電圧Vrは或る上限電圧と或る下限電圧との間の「特定電圧領域」内の値とすることが必要になる。
 ここで、図15に示したように、空燃比センサ40、41は、各排気空燃比毎に、出力電流Irが限界電流となる電圧領域である限界電流領域を有する。本実施形態では、排気空燃比が理論空燃比であるときの限界電流領域が「特定電圧領域」とされる。
 なお、図14を用いて説明したように、センサ印加電圧Vrを或る特定の値(最大電圧)以上に増大させると、図中に一定鎖線で示したように、排気空燃比が如何なる値であっても出力電流Irが0にならなくなる。一方、センサ印加電圧Vrを或る特定の値(最小電圧)以下に低下させると、図中に二点鎖線で示したように、排気空燃比が如何なる値であっても出力電流Irが0にならなくなる。
 したがって、センサ印加電圧Vrが最大電圧と最小電圧との間の電圧であれば、出力電流が零となる排気空燃比が存在する。逆に、センサ印加電圧Vrが最大電圧よりも高い電圧或いは最小電圧よりも低い電圧であれば、出力電流が零となる排気空燃比が存在しない。したがって、センサ印加電圧Vrは、少なくとも、排気空燃比がいずれかの空燃比であるときに出力電流が零となる電圧であること、すなわち、最大電圧と最小電圧との間の電圧であることが必要になる。上述した「特定電圧領域」は、最大電圧と最小電圧との間の電圧領域である。
<各空燃比センサにおける印加電圧>
 本実施形態では、上述した理論空燃比近傍での微視的特性に鑑みて、上流側空燃比センサ40によって排気ガスの空燃比を検出するときには、上流側空燃比センサ40におけるセンサ印加電圧Vrupは、排気空燃比が理論空燃比(本実施形態では14.6)であるときに出力電流が零となるような電圧(例えば、0.45V)に小知恵される。換言すると、上流側空燃比センサ40では電流零時の排気空燃比が理論空燃比となるようにセンサ印加電圧Vrupが設定される。
 一方、下流側空燃比センサ41におけるセンサ印加電圧Vrは、図18に示したように、目標空燃比がリッチ空燃比(すなわち、リッチ設定空燃比又は弱リッチ設定空燃比)であるときには、排気空燃比が理論空燃比よりも僅かにリッチである予め定められた所定空燃比(リッチ判定空燃比)であるときに出力電流が零となるような電圧(例えば、0.7V)とされる。換言すると、目標空燃比がリッチ空燃比であるときには、下流側空燃比センサ41では、電流零時の排気空燃比が理論空燃比よりも僅かにリッチであるリッチ判定空燃比となるようにセンサ印加電圧Vrdwnが設定される。
 一方、図18に示したように、目標空燃比がリーン空燃比(すなわち、リーン設定空燃比又は弱リーン設定空燃比)であるときには、下流側空燃比センサ41におけるセンサ印加電圧Vrは、排気空燃比が理論空燃比よりも僅かにリーンである予め定められた所定空燃比(リーン判定空燃比)であるときに出力電流が零となるような電圧(例えば、0.2V)とされる。換言すると、目標空燃比がリーン空燃比であるときには、下流側空燃比センサ41では、電流零時の排気空燃比が理論空燃比よりも僅かにリーンであるリーン判定空燃比となるようにセンサ印加電圧Vrdwnが設定される。
 このように、本実施形態では、下流側空燃比センサ41におけるセンサ印加電圧Vrdwnは、上流側空燃比センサ40におけるセンサ印加電圧Vrupとは異なる電圧とされると共に、上流側空燃比センサ40におけるセンサ印加電圧Vrupよりも高い電圧と低い電圧に交互に設定される。
 したがって、両空燃比センサ40、41に接続されたECU31は、上流側空燃比センサ40の出力電流Irupが零になったときに上流側空燃比センサ40周りの排気空燃比は理論空燃比であると判断する。一方、ECU31は、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnが零になったときには、下流側空燃比センサ41周りの排気空燃比はリッチ判定空燃比又はリーン判定空燃比、すなわち、理論空燃比とは異なる予め定められた空燃比であると判断する。これにより、下流側空燃比センサ41によってリッチ判定空燃比及びリーン判定空燃比を正確に検出することができる。
 なお、図18に示したように、本実施形態では、下流側空燃比センサ41のセンサ印加電圧Vrdwnを0.7Vとしている場合に、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnが零以下となったときに、下流側空燃比センサ41のセンサ印加電圧Vrdwnが0.2Vに変更される。また、下流側空燃比センサ41のセンサ印加電圧Vrdwnを0.2Vとしている場合に、下流側空燃比センサ41の出力電流Irdwnが零以上となったときに、下流側空燃比センサ41のセンサ印加電圧Vrdwnが0.7Vに変更される。
 なお、本明細書において、排気浄化触媒の酸素吸蔵量は、最大酸素吸蔵量と零との間で変化するものとして説明している。このことは、排気浄化触媒によって更に吸蔵可能な酸素の量が、零(酸素吸蔵量が最大酸素吸蔵量である場合)と最大値(酸素吸蔵量が零である場合)の間で変化することを意味するものである。
 5  燃焼室
 6  吸気弁
 8  排気弁
 10  点火プラグ
 11  燃料噴射弁
 13  吸気枝管
 15  吸気管
 18  スロットル弁
 19  排気マニホルド
 20  上流側排気浄化触媒
 21  上流側ケーシング
 22  排気管
 23  下流側ケーシング
 24  下流側排気浄化触媒
 31  ECU
 39  エアフロメータ
 40  上流側空燃比センサ
 41  下流側空燃比センサ

Claims (16)

  1.  内燃機関の排気通路に配置されると共に酸素を吸蔵可能な排気浄化触媒と、該排気浄化触媒の排気流れ方向下流側に配置されると共に前記排気浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比を検出する下流側空燃比検出装置と、前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように該排気ガスの空燃比を制御する空燃比制御装置とを具備する、内燃機関の制御装置において、
     前記下流側空燃比検出装置によって検出された排気空燃比がリッチ空燃比になったときに、前記目標空燃比を理論空燃比よりもリーンのリーン設定空燃比まで変化させる空燃比リーン切替手段と、
     該空燃比リーン切替手段によって空燃比を変化させた後であって前記下流側空燃比検出装置によって検出される排気空燃比がリーン空燃比になる前に前記目標空燃比を前記リーン設定空燃比よりも理論空燃比からの差が小さいリーン空燃比に変化させるリーン度合い低下手段と、
     前記下流側空燃比検出装置によって検出された排気空燃比がリーン空燃比になったときに、前記目標空燃比を理論空燃比よりもリッチのリッチ設定空燃比まで変化させる空燃比リッチ切替手段と、
     該空燃比リッチ切替手段によって空燃比を変化させた後であって前記下流側空燃比検出装置によって検出される排気空燃比がリッチ空燃比になる前に前記目標空燃比を前記リッチ設定空燃比よりも理論空燃比からの差が小さいリッチ空燃比に変化させるリッチ度合い低下手段とを具備する、内燃機関の制御装置。
  2.  前記リーン度合い低下手段は、前記目標空燃比を変化させるときには、該目標空燃比を前記リーン設定空燃比から、該リーン設定空燃比よりも理論空燃比からの差が小さい所定のリーン空燃比へ、ステップ状に切り替える、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3.  前記リッチ度合い低下手段は、前記目標空燃比を変化させるときには、該目標空燃比を前記リッチ設定空燃比から、該リッチ設定空燃比よりも理論空燃比からの差が小さい所定のリッチ空燃比へ、ステップ状に切り替える、請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4.  前記リーン度合い低下手段は、前記下流側空燃比検出装置によって検出された排気空燃比が理論空燃比に収束した後に前記目標空燃比を変化させる、請求項1~3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  5.  前記リッチ度合い低下手段は、前記下流側空燃比検出装置によって検出された排気空燃比が理論空燃比に収束した後に前記目標空燃比を変化させる、請求項1~4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6.  前記排気浄化触媒の酸素吸蔵量を推定する酸素吸蔵量推定手段を更に具備し、
     前記リーン度合い低下手段は、前記酸素吸蔵量推定手段によって推定された酸素吸蔵量が最大酸素吸蔵量よりも少ない予め定められた吸蔵量以上となったときに前記目標空燃比を変化させる、請求項1~3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  7.  前記排気浄化触媒の酸素吸蔵量を推定する酸素吸蔵量推定手段を更に具備し、
     前記リッチ度合い低下手段は、前記酸素吸蔵量推定手段によって推定された酸素吸蔵量が零よりも多い予め定められた吸蔵量以下となったときに前記目標空燃比を変化させる、請求項1~4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  8.  前記排気浄化触媒の排気流れ方向上流側に配置されると共に前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの排気空燃比を検出する上流側空燃比検出装置を更に具備し、
     前記酸素吸蔵量推定手段は、前記上流側空燃比検出装置によって検出された空燃比及び前記内燃機関の吸入空気量に基づいて、前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比である場合に対して過剰となる未燃ガス又は不足する未燃ガスの流量を算出する流入未燃ガス過不足流量算出手段と、
     前記下流側空燃比検出装置によって検出された空燃比及び前記内燃機関の吸入空気量に基づいて、前記排気浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比が理論空燃比である場合に対して過剰となる未燃ガス又は不足する未燃ガスの流量を算出する流出未燃ガス過不足流量算出手段と、
     前記流入未燃ガス過不足流量算出手段によって算出された過不足な未燃ガスの流量と前記流出未燃ガス過不足流量算出手段によって算出された過不足な未燃ガスの流量と基づいて前記排気浄化触媒の酸素吸蔵量を算出する吸蔵量算出手段とを具備する、請求項6又は7に記載の内燃機関の制御装置。
  9.  前記空燃比リーン切替手段によって目標空燃比をリーン設定空燃比に変化させてから前記空燃比リッチ切替手段によって目標空燃比を最大リッチ空燃比に変化させるまでの間に前記吸蔵量算出手段において算出された前記酸素吸蔵量と、前記空燃比リッチ切替手段によって目標空燃比をリッチ設定空燃比に変化させてから前記空燃比リーン切替手段によって目標空燃比をリーン設定空燃比に変化させるまでの間に前記吸蔵量算出手段において算出された前記酸素吸蔵量とに基づいて、前記目標空燃比に対して実際に排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比のずれを補正するための空燃比ずれ量学習値を算出する学習値算出手段を更に具備し、
     前記空燃比制御装置は、前記学習値算出手段によって算出された空燃比ずれ量学習値に基づいて、前記空燃比リーン切替手段、前記リーン度合い低下手段、前記空燃比リッチ切替手段及び前記リッチ度合い低下手段によって設定された目標空燃比を補正する、請求項8に記載の内燃機関の制御装置。
  10.  前記空燃比リーン切替手段は、前記下流側空燃比検出装置によって検出された排気空燃比が理論空燃比よりもリッチなリッチ判定空燃比となったときに、前記下流側空燃比検出装置によって検出された排気空燃比がリッチ空燃比になったと判断し、
     前記空燃比リッチ切替手段は、前記下流側空燃比検出装置によって検出された排気空燃比が理論空燃比よりもリーンなリーン判定空燃比となったときに、前記下流側空燃比検出装置によって検出された排気空燃比がリーン空燃比になったと判断する、請求項1~9のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  11.  前記下流側空燃比検出装置は、排気空燃比に応じて出力電流が零となる印加電圧が変化する空燃比センサであり、該空燃比センサには、排気空燃比が前記リッチ判定空燃比であるときに出力電流が零となる印加電圧が印加され、
     前記空燃比リーン切替手段は、前記出力電流が零以下となったときに排気空燃比がリッチ空燃比になったと判断する、請求項10に記載の内燃機関の制御装置。
  12.  前記下流側空燃比検出装置は、排気空燃比に応じて出力電流が零となる印加電圧が変化する空燃比センサであり、該空燃比センサには、排気空燃比が前記リーン判定空燃比であるときに出力電流が零となる印加電圧が印加され、
     前記空燃比リッチ切替手段は、前記出力電流が零以下となったときに排気空燃比がリーン空燃比になったと判断する、請求項10に記載の内燃機関の制御装置。
  13.  前記下流側空燃比検出装置は、排気空燃比に応じて出力電流が零となる印加電圧が変化する空燃比センサであり、該空燃比センサには、排気空燃比が前記リッチ判定空燃比であるときに出力電流が零となる印加電圧と排気空燃比が前記リーン判定空燃比であるときに出力電流が零となる印加電圧とが交互に印加される、請求項10~12のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  14.  前記排気浄化触媒の排気流れ方向上流側に配置されると共に前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの排気空燃比を検出する上流側空燃比検出装置を更に具備し、
     前記空燃比制御装置は、前記上流側空燃比検出装置によって検出された空燃比が前記目標空燃比になるように前記内燃機関の燃焼室に供給される燃料又は空気の量を制御する、請求項1~10のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  15.  前記上流側空燃比検出装置及び下流側空燃比検出装置は、排気空燃比に応じて出力電流が零となる印加電圧が変化する空燃比センサであり、前記上流側空燃比検出装置における印加電圧と前記下流側空燃比検出装置における印加電圧とは異なる値とされる、請求項14に記載の内燃機関の制御装置。
  16.  前記下流側空燃比検出装置よりも排気流れ方向下流側において排気通路に配置されると共に酸素を吸蔵可能な下流側排気浄化触媒を更に具備する、請求項1~15のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
PCT/JP2013/051908 2013-01-29 2013-01-29 内燃機関の制御装置 WO2014118889A1 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2013/051908 WO2014118889A1 (ja) 2013-01-29 2013-01-29 内燃機関の制御装置
JP2014559388A JP5949957B2 (ja) 2013-01-29 2013-01-29 内燃機関の制御装置
AU2013376223A AU2013376223B2 (en) 2013-01-29 2013-01-29 Control device for internal combustion engine
EP13873698.8A EP2952716B1 (en) 2013-01-29 2013-01-29 Control device for internal combustion engine
US14/763,653 US9593635B2 (en) 2013-01-29 2013-01-29 Control system of internal combustion engine
CN201380071604.9A CN104956052B (zh) 2013-01-29 2013-01-29 内燃机的控制装置
KR1020157019951A KR101780878B1 (ko) 2013-01-29 2013-01-29 내연 기관의 제어 장치
BR112015018126-0A BR112015018126B1 (pt) 2013-01-29 2013-01-29 Sistema de controle de motor de combustão interna
RU2015131024A RU2619092C2 (ru) 2013-01-29 2013-01-29 Система управления двигателем внутреннего сгорания

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2013/051908 WO2014118889A1 (ja) 2013-01-29 2013-01-29 内燃機関の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2014118889A1 true WO2014118889A1 (ja) 2014-08-07

Family

ID=51261638

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2013/051908 WO2014118889A1 (ja) 2013-01-29 2013-01-29 内燃機関の制御装置

Country Status (9)

Country Link
US (1) US9593635B2 (ja)
EP (1) EP2952716B1 (ja)
JP (1) JP5949957B2 (ja)
KR (1) KR101780878B1 (ja)
CN (1) CN104956052B (ja)
AU (1) AU2013376223B2 (ja)
BR (1) BR112015018126B1 (ja)
RU (1) RU2619092C2 (ja)
WO (1) WO2014118889A1 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016003640A (ja) * 2014-06-19 2016-01-12 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP5949957B2 (ja) * 2013-01-29 2016-07-13 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2016169665A (ja) * 2015-03-12 2016-09-23 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置
JP2016188611A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 トヨタ自動車株式会社 内燃機関
US9726101B2 (en) 2015-03-12 2017-08-08 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust purification system of internal combustion engine
US9982614B2 (en) 2015-07-03 2018-05-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for internal combustion engine
EP3385519A1 (en) 2017-04-04 2018-10-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust purification system of internal combustion engine
US10683823B2 (en) 2015-04-13 2020-06-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for an exhaust purification system of an internal combustion engine
US10781765B2 (en) 2014-07-28 2020-09-22 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control system of internal combustion engine
WO2023209848A1 (ja) * 2022-04-27 2023-11-02 本田技研工業株式会社 内燃機関の空燃比センサ出力値補正装置

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5360312B1 (ja) * 2013-01-29 2013-12-04 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP6269367B2 (ja) 2014-07-23 2018-01-31 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP6296019B2 (ja) * 2015-08-05 2018-03-20 トヨタ自動車株式会社 内燃機関
JP6897605B2 (ja) * 2018-03-05 2021-06-30 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置
JP7074076B2 (ja) 2019-01-09 2022-05-24 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
US11795889B2 (en) * 2019-03-20 2023-10-24 Hitachi Astemo, Ltd. Internal combustion engine control device
JP7188366B2 (ja) * 2019-11-27 2022-12-13 トヨタ自動車株式会社 エンジン装置
JP7188367B2 (ja) * 2019-11-27 2022-12-13 トヨタ自動車株式会社 エンジン装置
US11624333B2 (en) 2021-04-20 2023-04-11 Kohler Co. Exhaust safety system for an engine

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06129283A (ja) 1992-10-13 1994-05-10 Nippondenso Co Ltd 内燃機関の空燃比制御装置
JPH08232723A (ja) 1994-12-30 1996-09-10 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の燃料噴射制御装置
JPH08312408A (ja) 1995-05-18 1996-11-26 Mitsubishi Motors Corp エンジンの排気ガス浄化装置
JP2000356618A (ja) 1999-06-14 2000-12-26 Denso Corp ガス濃度センサの特性計測方法
JP2001234787A (ja) 2000-02-23 2001-08-31 Nissan Motor Co Ltd エンジンの排気浄化装置
JP2003049681A (ja) 2001-08-07 2003-02-21 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2005140000A (ja) 2003-11-06 2005-06-02 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2007023917A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Denso Corp 内燃機関の空燃比制御装置
JP2009156100A (ja) * 2007-12-25 2009-07-16 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2009162139A (ja) 2008-01-08 2009-07-23 Toyota Motor Corp 内燃機関の空燃比制御装置
JP2009167841A (ja) * 2008-01-11 2009-07-30 Hitachi Ltd 内燃機関の空燃比制御装置
JP2010180746A (ja) * 2009-02-04 2010-08-19 Toyota Motor Corp 内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置
JP2011069337A (ja) 2009-09-28 2011-04-07 Toyota Motor Corp 内燃機関の空燃比制御装置
JP2012225308A (ja) * 2011-04-21 2012-11-15 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3577728B2 (ja) * 1993-12-03 2004-10-13 株式会社デンソー 内燃機関の空燃比制御装置
JP2869925B2 (ja) * 1994-06-29 1999-03-10 本田技研工業株式会社 内燃エンジンの空燃比制御装置
JPH08158915A (ja) * 1994-12-02 1996-06-18 Toyota Motor Corp 内燃機関の空燃比制御装置
US5758490A (en) 1994-12-30 1998-06-02 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Fuel metering control system for internal combustion engine
JP3572961B2 (ja) * 1998-10-16 2004-10-06 日産自動車株式会社 エンジンの排気浄化装置
JP2001050086A (ja) * 1999-08-09 2001-02-23 Denso Corp 内燃機関の空燃比制御装置
JP3672081B2 (ja) * 1999-10-29 2005-07-13 株式会社デンソー 内燃機関の排ガス浄化装置
JP3622661B2 (ja) * 2000-10-06 2005-02-23 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の空燃比制御装置
US6530214B2 (en) * 2001-02-05 2003-03-11 Denso Corporation Air-fuel ratio control apparatus having sub-feedback control
US7198952B2 (en) * 2001-07-18 2007-04-03 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Catalyst deterioration detecting apparatus and method
JP3846375B2 (ja) * 2002-07-10 2006-11-15 トヨタ自動車株式会社 触媒劣化判定方法
US7003944B2 (en) * 2003-03-27 2006-02-28 Ford Global Technologies, Llc Computing device to generate even heating in exhaust system
US6904751B2 (en) * 2003-06-04 2005-06-14 Ford Global Technologies, Llc Engine control and catalyst monitoring with downstream exhaust gas sensors
US7549283B2 (en) * 2004-03-05 2009-06-23 Ford Global Technologies, Llc Engine system with mixed exhaust gas oxygen sensor types
JP4312668B2 (ja) * 2004-06-24 2009-08-12 三菱電機株式会社 内燃機関の空燃比制御装置
JP4364777B2 (ja) * 2004-12-02 2009-11-18 本田技研工業株式会社 内燃機関の空燃比制御装置
US7266440B2 (en) * 2004-12-27 2007-09-04 Denso Corporation Air/fuel ratio control system for automotive vehicle using feedback control
US7356985B2 (en) * 2005-07-19 2008-04-15 Denso Corporation Air-fuel ratio controller for internal combustion engine
JP4497132B2 (ja) * 2006-06-16 2010-07-07 トヨタ自動車株式会社 触媒劣化検出装置
JP4924646B2 (ja) * 2009-03-31 2012-04-25 株式会社デンソー 内燃機関の排気浄化装置
US8712667B2 (en) * 2009-05-21 2014-04-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Air-fuel ratio control apparatus for an internal combustion engine
BR112015018126B1 (pt) * 2013-01-29 2021-10-19 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Sistema de controle de motor de combustão interna

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06129283A (ja) 1992-10-13 1994-05-10 Nippondenso Co Ltd 内燃機関の空燃比制御装置
JPH08232723A (ja) 1994-12-30 1996-09-10 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の燃料噴射制御装置
JPH08312408A (ja) 1995-05-18 1996-11-26 Mitsubishi Motors Corp エンジンの排気ガス浄化装置
JP2000356618A (ja) 1999-06-14 2000-12-26 Denso Corp ガス濃度センサの特性計測方法
JP2001234787A (ja) 2000-02-23 2001-08-31 Nissan Motor Co Ltd エンジンの排気浄化装置
JP2003049681A (ja) 2001-08-07 2003-02-21 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2005140000A (ja) 2003-11-06 2005-06-02 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2007023917A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Denso Corp 内燃機関の空燃比制御装置
JP2009156100A (ja) * 2007-12-25 2009-07-16 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2009162139A (ja) 2008-01-08 2009-07-23 Toyota Motor Corp 内燃機関の空燃比制御装置
JP2009167841A (ja) * 2008-01-11 2009-07-30 Hitachi Ltd 内燃機関の空燃比制御装置
JP2010180746A (ja) * 2009-02-04 2010-08-19 Toyota Motor Corp 内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置
JP2011069337A (ja) 2009-09-28 2011-04-07 Toyota Motor Corp 内燃機関の空燃比制御装置
JP2012225308A (ja) * 2011-04-21 2012-11-15 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
See also references of EP2952716A4

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5949957B2 (ja) * 2013-01-29 2016-07-13 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2016003640A (ja) * 2014-06-19 2016-01-12 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
US10697387B2 (en) 2014-06-19 2020-06-30 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control system of internal combustion engine
US10781765B2 (en) 2014-07-28 2020-09-22 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control system of internal combustion engine
JP2016169665A (ja) * 2015-03-12 2016-09-23 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置
US9719451B2 (en) 2015-03-12 2017-08-01 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust purification system of internal combustion engine
US9726101B2 (en) 2015-03-12 2017-08-08 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust purification system of internal combustion engine
US10180109B2 (en) 2015-03-30 2019-01-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine
JP2016188611A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 トヨタ自動車株式会社 内燃機関
US10683823B2 (en) 2015-04-13 2020-06-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for an exhaust purification system of an internal combustion engine
US9982614B2 (en) 2015-07-03 2018-05-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for internal combustion engine
JP2018178762A (ja) * 2017-04-04 2018-11-15 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置
EP3385519A1 (en) 2017-04-04 2018-10-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust purification system of internal combustion engine
WO2023209848A1 (ja) * 2022-04-27 2023-11-02 本田技研工業株式会社 内燃機関の空燃比センサ出力値補正装置

Also Published As

Publication number Publication date
RU2619092C2 (ru) 2017-05-11
KR101780878B1 (ko) 2017-09-21
EP2952716A1 (en) 2015-12-09
BR112015018126B1 (pt) 2021-10-19
RU2015131024A (ru) 2017-03-03
US9593635B2 (en) 2017-03-14
CN104956052A (zh) 2015-09-30
AU2013376223B2 (en) 2016-01-14
US20160017831A1 (en) 2016-01-21
EP2952716B1 (en) 2018-11-14
BR112015018126A2 (pt) 2017-07-18
CN104956052B (zh) 2017-07-04
JP5949957B2 (ja) 2016-07-13
JPWO2014118889A1 (ja) 2017-01-26
KR20150099838A (ko) 2015-09-01
AU2013376223A1 (en) 2015-07-23
EP2952716A4 (en) 2016-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5949957B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6075394B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6036853B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5360312B1 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5958561B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5949958B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6094438B2 (ja) 内燃機関の制御装置
US9677490B2 (en) Abnormality diagnosis system of internal combustion engine
JP5915779B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5949959B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6268976B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2015071959A (ja) 内燃機関の制御装置
WO2014118888A1 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6268933B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2020197201A (ja) 空燃比検出システム

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 13873698

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2014559388

Country of ref document: JP

Kind code of ref document: A

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 20157019951

Country of ref document: KR

Kind code of ref document: A

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2013376223

Country of ref document: AU

Date of ref document: 20130129

Kind code of ref document: A

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: IDP00201504593

Country of ref document: ID

Ref document number: 14763653

Country of ref document: US

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 2013873698

Country of ref document: EP

REG Reference to national code

Ref country code: BR

Ref legal event code: B01A

Ref document number: 112015018126

Country of ref document: BR

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2015131024

Country of ref document: RU

Kind code of ref document: A

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 112015018126

Country of ref document: BR

Kind code of ref document: A2

Effective date: 20150729