WO2014041977A1 - 視線遮蔽装置 - Google Patents

Abstract

視線遮蔽装置は、空中に可視像を形成するための形成部と、特定対象が視認されにくくするための前記可視像を前記形成部に形成させる制御部と、を備える。

Description

視線遮蔽装置 関連出願の相互参照

　本国際出願は、２０１２年９月１４日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第２０１２－２０２８２７号、及び、２０１２年９月２１日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第２０１２－２０８４３０号、に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第２０１２－２０２８２７号及び日本国特許出願第２０１２－２０８４３０号の全内容を本国際出願に援用する。

　本発明は、空中に可視像を形成する空間投影技術に関する。

　空中（三次元空間）に可視像を形成するための種々の手法が研究されている。
　例えば、レーザプラズマを用いたリアルな三次元の可視像の空間描画が既に実現されている（例えば非特許文献１、特許文献１，２参照。）。この技術は、レーザ焦点近傍でのプラズマ発光現象を利用したものであり、レーザビームの焦点位置をＸＹＺ軸で制御することで、空中に実像としてのドットアレイからなる三次元映像の描画を実現するものである。この技術によれば、空気以外何も存在しない空間に、リアルな三次元映像を表示することができる。

　なお、空中に可視像を形成するための手法としては、他にも種々の手法が提案されている。代表的なものとしては、ホログラフィの技術を利用した手法が知られており、例えば、電子的に生成したホログラムから再生像を生成する電子ホログラフィ再生装置が提案されている（例えば特許文献３，４参照。）。

　また例えば、複数のレーザビームを異なる位置から互いに交差するように照射し、両レーザビームの交差部においてエネルギーの加重及び変色を生起せしめることにより、所望空間に可視像を形成する手法が提案されている（例えば特許文献５参照。）。

　こうした空間投影技術は、今後の進歩により、一般に普及されることが想定される。

特許第３６５０８１１号公報 特許第４７７３２２２号公報 特許第５０１９５４１号公報 特開２０１１－２０９３３５号公報 特開２００１－３１２２３７号公報

産総研ＴＯＤＡＹ２００６－０４号（ＩＳＳＮ１８８０－００４１）１６～１９ページ）

　ところで、日常生活などにおいては、物や人などの特定の対象を、他人に視認されたくない場面が少なからずある。そのような場面において用いられる手法としては、壁を設置したり、カーテンなどで簡易的な仕切りを形成したり、カバーなどで覆ったりすることが通常であった。

　このように、特定の対象を視認されたくない場面において、前述した空間投影技術を利用することが、本発明の一側面である。

　本発明の一側面の視線遮蔽装置は、空中に可視像を形成するための形成部と、特定対象が視認されにくくするための前記可視像を前記形成部に形成させる制御部と、を備える。この構成によれば、可視像を形成することで特定対象を視認されにくくすることができるため、物理的な遮蔽物の代替手段とすることができる。

　また、上記構成において、前記制御部は、前記可視像の形成態様を前記形成部に変更させてもよい。この構成によれば、可視像の形成態様を使用状況などに応じて変更することができる。

　また、上記構成において、前記制御部は、ユーザからの指令に応じて、前記形成態様を前記形成部に変更させてもよい。この構成によれば、ユーザの意思を反映させる形で、可視像の形成態様を変更することができる。

第１実施形態の仕切形成システムの構成を示すブロック図である。 第１実施形態の仕切形成システムが設置されたオフィスを示す図である。 第１実施形態の形成指示処理のフローチャートである。 上方から見たオフィスを示す図である。 第１実施形態の像形成処理のフローチャートである。 第２実施形態の外観変更システムの構成を示すブロック図である。 図７Ａは第２実施形態の外観変更システムが搭載された車両を示す側面図、図７Ｂは第２実施形態の外観変更システムが搭載された車両を示す平面図である。 第２実施形態の像形成処理のフローチャートである。 第３実施形態の像形成装置の構成を示すブロック図である。 第３実施形態の像形成装置が搭載された車両を示す図である。 第３実施形態の像形成処理のフローチャートである。 第４実施形態の遮断システムの構成を示すブロック図である。 第４実施形態の遮断システムが設置された踏切を上方から見た図である。 第４実施形態の形成指示処理のフローチャートである。 第４実施形態の像形成処理のフローチャートである。 第５実施形態の遮断システムの構成を示すブロック図である。 第５実施形態の遮断システムが設置された交差点を上方から見た図である。 第５実施形態の形成指示処理のフローチャートである。 第６実施形態の遮断システムの構成を示すブロック図である。 第６実施形態の遮断システムが設置された改札を上方から見た図である。 第６実施形態の形成指示処理のフローチャートである。

　１，２，３…像形成装置、１１…レーザ光源、１２…走査部、１３…集光レンズ、１４…駆動部、１５…通信部、１６…制御部、１９…パーティション、２９…仮想ボディ、３９…仮想同乗者

　以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
　［第１実施形態］
　＜構成＞
　図１及び図２に示すように、第１実施形態の仕切形成システムは、オフィスなどにおいて視界を遮る可視像としてパーティション（間仕切り）１９を形成するためのものであり、像形成装置１と、パーソナルコンピュータ（以下「ＰＣ」という。）９と、を備える。なお、図２で例示するオフィスは、複数のユーザ８１によって共有され、各ユーザ８１用の机８２、椅子８３、ＰＣ９などが設置されている。

　像形成装置１は、図２に示すように、オフィスの天井８４に設置されており、図１に示すように、レーザ光源１１と、走査部１２と、集光レンズ１３と、駆動部１４と、通信部１５と、制御部１６と、を備える。

　レーザ光源１１は、波長１μ以上の波長領域で発振し、不可視域のレーザビーム（この例では赤外レーザビーム）を出射する装置である。赤外レーザビームは、大気による吸収や散乱の影響を受けにくく、遠方まで伝播する特性を有する。具体的には、例えば、Ｎｄ：ＹＡＧレーザ装置、Ｎｄ：Ｇｌａｓｓレーザ装置、炭酸ガスレーザ装置が、レーザ光源１１として用いられる。

　走査部１２は、赤外レーザビームをＸＹ方向（二次元方向）に走査するための装置であり、例えば１つ以上の回転ミラー（例えば平面ミラーやポリゴンミラー）や揺動ミラーを備える。

　集光レンズ１３は、走査部１２により走査された赤外レーザビームを集光する。
　駆動部１４は、走査部１２からの赤外レーザビームの光軸位置に応じて、集光レンズ１３の二次元方向の位置（集光レンズ１３の光軸と交わる面上の位置）を調整する。また、駆動部１４は、赤外レーザビームの集光位置に応じて、集光レンズ１３の光軸方向の位置を調整する。

　通信部１５は、ＰＣ９との間でデータ通信を行うための通信装置であり、例えば無線ＬＡＮや有線ＬＡＮのインタフェースが用いられる。
　制御部１６は、像形成装置１の各部を統括制御するものであり、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等を備える。制御部１６は、ＰＣ９からの制御情報を通信部１５を介して受信し、受信した制御情報に応じて、可視像（この例ではパーティション１９）を空中に形成するための処理を行う。

　具体的には、制御部１６は、レーザ光源１１に赤外レーザビームを出射させ、集光レンズ１３で例えば直径０．１ｍｍ程度のスポットビームに絞り込むことにより、その集光位置で空気中の気体に絶縁破壊を起こさせる。これにより、気体が局所的に高密度のプラズマ状態となって閃光が発生し、その集光位置が発光点として視認される。

　そして、制御部１６は、走査部１２及び駆動部１４を制御することにより、空中におけるレーザビームの集光位置を、ＸＹＺ方向に三次元的に調整することができる。つまり、制御部１６は、空中における所望の位置に発光点を生じさせることができる。具体的には、制御部１６は、形成すべき可視像に応じてレーザ光源１１、走査部１２及び駆動部１４を駆動することにより、空中における可視像を形成すべき位置の気体を順にプラズマ発光させる。このような処理を短時間で繰り返し行うことにより、人間の目には残像によりあたかも連続して発光しているように見えるため、空中に可視像が形成されているように見える。

　ＰＣ９は、電源スイッチ９１と、操作部９２と、カメラ９３と、表示部９４と、記憶部９５と、通信部９６と、制御部９７と、を備える。
　電源スイッチ９１は、ＰＣ９の電源をオン／オフするためのスイッチである。

　操作部９２は、ユーザ８１からの外部操作による指令を入力するための入力装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス（マウスやタッチパッド等）などが用いられる。

　カメラ９３は、ユーザ８１を撮影するための撮影装置であり、例えば図２に示すように、ディスプレイの上部に設けられる。
　表示部９４は、各種情報をユーザ８１が視認可能な画像として表示するための出力装置であり、例えば液晶ディスプレイが用いられる。

　記憶部９５は、記憶データの書換えが可能な不揮発性の記憶装置であり、例えばハードディスク装置が用いられる。記憶部９５には、各種ソフトウェア（プログラム）が記憶されている。

　通信部９６は、像形成装置１との間でデータ通信を行うための通信装置であり、例えば無線ＬＡＮや有線ＬＡＮのインタフェースが用いられる。
　制御部９７は、ＰＣ９の各部を統括制御するものであり、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等を備える。

　＜処理＞
　次に、本実施形態の仕切形成システムで実行される処理について説明する。
　まず、ＰＣ９の制御部９７が実行する形成指示処理について、図３のフローチャートを用いて説明する。なお、形成指示処理は、ＰＣ９の電源がオンされることにより開始される。具体的には、ＰＣ９にインストールされた専用ソフトウェア（プログラム）が、ＰＣ９の起動とともに実行され、形成指示処理を開始する。

　制御部９７は、まずＳ１１１で、通信部９６を介して像形成装置１へ指示信号を送信する。指示信号は、像形成装置１にパーティション１９を形成させるための信号であり、ＰＣ９の識別情報が含まれている。後述するように、像形成装置１は、指示信号を受信したことを契機にパーティション１９を形成し、指示信号が設定時間Ｔ１（例えば１０秒間）の間、１つも受信されなかったことを契機にパーティション１９の形成を解除（パーティション１９を消去）する。つまり、ＰＣ９から像形成装置１へ定期的に指示信号が送信されている間は、パーティション１９が形成されている状態が維持される。

　像形成装置１により形成されるパーティション１９は、例えば図４に示すように、複数に分割されており、分割された各パーティション１９ごとに形成及び形成解除の処理が行われる。例えば、図４に示すパーティション１９（ＡＢ）を対象にした処理では、机８２（Ａ）に設けられたＰＣ９、又は、机８２（Ｂ）に設けられたＰＣ９、からの指示信号に従い処理が行われる。同様に、パーティション１９（ＡＣ）を対象にした処理では、机８２（Ａ）に設けられたＰＣ９、又は、机８２（Ｃ）に設けられたＰＣ９、からの指示信号に従い処理が行われる。つまり、像形成装置１は、処理対象のパーティション１９を、視界遮蔽用に利用する机８２に設けられたＰＣ９からの信号に従い、処理対象のパーティション１９を形成したり、形成を解除したりする。このため、机８２（Ａ）及び机８２（Ｂ）に挟まれた位置のパーティション１９（ＡＢ）は、これらの机８２（Ａ，Ｂ）のそれぞれに設けられたＰＣ９のうち少なくとも一方から像形成装置１へ定期的に指示信号が送信されている間、形成された状態が維持される。一方、机８２（Ａ）専用のパーティション１９（Ａ）は、机８２に設けられたＰＣ９から像形成装置１への指示信号のみに応じて、形成されたり、形成が解除されたりする。

　続くＳ１１２で、制御部９７は、パーティション１９の表示態様などの設定を変更するための設定変更操作が、ＰＣ９のユーザ８１により行われたか否かを判定する。すなわち、前述した専用ソフトウェアは、パーティション１９の形成に関する種々の設定をユーザ８１に変更させる機能を備えている。具体的には、ユーザ８１は、ＰＣ９を用いて、例えば、パーティション１９の高さ、横幅、形状、透過度合い、表示パターン、表示色、各種設定時間（例えば前述した設定時間Ｔ１や後述する設定時間Ｔ２）などの設定を変更することができる。なお、同一のパーティション１９に対して異なる机８２のユーザ８１が異なる設定をした場合には、あらかじめ決められた優先度に従い、いずれか１つの設定が像形成装置１により採用される。例えば、視界遮蔽性が高い方の設定が優先されるようにしてもよく、また例えば、より優先度が高い方のユーザ（例えば上司）が優先されるようにしてもよい。

　制御部９７は、Ｓ１１２で設定変更操作が行われたと判定した場合には、処理をＳ１１３へ移行させ、ユーザ８１により変更された設定を示す設定情報を、通信部９６を介して像形成装置１へ送信した後、処理をＳ１１４へ移行させる。その結果、像形成装置１により、変更された設定を反映する処理が行われる。

　一方、制御部９７は、Ｓ１１２で設定変更操作が行われていないと判定した場合には、Ｓ１１３をスキップして処理をＳ１１４へ移行させる。
　Ｓ１１４で、制御部９７は、パーティション１９の形成を解除するための解除操作が、ＰＣ９のユーザ８１により行われたか否かを判定する。すなわち、前述した専用ソフトウェアは、ユーザ８１が望む任意のタイミングでパーティション１９の形成を解除可能とする機能を備えている。

　制御部９７は、Ｓ１１４で解除操作が行われたと判定した場合には、処理をＳ１１５へ移行させる。Ｓ１１５で、制御部９７は、パーティション１９を再び形成するための形成操作が、ＰＣ９のユーザ８１により行われたか否かを判定し、形成操作が行われたと判定した時点で、処理をＳ１１６へ移行させる。つまり、制御部９７は、解除操作が行われた後、形成操作が行われるまで待機する。この待機期間中は、指示信号の送信が停止し、結果的に、パーティション１９の形成が解除される。ただし、同一のパーティション１９を利用する他のＰＣ９からの指示信号が送信されている場合には、パーティション１９の形成が解除されない。なお、同一のパーティション１９を利用する複数のＰＣ９のうちの一つからの指示により、パーティション１９の形成を強制的に解除できるようにしてもよい。

　一方、制御部９７は、Ｓ１１４で解除操作が行われていないと判定した場合には、Ｓ１１５をスキップして処理をＳ１１６へ移行させる。
　Ｓ１１６で、制御部９７は、カメラ９３によるユーザ８１の非検出状態が設定時間Ｔ２（例えば１分間）の間継続したか否かを判定する。すなわち、前述した専用ソフトウェアは、カメラ９３により撮影された画像を解析することにより、ＰＣ９のユーザ８１の存否を常時検出する機能を備えている。

　制御部９７は、Ｓ１１６でユーザ８１の非検出状態（ユーザ８１が存在しない状態）が設定時間Ｔ２の間継続したと判定した場合には、処理をＳ１１７へ移行させる。Ｓ１１７で、制御部９７は、カメラ９３によりユーザ８１が検出されたか否かを判定し、検出されたと判定した時点で、処理をＳ１１１へ戻す。つまり、制御部９７は、ユーザ８１の非検出状態が設定時間Ｔ２の間継続した後、ユーザ８１が再度検出されるまで待機する。この待機期間中は、指示信号の送信が停止し、結果的に、パーティション１９の形成が解除される。ただし、同一のパーティション１９を利用する他のＰＣ９からの指示信号が送信されている場合には、パーティション１９の形成が解除されない。なお、同一のパーティション１９を利用するユーザ８１が一人以下の場合には、パーティション１９が形成されないようにしてもよい。

　一方、制御部９７は、Ｓ１１６でユーザ８１の非検出状態が設定時間Ｔ２の間継続していないと判定した場合には、Ｓ１１７をスキップして処理をＳ１１１へ戻す。なお、処理がＳ１１１へ定期的に（繰り返し）戻されることにより、指示信号が定期的に送信される。

　次に、像形成装置１の制御部１６が実行する像形成処理について、図５のフローチャートを用いて説明する。なお、像形成処理は、像形成装置１の電源がオンされることにより開始される。また、像形成処理は、例えば図４に示すように複数に分割された状態において、パーティション１９ごとに独立して実行される。

　制御部１６は、まずＳ１２１で、ＰＣ９から指示信号（具体的には、処理対象のパーティション１９を利用する１つ以上のＰＣ９からの指示信号）が受信されたか否かを判定し、受信されたと判定した時点で、処理をＳ１２２へ移行させる。つまり、制御部１６は、像形成処理を開始した後、指示信号が受信されるまで待機する。この待機中は、処理対象のパーティション１９が形成されない。なお、指示信号の送信元であるＰＣ９は、指示信号に含まれた識別情報に基づいて識別される。

　続くＳ１２２で、制御部１６は、処理対象のパーティション１９を形成する。具体的には、現在の設定（高さ、横幅、形状、透過度合い、表示パターン、表示色等）に従い、レーザ光源１１、走査部１２及び駆動部１４を駆動して可視像を形成する。

　続くＳ１２３で、制御部１６は、設定情報（前述したＳ１１３でＰＣ９から送信される情報）を受信したか否かを判定する。制御部１６は、Ｓ１２３で、設定情報を受信したと判定した場合には、処理をＳ１２４へ移行させ、受信した設定情報に従い、パーティション１９の形成に関する種々の設定を変更した後、処理をＳ１２５へ移行させる。一方、制御部９７は、Ｓ１２３で設定情報を受信していないと判定した場合には、Ｓ１２４をスキップして処理をＳ１２５へ移行させる。

　Ｓ１２５で、制御部１６は、指示信号の非受信状態が設定時間Ｔ１の間継続したか否かを判定する。制御部１６は、Ｓ１２５で指示信号の非受信状態が設定時間Ｔ１の間継続していない（換言すれば、指示信号を定期的に受信している）と判定した場合には、処理をＳ１２３へ戻す。このように、処理がＳ１２３へ繰り返し戻されることにより、パーティション１９が形成されている状態が維持される。

　一方、制御部１６は、Ｓ１２５で指示信号の非受信状態が設定時間Ｔ１の間継続したと判定した場合には、処理をＳ１２６へ移行させ、処理対象のパーティション１９の形成を解除（パーティション１９を消去）した後、処理をＳ１２１へ戻す。

　＜効果＞
　以上詳述した第１実施形態によれば、以下の効果が得られる。
　板などの物理的な部材を用いることなく、視界を遮ることができる。

　物理的な部材を用いたパーティションと比較して、設置／除去の切替を簡易的に行うことができる。例えば、ユーザ８１が個々の業務を集中して行うための環境と、複数のユーザ８１がディスカッションをするための環境と、を容易に切り替えることができる。

　物理的な部材を用いたパーティションと比較して、風通しがよく、空調効果を高くすることができる。
　物理的な部材を用いたパーティションと比較して、音の通りをよくすることができる。

　パーティション１９の形成、形成態様の変更、形成解除などを、異なる複数のユーザ８１の意思を調停する形で行うことができる。
　パーティション１９の形成や形成解除は、ＰＣ９に連動するため、専用の操作部を設ける必要がない。

　パーティション１９は、ＰＣ９の電源がオンされると形成され、ＰＣ９の電源がオフされると形成が解除されるため、ユーザ８１が負担する操作を少なくすることができ、また、形成や形成解除を忘れてしまうことを生じにくくすることができる。

　パーティション１９の透過度合いを変更することができる。このため、ユーザ８１の存在を確認できるが視線は感じにくい程度に透過度合いを設定することも可能である。
　像形成装置１が天井８４に設けられているため、余分な場所を取らず、また、レーザビームがユーザ８１などによって遮られにくくすることができる。

　＜変形例＞
　なお、第１実施形態はあくまでも一つの構成例に過ぎず、例えば次のように構成してもよい。

　パーティションの形成や形成解除などの操作を行う専用の操作部を設けてもよい。
　カメラ９３以外の検出部によりユーザ８１を検出するようにしてもよい。検出部は、ＰＣ９などの構成を流用することに限定されるものではなく、専用で設けてもよい。

　ＰＣ９の構成を流用せず、像形成装置１単体で構成してもよい。
　ユーザ８１の出入り口を設けない形で全周を囲むように形成してもよい。また、出入り口を開閉するようにしてもよい。

　１つのパーティション１９を複数のユーザで利用することに限定されるものではなく、ユーザ８１ごとに専用のパーティション１９を形成してもよい。
　パーティション１９自体をディスプレイとして機能させてもよい。

　ダミーの人影などをパーティション１９に表示させてもよい。
　視界を遮断する性能を向上させるために、パーティション１９を複数層に形成してもよい。

　１つの像形成装置１に複数のレーザ光源１１を設けてもよい。
　煙やミストなどを併用し、パーティション１９の先が透けて見えることを抑制してもよい。

　１つのパーティション１９を複数の像形成装置１で形成してもよい。
　レーザビームの出射方向は、上方からに限定されるものではなく、下方から、横方向から、斜め方向からなど、特に限定されない。また、複数の方向から出射するようにしてもよい。

　パーティション１９を利用する環境は、オフィスに限定されるものではなく、例えば、図書館、飲食店、試験会場、乗り物（例えば電車や飛行機）等で利用してもよい。
　視界を遮る可視像の用途は、パーティション１９に限定されるものではない。例えば、簡易的な更衣室を形成してもよい。このようにすれば、更衣室としての専用スペースを確保しないようにすることが可能となる。また、可視像への接近や通過を検出するセンサを設け、検出結果に応じた報知（音の出力や表示態様の変更等）を行うようにしてもよい。

　また例えば、住宅のカーテンやブラインドなどの代わりに可視像を形成してもよい。また、ベランダや屋上のスペースを外部から視認されにくくするために可視像を形成してもよい。このような用途であれば、設置／除去の切替の容易性や、風通しの良さなどの効果が特に有効となる。

　また例えば、現金自動預け払い機（ＡＴＭ）において、他のユーザによるのぞき見を防止する可視像を形成してもよい。可視像には、無意味な数字など、可視像を通して見られたくない情報を把握しにくくする内容（紛らわしい内容）を表示してもよい。

　［第２実施形態］
　＜構成＞
　図６、図７Ａ及び図７Ｂに示すように、第２実施形態の外観変更システムは、車両に搭載され、車両の本来のボディ６９を覆うように、可視像として擬似的な外観（以下「仮想ボディ」という。）２９を形成するためのものであり、複数の像形成装置２と、操作装置７と、を備える。仮想ボディ２９は、外部から車両の外観と視認される可視像であって、本来のボディ６９を一回り大きくしたものであり、同一の車種の外観であってもよく、異なる車種の外観であってもよい。

　像形成装置２は、図７Ａ及び図７Ｂに示すように、車両の複数箇所に設定されている。本実施形態では、前部における中央位置及び左右両側位置、左右ドアミラー先端位置、上面前部における中央位置及び左右両側位置、上面後部における中央位置、後部における中央位置に、像形成装置２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，２Ｄ，２Ｅ，２Ｆ，２Ｇ，２Ｈ，２Ｉ，２Ｊが設けられている。

　各像形成装置２は、図６に示すように、レーザ光源１１と、走査部１２と、集光レンズ１３と、駆動部１４と、通信部２５と、制御部１６と、を備える。このうち、レーザ光源１１、走査部１２、集光レンズ１３、駆動部１４及び制御部１６は、第１実施形態と同様の機能を有する構成であるため説明を省略する。通信部２５は、操作装置７との間で、車両に搭載された通信線を介してデータ通信を行うための通信装置である。

　操作装置７は、操作部７１と、通信部７２と、制御部７３と、を備える。
　操作部７１は、車両に乗車したユーザ（例えば運転者）からの外部操作による指令を入力するための入力装置であり、車両の室内（例えば運転者が運転中に操作可能な位置）に設けられている。

　通信部７２は、複数の像形成装置２のそれぞれとの間で、車両に搭載された通信線を介してデータ通信を行うための通信装置である。
　制御部７３は、操作装置７の各部を統括制御するものであり、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等を備える。

　＜処理＞
　次に、本実施形態の外観変更システムで実行される処理について説明する。
　まず、操作装置７の制御部７３が実行する理について説明する。

　制御部７３は、仮想ボディ２９を形成する操作がユーザにより操作部７１で行われると、通信部７２を介して各像形成装置２へ形成信号を送信する。形成信号は、像形成装置２に仮想ボディ２９を形成させるための信号である。後述するように、像形成装置２は、形成信号を受信したことを契機に仮想ボディ２９を形成する。

　仮想ボディ２９は、例えば図７Ａ及び図７Ｂに示すように、複数の像形成装置２により分担して形成される。なお、図７Ａ及び図７Ｂに示す像形成装置２の数や配置は、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。

　一方、制御部７３は、仮想ボディ２９の形成を解除する操作がユーザにより操作部７１で行われると、通信部７２を介して各像形成装置２へ解除信号を送信する。解除信号は、像形成装置２に仮想ボディ２９の形成を解除させるための信号である。後述するように、像形成装置２は、解除信号を受信したことを契機に仮想ボディ２９の形成を解除する。

　次に、像形成装置２の制御部１６が実行する像形成処理について、図８のフローチャートを用いて説明する。
　制御部１６は、まずＳ２１１で、操作装置７から形成信号が受信されたか否かを判定し、受信されたと判定した時点で、処理をＳ２１２へ移行させる。つまり、制御部１６は、像形成処理を開始した後、形成信号が受信されるまで待機する。この待機中は、仮想ボディ２９が形成されない。

　Ｓ２１２で、制御部１６は、仮想ボディ２９を形成する。具体的には、あらかじめ設定された可視像（擬似的な車両の外観を表す可視像）を、レーザ光源１１、走査部１２及び駆動部１４を駆動して形成する。

　続くＳ２１３で、制御部１６は、操作装置７から解除信号が受信されたか否かを判定し、受信されたと判定した時点で、処理をＳ２１４へ移行させる。つまり、制御部１６は、仮想ボディ２９を形成した後、解除信号が受信されるまで待機する。この待機中は、仮想ボディ２９が形成された状態が維持される。

　Ｓ２１４で、制御部１６は、仮想ボディ２９の形成を解除（仮想ボディ２９を消去）した後、処理をＳ２１１へ戻す。
　＜効果＞
　以上詳述した第２実施形態によれば、以下の効果が得られる。

　物理的な部材を用いることなく、本来の車両の外観（ボディ６９）に対する視界を遮ることができる。
　窓の部分も覆うことにより、車両の内部が除かれないようにすることも可能である。

　本来の車両のボディ６９に付いた傷や汚れなどを、仮想ボディ２９で隠すことができる。また、本来の車両のボディ６９とは異なる外観（例えば異なる車種の外観）を形成することができるため、例えば旧モデルの車両を最新モデルであるかのように見せることができる。

　物理的な部材を用いて外観を覆う場合と比較して、外観を覆う状態と覆わない状態との切替を簡易的に行うことができる。
　物理的な部材を用いて外観を覆う場合と比較して空気抵抗がないため、走行に影響を生じにくくすることができる。

　＜変形例＞
　なお、第２実施形態はあくまでも一つの構成例に過ぎず、例えば次のように構成してもよい。

　車両の走行環境（例えば天候、周囲の環境等）や運転状況（例えば走行速度等）などに応じて仮想ボディ２９の形成及び形成解除を自動的に行うようにしてもよい。また、こうした走行環境や運転状況などに応じて仮想ボディ２９の形成態様（形状、色、経時的に変化するパターンの変化態様）などを変更してもよい。

　仮想ボディ２９として複数種類の態様を利用できるようにしてもよい。例えば、仮想ボディ２９のデータをサーバからダウンロードできるようにしてもよい。このようにすれば、最新モデルの外観を表す仮想ボディ２９を容易に入手して利用することができる。

　仮想ボディ２９をディスプレイとして機能させてもよい。
　視界を遮断する性能を向上させるために、仮想ボディ２９を複数層に形成してもよい。
　１つの像形成装置２に複数のレーザ光源１１を設けてもよい。

　１つの仮想ボディ２９を１つの像形成装置２で形成してもよい。
　仮想ボディ２９を形成するためのレーザビームの出射方向は、特に限定されない。また、複数の方向から出射するようにしてもよい。

　［第３実施形態］
　＜構成＞
　図９及び図１０に示すように、第３実施形態の像形成装置３は、車両に搭載され、車両５１の助手席５２に可視像として擬似的な人物（以下「仮想同乗者」という。）３９を形成するためのものである。仮想同乗者３９は、助手席５２の少なくとも一部を覆う形で形成され、あたかも同乗者が助手席５２に座っているかのように見せるための可視像である。

　像形成装置３は、図１０に示すように、車両５１の室内における天井５３に設置されており、図９に示すように、レーザ光源１１と、走査部１２と、集光レンズ１３と、駆動部１４と、操作部３５と、制御部１６と、を備える。このうち、レーザ光源１１、走査部１２、集光レンズ１３、駆動部１４及び制御部１６は、第１実施形態と同様の機能を有する構成であるため説明を省略する。操作部３５は、車両に乗車したユーザ（例えば運転者）からの外部操作による指令を入力するための入力装置であり、車両の室内（例えば運転者が運転中に操作可能な位置）に設けられている。

　＜処理＞
　次に、像形成装置３の制御部１６が実行する像形成処理について、図１１のフローチャートを用いて説明する。

　制御部１６は、まずＳ３１１で、仮想同乗者３９を形成するための形成操作がユーザにより操作部３５で行われたか否かを判定し、形成操作が行われたと判定した時点で、処理をＳ３１２へ移行させる。つまり、制御部１６は、像形成処理を開始した後、形成操作が行われるまで待機する。この待機中は、仮想同乗者３９が形成されない。

　Ｓ３１２で、制御部１６は、仮想同乗者３９を形成する。具体的には、あらかじめ設定された可視像（擬似的な人物を表す可視像）を、レーザ光源１１、走査部１２及び駆動部１４を駆動して助手席５２に形成する。

　続くＳ３１３で、制御部１６は、仮想同乗者３９の形成を解除するための解除操作がユーザにより操作部３５で行われたか否かを判定し、解除操作が行われたと判定した時点で、処理をＳ３１４へ移行させる。つまり、制御部１６は、仮想同乗者３９を形成した後、解除操作が行われるまで待機する。この待機中は、仮想同乗者３９が形成された状態が維持される。

　Ｓ３１４で、制御部１６は、仮想同乗者３９の形成を解除（仮想同乗者３９を消去）した後、処理をＳ３１１へ戻す。
　＜効果＞
　以上詳述した第３実施形態によれば、以下の効果が得られる。

　物理的な部材を用いることなく、車両の助手席の視認を遮る（空席であることを隠す）ことができる。
　車両外部の人間に対し、空席の助手席を、あたかも同乗者（例えば大人の男性）が存在するかのように見せることができるため、防犯効果を高めることができる。

　人形などを用いる場合と比較して、同乗者を存在させる状態と存在させない状態との切替を簡易的に行うことができる。また、同乗者を存在させない状態において人形などを収容するスペースが不要となる。

　＜変形例＞
　なお、第３実施形態はあくまでも一つの構成例に過ぎず、例えば次のように構成してもよい。

　車両の走行環境（例えば天候、周囲の環境等）、運転状況（例えば走行速度、同乗者の人数等）、タイマなどに応じて仮想同乗者３９の形成及び形成解除を自動的に行うようにしてもよい。また、こうした走行環境や運転状況などに応じて仮想同乗者３９の形成態様（大きさ、経時的に変化するパターンの変化態様）などを変更してもよい。

　視界を遮断する性能を向上させるために、仮想同乗者３９を複数層に形成してもよい。
　１つの像形成装置３に複数のレーザ光源１１を設けてもよい。
　１つの仮想同乗者３９を複数の像形成装置３で形成してもよい。

　仮想同乗者３９を形成するためのレーザビームの出射方向は、上方からに限定されない。また、複数の方向から出射するようにしてもよい。
　車両以外、例えば自宅等の住居や、コンビニやレストランなどの施設などにおいて、人間の可視像を形成してもよい。また、前述のように、種々の環境や状況、タイマなどに応じて形成態様を変化させるようにしてもよい。また、周知の自走式掃除機のように、又は自動式掃除機に組み込むことにより、可視像を形成する装置の位置を移動させるようにしてもよい。このようにすれば、防犯に利用することができる。なお、窓ガラスなどに人間の姿を投影してもよい。

　［第４実施形態］
　＜構成＞
　図１２に示すように、第４実施形態の遮断システムは、像形成装置１と、制御装置４１と、列車検出部４２と、通過検出部４３と、カメラ４４と、スピーカ４５と、表示部４６と、通知部４７と、を備える。この遮断システムは、図１３に示すように、踏切において列車の通過時に道路を閉鎖して人や車両６１の通行を遮断するための可視像として遮断画像５５を形成するためのものであり、踏切に進入する各道路に設けられる。図１３では、対応する構成に同一の符号Ａ，Ｂを括弧書きで付している。また、この例では、道路において車両６１の停止位置を示す停止線６２よりも先（踏切側）の位置に、遮断画像５５が形成される。

　像形成装置１は、空中に可視像を形成するための装置であり、図１３に示すように、踏切における道路脇に設置されており、図１２に示すように、レーザ光源１１と、走査部１２と、集光レンズ１３と、駆動部１４と、制御部１６と、を備える。このうち、レーザ光源１１、走査部１２、集光レンズ１３及び駆動部１４は、第１実施形態と同様の機能を有する構成であるため説明を省略する。

　制御部１６は、制御装置４１からの指示に応じて、可視像（この例では遮断画像５５）を空中に形成するための処理を行う。その他、基本的な機能は第１実施形態と同様である。

　制御装置４１は、遮断システムの構成要素を統括制御するものであり、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等を備える。
　列車検出部４２は、列車が踏切に接近している状態、及び、列車が踏切を通過した状態、を検出し、検出結果を有線通信又は無線通信により制御装置４１へ出力する。なお、このような状態の検出は従来の遮断機にも利用されており、同様の構成が利用可能である。

　通過検出部４３は、像形成装置１により形成された遮断画像５５を通過する物体（人や車両６１など）を、赤外線などにより検出し、検出結果を有線通信又は無線通信により制御装置４１へ出力する。つまり、通過検出部４３は、遮断画像５５による遮断に反して人や車両６１などが遮断画像５５を通過した場合に、その人や車両６１などを検出する。

　カメラ４４は、遮断画像５５を通過した物体（人や車両６１など）を撮影し、撮影内容を有線通信又は無線通信により制御装置４１へ出力する。カメラ４４は、例えば図１３に示すように、撮影対象の物体と踏切を挟んで対向する側に設けられる。

　スピーカ４５は、制御装置４１から有線通信又は無線通信により出力される指示に従い、遮断画像５５を通過した物体に対し、警告音を再生する。スピーカ４５は、例えば図１３に示すように、撮影対象の物体と踏切を挟んで対向する側に設けられる。

　表示部４６は、制御装置４１から有線通信又は無線通信により出力される指示に従い、遮断画像５５を通過した物体に対し、警告表示（例えばライトを点滅させる表示）を行う。表示部４６は、例えば図１３に示すように、像形成装置１により形成される遮断画像５５の近傍に設けられる。

　通知部４７は、制御装置４１からの指示に従い、制御装置４１を通過する物体が検出されたことを通知対象者（この例では列車の運転者）へ通知するための情報を、踏切に接近している列車に無線通信により送信する。これにより、踏切に不正に侵入した物体が存在する可能性があることを、列車の運転者に知らせることができる。

　＜処理＞
　次に、本実施形態の遮断システムで実行される処理について説明する。
　まず、制御装置４１が実行する形成指示処理について、図１４のフローチャートを用いて説明する。

　制御装置４１は、まずＳ４１１で、列車検出部４２から出力される検出結果に基づき、列車が踏切に接近している状態であるか否かを判定し、列車が踏切に接近している状態であると判定した時点で、処理をＳ４１２へ移行させる。つまり、制御装置４１は、形成指示処理を開始した後、列車が踏切に接近している状態になるまで待機する。この待機中は、遮断画像５５が形成されない。

　続くＳ４１２で、制御装置４１は、遮断画像５５を形成させるための形成指示を像形成装置１へ出力する。これにより、遮断画像５５が像形成装置１により形成される。形成される遮断画像５５は、従来の遮断機と同様、人や車両６１などが踏切に進入しないようにするための画像である。遮断画像５５の例としては、例えば次のような画像が挙げられる。なお、下記の例を組み合わせた画像としてもよい。

　・線路の方向に沿った水平方向に延びる棒状の画像。
　・水平方向に加え、更に鉛直方向にも広がる面状の画像。
　・三次元形状を表す画像。

　・「ＳＴＯＰ」などの文字を表す画像。
　・経時的に変化する画像。例えば、物理的な構成と同様の開く動きや閉じる動きを表現した画像。

　・広告を表す画像。
　・ニュースを表す画像。
　・遮断解除までの時間を表す画像。

　続くＳ４１３で、制御装置４１は、通過検出部４３から出力される検出結果に基づき、遮断画像５５を通過する物体（人や車両６１など）が検出されたか否かを判定する。
　制御装置４１は、Ｓ４１３で遮断画像５５を通過する物体が検出されたと判定した場合には、処理をＳ４１４へ移行させ、カメラ４４に遮断画像５５を通過した物体を撮影させるとともに、撮影内容を一定時間分保存する録画処理を行う。続いて、Ｓ４１５で、制御装置４１は、スピーカ４５に警告音を一定時間再生させる報知処理を行う。更に、Ｓ４１６で、制御装置４１は、制御装置４１を通過する物体が検出されたことを通知部４７に通知させる通知処理を行う。その後、処理をＳ４１７へ移行させる。

　一方、制御装置４１は、Ｓ４１３で遮断画像５５を通過する物体が検出されていないと判定した場合には、Ｓ４１４～Ｓ４１６をスキップして処理をＳ４１７へ移行させる。
　Ｓ４１７で、制御装置４１は、列車検出部４２から出力される検出結果に基づき、列車が踏切を通過した状態であるか否かを判定する。

　制御装置４１は、Ｓ４１７で列車が踏切を通過した状態でない（まだ踏切を通過していない）と判定した場合には、処理をＳ４１３へ戻す。つまり、列車が踏切を通過するまでの間、Ｓ４１３～Ｓ４１７のループが繰り返される。

　一方、制御装置４１は、Ｓ４１７で列車が踏切を通過した状態であると判定した場合には、処理をＳ４１８へ移行させ、遮断画像５５の形成を解除させるための解除指示を像形成装置１へ出力する。これにより、像形成装置１による遮断画像５５の形成が解除（遮断画像５５が消去）される。その後、制御装置４１は、処理をＳ４１１へ戻す。

　次に、像形成装置１の制御部１６が実行する像形成処理について、図１５のフローチャートを用いて説明する。
　制御部１６は、まずＳ４２１で、制御装置４１から形成指示を入力したか否かを判定し、入力したと判定した時点で、処理をＳ４２２へ移行させる。つまり、制御部１６は、像形成処理を開始した後、形成指示を入力するまで待機する。この待機中は、遮断画像５５が形成されない。

　Ｓ４２２で、制御部１６は、遮断画像５５を形成する。具体的には、あらかじめ設定された可視像（遮断画像５５）を、レーザ光源１１、走査部１２及び駆動部１４を駆動して形成する。

　続くＳ４２３で、制御部１６は、制御装置４１から解除指示を入力したか否かを判定し、入力したと判定した時点で、処理をＳ４２４へ移行させる。つまり、制御部１６は、遮断画像５５を形成した後、解除指示を入力するまで待機する。この待機中は、遮断画像５５が形成された状態が維持される。

　Ｓ４２４で、制御部１６は、遮断画像５５の形成を解除（遮断画像５５を消去）した後、処理をＳ４２１へ戻す。
　＜効果＞
　以上詳述した第４実施形態によれば、以下の効果が得られる。

　板などの物理的な部材を用いることなく、踏切における人や車両６１の通行を遮断することができる。
　物理的な部材を用いた遮断設備では、車両６１等が接触した場合に、遮断設備自体だけでなく車両６１等にも傷や破損などが生じる問題があるが、物理的な部材に代えて可視像を採用することでそのような問題を解消することができる。

　物理的な部材を用いた構成と比較して、面状などにした場合にも風通しや音の通りを阻害されにくくすることができる。
　＜変形例＞
　なお、第４実施形態はあくまでも一つの構成例に過ぎず、例えば次のように構成してもよい。

　遮断画像５５の位置は、停止線６２よりも先（踏切側）の位置に限定されるものではなく、例えば、停止線６２上の位置でもよく、停止線６２よりも手前の位置でもよい。
　通過検出部４３による物体の通過を検出する位置は、遮断画像５５が形成された位置に限定されるものではなく、例えば、遮断画像５５よりも先（踏切側）の位置でもよく、遮断画像５５よりも手前側の位置でもよい。

　通行しようとする物体の状態に応じて、遮断画像５５の態様を変化させてもよい。例えば、人や車両が踏切に近づくほど、遮断画像５５のサイズを大きくしてもよい。
　遮断画像５５の手前で停止している先頭の車両に応じた情報を遮断画像５５として表示してもよい。例えば、先頭の車両のナビゲーションシステムで設定されている目的地に関する情報（天候、気温、ルート上の渋滞情報等）や、先頭の車両で聞いているラジオに関する文字情報などを表示してもよい。また、先頭車両のユーザが指定した情報を表示してもよい。このようにすれば、先頭車両の停止を効果的に促すことができ、無理な横断による事故などを生じにくくすることができる。

　遮断画像５５は、透過性を有する画像であってもよく、視界を遮断する画像であってもよい。遮断画像５５による視界遮断効果を高めるために、複数層に形成してもよい。
　１つの像形成装置１に複数のレーザ光源１１を設けてもよい。

　１つの遮断画像５５を複数の像形成装置１で形成してもよい。
　レーザビームの出射方向は、横方向からに限定されるものではなく、上方から、下方から、斜め方向からなど、特に限定されない。また、複数の方向から出射するようにしてもよい。

　［第５実施形態］
　＜構成＞
　図１６に示すように、第５実施形態の遮断システムは、像形成装置１と、制御装置４１と、信号入力部７５と、通過検出部４３と、カメラ４４と、スピーカ４５と、を備える。この遮断システムは、図１７に示すように、交差点において信号が赤の場合に車両６１の通行を遮断するための可視像として遮断画像５６を形成するためのものであり、交差点に進入する各道路に設けられる。図１７では、対応する構成に同一の符号Ａ～Ｄを括弧書きで付している。また、この例では、道路において車両６１の停止位置を示す停止線６２よりも先（交差点側）の位置に、遮断画像５５が形成される。なお、像形成装置１、制御装置４１、通過検出部４３、カメラ４４及びスピーカ４５は、第４実施形態と同様の機能を有する構成であるため、説明を省略する。

　信号入力部７５は、像形成装置１が設置された道路から交差点に進入する車両６１用の信号の状態（少なくとも赤の状態及び青の状態）を検出し、検出結果を有線通信又は無線通信により制御装置４１へ出力する。

　＜処理＞
　次に、制御装置４１が実行する形成指示処理について、図１８のフローチャートを用いて説明する。

　制御装置４１は、まずＳ５１１で、信号入力部７５から出力される検出結果に基づき、信号が赤であるか否かを判定し、赤であると判定した時点で、処理をＳ５１２へ移行させる。つまり、制御装置４１は、形成指示処理を開始した後、信号が赤になるまで待機する。この待機中は、遮断画像５６が形成されない。

　続くＳ５１２で、制御装置４１は、遮断画像５６を形成させるための形成指示を像形成装置１へ出力する。これにより、遮断画像５６が像形成装置１により形成される。形成される遮断画像５６は、車両６１が交差点に進入しないようにするための画像である。遮断画像５６の例は、第４実施形態と同様である。

　続くＳ５１３で、制御装置４１は、通過検出部４３から出力される検出結果に基づき、遮断画像５６を通過する物体（車両６１など）が検出されたか否かを判定する。
　制御装置４１は、Ｓ５１３で遮断画像５６を通過する物体が検出されたと判定した場合には、処理をＳ５１４へ移行させ、カメラ４４に遮断画像５６を通過した物体を撮影させるとともに、撮影内容を一定時間分保存する録画処理を行う。続いて、Ｓ５１５で、制御装置４１は、スピーカ４５に警告音を一定時間再生させる報知処理を行う。その後、処理をＳ５１６へ移行させる。

　一方、制御装置４１は、Ｓ５１３で遮断画像５６を通過する物体が検出されていないと判定した場合には、Ｓ５１４，Ｓ５１５をスキップして処理をＳ５１６へ移行させる。
　Ｓ５１６で、制御装置４１は、信号入力部７５から出力される検出結果に基づき、信号が青であるか否かを判定する。

　制御装置４１は、Ｓ５１６で信号が青でない（まだ赤である）と判定した場合には、処理をＳ５１３へ戻す。つまり、信号が青に変わるまでの間、Ｓ５１３～Ｓ５１６のループが繰り返される。

　一方、制御装置４１は、Ｓ５１６で信号が青であると判定した場合には、処理をＳ５１７へ移行させ、遮断画像５６の形成を解除させるための解除指示を像形成装置１へ出力する。これにより、像形成装置１による遮断画像５６の形成が解除（遮断画像５６が消去）される。その後、制御装置４１は、処理をＳ５１１へ戻す。

　なお、像形成装置１の制御部１６が実行する像形成処理は、第４実施形態と同様であるため、説明を省略する。
　＜効果＞
　以上詳述した第５実施形態によれば、以下の効果が得られる。

　交差点における車両６１の通行を効果的に遮断することができる。
　信号で停止を促す場合と比較して、より強く停止を促すことができる。また、物理的な部材を用いた遮断設備では、車両６１等が接触した場合に、遮断設備自体だけでなく車両６１等にも傷や破損などが生じる問題があるが、可視像を採用することでそのような問題を解消することができる。

　物理的な部材を用いた構成と比較して、面状などにした場合にも風通しや音の通りを阻害されにくくすることができる。
　＜変形例＞
　なお、第５実施形態はあくまでも一つの構成例に過ぎず、例えば次のように構成してもよい。

　遮断画像５６の位置は、停止線６２よりも先（交差点側）の位置に限定されるものではなく、例えば、停止線６２上の位置でもよく、停止線６２よりも手前の位置でもよい。
　通過検出部４３による物体の通過を検出する位置は、遮断画像５６が形成された位置に限定されるものではなく、例えば、遮断画像５６よりも先（交差点側）の位置でもよく、遮断画像５６よりも手前側の位置でもよい。

　通行しようとする物体の状態に応じて、遮断画像５６の態様を変化させてもよい。例えば、車両が交差点に近づくほど、遮断画像５６のサイズを大きくしてもよい。
　遮断画像５６の手前で停止している先頭の車両に応じた情報を遮断画像５６として表示してもよい。例えば、先頭の車両のナビゲーションシステムで設定されている目的地に関する情報（天候、気温、ルート上の渋滞情報等）や、先頭の車両で聞いているラジオに関する文字情報などを表示してもよい。また、先頭車両のユーザが指定した情報を表示してもよい。このようにすれば、先頭車両の停止を効果的に促すことができ、無理な横断による事故などを生じにくくすることができる。

　遮断画像５６は、透過性を有する画像であってもよく、視界を遮断する画像であってもよい。遮断画像５６による視界遮断効果を高めるために、複数層に形成してもよい。
　１つの像形成装置１に複数のレーザ光源１１を設けてもよい。

　１つの遮断画像５６を複数の像形成装置１で形成してもよい。
　レーザビームの出射方向は、横方向からに限定されるものではなく、上方から、下方から、斜め方向からなど、特に限定されない。また、複数の方向から出射するようにしてもよい。

　遮断画像５６を用いることで、信号機の少なくとも一部を省略してもよい。すなわち、第５実施形態の遮断システムを、車両６１用の信号機の代替手段としてもよい。また、歩行者の通行路にも同様の遮断画像を形成してもよい。そして、歩行者用の信号機も含めた代替手段として、第５実施形態の遮断システムを採用してもよい。

　［第６実施形態］
　＜構成＞
　図１９に示すように、第６実施形態の遮断システムは、像形成装置１と、制御装置４１と、決済部７６と、通過検出部４３と、カメラ４４と、スピーカ４５と、表示部４６と、通知部４７と、を備える。この遮断システムは、図２０に示すように、駅の改札において人６３の通行を遮断するための可視像として遮断画像５７を形成するためのものである。なお、像形成装置１、制御装置４１、通過検出部４３、カメラ４４、スピーカ４５、表示部４６及び通知部４７は、第４実施形態と同様の機能を有する構成であるため、説明を省略する。ちなみに、図２０の例では、像形成装置１、制御装置４１、通過検出部４３、スピーカ４５、表示部４６及び通知部４７は、改札機６４に組み込まれ、カメラ４４は、改札機６４の出口側に設置されている。また、通知部４７は、制御装置４１からの指示に従い、制御装置４１を通過する物体が検出されたことを通知対象者（この例では改札を担当する駅員）へ通知するための情報を、駅員が利用する端末に無線通信により送信する。

　決済部７６は、駅の改札において改札機６４により形成される通路に進入する人６３の存否及び決済の有無（切符、プリペイドカード、定期券等による決済操作がされたか否か）を検出し、検出結果を制御装置４１へ出力する。

　＜処理＞
　次に、制御装置４１が実行する形成指示処理について、図２１のフローチャートを用いて説明する。

　制御装置４１は、まずＳ６１１で、遮断画像５７を形成させるための形成指示を像形成装置１へ出力する。これにより、遮断画像５７が像形成装置１により形成される。形成される遮断画像５７は、人６３が不正に駅の改札を通過しないようにするための画像である。遮断画像５７の例は、第４実施形態と同様である。

　続くＳ６１２で、制御装置４１は、決済部７６からの検出結果に基づき、改札機６４により形成される通路に進入する物体（人６３）が存在するか否かを判定し、存在すると判定した時点で、処理をＳ６１３へ移行させる。つまり、制御装置４１は、遮断画像５７を形成した後、改札の利用者６３が検出されるまで待機する。

　続くＳ６１３で、制御装置４１は、通過検出部４３から出力される検出結果に基づき、遮断画像５７を通過する物体が検出されたか否かを判定する。
　制御装置４１は、Ｓ６１３で遮断画像５７を通過する物体が検出されたと判定した場合には、処理をＳ６１４へ移行させ、カメラ４４に遮断画像５７を通過した物体を撮影させるとともに、撮影内容を一定時間分保存する録画処理を行う。続いて、Ｓ６１５で、制御装置４１は、スピーカ４５に警告音を一定時間再生させる報知処理を行う。更に、Ｓ６１６で、制御装置４１は、制御装置４１を通過する物体が検出されたことを通知部４７に通知させる通知処理を行う。その後、処理をＳ６１７へ移行させる。

　一方、制御装置４１は、Ｓ６１３で遮断画像５７を通過する物体が検出されていないと判定した場合には、Ｓ６１４～Ｓ６１６をスキップして処理をＳ６１７へ移行させる。
　Ｓ６１７で、制御装置４１は、決済部７６から出力される検出結果に基づき、決済操作がされ、決済処理（代金徴収のための処理）が完了したか否かを判定する。

　制御部は、Ｓ６１７で決済処理が完了していないと判定した場合には、処理をＳ６１３へ戻す。つまり、決済処理が完了するまでの間、Ｓ６１３～Ｓ６１７のループが繰り返される。

　一方、制御装置４１は、Ｓ６１７で決済処理が完了したと判定した場合には、処理をＳ６１８へ移行させ、遮断画像５７の形成を解除させるための解除指示を像形成装置１へ出力する。これにより、像形成装置１による遮断画像５７の形成が解除（遮断画像５７が消去）される。

　続くＳ６１９で、制御装置４１は、決済部７６からの検出結果に基づき、改札機６４により形成される通路に進入した物体がその通路を通過したか否かを判定し、通過したと判定した時点で、処理をＳ６１１へ戻し、像形成装置１に遮断画像５７を形成させる。つまり、制御装置４１は、遮断画像５７の形成を解除した後、改札の利用者が改札を通過するまで待機する。

　なお、像形成装置１の制御部１６が実行する像形成処理は、第４実施形態と同様であるため、説明を省略する。
　＜効果＞
　以上詳述した第６実施形態によれば、以下の効果が得られる。

　駅の改札における人６３の不正な通行を効果的に遮断することができる。
　物理的な部材を用いた遮断設備では、人６３が接触した場合に、遮断設備自体が破損するだけでなく人６３にも怪我などをさせる問題があるが、可視像を採用することでそのような問題を解消することができる。

　＜変形例＞
　なお、第６実施形態はあくまでも一つの構成例に過ぎず、例えば次のように構成してもよい。

　改札を利用とする人６３が周辺に存在するか否かを判定し、存在しない場合には、遮断画像５７を形成しないようにしてもよい。このようにすれば、遮断画像５７の形成に要する電気代などを低減することができる。

　１つの像形成装置１に複数のレーザ光源１１を設けてもよい。
　１つの遮断画像５７を複数の像形成装置１で形成してもよい。
　レーザビームの出射方向は、横方向からに限定されるものではなく、上方から、下方から、斜め方向からなど、特に限定されない。また、複数の方向から出射するようにしてもよい。

　［他の実施形態］
　以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。

　本発明は、上記実施形態以外の種々の構成に適用可能である。
　例えば、ナビゲーション機能で道案内をする際に、案内用の矢印を表す可視像を自車両の前方に形成したり、柵などのような案内物を表す可視像を自車両の両側に形成したりしてもよい。

　また例えば、コインパーキングなどの車両の駐車スペースを予約した場合に、予約した駐車スペースに車両の可視像を形成し、他車両の駐車を抑制できるようにしてもよい。
　また例えば、有料道路の入口（ＥＴＣ（Electronic Toll Collection：登録商標）システムのゲート）や出口、駐車場の入口や出口、建物の入口や出口、駅のプラットホームに設置された安全用扉等に可視像を利用してもよい。

　また例えば、可視像を視認している人の視認状態（例えば目線や顔の向き等）を検出し、視認状態（例えば可視像を見ているか否か）に応じて可視像の形成態様（例えば形成／形成解除）を変化させてもよい。

　また例えば、可視像を視認できるユーザと視認できないユーザとを分類することができるようにしてもよい。具体的には、特定のフィルタ（例えば眼鏡や車両の窓ガラス等）を通して見ることで可視像が視認できる、又は逆に、特定をフィルタを通して見た場合には可視像が視認できないように、可視像を形成してもよい。フィルタによる可視像の遮断には、例えば、３Ｄの映画等を視認するために用いられる周知の３Ｄ眼鏡の技術を利用することができる。

　また例えば、パチンコ等の遊技機を構成する物の少なくとも一部（例えば玉や釘など）を可視像で形成してもよい。その場合、可視像の状態に応じた音も出力すれば、リアリティを高くすることができる。

　また例えば、動物を追い払うために可視像を形成してもよい。例えば野生動物の天敵となる動物を可視像で形成したり、威嚇するような可視像を形成したりしてもよい。
　上記実施形態では、集光レンズ１３の位置を出射光軸に沿って調整することにより、レーザ光源１１から集光位置までの距離を調整するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、焦点距離の異なる複数個の集光レンズ１３を備え、使用する集光レンズ１３を切り換えることによりレーザ光源１１から集光位置までの距離を調整してもよい。また、集光レンズ１３にズームレンズを設け、このズームレンズにより焦点距離を変更して、レーザ光源１１から集光位置までの距離を調整してもよい。また、光路長変更光学素子を集光レンズ１３のレーザビーム出射側に設け、光路長変更光学素子の挿脱により、レーザ光源１１から集光位置までの距離を調整してもよい。

　上記実施形態では、走査部１２の走査を二次元方向としているが、これに限定されるものではない。例えば、像形成装置１が、一列に配列された複数個のレーザ光源１１を備え、走査部１２が、レーザ光源１１からのレーザビームを、その配列方向と直交する方向（Ｘ方向）に一次元的に走査するようにしてもよい。このようにすれば、複数個のレーザ光源１１のうち、どのレーザ光源１１を用いるかによって、発光点のＹ方向の位置を調整することができる。

　上記実施形態では、集光レンズ１３によりレーザビームを集光させるようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、自己収束作用を有するレーザビームを出射可能なレーザ光源を用いてもよい。

　多重横モード又はシングル高次横モードのレーザビームを出射するレーザ光源（例えば、内部にアパーチャ（例えば、中央部に小孔が形成された薄板状の絞り）を設けていないレーザ光源）を用いてもよい。また、基本ガウシアンビームを出射するレーザ光源を用い、その基本ガウシアンビームを多重横モード又はシングル高次横モードのレーザビームに変換する変換部を設けてもよい。ここで、変換部としては、例えば、レーザビームの通過を例えば十字状や網目状に妨げる光学部材を用いてもよく、また例えば、強度分布等のビーム品質を劣化させるモード変換素子を用いてもよい。このような構成によれば、多重横モード又はシングル高次横モードのレーザビームを用いて集光させることができるため、基本ガウシアンビームと比較して、生成されるプラズマの安定性を向上させることができる。

　可視域（例えばＲＧＢ各色）のレーザビームを利用する（例えば、不可視域のレーザビームと同軸に走査する）ことで、集光位置に可視光のレーザビームを当てて散乱させることにより、空中にカラーの可視像を形成してもよい。

　上記実施形態では、オフィスや車両に組み込まれた構成を例示したが、これに限定されるものではなく、可搬型の装置としてもよい。
　上記実施形態では、レーザビームを空中で集光させることにより生じる発光点で可視像を形成したが、これに限定されるものではない。例えば、ホログラフィや電子ホログラフィの技術を用いた手法や、レーザビームの交差点により像を形成する手法など、他の手法を用いてもよい。

　上記実施形態の各構成要素が有する機能は、ハードウェアに代えてソフトウェアで実現してもよく、ソフトウェアに代えてハードウェアで実現してもよく、ハードウェア及びソフトウェアの組合せで実現してもよい。また、各構成要素は概念的なものであり、上記実施形態に限定されない。例えば、１つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を１つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。

　上記実施形態は、本発明が適用された実施形態の一例に過ぎない。本発明は、システム、装置、方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体（ＣＤ－ＲＯＭやＤＶＤ等の光ディスク、磁気ディスク、半導体製メモリ等）、などの種々の形態で実現することができる。

　［実施形態から把握される技術思想］
　以上詳述した種々の実施形態から、少なくとも以下の技術思想が把握される。
　（１）視線遮蔽装置であって、
　空中に可視像を形成するための形成部（レーザ光源１１、走査部１２、集光レンズ１３及び駆動部１４がその一例に相当する。）と、
　特定対象が視認されにくくするための前記可視像を前記形成部に形成させる制御部（制御部１６がその一例に相当する。）と、
　を備えることを特徴とする視線遮蔽装置。

　この構成によれば、可視像を形成することで特定対象を視認されにくくすることができるため、物理的な遮蔽物の代替手段とすることができる。
　（２）上記（１）に記載の視線遮蔽装置であって、
　前記制御部は、前記可視像の形成態様を前記形成部に変更させる（Ｓ１２４がその一例に相当する。）
　ことを特徴とする視線遮蔽装置。

　この構成によれば、可視像の形成態様を使用状況などに応じて変更することができる。
　（３）上記（２）に記載の視線遮蔽装置であって、
　前記制御部は、ユーザからの指令に応じて、前記形成態様を前記形成部に変更させる
　ことを特徴とする視線遮蔽装置。

　この構成によれば、ユーザの意思を反映させる形で、可視像の形成態様を変更することができる。
　（４）上記（２）又は（３）に記載の視線遮蔽装置であって、
　前記制御部は、前記特定対象の状態に応じて、前記形成態様を前記形成部に変更させる
　ことを特徴とする視線遮蔽装置。

　この構成によれば、可視像の形成態様を特定対象の状態に応じて自動的に変更することができる。
　（５）上記（４）に記載の視線遮蔽装置であって、
　前記制御部は、前記特定対象としてのユーザが存在する状態では、ユーザが存在しない状態と比較して前記特定対象が視認されにくくなるように、前記形成態様を前記形成部に変更させる
　ことを特徴とする視線遮蔽装置。

　この構成によれば、ユーザが存在する状態で、ユーザを視認されにくくしつつ、ユーザが存在しない状態では、視界が確保されやすくすることができる。
　（６）上記（５）に記載の視線遮蔽装置であって、
　前記制御部は、撮影装置（カメラ９３がその一例に相当する。）により撮影された画像に基づいてユーザの存否を判定する
　ことを特徴とする視線遮蔽装置。

　この構成によれば、ユーザの存否を比較的正確に判定することができる。
　（７）上記（５）又は（６）に記載の視線遮蔽装置であって、
　前記制御部は、ユーザにより使用される機器の状態に基づいてユーザの存否を判定する
　ことを特徴とする視線遮蔽装置。

　この構成によれば、ユーザの存否を簡易的に判定することができる。
　（８）上記（２）から（７）までのいずれか１つに記載の視線遮蔽装置であって、
　前記形成態様には、前記可視像を形成しないという形成態様が含まれる
　ことを特徴とする視線遮蔽装置。

　この構成によれば、可視像を形成する必要がない状況においては可視像を形成しないようにすることができる。
　（９）上記（２）から（８）までのいずれか１つに記載の視線遮蔽装置であって、
　前記形成態様には、前記可視像のサイズが異なる複数種類の形成態様が含まれる
　ことを特徴とする視線遮蔽装置。

　この構成によれば、使用状況などに応じて可視像のサイズを変更することができる。
　（１０）上記（２）から（９）までのいずれか１つに記載の視線遮蔽装置であって、
　前記形成態様には、前記可視像の透過度合いが異なる複数種類の形成態様が含まれる
　ことを特徴とする視線遮蔽装置。

　この構成によれば、使用状況などに応じて可視像の透過度合いを変更することができる。
　（１１）上記（１）から（１０）までのいずれか１つに記載の視線遮蔽装置であって、
　前記制御部は、間仕切りを表す前記可視像（パーティション１９がその一例に相当する。）を前記形成部に形成させる
　ことを特徴とする視線遮蔽装置。

　この構成によれば、物理的な間仕切りに代えて可視像を形成することで、物理的な間仕切りでは得られない効果を得ることができる。例えば、間仕切りの設置／除去の切替を簡易的に行うことができる。また例えば、風通しや音の通りをよくすることができる。

　（１２）上記（１）から（１０）までのいずれか１つに記載の視線遮蔽装置であって、
　前記制御部は、車両の外観を表す前記可視像（仮想ボディ２９がその一例に相当する。）を前記形成部に形成させる
　ことを特徴とする視線遮蔽装置。

　この構成によれば、車両の本来の外観とは異なる外観を視認させることができる。このため、例えば、本来の車両の外観を視認されたくないような場合に、異なる外観を視認させることができる。また、物理的な部材を用いて外観を覆う場合と比較して空気抵抗がないため、走行に影響を生じにくくすることができる。

　（１３）上記（１）から（１０）までのいずれか１つに記載の視線遮蔽装置であって、
　前記制御部は、車両の乗員を表す前記可視像（仮想同乗者３９がその一例に相当する。）を前記形成部に形成させる
　ことを特徴とする視線遮蔽装置。

　この構成によれば、例えば車両外部の人間に対し、あたかも車両の乗員が存在するかのように見せることができるため、防犯効果を高めることができる。
　（１４）上記（１）から（１３）までのいずれか１つに記載の視線遮蔽装置であって、
　前記形成部は、空中でレーザビームを集光させることにより生じる発光点により前記可視像を形成する
　ことを特徴とする視線遮蔽装置。

　この構成によれば、空中における比較的自由度の高い位置に可視像を形成することができる。
　（１５）通行遮断装置であって、
　空中に可視像を形成するための形成部（像形成装置１がその一例に相当する。）と、
　通路における通行を一時的に遮断するための前記可視像を前記形成部に形成させる制御部（制御装置４１がその一例に相当する。）と、
　を備えることを特徴とする通行遮断装置。

　この構成によれば、可視像を形成することで通路における通行を一時的に遮断することができるため、物理的な遮断機などの代替手段とすることができる。
　（１６）上記（１５）に記載の通行遮断装置であって、
　前記可視像を通過する物体を撮影する撮影部（カメラ４４がその一例に相当する。）を更に備える
　ことを特徴とする通行遮断装置。

　可視像は、物理的な遮断機とは異なり通り抜けることが可能であるため、物理的に停止を強制することはできないが、可視像を通過する物体を撮影することで、不正な通過に対する抑止力を高めることができる。

　（１７）上記（１５）又は（１６）に記載の通行遮断装置であって、
　前記可視像を通過する物体を検出する検出部（通過検出部４３がその一例に相当する。）を更に備える
　ことを特徴とする通行遮断装置。

　可視像は、物理的な遮断機とは異なり通り抜けることが可能であるため、物理的に停止を強制することはできないが、可視像を通過する物体を検出することで、不正な通過に対する抑止力を高めることができる。

　（１８）上記（１７）に記載の通行遮断装置であって、
　前記検出部により前記可視像を通過する物体が検出された場合に、報知を行う報知部（スピーカ４５や表示部４６がその一例に相当する。）を更に備える
　ことを特徴とする通行遮断装置。

　可視像を通過する物体が検出された場合に報知を行うことで、不正な通過に対する抑止力を一層高めることができる。
　（１９）上記（１７）又は（１８）に記載の通行遮断装置であって、
　前記検出部により前記可視像を通過する物体が検出された場合に、通知対象者へ通知する通知部（通知部４７がその一例に相当する。）を更に備える
　ことを特徴とする通行遮断装置。

　可視像を通過する物体が検出された場合に通知対象者へ通知することで、不正な通過に対して即座に対応することができる。
　（２０）上記（１５）から（１９）までのいずれか１つに記載の通行遮断装置であって、
　前記制御部は、踏切における遮断機を表す前記可視像（遮断画像５５がその一例に相当する。）を前記形成部に形成させる
　ことを特徴とする通行遮断装置。

　この構成によれば、物理的な遮断機に代えて可視像を形成することで、物理的な遮断機では得られない効果を得ることができる。例えば、車両等との接触による傷や破損等を生じにくくすることができる。

　（２１）上記（１５）から（１９）までのいずれか１つに記載の通行遮断装置であって、
　前記制御部は、交差点における遮断機を表す前記可視像（遮断画像５６がその一例に相当する。）を前記形成部に形成させる
　ことを特徴とする通行遮断装置。

　この構成によれば、信号で停止を促す場合と比較して、より強く停止を促すことができる。また、物理的な遮断機を用いた場合と比較して、車両等との接触による傷や破損等を生じにくくすることができる。

　（２２）上記（１５）から（１９）までのいずれか１つに記載の通行遮断装置であって、
　前記制御部は、駅の改札における遮断機を表す前記可視像（遮断画像５７がその一例に相当する。）を前記形成部に形成させる
　ことを特徴とする通行遮断装置。

　この構成によれば、物理的な遮断機に代えて可視像を形成することで、物理的な遮断機では得られない効果を得ることができる。例えば、人等との接触による怪我や破損等を生じにくくすることができる。

　（２３）上記（１５）から（２２）までのいずれか１つに記載の通行遮断装置であって、
　前記形成部は、空中でレーザビームを集光させることにより生じる発光点により前記可視像を形成する
　ことを特徴とする通行遮断装置。

　この構成によれば、空中における比較的自由度の高い位置に可視像を形成することができる。

Claims (3)

1. 　視線遮蔽装置であって、
   　空中に可視像を形成するための形成部と、
   　特定対象が視認されにくくするための前記可視像を前記形成部に形成させる制御部と、
   　を備えることを特徴とする視線遮蔽装置。
2. 　請求項１に記載の視線遮蔽装置であって、
   　前記制御部は、前記可視像の形成態様を前記形成部に変更させる
   　ことを特徴とする視線遮蔽装置。
3. 　請求項２に記載の視線遮蔽装置であって、
   　前記制御部は、ユーザからの指令に応じて、前記形成態様を前記形成部に変更させる
   　ことを特徴とする視線遮蔽装置。

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