WO2013145834A1 - 有機材料の精製装置 - Google Patents

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Abstract

 内部に有機材料が供給される第一内筒体(51)、及び供給された有機材料を気化させる加熱ヒータ(53)を備えた気化器(5)と、気化器(5)の第一内筒体(51)と連通する第二内筒体(61)、及び輻射熱により第二内筒体(61)の温度を調整する温度調整ヒータ(63)を備え、気化器(5)で気化させた気体状の有機材料を第二内筒体(61)の内面で捕集する捕集器(6)と、第一内筒体(51)および第二内筒体(61)を内部に収容する外筒体(22)と、外筒体(22)の外部から第二内筒体(61)の内部に向けて挿通された熱電対(432A)と、熱電対(432A)で検出された温度に基づいて、温度調整ヒータ(63)の温度制御を行う温度調整ヒータ制御手段(44)と、を備え、第二内筒体(61)は、温度調整ヒータ(63)からの輻射熱を反射して伝熱量を制御する輻射伝熱量制御手段(70)を有する。

Description

有機材料の精製装置
 本発明は、有機材料の精製装置に関する。
 従来、有機材料の精製方法としては、カラムクロマトグラフィー、再結晶、蒸留、昇華などが知られている。電子材料や光学材料として用いられる有機材料は、その純度が性能に大きな影響を与えることがあることから、高純度に精製される。
 電子材料の一例としては、近年、研究開発が活発になされている有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という場合がある。)に用いられる材料が挙げられる。有機EL素子に用いられる材料(以下、有機EL素子用材料という場合がある。)の中に不純物が混入していると、その不純物がキャリア(電子や正孔)のトラップになったり、消光の原因になったりし、有機EL素子の発光強度、発光効率および耐久性が低下する。したがって、不純物を少なくするために、有機EL素子用材料を高純度に精製する必要がある。
 有機EL素子用材料を精製するための精製装置としては、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1に記載された精製装置は、有機EL素子用材料を溶融後、蒸発させる筒状の蒸発部(蒸発器)と蒸発気体を凝縮捕集する筒状の捕集部(捕集器)とを有し、捕集部の温度は下流側に向かってほぼ階段状又は連続的に低下するように構成されている。
特開2002-200401号公報
 特許文献1に記載された精製装置では、捕集部の温度を階段状又は連続的に変化させるために、熱電対により測定された温度に基づいて温度調節器から誘電コイルへと供給する電力の制御を細やかに行う必要がある。そのため、特許文献1に記載された精製装置では、捕集部に温度分布を形成するために、温度調節器の制御が煩雑になるという問題がある。
 本発明の目的は、有機材料を捕集する部位における温度分布を容易に形成することのできる有機材料の精製装置を提供することである。
 本発明の有機材料の精製装置は、
 内部に有機材料が供給される第一筒体、及びこの第一筒体の外側に配置され、供給された有機材料を気化させる加熱ヒータを備えた気化器と、
 前記気化器の前記第一筒体と連通する第二筒体、及びこの第二筒体の外側に配置され、輻射熱により前記第二筒体の温度を調整する温度調整ヒータを備え、前記気化器で気化させた気体状の有機材料を前記第二筒体の内面で捕集する捕集器と、
 前記第一筒体および前記第二筒体を内部に収容する外筒体と、
 前記外筒体の外部から前記第二筒体の内部に向けて挿通された熱電対と、
 前記熱電対で検出された温度に基づいて、前記温度調整ヒータの温度制御を行う温度調整ヒータ制御手段と、を備え、 前記第二筒体は、前記温度調整ヒータからの輻射熱を反射して伝熱量を制御する輻射伝熱量制御手段を有することを特徴とする。
 本発明によれば、輻射伝熱量制御手段により温度調整ヒータからの輻射熱を反射し、第二筒体への伝熱量を制御することができる。そのため、第二筒体の長手方向において、輻射熱の反射量を調整すれば、伝熱量も当該長手方向にわたって制御でき、当該長手方向における温度分布を形成することができる。
 ゆえに、本発明によれば、温度調整ヒータ制御手段による細かな温度制御が不要になり、第二筒体長手方向の各捕集部位における温度分布を容易に形成できる。
 なお、本発明において、気化とは、有機材料が固体から気体に変化する昇華および液体から気体に変化する蒸発を含む。
 本発明の有機材料の精製装置において、
 前記輻射伝熱量制御手段は、石英ガラス中に輻射熱を反射可能な微粒子を分散させて形成された前記第二筒体で構成され、
 前記第二筒体の長手方向にわたって、前記石英ガラス中の前記微粒子の濃度勾配が形成されていることが好ましい。
 本発明によれば、第二筒体の長手方向にわたって、輻射熱を反射可能な微粒子が石英ガラス中に濃度勾配を有して分散されている。そのため、当該微粒子濃度に応じて反射する輻射熱量が変わり、微粒子の濃度勾配に対応した温度分布を第二筒体に形成することができる。
 ゆえに、本発明によれば、石英ガラス中に微粒子を分散させた第二筒体の簡易的な構造により、第二筒体長手方向の各捕集部位における温度分布形成が容易になる。
 本発明の有機材料の精製装置において、
 前記濃度勾配は、前記第二筒体の上流側から下流側に向かって前記微粒子濃度が高くなるように形成されていることが好ましい。
 本発明によれば、第二筒体の上流側(第一筒体と連結されている側)から下流側(当該連結側とは反対側)に向かって微粒子濃度が高くなるように濃度勾配が形成されている。そのため、第二筒体の長手方向で比べると、上流側では輻射熱が反射され難く、下流側に向かうに従って輻射熱が反射されやすくなる。その結果、上流側の温度が高く、下流側に向かうに従って温度が低くなる温度分布を形成できる。気化器で気化した有機材料は、第二筒体の上流側から下流側に向かって流れ、当該温度分布に従って第二筒体長手方向の各捕集部位にて捕集される。第二筒体の上流側と下流側との中間部の温度が、有機材料の液化温度または固化温度となるように設定すれば、当該中間部において所望の有機材料が、高純度で効率良く捕集される。
 ゆえに、本発明によれば、有機材料の純度および精製効率を向上させることができる。
 本発明の有機材料の精製装置において、
 前記第二筒体の内表面側に前記有機材料に対して不活性な材質で構成される不活性被膜が形成されていることが好ましい。
 本発明によれば、第二筒体の内表面側に有機材料に対して不活性な材質で構成される不活性被膜が形成されている。そのため、第二筒体の内表面側に露出した微粒子が、精製対象となる有機材料と接触し、化学反応が起きて、有機材料が分解したり、異なる有機材料に変化したりすることを防止できる。
 本発明の有機材料の精製装置において、
 前記輻射伝熱量制御手段は、前記第二筒体を外周面に沿って覆い、石英ガラス中に輻射熱を反射可能な微粒子を分散させて形成された第三筒体であることが好ましい。
 本発明によれば、石英ガラス中に輻射熱を反射可能な微粒子を分散させて形成された第三筒体を輻射伝熱量制御手段とし、これを第二筒体の外周面に沿って、取り付ければよい。
 ゆえに、本発明によれば、既存の第二筒体に対して輻射伝熱量制御手段(第三筒体)を容易に追加でき、設備コストを抑制できる。
 本発明の有機材料の精製装置において、
 前記第三筒体は、互いに隣接し、同軸上に配置された複数の小筒体で構成され、
 前記複数の小筒体のうち少なくとも一つにおける前記石英ガラス中の前記微粒子濃度が、他の小筒体における当該微粒子濃度と異なることが好ましい。
 本発明によれば、一つの筒体内部で微粒子濃度を変化させる必要がなく、微粒子濃度を変えた小筒体を複数形成し、それらを第二筒体の外周面に沿って取り付ければ、第二筒体の長手方向にわたって、微粒子濃度が異なる輻射伝熱量制御手段を構成できる。よって、一つの筒体内部で微粒子濃度を変化させる場合に比べて、輻射伝熱量制御手段を容易に形成することができる。
 本発明の有機材料の精製装置において、
 前記第三筒体は、厚さ寸法が前記第二筒体の長手方向にわたって異なることが好ましい。
 本発明によれば、第三筒体は、厚さ寸法が前記第二筒体の長手方向にわたって異なるので、微粒子濃度勾配を形成しなくても、輻射熱の伝熱方向における微粒子の数が、第三筒体の厚さ寸法に応じて異なる。そのため、第三筒体中の微粒子の数に応じて反射する輻射熱量が変わり、第三筒体の厚さ寸法に対応した温度分布を第二筒体に形成することができる。
 ゆえに、本発明によれば、筒体中の微粒子濃度勾配を形成する場合に比べて容易に輻射伝熱量制御手段を構成できる。
本発明の第一実施形態に係る有機材料の精製装置の断面概略図である。 前記第一実施形態に係る有機材料の精製装置の輻射伝熱量制御手段を説明する概略図である。 本発明の第二実施形態に係る有機材料の精製装置の輻射伝熱量制御手段を説明する概略図である。 本発明の第三実施形態に係る有機材料の精製装置の断面概略図である。 前記第三実施形態に係る有機材料の精製装置の輻射伝熱量制御手段を説明する概略図である。 本発明の第四実施形態に係る有機材料の精製装置の断面概略図である。 前記第四実施形態に係る有機材料の精製装置の輻射伝熱量制御手段を説明する概略図である。 本発明の実施形態の変形例に係る有機材料の精製装置の断面概略図である。
 以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
<第一実施形態>
(1)精製装置の構成
 図1には、本実施形態に係る有機材料の精製装置1の長手方向に沿う断面の概略図が示されている。
 精製装置1は、有機材料を精製する装置本体2と、装置本体2内部を減圧する排気装置としての真空ポンプ3と、装置本体2の温度を制御する温度コントローラ4と、を備える。以下、有機材料としての有機EL素子用材料を精製する場合を例に挙げて説明する。
(1-1)装置本体
 装置本体2は、円筒状の内筒体21と、この内筒体21の外側に配置されて内筒体21を内部に収容する円筒状の外筒体22とを備え、外筒体22の両端が蓋部23,24で閉塞された二重管構造である。
 装置本体2には、内筒体21および外筒体22の一方側において気化器5が設けられ、内筒体21および外筒体22の他方側において捕集器6が設けられており、気化器5と捕集器6とは、装置本体2の水平方向に連続して設けられている。
 また、図1に示すように、装置本体2の捕集器6側の端部に設けられた蓋部24には、真空ポンプ3が接続されている。この真空ポンプ3には、バルブ3aを介して配管部材が設けられ、配管部材は、装置本体2の内部と連通するように蓋部24に接続されている。そのため、真空ポンプ3は、装置本体2の内部を排気可能である。本実施形態では、装置本体2内の圧力を、10-1Pa以下にする。装置本体2と真空ポンプ3との間に、トラップ装置(図示せず)を介在させておくことが好ましい。
 このような装置本体2では、有機EL素子用材料は、気化器5の内部で気化し、気化した気体状の有機EL素子用材料は、真空ポンプ3の吸引により捕集器6に流れ込み、捕集器6の内部で固化されて捕集される。このように、精製される有機EL素子用材料は、気化器5側から捕集器6側へ流れる。以下、有機EL素子用材料の流れ方向に即して、装置本体2の気化器5が配置されている一方側を上流側、装置本体2の捕集器6が配置されている他方側を下流側と称する場合がある。
(1-1-1)気化器
 気化器5は、装置本体2の上流側に配置される。気化器5は、内筒体21の上流側を構成する第一筒体としての第一内筒体51と、外筒体22の上流側を構成し、第一内筒体51の外側に配置される第一外筒体52と、第一外筒体52の外側に配置される加熱ヒータ53と、第一内筒体51内部に配置される原料容器としての収容部54と、を備える。
 第一内筒体51および第一外筒体52は、円筒状に形成されている。第一内筒体51は、第一外筒体52の内面に直接載置されていてもよいし、第一内筒体51の底面側に、支持部材(図示略)を配置し、この支持部材を介して載置されていてもよい。
 加熱ヒータ53は、赤外線ヒータ等により構成され、第一外筒体52の外側に環状に配置される。
 収容部54は、第一内筒体51の内部に配置されている。収容部54は、例えば、四角形板状の底面と、この底面の周縁から面外方向に起立する側面とを備えた皿状に形成され、粉末状など固体の有機EL素子用材料を収容している。
 第一内筒体51、第一外筒体52、および収容部54の材質は、有機EL素子用材料に対して不活性な材質で構成されることが好ましく、本実施形態では、石英ガラスで構成されている。
(1-1-2)捕集器
 捕集器6は、装置本体2の下流側に配置される。捕集器6は、内筒体21の下流側を構成する第二筒体としての第二内筒体61と、外筒体22の下流側を構成し、第二内筒体61の外側に配置される第二外筒体62と、第二外筒体62の外側に配置され、輻射熱により第二内筒体61の温度を調整する温度調整ヒータ63と、温度調整ヒータ63からの輻射熱を反射して伝熱量を制御する輻射伝熱量制御手段70と、を備える。
 第二内筒体61および第二外筒体62は、円筒状に形成されている。第二内筒体61は、第二外筒体62の内面に直接載置されていてもよいし、第二内筒体61の底面側に、支持部材(図示略)を配置し、この支持部材を介して載置されていてもよい。
 本実施形態では、第一外筒体52と第二外筒体62とが、一体の円筒状に形成され、第一内筒体51と第二内筒体61とは、別部材で形成されている。さらに、第二内筒体61は、本実施形態では、円筒状の捕集筒体が3つ、具体的には、上流側から順に第一捕集筒体61A、第二捕集筒体61Bおよび第三捕集筒体61Cが分割可能に連結されて構成される。第一捕集筒体61Aが第一内筒体51と接続される。第一捕集筒体61Aの内部が、第一捕集室R1とされ、第二捕集筒体61Bの内部が、第二捕集室R2とされ、第三捕集筒体61Cの内部が第三捕集室R3とされ、捕集室R1,R2,R3は、下流側に向かって水平方向に連続して形成され、互いに連通している。
 第二内筒体61、および第二外筒体62の材質は、有機EL素子用材料に対して不活性な材質で構成されることが好ましい。本実施形態では、第二外筒体62が、石英ガラスで構成されている。また、捕集筒体61A,61B,61Cも石英ガラスで構成されており、第二内筒体61も石英ガラス製である。
 温度調整ヒータ63は、輻射熱により加熱することができるヒータであればよく、本実施形態では、赤外線ヒータを用いる。
 温度調整ヒータ63による温度調整は、後述する温度調整ヒータ制御手段としての制御部44により制御される。
 図2には、輻射伝熱量制御手段70を説明する断面概略図が示されている。
 輻射伝熱量制御手段70は、図2に示すように、第二内筒体61の石英ガラス中に輻射熱を反射可能な微粒子71を分散させて形成することで構成される。以下、輻射熱を反射可能な微粒子71を、輻射熱反射微粒子71と称する場合がある。
 輻射熱反射微粒子71としては、例えば、酸化チタン、アルミナ、ジルコニア等の酸化物粒子や、アルミニウム、ニッケル、コバルト、金、または銀からなる金属粒子が挙げられる。
 輻射伝熱量制御手段70は、各捕集筒体61A,61B,61Cにおける輻射熱反射微粒子71の濃度が互いに異なるように形成されている。具体的には、第一捕集筒体61Aよりも第二捕集筒体61Bの方が輻射熱反射微粒子71の濃度が高く設定され、第二捕集筒体61Bよりも第三捕集筒体61Cの方が輻射熱反射微粒子71の濃度が高く設定されている。このように、輻射伝熱量制御手段70において、上流側の第一捕集筒体61Aから下流側の第三捕集筒体61Cに向かって輻射熱反射微粒子71の濃度が段階的に高くなる濃度勾配が形成されている。図2には、輻射熱反射微粒子71の濃度が段階的に異なる状態について模式的に示されている。
 なお、捕集筒体61A,61B,61C中の輻射熱反射微粒子71の充填量は、反射させる輻射熱の程度や筒体の強度等に応じて適宜調整される。
 また、図1には、精製装置1の断面図に合わせて内筒体21の上流側端部からの距離と輻射熱反射微粒子71の濃度(微粒子濃度)との関係を示すグラフが示されている。この図1のグラフのように、本実施形態では、内筒体21において、第一内筒体51では、輻射熱反射微粒子71が含まれておらず、第二内筒体61では、輻射熱反射微粒子71の段階的な濃度勾配が形成されている。
 捕集筒体61A,61B,61Cは、例えば、電気炉で液化した石英に、輻射熱反射微粒子71(酸化チタン微粒子等)を所定の混合率となる量を混入し、混入した微粒子が融解しないうちに冷却することで得られる。輻射熱反射微粒子71の粒径としては、特に限定されないが、例えば、液化した石英に分散させる場合には、混入した微粒子が融解しない程度の粒径として、1.0μm以上2.0μm以下とすることが好ましい。
(1-1-3)温度コントローラ
 温度コントローラ4は、気化器5内部の温度を測定する温度センサ41と、温度センサ41で測定した温度情報に基づいて加熱ヒータ53を制御する加熱ヒータ制御手段としての制御部42と、捕集器6内部の温度を測定する温度センサ43と、温度センサ43で測定した温度情報に基づいて温度調整ヒータ63を制御する制御部44と、を備える。
 温度センサ41は、内筒体21の上流側端部から第一内筒体51に挿通されたさや管411(第一筒体用さや管)と、さや管411の内部に挿入された第一筒体用の熱電対412とを備える。熱電対412は、装置本体2外部に配置された制御部42と接続されている。熱電対412で測定した温度情報は、制御部42へと送られる。
 さや管411は、有機EL素子用材料に対して不活性な材質で構成されることが好ましく、本実施形態では、石英製である。第一内筒体51内部に配置されたさや管411の先端部は閉じている。さや管411は、図1に示すように、第一内筒体51内部の上部に挿通されている。
 制御部42は、加熱ヒータ53に接続され、温度センサ41から入力された温度情報に基づいて、加熱ヒータ53での加熱を制御する。
 温度センサ43は、内筒体21の下流側端部から第二内筒体61に挿通されたさや管431(第二筒体用さや管)と、さや管431の内部に挿入された第二筒体用の3本の熱電対432A,432B,432Cとを備える。熱電対432A,432B,432Cは、装置本体2外部に配置された温度調整ヒータ制御手段としての制御部44と接続されている。温度センサ43で測定した温度情報は、制御部44へと送られる。
 さや管431は、有機EL素子用材料に対して不活性な材質で構成されることが好ましく、本実施形態では、石英製である。第二内筒体61内部に配置されたさや管431の先端部は閉じている。さや管431は、図1に示すように、第二内筒体61内部の上部に挿通されている。
 熱電対432Aは、第一捕集室R1の内部に配置され、熱電対432Bは、第二捕集室R2の内部に配置され、熱電対432Cは、第三捕集室R3の内部に配置されている。
 制御部44は、温度調整ヒータ63に接続され、温度センサ43から入力された温度情報に基づいて、温度調整ヒータ63での加熱を制御する。上述のように、第二内筒体61において上流側から下流側へ向かって輻射熱反射微粒子71の濃度が段階的に高くなる濃度勾配が形成されているため、制御部44は、当該濃度勾配に基づいて輻射熱を反射する量を考慮して温度調整ヒータ63による加熱を制御することで、捕集室R1、R2,R3毎の温度を調整する。
(1-2)有機EL素子用材料
 精製対象である有機EL素子用材料は、有機EL素子に用いられる材料であって特に限定されない。その中でも、本発明の精製装置で精製することが有用な公知の材料としては、例えば、N,N’-ジ-(ナフタレン-1-イル)-N,N’-ジフェニル-ベンジジン(NPB)が挙げられる。
(2)精製装置による精製方法
 精製装置1を用いて有機EL素子用材料を精製する方法を説明する。
 まず、収容部54に固体粉末状の昇華性の有機EL素子用材料を収容する。
 次に、蓋部23,24を取り付けて、気化器5および捕集器6内部を密閉する。
 次に、気化器5の上流側端部から、熱電対412を挿入したさや管411を第一内筒体51内部に挿通する。一方、捕集器6の下流側端部から、さや管431を第二内筒体61内部に挿通する。なお、予め、捕集室R1,R2,R3の位置にそれぞれ対応させて熱電対432A,432B,432Cを挿入しておいてから、さや管431を第二内筒体61内部に挿通するとよい。
 次いで、装置本体2内部を真空ポンプ3にて10-1Pa以下に減圧する。
 減圧後、加熱ヒータ53にて第一内筒体51を加熱し、温度調整ヒータ63にて第二内筒体61を加熱し、温度調整を行う。このとき、温度コントローラ4が、温度センサ41,温度センサ43の測定温度情報に基づいて、加熱ヒータ53及び温度調整ヒータ63による加熱を制御する。具体的には、加熱ヒータ53は、固体粉末状の有機EL素子用材料が昇華(固体から気体に変化)する温度(昇華温度)まで第一内筒体51を加熱し、当該温度に保持する。温度調整ヒータ63は、輻射熱により第二内筒体61を加熱し、輻射伝熱量制御手段70によって伝熱量を制御させて、第一捕集室R1、第二捕集室R2および第三捕集室R3の温度を調整する。本実施形態では、精製対象となる有機EL素子用材料が昇華(気体から固定に変化)する温度(昇華温度)に対して、第一捕集室R1をより高く温度調整し、第二捕集室R2を同温度に温度調整し、第三捕集室R3をより低く温度調整する。
 収容部54に収容された固体粉末状の有機EL素子用材料を気化させると、気体状の有機EL素子用材料は、捕集器6側へ移動し、各捕集室R1,R2,R3に対応する第二内筒体61の内面にて固化させて捕集される。
 本実施形態では、各捕集室R1,R2,R3が、精製対象となる有機EL素子用材料の固化(昇華)温度に対して上述のような関係で加熱保持されている。そのため、当該固化(昇華)温度に対して同等の温度に加熱保持された第二捕集室R2にて、精製対象となる有機EL素子用材料が高い純度で捕集される。第一捕集室R1および第三捕集室R3では、収容部54に供給された有機EL素子用材料に含まれていた不純物成分が濃縮されて捕集される。
(3)実施形態の効果
 本実施形態に係る精製装置1及び精製装置1を用いた精製方法によれば、次のような効果を奏する。
 精製装置1によれば、輻射伝熱量制御手段70において、上流側の第一捕集筒体61Aから下流側の第三捕集筒体61Cに向かって輻射熱反射微粒子71の濃度が段階的に高くなる濃度勾配が形成されている。そのため、3つの捕集筒体61A,61B,61C同士で比べると、第一捕集筒体61Aにおける輻射熱の反射量が少なく、第三捕集筒体61Cにおける輻射熱の反射量が多くなる。その結果、各捕集筒体61A,61B,61Cの位置に応じて制御部44による温度調整ヒータ63の細やかな制御をしなくとも、第二捕集室R2を有機EL素子用材料の昇華温度に調整し、第一捕集室R1を当該昇華温度より高く温度調整し、第三捕集室R3を当該昇華温度より低く調整することが容易になる。
 つまり、精製装置1によれば、各捕集室R1,R2,R3における温度分布を容易に形成できる。さらに、精製装置1によれば、第二捕集室R2にて、精製対象の有機EL素子用材料を高純度で効率良く捕集できるので、有機EL素子用材料の純度および精製効率を向上させることができる。
 精製装置1によれば、第二内筒体61は、3つの捕集筒体61A,61B,61Cが分割可能に連結されて構成されるため、捕集筒体61A,61B,61Cごとに輻射熱反射微粒子71の濃度を変えて分散させておくことで、輻射熱反射微粒子71の濃度勾配を容易に形成することができる。
<第二実施形態>
 次に、本発明の第二実施形態に係る有機EL素子用材料の精製装置について説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略又は簡略する。
 図3には、第二実施形態に係る有機EL素子用材料の精製装置が備える輻射伝熱量制御手段72を説明する断面概略図が示されている。
 第二実施形態に係る有機EL素子用材料の精製装置は、輻射伝熱量制御手段の構成において、第一実施形態に係る精製装置1と相違し、その他の点においては、共通である。
 輻射伝熱量制御手段72は、図3に示すように、第二内筒体61の内面側(各捕集筒体61A,61B,61Cの内面側)に、有機EL素子用材料に対して不活性な材質で構成される不活性被膜721が形成されている。不活性被膜721は、本実施形態では、二酸化ケイ素(SiO)からなる膜であり、輻射熱反射微粒子71を含有しない。不活性被膜721は、輻射熱反射微粒子71を分散させた第二内筒体61の内面に、二酸化ケイ素(SiO)をコーティングすることで形成される。
 第二実施形態に係る有機EL素子用材料の精製装置によれば、第一実施形態と同様の効果を奏する他に、次のような効果を奏する。
 第二実施形態に係る有機EL素子用材料の精製装置によれば、第二内筒体61の内面側に、有機EL素子用材料に対して不活性な材質で構成される不活性被膜721が形成され、不活性被膜721は、二酸化ケイ素(SiO)からなる。そのため、第二内筒体61の内面側に露出した輻射熱反射微粒子71が、精製対象となる有機EL素子用材料と接触し、化学反応が起きて、分解したり、異なる材料に変化したりすることを防止できる。
<第三実施形態>
 次に、本発明の第三実施形態に係る有機EL素子用材料の精製装置について説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略又は簡略する。
 図4には、第三実施形態に係る有機EL素子用材料の精製装置1Aの長手方向に沿う断面の概略図が示され、図5には、精製装置1Aが備える輻射伝熱量制御手段を説明する断面概略図が示されている。
 精製装置1Aは、輻射伝熱量制御手段の構成において、第一実施形態に係る精製装置1と相違し、その他の点においては共通である。第三実施形態における輻射伝熱量制御手段は、第二内筒体61と第二外筒体62との間に配置され、第二内筒体61を外周面に沿って覆う第三筒体73で構成される。
 本実施形態においても、第二内筒体61は、3つの捕集筒体61A,61B,61Cが分割可能に連結されて構成されており、これに合わせて第三筒体73も、3つの被覆筒体73A,73B,73Cで構成される。第一被覆筒体73Aは、第一捕集筒体61Aの外周面に沿って配置され、第二被覆筒体73Bは、第二捕集筒体61Bの外周面に沿って配置され、第三被覆筒体73Cは、第三捕集筒体61Cの外周面に沿って配置されている。
 被覆筒体73A,73B,73Cは、石英ガラスで構成され、輻射熱反射微粒子71が分散されている。第一被覆筒体73Aよりも第二被覆筒体73Bの方が輻射熱反射微粒子71の濃度が高く設定され、第二被覆筒体73Bよりも第三被覆筒体73Cの方が輻射熱反射微粒子71の濃度が高く設定されている。
 このように、輻射伝熱量制御手段としての第三筒体73において、上流側の第一被覆筒体73Aから下流側の第三被覆筒体73Cに向かって輻射熱反射微粒子71の濃度が段階的に高くなる濃度勾配が形成されている。図5には、輻射熱反射微粒子71の濃度が段階的に異なる状態について模式的に示されている。
 また、図4には、精製装置1Aの断面図に合わせて内筒体21の上流側端部からの距離と、第三筒体73中の輻射熱反射微粒子71の濃度(微粒子濃度)との関係を示すグラフが示されている。この図4のグラフのように、本実施形態では、内筒体21を構成する第一内筒体51および第二内筒体61には、輻射熱反射微粒子71が含まれておらず、第三筒体73において輻射熱反射微粒子71の段階的な濃度勾配が形成されている。
 被覆筒体73A,73B,73Cは、例えば、1.0μm以上2.0μm以下の粒径を有する輻射熱反射微粒子71(酸化チタン微粒子等)と石英微粒子とを混ぜ込んでペースト状にした塗布液を、それぞれ捕集筒体61A,61B,61Cの外周表面に塗布し、加熱処理を施すことで形成される。
 第三実施形態に係る精製装置1Aによれば、第一実施形態と同様の効果を奏する他に、次のような効果を奏する。
 精製装置1Aによれば、石英ガラス中に輻射熱反射微粒子71を分散させて形成された第三筒体73を輻射伝熱量制御手段とし、この第三筒体73を第二内筒体61の外周面に沿って、取り付けることで、温度調整ヒータ63からの輻射熱を反射して伝熱量を制御できる。
 ゆえに、精製装置1Aによれば、第二内筒体61に対して輻射伝熱量制御手段(第三筒体73)を容易に追加でき、設備コストを抑制できる。
 また、精製装置1Aによれば、第三筒体73は、第二内筒体61の外側に配置されるので、第二内筒体61内面に輻射熱反射微粒子71が露出することが無い。そのため、精製装置1Aによれば、有機EL素子用材料と輻射熱反射微粒子71との接触を防止し、有機EL素子用材料の分解等を防止することができる。
<第四実施形態>
 次に、本発明の第四実施形態に係る有機EL素子用材料の精製装置について説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略又は簡略する。
 図6には、第四実施形態に係る有機EL素子用材料の精製装置1Bの長手方向に沿う断面の概略図が示され、図7には、精製装置1Bが備える輻射伝熱量制御手段を説明する断面概略図が示されている。
 精製装置1Bは、輻射伝熱量制御手段の形状において、第三実施形態に係る第三筒体73と相違し、その他の点においては共通である。第三実施形態における輻射伝熱量制御手段としての第三筒体74は、第二内筒体61と第二外筒体62との間に配置され、第二内筒体61を外周面に沿って覆う筒状体であり、厚さ寸法が第二内筒体61の長手方向にわたって次第に大きくなっている。すなわち、円錐台状の筒体に、軸方向に沿って第二内筒体61が挿通可能な貫通孔を形成したような形状である。本実施形態では、図7に示すように、第三筒体74は、第二内筒体61の上流側端部から下流側端部に向かうに従って、厚さ寸法D1から厚さ寸法D2まで増加している。なお、厚さ寸法は、第三筒体74の軸方向に直交する方向の断面において、外径と内径との差の半分の値に相当する。
 第三筒体74は、石英ガラスで構成され、輻射熱反射微粒子71が石英ガラス中にほぼ均一に分散されている。第三筒体74は、第二内筒体61の上流側端部から下流側端部に向かうに従って厚さ寸法が増加しているため、温度調整ヒータ63からの輻射熱の伝熱方向に存在する輻射熱反射微粒子71の数は、当該上流側端部から下流側端部に向かうに従って、増加することになる。
 図7には、輻射熱の伝熱方向に存在する輻射熱反射微粒子71の数が次第に増加している状態について模式的に示されている。
 また、図6には、精製装置1Bの断面図に合わせて内筒体21の上流側端部からの距離と、輻射熱の伝熱方向に存在する第三筒体74中の輻射熱反射微粒子71の数(微粒子数)との関係を示すグラフが示されている。この図6のグラフのように、本実施形態では、内筒体21を構成する第一内筒体51および第二内筒体61には、輻射熱反射微粒子71が含まれておらず、第三筒体74において輻射熱反射微粒子71の数量勾配が形成されている。
 第四実施形態に係る精製装置1Bによれば、第一実施形態および第三実施形態と同様の効果を奏する他に、次のような効果を奏する。
 精製装置1Bによれば、第三筒体74は、第二内筒体61の上流側端部から下流側端部に向かうに従って厚さ寸法が増加しているため、輻射熱反射微粒子71の濃度勾配を形成しなくても、輻射熱の伝熱方向における微粒子の数が、第三筒体74の厚さ寸法に応じて異なる。そのため、第三筒体74中の輻射熱反射微粒子71の数に応じて反射する輻射熱量が変わり、第三筒体74の厚さ寸法に対応した温度分布を第二内筒体61に形成することができる。
 ゆえに、精製装置1Bによれば、筒体中の輻射熱反射微粒子71の濃度勾配を形成する場合に比べて、容易に輻射伝熱量制御手段を構成できる。
<実施形態の変形>
 なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものであり、例えば、以下に示される変形等をも含む。
 上記実施形態の説明において、精製装置を示す図中に、内筒体の上流側端部からの距離と微粒子濃度との関係を示す概略グラフを示したが、本発明は、このような微粒子の濃度勾配に限定されない。
 上記実施形態では、気化器5側の加熱ヒータ53と捕集器6側の温度調整ヒータ63とを別々に設けていたが、図8に示す精製装置1Cのように、一体化したヒータ46を用いて気化器5側と捕集器6側とを加熱する構成としてもよい。この場合、温度センサ41,43で測定した温度情報に基づいてヒータ46による加熱を、制御部45にて制御する。このようにヒータ46を一つだけ設けた場合であっても、輻射伝熱量制御手段75により伝熱量を制御し、第一内筒体51および第二内筒体61の捕集筒体61A,61B,61Cの温度を調整することができる。
 この場合、第一内筒体51についても輻射伝熱量制御手段75による伝熱量を制御することが好ましい。精製装置1Cでは、石英ガラス製の第一内筒体51にも輻射熱反射微粒子71が分散されて輻射伝熱量制御手段57が構成される。図8には、精製装置1Cの断面図に合わせて内筒体21の上流側端部からの距離と、第一内筒体51、及び第二内筒体61中の輻射熱反射微粒子71の濃度(微粒子濃度)との関係を示すグラフが示されている。図8に示すように、第一内筒体51と第二捕集筒体61B中の微粒子濃度が同じように設定されており、ヒータ46により昇華温度まで第一内筒体51を加熱すると、第二捕集筒体61Bの第二捕集室R2も昇華温度に温度調整される。第一捕集筒体61Aには、輻射熱反射微粒子71が含まれていないため、第一捕集室R1は、昇華温度より高く温度調整される。第三捕集筒体61Cには、輻射熱反射微粒子71が、第二捕集筒体61Bよりも高い濃度で含まれているため、第三捕集室R3は、昇華温度より低く温度調整される。
 上記実施形態では、第二外筒体62の外側に一体に形成された温度調整ヒータ63を配置する例を挙げて説明したが、このような態様に限定されない。例えば、温度調整ヒータを、複数のヒータに分けて、第二外筒体の外側に並べて配置する場合であっても、ヒータ毎に制御部で細やかに制御せずとも、輻射伝熱量制御手段により捕集室毎に温度勾配を設けることが可能である。
 上記第一実施形態では、第二内筒体61が3つの捕集筒体61A,61B,61Cに分割可能に連結されてなる構成を例に挙げて説明したが、このような態様に限定されない。例えば、第二内筒体61を一体に形成し、上流側端部から下流側端部に向かって輻射熱反射微粒子71の濃度が次第に増加するように濃度勾配を形成させてもよい。この場合、段階的に濃度を増加させてもよいし、連続的に濃度を増加させてもよい。
 同様に、上記第三実施形態でも、第二内筒体61を一体に形成し、第三筒体73を一体に形成し、上流側端部から下流側端部に向かって第三筒体73中の輻射熱反射微粒子71の濃度が次第に増加するように濃度勾配を形成させてもよい。この場合にも、段階的に濃度を増加させてもよいし、連続的に濃度を増加させてもよい。
 また、輻射熱反射微粒子71の濃度勾配が互いに異なる複数の第二内筒体を準備しておき、精製対象となる有機EL素子用材料の昇華特性に応じて濃度勾配のバリエーションの中から適宜第二内筒体を選択し、外筒体内部に設置するようにしても良い。そして、別種の有機EL素子用材料を精製する時には、別の濃度勾配を有する第二内筒体に交換して精製を行うこともできる。
 上記第四実施形態では、第三筒体74を一体に形成し、厚さ寸法が次第に増加する例を挙げて説明したが、このような態様に限定されない。第三筒体74を、第二内筒体61の3つの捕集筒体61A,61B,61Cに対応させて、3つの被覆筒体に分割させてもよい。この場合、3つの被覆筒体は、互いに厚さ寸法が異なる円筒としてもよいし、厚さ寸法が次第に増加する筒体としてもよい。
 上記実施形態では、第三筒体を外筒体と内筒体との間に配置した例を挙げて説明したが、このような態様に限定されず、温度調整ヒータと外筒体との間に第三筒体を配置した構成としてもよい。
 また、上記実施形態では、第三筒体を内筒体の外周面に沿って配置した例を挙げて説明したが、このような態様に限定されず、外筒体の内周面に沿って配置した構成としてもよい。この場合、第三筒体の内面には、不活性被膜721を形成することが好ましい。
 上記実施形態では、外筒体内部に内筒体を収容させた例を挙げて説明したが、このような態様に限定されない。例えば、外筒体を設けずに内筒体による一重管構造とし、内筒体の上流側および下流側の端部に蓋部を取り付けて密封構造としてもよい。
 上記実施形態では、輻射熱反射微粒子71を分散させた捕集筒体61A,61B,61Cや、輻射熱反射微粒子71を分散させた被覆筒体73A,73B,73Cの形成方法を説明したが、これらの方法に限定されず、その他の方法により、石英中に輻射熱反射微粒子71を分散させた筒状体を形成しても良い。
 上記実施形態では、内筒体21および外筒体22が、円筒状の場合を例に挙げて説明したが、例えば、箱状、筒状、タンク型、立方体型等の任意の形状が挙げられる。また、内筒体21および外筒体22の断面形状としては円形、四角形、半円形等の形状を挙げることができる。また、その断面形状は、一定であってもよく、また、部分的に断面形状が異なっていてもよい。また、内筒体21と外筒体22とが同じ断面形状でなくてもよい。
 上記実施形態では、有機EL素子用材料に対して不活性な材質として、主に石英ガラスを挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ステンレス、タンタル、タングステン、モリブデン、チタン、ジルコニア、カーボン、アルミナ、窒化ボロン、窒化ケイ素、テフロン(登録商標)が挙げられる。
 また、装置本体の材質は、全体が有機EL素子用材料に対して不活性な材質である場合に限定されない。有機EL素子用材料が接触する部位について当該不活性な材質で構成し、それ以外の部位については、その他の材質で構成することもできる。
 気化器5及び捕集器6を加熱するための加熱手段や加熱方法は、上記実施形態で説明したものに限定されない。加熱方法としては、抵抗加熱法(金属系、非金属系等)、光加熱法(赤外線加熱法、アーク輻射加熱、レーザー輻射加熱等)、誘導加熱法、プラズマ加熱法、アーク加熱法、フレーム加熱法等を挙げることができる。例えば、誘導加熱法で加熱する場合には、気化器及び捕集器の材質をステンレス等の電磁誘導により発熱する材質で構成する。
 上記実施形態では、捕集器6の第二内筒体61が3つの捕集室R1,R2,R3に分かれている例を挙げて説明したが、これに限定されない。装置本体の大きさにもよるが、捕集室の数を増やし、より多段階の温度設定で捕集することで、より高純度の有機EL素子用材料を得易い。
 また、第三筒体についても、上記実施形態のように3つの被覆筒体に分割可能に形成した場合に限定されない。
 捕集器6の各捕集室R1,R2,R3に対する加熱温度の設定は、上記実施形態で説明したものに限定されない。
 上記実施形態では、収容部54に粉末状の有機EL素子用材料を収容し、これを気化させて精製したが、収容部54に液体状の有機EL素子用材料を収容し、これを気化させて精製してもよい。
 本発明の精製装置にて精製される有機材料は、有機EL素子用材料に限定されない。また、本発明の精製装置にて精製された有機材料を、繰り返し精製して、さらに純度を高めてもよい。
 本発明は、有機EL素子用材料などの有機材料の精製に利用できる。
 1,1A,1B…有機材料の精製装置
 22…外筒体
 412,432A,432B,432C…熱電対
 44…制御部(温度調整ヒータ制御手段)
 5…気化器
 51…第一内筒体(第一筒体)
 53…加熱ヒータ
 6…捕集器
 61…第二内筒体(第二筒体)
 63…温度調整ヒータ
 70,72,73…輻射伝熱量制御手段
 73,74…第三筒体(輻射伝熱量制御手段)
 71…輻射熱反射微粒子
 721…不活性被膜

Claims (7)

  1.  内部に有機材料が供給される第一筒体、及びこの第一筒体の外側に配置され、供給された有機材料を気化させる加熱ヒータを備えた気化器と、
     前記気化器の前記第一筒体と連通する第二筒体、及びこの第二筒体の外側に配置され、輻射熱により前記第二筒体の温度を調整する温度調整ヒータを備え、前記気化器で気化させた気体状の有機材料を前記第二筒体の内面で捕集する捕集器と、
     前記第一筒体および前記第二筒体を内部に収容する外筒体と、
     前記外筒体の外部から前記第二筒体の内部に向けて挿通された熱電対と、
     前記熱電対で検出された温度に基づいて、前記温度調整ヒータの温度制御を行う温度調整ヒータ制御手段と、を備え、
     前記第二筒体は、前記温度調整ヒータからの輻射熱を反射して伝熱量を制御する輻射伝熱量制御手段を有する
     ことを特徴とする有機材料の精製装置。
  2.  請求項1に記載の有機材料の精製装置において、
     前記輻射伝熱量制御手段は、石英ガラス中に輻射熱を反射可能な微粒子を分散させて形成された前記第二筒体で構成され、
     前記第二筒体の長手方向にわたって、前記石英ガラス中の前記微粒子の濃度勾配が形成されている
     ことを特徴とする有機材料の精製装置。
  3.  請求項2に記載の有機材料の精製装置において、
     前記濃度勾配は、前記第二筒体の上流側から下流側に向かって前記微粒子濃度が高くなるように形成されている
     ことを特徴とする有機材料の精製装置。
  4.  請求項2または請求項3に記載の有機材料の精製装置において、
     前記第二筒体の内表面側に有機材料に対して不活性な材質で構成される不活性被膜が形成されている
     ことを特徴とする有機材料の精製装置。
  5.  請求項1に記載の有機材料の精製装置において、
     前記輻射伝熱量制御手段は、前記第二筒体を外周面に沿って覆い、石英ガラス中に輻射熱を反射可能な微粒子を分散させて形成された第三筒体である
     ことを特徴とする有機材料の精製装置。
  6.  請求項5に記載の有機材料の精製装置において、
     前記第三筒体は、互いに隣接し、同軸上に配置された複数の小筒体で構成され、
     前記複数の小筒体のうち少なくとも一つにおける前記石英ガラス中の前記微粒子濃度が、他の小筒体における当該微粒子濃度と異なる
     ことを特徴とする有機材料の精製装置。
  7.  請求項5に記載の有機材料の精製装置において、
     前記第三筒体は、厚さ寸法が前記第二筒体の長手方向にわたって異なる
     ことを特徴とする有機材料の精製装置。
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