JP2013177266A - るつぼ及び鋳造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造するシリコンインゴット中の不純物濃度、特にシリコンインゴットの中央部分の不純物濃度を低減する。
【解決手段】シリコンインゴットを製造するためのるつぼ20である。底部22及び底部の外周部から起立する側壁部23を備えるとともに、上方が開口されたるつぼ本体21と、
るつぼ本体の開口を覆う蓋25を備える。蓋の中央に不活性ガス導入用のガス供給管42を挿通させるための孔26が形成され、蓋の内側が、蓋の外側に向かうに従い漸次下がる傾斜面25Aにより構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、多結晶シリコンインゴットを製造するためのるつぼ及び鋳造装置に関する。
シリコンインゴットは、所定の厚さにスライスされ、かつ、所定形状に切り出されることにより、シリコンウェハとされる。
シリコンウェハは、例えば太陽電池用基板の素材として利用される。ここで、太陽電池においては、変換効率等の性能が、太陽電池用基板の素材となるシリコンインゴットの特性に大きく影響される。
特に、シリコンインゴットでは、内部に含有される不純物量が多いと太陽電池の変換効率が大幅に低下することから、変換効率を上げるためには不純物量を低減する必要がある。
ここで、シリコンは、凝固時に膨張する金属であるため、シリコン融液が鋳塊の内部に残存しないように、例えばるつぼの底部から上方に向けて一方向凝固されて鋳造される。また、一方向凝固することにより、シリコン融液内の不純物が凝固の相変化に伴い液相側に平衡偏析係数に基づいて分配され、るつぼ内の不純物が固相(鋳塊)から液相(シリコン融液)に排出されるため、不純物の少ないシリコンインゴットを得ることが可能となる。
下記の特許文献1、2には、るつぼ本体の上方の開口を平板状の蓋によって覆った構造のるつぼが開示されている。このるつぼによれば、るつぼ内に向けてアルゴンガスを供給する構成とされており、このアルゴンガスによってシリコン融液から発生する酸化シリコンガス等を除去することにより、酸化シリコンガスと炉内のカーボンとの反応を防止している。これにより、COガスの発生が抑えられ、シリコンインゴット中へのカーボンの混入が抑制されることになる。また、酸化シリコンガスがシリコン融液中に混入して酸素量が増加することを抑制している。
特開2004−058075号公報 特開2010−534179号公報
上記従来の技術にあっては、以下の課題があった。
すなわち、特許文献1、2に記載された技術では、るつぼ本体の開口を覆う蓋の構造が単なる平板状となっており、シリコン融液から発生するシリコンガスや酸化シリコンガスが蓋の内面で液化して液滴となり、この液滴がるつぼ本体のシリコン融液に向けて落下する現象が生じる。ここで、蓋の内面でシリコンガスや酸化シリコンガスが液化して液滴となるときあるいは液滴となった後に、るつぼ内にあるシリコンや酸化シリコン以外の他の成分が液滴内に混入するおそれが多分にあり、これに起因して製品となるシリコンインゴットの純度が低下するという課題があった。
本発明は、上述した状況に鑑みてなされたものであって、製造するシリコンインゴット中の不純物濃度、特にシリコンインゴットの中央部分の不純物濃度を低減することができるるつぼ及び鋳造装置を提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明に係るるつぼは、シリコンインゴットを製造するためのるつぼであって、底部及び前記底部の外周部から起立する側壁部を備えるとともに、上方が開口されたるつぼ本体と、該るつぼ本体の前記開口を覆う蓋とを備え、前記蓋の内側が、当該蓋の外側に向かうに従い漸次下がる傾斜面により構成されていることを特徴としている。
また、本発明に係る鋳造装置は、前記るつぼの上方及び下方にそれぞれ当該るつぼを加熱するためのヒータが配置されていることを特徴としている。
本発明のるつぼでは、蓋の内側が外側に向かうに従い漸次下がる傾斜面により構成されているから、たとえ、シリコン融液から発生するシリコンガスや酸化シリコンガスが蓋の内側で液化して液滴となったとしても、これら液滴は蓋の内側の傾斜面に沿って蓋の外側に向けて流れる。このため、蓋の内側で液化した液滴がるつぼの中央部分あるいはその近傍で落下するのを防止でき、ひいては落下する液滴を介して、シリコン融液の中央部分に不純物が混入するのを防止できる。この結果、製造するシリコンインゴットの中央部分での不純物濃度を低減することができる。
なお、本発明のるつぼでは、製造するシリコンインゴットの外周部分となる近傍に、蓋の内側からの液滴が落下することで、その部分の純度が低下するおそれはあるが、シリコンインゴットの外周部分は、例えば太陽電池用基板の素材として用いるとき、もともと切除する部分であるため、シリコンインゴットを利用する際に問題になる可能性は低い。
本発明のるつぼにおいて、前記蓋の中央に不活性ガス導入用のガス供給管を挿通させるための孔が形成され、前記蓋の内側の傾斜面は、前記孔から当該蓋の外側に向かうに従い漸次下がるように形成されていることが好ましい。
蓋の内側の天井部分に液滴が生じる場合、孔近傍ではガスの流れが不均一となり易く、また蓋の孔近傍部分の温度変化も大となるため、この孔部分あるいはその近傍から液滴が落下するおそれが多分にある。しかしながら、上記した構成であると、孔近傍が最も高くそこから蓋の外側に向かうに従い漸次下がるように傾斜面が形成されているため、孔近傍での液滴の落下を防止することができる。
本発明のるつぼにおいて、前記蓋は、前記るつぼ本体の前記側壁部よりも外方へ張り出すように形成されており、前記蓋の内側の傾斜面は、当該蓋の外縁まで延びて形成されていることが好ましい。
蓋の内側の傾斜面が、蓋の外縁まで、つまりるつぼ本体の側壁部よりも外方へ至るまで延びて形成されているので、蓋の内側の天井部分に液滴が生じる場合、この液滴は、傾斜面に沿って蓋の外縁まで移動する。したがって、落下する液滴を介して、るつぼ内のシリコン融液に不純物が混入するのを防止できる。この結果、製造するシリコンインゴットの中央部分に限らず、全域にわたって不純物濃度を低減することができる。
本発明のるつぼにおいて、前記蓋の内側の傾斜面は、円錐面状に形成されていてもよい。
この場合、蓋の内側の傾斜面は、中央部分が最も高く外側に向かうに従い漸次周方向に均等に下がるので、るつぼ内の上部空間は中央部分から外側に向けて一様になっており、このため、るつぼ内に供給するアルゴンガス等の不活性ガスの流れが良好となる。
本発明のるつぼにおいて、前記蓋の内側の傾斜面は、角錐面状に形成されていてもよい。
この場合、前記蓋の内側の傾斜面は、平坦面の組み合わせによって形成されるので、蓋の製造が容易になる。
本発明のるつぼにおいて、前記蓋の内側の傾斜面は、るつぼの中央で所定の開き角をもって交差する互いに対をなす2つの傾斜面部を有するように形成されていてもよい。
この場合、蓋の内側の傾斜面を2つの傾斜面部で構成できるので、蓋の製造がより容易になる。
本発明のるつぼにおいて、前記蓋の内側の傾斜面は、当該蓋の中央の頂点から外縁に向けて延びる稜線及び谷線が周方向に交互に配設され、それら稜線と谷線を結ぶ傾斜面部を有して形成されていてもよい。
この場合、蓋の内面の傾斜面部に生じる液滴は、最初谷線部分に集まり、そこからこの谷線部分に沿って蓋の外縁まで移動する。このように液滴の移動経路が明確になるので、蓋の設計が容易になる。
本発明によれば、製造するシリコンインゴット中の不純物濃度、特にシリコンインゴットの中央部分の不純物濃度を低減することができる。
本発明の鋳造装置の実施形態の概略断面説明図である。 図1に示す鋳造装置に用いられる本発明に係るるつぼの蓋の斜視図である。 本発明に係るるつぼの変形例を示す蓋の斜視図である。 本発明に係るるつぼの他の変形例を示す蓋の斜視図である。 本発明に係るるつぼの他の変形例を示す蓋の斜視図である。 本発明に係るるつぼと蓋なしのるつぼ及び従来の蓋を有するるつぼを用いて、シリコンインゴットを製造したときの炭素濃度の比較を示す表である。
以下に、本発明の実施形態である鋳造装置及びるつぼについて、添付した図面を参照にして説明する。
図1は本発明に係る鋳造装置の実施形態を示す。本実施形態である鋳造装置10は、内部を気密状態に保持するチャンバ11と、シリコン融液3が貯留されるるつぼ本体21及び蓋25からなるるつぼ20と、このるつぼ20が載置されるチルプレート31と、このチルプレート31の下方に位置する下部ヒータ33と、るつぼ20の上方に位置する上部ヒータ43と、るつぼ本体21と蓋25との間の空間に不活性ガス(例えばアルゴンガス)を導入するガス供給管42と、を備えている。
また、るつぼ20の外周側には、断熱壁12が配設されており、上部ヒータ43の上方に断熱天井13が配設され、下部ヒータ33の下方に断熱床14が配設されている。すなわち、本実施形態である鋳造装置10は、るつぼ20、上部ヒータ43、下部ヒータ33等を囲繞するように、断熱材(断熱壁12、断熱天井13、断熱床14)が配設されている。また、断熱床14には排気孔15が設けられている。
上部ヒータ43及び下部ヒータ33は、それぞれ電極棒44,34に接続されている。上部ヒータ43に接続される電極棒44は、断熱天井13を貫通してるつぼ20の上部近傍まで延びている。下部ヒータ33に接続される電極棒34は、断熱床14を貫通してるつぼ20の底部近傍まで延びている。
るつぼ20が載置されるチルプレート31は、下部ヒータ33に挿通された支持部32の上端に設置されている。このチルプレート31は、中空構造とされており、支持部32の内部に設けられた供給路(図示なし)を介して内部にアルゴンガスが供給される構成とされている。
前記ガス供給管42は、例えばモリブデンまたはカーボン製のものであり、基端側(図1において上端側)には図示せぬガス供給部に接続されている。ガス供給管42は、鉛直方向に延在するように配置されていて、チャンバ11の天井部を貫通しさらに蓋25の孔26を通って、その先端がるつぼ内の上部、つまり、るつぼ20内に貯留されるシリコン融液3の液面近傍まで延びるように配置されている。そして、ガス供給管42の先端からは、前記ガス供給部から導入される不活性ガスが、シリコン融液3の上方空間に向けて供給される。
るつぼ本体21は、水平断面形状が角形とされており、本実施形態では、水平断面形状が正方形をなしている。このるつぼ本体21は石英で構成されており、チルプレート31に接触する底部22と、この底部22の外周部から上方に向けて起立する側壁部23とを備える。底部22の上方は開口されている。また、側壁部23は水平断面が矩形環状とされている。
蓋25は、るつぼ本体21の上方に、側壁部23の上端部から隙間をあけて配設される。るつぼ本体21と側壁部23の上端部と間の隙間は、るつぼ本体21内のガス排出用に利用される。また、蓋25は、るつぼ本体21の側壁部23の外縁よりも外方へ張り出すように形成されている。また、蓋25の中央には前述のガス供給管42を挿通させるために孔26が形成されている。
なお、蓋25は、図示しないステーによってるつぼ本体21の上方所定箇所に支持されている。
図2はるつぼ20の蓋25の詳細を示す斜視図である。この図に示すように、この実施形態では、蓋25は、中央の孔26が形成された部分を除けば、全体が円錐面状に形成されている。これにより、蓋25の内側には、孔26から蓋25の外側に向かうに従い漸次下がる湾曲傾斜面25Aが形成されている。
蓋25の内側の湾曲傾斜面25Aは、水平面に対して所定角度θaを有するように設定される。所定角度θaは、湾曲傾斜面25Aにるつぼ内20のガスが液化して液滴となったときでも、これら液滴が下方に落下することなく、当該湾曲傾斜面25Aに沿って外方へ流れるような角度、例えば10°〜45°に設定されている。
この蓋25は炭素系材料で構成されるのが好ましいが、本実施形態では炭化ケイ素で構成されている。
次に、上述の鋳造装置10を用いたシリコンインゴットの製造方法について説明する。
まず、るつぼ20内に、シリコン原料を装入する。ここで、シリコン原料としては、11N(純度99.999999999)の高純度シリコンを砕いて得られた「チャンク」と呼ばれる塊状のものが使用される。この塊状のシリコン原料の粒径は、例えば、30mmから100mmとされている。
次に、るつぼ20内に装入されたシリコン原料を、上部ヒータ43及び下部ヒータ33に通電することによって加熱し、シリコン融液3を生成する。このとき、るつぼ20内のシリコン融液3の湯面は、るつぼ20の側壁部23の上端より低い位置に設定されることになる。
次に、るつぼ20内のシリコン融液3を凝固させる。それにはまず、下部ヒータ33への通電を停止し、チルプレート31の内部に供給路を介してアルゴンガスを供給する。これにより、るつぼ20の底部を冷却する。このとき、上部ヒータ43の通電を継続したままとすることにより、るつぼ20内には底部22から上方に向けて温度勾配が発生し、この温度勾配により、シリコン融液3が上方に向けて一方向凝固することになる。さらに、上部ヒータ43への通電を徐々に減少させることにより、るつぼ20内のシリコン融液3が上方に向けて凝固し、シリコンインゴットが生成されることになる。
そして、この凝固工程においては、ガス供給管42及び孔26を介して、るつぼ本体21と蓋25との間の空間に不活性ガスとして例えばアルゴンガスが供給される。蓋25の平面中心の孔26に挿通されるガス供給管42の先端部から供給されたアルゴンガスは、放射状に拡がりながらるつぼ20内のシリコン融液3上を通過して、蓋25と側壁部23との間の隙間からるつぼ20の外部へと排出され、そこからさらに断熱床14に設けられた排気孔15を通じてチャンバ11の外側へと排気される。
このようにして、一方向凝固法によりシリコンインゴットが製造される。このシリコンインゴットは、例えば太陽電池用基板として使用されるシリコンウエハやその他のシリコンパーツの素材となる。
以上のように本実施形態であるるつぼ20によれば、蓋25の内側が外側に向かうに従い漸次下がる湾曲傾斜面25Aにより構成されているから、たとえ、シリコン融液から発生するシリコンガスや酸化シリコンガスが蓋25の内側で液化して液滴となったとしても、これら液滴は蓋25の内側の湾曲傾斜面25Aに沿って蓋25の径方向外方へ向けて流れる。
このため、蓋25の内側で液化した液滴がるつぼ20の中央部分あるいはその近傍で落下するのを防止でき、ひいては落下する液滴を介して、るつぼ内のシリコン融液の中央部分に不純物が混入するのを防止できる。
この結果、製造するシリコンインゴットの中央部分での不純物濃度を低減することができる。
上記るつぼ20では、蓋25の中央に不活性ガス導入用のガス供給管42を挿通させるための孔26が形成されており、蓋25の内側の天井部分に液滴が生じる場合、孔26近傍ではガスの流れが不均一となり易く、また、蓋25の孔近傍部分の温度変化も大となるため、この孔26部分あるいはその近傍から液滴が落下するおそれが多分にある。
しかしながら、本実施形態のるつぼ20では、蓋25の内側の湾曲傾斜面25Aが、孔26から当該蓋25の外側に向かうに従い漸次下がるように形成されており、蓋25の孔26近傍が最も高いため、蓋の孔26近傍での液滴が落下するのを防止できる。
加えて、本実施形態のるつぼでは、蓋25がるつぼ本体21の側壁部23よりも外方へ張り出すように形成されており、また、蓋25の内側の湾曲傾斜面25Aは当該蓋25の外縁まで延びて形成されている。つまり、蓋の内側の湾曲傾斜面25Aがるつぼ本体21の側壁部23よりも外方へ至るまで延びて形成されているので、蓋25の内側の天井部分に液滴が生じる場合、これらの液滴は、傾斜面に沿って蓋25の外縁、つまり、るつぼ本体21の外側まで移動する。したがって、落下する液滴を介して、るつぼ本体21内のリコン融液に不純物が混入するのを防止できる。
この結果、製造するシリコンインゴットの中央部分に限らず全域にわたって不純物濃度を低減することができる。
以上、本発明の実施形態であるるつぼ及び鋳造装置について説明したが、これに限定されることはなく、適宜設計変更することができる。
図3は、本実施形態のるつぼの蓋の変形例である。この図に示すように、この実施形態の蓋60は、中央に孔61が形成され、蓋60の内側に孔61から蓋60の外側に向かうに従い漸次下がる傾斜面60Aが形成されている点は、前記図2で示した実施形態と同様である。この実施形態の蓋60は、全体形状が角錐面状に形成されている。したがって、蓋の内面の傾斜面60Aも、蓋60の形状に合わせて角錐面状に形成されている。
このような構造の蓋60を有していても、前記実施形態と同様に、製造するシリコンインゴット中の不純物濃度、特にシリコンインゴットの中央部分の不純物濃度を低減することができるという効果を奏する。
図4は、本実施形態のるつぼの蓋の他の変形例である。この図に示すように、この実施形態の蓋70は、中央に孔71が形成され、蓋70の内側に孔71から蓋60の外側に向かうに従い漸次下がる傾斜面70Aが形成されている点は、前記図2で示した実施形態と同様である。この実施形態の蓋70は切妻屋根と同じ構造になっている。したがって、蓋70の内面の傾斜面70Aは、るつぼの中央で所定の開き角θbをもって交差する互いに対をなす2つの傾斜面部70Aa、70Abを有して形成されている。
このような構造の蓋70を有していても、前記実施形態と同様に、製造するシリコンインゴット中の不純物濃度、特にシリコンインゴットの中央部分の不純物濃度を低減することができるという効果を奏する。
図5は、本実施形態のるつぼの蓋の他の変形例である。この図に示すように、この実施形態の蓋80は、中央に孔81が形成され、蓋80の内側に孔81から蓋80の外側に向かうに従い漸次下がる傾斜面80Aが形成されている点は、前記図2で示した実施形態と同様である。この実施形態の蓋80は、当該蓋80の中央の頂点から外縁に向けて延びる稜線82及び谷線83が周方向に交互に配設され、それら稜線82と谷線83を結ぶ傾斜面部84を有して形成されている。したがって、蓋80の内面の傾斜面80Aも蓋に合致した同様の構成になっている。
なお、稜線82及び谷線83も、中央の孔81から蓋80の外側に向かうに従い漸次下がるように形成されている。
このような構造の蓋80を有していても、前記実施形態と同様に、製造するシリコンインゴット中の不純物濃度、特にシリコンインゴットの中央部分の不純物濃度を低減することができるという効果を奏する。
また、前記実施形態では、るつぼ20が角形のものを例に挙げて説明したが、これに限られることなく、例えば水平断面が円状のるつぼにも本発明は適用可能である。
また、前記実施形態では、蓋がるつぼ本体21の側壁部23よりも外方へ張り出すように形成されているが、これに限られることなく、蓋が側壁部23の上端までしか延びていない形態のものにも本発明は適用可能である。
また、前記実施形態では、蓋と側壁部との間に隙間を形成し、この隙間をるつぼ本体21内のガス排出用に利用しているが、これに限られることなく、蓋の外周部近傍に厚さ方向に貫通する開口部を設け、この開口部をるつぼ本体21内のガス排出用に利用する形態のものにも本発明は適用可能である。
本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果を示す。本実施形態で説明した鋳造装置において、蓋の形状を変更して、680mm角×高さ250mmの四角形柱状のシリコンインゴットを製造した。なお、凝固速度を5mm/hとした。また、ガス供給管によるアルゴンガスの供給量を50l/minとした。
まず、蓋を有しないるつぼを用意し、このるつぼを用いて製造したシリコンインゴットから作る資料を比較例1とした。また、従来の単なる平板上の蓋を有するるつぼを用意し、このるつぼを用いて製造したシリコンインゴットから作る資料を比較例2とした。図2に示す蓋を有するるつぼを用いて製造したシリコンインゴットから作る資料を本発明1とした。図3に示す蓋を有するるつぼを用いて製造したシリコンインゴットから作る資料を本発明2とした。図4に示す蓋を有するるつぼを用いて製造したシリコンインゴットから作る資料を本発明3とした。図5に示す蓋を有するるつぼを用いて製造したシリコンインゴットから作る資料を本発明4とした。
製造した各シリコンインゴットについて、底部から50mmの位置の水平断面において、同一となる所定箇所から50mm×50mm×2mmの測定サンプルを採取し、フーリエ変換赤外線分光法(FI−IR)により、シリコン中の炭素濃度を測定した。
なお、本実施例においては、日本分光株式会社製FT/IR−4000を用いて、JEIDA−61−2000に規定される条件で測定を行った。
評価結果を図6に示す。
比較例1では、供給したアルゴンガスを用いたるつぼ内のガス置換がスムーズに行えず、炭素濃度が比較的高い値を示した。
また、比較例2では、蓋を有しているため、るつぼ内においてアルゴンガスによる置換がスムーズに行えるものの、蓋からの液滴の落下を防止することができず、酸素濃度は、比較例1の値より低いものの、所望する値まで低減できていない。
これに対して、本発明例1−4においては、炭素濃度を十分低い値にすることができた。
以上のことから、本発明例によれば、不純物量が少なシリコンインゴットを製造することができることが確認された。
3 シリコン融液
10 鋳造装置
20 るつぼ
21 るつぼ本体
22 底部
23 側壁部
25、60,70,80 蓋
25A 蓋の内側の湾曲傾斜面(傾斜面)
26、61,71,81 孔
33 下部ヒータ
43 上部ヒータ
60A、70A、80A 蓋の内側の傾斜面
70Aa、70Ab 傾斜面部
82 稜線
83 谷線

Claims (8)

  1. シリコンインゴットを製造するためのるつぼであって、
    底部及び前記底部の外周部から起立する側壁部を備えるとともに、上方が開口されたるつぼ本体と、
    該るつぼ本体の前記開口を覆う蓋とを備え、
    前記蓋の内側が、当該蓋の外側に向かうに従い漸次下がる傾斜面により構成されていることを特徴とするるつぼ。
  2. 前記蓋の中央に不活性ガス導入用のガス供給管を挿通させるための孔が形成され、
    前記蓋の内側の傾斜面は、前記孔から当該蓋の外側に向かうに従い漸次下がるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のるつぼ。
  3. 前記蓋は、前記るつぼ本体の前記側壁部よりも外方へ張り出すように形成されており、
    前記蓋の内側の傾斜面は、当該蓋の外縁まで延びて形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のるつぼ。
  4. 前記蓋の内側の傾斜面は、円錐面状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のるつぼ。
  5. 前記蓋の内側の傾斜面は、角錐面状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のるつぼ。
  6. 前記蓋の内側の傾斜面は、るつぼの中央で所定の開き角をもって交差する互いに対をなす2つの傾斜面部を有して形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のるつぼ。
  7. 前記蓋の内側の傾斜面は、当該蓋の中央の頂点から外縁に向けて延びる稜線及び谷線が周方向に交互に配設され、それら稜線と谷線を結ぶ傾斜面部を有して形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のるつぼ。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のるつぼの上方及び下方にはそれぞれ当該るつぼを加熱するためのヒータが配置されていることを特徴とする鋳造装置。
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