以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1~図4を参照して、本発明の一実施形態による磁気軸受10の構成について説明する。
図1に示すように、磁気軸受10は、回転軸21を有するモータ20の軸線方向(アキシャル方向:回転軸21の延びる方向)の両側に一対設けられている。これら一対の磁気軸受10は、それぞれ、回転軸21の外周面を取り囲むように配置されている。具体的には、磁気軸受10は、回転軸21に対して半径方向(ラジアル方向:回転軸21に直交する面内で回転軸21の回転中心O(図2参照)から放射状に延びる直線に沿った方向)に所定の空間(後述する空隙31~34(図3参照))を隔てて配置されている。なお、回転軸21は、本発明の「回転軸部分」の一例である。
また、図2および図3に示すように、磁気軸受10は、電磁石11と、永久磁石12a、12b、13aおよび13bとを備えている。電磁石11は、アキシャル方向に積層された複数の電磁鋼板(図3参照)からなる電磁石コア14と、電磁石コア14の後述する柱状部分142aおよび142bの外周部に巻回されたコイル15とを含むように構成されている。また、永久磁石12a、12b、13aおよび13bは、希土類磁石やフェライト磁石などにより構成されている。
図2に示すように、電磁石コア14は、回転軸21の外周面を周状に取り囲む周状部分141と、周状部分141側から回転軸21側にラジアル方向に沿って柱状に延びる柱状部分142aおよび142bとを含むように構成されている。また、図2および図3に示すように、周状部分141は、アキシャル方向に沿って延びる筒形状を有している。また、図2に示すように、柱状部分142aは、回転軸21の上下方向(X方向)の両側に一対設けられているとともに、柱状部分142bは、回転軸21の左右方向(Y方向)の両側に一対設けられている。このような周状部分141と柱状部分142aおよび142bとを有する一体の部品として構成された電磁石コア14は、一般的に用いられている。
図2に示すように、電磁石11のコイル15は、回転軸21に直交する面内で流れる磁界(図2の矢印付きの一点鎖線参照)を発生させることによって、磁気吸引力により回転軸21をラジアル方向に非接触で支持するように構成されている。なお、コイル15から発生した磁界は、周状部分141側から回転軸21側に向かって柱状部分142aを通過するように構成されている。また、コイル15から発生した磁界は、周状部分141側から回転軸21側に向かって柱状部分142bを通過するように構成されている。
ここで、本実施形態では、図2~図4に示すように、永久磁石12a、12b、13aおよび13bは、電磁石コア14の回転軸21に対向する部分(すなわち、柱状部分142aおよび142b)の外周部の表面に配置されている。具体的には、永久磁石12aおよび12bは、柱状部分142aのコイル15に対して回転軸21側の端部近傍の外周部の表面に配置されている。また、永久磁石13aおよび13bは、柱状部分142bのコイル15に対して回転軸21側の端部近傍の外周部の表面に配置されている。なお、図4では、簡単化のため、コイル15の図示を省略している。
以上のような構成により、本実施形態では、コイル15から発生する磁界(図2の矢印付きの一点鎖線参照)は、永久磁石12a、12b、13aおよび13bを通過しないように構成されている。すなわち、図2~図4に示すように、コイル15から発生する磁界は、柱状部分142a(142b)の内周側の領域(図4の網掛け部分参照)を通過して磁気回路を構成する一方、永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)は、柱状部分142a(142b)の外周部の表面に配置されているため、コイル15から発生する磁界は、永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)を通過しないように構成されている。
図2および図4に示すように、永久磁石12a、12b、13aおよび13bの回転軸21に対向する表面は、アキシャル方向から見て、回転軸21の円形の外周面に対応する円弧形状を有している。同様に、柱状部分142aおよび142bの回転軸21に対向する表面も、アキシャル方向から見て、回転軸21の円形の外周面に対応する円弧形状を有している。ここで、図3および図4に示すように、永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)の回転軸21に対向する表面と、柱状部分142a(142b)の回転軸21に対向する表面とは、アキシャル方向に沿って略連続している。これにより、図3に示すように、永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)と回転軸21との間の空隙31(32)のギャップ長L1(L2)と、柱状部分142a(142b)と回転軸21との間の空隙33(34)のギャップ長L3(L4)とは、互いに略等しくなっている。
図2~図4に示すように、永久磁石12aは、柱状部分142aの矩形形状を有する外周部(図4の点線で取り囲まれた部分参照)の互いに対向する2辺を含む表面(柱状部分142aのアキシャル方向の両端面)上に配置されている。また、永久磁石12bは、永久磁石12aの柱状部分142aとは反対側の表面上に配置されている。すなわち、永久磁石12aおよび12bは、柱状部分142aの表面から外側に突出するように、アキシャル方向に沿ってこの順番で積層されている。なお、永久磁石12aと柱状部分142aとは、接着剤などにより互いに接着されている。また、永久磁石12aと永久磁石12bとも、接着剤などにより互いに接着されている。なお、永久磁石12aは、本発明の「第1永久磁石」の一例であるとともに、永久磁石12bは、本発明の「第2永久磁石」の一例である。
図3に示すように、永久磁石12aの厚みt1(柱状部分142aの表面から突出する方向(アキシャル方向)の厚み)は、電磁石コア14の厚みT1(周状部分141および柱状部分142aおよび142bのアキシャル方向の厚み)よりも小さく設定されている。また、永久磁石12bの厚みt2も、電磁石コア14の厚みT1よりも小さく設定されている。さらに、永久磁石12aの厚みt1と永久磁石12bの厚みt2との合計の厚みT2も、電磁石コア14の厚みT1よりも小さく設定されている。なお、永久磁石12aおよび12bのそれぞれの厚みt1およびt2は、永久磁石12aおよび12bと回転軸21との間の空隙31のギャップ長L1よりも大きく設定されている。
同様に、図2~図4に示すように、永久磁石13aは、柱状部分142bの矩形形状を有する外周部(図4の点線で取り囲まれた部分参照)の互いに対向する2辺を含む表面(柱状部分142bのアキシャル方向の両端面)上に接着されている。また、永久磁石13bは、永久磁石13aの柱状部分142bとは反対側の表面上に接着されている。すなわち、永久磁石13aおよび13bは、柱状部分142bの表面から外側に突出するように、アキシャル方向に沿ってこの順番で積層されている。なお、永久磁石13aは、本発明の「第1永久磁石」の一例であるとともに、永久磁石13bは、本発明の「第2永久磁石」の一例である。
また、図3に示すように、永久磁石13aの厚みt3は、電磁石コア14の厚みT1よりも小さく設定されている。また、永久磁石13bの厚みt4も、電磁石コア14の厚みT1よりも小さく設定されている。さらに、永久磁石13aの厚みt3と永久磁石13bの厚みt4との合計の厚みT3も、電磁石コア14の厚みT1よりも小さく設定されている。なお、永久磁石13aおよび13bのそれぞれの厚みt3およびt4は、永久磁石13aおよび13bと回転軸21との間の空隙32のギャップ長L2よりも大きく設定されている。
ここで、本実施形態では、図3に示すように、永久磁石12aは、永久磁石12aおよび12bの積層方向(アキシャル方向)に沿った方向(柱状部分142aの表面から突出する方向(図3の白抜き矢印参照))に着磁されている。また、永久磁石12bは、コイル15から発生する磁界(図2の矢印付きの一点鎖線参照)が電磁石コア14の柱状部分142aと回転軸21との間の空隙33を通過する方向(ラジアル方向)に沿った方向(柱状部分142a側から回転軸21側に向かう方向(図3の白抜き矢印参照))に着磁されている。なお、永久磁石13aは、永久磁石12aとは逆に、柱状部分142bの表面から突出する方向とは反対方向(図3の白抜き矢印参照)に着磁されている。また、永久磁石13bは、永久磁石12bとは逆に、回転軸21側から柱状部分142b側に向かう方向(図3の白抜き矢印参照)に着磁されている。
すなわち、図3に示すように、永久磁石12aは、柱状部分142a側の表面近傍がS極性を有するように着磁されているとともに、永久磁石12b側の表面近傍がN極性を有するように着磁されている。また、永久磁石12bは、回転軸21側の表面近傍がN極性を有するように着磁されているとともに、回転軸21とは反対側の表面近傍がS極性を有するように着磁されている。これにより、永久磁石12aおよび12bから発生する磁界(図3の上側の矢印付きの二点鎖線参照)は、空隙31、回転軸21、空隙33および柱状部分142aの永久磁石12a側の表面近傍をこの順番で通過して循環することにより、アキシャル方向に沿った面内で磁気回路を構成する。
また、永久磁石13aは、永久磁石12aとは逆に、柱状部分142b側の表面近傍がN極性を有するように着磁されているとともに、永久磁石12b側の表面近傍がS極性を有するように着磁されている。また、永久磁石13bは、永久磁石12bとは逆に、回転軸21側の表面近傍がS極性を有するように着磁されているとともに、回転軸21とは反対側の表面近傍がN極性を有するように着磁されている。これにより、永久磁石13aおよび13bから発生する磁界(図3の下側の矢印付きの二点鎖線参照)は、柱状部分142bの永久磁石13a側の表面近傍、空隙34、回転軸21および空隙32をこの順番で通過して循環することにより、アキシャル方向に沿った面内で磁気回路を構成する。
本実施形態では、上記のように、電磁石11のコイル15から発生する磁界(図2の矢印付きの一点鎖線参照)が永久磁石12a、12b、13aおよび13bを通過しないように、永久磁石12a、12b、13aおよび13bを電磁石コア14の回転軸21に対向する部分(すなわち、柱状部分142aおよび142b)の外周部の表面に配置する。これにより、コイル15から発生する磁界は、柱状部分142aおよび142bの外周部の表面に配置された永久磁石12a、12b、13aおよび13bを通過することがない。その結果、コイル15から発生する磁界が永久磁石12a、12b、13aおよび13bの着磁方向とは逆方向に永久磁石12a、12b、13aおよび13bに印加されることがないので、永久磁石12a、12b、13aおよび13bの不可逆減磁が発生するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、電磁石コア14の柱状部分142a(142b)の外周部の表面から突出する方向の永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)の厚みt1およびt2(t3およびt4)の合計の厚みT2(T3)を、電磁石コア14の厚みT1よりも小さくする。ここで、一般に、磁気軸受では、電磁石および永久磁石の磁気吸引力によって回転軸が変形するのを抑制するために、回転軸の電磁石および永久磁石によって非接触で支持される部分のアキシャル方向の長さ(電磁石および永久磁石から発生する磁界が通過する回転軸の領域のアキシャル方向の長さ)を小さくするのが好ましい。この場合において、本実施形態では、永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)の厚みt1およびt2(t3およびt4)の合計の厚みT2(T3)を、電磁石コア14の厚みT1よりも小さくしているので、電磁石11、および、永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)によって非接触で支持される回転軸21の部分のアキシャル方向の長さ(電磁石11、および、永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)から発生する磁界が通過する回転軸21の領域のアキシャル方向の長さ)を極力小さくすることができる。これにより、電磁石11、および、永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)の磁気吸引力によって回転軸21が変形するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、電磁石コア14の柱状部分142a(142b)の外周部の表面上に配置した永久磁石12a(13a)を、永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)の積層方向(アキシャル方向)に沿った方向(図3の白抜き矢印参照)に着磁する。そして、永久磁石12a(13a)の柱状部分142a(142b)とは反対側の表面上に配置した永久磁石12b(13b)を、コイル15から発生する磁界が柱状部分142a(142b)と回転軸21との間の空隙33(34)を通過する方向(ラジアル方向)に沿った方向(図3の白抜き矢印参照)に着磁する。これにより、永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)から発生する磁界(図3の上側(下側)の矢印付きの二点鎖線参照)は、空隙31(32)、回転軸21、空隙33(34)、および、柱状部分142a(142b)の永久磁石12a(12b)側の表面近傍を通過するような磁気回路をアキシャル方向に沿った面内で容易に構成することができる。
また、本実施形態では、上記のように、永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)を、電磁石コア14の柱状部分142a(142b)の矩形形状を有する外周部(図4の点線で取り囲まれた部分参照)の互いに対向する2辺を含む表面(アキシャル方向の両端面)に配置する。これにより、柱状部分142a(142b)のアキシャル方向の両端面に配置した永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)により、回転軸21をアキシャル方向にバランスよく支持することができる。
また、本実施形態では、上記のように、電磁石コア14の柱状部分142a(142b)の外周部にコイル15を巻回し、柱状部分142a(142b)のコイル15に対して回転軸21側の端部近傍の外周部の表面に永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)を配置する。これにより、永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)を回転軸21に近づけることができるので、永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)の磁気吸引力を回転軸21に確実に働かせることができる。
また、本実施形態では、上記のように、電磁石コア14の柱状部分142a(142b)と回転軸21との間の空隙33(34)のギャップ長L3(L4)と、永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)と回転軸21との間の空隙31(32)のギャップ長L1(L2)とを、互いに略等しくする。これにより、回転軸21に対する電磁石11の磁気吸引力の働きやすさと、回転軸21に対する永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)の磁気吸引力の働きやすさとを略等しくすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、電磁石コア14の柱状部分142a(142b)の外周部の表面に配置した永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)の回転軸21に対向する表面を、アキシャル方向から見て、回転軸21の円形の外周面に対応する円弧形状に形成する。これにより、永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)と回転軸21との間の空隙31(32)のギャップ長L2を回転軸21の円周方向に沿って均一にすることができるので、永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)の磁気吸引力を回転軸21の円周方向に沿って均一に働かせることができる。
また、本実施形態では、上記のように、回転軸21の外周面を周状に取り囲む周状部分141と、周状部分141から回転軸21側に柱状に延びる柱状部分141aおよび141bとを含むように電磁石コア14を構成し、柱状部分141aおよび141bの外周部の表面に永久磁石12a、12b、13aおよび13bを配置する。これにより、一般的に用いられている電磁石コア(周状部分141と柱状部分142aおよび142bとを有する一体の部品として構成された電磁石コア14)の柱状部分142aおよび142bの外周部の表面に永久磁石12a、12b、13aおよび13bを配置するだけで、容易に、永久磁石12a、12b、13aおよび13bの不可逆減磁が発生するのを抑制することが可能な電磁石コア14を構成することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、図2~図4に示すように、電磁石コア14の柱状部分142a(142b)のアキシャル方向の両端面に永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)を配置する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、柱状部分142a(142b)のアキシャル方向の両端面の少なくとも一方に永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)が配置されていればよい。また、本発明では、柱状部分142a(142b)のアキシャル方向の両端面以外の端面に永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)を配置してもよい。たとえば、図5に示した第1変形例のように、柱状部分142a(142b)の周方向(回転軸21の回転方向)の両端面に永久磁石112aおよび112b(113aおよび113b)を配置してもよい。
図5に示すように、第1変形例では、永久磁石112aおよび112bは、柱状部分142aの周方向の両端面にこの順番で積層されている。なお、永久磁石112aは、柱状部分142a側の表面近傍がS極性を有するように着磁されているとともに、永久磁石112b側の表面近傍がN極性を有するように着磁されている。また、永久磁石112bは、回転軸21側の表面近傍がN極性を有するように着磁されているとともに、回転軸21とは反対側の表面近傍がS極性を有するように着磁されている。これにより、永久磁石112aおよび112bから発生する磁界(図5の左上側の矢印付きの二点鎖線参照)は、永久磁石112aおよび112bと回転軸21との間の空隙35、回転軸21、柱状142aと回転軸21との間の空隙33、および、柱状部分142aの永久磁石112a側の表面近傍をこの順番で通過して循環することにより、アキシャル方向に直交する面内で磁気回路を構成する。
また、図5に示すように、第1変形例では、永久磁石113aおよび113bは、柱状部分142bの周方向の両端面にこの順番で積層されている。永久磁石113aは、永久磁石112aとは逆に、柱状部分142b側の表面近傍がN極性を有するように着磁されているとともに、永久磁石113b側の表面近傍がS極性を有するように着磁されている。また、永久磁石113bは、永久磁石112bとは逆に、回転軸21側の表面近傍がS極性を有するように着磁されているとともに、回転軸21とは反対側の表面近傍がN極性を有するように着磁されている。これにより、永久磁石113aおよび113bから発生する磁界(図5の右下側の矢印付きの二点鎖線参照)は、柱状部分142bの永久磁石113a側の表面近傍、柱状部分142bと回転軸21との間の空隙36、回転軸21、および、永久磁石113aおよび113bと回転軸21との間の空隙32をこの順番で通過して循環することにより、アキシャル方向に直交する面内で磁気回路を構成する。
この第1変形例においても、上記実施形態と同様に、柱状部分142a(142b)に巻回されたコイル15から発生する磁界(図5の矢印付きの一点鎖線参照)は、永久磁石112aおよび112b(113aおよび113b)を通過しないように構成されている。これにより、コイル15から発生する磁界が永久磁石112a、112b、113aおよび113bの着磁方向とは逆方向に永久磁石112a、112b、113aおよび113bに印加されることがないので、永久磁石112a、112b、113aおよび113bの不可逆減磁が発生するのを抑制することができる。
また、第1変形例では、上記のように、柱状部分142a(142b)の周方向(回転軸21の回転方向)の両端面に永久磁石112aおよび112b(113aおよび113b)を配置することによって、コイル15から発生する磁界、および、永久磁石112aおよび112b(113aおよび113b)から発生する磁界が通過する回転軸21の領域のアキシャル方向の長さを小さくすることができる。これにより、コイル15から発生する磁界、および、永久磁石112aおよび112b(113aおよび113b)から発生する磁界に起因した磁気吸引力によって回転軸21が変形するのを抑制することができる。
また、上記実施形態では、図3および図4に示すように、電磁石コア14の柱状部分142a(142b)の外周部の表面に2つの永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)を積層する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、柱状部分142a(142b)の外周部の表面に3つ以上の永久磁石を積層してもよい。また、本発明では、図6に示した第2変形例のように、柱状部分142a(142b)の外周部の表面に1つの永久磁石212(213)を配置してもよい。
図6に示すように、第2変形例では、柱状部分142aのアキシャル方向の両端面に配置された永久磁石212は、柱状部分142a側の表面近傍がS極性を有するとともに、回転軸21側の表面近傍がN極性を有するように着磁されている。また、柱状部分142bのアキシャル方向の両端面に配置された永久磁石213は、柱状部分142b側の表面近傍がN極性を有するとともに、回転軸21側の表面近傍がS極性を有するように着磁されている。
これにより、第2変形例では、永久磁石212から発生する磁界(図6の上側の矢印付きの二点鎖線参照)、および、永久磁石213から発生する磁界(図6の下側の矢印付きの二点鎖線参照)は、それぞれ、上記実施形態による永久磁石12aおよび12bから発生する磁界(図3の上側の矢印付きの二点鎖線参照)、および、永久磁石13aおよび13bから発生する磁界(図3の下側の矢印付きの二点鎖線参照)と同様の磁気回路を構成する。なお、この第2変形例においても、上記実施形態と同様に、柱状部分142aおよび142bに巻回されたコイル15から発生する磁界(図2の矢印付きの一点鎖線参照)は、永久磁石212および213を通過しないように構成されている。
第2変形例では、上記のように、柱状部分142a(142b)の外周部の表面に、柱状部分142a(142b)側の表面近傍と、回転軸21側の表面近傍とが互いに異なる極性(N極性およびS極性)を有するように着磁した1つの永久磁石212(213)を配置する。これにより、柱状部分142a(142b)の外周部の表面に2つの永久磁石12aおよび12b(13aおよび13b)を配置した上記実施形態に比べて、部品点数を削減することができる。
また、上記実施形態では、図2に示すように、一般的に用いられている電磁石コア(周状部分141と柱状部分142aおよび142bとを有する一体の部品として構成された電磁石コア14)を用いた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、図7および図8に示した第3変形例のように、略U字形状を有する4つのコア部分1140が回転軸21を取り囲むように周方向(回転軸21の回転方向)に沿って隣接して配置されることにより構成された電磁石コア114を用いてもよい。
図7に示すように、第3変形例では、電磁石コア114を構成する4つのコア部分1140は、回転軸21を上下方向(X方向)および左右方向(Y方向)の両側から挟みこむように配置されている。また、4つのコア部分1140は、それぞれ、周状部分1141と、周状部分1141の周方向の両端部から回転軸21側に延びる一対の柱状部分1142aおよび1142bとを有している。そして、図8に示すように、柱状部分1142aのアキシャル方向の両端面には、永久磁石312aおよび312bがこの順番で積層されている。また、柱状部分1142bのアキシャル方向の両端面にも、永久磁石313aおよび313bがこの順番で積層されている。なお、図7に示すように、4つのコア部分1140は、それぞれの柱状部分1142a(1142b)が周方向に沿って隣接するように配置されている。
また、図7に示すように、第3変形例では、永久磁石312aおよび312bは、それぞれ、上記実施形態による永久磁石12aおよび12bの着磁方向(図3参照)と同様の着磁方向を有するように着磁されている。また、永久磁石313aおよび313bは、それぞれ、上記実施形態による永久磁石13aおよび13bの着磁方向(図3参照)と同様の着磁方向を有するように着磁されている。これにより、永久磁石312aおよび312bから発生する磁界(図7の上側の矢印付きの二点鎖線参照)、および、永久磁石313aおよび313bから発生する磁界(図7の下側の矢印付きの二点鎖線参照)は、それぞれ、上記実施形態による永久磁石12aおよび12bから発生する磁界(図3の上側の矢印付きの二点鎖線参照)、および、永久磁石13aおよび13bから発生する磁界(図3の下側の矢印付きの二点鎖線参照)と同様の磁気回路を構成する。
この第3変形例においても、上記実施形態と同様に、柱状部分1142a(1142b)に巻回されたコイル15から発生する磁界(図7の矢印付きの一点鎖線参照)は、永久磁石312aおよび312b(313aおよび313b)を通過しないように構成されている。
第3変形例では、上記のように、回転軸21を上下方向(X方向)および左右方向(Y方向)の両側から挟みこむように配置した略U字形状を有する4つのコア部分1140によって電磁石コア114を構成する。これにより、回転軸21を上下方向(左右方向)の両側から挟み込む一対の略U字形状のコア部分1140によって、回転軸21に対して上下方向(左右方向)に磁気吸引力を働かせることができるので、磁気吸引力の制御を容易に行うことができる。
また、上記実施形態では、図2に示すように、永久磁石12a、12b、13aおよび13bの回転軸21に対向する表面を、アキシャル方向から見て、回転軸21の円形の外周面に対応する円弧形状を有するように形成した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、永久磁石12a、12b、13aおよび13bの回転軸21に対向する表面を、アキシャル方向から見て直線状に形成してもよい。すなわち、永久磁石12a、12b、13aおよび13bを、アキシャル方向から見て矩形形状を有するように形成してもよい。
また、上記実施形態では、回転軸をラジアル方向に非接触で支持するラジアル磁気軸受に本発明を適用した例を示したが、本発明は、回転軸をアキシャル方向に非接触で支持するアキシャル磁気軸受にも適用可能である。