JP2013051835A - 回転電機用ロータ - Google Patents

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Abstract

【課題】回転電機用ロータにおいて、磁石孔内で複数の磁石が互いに空隙を介して周方向に分割配置された構成で、複数の磁石と電磁鋼板とをループするように流れる渦電流が形成されるのを抑制し、渦電流損の低減を図ることである。
【解決手段】ロータ16は、複数の電磁鋼板36を積層することにより構成される積層体28と、積層体28の周方向複数個所に形成された磁石孔30と、各磁石孔30に空隙40を介して周方向に分割配置される片側磁石32及び他側磁石34とを含む。複数の電磁鋼板36の少なくとも一部の電磁鋼板36は、磁石孔30を構成する孔要素42を有し、各孔要素42及び片側磁石32の径方向側面同士の間と、各孔要素42及び他側磁石34の径方向側面同士の間との両方に径方向の空隙66,68を設ける。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数の電磁鋼板を積層することにより構成される積層体と、積層体の周方向複数個所に形成された磁石孔に分割配置される片側磁石及び他側磁石とを含む回転電機用ロータに関する。
従来から知られている、車両用電動機等の回転電機は、ステータとロータとを備える。また、ロータを、複数の電磁鋼板を積層して形成する積層体により構成することも考えられている。例えば、ロータは、積層体の周方向複数個所に永久磁石を配置する磁石付ロータとする場合がある。また、特許文献1に記載されたロータでは、ステータからの交番磁界中で動作する場合でも磁石の内部に渦電流が生じるのを抑制して、損失を低減するようにするために、磁石とロータコアとの隙間に樹脂材料である接着剤を充填し、接着剤にセラミックス粒子等の非導電性の粒子を混合させている。なお、本発明に関連する先行技術として、特許文献1の他に特許文献2がある。
特開2002−272033号公報 特開2010−206882号公報
上記の特許文献1に記載されたロータでは、ロータコアと磁石とが電気的に接触しないようにするため、磁石とロータコアの磁石穴との間に非導電性粒子を混合させた接着剤を間部分の全周にわたって充填する必要がある。このため、高コスト化を招き、製造作業が困難になる要因となっている。
これに対して、特許文献2には、複数の電磁鋼板を積層することにより構成される積層体と、積層体の周方向複数個所に軸方向に貫通するように形成された磁石孔と、磁石孔に挿入され、互いに空隙を介して周方向に分割配置される複数の永久磁石とを含む回転電機用ロータが記載されている。この回転電機用ロータでは、永久磁石に絶縁部材を施すことなく、磁石孔内で隣り合う永久磁石間に空隙が形成され、表面積が小さくなった永久磁石に発生する渦電流が減少し、渦電流損を低減できるとされている。ただし、積層体の軸方向に対し直交する平面を考えた場合に、複数の永久磁石の径方向両側面のいずれもが電磁鋼板を介して電気的に接続されるため、積層体の端部に位置する電磁鋼板等、少なくとも一部の電磁鋼板を介して、複数の永久磁石を通過するループ状の大きな渦電流が形成される可能性がある。このため、渦電流損の低減を図る面から改良の余地がある。
本発明の目的は、回転電機用ロータにおいて、磁石孔内で複数の磁石が互いに空隙を介して周方向に分割配置された構成で、複数の磁石と電磁鋼板とをループするように流れる渦電流が形成されるのを抑制し、渦電流損の低減を図ることを目的とする。
本発明に係る回転電機用ロータは、複数の電磁鋼板を積層することにより構成される積層体と、積層体の周方向複数個所に軸方向に貫通するように形成された磁石孔と、磁石孔に挿入され、互いに空隙を介して周方向に分割配置される片側磁石及び他側磁石とを含む回転電機用ロータであって、複数の電磁鋼板の少なくとも一部の電磁鋼板は、磁石孔を構成する孔要素を有し、孔要素及び片側磁石の径方向側面同士の間と、孔要素及び他側磁石の径方向側面同士の間との一方または両方に径方向の空隙または絶縁部材が設けられていることを特徴とする回転電機用ロータである。
本発明に係る回転電機用ロータによれば、磁石孔内で複数の磁石が互いに空隙を介して周方向に分割配置された構成で、複数の磁石と電磁鋼板とをループするように流れる渦電流が形成されるのを抑制でき、渦電流損の低減を図れる。
また、本発明に係る回転電機用ロータにおいて、好ましくは、積層体は、第1電磁鋼板及び第2電磁鋼板を、1枚ずつまたは複数枚ずつ交互に積層することにより形成され、各第1電磁鋼板は、片側磁石の内径側側面と接触し、他側磁石の内径側側面との間に径方向の空隙が形成される第1径方向内側面と、片側磁石の外径側側面との間に径方向の空隙が形成され、他側磁石の外径側側面と接触する第1径方向外側面とを有する第1孔要素を含み、各第2電磁鋼板は、片側磁石の内径側側面との間に径方向の空隙が形成され、他側磁石の内径側側面と接触する第2径方向内側面と、片側磁石の外径側側面と接触し、他側磁石の外径側側面との間に径方向の空隙が形成される第2径方向外側面とを有する第2孔要素を含み、第1孔要素及び第2孔要素との連通する部分により磁石孔が形成されている。
上記構成によれば、磁石に絶縁被膜を施すことなく、複数の磁石と電磁鋼板とをループするように流れる渦電流が形成されるのを抑制でき、低コストの構成で、渦電流損の低減を図れる。
また、本発明に係る回転電機用ロータにおいて、好ましくは、孔要素及び片側磁石の径方向側面同士の間と、孔要素及び他側磁石の径方向側面同士の間との一方のみに絶縁部材が設けられている。
上記構成によれば、磁石と孔要素との間に設ける絶縁部材を少なくしつつ、複数の磁石と電磁鋼板とをループするように流れる渦電流が形成されるのを抑制でき、低コストの構成で、渦電流損の低減を図れる。
本発明に係る回転電機用ロータによれば、磁石孔内で複数の磁石が互いに空隙を介して周方向に分割配置された構成で、複数の磁石と電磁鋼板とをループするように流れる渦電流が形成されるのを抑制でき、渦電流損の低減を図れる。
本発明に係る実施の形態の回転電機用ロータを含む回転電機の概略断面図である。 第1電磁鋼板部分における、図1のA−A断面図である。 図2からロータのみを取り出して示す図である。 図3の部分拡大図である。 第2電磁鋼板部分における、図4に対応する図である。 従来構造の第1例において、(a)は図4に対応する図であり、(b)は磁石に生じる渦電流を説明するための磁石の部分斜視図である。 従来構造の第2例において、(a)は図4に対応する図であり、(b)は磁石に生じる渦電流を説明するための磁石孔内に配置される2つの磁石の部分斜視図である。 本発明に係る実施の形態において、(a)は図4に対応する図であり、(b)は磁石に生じる渦電流を説明するための磁石孔内に配置される2つの磁石の部分斜視図である。 本発明に係る実施の形態の別例の第1例において、磁石孔内に配置される2つの磁石と電磁鋼板との間での電気的な通電経路が途中で遮断される様子を示す模式図である。 本発明に係る実施の形態の別例の第1例において、磁石孔内に配置される2つの磁石と電磁鋼板との間での電気的な通電経路が途中で遮断される様子を示す模式図である。
以下において、図1から図4、図8を用いて本発明に係る実施形態を説明する。本実施の形態の回転電機用ロータ(以下、単に「ロータ」という。)を含む回転電機は、例えばハイブリッド車両を駆動するモータとして、または、発電するための発電機として、または、その両方の機能を有するモータジェネレータとして使用する。図1は、本実施形態のロータを含む回転電機の概略断面図である。図1に示すように、回転電機10は、例えば、3相交流電流で駆動する永久磁石付き同期電動機であり、図示しないモータケースの内側に固定したステータ14と、ステータ14の径方向内側に対向配置したロータ16と、ロータ16を固定した回転軸18とを備える。
ステータ14は、複数の電磁鋼板を積層することにより形成される積層体等の磁性材料により形成されるステータコア20と、ステータコア20の内周面の周方向複数個所に設けたティース22に集中巻きまたは分布巻きで巻装した3相のステータコイル24とを含む。ステータコイル24において、ステータコア20の軸方向両側面よりも外側に突出する部分により、一対のコイルエンド26が形成されている。ステータコア20は、モータケースの内側に固定されている。
回転軸18は、モータケースに軸受(図示せず)により回転可能に支持されている。ロータ16は、回転軸18の軸方向中間部の外径側に固定され、ステータ14の径方向内側に、エアギャップを介して対向配置されている。
また、ロータ16は、複数の電磁鋼板を軸方向に積層することにより構成されるロータコアである積層体28と、積層体28の周方向複数個所に軸方向に貫通するように形成された磁石孔30(図2)と、各磁石孔30に周方向に分割配置されて挿入するように設けられた永久磁石である片側磁石32及び他側磁石34(図2)とを含む。各磁石32,34の表面には絶縁被膜を施さず、いわゆる被膜レスとしている。また、積層体28は、互いに異なる形状の孔要素が形成された2種類の鋼板である、第1電磁鋼板36及び第2電磁鋼板38を、1枚ずつまたは予め設定された所定枚数である複数枚ずつ交互に積層することにより形成されている。図1では、第1電磁鋼板36及び第2電磁鋼板38が、1枚ずつ交互に積層された例を示している。また、積層体28の軸方向両側に図示しない一対のエンドプレートを配置し、一対のエンドプレートにより積層体28を軸方向両側から挟み付けることもできる。
図2は、第1電磁鋼板36部分における、図1のA−A断面図である。図3は、図2からロータ16のみを取り出して示す図である。図2、図3に示すように、各磁石孔30に、互いに周方向の空隙40を介して離隔するように片側磁石32と他側磁石34とが挿入されている。また、各磁石32,34は径方向に着磁しており、隣り合う磁石孔30に配置される磁石32,34同士で、径方向の着磁方向を異ならせている。また、同じ磁石孔30に配置される片側磁石32及び他側磁石34の径方向の着磁方向は互いに同じとしている。第1電磁鋼板36の周方向複数個所に、磁石孔30を構成する第1孔要素42が軸方向に貫通するように形成されている。
図4は、図3の部分拡大図である。図4に示すように、第1電磁鋼板36に設けられた各第1孔要素42は、第1径方向外側面44と第1径方向内側面46とを有する断面略クランク形に形成されている。各第1孔要素42の径方向(「径方向」とは、特に断らない限りロータの径方向をいう。本明細書全体及び特許請求の範囲で同じである。)外側面である第1径方向外側面44において、周方向(「周方向」とは、特に断らない限りロータの周方向をいう。本明細書全体及び特許請求の範囲で同じである。)の片側部分(図4の左側部分)が他側部分(図4の右側部分)よりも径方向外側に配置されるように、中間部に段部48が形成されている。
また、各第1孔要素42の径方向内側面である第1径方向内側面46において、周方向の他側部分(図4の右側部分)が片側部分(図4の左側部分)よりも径方向内側に配置されるように、中間部に段部50が形成されている。また、各第1孔要素42の第1径方向内側面46の周方向中間部に第1凸部52が形成されている。第1凸部52は、第1孔要素42に配置される片側磁石32と他側磁石34との間に配置されることで、両磁石32,34の間に周方向の空隙40を形成する役目を有する。なお、両磁石32,34の間に周方向の空隙40が形成されるのであれば、第1凸部52を省略することもできる。
一方、第1電磁鋼板36に対し積層される第2電磁鋼板38(図1)の各第1孔要素42と整合する周方向複数個所には、磁石孔30を構成する第2孔要素54(図5)が軸方向に貫通するように形成されている。図5は、第2電磁鋼板38部分における、図4に対応する図である。図5に示すように、第2電磁鋼板38に設けられた各第2孔要素54は、第2径方向外側面56と第2径方向内側面58とを有する断面略クランク形に形成されている。また、各第2孔要素54の径方向外側面である第2径方向外側面56において、周方向の他側部分(図5の右側部分)が片側部分(図5の左側部分)よりも径方向外側に配置されるように、中間部に段部60が形成されている。
また、各第2孔要素54の径方向内側面である第2径方向内側面58において、周方向の片側部分(図5の左側部分)が他側部分(図5の右側部分)よりも径方向内側に配置されるように、中間部に段部62が形成されている。このため、各第2孔要素54の形状は、第1孔要素42の形状と異なっている。すなわち、第1孔要素42と第2孔要素54とでは、径方向両側面のそれぞれの凹凸形状が周方向で逆になっている。
また、各第2孔要素54の第2径方向内側面58の周方向中間部に第2凸部64が形成されている。第2凸部64も、第1凸部52(図4)と同様に、第2孔要素54に配置される片側磁石32と他側磁石34との間に配置されることで、両磁石32,34の間に周方向の空隙40を形成する役目を有する。なお、両磁石32,34の間に周方向の空隙40が形成されるのであれば、第2凸部64を省略することもできる。
そして1枚ずつまたは複数枚ずつの第1電磁鋼板36及び第2電磁鋼板38が交互に積層されることにより積層体28が形成された状態で、互いに整合する第1孔要素42及び第2孔要素54の連通する部分により、複数の磁石孔30が形成されている。また、図4、図5に示すように、各磁石孔30に片側磁石32及び他側磁石34が、互いに空隙40を介して周方向に分割配置されるように軸方向に挿入支持されている。この場合、図4で示す第1電磁鋼板36では、第1孔要素42の第1径方向外側面44と片側磁石32の外径側側面との間に径方向の厚さdを有する空隙66(ギャップ)が形成されるが、第1径方向外側面44と他側磁石34の外径側側面とは接触する。また、第1孔要素42の第1径方向内側面46と片側磁石32の内径側側面とは接触するが、第1径方向内側面46と他側磁石34の内径側側面との間には径方向の厚さdを有する空隙68が形成される。
一方、図5で示す第2電磁鋼板38では、第2孔要素54の第2径方向外側面56と片側磁石32の外径側側面とが接触するが、第2径方向外側面56と他側磁石34の外径側側面との間には径方向の厚さdを有する空隙70が形成される。また、第2孔要素54の第2径方向内側面58と片側磁石32の内径側側面との間には径方向の厚さdを有する空隙72が形成されるが、第2径方向内側面58と他側磁石34の内径側側面とは接触する。このように各電磁鋼板36,38が形成されるため、図4に示す第1孔要素42及び片側磁石32の径方向外側面同士の間と、第1孔要素42及び他側磁石34の径方向内側面同士の間との両方に、径方向の空隙66,68がそれぞれ設けられている。また、図5に示す第2孔要素54及び他側磁石34の径方向外側面同士の間と、第2孔要素54及び片側磁石32の径方向内側面同士の間との両方に、径方向の空隙70,72がそれぞれ設けられている。さらに、積層体28の磁石孔30の径方向外側面と径方向内側面とにおいて、周方向両側部分のそれぞれと、片側磁石32及び他側磁石34との間に、互いに接触しない隙間が、積層体28の軸方向の交互に形成される。
このようなロータ16によれば、磁石孔30内で複数の磁石である片側磁石32及び他側磁石34が互いに空隙40を介して周方向に分割配置された構成で、片側磁石32及び他側磁石34と、第1電磁鋼板36(または第2電磁鋼板38)とをループするように流れる渦電流が形成されるのを抑制でき、渦電流損の低減を図れる。まず、図6、図7の従来構造の第1例、第2例で、従来構造の問題点を説明する。
図6は、従来構造の第1例において、(a)は図4に対応する図であり、(b)は磁石に生じる渦電流を説明するための磁石の部分斜視図である。図6に示す構成では、ロータコアである積層体28は、複数枚の電磁鋼板74を積層することにより構成されている。また、積層体28の周方向複数個所に磁石孔76が形成され、各磁石孔76は、各電磁鋼板74の互いに整合する複数個所に形成された孔要素を連結することにより構成されている。図6の構成では、各磁石孔76は、断面長方形に形成され、各磁石孔76に磁石78が1つのみ挿入支持されている。このような構成では、図6(b)に示すように、磁石78に絶縁被膜を施していないと、ステータ14(図1参照)で形成される交番磁界中でロータ16が動作し、各磁石78に磁束が鎖交することにより、この磁束を打ち消す向きに、磁石78に矢印αで示す方向の渦電流が形成される可能性がある。このような大きな渦電流は磁石78表面に渦電流損失を生じさせ、磁石78の発熱の要因となる。このため、ロータ16を含む回転電機の性能低下の要因となる。
また、図7は、従来構造の第2例において、(a)は図4に対応する図であり、(b)は磁石に生じる渦電流を説明するための磁石孔内に配置される2つの磁石の部分斜視図である。図7に示す構成は、上記の特許文献2に記載された構成と同様であり、ロータコアである積層体28は、複数枚の電磁鋼板80を積層することにより構成されている。また、積層体28の周方向複数個所に磁石孔76が形成され、各磁石孔76に互いに空隙40を介して周方向に分割配置された片側磁石32及び他側磁石34が配置されている。片側磁石32及び他側磁石34の構成は、上記の図2〜5に示した本実施形態と同様である。ただし、図7の構成では、積層体28を構成するすべての電磁鋼板80で、各磁石孔76を構成する孔要素82を、同一形状である断面略長方形に形成している。また、各孔要素82の径方向両側面と片側磁石32及び他側磁石34の径方向両側面とは接触している。このような構成では、各磁石32,34に絶縁被膜が形成されていないと、図7(a)(b)の矢印βで示すように、積層体28の軸方向端部の電磁鋼板80等、少なくとも一部の電磁鋼板80を介して片側磁石32及び他側磁石34を通過するループ状の大きな渦電流が形成される可能性がある。このため、磁石孔76で磁石32,34を分割配置するのにもかかわらず、ロータ16を含む回転電機の渦電流損の低減効果を十分に得られず、渦電流損の低減を図る面から改良の余地がある。
本実施形態はこのような課題を解決するべく発明したものであって、図8は、本発明に係る実施の形態において、(a)は図4に対応する図であり、(b)は磁石に生じる渦電流を説明するための磁石孔内に配置される2つの磁石の部分斜視図である。図8に示す本実施形態によれば、各磁石32,34に絶縁被膜を形成しない場合でも、図8(a)のように積層体28の軸方向に対し直交する平面で考えた場合に、図8(a)の破線γで示すように、片側磁石32と他側磁石34とが、第1電磁鋼板36(または第2電磁鋼板38(図5))を介して通電する経路が、径方向の厚さdを有する空隙66,68部分で遮断される。このため、磁石孔30内で片側磁石32及び他側磁石34が互いに空隙40を介して周方向に分割配置された構成で、片側磁石32及び他側磁石34と電磁鋼板36,38とをループするように流れる大きな渦電流が形成されるのを抑制でき、渦電流損の低減を図れる。すなわち、ロータ16で磁石32,34に形成される渦電流は、図8(b)に矢印δで示すように、表面積の小さい各磁石32,34単独に形成される小さいものとなるため、電気抵抗が高くなり渦電流損が小さくなる。しかも、各磁石32,34に絶縁被膜を形成せずに済むため、低コストの構成で、渦電流損の低減を図れる。また、磁石パーミアンスを著しく低下させずに済む。この結果、回転電機を利用して駆動するハイブリッド車両等の電動車両の燃費低減を図れる。また、渦電流損の悪化を補うために、保磁力の高い高価な重希土類の材料を用いて磁石32,34を形成せずに済み、この面からもコスト低減を図れる。
また、図4に示すように、片側磁石32の径方向内側面及び他側磁石34の径方向外側面と接触する第1孔要素42を有する第1電磁鋼板36が、積層体28の軸方向の一部または複数個所に配置され、図5に示すように、片側磁石32の径方向外側面及び他側磁石34の径方向内側面と接触する第2孔要素54を有する第2電磁鋼板38が、積層体28の軸方向の別の部分に配置される。このため、各磁石32,34と電磁鋼板36,38とをループするように流れる渦電流を、径方向の空隙66,68,70,72で遮断できるのにもかかわらず、磁石孔30内に各磁石32,34を強固に保持できる。
次に、図9は、本発明に係る実施の形態の別例の第1例において、磁石孔84内に配置される2つの磁石32,34と電磁鋼板86との間での電気的な通電経路が途中で遮断される様子を示す模式図である。図9に示す別例の第1例では、上記の図1〜5、図8の実施形態の場合と異なり、周方向複数個所に設けられた孔要素88を有する複数の電磁鋼板86を積層することにより積層体28を形成している。また、各電磁鋼板86に形成された孔要素88は同一形状としている。図9の例では、孔要素88は、周方向片側に設けられた径方向の寸法が大きい第1部分90と、周方向他側に設けられた径方向の寸法が小さい第2部分92とを連結した形状に形成されている。ただし、孔要素88はこのような形状に限定するものではなく、例えば周方向に長い長方形状に形成することもできる。そして図9の例では、第1部分90の径方向両側面と、片側磁石32の径方向両側面との間にそれぞれ絶縁部材94が設けられている。例えば、絶縁部材94は、片側磁石32の径方向両側面に貼り付けられた絶縁テープ等により形成できる。また、第2部分92の径方向両側面は、他側磁石34の径方向両側面と接触している。
このような構成では、他側磁石34に絶縁部材を設けることなく、片側磁石32及び他側磁石34と電磁鋼板86とを電気的に接続する通電経路が片側磁石32に設けられた絶縁部材94部分で遮断される。図9で矢印で示す電気経路では、○印が電気的に接続されることを、×印が電気的に遮断されることを表している(後述する図10の場合も同様である。)。このように図9の例では、孔要素88及び片側磁石32の径方向側面同士の間と、孔要素88及び他側磁石34の径方向側面同士の間との一方のみに絶縁部材94が設けられている。なお、片側磁石32及び他側磁石34に対する孔要素88の位置関係は周方向で逆にすることもできる。このような構成によれば、片側磁石32及び他側磁石34と孔要素88との間に設ける絶縁部材94を少なくしつつ、複数の磁石32,34と電磁鋼板86とをループするように流れる渦電流が形成されるのを抑制でき、低コストの構成で、渦電流損の低減を図れる。
次に、図10は、本発明に係る実施の形態の別例の第2例において、磁石孔84内に配置される2つの磁石32,34と電磁鋼板86との間での電気的な通電経路が途中で遮断される様子を示す模式図である。図10に示す別例の第2例では、上記の図9の別例の第1例と同様に、周方向複数個所に設けられた孔要素88を有する複数の電磁鋼板86を積層することにより積層体28を形成している。また、各電磁鋼板86に形成された孔要素88は同一形状としている。図10の例では、孔要素88は、上記の図4に示した実施形態の第1電磁鋼板36に形成された第1孔要素42と同一形状としている。すなわち、孔要素88は、断面略クランク形で、周方向中間部に段部48が形成された径方向外側面と、周方向中間部に段部50が形成された径方向内側面とを有する。
そして図10の例では、孔要素88の径方向外側面の周方向片側部分と、片側磁石32の径方向外側面との間、及び、孔要素88の径方向内側面の周方向他側部分と、他側磁石34の径方向内側面との間のそれぞれに絶縁部材94が設けられている。例えば、絶縁部材94は、片側磁石32の径方向外側面と、他側磁石34の径方向内側面とにそれぞれ貼り付けられた絶縁テープ等により構成できる。また、孔要素88の径方向外側面の周方向他側部分と、他側磁石34の径方向外側面との間、及び、孔要素88の径方向内側面の周方向片側部分と、片側磁石32の径方向内側面との間は、それぞれ接触させている。
このような構成では、各磁石32,34の径方向両側面のすべてに絶縁部材94を設けることなく、片側磁石32及び他側磁石34と電磁鋼板86とを電気的に接続する通電経路が各磁石32,34に設けられた絶縁部材94部分で遮断される。このように図10の例では、各磁石32,34の径方向両側面の一方のみの側面と、孔要素88との間に絶縁部材94が設けられている。このような構成の場合も、片側磁石32及び他側磁石34と孔要素88との間に設ける絶縁部材94を少なくしつつ、複数の磁石32,34と電磁鋼板86とをループするように流れる渦電流が形成されるのを抑制でき、低コストの構成で、渦電流損の低減を図れる。
10 回転電機、14 ステータ、16 ロータ、18 回転軸、20 ステータコア、22 ティース、24 ステータコイル、26 コイルエンド、28 積層体、30 磁石孔、32 片側磁石、34 他側磁石、36 第1電磁鋼板、38 第2電磁鋼板、40 空隙、42 第1孔要素、44 第1径方向外側面、46 第1径方向内側面、48,50 段部、52 第1凸部、54 第2孔要素、56 第2径方向外側面、58 第2径方向内側面、60,62 段部、64 第2凸部、66,68,70,72 空隙、74 電磁鋼板、76 磁石孔、78 磁石、80 電磁鋼板、82 孔要素、84 磁石孔、86 電磁鋼板、88 孔要素、90 第1部分、92 第2部分、94 絶縁部材。

Claims (2)

  1. 複数の電磁鋼板を積層することにより構成される積層体と、
    積層体の周方向複数個所に軸方向に貫通するように形成された磁石孔と、
    磁石孔に挿入され、互いに空隙を介して周方向に分割配置される片側磁石及び他側磁石とを含む回転電機用ロータであって、
    複数の電磁鋼板の少なくとも一部の電磁鋼板は、磁石孔を構成する孔要素を有し、
    孔要素及び片側磁石の径方向側面同士の間と、孔要素及び他側磁石の径方向側面同士の間との一方または両方に径方向の空隙または絶縁部材が設けられていることを特徴とする回転電機用ロータ。
  2. 請求項1に記載の回転電機用ロータにおいて、
    積層体は、第1電磁鋼板及び第2電磁鋼板を、1枚ずつまたは複数枚ずつ交互に積層することにより形成され、
    各第1電磁鋼板は、
    片側磁石の内径側側面と接触し、他側磁石の内径側側面との間に径方向の空隙が形成される第1径方向内側面と、片側磁石の外径側側面との間に径方向の空隙が形成され、他側磁石の外径側側面と接触する第1径方向外側面とを有する第1孔要素を含み、
    各第2電磁鋼板は、
    片側磁石の内径側側面との間に径方向の空隙が形成され、他側磁石の内径側側面と接触する第2径方向内側面と、片側磁石の外径側側面と接触し、他側磁石の外径側側面との間に径方向の空隙が形成される第2径方向外側面とを有する第2孔要素を含み、
    第1孔要素及び第2孔要素の連通する部分により磁石孔が形成されていることを特徴とする回転電機用ロータ。
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