WO2013080418A1

WO2013080418A1 - かみそり器

Info

Publication number: WO2013080418A1
Application number: PCT/JP2012/006464
Authority: WO
Inventors: 斎藤　亮彦
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2011-11-30
Filing date: 2012-10-09
Publication date: 2013-06-06
Also published as: JP2013111314A

Abstract

　電気かみそり（かみそり器）１は、体毛を剃る刃部４と、刃部４で体毛を剃る際に肌表面Ｓに接触しつつ回転可能なローラ（回転体）１０と、ローラ１０の中心孔（孔部）１０ｈに挿通されてローラ１０を支持する軸部１１と、軸部１１に直接または間接的に接触して軸部１１の撓みを抑制する支持部（撓み防止部）２０と、を備える。これにより、軸部１１を細くした場合にも、その軸部１１の撓みを抑制してスムーズに体毛Ｈを剃ることができるようになる。

Description

かみそり器

　本発明は、かみそり器に関する。

　従来より、体毛を剃る刃部に加えてこの刃部で体毛を剃る際に肌表面に接触しつつ回転可能な回転体を設けることで、刃部を肌面上に沿って移動させる際の摩擦力を低減できるようにしたかみそり器が知られている（例えば、特許文献１参照）。

特開２００９－２３２８９４号公報

　ところで、上記従来のかみそり器では、回転体がローラ支持ブラケットの先端に設けられた軸部に回転可能に取り付けられているが、このとき、回転体の転がり抵抗を低減するためには軸部は細いことが望まれる。

　しかしながら、このように軸部を細く構成した場合、軸部が撓み易くなってしまうという問題がある。軸部が撓むと、刃部を肌表面に押し付けた時に回転体が逃げて、刃部を移動する際の摩擦低減効果が低下してしまうことになる。

　また、軸部が撓んだ際には、回転体の孔部内においても軸部の撓みが発生することになる。このため、軸部が挿通される回転体の孔部の両端部と軸部との接触部に応力が集中してしまい、回転体が回転する際に摺動による異音が発生するとともに、さらには軸部が破損し易くなってしまう恐れがあった。

　そこで、本発明は、回転体を支持する軸部を細くした場合にも、その軸部の撓みを抑制してスムーズに体毛を剃ることのできるかみそり器を得ることを目的とする。

　上記目的を達成するために、本発明の第１の特徴は、体毛を剃る刃部と、前記刃部で体毛を剃る際に肌表面に接触しつつ回転可能な回転体と、前記回転体の孔部に挿通されて当該回転体を支持する軸部と、前記軸部に直接または間接的に接触して当該軸部の撓みを抑制する撓み防止部と、を備えることを要旨とする。

　本発明の第２の特徴は、前記撓み防止部は、前記回転体が肌表面に接触する側とは反対側から前記軸部を支持することを要旨とする。

　本発明の第３の特徴は、前記撓み防止部を、前記軸部の軸方向に複数設けたことを要旨とする。

　本発明の第４の特徴は、前記軸部の少なくとも軸方向略中央部に前記回転体を配置するとともに、当該回転体の軸方向両側に前記撓み防止部を配置したことを要旨とする。

　本発明の第５の特徴は、前記回転体の孔部を、軸方向略中央部の径に対して軸方向両端部の径を大きくしたことを要旨とする。

　本発明の第６の特徴は、前記回転体を、多孔質の材料で形成したことを要旨とする。

　本発明によれば、刃部、回転体、軸部に加えて、この軸部に直接または間接的に接触して軸部の撓みを抑制する撓み防止部を備えるので、軸部を細くした場合にも、回転体が肌表面に押し付けられた時の軸部の撓みを抑制することができる。これにより、回転体が逃げるのを抑えて刃部が移動する際の摩擦低減効果を維持できる上、軸部と回転体の孔部の両端部との間に応力が集中してしまうのを抑制できる。したがって、回転体は肌表面にしっかりと接触しつつ円滑に回転するようになり、刃部によってスムーズに体毛を剃ることができる。

本発明の第１実施形態にかかるかみそり器の全体斜視図である。図１に示すかみそり器のヘッド部の斜視図である。図２に示すヘッド部の正面図である。本発明の要部を誇張して示すヘッド部の外郭部分の斜視図である。ヘッド部の刃部で体毛を剃る際の回転体の挙動を（ａ）、（ｂ）に順を追って示した説明図である。図３に示す回転体の軸部の支持方向を概略的に示す説明図である。図３に示す回転体の軸部の支持位置を概略的に示す説明図である。図３に示す回転体と支持部の配置を概略的に示す説明図である。本発明の第２実施形態にかかるかみそり器の回転体の拡大断面図である。本発明の第３実施形態にかかるかみそり器の回転体の拡大断面図である。本発明の第１実施形態にかかるかみそり器の変形例を示す図３に対応した正面図である。

　以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下では、本発明を電気かみそりに適用した場合を例示するが、本発明のかみそり器はこれに限定されず、例えば電動式ではないかみそり器やその他の除毛器を含むものとする。

［第１実施形態］
　図１に示すように、本実施形態の電気かみそり１は、使用者が把持するグリップ部２と、このグリップ部２の先端部に連結されるヘッド部３とによって大略構成されている。

　グリップ部２には、電気かみそり１を動作させる（電源をオン・オフさせる）押圧式のスイッチ２１が設けられている。このスイッチ２１は、本実施形態では押圧式を例示したが、スライド式やその他のオン・オフできるスイッチであればよい。

　ヘッド部３は、グリップ部２に取り付けられるヘッド部本体３１と、このヘッド部本体３１に着脱自在に装着される刃ヘッドハウジング３２とを備えている。

　刃ヘッドハウジング３２には、使用者の肌表面Ｓから延びる体毛Ｈ（図５参照）を処理する刃部４と、この刃部４に隣接して設けられる回転体としてのローラ１０とが取り付けられるとともに、刃部４を動作させる駆動部（図示せぬ）が内蔵されている。

　刃部４は、図２に示すように、ヘッド部３の上方に露出して肌表面Ｓに接触する複数の外刃４１と、それぞれの外刃４１の内方（外刃４１の下側）に配置される図示省略した内刃とによって構成される。

　外刃４１は、刃ヘッドハウジング３２に固定されており、外刃４１の延在方向Ｙ（本実施形態では左右方向）と直交する直交方向（本実施形態では前後方向）に複数（５枚）並設されている。具体的には、外刃４１としてＸ方向手前側から奥側に向かって、第１のネット刃４１Ａ、第２のネット刃４１Ｂ、スリット刃４２、第３のネット刃４１Ｃおよび第４のネット刃４１Ｄが順に並設されている。

　これらの第１～第４のネット刃４１Ａ～４１Ｄは、電気かみそり１をＹ方向（側面方向）から見た時に、上方が凸となるように直交方向Ｘに沿って逆Ｕ字状に湾曲形成されている。また、これら第１～第４のネット刃４１Ａ～４１Ｄは、電気かみそり１のＸ方向（正面方向）から見た時にも、中央部が若干上方に凸となるようにＹ方向に沿って湾曲形成されている（図３参照）。また、これら第１～第４のネット刃４１Ａ～４１Ｄには、体毛Ｈを取り込むための多数の刃穴（図示省略）が形成されている。

　スリット刃４２は、先端が略平坦面となるように略逆Ｕ字状に折曲形成されており、このスリット刃４２にあっても平坦な上壁から側壁に亘って体毛Ｈを取り込むための多数のスリット（図示省略）が形成されている。

　このような電気かみそり１では、外刃４１の刃穴やスリットに入り込んだ体毛Ｈを、図示省略した駆動部によって内刃を外刃４１に対してＹ方向に往復動させることにより、外刃４１と内刃との共働で切断するようになっている。つまり、この切断によって体毛Ｈが剃られることになる。

　なお、本実施形態では、刃部４の外刃４１が第１～第４のネット刃４１Ａ～４１Ｄおよびスリット刃４２の５枚刃で構成された場合を例示したが、外刃４１の枚数は５枚に限ることなく、少なくとも１枚以上の外刃４１を備えていればよい。

　また、刃ヘッドハウジング３２には、刃部４のＸ方向（前後方向）の両外方近傍、つまり、第１のネット刃４１ＡのＸ方向外側と第４のネット刃４１ＤのＸ方向外側にそれぞれローラ（回転体）１０が設けられている。

　ローラ１０は、刃部４で体毛Ｈを剃る際に肌表面Ｓに接触しつつ回転して、肌表面Ｓとの摩擦を低減するものである。ローラ１０は、容易に変形しない材料、例えば、硬質プラスチックやセラミックス等で形成されることが好ましい。

　本実施形態では、刃部４のＸ方向外側にそれぞれ設けられたローラ１０は、刃部４を挟んで略対称に配置されている。そして、刃部４を挟んで対となったローラ１０は、図２および図３に示すように、それぞれＹ方向に直列に複数設けられている。

　複数個のローラ１０は、図４に示すように、各ローラ１０の中心部を相対回転自在に貫通した軸部１１によって軸支持されている。つまり、各ローラ１０には中心孔（孔部）１０ｈが形成されており、その中心孔１０ｈに軸部１１が僅かな隙間をもって挿通されることにより、各ローラ１０が回転自在となっている。

　このとき、刃ヘッドハウジング３２のＸ方向両側で対向する両辺３２ａ、３２ｂには、ローラ１０を配置するのに十分な深さをもって凹設部３２ｃが設けられている。そして、この凹設部３２ｃにローラ１０が浮いた状態で配置されるとともに、軸部１１の両端部が凹設部３２ｃを跨いで刃ヘッドハウジング３２に固定されている。

　ローラ１０は、刃部４で体毛Ｈを剃る際に肌表面Ｓに接触しつつ回転することにより、刃部４を肌表面Ｓに沿って移動させる際に外刃４１と肌表面Ｓとの摩擦力を低減させる機能を有している。したがって、ローラ１０は、外刃４１よりも肌表面Ｓ側（Ｚ方向）に所定量突出して配置されている。このとき、図３に示すように、軸部１１は、外刃４１のＹ方向に延在する先端形状に沿って緩やかに湾曲しており、その軸部１１に軸支持された複数個のローラ１０は、外刃４１に対してＺ方向に一様に僅かに突出している。

　なお、図４は、本発明の要部であるローラ１０および軸部１１を便宜上誇張して図３よりも拡大表示したものであり、そのためローラ１０や後述する支持部２０の数を少なく示しているが、実際は図３と同様であるとする。

　ところで、電気かみそり１で体毛Ｈを剃る際には、まず、図５（ａ）に示すように、ヘッド部３の刃部４を肌表面Ｓにあてがった後、同図（ｂ）に示すように、深剃りするために刃部４を肌表面Ｓに押し付けることになる。すると、ローラ１０が肌表面Ｓに接触し、この状態で電気かみそり１を移動するとローラ１０は肌表面Ｓに沿って回転しつつ刃部４によって体毛Ｈが切断される。このときのローラ１０の回転により、刃部４（図１参照）を移動させる際の摩擦力が低減されて移動抵抗を小さくできることになる。

　このとき、ローラ１０を回転させるにあたって、軸部１１が細ければ細い程、回転方向と逆向きに作用する転がり抵抗を小さくすることができ、ローラ１０をより円滑に回転させることができる。ところが、軸部１１を単に細くした場合には、図５（ｂ）に示すように、刃部４の押し付け（押付力Ｆ）に対する反力Ｒが部分的に作用して軸部１１が撓んでしまう。

　そこで、本実施形態では、図３および図４に示すように、ローラ１０を支持する軸部１１と刃ヘッドハウジング３２との間に、軸部１１の撓みを抑制する支持部（撓み防止部）２０を設けている。この支持部２０は、本実施形態では刃ヘッドハウジング３２から一体に突設されている。

　このとき、図６に示すように、支持部２０はその先端部を軸部１１に直接接触しつつ突き当てることにより、ローラ１０が肌表面Ｓに接触する側（図中上方）とは反対側（図中下側）から軸部１１を支持するようになっている。

　また、図７に示すように、支持部２０は、軸部１１の軸方向（Ｙ方向）に複数設けられている。なお、図７の説明図では、個々のローラ１０間に支持部２０が配置された場合を示しているが、支持部２０は、軸部１１の撓みを効果的に抑制できる間隔をもって配置されていれば足りる。したがって、実際には図３に示すように、適宜数のローラ１０間にのみ支持部２０を配置するようにしてもよい。この場合、軸部１１の軸方向略中央部を境として左右対称に配置するのが好適である。

　また、図８に示すように、ローラ１０を軸部１１の少なくとも軸方向略中央部に配置するとともに、このローラ１０の軸方向両側にそれぞれ支持部２０を配置することが好ましい。こうすれば、肌表面Ｓに当たる部分がローラ１０となり、刃部４の滑りをより良好にすることができる。

　以上により、本実施形態の電気かみそり１によれば、ローラ（回転体）１０を支持する軸部１１の撓みを抑制する支持部（撓み防止部）２０を設けている。そのため、刃部４で体毛Ｈを剃る際にローラ１０が肌表面Ｓに押し付けられた時に、ローラ１０を介して軸部１１に入力される反力Ｒを支持部２０によって効率良く受け止めることができる。よって、ローラ１０の回転抵抗を低減するために軸部１１を細くした場合にも、軸部１１の撓みを効率良く抑制することができる。

　したがって、このように軸部１１の撓みを規制することにより、ローラ１０が逃げるのを抑えて刃部４が移動する際の摩擦低減効果を維持できる上、軸部１１とローラ１０の中心孔１０ｈ端部との間に応力が集中してしまうのを抑制できる。よって、ローラ１０は肌表面Ｓにしっかりと接触しつつ円滑に回転するようになり、刃部４によってスムーズに体毛Ｈを剃ることができる。

　また、本実施形態によれば、支持部２０は、ローラ１０が肌表面Ｓに接触する側とは反対側から軸部１１を支持するようにしたので、ヘッド部３を肌表面Ｓに押し付けた際の反力を支持部２０でよりしっかりと受け止めることができる。これにより、軸部１１の撓みの抑制効果をより高めて、刃部４の剃り性を損なうことなく頑健な構造とすることができる。

　さらに、本実施形態によれば、支持部２０を、軸部１１の軸方向（Ｙ方向）に複数設けたので、軸部１１の撓みを全体的に略均等に抑制し易くなり、更に頑健な構造とすることができる。これにより、軸部１１の撓み抑制効果を更に高めて、刃部４が移動する際の摩擦低減効果をより一層向上することができる。

　さらにまた、本実施形態によれば、軸部１１の少なくとも軸方向略中央部にローラ１０を配置するとともに、そのローラ１０の軸方向両側に支持部２０を配置したので、肌表面Ｓに当たる部分がローラ１０となり、刃部４の滑りをより良好にできる。

［第２実施形態］
　図９は、本発明の第２実施形態を示した図であり、上記第１実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。

　本実施形態の電気かみそりが上記第１実施形態と主に異なる点は、軸部１１が挿通されるローラ１０の中心孔（孔部）１０ｈを、軸方向略中央部の径に対して軸方向両端部の径を大きく形成したことにある。

　すなわち、本実施形態では、上記第１実施形態と同様に撓み防止部としての支持部２０を設けて軸部１１の撓みを抑制できる構造としているが、それでも軸部１１に撓みが生じてしまうことが考えられる。この場合、軸部１１は、通常は図９に示すように僅かな屈曲を伴って略く字の状に撓むことになる。

　そこで、本実施形態では、軸部１１の屈曲形状に倣うように中心孔１０ｈの内面形状を予め形成したものであり、ローラ１０の中心孔１０ｈを軸方向略中央部の径に対して軸方向両端部の径が拡径する略鼓形状としてある。

　以上により、本実施形態によれば、ローラ１０の中心孔１０ｈを軸方向（Ｙ方向）略中央部の径に対して軸方向両端部の径を大きくしたので、軸部１１が撓んだ場合にも中心孔１０ｈの両端部と軸部１１との接触部に作用する応力を分散できる。これにより、ローラ１０と軸部１１との間の軋み音などの異音発生をより効果的に低減できるとともに、軸部１１が破損してしまうのをより一層抑制することができる。

［第３実施形態］
　図１０は、本発明の第３実施形態を示した図であり、上記第１および第２実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。

　本実施形態の電気かみそりが上記第２実施形態と主に異なる点は、ローラ１０Ａを多孔質の材料Ｍで形成したことにある。

　このときの多孔質材料Ｍとしては、例えばプラスチック焼結多孔質体、多孔質セラミックス、多孔質金属あるいは多孔質シリコン等を用いることができる。

　なお、図１０に示す例では、図９に示す第２実施形態と同様に、ローラ１０Ａの中心孔１０ｈを軸方向略中央部の径に対して軸方向両端部の径を大きくしてあるが、これに限ることなく、応力分散効果は低下するが一定径の中心孔１０ｈとすることもできる。

　以上により、本実施形態によれば、ローラ１０Ａを多孔質の材料Ｍで形成したので、ローラ１０Ａと肌表面Ｓとの間の摩擦力を高めてローラ１０Ａの転がり性を向上できるとともに、ローラ１０Ａの軽量化をも図ることができる。

　以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。

　例えば、上記実施形態では、支持部２０によって軸部１１を直接接触しつつ支持するようにしたが、これに限ることなく、図１１に示す変形例のように、ローラ１０を介して軸部１１を間接的に接触しつつ支持するようにしてもよい。この場合、支持部２０によって支持されるローラ１０においても、回転可能としておくのが好適である。

　また、上記実施形態では、撓み防止部をローラ１０が肌表面Ｓに接触する側とは反対側から軸部１１を支持する支持部２０として構成したが、この支持部２０に限ることなく、撓み防止部は軸部１１を支持できる他の構造または部材であってもよい。

１　電気かみそり（かみそり器）
４　刃部
１０、１０Ａ　ローラ（回転体）
１０ｈ　中心孔（孔部）
１１　軸部
２０　支持部（撓み防止部）
Ｈ　体毛
Ｓ　肌表面
Ｍ　多孔質の材料

Claims

　体毛を剃る刃部と、
　前記刃部で体毛を剃る際に肌表面に接触しつつ回転可能な回転体と、
　前記回転体の孔部に挿通されて当該回転体を支持する軸部と、
　前記軸部に直接または間接的に接触して当該軸部の撓みを抑制する撓み防止部と、を備えることを特徴とするかみそり器。
　前記撓み防止部は、前記回転体が肌表面に接触する側とは反対側から前記軸部を支持することを特徴とする請求項１に記載のかみそり器。
　前記撓み防止部を、前記軸部の軸方向に複数設けたことを特徴とする請求項１または２に記載のかみそり器。
　前記軸部の少なくとも軸方向略中央部に前記回転体を配置するとともに、当該回転体の軸方向両側に前記撓み防止部を配置したことを特徴とする請求項１または２に記載のかみそり器。
　前記回転体の孔部を、軸方向略中央部の径に対して軸方向両端部の径を大きくしたことを特徴とする請求項１または２に記載のかみそり器。
　前記回転体を、多孔質の材料で形成したことを特徴とする請求項１または２に記載のかみそり器。