以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返されない。
図1に示すように、本実施の形態に係る充電システム1は、車両10と、車両10の外部に設けられる充電装置である住宅450とを含む。車両10と住宅450とは、充電ケーブル300によって接続される。
なお、車両10は、充電可能な蓄電装置からの電力によって走行可能な車両であれば、その構成は特に限定されるものではない。車両10には、たとえばハイブリッド自動車および電気自動車などが含まれる。また、充電可能な蓄電装置が搭載された車両であれば、たとえば内燃機関によって走行する車両や燃料電池車両にも適用可能である。
車両10は、インレット270と、電力変換装置160と、リレー155と、蓄電装置150と、駆動部20と、車両側ECU(Electronic Control Unit)170と、第1PLC(Power Line Communications)装置172と、無線通信装置174と、入力部176と、通知部178と、電圧センサ182とを含む。
駆動部20は、モータ駆動装置180と、モータジュネレータ(以下「MG(Motor Generator)」とも称する。)120と、駆動輪130と、エンジン140と、動力分割機構145とを含む。
インレット270には、充電ケーブル300に備えられるコネクタ310が接続される。
電力変換装置160は、電力線ACL1,ACL2によってインレット270と接続される。電力変換装置160は、リレー155を介して蓄電装置150と接続される。電力変換装置160は、車両側ECU170からの制御信号PWEに基づいて、住宅450の系統電源402から供給される交流電力を、蓄電装置150が充電可能な直流電力に変換して、蓄電装置150に供給する。
蓄電装置150は、充放電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置150は、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池あるいは鉛蓄電池などの二次電池や、電気二重層キャパシタなどの蓄電素子を含んで構成される。
蓄電装置150は、電力変換装置160から供給される直流電力を蓄える。蓄電装置150は、MG120を駆動するモータ駆動装置180に接続される。蓄電装置150は、車両を走行するための駆動力の発生に用いられる直流電力を供給する。蓄電装置150は、MG120で発電された電力を蓄電する。
蓄電装置150は、いずれも図示しないが、蓄電装置150の電圧を検出するための電圧センサ、および、蓄電装置150に入出力される電流を検出するための電流センサをさらに含む。電圧センサは、検出した電圧を示す信号を車両側ECU170に送信する。電流センサは、検出した電流を示す信号を車両側ECU170に送信する。
モータ駆動装置180は、蓄電装置150およびMG120に接続される。モータ駆動装置180は、車両側ECU170によって制御されて、蓄電装置150から供給される電力を、MG120を駆動するための電力に変換する。モータ駆動装置180は、たとえば三相インバータを含む。
MG120は、モータ駆動装置180と、動力分割機構145を介在させて駆動輪130とに接続される。MG120は、モータ駆動装置180から供給された電力を受けて、車両10を走行させるための駆動力を発生する。また、MG120は、駆動輪130からの回転力を受けて交流電力を発生させることによって回生制動力を発生させる。車両側ECU170は、モータ駆動装置180に対して車両10の状態に応じて生成される回生トルク指令値を送信することによって回生制動力を制御する。MG120は、たとえば、永久磁石が埋設されたロータとY結線された三相コイルを有するステータとを備える三相交流電動発電機である。
MG120は、動力分割機構145を介在させてエンジン140とも接続される。車両側ECU170は、エンジン140およびMG120の駆動力が最適な比率となるように車両10を制御する。MG120は、エンジン140により駆動されることによって、発電機として動作する。MG120によって発電された電力は、蓄電装置150に蓄電される。MG120によって発電された電力は、蓄電装置150の電力とともにインレット270を通して住宅450の系統電源402に接続された電気機器に供給されてもよい。
電圧センサ182は、電力線ACL1とACL2との間に接続され、電力線ACL1とACL2との間の電圧VACを検出する。電圧センサ182は、電圧VACを示す信号を車両側ECU170に送信する。
リレー155は、電力変換装置160と蓄電装置150とを結ぶ経路に介挿される。リレー155は、車両側ECU170からの制御信号SEによって制御され、電力変換装置160と蓄電装置150との間の電力の供給と遮断とを切り替える。なお、本実施の形態においては、リレー155は、蓄電装置150または電力変換装置160とは別に設けられるが、蓄電装置150または電力変換装置160に内蔵されてもよい。
車両側ECU170は、CPU(Central Processing Unit)(図1において図示せず)と、記憶装置または入出力バッファ等としての機能を有するメモリ171とを含む。車両側ECU170は、各センサ等からの信号の受信や各機器への制御指令の送信を行なうとともに、車両10および各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で構築して処理することも可能である。
車両側ECU170は、充電ケーブル300から、インレット270を経由して、接続信号CNCTおよびパイロット信号CPLTを受信する。車両側ECU170は、電圧センサ182から電圧VACの検出値を受信する。
車両側ECU170は、蓄電装置150内に設置されたセンサ(図示せず)から電流、電圧、温度に関する検出値を受信して、蓄電装置150の残容量を示すSOC(State of Charge)を算出する。
車両側ECU170は、これらの情報に基づいて、蓄電装置150を充電するために、電力変換装置160およびリレー155などを制御する。
第1PLC装置172は、電力線241に接続される。第1PLC装置172は、住宅450の電力線441に接続された第2PLC装置404との間で電力線通信を行なう。第1PLC装置172と第2PLC装置404との間での電力線通信において、電力線241,341,441が通信経路として利用される。第1PLC装置172と第2PLC装置404との間での電力線通信は、充電ケーブル300が車両10および住宅450の双方に接続されることにより、すなわち、コンセント400とプラグ320とが接続され、かつ、コネクタ310とインレット270とが接続されることにより可能となる。
第1PLC装置172は、たとえば、モデムを含む。第1PLC装置172は、住宅450の第2PLC装置404から高周波信号を電力線241を経由して受信する場合、受信した高周波信号からデータを復調する。第1PLC装置172は、復調したデータを車両側ECU170に送信する。
また、第1PLC装置172は、車両側ECU170からデータを受信する場合に、受信したデータを高周波信号に変調する。第1PLC装置172は、変調した高周波信号を電力線241に出力する。
なお、系統電源402の交流電力の周波数が、たとえば、50Hzまたは60Hzである場合、電力通信時に第1PLC装置172と第2PLC装置404との間で授受される高周波信号の周波数は、たとえば、数MHz~数10MHzである。
無線通信装置174は、車両10の外部の無線通信装置と無線通信を行なう。本実施の形態において無線通信装置174は、住宅450内の無線通信装置408と無線通信を行なう。
なお、無線通信には、たとえば、Zigbee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11、あるいは、赤外線通信等の無線通信の規格が用いられるが、特にこれらの規格に限定されるものではない。
入力部176は、車両10において、利用者からの指示を受けるためのインターフェースである。入力部176は、利用者から受けた指示に対応する信号を車両側ECU170に送信する。
本実施の形態において、入力部176は、たとえば、利用者が希望する外部充電の開始時刻および/または終了時刻についての情報(以下、予約情報と記載する)の入力を受ける。本実施の形態において外部充電は、車両10の蓄電装置150に対する系統電源402を用いた充電をいう。予約の有無に応じた外部充電の動作については後述する。
予約情報の入力は、たとえば、時刻に対応する数値を直接する入力、表示装置に表示される時刻を希望する時刻に変更する入力、表示装置に表示される複数の時刻から一つを選択する入力あるいはリモコンや携帯端末を用いた入力等により可能である。
入力部176は、たとえば、ボタンやダイヤル等により構成されてもよいし、タッチパネル上に表示されるアイコン等により構成されてもよいし、あるいは、リモコンや携帯端末から予約情報を含むデータを受信する受信装置であってもよい。
本実施の形態において、車両側ECU170は、入力部176から受けた信号に基づいて予約情報を確定し、確定した予約情報をメモリ171に記憶させる。
通知部178は、車両10内の利用者に対して所定の情報を通知する。本実施の形態において、通知部178は、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display)やLED(Light Emitting Diode)等により構成される表示装置を用いて利用者に対して所定の情報を通知する。なお、通知部178は、たとえば、音あるいは音声を発生させる音発生装置を用いて利用者に対して所定の情報を通知してもよい。
充電ケーブル300は、車両側の端部に設けられたコネクタ310と、系統電源側の端部に設けられたプラグ320と、充電回路遮断装置(以下、「CCID(Charging Circuit Interrupt Device)」とも称する。)330と、それぞれの機器間を接続して電力および制御信号を入出力する電線部340とを備える。充電ケーブル300は、車両10側に含まれるものであってもよいし、住宅450に含まれるものであってもよい。
電線部340は、プラグ320とCCID330との間を接続する電線部340Aと、コネクタ310とCCID330との間を接続する電線部340Bとを含む。また、電線部340は、系統電源402からの電力を伝達するための電力線341を含む。
充電ケーブル300のプラグ320は、外部充電を行なう場合に住宅450の系統電源402のコンセント400に接続される。また、充電ケーブル300のコネクタ310は、外部充電を行なう場合に車両10のボディに設けられたインレット270に接続される。プラグ320とコンセント400とが接続され、コネクタ310とインレット270とが接続されることによって、系統電源402からの電力が車両10に伝達される。プラグ320は、コンセント400に取り付けたり、コンセント400から取り外したりすることができる。コネクタ310は、インレット270に取り付けたり、インレット270から取り外したりすることができる。
コネクタ310の内部には、接続検出回路312が設けられる。接続検出回路312は、インレット270とコネクタ310との接続状態を検出する。接続検出回路312は、接続状態を示す接続信号CNCTを、インレット270を経由して、車両10の車両側ECU170へ送信する。
接続検出回路312については、図1に示すようなリミットスイッチとする構成とし、コネクタ310をインレット270に接続したときに、接続信号CNCTの電位が接地電位(0V)となるようにしてもよい。あるいは、接続検出回路312を所定の抵抗値を有する抵抗器(図示しない)とする構成とし、接続時に接続信号CNCTの電位を所定の電位に低下させるようにしてもよい。いずれの場合においても、車両側ECU170は、接続信号CNCTの電位を検出することによって、コネクタ310がインレット270に接続されたことを検出する。
CCID330は、CCIDリレー332と、コントロールパイロット回路334とを含む。CCIDリレー332は、充電ケーブル300内の電力線341に介挿される。CCIDリレー332は、コントロールパイロット回路334によって制御される。CCIDリレー332が開状態になるときは、電力線341の電路が遮断される。一方、CCIDリレー332が閉状態になるときは、系統電源402から車両10へ電力が供給される。
コントロールパイロット回路334は、コネクタ310およびインレット270を経由して車両側ECU170へパイロット信号CPLTを出力する。このパイロット信号CPLTは、コントロールパイロット回路334から車両側ECU170へ充電ケーブル300の定格電流を通知するための信号である。また、パイロット信号CPLTは、車両側ECU170によって操作されるパイロット信号CPLTの電位に基づいて、車両側ECU170からCCIDリレー332を遠隔操作するための信号としても使用される。そして、コントロールパイロット回路334は、パイロット信号CPLTの電位変化に基づいてCCIDリレー332を制御する。
上述のパイロット信号CPLTおよび接続信号CNCT、ならびに、インレット270およびコネクタ310の形状、端子配置などの構成は、たとえば、米国のSAE(Society of Automotive Engineers)や日本電動車両協会等において規格化されている。
住宅450は、コンセント400と、系統電源402と、第2PLC装置404と、住宅側ECU406と、無線通信装置408と、入力部410と、通知部412と、切替部414と、電気負荷416と、電力線441とを含む。
本実施の形態において、住宅450内の系統電源402と住宅側ECU406が車両10の蓄電装置150を車両側ECU170と連携して外部充電するための充電装置に対応する。この充電装置は、住宅450内の系統電源402に接続された複数の電気機器のうちの少なくともいずれか一つの電力の使用量を調整するための電力管理システムの一部となる。
本実施の形態において、系統電源402は、交流電源であるとして説明するが、たとえば、直流電源であってもよい。
第2PLC装置404は、電力線441に接続される。第2PLC装置404は、第1PLC装置172との間で電力線通信を行なう。
第2PLC装置404は、たとえば、モデムを含む。第2PLC装置404は、車両10の第1PLC装置172から高周波信号を電力線441を経由して受信する場合、受信した高周波信号からデータを復調する。第2PLC装置404は、復調したデータを住宅側ECU406に送信する。
また、第2PLC装置404は、住宅側ECU406からデータを受信する場合に、受信したデータを高周波信号に変調する。第2PLC装置404は、変調した高周波信号を電力線441に出力する。
住宅側ECU406は、CPU(図示せず)と、記憶装置または入出力バッファ等としての機能を有するメモリ407とを含む。住宅側ECU406は、車両側ECU170と通信が可能となった場合に、車両側ECU170を経由して、車両10に設けられる各センサ等からの信号の受信や車両10に搭載された各機器への制御指令の出力を行なうとともに、各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で構築して処理することも可能である。
無線通信装置408は、住宅450の外部あるいは内部の無線通信装置と無線通信を行なう。本実施の形態において無線通信装置408は、車両10の無線通信装置174との間で無線通信を行なう。
車両側ECU170と住宅側ECU406との通信は、コンセント400とプラグ320とが接続され、かつ、コネクタ310とインレット270とが接続された場合に行なわれてもよいし、あるいは、車両10と住宅450とが通信可能な範囲内である場合に行なわれてもよい。
本実施の形態においては、コンセント400とプラグ320とが接続され、かつ、コネクタ310とインレット270とが接続された場合に、車両側ECU170と住宅側ECU406とが連携して外部充電を行なう。
車両側ECU170と住宅側ECU406とは、コンセント400とプラグ320とが接続され、かつ、コネクタ310とインレット270とが接続された場合に、無線通信装置174と無線通信装置408とを用いた無線通信により通信を行なってもよい。
あるいは、車両側ECU170と住宅側ECU406とは、コンセント400とプラグ320とが接続され、かつ、コネクタ310とインレット270とが接続された場合に、第1PLC装置172と第2PLC装置404とを用いた電力線通信により通信を行なってもよい。
あるいは、車両側ECU170と住宅側ECU406とは、コンセント400とプラグ320とが接続され、かつ、コネクタ310とインレット270とが接続された場合に、上述の無線通信と電力線通信とを併用して通信を行なってもよい。
なお、通信方法としては、上記の方法に特に限定されるものではない。たとえば、図1の破線に示すように、車両側ECU170と、住宅側ECU406との間を、インレット270、コネクタ310、プラグ320およびコンセント400を経由して接続する通信線を設けてもよい。車両側ECU170と住宅側ECU406とは、コンセント400とプラグ320とが接続され、かつ、コネクタ310とインレット270とが接続された場合に、当該通信線を用いて通信を行なってもよい。
入力部410は、住宅450において、利用者からの指示を受けるためのインターフェースである。入力部410は受けた指示に対応する信号を住宅側ECU406に送信する。
本実施の形態において、入力部410は、たとえば、利用者からの予約情報の入力を受ける。予約情報の入力は、たとえば、時刻に対応する数値を直接する入力、表示装置に表示される時刻を希望する時刻に変更する入力、表示装置に表示される複数の時刻から一つを選択する入力あるいはリモコンや携帯端末を用いた入力等により可能である。
入力部410は、たとえば、ボタンやダイヤル等により構成されてもよいし、タッチパネル上に表示されるアイコン等により構成されてもよいし、あるいは、リモコンや携帯端末から予約情報を含むデータを受信する受信装置であってもよい。
本実施の形態において、住宅側ECU406は、入力部410から受けた信号に基づいて予約情報を確定し、確定した予約情報をメモリ407に記憶させる。
通知部412は、住宅450内の利用者に対して所定の情報を通知する。本実施の形態において、通知部412は、たとえば、LCDやLED等により構成される表示装置を用いて利用者に対して所定の情報を通知する。なお、通知部178は、たとえば、音あるいは音声を発生させる音発生装置を用いて利用者に対して所定の情報を通知してもよい。
切替部414は、住宅側ECU406からの制御信号S1に基づいて、電力線441に、電気負荷416と、系統電源402とが互いに並列に接続された第1状態と、系統電源402が切り離された第2状態とのうちのいずれか一方の状態から他方の状態に切り替える。
第1状態である場合においては、系統電源402の電力は、電気負荷416に供給される。さらに、系統電源402の電力は、コンセント400とプラグ320とが接続され、かつ、コネクタ310とインレット270とが接続された場合に車両10にも供給され得る。
一方、第2状態である場合においては、車両10が電気負荷416の電源となる。具体的には、住宅側ECU406は、車両側ECU170を経由して、蓄電装置150の直流電力が交流電力に変換されるように電力変換装置を制御し、変換された交流電力が電力線241,341,441を経由して電気負荷416に供給されるようにCCIDリレー332を制御する。
電気負荷416は、住宅450内あるいは住宅450の敷地内に設けられる電気機器である。電気負荷416は、たとえば、住宅側ECU406からの制御信号S2に応じて動作が制御されることによって、電力消費量等が調整されてもよい。住宅側ECU406は、たとえば、系統電源402の供給元(たとえば、電力会社等)における電力需要のピークを含む時間帯の一部または全部を含む所定期間において、第1状態から第2状態に切り換わるように切替部414を制御してもよい。
図2は、図1に示した充電システム1の構成をより詳細に説明するための図である。なお、図2において、図1と同じ参照符号が付された重複する要素についての説明は繰り返されない。
図2を参照して、CCID330は、CCIDリレー332およびコントロールパイロット回路334に加えて、電磁コイル606と、漏電検出器608と、CCID制御部610と、電圧センサ650と、電流センサ660とをさらに含む。コントロールパイロット回路334は、発振装置602と、抵抗R20と、電圧センサ604とを含む。
CCID制御部610は、いずれも図示しないが、CPUと、記憶装置と、入出力バッファとを含む。CCID制御部610は、各センサおよびコントロールパイロット回路334の信号の入出力を行なうとともに、充電ケーブル300の充電動作を制御する。
発振装置602は、電圧センサ604によって検出されるパイロット信号CPLTの電位が規定の電位(たとえば、12V)のときは非発振の信号を出力する。発振装置602は、パイロット信号CPLTの電位が上記の規定の電位から低下したとき(たとえば、9V)は、CCID制御部610により制御されて、規定の周波数(たとえば1kHz)およびデューティサイクルで発振する信号を出力する。
なお、パイロット信号CPLTの電位は、図3で後述するように、車両側ECU170によって操作される。また、デューティサイクルは、系統電源402から充電ケーブル300を経由して車両10へ供給可能な定格電流に基づいて設定される。
パイロット信号CPLTは、上述のようにパイロット信号CPLTの電位が規定の電位から低下すると、規定の周期で発振される。パイロット信号CPLTのパルス幅は、系統電源402から充電ケーブル300を経由して車両10へ供給可能な定格電流に基づいて設定される。すなわち、この発振周期に対するパルス幅の比で示されるデューティによって、パイロット信号CPLTを用いてコントロールパイロット回路334から車両10の車両側ECU170へ定格電流が通知される。
なお、定格電流は、充電ケーブル毎に定められており、充電ケーブル300の種類が異なれば定格電流も異なる。したがって、充電ケーブル300毎にパイロット信号CPLTのデューティも異なることになる。
車両側ECU170は、コントロールパイロット線L1を介して受信したパイロット信号CPLTのデューティに基づいて、充電ケーブル300を介して車両10へ供給可能な定格電流を検出することができる。
車両側ECU170によってパイロット信号CPLTの電位がさらに低下されると(たとえば、6V)、コントロールパイロット回路334は、電磁コイル606へ電流を供給する。電磁コイル606は、コントロールパイロット回路334から電流が供給されると電磁力を発生し、CCIDリレー332の接点を閉じて導通状態にする。
漏電検出器608は、CCID330内部において充電ケーブル300の電力線341の途中に設けられ、漏電の有無を検出する。具体的には、漏電検出器608は、対となる電力線341に互いに反対方向に流れる電流の平衡状態を検出し、その平衡状態が破綻すると漏電の発生を検出する。なお、特に図示しないが、漏電検出器608により漏電が検出されると、電磁コイル606への給電が遮断され、CCIDリレー332の接点が開放されて非導通状態となる。
電圧センサ650は、プラグ320がコンセント400に差し込まれると、系統電源402から伝達される電源電圧を検出し、その検出値をCCID制御部610に送信する。また、電流センサ660は、電力線341に流れる充電電流を検出し、その検出値をCCID制御部610に送信する。
コネクタ310内に含まれる接続検出回路312は、上述のように、たとえばリミットスイッチであり、コネクタ310がインレット270に接続された状態で接点が閉じられ、コネクタ310がインレット270から切り離された状態で接点が開放される。
コネクタ310がインレット270から切り離された状態では、車両側ECU170に含まれる電源ノード511の電圧およびプルアップ抵抗R10によって定まる電圧信号が接続信号CNCTとして接続信号線L3に発生する。また、コネクタ310がインレット270に接続された状態では、接続信号線L3が接地線L2と短絡されるため、接続信号線L3の電位は接地電位(0V)となる。
なお、接続検出回路312は抵抗器(図示せず)とすることも可能である。この場合には、コネクタ310がインレット270に接続された状態では、電源ノード511の電圧およびプルアップ抵抗R10と、この抵抗器とによって定まる電圧信号が、接続信号線L3に発生する。
接続検出回路312が、上記のようにリミットスイッチ,抵抗器のいずれの場合であっても、コネクタ310がインレット270に接続されたときと、切り離されたときとで、接続信号線L3に発生する電位(すなわち、接続信号CNCTの電位)が変化する。したがって、接続信号線L3の電位を検出することによって、車両側ECU170は、コネクタ310の接続状態を検出することができる。
車両10においては、車両側ECU170は、上記の電源ノード511およびプルアップ抵抗R10に加えて、抵抗回路502と、入力バッファ504,506と、CPU508とをさらに含む。入力バッファ504,506は、図1のメモリ171に含まれる。
抵抗回路502は、プルダウン抵抗R1,R2と、スイッチSW1,SW2とを含む。プルダウン抵抗R1およびスイッチSW1は、パイロット信号CPLTが通信されるコントロールパイロット線L1と車両アース512との間に直列に接続される。プルダウン抵抗R2およびスイッチSW2も、コントロールパイロット線L1と車両アース512との間に直列に接続される。そして、スイッチSW1,SW2は、それぞれCPU508からの制御信号S1,S2に従って導通または非導通に制御される。
この抵抗回路502は、車両10側からパイロット信号CPLTの電位を操作するための回路である。
入力バッファ504は、コントロールパイロット線L1のパイロット信号CPLTを受け、その受けたパイロット信号CPLTをCPU508へ出力する。入力バッファ506は、コネクタ310の接続検出回路312に接続される接続信号線L3から接続信号CNCTを受け、その受けた接続信号CNCTをCPU508へ出力する。なお、接続信号線L3には上記で説明したように車両側ECU170から電圧がかけられており、コネクタ310のインレット270への接続によって、接続信号CNCTの電位が変化する。CPU508は、この接続信号CNCTの電位を検出することによって、コネクタ310の接続状態を検出する。
CPU508は、入力バッファ504,506から、パイロット信号CPLTおよび接続信号CNCTをそれぞれ受ける。
CPU508は、接続信号CNCTの電位を検出し、コネクタ310の接続状態を検出する。
CPU508は、パイロット信号CPLTの発振状態およびデューティサイクルを検出することによって、上述のように充電ケーブル300の定格電流を検出する。
CPU508は、接続信号CNCTの電位およびパイロット信号CPLTの発振状態に基づいて、スイッチSW1,SW2の制御信号S1,S2を制御することによって、パイロット信号CPLTの電位を操作する。これによって、CPU508は、CCIDリレー332を遠隔操作することができる。そして、充電ケーブル300を経由して系統電源402から車両10への電力の伝達が行なわれる。
図1および図2を参照して、CCIDリレー332の接点が閉じられると、電力変換装置160に系統電源402からの交流電力が与えられ、系統電源402から蓄電装置150への充電準備が完了する。CPU508は、電力変換装置160に対し制御信号PWEを出力することによって、系統電源402からの交流電力を蓄電装置150が充電可能な直流電力に変換する。CPU508は、制御信号SEを出力してリレー155の接点を閉じることにより、蓄電装置150への充電を実行する。
図3は、図2の充電システムによる外部充電のシーケンスを説明するためのタイムチャートである。図3の横軸には時間が示され、縦軸にはプラグ320の接続状態、パイロット信号CPLTの電位、接続信号CNCTの電位、スイッチSW1,SW2の状態、CCIDリレー332の状態、および充電処理の実行状態が示される。
図2および図3を参照して、時刻t10になるまでは、充電ケーブル300は、車両10および系統電源402のいずれにも接続されていない状態である。この状態においては、スイッチSW1,SW2およびCCIDリレー332はオフの状態であり、パイロット信号CPLTの電位は0Vである。また、接続信号CNCTの電位は、V11(>0V)である。
時刻t10において、充電ケーブル300のプラグ320が系統電源402のコンセント400に接続されると、系統電源402からの電力を受けてコントロールパイロット回路334がパイロット信号CPLTを発生する。
なお、この時刻t10では、充電ケーブル300のコネクタ310はインレット270に接続されていない。パイロット信号CPLTの電位はV1(たとえば12V)であり、パイロット信号CPLTは非発振状態である。
時刻t11において、コネクタ310がインレット270に接続されると、接続検出回路312によって、接続信号CNCTの電位が低下する。
CPU508は、接続信号CNCTの電位が低下したことを検出することによって、コネクタ310とインレット270との接続を検出する。それに応じて、CPU508によって制御信号S1が活性化されて、スイッチSW1がオンされる。そうすると、抵抗回路502のプルダウン抵抗R1によってパイロット信号CPLTの電位はV2(たとえば9V)に低下する。
時刻t12において、CCID制御部610によってパイロット信号CPLTの電位がV2に低下したことが検出される。これに応じて、CCID制御部610は、パイロット信号CPLTを発振周期Tchr(=1/Fchr)で発振させる。なお、Fchrは発振周波数を示す。
CPU508は、パイロット信号CPLTが発振されたことを検出すると、上述のようにパイロット信号CPLTのデューティによって、充電ケーブル300の定格電流を検出する。
そして、CPU508は充電動作を開始するために制御信号S2を活性化させてスイッチSW2をオンする。これに応じて、プルダウン抵抗R2によって、パイロット信号CPLTの電位がV3(たとえば6V)に低下する(図3中の時刻t13)。
このパイロット信号CPLTの電位がV3に低下したことが、CCID制御部610によって検出されると、時刻t14においてCCIDリレー332の接点が閉じられて、系統電源402からの電力が充電ケーブル300を介して車両10に伝達される。
その後、車両10において交流電圧VACが検出されると、CPU508によってリレー155(図1)の接点が閉じられるとともに、電力変換装置160(図1)が制御されることによって、蓄電装置150(図1)の充電が開始される(図3中の時刻t15)。
蓄電装置150の充電が進み、蓄電装置150が満充電となったことが判定されると、CPU508は充電処理を終了する(図3中の時刻t16)。そして、CPU508は、制御信号S2を非活性化してスイッチSW2を非導通状態とする(図3中の時刻t17)。これによって、パイロット信号CPLTの電位がV2となり、それに応じて充電処理が停止されるとともにCCIDリレー332が非導通状態とされて(時刻t18)、充電動作が終了する。その後、CPU508が、制御信号S1を非活性化してスイッチSW1を非導通状態とすることによって、システムが遮断される。
以上のような構成を有する車両10においては、プラグ320とコンセント400とが接続され、かつ、コネクタ310とインレット270が接続された場合であって、かつ、外部充電が予約されていない場合には、図3で示したようなシーケンスに従って充電が開始される。外部充電が予約されていない場合とは、車両側ECU170のメモリ171および住宅側ECU406のメモリ407のいずれにも予約情報が記憶されていない場合をいう。
一方、外部充電が予約されている場合には、プラグ320とコンセント400とが接続され、かつ、コネクタ310とインレット270が接続されたときでも、直ちに充電は開始されず、予約された時刻(開始時刻または終了時刻)に基づいて充電が開始される。外部充電が予約されている場合とは、車両側ECU170のメモリ171および住宅側ECU406のメモリ407のうちの少なくともいずれか一方に予約情報が記憶されている場合をいう。
住宅側ECU406は、車両側ECU170のメモリ171および住宅側ECU406のメモリ407のうちのいずれか一方に記憶される予約情報にしたがって蓄電装置150の外部充電を行なうように車両側ECU170を経由して車両10を制御する。
住宅側ECU406は、たとえば、現在時刻が予約情報に含まれる開始時刻(あるいは終了時刻から算出される開始時刻)よりも前であると、スイッチSW2をオン状態にせずに待機し、現在時刻が開始時刻になると、CCIDリレー332を閉じるとともに、電力変換装置160を作動させることによって、蓄電装置150の外部充電を開始する。
住宅側ECU406は、予約情報に終了時刻が含まれる場合には、終了時刻から充電を完了するために必要な時間(以下、充電必要時間Treqと記載する)だけ遡ることによって開始時刻を決定する。
住宅側ECU406において、正確な開始時刻を決定するためには、この充電必要時間Treqを精度高く把握する必要がある。しかしながら、住宅450に接続される車両の種類によっては、充電必要時間Treqを精度高く把握するために必要な情報が提供されない場合がある。
そこで、本実施の形態においては、住宅側ECU406において外部充電の終了時刻が予約された場合に、住宅側ECU406が予約された終了時刻を車両側ECU170に送信し、車両側ECU170が住宅側ECU406から受信した終了時刻に基づいて外部充電に要する充電必要時間Treqを算出する点に特徴を有する。
図4を参照して、本実施の形態における住宅側ECU406で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、住宅側ECU406は、予約時刻の設定時であるか否かを判定する。住宅側ECU406は、たとえば、利用者の操作に応じて外部充電の予約時刻を受け付けるための予約受付メニューを通知部412に表示させている等の予約受付モードが起動中である場合やリモコン等から入力部410を経由して予約情報を受信した場合には、予約時刻の設定時であると判定してもよい。
予約時刻の設定時である場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでない場合(S100にてNO)、処理はS100に戻される。なお、住宅側ECU406は、たとえば、予約時刻の設定時であると判定した場合に、上述の無線通信あるいは電力線または通信線を用いた有線通信により予約時刻の設定時であることを示す信号を車両側ECU170に送信してもよい。
S102にて、住宅側ECU406は、利用者により外部充電の終了時刻が入力されたか否かを判定する。住宅側ECU406は、たとえば、メモリ407の所定の記憶領域に終了時刻に対応する値が予約情報として記憶された場合に、利用者により外部充電の終了時刻が入力されたと判定してもよい。また、住宅側ECU406は、たとえば、終了時刻が入力されることなく予約受付モードが終了した場合には、利用者により外部充電の終了時刻が入力されていないと判定してもよい。利用者により外部充電の終了時刻が入力された場合(S102にてYES)、処理はS104に移される。もしそうでない場合(S102)、この処理は終了する。
S104にて、住宅側ECU406は、車両側ECU170に対して入力された終了時刻を送信する。住宅側ECU406は、たとえば、上述の無線通信あるいは有線通信により入力された終了時刻を車両側ECU170に送信する。
S106にて、住宅側ECU406は、車両側ECU170から送信された充電必要時間Treqを受信するか否かを判定する。車両側ECU170から送信された充電必要時間Treqを受信した場合(S106にてYES)、処理はS108に移される。もしそうでない場合(S106にてNO)、処理はS106に戻される。
S108にて、住宅側ECU406は、受信した充電必要時間Treqと終了時刻とに基づいて外部充電の開始時刻を決定する。具体的には、住宅側ECU406は、終了時刻から充電必要時間Treqだけ遡った時刻を外部充電の開始時刻として決定する。住宅側ECU406は、終了時刻と開始時刻とを対応づけた予約情報をメモリ407に記憶させる。
なお、本実施の形態においては、住宅側ECU406は、終了時刻から充電必要時間Treqだけ遡った時刻を外部充電の開始時刻として決定するとして説明したが、このような動作に限定されるものではない。
住宅側ECU406は、終了時刻と、充電必要時間Treqとに基づいて系統電源402に接続される電気機器の電力の受給を管理するための処理を実行する。系統電源402に接続される電気機器は、住宅450内の電気機器および車両10に搭載される電気機器を含むものとする。
電気機器の電力の受給を管理するための処理とは、たとえば、予め定められたパラメータに基づいて電気機器の作動量を制御することをいう。予め定められたパラメータとは、たとえば、電気機器の電力使用量、利用時間、利用コストあるいは電気機器の使用による二酸化炭素の排出量等をいう。
予め定められたパラメータに基づく電気機器の作動量の制御は、たとえば、系統電源402に対する電力需要が高くなる時間帯を避けて電気機器を作動させる制御、利用コストが低い時間帯に電気機器を作動させる制御、所定期間の電力使用量が目標値を超えないように電気機器の作動量を調整する制御、二酸化炭素の排出量が目標値を超えないように電気機器の作動量を調整したり、系統電源402以外の補助電源を利用する制御を含む。
系統電源402以外の補助電源は、たとえば、太陽光発電システムであってもよいし、車両10に搭載された蓄電装置150以外の蓄電装置であってもよい。すなわち、電気機器の電力の受給を管理するための処理としては、車両10に搭載された蓄電装置150以外の蓄電装置の充放電制御を含む。
次に、図4を参照して、本実施のおける車両側ECU170で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
S200にて、車両側ECU170は、予約時刻の設定時であるか否かを判定する。車両側ECU170は、たとえば、住宅側ECU406から上述の無線通信あるいは有線通信により予約時刻の設定時であることを示す信号を受信した場合に、予約時刻の設定時であると判定してもよい。予約時刻の設定時である場合(S200にてYES)、処理はS202に移される。もしそうでない場合(S200にてNO)、処理はS200に戻される。
S202にて、車両側ECU170は、住宅側ECU406から送信された外部充電の終了時刻を受信するか否かを判定する。住宅側ECU406から送信された外部充電の終了時刻を受信する場合(S202にてYES)、処理はS204に移される。もしそうでない場合(S202にてNO)、処理はS200に戻される。
S204にて、車両側ECU170は、充電開始時のSOC_sと、充電終了時のSOC_eと、電池容量Q_bと、充電パワーP_chrgとに基づいて充電必要時間Treqを算出する。本実施の形態において、車両側ECU170は、充電必要時間Treq=Q_b×(SOC_e-SOC_s)/100/P_chrgの式を用いて充電必要時間Treqを算出する。なお、Q_b×(SOC_e-SOC_s)/100の部分が蓄電装置150の充電に必要な充電電力量に相当する。
車両側ECU170は、たとえば、蓄電装置150の現在のSOCを充電開始時のSOC_sとして決定してもよい。あるいは、車両側ECU170は、受信した終了時刻に基づいて充電開始時のSOC_sを決定してもよい。車両側ECU170は、たとえば、終了時刻よりも前に蓄電装置150の他の充放電制御が予定されている場合には、予定されている他の充放電制御の終了後の蓄電装置150のSOCの予測値を充電開始時のSOC_sとして決定してもよい。
充電終了時のSOC_eは、蓄電装置150が満充電状態である場合に対応するSOCであってもよいし、あるいは、車両側ECU170によって決定されてもよい。車両側ECU170は、たとえば、利用者の要求に応じてあるいは車両10の状態に基づいて充電終了時のSOC_eを決定してもよい。
電池容量Q_bは、時間の経過とともに劣化により低下するため、車両側ECU170は、所定のタイミング(たとえば、外部充電の終了時)で電池容量Q_bを更新する。車両側ECU170は、たとえば、充電前後のSOCの変化量と充電電流に基づく充電量とに基づいて電池容量Q_bを算出する。
車両側ECU170は、充電装置である住宅450から車両10に供給可能な電力の上限値と、蓄電装置150において受け入れ可能な電力の上限値とのうちのいずれか小さい方を充電パワーP_chrgとして決定する。車両側ECU170は、たとえば、上述したようにコントロールパイロット回路334から通知される定格電流に基づいて住宅450から車両10に供給可能な電力の上限値を特定してもよいし、あるいは、住宅側ECU406から住宅450から車両10に供給可能な電力の上限値を示す信号を上述の無線通信あるいは有線通信により受信してもよい。
S206にて、車両側ECU170は、算出した充電必要時間Treqを住宅側ECU406に送信する。
次に図5を参照して、住宅側ECU406において実行される予約充電処理のプログラムの制御構造について説明する。
S300にて、住宅側ECU406は、充電ケーブル300が車両10および住宅450の各々に対して接続状態であるか否かを判定する。車両側ECU170は、プラグ320とコンセント400とが接続され、かつ、コネクタ310とインレット270とが接続された状態である場合に、充電ケーブル300が接続状態であることを示す信号を上述した無線通信あるいは有線通信を用いて住宅側ECU406に送信する。
住宅側ECU406は、車両側ECU170から充電ケーブル300が接続状態であることを示す信号を受信した場合に、充電ケーブル300が接続状態であると判定する。
充電ケーブル300が接続状態である場合(S300にてYES)、処理はS302に移される。もしそうでない場合(S300にてNO)、処理はS300に戻される。
S302にて、住宅側ECU406は、車両10が予約による外部充電が可能な車両であるか否かを判定する。車両側ECU170は、充電ケーブル300が接続状態となる場合に、予約による外部充電が可能な車両であるか否かを特定するための車両情報を上述の無線通信あるいは有線通信を用いて住宅側ECU406に送信する。住宅側ECU406は、車両側ECU170から受信した車両情報に基づいて車両10が予約による外部充電が可能な車両であるか否かを判定する。
車両10が予約による外部充電が可能な車両である場合(S302にてYES)、処理はS304に移される。もしそうでない場合(S302にてNO)、処理はS308に移される。
S304にて、住宅側ECU406は、メモリ407に予約情報が記憶されているか否かを判定する。メモリ407に予約情報が記憶されている場合(S304にてYES)、処理はS306に移される。もしそうでない場合(S304にてNO)、処理はS308に移される。
S306にて、住宅側ECU406は、現在時刻が予約情報に含まれる開始時刻であるか否かを判定する。現在時刻が開始時刻である場合(S306にてYES)、処理はS308に移される。もしそうでない場合(S306にてNO)、処理はS306に戻される。
S308にて、住宅側ECU406は、充電制御を実行する。具体的には、住宅側ECU406が、車両側ECU170を経由して、CCIDリレー332を閉じるとともに、電力変換装置160を作動させることによって、蓄電装置150の外部充電が行なわれる。
S310にて、住宅側ECU406は、充電が完了したか否かを判定する。住宅側ECU406は、たとえば、現在時刻が終了時刻である場合に充電が完了したと判定してもよい。あるいは、住宅側ECU406は、たとえば、蓄電装置150のSOCが満充電状態に対応するしきい値以上となる場合に充電が完了したと判定してもよい。充電が完了した場合(S310にてYES)、処理はS312に移される。もしそうでない場合(S310にてNO)、処理はS310に戻される。
S312にて、住宅側ECU406は、充電制御を停止させる。具体的には、住宅側ECU406は、車両側ECU170を経由して、電力変換装置160の作動を停止させるとともに、CCIDリレー332を非導通状態とする。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態における車両側ECU170および住宅側ECU406の各々の動作について説明する。
<開始時刻の決定>
たとえば、利用者が住宅450の入力部176に対する操作により通知部412において外部充電の予約受付メニューが表示されている場合を想定する(S100にてYES、S200にてYES)。利用者により入力部176に対して終了時刻が入力された場合に(S102にてYES)、住宅側ECU406は、車両側ECU170に対して入力された終了時刻を送信する(S104)。
車両側ECU170は、住宅側ECU406から終了時刻を受信した場合に(202にてYES)、充電開始時のSOC_sと、充電終了時のSOC_eと、電池容量Q_bと、充電パワーP_chrgと、上述した式とに基づいて充電必要時間Treqを算出する(S204)。
車両側ECU170は、住宅側ECU406に対して算出された充電必要時間Treqを送信する(S206)。住宅側ECU406は、車両側ECU170から充電必要時間Treqを受信した場合に(S106にてYES)、終了時刻から充電必要時間Treqだけ遡った時刻を外部充電の開始時刻として決定する(S108)。
<予約充電処理の実行>
充電ケーブル300が車両10および住宅450の各々に対して接続状態である場合であって(S300にてYES)、かつ、車両10が予約による外部充電が可能な車両である場合(S302にてYES)、住宅側ECU406は、メモリ407に予約情報が記憶されていないと(S304にてNO)、直ちに充電制御を実行する(S308)。
一方、住宅側ECU406は、メモリ407に予約情報が記憶されている場合には(S304にてYES)、現在の時刻が開始時刻になるまで待機する(S306にてNO)。現在の時刻が開始時刻になる場合(S306にてYES)、住宅側ECU406は、充電制御を実行する(S308)。現在の時刻が終了時刻になる場合には、充電が完了したと判定され(S310にてYES)、住宅側ECU406は、充電制御を停止する(S312)。
以上のようにして、本実施の形態に係る充電システム1よると、住宅側ECU406は、入力された外部充電の終了時刻を車両側ECU170に送信し、車両側ECU170が外部充電に要する充電必要時間を算出する。これにより、住宅側ECU406において、充電必要時間を算出するために必要となる車両の状態(蓄電装置の状態等)に基づく情報(すなわち、必要な充電電力量を特定できる情報)を把握する必要をなくすことができる。その結果、住宅側ECU406の負担を軽減することができる。さらに、車両側ECU406は、充電必要時間を算出するために必要となる車両10の状態を把握しているため、充電必要時間を精度高く算出することができる。その結果、充電スケジュールの調整を適切に行なうことができる。したがって、車載の蓄電装置への必要な充電電力量を精度高く算出する充電システムおよび充電予約方法を提供することができる。
さらに、車両側ECU406から住宅側ECU406に対して充電必要時間を算出するために必要となる車両の状態に基づく情報を提供する必要がなくなるため、車両側ECU406から住宅側ECU406に対してノウハウ等を含む情報が送信されることを抑制することができる。
本実施の形態において車両側ECU170は、充電開始時のSOC_sと、充電終了時のSOC_eと、電池容量Q_bと、充電パワーP_chrgと充電必要時間Treqを算出するための上述の式とに基づいて充電必要時間Treqを算出するとして説明したが、車両側ECU170は、蓄電装置150のSOCと、住宅450から蓄電装置150に対して供給可能な充電電力の上限値と、蓄電装置150において受け入れ可能な充電電力の上限値と、蓄電装置150の満充電容量Q_bとのうちの少なくともいずれか一つに基づいて充電必要時間Treqを算出すればよい。車両側ECU170は、充電開始時のSOC_sと、充電終了時のSOC_eと、所定のマップとに基づいて充電必要時間Treqを算出してもよい。所定のマップは、充電前後のSOCの変化量と充電必要時間Treqとの関係を示すマップである。
さらに、住宅側ECU406は、利用者によって入力された車両10の出発予定時刻に基づいて外部充電の終了時刻を決定してもよい。住宅側ECU406は、たとえば、利用者によって入力された車両10の出発予定時刻から所定時間だけ遡った時刻を外部充電の終了時刻として決定してもよい。あるいは、住宅側ECU406は、利用者によって入力された車両10の出発予定時刻を外部充電の終了時刻として車両側ECU170に送信してもよい。
住宅側ECU406は、車両側ECU170から正確な充電必要時間を取得することができるため、電気機器の電力の受給を管理するための処理を実行する場合に他の電気機器の電力の受給を考慮して充電スケジュールを適切に調整することができる。そのため、住宅450の系統電源402に接続された他の電気機器の使用電力の最適化制御(たとえば、消費電力削減あるいはCO2排出量削減を目的として電力管理)を実行しつつ、蓄電装置150の外部充電を実行することができる。
なお、本実施の形態において、住宅側ECU406が車両側ECU170から受信した充電必要時間に基づいて外部充電の開始時刻を決定するとして説明したが、外部充電の開始時刻は、車両側ECU170により決定されてもよい。たとえば、車両側ECU170は、算出された充電必要時間と終了時刻とに基づいて開始時刻を決定してもよい。車両側ECU170は、決定された開始時刻を住宅側ECU406に送信してもよいし、あるいは、車両側ECU170が開始時刻に蓄電装置150の外部充電を実行してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。