JP2017046490A - 充電器 - Google Patents
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Abstract
【課題】充電開始時刻に蓄電池への電力供給を開始できない不具合を防止可能な充電器を提供する。
【解決手段】コネクタ状態判定部194は、充電開始時刻の決定後且つ充電開始時刻前に、通信開始スイッチであるリレー130に閉動作させるとともに、該閉動作後に電動車両300から通信データを受信した場合はコネクタ210が接続状態にあると判定する一方で、通信データを受信しなかった場合はコネクタ210が非接続状態にあると判定する状態判定処理を実行する。報知部である表示部160は、コネクタ状態判定部194によりコネクタ210が非接続状態にあると判定された場合に報知を行う。
【選択図】図1
【解決手段】コネクタ状態判定部194は、充電開始時刻の決定後且つ充電開始時刻前に、通信開始スイッチであるリレー130に閉動作させるとともに、該閉動作後に電動車両300から通信データを受信した場合はコネクタ210が接続状態にあると判定する一方で、通信データを受信しなかった場合はコネクタ210が非接続状態にあると判定する状態判定処理を実行する。報知部である表示部160は、コネクタ状態判定部194によりコネクタ210が非接続状態にあると判定された場合に報知を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、電動車両の蓄電池に外部電源から電力を供給して充電する充電器に関する。
蓄電池と電動モータを搭載し、蓄電池から供給される電力を用いて電動モータを駆動させ、走行用のトルクを発生させる電動車両の普及が進んでいる。このような電動車両には、商用電源等の外部電源と電気的に接続されることで、当該外部電源から電力の供給を受けて蓄電池を充電する所謂プラグインハイブリッド車両も含まれる。
電動車両の蓄電池の充電を行う充電器として、例えば下記特許文献1に記載されているものが知られている。当該充電器は、ケーブルの先端にコネクタ(充電プラグ)が設けられている。このコネクタを電動車両に接続することで、外部電源から蓄電池への電力の導通経路が形成され、蓄電池の充電が可能となる。
また、下記特許文献1に記載されている充電器は、ユーザの利便性向上のために、タイマを用いた充電を行う。具体的には、当該充電器は、ユーザから充電完了時刻の設定を受け付けるとともに、当該充電完了時刻に基づいて充電開始時刻を決定する。充電開始時刻に蓄電池への電力供給を開始することで、充電完了時刻に蓄電池の充電を完了させることができる。これにより、ユーザは、電動車両の使用開始タイミングまでに蓄電池の充電を完了させておくことが可能となる。また、電動車両の使用開始タイミングに近い時刻に充電完了時刻を設定することで、充電率が100%に近い状態のまま蓄電池を待機させる時間を短くし、その結果、蓄電池の劣化を抑制することも可能となる。
しかしながら、上記特許文献1に記載されている充電器では、充電完了時刻の設定から充電開始時刻までの間に、前述した電力の導通経路に異常が生じると、充電開始時刻に蓄電池への電力供給を開始できなくなるおそれがある。この結果、電動車両の使用開始タイミングまでに蓄電池の充電を完了させておくことできず、電動車両の使用に不都合が生じるという課題がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、充電開始時刻に蓄電池への電力供給を開始できない不具合を防止可能な充電器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る充電器は、電動車両(300)の蓄電池(310)に外部電源(400)から電力を供給して充電する充電器(10)であって、前記電動車両に接続されるコネクタ(210)と、外部電源から供給される電力を、前記コネクタを介して前記蓄電池に供給する電力供給部(110)と、前記コネクタが前記電動車両に接続された状態で閉動作することで、前記電動車両に通信開始信号を送信する通信開始スイッチ(130)と、前記通信開始信号の送信後に前記電動車両から受信する通信データに基づいて、前記電力供給部が前記蓄電池への電力供給を開始する時刻である充電開始時刻を決定する充電開始時刻決定部(193)と、前記コネクタの状態を判定するコネクタ状態判定部(194)と、ユーザへの報知を行う報知部(160)と、を備える。前記コネクタ状態判定部は、前記充電開始時刻の決定後且つ前記充電開始時刻前に、前記通信開始スイッチに閉動作させるとともに、該閉動作後に前記電動車両から前記通信データを受信した場合は前記コネクタが接続状態にあると判定する一方で、前記通信データを受信しなかった場合は前記コネクタが非接続状態にあると判定する状態判定処理を実行する。前記報知部は、前記コネクタ状態判定部により前記コネクタが非接続状態にあると判定された場合に報知を行う。
上記構成によれば、充電開始時刻の決定後且つ充電開始時刻前に、状態判定処理を実行する。当該状態判定処理は、コネクタが接続状態又は非接続状態のいずれの状態にあるかを判定するものである。コネクタが非接続状態である場合は、報知部によるユーザへの報知が行われる。したがって、充電開始時刻の決定後に、ユーザの不注意や外部からの衝撃等によってコネクタが非接続状態となった場合でも、それをユーザに報知し、コネクタの再接続を促すことが可能となる。これにより、充電開始時刻に蓄電池への電力供給を開始できない不具合を防止することが可能となる。
また、状態判定処理において電動車両に送信される通信開始信号は、充電開始時刻を決定する際にも用いられるものである。したがって、上記構成によれば、充電開始時刻の決定に用いる構成を利用しつつ、状態判定処理を実行することが可能となる。
本発明によれば、充電開始時刻に蓄電池への電力供給を開始できない不具合を防止可能な充電器を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1を参照しながら、実施形態に係る充放電器10(充電器)の構成について説明する。充放電器10は、電動車両300の蓄電池310との間で電力の授受を行う機器である。つまり、充放電器10は、電動車両300に電力を供給して蓄電池310を充電する充電器として機能するとともに、蓄電池310に電力を放出させる放電器としても機能し、電動車両300と住居(不図示)との間で電力の授受を行うV2H(Vehicle to Home)システムの一部を構成している。充放電器10は、本体部100と、ケーブル200とを備えている。
まず、ケーブル200の構成について説明する。ケーブル200は、本体部100と電動車両300とを接続する導線であって、充電や放電(以下、両者をまとめて「充放電」とも称する)が行われる際の電力や信号の導通経路となるものである。
ケーブル200は本体部100の一側面から伸びており、その先端にはコネクタ210が設けられている。充放電器10と電動車両300との間の電力の授受は、コネクタ210が電動車両300のインレット301に接続された状態で行われる。
ケーブル200の内部には、電力線221,222と、通信開始線223と、接続確認線224と、通信線225,226とが収納されている。これらはいずれも、ケーブル200の長手方向に沿って伸びるように配置された導線である。
電力線221,222は、電力の導通経路として設けられた一対の導線である。蓄電池310の充電が行われる際には、本体部100から供給される電力が電力線221,222を介して電動車両300の蓄電池310に供給される。蓄電池310の放電が行われる際には、蓄電池310から放出された電力が電力線221,222及び本体部100を介して住居に供給される。
通信開始線223は、充放電器10と電動車両300との通信を開始させるための信号(以下、「通信開始信号」と称する)を、充放電器10から電動車両300に伝達するための導線である。
接続確認線224は、ケーブル200のコネクタ210が電動車両300のインレット301に接続されたことを、電動車両300で検知するための導線である。
通信線225,226は、充放電器10と電動車両300との通信の経路として設けられた一対の導線である。充放電器10と電動車両300とは、V2Hガイドラインに準拠した所謂CAN(登録商標)通信を行う。
本体部100の構成について説明する。本体部100は、住居の近傍(例えば駐車場)に設置された箱状の装置である。本体部100の内部には、電力変換器110(電力供給部)と、12Vライン120と、CAN回路180と、充放電器側制御部190とが備えられている。また、本体部100の外側面には、タイマ設定部150(完了時刻受付部)と、表示部160と、が設けられている。
電力変換器110には、ケーブル200内に収納された電力線221,222のそれぞれの一端が接続されている。電力変換器110は、商用電源400(外部電源)と電気的に接続されるとともに、商用電源400から供給される交流電力を直流電力に変換して出力する。蓄電池310の充電が行われる際には、電力変換器110が出力した直流電力が、電力線221,222を介して蓄電池310に供給される。
蓄電池310の放電が行われる際には、蓄電池310から放出された直流電力が、電力線221,222を介して電力変換器110に供給される。当該直流電力は、電力変換器110によって交流電力に変換された後、住居の配電盤(不図示)に供給され、住居において消費される。尚、このような電力変換器110は、本実施形態のように本体部100の内部に収納されているもののみならず、住居側に設けられていてもよい。
12Vライン120は、12Vの電圧が印加される導線である。12Vライン120には、ケーブル200内に収納された通信開始線223の一端が接続されている。通信開始線223の途中にはリレー130が設けられている。コネクタ210がインレット301に接続された状態において、リレー130が開状態から閉状態に切り替えられると、12Vライン120から供給される電流が通信開始線223を流れる。
後に説明するように、電動車両300は、通信開始線223に電流が流れたことを検知すると、充放電器10とのCAN通信を開始するように構成されている。つまり、通信開始線223に電流が流れたことによって生じる信号が、前述した通信開始信号に相当する。
本体部100の内部であって、接続確認線224の途中には、抵抗140が設けられている。抵抗140は、その位置や抵抗値がV2Hガイドラインによって規定されているものである。また、接続確認線224の一端部は接地ライン170に接続されている。
タイマ設定部150は、静電容量式のタッチパネルやボタン等を有しており、それによってユーザの操作を受け付ける。ユーザは、当該タッチパネル等を操作することによって、蓄電池310の充電を完了させる時刻である充電完了時刻を設定することができる。
表示部160は、液晶パネルである。表示部160は、充放電器側制御部190から受信する制御信号に基づいて種々の情報を表示することで、ユーザへの報知を行う。本実施形態では、表示部160とタイマ設定部150とを別個の機器としているが、両者を一体的に構成することもできる。
CAN回路180は、電動車両300とのCAN通信を行うための通信インターフェイスとして構成された回路である。CAN回路180には、ケーブル200内に収納された通信線225,226のそれぞれの一端が接続されている。
充放電器側制御部190は、CPU、ROM、RAM等を備えたマイコンとして構成された部分である。充放電器側制御部190は、充放電器10の全体の動作を統括制御する。例えば、充放電器側制御部190は、電力変換器110の動作を制御することによって、電動車両300との間で授受する電力の大きさを制御する。また、充放電器側制御部190は、リレー130に閉動作させることによって、電動車両300に向けた通信開始信号の送信を行う。さらに、充放電器側制御部190は、ユーザがタイマ設定部150において設定した充電完了時刻に蓄電池310の充電を完了させるように、蓄電池310への電力供給を開始する時刻を決定する。
引き続き図1を参照しながら、電動車両300の構成について説明する。電動車両300は、蓄電池310に蓄えられた電力を電動モータ(不図示)に供給し、当該電動モータで発生させたトルクによって走行する車両である。電動車両300は、蓄電池310の他、フォトカプラ330と、12Vライン360と、フォトカプラ361と、CAN回路370と、車両側制御部390と、を備えている。
蓄電池310は、充放電を行う二次電池であり、例えばリチウムイオン電池が用いられる。すなわち、蓄電池310は、その内部で電気化学反応を生じさせることにより、充放電を行うことができる。
電動車両300の内部には、一対の電力線381,382が設けられている。コネクタ210がインレット301に接続されると、電力線381はその一端が電力線221に接続され、他端が蓄電池310に接続された状態となる。また、電力線382は、その一端が電力線222に接続され、他端が蓄電池310に接続された状態となる。
蓄電池310の充電が行われる際には、充放電器10の電力変換器110が出力した直流電力が、電力線221,222及び電力線381,382を介して蓄電池310に供給される。また、蓄電池310の放電が行われる際には、蓄電池310から放出された直流電力が、電力線221,222及び電力線381,382を介して充放電器10に供給される。
電力線381の途中及び電力線382の途中には、それぞれ車両リレー321,322が設けられている。蓄電池310の充放電が行われる際は、これらはいずれも閉状態とされる。また、電力線381の途中には、電流センサ323が設けられている。電流センサ323は、電力線381を流れる電流を検出し、その大きさに対応する検出信号を送信する。
電動車両300の内部には、通信開始線383が設けられている。コネクタ210がインレット301に接続されると、通信開始線383はその一端が通信開始線223に接続され、他端が接地ライン350に接続された状態となる。通信開始線383の途中にはフォトカプラ330が設けられている。
既に述べたように、コネクタ210がインレット301に接続された状態において、それまで開状態にあったリレー130が開動作すると、12Vライン120から供給される電流が通信開始線223を流れる。当該電流は、フォトカプラ330によって検知される。すなわち、フォトカプラ330は、充放電器10からの通信開始信号を電動車両300側で検知するための素子として機能する。
12Vライン360は、12Vの電圧が印加される導線である。電動車両300の内部には、接続確認線384が設けられている。コネクタ210がインレット301に接続されると、接続確認線384はその一端が接続確認線224に接続され、他端が12Vライン360に接続された状態となる。
フォトカプラ361は、接続確認線384の途中に設けられている。コネクタ210がインレット301に接続された状態においては、12Vライン360から供給される電流が接続確認線384及び接続確認線224を流れる。当該電流は、フォトカプラ361によって検知される。すなわち、フォトカプラ361は、コネクタ210がインレット301に接続されことを電動車両300側で検知するための素子として機能する。
接続確認線384のうち、フォトカプラ361よりもケーブル200側には、抵抗362が設けられている。抵抗362は、既に説明した抵抗140と同様に、その位置や抵抗値がV2Hガイドラインによって規定されているものである。接続確認線384及び接続確認線224を流れる電流の大きさは、これらの抵抗362及び抵抗140によって、フォトカプラ361を動作させるための適切な範囲内となるよう調整されている。
CAN回路370は、充放電器10とのCAN通信を行うための通信インターフェイスとして構成された回路である。電動車両300の内部には、一対の通信線385、386が設けられている。コネクタ210がインレット301に接続された状態においては、通信線385はその一端が通信線225に接続され、他端がCAN回路370に接続された状態となる。また、通信線386はその一端が通信線226に接続され、他端がCAN回路370に接続された状態となる。充放電器10と電動車両300とのCAN通信、すなわち、CAN回路180とCAN回路370との通信は、通信線225,226及び通信線385,386を介して行われる。
車両側制御部390は、少なくとも蓄電池310の充放電に係る所定の処理を行う制御装置である。車両側制御部390は、不図示の機器を介して蓄電池310と電気的に接続され、蓄電池310の充電率(State Of Charge:SOC)を取得することができる。また、車両側制御部390は、CAN回路370,180を介して充放電器側制御部190と種々のデータの送受信を行うことができる。
続いて、図2を参照しながら、充放電器側制御部190について説明する。充放電器側制御部190は、その一部又は全部が、アナログ回路で構成されるか、デジタルプロセッサとして構成される。いずれにしても、受信した信号に基づいて制御信号を出力する機能を果たすため、充放電器側制御部190には機能的な制御ブロックが構成される。
図2は、充放電器側制御部190を機能的な制御ブロック図として示している。尚、充放電器側制御部190を構成するアナログ回路又はデジタルプロセッサに組み込まれるソフトウェアのモジュールは、必ずしも図2に示される制御ブロックのように分割されている必要はない。すなわち、実際のアナログ回路やモジュールは、図2に示される複数の制御ブロックの働きをするものとして構成されていても構わず、更に細分化されていても構わない。後述する処理を実行できるように構成されていれば、充放電器側制御部190の内部の実際の構成は当業者が適宜変更できるものである。
図2に示されるように、充放電器側制御部190は、電力変換器110、リレー130及び表示部160と電気的に接続され、これらを制御する。さらに、充放電器側制御部190は、タイマ設定部150とも電気的に接続され、相互にデータの送受信を行う。また、充放電器側制御部190は、通信制御部191と、出力可能電流値算出部192と、充電開始時刻決定部193と、コネクタ状態判定部194と、を有している。
通信制御部191は、充放電器10と電動車両300とのCAN通信、すなわち、充放電器10のCAN回路180と電動車両300のCAN回路370との通信を制御する部分である。通信制御部191は、前述した通信開始信号に基づいて、電動車両300との間でデータ通信状態を確立する。
出力可能電流値算出部192は、充放電器10から電動車両300に出力可能な電流の値である出力可能電流値を算出する部分である。充放電器10が電動車両300に出力可能な電流は、充放電器10が設置される地域の商用電源400によって異なる。出力可能電流値算出部192は、充放電器10が接続される商用電源400の供給電力に基づいて、出力可能電流値の算出を行う。
充電開始時刻決定部193は、充放電器10から蓄電池310への電力供給を開始する時刻である充電開始時刻を決定する部分である。充電開始時刻決定部193は、前述した充電完了時刻と、所要充電時間と、に基づいて充電開始時刻を決定する。
コネクタ状態判定部194は、コネクタ210の状態を判定する部分である。具体的には、コネクタ状態判定部194は、コネクタ210が、電動車両300に接続されている「接続状態」と、電動車両300に接続されていない「非接続状態」と、のいずれの状態にあるかを判定する「状態判定処理」を実行する。
続いて、図3乃至図5を参照しながら、蓄電池310の充電の際に充放電器側制御部190と車両側制御部390とが実行する処理について説明する。充放電器側制御部190と車両側制御部390とは、CHAdeMO(登録商標)に準拠して蓄電池310の充電を行う。
図3は、蓄電池310の充電の際に充放電器側制御部190及び車両側制御部390がまず実行する処理である第1充電プロセスを示している。また、図4は、第1充電プロセスの実行後に充放電器側制御部190及び車両側制御部390が実行する状態判定処理を示している。また、図5は、第1充電プロセスの実行後に充放電器側制御部190及び車両側制御部390が実行する処理である第2充電プロセスを示している。尚、以下では簡便のため、詳細には充放電器側制御部190の通信制御部191等の各機能ブロックが実行している処理も、総括して充放電器側制御部190が実行するとして説明することがある。
まず、充放電器側制御部190は、図3のステップS101で、タイマ設定情報を取得する。すなわち、充放電器側制御部190は、タイマ設定部150との通信を行い、ユーザが設定した充電完了時刻に関する情報を取得する。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS102で、充電完了時刻の設定の有無を判定する。すなわち、充放電器側制御部190は、ステップS101で取得したタイマ設定情報に基づいて、ユーザによって充電完了時刻が設定されているか否かを判定する。充電完了時刻が設定されていないと判定した場合(S102:No)、充放電器側制御部190は、ステップS111の処理に進む。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS111で、蓄電池310の充電を開始する。すなわち、ユーザによって充電完了時刻が設定されていないため、充放電器側制御部190は電力変換器110を制御して直ちに蓄電池310への電力供給を開始する。
一方、ステップS102で、充電完了時刻が設定されていると判定した場合(S102:Yes)、充放電器側制御部190は、ステップS103の処理に進む。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS103で、リレー130に閉動作させる。それまで開状態であったリレー130に閉動作させることによって、12Vライン120から通信開始線223,383に電流が流れる。すなわち、充放電器10からの通信開始信号が電動車両300に送信される。
通信開始線223を流れる電流は、フォトカプラ330によって検知される。すなわち、車両側制御部390は、ステップS201で、充放電器10からの通信開始信号をフォトカプラ330によって検知する。これによって、充放電器10と電動車両300との間のデータ通信状態が確立される。
次に、車両側制御部390は、ステップS202で、通信線225,226及び通信線385,386を介したCAN通信によるデータの送信を開始する。車両側制御部390は、蓄電池310の充電を行うために必要なデータをCAN通信によって送信する。当該データは、ステップS104で充放電器側制御部190によって受信される。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS105で、出力可能電流値を算出する。詳細には、充放電器側制御部190の出力可能電流値算出部192が、商用電源400から供給を受ける交流電力に基づいて、電動車両300に出力可能な電流の値を算出する。このように、充放電器側制御部190は、初回のCAN通信の開始から出力可能電流値を算出する。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS106で、通信線225,226及び通信線385,386を介したCAN通信によるデータの送信を開始する。充放電器側制御部190は、当該データの一つとして、ステップS107で出力可能電流値を送信する。車両側制御部390は、ステップS203で、充放電器側制御部190が送信したデータを受信することで、当該出力可能電流値を取得する。
次に、車両側制御部390は、ステップS204で、蓄電池310の充電率を取得する。さらに、車両側制御部390は、ステップS205で、充放電器10の出力可能電流値と蓄電池310の充電率に基づいて所要充電時間を算出する。当該所要充電時間は、充放電器10に許可する充電時間の最大値であり、蓄電池310の充電開始から、蓄電池310の充電率が100%に近い値となるまでに要する時間である。蓄電池310の充電率を100%に近い値まで充電するのに要する時間は、電動車両300が置かれた環境等の要因によって増加し得るところ、所要充電時間は、そのような増加要因を考慮してやや大きい値に設定される。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS108で、車両側制御部390によって算出された所要充電時間を取得する。そして、充放電器側制御部190は、ステップS109で、当該所要充電時間に基づいて、ユーザによって設定された充電完了時刻から逆算することによって、蓄電池310に充電のための電力の供給を開始する時刻である充電開始時刻を決定する。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS110で、リレー130に開動作させる。それまで閉状態であったリレー130に開動作させることによって、12Vライン120から通信開始線223,383に流れていた電流が遮断される。また、この電流の遮断に伴い、ステップS206で、フォトカプラ330による通信開始信号の検知が停止し、第1充電プロセスが終了する。
図4に示される状態判定処理は、以上説明したように充電開始時刻を決定する第1充電プロセスの実行後であって、当該充電開始時刻前に実行される。また、状態判定処理は、第1充電プロセスと、後述する第2充電プロセスとの間で、1時間毎に実行される。
前述したしたように、状態判定処理は充放電器側制御部190のコネクタ状態判定部194において実行され、コネクタ210が接続状態と非接続状態とのいずれの状態にあるかを判定する処理である。図4に示される各ステップの処理のうち、コネクタ210が非接続状態にある場合に実行されない処理は破線で示されている。
<コネクタ210が電動車両300に接続されている場合>
まず、充放電器側制御部190は、ステップS121で、リレー130に閉動作させる。それまで開状態であったリレー130に閉動作させることによって、12Vライン120から通信開始線223,383に電流が流れる。すなわち、充放電器10からの通信開始信号が電動車両300に送信される。
まず、充放電器側制御部190は、ステップS121で、リレー130に閉動作させる。それまで開状態であったリレー130に閉動作させることによって、12Vライン120から通信開始線223,383に電流が流れる。すなわち、充放電器10からの通信開始信号が電動車両300に送信される。
通信開始線223を流れる電流は、フォトカプラ330によって検知される。すなわち、車両側制御部390は、ステップS211で、充放電器10からの通信開始信号をフォトカプラ330によって検知する。これによって、充放電器10と電動車両300との間のデータ通信状態が確立される。
次に、車両側制御部390は、ステップS212で、通信線225,226及び通信線385,386を介したCAN通信によるデータの送信を開始する。車両側制御部390は、蓄電池310の充電を行うために必要なデータをCAN通信によって送信する。当該データは、ステップS122で充放電器側制御部190によって受信される。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS123で、電動車両300からCAN通信データを受信したか否かを判定する。充放電器側制御部190は、ステップS121でリレー130に閉動作させてから、予め定められた時間(例えば10秒)が経過する前に、CAN通信データを受信したか否かを判定する。ここでは、前述したステップS122でCAN通信データを受信したことから(S123:Yes)、充放電器側制御部190は、ステップS124の処理に進む。電動車両300からCAN通信データを受信した場合、コネクタ210が接続状態であると判定できる。
充放電器側制御部190が次のステップS124からステップS127までに実行する処理は、前述した第1充電プロセスにおいて実行するステップS105からS108までの処理(図3参照)と同様である。また、また、車両側制御部390が実行するステップS213からステップS215までの処理は、前述した第1充電プロセスにおいて実行するステップS203からステップS203までの処理(図3参照)と同様である。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS128で、充電完了時刻の更新を行う。充放電器側制御部190は、前述した第1充電プロセスにおいて所要充電時間に基づいて充電完了時刻を決定しているが、本状態判定処理で、再度取得した所要充電時間に基づいて充電完了時刻を更新する。すなわち、第1充電プロセスの実行後に、蓄電池310の状態に変化が生じた場合でも、蓄電池310の最新の状態に基づいて所要充電時間を更新する。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS129で、リレー130に開動作させる。それまで閉状態であったリレー130に開動作させることによって、12Vライン120から通信開始線223,383に流れていた電流が遮断される。また、この電流の遮断に伴い、ステップS216で、フォトカプラ330による通信開始信号の検知が停止し、状態判定処理が終了する。
<コネクタ210が電動車両300に接続されていない場合>
この場合、充放電器側制御部190がステップS121でリレー130に閉動作させても、12Vライン120から通信開始線223,383に電流が流れることはない。すなわち、充放電器10から電動車両300への通信開始信号が送信されない。
この場合、充放電器側制御部190がステップS121でリレー130に閉動作させても、12Vライン120から通信開始線223,383に電流が流れることはない。すなわち、充放電器10から電動車両300への通信開始信号が送信されない。
したがって、ステップS211で、フォトカプラ330によって電流が検知されることはなく、充放電器10と電動車両300との間のデータ通信状態が確立されることもない。また、ステップS212で、車両側制御部390が通信線225,226及び通信線385,386を介したCAN通信によるデータの送信を開始することもなく、さらに、充放電器側制御部190がステップS122でデータを受信することもない。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS123で、電動車両300からCAN通信データを受信したか否かを判定する。ここでは、ステップS122でCAN通信データを受信しなかったことから(S123:No)、充放電器側制御部190は、ステップS130の処理に進む。電動車両300からCAN通信データを受信しなかった場合、コネクタ210が非接続状態であると判定できる。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS130で、コネクタ210が非接続状態であることを報知する。具体的には、充放電器側制御部190は、表示部160に図や文字情報を表示させて、コネクタ210が電動車両300に接続されていないことをユーザに報知する。また、これに合わせて、充放電器側制御部190は充放電器10の本体部100に設けられているスピーカ(不図示)を動作させ、音声によってユーザへの報知を行ってもよい。
図5に示される第2充電プロセスは、第1充電プロセスの実行後に実行される処理であり、第1充電プロセスで決定された充電開始時刻が到来したことをトリガとして実行される。第2充電プロセスは、前述した状態判定処理において、コネクタ210が接続状態であると判定された場合のみ実行される。
まず、充放電器側制御部190は、図5のステップS131で、リレー130に閉動作させる。それまで開状態であったリレー130に閉動作させることによって、12Vライン120から通信開始線223,383に電流が流れる。すなわち、充放電器10からの通信開始信号が電動車両300に送信される。
通信開始線223を流れる電流は、フォトカプラ330によって検知される。すなわち、車両側制御部390は、ステップS231で、充放電器10からの通信開始信号をフォトカプラ330によって検知する。
次に、車両側制御部390は、ステップS232で、通信線225,226及び通信線385,386を介したCAN通信によるデータの送信を開始する。車両側制御部390は、蓄電池310の充電を行うために必要なデータをCAN通信によって送信する。当該データは、ステップS132で充放電器側制御部190によって受信される。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS133で、通信線225,226及び通信線385,386を介したCAN通信によるデータの送信を開始する。
次に、車両側制御部390は、ステップS233で、充電電流指令値を送信する。当該充電電流指令値は、第1充電プロセスにおいて算出された出力可能電流値を上限として、電動車両300側から充放電器10側に要求する電流の値である。車両側制御部390から送信された充電電流指令値を受信した充放電器側制御部190は、ステップS134で、電力変換器110による充電用電力の供給を開始させる。充電用電力は、蓄電池310を充電することを目的として、電力変換器110から蓄電池310に供給される電力であり、その電流の大きさは充電電流指令値に対応している。これによって、蓄電池310の充電が開始する。
次に、車両側制御部390は、ステップS234で、蓄電池310の充電率が閾値(例えば、100%に近い値)を超えているか否かを判定する。蓄電池310の充電率が閾値を超えていないと判定した場合(S234:No)、車両側制御部390は、蓄電池310の充電を継続する。一方、蓄電池310の充電率が閾値を超えたと判定した場合(S224:Yes)、車両側制御部390は、ステップS235の処理に進む。
次に、車両側制御部390は、ステップS235で、CAN通信によって充電用電力供給停止信号を送信する。充放電器側制御部190は、当該充電用電力供給停止信号を受信すると、ステップS135で、充電用電力の供給を停止する。すなわち、蓄電池310の充電を完了させる。
以上説明したように、本実施形態に係る充放電器10は、充電開始時刻の決定後且つ充電開始時刻前に、状態判定処理を実行する。当該状態判定処理は、コネクタ210が接続状態又は非接続状態のいずれの状態にあるかを判定するものである。コネクタ210が非接続状態である場合は、表示部160によるユーザへの報知が行われる。したがって、充電開始時刻の決定後に、ユーザの不注意や外部からの衝撃等によってコネクタ210が非接続状態となった場合でも、それをユーザに報知し、コネクタ210の再接続を促すことが可能となる。これにより、充電開始時刻に蓄電池への電力供給を開始できない不具合を防止することが可能となる。
また、状態判定処理において電動車両300に送信される通信開始信号は、充電開始時刻を決定する際にも用いられるものである。したがって、本実施形態に係る充放電器10によれば、充電開始時刻の決定に用いる構成を利用しつつ、状態判定処理を実行することが可能となる。
また、コネクタ状態判定部194は、充電開始時刻の決定後且つ充電開始時刻前に、リレー130の閉動作から予め定められた時間が経過する前にCAN通信データを受信しなかった場合に、コネクタ210が非接続状態にあると判定する。予め定められた時間内でコネクタ210の状態の判定を行うことにより、コネクタ210が非接続状態にある場合は、迅速にユーザに報知してコネクタ210の再接続を促すことが可能となる。
また、コネクタ状態判定部194は、充電開始時刻の決定後且つ前記充電開始時刻前に、予め定められた時間毎に状態判定処理を実行する。これにより、充電開始時刻に蓄電池への電力供給を開始できない不具合をさらに確実に防止することが可能となる。
充電開始時刻決定部193は、充電開始時刻の決定後且つ充電開始時刻前に、電動車両300から受信するCAN通信データに基づいて充電開始時刻を更新する。これにより、充電開始時刻の決定後且つ充電開始時刻前に、蓄電池310の状態に変化が生じた場合でも、充電開始時刻を蓄電池310の最新の状態に基づくものにすることができる。これにより、確実に充電完了時刻に充電を完了させることが可能となる。
続いて、充放電器10の変形例について、図6乃至図9を参照しながら説明する。この充放電器10は、前述した実施形態と同様に、電動車両300の蓄電池310との間で電力の授受を行う機器である。前述した実施形態では、充放電器側制御部190と車両側制御部390とがCHAdeMOに準拠して蓄電池310の充電を行うのに対し、本変形例では、充放電器側制御部190Aと車両側制御部390AとがV2Hガイドラインに準拠して蓄電池310の充電を行う点で、両者は相違する。本変形例のうち、前述した実施形態と同一の構成については適宜同一の符号を付して、説明を省略する。
図6を参照しながら、変形例に係る充放電器10が備える充放電器側制御部190Aについて説明する。充放電器側制御部190Aは、その一部又は全部が、アナログ回路で構成されるか、デジタルプロセッサとして構成される。いずれにしても、受信した信号に基づいて制御信号を出力する機能を果たすため、充放電器側制御部190Aには機能的な制御ブロックが構成される。
図6に示されるように、充放電器側制御部190Aは、前述した充放電器側制御部190と同様に、通信制御部191と、充電開始時刻決定部193と、コネクタ状態判定部194と、を有している。また、充放電器側制御部190Aは、所要充電時間算出部195と、蓄電池暖機部196と、を有している。
所要充電時間算出部195は、前述した所要充電時間を算出する部分である。V2Hガイドラインに準拠して充放電器10が所要充電時間を算出するために、所要充電時間算出部195は充放電器側制御部190Aに設けられる。
蓄電池暖機部196は、後述する状態判定処理において蓄電池310の暖機を行う部分である。具体的には、蓄電池暖機部196は、電力変換器110から蓄電池310に暖機用電流を供給させる。
続いて、図7乃至図9を参照しながら、充放電器側制御部190Aと車両側制御部390とが実行する処理について説明する。
図7は、蓄電池310の充電の際に充放電器側制御部190A及び車両側制御部390Aがまず実行する処理である第1充電プロセスを示している。また、図8は、第1充電プロセスAの実行後に充放電器側制御部190A及び車両側制御部390Aが実行する状態判定処理を示している。また、図9は、第1充電プロセスの実行後に充放電器側制御部190A及び車両側制御部390Aが実行する処理である第2充電プロセスを示している。尚、以下では簡便のため、詳細には充放電器側制御部190Aの通信制御部191等の各機能ブロックが実行している処理も、総括して充放電器側制御部190Aが実行するとして説明することがある。
まず、充放電器側制御部190Aは、図7に示されるステップS141で、タイマ設定情報を取得する。すなわち、充放電器側制御部190Aは、タイマ設定部150との通信を行い、ユーザが設定した充電完了時刻に関する情報を取得する。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS142で、充電完了時刻の設定の有無を判定する。すなわち、充放電器側制御部190は、ステップS141で取得したタイマ設定情報に基づいて、ユーザによって充電完了時刻が設定されているか否かを判定する。充電完了時刻が設定されていないと判定した場合(S142:No)、充放電器側制御部190Aは、ステップS153の処理に進む。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS153で、蓄電池310の充電を開始する。すなわち、ユーザによって充電完了時刻が設定されていないため、充放電器側制御部190Aは電力変換器110を制御して直ちに蓄電池310への電力供給を開始する。
一方、ステップS142で、充電完了時刻が設定されていると判定した場合(S142:Yes)、充放電器側制御部190Aは、ステップS143の処理に進む。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS143で、リレー130に閉動作させる。それまで開状態であったリレー130に閉動作させることによって、12Vライン120から通信開始線223,383に電流が流れる。すなわち、充放電器10からの通信開始信号が電動車両300に送信される。
通信開始線223を流れる電流は、フォトカプラ330によって検知される。すなわち、車両側制御部390は、ステップS241で、充放電器10からの通信開始信号をフォトカプラ330によって検知する。これによって、充放電器10と電動車両300との間のデータ通信状態が確立される。
次に、車両側制御部390Aは、ステップS242で、通信線225,226及び通信線385,386を介したCAN通信を開始する。車両側制御部390Aは、所定のデータをCAN通信によって送信し、当該データはステップS144でCAN通信を開始する充放電器側制御部190Aによって受信される。
次に、充放電器側制御部190A及び車両側制御部390Aは、それぞれステップS145,S243で、情報交換処理を実行する。当該情報交換処理では、車両側制御部390Aは、蓄電池310の総容量、充電率、充電上限充電率、充電用電流上限値、充電電圧上限値等の、蓄電池310の充放電に必要となる情報を充放電器側制御部190Aに送信する。
次に、車両側制御部390Aは、ステップS244で、車両リレー321,322を閉状態とする。充放電器側制御部190Aは、ステップS146で、車両リレー321,322が閉状態となったことを確認する。
次に、車両側制御部390Aは、ステップS245で、充電用電流上限値を設定する。充電用電流上限値は、その際の蓄電池310が受け入れ可能な電流の上限値である。充電用電流上限値は、温度や充電率等、その際の蓄電池310の状態に基づいて設定される。蓄電池310の温度が高いほど、充電の際の電気化学反応が促進されるため、充電用電流上限値は大きくなる傾向にある。また、蓄電池310の充電率が小さいほど、蓄電池310はより多量の電力を蓄えられる状態にあるため、充電用電流上限値は大きくなる傾向にある。充放電器側制御部190Aは、ステップS147で、車両側制御部390Aから充電用電流上限値を取得する。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS148で、充電用電流上限値が0アンペアよりも大きいか否かを判定する。充電用電流上限値が0アンペアよりも大きくないと判定した場合(S148:No)、すなわち、蓄電池310の温度が極端に低く充電を行えない場合等は、充放電器側制御部190Aは、ステップS147の処理に戻る。
一方、ステップS148で、充電用電流上限値が0アンペアよりも大きいと判定した場合(S148:Yes)、すなわち、蓄電池310の温度が充電を行える程度のものである場合等は、充放電器側制御部190Aは、ステップS149の処理に進む。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS149で、電力変換器110による暖機用電流の供給を開始する。当該暖機用電流は、充電用電流上限値を所定値以上に高めることを目的として、電力変換器110から蓄電池310に供給される電流である。当該暖機用電流の供給を受けることで蓄電池310における電気化学反応が促進され、その際の発熱によって加熱されることで、充電用電流上限値が上昇する。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS150で、所要充電時間を算出する。前述したように、所要充電時間は、電力変換器110からの電力供給によって蓄電池310の充電率を100%に近い状態とするまでに要する時間である。充放電器側制御部190Aは、蓄電池310が必要とする電力量や、充電用電流上限値等に基づいて所要充電時間を算出する。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS151で、蓄電池310に充電のための電力の供給を開始する時刻である充電開始時刻を決定する。充放電器側制御部190Aは、ステップS150で算出した所要充電時間に基づいて、ユーザによって設定された充電完了時刻から逆算することによって、充電開始時刻を決定する。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS152で、リレー130に開動作させる。それまで閉状態であったリレー130に開動作させることによって、12Vライン120から通信開始線223,383に流れていた電流が遮断される。また、この電流の遮断に伴い、ステップS246で、フォトカプラ330による通信開始信号の検知が停止し、第1充電プロセスが終了する。
図8に示される状態判定処理は、以上説明したように充電開始時刻を決定する第1充電プロセスの実行後であって、当該充電開始時刻前に実行される。また、状態判定処理は、第1充電プロセスと、後述する第2充電プロセスとの間で、1時間毎に実行される。
前述したしたように、状態判定処理は充放電器側制御部190Aのコネクタ状態判定部194において実行され、コネクタ210が接続状態と非接続状態とのいずれの状態にあるかを判定する処理である。図8に示される各ステップの処理のうち、コネクタ210が非接続状態にある場合に実行されない処理は破線で示されている。
<コネクタ210が電動車両300に接続されている場合>
まず、充放電器側制御部190Aは、ステップS161で、リレー130に閉動作させる。それまで開状態であったリレー130に閉動作させることによって、12Vライン120から通信開始線223,383に電流が流れる。すなわち、充放電器10からの通信開始信号が電動車両300に送信される。
まず、充放電器側制御部190Aは、ステップS161で、リレー130に閉動作させる。それまで開状態であったリレー130に閉動作させることによって、12Vライン120から通信開始線223,383に電流が流れる。すなわち、充放電器10からの通信開始信号が電動車両300に送信される。
通信開始線223を流れる電流は、フォトカプラ330によって検知される。すなわち、車両側制御部390Aは、ステップS261で、充放電器10からの通信開始信号をフォトカプラ330によって検知する。これによって、充放電器10と電動車両300との間のデータ通信状態が確立される。
次に、車両側制御部390Aは、ステップS262で、通信線225,226及び通信線385,386を介したCAN通信によるデータの送信を開始する。車両側制御部390Aは、蓄電池310の充電を行うために必要なデータをCAN通信によって送信する。当該データは、ステップS162で充放電器側制御部190Aによって受信される。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS163で、電動車両300からCAN通信データを受信したか否かを判定する。充放電器側制御部190Aは、ステップS161でリレー130に閉動作させてから、予め定められた時間(例えば10秒)が経過する前に、CAN通信データを受信したか否かを判定する。ここでは、前述したステップS162でCAN通信データを受信したことから(S163:Yes)、充放電器側制御部190Aは、ステップS164の処理に進む。電動車両300からCAN通信データを受信した場合、コネクタ210が接続状態であると判定できる。
充放電器側制御部190Aが次のステップS164からステップS169までに実行する処理は、前述した第1充電プロセスにおいて実行するステップS145からS150までの処理(図7参照)と同様である。また、また、車両側制御部390Aが実行するステップS263からステップS265までの処理は、前述した第1充電プロセスにおいて実行するステップS243からステップS245までの処理(図7参照)と同様である。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS170で、充電完了時刻の更新を行う。充放電器側制御部190Aは、前述した第1充電プロセスにおいて所要充電時間に基づいて充電完了時刻を決定しているが、本状態判定処理で、再度取得した所要充電時間に基づいて充電完了時刻を更新する。すなわち、第1充電プロセスの実行後に、蓄電池310の状態に変化が生じた場合でも、蓄電池310の最新の状態に基づいて所要充電時間を更新する。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS171で、リレー130に開動作させる。それまで閉状態であったリレー130に開動作させることによって、12Vライン120から通信開始線223,383に流れていた電流が遮断される。また、この電流の遮断に伴い、ステップS266で、フォトカプラ330による通信開始信号の検知が停止し、状態判定処理が終了する。
<コネクタ210が電動車両300に接続されていない場合>
この場合、ステップS161でリレー130に閉動作させても、12Vライン120から通信開始線223,383に電流が流れることはない。すなわち、充放電器10から電動車両300への通信開始信号が送信されない。
この場合、ステップS161でリレー130に閉動作させても、12Vライン120から通信開始線223,383に電流が流れることはない。すなわち、充放電器10から電動車両300への通信開始信号が送信されない。
したがって、ステップS261で、フォトカプラ330によって電流が検知されることはなく、充放電器10と電動車両300との間のデータ通信状態が確立されることもない。また、ステップS262で、車両側制御部390Aが通信線225,226及び通信線385,386を介したCAN通信によるデータの送信を開始することもなく、さらに、充放電器側制御部190AがステップS162でデータを受信することもない。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS163で、電動車両300からCAN通信データを受信したか否かを判定する。ここでは、ステップS162でCAN通信データを受信しなかったことから(S163:No)、充放電器側制御部190は、ステップS172の処理に進む。電動車両300からCAN通信データを受信しなかった場合、コネクタ210が非接続状態であると判定できる。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS172で、コネクタ210が非接続状態であることを報知する。具体的には、充放電器側制御部190Aは、表示部160に図や文字情報を表示させて、コネクタ210が電動車両300に接続されていないことをユーザに報知する。また、これに合わせて、充放電器側制御部190Aは充放電器10の本体部100に設けられているスピーカ(不図示)を動作させ、音声によってユーザへの報知を行ってもよい。
図9に示される第2充電プロセスは、第1充電プロセスの実行後に実行される処理であり、第1充電プロセスで決定された充電開始時刻が到来したことをトリガとして実行される。第2充電プロセスは、前述した状態判定処理において、コネクタ210が接続状態であると判定された場合のみ実行される。
この第2充電プロセスにおいて充放電器側制御部190Aが実行するステップS181からステップS185までの処理は、前述した第1充電プロセスにおいて実行するステップS143からステップS147までの処理(図7参照)と同様である。また、車両側制御部390Aが実行するステップS281からステップS285までの処理は、前述した第1充電プロセスにおいて実行するステップS241からステップS245までの処理(図7参照)と同様である。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS186で、電力変換器110による充電用電力の供給を開始させる。充電用電力は、蓄電池310を充電することを目的として、電力変換器110から蓄電池310に供給される電力である。この充電用電力の供給において流れる電流の大きさは、前述した充電用電流上限値と、電力変換器110が供給可能な電流の最大値とのうち、小さい方に設定されている。この充電用電力の供給により、蓄電池310の充電が開始する。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS187で、蓄電池310の充電率が閾値(例えば、100%に近い値)を超えているか否かを判定する。蓄電池310の充電率が閾値を超えていないと判定した場合(S187:No)、充放電器側制御部190Aは、電力変換器110による充電用電力の供給を継続させる。一方、蓄電池310の充電率が閾値を超えたと判定した場合(S187:Yes)、車両側制御部390Aは、ステップS188の処理に進む。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS188で、電力変換器110による充電用電力の供給を停止させる。すなわち、蓄電池310の充電を完了させる。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS189で、所要充電時間補正量を算出する。当該所要充電時間補正量は、前述したステップS150で算出された所要充電時間と、充電用電力の供給を開始してから蓄電池310の充電率が閾値を超えるまでに実際に要した時間と、の差分に基づいて算出される。充放電器側制御部190Aは、次回のステップS150の処理において、この所要充電時間補正量を用いて所要充電時間を算出することで、所要充電時間をより正確な値とすることができる。
以上説明したように、本変形例に係る充放電器10は、充電開始時刻の決定後且つ充電開始時刻前に、コネクタ状態判定部194によりコネクタが接続状態にあると判定された場合に、電力変換器110から蓄電池310に暖機用電力を供給させる蓄電池暖機部196を備える。当該暖機用電流の供給を受けることで蓄電池310における電気化学反応が促進され、その際の発熱によって加熱されることで、充電用電流上限値が上昇する。したがって、コネクタ210の状態の判定を行いつつ、蓄電池310を暖機して大きな電流を受け入れ可能な状態とし、蓄電池310の充電を迅速に行うことが可能となる。
また、充電開始時刻決定部193は、充電開始時刻の決定後且つ充電開始時刻前に、暖機用電力の供給後の蓄電池310の状態に基づいて充電開始時刻を更新する。これにより、大きな電流を受け入れ可能となった蓄電池310の状態に応じて、充電開始時刻を妥当なものに更新することが可能となる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
10:充放電器(充電器)
110:電力変換器(電力供給部)
130:リレー(通信開始スイッチ)
160:表示部(報知部)
193:充電開始時刻決定部
194:コネクタ状態判定部
196:蓄電池暖機部
210:コネクタ
300:電動車両
310:蓄電池
400:商用電源(外部電源)
110:電力変換器(電力供給部)
130:リレー(通信開始スイッチ)
160:表示部(報知部)
193:充電開始時刻決定部
194:コネクタ状態判定部
196:蓄電池暖機部
210:コネクタ
300:電動車両
310:蓄電池
400:商用電源(外部電源)
Claims (6)
- 電動車両(300)の蓄電池(310)に外部電源(400)から電力を供給して充電する充電器(10)であって、
前記電動車両に接続されるコネクタ(210)と、
外部電源から供給される電力を、前記コネクタを介して前記蓄電池に供給する電力供給部(110)と、
前記コネクタが前記電動車両に接続された状態で閉動作することで、前記電動車両に通信開始信号を送信する通信開始スイッチ(130)と、
前記通信開始信号の送信後に前記電動車両から受信する通信データに基づいて、前記電力供給部が前記蓄電池への電力供給を開始する時刻である充電開始時刻を決定する充電開始時刻決定部(193)と、
前記コネクタの状態を判定するコネクタ状態判定部(194)と、
ユーザへの報知を行う報知部(160)と、を備え、
前記コネクタ状態判定部は、前記充電開始時刻の決定後且つ前記充電開始時刻前に、前記通信開始スイッチに閉動作させるとともに、該閉動作後に前記電動車両から前記通信データを受信した場合は前記コネクタが接続状態にあると判定する一方で、前記通信データを受信しなかった場合は前記コネクタが非接続状態にあると判定する状態判定処理を実行し、
前記報知部は、前記コネクタ状態判定部により前記コネクタが非接続状態にあると判定された場合に報知を行うことを特徴とする充電器。 - 前記コネクタ状態判定部は、前記充電開始時刻の決定後且つ前記充電開始時刻前に、前記通信開始スイッチの閉動作から予め定められた所定時間が経過する前に前記通信データを受信しなかった場合に、前記コネクタが非接続状態にあると判定することを特徴とする請求項1に記載の充電器。
- 前記コネクタ状態判定部は、前記充電開始時刻の決定後且つ前記充電開始時刻前に、予め定められた所定時間毎に前記状態判定処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の充電器。
- 前記充電開始時刻決定部は、前記充電開始時刻の決定後且つ前記充電開始時刻前に、前記電動車両から受信する前記通信データに基づいて前記充電開始時刻を更新することを特徴とする請求項1に記載の充電器。
- 前記コネクタ状態判定部により前記コネクタが接続状態にあると判定された場合に、前記電力供給部から前記蓄電池に暖機用電力を供給させる蓄電池暖機部(196)を備えることを特徴とする請求項1に記載の充電器。
- 前記充電開始時刻決定部は、前記充電開始時刻の決定後且つ前記充電開始時刻前に、前記暖機用電力の供給後の前記蓄電池の状態に基づいて前記充電開始時刻を更新することを特徴とする請求項5に記載の充電器。
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