WO2013005297A1

WO2013005297A1 - 成形面ファスナー及び成形面ファスナーの製造方法、並びにクッション体の製造方法

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Publication number: WO2013005297A1
Application number: PCT/JP2011/065348
Authority: WO
Inventors: 健司奥田; 進一今井; 峰登寺田; 祐治高田
Original assignee: Ykk株式会社
Priority date: 2011-07-05
Filing date: 2011-07-05
Publication date: 2013-01-10
Also published as: US9433262B2; US20140130311A1; TWI620521B; CN103648318B; CN103648318A; TW201311168A

Abstract

　本発明の成形面ファスナー(1,1a,1b,2,3,4,5,6,7)は、複数の面ファスナー部(10,80,100,110)と、面ファスナー部(10,80,100,110)を連結する弾性体の連結部材(20,20a,85,115,125,135,145)とを有する。前記連結部材(20,20a,85,115,125,135,145)は、係合素子領域(18)を間に挟んだ両側に長さ方向に沿って連続して配され、前記面ファスナー部(10,80,100,110)を連結する一対の縦壁連結部(21,21a,86,116,126,136,146)を有する。これにより、成形面ファスナー(1,1a,1b,2,3,4,5,6,7)をクッション体に成形一体化する際に、樹脂材料が面ファスナー部(10,80,100,110)の係合素子領域(18)に侵入することを防止し、係合素子領域(18)にて所望の係着力を安定して確保できる。

Description

成形面ファスナー及び成形面ファスナーの製造方法、並びにクッション体の製造方法

　本発明は、発泡体の成形時に同発泡体表面に一体化される成形面ファスナー及びその製造方法に関し、特に、複数の面ファスナー部が、弾性体からなる連結部材により連結され、且つ、発泡成形時に発泡樹脂材料が面ファスナー部の係合素子形成領域に侵入することを阻止する成形面ファスナー及びその製造方法に関する。

　自動車や列車の座席用シート、各種ソファー、事務用チェアーなどは、発泡性樹脂を用いて所定の形状に成形されたクッション体（発泡体）の表面に、繊維製布帛や天然又は合成皮革などからなる表皮材を被着させて構成されていることが多い。このような各種のシート等に用いられるクッション体は、長時間着座しても疲れない着座姿勢を維持するため、人間工学的に満足する凹凸形状からなる湾曲面を有していることがある。

　また、クッション体の表面に表皮材を被着させる場合、クッション体を所望の形状に成形した後、得られたクッション体の表面に表皮材を被せて固定する方法が採用されることが多い。特にこの場合、クッション体の表面と表皮材の裏面とを固定する手段として、成形面ファスナーが一般的に利用されている。

　成形面ファスナーは、熱可塑性樹脂からなる基材部の一表面（第１面）に複数の係合素子（雄型係合素子）が配されて構成されており、このような成形面ファスナーを、クッション体の成形時に同クッション体表面に係合素子が露呈するように成形一体化する。また、このクッション体を被覆する表皮材の裏面には、成形面ファスナーの係合素子と係着可能な複数の係合素子（雌型係合素子）を設けておく。

　そして、成形面ファスナーが一体化されたクッション体に表皮材を被せた後、その表皮材の裏面に配された雌型係合素子を、クッション体表面に露呈した成形面ファスナーの雄型係合素子に押し付けることにより、表皮材を成形面ファスナーに係着させる。これによって、表皮材が、クッション体の表面に当該表面の凹凸形状に沿って容易に固定され、表皮材がクッション体から浮き上がることを防止している。

　このような表皮材とクッション体との固定に用いられる成形面ファスナーでは、所要の固着強度を安定して確保するために、クッション体の発泡成形時にクッション体の発泡性樹脂材料が成形面ファスナーの係合素子が形成されている領域（係合素子領域）内に流入することを防いで、成形面ファスナーの係合素子領域をクッション体の表面に露呈させることが必要となる。

　また、このような成形面ファスナーでは、表皮材を浮き上がらせないようにクッション体表面の凹凸形状に沿って固定するために、成形面ファスナー自体もクッション体の表面形状に合わせるように当該成形面ファスナーの幅方向や表裏方向に湾曲させた形態で、クッション体に成形一体化させることが必要とされることもあった。

　上述のような要求に対応するために、例えば特開２００４－３２１号公報（特許文献１）に開示されている成形面ファスナー（モールドイン成型用係止部材）や、特開２０１０－１６２３３９号公報（特許文献２）に開示されている成形面ファスナー（雄型面ファスナー部材）が提案されている。

　例えば図４９に示したように、特許文献１に記載されている成形面ファスナー１５０は、基材部１５２の第１面に多数の係合素子１５３が配された直線状の係止部（面ファスナー部）１５１と、その係止部１５１の第２面に接着された合成樹脂発泡層１５４とを有している。また、合成樹脂発泡層１５４は、係止部１５１よりも幅方向に大きく形成され、その係止部１５１よりも外側に飛び出した合成樹脂発泡層１５４の部分が、成形面ファスナー１５０を金型１５５に載置したときに同金型１５５と密着するシール部として構成されている。更に特許文献１では、成形面ファスナー１５０の合成樹脂発泡層１５４が、１～１０ｍｍの厚さと、０．０２～１．０ＭＰａの初期圧縮変形度とを有している。

　特許文献１によれば、このような成形面ファスナー１５０は、クッション体を成形する金型１５５の凹部１５６に簡単に且つ確実に保持され、しかも、成形面ファスナー１５０の合成樹脂発泡層１５４と金型１５５とのシール性に優れているため、成形面ファスナー１５０の係合素子１５３側に樹脂組成物（発泡樹脂材料）が流入することを阻止できるとしている。なお、図４９に示した成形面ファスナー１５０は、直線状に構成されているため、クッション体に対して成形面ファスナー１５０を幅方向に湾曲させて成形一体化することはできない。

　このため、同特許文献１では、幅方向に曲線状に湾曲させた状態でクッション体に成形一体化することが可能な成形面ファスナーとして、図５０に示したように、合成樹脂発泡層１５４ａを予め全体として曲線状に湾曲させた形態に発泡成形し、得られた合成樹脂発泡層１５４ａに所要の数の係止部（面ファスナー部）１５１ａを接着剤を用いて接着した成形面ファスナー１５０ａも提案されている。

　一方、特許文献２に記載されている成形面ファスナー１６０は、図５１に示したように、縦防壁部１６３及び前後端縁側の横防壁部１６４に囲まれた係合素子領域１６５を有する複数の面ファスナー部１６１と、隣接する面ファスナー部１６１の長さ方向の端縁間を所定の間隔をもって接続する接続部１６２とを有している。

　各面ファスナー部１６１は、平板状の基材部１６６と、基材部１６６の一面に立設された複数のフック状の係合素子（雄型係合素子）１６７と、係合素子１６７を間に挟んで基材部１６６の左右側縁部に長さ方向に沿って立設された左右の縦防壁部１６３と、左右の縦防壁部１６３間に幅方向に沿って立設された横防壁部１６４と、接続部１６２を構成するモノフィラメントを固定する突出部１６８と、長さ方向に沿って配された線状磁性体１６９とを有している。

　各面ファスナー部１６１に配される複数の係合素子１６７は、基材部１６６の長さ方向及び幅方向に沿って、互いに所定の間隔を開けて整列している。
　縦防壁部１６３は、左右にそれぞれ３列の縦壁列を有しており、各縦壁列は、長さ方向に所定のピッチで配された複数の縦壁体１６３ａにより構成されている。この場合、隣接する列の壁部間において、縦壁体１６３ａは互い違いとなるように千鳥状に配されている。また、横防壁部１６４は、幅方向に整列した係合素子１６７と、幅方向に沿って配された複数の横壁体１６４ａとにより構成されている。

　モノフィラメントを固定する突出部１６８は、面ファスナー部１６１における幅方向の略中央部に、基材部１６６からブロック形状に突出して形成されており、モノフィラメントを面ファスナー部１６１の領域内の全体に亘って埋設している。面ファスナー部１６１に配される線状磁性体１６９は、基材部１６６からブロック形状に突出した固定部１７０内にその一部が埋設されることにより固定されている。

　面ファスナー部１６１間を接続する接続部１６２は、上述のように、各面ファスナー部１６１の突出部１６８に埋設される合成樹脂製の線状モノフィラメントにより構成されている。このモノフィラメントは、面ファスナー部１６１の領域内では突出部１６８内に埋設されているものの、隣接する面ファスナー部１６１間の間隙では外部に露呈しており、そのモノフィラメントの露呈している部分によって接続部１６２が構成されている。このような接続部１６２が配されていることにより、成形面ファスナー１６０を幅方向に容易に曲げることが可能となる。

　このような特許文献２の成形面ファスナー１６０は、金型を用いてクッション体を発泡成形する際に、その金型に予め設置した磁石の磁力を利用して成形面ファスナー１６０の線状磁性体１６９を引き付けることにより、同金型のキャビティ面に、係合素子１６７をキャビティ面に対向させるようにして吸着固定することができる。

　このとき、成形面ファスナー１６０は、面ファスナー部１６１間を接続する接続部１６２（モノフィラメント）を容易に撓ませることができるため、幅方向や表裏方向に湾曲させた状態で金型のキャビティ面に吸着固定し、その湾曲させた形態でクッション体に成形一体化することが可能となる。

　また、この成形面ファスナー１６０は、複数の係合素子１６７が配された係合素子領域１６５が縦防壁部１６３と横防壁部１６４とによって囲まれて構成されている。特に特許文献２において、縦防壁部１６３は、所定のピッチで千鳥状に配された複数の縦壁体（分割壁体）１６３ａにより構成されており、各縦壁体１６３ａは相互に離間して配されている。

　この場合、クッション体の発泡成形時において、発泡樹脂材料は、縦防壁部１６３の縦壁体１６３ａ間に形成されている隙間を通って係合素子領域１６５に侵入しようとする。しかしながら、各縦壁体１６３ａにより発泡樹脂材料の流通抵抗が大きくなるため、発泡樹脂材料が係合素子領域１６５に到達する前に発泡および凝固し、係合素子領域１６５に侵入することを防止できる。

　このように、特許文献２の成形面ファスナー１６０では、クッション体の発泡成形時に発泡樹脂材料が縦防壁部１６３及び横防壁部１６４を超えて係合素子領域１６５に侵入することを防止でき、クッション体に成形一体化された成形面ファスナー１６０の係合素子１６７による係着力を安定して確保できる。

特開２００４－３２１号公報特開２０１０－１６２３３９号公報

　自動車や列車に配されるシートには、シートの用途や用いられる位置によって、また、そのシートを製造する製造業者などによって、様々な形状及びサイズを有するクッション体が用いられ、更に、クッション体を構成する発泡樹脂材料も異なる。

　一方、図５０に示した特許文献１の成形面ファスナー１５０ａは、上述のように、クッション体表面の凹凸形状に対応させるように幅方向に湾曲させてクッション体に成形一体化することが可能である。

　しかし、この成形面ファスナー１５０ａは、合成樹脂発泡層１５４ａが予め全体として曲線状に湾曲させた状態で発泡成形されているため、ある一定の形状を有するクッション体には適切に成形一体化することができるものの、異なる形状のクッション体には対応することができない。従って、このような曲線対応の成形面ファスナー１５０ａは、形状が異なるクッション体ごとに、そのクッション体に対応した合成樹脂発泡層１５４ａを別々に成形して用意しなければならず、汎用性が低いという問題があった。

　また、この成形面ファスナー１５０ａをクッション体に成形一体化する場合、クッション体の所要箇所に成形面ファスナー１５０ａを設ける凹溝部（トレンチ部）を設け、その凹溝部の底面部に成形面ファスナー１５０ａが固定されることになる。この場合、クッション体を成形する金型のキャビティ面に、前記凹溝部（トレンチ部）を形成するための凸条部を設けるとともに、凸条部の頂面に成形面ファスナー１５０ａの係合素子を収容するための収容凹部を設ける必要があるため、金型の作製が煩雑になるという問題があった。

　更に、同成形面ファスナー１５０ａを金型の凸条部に載置する場合には、凸条部の頂面に単一の長い収容凹部を設けて、その長い収容凹部内に成形面ファスナー１５０ａの複数の係止部１５１ａ（面ファスナー部）を収容することができ、或いは、金型の凸条部の頂面に、成形面ファスナー１５０ａの係止部１５１ａに対応した複数の収容凹部を設けて、各収容凹部に成形面ファスナー１５０ａの係止部１５１ａを１つずつ収容することもできる。

　しかし、特許文献１にも明確に記載されているように、例えば金型の凸条部の頂面に単一の長い収容凹部を設けた場合、成形面ファスナー１５０ａの複数の係止部１５１ａを、凸条部の収容凹部内に収容して成形面ファスナー１５０ａを金型に載置する作業は容易であるものの、成形面ファスナー１５０ａの係止部１５１ａ間における合成樹脂発泡層１５４ａと金型とのシール性が低下し、クッション体の発泡成形時に収容凹部内に発泡樹脂材料が流入することを完全に防止できないという問題があった。

　特に、発泡樹脂材料が低い粘度を有する場合、発泡樹脂材料が収容凹部内により流入し易くなるという問題があった。また、例えばクッション体の発泡成形においては、金型に対して噴射ノズルを相対的に移動させながら同噴射ノズルから発泡樹脂材料が噴射されるが、この場合、発泡樹脂材料が成形面ファスナー１５０ａに対して斜め方向から噴き付けられることがある。このとき、成形面ファスナー１５０ａの合成樹脂発泡層１５４ａが金型から離れて（めくれて）しまい、収容凹部内に発泡樹脂材料が流入することもあった。

　一方、例えば金型の凸条部の頂面に成形面ファスナー１５０ａの係止部１５１ａに対応した複数の収容凹部を設けた場合、成形面ファスナー１５０ａを金型の凸条部に載置する際に、成形面ファスナー１５０ａの各係止部１５１ａの位置を正確に調整しながら係止部１５１ａを各収容凹部に個々に収容する必要があるため、成形面ファスナー１５０ａを金型にセットする作業に手間が掛かり、作業効率を低下させるという問題があった。

　また、特許文献２の成形面ファスナー１６０は、隣接する面ファスナー部１６１同士が可撓性を備えた接続部１６２で接続されているため、成形面ファスナー１６０自体を幅方向や表裏方向に容易に湾曲させることが可能となる。このため、成形面ファスナー１６０は、様々な形状のクッション体に容易に適用でき、汎用性が高いという利点も有する。

　更に、特許文献２の成形面ファスナー１６０では、前述のように縦防壁部１６３が複数の分割された縦壁体１６３ａにより構成されていても、縦壁体１６３ａを千鳥状に配して発泡樹脂材料の流通抵抗を増大させているため、発泡樹脂材料を係合素子領域１６５に到達する前に凝固させることができ、それによって、発泡樹脂材料が係合素子領域１６５に侵入することを防止している。

　しかしながら、このような特許文献２の成形面ファスナー１６０において、例えば発泡樹脂材料が極めて低い粘度を有する場合や、発泡樹脂材料が成形面ファスナー１６０に対して斜め方向から噴き付けられて成形面ファスナー１６０の縦防壁部１６３に直接衝突する場合には、縦防壁部１６３にて発泡樹脂材料の流通抵抗を増大させても、発泡樹脂材料が係合素子領域１６５に到達して侵入することがあり、その係合素子領域１６５にて予定していた所望の係着力が得られない虞があった。

　また特許文献２の成形面ファスナー１６０は、面ファスナー部１６１間を接続する接続部１６２を撓ませることにより、上述のように表裏方向や幅方向に湾曲可能に構成されているが、各面ファスナー部１６１自体は撓ませ難く、各面ファスナー部１６１を適度に湾曲させることができない。

　このため、クッション体を成形する金型において、例えば成形面ファスナー１６０を吸着固定する凸条部の頂面が表裏方向に大きく撓んでいる場合、その凸条部に沿って成形面ファスナー１６０全体を湾曲させることはできるものの、各面ファスナー部１６１における前後端部では凸条部の頂面との間に隙間が形成されることがある。この場合、クッション体の発泡成形時に、面ファスナー部１６１の前後端部に形成された当該隙間を介して、発泡樹脂材料が面ファスナー部１６１の係合素子領域１６５に侵入する虞があった。

　本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、表裏方向や幅方向に曲げることが可能に構成されて高い汎用性を有し、且つ、クッション体の発泡成形時に発泡樹脂材料が係合素子形成領域に侵入することを防いで、係合素子による係着力を安定して確保することが可能な成形面ファスナーを提供することにある。

　上記目的を達成するために、本発明により提供される成形面ファスナーは、基本的な構成として、複数の係合素子が基材部の第１面に立設されて係合素子領域が構成された複数の面ファスナー部と、各面ファスナー部における幅方向の中心位置を長さ方向に沿って一直線上に配置して複数の前記面ファスナー部を連結する可撓性を備えた連結部材とを有し、クッション体の発泡成形時に同クッション体の表面に成形一体化される成形面ファスナーであって、前記連結部材は、弾性体からなり、且つ、前記基材部の前記係合素子領域を間に挟んだ両側に、前記成形面ファスナーの長さ方向に沿って連続して配され、複数の前記面ファスナー部を連結するとともに前記発泡成形時に前記クッション体の発泡樹脂材料が幅方向から前記係合素子領域に侵入することを阻止する一対の縦壁連結部を有してなることを最も主要な特徴とするものである。

　本発明に係る成形面ファスナーにおいて、前記連結部材は、前記基材部の前記第１面に固着されていることが好ましい。
　また、前記連結部材は、前記成形面ファスナーの長さ方向における両端部に、一対の前記縦壁連結部間に亘って配され、前記発泡樹脂材料が長さ方向から前記係合素子領域に侵入することを阻止する侵入防止横壁部を有していることが好ましい。

　更に、前記連結部材は、互いに隣接する前記面ファスナー部間に、一対の前記縦壁連結部間に亘って配され、前記面ファスナー部間を連結する横壁連結部を有していることが好ましい。この場合、前記横壁連結部は、前記面ファスナー部間において、前記基材部の第２面側から前記第１面側にかけて形成され、且つ、各面ファスナー部の側面に固着されていることが更に好ましい。

　更にまた、前記連結部材は、各面ファスナー部の前記基材部の第２面に固着されたアンカー部を有し、前記アンカー部は、前記成形面ファスナーの長さ方向全体に連続して配されていることが好ましい。特に、前記縦壁連結部、前記横壁連結部、及び前記アンカー部が同一素材であって一体化されていることが好ましい。

　また、本発明に係る成形面ファスナーにおいて、前記基材部の第２面に凹凸が設けられていることが好ましい。

　更に、前記面ファスナー部は、前記係合素子領域と前記縦壁連結部との間に少なくとも１列の縦壁列を備えた縦防壁部を有していることが好ましく、この場合、前記縦壁連結部と前記縦防壁部とが固着されていることが好ましい。

　またこの場合、前記係合素子は、前記基材部の幅方向に所定のピッチをもって配され、前記縦防壁部と前記係合素子との間に、及び幅方向に互いに隣接する前記係合素子の間に、横防壁体が幅方向に沿って配されていることが好ましい。

　本発明の成形面ファスナーにおいて、前記縦壁連結部における前記基材部の前記第１面からの高さ寸法が、前記係合素子における前記基材部の前記第１面からの高さ寸法よりも大きく設定されていることが好ましい。

　また本発明の成形面ファスナーでは、前記面ファスナー部の一部は、前記連結部材に埋設されていることが好ましい。更に、前記面ファスナー部は、前記連結部材に接着層を介して接着されていても良い。

　更に本発明の成形面ファスナーにおいて、前記面ファスナー部に、隣接する前記面ファスナー部の前記基材部間を接続する基材接続部が一体的に配されていることが好ましい。
　また、前記連結部材は、発泡体又はエラストマーからなることが好ましい。

　次に、本発明により提供される第１の態様に係る成形面ファスナーの製造方法は、基本的な構成として、複数の係合素子が基材部の第１面に立設されて係合素子領域を備えた複数の面ファスナー部と、複数の前記面ファスナー部を連結する連結部材とを有し、複数の前記面ファスナー部は、各面ファスナー部における幅方向の中心位置が、長さ方向に沿って直線上に配置されて前記連結部材により連結され、クッション体の発泡成形時に同クッション体の表面に成形一体化される成形面ファスナーを製造する製造方法であって、上側コンベアベルト部と、下側コンベアベルト部と、前記上側及び下側コンベアベルト部間に配され、前記連結部材を成形可能な成形空間部とを有する搬送部の前記上側及び下側コンベアベルト部を所定の速度で搬送すること、前記搬送部に、複数の前記面ファスナー部を順次供給するとともに、前記連結部材を構成する合成樹脂材料を導入すること、及び、前記上側及び下側コンベアベルト部にて前記面ファスナー部を搬送しながら、前記連結部材を、少なくとも前記基材部の前記係合素子領域を間に挟んだ両側に、前記成形面ファスナーの長さ方向に連続して発泡成形し、複数の前記面ファスナー部を連結すること、を含んでなることを最も主要な特徴とするものである。

　このような本発明に係る成形面ファスナーの製造方法は、前記下側コンベアベルト部に、前記面ファスナー部を磁力を利用して吸着させて前記成形空間部に供給すること、前記面ファスナー部が吸着されている前記下側コンベアベルト部内に、前記合成樹脂材料を注入すること、及び、前記下側コンベアベルト部と前記上側コンベアベルト部とを密着させて前記成形空間部を形成し、当該成形空間部内で発泡成形すること、を含んでいることが好ましい。

　また、本発明に係る成形面ファスナーの製造方法は、前記下側コンベアベルト部内に前記合成樹脂材料を注入すること、前記上側コンベアベルト部に、前記面ファスナー部を磁力を利用して吸着させること、及び、前記合成樹脂材料が流し込まれた前記下側コンベアベルト部と、前記面ファスナー部を吸着させた前記上側コンベアベルト部とを密着させて前記成形空間部を形成し、当該成形空間部内で発泡成形すること、を含んでいても良い。

　更に、本発明により提供される第２の態様に係る成形面ファスナーの製造方法は、基本的な構成として、複数の係合素子が基材部の第１面に立設されて係合素子領域を備えた複数の面ファスナー部と、複数の前記面ファスナー部を連結する連結部材とを有し、複数の前記面ファスナー部は、各面ファスナー部における幅方向の中心位置が、長さ方向に沿って直線上に配置されて前記連結部材により連結され、クッション体の発泡成形時に同クッション体の表面に成形一体化される成形面ファスナーを製造する製造方法であって、前記連結部材を構成する合成樹脂材料を用いて、長尺の仮連結部材を発泡成形すること、前記仮連結部材の第１面に、複数の凹部を長さ方向に沿って所定の間隔で設けて、前記連結部材を成形すること、前記連結部材の各凹部に接着剤を塗布すること、及び、前記接着剤が塗布された前記凹部に前記面ファスナー部を供給して接着させること、を含んでなることを最も主要な特徴とするものである。

　また、第１及び第２の態様に係る成形面ファスナーの製造方法は、前記連結部材の成形後、前記連結部材を所定の長さで切断することを含んでいることが好ましい。

　更に、本発明によれば、上述の構成を有する成形面ファスナーの製造方法により製造された成形面ファスナーを金型のキャビティ面に密着させた状態で発泡成形を行うことにより、前記成形面ファスナー付きのクッション体を製造することを特徴とするクッション体の製造方法が提供される。

　本発明に係る成形面ファスナーは、係合素子領域を備えた複数の面ファスナー部と、これらの面ファスナー部を連結する可撓性を備えた弾性体の連結部材とを有している。また、連結部材は、基材部の係合素子領域を間に挟んだ左右両側に、成形面ファスナーの長さ方向に沿って連続して配された一対の縦壁連結部を有しており、複数の面ファスナー部は、幅方向の中心位置を長さ方向に沿って一直線上に並べられた状態で、連結部材の縦壁連結部により連結されている。

　このような本発明の成形面ファスナーによれば、面ファスナー部間で連結部材（縦壁連結部）を撓ませることができるため、幅方向から樹脂材料の侵入を防止するとともに、成形面ファスナーを表裏方向にも幅方向にも容易に曲げることが可能となる。このため、同成形面ファスナーは、係合力を保ったまま、様々な形状のクッション体に容易に対応でき、高い汎用性を備えている。

　特に、本発明の成形面ファスナーは、例えばクッション体の発泡成形を行う金型の凸条部頂面に前述の特許文献１のような収容凹部を設けなくても、同凸条部頂面に成形面ファスナーを係合素子が対向するように載置することによって、成形面ファスナーの縦壁連結部を凸条部頂面に密着させて、その縦壁連結部にて発泡樹脂材料が係合素子領域に侵入することを阻止できる。従って、本発明は、前述の特許文献１の場合に比べてクッション体を成形する金型の作製が容易となるとともに、成形面ファスナーを金型にセットする作業を簡単に行うことができ、金型への取付作業性に優れている。

　その上、本発明では、発泡樹脂材料の侵入を阻止する縦壁連結部が可撓性を備えた弾性体からなるため、クッション体を成形する金型の凸条部頂面が例えば表裏方向に湾曲していた場合でも、縦壁連結部を金型の凸条部頂面に安定して密着させることができ、それによって、縦壁連結部と金型の凸条部頂面との間に隙間が形成されることを防止して、縦壁連結部より外側の領域と縦壁連結部より内側の係合素子領域とを縦壁連結部で完全に遮断できる。

　このため、例えばクッション体の発泡樹脂材料が極めて低い粘度を有する場合や、発泡樹脂材料が成形面ファスナーに対して斜め方向から噴き付けられて縦壁連結部に直接衝突する場合であっても、縦壁連結部によって発泡樹脂材料が係合素子領域に侵入することを効果的に防止でき、その結果、成形面ファスナーの係合素子形成領域にて予定していた所望の係着力を安定して確保することができる。

　このような本発明の成形面ファスナーにおいて、前記連結部材は、面ファスナー部の係合素子が配されている基材部の第１面側に固着されている。これにより、複数の面ファスナー部を安定して連結できるとともに、クッション体の発泡樹脂材料が係合素子領域に侵入することをより効果的に防止できる。

　本発明において、前記連結部材は、成形面ファスナーの長さ方向における両端部に、一対の縦壁連結部間に亘って配された侵入防止横壁部を有している。これにより、クッション体を成形する金型の凸条部頂面に成形面ファスナーを載置したときに、侵入防止横壁部を金型の凸条部頂面に安定して密着させることができ、それによって、発泡樹脂材料が長さ方向から面ファスナー部の係合素子領域に侵入することを阻止できる。

　また、本発明において、前記連結部材は、互いに隣接する面ファスナー部間に、一対の前記縦壁連結部間に亘って配され、面ファスナー部間を連結する横壁連結部を有している。これにより、隣接する面ファスナー部を連結部材でより安定して連結することができるとともに、連結部材の強度を高めて、連結部材が面ファスナー部間で切断されることを防止できる。また、このような横壁連結部を有することにより、連結部材の剛性も高められ、更に、縦壁連結部が幅方向の外側に向けて傾倒することも防止できる。それにより、発泡樹脂材料が縦壁連結部を越えて係合素子領域へ侵入することをより安定して防止できる。

　特にこの場合、横壁連結部が、面ファスナー部間において、基材部の第２面側から第１面側にかけて形成され、且つ、各面ファスナー部の側面に固着されている。これにより、面ファスナー部間の剛性を更に高めることができる。

　ここで、例えば連結部材の剛性が低い場合、成形面ファスナーが面ファスナー部間で折れ易く（屈曲し易く）なるため、成形面ファスナーを金型の凸条部頂面にセットする際に、成形面ファスナーの各部位の位置が凸条部頂面に対してずれ易くなる虞がある。一方、上述のように横壁連結部を設けて連結部材の剛性を高めることにより、成形面ファスナーを金型の凸条部頂面にセットする際に、凸条部頂面に対する成形面ファスナーの位置合わせが容易となり、成形面ファスナーの取付を短時間でより簡単に行うことが可能となる。従って、成形面ファスナーの取付作業性をより向上させることができる。

　更に本発明において、前記連結部材は、各面ファスナー部の基材部の第２面に固着されたアンカー部を有し、このアンカー部は、成形面ファスナーの長さ方向全体に連続して配されている。面ファスナー部がこのようなアンカー部を有することにより、連結部材と面ファスナー部との接合強度（固着強度）をより高めることができる。

　特にこの場合、連結部材の縦壁連結部とアンカー部とが一体化されていることにより、連結部材と面ファスナー部との接合強度が一層高められるとともに、連結部材の強度も高められ連結部材が切断されることを防止できる。

　更にまた本発明において、前記基材部の第２面に凹凸が設けられている。これにより、面ファスナー部の基材部と、連結部材のアンカー部との接合強度又はクッション体の凹溝部の底面部との固着強度を効果的に高めることができる。

　また本発明において、前記面ファスナー部は、係合素子領域と縦壁連結部との間に少なくとも１列の縦壁列を備えた縦防壁部を有している。これにより、クッション体を発泡成形するときに発泡樹脂材料が係合素子領域に幅方向から侵入することをより確実に防止できる。また、係合素子領域の外側に縦防壁部が配されていることによって、例えば成形面ファスナーの製造にあたり合成樹脂材料を用いて連結部材の縦壁連結部を複数の面ファスナー部に跨って成形する際に、合成樹脂材料が係合素子領域に侵入することを防止できる。

　この場合、縦壁連結部と縦防壁部とが互いに固着されていることにより、連結部材と面ファスナー部との接合強度（固着強度）をより高めることができる。また、成形面ファスナーを金型の凸条部頂面に載置して磁力により吸着固定した際に、成形面ファスナーの縦壁連結部が面ファスナー部の縦防壁部から離れるように外側に倒れることを防止でき、発泡樹脂材料の係合素子領域への侵入を確実に防止できる。

　また、前記係合素子は、基材部の幅方向に所定のピッチをもって配されており、縦防壁部と係合素子との間に、及び幅方向に互いに隣接する係合素子の間に、横防壁体が幅方向に沿って配されている。これにより、一対の縦防壁部間に配された係合素子及び横防壁体で横防壁部が構成される。このため、クッション体を発泡成形するときに発泡樹脂材料が係合素子領域に長さ方向から侵入することを防止できる。また、一対の縦防壁部間に横防壁部が形成されることにより、例えば成形面ファスナーの製造にあたり合成樹脂材料を用いて連結部材を複数の面ファスナー部に跨って成形する際に、合成樹脂材料が係合素子領域に長さ方向から侵入することを防止できる。

　更に本発明において、縦壁連結部における基材部の第１面からの高さ寸法が、係合素子における基材部の第１面からの高さ寸法よりも大きく設定されている。これにより、クッション体を発泡成形するときに発泡樹脂材料が係合素子領域に幅方向から侵入することを縦壁連結部で確実に防止できる。

　本発明において、前記面ファスナー部の一部は、連結部材に埋設されている。これにより、複数の面ファスナー部がより強固に連結部材に固着される。
　また本発明では、前記面ファスナー部は、連結部材に接着層を介して接着されていても良い。これによっても、複数の面ファスナー部が強固に連結部材に固着される。

　更に本発明では、前記面ファスナー部に、隣接する面ファスナー部の基材部間を接続する基材接続部が一体的に配されている。このように複数の面ファスナー部が連結部材だけでなく、基材接続部によっても互いに連結されていることにより、成形面ファスナー全体の剛性が高められるため、成形面ファスナーを金型の凸条部頂面にセットする際に、凸条部頂面に対する成形面ファスナーの位置合わせが容易となり、成形面ファスナーの取付作業性をより向上させることができる。

　更にまた本発明において、前記連結部材が発泡体又はエラストマーからなることにより、複数の面ファスナー部を確実に連結できるとともに、連結部材を容易に撓ませることができる。このため、成形面ファスナーを表裏方向にも幅方向にも簡単に湾曲させることができる。特に、連結部材が発泡体によって構成されている場合には、成形面ファスナーを磁力を利用して金型の凸条部頂面に吸着固定したときに、連結部材の表面（上面）を金型の凸条部頂面に安定して密着させることができるため、連結部材によって発泡樹脂材料が係合素子領域に侵入することを確実に阻止できる。

　次に、本発明の第１の態様に係る成形面ファスナーの製造方法では、上側コンベアベルト部と、下側コンベアベルト部と、前記上側及び下側コンベアベルト部間に配され、前記連結部材を成形可能な成形空間部とを有する搬送部の上側及び下側コンベアベルト部を所定の速度で搬送しながら、その搬送部に、複数の面ファスナー部を１つずつ順次供給するとともに、連結部材を構成する合成樹脂材料を導入して発泡成形を行う。

　これにより、連結部材を複数の面ファスナー部に跨るように成形面ファスナーの長さ方向に連続して成形できる。従って、複数の面ファスナー部が、各面ファスナー部における幅方向の中心位置を長さ方向に沿って一直線上に配置された状態で連結部材により連結された成形面ファスナーを連続的に安定して製造することができる。

　特に、本発明の製造方法は、下側コンベアベルト部に、面ファスナー部を磁力を利用して吸着させて成形空間部に供給すること、面ファスナー部が吸着されている下側コンベアベルト部内に、合成樹脂材料を注入すること、及び、下側コンベアベルト部と上側コンベアベルト部とを密着させて成形空間部を形成し、当該成形空間部内で発泡成形することを含んでいる。これにより、連結部材を複数の面ファスナー部に跨るように長さ方向に沿って確実に成形でき、前述の本発明に係る成形面ファスナーを連続して製造できる。

　また、本発明の製造方法は、下側コンベアベルト部内に合成樹脂材料を注入すること、上側コンベアベルト部に、面ファスナー部を磁力を利用して吸着させること、及び、合成樹脂材料が流し込まれた下側コンベアベルト部と、面ファスナー部を吸着させた上側コンベアベルト部とを密着させて成形空間部を形成し、当該成形空間部内で発泡成形することを含んでいても良い。これによっても、連結部材を複数の面ファスナー部に跨るように長さ方向に沿って確実に成形でき、前述の本発明に係る成形面ファスナーを連続して製造できる。

　本発明の第２の態様に係る成形面ファスナーの製造方法では、連結部材を構成する合成樹脂材料を用いて長尺の仮連結部材を発泡成形し、続いて、成形した仮連結部材の第１面に複数の凹部を長さ方向に沿って所定の間隔で設けて連結部材を成形する。その後、得られた連結部材の各凹部に接着剤を塗布してから、その接着剤が塗布された凹部に面ファスナー部を供給して接着させる。これにより、複数の面ファスナー部が、各面ファスナー部における幅方向の中心位置を長さ方向に沿って一直線上に配置された状態で連結部材により連結された成形面ファスナーを連続的に安定して製造することができる。

　また、本発明の第１及び第２の態様に係る成形面ファスナーの製造方法は、連結部材の成形後、得られた連結部材を所定の長さで切断することを含んでいる。これにより、クッション体の形状や大きさに対応した所定の長さを有する成形面ファスナーを製造することができる。

　そして、本発明によれば、上述の構成を有する成形面ファスナーの製造方法により製造された成形面ファスナーを金型のキャビティ面に密着させた状態で発泡成形を行うことにより、前記成形面ファスナー付きのクッション体を製造するクッション体の製造方法が提供される。このようなクッション体の製造方法を用いることにより、成形面ファスナーの係合素子領域内に発泡樹脂が侵入しておらず、係合素子による所定の係着力が確保された成形面ファスナー付きのクッション体を安定して製造することができる。

　従って、本発明により製造されたクッション体に表皮材を被せた後、その表皮材の裏面に配された係合素子（雌型係合素子）を、クッション体に一体成形した成形面ファスナーの係合素子（雄型係合素子）に押し付けることにより、表皮材を成形面ファスナーに確実に係着させて、表皮材がクッション体から浮き上がることを防止できる。

本発明の実施例１に係る成形面ファスナーを示す平面図である。同成形面ファスナーの横断面図である。同成形面ファスナーを構成する面ファスナー部のみを示す斜視図である。面ファスナー部を成形する工程を模式的に説明する説明図である。成形された面ファスナー部を切断する工程を模式的に説明する説明図である。面ファスナー部を成形する別の工程を模式的に説明する説明図である。成形面ファスナーを製造する工程を模式的に説明する説明図である。下側コンベアベルト部の要部を拡大して模式的に示す模式図である。上側及び下側コンベアベルト部と面ファスナー部との関係を模式的に示す模式図である。上側及び下側コンベアベルト部と面ファスナー部及び連結部材との関係を模式的に示す断面図である。成形面ファスナーを製造する別の工程を模式的に説明する説明図である。成形面ファスナーを製造する更に別の工程を模式的に説明する説明図である。同工程に用いられる第１金型の断面図である。第１金型で連結部材を成形した状態を示す断面図である。成形面ファスナーを製造する更に別の工程を模式的に説明する説明図である。同工程にて連結部材を成形した状態を示す断面図である。クッション体を成形する金型を示す断面図である。金型のキャビティ面に配される幅方向に湾曲した凸条部を示す要部模式図である。幅方向に湾曲した凸条部に成形面ファスナーが吸着固定された状態を示す模式図である。金型のキャビティ面に配される表裏方向に湾曲した凸条部を示す要部模式図である。表裏方向に湾曲した凸条部に成形面ファスナーが吸着固定される状態を説明する説明図である。成形面ファスナーが金型の凸条部に吸着固定される前の状態を示す断面図である。クッション体を発泡成形したときの状態を示す断面図である。成形面ファスナーが金型の凸条部に強い磁力で吸着固定されたときの状態を示す断面図である。実施例１の第１変形例に係る成形面ファスナーを示す平面図である。同成形面ファスナーの横断面図である。実施例１の第２変形例に係る成形面ファスナーを示す平面図である。第２変形例に係る成形面ファスナーを製造する工程を模式的に説明する説明図である。本発明の実施例２に係る成形面ファスナーを示す平面図である。同成形面ファスナーの横断面図である。同成形面ファスナーを製造する工程を模式的に説明する説明図である。同成形面ファスナーを製造する別の工程を模式的に説明する説明図である。本発明の実施例３に係る成形面ファスナーを示す平面図である。同成形面ファスナーを構成する面ファスナー部のみを示す平面図である。同成形面ファスナーを幅方向に湾曲させた状態を示す平面図である。本発明の実施例４に係る成形面ファスナーを示す平面図である。同成形面ファスナーの横断面図である。同成形面ファスナーを構成する面ファスナー部のみを示す平面図である。同成形面ファスナーを製造する工程にて下側コンベアベルト部に面ファスナー部を吸着固定する状態を示す断面図である。上側及び下側コンベアベルト部と面ファスナー部及び連結部材との関係を模式的に示す断面図である。本発明の実施例５に係る成形面ファスナーを示す平面図である。同成形面ファスナーの縦断面図である。同成形面ファスナーを製造する工程を模式的に説明する説明図である。本発明の実施例６に係る成形面ファスナーを示す平面図である。同成形面ファスナーの縦断面図である。本発明の実施例７に係る成形面ファスナーを示す平面図である。同成形面ファスナーの横断面図である。同成形面ファスナーを製造する工程を模式的に説明する説明図である。従来の成形面ファスナーを金型に吸着固定した状態を示す断面図である。従来の曲線状に形成された成形面ファスナーを示す平面図である。従来の成形面ファスナーを示す平面図である。

　以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。

　図１は、本実施例１に係る成形面ファスナーを示す平面図であり、図２は、同成形面ファスナーの横断面図である。また、図３は、成形面ファスナーを構成する面ファスナー部のみを示す斜視図である。

　なお、以下の説明においては、成形面ファスナーの基材部における長手方向を前後方向と規定し、基材部における幅方向を左右方向と規定する。また、基材部における表裏方向を上下方向と規定し、特に、基材部に対して係合素子が配されている側の方向を上方とし、その反対側の方向を下方とする。

　本実施例１に係る成形面ファスナー１は、互いに分割されて構成された複数の面ファスナー部１０と、これらの面ファスナー部１０を連結する連結部材２０とを有しており、各面ファスナー部１０は、所定の寸法で互いに離間させるとともに、それぞれの幅方向における中心位置が長さ方向に沿って一直線上に配置されるようにして連結部材２０によって連結されている。この場合、面ファスナー部１０の個数は限定されず、成形面ファスナー１が成形一体化されるクッション体の大きさや形状などに応じて任意に設定される。

　ここで、本発明において、各面ファスナー部１０の幅方向における中心位置が長さ方向に沿って一直線上に配置されるとは、各面ファスナー部１０の長手方向が互いに平行となるように面ファスナー部１０が配置されると換言することもできる。

　この成形面ファスナー１における各面ファスナー部１０は、後述するように、ダイホイール３１を用いて熱可塑性樹脂材料を成形することにより形成されている。なお、面ファスナー部１０の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート、又はそれらの共重合体などの熱可塑性樹脂材料を採用できる。

　各面ファスナー部１０は、図３に示したように、平板状の基材部１１と、基材部１１の上面に立設された左右の縦防壁部１２と、左右の縦防壁部１２間に配された複数の係合素子（雄型係合素子）１７と、係合素子１７とともに横防壁部１５を構成する複数の横防壁体１６と、基材部１１の上面側に長さ方向に沿って固定される線状磁性体９と、線状磁性体９を固定する固定部１９とを有している。

　面ファスナー部１０における基材部１１は、上下方向から見たときに、前後方向（長さ方向）に長い矩形状を呈する薄板状の形態を有しており、上下方向（表裏方向）に湾曲可能に構成されている。この基材部１１の下面側には前後方向に平行に配された複数の凹溝部１１ａが設けられている。

　このような複数の凹溝部１１ａが基材部１１の下面側に配されていることにより、連結部材２０の後述するアンカー部（下面部）２４との接合面積を大きくでき、面ファスナー部１０と連結部材２０との間の固着強度を高めることができる。なお、本発明では、面ファスナー部１０及び連結部材２０の固着強度を高めるために、上述のような凹溝部１１ａの代わりに、例えば基材部１１の下面に、突条部又はやじり状の突起部などを設けても良いし、また、不織布を接着又は固着させても良い。

　縦防壁部１２は、係合素子領域１８（すなわち、複数の係合素子１７が立設されている領域）を間に挟むようにして、面ファスナー部１０の左右側縁部に前後方向に沿って立設さている。この場合、左右の縦防壁部１２は、基材部１１の左右側端縁から幅方向の内側に入り込んだ位置に配されている。

　また本実施例１において、左右の縦防壁部１２は、それぞれ３列の縦壁列を有しており、各縦壁列は、長さ方向に所定のピッチで配された複数の縦壁体１３により構成されている。また、縦防壁部１２には、幅方向に隣接する縦壁列に配された縦壁体１３間を接続する縦壁体接続部１４が配されている。

　ここで、縦防壁部１２の最も係合素子１７側に配された縦壁列の縦壁体１３を第１列目の縦壁体１３ａとし、その第１列目の縦壁体１３ａの外側に配された縦壁列の縦壁体１３を第２列目の縦壁体１３ｂとし、最も外側に配された縦壁列の縦壁体１３を第３列目の縦壁体１３ｃとする。なお、本発明において、縦防壁部１２を構成する縦壁体１３の形態や配設数（縦壁列の数）は特に限定されるものではない。

　各列の縦壁体１３は、長さ方向に所定の取付ピッチをもって間欠的に配されており、各縦壁体１３間には所定の間隙が設けられている。本実施例１において、第２列目の縦壁体１３ｂは、第１列目及び第３列目の縦壁体１３ａ，１３ｃ間に形成される間隙の位置に対応するように配されており、第１列目～第３列目の縦壁体１３ａ～１３ｃは、各縦壁列間にて互い違いの位置関係となるように千鳥状に配されている。この場合、縦防壁部１２に配される全ての縦壁体１３の形状及び大きさ、並びに縦壁体１３間の間隙の大きさは同じである。

　また、縦防壁部１２の縦壁体接続部１４は、第１列目及び第３列目の縦壁体１３ａ，１３ｃと第２列目の縦壁体１３ｂとの間に配され、第１列目及び第３列目の縦壁体１３ａ，１３ｃの前端部及び後端部と、第２列目の縦壁体１３ｂの長さ方向の中央部とを連結している。この連結部の高さ寸法（上下方向の寸法）は、第１列目～第３列目の縦壁体１３ａ～１３ｃよりも低く設定されており、また、連結部の幅寸法（左右方向の寸法）は、第１列目及び第３列目の縦壁体１３ａ，１３ｃと第２列目の縦壁体１３ｂとの間の幅方向における間隔と同じ大きさに設定されている。

　本実施例１における縦防壁部１２が上述のように構成されていることにより、成形面ファスナー１を製造するために、後述するように複数の面ファスナー部１０が連結されるように連結部材２０を発泡成形するときに、連結部材２０の合成樹脂材料が縦防壁部１２を超えて内側の係合素子領域１８内に侵入することを防止できる。また、この縦防壁部１２では、各縦壁列において縦壁体１３間に設けられた間隙を拡げたり、狭めたりすることにより、成形面ファスナー１を上下方向に曲げることが可能である。

　係合素子１７は、クッション体に被せられる表皮材との間で係着力が得られるように、長さ方向及び幅方向に所定の取付ピッチで整列して基材部１１の上面に立設されている。特に本実施例１の場合、左右の縦防壁部１２の間に、係合素子１７が幅方向に５列に並べられた状態で配されている。この場合、各面ファスナー部１０の係合素子領域１８は、左右の縦防壁部１２と、最も前方に配された横防壁部１５と、最も後方に配された横防壁部１５とにより囲まれて形成されている。

　また、各係合素子１７は、基材部１１の上面から垂直に立ち上がる立ち上がり部と、その立ち上がり部の上端において前後方向に分岐して湾曲するフック状の係合頭部とを有している。更に、基材部１１の上面からの各係合素子１７の高さ寸法（上下方向の寸法）は、縦防壁部１２を構成する各縦壁体１３と同じ大きさに設定されている。なお、本発明において、係合素子１７の形状、寸法、取付ピッチ等は特に限定されるものではなく、任意に変更することができる。

　横防壁体１６は、縦防壁部１２と係合素子１７との間に、及び、幅方向に互いに隣接する係合素子１７の間に、幅方向に沿って立設されており、これらの横防壁体１６は、幅方向に整列した係合素子１７とともに横防壁部１５を構成している。各横防壁体１６における基材部１１の上面からの高さ寸法は、縦壁体１３及び係合素子１７の高さ寸法と同じ大きさに設定されている。

　即ち、本実施形態では、縦壁体１３、横防壁体１６、及び係合素子１７の上端が同一平面上に配されている。このため、後述するように連結部材２０の発泡成形を行う際に（図７～図１６を参照）、面ファスナー部１０を金型（後述する下側成形型枠部５８及び上側成形型枠部６４ｃを含む）の平坦なキャビティ面に安定して密着させることができ、それによって、連結部材２０の合成樹脂材料が、縦防壁部１２及び横防壁部１５を越えて係合素子領域１８に侵入することが防止される。

　線状磁性体９は、面ファスナー部１０の領域内において、左右の縦防壁部１２に最も近接して配された係合素子１７の列に沿って、基材部１１の上面側に固定部１９を介して固定されている。この線状磁性体９は円形断面を有しており、磁気的に吸引される材料、又は磁気的に吸引する材料から構成されている。

　このような線状磁性体９が面ファスナー部１０に配されていることにより、後述する連結部材２０の発泡成形を行う際や、キャビティ面又はキャビティ面近傍に磁石が配された金型を用いてクッション体を成形するときに、金型の磁石と面ファスナー部１０の線状磁性体９との間に生じる磁力を利用することによって、成形面ファスナー１を金型のキャビティ面に安定して吸着固定することができる。

　この場合、磁気的に吸引される線状磁性体９の材料としては、ポリエステル等の合成樹脂に鉄、コバルト、ニッケル等の合金からなる磁性粒子を混入したモノフィラメントや、これらの合金からなる金属細線を数本束ねて撚られた金属製撚糸などを用いることができる。一方、磁気的に吸引する線状磁性体９の材料としては、磁化された線材、具体的には金属製の線状磁石やゴムに磁性酸化鉄を含有させて磁化した線状のゴム磁石などを用いることができる。また、本発明では、線状の磁性体に代えて、細テープ状の磁性体を用いることも可能である。

　この線状磁性体９を基材部１１に固定する固定部１９は、基材部１１の上面からブロック状に突出した形態を有して、縦防壁部１２の内側近傍位置に長さ方向に沿って所定の間隔をもって配されており、線状磁性体９は、固定部１９を貫通するようにして固定部１９内に埋設されている。また、各固定部１９は、横防壁部１５を構成する係合素子１７及び横防壁体１６と一体的に構成されている。

　なお、本発明では、例えば固定部１９を基材部１１の下面側に配置して、線状磁性体９を基材部１１の下面側で固定しても良い。また、線状磁性体９を基材部１１に固定する代わりに、面ファスナー部１０を構成する合成樹脂に磁性粒子を混入すること又は練り込むことによって、面ファスナー部１０に磁性を持たせることも可能である。

　本実施例１の面ファスナー部１０において、基材部１１は、左右の縦防壁部１２から外側に向けて幅方向に延設された左右の側方延設部１１ｂと、最も前方に配された横防壁部１５から前方に向けて長さ方向に延設された前方延設部１１ｃと、最も後方に配された横防壁部１５から後方に向けて長さ方向に延設された後方延設部１１ｄとを有している。

　この場合、側方延設部１１ｂの領域と前方及び後方延設部１１ｃ，１１ｄの領域とには、係合素子１７が配されていない。このような基材部１１の側方延設部１１ｂと前方及び後方延設部１１ｃ，１１ｄとは、面ファスナー部１０と連結部材２０との固着強度を高めるために連結部材２０内に埋設されている。

　本実施例１において、複数の面ファスナー部１０を連結する連結部材２０は、ポリウレタン発泡体やポリエチレン発泡体などの合成樹脂発泡体により構成されており、特に連結部材２０の成形性やクッション体との固着強度などを考慮すると、ポリウレタン発泡体により構成されていることが好ましい。このような合成樹脂発泡体製の連結部材２０は、成形面ファスナー１の幅方向や表裏方向に湾曲可能な可撓性を備えている。なお、連結部材２０を構成する発泡体は、連続気泡発泡体であっても、独立気泡発泡体であっても良い。

　この連結部材２０は、面ファスナー部１０における左右の縦防壁部１２の外側に長さ方向に沿って配された左右一対の縦壁連結部２１と、成形面ファスナー１の前後端部に配された侵入防止横壁部２２と、互いに隣接する面ファスナー部１０間に配された横壁連結部２３と、面ファスナー部１０の下面（裏面）側に配されたアンカー部２４とを有している。

　左右の縦壁連結部２１は、成形面ファスナー１の長さ方向の全体に連続して配されている。また、左右の縦壁連結部２１は、各面ファスナー部１０の左右の縦防壁部１２の外側面（すなわち、第３列目の縦壁体１３ｃの外壁面）と、基材部１１における左右の側方延設部１１ｂの上面に固着されている。

　この場合、縦壁連結部２１は、同縦壁連結部２１の合成樹脂が各面ファスナー部１０の縦防壁部１２における第３列目の縦壁体１３間の間隙に侵入した状態で固着されていても良い。これにより、連結部材２０の縦壁連結部２１と面ファスナー部１０の縦防壁部１２との間の固着強度を一層高めることができる。

　この縦壁連結部２１における基材部１１の上面からの高さ寸法（上下方向の寸法）は、面ファスナー部１０の縦壁体１３における基材部１１の上面からの高さ寸法と同じ大きさに、又は、その縦壁体１３の高さ寸法よりも大きく設定されている。この場合、縦壁連結部２１は、面ファスナー部１０の縦壁体１３よりも突出する部分の高さ寸法（以下、縦壁連結部２１の突出寸法Ｈ１と略記する）が０ｍｍ以上２ｍｍ以下となるように構成されており、本実施例１の場合、縦壁連結部２１の突出寸法Ｈ１は１．２ｍｍに設定されている。

　このように縦壁連結部２１の突出寸法Ｈ１を０ｍｍ以上に、好ましくは１ｍｍ以上に設定することにより、縦壁連結部２１の剛性を確保するとともに、後述するように成形面ファスナー１を金型のキャビティ面（具体的には、凸条部頂面）に吸着固定したときに、縦壁連結部２１の上面を金型のキャビティ面に安定して密着させることができ、クッション体の発泡樹脂材料が幅方向から係合素子領域１８内に侵入することを防止できる。

　また、縦壁連結部２１の突出寸法Ｈ１を２ｍｍ以下に設定することにより、連結部材２０の剛性が高くなり過ぎることを防止できる。また、縦壁連結部２１の上面と係合素子１７の係合頭部との間の段差を小さくでき、例えば成形面ファスナー１付きのクッション体に表皮材を被せたときに、表皮材の裏面に配した係合素子１７（雌型係合素子）と、成形面ファスナー１の係合素子（雄型係合素子）１７とを安定して係着させることができる。

　左右の各縦壁連結部２１における左右方向の寸法（幅寸法Ｗ）は、２ｍｍ以上６ｍｍ以下に設定されており、本実施例１では３ｍｍに設定されている。各縦壁連結部２１の幅寸法Ｗを２ｍｍ以上に設定することにより、縦壁連結部２１の強度を確保するとともに、クッション体の発泡成形時に発泡樹脂材料が縦壁連結部２１を乗り越えて係合素子領域１８に侵入することを効果的に防止できる。

　また、各縦壁連結部２１の幅寸法Ｗを６ｍｍ以下に設定することにより、成形面ファスナー１が幅方向に曲げ難くなることを防止できる。更に、成形面ファスナー１を金型のキャビティ面に吸着固定したときに、縦壁連結部２１と金型のキャビティ面との間の摩擦抵抗が大きくなりすぎることを防止できる。これにより、成形面ファスナー１を吸着固定した後に成形面ファスナー１の位置を容易に調整でき、更には、例えば金型の磁石と面ファスナー部１０の線状磁性体９との間に生じる磁力を利用することによって、成形面ファスナー１を金型のキャビティ面の所定位置に自動的に合わせることも可能となる。

　連結部材２０の侵入防止横壁部２２は、成形面ファスナー１の前端部と後端部とに、左右の縦壁連結部２１間を連結して配されている。また、前方及び後方の侵入防止横壁部２２は、面ファスナー部１０の前方延設部１１ｃ及び後方延設部１１ｄをそれぞれ連結部材２０内に埋設するように、面ファスナー部１０の横防壁部１５の位置まで侵入して、面ファスナー部１０の側面となる当該横防壁部１５と固着されている。

　この場合、侵入防止横壁部２２における基材部１１の上面からの高さ寸法は、縦壁連結部２１と同じ大きさに設定されている。これにより、成形面ファスナー１を金型のキャビティ面に吸着固定したときに、縦壁連結部２１及び侵入防止横壁部２２の上面を金型のキャビティ面に密着させて、クッション体の発泡樹脂材料が長さ方向から係合素子領域１８に侵入することを防止できる。

　また、侵入防止横壁部２２における前後方向の寸法（長さ寸法）は、４ｍｍ以上１２ｍｍ以下に設定されており、本実施例１では６ｍｍに設定されている。侵入防止横壁部２２の長さ寸法を４ｍｍ以上に設定することにより、侵入防止横壁部２２の強度を確保するとともに、クッション体の発泡成形時に発泡樹脂材料が侵入防止横壁部２２を乗り越えて係合素子領域１８に侵入することを効果的に防止できる。また、侵入防止横壁部２２の長さ寸法を１２ｍｍ以下に設定することにより、成形面ファスナー１が必要以上に長くなることもない。

　連結部材２０の横壁連結部２３は、左右の縦壁連結部２１間を連結するとともに、互いに隣接する面ファスナー部１０間を連結して配されている。各横壁連結部２３は、面ファスナー部１０の前方延設部１１ｃ及び後方延設部１１ｄを連結部材２０内に埋設するように、面ファスナー部１０の横防壁部１５の位置まで侵入して、面ファスナー部１０の側面となる当該横防壁部１５と固着されている。このような横壁連結部２３が配されていることにより、面ファスナー部１０間をより安定して連結できるとともに、連結部材２０の強度や剛性を高めて、連結部材２０が面ファスナー部１０間で切断されることを防止できる。

　この場合、横壁連結部２３における基材部１１の上面からの高さ寸法は、侵入防止横壁部２２と同様に、縦壁連結部２１と同じ大きさに設定されている。また、横壁連結部２３における長さ寸法Ｌ１も４ｍｍ以上１２ｍｍ以下に設定されており、本実施例１では６ｍｍに設定されている。

　横壁連結部２３が上述のような高さ寸法を有することにより、連結部材２０の剛性を確保し、長尺の成形面ファスナー１が表裏方向に折れるように屈曲することを抑制している。また、横壁連結部２３の長さ寸法Ｌ１を４ｍｍ以上に設定することにより、成形面ファスナー１を表裏方向や幅方向にある程度の曲率まで容易に曲げることができる。この場合、互いに隣接する面ファスナー部１０間の間隔Ｌ２は３ｍｍ程度に設定されることが好ましい。更に、横壁連結部２３の長さ寸法Ｌ１を１２ｍｍ以下に設定することにより、成形面ファスナー１にて所定の係着力が得られるように、係合素子領域１８の面積を効率的に確保することができる。

　連結部材２０のアンカー部２４は、成形面ファスナー１の長さ方向及び幅方向の全体に配されており、各面ファスナー部１０における基材部１１の下面（裏面）側に固着されている。この場合、基材部１１の下面には、前述のように複数の凹溝部１１ａが設けられているため、連結部材２０のアンカー部２４と面ファスナー部１０の基材部１１との接合面積が大きくなり、アンカー部２４と基材部１１とが強固に固定されている。

　このアンカー部２４は、基材部１１の上面側に配される縦壁連結部２１、侵入防止横壁部２２、及び横壁連結部２３と一体的に構成されており、連結部材２０の強度を高めている。またこの場合、各面ファスナー部１０の左右の側方延設部１１ｂと前方及び後方延設部１１ｃ，１１ｄとが連結部材２０内に埋設された状態となるため、連結部材２０と面ファスナー部１０との固着強度も一層高められる。

　アンカー部２４の長さ寸法及び幅寸法は、それぞれ、一対の縦壁連結部２１の左右外側縁間の寸法、及び、縦壁連結部２１の長さ寸法（前方の侵入防止横壁部２２の前後縁と後方の侵入防止横壁部２２の後端縁との間の長さ寸法でもある）に等しく設定されている。また、アンカー部２４の高さ寸法は、縦壁連結部２１の上面からアンカー部２４の下面までの高さ寸法（すなわち、連結部材２０の高さ寸法Ｈ２）が５ｍｍ以上１２ｍｍ以下となるように、縦壁連結部２１の高さ寸法に対応させて設定されている。

　連結部材２０の高さ寸法Ｈ２を５ｍｍ以上に設定することにより、連結部材２０の強度を高めて成形面ファスナー１が連結部材２０の領域で切断されることを防止できる。また、連結部材２０の剛性を適切に確保できるため、成形面ファスナー１が表裏方向に急角度に折れ曲がることを防ぐことができ、更に、成形面ファスナー１を金型のキャビティ面にセットする際に成形面ファスナー１の位置合わせが容易となり、成形面ファスナー１の取付作業性が向上する。

　連結部材２０の高さ寸法Ｈ２を１２ｍｍ以下に設定することにより、連結部材２０の剛性が大きくなり過ぎることもない。なお本実施例１では、連結部材２０の高さ寸法が８ｍｍとなるように設定されている。

　次に、上述のような構成を有する本実施例１の成形面ファスナー１を製造する方法について説明する。
　先ず、図４に示すような製造装置３０を用いて面ファスナー部１０を連続的に製造する。

　この面ファスナー部１０の製造装置３０は、一方向に駆動回転するダイホイール３１と、ダイホイール３１の周面に対向して配された溶融樹脂の連続押出ノズル３２と、連続押出ノズル３２よりもダイホイール３１の回転方向下流側にダイホイール３１の周面に対向して配されたピックアップローラー３３と、連続押出ノズル３２よりもダイホイール３１の回転方向上流側に配され、ダイホイール３１と連続押出ノズル３２との対向面間に線状磁性体９を供給する磁性体供給部３４と、ダイホイール３１の周面から引き剥がした面ファスナー部連続体１０ａを下流側に搬送する上下一対の搬送ローラー３５とを有している。

　この場合、ダイホイール３１の周面には、面ファスナー部１０に配される係合素子１７、縦防壁部１２、及び横防壁体１６などを成形するための成形用キャビティが形成されている。また、ダイホイール３１は、冷却液をダイホイール３１の内部に流通させており、ダイホイール３１の下部には、同ダイホイール３１の下半部を浸漬させるように図示しない冷却液槽が配されている。

　このような製造装置３０を用いて、最初に、複数の面ファスナー部１０が一続きに連続して繋げられた面ファスナー部連続体１０ａを製造する。この場合、溶融した樹脂材料が連続押出ノズル３２からダイホイール３１の周面に向けて連続して押し出される。このとき、ダイホイール３１は一方向に駆動回転しており、その周面に押し出された溶融樹脂は連続押出ノズル３２とダイホイール３１との間にて面ファスナー部１０の基材部１１などを成形し、それと同時に、上述した成形用キャビティにて係合素子１７、縦防壁部１２、及び横防壁体１６などを順次成形する。

　また、溶融した合成樹脂材料が連続押出ノズル３２から押し出されると同時に線状磁性体９が磁性体供給部３４から溶融樹脂の押出位置に供給され、面ファスナー部連続体１０ａに一体成形される。

　ダイホイール３１の周面上で成形される面ファスナー部連続体１０ａは、ダイホイール３１の周面に担持されて冷却されながら半回転することにより固化され、その後、ピックアップローラー３３によってダイホイール３１の周面から連続的に引き剥がされる。このとき、本実施例１では、複数の面ファスナー部１０が１列で連続した面ファスナー部連続体を製造することもでき、また、面ファスナー部１０が幅方向に複数列で並べられた連続したシート状の面ファスナー部連続体を製造することもできる。

　続いて、ダイホイール３１から引き剥がされた面ファスナー部連続体１０ａは、図５に示す切断装置４０に搬送され、同切断装置４０にて所定の長さで切断される。
　この切断装置４０は、面ファスナー部連続体１０ａを切断する切断ローラー４１と、切断される面ファスナー部１０を下面側から支持しながら切断ローラー４１とともに面ファスナー部１０を下流側に送る支持ローラー４２と、面ファスナー部連続体１０ａを切断ローラー４１に供給する供給部４３と、切断された面ファスナー部１０を下流側に排出する排出部４４とを有している。

　また、切断ローラー４１の周面には、面ファスナー部連続体１０ａを切断する複数の切断刃４１ａと、切断刃４１ａ間に配された複数のフィン部４１ｂとが外側に向けて設けられている。この場合、切断ローラー４１の周面に設ける切断刃４１ａ及びフィン部４１ｂの配設個数は、面ファスナー部１０の大きさや面ファスナー部１０に配される係合素子１７の個数等に応じて任意に選択することができる。

　この切断装置４０では、供給部４３から面ファスナー部連続体１０ａを供給しながら、切断ローラー４１及び支持ローラー４２を所定の方向に回転させることにより、切断ローラー４１のフィン部４１ｂが面ファスナー部１０の係合素子１７や横防壁体１６に当たって面ファスナー部１０を下流側に案内しながら、切断刃４１ａによって面ファスナー部連続体１０ａを順次切断する。これにより、所定の長さを有する複数の面ファスナー部１０が製造される。

　なお、本発明において、複数の面ファスナー部１０を製造する方法は特に限定されるものではなく、様々な方法を用いることができる。例えば図６に示すように所定のキャビティ空間を有する金型４５を用いて面ファスナー部連続体１０ａを成形した後、得られた面ファスナー部連続体１０ａを切断して複数の面ファスナー部１０を製造しても良く、或いは、１つの面ファスナー部１０を成形するキャビティ空間が複数形成された金型を用いて、複数の面ファスナー部１０を同時に成形して製造しても良い。

　続いて、上述のようにして製造された複数の面ファスナー部１０は、図７に示すような連結部材２０を発泡成形する第１の連続発泡成形装置５０に送られる。
　この第１の連続発泡成形装置５０は、複数の面ファスナー部１０を順次供給するシュート部５１と、供給された面ファスナー部１０を受け取って所定の速度で搬送しながら連結部材２０の発泡成形を行う搬送部５２と、搬送部５２の後述する下側コンベアベルト部５３に連結部材２０用の発泡樹脂材料を注入する注入ノズル５５と、搬送部５２の下流側に配され、成形された連結部材２０を所定の長さで切断する切断部５６とを有している。

　同装置の搬送部５２は、面ファスナー部１０を受け取って搬送する下側コンベアベルト部５３と、下側コンベアベルト部５３と組み合わされて連結部材２０の成形空間部５９を構成する上側コンベアベルト部５４とを有している。

　また、下側コンベアベルト部５３は、図７～図１０に示すように、一対の駆動ローラー５３ａ及び従動ローラー５３ｂと、駆動ローラー５３ａ及び従動ローラー５３ｂ間に掛け渡されて循環する無端ベルト部５３ｃと、無端ベルト部５３ｃの内周面側に面ファスナー部１０の搬送路に沿って配された複数の下側支持ローラー５３ｄと、無端ベルト部５３ｃの外周面側に一体的に配され、上側コンベアベルト部５４とともに連結部材２０の成形空間部５９を構成する複数の下側成形型枠部５８（図７では不図示）と、駆動ローラー５３ａの回転速度を制御する不図示の制御部とを有している。

　この場合、複数の下側成形型枠部５８は、シリコーン樹脂などの合成樹脂又はステンレス鋼などの金属により構成されており、各下側成形型枠部５８の表面にはポリテトラフルオロエチレンがコーティングされている。

　更に、複数の下側成形型枠部５８は、互いに連結及び分割可能に構成されており、図８に示すように、無端ベルト部５３ｃの曲線部分（円弧部分）では１つ１つに分割されて円滑に折り返し搬送することができ、また、無端ベルト部５３ｃの直線部分では隣接する下側成形型枠部５８同士が隙間なく連結され、連続した成形空間部５９を形成する。

　各下側成形型枠部５８は、図１０に示すように、底面部５８ａと、底面部５８ａにおける幅方向（左右方向）の両側縁部に立設された左右の側壁部５８ｂと、底面部５８ａの幅方向中央部で隆起し、面ファスナー部１０を載置する載置部５８ｃと、載置部５８ｃに埋設された磁石５８ｄ（例えば、ネオジム磁石）とを有している。

　本実施例１の場合、載置部５８ｃと磁石５８ｄとは、各下側成形型枠部５８の分割面側の端部（前端部及び後端部）にそれぞれ配されている。このため、載置部５８ｃ及び磁石５８ｄは、無端ベルト部５３ｃの直線部分において、隣接する下側成形型枠部５８同士が連結されたときに、載置部５８ｃ及び磁石５８ｄもそれぞれ隣接する下側成形型枠部５８間で連結されて１つの面ファスナー部１０を載置して吸着固定可能に構成されている。

　この場合、連結状態にある２つの載置部５８ｃ全体における搬送方向に沿った長さ寸法は、各面ファスナー部１０における最も前方に配された横防壁部１５と、最も後方に配された横防壁部１５との間の長さ寸法と同じ大きさに設定されている。また、各載置部５８ｃの幅寸法は、面ファスナー部１０における左右の縦防壁部１２の外壁面（すなわち、第３列目の縦壁体１３ｃの外壁面）間の間隔と同じ大きさに設定されている。

　載置部５８ｃがこのような大きさを有することにより、同載置部５８ｃに面ファスナー部１０を吸着固定したときに、面ファスナー部１０における縦防壁部１２及び横防壁部１５の上面を載置部５８ｃの上面に確実に密着させることができ、それによって、連結部材２０の発泡成形時に同連結部材２０の合成樹脂材料が、面ファスナー部１０の係合素子領域１８内に侵入することを防止できる。また、連結部材２０の縦壁連結部２１、侵入防止横壁部２２、及び横壁連結部２３を上述した形状及び寸法で安定して形成できる。

　搬送部５２における上側コンベアベルト部５４は、一対の駆動ローラー５４ａ及び従動ローラー５４ｂと、駆動ローラー５４ａ及び従動ローラー５４ｂ間に掛け渡されて循環する上側成形型枠部５４ｃと、上側成形型枠部５４ｃの内周側に面ファスナー部１０の搬送路に沿って配された複数の上側支持ローラー５４ｄと、駆動ローラー５４ａの回転速度を制御する不図示の制御部とを有している。

　上側成形型枠部５４ｃは、下側成形型枠部５８と同様に、シリコーン樹脂などの合成樹脂又はステンレス鋼などの金属により構成されており、上側成形型枠部５４ｃの表面にはポリテトラフルオロエチレンがコーティングされている。この上側成形型枠部５４ｃは、図９及び図１０に示すように、連結された下側成形型枠部５８の左右側壁部５８ｂに密着することにより、上側成形型枠部５４ｃと下側成形型枠部５８との間に、面ファスナー部１０の搬送方向に連続する連結部材２０用の成形空間部５９を形成する。

　また本実施例１において、上側コンベアベルト部５４における上側成形型枠部５４ｃ、並びに下側コンベアベルト部５３における無端ベルト部５３ｃ及び下側成形型枠部５８の回転速度は、直線部分における移動速度（搬送速度）が所定の同じ速度となるように前述の各制御部にて制御される。

　このような第１の連続発泡成形装置５０を用いて連結部材２０を発泡成形する場合、先ず、搬送部５２の上側及び下側コンベアベルト部５４，５３をそれぞれ駆動しながら、面ファスナー部１０を１つずつシュート部５１から下側コンベアベルト部５３に順次供給し、面ファスナー部１０を下側成形型枠部５８の載置部５８ｃに、面ファスナー部１０の係合素子１７が載置部５８ｃの表面に対向する向きで載置する。

　このとき、載置部５８ｃに埋設した磁石５８ｄと面ファスナー部１０に配した線状磁性体９との間に生じる磁力により、面ファスナー部１０が載置部５８ｃの所定位置に安定して吸着固定される。また、面ファスナー部１０の縦防壁部１２及び横防壁部１５の上面が載置部５８ｃの表面に密接する。

　面ファスナー部１０を載置部５８ｃに吸着固定した後、注入ノズル５５から連結部材２０用の発泡樹脂材料を下側成形型枠部５８内（成形空間部５９）に流し込み、更に、上側コンベアベルト部５４の上側成形型枠部５４ｃを、下側成形型枠部５８の左右側壁部５８ｂの上面に密着させて、上側成形型枠部５４ｃと下側成形型枠部５８を組み合わせる。

　これにより、面ファスナー部１０が搬送部５２の直線部分を進みながら、上側及び下側成形型枠部５８内に形成された成形空間部５９内で連結部材２０が発泡成形され、複数の面ファスナー部１０が連結部材２０により長さ方向に連結された成形面ファスナー１が製造される。

　このとき、連結部材２０用の発泡樹脂材料が面ファスナー部１０の係合素子領域１８に侵入しようとしても、上述のように面ファスナー部１０の縦防壁部１２及び横防壁部１５の上面が載置部５８ｃの表面に密着しているため、発泡性樹脂材料が縦防壁部１２及び横防壁部１５を超えて係合素子領域１８に侵入することを阻止できる。またこの場合、連結部材２０を発泡成形するために、粘度の高い発泡樹脂材料を選択して用いることにより、発泡樹脂材料が係合素子領域１８に侵入することをより確実に防止できる。

　そして、製造された成形面ファスナー１は、上側及び下側コンベアベルト部５４，５３から排出されて切断部５６に送られ、同切断部５６にて、連結部材２０が所定の長さ寸法で切断される。これにより、図１に示すような本実施例１の成形面ファスナー１が連続的に製造される。

　なお、第１の連続発泡成形装置５０では、シュート部５１から搬送部５２に向けて複数の面ファスナー部１０を一列で供給することにより、複数の面ファスナー部１０が１列に連結された成形面ファスナー１を製造することができる。また、シュート部５１から複数の面ファスナー部１０を複数列で供給することにより、面ファスナー部１０の列が幅方向に複数並べられたシート状の成形面ファスナー１を製造でき、その後、切断部５６にて連結部材２０を所定の長さ寸法及び幅寸法で切断することによって、複数の面ファスナー部１０が１列に連結された複数の成形面ファスナー１を同時に製造することもできる。

　また、本実施例１において、成形面ファスナー１の製造に用いられる製造装置や製造方法は、上述した構成に限定されるものではなく、例えば以下に示すような製造装置や製造方法を用いて成形面ファスナー１を製造することもできる。
　ここで、図１１に、複数の面ファスナー部１０を順次供給しながら連結部材２０を発泡成形する第２の連続発泡成形装置６０を示す。

　この第２の連続発泡成形装置６０は、複数の面ファスナー部１０を順次供給する図示しない供給部と、供給された面ファスナー部１０を受け取って所定の速度で搬送しながら連結部材２０の発泡成形を行う搬送部６２と、搬送部６２の後述する下側コンベアベルト部６３に連結部材２０用の発泡樹脂材料を注入する注入ノズル６５と、搬送部６２の下流側に配され、成形された連結部材２０を所定の長さで切断する切断部６６とを有している。

　同装置の搬送部６２は、面ファスナー部１０を受け取って搬送する上側コンベアベルト部６４と、上側コンベアベルト部６４と組み合わされて連結部材２０の成形空間部を構成する下側コンベアベルト部６３とを有している。

　上側コンベアベルト部６４は、一対の駆動ローラー６４ａ及び従動ローラー６４ｂと、駆動ローラー６４ａ及び従動ローラー６４ｂ間に掛け渡されて循環する上側成形型枠部６４ｃと、上側成形型枠部６４ｃの内周側に面ファスナー部１０の搬送路に沿って配された複数の上側支持ローラー６４ｄと、駆動ローラー６４ａの回転速度を制御する不図示の制御部とを有している。また、上側成形型枠部６４ｃの幅方向の中央部には、図示を省略するが、面ファスナー部１０を載置する複数の載置部が所定の間隔をもって長さ方向に沿って配され、この載置部の表面側には磁石（例えば、ネオジム磁石）が埋設されている。

　この場合、上側成形型枠部６４ｃに配された各載置部の長さ寸法は、各面ファスナー部１０における最も前方に配された横防壁部１５と、最も後方に配された横防壁部１５との間の長さ寸法と同じ大きさに設定されている。各載置部の幅寸法は、面ファスナー部１０における左右の縦防壁部１２の外壁面間の間隔と同じ大きさに設定されている。

　下側コンベアベルト部６３は、一対の駆動ローラー６３ａ及び従動ローラー６３ｂと、駆動ローラー６３ａ及び従動ローラー６３ｂ間に掛け渡されて循環する無端ベルト部６３ｃと、無端ベルト部６３ｃの内周側に面ファスナー部１０の搬送路に沿って配された複数の下側支持ローラー６３ｄと、無端ベルト部６３ｃの外周側に一体的に配された不図示の複数の下側成形型枠部と、駆動ローラー６４ａの回転速度を制御する不図示の制御部とを有している。

　複数の下側成形型枠部は、互いに連結及び分割可能に構成されており、前述した第１の連続発泡成形装置５０と同様に、無端ベルト部６３ｃの曲線部分（円弧部分）では１つ１つに分割されて円滑に折り返し搬送することができ、また、無端ベルト部６３ｃの直線部分では隣接する下側成形型枠部同士が隙間なく連結される。

　各下側成形型枠部は、底面部と、底面部における幅方向（左右方向）の両側縁部に立設された左右の側壁部とを有している。このような下側成形型枠部が互いに連結された状態で、下側成形型枠部の側壁部上面が上側コンベアベルト部６４の上側成形型枠部６４ｃに密着して上側成形型枠部６４ｃと下側成形型枠部とが組み合わされることにより、上側成形型枠部６４ｃ及び下側成形型枠部間に、面ファスナー部１０の搬送方向に連続する連結部材２０の成形空間部が形成される。

　このような第２の連続発泡成形装置６０を用いて連結部材２０を発泡成形する場合、先ず、搬送部６２の上側及び下側コンベアベルト部６４，６３をそれぞれ駆動しながら、面ファスナー部１０を１つずつ上側コンベアベルト部６４に順次供給し、面ファスナー部１０を上側成形型枠部６４ｃの載置部に、面ファスナー部１０の係合素子１７が載置部表面に対向するように載置する。

　このとき、面ファスナー部１０を、上側コンベアベルト部６４の上側直線部分にて供給することにより、面ファスナー部１０を上側成形型枠部６４ｃの載置部に安定して載置でき、更に、載置部に埋設した磁石と面ファスナー部１０に配した線状磁性体９との間に生じる磁力により、面ファスナー部１０が載置部の所定位置に吸着固定される。

　このように面ファスナー部１０が上側成形型枠部６４ｃに磁力を利用して吸着固定されることにより、上側コンベアベルト部６４の曲線部分にて搬送方向が折り返されて、上側成形型枠部６４ｃと面ファスナー部１０の上下の位置関係が反対になっても、面ファスナー部１０が上側成形型枠部６４ｃから落下することはない。

　また、上述のように面ファスナー部１０を上側成形型枠部６４ｃの載置部に吸着固定するとともに、注入ノズル６５から連結部材２０用の発泡樹脂材料を下側成形型枠部内に流し込み、更に、上側コンベアベルト部６４の上側成形型枠部６４ｃを、下側成形型枠部の左右側壁部の上面に密着させる。

　これにより、面ファスナー部１０が搬送部６２の直線部分を進みながら、上側及び下側成形型枠部内に形成された成形空間部内で連結部材２０が発泡成形され、複数の面ファスナー部１０が連結部材２０により長さ方向に連結された成形面ファスナー１が製造される。

　このとき、面ファスナー部１０の縦防壁部１２及び横防壁部１５の上面が、上側成形型枠部６４ｃの載置部表面に密着していることにより、発泡性樹脂材料が面ファスナー部１０の縦防壁部１２及び横防壁部１５を超えて係合素子領域１８に侵入することを阻止できる。

　そして、製造された成形面ファスナー１は、上側及び下側コンベアベルト部６４，６３から排出されて切断部６６に送られ、同切断部６６にて、連結部材２０が所定の長さ寸法で切断される。これにより、図１に示すような本実施例１の成形面ファスナー１が連続的に得られる。

　また、本実施例１の成形面ファスナー１を製造する別の方法として、図１２に示した第１金型７１を用いて連結部材２０を発泡成形することにより、成形面ファスナー１を製造することもできる。

　この第１金型７１は、連結部材２０の成形空間部を備えた一対の第１固定型７１ａ及び第１可動型７１ｂを有している。また、第１固定型７１ａの底面には、面ファスナー部１０を載置する複数の載置部７１ｃが所定の間隔をもって長さ方向に沿って配されており、この載置部７１ｃの表面側には、図１３及び図１４に示すように磁石７１ｄが埋設されている。この場合、各載置部７１ｃの長さ寸法及び幅寸法は、前述の第２の連続発泡成形装置６０に配された載置部の場合と同様に設定されている。

　このような第１金型７１を用いて連結部材２０を発泡成形する場合、先ず、図１３に示すように、第１固定型７１ａの各載置部７１ｃに面ファスナー部１０を１つずつ載置し、磁力により吸着固定する。これにより、面ファスナー部１０が所定の位置にセットされる。

　続いて、第１固定型７１ａ内に連結部材２０用の発泡樹脂材料を注入し、その後、第１固定型７１ａと第１可動型７１ｂとを型締めして金型内に連結部材２０のキャビティ空間（成形空間部）を形成し、そのキャビティ空間内で連結部材２０を発泡成形する（図１４を参照）。

　このとき、面ファスナー部１０の縦防壁部１２及び横防壁部１５の上面が、載置部７１ｃの表面に密着していることにより、発泡性樹脂材料が面ファスナー部１０の縦防壁部１２及び横防壁部１５を超えて係合素子領域１８に侵入することを阻止できる。

　このように第１金型７１を用いて連結部材２０の発泡成形を行うことによっても、複数の面ファスナー部１０が連結部材２０により長さ方向に連結された所定の長さを有する成形面ファスナー１が製造される。

　その他に、本実施例１の成形面ファスナー１を製造する方法として、図１５に示した第２金型７２を用いて連結部材２０を発泡成形することもできる。
　この第２金型７２は、連結部材２０の成形空間部を備えた一対の第２固定型７２ａ及び第２可動型７２ｂを有している。また、第２可動型７２ｂの天井面には、面ファスナー部１０を取り付ける複数の取付部７２ｃが所定の間隔をもって長さ方向に沿って配されており、この取付部７２ｃの表面（下面）側には磁石７２ｄが埋設されている。この場合、各取付部７２ｃの長さ寸法及び幅寸法は、前述の第２の連続発泡成形装置６０に配された載置部の場合と同様に設定されている。

　このような第２金型７２を用いて連結部材２０を発泡成形する場合、先ず、図１５に示すように、第２可動型７２ｂの取付部７２ｃに面ファスナー部１０を取り付けて、磁力により吸着固定する。続いて、第２固定型７２ａ内に連結部材２０用の発泡樹脂材料を注入する。その後、第２固定型７２ａと第２可動型７２ｂとを型締めすることにより、第２金型７２内に連結部材２０のキャビティ空間（成形空間部）を形成するとともに面ファスナー部１０をキャビティ空間に対して所定の位置にセットし、同キャビティ空間内で、連結部材２０を発泡成形する（図１６を参照）。

　このとき、面ファスナー部１０の縦防壁部１２及び横防壁部１５の上面が、取付部７２ｃの表面（下面）に密着していることにより、発泡性樹脂材料が面ファスナー部１０の縦防壁部１２及び横防壁部１５を超えて係合素子領域１８に侵入することを阻止できる。

　このように第２金型７２を用いて連結部材２０の発泡成形を行うことによっても、複数の面ファスナー部１０が連結部材２０により長さ方向に連結された所定の長さを有する成形面ファスナー１が製造される。

　次に、上述したような製造方法を用いて製造された本実施例１の成形面ファスナー１の使用方法について説明する。
　本実施例１の成形面ファスナー１は、例えば自動車シートなどのクッション体（発泡体）に成形一体化されて用いられる。

　本実施例１の成形面ファスナー１をクッション体に成形一体化するためには、所要の長さを有する成形面ファスナー１を、例えば図１７に示すようなクッション体の成形用金型７５のキャビティ面に載置する。
　このとき、例えばクッション体に成形面ファスナー１を装着するための凹溝部（トレンチ部）を設けて、その凹溝部内に成形面ファスナー１を固定する場合には、金型７５のキャビティ面にクッション体の凹溝部に対応する凸条部７５ａが形成されており、この凸条部７５ａの頂面部（先端面部）にはネオジム磁石などの磁石７５ｂが埋設されている。

　このため、成形面ファスナー１を、係合素子１７が立設されている上面側が凸条部７５ａの頂面部に対向する向きで載置することにより、磁石７５ｂの吸引力により、成形面ファスナー１に配された線状磁性体９が引き付けられ、成形面ファスナー１が凸条部７５ａの平坦な頂面に吸着して固定される。

　特に、このように凸条部７５ａに埋設した磁石７５ｂと、成形面ファスナー１の線状磁性体９との間に生じる磁力を利用することによって、成形面ファスナー１を凸条部７５ａの所定位置に自動的に合わせることが可能なセルフアライメント効果も得られる。

　更に、本実施例１の成形面ファスナー１における連結部材２０は、可撓性を有する発泡体で構成されているとともに、同連結部材２０の縦壁連結部２１、侵入防止横壁部２２、横壁連結部２３、及びアンカー部２４がそれぞれ前述したような所定の範囲内の大きさで形成されているため、適度の剛性を確保している。

　これによって、連結部材２０は、前述のように幅方向や表裏方向に湾曲可能であるとともに、連結部材２０が例えば成形面ファスナー１の自重によって急角度で折れ曲がったり、切断されたりすることを防止している。このため、成形面ファスナー１を凸条部７５ａの頂面に載置するときに、図２２に示すように成形面ファスナー１を凸条部７５ａに近づけることにより、上述の磁力により成形面ファスナー１を凸条部７５ａに吸着させて容易に固定することができる。

　また、本実施例１の成形面ファスナー１は、連結部材２０の縦壁連結部２１が面ファスナー部１０の縦防壁部１２に固着しているとともに、連結部材２０の侵入防止横壁部２２及び横壁連結部２３が面ファスナー部１０の側面である横防壁部１５に固着している。このため、縦壁連結部２１及び侵入防止横壁部２２が面ファスナー部１０から離間して外側に反り返ることを防止できるとともに、面ファスナー部１０間における連結部材２０の剛性を効果的に高めることができる。

　そして本実施例１の場合、凸条部７５ａに吸着固定された成形面ファスナー１は、例えば図２３に示したように、各面ファスナー部１０における縦防壁部１２及び横防壁部１５の上面が凸条部７５ａの頂面から離間しているものの、連結部材２０の縦壁連結部２１、侵入防止横壁部２２、及び横壁連結部２３の上面を凸条部７５ａの頂面に密着させた状態で保持される。

　なお、本発明では、連結部材２０が発泡体で構成されている。このため、例えば凸条部７５ａに埋設した磁石７５ｂと、成形面ファスナー１の線状磁性体９との間に生じる磁力が強い場合には、図２４に示すように、連結部材２０が押圧されて圧縮し、同連結部材２０の縦壁連結部２１、侵入防止横壁部２２、及び横壁連結部２３の上面が凸条部７５ａの頂面に密着するとともに、面ファスナー部１０における縦防壁部１２及び横防壁部１５の上面も凸条部７５ａの頂面（実際には、磁石７５ｂの表面）に密着することもある。

　このような構成とすることで、強い磁力によって吸着されていても、面ファスナー部１０における縦防壁部１２、横防壁部１５、及び係合素子１７が、金型７５の内面（キャビティ面）に接触して連結部材２０が所定の大きさ以上に圧縮することを防ぐため、吸着力による金型７５と連結部材２０との間の摩擦力の上昇を抑えることができる。

　つまり、成形面ファスナー１のセルフアライメント性を維持しつつ、樹脂材料の侵入を確実に抑えることができる。このように本実施例１の成形面ファスナー１を構成するには、連結部材２０の材質にも影響するが、連結部材２０が発泡体であれば、前述のように、縦壁連結部２１の突出寸法Ｈ１を０ｍｍ以上２ｍｍ以下となるように設定しておくことが好ましい。

　また、本実施例１の成形面ファスナー１では、連結部材２０が前述のように幅方向や表裏方向に湾曲可能な可撓性を備えた発泡体により構成されており、更に、各面ファスナー部１０自体も表裏方向に湾曲可能に構成されている。このため、成形面ファスナー１の全体を幅方向や表裏方向へ円弧状に容易に曲げることができる。

　従って、クッション体の成形用金型７５に形成される凸条部７５ａが、例えば図１８に示したように幅方向に湾曲して配されている場合や、幅方向にジグザグ状に蛇行して配されている場合でも、連結部材２０を撓ませることによって、図１９に示したように、湾曲又は蛇行した凸条部７５ａに沿って成形面ファスナー１を安定して固定することができる。なお、このように成形面ファスナー１を幅方向に湾曲又は蛇行させて凸条部７５ａに吸着固定させても、連結部材２０の縦壁連結部２１、侵入防止横壁部２２、及び横壁連結部２３の上面を凸条部７５ａの頂面に安定して密着させることができる。

　また、クッション体の成形用金型７５に形成される凸条部７５ａが、例えば図２０に示したように、表裏方向に凸状（又は凹状）に湾曲して配されている場合でも、連結部材２０を撓ませることによって、図２１に示したように、凸条部７５ａに沿って成形面ファスナー１を安定して固定することができる。

　特にこの場合、各面ファスナー部１０は凸条部７５ａの頂面から離間して保持されているため、面ファスナー部１０と凸条部７５ａとが互いに干渉することはない。また、連結部材２０は発泡体（弾性体）により構成されている。このため、成形面ファスナー１を凸条部７５ａに載置したときに、連結部材２０の縦壁連結部２１、侵入防止横壁部２２、及び横壁連結部２３の上面を凸条部７５ａの頂面に追随させて安定して密着させることができ、連結部材２０と凸条部７５ａの頂面との間に隙間が形成されることを防止できる。

　そして、上述のように本実施例１の成形面ファスナー１を金型７５のキャビティ面の所定位置に吸着固定した後、金型７５に対して噴射ノズルを相対的に移動させながら同噴射ノズルからクッション体の発泡性樹脂材料を噴射することにより、発泡樹脂材料を金型７５のキャビティ空間の隅々まで注入する。更に、所定量の発泡樹脂材料を噴射ノズルから噴射した後に金型７５を型締めする。これにより、発泡性樹脂材料が発泡しながら金型７５のキャビティ空間全体に行き渡り、クッション体７６が成形される（図２３を参照）。

　このとき、成形面ファスナー１は金型７５内に埋設した磁石７５ｂの吸引作用により所定の位置に位置決め固定されているため、発泡性樹脂材料の流動及び発泡圧によって成形面ファスナー１の位置が動かされることはない。

　また、連結部材２０の縦壁連結部２１及び侵入防止横壁部２２の上面が凸条部７５ａの頂面にしっかりと密着し、連結部材２０と凸条部７５ａの頂面との間には発泡樹脂材料を通過させるような隙間が形成されていない。このため、成形面ファスナー１の外部領域（すなわち、キャビティ空間）と、成形面ファスナー１の各面ファスナー部１０に形成された係合素子領域１８との間を、連結部材２０で完全に遮断することができる。

　このため、例えば噴射ノズルから発泡樹脂材料を噴射したときに、発泡性樹脂材料が成形面ファスナー１（特に、連結部材２０の縦壁連結部２１及び侵入防止横壁部２２）に勢い良く衝突しても、また、発泡樹脂材料が極めて低い粘度を有していても、発泡樹脂材料が縦壁連結部２１及び侵入防止横壁部２２を超えて係合素子領域１８に侵入することを防止し、各係合素子領域１８内にて係合素子１７を発泡体内に埋めることなく、確実に表出させることができる。

　またこの場合、成形面ファスナー１の連結部材２０が発泡体により構成されている。このため、クッション体の発泡樹脂材料が、発泡体からなる連結部材２０の気泡内に侵入する場合がある。この場合、クッション体の発泡樹脂材料は、連結部材２０の気泡（例えば連続気泡）内に侵入したとしても連結部材２０を貫通することはなく、クッション体の発泡樹脂材料を連結部材２０の縦壁連結部２１及び侵入防止横壁部２２内に留めて保持することができる。

　このようにクッション体の発泡樹脂材料が縦壁連結部２１及び侵入防止横壁部２２の外面側に保持されることにより、成形面ファスナー１とクッション体との固着強度を高めることができる。更に、連結部材２０とクッション体とが同じ種類の合成樹脂（発泡樹脂）を用いて構成されている場合には、成形面ファスナー１とクッション体との固着強度をより一層高めることができる。

　その後、発泡性樹脂材料が金型７５のキャビティ空間内で発泡固化して成形が終了することにより、本実施例１の成形面ファスナー１が凹溝部に沿って成形一体化されたクッション体を得ることができる。

　このようにして製造された成形面ファスナー１付きのクッション体は、成形面ファスナー１の各係合素子領域１８に発泡体が侵入していないため、上面側に露呈した複数の係合素子１７により所望の係着力を安定して確保できる。従って、得られたクッション体の表面に表皮材を被せて、その表皮材をクッション体における成形面ファスナー１の取付位置に向けて押圧することにより、表皮材の裏面に配された雌型係合素子１７を、成形面ファスナー１の係合素子（雄型係合素子）１７に確実に係合させることができる。これにより、表皮材をクッション体から浮き上がらせることなく、クッション体の表面に沿って正確に取り付けることができる。

　なお、本実施例１に係る成形面ファスナー１は、上述した具体的な実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。

　ここで、図２５に、実施例１の第１変形例に係る成形面ファスナー１ａの平面図を示すとともに、図２６に、同成形面ファスナー１ａの横断面図を示す。
　なお、以下に示す実施例１の第１及び第２変形例に係る成形面ファスナー、並びに実施例２～実施例７に係る成形面ファスナーでは、前述の実施例１に係る成形面ファスナー１と異なる構成について主に説明することとし、前述の実施例１に係る成形面ファスナー１ａと実質的に同じ構成を有する部品及び部材については同じ符号を用いて表すことによって、その説明を省略することとする。

　第１変形例に係る成形面ファスナー１ａは、複数の面ファスナー部１０と、これらの面ファスナー部１０を連結する連結部材２０ａとを有している。また、連結部材２０ａは、左右一対の縦壁連結部２１ａと、成形面ファスナー１ａの前後端部に配された侵入防止横壁部２２と、互いに隣接する面ファスナー部１０間に配された横壁連結部２３と、面ファスナー部１０の下面側に配されたアンカー部２４ａとを有している。

　この第１変形例の連結部材２０ａにおいて、一対の縦壁連結部２１ａは、成形面ファスナー１ａの長さ方向の全体に連続して配されており、各面ファスナー部１０の左右の縦防壁部１２の外面と、基材部１１の左右の側方延設部１１ｂの上面に固着されている。また、アンカー部２４ａは、各面ファスナー部１０における基材部１１の下面側に固着されているとともに、同連結部材２０ａの縦壁連結部２１ａ、侵入防止横壁部２２、及び横壁連結部２３と一体的に構成されている。

　このアンカー部２４ａの下面には、前後方向に平行に配された複数の凹陥部２５（又は凸条部）が設けられている。このような複数の凹陥部２５が形成されていることにより、成形面ファスナー１ａをクッション体に成形一体化したときに、このアンカー部２４ａとクッション体との接合面積を大きくして、成形面ファスナー１ａとクッション体との接合強度を高めることができる。なお、本発明では、成形面ファスナー１ａとクッション体との接合強度を高めるために、例えばアンカー部２４ａの下面に不織布を接着又は固着させても良い。

　また、第１変形例の連結部材２０ａにおいて、左右の縦壁連結部２１ａ及びアンカー部２４ａの外側縁部には、横壁連結部２３の配設位置に対応した部分に、内側に向けて略三角形状に切り欠かれたような切欠き部２６（又は凹部）が設けられている。

　このような切欠き部２６が設けられていることにより、成形面ファスナー１ａを左方向又は右方向に向けて円弧状に湾曲させたときに、その湾曲時に外周側となる連結部材２０ａの側縁部を伸び易くするとともに、内周側となる連結部材２０ａの側縁部を曲げ易くすることができる。

　これにより、成形面ファスナー１ａを幅方向に湾曲させたときに、連結部材２０ａの縦壁連結部２１ａ及びアンカー部２４ａに皺や座屈を発生させ難くすることができる。更に、連結部材２０ａの縦壁連結部２１ａ及びアンカー部２４ａ内に生じる内部応力を軽減できるため、連結部材２０ａの縦壁連結部２１ａ及びアンカー部２４ａに亀裂が生じることも抑制できる。

　なお、縦壁連結部２１ａ及びアンカー部２４ａに上述のような切欠き部２６を設ける場合、各切欠き部２６の幅方向における最大寸法（最大の幅寸法）は、縦壁連結部２１ａにおける切欠き部２６が配されてない部分の幅寸法よりも小さくなるように設定される。これにより、切欠き部２６の形成に起因して縦壁連結部２１ａ及びアンカー部２４ａの強度が低下することを抑えて、複数の面ファスナー部１０が連結部材２０ａで連結されている状態を安定して保持することができる。

　この第１変形例に係る成形面ファスナー１ａは、連結部材２０ａを成形する金型の成形空間部（キャビティ空間）を所定の形状に形成することにより、前述の実施例１に係る成形面ファスナー１の製造と同様の方法を用いて製造される。

　次に、実施例１の第２変形例に係る成形面ファスナー１ｂについて図２７を参照しながら説明する。ここで、図２７は、第２変形例に係る成形面ファスナー１ｂを示す平面図である。
　この第２変形例に係る成形面ファスナー１ｂは、複数の面ファスナー部１０と、これらの面ファスナー部１０を連結する連結部材２０とを有している。この第２変形例における各面ファスナー部１０自体は、前述の実施例１における面ファスナー部１０と同様に構成されているが、第２変形例において、隣接している面ファスナー部１０の基材部１１が基材接続部１１ｅによって相互に接続されている。この基材接続部１１ｅは、面ファスナー部１０と同じ合成樹脂により、基材部１１に一体的に配されている。

　このように基材接続部１１ｅが配されて面ファスナー部１０が相互に接続されていることにより、連結部材２０の縦壁連結部２１ａが補強されるとともに、面ファスナー部１０間の連結をより強固にすることができるため、成形面ファスナー１ｂの剛性をより高めることができる。これにより、クッション体の発泡成形工程において成形面ファスナー１ｂを金型７５の凸条部７５ａの頂面に載置する際に、凸条部７５ａに対する成形面ファスナー１ｂの位置合わせをより容易に行うことができ、成形面ファスナー１ｂの取付作業性を向上させることができる。

　この第２変形例に係る成形面ファスナー１ｂを製造する場合、先ず、図４に示した前述の製造装置３０を用いて面ファスナー部連続体１０ａを製造した後、得られた面ファスナー部連続体１０ａを図５に示した前述の切断装置４０にて切断する。このとき、切断工程において、面ファスナー部１０間で基材接続部１１ｅを残すようにして面ファスナー部連続体１０ａが切断される。

　その後、前述の実施例１に係る成形面ファスナー１ｂの製造の場合と同様に、図７に示した第１の連続発泡成形装置５０又は図１１に示した第２の連続発泡成形装置６０を用いて連結部材２０の発泡成形を行ない、更に、連結部材２０を所定の長さ寸法で切断することにより、第２変形例に係る成形面ファスナー１ｂが連続的に製造される。

　また、この第２変形例の場合、例えば図２８に示したような第１金型７１や上述した第２金型７２（図１５及び図１６を参照）を用いて連結部材２０を発泡成形することによっても、成形面ファスナー１ｂを製造することができる。この場合、第１及び第２金型７１，７２自体の構成は、前述の実施例１にて説明した第１及び第２金型７１，７２と同様である。

　このように第１又は第２金型７１，７２を用いて第２変形例に係る成形面ファスナー１ｂを製造する場合、面ファスナー部１０同士が基材接続部１１ｅにより互いに連結されているため、第１金型７１の固定型に設けた載置部７１ｃ又は第２金型７２の可動型に設けた取付部７２ｃに面ファスナー部１０を吸着固定する作業が行い易くなり、成形面ファスナー１ｂを効率的に製造することができる。

　図２９は、本実施例２に係る成形面ファスナーを示す平面図であり、図３０は、同成形面ファスナーの横断面図である。
　本実施例２に係る成形面ファスナー２は、複数の面ファスナー部８０と、これらの面ファスナー部８０を連結する連結部材８５とを有しており、各面ファスナー部８０は、それぞれの幅方向における中心位置が長さ方向に沿って直線上に配置されるようにして連結部材８５によって連結されている。

　各面ファスナー部８０は、平板状の基材部８１と、基材部８１の上面に立設された左右の縦防壁部１２と、左右の縦防壁部１２間に配された複数の係合素子（雄型係合素子）１７と、係合素子１７とともに横防壁部１５を構成する複数の横防壁体１６と、基材部８１の上面側に長さ方向に沿って固定される線状磁性体９と、線状磁性体９を固定する固定部１９とを有している。

　本実施例２の面ファスナー部８０では、前述の実施例１における基材部１１から左右の側方延設部１１ｂと前方及び後方延設部１１ｃ，１１ｄとが排除されて基材部８１が構成されており、それ以外の面ファスナー部８０における構成については、前述の実施例１における面ファスナー部１０と実質的に同じである。

　複数の面ファスナー部８０を連結する連結部材８５は、左右一対の縦壁連結部８６と、成形面ファスナー２の前後端部に配された侵入防止横壁部８７と、互いに隣接する面ファスナー部８０間に配された横壁連結部８８と、面ファスナー部８０の下面（裏面）側に配されたアンカー部８９とを有している。なお、この連結部材８５における各種寸法は、前述の実施例１の場合と同様に設定される。

　この場合、連結部材８５の縦壁連結部８６、侵入防止横壁部８７、横壁連結部８８、及びアンカー部８９は一体的に構成されているものの、同連結部材８５内に面ファスナー部８０は埋設されておらず、後述するように接着剤による接着層８２を介して連結部材８５と面ファスナー部８０とが接着されている。

　具体的に説明すると、左右の縦壁連結部８６は、各面ファスナー部８０の左右の縦防壁部１２の外側面に接着層８２を介して接着されている。侵入防止横壁部８７及び横壁連結部８８は、左右の縦壁連結部８６間に亘って配されており、面ファスナー部８０の横防壁部１５と接着層８２を介して接着されている。

　連結部材８５のアンカー部８９は、各面ファスナー部８０における基材部８１の下面側に接着層８２を介して接着されている。このアンカー部８９の下面には、クッション体との接合面積を大きくするために、前後方向に平行に配された複数の凹陥部２５（又は凸条部）が設けられている。

　次に、本実施例２の成形面ファスナー２を製造する方法について説明する。
　先ず、図４に示した前述の製造装置３０を用いて、本実施例２の面ファスナー部８０に対応する面ファスナー部連続体を製造し、その後、得られた面ファスナー部連続体を図５に示した前述の切断装置４０を用いて切断する。これにより、所定の長さを有する複数の面ファスナー部８０が製造される。

　また本実施例２では、複数の面ファスナー部８０を製造する工程とは別に、連結部材８５に加工される発泡樹脂シート８５ａ（発泡ウレタンシート）を発泡成形する工程を行なう。この発泡樹脂シート８５ａは、横断面が矩形状となる長尺のシートである。

　次に、図３１に示すような貼着装置９０を用いて、上述の発泡樹脂シート８５ａに凹部８５ｂを設けて連結部材８５を形成し（図３２を参照）、その連結部材８５に面ファスナー部８０を貼り合わせる。

　この貼着装置９０は、発泡樹脂シート８５ａを加熱しながら供給する不図示のシート供給部と、供給された発泡樹脂シート８５ａに凹部８５ｂを熱成形して連結部材８５を形成する熱成形部９１と、連結部材８５の凹部８５ｂに接着剤を塗布する接着剤供給ノズル９２と、連結部材８５の凹部８５ｂに面ファスナー部８０を供給する不図示の面ファスナー部供給部と、連結部材８５及び面ファスナー部８０を上下方向から押圧しながら所定の速度で搬送する搬送部９３と、搬送部９３の下流側に配され、連結部材８５を所定の長さで切断する切断部９４とを有している。

　熱成形部９１は、熱成形ローラー９１ａと、熱成形ローラー９１ａの周面に所定の間隔で配された加熱押圧部９１ｂと、熱成形を行う発泡樹脂シート８５ａを下面側から支持する不図示の支持ローラーとを有している。この場合、加熱押圧部９１ｂは、発泡樹脂シート８５ａに形成する凹部８５ｂの形状及び寸法に対応した形状及び寸法を有している。

　搬送部９３は、一対の上側コンベア部９３ａ及び下側コンベア部９３ｂを有している。この搬送部９３は、上側及び下側コンベア部９３ａ，９３ｂ間にて、連結部材８５と凹部８５ｂに収容された面ファスナー部８０とを搬送しながら、連結部材８５及び面ファスナー部８０を上下方向から押圧する。これにより、面ファスナー部８０が連結部材８５に接着される。

　このような貼着装置９０によれば、先ず、熱成形部９１にて発泡樹脂シート８５ａの長さ方向に沿って凹部８５ｂを所定の間隔で形成することにより、図３２に示したような複数の凹部８５ｂを有する連結部材８５が得られる。

　続いて、連結部材８５の各凹部８５ｂの内面に接着剤を塗布し、更に、各凹部８５ｂに面ファスナー部８０を１つずつ供給することによって、面ファスナー部８０を連結部材８５に接着する。その後、切断部９４にて、連結部材８５を所定の長さ寸法で切断することにより、複数の面ファスナー部８０が連結部材８５により長さ方向に連結された本実施例２の成形面ファスナー２が連続的に製造される。

　なお、本実施例２では、上述のような貼着装置９０を用いずに、熱成形した連結部材８５の各凹部８５ｂに、手作業によって面ファスナー部８０を１つずつ接着することによっても。成形面ファスナー２を製造することが可能である。

　このようにして得られた本実施例２の成形面ファスナー２は、前述の実施例１と同様に、自動車シートなどのクッション体に成形一体化されて用いられる。
　すなわち、本実施例２の成形面ファスナー２を、クッション体の成形用金型７５のキャビティ面に載置して吸着固定する（図１７を参照）。

　このとき、本実施例２の成形面ファスナー２は、連結部材８５の縦壁連結部８６が面ファスナー部８０の縦防壁部１２に接着しているとともに、連結部材８５の侵入防止横壁部８７及び横壁連結部８８が面ファスナー部８０の横防壁部１５に接着している。これにより、縦壁連結部８６及び侵入防止横壁部８７が面ファスナー部８０から離間して外側に反り返ることを防止するとともに、面ファスナー部８０間における連結部材８５の剛性を高めることができるため、連結部材８５の縦壁連結部８６、侵入防止横壁部８７、及び横壁連結部８８の上面を金型７５のキャビティ面に密着させることができる。

　なお、本実施例２では、前述の実施例１と同様に、成形面ファスナー２を吸着固定する成形用金型７５の凸条部７５ａが、幅方向及び表裏方向に湾曲して配されている場合でも、連結部材８５を撓ませることによって、凸条部７５ａに沿って成形面ファスナー２を吸着固定して、連結部材８５の上面を凸条部７５ａに安定して密着させることができる。

　その後、金型７５のキャビティ空間にクッション体の発泡性樹脂材料を注入して発泡成形を行うことにより、面ファスナー部８０の係合素子領域１８に発泡体が侵入していない成形面ファスナー２が成形一体化されたクッション体を製造することができる。

　図３３は、本実施例３に係る成形面ファスナーを示す平面図であり、図３４は、同成形面ファスナーを構成する面ファスナー部を示す平面図である。
　本実施例３に係る成形面ファスナー３は、複数の面ファスナー部１００と、これらの面ファスナー部１００を連結する連結部材２０とを有している。

　各面ファスナー部１００は、平板状の基材部１０１と、基材部１０１の上面に立設された左右の縦防壁部１２と、左右の縦防壁部１２間に配された複数の係合素子（雄型係合素子）１７と、係合素子１７とともに横防壁部１５を構成する複数の横防壁体１６と、基材部８１の上面側に長さ方向に沿って固定される線状磁性体９と、線状磁性体９を固定する固定部１９とを有している。

　本実施例３における各面ファスナー部１００では、基材部１０１の前後端縁に、幅方向に平行な平行部１０２と、基材部１０１の長さ寸法を左右側縁に向けて漸減させる傾斜部１０３とが配されている。この場合、平行部１０２は基材部１０１の左右幅方向の中央部に配され、傾斜部１０３は平行部１０２の左右両側に連続して配されている。

　なお、本実施例３の成形面ファスナー３において、基材部１０１の前後端縁に傾斜部１０３が設けられていること以外の構成は、前述の実施例１に係る成形面ファスナー１と実質的に同じである。

　このように各面ファスナー部１００の基材部１０１に左右の傾斜部１０３が配されていることにより、成形面ファスナー３を左右幅方向に曲げたときに、図３５に示したように、互いに隣接している面ファスナー部１００同士が干渉し難くなり、成形面ファスナー３をより大きな曲率となるように幅方向に容易に曲げることが可能となる。

　またこの場合、例えば各面ファスナー部１００間の間隔を例えば前述の実施例１の成形面ファスナー１よりも狭めても、本実施例３の成形面ファスナー３を実施例１の成形面ファスナーと同様の大きさまで幅方向に曲げることが可能となる。このように面ファスナー部１００間の間隔を狭めることにより、各面ファスナー部１００の係合素子領域を長さ方向に拡大することが可能となり、それにより、成形面ファスナー３の係着力を増大させることが可能となる。

　図３６は、本実施例４に係る成形面ファスナーを示す平面図であり、図３７は、同成形面ファスナーの横断面図である。また、図３８は、同成形面ファスナーを構成する面ファスナー部を示す平面図である。
　本実施例４に係る成形面ファスナー４は、複数の面ファスナー部１１０と、これらの面ファスナー部１１０を連結する連結部材１１５とを有している。

　本実施例４の各面ファスナー部１１０は、平板状の基材部１１１と、基材部１１１の上面に立設された複数の係合素子（雄型係合素子）１７とを有しており、前述の実施例１などの面ファスナー部１０に配されている縦防壁部１２、横防壁体１６、線状磁性体９、及び固定部１９は面ファスナー部１１０から排除されている。

　この面ファスナー部１１０の基材部１１１は、上下方向から見たときに、前後方向（長さ方向）に長い矩形状を呈する平板状の形態を有している。係合素子１７は、基材部１１１の上面から垂直に立ち上がる立ち上がり部と、その立ち上がり部の上端において前後方向に分岐して湾曲するフック状の係合頭部とを有している。また、本実施例４では、面ファスナー部１１０を構成する合成樹脂に磁性粒子を混入すること又は練り込むことにより、面ファスナー部１１０に磁性を持たせている。

　本実施例４の連結部材１１５は、左右一対の縦壁連結部１１６と、成形面ファスナー４の前後端部に配された図３６には図示しない侵入防止横壁部と、互いに隣接する面ファスナー部１１０間に配された横壁連結部１１８と、面ファスナー部１０の下面側に配されたアンカー部１１９とを有している。また、アンカー部１１９の下面には、クッション体との接合面積を大きくするために、前後方向に平行に配された複数の凹陥部２５（又は凸条部）が設けられている。

　次に、本実施例４の成形面ファスナー４を製造する方法について説明する。
　先ず、図４に示した前述の製造装置３０を用いて、本実施例４の面ファスナー部１１０に対応する面ファスナー部連続体を製造し、その後、得られた面ファスナー部連続体を図５に示した前述の切断装置４０を用いて切断する。これにより、所定の長さを有する複数の面ファスナー部１１０が製造される。

　続いて、図７に示したような第１の連続発泡成形装置５０を用いて、複数の面ファスナー部１１０を順次供給しながら連結部材２０を発泡成形する。
　本実施例４にて使用される第１の連続発泡成形装置５０は、図３９及び図４０に示すように、下側コンベアベルト部に配される下側成形型枠部１１２の形状、及び上側コンベアベルト部に配される上側成形型枠部１１３の形状が、前述の実施例１にて使用された下側成形型枠部５８及び上側成形型枠部５４ｃとそれぞれ異なることを除いて、実施例１の場合と同様に構成されている。

　本実施例４における複数の下側成形型枠部１１２は、互いに連結及び分割可能に構成されており、また、底面部１１２ａと、底面部１１２ａにおける幅方向の両側縁部に立設された左右の側壁部１１２ｂと、底面部１１２ａの幅方向中央部で隆起し、面ファスナー部１１０を載置する載置部１１２ｃと、載置部１１２ｃに凹設され、面ファスナー部１１０の係合素子１７を収容する収容凹部１１２ｅと、収容凹部１１２ｅの底面に埋設された磁石１１２ｄとを有している。

　このような下側成形型枠部１１２の載置部１１２ｃに、面ファスナー部１１０を係合素子１７が収容凹部１１２ｅに収容されるように載置することにより、面ファスナー部１１０の基材部１１１が載置部１１２ｃの表面に密接する。このため、連結部材１１５の発泡成形時に発泡樹脂材料が面ファスナー部１１０の係合素子領域に侵入することを防止できる（図４０を参照）。

　上側成形型枠部１１３は、下側成形型枠部１１２の左右側壁部１１２ｂに密着することにより、上側成形型枠部１１３と下側成形型枠部１１２との間に連結部材１１５用の成形空間部を形成する。このため、上側成形型枠部１１３のキャビティ面には、連結部材１１５の凹陥部２５に対応する複数の凸条部が設けられている。

　このような第１の連続発泡成形装置５０を用いて、面ファスナー部１１０を搬送部に順次供給しながら、同搬送部にて連結部材１１５を発泡成形することにより、本実施例４の成形面ファスナー４が製造される。

　なお、本実施例４では、第１の連続発泡成形装置５０の他に、前述の実施例１と同様に、所定の形状に形成された上側及び下側成形型枠部を有する第２の連続発泡成形装置６０や、所定の形状のキャビティ空間を有する金型を用いて、成形面ファスナー４を製造することも可能である。

　このように製造された本実施例４の成形面ファスナー４は、前述の実施例１などと同様に、自動車シートなどのクッション体に成形一体化される際に、クッション体成形用金型のキャビティ面に連結部材１１５の上面を密着させて、面ファスナー部１１０の係合素子領域に発泡樹脂材料が侵入することを防止できる。このため、表皮材を所望の係着力で係着可能な成形面ファスナー４が成形一体化されたクッション体を安定して製造することができる。

　図４１は、本実施例５に係る成形面ファスナーを示す平面図であり、図４２は、同成形面ファスナーの縦断面図である。
　本実施例５に係る成形面ファスナー５は、複数の面ファスナー部１０と、これらの面ファスナー部１０を連結する連結部材１２５とを有しており、本実施例５における各面ファスナー部１０自体は、前述の実施例１における面ファスナー部１０と同様に構成されている。

　本実施例５の連結部材１２５は、左右一対の縦壁連結部１２６と、成形面ファスナー５の前後端部に配された侵入防止横壁部１２７と、面ファスナー部１０の下面側に配されたアンカー部１２９とを有しているものの、前述の実施例１の連結部材２０に配されている横壁連結部２３は、本実施例５の連結部材１２５から排除されて凹部１２８が設けられている。すなわち、本実施例５の成形面ファスナー５は、左右の縦壁連結部１２６間にて面ファスナー部１０を連結する横壁連結部が連結部材１２５に配されていないことを除いては、前述の実施例１の成形面ファスナー１と同様に構成されている。

　このような本実施例５の成形面ファスナー５を製造する場合、先ず、前述の実施例１などと同様にして、所定の長さを有する複数の面ファスナー部１０を製造する。続いて、所定の形状の上側及び下側成形型枠部を有する図７に示したような第１の連続発泡成形装置５０又は、図１１に示したような第２の連続発泡成形装置６０を用いて連結部材１２５を発泡成形する。これにより、本実施例５の成形面ファスナー５が製造される。

　また、本実施例５では、第１及び第２の連続発泡成形装置５０，６０を用いる他に、図４３に示したような金型を用いて連結部材１２５を発泡成形することによっても、本実施例５の成形面ファスナー５を成形できる。

　この場合、連結部材１２５を発泡成形する金型１２１は、一対の固定型１２１ａ及び可動型１２１ｂを有している。また、固定型１２１ａの底面には、面ファスナー部１０を載置する複数の載置部１２１ｃが所定の間隔をもって長さ方向に沿って配されているとともに、互いに隣接する載置部１２１ｃの間には隆起部１２１ｄが配されている。載置部１２１ｃの表面側には、図示しない磁石が埋設されている。

　このような隆起部１２１ｄが載置部１２１ｃ間に設けられていることにより、載置部１２１ｃに載置する面ファスナー部１０の位置決めを行い易くすることができる。また、金型１２１を用いて発泡成形を行った際に、連結部材１２５に凹部１２８を確実に形成して、本実施例５の成形面ファスナー５を製造することができる。

　このように製造された本実施例５の成形面ファスナー５は、連結部材１２５の凹部１２８により、隣接する面ファスナー部１０間に連結部材１２５が設けられていなくても、クッション体の発泡成形を行う際に、クッション体成形用金型のキャビティ面に連結部材１１５における左右の縦壁連結部１２６の上面と前後の侵入防止横壁部１２７の上面とを密着させることができるため、面ファスナー部１０の係合素子領域に発泡樹脂材料が幅方向及び長さ方向から侵入することを防止できる。従って、本実施例５においても、表皮材を所望の係着力で係着可能な成形面ファスナー５が成形一体化されたクッション体を安定して製造することができる。

　図４４は、本実施例６に係る成形面ファスナーを示す平面図であり、図４５は、同成形面ファスナーの縦断面図である。
　本実施例６に係る成形面ファスナー６は、複数の面ファスナー部１０と、これらの面ファスナー部１０を連結する連結部材１３５とを有しており、本実施例６における各面ファスナー部１０自体は、前述の実施例１における面ファスナー部１０と同様に構成されている。

　本実施例６の連結部材１３５は、左右一対の縦壁連結部１３６と、面ファスナー部１０の下面側に配されたアンカー部１３９とを有しているものの、前述の実施例１の連結部材２０に配されている侵入防止横壁部２２及び横壁連結部２３は、本実施例６の連結部材１３５から排除されて凹部１３８が設けられている。

　このような本実施例６の成形面ファスナー６を製造する場合、先ず、前述の実施例１などと同様にして、所定の長さを有する複数の面ファスナー部１０を製造する。
　続いて、所定の形状の上側及び下側成形型枠部を有する図７に示したような第１の連続発泡成形装置５０又は、図１１に示したような第２の連続発泡成形装置６０を用いて連結部材１３５を発泡成形する。或いは、所定の形状のキャビティ空間を有する金型を用いて、前述の実施例５の場合と同様にして連結部材１３５を発泡成形する。これにより、本実施例６の成形面ファスナー６が製造される。

　このように製造された本実施例６の成形面ファスナー６は、連結部材１３５に左右の縦壁連結部１３６が配されているため、クッション体の発泡成形を行う際に、クッション体成形用金型のキャビティ面に連結部材１３５の縦壁連結部１３６の上面を密着させることができるため、面ファスナー部１０の係合素子領域に発泡樹脂材料が幅方向から侵入することを防止できる。

　一方、本実施例６の成形面ファスナー６では、連結部材１３５の前後端部に侵入防止横壁部が配されておらず、凹部１３８が設けられている。このため、クッション体の発泡成形を行う際に、連結部材１３５の前後端部にて凹部１３８が設けられている領域では、クッション体成形用金型のキャビティ面に連結部材１３５の上面を密着させることができず、発泡樹脂材料が連結部材１３５の前端及び後端から面ファスナー部１０に向けて流れ込む。

　しかしこの場合、本実施例６の面ファスナー部１０における左右の縦防壁部１２間には、係合素子１７と横防壁体１６とにより構成された横防壁部１５が配されている。このため、クッション体の発泡成形時に、発泡樹脂材料が連結部材１３５の前端及び後端から面ファスナー部１０に向けて流れ込んでも、成形面ファスナー６の前端部に配された面ファスナー部１０における最も前側の横防壁部１５と、成形面ファスナー６の後端部に配された面ファスナー部１０における最も後側の横防壁部１５とによって発泡樹脂材料を塞き止めることができる。

　これによって、発泡樹脂材料が面ファスナー部１０の係合素子領域に長さ方向から侵入することを防止できる。従って、本実施例６においても、表皮材を所望の係着力で係着可能な成形面ファスナー６が成形一体化されたクッション体を安定して製造することができる。

　図４６は、本実施例７に係る成形面ファスナーを示す平面図であり、図４７は、同成形面ファスナーの縦断面図である。
　本実施例７に係る成形面ファスナー７は、複数の面ファスナー部１０と、これらの面ファスナー部１０を連結する連結部材１４５とを有しており、本実施例７における各面ファスナー部１０自体は、前述の実施例１における面ファスナー部１０と同様に構成されている。

　本実施例７における連結部材１４５は、熱可塑性エラストマーにより構成されており、成形面ファスナー１の幅方向や表裏方向に湾曲可能な可撓性を備えている。この連結部材１４５を構成する熱可塑性エラストマーとしては、自動車シートのクッション体等との固着強度などを考慮して、ポリオレフィン系、スチレン－ブタジエン系、ポリエステル系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ウレタン系の各種エラストマーから選択することができ、例えばクッション体をポリウレタン発泡体により構成する場合は、ウレタン系のエラストマーを用いることが好ましい。

　この連結部材１４５は、左右一対の縦壁連結部１４６と、成形面ファスナー７の前後端部に配された侵入防止横壁部１４７と、互いに隣接する面ファスナー部１０間に配された横壁連結部１４８とを有しているものの、同連結部材１４５では、面ファスナー部１０の下面側には何も配されておらず、前述の実施例１の連結部材２０に配されているアンカー部２４が排除されている。

　この場合、連結部材１４５は、アンカー部が設けられていなくても、発泡体よりも強度及び剛性の高いエラストマーを用いて構成されているため、連結部材１４５自体が切断され難く、また、成形面ファスナー７が表裏方向に急角度に折れ曲がることもない。

　このような本実施例７の成形面ファスナー７を製造する場合、先ず、前述の実施例１などと同様にして、所定の長さを有する複数の面ファスナー部１０を製造する。また、複数の面ファスナー部１０を製造する工程とは別に、エラストマーを用いて連結部材１４５を成形又は加工する。この場合、得られた連結部材１４５には、図４８に示したように、複数の孔部１４９が所定の間隔で長さ方向に沿って穿設されている。

　その後、連結部材１４５の各孔部１４９に面ファスナー部１０を１つずつ嵌入して、面ファスナー部１０を連結部材１４５に固着する。この場合、面ファスナー部１０における基材部１１の左右の側方延設部１１ｂの上面が、連結部材１４５における左右の縦壁連結部１４６の下面に固着されるとともに、面ファスナー部１０における左右の縦防壁部１２の外側面（すなわち、第３列目の縦壁体１３ｃの外壁面）が、連結部材１４５における左右の縦壁連結部１４６の内壁面（孔部１４９の内壁面）に固着される。

　更にこの場合、面ファスナー部１０における前方及び後方延設部１１ｃ，１１ｄの上面が、連結部材１４５における侵入防止横壁部１４７及び横壁連結部１４８の下面に固着されることが好ましい。

　その後、連結部材１４５の各孔部１４９に面ファスナー部１０を１つずつ嵌入して、面ファスナー部１０を連結部材１４５に固着する。この場合、面ファスナー部１０における基材部１１の左右側方延設部１１ｂの上面と、前方及び後方延設部１１ｃ，１１ｄの上面とが、連結部材１４５における左右の縦壁連結部１４６の下面と、侵入防止横壁部１４７及び横壁連結部１４８の下面とに固着される。また、面ファスナー部１０における左右の縦防壁部１２の外側面（すなわち、第３列目の縦壁体１３ｃの外壁面）が、連結部材１４５における左右の縦壁連結部１４６の内壁面（孔部１４９の内壁面）に固着される。

　なお、本実施例７において、面ファスナー部１０と連結部材１４５とを固着する手段は特に限定されず、例えば超音波溶着を用いて面ファスナー部１０と連結部材１４５とを固着することができ、また、接着剤を用いて面ファスナー部１０を連結部材１４５に接着することも可能である。このような超音波溶着又は接着剤を用いることにより、連結部材１４５にアンカー部が設けられていなくても、面ファスナー部１０と連結部材１４５を強固に固着することができる。
　そして、連結部材１４５の各孔部１４９に面ファスナー部１０を嵌入して固着することにより、本実施例７の成形面ファスナー７が製造される。

　このように製造された本実施例７の成形面ファスナー７では、連結部材１４５がエラストマーにより構成されているため、連結部材１４５を撓ませることによって、成形面ファスナー７全体を幅方向及び表裏方向に容易に湾曲させることができる。

　このため、同成形面ファスナー７をクッション体の発泡成形時にクッション体と成形一体化するときに、クッション体成形用金型において成形面ファスナー７を載置する凸条部が幅方向及び表裏方向に湾曲している場合でも、同凸条部に成形面ファスナー７を磁力を利用して吸着固定することにより、凸条部の頂面（上面）に連結部材１４５の縦壁連結部１４６、侵入防止横壁部１４７、及び横壁連結部１４８の上面を安定して密着させることができる。

　従って、成形面ファスナー７を金型の凸条部に吸着固定した状態でクッション体の発泡成形を行うことにより、面ファスナー部１０の各係合素子領域１８において係合素子１７が表出して所望の係着力を有する成形面ファスナー７が一体化されたクッション体を安定して製造できる。

　　１，１ａ，１ｂ　　成形面ファスナー
　　２，３，４，５　　成形面ファスナー
　　６，７　　　　　　成形面ファスナー
　　９　　　　　　　　線状磁性体
　１０　　　　　　　　面ファスナー部
　１０ａ　　　　　　　面ファスナー部連続体
　１１　　　　　　　　基材部
　１１ａ　　　　　　　凹溝部
　１１ｂ　　　　　　　側方延設部
　１１ｃ　　　　　　　前方延設部
　１１ｄ　　　　　　　後方延設部
　１１ｅ　　　　　　　基材接続部
　１２　　　　　　　　縦防壁部
　１３　　　　　　　　縦壁体
　１３ａ　　　　　　　第１列目の縦壁体
　１３ｂ　　　　　　　第２列目の縦壁体
　１３ｃ　　　　　　　第３列目の縦壁体
　１４　　　　　　　　縦壁体接続部
　１５　　　　　　　　横防壁部
　１６　　　　　　　　横防壁体
　１７　　　　　　　　係合素子（雄型係合素子）
　１８　　　　　　　　係合素子領域
　１９　　　　　　　　固定部
　２０，２０ａ　　　　連結部材
　２１，２１ａ　　　　縦壁連結部
　２２　　　　　　　　侵入防止横壁部
　２３　　　　　　　　横壁連結部
　２４，２４ａ　　　　アンカー部（下面部）
　２５　　　　　　　　凹陥部
　２６　　　　　　　　切欠き部
　３０　　　　　　　　面ファスナー部の製造装置
　３１　　　　　　　　ダイホイール
　３２　　　　　　　　連続押出ノズル
　３３　　　　　　　　ピックアップローラー
　３４　　　　　　　　磁性体供給部
　３５　　　　　　　　搬送ローラー
　４０　　　　　　　　切断装置
　４１　　　　　　　　切断ローラー
　４１ａ　　　　　　　切断刃
　４１ｂ　　　　　　　フィン部
　４２　　　　　　　　支持ローラー
　４３　　　　　　　　供給部
　４４　　　　　　　　排出部
　４５　　　　　　　　金型
　５０　　　　　　　　第１の連続発泡成形装置
　５１　　　　　　　　シュート部
　５２　　　　　　　　搬送部
　５３　　　　　　　　下側コンベアベルト部
　５３ａ　　　　　　　駆動ローラー
　５３ｂ　　　　　　　従動ローラー
　５３ｃ　　　　　　　無端ベルト部
　５３ｄ　　　　　　　下側支持ローラー
　５３ｅ　　　　　　　下側成形型枠部
　５４　　　　　　　　上側コンベアベルト部
　５４ａ　　　　　　　駆動ローラー
　５４ｂ　　　　　　　従動ローラー
　５４ｃ　　　　　　　上側成形型枠部
　５４ｄ　　　　　　　上側支持ローラー
　５５　　　　　　　　注入ノズル
　５６　　　　　　　　切断部
　５８　　　　　　　　下側成形型枠部
　５８ａ　　　　　　　底面部
　５８ｂ　　　　　　　側壁部
　５８ｃ　　　　　　　載置部
　５８ｄ　　　　　　　磁石
　５９　　　　　　　　成形空間部
　６０　　　　　　　　第２の連続発泡成形装置
　６２　　　　　　　　搬送部
　６３　　　　　　　　下側コンベアベルト部
　６３ａ　　　　　　　駆動ローラー
　６３ｂ　　　　　　　従動ローラー
　６３ｃ　　　　　　　無端ベルト部
　６３ｄ　　　　　　　下側支持ローラー
　６４　　　　　　　　上側コンベアベルト部
　６４ａ　　　　　　　駆動ローラー
　６４ｂ　　　　　　　従動ローラー
　６４ｃ　　　　　　　上側成形型枠部
　６４ｄ　　　　　　　上側支持ローラー
　６５　　　　　　　　注入ノズル
　６６　　　　　　　　切断部
　７１　　　　　　　　第１金型
　７１ａ　　　　　　　第１固定型
　７１ｂ　　　　　　　第１可動型
　７１ｃ　　　　　　　載置部
　７１ｄ　　　　　　　磁石
　７２　　　　　　　　第２金型
　７２ａ　　　　　　　第２固定型
　７２ｂ　　　　　　　第２可動型
　７２ｃ　　　　　　　取付部
　７２ｄ　　　　　　　磁石
　７５　　　　　　　　金型
　７５ａ　　　　　　　凸条部
　７５ｂ　　　　　　　磁石
　７６　　　　　　　　クッション体
　８０　　　　　　　　面ファスナー部
　８１　　　　　　　　基材部
　８２　　　　　　　　接着層
　８５　　　　　　　　連結部材
　８５ａ　　　　　　　発泡樹脂シート
　８５ｂ　　　　　　　凹部
　８６　　　　　　　　縦壁連結部
　８７　　　　　　　　侵入防止横壁部
　８８　　　　　　　　横壁連結部
　８９　　　　　　　　アンカー部（下面部）
　９０　　　　　　　　貼着装置
　９１　　　　　　　　熱成形部
　９１ａ　　　　　　　熱成形ローラー
　９１ｂ　　　　　　　加熱押圧部
　９２　　　　　　　　接着剤供給ノズル
　９３　　　　　　　　搬送部
　９３ａ　　　　　　　上側コンベア部
　９３ｂ　　　　　　　下側コンベア部
　９４　　　　　　　　切断部
１００　　　　　　　　面ファスナー部
１０１　　　　　　　　基材部
１０２　　　　　　　　平行部
１０３　　　　　　　　傾斜部
１１０　　　　　　　　面ファスナー部
１１１　　　　　　　　基材部
１１２　　　　　　　　下側成形型枠部
１１２ａ　　　　　　　底面部
１１２ｂ　　　　　　　側壁部
１１２ｃ　　　　　　　載置部
１１２ｄ　　　　　　　磁石
１１２ｅ　　　　　　　収容凹部
１１３　　　　　　　　上側成形型枠部
１１５　　　　　　　　連結部材
１１６　　　　　　　　縦壁連結部
１１８　　　　　　　　横壁連結部
１１９　　　　　　　　アンカー部
１２１　　　　　　　　金型
１２１ａ　　　　　　　固定型
１２１ｂ　　　　　　　可動型
１２１ｃ　　　　　　　載置部
１２１ｄ　　　　　　　隆起部
１２５　　　　　　　　連結部材
１２６　　　　　　　　縦壁連結部
１２７　　　　　　　　侵入防止横壁部
１２８　　　　　　　　凹部
１２９　　　　　　　　アンカー部
１３５　　　　　　　　連結部材
１３６　　　　　　　　縦壁連結部
１３８　　　　　　　　凹部
１３９　　　　　　　　アンカー部
１４５　　　　　　　　連結部材
１４６　　　　　　　　縦壁連結部
１４７　　　　　　　　侵入防止横壁部
１４８　　　　　　　　横壁連結部
１４９　　　　　　　　孔部
　Ｈ１　　　　　　　　縦壁連結部における縦壁体よりも突出した突出寸法
　Ｈ２　　　　　　　　連結部材の高さ寸法
　Ｗ　　　　　　　　　縦壁連結部の幅寸法
　Ｌ１　　　　　　　　横壁連結部の長さ寸法
　Ｌ２　　　　　　　　隣接する面ファスナー部間の間隔

Claims

　複数の係合素子(17)が基材部(11,81,101,111) の第１面に立設されて係合素子領域(18)が構成された複数の面ファスナー部(10,80,100,110) と、各面ファスナー部(10,80,100,110) における幅方向の中心位置を長さ方向に沿って一直線上に配置して複数の前記面ファスナー部(10,80,100,110) を連結する可撓性を備えた連結部材(20,20a,85,115,125,135,145) とを有し、クッション体の発泡成形時に同クッション体の表面に成形一体化される成形面ファスナー(1,1a,1b,2,3,4,5,6,7) であって、
　前記連結部材(20,20a,85,115,125,135,145) は、弾性体からなり、且つ、前記基材部(11,81,101,111) の前記係合素子領域(18)を間に挟んだ両側に、前記成形面ファスナー(1,1a,1b,2,3,4,5,6,7)の長さ方向に沿って連続して配され、複数の前記面ファスナー部(10,80,100,110) を連結するとともに前記発泡成形時に前記クッション体の発泡樹脂材料が幅方向から前記係合素子領域(18)に侵入することを阻止する一対の縦壁連結部(21,21a,86,116,126,136,146) を有してなる、
ことを特徴とする成形面ファスナー。
　前記連結部材(20,20a,115,125,135,145)は、前記基材部(11,101,111)の前記第１面に固着されてなる請求項１記載の成形面ファスナー。
　前記連結部材(20,20a,85,115,125,145) は、前記成形面ファスナーの長さ方向における両端部に、一対の前記縦壁連結部(21,21a,86,116,126,146) 間に亘って配され、前記発泡樹脂材料が長さ方向から前記係合素子領域(18)に侵入することを阻止する侵入防止横壁部(22,87,127,147) を有してなる請求項１又は２記載の成形面ファスナー。
　前記連結部材(20,20a,85,115,145) は、互いに隣接する前記面ファスナー部(10,80,100,110) 間に、一対の前記縦壁連結部(21,21a,86,116,146) 間に亘って配され、前記面ファスナー部(10,80,100,110) 間を連結する横壁連結部(23,88,118,148) を有してなる請求項１～３のいずれかに記載の成形面ファスナー。
　前記横壁連結部(23,88) は、前記面ファスナー部(10,80,100) 間において、前記基材部(11,81,101) の第２面側から前記第１面側にかけて形成され、且つ、各面ファスナー部(10,80,100) の側面に固着されてなる請求項４記載の成形面ファスナー。
　前記連結部材(20,20a,85,115,125,135) は、各面ファスナー部(10,80,100,110) の前記基材部(11,81,101,111) の第２面に固着されたアンカー部(24,24a,89,119,129,139) を有し、
　前記アンカー部(24,24a,89,119,129,139) は、前記成形面ファスナー(1,1a,1b,2,3,4,5,6) の長さ方向全体に連続して配されてなる、
請求項１～５のいずれかに記載の成形面ファスナー。
　前記縦壁連結部(21,21a,86,116,126,136) 、前記横壁連結部(23,88,118,148) 、及び前記アンカー部(24,24a,89,119,129,139) が同一素材であって一体化されてなる請求項６記載の成形面ファスナー。
　前記基材部(11,81,101,111) の第２面に凹凸が設けられてなる請求項１～７のいずれかに記載の成形面ファスナー。
　前記面ファスナー部(10,80,100) は、前記係合素子領域(18)と前記縦壁連結部(21,21a,86,126,136,146) との間に少なくとも１列の縦壁列を備えた縦防壁部(12)を有してなる請求項１～８のいずれかに記載の成形面ファスナー。
　前記縦壁連結部(21,21a,86,126,136,146) と前記縦防壁部(12)とが固着されてなる請求項９記載の成形面ファスナー。
　前記係合素子(17)は、前記基材部(11,81,101,111) の幅方向に所定のピッチをもって配され、
　前記縦防壁部(12)と前記係合素子(17)との間に、及び幅方向に互いに隣接する前記係合素子(17)の間に、横防壁体(16)が幅方向に沿って配されてなる、
請求項９又は１０記載の成形面ファスナー。
　前記縦壁連結部(21,21a,86,116,126,136,146) における前記基材部(11,81,101,111) の前記第１面からの高さ寸法が、前記係合素子(17)における前記基材部(11,81,101,111) の前記第１面からの高さ寸法よりも大きく設定されてなる請求項１～１１のいずれかに記載の成形面ファスナー。
　前記面ファスナー部(10,100,110)の一部は、前記連結部材(20,20a,115,125,135)に埋設されてなる請求項１～１２のいずれかに記載の成形面ファスナー。
　前記面ファスナー部(10,80) は、前記連結部材(85,145)に接着層(82)を介して接着されてなる請求項１～１２のいずれかに記載の成形面ファスナー。
　前記面ファスナー部(10)に、隣接する前記面ファスナー部(10)の前記基材部(11)間を接続する基材接続部(11e) が一体的に配されてなる請求項１～１４のいずれかに記載の成形面ファスナー。
　前記連結部材(20,20a,85,115,125,135,145) は、発泡体又はエラストマーからなる請求項１～１５のいずれかに記載の成形面ファスナー。
　複数の係合素子(17)が基材部(11,101,111)の第１面に立設されて係合素子領域(18)を備えた複数の面ファスナー部(10,100,110)と、複数の前記面ファスナー部(10,100,110) を連結する連結部材(20,20a,115,125,135)とを有し、複数の前記面ファスナー部(10,100,110)は、各面ファスナー部(10,100,110)における幅方向の中心位置が、長さ方向に沿って直線上に配置されて前記連結部材(20,20a,115,125,135)により連結され、クッション体の発泡成形時に同クッション体の表面に成形一体化される成形面ファスナー(1,1a,1b,3,4,5,6) を製造する製造方法であって、
　上側コンベアベルト部(54,64) と、下側コンベアベルト部(53,63) と、前記上側及び下側コンベアベルト部(54,53,64,63) 間に配され、前記連結部材(20,20a,85,115,125,135,145) を成形可能な成形空間部とを有する搬送部(52,62) の前記上側及び下側コンベアベルト部(54,53,64,63) を所定の速度で搬送すること、
　前記搬送部(52,62) に、複数の前記面ファスナー部(10,100,110) を順次供給するとともに、前記連結部材(20,20a,115,125,135)を構成する合成樹脂材料を導入すること、及び、
　前記上側及び下側コンベアベルト部(54,53,64,63) にて前記面ファスナー部(10,100,110)を搬送しながら、前記連結部材(20,20a,115,125,135)を、少なくとも前記基材部(11,101,111)の前記係合素子領域(18)を間に挟んだ両側に、前記成形面ファスナーの長さ方向に連続して発泡成形し、複数の前記面ファスナー部(10,100,110)を連結すること、
を含んでなる成形面ファスナーの製造方法。
　前記下側コンベアベルト部(53)に、前記面ファスナー部(10,100,110)を磁力を利用して吸着させて前記成形空間部に供給すること、
　前記面ファスナー部(10,100,110)が吸着されている前記下側コンベアベルト部(53)内に、前記合成樹脂材料を注入すること、及び、
　前記下側コンベアベルト部(53)と前記上側コンベアベルト部(54)とを密着させて前記成形空間部を形成し、当該成形空間部内で発泡成形すること、
を含んでなる請求項１７記載の成形面ファスナーの製造方法。
　前記下側コンベアベルト部(63)内に前記合成樹脂材料を注入すること、
　前記上側コンベアベルト部(64)に、前記面ファスナー部(10,100,110)を磁力を利用して吸着させること、及び、
　前記合成樹脂材料が流し込まれた前記下側コンベアベルト部(63)と、前記面ファスナー部(10,100,110)を吸着させた前記上側コンベアベルト部(64)とを密着させて前記成形空間部を形成し、当該成形空間部内で発泡成形すること、
を含んでなる請求項１７記載の成形面ファスナーの製造方法。
　複数の係合素子(17)が基材部(81)の第１面に立設されて係合素子領域(18)を備えた複数の面ファスナー部(80)と、複数の前記面ファスナー部(80)を連結する連結部材(85)とを有し、複数の前記面ファスナー部(80)は、各面ファスナー部(80)における幅方向の中心位置が、長さ方向に沿って直線上に配置されて前記連結部材(85)により連結され、クッション体の発泡成形時に同クッション体の表面に成形一体化される成形面ファスナー(2) を製造する製造方法であって、
　前記連結部材(85)を構成する合成樹脂材料を用いて、長尺の仮連結部材(85a) を発泡成形すること、
　前記仮連結部材(85a) の第１面に、複数の凹部(85b) を長さ方向に沿って所定の間隔で設けて、前記連結部材(85)を成形すること、
　前記連結部材(85)の各凹部(85b) に接着剤を塗布すること、及び、
　前記接着剤が塗布された前記凹部(85b) に前記面ファスナー部(80)を供給して接着させること、
を含んでなる成形面ファスナーの製造方法。
　前記連結部材(20,20a,85,115,125,135) の成形後、前記連結部材(20,20a,85,115,125,135) を所定の長さで切断することを含んでなる請求項１７～２０のいずれかに記載の成形面ファスナーの製造方法。
　請求項１７～２１のいずれかに記載の製造方法により製造された成形面ファスナー(1,1a,1b,2,3,4,5,6) を金型のキャビティ面に密着させた状態で発泡成形を行うことにより、前記成形面ファスナー(1,1a,1b,2,3,4,5,6) 付きのクッション体を製造することを特徴とするクッション体の製造方法。