WO2012169016A1 - 紙葉類取扱装置 - Google Patents

Abstract

　紙葉類の取引において装置を操作する管理者と装置に紙葉類を投入する顧客との間で取引に関して悶着の発生する恐れがなく且つ防犯機能が大であり且つ取引の取り消し時には投入紙葉類の返却を迅速かつ容易にできる紙葉類取扱装置を提供する。紙葉類取扱装置（１）は、紙葉類の取引進行に関る紙葉類投入部（６）と返却部（８）の開口部が常に開放され、一時保留部（７）の開口部にはロックされた透明カバー（１７）が配置される。紙葉類投入部（６）に投入された紙葉類は内部の鑑別部（９）を通って正常券は一時保留部（７）に集積され、非正常券は返却部（８）に集積される。紙葉類投入部（６）、一時保留部（７）、返却部（８）は装置（１）の前面から上面にかけて円弧状に並んで配置されているので、顧客と、装置管理者とが共に同時に紙葉類の取引処理の進行状態を確認できる。取引取り消し時には迅速かつ容易に紙葉類を返却できる。

Description

紙葉類取扱装置

　本発明は、紙葉類の取引において、取引状態を、顧客と管理者が相互に確認が容易にできる取引を行う紙葉類取扱装置に関する。

　従来、例えば紙幣等の紙葉類を選別処理する入出金機や現金取扱装置等が提案されている。（例えば、特許文献１又は２参照。）

　特許文献１は、循環式紙幣入出金機に関る技術で、入金処理、出金処理の進行状況を顧客側からでも確認可能とし、入金紙幣の一時保留を迅速にし、入金非承認時の一時保留紙幣の返却を迅速かつ容易にした循環式紙幣入出金機を提供するというものである。

　また、特許文献２は、現金取扱装置に関するもので、紙幣を投入する現金受付部と、現金受付部に投入された紙幣の鑑別の結果、異常と判別された紙幣を返却するリジェクト収納部と、鑑別の結果、正常と判別された紙幣を一時保留して蓄積する一時保留部とを装置の前面側に配置して、設置効率がよく、防犯性を確保できるというものである。

特開２００４－１４５６００号公報 特開２００６－３５０４１５号公報

　ところで、特許文献１の循環式紙幣入出金機は、入金非承認時の一時保留紙幣の返却を迅速かつ容易にするとしている。ところが、入金時に不良紙幣として収納されるリジェクトボックスは装置本体内部に固定されている。

　ところで、リジェクトボックスの設置目的は様々であって、任意に設定することが可能である。その設定目的によってはボックス自体が個別に独立して配置される。例えば、顧客からの入金時において、折れ、シワ、破れ等の損傷が大きく今後の使用に支障が考えられる損券や、既に発行していない旧券などを収納する収納部である。

　また、他の一つは、顧客からの入金時において、正常券のうち出金で再利用される機会の最も少ない二千円紙幣と五千円紙幣を収納する収納部である。この場合、出金時において顧客が二千円紙幣や五千円紙幣を必要とする場合は、両替専用機が使用される。

　また、取忘れ回収部としての収納機能を持つものもある。取忘れ回収部は、紙幣出金時に顧客が取り残した紙幣を一時的に回収する回収部であり、紙幣預け入れ時に用いられることはない。

　一般的には、顧客からの入金時において、贋紙幣、外国紙幣等の受付外の金種や、贋紙幣では無いが大きな汚れ等があり今後の使用に支障が考えられる紙幣、又は識別不能な紙幣は、リジェクトボックスではなく、返却保留部に返却される。

　特許文献１では、紙幣識別部で識別不能な紙幣は、収納出金搬送路部から第２の接続通路部を通じて下部ユニットのリジェクトボックスに繰り込まれて収納される、とあるから、このリジェクトボックスは、上記の返却保留部に該当する。

　特許文献１では、リジェクトボックスが装置内部に設置されているので、顧客は、入金非承認時に、一時保留部の紙幣を直ちに取り出せても、リジェクトボックスの紙幣は直ちには取り出せないので、返却を迅速かつ容易にできるとは言い難い。

　また、入金処理、出金処理の進行状況を顧客側からでも確認可能としているが、出金口には透明シャッタが配設されているものの、一時保留部には前扉が配設され、リジェクトボックスは上記のように装置本体内部に設置されているから、処理の進行状況を顧客側から確認出来るという点には疑問が残る。

　また、特許文献２の現金取扱装置は、現金受付部、リジェクト収納部、一時保留部とが装置の前面に垂直方向に並んで集中しているので操作性は良いが、他方、防犯カメラで監視する場合、正面からでは装置操作者が撮像光路の障害になって監視できないので、装置の上方または横方向からということになる。

　このような防犯カメラの設置位置では、現金受付部に投入された紙幣の繰り出し後の残留紙幣や、入金非承認時に、現金受付部あるいは一時保留部やリジェクト収納部から操作者が紙幣を取り出した後の取り残しの有無も確認できない。

　本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、紙葉類の取引において装置を操作する管理者と顧客との間で、取引に関して相互に確認が容易で且つ取り残しや取り忘れが防止され且つ取引の取り消し時には投入紙葉類の返却を迅速かつ容易にできる紙葉類取扱装置を提供することを目的とする。

　上記課題を解決するために、本発明の紙葉類取扱装置は、紙葉類を取扱う装置において、紙葉類が投入される紙葉類投入部と、該紙葉類投入部に投入された上記紙葉類を鑑別して鑑別結果が正常と判別された上記紙葉類を収納すべく一時保留して集積する一時保留部と、上記鑑別結果が異常と判別された上記紙葉類を返却すべく一時保留して集積する返却部と、を有し、上記紙葉類投入部は、紙葉類投入用の開口部が外部に開放されており、上記一時保留部は、上記紙葉類を一時保留して集積する集積部の開口部に、投入取消時にのみ開閉可能な遮蔽部材を備え、上記返却部は、上記紙葉類を一時保留して集積する集積部の開口部が外部に開放されており、上記紙葉類投入部、上記一時保留部、及び上記返却部は、上記装置の前面から上面にかけて形成される円弧状の仮想面に沿って並べて順次配置されている、ように構成される。

　この紙葉類取扱装置において、例えば、上記一時保留部の遮蔽部材は透明カバーである、ように構成することが好ましい。また、例えば、上記紙葉類投入部、上記一時保留部、及び上記返却部は、上記装置の前方から後方に傾斜する仮想傾斜面に沿って並べて順次配置されている、ように構成することもできる。

　本発明の紙葉類取扱装置は、紙葉類の取引進行に関る紙葉類投入部、一時保留部、返却部の３つの収納部の開口部が常に開放されている又はカバーが透明であり且つ３つの収納部が装置前面から装置上面にかけて円弧状又は傾斜面状に並んで配置されているので、装置を操作する管理者と顧客が、共に同時に紙葉類の取引処理の進行状態を一望の下に確認できるという効果を奏する。

　また、一時保留部の透明カバーは投入された紙葉類の取引取り消し時にのみロックが解除されて外部から開閉可能に構成されている。したがって、紙葉類の取引取り消し時には、開口部が外部に常に開放れている紙葉類投入部や返却部のみならず、一時保留部の返却紙葉類の取り出しも迅速かつ容易にできるという効果を奏する。

　また、装置を操作する管理者の反対側位置となる鏡面対称位置の仮想装置管理者の目線の延長線上に防犯カメラを設置することにより、防犯カメラで、紙葉類投入部、一時保留部、及び返却部を一望の下にその内部まで監視でき、紙葉類取引の犯罪的操作の防止、取引取り消し時の紙葉類の取り残し防止等においても防犯カメラが有効に機能するという効果を奏する。

本発明の実施例１に係る紙葉類取扱装置（単に装置ともいう）を示す断面図である。 図１に示す紙葉類取扱装置（装置）の斜視図である。 実施例１に係る紙葉類取扱装置の紙葉類取引上の処理を制御する制御装置による制御の動作を説明するフローチャートである。 実施例１に係る紙葉類取扱装置の制御装置による制御に応じた動作状態を示す図（その１）である。 実施例１に係る紙葉類取扱装置の制御装置による制御に応じた動作状態を示す図（その２）である。 実施例１に係る紙葉類取扱装置の制御装置による制御に応じた動作状態を示す図（その３）である。 実施例１に係る紙葉類取扱装置の制御装置による制御に応じた動作状態を示す図（その４）である。 実施例２に係る紙葉類取扱装置の制御装置による制御に応じた動作状態を示す図（その１）である。 実施例２に係る紙葉類取扱装置の制御装置による制御に応じた動作状態を示す図（その２）である。 実施例２に係る紙葉類取扱装置の制御装置による制御に応じた動作状態を示す図（その３）である。

　以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。

　図１は、実施例１に係る紙葉類取扱装置（以下、単に装置ともいう）を示す断面図である。同図に示すように、紙葉類取扱装置１は、下部フレーム２と上部フレーム３とが一体に連結されて構成されている。

　下部フレーム２には、３種類の紙葉類収納カセット４（４ａ、４ｂ、４ｃ）が着脱自在に装着されている。また、３番目の紙葉類収納カセット４ｃとフレーム２の側面との間には所定枚数の回路基盤を装着可能な電装部５が配設されている。電装部５の回路基盤には複数の電子部品からなる制御装置が搭載されている。

　上部フレーム３には、紙葉類投入部６、一時保留部７、返却部８、及び鑑別部９が配置され、それらを連結する搬送経路ａ、ｂ、ｃ、ｄ、ｅ、ｆ等が配設されている。また、下部フレーム２には、上部フレーム３の搬送経路から紙葉類収納カセット４に連絡する搬送経路ｇが配設されている。

　これらの搬送経路は、実際には、一対の搬送ローラ、一個の案内ローラ、二個のローラ間に掛け渡された搬送ベルト、それぞれの搬送路の合流点や分岐点に配設された切替ゲート等から成るが、ここでは簡略に線による搬送経路として示している。

　これらの搬送経路による紙葉類の搬送処理は、電装部５の制御装置による制御に基づいて、不図示のモータ、ギア、プーリ、ベルト等から成る駆動系により駆動されることによって実行される。

　紙葉類投入部６は、紙葉類投入部６の近傍において装置１の横に立つ装置管理者の了解の下に、紙葉類投入部６の前面に立つ顧客によって所望の紙葉類が投入される投入口である。

　この紙葉類投入部６には、投入される紙葉類を後部よりも前部を上にして斜めに載置されるステージ１１を底部に備え、ステージ１１に載置された紙葉類を上から押圧する押圧板１２と、ステージ１１に載置された紙葉類を最下部から順に一枚ごと搬送路ａに繰り出す２個の繰り出しローラ１３が配置されている。

　この紙葉類投入部６には、紙葉類投入用の開口部に遮蔽部材などは配置されておらず、内部が外部に開放されており、装置１の横に立つ装置管理者と紙葉類投入部６の前面に立つ顧客の両者から常に内部の底まで監視できる態様に構成されている。

　鑑別部９は、各種のセンサを内蔵し、紙葉類投入部６に投入され、搬送路ａ、ｂと搬送されて鑑別部９を通過する紙葉類の真贋、種別、汚れや破れが大きな不良紙葉類等を鑑別し、鑑別結果を電装部５の制御装置に通知する装置である。

　一時保留部７は、鑑別部９により鑑別結果が正常と判別された紙葉類を、紙葉類収納カセット４に収納すべく、搬送経路ａ、ｂ、ｃ、ｄにより搬送されてくる紙葉類を一枚ごと取り込んで収容する渦型羽根車１４を上部に備え、収容された紙葉類を集積・載置されるステージ１５と、ステージ１５に載置された紙葉類を最下部から順に一枚ごと搬送路ｆに繰り出す２個の繰り出しローラ１６を備えている。

　この一時保留部７の開口部には、開閉可能な透明カバー１７が備えられている。透明カバー１７は、常に不図示のロック機構でロックされている。そして紙葉類選別処理の途中で又は紙葉類選別処理の終了時点で、装置管理者又は顧客により投入された紙葉類の投入が取り消されたとき、装置管理者によりロック機構のロックが解除される。

　これにより、透明カバー１７はヒンジ１８を支点に上方に回動させることが可能となる。すなわち、一時保留部７の開口部は、紙葉類の投入取消の時にのみ外部から開閉が可能なように取り付けられている。

　返却部８は、鑑別部９を通過した紙葉類が、偽物、取扱い対象外、汚れや破れが大きい等で鑑別結果が異常と判別された不良紙葉類を顧客に返却すべく、搬送経路ａ、ｂ、ｃ、ｅにより搬送されてくる不良紙葉類を一時的に収容する収容部である。

　この返却部８には、鑑別部９から搬送路ｃ、ｅを通って搬送されてくる不良紙葉類を一枚ごと取り込む渦型羽根車１９が上部に備えられている。この返却部８の開口部にも遮蔽部材などは設けられておらす内部が外部に開放されている。

　そして、上記の紙葉類投入部６、一時保留部７、及び返却部８は、装置１の正面に立つ者及び装置１の側面に立つ者の両方から、それぞれ内部が一望可能なように、装置１の前面から装置１の上面にかけて形成される円弧状の仮想面２０に沿って並べて順次配置されている。

　図２は、図１に示す紙葉類取扱装置１の構成を詳細に示す斜視図である。尚、同図は、下部フレーム２及び上部フレーム３の四方の側面を覆うカバーを取り外して示し上部前面と上面は本来の外観そのものを示している。

　また、図２の斜視図は、図１に示した紙葉類投入部６、一時保留部７、及び返却部８が装置１の正面に立つ者及び装置１の側面に立つ者の両方から、それぞれ内部が一望可能なことを具体的に示したものであり、図１と比較のため、主要部の構成のみに図１と同一の番号を付与し、その他の構成部分については本発明の要部ではないので説明は省略する。

　また、図２の斜視図を見れば明らかなように、この装置１の構成は、装置１の側面に立つ装置管理者の反対側の位置となる鏡面対称位置の仮想装置管理者の目線の延長線上に防犯カメラを設置することにより、防犯カメラで、紙葉類投入部６、一時保留部７、及び返却部８を一望の下にその内部まで監視することが出来ることを示している。

　図３は、上記構成の紙葉類取扱装置１の紙葉類取引上の処理を制御する電装部５の制御装置による制御の動作を説明するフローチャートである。尚、以下の説明では紙葉類を紙幣、紙葉類投入部６を入金口６として説明する。

　図４、図５、図６、及び図７は、それぞれ上記制御装置による制御の動作に応じて動作する紙葉類取扱装置１の動作状態を示す図である。尚、図４～図７には、いずれも図１と同一の構成であるので、説明に必要な部分にのみ番号を付与して示している。

　先ず図３において、制御装置は、第一取引の状態に装置１を設定する（ステップＳ１）、この処理では、入金口６に配置されている不図示のセンサが駆動され、そのセンサの出力が制御装置によって監視される。

　そして、制御装置は、センサの出力によって入金口６に紙幣が投入されたことを確認する（ステップＳ２）。この確認では、図４に示すように、紙葉類としての紙幣２１が入金口６のステージ１１上に、後部よりも前部を上にして斜めに載置されて集積された状態となっている。

　ここで、制御装置は、集積されている紙幣２１を押圧板１２で押圧し、繰り出しローラ１３により、紙幣２１を最下部から一枚ずつ搬送路ａへと繰り出す（ステップＳ３）。これにより、繰り出された紙幣２１は、搬送路ａ、ｂと搬送されて鑑別部９を通過する。

　鑑別部９は、鑑別部９を通過する紙幣２１の真贋、金種、汚れや破れが大きな不良紙幣等を鑑別し、鑑別結果を制御装置に通知する。この鑑別では紙幣２１が真券であり、金種が流通中のものであり、汚れや破れの程度が今後の使用に十分耐える程度である紙幣等は正常券と鑑別され、それ以外の紙幣２１は非正常券と鑑別される。

　制御装置は、上記鑑別部９の鑑別に基づいて、正常券と鑑別された紙幣２１ａを搬送路ｃ、ｄを介して一時保留部７に搬送し、渦型羽根車１４により一時保留部７に集積する。他方、非正常券と鑑別された紙幣２１ｂを搬送路ｃ、ｅを介して返却部８に搬送し、渦型羽根車１９により返却部８に集積する（ステップＳ４）。

　図５は、このときの紙葉類取扱装置１の状態を示している。図５に示すように、一時保留部７には正常券と鑑別された紙幣２１ａが集積され、返却部８には非正常券と鑑別された紙幣２１ｂが集積されている。

　尚、ここまでの紙幣の選別処理（鑑別処理）では、処理の工程の動作が、図２に示したように、装置１の正面に立つ顧客、及び装置１の側面に立つ装置管理者の両方から、それぞれ収容部の内部まで一望できるので、錯誤に基づく金額や枚数上の係争が生じる恐れは全く無い。また、万一ジャムが発生した場合でも、目の前で紙幣の出入りのタイミングと搬送操作に差が生じたことが判明するので、相互に納得しながら対処することができる。

　この図５の状態で、制御装置は、入金か返却かの判断待ちとなる（ステップＳ５）。この処理では、一時保留部７に集積されている正常券紙幣２１ａの総額又は枚数と、返却部８に集積されている非正常券紙幣２１ｂの総額又は枚数とを見比べて、顧客が入金か返却かを判断する。なお、一次保留部７および返却部８に集積された紙幣の、総額又は枚数は図示しない表示部により表示される。

　もちろん、装置管理者が、正常券紙幣２１ａの総額又は枚数と、非正常券紙幣２１ｂの総額又は枚数とを見比べて、入金か返却かを判断することも有り得る。いずれにしても双方納得の上、入金決定であれば、装置管理者により特には図示しない入金ボタンが入力操作される。また、この時、透明カバーのロック機構はロックされている状態であり、一次保留部７の紙幣には管理者および顧客は触れることが出来ないようになっている。（ステップＳ５の判断で返却と判断されない限り、透明カバーはロック機構によりロックされている）

　制御装置は、入金ボタンが入力操作されたことを認識すると（Ｓ５の判断が入金）、第二取引の状態に装置１を設定する（ステップＳ６）。図６は、第二取引の状態に装置１が設定されたときの状態を示している。尚、図６には一時保留部７に集積された紙幣２１ａを上から押圧する押圧板の図示を省略している。

　押圧板は、渦型羽根車１４が紙幣２１ａを一時保留部７に集積しているときは、紙幣２１ａの進入路から退避する位置に回動し、一時保留部７から紙幣２１ａを繰り出すときは、退避位置から押圧位置に回動し且つ付勢部材からの付勢を受けながら紙幣２１ａの繰り出しによる沈下に応じて沈下する。

　制御装置は、一時保留部７から繰り出した紙幣２１ａを、搬送路ｆ、ｂ、ｇにより搬送し、鑑別部９が鑑別した金種に応じて、その金種に対応する紙葉類収納カセット４（４ａ、４ｂ、４ｃ）に紙幣２１ａを収納する。

　一方、図５の状態で入金か返却かの判断待ちで、顧客または装置管理者により入金取消しが決定されたときは、装置管理者により特には図示しない返却ボタンが入力操作される。制御装置は、返却ボタンが入力操作されたことを認識すると（Ｓ５の判断が返却）、一時保留部７の透明カバー１７のロック機構のロックを解除する（ステップＳ１０）。

　図７は、このときの顧客の動作を示している。顧客は、ロックが解除された透明カバー１７を矢印ｈで示すように上に回動させて一時保留部７の開口部を開放し、内部の紙幣２１ａを矢印ｉで示すように取り出すことができる（ステップＳ１１）。更に、顧客は、常に開口部が開放されている返却部８の不良紙幣２１ｂも矢印ｊで示すように取り出すことができる。

　図８、図９及び図１０は、実施例２に係る紙葉類取扱装置２２の制御装置による制御に応じた動作状態を示す図である。尚、図８には、図１及び図４と同一の構成又は同一の機能部分には、図１及び図４と同一の番号を付与して示している。

　本例の場合も、紙葉類投入部６、一時保留部７、及び返却部８は、装置１の正面に立つ者及び装置１の側面に立つ者の両方から、それぞれ内部が一望可能なように構成されている。

　ただし、本例の場合は、紙葉類投入部６、一時保留部７、及び返却部８の配置面は、円弧状の配置面ではなく、装置２２の前方から装置２２の後方に傾斜する仮想傾斜面２３に沿って並べて順次配置されている。

　この紙葉類取扱装置２２は、実施例１と紙葉類投入部６、一時保留部７、及び返却部８の配置面が異なるだけで、制御装置による制御は図３の場合と同一であり、その場合の各部の動作は、図８は、実施例１の図４に対応し、図９は、実施例１の図６に対応し、図１０は実施例１の図７に対応している。

　また、特には斜視図を図示していないが、本例の場合も図２に示した場合と同様に、装置２２の側面に立つ装置管理者の反対側位置となる鏡面対称位置の仮想装置管理者の目線の延長線上に防犯カメラを設置することにより、防犯カメラで、紙葉類投入部６、一時保留部７、及び返却部８を一望の下にその内部まで監視できる。

　本発明は、顧客との間で悶着が発生することのない且つ取引取り消し時は投入紙葉類を迅速且つ容易に返却可能な紙葉類取扱装置に利用することができる。

　　１　紙葉類取扱装置（装置）
　　２　下部フレーム
　　３　上部フレーム
　　４（４ａ、４ｂ、４ｃ）　紙葉類収納カセット
　　５　電装部
　　６　紙葉類投入部
　　７　一時保留部
　　８　返却部
　　９　鑑別部
　　ａ、ｂ、ｃ、ｄ、ｅ、ｆ、ｇ　搬送経路
　１１　ステージ
　１２　押圧板
　１３　繰り出しローラ
　１４　渦型羽根車
　１５　ステージ
　１６　繰り出しローラ
　１７　透明カバー
　１８　ヒンジ
　１９　渦型羽根車
　２０　円弧状の仮想面
　２１　紙幣
　　　２１ａ　正常券紙幣
　　　２１ｂ　非正常券紙幣
　２２　紙葉類取扱装置
　２３　仮想傾斜面

Claims (3)

1. 　紙葉類を取扱う装置において、
   　紙葉類が投入される紙葉類投入部と、
   　該紙葉類投入部に投入された前記紙葉類を鑑別して鑑別結果が正常と判別された前記紙葉類を収納すべく一時保留して集積する一時保留部と、
   　前記鑑別結果が異常と判別された前記紙葉類を返却すべく一時保留して集積する返却部と、
   　を有し、
   　前記紙葉類投入部は、紙葉類投入用の開口部が外部に開放されており、
   　前記一時保留部は、前記紙葉類を一時保留して集積する集積部の開口部に、投入取消時にのみ開閉可能な遮蔽部材を備え、
   　前記返却部は、前記紙葉類を一時保留して集積する集積部の開口部が外部に開放されており、
   　前記紙葉類投入部、前記一時保留部、及び前記返却部は、前記装置の前面から上面にかけて形成される円弧状の仮想面に沿って並べて順次配置されている、
   　ことを特徴とする紙葉類取扱装置。
2. 　前記一時保留部の遮蔽部材は透明カバーである
   　ことを特徴とする請求項１記載の紙葉類取扱装置。
3. 　前記紙葉類投入部、前記一時保留部、及び前記返却部は、前記装置の前方から後方に傾斜する仮想傾斜面に沿って並べて順次配置されている、
   　ことを特徴とする請求項１または２記載の紙葉類取扱装置。

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