WO2012157313A1 - 注射針ユニット - Google Patents

Abstract

　注射針ユニット（１）は、針管（５）と、針ハブ（６）と、収納ケース（８）と、蓋部材（９）を備えている。針ハブ（６）は、針管（５）の針先（５Ａ）が突出する先端部（１５，１６）と、先端部（１５，１６）の反対側に位置しており、シリンジ（３）が接続される接続部（３２）と、先端部（１５，１６）の周囲に設けられ、接続部（３２）よりも径が大きいフランジ部（１３）と、を有する。さらに、収納ケース（８）は、針ハブ（６）を収納し、開口部（６１ａ）を有するケース本体（６１）と、ケース本体（６１）の開口部（６１ａ）と対向する底面部（６２）に設けられてフランジ部１３に当接する支持部（６６）と、を有する。収納ケース（８）の開口部（６１ａ）を閉じるとともに、ケース本体（６１）内に収納された針ハブ（６）の接続部（３２）に当接する蓋部材（９）とを備えた。

Description

注射針ユニット

　本発明は、針先を皮膚の表面より穿刺する針管を保持した針ハブとこの注射針組立体を収納する収納ケースから構成される注射針ユニットに関する。

　従来、針管を保持した針ハブ（以下、針管と針ハブを合わせて「注射針組立体」という。）は、針管の刃先を保護及び滅菌した状態を維持するため、使用するまで組立体全体をプラスチックのような硬質材料からなる収納ケースに収納して針管の刃先の滅菌状態を維持している。そして、針ハブにシリンジを接続し、収納ケースから注射針組立体を取り外して使用される。

　このような注射針組立体及び収納ケースからなる注射針セットとしては、例えば、特許文献１に開示されている。この特許文献１には、針管を保持する針ハブの外周面に凸部を設ける共に、針ハブを収納する収納ケースの内周面に凸部と係合する凹部を設けて、この凸部と凹部が係合することで、針ハブが収納ケースに対して回転することを阻止する技術が開示されている。

　また、近年では、針管を穿刺する際のブレの低減をさせるために、針ハブにおける針管の針先が突出する先端部側に皮膚と対向及び／接触するフランジ状の部材を設ける技術が提案されている。

　なお、収納ケースから注射針組立体を取り出す際、針管の針先が誤って使用者に穿刺されることを防止するために、針ハブは、針管の針先を収納ケースの底面部に向けて収納ケースに収納される。

特開２００５－２１１３３６号公報

　しかしながら、針ハブの先端側にフランジ状の部材を設けると、シリンジと接続する接続部よりも先端側の径が大きくなるため、収納ケースにおける注射針組立体を収納する収納空間を大きくする必要があった。そして、収納空間を大きくすると、針ハブの接続部側の側面部が収納ケースの側面部と接触しなくなり、収納ケースの側面部と針ハブの側面部との接触面積が小さくなっていた。その結果、針ハブが輸送時や落下時に発生する外部からの力によって、収納ケースのケース本体内で針ハブが動き、傾き易くなり、針管の針先がケース本体に接触して針先が損傷する、という問題を有している。

　本発明の目的は、このような状況に鑑みてなされたものであり、輸送時や落下時に生じる衝撃力によって収納ケースに収納されている針ハブが収納ケース内で動くことを防止できる注射針ユニットを提供することにある。

　上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の注射針ユニットは、皮膚に穿刺される針先を有する針管と、針管を保持し、且つ針管の針先が突出する先端部と、先端部の反対側に位置しておりシリンジが接続される接続部と、先端部の周囲に設けられ、接続部よりも径が大きいフランジ部と、を有する針ハブとを備える。さらに、針ハブを収納し、開口部を有するケース本体と、ケース本体の開口部と対向する底面部に設けられてフランジ部に当接する支持部と、を有する収納ケースと、収納ケースの開口部を閉じると共に、ケース本体内に収納された針ハブの接続部に当接する蓋部材とを備えた。

　本発明の注射針ユニットによれば、蓋部材が針ハブの接続部に当接し、収納ケースに設けた支持部が針ハブのフランジ部に当接している。すなわち、針ハブの軸方向の両端を蓋部材と収納ケースで支持している。これにより、輸送時や落下時に発生する外部からの力によって、収納ケースのケース本体内で針ハブが動くことを規制することができ、針管の針先がケース本体に接触し、針先が損傷することを防ぐことができる。

本発明の注射針ユニットの第１の実施の形態例を示す分解側面図である。 本発明の注射針ユニットの第１の実施の形態例にかかる注射針組立体を示す断面図である。 本発明の注射針ユニットの第１の実施の形態例にかかる収納ケースと蓋部材を断面した状態を示す断面図である。 本発明の注射針ユニットの第１の実施の形態例にかかる注射針組立体にシリンジを接続した状態を示す断面図である。 本発明の注射針ユニットの第２の実施の形態例を示す側面図であり、収納ケースと蓋部材を断面した状態を示している。 本発明の注射針ユニットの第３の実施の形態例を示す側面図であり、収納ケースと蓋部材を断面した状態を示している。 本発明の注射針ユニットの第４の実施の形態例を示す側面図であり、収納ケースと蓋部材を断面した状態を示している。

　以下、本発明の注射針ユニットの実施の形態例について、図１～図７を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
　なお、説明は以下の順序で行う。
１．第１の実施の形態例
　１－１．注射針ユニットの構成例
　１－２．注射針ユニットの組立方法
　１－３．薬剤注射装置の組立方法
２．第２の実施の形態例
３．第３の実施の形態例及び第４の実施の形態例

＜１．第１の実施の形態例＞
１－１．注射針ユニットの構成例
［注射針ユニット］
　まず、本発明の注射針ユニットの第１の実施の形態例（以下、「本例」という。）について、図１～図４を参照して説明する。
　図１は、本例の注射針ユニットを示す分解側面図である。図２は、本例の注射針ユニットにかかる注射針組立体を示す断面図である。

　図１に示すように、注射針ユニット１は、注射針組立体２と、この注射針組立体２が収納される収納ケース８及び蓋部材９とから構成されている。図２に示すように、注射針組立体２には、シリンジ３が着脱可能に接続される。そして、注射針組立体２とシリンジ３によって薬剤注射装置６０を構成する。この薬剤注射装置６０は、針先を皮膚の表面より穿刺し、皮膚上層部に薬剤を注入する場合に用いる。なお、皮膚上層部とは、皮膚のうちの表皮と真皮を指す。

　ここで、皮膚は、表皮と、真皮と、皮下組織の３部分から構成される。表皮は、皮膚表面から５０～２００μｍ程度の層であり、真皮は、表皮から続く１．５～３．５ｍｍ程度の層である。インフルエンザワクチンは、一般的に皮下投与もしくは筋肉内投与であるため、皮膚の下層部もしくはそれよりも深い部分に投与されている。

　一方、免疫担当細胞が多く存在する皮膚上層部を標的部位として、インフルエンザワクチンを投与することにより、ワクチンの投与量を減少させることが検討されている。なお、皮膚上層部とは、皮膚のうちの表皮と真皮を指す。

　シリンジ３は、薬剤注射装置を使用するときに薬剤を充填させるものでもよく、予め薬剤が充填されたプレフィルドシリンジであってもよい。また、シリンジ３に充填される薬剤としては、ワクチンを挙げることができるが、サイトカインなどの高分子物質を用いたものや、ホルモンであってもよい。シリンジ３の詳細な構成について後述する。

［注射針組立体］
　次に、注射針組立体２について、図２を参照して説明する。
　図２に示すように、注射針組立体２は、針孔を有する中空の針管５と、針管５が固定される針ハブ６と、針ハブ６内に配置される弾性部材７とを備えている。また、針ハブ６は、針管５を保持する保持部である第１部材１１と、第１部材１１に固定される第２部材１２と、からなっている。

　注射針組立体２の針管５は、ＩＳＯの医療用針管の基準（ＩＳＯ９６２６：１９９１／Ａｍｄ．１：２００１（Ｅ））で２２～３３ゲージのサイズ（外径０．２～０．７ｍｍ）のものが使用できる。なお、皮膚上層部への投与に用いる場合には、２６～３３ゲージのものを使用することができ、好ましくは３０～３３ゲージのものが使用できる。

　針管５の一端には、刃面５ａを有する針先５Ａが設けられている。この針先５Ａとは反対側である針管５の軸方向の他端は、以下、基端５Ｂという。刃面５ａにおける針管５の軸方向の長さ（以下、「ベベル長Ｂ」という。）は、後述する皮膚上層部の最薄の厚さである１．４ｍｍ（成人）以下であればよく、また、３３ゲージの針管に短ベベルを形成したときのベベル長である約０．５ｍｍ以上であればよい。つまり、ベベル長Ｂは、０．５～１．４ｍｍの範囲に設定されるのが好ましい。

　さらに、ベベル長Ｂは、皮膚上層部の最薄の厚さが０．９ｍｍ（小児）以下、すなわち、ベベル長Ｂが０．５～０．９ｍｍの範囲であればなおよい。なお、短ベベルとは、注射用針に一般的に用いられる、針の長手方向に対して１８～２５°をなす刃面を指す。また、針管５の針先５Ａの表面には、例えばシリコーン樹脂やフッ素系樹脂等からなるコーティング剤が施される。これにより、針管５を生体に穿刺した際に、皮膚と針管との摩擦を低減することができ、穿刺時に伴う痛みを軽減させることが可能となる。

　針管５の材料としては、例えば、ステンレス鋼を挙げることができるが、これに限定されるものではなく、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金その他の金属を用いることができる。また、針管５は、ストレート針だけでなく、少なくとも一部がテーパー構造となっているテーパー針を適用することができる。テーパー針としては、針先端部に比べて基端部が大きい径を有しており、その中間部分をテーパー構造とすればよい。また、針管５の断面形状は、円形だけでなく、三角形等の多角形であってもよい。そして、この針管５は、針ハブ６に固定されている。

［針ハブ］
　次に、針ハブ６について説明する。針ハブ６の第１部材１１と第２部材１２は、別部材として形成されているが、一体に形成することもできる。これら第１部材１１及び第２部材１２の材質としては、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂を挙げることができる。

　第１部材１１は、略円柱状のベース部１５と、調整部１６と、ベース部１５の軸方向の一側の外周面から半径外方向に突出するフランジ部１３とを備えている。なお、ベース部１５の軸方向の一側と調整部１６が本発明の先端部を構成している。

　フランジ部１３は、安定部１７、ガイド部１８及び接続片２４を有している。このフランジ部１３の径は、後述する第２部材１２の接続部３２の外径よりも大きく設定されている。なお、フランジ部１３を安定部１７、ガイド部１８及び接続片２４によって構成した例を説明したが、これに限定されるものではない。フランジ部１３としては、ベース部１５又は調整部１６の外周から半径外方向に突出するものであれば、上述した構成に限定されるものではない。

　ベース部１５は、軸方向に垂直な端面１５ａ，１５ｂを有している。調整部１６は、ベース部１５の軸方向の一端側の端面１５ａの中央部に設けられており、ベース部１５の軸方向に突出する円柱状の凸部からなっている。この調整部１６の軸心は、ベース部１５の軸心と一致している。

　ベース部１５及び調整部１６の軸心には、針管５が貫通する貫通孔２１が設けられている。そして、ベース部１５には、貫通孔２１に接着剤２０を注入するための注入穴２２が設けられている。この注入穴２２は、ベース部１５の外周面に開口されており、貫通孔２１と略直交するようにして貫通孔２１に連通している。すなわち、注入穴２２から貫通孔２１へ注入される接着剤２０によって、針管５がベース部１５に固着される。

　また、調整部１６には、針管５を伝わって貫通孔２１に浸潤するコーティング剤を排出するための排出穴２３が設けられている。排出穴２３は、調整部１６の外面から貫通孔２１に連通するように形成されている。また、排出穴２３の軸心は、貫通孔２１の軸心と略直交するように設けられている。そして、排出穴２３は、調整部１６の外壁に出口部２３ａと、貫通孔２１に連通する入口部２３ｂとを有している。

　針管５の基端５Ｂ側は、ベース部１５の軸方向の他端である端面１５ｂから突出している。ベース部１５は、端面１５ｂ側から第２部材１２内に挿入され、針管５の基端５Ｂ側が弾性部材７の後述する挿通孔４５に挿通される。そして、ベース部１５の端面１５ｂが弾性部材７の後述する端面４１ａに当接される。

　また、ベース部１５の外周面には、フランジ部１３を構成する接続片２４が設けられている。この接続片２４は、ベース部１５の半径方向の外側に向けて突出するリング状のフランジとして形成されており、ベース部１５の軸方向に対向する平面２４ａ，２４ｂを有している。接続片２４の平面２４ｂには、第２部材１２が接続される。また、接続片２４の先端部は、ガイド部１８になっている。このガイド部１８については、後で詳しく説明する。

　調整部１６の端面は、針管５の針先５Ａ側が突出する針突出面１６ａになっている。針突出面１６ａは、針管５の軸方向に直交する平面として形成されている。この針突出面１６ａは、針管５を皮膚上層部に穿刺するときに、皮膚の表面に接触して針管５を穿刺する深さを規定する。つまり、針管５が皮膚上層部に穿刺される深さは、針突出面１６ａから突出する針管５の長さ（以下、「突出長Ｌ」という。）によって決定される。

　皮膚上層部の厚みは、皮膚の表面から真皮層までの深さに相当し、概ね、０．５～３．０ｍｍの範囲内にある。そのため、針管５の突出長Ｌは、０．５～３．０ｍｍの範囲に設定することができる。

　ところで、ワクチンは一般的に上腕部に投与されるが、皮膚上層部への投与を考えた場合は皮膚が厚い肩周辺部、特に三角筋部がふさわしいと考えられる。そこで、小児１９人と大人３１人について、三角筋の皮膚上層部の厚みを測定した。この測定は、超音波測定装置（ＮＰ６０Ｒ－ＵＢＭ　小動物用高解像度用エコー、ネッパジーン（株））を用いて、超音波反射率の高い皮膚上層部を造影することで行った。なお、測定値が対数正規分布となっていたため、幾何平均によってＭＥＡＮ±２ＳＤの範囲を求めた。

　その結果、小児の三角筋における皮膚上層部の厚みは、０．９～１．６ｍｍであった。また、成人の三角筋における皮膚上層部の厚みは、遠位部で１．４～２．６ｍｍ、中央部で１．４～２．５ｍｍ、近位部で１．５～２．５ｍｍであった。以上のことから、三角筋における皮膚上層部の厚みは、小児の場合で０．９ｍｍ以上、成人の場合で１．４ｍｍ以上であることが確認された。したがって、三角筋の皮膚上層部における注射において、針管５の突出長Ｌは、０．９～１．４ｍｍの範囲に設定することが好ましい。

　突出長Ｌをこのように設定することで、針先５Ａの刃面５ａを皮膚上層部に確実に位置させることが可能となる。その結果、刃面５ａに開口する針孔（薬液排出口）は、刃面５ａ内のいかなる位置にあっても、皮膚上層部に位置することが可能である。なお、薬液排出口が皮膚上層部に位置しても、針先５Ａが皮膚上層部に深く刺されば、針先５Ａ端部の側面と切開された皮膚との間から薬液が皮下に流れてしまうため、刃面５ａが確実に皮膚上層部にあることが重要である。

　なお、皮膚上層部への投与に用いる場合には、２６ゲージよりも太い針管では、ベベル長Ｂを１．０ｍｍ以下にすることは難しい。したがって、針管５の突出長Ｌを好ましい範囲（０．９～１．４ｍｍ）に設定するには、２６ゲージよりも細い針管を使用することが好ましい。

　針突出面１６ａは、周縁から針管５の周面までの距離Ｓが１．４ｍｍ以下となるように形成し、好ましくは０．３～１．４ｍｍの範囲で形成する。この針突出面１６ａの周縁から針管５の周面までの距離Ｓは、皮膚上層部へ薬剤を投与することで形成される水疱に圧力が加わることを考慮して設定している。つまり、針突出面１６ａは、皮膚上層部に形成される水疱よりも十分に小さく、水疱の形成を妨げない大きさに設定している。その結果、針突出面１６ａが針管５の周囲の皮膚を押圧して、投与された薬剤が漏れるということを防止することができる。

　フランジ部１３の安定部１７は、ベース部１５に設けた接続片２４の平面２４ａから突出する筒状に形成されている。安定部１７の筒孔には、針管５及び調整部１６が配置されている。つまり、安定部１７は、針管５が貫通する調整部１６の周囲を覆う筒状に形成されており、針管５の針先５Ａから半径方向に離間して設けられている。

　安定部１７の端面１７ａは、調整部１６の針突出面１６ａよりも針管５の基端５Ｂ側に位置している。針管５の針先５Ａを生体に穿刺すると、まず、針突出面１６ａが皮膚の表面に接触し、その後、安定部１７の端面１７ａに接触する。このとき、安定部１７の端面１７ａが皮膚に接触することで薬剤注射装置６０が安定し、針管５を皮膚に対して略垂直な姿勢に保つことができる。

　なお、安定部１７の端面１７ａは、針突出面１６ａと同一平面上に位置させたり、また、針突出面１６ａよりも針管５の針先５Ａ側に位置させたりしても、針管５を皮膚に対して略垂直な姿勢に保つことができる。なお、安定部１７を皮膚に押し付けた際の皮膚の盛り上がりを考慮すると、安定部１７の端面１７ａと針突出面１６ａにおける軸方向の距離は、１．３ｍｍ以下に設定することが好ましい。

　また、安定部１７の内径ｄは、皮膚に形成される水疱の直径と同等であるか、それよりも大きい値に設定されている。具体的には、安定部１７の内壁面から針突出面１６ａの周縁までの距離Ｔが４ｍｍ～１５ｍｍの範囲となるように設定されている。これにより、安定部１７の内壁面から水疱に圧力が印加されことによって水疱形成が阻害されることを防止することができる。

　安定部１７の内壁面から調整部１６の外周面までの最短距離Ｔは、４ｍｍ以上であれば、特に上限はない。しかしながら、距離Ｔを大きくすると、安定部１７の外径が大きくなるため、小児のように細い腕に針管５を穿刺する場合に、安定部１７の端面１７ａ全体を皮膚に接触させることが難しくなる。そのため、距離Ｔは、小児の腕の細さを考慮して１５ｍｍを最大と規定することが好ましい。

　また、針突出面１６ａの周縁から針管５の周面までの距離Ｓが０．３ｍｍ以上であれば、調整部１６が皮膚に進入することはない。したがって、安定部１７の内壁面から針突出面１６ａの周縁までの距離Ｔ（４ｍｍ以上）及び針突出面１６ａの直径（約０．３ｍｍ）を考慮すると、安定部１７の内径ｄは９ｍｍ以上に設定することができる。

　なお、安定部１７の形状は、円筒状に限定されるものではなく、例えば、中心に筒孔を有する四角柱や六角柱等の角筒状に形成してもよい。

　フランジ部１３のガイド部１８は、接続片２４における安定部１７よりも第１部材１１における半径方向の外側に位置する先端側の部分である。このガイド部１８は、皮膚と接触する接触面１８ａを有している。接触面１８ａは、接続片２４における平面２４ａの一部であり、安定部１７の端面１７ａと略平行をなす平面である。ガイド部１８の接触面１８ａが皮膚に接触するまで安定部１７を押し付けることにより、安定部１７及び針管５が皮膚を押圧する力を常に所定値以上に確保することができる。これにより、針管５の針突出面１６ａから突出している部分（突出長Ｌに相当）が確実に皮膚内に穿刺される。

　ガイド部１８の接触面１８ａから安定部１７の端面１７ａまでの距離（以下、「ガイド部高さ」という。）Ｙは、針管５及び安定部１７が適正な押圧力で皮膚を押圧し穿刺することができるようにその長さが設定されている。なお、針管５及び安定部１７の適正な押圧力は、例えば、３～２０Ｎ（ニュートン）である。その結果、使用者に対して針管５及び安定部１７による皮膚への押圧力をガイド部１８が案内し、針管５の針先５Ａ（刃面５ａ）を皮膚上層部に確実に位置させることができると共に、使用者に安心感を与えることができる。

　ガイド部高さＹは、安定部１７の内径ｄと、ガイド部１８の先端面から安定部１７の外周面までの長さ（以下、「ガイド部長さ」という。）Ｘに基づいて適宜決定される。例えば、安定部１７の内径ｄが１２ｍｍであり、ガイド部長さＸが３．０ｍｍのとき、ガイド部高さＹは、２．３～６．６ｍｍの範囲に設定される。

［第２部材］
　次に、第２部材１２について説明する。
　第２部材１２は、略筒状に形成されている。この第２部材１２の軸方向の一端部は、第１部材１１のベース部１５を挿入する挿入部３１になっており、他端部は、シリンジ３の後述する排出部５２を嵌入して接続する接続部３２になっている。挿入部３１の筒孔３１ａは、第１部材１１のベース部１５に対応した大きさに設定されている。

　挿入部３１には、第１部材１１の接続片２４に接続される固定片３４が設けられている。この固定片３４は、挿入部３１の先端に連続して半径外方向に突出する円盤状のフランジとして形成されている。固定片３４には、第１部材１１に設けた接続片２４の平面２４ｂが当接し、固着される。固定片３４と接続片２４の固着方法としては、例えば、接着剤、超音波溶着、レーザ溶着、固定ねじ等を挙げることができる。

　接続部３２の筒孔３２ａは、シリンジ３の排出部５２に対応した大きさに設定されており、挿入部３１側に至るにつれて連続的に径が小さくなっている。接続部３２の内面には、シリンジ３の排出部５２を螺合させるためのねじ溝３５が形成されている。また、この接続部３２の外径は、フランジ部１３の外径よりも小さく設定されている。

　挿入部３１と接続部３２との間には、弾性部材７が係合する係合部３７が設けられている。この係合部３７は、第２部材１２の内面から半径内方向に突出する段部として形成されており、第２部材１２の軸方向に略直交する係合面３７ａ，３７ｂを有している。係合部３７の係合面３７ａには、弾性部材７の後述する弾性側フランジ部４２が係合され、係合面３７ｂには、弾性部材７のストッパ突部４３が係合される。

［弾性部材］
　次に、弾性部材７について説明する。弾性部材７は、針ハブ６の第２部材１２内に配置され、第１部材１１とシリンジ３との間に介在される。この弾性部材７は、本体部４１と、この本体部４１の軸方向の一端に設けられた弾性側フランジ部４２と、本体部４１の他端に設けられたストッパ突部４３を有している。

　本体部４１は、略円柱状に形成されており、軸方向に垂直な端面４１ａ，４１ｂを有している。本体部４１の端面４１ａには、第１部材１１のベース部１５の端面１５ｂが当接し、端面４１ｂには、シリンジ３に設けられた排出部５２の先端が液密に当接する。つまり、端面４１ｂは、排出部５２の先端が液密に当接する当接面になっている。

　本体部４１には、ベース部１５の端面１５ｂから突出した針管５の基端５Ｂ側が挿通される挿通孔４５が設けられている。この挿通孔４５は、本体部４１の軸方向に延びており、端面４１ａ，４１ｂに開口されている。本体部４１の内面は、端面側離間部４６と、当接面側離間部４７と、密着部４８から形成されている。

　端面側離間部４６は、端面４１ａにおける挿通孔４５の開口を形成している。この端面側離間部４６は、針管５の外周面から離間しており、端面４１ａに向かうにつれて挿通孔４５の径が連続的に大きくなるようなテーパー状に形成されている。これにより、ベース部１５の端面１５ｂから突出した針管５の基端５Ｂ側を挿通孔４５に容易に挿通することができる。なお、挿通孔４５における端面側離間部４６の形状は、針管５が挿通孔４５に挿通し易い形状であれば、テーパー状に限定されるものではない。

　当接面側離間部４７は、端面４１ｂにおける挿通孔４５の開口を形成する。この当接面側離間部４７は、針管５の外周面から離間しており、端面４１ｂに向かうにつれて挿通孔４５の径が連続的に大きくなるようなテーパー状に形成されている。弾性部材７に当接面側離間部４７を設けることにより、本体部４１の端面４１ｂ側が弾性変形して針管５の基端５Ｂを覆い、針孔を塞ぐことを防止することができる。

　また、挿通孔４５における当接面側離間部４７は、テーパー状に形成したものに限定されるものではなく、例えば密着部４８の径よりも大きく針管５の外周面から離間するような凹部であってもよい。すなわち、挿通孔４５における当接面側離間部４７の形状は、本体部４１の端面４１ｂ側が弾性変形して針管５の基端５Ｂを覆い、針孔を塞ぐことが防止できる形状であればよい。

　密着部４８は、端面側離間部４６と当接面側離間部４７との間に形成されている。この密着部４８は、針管５の外周面に液密に密着する。これにより、シリンジ３内の薬剤は、針管５と弾性部材７との間から針ハブ６の第１部材１１側へ浸透しないようにすることができる。

　弾性側フランジ部４２は、本体部４１の外周面から半径外方向に突出するリング状に形成されている。この弾性側フランジ部４２の外径は、第１部材１１のベース部１５の外径と略等しくなっている。そのため、弾性側フランジ部４２の一方の平面は、第２部材１２に設けた係合部３７の係合面３７ａと当接し、他方の平面は、第１部材１１のベース部１５の端面１５ｂと当接する。弾性部材７は、第２部材１２の係合部３７と第１部材１１のベース部１５によって弾性側フランジ部４２が挟持されることにより、針ハブ６に取り付けられている。

　ストッパ突部４３は、弾性側フランジ部４２と同様に、本体部４１の外周面から半径外方向に突出するリング状に形成されている。このストッパ突部４３は、第２部材１２に設けた係合部３７の係合面３７ｂに係合する。弾性部材７は、弾性側フランジ部４２及びストッパ突部４３が第２部材１２の係合部３７に係合することにより、軸方向への移動が係止されている。

　弾性部材７の材質としては、天然ゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、或いはそれらの混合物等の弾性材料が挙げられる。

［シリンジ］
　シリンジ３は、シリンジ本体５１と、このシリンジ本体５１に連続する排出部５２を備えている。シリンジ本体５１は、円形の筒体からなっている。排出部５２は、シリンジ本体５１の軸方向の一端から突出しており、シリンジ本体５１よりも小さい外径の円形の筒体からなっている。この排出部５２は、先端に向かうにつれて径が連続的に小さくなるようなテーパー状に形成されている。排出部５２の先端となる端面５２ａは、軸方向に直交する平面であり、弾性部材７の端面４１ｂに液密に当接する。また、排出部５２の外周面には、針ハブ６の第２部材１２に螺合させるためのねじ部５３が設けられている。

　シリンジ本体５１内には、ガスケット（不図示）が収納されている。シリンジ本体５１内の空間は、ガスケットにより仕切られており、排出部５２に連通する一方の空間は、排出部５２内の空間と共に液室５６を形成している。シリンジ本体５１内の他方の空間には、プランジャ（不図示）が配置される。プランジャは、ガスケットに接続されており、シリンジ本体５１の他端の開口から突出している。このプランジャを操作することにより、ガスケットがシリンジ本体５１内で軸方向に移動され、液室５６への薬剤の吸引と、液室５６に充填された薬剤の排出が行われる。

　シリンジ本体５１及び排出部５２の材質としては、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂を用いてもよく、また、ステンレス、アルミニウム等の金属を用いてもよい。

［収納ケース及び蓋部材］
　次に、図３を参照して収納ケース８及び蓋部材９について説明する。
　図３は、本例の注射針ユニット１における収納ケース８及び蓋部材９を断面した状態を示す説明図である。

　図３に示すように、収納ケース８は、中空の筒状に形成されたケース本体６１を有している。ケース本体６１は、軸方向の一端に開口部６１ａを有し、軸方向の他端が閉じている。このケース本体６１は、略円形の底面部６２と、底面部６２の外縁から略垂直に連続する側面部６３とから構成されている。また、ケース本体６１の開口部６１ａ側の一端部には、側面部６３から略垂直をなして半径外方向に突出するケース側フランジ部６４が設けられている。そして、このケース本体６１内に注射針組立体２が挿入される。

　また、底面部６２と側面部６３の角部には、複数のリブ片状の支持部６８が立設している。支持部６８は、略平板状に形成されている。複数の支持部６８は、底面部６２における開口部６１ａ側と対向する一面６２ａに略等間隔に配置されている。複数の支持部６８は、底面部６２の一面６２ａから開口部６１ａ側に向けて突出している。そして、ケース本体６１に注射針組立体２を収納した際に、複数の支持部６８が針ハブ６におけるフランジ部１３のガイド部１８の接触面１８ａに当接する。

　ここで、支持部６８における底面部６２からの長さは、注射針組立体２における針管５の突出長Ｌとガイド部高さＹ（図２参照）を合わせた長さよりも長く設定されている。その結果、注射針組立体２の針管５の針先５Ａが、ケース本体６１の底面部６２に接触して変形することを防ぐことができる。

　更に、ケース本体６１の開口部６１ａは、フィルム状の蓋部材９によって気密的に封止される。この蓋部材９は、ケース本体６１における開口部６１ａの端部に熱溶着することで収納ケース８に取り付けられる。これにより、ケース本体６１内に殺菌等が侵入することを防ぐことができる。

　また、蓋部材９を収納ケース８に取り付けると、蓋部材９は、ケース本体６１に収納された注射針組立体２の接続部３２の端部に当接する。そのため、注射針組立体２は、軸方向の一側であるガイド部１８の接触面１８ａがケース本体６１の支持部６８に支持され、軸方向の他側である接続部３２が蓋部材９によって支持される。すなわち、注射針組立体２は、その軸方向の両端が蓋部材９と収納ケース８に設けた支持部６８によって支持される。

　これにより、注射針組立体２は、収納ケース８内での動きや傾きが規制される。その結果、輸送時や落下時に発生する外部からの力によって、ケース本体６１内で針ハブ６が動くことを防止でき、針管５の針先５Ａがケース本体６１に接触し、針先５Ａが損傷することを防ぐことができる。

　さらに、収納ケース８に注射針組立体２を収納することで、針管５の針先５Ａは、ケース本体６１に覆われる。これにより、針ハブ６をシリンジ３に装着する場合に、針先５Ａが使用者の指先等に触れないようにすることができる。

　ケース本体６１の材質としては、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂（プラスチック）を用いてもよい。

１－２．注射針ユニットの組立方法
　次に、注射針ユニット１の組立方法について説明する。
　図３に示すように、注射針ユニット１は、収納ケース８に注射針組立体２を挿入することにより組み立てられる。まず、注射針組立体２の針管５の針先５Ａをケース本体６１の開口側に向ける。次に、注射針組立体２をケース本体６１内に挿入する。

　そして、フランジ部１３であるガイド部１８の接触面１８ａが支持部６８に当接する。そして、ケース本体６１の開口部６１ａ側の端部に蓋部材９を例えば、熱溶着によって取り付け、ケース本体６１の開口部６１ａを蓋部材９によって気密的に封止する。このとき、蓋部材９が注射針組立体２の接続部３２に当接する。その結果、注射針組立体２は、その軸方向の両端が収納ケース８と蓋部材９によって支持され、その動きが規制される。これにより、注射針ユニット１の組み立てが完了する。

１－３．薬剤注射装置の組立方法
　次に、薬剤注射装置６０の組立方法について図２及び図４を参照して説明する。
　図４は、収納ケース８に収納された注射針組立体２にシリンジ３を接続した状態を示す部分断面図である。

　図２及び図４に示すように、薬剤注射装置６０は、シリンジ３に注射針組立体２を装着することにより組み立てられる。シリンジ３に注射針組立体２を装着するには、まず、図４に示すように、ケース本体６１の開口部６１ａを封止している蓋部材９を取り外す。次に、収納ケース８に収納された注射針組立体２の接続部３２にシリンジ３の排出部５２を挿入する。そして、収納ケース８とシリンジ３を把持して、排出部５２に設けたねじ部５３を接続部３２のねじ溝３５に螺合させる（図２参照）。

　次に、シリンジ３に装着した注射針組立体２を収納ケース８のケース本体６１内から引き抜く。これにより、シリンジ３に対する注射針組立体２の装着が完了し、薬剤注射装置６０の組み立てが完了する。以上のように、注射針組立体２に使用者の手が接触することなく、シリンジ３と注射針組立体２とを接続することができる。そのため、針管５の針先５Ａを生体に穿刺するまで清潔に保つことができる。

＜２．第２の実施の形態例＞
　次に、本発明の注射針ユニットの第２の実施の形態例について、図５を参照して説明する。
　図５は、注射針ユニットの第２の実施の形態例を示す図である。

　この第２の実施の形態例にかかる注射針ユニット７１が第１の実施の形態例にかかる注射針ユニット１と異なるところは、蓋部材の構成である。そのため、ここでは、蓋部材について説明し、注射針ユニット１と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。

　図５に示すように、第２の実施の形態例に示す注射針ユニット７１の蓋部材７２は、ケース本体６１と同様の材質である、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂（プラスチック）を用いて形成されている。この蓋部材７２は、略円盤状に形成されている。蓋部材７２の外縁には、ケース本体６１のケース側フランジ部６４と嵌合する嵌合部７３が設けられている。そして、嵌合部７３とケース側フランジ部６４が嵌合することで、蓋部材７２は、収納ケース８に取り付けられる。また、蓋部材７２を収納ケース８に取り付けた際に、蓋部材７２は、ケース本体６１に収納された注射針組立体２の接続部３２の端部に当接する。

　その他の構成は、上述した第１の実施の形態例にかかる注射針ユニット１と同様であるため、それらの説明は省略する。このような蓋部材７２を有する注射針ユニット７１によっても、上述した第１の実施の形態例にかかる注射針ユニット１と同様の作用及び効果を得ることができる。

＜３．第３の実施の形態例及び第４の実施の形態例＞
　次に、本発明の注射針ユニットの第３の実施の形態例及び第４の実施の形態例について、図６及び図７を参照して説明する。
　図６は、注射針ユニットの第３の実施の形態例を示す図、図７は、注射針ユニットの第４の実施の形態例である。

　この第３の実施の形態例にかかる注射針ユニット８１と第４の実施の形態例にかかる注射針ユニット９１は、第２の実施の形態例にかかる注射針ユニット７１における蓋部材７２に針ハブ６の接続部３２を支持する蓋側支持部を設けたものである。そのため、ここでは、蓋部材について説明し、注射針ユニット７１と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。

［第３の実施の形態例］
　図６に示すように、第３の実施の形態例にかかる注射針ユニット８１の蓋部材８２は、第２の実施の形態例にかかる蓋部材７２と同様に、略円盤状に形成されており、その外縁には収納ケース８のケース側フランジ部６４に嵌合する嵌合部８３が設けられている。この蓋部材８２における収納ケース８の収納空間と対向する一面８２ａには、蓋側支持部８４が設けられている。

　蓋側支持部８４は、蓋部材８２の一面８２ａの半径方向の略中心に配置されている。蓋側支持部８４は、一面８２ａから収納ケース８の収納空間側にリング状に突出する突部である。この蓋側支持部８４の内径は、針ハブ６の接続部３２の外径と略等しくなるように設定されている。そして、蓋側支持部８４は、収納ケース８に収納された注射針組立体２における接続部３２の外周に当接する。

　また、蓋側支持部８４をリング状の突部として説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、蓋側支持部８４は、略円形に配置された複数の突起でもよい。

　その他の構成は、上述した第２の実施の形態例にかかる注射針ユニット７１と同様であるため、それらの説明は省略する。このような蓋部材８２を有する注射針ユニット８１によっても、上述した第２の実施の形態例にかかる注射針ユニット７１と同様の作用及び効果を得ることができる。

［第４の実施の形態例］
　図７に示すように、第４の実施の形態例にかかる注射針ユニット９１の蓋部材９２は、第２の実施の形態例にかかる蓋部材７２と同様に、略円盤状に形成されており、その外縁には収納ケース８のケース側フランジ部６４に嵌合する嵌合部９３が設けられている。この蓋部材８２における収納ケース８の収納空間と対向する一面９２ａには、蓋側支持部９４が設けられている。

　蓋側支持部９４は、蓋部材９２の一面９２ａの半径方向の略中心に形成された略円形の凹部である。この蓋側支持部９４の内径は、針ハブ６の接続部３２の外径と略等しくなるように設定されている。そして、蓋側支持部９４は、収納ケース８に収納された注射針組立体２における接続部３２の外周に当接する。

　その他の構成は、上述した第２の実施の形態例にかかる注射針ユニット７１と同様であるため、それらの説明は省略する。このような蓋部材９２を有する注射針ユニット９１によっても、上述した第２の実施の形態例にかかる注射針ユニット７１と同様の作用及び効果を得ることができる。

　なお、第３の実施の形態例にかかる注射針ユニット８１及び第４の実施の形態例にかかる注射針ユニット９１によれば、蓋側支持部８４，９４によって針ハブ６の接続部３２側を支持することができる。これにより、注射針組立体２を収納ケース８内でより強固に支持することができる。

　また、第１の実施の形態例にかかる注射針ユニット１の蓋部材９に第３の実施の形態例にかかる蓋側支持部８４を設けてもよい。

　以上、本発明の注射針ユニットの実施の形態例について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の注射針ユニットは、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。

　例えば、上述した実施の形態例では、第１部材と第２部材との間に弾性部材を設けた例を説明したが、弾性部材を設けずに注射針組立体を構成してもよく、また、第１部材と第２部材を一体に形成してもよい。

　また、上述の実施の形態例では、針ハブの第１部材に安定部及びガイド部を設ける構成にした。しかしながら、本発明に係る注射針ユニットとしては、第２部材又はシリンジに安定部及びガイド部を設ける構成にすることもできる。

　さらに、皮膚上層部に薬剤を注入する注射針組立体として説明したが、これに限定されるものではなく、皮下投与もしくは筋肉内投与に用いられる注射針組立体に適用してもよい。

　１，７１，８１，９１…注射針ユニット、　２…注射針組立体、　３…シリンジ、　５…針管、　５Ａ…針先、　５Ｂ…基端、　５ａ…刃面、　６…針ハブ、　８…収納ケース、　９，７２，８２，９２…蓋部材、　１３…フランジ部、　１５…ベース部（先端部）、　１６…調整部（先端部）、　１６ａ…針突出面、　１７…安定部、　１８…ガイド部、　３２…接続部、　５１…シリンジ本体、　５２…排出部、　５２ａ…端面（先端）、
　５６…液室、　６０…薬剤注射装置、　６１…ケース本体、　６１ａ…開口部、　６２…底面部、　６２ａ…一面、　６３…側面部、　６４…ケース側フランジ部、　６８…支持部、　７３,８３,９３…嵌合部、　８２ａ，９２ａ…一面、　８４，９４…蓋側支持部

Claims (7)

1. 　皮膚に穿刺される針先を有する針管と、
   　前記針管を保持し、且つ前記針管の針先が突出する先端部と、前記先端部の反対側に位置しておりシリンジが接続される接続部と、前記先端部の周囲に設けられ、前記接続部よりも径が大きいフランジ部と、を有する針ハブと、
   　前記針ハブを収納し、開口部を有するケース本体と、前記ケース本体の前記開口部と対向する底面部に設けられて前記フランジ部に当接する支持部と、を有する収納ケースと、
   　前記収納ケースの前記開口部を閉じると共に、前記ケース本体内に収納された前記針ハブの前記接続部に当接する蓋部材と、
   　を備えた注射針ユニット。
2. 　前記蓋部材には、前記針ハブの前記接続部の外周に当接し、前記接続部を支持する蓋側支持部が設けられている
   　請求項１に記載の注射針ユニット。
3. 　前記蓋側支持部は、前記蓋部材における前記針ハブの前記接続部と当接する一面から突出する突部である
   　請求項２に記載の注射針ユニット。
4. 　前記蓋側支持部は、前記蓋部材における前記針ハブと当接する一面に形成された凹部である
   　請求項２に記載の注射針ユニット。
5. 　前記蓋部材は、前記収納ケースの前記開口部側の端部に熱溶着することによって前記収納ケースに取り付けられる
   　請求項１に記載の注射針ユニット。
6. 　前記蓋部材は、前記収納ケースの前記開口部側の端部と嵌合することで前記収納ケースに取り付けられる
   　請求項１に記載の注射針ユニット。
7. 　前記フランジ部に、前記針管の針先を突出させた状態で前記針管の周囲を覆うように配置されて前記針管を生体に穿刺する場合に皮膚と接触する端面を有する安定部を設けた
   　請求項１に記載の注射針ユニット。

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