WO2012101952A1 - コネクタ - Google Patents

Abstract

　相手側コネクタと嵌合可能なコネクタは、ロック部材と、プランジャを有するソレノイドと、規制部を有する規制部材と、被規制部とを備えている。ロック部材は、コネクタと相手側コネクタとが互いに嵌合した嵌合状態において、相手側コネクタに係合して嵌合状態をロックする。ソレノイドは、規制位置と解除位置との間でプランジャを駆動する。規制部材は、プランジャによって移動可能に支持されている。被規制部は、プランジャが規制位置まで駆動された際、規制部を受容する。プランジャが規制位置にあるとき、規制部によって被規制部の移動が規制され、これによって被規制部は、嵌合状態がアンロックされることを直接的に又は間接的に防止する。

Description

コネクタ

　本発明は、電力を例えば電気自動車に供給するために用いられるコネクタに関する。

　給電に用いられるコネクタには、大電流を供給するための電源ピン又は電源コンタクトが設けられている。給電の際、コネクタからコネクタと嵌合した相手側コネクタまで、電源ピン又は電源コンタクトを通して大電流が流れている。コネクタと相手側コネクタとが嵌合している嵌合状態が給電中に解除されると非常に危険である。そのため、この種のコネクタには、通常、嵌合状態が給電中に解除されることを防止する機構が設けられている。

　上述した機構が設けられたコネクタは、例えば、特許文献１又は特許文献２に開示されている。当該公報の内容は参照することにより本明細書の一部をなす。特許文献１のコネクタは、電磁コイルと電磁コイルによって駆動されるプランジャとを有するプッシュ型のソレノイドを備えている。コネクタは、嵌合状態を解除するために操作可能な操作レバーを更に備えている。操作レバーには、穴が形成されている。給電の際、電磁コイルがプランジャを駆動して所定量突出させる。給電の際、プランジャの突出した部位が操作レバーの穴に挿入され、これによって、操作レバーが操作されることを防止する。特許文献２のコネクタは、特許文献１のプッシュ型ソレノイドと同様なプッシュ型ソレノイドと、穴が形成された解除レバーとを備えている。給電の際、プランジャが解除レバーの穴に挿入されて解除レバーが変位することを防止し、これによって嵌合状態の意図しない解除が防止される。

特開平６－１８８０４４号公報 特開平７－８５９２６号公報

　レバー（操作レバー又は解除レバー）が操作されたり変位したりすることを確実に防止するためには、レバーに設けられた穴の形状及びサイズを、プランジャの形状及びサイズとほぼ同じに調整しなければならない。さもないと、プランジャが穴に挿入されたときレバーがガタついてしまう。

　しかしながら、レバーの穴の形状及びサイズとプランジャの形状及びサイズとがほぼ同じ場合、穴をプランジャと正確に位置合わせしなければならない。ソレノイドがプランジャを駆動する際に、レバーの穴の位置がプランジャから少し離れていると、プランジャが穴に挿入されないおそれがある。従って、給電時にもかかわらずコネクタの嵌合状態が適切にロックされないおそれがある。

　そこで、本発明は、相手側コネクタとの嵌合状態を、より確実にロックするように構成されたコネクタを提供することを目的とする。

　本発明の一側面は、相手側コネクタと嵌合可能なコネクタを提供する。前記コネクタは、ロック部材と、ソレノイドと、規制部材と、被規制部とを備えている。前記ロック部材は、前記コネクタと前記相手側コネクタとが互いに嵌合した嵌合状態において前記相手側コネクタに係合するように構成されており、これによって前記嵌合状態をロックする。前記ソレノイドは、プランジャを有している。前記ソレノイドは、所定方向に沿って規制位置と解除位置との間で前記プランジャを駆動するように構成されている。前記規制部材は、前記所定方向と交差する交差方向に延びる規制部を有している。前記規制部材は、前記プランジャによって移動させられるようにして前記プランジャに支持されている。前記被規制部は、前記プランジャが前記解除位置から前記規制位置まで駆動された際、前記規制部を前記所定方向に沿って受容するように構成されている。前記プランジャが前記規制位置にあるとき、前記規制部によって前記被規制部の移動が規制され、これによって前記被規制部は、前記嵌合状態がアンロックされることを直接的に又は間接的に防止する。

　本発明によるコネクタにおいては、所定方向と交差する方向（交差方向）に延びる規制部が、所定方向に沿って被規制部に受容される。従って、被規制部に受容されるのは、規制部の突端面ではなく側部である。

　本発明によるコネクタは、上記のように構成されているので、交差方向において規制部の側部を被規制部に対して相対的に大きくすることにより、規制部を被規制部に受容させやすくすることができる。更に、交差方向及び所定方向と直交する方向（即ち、ロック時において被規制部の移動を規制したい方向：移動規制方向）において、例えば規制部のサイズと被規制部のサイズとを実質的に同一にすることにより、被規制部に受容された規制部を安定的に保持することができる。従って、本発明によれば、相手側コネクタとの嵌合状態を、より確実にロックすることができる。

　添付の図面を参照しながら下記の最良の実施の形態の説明を検討することにより、本発明の目的が正しく理解され、且つその構成についてより完全に理解されるであろう。

本発明の実施の形態によるコネクタを示す斜視図である。 図１のコネクタの主要部を示す一部切欠き側面図である。 図１のコネクタを、プランジャが解除位置にある状態で示す斜視図である。ここで、第２シェル、給電コンタクト（コンタクト）、信号コンタクト（コンタクト）及びこれらのコンタクトに接続された線は、コネクタから外されている。 図３のコネクタを、プランジャが規制位置にある状態で示す斜視図である。 図１のコネクタのソレノイド、規制部材及びガイドプレートからなるユニットを、プランジャが解除位置にある状態で示す斜視図である。 図５のユニットを示す上面図である。 図７は、図５のユニットを、プランジャが規制位置にある状態で示す斜視図である。 図４のコネクタの被規制部と規制部材とを示す正面図である。 図８の被規制部の変形例を示す正面図である。 図１のコネクタと嵌合可能な相手側コネクタを示す斜視図である。 図１０の相手側コネクタを、その中心軸に沿って示す断面図である。 図１のコネクタと図１０の相手側コネクタとを示す一部切欠き側面図である。ここで、コネクタと相手側コネクタとは、嵌合過程にある。 図１のコネクタと図１０の相手側コネクタとを示す一部切欠き側面図である。ここで、コネクタと相手側コネクタとは、互いに嵌合している。 図１のコネクタと図１０の相手側コネクタとを示す一部切欠き側面図である。ここで、コネクタと相手側コネクタとは、抜去過程にある。

　本発明については多様な変形や様々な形態にて実現することが可能であるが、その一例として、図面に示すような特定の実施の形態について、以下に詳細に説明する。図面及び実施の形態は、本発明をここに開示した特定の形態に限定するものではなく、添付の請求の範囲に明示されている範囲内においてなされる全ての変形例、均等物、代替例をその対象に含むものとする。

　図１乃至図４に示されるように、本発明の実施の形態によるコネクタ１００は、給電側プラグコネクタである。コネクタ１００は、例えば電気自動車に搭載された相手側コネクタ（受電側レセプタクルコネクタ）２００（図１０及び図１１参照）とＸ方向（嵌合方向）に沿って嵌合可能である。

　図１０及び図１１に示されるように、相手側コネクタ２００は、絶縁体からなるハウジング２１０と、複数の受電コンタクト２２０と、複数の信号コンタクト２４０とを備えている。受電コンタクト２２０及び信号コンタクト２４０は、ハウジング２１０に保持されている。信号コンタクト２４０の夫々は、信号線２５０と接続されている。相手側コネクタ２００には、内壁２１２と係止部２３０とが更に形成されている。内壁２１２は、ハウジング２１０内部の＋Ｘ側の端部に形成されている。本実施の形態による係止部２３０は、内壁２１２に隣接するようにしてハウジング２１０内部に形成された段差である。換言すれば、内壁２１２は、ハウジング２１０の中心軸に向かって係止部２３０から突出している。

　図１乃至図４に示されるように、本実施の形態によるコネクタ１００は、絶縁体からなるハウジング１１０と、複数の信号コンタクト１２０と、複数の給電コンタクト（図示せず）と、シェル１３０と、ロック部材（ロックレバー）１４０と、解除操作部材（リリースレバー）１５０と、被規制部１６０と、ソレノイド１７０と、規制部材１８０と、ガイドプレート１９０とを備えている。信号コンタクト１２０及び給電コンタクト（図示せず）は、ハウジング１１０に保持されている。シェル１３０は、コネクタ１００の外殻である。ロック部材１４０は、コネクタ１００と相手側コネクタ２００とが互いに嵌合した嵌合状態において相手側コネクタ２００に係合するように構成されており（図１３参照）、これによって嵌合状態をロックする。一方、解除操作部材１５０は、ロック部材１４０の相手側コネクタ２００に対する係合を解除するように変位操作可能であり（図１４参照）、これによって嵌合状態をアンロックする。本実施の形態による被規制部１６０は、解除操作部材１５０に設けられている。しかしながら、被規制部１６０は、他の部材に設けられていてもよい。例えば、被規制部１６０は、ロック部材１４０に形成されていてもよい。ソレノイド１７０は、解除操作部材１５０が変位できないようにロックする電磁ロックとして機能する。より具体的には、規制部材１８０は、嵌合状態においてソレノイド１７０によって変位させられ、これによって被規制部１６０の移動を規制する。ガイドプレート１９０は、ソレノイド１７０によって変位させられた規制部材１８０を、被規制部１６０に向けてガイドするように構成されている。

　ハウジング１１０は、Ｘ方向と平行な中心軸に沿って延びる略円柱状の形状を有しており、これにより－Ｘ側の端部（前端）を有している。ハウジング１１０には、給電コンタクト（図示せず）を保持するための保持孔１１２と、信号コンタクト１２０を保持するための保持孔１１４（図２参照）とが形成されている。保持孔１１２及び保持孔１１４の夫々は、前端（嵌合端）から後方に向けて延びている。給電コンタクト（図示せず）は、嵌合状態において、受電コンタクト２２０に接続して大電流を流すように構成されている。一方、信号コンタクト１２０は、嵌合状態において、信号コンタクト２４０に接続して信号を伝達するように構成されている。

　図１に示されるように、シェル１３０は、夫々が略ハーフパイプ状の形状を有する第１シェル１３２と第２シェル１３４とを備えている。第１シェル１３２と第２シェル１３４とは、互いに接続されてシェル１３０を形成している。より具体的には、本実施の形態によれば、第２シェル１３４は第１シェル１３２にネジ止めされており、シェル１３０は、ハウジング１１０の中心軸を通る面によって第１シェル１３２と第２シェル１３４とに分割することができる。図２乃至図４から理解されるように、コネクタ１００が組み立てられる際、信号コンタクト１２０及び給電コンタクト（図示せず）を保持したハウジング１１０が、ロック部材１４０と、解除操作部材１５０と、規制部材１８０が取り付けられたソレノイド１７０と共に、第１シェル１３２に組み込まれる。次に、第２シェル１３４が、上述した部材を側方から覆うようにして第１シェル１３２に取り付けられる。図１乃至図４に示されるように、シェル１３０には、開口部１３６が形成されている。開口部１３６は、シェル１３０のうち、嵌合状態において相手側コネクタ２００のハウジング２１０に挿入される被挿入部位に設けられている。図１及び図２に示されるように、コネクタ１００は、給電時に操作者に握られるグリップ１３８を備えている。グリップ１３８は、シェル１３０の後方に形成されている。

　図２乃至図４に示されるように、ロック部材１４０は、ロック部１４２と、ロック軸部１４４と、被押圧部１４６とを有している。ロック部材１４０は、ロック軸部１４４の回りを回動可能となるようにシェル１３０に保持されている。ロック部１４２は、コネクタ１００と相手側コネクタ２００との嵌合状態をロックするように構成されている。詳しくは、ロック部材１４０は、Ｘ方向における両端に、前端（即ち、－Ｘ側の端部）と後端（即ち、＋Ｘ側の端部）とを夫々有している。ロック部１４２は、ロック部材１４０の前端に形成されており、上方に突出するように形成された鉤状の形状の断面を有している。ロック部材１４０にはスプリング１４８が取り付けられている。スプリング１４８は、ロック部１４２を上方に向けて常時付勢しており、これによりロック部１４２は、開口部１３６を超えて上方に突出している。シェル１３０の開口部１３６を通過したロック部１４２の鉤は、嵌合状態において相手側コネクタ２００の係止部２３０に係止し、これにより嵌合状態がロックされる（図２及び図１３参照）。被押圧部１４６は、ロック部材１４０の後端に形成されており、ロック軸部１４４は、Ｘ方向においてロック部１４２と被押圧部１４６との間に位置している。上記の説明から理解されるように、被押圧部１４６が上方に押されて移動すると、ロック部１４２が下方に移動する。

　図２乃至図４に示されるように、解除操作部材１５０は、被操作部１５２と、操作軸部１５４と、押圧部１５６とを有している。解除操作部材１５０は、操作軸部１５４の回りに回動可能となるようにシェル１３０に保持されている。解除操作部材１５０は、Ｘ方向における両端に、前端（即ち、－Ｘ側の端部）と後端（即ち、＋Ｘ側の端部）とを夫々有している。被操作部１５２は、解除操作部材１５０の後端に形成されている。被操作部１５２は、グリップ１３８の上部においてシェル１３０から外側に向かって張り出しており、操作者によって押圧操作可能である。押圧部１５６は、解除操作部材１５０の前端に形成されている。換言すれば、解除操作部材１５０は、押圧部１５６として機能する前端を有している。操作軸部１５４は、Ｘ方向において被操作部１５２と押圧部１５６との間に位置している。上記の説明から理解されるように、被操作部１５２が下方に押圧されて移動すると、押圧部１５６は上方へ移動する。本実施の形態による押圧部１５６は、被押圧部１４６の下に位置している。従って、被操作部１５２が操作されて下方に向かって移動すると、押圧部１５６が被押圧部１４６を上方に向かって押圧する。その結果、ロック部１４２は下方に移動し、これによって相手側コネクタ２００とのロック部１４２の係合が解除される（即ち、嵌合状態がアンロックされる）。

　本実施の形態による解除操作部材１５０の前端は、－Ｚ方向に沿って延びており、解除操作部材１５０の前端には下方に延びる部位が形成されている。下方に延びる部位には、被規制部１６０が形成されている。本実施の形態による被規制部１６０は、－Ｙ方向に凹んだ凹部である。被規制部１６０のＺ方向における移動を規制することにより、押圧部１５６のＺ方向における移動を規制することができる。本実施の形態による被規制部１６０は、操作軸部１５４よりも押圧部１５６に近い位置に置かれている。換言すると、被規制部１６０と押圧部１５６との間の距離は、被規制部１６０と操作軸部１５４との間の距離よりも短い。より具体的には、本実施の形態による押圧部１５６は、Ｘ方向において被規制部１６０と操作軸部１５４との間に位置している。従って、被規制部１６０に加えられた比較的小さな力によって、押圧部１５６のＺ方向における移動を規制することができる。

　本実施の形態による被規制部１６０は、Ｚ方向（移動規制方向）に沿った被規制部１６０の移動によって嵌合状態がアンロックされるように設けられている。被規制部１６０のＺ方向への移動が規制されると、押圧部１５６の＋Ｚ方向に沿った移動（即ち、押圧部１５６の上昇）が規制され、これにより嵌合状態のアンロックが防止される。本実施の形態によれば、コネクタ１００は、ガイド部１６２を更に備えている。詳しくは、図８に示されるように、本実施の形態による被規制部１６０は、垂直壁と頂壁と底壁とによって囲まれた空間である。頂壁と底壁とは、Ｚ方向において互いに対向している。頂壁及び底壁の＋Ｙ側のエッジは面取りされており、これによって被規制部１６０にはガイド部１６２が設けられている。ガイド部１６２の夫々は、Ｙ方向（所定方向）及びＺ方向の双方と斜交するように延びている。

　図５乃至図７に示されるように、ソレノイド１７０は、フレーム１７２と、電磁コイル１７４と、プランジャ１７６とを有している。ソレノイド１７０は、Ｙ方向に沿って規制位置（図４及び図７参照）と解除位置（図３、図５及び図６参照）との間でプランジャ１７６を駆動するように構成されている。より具体的には、電磁コイル１７４は、コネクタ１００が相手側コネクタ２００に電力を供給している際に通電されるように（即ち、活性化されるように）、フレーム１７２に保持されている。活性化された電磁コイル１７４は、Ｙ方向に沿って解除位置と規制位置との間でプランジャ１７６を駆動する。本実施の形態によるソレノイド１７０は、所謂プル型ソレノイドである。プランジャ１７６の解除位置は、規制位置よりもＹ方向外側に位置している。換言すれば、規制位置にあるプランジャ１７６と比較して、解除位置にあるプランジャ１７６は、Ｙ方向における外側に突出している。一方、規制位置にあるプランジャ１７６は、Ｙ方向における内側に引っ込んでいる。このため、嵌合状態のロックに関連する全ての部材（例えば、ロック部材１４０、解除操作部材１５０及びソレノイド１７０）を、上述した部材が第２シェル１３４なしで動作可能な状態で、第１シェル１３２に取り付けることができる。換言すれば、本実施の形態によるコネクタ１００には、第１シェル１３２と第２シェル１３４とが互いに接続されたときにのみ動作可能となるような構造は設けられていない。プル型ソレノイドを備えたコネクタ１００は、嵌合状態のロックに関連する部材が取り付けられた第１シェル１３２を第２シェル１３４で覆うことによって組立てることができる。従って、コネクタ１００を、より容易に組立てることができる。加えて、プル型ソレノイドは、所謂プッシュ型ソレノイドよりも一般的であり入手しやすい。

　図５に示されるように、プランジャ１７６には、Ｘ方向（交差方向）においてプランジャ１７６を貫通する保持孔１７８が形成されている。規制部材１８０は、保持孔１７８に挿入され支持されている。詳しくは、本実施の形態による規制部材１８０は、Ｘ方向に夫々延びる規制部１８２と被支持部１８４とを有しており、これによりＸ方向に延びる棒状形状を有している。被支持部１８４は、保持孔１７８に挿入され保持されている（図５及び図６参照）。本実施の形態によれば、規制部材１８０が延びる延伸方向（即ち、保持孔１７８がプランジャ１７６を貫通している貫通方向）は、Ｙ方向と直交している。換言すれば、交差方向（Ｘ方向）は、所定方向（Ｙ方向）と直角に交差している。しかしながら、延伸方向（貫通方向）は、Ｙ方向と交差している限り、Ｙ方向と直交していなくともよい。

　図８に示されるように、本実施の形態による規制部１８２は、ＹＺ平面において円形断面を有している。規制部１８２の円形断面の直径は、被規制部１６０のＺ方向（移動規制方向）におけるサイズに実質的に等しい。図３乃至図７に示されるように、規制部材１８０は、プランジャ１７６に支持された状態で、Ｘ方向に延びている。Ｘ方向において、規制部材１８０のうち規制部１８２として機能し得る部位のサイズは、被規制部１６０のサイズよりも大きい。

　規制部材１８０は、プランジャ１７６の駆動に応じて、Ｙ方向に沿って移動する。換言すれば、規制部材１８０は、プランジャ１７６によって移動させられるようにしてプランジャ１７６に支持されている。一般的に、ソレノイド１７０に駆動されるプランジャ１７６は、Ｙ方向に沿って移動すると共にＹ方向に延びる自身の軸の周りに回転する可能性がある。従って、プランジャ１７６に支持された規制部材１８０は、プランジャ１７６を軸として回動する可能性がある。本実施の形態においては、ガイドプレート１９０が設けられており、これによって規制部材１８０の規制部１８２は、確実にＹ方向に沿って移動する。換言すれば、ガイドプレート１９０は、ソレノイド１７０によって駆動されたプランジャ１７６が規制部１８２を移動させる際、規制部１８２をＹ方向に沿ってガイドする。

　図３に示されるように、プランジャ１７６が解除位置にあるとき、規制部材１８０は被規制部１６０から離れている。従って、プランジャ１７６が解除位置にあるとき、規制部材１８０の規制部１８２は、被規制部１６０の移動を妨げない。被規制部１６０は、プランジャ１７６が解除位置から規制位置（図４参照）まで駆動された際、規制部１８２をＹ方向に沿って受容するように構成されている。より具体的には、プランジャ１７６の駆動に応じて、規制部１８２のＸ方向における端面ではなく、規制部１８２の側面が被規制部１６０に受容される。本実施の形態によれば、解除操作部材１５０にＹ方向及びＺ方向の双方に斜交するガイド部１６２が設けられていることから、規制部１８２のＺ方向における位置が被規制部１６０のＺ方向における位置よりも少し上又は下であったとしても、ガイド部１６２によってガイドされた規制部１８２は、被規制部１６０内に受容される。換言すれば、ガイド部１６２は、規制部１８２がガイド部１６２にガイドされて被規制部１６０に受容されるように構成されている。本実施の形態によれば、規制部１８２のＺ方向における位置を被規制部１６０のＺ方向における位置と正確に合わせることなく、嵌合状態がアンロックされることを確実に防止することができる。詳しくは、プランジャ１７６が規制位置にあるとき、被規制部１６０に受容された規制部１８２は解除操作部材１５０の変位を規制し、これにより、解除操作部材１５０を変位させる操作が不能となる。以上の説明から理解されるように、本実施の形態による被規制部１６０は、嵌合状態がアンロックされることを間接的に防止する。更に、ロック部材１４０に被規制部１６０を設けた場合、嵌合状態がアンロックされることを直接的に防止することができる。換言すれば、プランジャ１７６が規制位置にあるとき規制部１８２によって被規制部１６０の移動が規制され、これによって被規制部１６０は、嵌合状態がアンロックされること（即ち、ロック部材１４０によるロックが解除されること）を直接的に又は間接的に防止する。

　前述したように、本実施の形態による規制部１８２は、Ｘ方向において被規制部１６０よりも長く、従って被規制部１６０は、規制部１８２をより確実に受容することができる。更に、規制部１８２は、Ｚ方向において被規制部１６０と実質的に同一のサイズを有しており、従って被規制部１６０は、受容した規制部１８２を、より安定的に保持する。換言すれば、本実施の形態による被規制部１６０のＺ方向におけるサイズ及び形状は、規制部１８２が被規制部１６０に受容された際に被規制部１６０のＺ方向への移動を効果的に妨げるように形成されている。

　図８に示されるように、本実施の形態による被規制部１６０の高さ（即ち、Ｚ方向におけるサイズ）は、Ｙ方向に沿って一定である。しかしながら、被規制部１６０の高さは、Ｙ方向に沿って変動してもよい。例えば、図９に示されるように、コネクタ１００は、解除操作部材１５０の代わりに解除操作部材１５０ａを備えてもよい。解除操作部材１５０ａは、Ｚ方向において互いに対向するガイド部１６２ａを備えている。ガイド部１６２ａは、Ｙ方向及びＺ方向の双方に直交する斜面である。解除操作部材１５０ａには、被規制部１６０ａとして機能する凹部が形成されている。詳しくは、被規制部１６０ａは、ガイド部１６２ａから連続して夫々延びる２つの斜面の間に位置する凹部である。被規制部１６０ａは、Ｙ方向における位置が被規制部１６０ａの奥壁に近づくにつれて、Ｚ方向におけるサイズが小さくなるように形成されている。このように構成された被規制部１６０ａは、規制部材１８０の直径が例えば設計変更によって変えられたとしても、規制部材１８０を確実に保持することができる。従って、被規制部１６０ａは、嵌合状態のロックが解除されることを（即ち、嵌合状態がアンロックされることを）、より適切に防止することが可能である。

　以降は、図１２乃至図１４を参照して、コネクタ１００が相手側コネクタ２００とどのように嵌合するか、及びコネクタ１００が相手側コネクタ２００からどのように抜去されるかについて説明する。

　図１２に示されるように、コネクタ１００を相手側コネクタ２００に挿入すると、ロック部材１４０のロック部１４２は、相手側コネクタ２００から下向きの力を受け。従って、ロック部１４２は、スプリング１４８から受ける上向きの力に抗いつつ、初期位置から下方に移動する。ロック部１４２は、ハウジング２１０の内部に移動し、ハウジング２１０の内壁２１２上をスライドする。

　図１３に示されるように、コネクタ１００が相手側コネクタ２００に更に挿入されると、コネクタ１００と相手側コネクタ２００とは完全に嵌合する。換言すれば、コネクタ１００及び相手側コネクタ２００は、嵌合状態に遷移する。嵌合状態において、ロック部１４２は、Ｘ方向において内壁２１２を超えて係止部２３０に到達している。スプリング１４８によって上向きに付勢されたロック部１４２は、初期位置に復帰する。嵌合状態においてロック部１４２が初期位置にあるとき、嵌合状態はロックされている。詳しくは、コネクタ１００を相手側コネクタ２００から引っ張ったとしても、ロック部１４２が係止部２３０に係止するため、コネクタ１００は相手側コネクタ２００から抜去できない。更に、嵌合状態においてソレノイド１７０は活性化されているため、プランジャ１７６はソレノイド１７０によって規制位置に駆動される。プランジャ１７６に支持された規制部１８２は、被規制部１６０（又は被規制部１６０ａ）内に受容され、これにより解除操作部材１５０の変位は規制される。以上の説明から理解されるように、相手側コネクタ２００に電力が供給されている間、解除操作部材１５０が過って操作されたとしても、嵌合状態はアンロックされない。

　給電が終了すると（例えば、相手側コネクタ２００が完全に充電されると）、ソレノイド１７０は非活性化され、これによってプランジャ１７６は解除位置に復帰する。規制部１８２は被規制部１６０（又は被規制部１６０ａ）から抜け出し、これにより解除操作部材１５０は変位操作可能となる（即ち、嵌合状態はアンロック可能になる）。プランジャ１７６が解除位置にある状態において解除操作部材１５０が変位すると、ロック部材１４０の相手側コネクタ２００に対する係止が解除される。詳しくは、被操作部１５２を押し下げると、押圧部１５６が被押圧部１４６を押し上げ、それによってロック部１４２が下方に移動する。ロック部１４２の係止部２３０に対する係止が解除され、コネクタ１００を相手側コネクタ２００から抜去することができる。

　上述した実施の形態においては、嵌合方向がＸ方向であり、所定方向が嵌合方向と直交するＹ方向である。しかしながら、嵌合方向と所定方向との関係は上述した実施の形態に限定されない。例えば、嵌合方向と所定方向とが互いに平行であってもよい。

　更に、上述した実施の形態においては、プランジャ１７６と規制部材１８０とは、互いに分離された部材である。しかしながら、プランジャ１７６と規制部材１８０とを一体に形成してもよい。

　本発明は２０１１年１月２７日に日本国特許庁に提出された日本特許出願第２０１１－１４７８１に基づいており、その内容は参照することにより本明細書の一部をなす。

　本発明の最良の実施の形態について説明したが、当業者には明らかなように、本発明の精神を逸脱しない範囲で実施の形態を変形することが可能であり、そのような実施の形態は本発明の範囲に属するものである。

　１００　　　　コネクタ（給電側プラグコネクタ）
　１１０　　　　ハウジング
　１１２　　　　保持孔
　１１４　　　　保持孔
　１２０　　　　信号コンタクト
　１３０　　　　シェル
　１３２　　　　第１シェル
　１３４　　　　第２シェル
　１３６　　　　開口部
　１３８　　　　グリップ
　１４０　　　　ロック部材（ロックレバー）
　１４２　　　　ロック部
　１４４　　　　ロック軸部
　１４６　　　　被押圧部
　１４８　　　　スプリング
　１５０，１５０ａ　　　　解除操作部材（リリースレバー）
　１５２　　　　被操作部
　１５４　　　　操作軸部
　１５６　　　　押圧部
　１６０，１６０ａ　　　　被規制部
　１６２，１６２ａ　　　　ガイド部
　１７０　　　　ソレノイド
　１７２　　　　フレーム
　１７４　　　　電磁コイル
　１７６　　　　プランジャ
　１７８　　　　保持孔
　１８０　　　　規制部材
　１８２　　　　規制部
　１８４　　　　被支持部
　１９０　　　　ガイドプレート
　２００　　　　相手側コネクタ（受電側レセプタクルコネクタ）
　２１０　　　　ハウジング
　２１２　　　　内壁
　２２０　　　　受電コンタクト
　２３０　　　　係止部
　２４０　　　　信号コンタクト
　２５０　　　　信号線

Claims (11)

1. 　相手側コネクタと嵌合可能なコネクタであって、
   　前記コネクタと前記相手側コネクタとが互いに嵌合した嵌合状態において前記相手側コネクタに係合するように構成されたロック部材であり、これによって前記嵌合状態をロックするロック部材と、
   　プランジャを有するソレノイドであって、所定方向に沿って規制位置と解除位置との間で前記プランジャを駆動するように構成されているソレノイドと、
   　前記所定方向と交差する交差方向に延びる規制部を有する規制部材であって、前記プランジャによって移動させられるようにして前記プランジャに支持された規制部材と、
   　前記プランジャが前記解除位置から前記規制位置まで駆動された際、前記規制部を前記所定方向に沿って受容するように構成された被規制部であって、前記プランジャが前記規制位置にあるとき前記規制部によって移動が規制され、これによって前記嵌合状態がアンロックされることを直接的に又は間接的に防止する被規制部とを備えている
   コネクタ。
2. 　請求項１記載のコネクタであって、
   　前記被規制部は、前記所定方向及び前記交差方向と直交する移動規制方向に沿った前記被規制部の移動によって前記嵌合状態がアンロックされるように設けられており、
   　前記規制部の前記移動規制方向におけるサイズ及び形状は、前記規制部が前記被規制部に受容された際に前記被規制部の前記移動規制方向への移動を妨げるように形成されている
   コネクタ。
3. 　請求項１又は請求項２記載のコネクタであって、
   　前記ロック部材の前記相手側コネクタに対する係合を解除するように変位操作可能な解除操作部材を更に備えており、
   　前記被規制部は、前記解除操作部材に設けられており、
   　前記プランジャが前記規制位置にあるとき、前記被規制部に受容された前記規制部は前記解除操作部材の変位を規制し、それによって前記嵌合状態がアンロックされることを間接的に防止する
   コネクタ。
4. 　請求項３記載のコネクタであって、
   　シェルを更に備えており、
   　前記ロック部材は、ロック軸部とロック部と被押圧部とを有しており、前記ロック軸部の回りに回動可能となるように前記シェルに保持されており、
   　前記ロック軸部は、前記ロック部と前記被押圧部との間に位置しており、
   　前記解除操作部材は、操作軸部と被操作部と押圧部とを有しており、前記操作軸部の回りに回動可能となるように前記シェルに保持されており、
   　前記操作軸部は、前記被操作部と前記押圧部との間に位置しており、
   　前記被規制部と前記押圧部との間の距離は、前記被規制部と前記操作軸部との間の距離よりも短く、
   　前記被操作部が操作されると、前記押圧部が前記被押圧部を押圧し、それによって前記相手側コネクタとの前記ロック部の係合が解除される
   コネクタ。
5. 　請求項１乃至請求項４のいずれかに記載のコネクタであって、
   　前記被規制部は、前記所定方向に凹んだ凹部である
   コネクタ。
6. 　請求項５記載のコネクタであって、
   　ガイド部を更に備えており、前記ガイド部は、前記規制部が前記ガイド部にガイドされて前記被規制部に受容されるように構成されている
   コネクタ。
7. 　請求項５又は請求項６記載のコネクタであって、
   　前記プランジャには、前記交差方向において前記プランジャを貫通する保持孔が形成されており、
   　前記規制部材は、前記保持孔に挿入され支持されている
   コネクタ。
8. 　請求項５乃至請求項７のいずれかに記載のコネクタであって、
   　前記規制部材は、棒状形状を有している
   コネクタ。
9. 　請求項８記載のコネクタであって、
   　前記交差方向は、前記所定方向と直角に交差している
   コネクタ。
10. 　請求項１乃至請求項９のいずれかに記載のコネクタであって、
    　前記ソレノイドは、プル型ソレノイドであり、
    　前記規制位置にある前記プランジャと比較して、前記解除位置にある前記プランジャは、前記所定方向における外側に突出している
    コネクタ。
11. 　請求項１乃至請求項１０のいずれかに記載のコネクタであって、
    　ガイドプレートを更に備えており、前記ガイドプレートは、前記ソレノイドによって駆動された前記プランジャが前記規制部を移動させる際、前記規制部を前記所定方向に沿ってガイドする
    コネクタ。

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