WO2012026277A1 - 頭皮ケア装置 - Google Patents

Abstract

頭皮ケア装置（１）は、突起（１４）をモータ（１３）の駆動力にて駆動させながら、突起（１４）を頭皮に接触させて頭皮をケアするためのである。頭皮ケア装置（１）は、帯電微粒子水を噴霧させるための静電霧化装置（３１）を備える。

Description

頭皮ケア装置

　本発明は、例えば、頭皮の活性化や育毛を図るための頭皮ケア装置に関するものである。

　頭皮ケア装置としては、突起を駆動源の駆動力にて回転させながら、その突起を頭皮に接触させることで、頭皮の洗浄効果やマッサージ効果等を得るものがある（例えば、特許文献１参照）。

特開平７－２１３３２８号公報

　しかしながら、上記のような頭皮ケア装置では、単に物理的な刺激を頭皮に与えるだけである。

　本発明の目的は、頭皮の洗浄効果やマッサージ効果を向上させた頭皮ケア装置を提供することにある。

　本発明の一側面は、駆動源によって駆動する突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするための頭皮ケア装置を提供する。その頭皮ケア装置は、液滴、固体粒子、及びイオンの内の少なくとも１つの噴霧物質を生成して吐出口から噴霧させるための噴霧物質生成部を備える。

　前記噴霧物質生成部は、前記液滴として帯電微粒子水を生成して噴霧させるための静電霧化装置を含むことが好ましい。

　前記帯電微粒子水は前記吐出口を介して頭皮ケア装置の外部に吐出され、前記吐出口には、前記帯電微粒子水の透過を許容するが外部からの水滴の侵入を防止するための膜が設けられることが好ましい。

　前記膜の外表面が撥水性を有することが好ましい。

　この頭皮ケア装置は、前記膜の外表面に付着した水滴を除去するための水滴除去機構を備えることが好ましい。

　前記静電霧化装置は、放電電極と前記放電電極を冷却することで該放電電極に液体を供給する液体供給冷却部とを含み、前記水滴除去機構は、前記液体供給冷却部の放熱部を冷却すべく該放熱部に向かって空気を送るための送風部と、前記放熱部を通過した空気を前記膜の外表面に向かって誘導する流路とを有することが好ましい。

　前記水滴除去機構は、前記膜を振動させるための振動発生部を有することが好ましい。

　前記噴霧物質生成部は、金属粒子を生成して噴霧させるための金属粒子化装置を含むことが好ましい。

　前記突起は、当該突起と前記吐出口との距離が変化するように駆動され、頭皮ケア装置は、前記突起と前記吐出口との距離を検出するための距離検出部と、前記距離検出部にて検出された検出距離に応じて前記噴霧物質の噴霧量を制御するための制御部とを備えることが好ましい。

　前記制御部は、前記距離検出部にて検出された検出距離が最大のときの前記噴霧物質の目標噴霧量を最大に設定することが好ましい。

　前記制御部は、前記距離検出部にて検出された検出距離が最小のときの前記噴霧物質の目標噴霧量を最小に設定することが好ましい。

　前記制御部は、前記距離検出部にて検出された検出距離が大きいほど前記噴霧物質の目標噴霧量が多くなるように、前記目標噴霧量を連続的又は段階的に設定することが好ましい。

　頭皮ケア装置は、噴霧している前記噴霧物質の噴霧量を検出する噴霧量検出部を備え、前記制御部は、前記噴霧量検出部にて検出された検出噴霧量が前記目標噴霧量に近づくように前記噴霧物質生成部に供給するエネルギーを調整することが好ましい。

　前記制御部は、前記距離検出部にて検出された検出距離が予め設定した基準距離以上で前記噴霧物質生成部に比較的高いエネルギーを供給し、前記基準距離未満で噴霧物質生成部に比較的低い電力を供給することが好ましい。

　前記制御部は、前記距離検出部にて検出された検出距離が予め設定した基準距離以上のときの前記噴霧物質の目標噴霧量を最大に設定し、前記検出距離が前記基準距離未満のときの前記噴霧物質の目標噴霧量を０に設定することが好ましい。

　前記制御部は、前記検出距離が増加している期間に前記検出距離が前記基準距離よりも近く設定された供給開始基準距離以上となった時点で前記噴霧物質生成部に比較的高い電力を供給し、前記検出距離が減少している期間に前記検出距離が前記基準距離以下になった時点で前記噴霧物質生成部に供給する電力を０にすることが好ましい。

　前記制御部は、前記検出距離が増加している期間に前記噴霧物質生成部へのエネルギーの供給を開始する時には、一時的に最高値のエネルギーを供給することが好ましい。

　前記制御部は、前記噴霧物質生成部へのエネルギーの供給期間中にそのエネルギーの量を徐々に大きくしていくことが好ましい。

　前記突起は、互いに遠ざかる動作と近づく動作を繰り返すように駆動される複数の突起の内の１つであり、前記吐出口は、前記複数の突起の間に配置されることが好ましい。

　前記突起が頭皮に接触したときに前記吐出口は前記頭皮に向かって開口することが好ましい。

　本発明によれば、頭皮に更に好適な頭皮ケア装置を提供することができる。

第１の実施の形態における頭皮ケア装置の断面図。 第２の実施の形態における頭皮ケア装置の断面図。 第３の実施の形態における頭皮ケア装置の断面図。 第４の実施の形態における頭皮ケア装置の断面図。 第５の実施の形態における頭皮ケア装置の断面図。 第６の実施の形態における頭皮ケア装置の断面図。 第７の実施の形態における頭皮ケア装置の断面図。 第８の実施の形態における頭皮ケア装置の断面図。 第９の実施の形態における頭皮ケア装置の断面図。 第１０の実施の形態における頭皮ケア装置の断面図。 （ａ），（ｂ）第１０の実施の形態を説明するための特性図。 第１１の実施の形態における頭皮ケア装置の断面図。 （ａ）～（ｇ）第１２の実施の形態を説明するための特性図。 （ａ），（ｂ）第１３の実施の形態を説明するための特性図。 （ａ）～（ｃ）第１４の実施の形態を説明するための特性図。 （ａ）～（ｃ）第１５の実施の形態を説明するための特性図。 （ａ）～（ｅ）第１６の実施の形態を説明するための特性図。

　（第１の実施の形態）
　以下、本発明の第１の実施の形態に従う頭皮ケア装置を図１に従って説明する。

　図１に示すように、本実施の形態の頭皮ケア装置１は、略直方体状の本体ハウジング１１と、本体ハウジング１１内に収容され、出力軸１２を回転駆動するための駆動源としてのモータ１３と、突起１４を有した施術子１５とを備える。施術子１５は、本体ハウジング１１から突出した出力軸１２の先端に連結され、出力軸１２の回転に基づいて駆動される。

　本体ハウジング１１の側部には、使用者が頭皮ケア装置１をオンオフ操作するためのスイッチ１６が設けられている。

　出力軸１２の先端は、本体ハウジング１１の上部から突出している。出力軸１２は本体ハウジング１１に軸受１７を介して回転可能に支持されている。出力軸１２において本体ハウジング１１内の基端側には、出力軸ギヤ１２ａが設けられている。

　モータ１３は、回転軸１３ａを有する。回転軸１３ａの先端部には回転軸ギヤ１３ｂが設けられている。回転軸ギヤ１３ｂは出力軸ギヤ１２ａに噛合される。このモータ１３は本体ハウジング１１内に収容された電源部（バッテリー）１８に電気的に接続される。電源部１８はスイッチ１６に電気的に接続されている。

　出力軸１２は第１の軸Ｘ１を有する。施術子１５は、出力軸１２の第１の軸Ｘ１から偏芯した第２の軸Ｘ２を中心として出力軸１２に対して回転可能に設けられる回転部材２１と、第２の軸Ｘ２の周囲に配置されるように回転部材２１に設けられた複数の突起１４とを有する。尚、本実施の形態では、突起１４は、施術子１５に４つ（図１では、２つのみ図示する）設けられている。

　詳しくは、出力軸１２の先端は、回転板２２、回転支持部材２３及び軸受２４を介して施術子１５と連結されている。回転板２２は、円盤状に形成され、その中心孔２２ａに出力軸１２の先端が固定されている。回転支持部材２３は、柱部とその柱部の下端に形成されたフランジ部とを含む。柱部は略円柱であり得る。回転支持部材２３は、その軸中心が第２の軸Ｘ２と一致するように回転板２２上に固定されている。一方、施術子１５の回転部材２１は、略円盤状の円盤部２１ａと、円盤部２１ａの下面から延びる筒部２１ｂとを有する。その回転部材２１における筒部２１ｂの内周面は軸受２４を介して回転支持部材２３の外周面に回転可能に支持されている。回転部材２１の各突起１４は、エラストマー等の弾性部材よりなり、略円錐形状に形成されることができる。本実施の形態では円盤部２１ａの上部に（第２の軸Ｘ２と平行に）上方に突出する４つの突起１４が固定されている。この施術子１５の突起１４は、第２の軸Ｘ２を中心として均等な距離に等角度（９０°）間隔に配置されている。

　頭皮ケア装置１は、噴霧物質としての帯電微粒子水を生成して噴霧する噴霧物質生成部としての静電霧化装置３１を備えている。詳しくは、本体ハウジング１１には貫通路１１ａが形成され、その貫通路１１ａ内に静電霧化装置３１が収容されている。貫通路１１ａは、本体ハウジング１１において施術子１５に近い側（図１中、上側）に吐出口１１ｂを有し、その吐出口１１ｂと反対側に吸入口１１ｃを有する。吐出口１１ｂは、使用者が施術子１５の突起１４を頭皮に接触させたときに、頭皮に向かって開口する。好ましい例では、貫通路１１ａは、出力軸１２と平行であり得る。

　静電霧化装置３１は、先端突部３２ａを有する放電電極３２と、放電電極３２の先端突部３２ａから吐出口１１ｂ側に離間して配置される対極板３３とを備える。静電霧化装置３１は、放電電極３２の吸入口１１ｃ側の面に固定される液体供給冷却部としてのペルチェ素子３４と、ペルチェ素子３４の吸入口１１ｃ側の面に固定される放熱部としての放熱フィン３５とを備える。放電電極３２と対極板３３とペルチェ素子３４とは電源部１８にそれぞれ電気的に接続されている。対極板３３は例えば環状であり得る。

　貫通路１１ａ内において、吸入口１１ｃと放熱フィン３５との間には、放熱フィン３５を冷却すべく放熱フィン３５に向かって空気を送るための送風部（ファン）３６が収容されている。この送風部３６は、電源部１８と電気的に接続されている。この送風部３６は、吸入口１１ｃから空気を吸入し、その空気を静電霧化装置３１（放熱フィン３５）を介して吐出口１１ｂに向けて送る。よって、送風部３６は、放電電極３２の周囲に新鮮で水分を多く含む空気を送る役目と、放電電極３２と対極板３３間で発生された帯電微粒子水を吐出口１１ｂから勢い良く吐出させる役目とを担う。吸入口１１ｃには、貫通路１１ａ内に取り込む空気の埃等を除去するためのフィルタ３７が設けられている。

　頭皮ケア装置１の動作を説明する。スイッチ１６が使用者によってオン操作されると、電源部１８からモータ１３に回転軸１３ａを回転駆動させるための駆動電流が供給され、電源部１８からペルチェ素子３４に電圧が印加され、放電電極３２と対極板３３の間に高電圧が印加され、電源部１８から送風部３６に図示しない送風ファンを回転駆動させるための駆動電流が供給される。

　モータ１３の回転軸１３ａが回転駆動されると、出力軸１２及び回転板２２が第１の軸Ｘ１を中心として一体回転する。このとき、回転支持部材２３及び施術子１５は第１の軸Ｘ１のまわりを周回する。使用者が施術子１５の先端（突起１４）を頭皮に接触させると、突起１４の先端の動きに合わせて使用者の頭皮が動かされることになり、頭皮がケア（洗浄やマッサージ）される。尚、施術子１５は、回転支持部材２３に対して（第２の軸Ｘ２中心で）回転可能に支持されている。よって、施術子１５は、突起１４と頭皮との摩擦等の負荷の大きさによっては、例えば、第２の軸Ｘ２を中心として回転せずに第１の軸Ｘ１を中心として回転することが可能である。この場合、頭皮は施術子１５の突起１４によって押圧されながら頭皮面に沿って変位するようにマッサージされる。このように施術子１５が第２の軸Ｘ２を中心として自由回転可能であることから、施術子１５（特に突起１４）に毛髪が絡まりにくくなる。

　ペルチェ素子３４に電圧が印加されると放電電極３２が冷却され、放電電極３２に結露が発生する。こうして、ペルチェ素子３４は、空気中の水分を凝集して、放電電極３２に液体を供給する。放電電極３２と対極板３３の間に高電圧が印加されると、静電霧化装置３１は、放電電極３２の液体から帯電微粒子水を発生して吐出口１１ｂから噴霧する。

　又、送風部３６（その送風ファン）は駆動されたとき放熱フィン３５に向かって空気流を送り、放熱フィン３５を冷却する。又、この空気流に含まれる水分が、放電電極３２の周囲に供給される。送風部３６からの空気流は、発生された帯電微粒子水を吐出口１１ｂから勢い良く吐出させる。

　次に、上記第１の実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。

　（１）頭皮ケア装置１は、帯電微粒子水を噴霧させるための静電霧化装置３１を備える。帯電微粒子水は皮脂を分解する効果を持つため、頭皮ケア装置１は、静電霧化装置３１を備えていない頭皮ケア装置に比べて、洗浄効果を高めることができる。又、帯電微粒子水が頭皮に付着することで頭皮に水分が補給されるため、頭皮ケア装置１は、静電霧化装置３１を備えていない頭皮ケア装置に比べて、マッサージ効果を高めることができる。即ち、突起１４による物理的な刺激と帯電微粒子水の作用とにより、頭皮ケア装置１の洗浄効果及びマッサージ効果は高められる。

　（第２の実施の形態）
　以下、本発明の第２の実施の形態に従う頭皮ケア装置を図２に従って説明する。尚、第２の実施の形態において第１の実施の形態と同様の部分については、同様の符号を付す等してその詳細な説明を一部省略する。

　第２の実施の形態では、第１の実施の形態の頭皮ケア装置１に、図２に示すように、金属粒子を噴霧させるための金属粒子化装置４１が追加されている。

　詳しくは、本体ハウジング１１には、噴霧物質生成部としての金属粒子化装置４１が収容されている。図示した例では、金属粒子化装置４１は本体ハウジング１１の収容部１１ｄに収容されている。この収容部１１ｄは、使用者が施術子１５の突起１４を頭皮に接触させたときに、頭皮に向かって開口する。収容部１１ｄの開口は吐出口と呼ぶことがある。

　金属粒子化装置４１は、先端突部４２ａを有する特殊金属放電電極４２と、特殊金属放電電極４２の先端突部４２ａから収容部１１ｄの吐出口側に離間して配置される対極板４３とを備える。そして、特殊金属放電電極４２と対極板４３とは電源部１８に電気的に接続されている。特殊金属放電電極４２は例えばプラチナから形成することができる。対極板４３は例えば環状であり得る。

　このように構成された頭皮ケア装置１では、スイッチ１６が使用者によってオン操作されると、第１実施の形態で述べた作用に加えて、特殊金属放電電極４２と対極板４３の間にも高電圧が印加される。すると、金属粒子化装置４１は、プラチナ等の、特殊金属放電電極４２の金属からなる噴霧物質（固体粒子）を発生及び噴霧する。特殊金属放電電極４２（即ち金属粒子）がプラチナからなる場合、金属粒子化装置４１は、プラチナ粒子の抗酸化作用及びＵＶプロテクト作用を頭皮に付与することができる。

　特殊金属放電電極４２は、プラチナ以外の金属から形成することができる。例えば、特殊金属放電電極４２（即ち微細金属）が銅や銀からなる場合、金属粒子化装置４１は、銅粒子及び銀粒子の除菌作用を頭皮に付与することができる。特殊金属放電電極４２（即ち金属粒子）が亜鉛からなる場合、亜鉛ミネラルとしての亜鉛を頭皮に供給することができ、頭皮に対する亜鉛の生理的の作用が期待できる。例えば、特殊金属放電電極４２（即ち金属粒子）が鉄からなる場合、鉄分を頭皮に供給することができる。

　（第３の実施の形態）
　以下、本発明の第３の実施の形態に従う頭皮ケア装置を図３に従って説明する。尚、第３の実施の形態において第１の実施の形態と同様の部分については、同様の符号を付す等してその詳細な説明を一部省略する。

　第３実施の形態の頭皮ケア装置１は、図３に示すように、吐出口１１ｂに設けられた膜５１を備える。この膜５１は、帯電微粒子水の透過を許容するが外部からの液滴（例えば比較的大きな水滴）の侵入を防止する。図示した例では、出力軸１２及び対応する施術子１５が一対設けられている。２つの出力軸１２のうちの片方（図３中、右側の出力軸１２）は、反転ギヤ５２を介して回転軸ギヤ１３ｂに連結されている。吸入口１１ｃには、第１及び第２実施の形態のフィルタ３７に換えて、膜５１と同様の膜５３が設けられている。

　膜５１（５３）は、多数の微細な孔が形成された多孔膜であり得る。帯電微粒子水の粒径は大きくとも５０ｎｍ程度であることから、膜５１（５３）の微細な孔の孔径は５０ｎｍ～１００ｎｍ程度である。例えば孔径が１００ｎｍ以下の膜５１は、１００ｎｍより大きい粒径の液滴（例えば、浴室等で自然に発生する数千ｎｍの湯気等）の侵入を防止することができる。膜５１の孔径は、１００ｎｍ以下に限らず、自然に発生してしまう比較的大きな水滴の侵入を防止することができればよく、例えば３００ｎｍ以下や、５００ｎｍ以下等に変更してもよい。

　膜５１（５３）の外表面は撥水性を有することが好ましい。例えば膜５１（５３）の外表面に撥水加工を施すことで外表面を撥水性にすることができる。あるいは、膜５１（５３）自体が撥水性多孔質ＰＴＦＥ等の撥水性材料から形成されてもよい。

　帯電微粒子水の透過を許容するが外部からの水滴の侵入を防止するための膜５１が吐出口１１ｂに設けられるため、浴室等で頭皮ケア装置１を使用しても、吐出口１１ｂの外部から静電霧化装置３１に比較的大きな水滴が侵入することが防止される。よって、静電霧化装置３１に比較的大きな水滴が付着することが防止され、静電霧化装置３１が安定して帯電微粒子水を生成することができる。

　膜５１の外表面が撥水性を有するため、膜５１の外表面に水滴が付着し難くなり、たとえ付着したとしても水滴が膜５１の外表面に留まり難くなり、ひいては帯電微粒子水の吐出が水滴によって阻害され難くなる。よって、静電霧化装置３１は、頭皮に向かって安定して帯電微粒子水を吐出することができる。

　（第４の実施の形態）
　以下、本発明の第４の実施の形態に従う頭皮ケア装置を図４に従って説明する。尚、第４の実施の形態において第３の実施の形態と同様の部分については、同様の符号を付す等してその詳細な説明を一部省略する。

　第４の実施の形態では、第３の実施の形態の頭皮ケア装置に、膜５１の外表面に付着した水滴を除去するための水滴除去機構６１が追加されている。

　水滴除去機構６１は、静電霧化装置３１の放熱フィン３５を冷却すべく放熱フィン３５に向かって空気を送る送風部３６と、放熱フィン３５を通過した空気を膜５１の外表面に向かって誘導する流路６２とを有する。この例では、貫通路１１ａの吸入口１１ｅは本体ハウジング１１の側面（図４中、右側面）に設けられている。吸入口１１ｅ、送風部３６、及び、流路６２の導入部分または下流開口は略一直線状に、好ましくは傾斜した直線状に並ぶように配置されており、放熱フィン３５は送風部３６の下流で流路６２の導入部分の上流に配置されている。この例における流路６２の吐出開口部６２ａは、膜５１の外表面に沿って、図４中、左から右に空気を送るように形成されている。こうして、放熱フィン３５の熱を奪うことで加熱された温風が膜５１の外表面に供給される。

　頭皮ケア装置１は、膜５１の外表面に付着した水滴を除去するための水滴除去機構６１を備えるため、帯電微粒子水の吐出が阻害され難くなる。又、水滴除去機構６１は、放熱フィン３５に空気を送るための送風部３６と、放熱フィン３５を通過した空気を膜５１の外表面に向かって誘導する流路６２とを有するため、送風部３６を放熱フィン３５の冷却に用いながら、放熱フィン３５の熱を奪った温風を膜５１からの水滴の除去に用いることができる。即ち、送風部３６は放熱フィン３５の冷却用と膜５１の外表面に向かう空気流の発生用とに共用され、さらに放熱フィン３５は空気流の加熱に利用される。従って頭皮ケア装置１は、効率良く膜５１の外表面に付着した水滴を除去し、頭皮に向かって安定して帯電微粒子水を吐出することができる。

　（第５の実施の形態）
　以下、本発明の第５の実施の形態に従う頭皮ケア装置を図５に従って説明する。尚、第５の実施の形態において第３の実施の形態と略同様の部分については、同様の符号を付す等してその詳細な説明を一部省略する。

　第５の実施の形態では、第３の実施の形態の頭皮ケア装置に、膜５１の外表面に付着した水滴を除去するための水滴除去機構が追加されている。

　図５の水滴除去機構は、膜５１を振動させるための振動発生部としての圧電素子７１を含む。一例では、圧電素子７１は、中央孔を有する環状であり、貫通路１１ａの吐出口１１ｂに固定され、圧電素子７１の中央孔を覆うように膜５１が固定されている。圧電素子７１は電源部１８に電気的に接続されている。

　スイッチ１６が使用者によってオン操作されると、第１及び第３の実施の形態で述べた作用に加えて、圧電素子７１に高周波電圧が印加される。すると、圧電素子７１は振動し膜５１を振動させる。圧電素子７１に印加する高周波電圧は、圧電素子７１が膜５１と共振するように設定することが望ましい。

　頭皮ケア装置１は、膜５１を振動させるための圧電素子７１（振動発生部）を含む水滴除去機構を備えるため、圧電素子７１による振動にて膜５１の外表面に付着した水滴を除去することができる。

　第４及び第５の実施の形態の水滴除去機構は、膜５１の外表面に付着した水滴を除去することができれば、風、熱、振動、それらを組み合わせたものを発生させる他の構造に変更してもよい。

　（第６の実施の形態）
　以下、本発明の第６の実施の形態に従う頭皮ケア装置を図６に従って説明する。尚、第６の実施の形態において上記した実施の形態と略同様の部分については、同様の符号を付す等してその詳細な説明を一部省略する。

　第６の実施の形態では、突起１４を有した複数（この例では２つ）の施術子１５が、駆動中に互いに遠ざかる動作と近づく動作を繰り返す。噴霧物質としての帯電微粒子水を噴霧するための吐出口１１ｂは、駆動中に距離が変化する施術子１５の間に配置されている。

　この例では、２つの施術子１５の間に吐出口１１ｂが設けられている。両施術子１５は連動して、吐出口１１ｂに対して同時に遠ざかり且つ同時に近づく。即ち、２つの施術子１５の突起１４は、頭皮において吐出口１１ｂと対向する位置にある毛髪を、頭皮面に沿って互いに遠ざかる方向に（図６中、左方向及び右方向）に掻き分け、引き続き掻き集め、頭皮を摘むように動作する。

　この例では、上記実施の形態の回転支持部材２３が、第１の軸Ｘ１を軸中心とした略円柱状の外形を有する回転支持部材２３ａに変更されている。この回転支持部材２３ａは、回転部材２１を収容し、回転部材２１の下面及び周面を覆うように形成されている。この例では、上記各実施の形態とは異なり、本体ハウジング１１の軸受１７は出力軸１２ではなく、回転支持部材２３ａの先端側（突起１４側）外周面を支持している。

　この例では、静電霧化装置３１を収容する貫通路１１ａは、本体ハウジング１１の側面（図６中、紙面奥側の側面）に開口する吸入口１１ｆを有する。

　第６の実施の形態では、施術子１５が互いに遠ざかったときにその突起１４が毛髪を大きく掻き分け、頭皮を大きく露出させる。施術子１５の間に配置された吐出口１１ｂはその露出した頭皮に向かって帯電微粒子水を吐出する。従って、頭皮ケア装置１は、帯電微粒子水を頭皮へ効果的に供給することができる。

　（第７の実施の形態）
　以下、本発明の第７の実施の形態に従う頭皮ケア装置を図７に従って説明する。尚、第７の実施の形態において上記第２及び第６の実施の形態と略同様の部分については、同様の符号を付す等してその詳細な説明を一部省略する。

　第７実施の形態では、上記第６の実施の形態の静電霧化装置３１及び貫通路１１ａが、上記第２の実施の形態の金属粒子化装置４１及び収容部１１ｄにそれぞれ置換されている。

　第７の実施の形態では、施術子１５が互いに遠ざかったときにその突起１４が毛髪を大きく掻き分け、頭皮を大きく露出させる。施術子１５の間に配置された金属粒子化装置４１は、その露出した頭皮に向かって金属粒子を吐出する。従って、頭皮ケア装置１は、金属粒子を頭皮へ効果的に供給することができる。勿論、この金属粒子（特殊金属放電電極４２）は、上記したようにプラチナ、銅、銀、亜鉛、鉄等から形成することができる。

　（第８の実施の形態）
　以下、本発明の第８の実施の形態に従う頭皮ケア装置を図８に従って説明する。尚、第８の実施の形態において上記第６の実施の形態と略同様の部分については、同様の符号を付す等してその詳細な説明を一部省略する。

　第８実施の形態では、上記第６の実施の形態の静電霧化装置３１が、噴霧物質としてのミストを生成して噴霧させるための噴霧物質生成部としての液体霧化装置８１に置換されている。液体霧化装置８１は収容部１１ｇに収容さされている。収容部１１ｇは施術子１５の間に開口する吐出口を有する。

　詳しくは、収容部１１ｇ内には、液体霧化装置８１と、液体霧化装置８１に水や、化粧品や、育毛剤等の液体を供給するための液体供給部８１ａとが収容されている。液体霧化装置８１は電源部１８に電気的に接続されている。液体霧化装置８１は、圧電素子からなる超音波霧化機やベンチュリー霧化機等である。

　スイッチ１６が使用者によってオン操作されると、上記実施の形態で述べた作用に加えて、液体霧化装置８１にも電圧が印加される。すると、液体霧化装置８１は、水や、化粧品や、育毛剤等の液体を霧化してミストを発生し、収容部１１ｇの吐出口から噴霧する。

　液体が水である場合、第８の実施の形態の頭皮ケア装置１は、液体霧化装置８１を備えていない頭皮ケア装置に比べて、洗浄効果やマッサージ効果を高めることができる。ミストの温度を収容部１１ｇの吐出口４０℃から８０℃程度の比較的高温となるように設定すれば、洗浄効果やマッサージ効果をより高めることができる。液体が化粧品や育毛剤等である場合、第８の実施の形態の頭皮ケア装置１は、それらの成分を頭皮に良好に付与することができる。

　又、施術子１５が互いに遠ざかったときにその突起１４が毛髪を大きく掻き分け、頭皮を大きく露出させるので、施術子１５の間に配置された液体霧化装置８１は、その露出した頭皮に向かってミストを吐出する。従って、頭皮ケア装置１は、ミストを頭皮へ効果的に供給することができる。

　液体霧化装置８１によって生成されるミストは液滴の一例である。図示した例では、液体霧化装置８１によって生成されるミストは静電霧化装置３１によって生成される帯電微粒子水とは異なり、比較的大径であり、帯電していない。本明細書においてミストと帯電微粒子水を区別することを意図した場合には、ミストを「大径液滴」または「非帯電液滴」と呼び、帯電微粒子水を「小径液滴」「帯電液滴」と呼ぶことがある。

　（第９の実施の形態）
　以下、本発明の第９の実施の形態に従う頭皮ケア装置を図９に従って説明する。尚、第９の実施の形態において上記第７の実施の形態と略同様の部分については、同様の符号を付す等してその詳細な説明を一部省略する。

　第９の実施の形態では、上記第７の実施の形態の金属粒子化装置４１が、噴霧物質としてのマイナスイオンを生成して噴霧させるための噴霧物質生成部としてのマイナスイオン発生装置８２に置換されている。このマイナスイオン発生装置８２は、金属粒子化装置４１と略同様の構成であるが、金属粒子を生成するように設定されておらず、少なくとも印可する高電圧の電圧値において異なる。また、金属粒子化装置４１の特殊金属放電電極４２に代えて、マイナスイオン発生装置８２は、金属粒子の生成を意図していない単なる放電電極８２ａを備える。

　スイッチ１６が使用者によってオン操作されると、上記実施の形態で述べた作用に加えて、マイナスイオン発生装置８２（放電電極８２ａと対極板４３の間）にも高電圧が印加される。すると、マイナスイオン発生装置８２はマイナスイオンを発生し、収容部１１ｄの吐出口から噴霧する。このように構成された第９の実施の形態の頭皮ケア装置１は、マイナスイオンを頭皮に付与することができる。

　又、施術子１５が互いに遠ざかったときにその突起１４が毛髪を大きく掻き分け、頭皮を大きく露出させるので、施術子１５の間に配置されたマイナスイオン発生装置８２は、その露出した頭皮に向かってマイナスイオンを噴霧する。従って、頭皮ケア装置１は、マイナスイオンを頭皮へ効果的に供給ことができる。

　（第１０の実施の形態）
　以下、本発明の第１０の実施の形態に従う頭皮ケア装置を図１０及び図１１に従って説明する。尚、第１０の実施の形態において上記第６の実施の形態と略同様の部分については、同様の符号を付す等してその詳細な説明を一部省略する。

　第１０の実施の形態の頭皮ケア装置１は、第６の実施の形態の構成に加えて、吐出口１１ｂから突起１４（施術子１５）までの距離を検出するための距離検出部８３と、距離検出部８３にて検出された検出距離に応じて帯電微粒子水の噴霧量を制御するための制御部８４とを備える。距離検出部８３は、前記距離に対応した出力軸１２の回転角度を検出可能なロータリーエンコーダ、または、ロータリーエンコーダ以外の他のセンサ等であり得る。距離検出部８３は、制御部８４に電気的に接続されている。静電霧化装置３１の放電電極３２、対極板３３及びペルチェ素子３４、及び送風部３６は制御部８４を介して電源部１８に電気的に接続されている。

　図１１に示すように、第１０の実施の形態の制御部８４は、距離検出部８３にて検出された検出距離に応じて静電霧化装置３１（放電電極３２と対極板３３の間）に印可する高電圧の値や送風部３６に供給する駆動電流の値を制御して、帯電微粒子水の噴霧量を制御する。例えば、検出距離が最大のときの帯電微粒子水の目標噴霧量が最大に設定されている。又、本実施の形態では、検出距離が最小のときの帯電微粒子水の目標噴霧量が最小に設定されている。又、本実施の形態では、目標噴霧量は検出距離に応じて連続的に変化し、検出距離が大きいほど帯電微粒子水の目標噴霧量が多くなるように設定されている。好ましい例では、目標噴霧量は検出距離と比例する。目標噴霧量が検出距離に応じて連続的に変化する変わりに、目標噴霧量は、検出距離が大きいほど段階的に多くなるように設定されてもよい。

　スイッチ１６が使用者によってオン操作されると、上記したように施術子１５（突起１４）が駆動されるとともに、図１１に示すように、吐出口１１ｂから突起１４（施術子１５）までの距離（検出距離）に応じて帯電微粒子水の噴霧量が制御される。よって、施術子１５が互いに遠ざかるにつれて、突起１４によって毛髪が掻き分けられ、頭皮の露出が増加し、静電霧化装置３１は効果的に帯電微粒子水を頭皮に向かって噴霧することが可能となる。そして、本実施の形態では、検出距離が最大のときの帯電微粒子水の目標噴霧量が最大に設定されるため、突起１４が毛髪を吐出口１１ｂから最大限遠ざけて頭皮の露出が最大になったときに静電霧化装置３１は最大量の帯電微粒子水を頭皮に噴霧することができる。又、検出距離が最小のときの帯電微粒子水の目標噴霧量が最小に設定されるため、突起１４が毛髪を吐出口１１ｂに最大限近づけて頭皮が毛髪によって実質的に覆われたときには、静電霧化装置３１からの帯電微粒子水の噴霧量を略最小として、例えば静電霧化装置３１に供給するエネルギーすなわち電力の無駄を低減することができる。又、帯電微粒子水の目標噴霧量は検出距離が大きいほど多くなるように連続的に設定されるため、より細やかに効果的に帯電微粒子水を噴霧することができるとともに、無駄を低減することができる。

　（第１１の実施の形態）
　以下、本発明の第１１の実施の形態に従う頭皮ケア装置を図１２に従って説明する。尚、第１１の実施の形態において上記第１０の実施の形態と略同様の部分については、同様の符号を付す等してその詳細な説明を一部省略する。

　第１１実施の形態の頭皮ケア装置１は、第１０の実施の形態の構成に加えて、静電霧化装置３１が噴霧している帯電微粒子水の噴霧量を検出する噴霧量検出部８５を備える。噴霧量検出部８５は、吐出口１１ｂに設けられ、制御部８４に電気的に接続され、検出した帯電微粒子水の噴霧量に応じた検出信号を制御部８４に出力する。

　制御部８４は、検出噴霧量が目標噴霧量（図１１（ｂ）参照）に近づくように静電霧化装置３１に供給するエネルギーを調整する。即ち、実際に噴霧された帯電微粒子水の噴霧量は、噴霧量検出部８５から制御部８４にフィードバックされて、制御部８４は実噴霧量が目標噴霧量に近づくようにフィードバック制御する。

　このように構成された頭皮ケア装置１では、制御部８４は、距離検出部８３にて検出された検出距離に加え、噴霧量検出部８５にて検出された帯電微粒子水の噴霧量に応じて、静電霧化装置３１に供給するエネルギーを制御する。この制御は、例えば、単に距離検出部８３にて検出された検出距離のみに応じて静電霧化装置３１に供給するエネルギーを制御する場合（上記第１０の実施の形態）に比べて、より高精度で安定に目標噴霧量に近い量の帯電微粒子水を噴霧ことができる。

　（第１２の実施の形態）
　以下、本発明の第１２の実施の形態に従う頭皮ケア装置を図１３に従って説明する。第１２の実施の形態の頭皮ケア装置１の機械的な構成は、上記第１０の実施の形態の頭皮ケア装置１（図１０参照）と同じである。

　第１２の実施の形態の制御部８４は、上記第１０の実施の形態とは異なり、距離検出部８３にて検出された検出距離（図１３（ｅ）参照）が予め設定した基準距離以上であるときに静電霧化装置３１に高い一定エネルギーを供給し（図１３（ｆ）参照）、基準距離未満であるときに静電霧化装置３１に低い一定エネルギーを供給する。第１２の実施の形態の基準距離は、吐出口１１ｂに対する施術子１５の最接近距離と最離間距離の中間距離に設定することができる。基準距離は、制御部８４のメモリに格納することができる。高いエネルギーは、第１のエネルギーレベルと呼ぶことがあり、低いエネルギーは、第１のエネルギーレベルよりも低い第２のエネルギーレベルと呼ぶことがある。

　制御部８４は、検出距離が基準距離以上のときに（図１３（ｅ）中、太線で示す期間）静電霧化装置３１に高いエネルギーを供給するため、突起１４が毛髪を吐出口１１ｂから遠ざけて頭皮が露出したときに、静電霧化装置３１は効果的に帯電微粒子水を噴霧することができる。又、制御部８４は、基準距離未満のときに静電霧化装置３１に低いエネルギーを供給するため、突起１４が毛髪を吐出口１１ｂに近づけて頭皮が毛髪で実質的に覆われたとき、静電霧化装置３１からの帯電微粒子水の噴霧量は少なくなり、静電霧化装置３１に供給するエネルギーの無駄を低減することができる。

　しかも、基準距離未満でも静電霧化装置３１に低いエネルギーが供給されるので、検出距離が基準距離以上となったときに帯電微粒子水の噴霧量を略最大まで短時間で増やすことができ、効果的に帯電微粒子水を噴霧する時間を高精度に制御することができる。例えば、基準距離未満のときに静電霧化装置３１に供給するエネルギーを０とすると、図１３（ｃ），（ｄ）に示すように、検出距離が基準距離以上となった時点で、静電霧化装置３１に供給するエネルギーを直ちに増加させたとしても、静電霧化装置３１からの帯電微粒子水の噴霧量は直ちに略最大まで増加せず、最大噴霧量に達するまでに長時間を要する（図１３（ｄ）中、立ち上がり時間Ｔ１）。これに対して、基準距離未満でも静電霧化装置３１に低いエネルギーを供給してある場合には、図１３（ａ），（ｂ）に示すように、検出距離が基準距離以上となった時点で、静電霧化装置３１に供給するエネルギーを増加させれば、静電霧化装置３１からの帯電微粒子水の噴霧量は、短時間で略最大まで増加する（図１３（ｂ）中、立ち上がり時間Ｔ２。Ｔ２＜Ｔ１）。よって、図１３（ｇ）に示すように、検出距離が基準距離以上となってから短時間（図中、時間Ｔ２）で実際の噴霧量は略最大となる。このように、施術子１５の移動に対し噴霧量がよい応答性で制御されるので、頭皮に効果的に帯電微粒子水を噴霧することができる。

　（第１３の実施の形態）
　以下、本発明の第１３の実施の形態に従う頭皮ケア装置を図１４に従って説明する。第１３の実施の形態の頭皮ケア装置１の機械的な構成は、上記第１０の実施の形態の頭皮ケア装置１と同じである。

　そして、図１３の実施の形態の制御部８４は、上記第１０の実施の形態とは異なり、距離検出部８３にて検出された検出距離（図１４（ａ）参照）が予め設定した基準距離以上のときの帯電微粒子水の目標噴霧量（図１４（ｂ）参照）が最大（一定値）に設定されている。又、検出距離が基準距離未満のときの帯電微粒子水の目標噴霧量が０に設定されている。第１３の実施の形態の基準距離は、吐出口１１ｂに対する施術子１５の最接近距離と最離間距離の中間位置に設定されている。基準距離は、制御部８４のメモリに格納することができる。

　検出距離が基準距離以上のときの帯電微粒子水の目標噴霧量が最大に設定されるため、突起１４が毛髪を吐出口１１ｂから遠ざけて頭皮が露出したときに、静電霧化装置３１は効果的に帯電微粒子水を噴霧することができる。又、検出距離が基準距離未満のときの帯電微粒子水の目標噴霧量が０に設定されるため、突起１４が毛髪を吐出口１１ｂに近づけて頭皮が毛髪で実質的に覆われたとき、静電霧化装置３１からの帯電微粒子水の噴霧量は略最小（０）になり、例えば、静電霧化装置３１に供給するエネルギーの無駄を低減することができる。

　（第１４の実施の形態）
　以下、本発明の第１４の実施の形態に従う頭皮ケア装置を図１５に従って説明する。第１４の実施の形態の頭皮ケア装置１の機械的な構成は、上記第１０の実施の形態の頭皮ケア装置１と同じである。

　第１４の実施の形態の制御部８４は、容易な制御で、実際の噴霧量が上記第１３の実施の形態の目標噴霧量（図１４（ｂ）参照）に近くなるように静電霧化装置３１に供給するエネルギーを制御する。詳しくは、図１５（ａ）に示すように、検出距離は増加と減少を周期的に繰り返す。そこで、制御部８４は、図１５（ｂ）に示すように、検出距離が増加している期間に、前記基準距離よりも小さく設定された供給開始基準距離以上となった時点で静電霧化装置３１に高い一定エネルギーを供給する。又、制御部８４は、検出距離が減少している期間に、前記基準距離以下になった時点で静電霧化装置３１に供給するエネルギーを０にする。第１４の実施の形態では、供給開始基準距離は、増加している検出距離が前記基準距離に到達した時点で噴霧量（図１５（ｃ）参照）が略最大となるように予め設定されている。言い換えると、供給開始基準距離は、供給するエネルギーが０の状態から高いエネルギーを供給した際に噴霧量が略最大となる立ち上がり時間（図１３（ｄ）中、Ｔ１）分だけ基準距離に到達する時間から遡った時間と対応した距離に設定されている。

　このように構成された頭皮ケア装置１では、制御部８４は、検出距離が増加している期間には、基準距離よりも小さく設定された供給開始基準距離以上となった時点で静電霧化装置３１に高いエネルギーを供給するため、検出距離が基準距離となったときの実際の噴霧量（図１５（ｃ）参照）を目標噴霧量である最大に近づけることができる。例えば、検出距離が基準距離となった時点で静電霧化装置３１に高い一定エネルギーを供給し始めても、実際に噴霧量が略最大となるのは、検出距離が基準距離に達した時点から立ち上がり時間Ｔ１だけ遅延したときになってしまうが、第１４の実施の形態の制御部８４は、この遅延を解消し、検出距離が基準距離となったときの噴霧量を高精度に最大の目標噴霧量に近づけることができる。尚、検出距離が減少している期間には、検出距離が基準距離以下になった時点で静電霧化装置３１に供給するエネルギーを０にするため、基準距離以上では噴霧量が略最大で維持され、基準距離未満となったときは噴霧量が速やかに略最小（０）となる。よって、第１４の実施の形態に従う頭皮ケア装置１は上記第１３の実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。

　（第１５の実施の形態）
　以下、本発明の第１５の実施の形態に従う頭皮ケア装置を図１６に従って説明する。第１５の実施の形態の頭皮ケア装置１の機械的な構成は、上記第１０の実施の形態の頭皮ケア装置１と同じである。

　第１５の実施の形態の制御部８４は、容易な制御で、実際の噴霧量が上記第１３の実施の形態の目標噴霧量に近くなるように静電霧化装置３１に供給するエネルギーを制御する。詳しくは、制御部８４は、図１６（ａ），（ｂ）に示すように、検出距離が増加している期間には、静電霧化装置３１へのエネルギーの供給の開始時に、一時的に静電霧化装置３１の許容値を越えない略最高値）のエネルギーを供給して、静電霧化装置３１の噴霧量が略最大に達する時間を短縮する。噴霧量が略最大となった後は、その噴霧量が維持される程度の高いエネルギーを静電霧化装置３１に供給する。最高値のエネルギーの供給時間は、例えば０．４秒から２秒間である。

　制御部８４は、検出距離が増加している期間に静電霧化装置３１へのエネルギーの供給を開始し、この開始時に一時的に最高値のエネルギーを供給するため、図１６（ｃ）に示すように、帯電微粒子水の噴霧量を略最大まで短時間で増やすことができる。よって、第１５の実施の形態に従う頭皮ケア装置１は上記第１３の実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。

　（第１６の実施の形態）
　以下、本発明の第１６の実施の形態に従う頭皮ケア装置を図１７に従って説明する。第１６の実施の形態の頭皮ケア装置１の機械的な構成は、上記第１０の実施の形態の頭皮ケア装置１と略同じである。

　第１６実施の形態の制御部８４は、容易な制御で、実際の噴霧量が上記第１３の実施の形態の目標噴霧量に近くなるように静電霧化装置３１に供給するエネルギーを制御する。詳しくは、制御部８４は、図１７（ｃ），（ｄ）に示すように、静電霧化装置３１へのエネルギーの供給期間中に、そのエネルギーを徐々に（図示した例では連続的に）大きくしていく。

　第１５の実施の形態の頭皮ケア装置１では、静電霧化装置３１へのエネルギーの供給開始時点で過量の帯電微粒子水が生成することを抑えて、効果的に帯電微粒子水を噴霧する時間を高精度に制御することができる。例えば、静電霧化装置３１に供給するエネルギーが０の状態が続いている期間に放電電極３２に結露した液体が溜まることがある。この状況では、静電霧化装置３１はエネルギーの供給開始時点で過量の帯電微粒子水を生成することがある（図１７（ａ），（ｂ）に示す特性を参照）。しかし、静電霧化装置３１へのエネルギーの供給期間中のエネルギーを制御部８４が制御することで、過量の帯電微粒子水の生成を抑えることができる。例えば、検出距離が基準距離以上の一期間における後半で液体が不足してしまうことも防止することができる。これらのことから、上記特性（図１７（ａ），（ｂ）参照）を有する静電霧化装置３１を備えた頭皮ケア装置１においても、図１７（ｅ）に示すように、略均一な噴霧量で効果的に帯電微粒子水を噴霧する時間を高精度に制御することができる。

　各実施の形態は、以下のように変更してもよい。

　・第１０～第１６の実施の形態の静電霧化装置３１は、他の噴霧物質生成部（金属粒子化装置４１、液体霧化装置８１、マイナスイオン発生装置８２）に置き換えて同様の制御を行うようにしてもよい。又、上記したいずれかの実施の形態の頭皮ケア装置１に、噴霧物質生成部（静電霧化装置３１や、金属粒子化装置４１や、液体霧化装置８１や、マイナスイオン発生装置８２）を複数（例えば、２つや３つや５つ等）並設して設けてもよい。

　・上記実施の形態では、静電霧化装置３１は、放電電極３２を冷却することで放電電極３２に液体を供給するペルチェ素子３４（液体供給冷却部）を有するものとしたが、放電電極３２に液体を供給する他の装置に変更してもよい。液体供給冷却部は、例えば貯水タンクと、該貯水タンクの水を放電電極３２に供給する水路とを含むことができる。

　・上記実施の形態では、突起１４（施術子１５）が回転駆動される頭皮ケア装置１としたが、突起１４を駆動源の駆動力にて駆動させ、その突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするものであれば、他の頭皮ケア装置に噴霧物質生成部（静電霧化装置３１や金属粒子化装置４１等）を設けて実施してもよい。例えば、単に突起１４を振動させるだけの頭皮ケア装置に静電霧化装置３１を設けて実施してもよい。

　１１ｂ…吐出口、１３…モータ（駆動源）、１４…突起、３１…静電霧化装置、３２…放電電極、３４…ペルチェ素子、３５…放熱フィン、３６…送風部、４１…金属粒子化装置、５１…膜、６１…水滴除去機構、６２…流路、７１…圧電素子、８１…液体霧化装置、８２…マイナスイオン発生装置、８３…距離検出部、８４…制御部、８５…噴霧量検出部。

Claims (20)

1. 　駆動源によって駆動する突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするための頭皮ケア装置であって、
   　液滴、固体粒子、及びイオンの内の少なくとも１つの噴霧物質を生成して吐出口から噴霧させるための噴霧物質生成部を備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。
2. 　請求項１に記載の頭皮ケア装置において、
   　前記噴霧物質生成部は、前記液滴として帯電微粒子水を生成して噴霧させるための静電霧化装置を含むことを特徴とする頭皮ケア装置。
3. 　請求項２に記載の頭皮ケア装置において、
   　前記帯電微粒子水は前記吐出口を介して前記頭皮ケア装置の外部に吐出され、
   　前記吐出口には、前記帯電微粒子水の透過を許容するが外部からの水滴の侵入を防止する膜が設けられたことを特徴とする頭皮ケア装置。
4. 　請求項３に記載の頭皮ケア装置において、
   　前記膜の外表面が撥水性を有することを特徴とする頭皮ケア装置。
5. 　請求項３又は４に記載の頭皮ケア装置において、
   　前記膜の外表面に付着した水滴を除去するための水滴除去機構を備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。
6. 　請求項５に記載の頭皮ケア装置において、
   　前記静電霧化装置は、放電電極と前記放電電極を冷却することで該放電電極に液体を供給する液体供給冷却部とを含み、
   　前記水滴除去機構は、前記液体供給冷却部の放熱部を冷却すべく該放熱部に向かって空気を送るための送風部と、前記放熱部を通過した空気を前記膜の外表面に向かって誘導する流路とを有することを特徴とする頭皮ケア装置。
7. 　請求項５に記載の頭皮ケア装置において、
   　前記水滴除去機構は、前記膜を振動させるための振動発生部を有することを特徴とする頭皮ケア装置。
8. 　請求項１乃至７のいずれか１項に記載の頭皮ケア装置において、
   　前記噴霧物質生成部は、金属粒子を生成して噴霧させるための金属粒子化装置を含むことを特徴とする頭皮ケア装置。
9. 　請求項１乃至８のいずれか１項に記載の頭皮ケア装置において、
   　前記突起は、当該突起と前記吐出口との距離が変化するように駆動され、
   　前記突起と前記吐出口の距離を検出するための距離検出部と、
   　前記距離検出部にて検出された検出距離に応じて前記噴霧物質の噴霧量を制御するための制御部と
   を備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。
10. 　請求項９に記載の頭皮ケア装置において、
    　前記制御部は、前記距離検出部にて検出された検出距離が最大のときの前記噴霧物質の目標噴霧量を最大に設定することを特徴とする頭皮ケア装置。
11. 　請求項９又は１０に記載の頭皮ケア装置において、
    　前記制御部は、前記距離検出部にて検出された検出距離が最小のときの前記噴霧物質の目標噴霧量を最小に設定することを特徴とする頭皮ケア装置。
12. 　請求項９に記載の頭皮ケア装置において、
    　前記制御部は、前記距離検出部にて検出された検出距離が大きいほど前記微細物質の目標噴霧量が多くなるように、前記目標噴霧量を連続的又は段階的に設定することを特徴とする頭皮ケア装置。
13. 　請求項１０乃至１２のいずれか１項に記載の頭皮ケア装置において、
    　噴霧している前記噴霧物質の噴霧量を検出する噴霧量検出部を備え、
    　前記制御部は、前記噴霧量検出部にて検出された検出噴霧量が前記目標噴霧量に近づくように前記噴霧物質生成部に供給するエネルギーを調整することを特徴とする頭皮ケア装置。
14. 　請求項９に記載の頭皮ケア装置において、
    　前記制御部は、前記距離検出部にて検出された検出距離が予め設定した基準距離以上のときに前記噴霧物質生成部に比較的高いエネルギーを供給し、前記基準距離未満のときに前記噴霧物質生成部に比較的低いエネルギーを供給することを特徴とする頭皮ケア装置。
15. 　請求項９に記載の頭皮ケア装置において、
    　前記制御部は、前記距離検出部にて検出された検出距離が予め設定した基準距離以上のときの前記噴霧物質の目標噴霧量を最大に設定し、前記検出距離が前記基準距離未満のときの前記噴霧物質の目標噴霧量を０に設定することを特徴とする頭皮ケア装置。
16. 　請求項１５に記載の頭皮ケア装置において、
    　前記制御部は、前記検出距離が増加している期間に前記検出距離が前記基準距離よりも近く設定された供給開始基準距離以上となった時点で前記噴霧物質生成部に比較的高いエネルギーを供給し、前記検出距離が減少している期間に前記検出距離が前記基準距離以下になった時点で前記噴霧物質生成部に供給するエネルギーを０にすることを特徴とする頭皮ケア装置。
17. 　請求項１５又は１６に記載の頭皮ケア装置において、
    　前記制御部は、前記検出距離が増加している期間に前記噴霧物質生成部へのエネルギーの供給を開始する時には、一時的に最高値のエネルギーを供給することを特徴とする頭皮ケア装置。
18. 　請求項１５又は１６に記載の頭皮ケア装置において、
    　前記制御部は、前記噴霧物質生成部へのエネルギーの供給期間中にそのエネルギーを徐々に大きくしていくことを特徴とする頭皮ケア装置。
19. 　請求項１乃至１８のいずれか１項に記載の頭皮ケア装置において、
    　前記突起は、互いに遠ざかる動作と近づく動作を繰り返すように駆動される複数の突起の内の１つであり、
    　前記吐出口は、前記複数の突起の間に配置されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
20. 　請求項１に記載の頭皮ケア装置において、前記突起が頭皮に接触したときに前記吐出口は前記頭皮に向かって開口することを特徴とする頭皮ケア装置。

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