WO2012005328A1 - リゾホスファチジルグルコシドに結合する抗体および該抗体を含む組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)リゾホスファチジルグルコシドに結合し、TrkAを発現している神経細胞の軸索伸長に対するリゾホスファチジルグルコシドの反発作用を抑制する活性を有する抗体。
(2)配列番号:1から3に記載のアミノ酸配列または該アミノ酸配列の少なくともいずれかにおいて1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されているアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号:4から6に記載のアミノ酸配列または該アミノ酸配列の少なくともいずれかにおいて1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されているアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を保持する抗体。
(3)配列番号:7に記載のアミノ酸配列または該アミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されているアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号:8に記載のアミノ酸配列または該アミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されているアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を保持する抗体。
(4)配列番号:11から13に記載のアミノ酸配列または該アミノ酸配列の少なくともいずれかにおいて1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されているアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号:14から16に記載のアミノ酸配列または該アミノ酸配列の少なくともいずれかにおいて1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されているアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を保持する抗体。
(5)配列番号:17に記載のアミノ酸配列または該アミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されているアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号:18に記載のアミノ酸配列または該アミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されているアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を保持する抗体。
(6)受託番号NITE P-939またはNITE P-940で特定されるハイブリドーマが産生する抗体。
(7)(1)~(6)のいずれかに記載の抗体が結合するエピト―プに結合する抗体。
(8)(1)~(7)のいずれかに記載の抗体を有効成分とする、TrkAを発現している神経細胞の軸索伸長に対するリゾホスファチジルグルコシドの反発作用を抑制するための組成物。
(9)医薬組成物である、(8)に記載の組成物。
(10)神経障害疾患、神経変性疾患または神経傷害における神経回路の修復を促進するために用いられる、(9)に記載の組成物。
(11) (1)~(7)のいずれかに記載の抗体を用いて、リゾホスファチジルグルコシドの反発作用を抑制する、TrkAを発現している神経細胞の軸索を伸長させるための方法。
(12) (1)~(7)のいずれかに記載の抗体を投与する、神経障害疾患、神経変性疾患または神経傷害を治療するための方法。
E(Embryonic day、胎生 日目)、DRG(Dorsal root ganglion、後根神経節)、DREZ(Dorsal Root Entry Zone、後根侵入部)、HH St.(Hamburger and Hamilton Stage、ハンバーガー‐ハミルトンステージ)、LPA(Lysophosphatidic acid、リゾホスファチジン酸)、LSCM(Laser scanning confocal microscopy、共焦点レーザー顕微鏡)、Lyso-PtdGlc(Lysophosphatidylglucoside、リゾホスファチジルグルコシド)、LPC(Lysophosphatidylcholine、LysoPtdCho、リゾホスファチジルコリン)、NGF(Nerve growth factor、神経成長因子)、NRP-1(neuropilin-1、ニューロピリンー1)、NT-3(Neurotrophin-3、ニューロピリン-3)、PtdGlc(Phosphatidyl-β-D-glucoside、ホスファチジル-β-D-グルコシド)、Sema3A(Semaphorin 3A、セマフォリン3A)、TLC(thin-layer chromatography、薄層クロマトグラフィー)、TrkA(Tropomyosin-related kinase A、トロポミオシン関連キナーゼA)、TrkC(Tropomyosin-related kinase C、トロポミオシン関連キナーゼC)、v/v(volume/volume、容量/容量)。
レグホーン種の受精卵は地元の業者(井上養鶏場、相模原)から購入し、胚が適当な時期に発生するまで、ずっと揺孵卵器(強制通風、振とう可能)内で38℃にて維持した。また、胚は正常なニワトリの発生のハンバーガー-ハミルトンシリーズに則して、ステージ分けした(Hamburger,V.and Hamilton,H.L.,J.Morphol.8,49-92(1951)参照)。そして、全ての手法および実験は理研の動物保護ガイドラインを順守して行った。
抗ニワトリTrkAモノクローナル抗体(Oakley RA et al.,J Neurosci 17:4262-4274(1997)参照)または抗TrkCモノクローナル抗体(Lefcort.F et al.,J.Neuroscience.16(11)3704-3713(1996)参照)、およびDIM-21モノクローナル抗体(Greimel,M. et al.Bioorg Med Chem 16,7210-7(Aug1,2008)および非特許文献31 参照)を用いて、凍結切片の二重免疫蛍光染色を行った。ニワトリ胚は適当な時期に卵殻から分離し、断首した、得られた胴体は速やかに4%(v/v)パラホルムアルデヒド/PBSに浸け、4℃で一晩かけて固定した。PBSで2回洗浄した後、かかる胚は30%スクロース溶液(4℃)中に移し、溶液の底の方に沈むまで浸けた(通常、数時間以内に沈む)。そして、Tissue-Tek OCTコンパウンド(サクラファインテックジャパン株式会社製)に胚を包埋した後、液体窒素に浸けて速やかに凍らせ、必要とするまで-80℃で得られた凍結ブロックを保存した。また、HM560クライオスタット(Zeiss社製)にて腰仙部脊髄の部分を切断し、胴体を厚さ25μmの横断切片にして、必要とするまで-20℃で保存した
(免疫染色)
前記横断切片(スライド)等を室温に戻し、組織切片にワックスバリアペン(大道産業社製)を用いて、撥水性サークルを施した。抗体の非特異的な結合を減らすため、切片を10%v/v正常馬血清/PBSで1時間インキュベートした。血清によるブロッキング処理に次いで、10%血清で希釈した一次抗体(DIM21の希釈率は1:500であり、抗TrkAまたは抗TrkCの希釈率は1:1000)を切片に添加して、4℃で一晩インキュベートした。そして、蛍光色素が結合された二次抗体で3時間インキュベートする前に、一次抗体で標識された切片をPBSで3回洗浄した。なお、二次抗体は種特異的Alexa Fluor488またはAlexa Fluor594が結合された抗IgMまたはIgG(Molecular Probes社製)を血清で1:500に希釈し使用した。二次抗体で切片を染色した後、二次抗体で染色された切片をPBSで3回洗浄してマウントした後、かかる切片に結合している抗体標識を固定ステージ共焦点顕微鏡(オリンパス社製)をもって観察し、Fluoview ソフトウェアによって制御された浜松Orcaカメラで撮影した。
脊髄内グリア細胞を、T.Yoshida,M.Takeuchi,Cytotechnology 7,187-96(Nov,1991)およびS.Kentroti,A.Vernadakis,J Neurosci Res 47,322-31(Feb1,1997)に記載されている通りに単離し、培養した。すなわち、HH St.35の胚の頭部を除去し、胴体を解剖した。腹部椎弓切除についで、脊髄を胚から単離した後に、さらに付着している膜および脊髄神経根を顕微鏡下手術用ハサミを用いて除去した。このように単離して得られた脊髄を10% FBS含有DMEM/F12培地に懸濁し、プラスチックセルスクレイパーを用いて、70μmセルストレイナーに通した。Poly-D-リシンで一晩前処理した10cm細胞培養用ディッシュに、得られた細胞懸濁液を播き、10% FBS含有DMEM/F12培地中において、37℃、5%CO2条件下で培養した。48時間培養した後、不要物除去のため、かかる培養細胞を新しいリシンコートディッシュに播きなおし、120時間以上、先と同様の条件下で培地を2回交換しながら培養した。さらに、かかる細胞の一部は免疫染色解析のため、リシンコートされた35mmガラスカバースリップ上で培養した。また、質量分析にかけるため、培地交換時に培養上清を回収し、-80℃で凍結保存した。そして、168時間培養した後、トリプシン処理を施して10cmディッシュから細胞を回収した。そして、PtdGlcの発現およびグリアマーカーを免疫染色で解析するために、カバースリップ上で培養した細胞を4%パラホルムアルデヒド/PBSで4℃、一晩処理して固定した。また、回収したグリア細胞の培養上清はメタノールで前処理されたODSカラム(OroSep C18、600mg、OROCHEM CRC 18600)に充填し、非吸着画分を純水にて洗い流した。そして、ODSカラムに吸着した物質をクロロホルム/メタノ―ル(CHCl3/CH3OH=2:1(v/v))混合溶液を用いて溶出させた。そのODSカラムに吸着していた脂質を窒素ガス流入下で乾燥させ、4:1 CHCl3/CH3OHに再溶解し、同じ混合溶液で平衡化したイアトロビーズカラム(三菱科学ヤトロン社製)に充填した後、CHCl3/CH3OH混合溶液(4:1、3:1、2:1、1:1、1:2)で段階的に、最後は100% CH3OHで溶出した。PtdGlcはCHCl3/CH3OH(2:1 および 1:1)画分に溶出され、Lyso-PtdGlcはCHCl3/CH3OH(1:1 および 1:2)画分に溶出された。また、グリア細胞由来のPtdGlcの解析を行うため、回収した細胞をハンク平衡塩溶液(HBSS)で洗浄した後、凍結乾燥した。脂質は2:1 CHCl3/CH3OH混合溶液およびCHCl3/CH3OH/水混合溶液(5:8:3, v/v/v)で抽出し、窒素ガス流入下で蒸発させ、PtdGlcを前記と同様の方法にて上清としてイアトロビーズカラムにより抽出した。
10% 正常馬血清/PBSで1時間インキュベートし、血清によるブロッキング処理を施す前に、前記固定したグリア細胞をPBSで2回洗浄した。10%血清で希釈された一次抗体 DIM21抗体(希釈率 1:500)、EAP-3抗体(抗トランスチン抗体、希釈率 1:200)または抗GFAP抗体(希釈率 1:200、カタログ番号:MAB3042、ケミコン社製)を細胞に添加し、4℃で一晩インキュベートした後、室温下にてPBSで3回洗浄した。そして、蛍光色素が結合された二次抗体(Alexa 488結合ヤギ由来の抗マウスIgGまたはAlexa 594結合ヤギ由来の抗マウスIgM)を10%血清で1:200に希釈したものを一次抗体で標識された細胞に添加し、室温下で1時間インキュベートした。PBSで3回洗浄した後、グリア細胞の核をヘキスト33528(ナカライテスク社製)の説明書に従って標識した。このように免疫染色された細胞をMowiol 4-88溶液(Calbiochem社製)にマウントし、4℃で保存した。固定ステージ共焦点顕微鏡(オリンパス社製)の40倍油浸対物レンズを介して観察し、Fluoview ソフトウェアによって制御された浜松Orcaカメラで撮影した。
T.Tojima et al.,Nat Neurosci 10,58-66(Jan,2007)に記載の方法に少々の改変を加え、単離したDRG感覚神経の初代培養を行った。すなわち、HH St.29のニワトリ胚を卵殻から分離して断首し、胴体を氷冷したPBSに移した。得られた胴体から内臓を鉗子にて除去し、椎弓切除により脊椎を露出させた。胸部または腰仙部の脊髄からDRGを単離し、fine watchmaker’s鉗子でばらばらにし、氷上のL15培地中に移した。解剖して得られたDRGを37℃で20分間トリプシン処理した後、100gで1分間遠心し、得られたペレットに最小量のL15培地を添加して、手動で細胞を懸濁(repeated manual trituration)した。細胞懸濁液を再度100gで1分間遠心し、その上清を除去した。そして、N-2(インビトロゲン社製)と750μg/ml BSA(GIBCO社製)と、25ng/ml NGFまたは50ng/ml NT-3(シグマアルドリッチ社製)とを添加したレイボヴィッチL15培地にペレットを再懸濁し、細胞を9μg/cm3マウス由来のラミニン(インビトロゲン社製)でプレコートしたガラスディッシュに一枚当たり10000細胞数になるように播種した。かかるディッシュを成長円錐ターニングアッセイに用いる前の約2時間、5%CO2、37℃で培養した。
インビトロ成長円錐ターニングアッセイは少々の改変を施した、M.Lohof,M.Quillan,Y.Dan,M.M.Poo,J Neurosci 12,1253-61(Apr,1992)、J.Q.Zheng,M.M.Poo,J.A.Connor,Perspect Dev Neurobiol 4,205-13(1996)およびY.Xiang et al.,Nat Neurosci 5,843-8(Sep,2002)に記載の方法に沿って行った。すなわち、リゾホスファチジルコリン(シグマアルドリッチ社製)または後述の方法により用意したLyso-PtdGlcを、ビークル(1%(v/v)メタノール/PBS)で10μMの濃度になるように希釈した。ターニングアッセイに用いる前に、リゾリン脂質またはコントロール溶液はultrasonic bath(Iwaki社製)を用いて10分間超音波をかけ、そして温浴を用いて37℃に維持した。NGF(プロメガ社製)およびセマフォリン3A/Fcキメラ組み換え蛋白質(R&Dシステムズ社製)は、各々化学誘因および化学反発のポジティブコントロールとして使用するために、使用する前にPBSにて各々50μg/mlおよび25μg/mlの濃度になるように希釈した。また、成長円錐ターニングアッセイに用いるピペットは下記の通りに調製した。ホウケイ酸キゃピラリーチューブ(1.0mm O.D.、standard wall with filament、Sutter Instrument社製)は、約10μmの大きさに開口された先細で長いピペットを作製するために、Flaming-Brown P-97マイクロピペットピュラ―で引き延ばした。かかるマイクロピペットはマイクロフォージ(MF-900、Narishige社製)を用いて使用する前にチェックした。ピペットはピペットホルダー(Warner Instruments社製)に装着し、ディッシュとピペットとの角度がおよそ45度になるように培養ディッシュ上方に設置した。かかるピペットを窒素ガスシリンダーと接続し、電気刺激器(日本光電社製)およびPV820 Picopump(World Precision Instruments社製)によってガス放出は制御した。なお、電気刺激器によって、PV820 Picopumpは500ms間隔で20ms間ガス放出が持続されるように設定した。リゾリン脂質の濃度勾配を添加する前、実験に供する候補の成長円錐の写真を撮り、10分間静置した。なお、成長円錐は、Metavueソフトウェアによって制御されたQimaging Qicam CCDカメラで撮影した。その後、少なくとも10μmまっすぐ伸長した成長円錐を本アッセイに用いるものとして選択した。培養ディッシュの下方、軸索伸長方向に対して45度、成長円錐から100μm離れた位置にピペット先端をおいた。そして、電気刺激器のスイッチを入れ、薬剤の濃度勾配を添加した。実験終了後(t=45分)、成長円錐の写真を撮り、Metavueソフトウェアにより伸長方向の角度を計測した。なお、伸長しなかった成長円錐、崩壊した成長円錐、軸索が45分の間に分岐した成長円錐は本実施例においては計測対象から外した。また、成長円錐のターニング角度を計測するため、薬剤添加10分前の軸索成長円錐Cドメイン真中と添加時のそれとを通る直線を伸長の初期軌道とした。そして実験終了後に、かかる初期軌道とのずれをターニング角度として計測した。また、実験終了時(t=45分)に、薬剤添加時(t=0)の軸索成長円錐Cドメイン真中と実験終了時(t=45分)のそれとの距離を軸索伸長の長さとして計測した。
DRG脊髄組織片共培養アッセイはR.Keynes et al.,Neuron 18,889-97(Jun,1997)に記載の方法に沿って行った。すなわち、HH St.35胚を卵殻から離し断首した。DRGおよび脊髄を胚から単離し、氷上のL15培地中で使うまで維持した。直径約250μmの脊髄と、背内側または背側のDRGとを500μm離してコラーゲンマトリックスに植え込み、N2、20ng/ml NGFまたは50ng/ml NT-3、750μg/ml BSAを添加したDMEM/F12培地中で、37℃5%CO2下で48時間培養した。48時間培養後、かかる培養組織を4%PFAにて4℃で一晩かけて固定した。DRG組織片からの軸索伸長を可視化するために、培養組織を抗βチューブリン抗体(Chemicon社製)で染色した。すなわち、PBSで2回洗浄後、抗体の非特異的結合を減らすために培養組織を2%正常馬血清/PBS/0.1% Tritonで1時間インキュベートした。そして、培養組織を1時間、抗βチューブリンモノクローナル抗体(2%血清/PBSで1:500に希釈)でインキュベートした。PBSでの15分間洗浄を3回施した後、培養組織を2%血清で1:200に希釈したAlexa594結合抗マウスIgG抗体(モレキュラープローブ社製)に30分間インキュベートした。PBSでの15分間洗浄を3回施した後、染色した培養組織を固定ステージ共焦点顕微鏡(オリンパス社製)で観察し、Fluoview ソフトウェアによって制御された浜松冷却CCDカメラによって画像を取り込んだ。化学反発性はR.Keynes et al.,Neuron 18,889-97(Jun,1997)記載の方法により評価した。培養組織に関する免疫染色顕微鏡観察写真中の脊髄とDRGとの間500μmを4分割(125μm)して、DRG組織片から脊髄組織片への軸索伸長の長さを測定し、下記基準に則して0_10で評価した。
0:DRG組織片から脊髄組織片への軸索伸長がなかった。
2:1または複数のDRG組織片からの軸索伸長が1/4(125μm)まで達していた。
4:軸索伸長が2/4(125μm-250μm)まで達していた。
6:軸索伸長が250μm-375μmまで達していた。
8:軸索伸長が脊髄に接触するまで達していた。
10:軸索伸長が脊髄に接触するまで達していただけでなく、脊髄の上または下を通り、脊髄組織片を越えて軸索が伸長した。(図1参照)
このように、化学反発性が最も強いものを0とし、最も弱いものを10と評価し、全ての培養組織を0_10に分けて評価した。
E.T.Stoeckli,L.T.Landmesser,Neuron 14,1165-79(Jun,1995)およびF.E.Perrin,F.G.Rathjen,E.T.Stoeckli,Neuron 30,707-23(Jun, 2001)に記載の方法に少々の改変を加え、機能阻害性を有する特異的モノクローナル抗体を発生中の胚脊髄の中心管にマイクロインジェクションした。インキュベーション3日目(E3)に18gaニードルを殻を通して、卵の平滑末端側に挿入し、2~3mlの卵白を抜き出した。そして、はさみで卵殻上部に4~5cm2の穴(窓)を開け、その穴をガラスカバースリップでシールし、溶融パラフィンワックスで固定した。そして、かかる穴をあけた卵を揺らすことなく、HH St.23に達するまでインキュベートした(卵に穴をあけてから、約24時間後に通常この発生段階に達する)。後述の抗Lyso-PtdGlcまたはコントロールIgMを1mg/mlずつ4回、8時間ごとに脊髄にインジェクションした。なお、抗体溶液には0.05% Fast Greenを添加し、インジェクションの質および量を顕微鏡で速やかに評価できるようにした。また、見て分かる目印として、全てのインジェクションは後肢間の丁度真ん中にある脊髄に対して行われた。インジェクションする際に、孵卵器から実体解剖顕微鏡(ニコン社製)に卵を移し、カバースリップを外し、抗体をインジェクションした。インジェクション後はカバースリップを戻し、ワックスで再びシールし、孵卵器に卵を戻した。最後の抗体をインジェクションした後、約24時間はHH St.28に達するまで孵卵器において胚を成育(回復)させた。かかる回復期間終了後、胚を卵殻から外し、断首し、4℃で4%v/v PFA/PBSを用いて胴体を一晩固定した。そして、かかる固定検体をPBSで洗浄し、15%ゼラチン(シグマアルドリッチ社製)に包埋し、胴体をLeica VT1000S ビブラトームを用いて切断し、厚さ250μmの腰仙部脊髄の横断切片を得た。DRG感覚求心性神経はイオントフォレシスにより導入した脂質親和性色素DiI(1,1’-dioctadecyl-3,3,3’3’-tetramethylindocarbocyanine perchlorate、FastDiI、Molecular Probes社製)で標識した。DiIはエタノールとジメチル-ホルムアミドとの混合溶液(1:1)で5mg/mlの濃度に調製し、そしてガラス管微小電極(Sutter Instruments社製)に裏込めした。DiIを装填した電極に100%エタノール 3μlを、次いで2M 塩化リチウム 3μl裏込めし、12V電源に接続した。そして、微小電極の先端の標的を背内側DRGにすることにより、TrkA神経を特異的に標識した。標識後、色素を拡散させるために組織切片は室温、暗下で2~7日間保存した。かかる保存期間終了後、標識した切片をLSCMで観察した(z series 8-12 共焦点セクション、ステップサイズ:3μm)。すなわち、固定ステージ共焦点顕微鏡(オリンパス社製)の乾式対物レンズ(倍率:20×または40×)を介して標識した切片を観察し、Fluoviewソフトウェアによって制御された浜松Orca CCDカメラで撮影した。
統計解析はGraphPad Prism4プログラム(マッキントッシュ用、ver.4.0b、GraphPadソフトウェア社製)を用いて行った。
脊髄におけるホスファチジル-β-D-グルコシド(PtdGlc)とDRG感覚神経性細胞との空間的および時間的関係を観察するため、抗TrkA抗体または抗TrkC抗体、およびDIM21抗体を用いて、HH St.26、29、32、34、35の胚(およそE5(胎生5日目)からE9(胎生9日目)の間の胚に相当する)の同時免疫染色(標識)を行った。得られた結果は図2に示す。なお図2中の白線はスケールバーであり、500μmの長さであることを示すものである。また図2中、マゼンタ色の蛍光を発している部分はDIM21抗体で染色されている部位を示し、緑色の蛍光を発している部分は抗TrkA抗体(図2中左1列)または抗TrkC抗体(図2中右1列)で染色されている部位を示す。
前述の、PtdGlcまたはその派生物がDRG感覚神経に対するシグナル分子であり、特にTrkA発現神経細胞に対して化学反発性物質として作用しているのではないのかということを実証するために、器官型脊髄/DRG組織片培養アッセイを行った。直径約250μmの後根神経節(DRG)組織片を3-Dコラーゲンマトリックスにて、脊髄を切開して得た組織片と共に培養した。そして、共培養48時間後のDRG軸索伸長を観察した。なお、本実施例においては、脊髄由来の組織片は切開して、背側(Dorsolateral、DL)または背内側(Dorsomedial、DM)由来のもの、すなわち、PtdGlc含有量が少ない部位(DL)または多い部位(DM)に分けて使用した(図2および3参照)。得られた結果は図4および図5に示す。なお、図4中の白線はスケールバーであり、500μmの長さであることを示すものであり、図5中の括弧内の数値はアッセイしたDRG組織片数を示し、三つのアスタリスクが付されているカラムはP<0.001(Kruskal-Wallis test with Dunnett’s post-test)であることを示す。
実施例1において示されているように、PtdGlcは白質内において広く発現している(図2参照)。従って、脊髄におけるPtdGlcの供給源は非神経細胞であることが予測される。そこで、かかる予測が妥当なものであるかどうかを確認するために、脊髄内グリアを質量分析により解析した。すなわち、HH St.35の脊髄から増殖性のグリア細胞を単離し、7日間インビトロで培養し、培養終了後、グリア細胞およびその培養上清をナノ液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計(nano-LC/MS/MS)で解析した。得られた結果は図6に示す。また、かかるグリア細胞培養を用いて質量分析の代わりに免疫染色を行った。得られた結果は図8および図9に示す。なお、図8中、緑色の蛍光を発している部分は抗transitin抗体で標識された領域であることを示し、白線はスケールバーであり、10μmの長さであることを示す。また、図9中、緑色の蛍光を発している部分は抗GFAP抗体で標識された領域を示す。さらに、図8および図9中において、青色の蛍光を発している部分はヘキスト33258で染色された領域、すなわち細胞の核を示し、赤色の蛍光を発している部分は抗PtdGlc抗体で標識された領域であることを示す。
次に、Lyso-PtdGlcに特異的な抗体を作製した。すなわち、抗Lyso-PtdGlc特異的モノクローナル抗体(抗血清)は、後述の方法に基づき単離または合成して得られたLyso-PtdGlcを抗原として、株式会社カイオムバイオサイエンス(独立行政法人理化学研究所 遺伝ダイナミック研究ユニット)によって開発されたADLib(Autonomously Diversifying Library、自律多様化ライブラリー)システムを用いて作製した(Seo H.et al.Nat.Biotechnol.23,731-735(2005)およびSeo H.et al.Nat.Protocols.1,1502-1506(2006) 参照)。
抗原として用いたLyso-PtdGlcは、単離または合成して得られたPtdGlcをホスホリパーゼA2(PLA2)を用いて加水分解することにより得た。すなわち、先ず、非特許文献32の記載の通り、ラット胎児の脳から単離することによって、または、Greimel,M. et al.Bioorg Med Chem 16,7210-7(Aug1,2008)の記載の通り、化学合成することによって、PtdGlcを得た。
次に実施例4にて得られたLyso-PtdGlc特異的な抗体の結合活性(結合の強さ、速さ、選択性)を表面プラズモン共鳴測定方法により分析した。すなわち、Biacore(GEヘルスケア社製)の所定のプロトコールに従い、先ずセンサーチップ(HPA)をオクチルグルコシドにて洗浄した後、抗原リポソームをコーティングした。なお、このようにしてセンサーチップに固定した抗原として、LPG、LPI(リゾホスファチジルイノシトール)およびS-1-P(スフィンゴシン-1リン酸)を用いた。次に、抗原を固定化したセンサーチップに、実施例4にて得られたLyso-PtdGlc特異的な抗体(100μg/ml)を送液し、次いでBiacoreランニング緩衝液(HBS-N)を通した。そして、この過程におけるレスポンスの変化(センサーグラムの形:抗原と抗体との形成および抗原と抗体との解離)からカーブフィッティングにより結合速度定数(ka)と解離速度定数(kd)とを算出し、さらにこれらの定数からアフィニティ(解離定数:KD)を求めた。得られた結果(センサーグラム)については、図10に示す。
次に実施例4にて得られたLyso-PtdGlc特異的な抗血清の機能的阻害活性をコラーゲンゲル共培養アッセイを用いて調べた。しかしながら最初は、抗Lyso-PtdGlc抗体を培養系に添加しても、背内側脊髄由来の組織片が発揮する化学反発性に対する僅かな抑制効果(統計的には有意でない程度の化学反発性の減少)しか確認されなかった。そこで、Sema3Aもニワトリ初期発生における背側脊髄において発現しているということから(非特許文献15参照)、少数のSema3A発現細胞またはなかなか消えないSema3A蛋白質それ自体が背側脊髄由来の組織片に残存しており、前記アッセイ系に影響を与えている可能性があったため、neuropilin-1を機能的に阻害する抗体(NRP-1抗体、添加濃度:4μg/ml、AF566、R&Dシステム社製)を培地中に添加して再度アッセイを行った。なお、neuropilin-1はSema3Aシグナル伝達における、Sema3Aをリガンドとする受容体である。得られた結果を図11および図12に示す。なお図11中の白線は長さが500μmのスケールバーであることを示し、図12中の括弧内の数値はアッセイした成長円錐数を示し、アスタリスク三つが付されているカラムはP<0.001(Kruskal-Wallis test with Dunnett’s post-test)であることを示す。
次に、NGF依存的神経細胞またはNT-3依存的神経細胞の成長円錐に対するLyso-PtdGlcの化学反発性をインビトロ ターニングアッセイを用いて調べた。得られた結果を図13および図14に示す。また、抗Lyso-PtdGlc抗体存在下におけるNGF依存的神経細胞の成長円錐に対するLyso-PtdGlcの化学反発性をインビトロ ターニングアッセイを用いて調べた。得られた結果を図15および図16に示す。なお、図13および図15中の白線は長さが5μmのスケールバーであることを示し、図13および図15中の数字はLPG等の濃度勾配を添加してからの時間(単位:分)を示し、図13および図15中の矢頭(三角)はLPG等の濃度勾配を添加した場所を示すものである。また、図14および図16中の括弧内の数値はアッセイした成長円錐数を示し、アスタリスク二つが付されているカラムはP=0.0063(1-Way ANOVA with Dunnett’s multiple comparison post-test)であることを示す。
次に、インビトロの系で確認されたTrkA神経細胞特異的な化学反発性をLyso-PtdGlcが発揮することをインビボの系において確認した。すなわち、実験動物におけるLyso-PtdGlcシグナル伝達を阻害するために、胚内脊髄に機能阻害性を有する抗体 抗Lyso-PtdGlc抗体を注入した。なお、実施例6および7に記載の通り、抗Lyso-PtdGlc抗体が機能阻害性を有する抗体であるということはコラーゲンゲル共培養およびインビトロ成長円錐ターニングアッセイの結果から明らかである。得られた結果は図17および表1に示す。なお、図17中点線で囲まれた部位は卵形ヒス束であることを示し、アスタリスクはTrkC発現神経細胞が優位の存在している部位を示す。また、図17中の「DGM」は背側灰白質(Dorsal Grey Matter)を示している。
次に、傷害を加えられた成体動物の中枢神経系におけるPtdGlcの発現を調べた。すなわち、成体マウス(生後1ヶ月)の脳に小児用綿棒の先端部を突き刺すことによって傷害を加え、その1週間後にDIM21抗体を用いた免疫染色を行い、かかる損傷部位におけるPtdGlcの発現の程度を調べた。得られた結果は図18~20に示す。また、成体ラット(体重約250グラム)の脊髄にMulti Centre Animal Spinal Cord Injury Studyの標準的な手法(J.A.Gruner,J.Neurotrauma 9,123-128,1992)によって硬膜外から傷害を加え、その2週間後にDIM21抗体を用いた免疫染色を行い、かかる損傷部位におけるPtdGlcの発現の程度を調べた。なお、通常の成体マウスおよび成体ラットの中枢神経系においては、PtdGlcの発現量は極めて少ないことは確認されている(非特許文献32参照)。得られた結果は図21に示す。
(1)識別の表示:ADLib ♯7
(2)受託番号:NITE P-939
(3)受託日:2010年4月21日
(4)寄託機関:独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(NPMD)
2.
(1)識別の表示:ADLib ♯15
(2)受託番号:NITE P-940
(3)受託日:2010年4月21日
(4)寄託機関:独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(NPMD)
<223> 抗LPG抗体#15 軽鎖可変領域 CDR1
配列番号2
<223> 抗LPG抗体#15 軽鎖可変領域 CDR2
配列番号3
<223> 抗LPG抗体#15 軽鎖可変領域 CDR3
配列番号4
<223> 抗LPG抗体#15 重鎖可変領域 CDR1
配列番号5
<223> 抗LPG抗体#15 重鎖可変領域 CDR2
配列番号6
<223> 抗LPG抗体#15 重鎖可変領域 CDR3
配列番号7
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配列番号8
<223> 抗LPG抗体#15 重鎖可変領域
配列番号9
<223> 抗LPG抗体#15 軽鎖可変領域 cDNA
配列番号10
<223> 抗LPG抗体#15 重鎖可変領域 cDNA
配列番号11
<223> 抗LPG抗体#7 軽鎖可変領域 CDR1
配列番号12
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配列番号13
<223> 抗LPG抗体#7 軽鎖可変領域 CDR3
配列番号14
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配列番号15
<223> 抗LPG抗体#7 重鎖可変領域 CDR2
配列番号16
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配列番号17
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配列番号18
<223> 抗LPG抗体#7 重鎖可変領域
配列番号19
<223> 抗LPG抗体#7 軽鎖可変領域 cDNA
配列番号20
<223> 抗LPG抗体#7 重鎖可変領域 cDNA
Claims (12)
- リゾホスファチジルグルコシドに結合し、TrkAを発現している神経細胞の軸索伸長に対するリゾホスファチジルグルコシドの反発作用を抑制する活性を有する抗体。
- 配列番号:1から3に記載のアミノ酸配列または該アミノ酸配列の少なくともいずれかにおいて1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されているアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号:4から6に記載のアミノ酸配列または該アミノ酸配列の少なくともいずれかにおいて1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されているアミノ酸配列を含む重鎖可変領域とを保持する抗体。
- 配列番号:7に記載のアミノ酸配列または該アミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されているアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号:8に記載のアミノ酸配列または該アミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されているアミノ酸配列を含む重鎖可変領域とを保持する抗体。
- 配列番号:11から13に記載のアミノ酸配列または該アミノ酸配列の少なくともいずれかにおいて1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されているアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号:14から16に記載のアミノ酸配列または該アミノ酸配列の少なくともいずれかにおいて1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されているアミノ酸配列を含む重鎖可変領域とを保持する抗体。
- 配列番号:17に記載のアミノ酸配列または該アミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されているアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号:18に記載のアミノ酸配列または該アミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されているアミノ酸配列を含む重鎖可変領域とを保持する抗体。
- 受託番号NITE P-939またはNITE P-940で特定されるハイブリドーマが産生する抗体。
- 請求項1~6のいずれかに記載の抗体が結合するエピト―プに結合する抗体。
- 請求項1~7のいずれかに記載の抗体を有効成分とする、TrkAを発現している神経細胞の軸索伸長に対するリゾホスファチジルグルコシドの反発作用を抑制するための組成物。
- 医薬組成物である、請求項8に記載の組成物。
- 神経障害疾患、神経変性疾患または神経傷害における神経回路の修復を促進するために用いられる、請求項9に記載の組成物。
- 請求項1~7のいずれかに記載の抗体を用いて、リゾホスファチジルグルコシドの反発作用を抑制する、TrkAを発現している神経細胞の軸索を伸長させるための方法。
- 請求項1~7のいずれかに記載の抗体を投与する、神経障害疾患、神経変性疾患または神経傷害を治療するための方法。
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