WO2011161954A1 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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真弘 冨江
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Abstract

 本発明の誘導加熱調理器は、調理容器(2)から放射されトッププレート(1)を透過した赤外線を検出する赤外線センサ(5)と、赤外線センサ(5)の出力に基づき調理容器(2)の底面温度(Ta)に対応する算出温度(Tb)を算出する温度算出部(11)と、算出温度(Tb)が制御温度(T)を超えたら加熱出力を抑制し、制御温度(T)を下回ったら所定の加熱出力で加熱するようにインバータ回路(9)を制御する加熱制御部(10)と、外乱光の影響の有無を判別する外乱光判別部(12)とを有し、外乱光判別部(12)は、算出温度(Tb)の時間経過に伴う変化状態に基づいて外乱光の有無を判別し、算出温度(Tb)が制御温度(T)を超えていた場合に、外乱光判別部(12)が外乱光有りと判別したら、制御温度(T)を外乱光判別部(12)が外乱光有りと判別したときの算出温度(Tb)より高い制御温度(T1)へと変更する。

Description

誘導加熱調理器
 本発明は、調理容器を誘導加熱する誘導加熱調理器に関する。
 近年、調理容器やフライパンなどの調理容器を、加熱コイルにより誘導加熱する誘導加熱調理器が、一般家庭や業務用のキッチンなどで広く用いられている。
 図6は、特許文献1に記載された従来の誘導加熱調理器20の構成を示すブロック図である。図6に示すように、誘導加熱調理器20は、調理物を加熱する調理容器13を載置するトッププレート14と、調理容器13から放射されトッププレート14を透過した赤外線21を検出する赤外線センサ15と、赤外線センサ15が受光した赤外線21の放射エネルギーに基づき出力される赤外線センサ15の出力信号22を調理容器13の温度に換算する温度検出部16と、調理容器13を加熱するために誘導磁界を発生させる加熱コイル17と、温度検出部16の温度情報に基づき加熱コイル17の高周波電流を制御して調理容器13の加熱電力量を制御する加熱制御部18と、加熱制御部18に加熱の条件を入力する入力部19とを備えている。赤外線センサ15は加熱コイル17の中心からずらせ、入力部19側の加熱コイル17の内周縁の近傍に配した構成とすることにより、加熱コイル17中心より温度の高い調理容器13の底面温度を測定し、かつ調理容器13以外からくる赤外線の影響を少なくすることができ、温度検出部15の温度検出精度を向上させるものである。
 ここにおいて、調理容器13から放射された赤外線21が赤外線センサ15に到達することにより、赤外線センサ15が対応した大きさの出力信号22を出力する。この出力信号22の大きさに応じて加熱コイル17の加熱電力が制御される。厳密には、調理容器13から放射された赤外線は、トッププレート14の下面を透過する赤外線とトッププレート14の下面で反射する赤外線とに分かれ、透過した赤外線がトッププレート14の下方に設けられた赤外線センサ15へ到達される。また、トッププレート14の下面で反射された赤外線はトッププレート14の上面で更に反射され赤外線センサ15へ到達する。これらの動作が繰り返され赤外線センサ15に受光された放射エネルギーが温度検出部16において温度に換算される。
特開2008-262719号公報
 しかしながら、上述した従来の誘導加熱調理器20のトッププレート14はガラスで構成されているため、加熱コイル17の横方向若しくは斜上方向からの太陽光23(以下、外乱光23ともいう)などがトッププレート14を透過、若しくは、トッププレート14内で反射と透過を繰り返すことにより調理容器13以外からの赤外線が赤外線センサ15へ入力される。この外乱光23に対応して赤外線センサ15が出力するノイズ信号が出力信号22として温度検出部16へ入力される。その結果、温度検出部16から加熱制御部18に入力される制御信号24がノイズ信号に対応した制御を行うため誘導加熱調理器において誤動作が生じていた。例えば、外乱光23が発生しているため、調理容器13が常温であるにもかかわらず加熱されないという不具合が発生する等の問題が生じていた。
 本発明は、上記問題を解決するもので、赤外線センサ15に対して調理容器13以外から来る赤外線の影響があっても、赤外線センサ15により調理容器13の底面温度を精度良く測定できるようにして、調理容器13を使用者の所望の温度に精度良く加熱できる誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
 本発明に係る誘導加熱調理器は、調理容器を載置し赤外線が透過する材料で形成したトッププレートと、前記調理容器を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記トッププレートの下方に配置され前記調理容器の底面から放射した赤外線を検出する赤外線センサと、前記インバータ回路の加熱出力が設定された加熱出力になるようにすると共に前記赤外線センサの出力信号に基づき前記調理容器の底面温度を算出する温度算出部と、前記温度算出部により算出された算出温度が設定された制御温度を超えると加熱動作を停止するかまたは前記加熱出力を前記設定された加熱出力より低い加熱出力に低下させるように前記インバータ回路を制御する加熱制御部と、前記算出温度に基づき外乱光の影響の有無を判別する外乱光判別部と、を備え、
 前記加熱制御部は、前記算出温度が前記制御温度を超える場合に前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定すると、
 前記制御温度を前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定したときの前記算出温度よりも高い温度に変更することを特徴とする。
 また、上記誘導加熱調理器において、前記外乱光判別部は、前記算出温度が前記制御温度を超えかつ加熱動作を停止するか前記設定された加熱出力より低い加熱出力に低下させている場合に、前記算出温度の上昇勾配が所定上昇勾配を超えるとき、外乱光の影響が有ると判定することを特徴とする。
 また、上記誘導加熱調理器において、前記外乱光判別部は、前記算出温度が前記制御温度を超えかつ加熱動作を停止するか前記設定された加熱出力より低い加熱出力に低下させている場合に、第1の所定時間幅における前記算出温度の温度上昇幅を第3の所定時間幅経過する毎に測定し、前記温度上昇幅が第2の所定時間幅において連続して所定閾値を超えるとき、外乱光の影響が有ると判定することを特徴とする。
 さらに、上記誘導加熱調理器において、前記加熱制御部は、前記算出温度が前記制御温度を超える場合に、前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定すると、前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定したときの前記算出温度よりも所定値だけ高い温度に前記制御温度を変更することを特徴とする。
 さらに、上記誘導加熱調理器において、前記加熱制御部は、前記算出温度が前記制御温度を超える場合に、前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定すると、前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定したときの前記算出温度と室温に相当する基準温度との差だけ前記制御温度よりも高い温度に前記制御温度を変更することを特徴とする。
 本発明に係る誘導加熱調理器によれば、赤外線センサで調理容器の底面温度を精度良く検知すると共に、調理容器の底面以外から来る赤外線の影響があっても調理容器の底面温度が低温である場合は、調理容器を加熱することが可能となり、外乱光の影響の有無にかかわらず、調理容器の底面温度を設定温度に精度良く制御することができる。
本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態に係る誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。 (a)は図1の第1の実施形態及び第2の実施形態に係る誘導加熱調理器の基本動作を説明するグラフであって、経過時間と調理容器2の底面温度Taとの関係を示すグラフであり、(b)は(a)に対応し、経過時間と温度算定部11の算出温度Tbとの関係を示すグラフであり、(c)は(a)に対応し、経過時間とインバータ回路9の加熱出力Pとの関係を示すグラフである。 (a)は図1の第1の実施形態に係る誘導加熱調理器2で加熱される調理容器2の底面温度Taと経過時間との関係を示すグラフであり、(b)は(a)と経過時間軸を共通にし、経過時間と算出温度Tbの関係を示すグラフであり、(c)は(a)と経過時間軸を共通にし、経過時間とインバータ回路9の加熱出力Pとの関係を示すグラフであり、(d)は(a)と経過時間軸を共通にし、経過時間と算出温度Tbの第1の所定時間幅Δt0前の算出温度Tbに対する温度上昇幅ΔTbとの関係を示すグラフである。 (a)は図1の第1の実施形態に係る誘導加熱調理器の調理容器2において、経過時間と調理容器2の底面温度Taとの関係を示すグラフであり、(b)は(a)に対応し、経過時間と算出温度Tbとの関係を示すグラフであり、(c)は(a)に対応し、経過時間とインバータ回路9の加熱出力Pとの関係を示すグラフであり、(d)は(a)に対応し、経過時間と算出温度Tbの第1の所定時間幅Δt0前の算出温度Tbに対する温度上昇幅ΔTbとの関係を示すグラフである。 (a)は図1の第2の実施形態に係る誘導加熱調理器で加熱される調理容器2の底面温度Taと経過時間との関係を示すグラフであり、(b)は(a)と経過時間軸を共通にし、経過時間と算出温度Tbとの関係を示すグラフであり、(c)は(a)と経過時間軸を共通にし、経過時間とインバータ回路9の加熱出力Pとの関係を示すグラフであり、(d)は(a)と経過時間軸を共通にし、経過時間と算出温度Tbの第1の所定時間幅Δt0前の算出温度Tbに対する温度上昇幅ΔTbとの関係を示すグラフである。 従来の誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。
 第1の発明は、調理容器を載置し赤外線が透過する材料で形成したトッププレートと、前記調理容器を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記トッププレートの下方に配置され前記調理容器の底面から放射した赤外線を検出する赤外線センサと、前記インバータ回路の加熱出力が設定された加熱出力になるようにすると共に前記赤外線センサの出力信号に基づき前記調理容器の底面温度を算出する温度算出部と、前記温度算出部により算出された算出温度が設定された制御温度を超えると加熱動作を停止するかまたは前記加熱出力を前記設定された加熱出力より低い加熱出力に低下させるように前記インバータ回路を制御する加熱制御部と、前記算出温度に基づき外乱光の影響の有無を判別する外乱光判別部と、を備え、
 前記加熱制御部は、前記算出温度が前記制御温度を超える場合に前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定すると、
 前記制御温度を前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定したときの前記算出温度よりも高い温度に変更する。
 この構成によると、赤外線センサに対する外乱光の影響がなく、算出温度が制御温度を越える場合は、制御温度を超えないようにインバータ回路の加熱出力が制御される。一方、調理容器の温度が低温であり、赤外線センサに対する外乱光の影響で算出温度が制御温度を越える場合は、設定された制御温度が外乱光の影響を受けないように、より高い制御温度へと変更される。このため、外乱光の影響がある場合でも調理容器の底面温度が低温である場合は、調理容器を加熱することが可能となり、外乱光の影響の有無にかかわらず、赤外線センサで鍋底の温度を精度良く検知して、調理容器の底面温度が設定された温度となるよう制御される。
 第2の発明は、特に、第1の発明の外乱光判別部において、前記算出温度が前記制御温度を超えかつ加熱動作を停止するか前記設定された加熱出力より低い加熱出力に低下させている場合に、前記算出温度の上昇勾配が所定上昇勾配を超えるとき、外乱光の影響が有ると判定する。
 この構成によると、簡単な構成で外乱光の有無の判別が精度良く可能となる。
 第3の発明は、特に、第2の発明の前記外乱光判別部において、前記算出温度が前記制御温度を超えかつ加熱動作を停止するか前記設定された加熱出力より低い加熱出力に低下させている場合に、第1の所定時間幅における前記算出温度の温度上昇幅を第3の所定時間幅経過する毎に測定し、前記温度上昇幅が第2の所定時間幅において連続して所定閾値を超えるとき、外乱光の影響が有ると判定する。
 この構成によると、簡単な構成で外乱光の有無の判別が精度良く可能となる。
 第4の発明は、特に、第1~3のいずれかひとつの発明の前記加熱制御部は、前記算出温度が前記制御温度を超える場合に、前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定すると、前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定したときの前記算出温度よりも所定値だけ高い温度に前記制御温度を変更する。
 この構成によると、外乱光の影響の大きさが検出して、外乱光の影響の大きさに基づいた制御温度の補正をすることができ、外乱光の有無にかかわらず調理容器を所望の温度に精度良く制御することが可能となる。
 第5の発明は、特に、第4の発明の加熱制御部は、前記算出温度が前記制御温度を超える場合に、前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定すると、前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定したときの前記算出温度と室温に相当する基準温度との差だけ前記制御温度よりも高い温度に前記制御温度を変更する。
 この構成によると、外乱光の影響の大きさが検出して、外乱光の影響の大きさに基づいた制御温度の補正をすることができ、外乱光の有無にかかわらず調理容器を所望の温度に精度良く制御することが可能となる。
 以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではない。
第1の実施形態.
 以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。
 図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る誘導加熱調理器は、調理容器2を載置し赤外線が透過する材料で形成したトッププレート1と、調理容器2を加熱する加熱コイル3と、加熱コイル3に高周波電流を供給するインバータ回路9と、トッププレートの下方に配置され調理容器2の底面から放射した赤外線を検出する赤外線センサ5と、インバータ回路9の加熱出力Pが設定された加熱出力P1になるようにすると共に赤外線センサ5が出力する赤外線検出信号6に基づき調理容器2の底面温度Taを算出する温度算出部11と、温度算出部11により算出された算出温度Tbが設定された制御温度Tを超えると加熱動作を停止するかまたは加熱出力Pを設定された加熱出力P1より低い加熱出力P2に低下させるようにインバータ回路9を制御する加熱制御部10と、算出温度Tbに基づき外乱光の影響の有無を判別する外乱光判別部12と、を備え、加熱制御部10は、算出温度Tbが制御温度を超える場合に外乱光判別部12が外乱光の影響が有ると判定すると、制御温度Tを外乱光判別部12が外乱光の影響が有ると判定したときの算出温度Tbよりも高い制御温度T1にする。
 また、本発明の第1の実施形態に係る誘導加熱調理器において、外乱光判別部12は、算出温度Tbが制御温度Tを超えかつ加熱動作を停止するか設定された加熱出力P1より低い加熱出力P2に低下させている場合に、算出温度Tbの上昇勾配mが所定上昇勾配m1を超えるとき、外乱光の影響が有ると判定する。ここで、勾配mとは所定の単位時間に対する算出温度の変化値であり、すなわち、算出温度の変化値を単位時間で除算した値をいう。また、加熱出力などの出力とは、パワー又は電力値をいう。
 また、本発明の第1の実施形態に係る誘導加熱調理器において、外乱光判別部12は、算出温度Tbが制御温度Tを超えかつ加熱動作を停止するか設定された加熱出力より低い加熱出力P2に低下させている場合に、第1の所定時間幅Δt0における算出温度Tbの温度上昇幅ΔTbを第3の所定時間幅Δt2経過する毎に測定し、温度上昇幅ΔTbが第2の所定時間幅Δt1において連続して所定閾値Aを超えるとき、外乱光の影響が有ると判定することを特徴とする誘導加熱調理器である。
 図1において、誘導加熱調理器は、使用者が加熱を行うための条件を入力する操作部4と、商用電源7から供給される交流電圧を直流電圧に変換する整流平滑部8を備えている。
 図6で示した従来の誘導加熱調理器20と同様、トッププレート1は、誘導加熱調理器の箱状の外郭(図示せず)の上面を形成する。調理容器2は、トッププレート1の上に載置される。そのとき、調理容器2は加熱コイル3と対向する位置に載置される。また、トッププレート1は赤外線が透過する結晶化セラミックスなどの耐熱性を有する電気絶縁物からなる。
 加熱コイル3は、同心円状に2分割され、直列に接続された外コイル3aと内コイル3bとからなる。そして、外コイル3aと内コイル3bの間には隙間が設けられる。後述するインバータ回路9から高周波電流が加熱コイル3へ供給され、その高周波電流により高周波磁界を発生させる。高周波磁界を受けた調理容器2の底面に渦電流が発生し、その渦電流によって発生するジュール熱により調理容器2が加熱される。
 赤外線センサ5は、トッププレート1の下方に設けられる。調理容器2の底面の半径方向の途中から放射した赤外線は、外コイル3aと内コイル3bとの間の隙間から下方に導かれ、赤外線センサ5は、この導かれた赤外線を受光するように設けられる。この位置においては、加熱コイル3の中央より加熱コイル3の高周波磁界が強いため、調理容器2の底面温度Taの略最高温度または加熱コイル3の中央よりも高い底面温度Taを検出することができる。調理容器2の底面から放射された赤外線は、トッププレート1へ入射し、透過した後、外コイル3aと内コイル3bとの間の隙間を通って、赤外線センサ5により受光される。赤外線センサ5は、受光した赤外線を検出し、検出した赤外線の量、すなわち、調理容器の底面温度Taに対応する赤外線検出信号6を温度算出部11へ出力する。
 誘導加熱調理器の本体内部には、商用電源7から供給される交流電圧を直流電圧に変換する整流平滑部8と、整流平滑部8から直流電圧を供給されて高周波電流を生成し、生成した高周波電流を加熱コイル3へ出力するインバータ回路9とが設けられている。
 整流平滑部8は、ブリッジダイオードで構成される全波整流器81と、全波整流器81の正極側出力端子に一端が接続されたチョークコイル82及びチョークコイル82の他端と全波整流器81の負極出力端子の間に接続された平滑コンデンサ83を含むローパスフィルタを有している。
 整流平滑部8の出力端子間に、インバータ回路9を構成するスイッチング素子91(本実施の形態では、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタである。)と加熱コイル3とが直列接続される。インバータ回路9は、スイッチング素子91に逆並列に接続されたダイオード92と、加熱コイル3と並列に接続された共振コンデンサ93とをさらに備える。インバータ回路9は、スイッチング素子91がオンオフすることによって、加熱コイル3と共振コンデンサ93の共振回路により発生した高周波電流を加熱コイル3へと供給する。
 トッププレート1には、使用者が操作する面には、複数のスイッチを含む操作部4が設けられている。例えば、使用者が加熱の開始及び停止などを誘導加熱調理器へ指示するための加熱開始停止スイッチ、調理容器の温度が制御温度(例えば、160℃、180℃)になるように自動制御する温度調節モードを選択するための自動温度調節機能選択スイッチ及び自動温度調節機能選択スイッチで温度調節モードが選択されて加熱をした時の調理容器の制御温度を指示する温度設定スイッチ(図示せず)などが操作部4に含まれる。
 加熱制御部10は、加熱が開始されると、設定された加熱出力である設定出力P1で加熱を開始し、操作部4から送信される制御温度Tと、温度算出部11の出力値である算出温度Tbを比較し、算出温度Tbが制御温度Tを越えるとスイッチング素子91をオフし、インバータ9の加熱動作を停止する。このように、操作部4で設定された制御温度Tを越えないように調理容器2の底面温度が制御される。なお、加熱制御部10は、算出温度Tbが制御温度Tを越えるとスイッチング素子91をオフしインバータ9の加熱動作を停止するようにすることに代え、算出温度Tbが制御温度Tを越えると、加熱出力Pを設定された加熱出力P1より小さい加熱出力P2に低下させ制御温度Tが算出温度Tb以下となるように制御するようにしてもよい。
 外乱光判別部12は、温度算出部11の出力値である算出温度Tbが制御温度Tを超え、加熱動作が停止しているかまたは加熱出力Pが設定出力P1より低い値に抑制されている場合の算出温度Tbの時間経過にともなう上昇勾配mの大きさ(以下、加熱出力Pの抑制時における算出温度Tbの上昇勾配mともいう。)に基づいて外乱光の有無を判別する。外乱光判別部12は、例えば、加熱出力Pの抑制時における算出温度Tbの上昇勾配mが所定上昇勾配m1を超えている場合に外乱光判別部12が外乱光有りと判定し、制御温度Tを制御温度Tより高い第2の制御温度T1に変更する。所定上昇勾配m1は、例えば、ゼロまたはゼロ近傍の負の値に設定することができる。
 以上のように構成された誘導加熱調理器について、その動作及び作用について以下説明する。
 使用者が操作部4により加熱の開始を指示すると、加熱制御部10はインバータ回路9を動作させて加熱コイル3に高周波電流を供給する。この高周波電流により加熱コイル3から高周波磁界が発生し、加熱コイル上のほぼ中央に置かれた調理容器2の加熱が開始する。
 赤外線センサ5が調理容器2の底面から放射される赤外線を検出し、検出した赤外線量に基づいた赤外線検出信号6を出力する。赤外線検出信号6を受けた温度算出部11は調理容器2の底面温度Taを算出する。
 加熱制御部10は、調理容器2の底面温度Taが操作部4で設定された設定温度Tsに制御されるように、インバータ回路9の加熱出力Pを制御する。加熱制御部10はインバータ制御回路9の出力を制御するためスイッチング素子91の駆動信号の導通時間を変更する。
 図2(a)は、図1の第1の実施形態に係る誘導加熱調理器の基本動作を説明するグラフであって、経過時間と調理容器2の底面温度Taとの関係を示すグラフであり、図2(b)は図2(a)に対応し、経過時間と温度算定部11の算出温度Tbとの関係を示すグラフであり、図2(c)は図2(a)に対応し、経過時間とインバータ回路9の加熱出力Pとの関係を示すグラフである。
 図2(a)と図2(c)には、時点t20においてインバータ回路9の加熱出力Pが予め設定された設定出力P1で加熱が開始されることが示されている。また、底面温度Taが設定温度Tsを超えると、インバータ回路9の加熱動作が停止し、底面温度Taが時点t22で設定温度Tsよりも下がるとインバータ回路9が設定出力P1で加熱動作を再開する。以降、底面温度Taは、時点t23において設定温度Tsを超え、時点t24において設定温度Tsを下回る。以後、このような制御が繰り返される。
 図2(b)には、図2(a)において説明した制御を実現するため、温度算出部11と加熱制御部10により行われる制御動作が示されている。すなわち、図2(b)には、調理容器1の底面温度Taに対応する算出温度Tbが、時点t20で加熱動作が開始された後、操作部4で設定された設定温度Tsに対応する制御温度Tになるよう制御されることが示されている。図2(a)において説明した制御動作と同様、算出温度Tbの曲線は一旦制御温度Tを超えた後、時点t22において算出温度Tbは制御温度Tを下回る。以降、時点t23において算出温度Tbは制御温度Tを超え、時点t24において制御温度Tを下回る。以後、同様である。
 図2(c)は、インバータ回路9の加熱出力Pと経過時間との関係を示したもので、図2(b)における算出温度Tbが制御温度Tよりも下回る期間、例えば、時点t20から時点t21の期間、時点t22から時点t23の期間、時点t24から時点t25の期間などは、インバータ回路9の加熱出力Pは加熱制御部10からの駆動信号により設定出力P1で加熱動作を行うように、インバータ回路9が駆動されることにより、加熱コイル3にスイッチング素子のオンオフ動作による高周波電流が流れ、調理容器2が発熱する。これに対して、算出温度Tbが制御温度Tよりも上回る期間、例えば、時点t21から時点t22の期間、時点t23から時点t24の期間、時点t25から時点t26の期間などは、スイッチング素子91はオフ状態となりインバータ回路9の加熱動作が停止するよう加熱制御部10は制御する。このようにインバータ回路9が加熱動作の停止と設定出力P1での加熱動作を繰り返すことにより調理容器2の底面温度Taが略設定温度Tsになるように制御される。なお、加熱動作を停止することに代え、調理容器2の底面温度Taを設定温度Tsより低い温度に素早く低下させるような低い加熱出力P2で動作させてもよい。
 次に、加熱開始前において調理容器2が常温であるにも関わらず調理容器2以外から来る赤外線の影響により算出温度Tbが制御温度T以上の場合について説明する。
 この条件の場合には、図2における動作説明を当てはめると、加熱を開始しても温度算出部11の算出温度Tbが制御温度T以上という関係が成立する。従って、加熱制御部10はインバータ回路9の加熱動作を開始せず高周波電流が加熱コイル3へ流れないため調理容器2は加熱されず常温のままとなるという課題を有することになる。
 以下に、当該課題を解決する方法について説明する。
 図3(a)は、図1の第1の実施形態に係る誘導加熱調理器2で加熱される調理容器2の底面温度Taと経過時間との関係を示すグラフである。図3(b)は図3(a)と経過時間軸を共通にし、経過時間と算出温度Tbの関係を示すグラフである。図3(c)は図3(a)と経過時間軸を共通にし、経過時間とインバータ回路9の加熱出力Pとの関係を示すグラフである。図3(d)は図3(a)と経過時間軸を共通にし、経過時間と算出温度Tbの第1の所定時間幅Δt0前の算出温度Tbに対する温度上昇幅ΔTbとの関係を示すグラフである。
 図3(a)には、時点t32において実際に加熱が開始されることが示されている。また、それ以降の調理容器2の底面温度Taの時間経過に伴う変化については図2(a)で説明したのと同様である。
 図3(b)及び図3(c)には、加熱開始(時点t32)から第1の所定時間幅Δt0(例えば、60秒)前である時点t30において、温度算出部11による算出温度Tbが制御温度T以上となっているため、操作部4において加熱開始命令が入力されているにもかかわらず、加熱が開始されないことが示されている。その後、時点t32以降において、制御温度Tが制御温度Tより所定温度高い制御温度T1へと変更される。制御温度T1が算出温度Tbを超える時点t32において、加熱が開始される。制御温度T1が算出温度Tbを越えない場合は制御温度T1より所定温度高い制御温度T2に変更される。このようにして制御温度Tは算出温度Tbを越えるまで高く変更され、加熱動作が開始される。以降の動作は図2(b)で説明したのと同様である。
 図3(c)は、インバータ回路9の加熱出力Pと経過時間との関係を示したものである。同図にしめされているように、図3(b)における算出温度Tbが制御温度T1よりも下回る期間、例えば、時点t32から時点t33の期間、時点t34から時点t35の期間などは、インバータ回路9が加熱状態である。これに対して、算出温度Tbが制御温度T1よりも上回る期間、例えば、時点t33から時点t34の期間、時点t35から時点t36の期間などは、インバータ回路9が加熱動作を停止する。
 図3(d)は、第1の所定時間幅Δt0経過前の値に対する算出温度Tbの温度上昇幅△Tbと経過時間との関係を示すものである。この図により、外乱光判別部12の外乱光の影響の有無の判定を説明する。加熱開始前である時点t30において、温度算出部11の算出温度Tbが制御温度T以上となる関係が成立するとき、外乱光判別部12は、時点t31より第1の所定時間幅Δt0以前の算出温度Tbを記憶しており、記憶した時点t31より第1の所定時間幅Δt0以前の算出温度Tbに対する時点t31の算出温度Tbの温度上昇幅△Tbを算出する。調理容器2以外から来る赤外線の量は調理容器2の底面温度Taに依存せず変化せず温度上昇幅△Tbはほぼゼロである。外乱光判別部12は、算出温度Tbが制御温度Tを超えかつ加熱動作を停止するか設定出力P1より低い加熱出力P2に低下させている場合に、第1の所定時間幅Δt0における算出温度Tbの温度上昇幅ΔTbを第3の所定時間幅Δt2(例えば、1秒)経過する毎に測定し、温度上昇幅△Tbが第2の所定時間幅Δt1(例えば、90秒)連続して閾値Aを超えると、この間における算出温度Tbの上昇勾配mが所定温度勾配m1を超えると判断し、外乱光判別部12は調理容器2以外からの赤外線の影響を受けていると判定することが示されている。なお、閾値Aはゼロ近傍の負の値を設定すると良い。外乱光判別部12の外乱光の影響があるとの判定をしたとき、図3(b)に示すように、外乱光判別部12は制御温度Tを、当該判定をしたときの算出温度Tbより高い制御温度T1へと変更する。
 上述したように、制御温度Tを、当該判定をしたときの算出温度Tbより高い制御温度T1へと変更することにより、温度算出部11の算出温度Tbが制御温度T1を下回り、温度算出部11の算出温度Tbが制御温度T1以上となるまで高周波電流が加熱コイル3へ供給される。
 以後、温度算出部11の算出温度Tbと制御温度T1との比較結果に基づいてインバータ回路9の加熱動作の開始と加熱動作の停止を繰り返し調理容器2の底面温度Taを制御する。
 ここにおいて、既述した制御温度T1は太陽光など想定される外乱光等が照射されたときの赤外線検出信号6への影響をあらかじめ実験により測定することにより決定することができる。例えば、通常使用状態において最大と考えられる外乱光を誘導加熱調理器に照射した場合の算出温度Tbより所定値だけ大きな値に制御温度T1を予め設定しておく。この場合の当該所定値は大きいほど外乱光の影響を受けにくくなるが制御温度Tとの差が大きくなり調理容器の底面温度Tsが設定温度より高くなるという課題があり、小さすぎると外乱光の影響を受けやすくなることを考慮し適宜設定することができる。
 次に、加熱開始前において調理容器2の温度が常温よりも高く調理容器2から来る赤外線の影響により算出温度Tbが制御温度T以上の場合について説明する。
 この条件の場合には、図2の動作説明を当てはめると、加熱を開始しても温度算出部11の算出温度Tbが制御温度T以上の関係が成立する。従って、加熱制御部10はインバータ回路9のスイッチング素子91を駆動せず高周波電流が加熱コイル3に入力されないため調理容器2は加熱されず放熱により温度が低下するという課題を有することとなる。
 以下に、当該課題を解決する方法について説明する。
 図4(a)は、図1の第1の実施形態に係る誘導加熱調理器の調理容器2において、経過時間と調理容器2の底面温度Taとの関係を示すグラフであり、図4(b)は図4(a)に対応し、経過時間と温度算定部11の算出温度Tbとの関係を示すグラフであり、図4(c)は図4(a)に対応し、経過時間とインバータ回路9の加熱出力Pとの関係を示すグラフであり、図4(d)は図4(a)に対応し、経過時間と算出温度Tbの第1の所定時間幅Δt0前の算出温度Tbに対する温度上昇幅ΔTbとの関係を示すグラフである。
 図4(a)には、加熱開始前の時点t40において調理容器2の底面温度Taが操作部4で設定された設定温度Tsを超えているため、加熱が開始されず、放熱により底面温度Taは時間が経過すると低下していくことが示されている。
 図4(b)には、温度算出部11による算出温度Tbは、加熱開始前の時点t40において、操作部4で設定された設定温度Tsに基づいた制御温度Tを超えているため、操作部4において加熱開始命令が入力されているにもかかわらず、加熱動作が開始されず、図4(a)で説明したように、算出温度Tbは時間が経過するに伴い放熱による下降曲線を描き、制御温度T以下となる時点t42において調理容器2の加熱が開始されることが示されている。それ以降の曲線の動きについては図2(b)で説明したのと同様である。
 図4(c)は、インバータ回路9の加熱出力Pと経過時間との関係を示したもので、図4(b)における算出温度Tbが制御温度T以下となる期間、例えば、時点t42から時点t43の期間、時点t44から時点t45の期間などは、インバータ回路9は設定出力P1で加熱動作をする。
 図4(d)は、第1の所定時間幅Δt0経過前の値に対する算出温度Tbの温度上昇幅△Tbと経過時間との関係を示すものである。この図により、外乱光判別部12の外乱光の影響の有無の判定動作を説明する。加熱開始前の時点t40において、算出温度Tbが制御温度T以上の関係が成立するとき、外乱光判別部12は、時点t40から第1の所定時間幅Δt0後(時点t41)までの算出温度Tbの温度上昇幅△Tbを算出する。温度上昇幅△Tbが負の値の閾値Aを下回る負の値となるとき、外乱光判別部12は調理容器2以外からの赤外線の影響を受けていないと判定し制御温度Tは変更しないことが示されている(図4(c)参照)。
 上述した第1の実施形態の構成によると、加熱開始前に算出温度Tbが制御温度T以上となっている場合でも、外乱光判別部12に基づく外乱光の有無を判定し、外乱光判別部12が「外乱光無し」と判定したら、制御温度Tを変更せず、外乱光判別部12が「外乱光有り」と判定したら、制御温度Tを外乱光の影響を受けないように高めの制御温度T1へと変更する補正を行うことができるため、外乱光の有無にかかわらず加熱を開始し調理容器2の温度調節を精度良く行うことが可能となる。また、加熱動作開始前の赤外線センサ5の出力の時間経過に対する温度変化の勾配を判定することにより外乱光の有無の判定を精度良く行うことが可能となる。
第2の実施形態.
 以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第2の実施形態に係る誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。図2(a)は、図1の第2の実施形態に係る誘導加熱調理器の基本動作を説明するグラフであって、経過時間と調理容器2の底面温度Taとの関係を示すグラフであり、図2(b)は図2(a)に対応し、経過時間と温度算定部11の算出温度Tbとの関係を示すグラフであり、図2(c)は図2(a)に対応し、経過時間とインバータ回路9の加熱出力Pとの関係を示すグラフである。
 なお、第1の実施形態と同様の構成物とその動作については説明を省略する。
 本発明の第2の実施形態に係る誘導加熱調理器は、次の特徴構成を有する点において第1の実施形態に係る誘導加熱調理器と異なっている。すなわち、本実施形態に係る誘導加熱調理器においては、加熱制御部10は、算出温度Tbが制御温度Tを超える場合に、外乱光判別部12が「外乱光の影響が有る」と判定すると、外乱光判別部12が外乱光の影響が有ると判定したときの算出温度Tbよりも所定値だけ高い温度に制御温度を変更することを特徴とする。
 また、本実施形態に係る誘導加熱調理器においては、加熱制御部10は、算出温度Tbが制御温度Tを超える場合に、外乱光判別部12が外乱光の影響が有ると判定すると、外乱光判別部12が外乱光の影響が有ると判定したときの算出温度Tbである算出温度T0と室温に相当する基準温度Tatとの差(T0-Tat)だけ制御温度よりも高い温度に制御温度Tを変更する。
 図5(a)は、図1の第2の実施形態に係る誘導加熱調理器で加熱される調理容器2の底面温度Taと経過時間との関係を示すグラフである。図5(b)は図5(a)と経過時間軸を共通にし、経過時間と算出温度Tbの関係を示すグラフである。図5(c)は図5(a)と経過時間軸を共通にし、経過時間とインバータ回路9の加熱出力Pとの関係を示すグラフであり、図5(d)は図5(a)と経過時間軸を共通にし、経過時間と算出温度Tbの第1の所定時間幅Δt0前の算出温度Tbに対する温度上昇幅ΔTbとの関係を示すグラフである。
 図5(a)には、実際に加熱動作が開始される前の時点t50において、操作部4において加熱命令が入力されており、調理容器2の底面温度Taは操作部4で設定された温度Tsを下回っているにも関わらず加熱が開始されず、時点t52において加熱が開始されることが示されている。加熱開始後の動作については図2(b)及び図3(b)で説明したのと同様である。
 図5(b)には、加熱開始前の時点t50においては、調理容器2以外から来る赤外線の影響で算出温度Tbが制御温度T以上となっているため、加熱が開始されないことが示されている。また、外乱光有りと判定した時点t52において制御温度Tがより高い制御温度T2へと変更されることにより加熱が開始されることが示されている。なお、時点t52における算出温度Tbの値である算出温度T0に関する説明及び制御温度T2に関する説明は図5(d)において記述する。
 図5(c)は、インバータ回路9の加熱出力Pと経過時間との関係を示したもので、図5(b)における算出温度Tbが制御温度Tよりも高い制御温度T2よりも下回る期間にインバータ回路9は加熱状態となることが示されている。即ち、時点t52で調理容器2への加熱が開始され時点t53で加熱が停止されることが示されている。
 図5(d)は、第1の所定時間幅Δt0経過前の値に対する算出温度Tbの温度上昇幅△Tbと経過時間との関係を示すものである。この図により、外乱光判別部12の外乱光の影響の有無の判定動作を説明する。加熱開始前の時点t50において、算出温度Tbが制御温度T以上の関係が成立するとき、外乱光判別部12は、時点t50から第1の所定時間幅Δt0後(時点t51)までの当該算出温度Tbの温度上昇幅△Tbを算出する。調理容器2以外から来る赤外線の量は通常変化しないので、調理容器2以外からの赤外線の影響を受けている場合には温度上昇幅△Tbはほぼゼロである。外乱光判別部12は、算出温度Tbが制御温度Tを超えかつ加熱動作を停止するか設定出力P1より低下させている場合に、第1の所定時間幅Δt0における算出温度Tbの温度上昇幅ΔTbを第3の所定時間幅Δt2(例えば、1秒)経過する毎に測定し、温度上昇幅△Tbが第2の所定時間幅Δt1(例えば、90秒)連続して閾値Aを超えると、外乱光判別部12は調理容器2以外からの赤外線の影響を受けていると判定する。なお、閾値Aはゼロ近傍の負の値を設定すると良い。その結果、図5(b)に示すように、制御温度Tがより高い制御温度T2へと変更される。また、制御温度T2は、外乱光の影響有りと判定した時点t52の温度算出部11による算出温度Tbの値である算出温度T0と基準温度Tatとの差により算出される。ここで、基準温度Tatは室温をサーミスタ等で計測しても良いし、平均的な室温を設定しても良い。制御温度Tを(T0-Tat)だけ高い制御温度T2(=T+(T0-Tat))とすることにより、温度算出部11の算出温度Tbは制御温度T2よりも下回ることとなり、時点t52において加熱が開始される。即ち、図5(b)及び図5(c)に示すように、温度算出部11の算出温度Tbが制御温度T2以上となるまで、インバータ回路9は加熱動作をおこない、調理容器2が加熱される。以後、温度算出部11の算出温度Tbと制御温度T2の比較結果に基づいてインバータ回路9は加熱動作と加熱停止を繰り返し調理容器2の底面温度Taを制御する。
 上述した第2の実施形態の構成によると、調理容器2以外から来る赤外線の影響の大きさに応じた制御温度T2を決定することができるため調理容器2の底面温度Taの温度制御の精度をより高めることが可能となる。
 なお、第1の実施形態及び第2の実施形態においては、インバータ回路9として電圧共振型の1石式インバータを用いたが、これに限定されるものではなく、電流共振型のものでもよい。また、インバータ回路9は、2石式のハーフブリッジインバータや4石式のフルブリッジインバータなど複数のスイッチング素子を備えた誘導加熱に採用されうるインバータ回路であればよい。
 以上詳述したように、本発明に係る誘導加熱調理器によれば、調理容器以外から来る赤外線の影響があっても調理容器を設定した温度に精度良く調節して加熱することができ、一般家庭などで使用される加熱調理機器として有用である。
 1、14 トッププレート、
 2、13 調理容器、
 3、17 加熱コイル、
 3a 外コイル、
 3b 内コイル、
 4 操作部、
 5、15 赤外線センサ、
 6 赤外線検出信号、
 7 商用電源、
 8 整流平滑部、
 81 全波整流器、
 82 チョークコイル、
 83 平滑コンデンサ、
 9 インバータ回路、
 91 スイッチング素子、
 92 ダイオード、
 93 共振コンデンサ、
 10 加熱制御部、
 11 温度算出部、
 12 外乱光判別部、
 16 温度検出部、
 18 加熱制御部、
 19 入力部、
 20 誘導加熱調理器、
 21 赤外線、
 22 出力信号、
 23 太陽光(外乱光)、
 24 制御信号、
 T、T2 制御温度、
 T0 時間t52における算出温度、
 Ta 調理容器2の底面温度、
 Tat 基準温度、
 Tb 算出温度、
 m 算出温度の上昇勾配、
 m1 所定上昇勾配、
 Ts 設定温度、
 P 加熱出力、
 P1 設定出力、
 P2 低下した加熱出力、
 ΔTb 算出温度Tbの所定時間幅Δt0前の算出温度Tbに対する温度上昇幅、
 Δt0 第1の所定時間幅、
 Δt1 第2の所定時間幅、
 Δt2 第3の所定時間幅。

Claims (5)

  1.  調理容器を載置し赤外線が透過する材料で形成したトッププレートと、前記調理容器を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記トッププレートの下方に配置され前記調理容器の底面から放射した赤外線を検出する赤外線センサと、前記インバータ回路の加熱出力が設定された加熱出力になるようにすると共に前記赤外線センサの出力信号に基づき前記調理容器の底面温度を算出する温度算出部と、前記温度算出部により算出された算出温度が設定された制御温度を超えると加熱動作を停止するかまたは前記加熱出力を前記設定された加熱出力より低い加熱出力に低下させるように前記インバータ回路を制御する加熱制御部と、前記算出温度に基づき外乱光の影響の有無を判別する外乱光判別部と、を備え、
     前記加熱制御部は、前記算出温度が前記制御温度を超える場合に前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定すると、
     前記制御温度を前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定したときの前記算出温度よりも高い温度に変更することを特徴とする誘導加熱調理器。
  2.  前記外乱光判別部は、前記算出温度が前記制御温度を超えかつ加熱動作を停止するか前記設定された加熱出力より低い加熱出力に低下させている場合に、前記算出温度の経過時間に対する上昇勾配が所定上昇勾配を超えるとき、外乱光の影響が有ると判定することを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  3.  前記外乱光判別部は、前記算出温度が前記制御温度を超えかつ加熱動作を停止するか前記設定された加熱出力より低い加熱出力に低下させている場合に、第1の所定時間幅における前記算出温度の温度上昇幅を第3の所定時間幅経過する毎に測定し、前記温度上昇幅が第2の所定時間幅において連続して所定閾値を超えるとき、外乱光の影響が有ると判定することを特徴とする請求項2記載の誘導加熱調理器。
  4.  前記加熱制御部は、前記算出温度が前記制御温度を超える場合に、前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定すると、前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定したときの前記算出温度よりも所定値だけ高い温度に前記制御温度を変更することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
  5.  前記加熱制御部は、前記算出温度が前記制御温度を超える場合に、前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定すると、前記外乱光判別部が外乱光の影響が有ると判定したときの前記算出温度と室温に相当する基準温度との差だけ前記制御温度よりも高い温度に前記制御温度を変更することを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱調理器。
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