WO2011158646A1 - レーザ発生装置及びレーザ発生方法 - Google Patents

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Abstract

 本発明は、レーザ発生装置及びレーザ発生方法に関する。基本波と共に第2高調波,第3高調波を含むレーザ光を、ダイクロイックミラー31,32によって波長毎のレーザ光L1~L3に分離する。そして、レーザ光L1~L3それぞれを、偏光ビームスプリッタ51(L1)~51(L3)によってP偏光成分L1P~L3PとS偏光成分L1S~L3Sとに分離する。偏光ビームスプリッタ51(L1)~51(L3)で反射したS偏光成分L1S~L3Sを、一対の全反射ミラー42(L1)~42(L3),43(L1)~43(L3)によって、P偏光成分L1P~L3Pに直交する方向に屈折させる。そして、P偏光成分L1P~L3PとS偏光成分L1S~L3Sとを、偏光ビームスプリッタ52(L1)~52(L3)で波長毎に同一光軸上に合成する。更に、偏光成分を合成した波長毎のレーザ光L1~L3を、ダイクロイックミラー33,34によって同一光軸上に合成して出力する。これにより、レーザ光を無駄なく利用でき、かつ、所期の波形のレーザ光を容易に得られ、しかも、複数の波長のレーザ光をそれぞれにパルス幅を延ばした上で出射させることができる。

Description

レーザ発生装置及びレーザ発生方法
 本発明は、レーザ発生装置及びレーザ発生方法に関し、詳しくは、分離させたレーザ光の間に光路長差をつけてから合成することで、レーザ光のパルス幅を延ばすレーザ発生装置及びレーザ発生方法に関する。
 従来から、パルスレーザ光を、光路長が異なる光路に分離し、その後、分離されたパルス光を合成して、時間的パルス幅を任意に変えるように波形整形するパルス照射装置が知られている。
 例えば、特許文献1に開示される装置では、第1ハーフミラーでレーザ光を2つのレーザ光に分離し、第1ハーフミラーで反射して進むレーザ光を、一対の全反射ミラーで、第1ハーフミラーを透過して進むレーザ光に直交する方向に向きを屈折させ、前記2つのレーザ光が交差する点に配置した第2ハーフミラーで、2つのレーザ光を合成させている。
 また、特許文献2に開示される装置では、レーザ光を、偏光ビームスプリッタに入射させ、s偏光成分を反射させる一方、p偏光成分を透過させ、s偏光成分を、一対の全反射ミラーによって迂回させた後、偏光ビームスプリッタで再び同一光路上に戻すことで、光路長さが異なる2つのレーザ光を合成させている。
特開平11-074216号公報 特開2005-224827号公報
 しかし、特許文献1のように、ハーフミラー(ビームスプリッタ)で2つのレーザ光を合成させる場合、2つのレーザ光それぞれが、更に透過光と反射光とに分離されるため、実際には異なる方向に進む2つの合成光が発生することになり、半分の光を利用できなくなってしまう。
 即ち、ハーフミラーに入射する2つのレーザ光は、それぞれに透過光と反射光とに分離され、一方のレーザ光の透過光と他方のレーザ光の反射光とが合成され、また、一方のレーザ光の反射光と他方のレーザ光の透過光とが合成され、2つの合成光は2方向に分かれて出射することになるため、いずれか一方の合成光を利用することになってしまい、他方の合成光を利用できない。
 そこで、特許文献1のものでは、光路外に逃げる一部のレーザ光を一対の全反射ミラーを用いて光路に還流させているが、係る構成の場合、最終的な合成パルス光が、還流を行わない場合のパルス光とは異なった波形になってしまうという問題があった。
 また、例えばレーザ光を用いたアニール処理などでは、複数波長のレーザ光をそれぞれにパルス幅を延ばした上で照射させたい場合があるが、特許文献2の装置は、単一波長のレーザ光のパルス幅を延ばす装置であるため、前述の照射パターンの要求に対応することができないという問題があった。
 そこで、本発明は、このような問題点に対処し、分離したレーザ光間に光路長差を与えて合成することでレーザ光のパルス幅(発光時間)を延ばすレーザ発生装置及びレーザ発生方法において、レーザ光を無駄なく利用でき、かつ、所期の波形のレーザ光を容易に得られ、しかも、複数の波長のレーザ光をそれぞれにパルス幅を延ばした上で出射させることができるようにすることを目的とする。
 上記目的を達成するために、本発明に係るレーザ発生装置は、複数波長のレーザ光を、波長に応じて分離する分離用波長変換ユニットと、前記波長毎のレーザ光を合成して、前記複数波長のレーザ光を出射する合成用波長変換ユニットと、を備えると共に、レーザ光を、偏光成分に応じて分離する分離用偏光変換ユニットと、前記分離用偏光変換ユニットが分離した複数の偏光成分を合成する合成用偏光変換ユニットと、前記分離用偏光変換ユニットが分離した偏光成分のうちの少なくとも1つを、他の偏光成分に対して光路長差を与えて前記合成用偏光変換ユニットに導く光路長差付与ユニットと、の組み合わせを、前記分離用波長変換ユニットが分離する波長毎に備え、前記分離用波長変換ユニットが分離した各波長のレーザ光それぞれを、前記分離用偏光変換ユニットで偏光成分に分離し、前記合成用偏光変換ユニットが合成した波長毎のレーザ光を前記合成用波長変換ユニットで合成するようにした。
 このような構成では、分離した波長毎に、偏光成分に応じた分離、光路長差の付与、光路長差を与えた偏光成分の合成が行われ、最終的に、パルス幅を延ばした波長毎のレーザ光を合成する。
 ここで、前記分離用波長変換ユニット及び合成用波長変換ユニットによって、各波長のレーザ光の間に光路長差を与え、該光路長差に応じて各波長のレーザ光を前記合成用波長変換ユニットから順次出射させることができる。
 このような構成では、パルス幅を延ばしたレーザ光が、異なる波長毎に時間差をもって出射されることになり、光路長差の設定によって波長毎の出射順を選択できる。
 また、単一波長のレーザ光を発生するレーザ発振ユニットと、前記単一波長のレーザ光を波長変換して高調波を発生する高調波発生ユニットと、を更に備えることができる。
 そして、前記レーザ発振ユニットを、基本波長が1064nmのレーザ光を発生するYAGレーザとし、前記高調波発生ユニットが、第2高調波を発生するSHG結晶及び第3高調波を発生するTHG結晶を含み、少なくとも1064nm、532nm、355nmの波長のレーザ光を出力することができる。
 更に、前記分離用波長変換ユニットで分離した基本波長のレーザ光の光路途中に、前記基本波長と同じ発振波長のレーザ発振ユニットを備えることができる。
 このような構成では、分離用波長変換ユニットで分離した基本波長のレーザ光の出力が、光路途中で増強できる。
 また、前記分離用波長変換ユニット及び合成用波長変換ユニットを、ダイクロイックミラー又はダイクロイックプリズムで構成でき、更に、前記分離用波長変換ユニット及び合成用波長変換ユニットが、透過・反射させる波長が相互に異なる複数のダイクロイックミラー又はダイクロイックプリズムを備え、この複数のダイクロイックミラー又はダイクロイックプリズムのうちの1つを光路上に選択的に設置するようにできる。
 また、前記分離用偏光変換ユニット及び合成用偏光変換ユニットを、偏光ビームスプリッタで構成でき、更に、前記光路長差付与ユニットを、全反射ミラーで構成できる。
 更に、前記光路長差付与ユニットを、幾何学的光路長を他に比べて長くした偏光成分の光路上に高屈折率光学媒質を配置して構成することができる。このような構成では、光路上に高屈折率光学媒質を配置することで、幾何学的光路長よりも光学的光路長をより長くでき、より大きな光路長差を与えることができる。
 また、本発明に係るレーザ発生装置は、基本波と共に少なくとも1つの高調波を含むレーザ光を、波長毎に分離する分離用のダイクロイックミラーと、各波長のレーザ光それぞれを2つの偏光成分に分離する分離用の偏光ビームスプリッタと、前記分離用の偏光ビームスプリッタで反射した偏光成分の光路を、前記分離用の偏光ビームスプリッタを透過した偏光成分に交差する方向に屈折させる一対の全反射ミラーと、前記分離用の偏光ビームスプリッタを透過した偏光成分と、前記分離用の偏光ビームスプリッタで反射し前記全反射ミラーで光路が屈折された偏光成分とを、同一光軸上に合成する合成用の偏光ビームスプリッタと、前記合成用の偏光ビームスプリッタで合成した波長毎のレーザ光を、同一光軸上に合成する合成用のダイクロイックミラーと、を含む。
 このような構成では、ダイクロイックミラーでレーザ光を波長に応じて分離し、波長毎のレーザ光は、それぞれに偏光ビームスプリッタによって2つの偏光成分に分離される。偏光ビームスプリッタで反射した偏光成分は、一対の全反射ミラーで反射することで、偏光ビームスプリッタを透過した偏光成分よりも長い光路を進み、光路長差が与えられた2つの偏光成分を偏光ビームスプリッタで合成し、更に、偏光成分を合成して得た波長毎のレーザ光を、合成用のダイクロイックミラーで合成する。
 また、本発明に係るレーザ発生方法は、基本波と共に少なくとも1つの高調波を含むレーザ光を、波長毎に分離するステップと、各波長のレーザ光それぞれを偏光成分に応じて分離するステップと、分離した偏光成分間に光路長差を与えるステップと、光路長差を与えた偏光成分を合成するステップと、偏光成分を合成した波長毎のレーザ光を合成するステップと、を含む。
 このような構成では、基本波と共に少なくとも1つの高調波を含むレーザ光を波長毎に分離し、分離した各波長のレーザ光それぞれを偏光成分に応じて分離し、分離した各偏光成分について光路長差を与えた上で合成し、この偏光成分を合成した後の波長毎のレーザ光を合成する。
 本発明に係るレーザ発生装置及びレーザ発生方法によれば、偏光成分の振動方向の違いを利用した偏光変換(反射・透過)によって、光路長差(位相差)を与えたレーザ光を合成できるため、合成後のレーザ光を1方向に出射させることが可能となり、光路長差を与えパルス幅を延ばしたレーザ光の利用効率を高めることができると共に、光路外へのレーザ光の逃げ出しが発生しないので、利用効率を確保するための還流が不要となり、還流による波形の変化を回避できる。
 更に、複数波長のレーザ光を、波長に応じて分離した後、偏光成分に分離して光路長差を与えて合成し、偏光成分を合成した後の各波長のレーザ光を合成するので、各波長のレーザ光のパルス幅を延ばし、かつ、各波長間での光路長差の設定によって、各波長のレーザ光の出射順を任意に設定できる。
本発明の実施形態におけるレーザアニール装置を示すブロック図である。 本発明に係るレーザ発生装置の第1実施形態を示す構成図である。 本発明に係るレーザ発生装置の第2実施形態を示す構成図である。 本発明に係るレーザ発生装置の第3実施形態を示す構成図である。 本発明に係るレーザ発生装置の第4実施形態を示す構成図である。 本発明に係るレーザ発生装置の第5実施形態を示す構成図である。
 以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
 図1は、本発明に係るレーザ発生装置を含み、また、本発明に係るレーザ発生方法を適用する、レーザアニール装置を示すブロック図である。
 図1に示すレーザアニール装置1は、基板2上に形成した半導体膜(図示省略)にレーザ光3を照射して、半導体膜を溶融・固化させることにより結晶化させるものであり、例えば、アモルファスシリコン膜をレーザ光の照射によってポリシリコン化するレーザアニールを行う。
 レーザアニール装置1は、レーザ発生装置4と、レーザ発生装置4からのレーザ光を整形し、半導体膜の表面に例えば線状ビームとして集光させるビーム整形光学系5と、基板2を載せる基板ステージ6とを備える。
 レーザ発生装置4は、レーザ光源としてのYAGレーザ(レーザ発振ユニット)11、第2高調波を発生するSHG結晶12(高調波発生ユニット)、第3高調波を発生するTHG結晶13(高調波発生ユニット)、更に、レーザ光のパルス幅を延ばすパルス幅延長器14を備える。
 YAGレーザ11は、YAGロッドとフラッシュランプとの組み合わせで構成される、発振波長が1064nmの固体レーザであり、また、SHG結晶12は、基本波長λの1/2である532nmの波長のレーザ光(第2高調波)を発生させ、THG結晶13は、基本波長の1/3である355nmの波長のレーザ光(第3高調波)を発生させ、パルス幅延長器14に、波長が1064nm,532nm,355nmのレーザ光を出射する。但し、レーザ光源を、YAGレーザ11に限定するものではなく、例えば、エキシマレーザなどの他の固体レーザであっても良く、従って、レーザ光の基本波長λを1064nmに限定するものでもない。
 パルス幅延長器14は、図2に示すように、ダイクロイックミラー31~34、偏光ビームスプリッタ51,52、全反射ミラー41~44などの光学素子を備える。
 図2において、THG結晶13からの1064nm,532nm,355nmの波長を含むレーザ光LS(基本波,第2高調波,第3高調波の合成波)は、鏡面を斜め45degに傾けてレーザ光LSの光軸上に配置した第1ダイクロイックミラー31(分離用波長変換ユニット)に入射する。尚、ダイクロイックミラー31~34に代えて、ダイクロイックプリズムを用いてもよい。
 第1ダイクロイックミラー31は、波長355nm以下の光(レーザ光L3;第3高調波)を透過させ、355nmよりも長い波長の光(1064nm,532nmのレーザ光L1,L2;基本波,第2高調波)を反射させる特性のものである。
 従って、第1ダイクロイックミラー31に入射する3つの波長1064nm,532nm,355nmのレーザ光LSのうち、波長355nmのレーザ光L3は、第1ダイクロイックミラー31を透過して直進する一方、波長1064nm,532nmのレーザ光L1,L2は、第1ダイクロイックミラー31の鏡面に対し入射角45degで入射して反射し、レーザ光L1,L2は、第1ダイクロイックミラー31に対する入射方向に対して90degだけ屈折して進む。
 これにより、1064nm,532nm,355nmの波長を含むレーザ光LSは、波長355nmのレーザ光L3と、波長1064nm,532nmのレーザ光L1,L2との2つの光束に分離する。
 第1ダイクロイックミラー31で反射したレーザ光L1,L2の光軸上であって、かつ、第1ダイクロイックミラー31に対して鏡面が平行になるように、第2ダイクロイックミラー32(分離用波長変換ユニット)を配置してあり、第1ダイクロイックミラー31で反射したレーザ光L1,L2は、第2ダイクロイックミラー32に入射する。
 第2ダイクロイックミラー32は、波長1064nm以上の光(レーザ光L1;基本波)を透過させ、1064nmよりも短い波長の光(波長532nmのレーザ光L2;第2高調波)を反射させる特性のものである。
 従って、第2ダイクロイックミラー32に入射する2つの波長1064nm,532nmのレーザ光L1,L2のうち、波長1064nmのレーザ光L1は、第2ダイクロイックミラー32を透過して、第1,第2ダイクロイックミラー31,32の配列方向に沿って直進する一方、波長532nmのレーザ光L2は、第2ダイクロイックミラー32の鏡面に対し入射角45degで入射して反射し、レーザ光L2は、第2ダイクロイックミラー32に対する入射方向に対して90degだけ屈折し、図2で右側に向けて、即ち、第1ダイクロイックミラー31に対するレーザ光LSの入射方向と平行に進む。
 これにより、第2ダイクロイックミラー32において、波長1064nmのレーザ光L1と、波長532nmのレーザ光L2との2つの光束に分離する。
 また、第2ダイクロイックミラー32を透過したレーザ光L1の光軸上であって、かつ、第1ダイクロイックミラー31及び第2ダイクロイックミラー32に対して鏡面が平行になるように、第1全反射ミラー41を配置してあり、第2ダイクロイックミラー32を透過したレーザ光L1は、第1全反射ミラー41の鏡面に対して45degの入射角で入射して反射し、レーザ光L1は、第1全反射ミラー41に対する入射方向に対して90degだけ屈折し、図2で右側に向けて、即ち、第1ダイクロイックミラー31に対するレーザ光LSの入射方向と平行に進む。
 上記のように、第1ダイクロイックミラー31及び第2ダイクロイックミラー32(分離用波長変換ユニット)における透過・反射によって、3つの波長1064nm,532nm,355nmを含むレーザ光LSが、波長1064nm(基本波長)のレーザ光L1(基本波)と、波長532nmのレーザ光L2(第2高調波)と、波長355nmのレーザ光L3(第3高調波)との3つの光束に分離する。
 更に、第1ダイクロイックミラー31を透過したレーザ光L3と、第2ダイクロイックミラー32で反射したレーザ光L2と、第1全反射ミラー41で反射した波長1064nmのレーザ光L1とは、相互に平行でかつ同一方向(図2で右側)に進むレーザ光となる。
 このようにして、波長毎に3つの光束に分離したレーザ光L1,L2,L3それぞれのパルス幅を、偏光ビームスプリッタ51,52及び全反射ミラー42,43を用いて延ばす処理を施す。
 係るパルス幅を延ばす処理では、分離用の偏光ビームスプリッタ51(分離用偏光変換ユニット)によって偏光成分に応じてレーザ光を2つに分離し、分離した偏光成分のうちの一方を、全反射ミラー42,43を用いて他方よりも長い光路上に進ませることで、光路長差(位相差)をつけた後に、合成用の偏光ビームスプリッタ52(合成用偏光変換ユニット)を用いて合成させる。
 具体的には、第1ダイクロイックミラー31を透過したレーザ光L3の光軸上に、偏光膜が第1ダイクロイックミラー31の鏡面と平行になるように、第1偏光ビームスプリッタ51(L3)を配置してある。
 尚、偏光ビームスプリッタ51,52としては、例えば、45deg直角プリズムの斜面に偏光膜をコーティングして接着した立方体状のものを用いることができる。
 第1ダイクロイックミラー31を透過したレーザ光L3は、入射角45degで第1偏光ビームスプリッタ51(L3)の偏光膜に入射し、レーザ光L3のP偏光成分L3Pは第1偏光ビームスプリッタ51(L3)を透過して進む一方、レーザ光L3のS偏光成分L3Sは第1偏光ビームスプリッタ51(L3)で反射し、S偏光成分L3Sは、第1偏光ビームスプリッタ51(L3)の偏光膜に対する入射方向に対して90degだけ屈折し、図2で下方向に進む。これにより、波長355nmのレーザ光L3は、第1偏光ビームスプリッタ51(L3)によって、P偏光成分L3PとS偏光成分L3Sとの2つの光束に分離する。
 第1偏光ビームスプリッタ51(L3)で反射したS偏光成分L3Sの光軸上であって、かつ、第1偏光ビームスプリッタ51(L3)の偏光膜と鏡面が平行になるように、第2全反射ミラー42(L3)を配置してある。
 これにより、第1偏光ビームスプリッタ51(L3)で反射したS偏光成分L3Sは、第2全反射ミラー42(L3)に45degの入射角で入射して反射し、第2全反射ミラー42(L3)に対する入射方向に対して90degだけ屈折し、図2で右側に向けて、即ち、第1偏光ビームスプリッタ51(L3)に対するレーザ光L3の入射方向と平行に進む。
 また、第2全反射ミラー42(L3)で反射したS偏光成分L3Sの光軸上に、第2全反射ミラー42(L3)に対して鏡面が線対称となるように、第3全反射ミラー43(L3)を設けてある。
 これにより、第2全反射ミラー42(L3)で反射したレーザ光L3のS偏光成分L3Sは、第3全反射ミラー43(L3)に45degの入射角で入射して反射し、第3全反射ミラー43(L3)に対する入射方向に対して90degだけ屈折し、図2で上方に向けて、即ち、第1偏光ビームスプリッタ51(L3)を透過したレーザ光L3のP偏光成分L3Pの光軸に直交(交差)する方向に進む。
 第1偏光ビームスプリッタ51(L3)を透過したレーザ光L3のP偏光成分L3Pと、第3全反射ミラー43(L3)で反射したレーザ光L3のS偏光成分L3Sとが交差する位置に、偏光膜が第3全反射ミラー43(L3)の鏡面と平行になるように、第2偏光ビームスプリッタ52(L3)(合成用偏光変換ユニット)を配置してある。
 第2偏光ビームスプリッタ52(L3)では、第1偏光ビームスプリッタ51(L3)を透過したレーザ光L3のP偏光成分L3Pがそのまま透過する一方、第3全反射ミラー43(L3)で反射したレーザ光L3のS偏光成分L3Sは、第2偏光ビームスプリッタ52(L3)に入射角45degで入射して反射することで、90degだけ屈折し、P偏光成分L3Pの光軸と平行な方向に進むようになり、結果、レーザ光L3のS偏光成分L3SとP偏光成分L3Pとが合成されて出射される。
 ここで、S偏光成分L3Sは、P偏光成分L3Pと分離された後、一対の全反射ミラー42(L3),43(L3)(光路長差付与ユニット)によって反射する光路を経由して、再度P偏光成分L3Pに合成されるので、第1偏光ビームスプリッタ51(L3)と第2全反射ミラー42(L3)との距離D1(D1=第3全反射ミラー43(L3)と第2偏光ビームスプリッタ52(L3)との距離)の2倍だけ、S偏光成分L3Sの幾何学的光路長は、P偏光成分L3Pよりも長い。
 このため、第2偏光ビームスプリッタ52(L3)においてS偏光成分L3SとP偏光成分L3Pとを合成するときに、S偏光成分L3Sは、P偏光成分L3Pに対して位相が遅れていて、合成後のレーザ光L3パルス幅が、第1偏光ビームスプリッタ51(L3)に対するレーザ光L3の入射時におけるパルス幅よりも位相差分(光路長差分)だけ延びることになる。
 換言すれば、第2偏光ビームスプリッタ52(L3)からは、レーザ光L3のP偏光成分L3Pと、該P偏光成分L3Pよりも位相が遅れたレーザ光L3のS偏光成分L3Sとが、同一光軸上に合成されて出力される。
 上記のように、第1偏光ビームスプリッタ51,第2偏光ビームスプリッタ52,第2全反射ミラー42,第3全反射ミラー43の組み合わせによってパルス幅を延ばす光学系が、第2ダイクロイックミラー32で反射する波長532nmのレーザ光L2を処理する光学系、及び、第1全反射ミラー41で反射する波長1064nmのレーザ光L1を処理する光学系として、それぞれに設けてある。
 即ち、第2ダイクロイックミラー32で反射した波長532nmのレーザ光L2は、第1偏光ビームスプリッタ51(L2)でP偏光成分L2PとS偏光成分L2Sとに分離される。
 そして、S偏光成分L2Sは、一対の全反射ミラー42(L2),43(L2)で反射して迂回光路を進み、直進するP偏光成分L2Pとの間に光路長差(位相差)が付与された後、第2偏光ビームスプリッタ52(L2)でS偏光成分L2SとP偏光成分L2Pとが合成され、第2偏光ビームスプリッタ52(L2)から、パルス幅が延びたレーザ光L2が出射される。
 同様に、第1全反射ミラー41で反射した波長1064nmのレーザ光L1は、第1偏光ビームスプリッタ51(L1)でP偏光成分L1PとS偏光成分L1Sとに分離される。そして、S偏光成分L1Sは、一対の全反射ミラー42(L1),43(L1)で反射して迂回光路を進み、直進するP偏光成分L1Pとの間に光路長差(位相差)が付与された後、第2偏光ビームスプリッタ52(L1)でS偏光成分L1SとP偏光成分L1Pとが合成され、第2偏光ビームスプリッタ52(L1)から、パルス幅が延びたレーザ光L1が出射される。
 上記のようにして、波長毎のレーザ光L1~L3について、それぞれにパルス幅を延ばす処理を施すと、波長毎のレーザ光L1~L3を合成して出力する処理を、以下の構成によって行う。
 第2偏光ビームスプリッタ52(L1)から出射されるレーザ光L1の光軸上に、第2偏光ビームスプリッタ52(L1)の偏光膜と鏡面が平行になるように、第4全反射ミラー44を設けてあり、第2偏光ビームスプリッタ52(L1)から出射されるレーザ光L1は、第4全反射ミラー44に対して入射角45degで入射して反射することで、90degだけ屈折し、図2で上方に向けて進むようになる。
 換言すれば、P偏光成分L1Pと、該P偏光成分L1Pに対して位相が遅れたS偏光成分L1Sとからなるレーザ光L1は、第4全反射ミラー44で反射して、レーザ光LS(レーザ光L3)の光軸に直交(交差)する方向に向きを転じる。
 更に、第4全反射ミラー44における反射光の光軸と、第2偏光ビームスプリッタ52(L2)からの出射光の光軸とが交わる点に、第4全反射ミラー44に対して鏡面が平行になるように、第3ダイクロイックミラー33(合成用波長変換ユニット)を配置してある。
 第3ダイクロイックミラー33は、第2ダイクロイックミラー32と同様に、波長1064nmのレーザ光L1を透過し、波長532nmのレーザ光L2を反射させる特性のものである。
 従って、第4全反射ミラー44で反射して第3ダイクロイックミラー33に入射するレーザ光L1は、第3ダイクロイックミラー33を透過するが、第2偏光ビームスプリッタ52(L2)から出射されるレーザ光L2(P偏光成分L2Pと該P偏光成分L2Pに対して位相が遅れたS偏光成分L2Sとからなるレーザ光L2)は、第3ダイクロイックミラー33に入射角45degで入射して反射することで、90degだけ屈折し、第3ダイクロイックミラー33を透過して進むレーザ光L1と同軸上に合成される。
 ここで、第3ダイクロイックミラー33に対する入射時において、レーザ光L1は、レーザ光L2よりも、第2ダイクロイックミラー32と第1全反射ミラー41との距離D2(D2=第4全反射ミラー44と第ダイクロイックミラー33との距離)の2倍の距離だけ、幾何学的光路長が長く、第3ダイクロイックミラー33からは、レーザ光L2に対してレーザ光L1が遅れて出射されることになる。
 更に、レーザ光L2は、P偏光成分L2Pと該P偏光成分L2Pに対して位相が遅れたS偏光成分L2Sとからなり、レーザ光L1は、P偏光成分L1Pと該P偏光成分L1Pに対して位相が遅れたS偏光成分L1Sとからなるから、第3ダイクロイックミラー33からは、P偏光成分L2P,S偏光成分L2S,P偏光成分L1P,S偏光成分L1Sの順で出力されることになる。
 また、第3ダイクロイックミラー33からの出射光(レーザ光L1,L2の合成光)の光軸と、第2偏光ビームスプリッタ52(L3)からの出射光(レーザ光L3)の光軸とが交わる点に、第3ダイクロイックミラー33に対して偏光面が平行になるように、第4ダイクロイックミラー34(合成用波長変換ユニット)を配置してある。
 第4ダイクロイックミラー34は、第1ダイクロイックミラー31と同様に、波長355nmのレーザ光L3を透過させ、1064nm,532nmのレーザ光L1,L2を反射させる特性のものである。
 従って、第3ダイクロイックミラー33から出射されるレーザ光L1,L2は、第4ダイクロイックミラー34に入射角45degで入射して反射することで、90degだけ屈折し、図2で右方向に進むことになる一方、第2偏光ビームスプリッタ52(L3)から出射されるレーザ光L3は、第4ダイクロイックミラー34を透過して進む。
 これにより、第4ダイクロイックミラー34からの出射光は、レーザ光L1,L2,L3の合成となる。
 ここで、第4ダイクロイックミラー34に対する入射時において、レーザ光L2は、レーザ光L3よりも、第1ダイクロイックミラー31と第2ダイクロイックミラー32との距離D3(D3=第3ダイクロイックミラー33と第4ダイクロイックミラー34との距離)の2倍の距離だけ、幾何学的光路長が長く、第4ダイクロイックミラー34からは、レーザ光L3に対してレーザ光L2が遅れて出射されることになる。
 従って、第4ダイクロイックミラー34からの出射順は、レーザ光L3,レーザ光L2,レーザ光L1の順になり、更に詳細には、P偏光成分L3P,S偏光成分L3S,P偏光成分L2P,S偏光成分L2S,P偏光成分L1P,S偏光成分L1Sの順で出力されることになる。
 即ち、レーザ光L1は、第1ダイクロイックミラー31、第2ダイクロイックミラー32、第1全反射ミラー41、第4全反射ミラー44、第3ダイクロイックミラー33を介して第4ダイクロイックミラー34に至るのに対し、レーザ光L2は、第1ダイクロイックミラー31、第2ダイクロイックミラー32、第3ダイクロイックミラー33を介して第4ダイクロイックミラー34に至り、レーザ光L3は、第1ダイクロイックミラー31から第4ダイクロイックミラー34に至るため、「レーザ光L1の光路長」>「レーザ光L2の光路長」>「レーザ光L3の光路長」となる。
 そして、前記光路長差により、レーザ光L3に対してレーザ光L2の位相が遅れ、更に、レーザ光L2に対してレーザ光L1の位相が遅れるために、第4ダイクロイックミラー34からの出射順は、前述のように、レーザ光L3(波長355nm),レーザ光L2(波長532nm),レーザL1(波長1064nm)の順となり、本実施形態のレーザアニール装置1では、半導体膜に対してレーザ光L3(波長355nm),レーザ光L2(波長532nm),レーザL1(波長1064nm)の順で照射されることになる。
 更に、各レーザ光L1~L3は、P偏光成分L1P~L3Pと、該P偏光成分L1P~L3Pよりも位相が遅れたS偏光成分L1S~L3Sとを、同一光軸上に合成して出力するから、第4ダイクロイックミラー34からの出射順は、レーザ光L3のP偏光成分L3P、レーザ光L3のS偏光成分L3S、レーザ光L2のP偏光成分L2P、レーザ光L2のS偏光成分L2S、レーザ光L1のP偏光成分L1P、レーザ光L1のS偏光成分L1Sの順となる。
 上記構成によると、第1偏光ビームスプリッタ51で偏光成分に応じて単一波長のレーザ光を分離し、一方の偏光成分を、全反射ミラー42,43を用いて迂回光路を進ませ、この迂回させた(光路長差を与えた)一方の偏光成分と、直進する他方の偏光成分とを、第2偏光ビームスプリッタ52で合成させることで、パルス幅を延ばすから、パルス幅を延ばしたレーザ光を、1方向の光束として出射させて有効に利用できる。
 即ち、光路長差を付与した2つのレーザ光を、ビームスプリッタ(ハーフミラー)に入射させて合成する場合、合成する2つのレーザ光は、合成用のビームスプリッタにおいて反射・透過して2方向にそれぞれ分離されることになるため、合成光も2方向に分かれることになり、合成光の一方を利用できなくなってしまう。
 これに対し、レーザ光を第1偏光ビームスプリッタ51で偏光成分に応じて分離し、光路長差を与えてから第2偏光ビームスプリッタ52で合成させる構成であれば、偏光方向によって、第2偏光ビームスプリッタ52を透過するか、又は、第2偏光ビームスプリッタ52で反射するかのいずれか一方に決まるから、光路長差を与えた2つのレーザ光を1方向の光束に合成して出射させることができ、レーザ光を有効利用できると共に、光路外へのレーザ光の逃げ出しが発生しないので、利用効率を確保するための還流が不要となり、還流による波形の変化を回避できる。
 また、本実施形態のように、基本波L1と共に、第2高調波L2及び第3高調波L3を含むレーザ光を、ダイクロイックミラー31,32を用いて波長毎に分離し、分離後のレーザ光L1~L3のそれぞれについてパルス幅を延ばす処理を行わせると、分離後のレーザ光L1~L3を、各レーザ光L1~L3に対応して設けたパルス幅を延ばすための光学系に導くために、レーザ光L1~L3間で光路長差が付与され、レーザ光L1~L3を合成したときに、前記光路長差に応じた順で出射することになる。
 ここで、ダイクロイックミラーが透過する波長を選択することで、レーザ光L1~L3の光路長の順番を任意に設定できるから、例えば、アニールにおいて、各レーザ光L1~L3のパワーや吸収率などの差などに基づく適切な照射順で、レーザ光L1~L3を出射させることができる。
 本実施形態の場合、最もパワーの大きな基本波長のレーザ光L1を最後に照射するから、パワーの大きなレーザ光L1を最初に照射することで、アモルファスシリコン膜の下層膜を損傷させてしまうことを回避できる。尚、ダイクロイックミラーが透過・反射する波長の設定によって、基本波長のレーザ光L1を2番目に照射させるようにしても、アモルファスシリコン膜の下層膜の損傷を回避できる。
 尚、例えば、第2高調波と第3高調波とのいずれか一方と、基本波とを含むレーザ光について、パルス幅を延ばす装置であってもよい。
 即ち、レーザ光が含む波長の種類を3つに限定するものではなく、波長の種類の増減に応じてダイクロイックミラーによる分離段数を増減させ、かつ、前記分離段数に応じて、偏光ビームスプリッタ51,52及び全反射ミラー42,43からなる光学系を設ければよい。
 また、各レーザ光L1~L3のP偏光成分L1P~L3PとS偏光成分L1S~L3Sとの間に、幾何学的光路長差を超える光学的光路長差を与えるために、図3に示すように、例えば全反射ミラー42と全反射ミラー43との間の光路上に、高屈折率光学媒質61を配置することができる。
 前記光学的光路長とは、ある媒質内を光が通過するときに、その経路に沿った幾何学的な長さと前記媒質の屈折率との積として表すことができ、光路上に屈折率の高い光学媒質61を配置することで、より大きな光学的光路長差を与えることができ、幾何学的光路長差を短くして装置寸法を抑制しつつ、パルス幅を延ばすことができる。
 光学的光路長を長くするために、迂回させる偏光成分の迂回光路上に配置する高屈折率光学媒質61として、例えば、光学ガラスのロッドを配置したり、イットリウム・バナデート(YVO4)結晶を光路上に配置したりすることができる。
 上記のように高屈折率光学媒質61を設ける場合、長い幾何学的光路を設定するための一対の全反射ミラー42,43と、前記高屈折率光学媒質61とが、光路長差付与ユニットを構成する。
 また、図4に示すように、第2ダイクロイックミラー32で分離した基本波長(波長1064nm)のレーザ光L1の光路に、YAGロッド71とフラッシュランプ72とを備えたレーザチャンバ(レーザ発振ユニット)73を配置し、このレーザチャンバ73をYAGレーザ11と同期させて発振させれば、レーザ光L1を光路途中で増強することができ、最終的に、第4ダイクロイックミラー34から出射するレーザ光L1の強度を高めることができる。
 更に、前記レーザチャンバ73で増強した後のレーザ光L1を、SHG結晶、THG結晶を通過させることで、基本波、第2高調波、第3高調波を含むレーザ光LSを再度発生させ、前記ダイクロイックミラー31~34、全反射ミラー41,44、及び、波長毎の偏光ビームスプリッタ51,52と全反射ミラー42,43からなる光学系に、レーザ光LSを入射させ、より多段にパルス幅を延ばすことができる。
 また、前記レーザチャンバ73を備える構成において、更に、前記高屈折率光学媒質61を設けることができる。
 また、分離した各レーザ光L1~L3の光路上の少なくとも1つに減衰フィルタを配置することで、最終的に合成して出射するときのレーザ光L1~L3間における強度バランスを調整することもできる。
 更に、上記実施形態では、本願発明に係るレーザ発生装置及びレーザ発生方法を、レーザアニール装置1に適用した例を示したが、適用対象をレーザアニール装置1に限定するものではない。
 また、上記実施形態では、全反射ミラー,偏光ビームスプリッタ,ダイクロイックミラーにおいて、レーザ光が90degだけ屈折する構成としたが、屈折角度を90deg(入射角を45deg)に限定するものではなく、例えば図5(A),(B)に示すように、入射光の光軸に対して斜めに交差する方向に屈折させることができる。
 図5(A)に示した例では、偏光ビームスプリッタ51及び全反射ミラー42を、入射光の光軸に対して偏光面・反射面が45degだけ傾くように設置して、入射角が45degになるようにしてあり、偏光ビームスプリッタ51での反射光及び全反射ミラー42での反射光は、入射光の光軸に対して90degに交差する方向、即ち、直交する方向に進むが、全反射ミラー42からの反射光が入射する全反射ミラー43は、入射角が45degよりも大きくなるように設置され、全反射ミラー43では、入射光の光軸に対して反射光が斜めに交差するようになっている。
 そして、偏光ビームスプリッタ52は、全反射ミラー43と平行に配置され、偏光ビームスプリッタ51の透過光及び全反射ミラー42の反射光に対して斜めに交差する、全反射ミラー43の反射光は、偏光ビームスプリッタ52での反射で偏光ビームスプリッタ51の透過光の光軸と同一方向に屈折する。
 また、図5(B)は、偏光ビームスプリッタ51及び全反射ミラー42の組み合わせについても、入射角が45degよりも大きくなるように設定した例を示す。
 また、図2~図4に示した構成では、レーザ光L1~L3の出射順は固定されるが、第1ダイクロイックミラー31~第4ダイクロイックミラー34に代えて、例えば図6に示したように、円盤状ホルダ81の同一円周上に、反射・透過させる波長が相互に異なる複数のダイクロイックミラー82a~82cを備え、前記円盤状ホルダ81をモータなどのアクチュエータによって軸周りに回転させることで、複数のダイクロイックミラー82a~82cのうちの1つを光路上に位置させることができるように構成した分離用波長変換ユニット及び合成用波長変換ユニットを設ければ、レーザ光L1~L3の出射順を任意に変更することが可能となる。
 図6において、ダイクロイックミラー82aは、レーザ光L1のみが透過し、レーザ光L2,L3が反射する特性であり、ダイクロイックミラー82bは、レーザ光L2のみが透過し、レーザ光L1,L3が反射する特性であり、ダイクロイックミラー82cは、レーザ光L3のみが透過し、レーザ光L1,L2が反射する特性である。
 従って、図2のものと同じ出射順(L3,L2,L1)とする場合には、レーザ光LSをまずダイクロイックミラー82cで分離し、ダイクロイックミラー82cで反射したレーザ光L1,L2を、ダイクロイックミラー82aで、レーザ光L1とレーザ光L2とに分離し、全反射ミラー44の出射光と偏光ビームスプリッタ52の出射光とを、ダイクロイックミラー82aで合成し、当該合成後のレーザ光と偏光ビームスプリッタ51の出射光とを、ダイクロイックミラー82cで合成するようにすればよい。
 一方、例えば、レーザ光LSをまずダイクロイックミラー82aで分離し、ダイクロイックミラー82aで反射したレーザ光L2,L3を、ダイクロイックミラー82bで、レーザ光L2とレーザ光L3とに分離し、全反射ミラー44の出射光と偏光ビームスプリッタ52の出射光とを、ダイクロイックミラー82bで合成し、当該合成後のレーザ光と偏光ビームスプリッタ51の出射光とを、ダイクロイックミラー82aで合成するようにすれば、レーザ光L1~L3の出射順はL1,L3,L2となり、出射順を任意に変更することができる。
 尚、ダイクロイックミラー82a~82cのうちの1つを光路上に選択的に位置させるための手段を、上記の円盤状ホルダ81を回転させる手段に限定するものではない。
1…レーザアニール装置
2…基板
3…レーザ光
4…レーザ発生装置
5…ビーム整形光学系
6…ステージ
11…YAGレーザ(レーザ発振ユニット)
12…SHG(高調波発生ユニット)
13…THG(高調波発生ユニット)
14…パルス幅延長器
31…第1ダイクロイックミラー(分離用波長変換ユニット)
32…第2ダイクロイックミラー(分離用波長変換ユニット)
33…第3ダイクロイックミラー(合成用波長変換ユニット)
34…第4ダイクロイックミラー(合成用波長変換ユニット)
41…第1全反射ミラー
42…第2全反射ミラー(光路長差付与ユニット)
43…第3全反射ミラー(光路長差付与ユニット)
44…第4全反射ミラー
51…第1偏光ビームスプリッタ(分離用偏光変換ユニット)
52…第2偏光ビームスプリッタ(分離用偏光変換ユニット)
61…高屈折率光学媒質(光路長差付与ユニット)
73…レーザチャンバ(レーザ発振ユニット)

Claims (12)

  1.  複数波長のレーザ光を、波長に応じて分離する分離用波長変換ユニットと、
     前記波長毎のレーザ光を合成して、前記複数波長のレーザ光を出射する合成用波長変換ユニットと、
     を備えると共に、
     レーザ光を、偏光成分に応じて分離する分離用偏光変換ユニットと、
     前記分離用偏光変換ユニットが分離した複数の偏光成分を合成する合成用偏光変換ユニットと、
     前記分離用偏光変換ユニットが分離した偏光成分のうちの少なくとも1つを、他の偏光成分に対して光路長差を与えて前記合成用偏光変換ユニットに導く光路長差付与ユニットと、の組み合わせを、前記分離用波長変換ユニットが分離する波長毎に備え、
     前記分離用波長変換ユニットが分離した各波長のレーザ光それぞれを、前記分離用偏光変換ユニットで偏光成分に分離し、前記合成用偏光変換ユニットが合成した波長毎のレーザ光を前記合成用波長変換ユニットで合成するレーザ発生装置。
  2.  前記分離用波長変換ユニット及び合成用波長変換ユニットによって、各波長のレーザ光の間に光路長差を与え、該光路長差に応じて各波長のレーザ光を前記合成用波長変換ユニットから順次出射させる請求項1記載のレーザ発生装置。
  3.  単一波長のレーザ光を発生するレーザ発振ユニットと、
     前記単一波長のレーザ光を波長変換して高調波を発生する高調波発生ユニットと、
     を更に備えた請求項1記載のレーザ発生装置。
  4.  前記レーザ発振ユニットが、基本波長が1064nmのレーザ光を発生するYAGレーザであり、
     前記高調波発生ユニットが、第2高調波を発生するSHG結晶及び第3高調波を発生するTHG結晶を含み、少なくとも1064nm、532nm、355nmの波長のレーザ光を出力する請求項3記載のレーザ発生装置。
  5.  前記分離用波長変換ユニットで分離した基本波長のレーザ光の光路途中に、前記基本波長と同じ発振波長のレーザ発振ユニットを備える請求項3記載のレーザ発生装置。
  6.  前記分離用波長変換ユニット及び合成用波長変換ユニットを、ダイクロイックミラー又はダイクロイックプリズムで構成した請求項1記載のレーザ発生装置。
  7.  前記分離用波長変換ユニット及び合成用波長変換ユニットが、透過・反射させる波長が相互に異なる複数のダイクロイックミラー又はダイクロイックプリズムを備え、この複数のダイクロイックミラー又はダイクロイックプリズムのうちの1つを光路上に選択的に設置する請求項6記載のレーザ発生装置。
  8.  前記分離用偏光変換ユニット及び合成用偏光変換ユニットを、偏光ビームスプリッタで構成した請求項1記載のレーザ発生装置。
  9.  前記光路長差付与ユニットを、全反射ミラーで構成した請求項1記載のレーザ発生装置。
  10.  前記光路長差付与ユニットが、幾何学的光路長を他に比べて長くした偏光成分の光路上に高屈折率光学媒質を配置してなる請求項1記載のレーザ発生装置。
  11.  基本波と共に少なくとも1つの高調波を含むレーザ光を、波長毎に分離する分離用のダイクロイックミラーと、
     各波長のレーザ光それぞれを2つの偏光成分に分離する分離用の偏光ビームスプリッタと、
     前記分離用の偏光ビームスプリッタで反射した偏光成分の光路を、前記分離用の偏光ビームスプリッタを透過した偏光成分に交差する方向に屈折させる一対の全反射ミラーと、
     前記分離用の偏光ビームスプリッタを透過した偏光成分と、前記分離用の偏光ビームスプリッタで反射し前記全反射ミラーで光路が屈折された偏光成分とを、同一光軸上に合成する合成用の偏光ビームスプリッタと、
     前記合成用の偏光ビームスプリッタで合成した波長毎のレーザ光を、同一光軸上に合成する合成用のダイクロイックミラーと、
     を含むレーザ発生装置。
  12.  基本波と共に少なくとも1つの高調波を含むレーザ光を、波長毎に分離するステップと、
     各波長のレーザ光それぞれを偏光成分に応じて分離するステップと、
     分離した偏光成分間に光路長差を与えるステップと、
     光路長差を与えた偏光成分を合成するステップと、
     偏光成分を合成した波長毎のレーザ光を合成するステップと、
     を含むレーザ発生方法。
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