JP2009053597A - 光波長変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装置の調整が簡便で、高効率で真空紫外光を発生させることが可能な光波長変換装置を提供する。
【解決手段】 レーザ3が出力する波長1064nmのパルス光を、高調波発生器5、9で354.7nmに変換し、OPO30、40に入力してパラメトリック発振を行う。OPO30側からは、高調波発生器53を経て波長205〜235nmの光λ5、OPO40側からは、1988〜2090nmの光λ6が出力され、和周波発生部90に入力される。和周波発生部90では、入力された光をLBO結晶82で和周波混合し、真空紫外光を出力する。このとき、LBO結晶82は、入射光λ5、λ6の光路方向と光学的弾性軸のz軸が一致している。また、光λ5、λ6は、LBO結晶82の位相整合条件がθ=φ=0となるように選択されており、装置の調整が簡便であるとともに、高効率で波長変換を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は光波長変換装置に関する。
現在用いられている様々な電子機器は、高性能化と共に小型化が求められているものが多い。このような要求に伴い、高密度の集積回路の必要性が重要なものとなっている。高密度の集積回路を作成するためには、パターニングに用いる波長の短い真空紫外光を高効率で発生させることが不可欠である。
真空紫外光を発生させる例として、三ホウ酸リチウム(LiB)の結晶を用いた周波数変換器により、200nmより短い波長のコヒーレントな放射を得られる例がある。この周波数変換器では、三ホウ酸リチウムの結晶に、ネオジウム:ヤグ(Nd−YAG)レーザ光の第5高調波である213nmの紫外線レーザ光と、他の何らかの光源から得られた1200〜2600nmの光を入射して、和周波混合により181〜197nmの真空紫外光を発生させる。(例えば、特許文献1参照)。
また、チタン:サファイアレーザと四ホウ酸リチウム(Li)の結晶を用いて真空紫外光を発生させる例がある。この例では、チタン:サファイアレーザを756〜840nmの範囲で発振させ、出力光を2分した後、一方でパラメトリック増幅を行って1600〜2500nmの波長の光を発生させ、他方で第4高調波189〜210nmを発生させて、共に四ホウ酸リチウム結晶に入射させる。これを四ホウ酸リチウム結晶で和周波混合して、170.75〜183.8nmの真空紫外光を発生させている。(例えば、非特許文献1参照)。
他の方法として、Nd−YAGレーザの出力から、第5高調波213nmの光と、パラメトリック発振器による2090nmの光とを発生させ、共にCsLiB10結晶に入射させ、これらを和周波混合して、193nmの光を発生させる例がある。(例えば、非特許文献2参照)。
特公平7−58378号公報 V.Petrov et al.、 J.Appl.Phys.、 vol.84(1998)、 5887、 "Vacuum ultraviolet application of Li2B4O7 crystals: Generation of 100fs pulses down to 170nm" .、 Max-Born-Institute、 三菱マテリアル 出来恭一ら、 レーザー研究、 第27巻(1999) 8月号、 p525、 "CsLiB6O10結晶(CLBO)を用いた193nm光源の開発"、 ウシオ総合技術研究所、 大阪大学
しかしながら、特許文献1に記載の例では、三ホウ酸リチウムの結晶に入射する光の波長を変化させるたびに、光の入射方向に対して結晶の角度を変えて位相整合させなければならない。その際の許容角度は、例えば0.1度程度であり、調整が非常に困難である。また、上記のような波長の組み合わせでは、出力される波長が短くなるほど特性上有効非線形定数が小さくなり、発光効率が低下してしまう。
非特許文献1に記載の例でも、入射波長に合わせて四ホウ酸リチウムの結晶に入射する光の入射方向に対して結晶の角度を変えるように、結晶を回転して位相整合させなければならず、調整が困難である。また、波長によっては入射角度が90度のときに位相整合となってウォークオフがゼロとなるが、全波長領域でウォークオフゼロかつ有効非線形定数が最大となるわけではない。さらに、光源として用いられるチタンサファイアレーザは、フェムト秒単位のパルス発振を行うタイプでバンド幅が20〜30nm程度あり、最終的に得られる真空紫外光のバンド幅を狭くすることができない。
非特許文献2に記載の例では、193nmという固定波長の発生のみを想定しているが、入射光の波長を可変させれば波長可変の光の発生が可能である。入射光の波長を可変させるにはパラメトリック発振器からの発振波長を変えればよいが、第5高調波の波長が一定であるので、やはり入射光の方向に対して結晶を回転させて位相整合させなければならず、調整が困難である。さらに、この例ではCsLiB10結晶の位相整合角がウォークオフをゼロにする角度になっていないため、発光効率が低下してしまう。
そこで本発明は、装置の調整が簡便で、高効率で真空紫外光を発生させることが可能な光波長変換装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、第1波長の第1光及び第2波長の第2光の入射に応じて光周波数混合により第1光、第2光、及び第3波長の第3光を出射する非線形光学媒質と、第1光及び第2光を非線形光学媒質に入射する光入力手段と、非線形光学媒質の出射光から第3光を選択的に出力する出力光選択手段と、を有し、第1波長および第2波長は、得ようとする第3波長との関係において非線形光学媒質の位相整合条件を一定とするように選定されることを特徴とする光波長変換装置である。
このような構成によれば、光入力手段は、位相整合条件が一定の状態で所望の波長の第3光を得るための第1光及び第2光を非線形光学媒質に入力する。非線形光学媒質は、第1光及び第2光の入射方向に対し固定されている。出力光選択手段は、第3光を出力する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光波長変換装置において、光入力手段は、パルス光を出力する励起光源と、パルス光を2分する分波手段と、分波手段の一方の出力を波長変換して第1光を生成する第1波長変換手段と、分波手段の他方の出力を波長変換して第2光を生成する第2波長変換手段と、を有することが好ましい。
このような構成によれば、光入力手段は、同一光源から生成した第1光及び第2光を、非線形光学媒質へ入力する。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の光波長変換装置において、非線形光学媒質は、三ホウ酸リチウム結晶であり、その光学的弾性軸をx軸、y軸及びz軸、x軸、y軸及びz軸それぞれに対応する屈折率をnx、ny、nz(nx<ny<nz)とするとき、第1光及び第2光の非線形光学結晶内での進行方向はz軸方向とすることができる。
このような構成によれば、入射光の進行方向が、非線形光学結晶の光学的弾性軸と一致するため、常光と異常光とが同一の光路で結晶内を伝播する。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の光波長変換装置において、第1光は、x軸方向の偏光方向を有する直線偏光、第2光は、y軸方向の偏光方向を有する直線偏光であることが好ましい。
このような構成によれば、光入力手段が入力する上記第1光及び第2光に対し、有効非線形定数が最大となる。
請求項1に記載の光波長変換装置によれば、第1波長及び第2波長を、得ようとする第3波長との関係において位相整合条件を一定とするように選択して非線形光学媒質に入力するので、高密度の集積回路のパターニング等に適する、波長の短い真空紫外光を発生させることが可能となる。また、位相整合条件を変化させる必要がないので、光波長変換装置の調整が簡便である。
請求項2に記載の光波長変換装置によれば、第1光及び第2光を非線形光学媒質へ入力するタイミングを合致させることが容易になり、出力効率を向上させることができる。また、第1波長及び第2波長のいずれの波長も変えることが可能である。よって第1波長及び第2波長を位相整合条件を一定とするように選択して、所望の第3波長の光を発生させることができる。
請求項3に記載の光波長変換装置によれば、第1光及び第2光の入射方向を光学的弾性軸と一致させると、ウォークオフ角がゼロになり、結晶長全体に亘って波長変換の効果があり、より高効率の光波長変換装置となる。また、出射光のビームパターンが理想的に保持され、微細加工等に用いるために好適な光源となる。
請求項4に記載の光波長変換装置によれば、入射光をx軸方向およびy軸方向に偏光方向を有する直線偏光としているので、有効非線形定数を常に最大とすることが可能になるとともに、利用可能な入射光の波長の全範囲において出力光の高い発生効率を保持できる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図1から図7を参照して説明する。図1に示すように、第1の実施の形態による光波長変換装置1は、レーザ3、高調波発生器5、9、パラメトリック発振器(以下、OPOという)30、40、波長制御部51、高調波発生器53、及び和周波発生部90を有している。レーザ3、高調波発生器5、9、OPO30、40、波長制御部51、高調波発生器53は、得ようとする出力光の波長に応じた2種類の異なる波長の光を生成する光入力手段となっており、和周波発生部90は、生成された2種類の異なる波長の光を変換して、所望の波長の光を出力している。また、光波長変換装置1において、波長の選択、光路の変更、光の分配、光路および光路長の調整等のため、フィルタ13、ハーフミラー15、ガラス板17、69、ミラー19、71、73及び遅延光路60を用いている。図中の波長λ1〜λ7は、それぞれの箇所での光の波長または光そのものを表すが、詳細は後述する。
以下、光波長変換装置1の構成を詳細に説明する。ここで、図1および図3においては、光波長変換装置1の光学系を鉛直方向上方から見た図として示している。以下、光学系に対して鉛直方向に相当する方向、すなわち図1、図3において紙面に垂直な方向をp軸、和周波発生部90からの出射光の光路の方向にほぼ平行な紙面内の水平方向をr軸、p軸、r軸に直交する方向をq軸ということにする。
図1に示すように、レーザ3は、Qスイッチ、ネオジウム:ヤグ(Nd−YAG)レーザで、発振波長λ1=1064nm、エネルギは1パルスあたり600mJ、パルス幅7ns、繰り返し10Hzの励起光源である。
高調波発生器5は、レーザ3の出力光の光路上に備えられている。高調波発生器5は、β―BaB結晶(以下、BBO結晶という)7を有しており、波長λ1の光が入射すると、その入射光の一部と、第2高調波、すなわち入射光の1/2の波長λ2=λ1/2=532nmの光とを、ほぼ入射光の光路の延長上に出射する第2高調波発生器(Second Harmonic Generator:SHG)である。BBO結晶7は、入射光の波長λ1に応じて位相整合する角度(例えば、切り出し面の法線がθ=22.9°、φ=0°)にカッティングされている。ここで、結晶の光学的弾性軸をx軸、y軸、z軸(以下、単にx軸、y軸、z軸という)とするとき、角度θは、注目する方向成分がz軸となす角度、角度φは、注目する方向成分のxy平面への投影成分がxy平面内においてx軸となす角度をいう。
高調波発生器9は、高調波発生器5の出射光の光路上に備えられている。高調波発生器9は、BBO結晶11を有している。高調波発生器9は、高調波発生器5から出射された波長λ1の光(以下、光λ1という。以下同様)とその第2高調波(光λ2)とが入射し、それらの入射光の一部と、入射光の和周波混合による波長λ1の第3高調波(波長λ3=λ1/3=354.7nmの光λ3)とを、ほぼ入射光の光路の延長上に出射する第3高調波発生器(Third Harmonic Generator:THG)である。BBO結晶11は、光λ1及び光λ2に対し位相整合する角度(切り出し面の法線がθ=32.9°、φ=0°)にカッティングされている。
フィルタ13は、高調波発生器9の出射光の光路上に、光路に対し約45度の角度に配置されている。フィルタ13は、多層膜で構成され、354.7nmの波長の光を反射し、532nmおよび1064nmの波長の光を透過する波長選択素子である。このため、フィルタ13は、高調波発生器9からの出射光である光λ1、光λ2および光λ3のうち、光λ3を反射し、光λ1及び光λ2を透過させる。
吸収体14は、フィルタ13の透過光の光路上に設けられ、光λ1および光λ2を吸収する。
ハーフミラー15は、フィルタ13の反射光の光路上に、光路に対し約45度の角度に配置されている。ハーフミラー15は、光λ3の約半分を反射し(光λ3A)、それ以外(光λ3B)を透過する分波手段である。ここで、波長λ3A=λ3B=λ3である。
ガラス板17は、ハーフミラー15の透過光の光路上に設けられている。ガラス板17は、光λ3がハーフミラー15を透過することで生ずる光路のずれを補正する光路補正素子である。ガラス板17は、光λ3Bの光路に対して所定の角度に配置され、ガラス板17の透過光の光路とハーフミラー15の入射側の光路とが一直線上になるように補正する。
ミラー19は、ガラス板17の透過光の光路上に、光路に対して約45度の角度に配置されている。ミラー19は、ガラス板17の透過光である光λ3Bを全反射する全反射ミラーである。
パラメトリック発振器30は、共振器ミラー31、34、回転台32、BBO結晶33、回転台35、ガラス体36、フィルタ37を有している。
共振器ミラー31は、ハーフミラー15の反射光の光路上に、光路に垂直に備えられている。共振器ミラー31は、波長354.7nmの光に対し90%以上の透過率を持ち、約410〜2100nmの光に対し50%前後の反射率を持つミラーである。
BBO結晶33は、共振器ミラー31の出力側に配置されている。BBO結晶33は、回転台32に載置され、共振器ミラー31からの出力光の光路上の一点を回転中心として、図1の紙面内で回転可能に備えられている。BBO結晶33は、光λ3Aが入射すると、入射光の一部と、BBO結晶の光学的弾性軸に対する入射光の角度に応じた波長のシグナル光及びアイドラ光を出射する。出射光の詳細については後述する。
共振器ミラー34は、BBO結晶33の出力側の光路上に共振器ミラー31と互いに平行に対向して備えられている。共振器ミラー34は、波長354.7nmの光に対し90%以上の透過率を持ち、約410〜2100nmの光に対し50%前後の反射率を持つミラーである。共振器ミラー34は、共振器ミラー31との間で共振器を構成し、BBO結晶33から出射されるシグナル光及びアイドラ光を増幅する。
ガラス体36は、共振器ミラー34の出力側の光路上に配置されている。ガラス体36は、回転台35に載置され、共振器ミラー34からの出力光の光路上の一点を回転中心として紙面内で回転可能に備えられている。ガラス体36は、回転台35の回転により光路に対し所定の角度に調整され、共振器ミラー31への入射光の光路と、ガラス体36の透過光の光路とが一直線上になるように補正する光路補正素子である。
フィルタ37は、多層膜で構成され、ガラス体36の透過光の光路上に備えられ、400nm〜500nmの波長の光を透過し、354.7nmの波長の光を吸収する波長選択素子である。このため、フィルタ37は、後述するように、410〜470nmの波長範囲内の波長を有するシグナル光λ4を透過し、1988〜2090nmの波長範囲内の波長を有するアイドラ光及び波長354.7nmの入射光λ3を吸収または反射する。
回転台32、35は、ステッピングモータ、あるいはエンコーダつきのサーボモータを搭載した回転テーブルであり、波長制御装置51により回転を制御されている。回転台32、35により、BBO結晶33及びガラス体36は、紙面内で光路に対し任意の角度に設置することができる。このとき回転台32、35は、連動して互いに逆方向に同一角度回転するように構成することが好ましい。
OPO30は、以上のような構成により、光λ3Aを入力されて410〜470nmの波長範囲内の波長λ4のシグナル光λ4を出力する、第1波長変換手段である。出力される光λ4の波長は、BBO結晶33の入射光路に対する角度に依存する。
パラメトリック発振器40は、パラメトリック発振器30と同様の構成の共振器ミラー31、34、回転台32、BBO結晶33、回転台35、ガラス体36を有しており、フィルタ37に替えてフィルタ47を備えている。OPO40は、ミラー19の反射光の光路上に備えられている。
フィルタ47は、多層膜で構成され、ガラス体36の透過光の光路上に備えられ、800nm以上の波長の光を透過し、354.7nmの波長の光を吸収する波長選択素子である。このため、フィルタ47は、後述するように、波長1988〜2090nmのアイドラ光λ6を透過し、波長427〜432nmのシグナル光及び波長354.7nmの入射光λ3Bを吸収または反射する。
OPO40は、以上のような構成により、光λ3Bを入力されて1988〜2090nmの波長範囲内の波長λ6のアイドラ光λ6を出力する、第2波長変換手段である。出力される光λ6の波長は、BBO結晶33の入射光路に対する角度に依存する。
ここで、図2を参照しながら、BBO結晶33への入射光路の角度θと、出射されるシグナル光及びアイドラ光の波長λ4、λ6との関係について説明する。BBO結晶33は、光学的弾性軸x軸、y軸、z軸に対する屈折率nx、ny、nzを、nx=ny>nzとし、例えば波長1064nmのとき、nx=ny=1.6551、nz=1.5425である。BBO結晶33は、z軸を法線とする平面を端面とするようにカッティングされているとする。BBO結晶33は、z軸がqr平面に平行な面内にあるように回転台32に載置し、回転台32の回転に応じて入射光路の角度θ、すなわち、入射光の光路とBBO結晶33のz軸とのなす角θを変化させる。この角度θに対する出射光の波長を示したものが図2である。
図2において、横軸が角度θ、縦軸が出射光λ4、λ6の波長である。図2に示すように、角度θが約23〜33度の範囲で、各角度に対し実質的に2種類ずつの波長の光が出射する。このとき、波長が短い方をシグナル光、長い方をアイドラ光という。詳しくは後述するが、光波長変換装置1の出力として真空紫外光を得るために、OPO30では、BBO結晶33のz軸と入射光のなす角度θが約23〜29度になるように調整して410〜470nmの範囲内の波長のシグナル光λ4を出射させ、OPO40では、BBO結晶33のz軸と入射光のなす角度θが約26〜27度になるように調整して1988〜2090nmの範囲内の波長のアイドラ光λ6を出射させる。ここで、BBO結晶33としては、出射するシグナル光およびアイドラ光が同一の偏光方向となるタイプ1の波長変換を行うものを用いている。
図1に戻って、高調波発生器53は、OPO30の出力側の光路上に備えられ、BBO結晶55を有している。BBO結晶55は、z軸に対し法線が所定の角度θ(例えば、θ=75°、φ=0°)をなす平面を端面に持つようにカッティングされている。また、BBO結晶55は、紙面に平行なq−r面内で回転可能な回転台(図示せず)に載置され、入射光λ4の光路に対し、q−r面内にあるz軸を任意の角度に調整し、入射波長に応じて位相整合がとれるように構成されている。BBO結晶55は、入射面及び出射面に後述する無反射コーティングを施されている。高調波発生器53は、光λ4が入射すると、光λ4の一部と、波長がλ4の1/2の光λ5を出射する第2高調波発生器である。
フィルタ57は、多層膜で構成され、高調波発生器53からの出射光の光路上に設置され、205nm〜235nmの波長の光を透過し410nm〜470nmの波長の光を吸収する波長選択素子である。このため、フィルタ57は、高調波発生器53からの出射光のうち光λ5を透過する。
遅延光路60は、OPO30側の光路からの光λ5と、OPO40側の光路からの光λ6との光路長の差を調整して夫々のパルス光の発光のタイミングを合致させるための遅延光路であり、ミラー61〜64を有している。ミラー61〜64は、光λ5を全反射するミラーであり、夫々入射光の光路に対し約45度の角度に設置されている。遅延光路60は、ハーフミラー13からOPO30を経てミラー73までの光路長と、ハーフミラー13からOPO40を経てミラー73までの光路長とを等しくするように光路長を調整する。
ガラス板69は、ミラー64からの反射光の光路上に、光路に対し所定の角度で設置され、ミラー61への入射光の光路と、ミラー73の出力光の光路とが一直線上になるように光路を補正する光路補正素子である。
ミラー71は、OPO40の出射光λ6の光路に対し、約45度の角度に設置され、光λ5の光路方向に光λ6を反射する全反射ミラーである。
ミラー73は、光λ5の光路に対し約45度の角度に設置され、205nm〜235nmの波長の光を透過し1988nm〜2090nmの波長の光を全反射するダイクロイックミラーである。このため、ミラー73は、高調波発生器55の出射光λ5を透過し、OPO40からの出射光λ6を全反射する。
和周波発生部90は、本発明の非線形光学媒質を含む和周波混合器80、及びフィルタ84を有し、ミラー73の出射側の光路上に設けられ、光λ5および光λ6が入射している。
和周波混合器80は、非線形光学媒質として三ホウ酸リチウム(LiB)結晶(以下、LBO結晶という)82を有している。LBO結晶82は、光学的弾性軸x、y、z軸における屈折率nx、ny、nzをnx<ny<nzとなるように定めると、例えば、波長266nmにおいて、nx=1.5973、ny=1.6286、nz=1.6444である。図5に示すように、LBO結晶82は、z軸を法線とする平面を端面に持つようにカッティングされており、入射光λ5、λ6の光路がz軸と平行になるように設置されている。よって、LBO結晶82のx軸およびy軸は、入射光の光路に対し垂直であり、かつx軸が図1の紙面に垂直なp軸と平行になるように配置されている。また、切断面は研磨され、さらに後述する無反射コーティングが施されている。
和周波混合器80には光λ5と光λ6とが入射し、それら入射光と和周波混合による光λ7(ここで、1/λ7=1/λ5+1/λ6)とを、入射光の光路とほぼ一直線上に出射する。
フィルタ84は、多層膜で構成され、186.7nm〜210nmの波長の光を透過し210nm超〜235nmおよび1988〜2090nmの波長の光を吸収するための波長選択手段である。このため、フィルタ84は、和周波混合器80の出射光のうち、光λ7を透過し、光λ5および光λ6を吸収する出力光選択手段として機能する。
次に、第1の実施の形態による光波長変換装置1の動作を説明する。
レーザ3は、波長λ1=1064nmで、図1のq軸に平行な偏光方向の直線偏光のパルス光λ1(以下、単に光λ1という)を出力する。光λ1は、図示しない半波長板により偏光方向を調整され、高調波発生器5のBBO結晶7に、p軸に平行な偏光方向の直線偏光である常光として入射する。BBO結晶7は、和周波混合により光λ1を周波数変換して、光λ1の第2高調波となるq軸に平行な直線偏光(異常光)の光λ2(波長λ2=1064÷2=532nm)を、光λ1の一部と共に出射する。
BBO結晶7から出射した光λ1と光λ2とは、図示しない波長板を透過する。このとき光λ1は、波長板の透過後もp軸に平行な偏光方向の直線偏光であり、光λ2は偏光方向を調整されてp軸に平行な偏光方向の直線偏光となる。よって、光λ1と光λ2とは共に、高調波発生器9のBBO結晶11に常光として入射する。
BBO結晶11は、入射光の光λ1および光λ2を和周波混合により周波数変換し、q軸に平行な直線偏光(異常光)の光λ3(λ3=354.7nm)を光λ1および光λ2の一部と共に出射する。BBO結晶11から出射した光λ1〜光λ3は、フィルタ13に入射する。フィルタ13は、光λ1及び光λ2を透過し、光λ3を入射光路に対し約90度の方向に反射する。フィルタ13を透過した光λ1および光λ2は、吸収体14に吸収される。
フィルタ13で反射された光λ3は、ハーフミラー15に入射し、入射光の約半分が入射光路に対し約90度の方向に光λ3Aとして反射され、他の半分が光λ3Bとして透過する。
ハーフミラー15で反射された光λ3Aは、OPO30の共振器ミラー31に入射する。共振器ミラー31は、光λ3Aの約90%を透過する。この透過光λ3Aは、q軸に平行な偏光方向の直線偏光であり、異常光としてBBO結晶33に入射する。
BBO結晶33は、光λ3Aを励起光として、入射光λ3AのBBO結晶33に対する入射角度に応じた波長のシグナル光とアイドラ光を出射する。入射角度と出射光の波長とは、光λ3Aを励起光とした場合、図2を参照して説明したような関係がある。BBO結晶33は、波長制御部51により回転を制御される回転台に載置されており、入射光λ3Aに対し、得たいシグナル光の波長λ4に位相整合する角度に調整されている。図2に示すように、例えば、波長λ4として410nmを得たい場合には、θは約23°となる。このように、BBO結晶33への励起光の入射角度を調整することで、得たいシグナル光λ4の位相整合条件を満たすようにする。
共振器ミラー34は、BBO結晶33から出力されるシグナル光とアイドラ光とを約50%反射し、他を透過する。よってOPO30において、共振器ミラー31、34間でパラメトリック発振が行われ、所望の周波数のシグナル光λ4と、それに対応するアイドラ光を出力する。すなわち今、BBO結晶33が、位相整合角θ=23°、φ=0°となるように調整されているとすると、シグナル光として波長λ4が約410nmの光λ4、アイドラ光としては、波長約2700nmの光が出力されることになる。ここで出力されるシグナル光λ4及びアイドラ光は、共にp軸に平行な偏光方向の直線偏光(常光)となっている。
BBO結晶33から出力されるシグナル光λ4及びアイドラ光は、ガラス体36に入射する。ガラス体36は、波長制御部51により制御される回転台35に載置され、紙面に平行な面内での角度を制御されて、共振器ミラー31に入射する入射光の光路と一直線上になる方向にシグナル光λ4とアイドラ光とを出射する。このとき、回転台35は、回転台32と、互いに逆方向に同一角度回転するように構成され、簡便に光路補正を行えるようになっている。
シグナル光λ4と光λ4に対応するアイドラ光とは、光λ3Aの光路の延長線方向からフィルタ37に入射し、シグナル光λ4は透過し、アイドラ光は吸収される。よって、OPO30から、回転台32の回転角に応じて約410〜470nmの範囲内の波長を有するシグナル光λ4が出射される。
一方ハーフミラー15を透過した光λ3Bは、ガラス板17によりハーフミラー15の入射側の光路と一直線上になるように光路を補正され、ミラー19により全反射されてOPO40の共振器ミラー31に入射する。この光λ3Bは、q軸に平行な偏光方向の直線偏光であり、異常光としてBBO結晶33に入射する。
BBO結晶33は、OPO30と同様に光λ3Bを励起光として、入射光λ3BのBBO結晶33に対する入射角度に応じた波長のシグナル光とアイドラ光λ6を出力する。図2に示すように、例えば、波長λ6として2090nmを得たい場合には、θは約26°となる。すなわち今、OPO40においてBBO結晶33が、位相整合角θ=26°、φ=0°となるように調整されているとすると、シグナル光として波長が約440nmの光、アイドラ光λ6としては、波長約2090nmの光が出力されることになる。ここで出力されるシグナル光及びアイドラ光λ6は、共にp軸方向の偏光方向の直線偏光(常光)となる。
BBO結晶33から出力されるシグナル光及びアイドラ光λ6は、ガラス体36に入射して光路を調整され、フィルタ47に共振器ミラー31に入射する入射光の光路と一直線上になる方向で入射する。フィルタ47は、シグナル光を吸収し、アイドラ光λ6は透過する。よって、OPO40から、約1988〜2090nmの範囲内の波長を有するアイドラ光λ6が出射される。
図3に示すようにOPO30から出射した光λ4は、高調波発生器53のBBO結晶55に入射する。BBO結晶55は、z軸に対し所定の角度をなす法線を有する平面でカッティングされており、p軸に平行な直線偏光の常光として光λ4が入射すると、光λ4の一部と、波長がλ4の2分の1の光λ5を出射する。光λ5は、q軸に平行な直線偏光として出射する。
図4に、BBO結晶55の入出射面における透過率の波長依存性を、無反射コーティングの有無に対して示す。図の横軸は入射光の波長、縦軸は透過率である。図4に示すように、入出射面において、無反射コーティング(以下、ARコートという)無しの破線で表した場合には、入射光の波長が約200〜550nmに対してほぼ一定の約88%の透過率である。ARコートを施した実線で表した場合には、BBO結晶55からの出射光の波長205〜235nm、および入射光の波長410〜470nmの波長範囲で、100%に近い透過率を示している。これにより、入射光λ4はほぼ100%、BBO結晶に入射し、生成された光λ5はほぼ100%、BBO結晶55から出射する。
高調波発生器53から出射した光λ4と光λ5とはフィルタ57に入射し、光λ4は吸収され、光λ5は透過する。光λ5は遅延光路60に入射し、ミラー61〜64で順次反射され、ガラス板69でミラー61への入射光とミラー73の出力光とが同一直線上になるように光路を調整され、ミラー73に入射する。
OPO40から出射されたp軸に平行な直線偏光の光λ6は、ミラー71によって全反射されてミラー73に入射する。このとき、光λ5と光λ6とは遅延光路60により光路調整され、和周波混合器80内のLBO結晶82でパルスの発光タイミングが同期するように光路調整されている。ミラー73で光λ5は透過し、光λ6は反射されて、共に実質的に同一の光路を経て和周波発生部90の和周波混合器80に入射する。
図3および図5に示すように、和周波混合器80はLBO結晶82を有しており、このLBO結晶82に、異常光である光λ5と、常光である光λ6とが入射する。LBO結晶82は、上述したように入射光の光路と平行にz軸、p軸と平行な方向にx軸が配置されており、入射光の光路とLBO結晶82のz軸とのなす角θ=0、入射光の光路とLBO結晶82のx軸とのなす角φ=0となっている。このため、θ=φ=0で位相整合がとれるように波長λ5、λ6を選択してLBO結晶82に入射させている。
このとき、上述のように、BBO結晶55からの出射光λ5は205〜235nmの範囲内の波長を有し、OPO40からの出射光λ6は約1988〜2090nmの範囲内の波長を有している。図6には、上記範囲の波長の光がBBO結晶82に入射した場合に和周波混合により生成される光の波長λ7を、2.5nmごとに示している。ここで、図6における波長λ5と波長λ6との組み合わせは、位相整合条件θ=φ=0を満たしている。また、図6には示していないが、例えば、第1の実施の形態におけるシグナル光λ4の最小波長とアイドラ光λ6の最大波長との組み合わせとなるλ5=205nm、λ6=2090nmの光が入射するとき、LBO結晶82での和周波混合により、λ7=186.7nmの光λ7を出射する。このように、位相整合条件θ=φ=0においてλ7=186.7nmから少なくともλ7=210nmまでの波長範囲の光λ7が、表に示したλ5、λ6の組み合わせを含む1/λ7=1/λ5+1/λ6を満たす波長の組み合わせにより出力される。
図7に、LBO結晶82の入出射面における透過率の波長依存性の変化を、無反射コーティングの有無に対して示す。図7に示すように、入射面において、ARコート無しの破線で示した場合には、入射光の波長が約170〜2300nmに対して約88〜90%の透過率である。ARコートを施した実線で示した場合には、170〜235nm、および1980〜2140nmの波長範囲で、100%に近い透過率を示している。よって、光λ5、光λ6はLBO結晶82にほぼ100%入射し、LBO結晶82で和周波混合された光λ7は、ほぼ100%出射する。
上述のようにして光波長変換装置1は、186.7〜210nmの範囲内の波長を有する真空紫外光λ7を出力する。
以上説明したように、第1の実施の形態による光波長変換装置1によれば、和周波混合器80のLBO結晶82に対する入射光の角度θ=φ=0度が位相整合条件になるように、OPO30及びOPO40からの出射光λ4、λ6の波長をLBO結晶82から出力させたい波長に応じて選択することができる。よって、高密度の集積回路のパターニング等に必要とされる真空紫外光を発生させることが可能になる。このとき、位相整合条件がθ=φ=0度の一定条件で固定されているので、光波長変換装置1の調整が簡便である。
光波長変換装置1では、1つのレーザ3からのパルス光を光源として、OPO30、40で波長変換を行い、LBO結晶82に入射させるので、入射光λ5、λ6のタイミングを合致させることが容易であり、パルス幅を小さくできると共に、真空紫外光の出力効率を向上させることができる。また、入射光λ5、λ6のバンド幅を縮小することができるので、発生する真空紫外光λ7のバンド幅も縮小化が可能である。
このとき、LBO結晶82における位相整合条件がθ=φ=0度であるので、ウォークオフ角がゼロになり、出力されるビームの形状を高密度のパターニング等に適した形状に保つことが可能であるとともに、波長変換が高効率の光波長変換装置となっている。また、θ=φ=0度のとき、入射光の偏光方向を一方をp軸、他方をq軸にそろえることで、有効非線形定数を常に最大とすることができ、利用可能な入射光λ5、λ6の波長の全範囲において出力光の発生効率をさらに向上させることが可能となっている。
さらに、BBO結晶55、LBO結晶82に、夫々入出射波長の透過率を増大させることのできる無反射コーティングを施したので、光周波数変換装置1の変換効率をさらに向上させることができる。
(第1の実施の形態の変形例)
次に、図8から図10を参照しながら、第1の実施の形態による光波長変換装置1の変形例について説明する。図8は、光波長変換装置1の変形例である、光波長変換装置100の構成を示す図である。図8に示すように、光波長変換装置100は、光波長変換装置1に、パラメトリック発振器(OPO)40a及び、和周波混合部92を追加し、遅延光路85でパルス光が和周波混合器80に到達するタイミングのずれを補正し、ミラー94、96で光を所定の方向に進行させるようにした構成である。なお、図8において、図1のレーザ3から高調波発生器7、9、フィルタ13、ハーフミラー15、ガラス板17、ミラー19を経て光λ3Aと光λ3Bとが出力される部分をまとめて励起光源3aとして示している。また、光波長変換装置1およびOPO40aは、得ようとする出力光の波長に応じた2種類の異なる波長の光を生成する光入力手段となっており、和周波発生部92は、生成された2種類の異なる波長の光を変換して、所望の波長の光を出力している。
以下、光波長変換装置100の構成を詳細に説明する。光波長変換装置1と重複する構成要素については、同一の部材番号を付し、詳細説明を省略する。
光波長変換装置1は、上述したように186.7〜210nmの範囲内の波長λ7を有する真空紫外光を出射する。本変形例においては、光波長変換装置1が第1波長変換手段となる。
OPO40aは、OPO40と同様の構成であり、励起光源3aにおける高調波発生器9(図1参照、図8では図示省略)から出力される光λ3(λ3=354.7nm)の一部が入射される。たとえば、励起光源3aにおけるフィルタ13とハーフミラー15(図1参照、図8では図示省略)との間にハーフミラーを追加することにより、光λ3(λ3=354.7nm)の一部λ3C(λ3C=354.7nm)が分岐されてOPO40aに入射される。OPO40aは、かかる光λ3Cが入射され、パラメトリック発振及び波長選択を行うことにより、2085〜2135nmの範囲内の波長λ8を有するアイドラ光を出射する。OPO40aは、本変形例の第2波長変換手段である。
遅延光路85は、光波長変換装置1からの出射光λ7(λ7=186.7〜210nm)と、OPO40aの光路からの光λ8との光路長の差を調整してパルス光の発光のタイミングを合致させるための遅延光路であり、ミラー86〜89を有している。ミラー86〜89は、光λ7を全反射するミラーであり、夫々入射光の光路に対し約45度の角度に設置されている。遅延光路85は、出射光λ7とOPO40aからの出射光λ8とが和周波混合器80に同時に入射するように調整する。
ミラー94は、OPO40aからの出射光λ8の光路上に、光路に対して約45度の角度に設置され、光λ8を、ミラー96の方向に全反射する。
ミラー96は、光λ7の光路に対し約45度の角度に設置され、遅延光路85の出射光λ7を透過し、OPO40aからの出射光λ8を全反射するダイクロイックミラーである。
和周波発生部92は、入出射する光の波長が異なることを除けば光波長変換装置1の和周波発生部90と実質的に同一の構成である。和周波発生部92は、和周波混合器80、フィルタ98を有し、ミラー96の出射側の光路上に設けられている。
和周波混合器80には光λ7と光λ8とが入射し、それら入射光と、和周波混合による光λ9(ここでは、1/λ9=1/λ7+1/λ8)を、入射光の光路とほぼ一直線上に出射する。
フィルタ98は、多層膜で構成され、187nm超〜210nmおよび2085nm〜2135nmの波長の光を吸収し172nm〜187nmの波長の光を透過する波長選択素子である。したがって、フィルタ98は、和周波混合器80の出射光のうち、光λ7および光λ8を吸収し、光λ9を透過する出力光選択手段として機能する。
次に、光波長変換装置100の動作について説明する。和周波発生部90から光λ7が出力されるまでの部分、およびOPO40aから光λ8が出力されてミラー94で45度方向に反射されるところまでは、第1の実施の形態においてすでに説明した動作と同様であるので省略する。
同期調整回路85で光路長を調整された光λ7はミラー96を透過し、ミラー94で反射された光λ8は、ミラー96で直角方向に反射される。光λ7と光λ8とは、互いに同一のタイミングで和周波混合器80に入射する。
第1の実施の形態と同様、和周波混合器80はLBO結晶82を備えており、図示せぬ波長板で偏光方向をq軸に平行な方向に調整され異常光となった光λ7と、常光となる光λ8とが入射する。LBO結晶82は、上述したように入射光の光路と平行にz軸、p軸と平行な方向にx軸が配置されており、入射光の光路とLBO結晶82のz軸とのなす角θ=0、入射光の光路とLBO結晶82のx軸とのなす角φ=0となっている。このため、第1の実施の形態における場合と同様に、θ=φ=0で位相整合がとれるように波長λ7、λ8を選択してLBO結晶82に入射させている。このとき、波長λ7は、186.7〜210nmの範囲内の値を有し、波長λ8は、2085〜2135nmの範囲内の値を有する。
LBO結晶82は、光λ7と光λ8とを和周波混合して、光λ7および光λ8の一部と共に光λ9を出力する。光λ7〜光λ9は、フィルタ84に入射し、光λ7と光λ8とはフィルタ84に吸収され、光λ9は透過し、出力光として得られる。
図9は、入射光の角度θ=φ=0度となる位相整合条件を満たす光λ7および光λ8に対して、和周波混合により生成される光λ9を2.5nm刻みで表した表である。図9は、計算上波長が170nm以上の範囲の出射光について示しているが、本変形例においては、波長λ7は上述のように186.7〜210nm、波長λ8は、2085〜2135nmであるので、出力される波長λ9は、172〜187nmとなる。
図10は、図6および図9をまとめ、さらに、波長λ5として出力可能な最大波長(図2参照)である約290nmまで、および波長λ6として出力可能な最小波長(図2参照)である約1780nmまで拡張してグラフに示した図である。横軸には、波長λ5、λ7および波長λ6、λ8を示し、波長λ5と波長λ6より生成される波長λ7、波長λ7と波長λ8より生成される波長λ9を縦軸に示している。このように、波長約170〜250nmの範囲の光を出力することが可能になる。
以上説明したように、第1の実施の形態の変形例による光波長変換装置100によれば第1の実施の形態による光波長変換装置1の構成に加えてOPO40aを備えたことにより、より短波長の光λ9まで出力することが可能になっている。
(第2の実施の形態)
次に、図11を参照しながら、第2の実施の形態による光波長変換装置200について説明する。図11に示すように第2の実施の形態による光波長変換装置200は、レーザ3、高調波発生器5、9、205、OPO30、240、高調波発生器53、及び和周波発生部90を有している。ここで、レーザ3、高調波発生器5、9、205、OPO30、240、高調波発生器53は、得ようとする出力光の波長に応じた2種類の異なる波長の光を生成する光入力手段となっており、和周波発生部90は、生成された2種類の異なる波長の光を変換して、所望の波長の光を出力している。また、光波長変換装置200において、波長の選択、光路の変更、光の分配、光路および光路長の調整等のため、フィルタ13、213、ガラス板69、ミラー29、71、73、219及び遅延光路60を用いている。図中の波長λ1〜λ7は、それぞれの箇所での光の波長または光そのものを表す。
以下、光波長変換装置200の構成を詳細に説明する。
光波長変換装置200において、レーザ3から高調波発生器5、9、OPO30、高調波発生器53、遅延回路60、ガラス板69の光路は、ハーフミラー15に替えてミラー29が備えられておりフィルタ13で反射した光λ3の全部がOPO30に入射することを除けば光波長変換装置1と同様の構成であり、動作が実質的に同一であるので説明を省略する。
光波長変換装置200では、フィルタ13の透過光を利用する点が光波長変換装置1と異なっている。フィルタ13の透過光は、波長λ1=1064nmの光λ1と、その第2高調波の波長λ2=532nmの光λ2である。ただしここでは、光λ2は光λ1に比べて光量が有意に弱い。
高調波発生器205は、BBO結晶7を有しており、高調波発生器5と同一の構成である。高調波発生器205には、フィルタ13の透過光λ1及び光λ2が入射するが、上記のように光λ2は光λ1よりも十分弱く、高調波発生器205は、光λ1の第2高調波発生器として作用し、光λ1の一部とその第2高調波である光λ2A(波長λ2A=532nm)を出射する。
フィルタ213は、多層膜で構成され、高調波発生器205の出射光の光路上に光路に対し約45度の角度に備えられ、光λ1を透過し、光λ2および光λ2A(以下まとめて光λ2Aという)を反射する波長選択素子である。吸収体214は、フィルタ213を透過した光λ1を吸収する。
ミラー219は、フィルタ213の反射光の光路上に、光路に対し約45度の角度に備えられ、光λ2Aを全反射するミラーである。
パラメトリック発振器240は、共振器ミラー241、244、回転台32、BBO結晶33、回転台35、ガラス体36、フィルタ247を有している。
共振器ミラー241は、ミラー219の反射光の光路上に、光路に垂直に備えられている。共振器ミラー241は、波長532nmの光に対し90%以上の透過率を持ち、波長約710nm〜730nmの光に対し、50%以上の反射率を持つミラーである。
共振器ミラー241の出力側にBBO結晶33が配置されている。BBO結晶33は、回転台32に載置され、共振器ミラー241からの出力光の光路上の一点を回転中心として、図11の紙面内で回転可能に備えられている。BBO結晶33は、光λ2Aが入射すると、入射光の一部と、入射光のBBO結晶の光学的弾性軸に対する角度に応じた波長のシグナル光及びアイドラ光を出射する。出射光の詳細については後述する。
共振器ミラー244は、BBO結晶33の出力側の光路上に共振器ミラー241と互いに平行に対向して備えられている。共振器ミラー244は、波長532nmの光に対し90%以上の透過率を持ち、約710nm〜730nmの光に対し、50%前後の反射率を持つミラーである。共振器ミラー244は、共振器ミラー241との間で共振器を構成し、BBO結晶33から出射される光を増幅する。なお、共振器ミラー241および共振器ミラー244が約710nm〜730nmの光に対し50%前後の反射率を有するので、波長532nmの入射光によるパラメトリック発振により、約710nm〜730nmのシグナル光とともに、対応する約1961nm〜2122nmのアイドラ光が発振することになる。
共振器ミラー244の出力側の光路上に、ガラス体36が配置されている。ガラス体36は、回転台35に載置され、共振器ミラー244からの出力光の光路上の一点を回転中心として紙面に平行な面内で回転可能に備えられている。ガラス体36は、回転台35の回転により光路に対し所定の角度に調整され、共振器ミラー241への入射光の光路と、ガラス体36の透過光の光路とが一直線上になるように補正する光路補正素子である。
フィルタ247は、多層膜で構成され、ガラス体36の透過光の光路上に光路に垂直に備えられ、1800nm〜2200nmの光を透過し532nmの光を吸収する波長選択素子である。したがって、フィルタ247は、1988〜2135nmの範囲内の波長を有するアイドラ光を透過し、532nmの波長を有する入射光λ2Aを吸収または反射する。
ミラー71は、OPO240から出力されたアイドラ光をミラー73の方向に反射する。
次に、光波長変換装置200の動作について説明する。レーザ3から高調波発生器5、9、OPO30、高調波発生器53、遅延回路60、ガラス板69の光路は、第1の実施の形態においてすでに説明した動作と同様であるので省略する。
図11において、フィルタ13には、第1の実施の形態と同様に光λ1〜光λ3が入射する。ここで波長λ1=1064nm、波長λ2=532nm、波長λ3=354.7nmである。フィルタ13は、光λ3をミラー29の方向に反射すると共に、光λ1および光λ2を透過する。このとき、光λ1および光λ2は偏光方向がp軸に平行な常光として高調波発生器205に入射する。上述のように、光λ2は光λ1に比べて強度が十分低いので、高調波発生器205は、光λ1の第2高調波光λ2Aを主に発生させ、q軸に平行な偏光方向の光λ2Aと、入射した光λ1の一部を出力する。
フィルタ213は、光λ1を透過し、光λ2Aを入射方向に対し約90度の方向に反射する。フィルタ213を透過した光λ1は、吸収体214に吸収される。反射された光λ2Aは、ミラー219にさらに反射され、OPO240の共振器ミラー241に入射する。共振器ミラー241は、光λ2Aの約90%を透過する。この透過光λ2Aは、q軸に平行な偏光方向の直線偏光であり、異常光としてBBO結晶33に入射する。
BBO結晶33は、光λ2Aを励起光として、入射光λ2AのBBO結晶33に対する入射角度に応じた波長のシグナル光とアイドラ光を出射する。BBO結晶33は、波長制御部(図示せず)により回転を制御される回転台に載置されており、入射光λ2Aに対し、得たいアイドラ光の波長(この場合、1988〜2090nmの範囲内の波長を含む)に位相整合する角度に調整されている。位相整合する角度と出射光の波長とは、図12に示すような関係がある。第2の実施の形態においては、波長が532nmの入射光λ2Aが励起光であるから、図12のλp=532nmの曲線で表される関係である。例えば図12に示すように、角度θを約23.5度から約23.8度の範囲で調整することによって、波長1900nmから波長2300nmの光が、アイドラ光として得られる。すなわち、角度θを調整することによって、BBO結晶33は第1の実施の形態による光λ6と同様の1988〜2090nmの波長範囲を有するアイドラ光λ6およびそれに対応するシグナル光を出射する。
共振器ミラー244は、少なくともBBO結晶33から出力されるシグナル光を約50%反射する。よってOPO240において、共振器ミラー241、244間でパラメトリック発振によりシグナル光が発振し、同時にそのシグナル光に対応する所望の波長のアイドラ光λ6も発振し出力される。ここで出力されるシグナル光及びアイドラ光λ6は、共にp軸に平行な偏光方向の直線偏光(常光)となっている。
BBO結晶33から出力されるシグナル光及びアイドラ光λ6、ガラス体36に入射する。ガラス体36は、図示せぬ波長制御部により制御される回転台35に載置され、紙面に平行な面内での角度を制御されて、共振器ミラー241に入射する入射光の光路と一直線上になる方向にシグナル光とアイドラ光λ6を出射する。このとき、回転台35は、回転台32と、互いに逆方向に同一角度回転するように構成され、簡便に光路補正を行えるようになっている。
アイドラ光λ6と光λ6に対応するシグナル光とは、光λ2Aの光路の延長線方向からフィルタ247に入射し、アイドラ光λ6は透過し、シグナル光は吸収される。よって、OPO240から、回転台32の回転角に応じて約1988〜2090nmの範囲内の波長を有するアイドラ光λ6が出射される。
以上のような動作により、OPO240は、光λ2Aを入力されて、波長1988〜2090nmのアイドラ光λ6を出力する。出力される光λ6の波長は、BBO結晶33の入射光路に対する角度に依存する。OPO240から出力される光λ6は、第1の実施の形態におけるOPO40から出力される光λ6と実質的に同一である。よって、光波長変換装置200において、和周波混合部90に光λ5と光λ6とが入射し、和周波混合されることにより、真空紫外光λ7が出力される。
以上説明したように、第2の実施の形態による光波長変換装置200によれば、第1の実施の形態による光波長変換装置1のOPO40に替えてOPO240を備え、OPO240がOPO40と同様の波長範囲の光λ6を出力するので、光波長変換装置1と同様の作用、効果に加え、第1の実施の形態においては利用しなかった光λ2を利用することによって、光源の出力利用効率を高めることができる。
(第3の実施の形態)
次に、図13を参照しながら、第3の実施の形態による光波長変換装置300について説明する。図13に示すように、第3の実施の形態による光波長変換装置300は、レーザ3、高調波発生器5、9、パラメトリック発振器(以下、OPOという)30、340、高調波発生器53、及び和周波発生部90を有している。ここで、レーザ3、高調波発生器5、9、OPO30、340、高調波発生器53は、得ようとする出力光の波長に応じた2種類の異なる波長の光を生成する光入力手段となっており、和周波発生部90は、生成された2種類の異なる波長の光を変換して、所望の波長の光を出力している。また、光波長変換装置300において、波長の選択、光路の変更、光の分配、光路および光路長の調整等のため、フィルタ13、313、ガラス板69、ミラー29、319、遅延光路60、ミラー73およびミラー371を用いている。図中の波長λ1〜λ7は、それぞれの箇所での光の波長または光そのものを表す。
以下、光波長変換装置300の構成を詳細に説明する。
光波長変換装置300において、レーザ3から高調波発生器5、9、OPO30、高調波発生器53、遅延回路60、ミラー73の光路は、光波長変換装置200と同一の構成であるので説明を省略する。
光波長変換装置300でも、光波長変換装置200と同様、フィルタ13の透過光を利用する。フィルタ13の透過光は、波長λ1=1064nmの光λ1と、その第2高調波の波長λ2=532nmの光λ2である。
フィルタ313は、多層膜で構成され、フィルタ13の透過光の光路上に光路に対し約45度の角度に備えられ、光λ2を透過し、光λ1を反射する波長選択素子である。吸収体314は、フィルタ313を透過した光λ2を吸収する。
ミラー319は、フィルタ313の反射光の光路上に、光路に対し約45度の角度に備えられ、光λ1を全反射するミラーである。
パラメトリック発振器340は、共振器ミラー341、344、回転台32、BBO結晶33、回転台35、ガラス体36、フィルタ347を有している。
共振器ミラー341は、ミラー319の反射光の光路上に、光路に垂直に備えられている。共振器ミラー341は、波長1064nmの光に対し90%以上の透過率を持ち、波長約1980〜2100nmの光に対し、50%以上の反射率を持つミラーである。
共振器ミラー341の出力側にBBO結晶33が配置されている。BBO結晶33は、回転台32に載置され、共振器ミラー341からの出力光の光路上の一点を回転中心として、図13の紙面に平行な面内で回転可能に備えられている。BBO結晶33は、光λ1が入射すると、入射光の一部と、入射光のBBO結晶の光学的弾性軸に対する角度に応じた波長のシグナル光及びアイドラ光を出射する。出射光の詳細については後述する。
共振器ミラー344は、BBO結晶33の出力側の光路上に共振器ミラー341と互いに平行に対向して備えられている。共振器ミラー344は、波長1064nmの光に対し90%以上の透過率を持ち、波長約1980〜2100nmの光に対し、50%前後の反射率を持つミラーである。共振器ミラー344は、共振器ミラー341との間で共振器を構成し、BBO結晶33から出射される光を増幅する。
共振器ミラー344の出力側の光路上に、ガラス体36が配置されている。ガラス体36は、回転台35に載置され、共振器ミラー34からの出力光の光路上の一点を回転中心として紙面内で回転可能に備えられている。ガラス体36は、回転台35の回転により光路に対し所定の角度に調整され、共振器ミラー341への入射光の光路と、ガラス体36の透過光の光路とが一直線上になるように補正する光路補正素子である。
フィルタ347は、多層膜で構成され、ガラス体36の透過光の光路上に光路に垂直に備えられ、1900nm〜2200nmの波長の光を透過し1064nmの波長の光を吸収する波長選択素子である。このため、フィルタ347は、1988〜2135nmの範囲内の波長を有するアイドラ光を透過し、1064nmの波長を有する入射光λ1を吸収または反射する。
ミラー371は、OPO340から出力されたアイドラ光λ6をミラー73の方向に反射する。
次に、光波長変換装置300の動作について説明する。レーザ3から高調波発生器5、9、OPO30、高調波発生器53、遅延回路60、ガラス板69の光路は、第1の実施の形態においてすでに説明した動作と同様であるので省略する。
図13において、フィルタ13には、第1の実施の形態と同様に光λ1〜光λ3が入射する。ここで波長λ1=1064nm、波長λ2=532nm、波長λ3=354.7nmである。フィルタ13は、光λ3をミラー29の方向に反射すると共に、光λ1および光λ2を透過する。このとき、光λ1および光λ2は偏光方向がp軸に平行な状態である。
フィルタ313は、光λ2を透過し、光λ1を入射方向に対し約90度の方向に反射する。フィルタ313を透過した光λ2は、吸収体314に吸収される。反射された光λ1は、ミラー319にさらに反射され、図示しない波長板によりq軸に平行な偏光方向の直線偏光に変換され、異常光としてOPO340の共振器ミラー341に入射する。共振器ミラー341は、光λ1の約90%を透過する。
BBO結晶33は、光λ1を励起光として、入射光λ1のBBO結晶33に対する入射角度に応じた波長のシグナル光とアイドラ光を出射する。BBO結晶33は、波長制御部(図示せず)により回転を制御される回転台に載置されており、入射光λ1に対し、得たいアイドラ光の波長(この場合、1988〜2090nmの範囲内の波長を含む)に位相整合する角度に調整されている。位相整合する角度と出射光の波長とは、図12に示すような関係がある。第3の実施の形態においては、波長が1064nmの入射光λ1が励起光であるから、図12のλp=1064nmの曲線で表される関係である。例えば図12に示すように、角度θを約21.3度から約21.7度の範囲で調整することによって、波長1900nmから波長2300nmの光が、アイドラ光として得られる。すなわち、角度θを調整することによって、BBO結晶33は第1の実施の形態による光λ6と同様の1988〜2090nmの波長範囲を有するアイドラ光λ6を出射する。
共振器ミラー344は、BBO結晶33から出力されるシグナル光とアイドラ光とを約50%反射し、他を透過する。よってOPO340において、共振器ミラー341、344間でパラメトリック発振が行われ、所望の波長のアイドラ光λ6と、それに対応するシグナル光を出力する。ここで出力されるシグナル光及びアイドラ光λ6は、共にp軸に平行な偏光方向の直線偏光(常光)となっている。
BBO結晶33から出力されるシグナル光及びアイドラ光λ6は、ガラス体36に入射する。ガラス体36は、図示せぬ波長制御部により制御される回転台35に載置され、紙面に平行な面内での角度を制御されて、共振器ミラー344に入射する入射光の光路と一直線上になる方向にシグナル光とアイドラ光λ6とを出射する。このとき、回転台35は、回転台32と、互いに逆方向に同一角度回転するように構成され、簡便に光路補正を行えるようになっている。
アイドラ光λ6と光λ6に対応するシグナル光とは、入射光λ1の光路の延長線方向からフィルタ347に入射し、アイドラ光λ6は透過し、シグナル光は吸収される。よって、OPO340から、回転台32の回転角に応じて約1988〜2090nmの範囲内の波長を有するアイドラ光λ6が出射される。
以上のような構成により、OPO340は、光λ1を入力されて、波長1988〜2090nmのアイドラ光λ6を出力する。出力される光λ6の波長は、BBO結晶33の入射光路に対する角度に依存する。OPO340から出力される光λ6は、第1の実施の形態におけるOPO40から出力される光λ6と実質的に同一である。よって、光波長変換装置300において、和周波混合部90に光λ5と光λ6とが入射し、和周波混合されることにより、真空紫外光が出力される。
以上説明したように、第3の実施の形態による光波長変換装置300によれば、第1の実施の形態による光波長変換装置1のOPO40に替えてOPO340を備え、OPO340がOPO40と同様の波長範囲の光λ6を出力するので、光波長変換装置1と同様の作用、効果に加え、第1の実施の形態においては利用しなかった光λ1を利用することによって、光源の出力利用効率を高めることができる。
尚、本発明の波長変換装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、光入力手段は、上記実施の形態に限定されない。
一例として、OPO40、OPO240またはOPO340において、BBO結晶33に替えてKTP(KTiOPO)結晶を用いることもできる。図14は、KTP結晶による光パラメトリック発振を行う際の入射角θと出力光の波長との関係を示している。図14に示したように、KTP結晶によってもθ=θ1またはθ2で波長1988nmの光、θ=θ3またはθ4で波長2090nmの光を出力することが可能である。なおこのとき、KTP結晶は、出力されるシグナル光とアイドラ光とが異なる偏光方向を有するタイプ2のものを用いている。よって、OPO40、OPO240またはOPO340から出力される光λ6と実質的に同一の波長の光となるため、上記第1から第3の実施の形態による光波長変換装置と同様の作用、効果を得ることができる。
また、上記実施の形態においては、すべて非線形光学媒質の和周波混合を利用したが、差周波混合を利用するようにしてもよい。
本発明の光波長変換装置は、高密度の集積回路のパターニング等に利用可能である。
第1の実施の形態による光波長変換装置の構成を示す図。 BBO結晶における入射光の角度とパラメトリック発振により生成される光の波長との関係を示す図。 第1の実施の形態による光波長変換装置の一部の構成を示す図。 BBO結晶の入出射面における透過率の波長依存性における無反射コーティングの効果を示す図。 LBO結晶の配置を示す図。 LBO結晶による和周波混合により生成される光の波長を示す図。 LBO結晶の入出射面における透過率の波長依存性における無反射コーティングの効果を示す図。 第1の実施の形態による光波長変換装置の変形例の構成を示す図。 第1の実施の形態の変形例において和周波混合により生成される光の波長を示す図。 第1の実施の形態およびその変形例において、LBO結晶への入射光と出射光との波長の関係を示す図。 第2の実施の形態による光波長変換装置の構成を示す図。 第1の実施の形態および第3の実施の形態において、BBO結晶における入射光の角度とパラメトリック発振により生成される光の波長との関係を示す図。 第3の実施の形態による光波長変換装置の構成を示す図。 KTP結晶による光パラメトリック発振を行う際の入射角と出力光の波長との関係を示す図。
符号の説明
1:波長変換装置 3:レーザ 5、7、53:高調波発生器 13:フィルタ 15:ハーフミラー 17、69:ガラス板 19:ミラー 30、40:パラメトリック発振器 33:BBO結晶 51:波長制御部 60:遅延光路 80:和周波混合器 82:LBO結晶 84:フィルタ 90:和周波混合部

Claims (4)

  1. 第1波長の第1光及び第2波長の第2光の入射に応じて光周波数混合により前記第1光、前記第2光、及び第3波長の第3光を出射する非線形光学媒質と、
    前記第1光及び前記第2光を前記非線形光学媒質に入射する光入力手段と、
    前記非線形光学媒質の出射光から前記第3光を選択的に出力する出力光選択手段と、
    を有し、
    前記第1波長および前記第2波長は、得ようとする前記第3波長との関係において前記非線形光学媒質の位相整合条件を一定とするように選定されることを特徴とする光波長変換装置。
  2. 前記光入力手段は、
    パルス光を出力する励起光源と、
    前記パルス光を2分する分波手段と、
    前記分波手段の一方の出力を波長変換して前記第1光を生成する第1波長変換手段と、
    前記分波手段の他方の出力を波長変換して前記第2光を生成する第2波長変換手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の光波長変換装置。
  3. 前記非線形光学媒質は、三ホウ酸リチウム(LiB)結晶であり、
    前記三ホウ酸リチウム結晶の光学的弾性軸をx軸、y軸及びz軸、前記x軸、y軸及びz軸それぞれに対応する屈折率をnx、ny、nz(nx<ny<nz)とするとき、前記第1光及び前記第2光の前記非線形光学結晶内での進行方向はz軸方向であることを特徴とする請求項1または2に記載の光波長変換装置。
  4. 前記第1光は、前記x軸方向の偏光方向を有する直線偏光であり、前記第2光は前記y軸方向の偏光方向を有する直線偏光であることを特徴とする請求項3に記載の光波長変換装置。
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