JP2006229080A - 超短パルスレーザ伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 超短パルスレーザ光を出射する光源3と、超短パルスレーザ光が入射されるグレーティング19,21を備えたパルス分散補償器9と、を有し、パルス分散補償器9から光源3へ向かう戻り光が、光源3に入射することを防止する入射防止部5を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
多光子励起現象は、単位面積、単位時間当たりの光子密度のn乗(2光子励起の場合はn=2、3光子励起の場合はn=3)に比例した確率で発生するため、多光子励起発生のための光源には、通常、サブピコ秒オーダーの超短パルスレーザ光が用いられている。
この問題を解決する手段として、チャープを調整する手段、いわゆる分散補償光学系を用いる事が知られている。分散補償光学系としては、プリズムペア、グレーティングペア、または、これらを組み合わせた光学系で構成されたものが知られている(非特許文献1および特許文献1,2参照)。
末田正、神谷武編集「超高速エレクトロニクス」培風館、1991年、p.29−34
具体的には、分散補償光学系としてグレーティングペアを使用する場合、グレーティングペアにレーザ光が入射すると、レーザ光が入射した1枚目のグレーティングにより角度分散を持つ−1次の回折光が発生する。その−1次の回折光は、例えば1枚目のグレーティングと平行に対向配置された2枚目のグレーティングに入射する事により、1枚目のグレーティングによる角度分散が補正され、負チャープのレーザ光が形成される。
この回折光(戻り光)は、レーザ光を出射するレーザ発振器に入射する場合があり、かかる場合には、レーザ発振器におけるレーザ発振の不安定化に繋がり、ひいてはレーザ発振器の故障原因になるという問題があった。
なお、出射されるレーザ光の波長はレーザ発振器内の構成を変化させることにより、可変させることができる。
本発明は、超短パルスレーザ光を出射する光源と、前記超短パルスレーザ光が入射されるグレーティングを備えたパルス分散補償器と、を有し、該パルス分散補償器から前記光源へ向かう戻り光が、前記光源に入射することを防止する入射防止部を備える超短パルスレーザ伝達装置を提供する。
また、パルス分散補償器にはグレーティングが備えられているため、グレーティングにより超短パルスレーザ光に負チャープを発生させることができる。
本発明によれば、整流素子を光源とパルス分散補償器との間に挿入することにより、光源からパルス分散補償器へ向かう超短パルスレーザ光およびパルス分散補償器から光源へ向かう戻り光が整流素子に入射される。整流素子は、パルス分散補償器へ向かう超短パルスレーザのみを透過し、光源へ向かう戻り光を遮るため、戻り光が光源に入射することを防止できる。
本発明によれば、アイソレータを光源とパルス分散補償器との間に挿入することにより、パルス分散補償器へ向かう超短パルスレーザ光のみが透過され、光源へ向かう戻り光が遮られるため、戻り光が光源に入射することを防止できる。
具体的には、光源側からアイソレータに入射された互いに直交する一方の直線偏光は、他方の直線偏光に偏光されてパルス分散補償器側へ出射される。パルス分散補償器側からアイソレータに入射された他方の直線偏光は、アイソレータにより光源に入射することが防止される。
前記偏光素子が、前記λ/4板の前記光源側に配置されていることが望ましい。
本発明によれば、偏光素子とλ/4板とを光源とパルス分散補償器との間に挿入することにより、パルス分散補償器へ向かう超短パルスレーザ光のみを透過し、光源へ向かう戻り光を遮るため、戻り光が光源に入射することを防止できる。
具体的には、偏光素子を透過した一方の直線偏光は、λ/4板の順に透過して一方回りの円偏光に偏光されて出射される。光源へ向かう戻り光は、反射により他方回りの円偏光に偏光され、λ/4板を透過する際に他方の直線偏光に偏光される。他方の直線偏光は偏光素子により、光源に入射することが防止される。
本発明によれば、前記入射防止部が、グレーティングを入射する超短パルスレーザの光軸に対して傾けて配置することにより構成されているため、グレーティングの回折光が上記光軸と同軸方向であって光源に向けて出射されることを防止できる。そのため、パルス分散補償器から光源へ向かう戻り光(回折光)が、光源に入射することを防止できる。
本発明によれば、グレーティングを上記回転軸回りに回転させ傾けることにより、グレーティングから光源に向かう戻り光(回折光)の光軸の向きを変更させることができる。そのため、パルス分散補償器から光源へ向かう戻り光(回折光)が、光源に入射することを防止できる。
本発明によれば、グレーティングを上記回転軸回りに回転させ傾けることにより、グレーティングから光源に向かう戻り光(回折光)の光軸の向きを変更させることができる。そのため、パルス分散補償器から光源へ向かう戻り光(回折光)が、光源に入射することを防止できる。
d < mλ/(2sinα),
m=−2,または、m=2 ・・・(1)
ここで、dは前記グレーティングの溝間隔、mは次数(整数)、λは前記超短パルスレーザ光の波長、αは前記超短パルスレーザ光の前記グレーティングへの入射角である。
以下、本発明における超短パルスレーザ伝達装置に係る第1の実施形態について図1を参照して説明する。ここでは、本発明の超短パルスレーザ伝達装置を多光子励起走査型顕微鏡に用いる例に適用して説明する。
図1は、本実施形態における超短パルスレーザ伝達装置の概略構成を説明する全体図である。
なお、図1中のZ軸は、超短パルスレーザ光の出射光軸と平行な軸であって、超短パルスレーザ光の出射方向(図1中右方向)が正方向となる軸であり、X軸は、紙面に含まれると共にZ軸に対して垂直な軸であって、図1中の上方向が正方向となる軸であり、Y軸はZ−X平面に対して垂直な軸であって、手前方向が正方向となる軸である。
アイソレータ2は、ファラデーローテータ(図示せず)とλ/4板(図示せず)を含む光学素子で構成されている。また、アイソレータ2は、超短パルスレーザ光源3側から入射されたS偏光をP偏光に偏光して分散補償光学系9側に出射し、分散補償光学系9側から入射される光は透過しないように構成されている。
第1のグレーティング19は、超短パルスレーザ光源3から出射された超短パルスレーザ光の入射角αが所定の角度となるように配置され、第2のグレーティング21は、第1のグレーティング19および第2のグレーティング21に対する垂直方向へ平行移動可能に配置されている。
また、第1のグレーティング19および第2のグレーティング21は、S偏光配置に置かれている。
出力調整光学系13としては、AOTF(Acousto−Optic Tunable Filter)や、AOM(Acousto−Optic Modulator)等の音響光学素子や、電気光学素子、回転機構の付いた直線偏光板、減光率を制御できるNDフィルタ、絞り径を制御できる可変絞り等を用いることができる。
ビーム整形光学系15には、ビームエクスパンダや、空間フィルタ等を用いることができる。
まず、超短パルスレーザ光源3から、例えば、波長が約700nmから1000nmのS偏光の超短パルスレーザ光が出射される。S偏光の超短パルスレーザ光は、アイソレータ5によりP偏光に偏光されλ/2板7に向けて出射される。P偏光に変換された極短パルスレーザ光は、λ/2板7を通過する際にS偏光に偏光され、分散補償光学系9に向けて出射される。
例えば、波長700nmの超短パルスレーザ光が入射角−60°で、溝間隔1.667μmを持つ第1のグレーティング19に入射した場合、0次、−1次、−2次、−3次、−4次の回折光が発生する。
あるいは、波長960nmの光が入射した場合には、−3次の回折光と第1のグレーティング19の法線とのなす角と、超短パルスレーザ光の第1のグレーティング19への入射角αとが近くなる。そのため、−3次の回折光は入射する超短パルスレーザ光の光軸とほぼ同軸で超短パルスレーザ光源3方向に進む戻り光となる。
第2のグレーティング21に入射した−1次の回折光は、多くの次数に回折され、複数の回折光として出射される。第2のグレーティング21により回折された−1次の回折光は、第1のグレーティング19に入射する超短パルスレーザ光の光軸と平行方向に進み、負チャープを形成する。また、負チャープを形成する事で、パルス幅は伸長されている。
第1の45度全反射ミラー23に反射されたレーザ光は、出力調整光学系13に入射され、適正な出力に調整される。
出力調整光学系13から出射されたレーザ光はビーム整形光学系15に入射され、ビーム整形光学系15において適正なビーム径、ビームダイバージェンスに補正される。そして最後に、ビーム整形光学系15から出射されたレーザ光は、多光子顕微鏡17に導入される。
そのため、第2のグレーティング21の位置を制御することにより、分散補償光学系9によるパルスレーザ光の負チャープの形成量を制御できる。
このとき同時に、光軸調整光学系11の第1の45度全反射ミラー23は、この−1次の回折光の移動に応じてX軸方向に移動されるため、−1次の回折光は常に第1の45度全反射ミラー23の所定位置に入射されて、−X軸方向に反射される。その結果、分散補償光学系9から出射されるレーザ光の光軸の変位を補正し、光軸調整光学系11から出射されるパルスレーザ光の光軸を常に同軸に保つことができる。
かかる場合にも、光軸調整光学系11から出射されるパルスレーザ光の光軸を常に同軸に保つことができる。
あるいは、上述のλ/2板7や45度全反射ミラーを使用せずに、アイソレータ5から出射されたP偏光の光を、そのままP偏光配置に置かれた第1のグレーティング19、および、第2のグレーティング21に入射させてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について図2を参照して説明する。
図2は、本実施形態における超短パルスレーザ伝達装置の概略構成を説明する全体図である。
本実施形態の超短パルスレーザ伝達装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、超短パルスレーザ光源と分散補償光学系との間に配置される構成要素が異なっている。よって、本実施形態においては、超短パルスレーザ光源と分散補償光学系との間に配置される構成要素のみを説明し、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
なお、偏光ビームスプリッタ55代わりに、偏光フィルタや音響光学素子などの素子を用いてもよい。
まず、超短パルスレーザ光源3から出射されたS偏光の超短パルスレーザ光は、偏光ビームスプリッタ55に入射する。S偏光の超短パルスレーザ光はそのまま偏光ビームスプリッタ55を透過して、λ/4板57に向けて出射される。λ/4板57に入射したS偏光は、一方向回りの円偏光、例えば右回りの円偏光に偏光され、分散補償光学系9に向けて出射される。
その内の所定次数の回折光が、所定波長のレーザ光の条件の下で、入射する超短パルスレーザ光の光軸とほぼ同軸で超短パルスレーザ光源3方向に進む戻り光となる。
P偏光に偏光された戻り光は偏光ビームスプリッタ55に入射され、偏光反射面56により+X軸方向に反射されて超短パルスレーザ光源3の出射光軸から除去される。
以後の分散補償光学系9より下流側の光学系の作用については、第1の実施形態(図1参照)と同じであるため、図2にその構成を示して説明を省略する。
次に、本発明の第3の実施形態について図3から図5を参照して説明する。
図3は、本実施形態における超短パルスレーザ伝達装置の概略構成を説明する全体平面図である。図4は、図3の光軸調整光学系の構成を説明する側面図であり、図5は、図3の光軸調整光学系の構成を説明する正面図である。
本実施形態の超短パルスレーザ伝達装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、超短パルスレーザ光源と出力調整光学系との間に配置される構成要素が異なっている。よって、本実施形態においては、図3から図5を用いて超短パルスレーザ光源と出力調整光学系との間に配置される構成要素のみを説明し、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
第1のグレーティング119および第2のグレーティング121は、Y−Z平面をY軸回り正方向に所定角度回転させた平面を、その平面とZ−X平面との交線と略平行な回転軸P1回りに所定角度回転させた平面と略平行に配置されている。
第1のグレーティング119および第2のグレーティング121は、言い換えると、Y−Z平面をY軸回り正方向に所定角度回転させた平面に対して略平行に配置された状態(第1および第2の実施形態における配置状態)から、溝120に対して略垂直な回転軸P1回りに所定角度回転された状態で配置されている。
第1の45度全反射ミラー123は、X−Y平面をY軸回りに+45度回転させた平面と略平行に配置され、+Z軸方向に進む光を−X軸方向に反射するように配置された全反射ミラーである。また、第1の45度全反射ミラー123は、X軸方向に平行移動可能に配置されている。
第2の45度全反射ミラー125は、Y−Z平面をZ軸回りに+45度回転させた平面と略平行に配置され、−X軸方向に進む光を+Y軸方向に反射するように配置された全反射ミラーである。また、第2の45度全反射ミラー125は、X軸方向に平行移動可能に配置されている。
第3の45度全反射ミラー127は、X−Y平面をX軸回りに+45度回転させた平面と略平行に配置され、+Y軸方向に進む光を+Z軸方向に反射するように配置された全反射ミラーである。
まず、超短パルスレーザ光源3から出射されたS偏光の超短パルスレーザ光は、分散補償光学系109の第1のグレーティング119に入射する。第1のグレーティング119は、回転軸P1回りに所定角度回転され傾いた状態に配置されているため、第1のグレーティング119から出射される各次数の回折光の光軸は、Z−X平面に平行な面であって第1のグレーティング119に入射する超短パルスレーザ光の光軸を含む平面から外れる。
つまり、各次数の回折光は、第1のグレーティング119からZ−X平面に対して所定の角度で交差する方向に出射される。なお、本実施形態においては、各次数の回折光が+Y軸方向に出射されている例に適用して説明する。
そのため、各次数の回折光のいずれかがZ軸に略平行かつ−Z軸方向に進むことがなくなり、超短パルスレーザ光源3に入射することを防止できる。
したがって、かかる場合において、第1のグレーティング119は、−1次以外の次数の回折光(戻り光となる回折光)の回折角が超短パルスレーザ光源3の出射光軸に対して0.14°以上の交差角を有するように、回転軸P1回りに回転配置されている。
なお、これらの値は、上述の値に限定されるものではなく、個々の実施形態によって異なる値を取りうるものである。
第2のグレーティング121の回折光の内の−1次の回折光は、第1のグレーティング119に入射するレーザ光の光軸と平行方向(Z軸と平行方向)に進み、光軸調整光学系111に入射される。
次に、本発明の第4の実施形態について図6を参照して説明する。
図6は、本実施形態における超短パルスレーザ伝達装置の概略構成を説明する全体平面図である。
本実施形態の超短パルスレーザ伝達装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、超短パルスレーザ光源と出力調整光学系との間に配置される構成要素が異なっている。よって、本実施形態においては、図6を用いて超短パルスレーザ光源と出力調整光学系との間に配置される構成要素のみを説明し、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
第1のグレーティング169および第2のグレーティング171は、Y−Z平面をY軸回り正方向に所定角度回転させた平面と平行に配置され、Y軸と平行であって、第1のグレーティング169および第2のグレーティング171の中心を通過する回転軸P2回りに回転自在に配置されている。
まず、超短パルスレーザ光源3から出射されたS偏光の超短パルスレーザ光は、分散補償光学系159の第1のグレーティング169に入射する。第1のグレーティング169に入射されたレーザ光は多くの次数に回折され、その内の−1次の回折光は第1のグレーティング169の回折面と平行を成す様に傾けて配置された第2のグレーティング171へ入射する。
第2のグレーティング171に入射されたレーザ光は更に回折され、複数の回折光の内の−1次の回折光は、第1のグレーティング169に入射するレーザ光の光軸と平行方向(Z軸と平行方向)に進み、光軸調整光学系11に入射される。
以後の分散補償光学系159より下流側の光学系の作用については、第1の実施形態(図1参照)と同じであるため、図6にその構成を示して説明を省略する。
第2のグレーティング171から出射される−1次の回折光はZ軸に対して略平行に保たれているが、X軸方向に平行移動する。そのため、第1の実施形態と同様に、第1の45度全反射ミラー23をX軸方向に移動させることで、光軸の移動を補正している。
λ=(2d・sinα)/m ・・・(2)
ただし、dは第1のグレーティング169の溝間隔、mは回折光の次数(整数)、λはグレーティング169に入射するレーザ光の波長、αは第1のグレーティング169へ入射するレーザ光の入射角である。
次に、本発明の第5の実施形態について図7を参照して説明する。
図7は、本実施形態における超短パルスレーザ伝達装置の概略構成を説明する全体平面図である。
本実施形態の超短パルスレーザ伝達装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、超短パルスレーザ光源と光軸調整光学系との間に配置される構成要素が異なっている。よって、本実施形態においては、図7を用いて超短パルスレーザ光源と光軸調整光学系との間に配置される構成要素のみを説明し、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
d < mλ/(2sinα) m=−2、または、m=2 ・・・(1)
ただし、dはグレーティング219,221の溝間隔、mは回折光の次数(整数)、λはグレーティング219,221に入射するレーザ光の波長、αはグレーティング219,221へ入射するレーザ光の入射角である。
まず、超短パルスレーザ光源3から出射されたS偏光の超短パルスレーザ光は、分散補償光学系209の第1のグレーティング219に入射する。第1のグレーティング219に入射されたレーザ光は多くの次数に回折され、−1次の回折光は第2のグレーティング221に向けて出射される。
第2のグレーティング221に入射されたレーザ光は更に回折され、複数の回折光の内の−1次の回折光は、第1のグレーティング219に入射するレーザ光の光軸と平行方向(Z軸と平行方向)に進み、光軸調整光学系11に入射される。
当該光学系を配置することにより、例えば、関係式(1)を満たす溝本数を有する第1のグレーティング219および第2のグレーティング221による負チャープが、多光子顕微鏡13内の標本面での正チャープを除去する以上に補償し過ぎる場合、当該光学系により補償量を調整することができる。当該光学系としては、ガラス材、プラスチック材、半導体結晶等の光学素子、音響光学素子、電気光学素子、シングルモードファイバ等の光学デバイス、グレーティングペア、プリズムペアを含むパルス分散補償器等を例示できる。
例えば、上記の実施の形態においては、分散補償光学系として2枚のグレーティングを用いてレーザ光を2回回折して負チャープを形成する実施形態に適用して説明したが、2枚のグレーティングを用いた分散補償光学系に限られることなく、グレーティング1枚と全反射ミラー2枚を用いてレーザ光を2回回折させて負チャープを形成する分散補償光学系や、グレーティング1枚と全反射ミラー4枚、または、グレーティング2枚と全反射ミラー1枚、または、グレーティング4枚を用いてレーザを4回回折させて負チャープを形成する分散補償光学系などに適用することもできる。
また、分散補償光学系として、グレーティングペアおよびプリズムペアを組み合わせたものに適用することもできる。
3 超短パルスレーザ光源(光源)
5 アイソレータ(入射防止部、整流素子)
9,109,159,209 分散補償光学系(パルス分散補償器)
19,119,169,219 第1のグレーティング(グレーティング)
21,121,171,221 第2のグレーティング(グレーティング)
55 偏光ビームスプリッタ(入射防止部、偏光素子)
57 λ/4板(入射防止部)
P1,P2 回転軸
Claims (8)
- 超短パルスレーザ光を出射する光源と、
前記超短パルスレーザ光が入射されるグレーティングを備えたパルス分散補償器と、
を有し、
該パルス分散補償器から前記光源へ向かう戻り光が、前記光源に入射することを防止する入射防止部を備える超短パルスレーザ伝達装置。 - 前記入射防止部が、前記光源と前記パルス分散補償器の間の光路に挿入された整流素子である請求項1記載の超短パルスレーザ伝達装置。
- 前記整流素子が、前記光源と前記パルス分散補償器の間の光路に挿入されたアイソレータである請求項2記載の超短パルスレーザ伝達装置。
- 前記整流素子が、前記光源と前記パルス分散補償器の間の光路に挿入され互いに直交する直線偏光のうちの一方の直線偏光のみを透過する偏光素子とλ/4板とを有し、
前記偏光素子が、前記λ/4板の前記光源側に配置されている請求項2記載の超短パルスレーザ伝達装置。 - 前記入射防止部が、前記グレーティングを、入射する超短パルスレーザの光軸に対して傾けて配置することにより構成されている請求項1記載の超短パルスレーザ伝達装置。
- 前記入射防止部が、前記グレーティングを、前記光源から出射された超短パルスレーザの光軸を含み、かつ前記グレーティングに対して略垂直な面と前記グレーティングの面との交線と略平行な回転軸回りに回転可能に配置することにより構成されている請求項5記載の超短パルスレーザ伝達装置。
- 前記入射防止部が、前記グレーティングを、前記グレーティングに入射される超短パルスレーザ光の光軸に対して略垂直な面と前記グレーティングの面との交線と略平行な回転軸回りに回転可能に配置することにより構成されている請求項5記載の超短パルスレーザ伝達装置。
- 前記入射防止部が、前記グレーティングのレーザ光入射面に複数本形成された溝の間隔を、以下の関係式を満たすように形成してなる請求項1記載の超短パルスレーザ伝達装置。
d < mλ/(2sinα),
m=−2,または、m=2 ・・・(1)
ここで、dは前記グレーティングの溝間隔、mは次数(整数)、λは前記超短パルスレーザ光の波長、αは前記超短パルスレーザ光の前記グレーティングへの入射角である。
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