WO2011118137A1

WO2011118137A1 - 冷蔵庫

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Publication number: WO2011118137A1
Application number: PCT/JP2011/001307
Authority: WO
Inventors: 永幡　真也; 田中　逸雄
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2010-03-25
Filing date: 2011-03-07
Publication date: 2011-09-29
Also published as: EP2551617A1; CN102762939A; EP2551617A4; TW201200828A; EP2551617B1; US20120306338A1

Abstract

　断熱箱体（１０１）の内方に形成される前面が開口する引出式の貯蔵室と、貯蔵室の前面開口を開閉自在に閉塞する引出扉（２０１）と、貯蔵室の内部に配置される容器（２０６）を引出扉（２０１）の開閉によって前後方向に移動可能とするレール装置（２０２）とを備える冷蔵庫（１００）であって、レール装置（２０２）は、貯蔵室に対して固定される固定レール（２２１）と、引出扉（２０１）に接続され、固定レール（２２１）に沿って前後方向に移動可能な移動レール（２２２、２２３）であって、引出扉（２０１）の上下方向中央部より下方に配置されて容器（２０６）を支持する移動レール（２２２、２２３）とを有し、引出扉（２０１）は、容器（２０６）を支持する支持部（３０１、３０３）を有する。

Description

冷蔵庫

　本発明は、冷蔵庫に関し、特に引出式の貯蔵室を形成する引出構造の冷蔵庫に関する。

　従来、冷蔵庫は、奥まで無駄なく貯蔵できる、または使い勝手がよい等の観点から、冷蔵庫の下段に引出式の貯蔵室を備えることが多い。そして、このような引出式の貯蔵室においては、貯蔵室内の容器を出し入れする際の円滑性、貯蔵室への食品の出し入れの容易性、および、貯蔵室の内部に配置された容器の着脱の容易性などが求められている。

　そこで、引出式の貯蔵室の使い勝手を向上させる技術が開示されている（例えば、特許文献１または特許文献２参照）。

　図９は、従来の冷蔵庫５００の側断面を示す図である。

　同図に示す従来の冷蔵庫５００は、断熱箱体５０１内に、野菜室５１０および冷凍室５２０を貯蔵室として備えている。そして、野菜室５１０の内部に配置された容器５５０は、野菜室５１０の引出扉５３０に接続された２つのレール装置５４０に支持されている。また、冷凍室５２０の内部に配置された容器５５０についても、冷凍室５２０の引出扉５３０に接続された２つのレール装置５４０に支持されている。

　野菜室５１０および冷凍室５２０は、それぞれこのような構成であることにより、断熱箱体５０１に対して出し入れ可能な引出式の貯蔵室となっている。このように、容器５５０が２本のレール装置５４０によって支持されて、野菜室５１０または冷凍室５２０から出し入れされることで、使い勝手を向上させている。

特開２００６－１７７６５３号公報特開２００６－２１４６４２号公報

　ここで、近年、冷蔵庫の構成要素の配置等を工夫することなどにより、実収納可能な内容積を増加させる傾向にある。

　ところが、上記従来の引出式の貯蔵室の内部に配置される容器は、レール装置で支持されているだけであるため、容器の内容積が増加すると、レール装置の変形による引出扉の歪みが生じ、冷却性能を確保することができないという問題がある。

　つまり、容器の内容積が増加すると、容器に収納される収納物が増大し負荷も大きくなり、引出扉を開放すると、レール装置に大きな負荷がかかり、特にレール装置と引出扉との取り付け部分であるレール装置の端部にかかる応力が増大する。

　これは、引出扉の最大開放時、引出扉の開放と連動する容器を支えているのはレール装置のみであり、さらに内部に断熱発泡された引出扉がレール装置の端部に接続されているため、容器の荷重に加えて引出扉の荷重がレール装置の端部に加わる。また、引出扉内には省エネの観点から真空断熱材が埋設されている場合もあり、さらにレール装置への荷重は増大する。

　このため、長期間の引出扉の開閉動作によりレール装置が変形し、これによって引出扉が野菜室または冷凍室の開口部を閉塞しても、開口部に対して引出扉が歪んで閉塞されたり、開口部を引出扉のシール部でシールできないことが起こり、室内の冷気が漏れて所定温度に冷却できないというおそれがある。

　本願発明は、上記従来の課題を解決するものであり、引出式の貯蔵室を備える冷蔵庫において、引出式の貯蔵室内に広い実収納容積を確保しつつ、レール装置の変形による引出扉の歪みを低減して、冷却性能を確保することができる冷蔵庫を提供することを目的とする。

　上記従来の課題を解決するために、本願発明の一態様にかかる冷蔵庫は、内箱と外箱と前記内箱および前記外箱の間に充填した断熱材とを有する断熱箱体と、前記断熱箱体の内方に形成される前面が開口する引出式の貯蔵室と、前記貯蔵室の前面開口を開閉自在に閉塞する引出扉と、前記貯蔵室の内部に配置される容器を前記引出扉の開閉によって前後方向に移動可能とするレール装置とを備える冷蔵庫であって、前記レール装置は、前記貯蔵室に対して固定される固定レールと、前記引出扉に接続され、前記固定レールに沿って前後方向に移動可能な移動レールであって、前記引出扉の上下方向中央部より下方に配置されて前記容器を支持する移動レールとを有し、前記引出扉は、前記容器を支持する支持部を有する。

　これによって、容器を支持する移動レールが引出扉の上下方向中央部より下方に配置されているため、レール装置に支持される容器の大型化、大容積化を図ることが可能となる。また、引出扉は、容器を支持する支持部を有するため、レール装置のみならず当該支持部でも容器を支持することで、レール装置の変形による引出扉の歪みを低減して、冷却性能の確保を図ることが可能となる。

　本発明にかかる冷蔵庫は、引出式の貯蔵室内に広い実収納容積を確保しつつ、レール装置の変形による引出扉の歪みを低減して、冷却性能を確保することができる。

図１は、本発明の実施の形態における冷蔵庫の正面図である。図２は、本発明の実施の形態における冷蔵庫の縦断面図である。図３は、本発明の実施の形態における冷蔵庫のレール装置を示す斜視図である。図４は、本発明の実施の形態における冷蔵庫の扉フレームによって引出扉とレール装置とを接続した状態を示す斜視図である。図５は、本発明の実施の形態におけるレール装置２０２が容器２０６を支持している状態を示す要部断面図である。図６は、本発明の実施の形態におけるレール装置２０２が容器２０６を支持している状態を示す斜視図である。図７は、本発明の実施の形態における冷蔵庫のレール装置の間に容器を配置した状態を奥側から示す断面図である。図８Ａは、本発明の実施の形態における冷蔵庫のレール装置と容器との配置を示した要部拡大図である。図８Ｂは、本発明の実施の形態の第１の変形例における冷蔵庫のレール装置と容器との配置を示した要部拡大図である。図８Ｃは、本発明の実施の形態の第２の変形例における冷蔵庫のレール装置と容器との配置を示した要部拡大図である。図９は、従来の冷蔵庫を示す断面図である。

　本発明にかかる冷蔵庫は、内箱と外箱と前記内箱および前記外箱の間に充填した断熱材とを有する断熱箱体と、前記断熱箱体の内方に形成される前面が開口する引出式の貯蔵室と、前記貯蔵室の前面開口を開閉自在に閉塞する引出扉と、前記貯蔵室の内部に配置される容器を前記引出扉の開閉によって前後方向に移動可能とするレール装置とを備える冷蔵庫であって、前記レール装置は、前記貯蔵室に対して固定される固定レールと、前記引出扉に接続され、前記固定レールに沿って前後方向に移動可能な移動レールであって、前記引出扉の上下方向中央部より下方に配置されて前記容器を支持する移動レールとを有し、前記引出扉は、前記容器を支持する支持部を有する。

　これにより、容器を支持する移動レールが引出扉の上下方向中央部より下方に配置されているため、例えば容器の底部の左右両端を支持することで、レール装置に支持される容器の大型化、大容積化を図ることができる。また、引出扉は、容器を支持する支持部を有するため、レール装置のみならず当該支持部でも容器を支持することで、移動レールにかかる荷重を分散することが可能となる。このため、引出式の貯蔵室において、広い実収納容積を確保しつつ、レール装置の変形による引出扉の歪みを低減して、冷却性能を確保することができる。

　また、好ましくは、前記支持部は、前記引出扉の内板に備えられ、前記容器の前面に設けられたフランジ部を固定する。

　これにより、レール装置の引出扉側にかかる荷重を、容器のフランジ部で支持するので、レール装置に作用するモーメントを効果的に小さくでき、レール装置の変形による引出扉の歪みを低減することができる。

　また、好ましくは、前記支持部は、前記フランジ部を上方から差し込むことで固定する上方に突出した第一固定部を備える。

　これにより、レール装置に対して利用者は容器を上から差し込むことができ、またレール装置が撓んで引出扉が外側へ開こうとするのを抑制でき、レール装置の変形による引出扉の歪みを低減することができる。

　また、好ましくは、前記支持部は、前記フランジ部の上面に当接して前記フランジ部の上方への移動を規制する第二固定部を備える。

　これにより、引出扉の開閉動作時に、容器が上方へ浮き上るのを防止することができる。

　また、好ましくは、前記支持部は、さらに、前記フランジ部の上面に当接して前記フランジ部の上方への移動を規制する第二固定部を備える。

　これにより、レール装置に対して利用者は容器を上から差し込むことができ、またレール装置が撓んで引出扉が外側へ開こうとするのを抑制でき、さらに引出扉の開閉動作時に容器が上方へ浮き上るのを防止できる。このため、第一固定部と第二固定部の両方で容器を着脱可能であり、かつ容器を強固に固定でき、容器に収納される収納物の荷重を支持するレール装置の強度を向上させることができ、引出扉を引き出した際に発生するレール装置の撓みを防止し、スムーズに引出扉の出し入れを行うことが可能となる。

　また、好ましくは、前記第一固定部は、前記内板と別体で形成され、前記第二固定部は、前記内板と一体で形成される。

　これにより、引出扉の部品点数をできるだけ低減して、レール装置と引出扉とを接続し、レール装置の変形による引出扉の歪みを低減することができる。

　また、好ましくは、さらに、前記引出扉の上下方向中央部より下方に、前記引出扉から後方に延びる扉フレームを備え、前記移動レールは、前記扉フレームを介して前記引出扉に接続されるとともに、前記扉フレームを介して前記容器を支持する。

　これにより、容器を引出扉と扉フレームとで支持することで、レール装置の引出扉側の端部にかかる荷重を分散することが可能となり、引出式の貯蔵室において、広い実収納容積を確保しつつ、レール装置の変形による引出扉の歪みを低減して強度を確保し、冷却性能を確保することができる。

　また、好ましくは、前記容器は、側面部に、前記扉フレームに支持される突起部を備える。

　これにより、レール装置の引出扉側にかかる荷重を扉フレーム側に分散でき、レール装置に作用するモーメントを効果的に小さくでき、レール装置の変形による引出扉の歪みを低減することが可能となる。

　また、好ましくは、前記突起部は、前記容器の側面部の後部に形成される。

　これにより、レール装置の引出扉側の端部にかかる荷重を、引出扉側の端部から遠い位置となる扉フレームの後部に分散することができる。

　また、好ましくは、前記突起部は、前記容器が前記扉フレームを介して前記移動レールに支持された状態で、後方に向かって下るように傾斜して配置される。

　これにより、引出扉側に荷重がかかっても、容器が扉フレームから簡単に外れないように固定することができ、また引出扉の開閉動作時に容器が上方へ浮き上るのを防止することができる。

　以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。

　図１は、本発明の実施の形態における冷蔵庫１００の正面図である。

　図１に示すように、本実施の形態にかかる冷蔵庫１００は、観音開き式の扉を上部に備える冷蔵庫１００であり、冷蔵庫１００の内方と外方とを断熱状態で隔てる断熱箱体１０１内に複数に区画された貯蔵室を備えている。

　冷蔵庫１００の内の複数に区画された貯蔵室は、その機能（冷却温度）によって冷蔵室１０２、製氷室１０５、庫内の温度が変更できる切換室１０６、野菜室１０３、および冷凍室１０４等と区別して称されることがある。

　冷蔵庫１００の最上部に位置する冷蔵室１０２の前面開口部には、例えばウレタンのような発泡断熱材を発泡充填した回転式の断熱扉１０７が設けられ、冷蔵室１０２は、棚状の収納空間となっている。

　また、冷蔵室１０２の下方に配置される製氷室１０５、切換室１０６、野菜室１０３、および冷凍室１０４は、引出式の収納空間となされている。つまり、これらの貯蔵室それぞれには、当該貯蔵室の前面開口を開閉自在に閉塞する引出扉２０１が設けられている。

　断熱箱体１０１は、金属製の外箱１１２と樹脂製の内箱１１０との間に例えば硬質発泡ウレタンなどの断熱材１１１を充填して形成される少なくとも一面が開口した直方体の箱体である。この断熱箱体１０１は、外方の雰囲気（大気）から断熱箱体１０１の内方に流入しようとする熱を遮断する機能を有している。

　冷蔵室１０２は、冷蔵保存のために収容物が凍らない程度の低い温度に維持される貯蔵室である。具体的な温度の下限としては、通常１～５℃で設定されている。

　野菜室１０３は、断熱箱体１０１の最下部に配置され、主として野菜の冷蔵を目的とした貯蔵室である。また、野菜室１０３は、冷蔵室１０２と同等もしくは若干高い温度設定となされている。具体的な温度の下限としては、２℃～７℃である。なお、低温にするほど葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能である。

　冷凍室１０４は、冷凍温度帯に設定される貯蔵室である。具体的には、冷凍保存のために通常－２２～－１８℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、たとえば－３０～－２５℃の低温で設定されることもある。

　製氷室１０５は、内方に製氷機（図示せず）を設け、製氷機で氷を作りその氷を保存する貯蔵室である。設定温度は、冷凍室１０４とほぼ同等である。

　切換室１０６は、冷蔵庫１００に取り付けられた操作盤により、用途に応じ、室内の温度を冷蔵温度帯から冷凍温度帯まで切り換えることができる。

　これらの異なる温度帯を複数に区画するために、断熱箱体１０１内のそれぞれの温度帯の間には、仕切壁１０８（図２参照）が設置されている。

　図２は、本発明の実施の形態における冷蔵庫１００の縦断面図であり、図１におけるＡ－Ａ線で切断した状態を示している。

　図２に示すように、冷蔵庫１００に備えられる貯蔵室のうち引出式の貯蔵室（同図では、野菜室１０３および冷凍室１０４）には、引出扉２０１と断熱箱体１０１とを伸縮自在に接続するとともに、貯蔵室の内部に配置される容器２０６を引出扉２０１の開閉によって前後方向に移動可能とするレール装置２０２が設けられている。

　ここで、引出扉２０１は、貯蔵室の開口を開閉自在に閉塞することができる断熱性を備えた板状の部材であり、奥側周縁にパッキン２０７を備えている。当該パッキン２０７は、引出扉２０１が貯蔵室の開口を閉塞した状態で断熱箱体１０１等と密着し、冷気が漏れるのを防いでいる。

　図３は、本発明の実施の形態における冷蔵庫１００のレール装置２０２を示す斜視図である。

　図３に示すように、レール装置２０２は、三段に重ねられた三つのレールとして、固定レールであるキャビネットレール２２１と、移動レールであるミドルレール２２２およびトップレール２２３とを有している。つまり、ミドルレール２２２が貯蔵室に対して固定されたキャビネットレール２２１に沿って移動可能であり、かつ、トップレール２２３がミドルレール２２２に沿って移動可能であることにより、レール装置２０２は全体として伸縮可能な構成になっている。

　なお、固定レールと移動レールとは、それぞれ回転支持部材（図示せず）で支持され、固定レールと移動レールとが予め組み込まれた状態で、レール装置２０２が内箱１１０の内壁に固定されている。

　つまり、キャビネットレール２２１は、レール取付部２２４を介して、断熱箱体１０１の内箱１１０に取り付けられている。また、トップレール２２３は引出扉２０１に接続されており、トップレール２２３とミドルレール２２２とが、キャビネットレール２２１に沿って前後方向に移動する。従って、引出扉２０１は、レール装置２０２の伸縮軌道に沿って、断熱箱体１０１に対し、引き出されたり押し戻されたりすることが可能となっている。

　次に、引出扉２０１に接続されたレール装置２０２が容器２０６を支持する際の構成について、詳述する。

　図４は、本発明の実施の形態における冷蔵庫１００の扉フレーム２０５によって引出扉２０１とレール装置２０２とを接続した状態を示す斜視図である。

　図５は、本発明の実施の形態におけるレール装置２０２が容器２０６を支持している状態を示す要部断面図である。

　図６は、本発明の実施の形態におけるレール装置２０２が容器２０６を支持している状態を示す斜視図である。

　これらの図に示すように、引出扉２０１は、引出扉２０１を構成する断熱箱体の後面を覆う内板２１１を備えている。そして、引出扉２０１の上下方向中央部より下方に、引出扉２０１の内板２１１から後方に延びる扉フレーム２０５が設けられている。

　内板２１１は、引出扉２０１を構成する部材の一つであり、真空成形により形成される板状の部材である。

　扉フレーム２０５は、引出扉２０１に対して垂直になるように内板２１１に直接に固定され、ビスなどを用いてトップレール２２３に接続されている。つまり、トップレール２２３は、扉フレーム２０５を介して、引出扉２０１に接続されている。これにより、引出扉２０１は、レール装置２０２の伸縮機能により、垂直方向に起立した姿勢を維持した状態で、水平方向に引き出されたり押し戻されたりすることが可能となっている。

　また、移動レールであるトップレール２２３とミドルレール２２２とは、引出扉２０１の上下方向中央部より下方に配置されており、扉フレーム２０５を介して、容器２０６を支持する。具体的には、図５に示すように、一対の当該移動レールの間に容器２０６の側面下部に形成された段差部を挿入して、容器２０６を移動レール上に載置することで、容器２０６を支持する。

　ここで、引出扉２０１、特に引出扉２０１の上端部を持って引き出したり押し戻したりする場合に発生する応力は、トップレール２２３の基端部（後端部）に集中する。この応力の集中を緩和するため、容器２０６と引出扉２０１とを固定する第一固定部３０１が、引出扉２０１の内板２１１の左右両端に備えられている。

　第一固定部３０１は、容器２０６をレール装置２０２に載置したとき、容器２０６の上面開口部に形成された断面略Ｌ字状の前面フランジ部２０６ａが固定される位置に設置されている。つまり、第一固定部３０１は、前面フランジ部２０６ａを上方から差し込むことで固定する上方に突出した部材である。そして前面フランジ部２０６ａは、第一固定部３０１に上方から差し込まれて固定される。

　また、第一固定部３０１は、金属製の部材であり、内板２１１の裏側の発泡断熱材内に固定された平板状の金属板（図示せず）に、内板２１１を介してビス等により固定されている。そして前面フランジ部２０６ａは、第一固定部３０１に上方から差し込んで固定されている。つまり、第一固定部３０１は、内板２１１とは別体で形成されている。

　また、図４に示すように、扉フレーム２０５は、扉フレーム２０５の一辺に対応する端縁が引出扉２０１の内板２１１に沿うように折曲される折曲部２４１を備えており、折曲部２４１は、内板２１１の裏側の発泡断熱材内に固定された平板状の金属板（図示せず）に、内板２１１を介してビス等により固定されている。

　このように、容器２０６の前面フランジ部２０６ａを、引出扉２０１の内板２１１の上部に備えられた第一固定部３０１に固定することにより、引出扉２０１に対して下部に取り付けられているレール装置２０２と引出扉２０１との取付部の強度不足を補い、スムーズな引出扉の開閉を行うことが可能となる。

　また、引出扉２０１は、容器２０６の上面開口部を形成する周縁部３０４に当接して前面フランジ部２０６ａが上方へ浮き上るのを防止する凸部形状の浮き上り防止部材である第二固定部３０３を備えている。

　つまり、第二固定部３０３は、前面フランジ部２０６ａの上面に当接して前面フランジ部２０６ａの上方への移動を規制する部位である。第二固定部３０３は、図４に示すように、左右両側に備えられた第一固定部３０１の間に備えられている。また、第二固定部３０３は、内板２１１と一体に形成されている。

　このように、引出扉２０１は、容器２０６を支持する支持部として、引出扉２０１の内板２１１に備えられた第一固定部３０１と第二固定部３０３とを有し、容器２０６の前面に設けられた前面フランジ部２０６ａを固定する。

　以上のように、着脱可能な容器２０６が引出扉２０１の上方から嵌められる際に、上記のように前面フランジ部２０６ａが第一固定部３０１に差し込まれ、容器２０６の上面開口部を形成する周縁部３０４が第二固定部３０３に下方から当接する。つまり第一固定部３０１で容器２０６の前面部を下方から支持固定し、第二固定部３０３で容器２０６の前面部を上方から支持固定して、内板２１１に固定する。これにより、容器２０６の上部が内板２１１に支持されて固定されるので、引出扉２０１に対して下部に取り付けられているレール装置２０２と引出扉２０１との取付部の強度不足を補い、スムーズな引出扉２０１の開閉を行うことが可能となる。

　また、引出扉２０１を持って引き出したり押し戻したりした場合であっても、応力がトップレール２２３の取付部に集中することはなく、折曲部２４１や扉フレーム２０５を介して接続されている部分に分散するため、全体として引出扉２０１とトップレール２２３との取付強度を向上することが可能となる。これは、トップレール２２３が引出扉２０１の下部に取り付けられている本実施の形態のような場合には、特に有効である。

　仮に、レール装置２０２を引出扉２０１の上下方向中央部付近に取り付けた場合において必要となる最低限の強度を確保した扉フレーム２０５を用いて、本実施の形態の位置と同様に、レール装置２０２を引出扉２０１の上下方向中央部より下方に配置した状態で、引出扉２０１を前後に開閉操作を行った場合、扉フレーム２０５の引出扉２０１との固定部側の強度不足により、扉フレーム２０５、若しくは内板２１１に変形が起こる。そして、その結果、引出扉２０１に備えられているパッキン２０７が断熱箱体１０１から離れ、隙間が発生し、冷蔵庫内への着霜等の品質不良へと繋がる可能性もある。

　ここで、引出扉２０１とトップレール２２３との取付部が引出扉２０１の下部に有ると、引出扉２０１の上部を持って引き出したり押し戻したりした場合、取付部にかかるモーメントが比較的大きくなるが、本実施の形態は、取付部よりも上方に第一固定部３０１または第二固定部３０３、あるいは第一固定部３０１と第二固定部３０３の両方を設けて、容器２０６を固定する。このため、取付部にかかるモーメントが小さくなるため、トップレール２２３の取付部が破損するのを保護することが可能となる。つまり、本実施の形態では、第一固定部３０１または／および第二固定部３０３を設けた引出扉２０１を設けることで、引っ張り力の支点となる位置を上方とすることができる。

　また、上記のように、第一固定部３０１は内板２１１と別体で形成され、第二固定部３０３は内板２１１と一体で形成されている。このため、容器２０６の前面フランジ部２０６ａの固定構造を形成する第一固定部３０１を、内板２１１と別体の例えば金属性部品で形成することで、容器２０６内に収納物を入れられても、引出扉２０１の可動に対して容器２０６との固定状態を維持できる。また、第二固定部３０３を内板２１１と一体成形することで、部品点数を低減できる。

　また、容器２０６の両側面部の下部に形成された段部２６２（図７参照）には、容器２０６と一体成形された２つの突起部が形成されている。具体的には、容器２０６は、容器２０６の前側部に形成された前側突起部２０６ｂと、容器２０６の後側部に形成された後側突起部２０６ｃとを備えている。ここで、後側突起部２０６ｃは、後方に向かって下るように傾斜して配置されている。

　そして、これらの突起部が、扉フレーム２０５に形成された前側固定孔部２０５ａおよび後側固定孔部２０５ｂにそれぞれ挿入されることで、容器２０６が扉フレーム２０５に支持される。つまり、前側固定孔部２０５ａは切欠き形状であってもよく、前側突起部２０６ｂを前側固定孔部２０５ａに挿入して位置決めし、扉フレーム２０５の後方に形成した後側固定孔部２０５ｂに後側突起部２０６ｃを挿入する。

　このように、後側突起部２０６ｃを扉フレーム２０５の後方に向かって下向き傾斜した形状にしておけば、後側固定孔部２０５ｂに挿入した状態から簡単に外れるのを防止し、また引出扉２０１の開閉動作時に容器２０６が上方へ浮き上るのを防止することができる。

　特に、上記のように、前側は容器２０６の前面フランジ部２０６ａを引出扉２０１に固定した状態で、後側は後側突起部２０６ｃと扉フレーム２０５とを固定することで、引出扉２０１に対して下部に取り付けられているレール装置２０２と引出扉２０１との取付部の強度不足を補い、スムーズな引出扉の開閉を行うことが可能となる。

　つまり、取付部にかかるモーメントが小さくなるため、トップレール２２３の取付部またはレール固定部の取付部を破損から保護することが可能となる。つまり、本実施の形態では、第一固定部３０１または／および第二固定部３０３を設けた引出扉２０１に容器２０６の前面フランジ部２０６ａを固定し、さらに容器２０６の後側突起部２０６ｃを扉フレーム２０５に設けた後側固定孔部２０５ｂに挿入固定することで、引っ張り力の支点となる位置を引出扉２０１よりも後方とすることができる。

　図７は、本発明の実施の形態における冷蔵庫１００のレール装置２０２の間に容器２０６を配置した状態を奥側から示す断面図である。

　同図に示すように、容器２０６は、野菜やペットボトルに充填された飲料、冷凍食品などを収容するための容器であり、上面が開口した樹脂製の箱体である。容器２０６は、下部の両側面部に、内方に向いた段差を有する段部２６２が形成されている。つまり、容器２０６は、下部に、左右方向の幅が狭くなった狭幅部２６１を備えている。そして、容器２０６は、狭幅部２６１が２本のトップレール２２３の間に配置され、段部２６２が扉フレーム２０５の上面に載置されることで、トップレール２２３に支持される。

　このように、トップレール２２３が引出扉２０１の下部の両角に設けられているため、容器２０６の内、幅を狭くしなければならない狭幅部２６１の高さをできる限り短く抑えることが可能となる。従って、容器２０６は、収納容積ができる限り広くなるような形状を採用することが可能となる。

　次に、容器２０６がレール装置２０２に載置された状態での、レール装置２０２と容器２０６との位置関係について、説明する。

　図８Ａは、本発明の実施の形態における冷蔵庫１００のレール装置２０２と容器２０６との配置を示した要部拡大図である。図８Ｂは、本発明の実施の形態の第１の変形例における冷蔵庫１００のレール装置２０２と容器２０６との配置を示した要部拡大図である。図８Ｃは、本発明の実施の形態の第２の変形例における冷蔵庫１００のレール装置２０２と容器２０６との配置を示した要部拡大図である。

　本実施の形態では、図８Ａに示すように、容器２０６は、下部の両側面部に内方に向く段部２６２が容器２０６の奥行き方向に形成されるように幅が狭い狭幅部２６１を備える。そして、レール装置２０２のトップレール２２３に、容器２０６の段部２６２が載置される。

　また、図８Ｂや図８Ｃに示すように、容器２０６の側面はほぼストレート形状とし、容器２０６には段部２６２を設けないで、レール装置２０２は、容器２０６の底部の左右両端の側方で支持したり（図８Ｂ参照）、あるいは、容器２０６の底部の左右両端の下方で支持したり（図８Ｃ参照）してもよい。

　なお、これらの図は、レール装置２０２と容器２０６との位置関係を示すものであって、扉フレーム２０５は、省略して図示していない。

　以上、本発明に係る冷蔵庫について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。

　つまり、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

　本願発明にかかる冷蔵庫は、広い実収納空間を確保することができるので、引出式の貯蔵室を備える冷蔵庫に利用可能であり、さらに、引き出しを備えたユニットキッチンなどにも展開が可能である。

　１００、５００　冷蔵庫
　１０１、５０１　断熱箱体
　１０２　　冷蔵室
　１０３、５１０　野菜室
　１０４、５２０　冷凍室
　１０５　　製氷室
　１０６　　切換室
　１０７　　断熱扉
　１０８　　仕切壁
　１１０　　内箱
　１１１　　断熱材
　１１２　　外箱
　２０１、５３０　引出扉
　２０２、５４０　レール装置
　２０５　　扉フレーム
　２０５ａ　前側固定孔部
　２０５ｂ　後側固定孔部
　２０６、５５０　容器
　２０６ａ　前面フランジ部
　２０６ｂ　前側突起部
　２０６ｃ　後側突起部
　２０７　　パッキン
　２１１　　内板
　２２１　　キャビネットレール
　２２２　　ミドルレール
　２２３　　トップレール
　２２４　　レール取付部
　２４１　　折曲部
　２６１　　狭幅部
　２６２　　段部
　３０１　　第一固定部
　３０３　　第二固定部
　３０４　　周縁部

Claims

　内箱と外箱と前記内箱および前記外箱の間に充填した断熱材とを有する断熱箱体と、前記断熱箱体の内方に形成される前面が開口する引出式の貯蔵室と、前記貯蔵室の前面開口を開閉自在に閉塞する引出扉と、前記貯蔵室の内部に配置される容器を前記引出扉の開閉によって前後方向に移動可能とするレール装置とを備える冷蔵庫であって、
　前記レール装置は、
　前記貯蔵室に対して固定される固定レールと、
　前記引出扉に接続され、前記固定レールに沿って前後方向に移動可能な移動レールであって、前記引出扉の上下方向中央部より下方に配置されて前記容器を支持する移動レールとを有し、
　前記引出扉は、前記容器を支持する支持部を有する
　冷蔵庫。
　前記支持部は、前記引出扉の内板に備えられ、前記容器の前面に設けられたフランジ部を固定する
　請求項１に記載の冷蔵庫。
　前記支持部は、前記フランジ部を上方から差し込むことで固定する上方に突出した第一固定部を備える
　請求項２に記載の冷蔵庫。
　前記支持部は、前記フランジ部の上面に当接して前記フランジ部の上方への移動を規制する第二固定部を備える
　請求項２に記載の冷蔵庫。
　前記支持部は、さらに、前記フランジ部の上面に当接して前記フランジ部の上方への移動を規制する第二固定部を備える
　請求項３に記載の冷蔵庫。
　前記第一固定部は、前記内板と別体で形成され、
　前記第二固定部は、前記内板と一体で形成される
　請求項５に記載の冷蔵庫。
　さらに、
　前記引出扉の上下方向中央部より下方に、前記引出扉から後方に延びる扉フレームを備え、
　前記移動レールは、前記扉フレームを介して前記引出扉に接続されるとともに、前記扉フレームを介して前記容器を支持する
　請求項１～６のいずれか１項に記載の冷蔵庫。
　前記容器は、側面部に、前記扉フレームに支持される突起部を備える
　請求項７に記載の冷蔵庫。
　前記突起部は、前記容器の側面部の後部に形成される
　請求項８に記載の冷蔵庫。
　前記突起部は、前記容器が前記扉フレームを介して前記移動レールに支持された状態で、後方に向かって下るように傾斜して配置される
　請求項９に記載の冷蔵庫。