WO2011036881A1

WO2011036881A1 - マッサージ機

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Publication number: WO2011036881A1
Application number: PCT/JP2010/005759
Authority: WO
Inventors: 光治寺田; 高谷　昭広; 渡邊　知彦; 太一濱塚; 吉美高橋
Original assignee: パナソニック電工株式会社
Priority date: 2009-09-25
Filing date: 2010-09-24
Publication date: 2011-03-31
Also published as: KR20120049294A; JP5237912B2; CN102573749B; CN102573749A; KR101359069B1; US20120157899A1; JP2011067461A

Abstract

　マッサージ部材を保持する側壁と背もたれとが一体感のある形態を有するマッサージ機を提供すること。　人体の背面をマッサージするためのマッサージ機構が内蔵された背もたれ部７０と、上記背もたれ部７０の少なくとも上部から左右両側へ張り出す一対の張り出し部１４とを一体に有する背もたれ１と、上記一対の張り出し部１４の前面からそれぞれ前方に突出する側壁１５と、上記一対の側壁１５の内側面にそれぞれ設けられ、上記背もたれ部７０にもたれた人体の側面をマッサージするためのエアバッグ１６とを備えている。

Description

マッサージ機

　本発明は、マッサージ機に関し、特に椅子型のマッサージ機に関する。

　例えば、特許文献１に開示されたマッサージ機が知られている。特許文献１に開示されたマッサージ機は、人体背面をマッサージするためのマッサージ機構が内蔵された背もたれと、背もたれの左右両側に設けられるとともに背もたれの前方に突出する側壁部と、これら側壁部の内側面に埋設されたエアバッグとを備えている。

　特許文献１のマッサージ機では、上記エアバッグの膨張と収縮とが繰り返し行われることにより、背もたれにもたれた人体の両側面、特に肩付近をマッサージすることができる。また、特許文献１のマッサージ機では、上記エアバックが膨張することにより、上記マッサージ機構によるマッサージの際に人体が背もたれから浮いてしまうことを防ぐことができる。

　しかし、上記特許文献１のマッサージ機における側壁部は、背もたれの両側面に夫々取り付けられて、背もたれから両側にはみ出しているため、特許文献１のマッサージ機は、椅子として見た場合に違和感のある形態を持つ。

特開２００５－１９２６０３号公報

　本発明の目的は、マッサージ部材を保持する側壁と背もたれとが一体感のある形態を有するマッサージ機を提供することである。

　本発明は、マッサージ機であって、人体の背面をマッサージするためのマッサージ機構が内蔵された背もたれ部と、上記背もたれ部の少なくとも上部から左右両側へ張り出す一対の張り出し部とを一体に有する背もたれと、上記一対の張り出し部の前面からそれぞれ前方に突出する一対の側壁と、上記一対の側壁の内側面にそれぞれ設けられ、上記背もたれ部にもたれた人体の側面をマッサージするために膨張状態と収縮状態との間で切り換わることが可能な一対のマッサージ部材とを備えていることを特徴とするマッサージ機を提供する。

本発明の実施の形態の一例に係るマッサージ機を示す斜視図である。図１のマッサージ機を左上から見たときの斜視図である。図１のマッサージ機の側面図である。図３のマッサージ機のリクライニング時の側面図である。図１の背もたれの一部を省略して示す正面図である。図５の背もたれに各側壁及び各エアバッグを追加して示す正面図である。他の実施例に係る背もたれの一部を示す斜視図である。図７の背もたれに設けられた回動機構を示す平面図である。さらに他の実施例に係る背もたれの一部を示す斜視図である。図９の背もたれに設けられたスライド機構を示す平面図である。さらに他の実施例に係る背もたれの一部を示す斜視図である。

　以下、図１～図６を参照して、本発明の一実施形態に係るマッサージ機について詳述する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。

　図１～６に示す椅子型のマッサージ機は、人体の背面をマッサージするためのマッサージ機構（図示せず）が内蔵された背もたれ１と、この背もたれ１から前方に突出する一対の側壁１５と、これら側壁の内側面１５ｂにそれぞれ設けられたエアバッグ（マッサージ部材）１６と、上記背もたれ１が後方にリクライニング可能となるように当該背もたれ１を支持するフレーム５と、上記背もたれ１の下部前側の位置で上記フレーム５上に設けられた座部２と、この座部２の左右両側に設けられた一対の肘掛け３，３（図では左側の肘掛け３を省略している）と、上記座部２の前側の下方に設けられた足載せ台４とを備えている。上記足載せ台４は、水平方向の軸回りに回動自在に上記フレーム５の前端側の上部に軸支されている。具体的に、足載せ台４は、足を載せるための面を前方に向けた図３及び図４に示す姿勢と、足を載せるための面が座部２の前方でほぼ水平に位置する姿勢との間で回動可能である。

　さらに、上記マッサージ機は、上記足載せ台４を回動駆動するためのユニット（図示せず）と、背もたれ１をリクライニング動作させるためのリフトユニット５１と、後述の各エアバッグへエアを供給するためのエアポンプ及び弁（図示せず）と、フレーム５の外側を覆うフレームカバー５５とを備えている。上記足載せ台４を回転駆動するためのユニット、リフトユニット５１、エアポンプ、及び弁は、それぞれ上記フレーム５内に配設されている。

　図３に示すように、上記背もたれ１の下部は、左右方向に延びる軸（中心軸）５０回りで前後方向に回動可能となるように、上記フレーム５の上部後端に対して中心軸５０によって支持されている。つまり、背もたれ１は、図３に示す起立姿勢と、図４に示すリクライニング姿勢との間のリクライニング範囲Ｅ１（図３参照）内でリクライニング可能である。また、背もたれ１の下端とフレーム５の上部前端との間には、上記リフトユニット５１が設けられ、このリフトユニット５１の伸縮によって、背もたれ１は、中心軸５０を中心としてフレーム５に対して回動する。

　具体的に、背もたれ１は、枠型に形成された背もたれフレーム１０と、この背もたれフレーム１０を被覆する箱型の枠１１と、この箱型の枠１１を被覆する外皮１２と、この外皮１２の内側に設けられた施療子６を有するマッサージ機構とを備えている。上記施療子６は、背もたれフレーム１０に沿って上下に移動可能となるように、上記箱型の枠１１の前面に設けられた開口部１３内に設けられている。人体背面に対するマッサージは、上記外皮１２を介して施療子６を人体背面に接触させることによって行われる。

　また、図５に示すように、背もたれ１は、上記マッサージ機構が内蔵された背もたれ部７０と、この背もたれ部７０の上部から左右両側へ張り出す一対の張り出し部１４とを一体に備えている。

　上記各張り出し部１４は、以下のような形状を有する。具体的に、各張り出し部１４の上端は、背もたれ１の上部に滑らかに繋がる。また、張り出し部１４の左右方向の外側面は、下に向かうに従い互いに離間する方向に傾斜する下広がり部分１４ａと、この下広がりの部分１４ａから下に向けて互いに近接する方向に傾斜する上広がり部分１４ｂとを有する。そして、各張り出し部１４の下端は、背もたれ部７０の途中部に滑らかに繋がる。各張り出し部１４の側方への突出量は、上記下広がり部分１４ａに対応する範囲においては下に向かうほど大きくなっている。

　各側壁１５は、それぞれ上記各張り出し部１４の前面からそれぞれ前方に突出する。具体的に、各側壁１５の上端は、図３及び図４に示すように、背もたれ１（各張り出し部１４）の上部に滑らかに繋がる。また、背もたれ１から前方へ向かう各側壁１５の突出量は、それぞれ上部よりも下部の方が大きい。そして、各側壁１５は、背もたれ１（張り出し部１４）に対して略垂直な下面を有し、この下面が背もたれ１に繋がる。また、図６に示すように、各側壁１５は、上記各張り出し部１４の下広がり部分１４ａを延長するように、当該各張り出し部１４の下広がり部分１４ａから前方に延びる外側面１５ａをそれぞれ有する。さらに、各側壁１５は、上記各外側面１５ａと反対側に向く面であり、それぞれ上部よりも下部の方が左右方向の外側に位置するように傾斜する内側面１５ｂをそれぞれ有する。

　各エアバッグ１６は、背もたれ１にもたれた人体の側面をマッサージするために膨張状態と収縮状態との間で切り換わることが可能である。また、各エアバッグ１６は、利用者の肩から上腕の範囲をマッサージするために、上記各側壁１５の内側面１５ｂにそれぞれ設けられている。具体的に、各エアバッグ１６は、図１及び図２に示すように、上記各側壁１５の内側面１５ｂの略全域にわたり設けられている。つまり、各エアバッグ１６は、前後方向の幅寸法が上部よりも下部の方が大きい三角形の形状を有する。また、各エアバッグ１６は、図６に示すように、上記各側壁１５の内側面に沿ってそれぞれ設けられているため、各エアバッグ１６間の左右方向の間隔は、下に向かうに従い広い。

　図１～図４を参照して、上記各肘掛け３は、座部２の側方に配された側板３０と、側板３０の外面を覆うサイドカバー３１と、側板３０の上面を覆う肘掛け部３２と、肘掛け部３２の上面に設けられた肘掛けカバー３３とをそれぞれ備えている。肘掛けカバー３３は、当該肘掛けカバー３３の下面と肘掛け部３２の上面との間に間隙が形成されるように、肘掛け部３２上に取り付けられている。具体的に、肘掛けカバー３３の前端部の下面と肘掛け部３２の上面との間には、肘掛け部３２上に肘掛けカバー３３を取り付けるための取付部材３４（図２参照）が設けられている。さらに、肘掛けカバー３３の下面（つまり、肘掛け部３２に対向する面）には、エアバッグ（図示せず）が設けられている。このエアバッグの膨張及び収縮を繰り返すことにより、肘掛け部３２の上面と肘掛けカバー３３との間に挿入された利用者の腕をマッサージすることができる。

　本実施形態に係るマッサージ機は、背もたれ１が後方に倒れると各肘掛け３の後部が各肘掛け３の前部よりも下がるように、上記背もたれ１のリクライニング動作に連動して一対の肘掛け３の姿勢を変化させる。

　具体的には、図３及び図４に示すように、各肘掛け３の側板３０の後端部は、背もたれ１（背もたれフレーム１０）に軸３５によって連結されているとともに、各肘掛け３の側板３０の前端部は、リンク３６を介してフレーム５に連結されている。リンク３６は、軸３７によって側板３０に対して回動可能に連結された第１端と、軸３８によって前記フレーム５に対して回動可能に連結された第２端とを備えている。このように、肘掛け３の後部が背もたれ１に連結されているとともに肘掛け３の前部がリンク３６を介してフレーム５に連結されているため、背もたれ１のリクライニング動作に同期して肘掛け３が中心軸５０回りに回動することにより、肘掛け３の上面の角度が後ろ下がりに傾斜する。また、肘掛け３の前部がリンク３６によってフレーム５に連結されているため、軸３８回りに回動するリンク３６の回動半径（軸３７と軸３８との距離）により規定される所定の上方位置までは肘掛け３の前部の上昇が許容される一方、前記所定の上昇位置において肘掛け３の前部の上昇が規制される。なお、リンク３６の長さは、軸３５と中心軸５０との間の距離よりも短くされている。したがって、背もたれ１をリクライニングした状態において、背もたれ１と肘掛け３の後部との間の距離を近くしながら、肘掛け３の上面を寝かせた姿勢で保持することができる。つまり、本実施形態では、フレーム５に対する背もたれ１の角度変化量よりも、フレーム５に対する肘掛け３の上面の角度変化量の方が小さい。具体的に、背もたれ１を起こした図３に示す状態では、背もたれ１の前面と肘掛け３の上面とがなす角度α１が１１５°である。これに対し、背もたれ１を最も寝かした図４に示す状態では、背もたれ１の前面と肘掛け３の上面とがなす角度α２が１６０°である。

　本実施形態に係るマッサージ機では、背もたれのみがリクライニングして肘掛けが固定されている場合と異なり、背もたれ１をリクライニングした状態における背もたれ１と肘掛け３との間の距離を近くしながら、肘掛け３の上面を寝かせた姿勢で保持することができる。このため、背もたれ１を寝かせた状態でも肘掛け３上に腕をリラックスさせた状態で置いておくことができる。このように背もたれ１を寝かせた状態でも肘掛け３を利用することができるので、肘掛け３の上記エアバッグによるマッサージを腕（手首や手を含む）に対して行うこともできる。

　上記マッサージ機は、上記各肘掛け３の内側面（座部２側の面）に沿って設けられるとともにフレーム５に固定されたサイドプレート６０と、このサイドプレート６０の内側面（座部２側の面）に設けられたエアバッグ６１とをさらに備えている。上記サイドプレート６０は、上記座部２と上記各肘掛け３との間にそれぞれ設けられ、背もたれ１のリクライニング動作にかかわらず上記座部２に対して変位しないように、上記フレーム５に固定されている。エアバッグ６１の膨張及び収縮を繰り返すことによって、利用者の腰から大腿部の側面をマッサージすることができ、あるいは上記エアバッグ６１を膨張することによって利用者の腰から大腿部の側面をマッサージ機に対して固定することができる。

　また、本実施形態に係るマッサージ機は、リクライニング動作中に背もたれ１の各張り出し部１４と各肘掛け３とが接触するのを回避するように設計されている。具体的に、図３に示すように、リクライニングの中心軸５０から各張り出し部１４までを結ぶ第１の距離Ｄ１は、リクライニング範囲Ｅ１に位置する各肘掛け３から中心軸５０までを結ぶ最長距離Ｄ２よりも長く設定されている。したがって、各張り出し部１４は、リクライニング動作中に各肘掛け３よりも中心軸５０から遠い位置を通るため、各張り出し部１４と各肘掛け３とが接触するのを避けることができる。

　さらに、本実施形態に係るマッサージ機は、リクライニング動作中に背もたれ１の各側壁１５と各肘掛け３とが接触するのも回避するように設計されている。具体的に、図３に示すように、上記中心軸５０から各側壁１５までを結ぶ第２の距離Ｄ３は、上記最長距離Ｄ２よりも長く設定されている。したがって、各側壁１５は、リクライニング動作中に各肘掛け３よりも中心軸５０から遠い位置を通るため、各側壁１５と各肘掛け３とが接触するのを避けることができる。

　また、本実施形態に係るマッサージ機は、リクライニング動作中に各肘掛け３上に載せた腕と各張り出し部１４及び各側壁１５とが接触するのを回避するように設計されている。具体的に、上記第１の距離Ｄ１及び第２の距離Ｄ３と上記最長距離Ｄ２との間の差は、それぞれ各肘掛け３上に載せた腕の太さと同等又はこれよりも大きく設定されている。

　より具体的に、本実施形態では、各張り出し部１４が背もたれ１の上部のみに設けているとともに、各側壁１５が各張り出し部１４の範囲内に設けられている。したがって、リクライニング動作の期間中に、各肘掛け３に載せた腕と張り出し部１４又は側壁１５とが接触するのを回避することができる。また、背もたれ部７０の側面から側方に突出する各張り出し部１４の張り出し量は、座部２の両側に設けられた肘掛け３，３の外側面同士の間の寸法よりも小さく設定されているため、梱包時のサイズを小さく抑えることができる。

　背もたれ１を最も後ろに倒した状態では、各側壁１５は、背もたれ部７０の前面（利用者の背中を受ける面）より高い位置にくることになるが、背もたれ部７０の先端部分の高さ位置とほぼ同一又はこれより低い高さ範囲内に位置するため、この点においても梱包時のサイズが大きくなるのを避けることができる。

　そして、上記マッサージ機において、座部２に座って背もたれ１に背を預けた状態で、背もたれ１の側壁１５の内側に配したエアバッグ１６の膨張及び収縮を繰り返すことにより、肩から上腕にかけての人体側面をマッサージすることができる。また、エアバッグ１６を膨張させることにより背もたれ１に対して人体を固定すれば、背もたれ１内に配したマッサージ機構が施療子で人体を背後から押すときに、人体が背もたれ１から浮き上がるのを抑制することができる。したがって、人体背面に対するマッサージをより効果的に行うことができる。

　さらに、各側壁１５の内側面が前述のように下に向かうほど互いに離間するように下広がりに配置されているとともに、エアバッグ１６が側壁１５の内側面に沿って設けられているため、膨張したエアバッグ１６により人体側面の肩から上腕にかけての傾斜面を的確に押圧することができる。特に、エアバッグ１６は、幅の広い部分が大きく膨らむ性質を有するため、エアバッグ１６の下部が上部に比べて大きく膨張することにより、当該エアバッグ１６によって上腕の上部側面にあるツボを効果的にマッサージすることができる。さらに、利用者の座高が少々異なる場合においても、押圧力が強すぎる、又は押圧力が弱すぎるという不具合が生じるのを抑制することができる。

　以上説明したように、本実施形態に係るマッサージ機によれば、一対の側壁１５の内側にそれぞれ設けられたエアバッグ１６により、マッサージ機の利用者の肩又は腕を左右両側からマッサージしながら、背もたれ部７０内のマッサージ機構により、利用者の背面に対するマッサージを行うことができる。さらに、本実施形態に係るマッサージ機では、エアバッグ１６を膨張状態に切り換えることによって利用者の身体が背もたれ１から浮くことを抑制した状態で、マッサージ機構によるマッサージを行うことができる。そのため、このマッサージ機では、より高いマッサージ効果を得ることができる。しかも、本実施形態に係るマッサージ機では、背もたれ１が背もたれ部７０と一対の張り出し部１４とを一体に有するとともに、これらの張り出し部１４の前面に一対の側壁１５を設けているため、一対の側壁１５と背もたれ１とが一体感のある形態となる。そして、本実施形態に係るマッサージ機では、一対の側壁１５を設けるための張り出し部１４が背もたれ部７０とは別に設けられているため、利用者の背の全体を背もたれ部７０で受けることができる。したがって、利用者は、リラックスした姿勢でマッサージを受けることができる。

　本実施形態に係るマッサージ機によれば、一対の側壁１５の左右方向の外側面が一対の張り出し部１４の外側面を延長するように設けられているため、各張り出し部１４と各側壁１５とが更に一体感のある形態となる。

　本実施形態に係るマッサージ機によれば、各エアバッグ１６の下側が上側よりも外側に位置するため、これらエアバッグ１６によって利用者の方から上腕にわたる部分を有効にマッサージすることができる。

　本実施形態に係るマッサージ機によれば、リクライニング動作中に、各張り出し部１４が各肘掛け３よりも中心軸５０から遠い位置を通るため、背もたれ１のリクライニング動作時に各張り出し部１４と各肘掛け３とが接触するのを避けることができる。

　本実施形態に係るマッサージ機によれば、背もたれ部７０の上部にのみ各張り出し部１４を設けることにより、背もたれ１のリクライニング時に各張り出し部１４と各肘掛け３とが接触するのを避けることができる。

　本実施形態に係るマッサージ機によれば、リクライニング動作中に、各側壁１５が各肘掛け３よりも中心軸５０から遠い位置を通るため、背もたれ１のリクライニング時に各側壁１５と各肘掛け３とが接触するのを避けることができる。

　本実施形態に係るマッサージ機によれば、各張り出し部１４と各肘掛け３との間に少なくとも利用者の腕の太さに相当する隙間が形成されるため、リクライニング動作中に各肘掛け３上に載せられた腕に各張り出し部１４が接触するのを抑制することができる。

　本実施形態に係るマッサージ機によれば、各側壁１５の前方への突出量が上部ほど小さくされているため、背もたれ部７０に持たれた利用者の側方への視界を広げることができる。さらに、上記マッサージ機によれば、各側壁１５の前方への突出量を上下方向に一定とした場合と比較して、梱包時のサイズを低減することができる。

　本実施形態に係るマッサージ機によれば、エアバッグ１６の上部の膨張量よりもエアバッグ１６の下部の膨張量の方が大きいため、背の高さにかかわらずほぼ等しい強さでマッサージを行うことができる。

　以下、図７及び図８を参照して、他の実施例について説明する。図７は、他の実施例に係る背もたれの一部を示す斜視図である。図８は、図７の背もたれに設けられた回動機構を示す平面図である。上記実施例と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。

　本実施例に係る背もたれ１は、外観的には上記実施例と同じである。一方、本実施例に係るマッサージ機は、上記背もたれ１に対して各側壁１５をそれぞれ左右方向に回動可能に接続するための回動機構７１を備えている。この回動機構７１は、各側壁１５が背もたれ１から前方に延びる位置で各側壁１５をロックするロック状態と、各側壁１５のロックを解除するアンロック状態とを有する。

　具体的に、回動機構７１は、各側壁１５の後面からそれぞれ後ろに突出する突出部１５ｃと、これら突出部１５ｃをそれぞれ上下方向に延びる軸Ｊ１回りに回動可能に支持する一対の支持部１０ａとを備えている。各支持部１０ａは、上記背もたれ１の背もたれフレーム１０の左右の縁部から前方に延びている。また、各突出部１５ｃ及び各支持部１０ａは、図８に示すように、側壁１５が背もたれ１から前方に延びる回動位置とされた状態で、互いに上下に重なる位置に形成された貫通孔をそれぞれ有する。これらの貫通孔に対してロック軸Ｊ２を挿入することにより、各側壁１５がロックされる。なお、上記ロック軸Ｊ２は、図外の操作部が利用者により操作されることに応じて、貫通孔から挿抜可能である。このように、ロック軸Ｊ２により各側壁１５を前方に向けた姿勢で保持することができるので、エアバッグ１６を膨張させたときに、各側壁１５の回動を規制することができる。

　本実施例では、各側壁１５を左右方向に折り畳むことができるため、エアバッグ１６によるマッサージあるいは身体の固定を必要としない場合に、背もたれ１にもたれている利用者に対して各側壁１５が与える圧迫感を軽減することができる。具体的に、各側壁１５を左右方向の外側に折畳むことにより、利用者の側方の視界を開放することができるため、利用者に与える圧迫感を軽減することができる。また、各側壁１５を折畳むことにより背もたれ１から前側へ向けた各側壁１５の突出量をほぼゼロにすることができるため、梱包時のサイズを小さく保つことができる。

　なお、図８の実施例では、ロック軸Ｊ２によるロックを解除した状態で、各側壁１５が左右両側に回動可能であるが、各側壁１５が少なくとも左右方向の外側に回動可能であれば、利用者に対する圧迫感を軽減することができる。具体的には、例えば、突出部１５ｃと支持部１０ａとの間に突出部１５ｃの内側への回動を規制するためのストッパを設けることができる。

　以下、図９及び図１０を参照して、さらに他の変形例について説明する。図９は、他の実施例に係る背もたれの一部を示す斜視図である。図１０は、図９の背もたれに設けられたスライド機構を示す平面図である。なお、上記各実施例と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。

　図１０に示すように、本実施例に係るマッサージ機は、張り出し部１４に対して各側壁１５を上下方向にスライド可能に接続するためのスライド機構７２を備えている。

　具体的に、スライド機構７２は、上記背もたれ１の背もたれフレーム１０の前面に設けられた一対のレール１０ｂと、このレール１０ｂに対してそれぞれ上下方向にスライド可能に取り付けられた一対のスライダ１５ｅと、これらスライダ１５ｅと各側壁１５とを接続する接続部１５ｄとを備えている。この接続部１５ｄの左右方向の幅寸法は、上記スライダ１５ｅの左右方向の幅寸法よりも小さい。上記レール１０ｂは、上記スライダ１５ｅを挿入可能なスライド溝１０ｃと、このスライド溝１０ｃ内にスライダ１５ｅを挿入した状態で上記接続部１５ｄを通すためのスリット１０ｄとを備えている。このスリット１０ｄの左右方向の幅寸法は、上記スライド溝１０ｃの左右方向の幅寸法よりも小さい。したがって、スリット１０ｄに接続部１５ｄを通しつつスライド溝１０ｃ内にスライダ１５ｅを挿入することにより、側壁１５は、背もたれ１に対する前後方向の移動が規制された状態で、上下方向のスライドが許容される。

　本実施例によれば、背もたれ１に対する各側壁１５の上下位置を変更することができるため、各側壁１５を利用者の体格に合わせることにより、より効果的なマッサージを行うことができる。

　以下、図１１を参照して、さらに別の実施例について説明する。図１１は、さらに別の実施例に係る背もたれの一部を示す斜視図である。

　図１１に示す背もたれ１は、背もたれ部７０の前面から突出する一対の突出部１７，１７と、これら突出部１７、１７に設けられたエアバッグ１８，１８とを備えている。各突出部１７，１７は、左右方向の内側に向かうに従い背もたれ部７０側に下がるように傾斜した前側面を有し、これら前側面にそれぞれエアバッグ１８，１８が配設されている。各エアバッグ１８，１８の膨張及び収縮を繰り返すことにより、利用者の腰の両側や脇腹に対するマッサージを行うことができるとともに、各エアバッグ１８，１８を膨張させることにより、利用者の腰を背もたれ部７０に対して固定することができる。

　なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。

　実施形態に係るマッサージ機は、人体の背面をマッサージするためのマッサージ機構が内蔵された背もたれ部と、上記背もたれ部の少なくとも上部から左右両側へ張り出す一対の張り出し部とを一体に有する背もたれと、上記一対の張り出し部の前面からそれぞれ前方に突出する一対の側壁と、上記一対の側壁の内側面にそれぞれ設けられ、上記背もたれ部にもたれた人体の側面をマッサージするために膨張状態と収縮状態との間で切り換わることが可能な一対のマッサージ部材とを備えている。

　実施形態に係るマッサージ機によれば、一対の側壁の内側にそれぞれ設けられたマッサージ部材により、マッサージ機の利用者の肩又は腕を左右両側からマッサージしながら、背もたれ部に内蔵されたマッサージ機構により、利用者の背面に対するマッサージを行うことができる。さらに、実施形態に係るマッサージ機では、マッサージ部材を膨張状態に切り換えることによって利用者の身体が背もたれから浮くことを抑制した状態で、マッサージ機構によるマッサージを行うことができるため、より高いマッサージ効果を得ることができる。しかも、実施形態に係るマッサージ機では、背もたれが背もたれ部と一対の張り出し部とを一体に有するとともに、これらの張り出し部の前面に一対の側壁を設けているため、一対の側壁と背もたれとが一体感のある形態となる。そして、本実施形態に係るマッサージ機では、一対の側壁を設けるための張り出し部が背もたれ部とは別に設けられているため、利用者の背の全体を背もたれ部で受けることができる。したがって、利用者は、リラックスした姿勢でマッサージを受けることができる。

　上記マッサージ機において、上記一対の側壁の左右方向の外側面は、それぞれ上記一対の張り出し部の外側面を延長するように上記張り出し部の外側面から前方に延びることが好ましい。

　上記マッサージ機によれば、上記一対の側壁の外側面が上記一対の張り出し部の外側面を延長するように設けられているため、各張り出し部と各側壁とが更に一体感のある形態となる。

　上記マッサージ機において、上記一対の側壁の左右方向の内側面は、それぞれ上部よりも下部の方が左右方向の外側に位置するように傾斜することが好ましい。

　上記マッサージ機によれば、各側壁の内側面が上部よりも下部の方が外側に位置するように傾斜するため、これら各側壁の内側面に沿って設けられた一対のマッサージ部材も下側が上側よりも外側に位置することになる。したがって、上記マッサージ機によれば、各マッサージ部材によって利用者の肩から上腕にわたる部分を有効にマッサージすることができる。

　上記マッサージ機において、上記背もたれの左右両側の位置から前方へ延びる一対の肘掛けをさらに備え、上記背もたれは、起立姿勢とリクライニング姿勢との間のリクライニング範囲内でリクライニング可能であり、リクライニングの中心軸と上記一対の張り出し部との間の第１の距離は、上記リクライニング範囲内に位置する上記一対の肘掛けから上記中心軸までを結ぶ最長距離よりも長いことが好ましい。

　上記マッサージ機によれば、リクライニング動作中に、各張り出し部が各肘掛けよりも中心軸から遠い位置を通るため、背もたれのリクライニング時に各張り出し部と各肘掛けとが接触するのを避けることができる。

　なお、『第１の距離』は、リクライニングの中心軸と直交する平面上において、各張り出し部のうち上記中心軸から最も近くに位置する部分と上記中心軸とを結ぶ線分である。また、『最長距離』は、上記中心軸と直交する平面上において、背もたれのリクライニング範囲内に位置する各肘掛けのうち上記中心軸から最も遠くに位置する部分と上記中心軸とを結ぶ線分である。

　上記マッサージ機において、上記一対の張り出し部は、それぞれ上記背もたれ部の上部にのみ設けられていることが好ましい。

　上記マッサージ機によれば、背もたれ部の上部にのみ各張り出し部を設けることにより、背もたれのリクライニング時に各張り出し部と各肘掛けとが接触するのを避けることができる。

　上記マッサージ機において、上記中心軸と上記一対の側壁との間の第２の距離は、上記最長距離よりも長いことが好ましい。

　上記マッサージ機によれば、リクライニング動作中に、各側壁が各肘掛けよりも中心軸から遠い位置を通るため、背もたれのリクライニング時に各側壁と各肘掛けとが接触するのを避けることができる。

　なお、『第２の距離』は、上記中心軸と直交する平面上において、各側壁のうち上記中心軸から最も近くに位置する部分と上記中心軸とを結ぶ線分である。

　上記マッサージ機において、上記第１の距離と上記最長距離との差は、上記一対の肘掛けにそれぞれ載せられる腕の太さと同等又はこれより大きく設定されていることが好ましい。

　上記マッサージ機によれば、各張り出し部と各肘掛けとの間に少なくとも利用者の腕の太さに相当する隙間が形成されるため、リクライニング動作中に各肘掛け上に載せられた腕に各張り出し部が接触するのを抑制することができる。

　上記マッサージ機において、上記背もたれに対して上記一対の側壁をそれぞれ左右方向に回動可能に接続するための回動機構をさらに備えていることが好ましい。

　上記マッサージ機によれば、上記各側壁が左右に回動可能であるため、各側壁が邪魔にならないように各側壁を折り畳むことができる。したがって、例えば、マッサージ機の梱包時のサイズを小さくすることができる。

　上記マッサージ機において、上記回動機構は、上記回動機構は、上記一対の側壁が上記背もたれから前方に延びる位置で上記各側壁をロックするロック状態と、上記各側壁のロックを解除するアンロック状態とを有することが好ましい。

　上記マッサージ機によれば、各側壁を回動可能なアンロック状態と各側壁をロックするロック状態との間で回動機構が切り換え可能であるため、各側壁をロックした状態で利用者にマッサージを行うとともに、マッサージ以外の期間には各側壁を折畳んでコンパクトな形態とすることができる。

　上記マッサージ機において、上記背もたれに対して上記一対の側壁を上下方向にスライド可能に接続するためのスライド機構をさらに備えていることが好ましい。

　上記マッサージ機によれば、利用者の体格に合わせて各側壁を上下にスライドすることができるので、より効果的なマッサージを行うことができる。

　上記マッサージ機において、上記背もたれから前方へ向かう上記一対の側壁の突出量は、それぞれ上部よりも下部の方が大きいことが好ましい。

　上記マッサージ機によれば、各側壁の前方への突出量が上部ほど小さくされているため、背もたれ部に持たれた利用者の側方への視界を広げることができる。さらに、上記マッサージ機によれば、各側壁の前方への突出量を上下方向に一定とした場合と比較して、梱包時のサイズを低減することができる。

　上記マッサージ機において、上記一対のマッサージ部材の前後方向の幅寸法は、上部よりも下部の方が大きいことが好ましい。

　上記マッサージ機によれば、マッサージ部材の上部の膨張量よりもマッサージ部材の下部の膨張量の方が大きいため、背の高さにかかわらずほぼ等しい強さでマッサージを行うことができる。

　本発明によれば、マッサージ部材を保持する側壁と背もたれとが一体感のある形態を有するマッサージ機を提供することができる。

　Ｄ１　　第１の距離
　Ｄ２　　最長距離
　Ｄ３　　第２の距離
　Ｅ１　　リクライニング範囲
　１　　背もたれ
　１０　　背もたれフレーム
　１４　　張り出し部
　１５　　側壁
　１５ａ　　（側壁の）外側面
　１５ｂ　　（側壁の）内側面
　１６　　エアバッグ（マッサージ部材の一例）
　５０　　中心軸
　７０　　背もたれ部
　７１　　回動機構
　７２　　スライド機構

Claims

　マッサージ機であって、
　人体の背面をマッサージするためのマッサージ機構が内蔵された背もたれ部と、上記背もたれ部の少なくとも上部から左右両側へ張り出す一対の張り出し部とを一体に有する背もたれと、
　上記一対の張り出し部の前面からそれぞれ前方に突出する一対の側壁と、
　上記一対の側壁の内側面にそれぞれ設けられ、上記背もたれ部にもたれた人体の側面をマッサージするために膨張状態と収縮状態との間で切り換わることが可能な一対のマッサージ部材とを備えていることを特徴とするマッサージ機。
　上記一対の側壁の左右方向の外側面は、それぞれ上記一対の張り出し部の外側面を延長するように上記張り出し部の外側面から前方に延びることを特徴とする請求項１に記載のマッサージ機。
　上記一対の側壁の左右方向の内側面は、それぞれ上部よりも下部の方が左右方向の外側に位置するように傾斜することを特徴とする請求項１に記載のマッサージ機。
　上記背もたれの左右両側の位置から前方へ延びる一対の肘掛けをさらに備え、
　上記背もたれは、起立姿勢とリクライニング姿勢との間のリクライニング範囲内でリクライニング可能であり、
　リクライニングの中心軸と上記一対の張り出し部との間の第１の距離は、上記リクライニング範囲内に位置する上記一対の肘掛けから上記中心軸までを結ぶ最長距離よりも長いことを特徴とする請求項１～３の何れか１項に記載のマッサージ機。
　上記一対の張り出し部は、それぞれ上記背もたれ部の上部にのみ設けられていることを特徴とする請求項４に記載のマッサージ機。
　上記中心軸と上記一対の側壁との間の第２の距離は、上記最長距離よりも長いことを特長とする請求項４に記載のマッサージ機。
　上記第１の距離と上記最長距離との差は、上記一対の肘掛けにそれぞれ載せられる腕の太さと同等又はこれより大きく設定されていることを特徴とする請求項４に記載のマッサージ機。
　上記背もたれに対して上記一対の側壁をそれぞれ左右方向に回動可能に接続するための回動機構をさらに備えていることを特徴とする請求項１に記載のマッサージ機。
　上記回動機構は、上記一対の側壁が上記背もたれから前方に延びる位置で上記各側壁をロックするロック状態と、上記各側壁のロックを解除するアンロック状態とを有することを特徴とする請求項８に記載のマッサージ機。
　上記背もたれに対して上記一対の側壁を上下方向にスライド可能に接続するためのスライド機構をさらに備えていることを特徴とする請求項１に記載のマッサージ機。
　上記背もたれから前方へ向かう上記一対の側壁の突出量は、それぞれ上部よりも下部の方が大きいことを特徴とする請求項１に記載のマッサージ機。
　上記一対のマッサージ部材の前後方向の幅寸法は、上部よりも下部の方が大きいことを特徴とする請求項１１に記載のマッサージ機。