WO2010134613A1 - 有機エレクトロルミネセンス素子 - Google Patents

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Abstract

 陽極と陰極との間に、少なくとも3つの発光層を有する有機薄膜層を備えた有機エレクトロルミネセンス素子であって、前記有機薄膜層は、前記陽極側の第1発光層と、前記陰極側の第2発光層と、前記第1発光層及び前記第2発光層間に介在された第3発光層と、を含んで構成され、前記第1発光層、前記第2発光層、及び前記第3発光層は、それぞれ燐光ドーパントを含有し、前記第1発光層、及び前記第2発光層は、縮合多環芳香族誘導体をホスト材料とする。

Description

有機エレクトロルミネセンス素子
 本発明は、有機エレクトロルミネセンス素子に関する。
 陽極と陰極との間に発光層を含む有機薄膜層を備え、発光層に注入された正孔と電子との再結合によって生じる励起子(エキシトン)エネルギーから発光を得る有機エレクトロルミネセンス素子(以下、「有機EL素子」と略記する)が知られている。
 このような有機EL素子は、自発光型素子としての利点を活かし、発光効率、画質、消費電力さらには薄型のデザイン性に優れた発光素子として期待されている。
 しかし、実用化には種々の問題が指摘されており、例えば、有機EL素子を照明に利用する際、消費電力の低減が必須である。
 消費電力を下げる方法としては、従来の蛍光素子に比べ理論効率が高い燐光素子を適用する方法がある。しかし、実用的な寿命・効率を達成した例は少ない。
 これは、駆動に伴い材料の劣化が進行すると、輝度が低下し、劣化が不揃いとなるため、色ずれなどが大きな問題になるからである。
 また、有機EL素子を照明装置や表示素子への応用の際に、白色素子が必要となる。実用的な白色素子を実現するためには、発光ピークの異なる多成分を含有する発光層を用いる必要がある。このような異なる発光色を呈する層を積層した場合、電流密度の変化に伴う色ずれが生じる。即ち低輝度時と高輝度時で色度が変わってしまう。これは各電流密度で発光層内でのキャリアバランスが変化した結果、発光層内の再結合位置が変化することに由来する。
 近年、有機EL素子の色ずれを抑制可能な技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
 特許文献1には、含ヘテロ環化合物、特にカルバゾールやアザカルバゾールをホストとする多層発光層を備えた有機EL素子が開示されている。このような有機EL素子の多層発光層は、複数のリン光層が周期的、あるいはランダムに積層されているため、電流密度を変化させた際の色ずれを抑制する。
 特許文献2には、正孔輸送材を含有する第一発光層と、電子輸送材を含有する第三発光層を備えた発光素子が開示されている。
国際公開公報2006/008977 特開2001-319779号公報
 しかしながら、特許文献2に記載の技術では、正孔輸送材を含む発光層と、電子輸送材を含む発光層を採用することにより、色ずれを解消していると考えられる。しかし、特許文献1、2には、実際には白色素子のもう一つの大きな問題である、連続駆動に伴う色ずれについて開示されていない。
 また、燐光素子の発光層には、励起三重項エネルギー(Eg(T))が高いことが高効率発光を達成するために必須である。このような高いEg(T)を実現できる材料として、カルバゾール誘導体、フラン誘導体などの含ヘテロ環骨格を有する材料が有効である。
 しかしながら含ヘテロ環骨格は高いEg(T)を持つものの、酸化・還元に対する安定性が低く、蓄積キャリアによる劣化を受けやすい。
 つまり、発光層と、この発光層に隣接する層の周辺材料との界面でのキャリアの蓄積による材料の劣化が起こると、駆動に伴いキャリアバランスが変化し、発光色のバランスが悪化し、色ずれが起こる場合がある。
 本発明の目的は、電流密度の変化時と連続駆動時にも色安定性に優れた有機EL素子を提供することである。
 本発明の有機エレクトロルミネセンス素子は、
 陽極と陰極との間に、少なくとも3つの発光層を有する有機薄膜層を備えた有機エレクトロルミネセンス素子であって、
 前記有機薄膜層は、前記陽極側の第1発光層と、前記陰極側の第2発光層と、前記第1発光層及び前記第2発光層間に介在された第3発光層と、を含んで構成され、
 前記第1発光層、前記第2発光層、及び前記第3発光層は、それぞれ燐光ドーパントを含有し、
 前記第1発光層、及び前記第2発光層は、縮合多環芳香族誘導体をホスト材料とすることを特徴とする。
 このような発明によれば、第1発光層と第2発光層のそれぞれの縮合多環芳香族誘導体が、陽極側又は陰極側からのキャリアに対して耐性が高いため、その間に介在する第3発光層がキャリアによって劣化することがない。
 従って、第3発光層に含まれる化合物の劣化が抑制され、燐光発光の高効率化に必要な高いEg(T)が安定して得られ、電流密度が変化した時のみならず連続駆動時においても、色安定性に優れた、発光効率の高い有機エレクトロルミネセンス素子を得ることができる。
 なお、第1発光層の縮合多環芳香族誘導体と、第2発光層の縮合多環芳香族誘導体は、同じものでも、異なっていてもよい。
 本発明によれば、電流密度の変化時と連続駆動時にも色安定性に優れた有機EL素子を提供することができる。
本発明の実施形態における有機エレクトロルミネセンス素子の一例の概略構成を示す図である。 本実施形態の有機エレクトロルミネセンス素子における一例のホスト材料の3重項エネルギー関係を示す図である。 本実施形態の有機エレクトロルミネセンス素子における一例の各構成のエネルギー関係を示す図である。 他の有機エレクトロルミネセンス素子の一例の概略構成を示す図である。 さらに他の有機エレクトロルミネセンス素子の一例の概略構成を示す図である。
 以下、本発明の実施形態について説明する。
(有機EL素子の構成)
 以下、本発明の有機EL素子の素子構成について説明する。
 有機EL素子の代表的な素子構成としては、
(1)陽極/発光層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
(3)陽極/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(5)陽極/有機半導体層/発光層/陰極
(6)陽極/有機半導体層/電子障壁層/発光層/陰極
(7)陽極/有機半導体層/発光層/付着改善層/陰極
(8)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(9)陽極/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
(10)陽極/無機半導体層/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
(11)陽極/有機半導体層/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
(12)陽極/絶縁層/正孔注入・輸送層/発光層/絶縁層/陰極
(13)陽極/絶縁層/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(14)陽極/発光層/中間層/発光層/陰極
などの構造を挙げることができる。
 上記の中で(8)の素子構成が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではない。
 図1に、本発明の実施形態における有機EL素子の一例の概略構成を示す。
 有機EL素子1は、透明な基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機薄膜層10とを有する。
 有機薄膜層10は、燐光ホストおよび燐光ドーパントを含む燐光発光層5と、この燐光発光層5と陽極3との間に配置される正孔注入・輸送層6と、燐光発光層5と陰極4との間に配置される電子注入・輸送層7とを備えていている。
 燐光発光層5は、赤色発光を示す第1発光層51と、緑色発光を示す第2発光層52と、赤色発光を示す第3発光層53とを備える。
 また、燐光発光層5の陽極3側に電子障壁層を、燐光発光層5の陰極4側に正孔障壁層を、それぞれ設けてもよい。
 これにより、電子や正孔を燐光発光層5に閉じ込めて、燐光発光層5における励起子の生成確率を高めることができる。
 本明細書において、蛍光ホストおよび燐光ホストの用語は、蛍光ドーパントと組み合わされたときには蛍光ホストと称し、燐光ドーパントと組み合わされたときには燐光ホストと称するものであり、分子構造のみから一義的に蛍光ホストや燐光ホストに限定的に区分されるものではない。
 言い換えると、本明細書において、蛍光ホストとは、蛍光ドーパントを含有する蛍光発光層を構成する材料を意味し、蛍光材料のホストにしか利用できないものを意味しているわけではない。
 同様に燐光ホストとは、燐光ドーパントを含有する燐光発光層を構成する材料を意味し、燐光発光材料のホストにしか利用できないものを意味しているわけではない。
 また、本明細書中で「正孔注入・輸送層」は「正孔注入層および正孔輸送層の少なくともいずれか1つ」を意味し、「電子注入・輸送層」は「電子注入層および電子輸送層の少なくともいずれか1つ」を意味する。
 (透光性基板2)
 有機EL素子1は、透光性の基板2上に作製する。ここでいう透光性基板は有機EL素子1を支持する基板であり、400~700nmの可視領域の光の透過率が50%以上で平滑な基板が好ましい。
 具体的には、ガラス板、ポリマー板等が挙げられる。
 ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等が挙げられる。
 またポリマー板としては、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエーテルサルファイド系樹脂、ポリサルフォン系樹脂等を原料として用いてなるものを挙げることができる。
 (陽極3及び陰極4)
 有機EL素子1の陽極3は、正孔を、正孔注入層、正孔輸送層又は発光層に注入する役割を担うものであり、4.5eV以上の仕事関数を有することが効果的である。
 陽極材料の具体例としては、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、酸化インジウム亜鉛酸化物、金、銀、白金、銅等が挙げられる。
 陽極3はこれらの電極物質を蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。
 本実施形態のように、燐光発光層5からの発光を陽極から取り出す場合、陽極の可視領域の光の透過率を10%より大きくすることが好ましい。また、陽極のシート抵抗は、数百Ω/□以下が好ましい。陽極3の膜厚は、材料にもよるが、通常10nm~1μm、好ましくは10~200nmの範囲で選択される。
 陰極4としては、電子注入層、電子輸送層又は発光層に電子を注入する目的で、仕事関数の小さい材料が好ましい。
 陰極材料は特に限定されないが、具体的にはインジウム、アルミニウム、マグネシウム、マグネシウム-インジウム合金、マグネシウム-アルミニウム合金、アルミニウム-リチウム合金、アルミニウム-スカンジウム-リチウム合金、マグネシウム-銀合金等が使用できる。
 陰極4も、陽極3と同様に、蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。また、陰極4側から、発光を取り出す態様を採用することもできる。
(燐光発光層5)
 有機EL素子1の燐光発光層5は以下の機能を併せ持つものである。
 すなわち、
(1)注入機能;電界印加時に陽極又は正孔注入層より正孔を注入することができ、陰極又は電子注入層より電子を注入することができる機能、
(2)輸送機能;注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる機能、
(3)発光機能;電子と正孔の再結合の場を提供し、これを発光につなげる機能、
がある。
 ただし、正孔の注入されやすさと電子の注入されやすさに違いがあってもよく、また、正孔と電子の移動度で表される輸送能に大小があってもよい。
 この燐光発光層5を形成する方法としては、例えば蒸着法、スピンコート法、LB法等の公知の方法を適用することができる。
 燐光発光層5は、分子堆積膜であることが好ましい。
 ここで分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態又は液相状態の材料化合物から固体化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。
 また、特開昭57-51781号公報に開示されているように、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコート法等により薄膜化することによっても、発光層を形成することができる。
 さらに、発光層の膜厚は、好ましくは5~50nm、より好ましくは7~50nm、最も好ましくは10~50nmである。5nm未満では発光層形成が困難となり、色度の調整が困難となる恐れがあり、50nmを超えると駆動電圧が上昇する恐れがある。
(有機EL素子用材料)
 前述した有機EL素子1における燐光発光層5は、少なくとも3つの発光層を有して構成され、第1発光層51、第2発光層52、及び第3発光層53を含んで構成されている。
 第1発光層51は陽極3側に配置され、第2発光層52は陰極4側に配置され、第3発光層53は、第1発光層51及び第2発光層52間に、互いに接して介在している。
 第1発光層51及び第2発光層52のホスト材料は、縮合多環芳香族誘導体である。
 ここで、本実施形態では、第3発光層53は、含ヘテロ環化合物をホスト材料とすることが好ましい。含ヘテロ環化合物は、3重項エネルギー(Eg(T))が高いため、高効率発光を達成するための材料として、第3発光層53に好適に利用することができる。
 また、第1発光層51及び第2発光層52の縮合多環芳香族誘導体は、3重項エネルギーが2.0eV以上であることが好ましい。
 このように、3重項エネルギーが2.0eV以上であるため、520nm以上720nm以下で発光する燐光ドーパントへのエネルギー移動が可能となる。
 ここで、3重項エネルギーは、好ましくは、2.0eV以上2.6eV以下であり、さらに好ましくは、2.0eV以上2.5eV以下、最も好ましくは2.0eV以上2.4eV以下である。
 ここで、有機EL素子を構成する材料の3重項エネルギー:Eg(T)は、燐光発光スペクトルに基づいて規定することが例として挙げられ、例えば、本発明にあっては以下のように規定することが例として挙げられる。
 すなわち、各材料をEPA溶媒(容積比でジエチルエーテル:イソペンタン:エタノール=5:5:2)に10μモル/リットルで溶解し、燐光測定用試料とする。
 そして、燐光測定用試料を石英セルに入れ、77Kに冷却し、励起光を照射し、放射される燐光の波長を測定する。
 得られた燐光スペクトルの短波長側の立ちあがりに対して接線を引き、この接線とベースラインとの交点の波長値をエネルギーに換算した値を3重項エネルギーEg(T)とする。
 なお、測定には、例えば、市販のSPEX社FLUOROLOGIIを用いることができる。
 ただし、このような規定によらず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で3重項エネルギーとして定義できる値であればよい。
 本実施形態では、第1発光層及び第2発光層に含まれる燐光ドーパントの発光波長は、いずれも第3発光層に含まれる燐光ドーパントの発光波長より長いことが好ましい。
 このような構成の第1発光層51と第2発光層52と第3発光層53の発光色の組み合わせとして、例えば、以下のものがあげられる。
 赤色の第1発光層51/緑色の第3発光層53/赤色の第2発光層52
 赤色の第1発光層51/青色の第3発光層53/緑色の第2発光層52
 緑色の第1発光層51/青色の第3発光層53/赤色の第2発光層52
 赤色の第1発光層51/青色の第3発光層53/赤色の第2発光層52
 緑色の第1発光層51/青色の第3発光層53/緑色の第2発光層52
 この中でも、本実施形態では、第1発光層51及び第2発光層52に含まれる燐光ドーパントは、それぞれ赤色発光を示し、第3発光層53に含まれる燐光ドーパントは、緑色発光を示すことが好ましい。
 第1発光層51及び第2発光層52のホスト材料が、へテロ環骨格を有しない縮合多環芳香族誘導体であることが好ましい。窒素原子などのヘテロ原子を含まないので、分子の安定性をさらに向上させることができるからである。なお、ヘテロ環骨格とは、縮合環の環上にヘテロ原子を有する骨格や、縮合環にヘテロ原子が結合した骨格である。
 また、本実施形態では、縮合多環芳香族誘導体は、縮合多環芳香族炭化水素であることが好ましい。
 そして、本実施形態では、縮合多環芳香族炭化水素としては、ナフタレン誘導体が好ましい。ナフタレン誘導体は、共役の長さが適度であり、比較的大きな3重項エネルギーを得ることができる。
 ナフタレン誘導体としては、以下のものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
(上記式中、R1からRは、置換または無置換のベンゼン環、または、置換または無置換の、ナフタレン環、フルオレン環、クリセン環、フルオランテン環、トリフェニレン環、フェナントレン環、ベンゾフェナントレン環、ジベンゾフェナントレン環、ベンゾトリフェニレン環、ベンゾクリセン環、ピセン環およびベンゾ[b]フルオランテン環から選択される縮合芳香族炭化水素基を表す。
 また、ホスト材料としては下記の一般式で表されるものでもよい。
 Ra-Ar-Ar-Rb  …(1)
(式中、Ar,Ar,Ra,Rbは、置換または無置換のベンゼン環、または、置換または無置換の、ナフタレン環、フルオレン環、クリセン環、フルオランテン環、トリフェニレン環、フェナントレン環、ベンゾフェナントレン環、ジベンゾフェナントレン環、ベンゾトリフェニレン環、ベンゾクリセン環、ピセン環およびベンゾ[b]フルオランテン環から選択される縮合芳香族炭化水素基を表す。
 Arが置換または無置換のベンゼン環の場合、RaとArは置換または無置換の互いに異なる縮合芳香族炭化水素基である。
 Arが置換または無置換のベンゼン環の場合、RbとArは置換または無置換の互いに異なる縮合芳香族炭化水素基である。
 また、Ra,Rbの置換基はアリール基でない。)
 前記式(1)中、Ra、Rb、ArまたはArが1つまたは複数の置換基を有する場合、
 前記置換基は、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のハロアルキル基、炭素数5~18のシクロアルキル基、炭素数3~20のシリル基、シアノ基またはハロゲン原子であり、ArまたはArの置換基はさらに炭素数6~22のアリール基でもよい。
 前記式(1)中、Ra、Arは、ナフタレン環であり、Rbは、フルオレン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、ベンゾフェナントレン環、ジベンゾフェナントレン環、ベンゾトリフェニレン環、フルオランテン環、ベンゾクリセン環、ベンゾ[b]フルオランテン環およびピセン環から選択される基であることが好ましい。
 また、前記式(1)のホスト材料は、下記式(2)で表されるものでもよい。 
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
 前記式(2)中、Ra、Rb、ナフタレン環が1つまたは複数の置換基を有する場合、
 前記置換基は、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のハロアルキル基、炭素数5~18のシクロアルキル基、炭素数3~20のシリル基、シアノ基またはハロゲン原子であり、Ra,Rb以外のナフタレン環の置換基はさらに炭素数6~22のアリール基でもよい。
 前記式(2)中、Ra、Rbは、フルオレン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、ベンゾフェナントレン環、ジベンゾフェナントレン環、ベンゾトリフェニレン環、フルオランテン環、ベンゾクリセン環、ベンゾ[b]フルオランテン環およびピセン環から選択される基であることが好ましい。
 ナフタレン誘導体の具体例としては以下のものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
 また、本実施形態では、前記縮合多環芳香族炭化水素は、下記式(5)で表されるフェナントレンの単体または誘導体でもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
 フェナントレン誘導体の置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、複素環基、ハロゲン、ハロアルカン、ハロアルケン、ハロアルキン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基が挙げられる。
 このようなフェナントレン誘導体としては、例えば、下記式(5A)のものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
 式(5A)中、R~R10は、それぞれ独立に、水素原子または、環形成炭素数(置換基の炭素数を含まない)5~30の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数1から30の分岐または直鎖のアルキル基、炭素数3から20の置換または無置換のシクロアルキル基が単独または複数の組み合わせで構成される置換基を表す。
 式(5A)で表されるフェナントレン誘導体の具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
 さらに、本実施形態では、前記縮合多環芳香族炭化水素は、下記式(6)で表されるクリセンの単体または誘導体であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
 このようなクリセン誘導体としては、例えば、下記式(6A)のものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
 式(6A)中、R~R12は、それぞれ独立に、水素原子または、環形成炭素数(置換基の炭素数を含まない)5~30の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数1から30の分岐または直鎖のアルキル基、炭素数3から20の置換または無置換のシクロアルキル基が単独または複数の組み合わせで構成される置換基を表す。
 また、本実施形態では、前記縮合多環芳香族炭化水素は、下記式(7)で表される化合物(ベンゾ[c]フェナントレン)の単体または誘導体であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
 このようなベンゾ[c]フェナントレン誘導体としては、例えば、下記式(7A)のものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
 式(7A)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子または、環形成炭素数(置換基の炭素数を含まない)5~30の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数1から30の分岐または直鎖のアルキル基、炭素数3から20の置換または無置換のシクロアルキル基が単独または複数の組み合わせで構成される置換基を表す。
 式(7A)で表されるベンゾ[c]フェナントレン誘導体の具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
 また、本実施形態では、前記縮合多環芳香族炭化水素は、下記式(10)で表されるフルオランテンの単体または誘導体であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021
 このようなフルオランテン誘導体としては、例えば、下記式(10A)のものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022
 式(10A)中、X12~X21は水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、あるいは置換または未置換のアリール基を表す。
 なお、アリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基などの炭素環式芳香族基を表す。
 X12~X21は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、炭素数1~16の直鎖、分岐または環状のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、3,3-ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、n-オクチル基、tert-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-テトラデシル基、n-ヘキサデシル基など)、炭素数1~16の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、3,3-ジメチルブチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基、n-テトラデシルオキシ基、n-ヘキサデシルオキシ基など)、あるいは炭素数4~16の置換または未置換のアリール基(例えば、フェニル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、4-エチルフェニル基、4-n-プロピルフェニル基、4-イソプロピルフェニル基、4-n-ブチルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、4-イソペンチルフェニル基、4-tert-ペンチルフェニル基、4-n-ヘキシルフェニル基、4-シクロヘキシルフェニル基、4-n-オクチルフェニル基、4-n-デシルフェニル基、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、5-インダニル基、1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ナフチル基、1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ナフチル基、2-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、4-メトキシフェニル基、3-エトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、4-n-プロポキシフェニル基、4-イソプロポキシフェニル基、4-n-ブトキシフェニル基、4-n-ペンチルオキシフェニル基、4-n-ヘキシルオキシフェニル基、4-シクロヘキシルオキシフェニル基、4-n-ヘプチルオキシフェニル基、4-n-オクチルオキシフェニル基、4-n-デシルオキシフェニル基、2,3-ジメトキシフェニル基、2,5-ジメトキシフェニル基、3,4-ジメトキシフェニル基、2-メトキシ-5-メチルフェニル基、3-メチル-4-メトキシフェニル基、2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基、2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、4-ブロモフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、3,4-ジクロロフェニル基、2-メチル-4-クロロフェニル基、2-クロロ-4-メチルフェニル基、3-クロロ-4-メチルフェニル基、2-クロロ-4-メトキシフェニル基、4-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、4-(4’-メチルフェニル)フェニル基、4-(4’-メトキシフェニル)フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、4-エトキシ-1-ナフチル基、6-メトキシ-2-ナフチル基、7-エトキシ-2-ナフチル基)であり、より好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基または炭素数6~12のアリール基であり、さらに好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基または炭素数6~10の炭素環式芳香族基である。
 式(10A)で表されるフルオランテン誘導体の具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000023
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000024
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000025
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000026
また、本実施形態では、前記縮合多環芳香族炭化水素は、例えば、下記式(10B)で表されるベンゾ[b]フルオランテンの単体または誘導体や、式(10C)で表されるベンゾ[k]フルオランテンの単体または誘導体が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000027
 式(10B)および式(10C)中、X~X24は水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、あるいは置換または未置換のアリール基を表す。
 なお、アリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基などの炭素環式芳香族基を表す。
 X~X24は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、炭素数1~16の直鎖、分岐または環状のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、3,3-ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、n-オクチル基、tert-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-テトラデシル基、n-ヘキサデシル基など)、炭素数1~16の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、3,3-ジメチルブチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基、n-テトラデシルオキシ基、n-ヘキサデシルオキシ基など)、あるいは炭素数4~16の置換または未置換のアリール基(例えば、フェニル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、4-エチルフェニル基、4-n-プロピルフェニル基、4-イソプロピルフェニル基、4-n-ブチルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、4-イソペンチルフェニル基、4-tert-ペンチルフェニル基、4-n-ヘキシルフェニル基、4-シクロヘキシルフェニル基、4-n-オクチルフェニル基、4-n-デシルフェニル基、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、5-インダニル基、1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ナフチル基、1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ナフチル基、2-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、4-メトキシフェニル基、3-エトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、4-n-プロポキシフェニル基、4-イソプロポキシフェニル基、4-n-ブトキシフェニル基、4-n-ペンチルオキシフェニル基、4-n-ヘキシルオキシフェニル基、4-シクロヘキシルオキシフェニル基、4-n-ヘプチルオキシフェニル基、4-n-オクチルオキシフェニル基、4-n-デシルオキシフェニル基、2,3-ジメトキシフェニル基、2,5-ジメトキシフェニル基、3,4-ジメトキシフェニル基、2-メトキシ-5-メチルフェニル基、3-メチル-4-メトキシフェニル基、2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基、2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、4-ブロモフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、3,4-ジクロロフェニル基、2-メチル-4-クロロフェニル基、2-クロロ-4-メチルフェニル基、3-クロロ-4-メチルフェニル基、2-クロロ-4-メトキシフェニル基、4-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、4-(4’-メチルフェニル)フェニル基、4-(4’-メトキシフェニル)フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、4-エトキシ-1-ナフチル基、6-メトキシ-2-ナフチル基、7-エトキシ-2-ナフチル基)であり、より好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基または炭素数6~12のアリール基であり、さらに好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基または炭素数6~10の炭素環式芳香族基である。
 式(10B)で表されるベンゾ[b]フルオランテン誘導体としては、例えば、下記のものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000028
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000029
 さらに、本実施形態では、前記縮合多環芳香族炭化水素は、下記式(11)で表されるトリフェニレンの単体または誘導体であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000030
 このようなトリフェニレン誘導体としては、例えば、下記式(11A)のものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000031
 式(11A)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子または、環形成炭素数(置換基の炭素数を含まない)5~30の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数1から30の分岐または直鎖のアルキル基、炭素数3から20の置換または無置換のシクロアルキル基が単独または複数の組み合わせで構成される置換基を表す。
 上述した縮合芳香族炭化水素としては、他に以下のような化合物がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000032
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000033
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000034
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000035
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000036
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000037
(含ヘテロ環化合物)
 第3発光層53に含まれるホスト材料は、含ヘテロ環化合物である。
 この含ヘテロ環化合物は、3重項エネルギーが、第1発光層51及び第2発光層52のホスト材料の3重項エネルギーよりも大きいことが好ましい。このような構成とすることにより、第3発光層53の含ヘテロ環化合物の3重項エネルギーを、第1発光層51及び第2発光層52の縮合多環芳香族誘導体に拡散させることができるため、3重項エネルギーの有効利用が図れ、発光効率を向上させることができる。
 また、含ヘテロ環化合物が正孔輸送性である場合、第2発光層52に電子輸送性のホストを導入することで有機EL素子1の寿命の改善が図れる。電子輸送性のホストとしては、フェナントロリン誘導体などの縮合多環芳香族炭化水素誘導体や金属錯体が挙げられる。
 図2は、有機EL素子1における第1発光層51、第2発光層52及び第3発光層53に含まれるホスト材料の3重項エネルギー関係を示す図である。図2において、第1発光層51、第2発光層52及び第3発光層53に含まれるホスト材料の3重項状態をそれぞれT、T、及びTとし、基底状態をSとし、3重項エネルギーをそれぞれ、Eg(T)、Eg(T)及びEg(T)と示す。第3発光層53に含まれるホスト材料としての含ヘテロ環化合物の3重項エネルギーEg(T)が、第1発光層51のホスト材料の3重項エネルギーEg(T)、及び第2発光層52のホスト材料の3重項エネルギーEg(T)よりも大きい場合、Eg(T)>Eg(T)、及びEg(T)>Eg(T)の関係を満たす。
 第3発光層53に含まれる含ヘテロ環化合物として、例えば、以下のようなカルバゾール誘導体やアザカルバゾール誘導体が挙げられる。
式:
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000038
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000039
 上記式において、nは、2又は3であり、X1~Xは、N、又はCRであり、R(R~R)は置換基を表し、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。
 また、Arは置換又は無置換の芳香族基であり、Xは連結基を表し、N、置換若しくは無置換の芳香族基、又はCRであり、Rは置換基であり、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を示す。なお、上記式において、ArとArとが直接結合していても良い。
 このような化合物の具体例を以下に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000040

 
 
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000041
 さらに、含ヘテロ環化合物として、例えば、以下のようなカルバゾール誘導体が挙げられる。
式:
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000042
(式(12)、(13)中、XはN又はOであり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R1’、R2’、R3’、R4’、R5’、R6’、及びR7’は、互いに独立して、H、-OR201、-SR202及び/又は-NR203204、C1~C24アルキル;Eで置換された及び/又はDで中断されたC1~C24アルキル;C2~C18アルケニル、Eで置換されたC2~C18アルケニル、C3~C8シクロアルキル、Gで置換されたC3~C8シクロアルキル、アリール、Gで置換されたアリール、ヘテロアリール、又はGで置換されたヘテロアリール、シリル、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000043
-CN、環状エーテル、-B(OR652及び/又はハロゲン、特にフッ素であるか、あるいはRとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、R5’とR6’、R6’とR7’、R’及び/又はR8’の互いに隣接する2個は一緒になって基:
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000044
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000045
(13a)又は(13b)(式(13a)及び(13b)中、A41、A42、A43、A44、A45、及びA46は、互いに独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C24アルキル、Eで置換された及び/又はDで中断されたC1~C24アルキル、C1~C24ペルフルオロアルキル、C5~C12シクロアルキル、Gで置換された及び/又はS-、-O-、もしくは-NR5-で中断されたC5~C12シクロアルキル、C5~C12シクロアルコキシ、Eで置換されたC5~C12シクロアルコキシ、C6~C24アリール、Gで置換されたC6~C24アリール、C2~C20ヘテロアリール、Gで置換されたC2~C20ヘテロアリール、C2~C24アルケニル、C2~C24アルキニル、C1~C24アルコキシ、Eで置換された及び/又はDで中断されたC1~C24アルコキシ、C7~C25アラルキル、Gで置換されたC7~C25アラルキル、C7~C25アルアルコキシ、Eで置換されたC7~C25アルアルコキシ、又は-CO-R8である)を形成し、
Mは、結合基、たとえば単結合(直接結合)、-CO-、-COO-;-S-;-SO-;-SO2-;-O-;場合により-O-、又は-S-1個以上で中断されたC1~C12アルキレン、C2~C12アルケニレン、又はC2~C12アルキニレン;又は基[M1nであり、ここで、nは、整数1~20であり、M1は、場合によりGで置換されているアリーレン又はヘテロアリーレン、特に、場合によりC1~C12アルキル、ハロゲン、-OR201、-SR202及び/又は-NR203204(式中、R201は、水素、C1~C24アルキル、Eで置換された及び/又はDで中断されたC1~C24アルキルである)で置換されているナフチレン、ビフェニレン、スチリレン、アントリレン、又はピレニレンであり;それぞれ場合により基C1~C6アルキル、ハロゲン、-OH及び/又はC1~C4アルコキシ1個以上で置換されていてもよいC2~C12アルケニル、C3~C6アルケノイル、C3~C8シクロアルキル、又はベンゾイル;それぞれ、場合によりハロゲン、-OH、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシ、フェノキシ、C1~C12アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、-N(C1~C12アルキル)2及び/又はジフェニルアミノで置換されていてもよいC6~C14アリール、特にフェニル、ナフチル、フェナントリル、アントラニル、又はピレニルであり;
202は、C1~C24アルキル、Eで置換された及び/又はDで中断されたC1~C24アルキル;C2~C12アルケニル、C1~C8アルカノイル、C2~C12アルケニル、C3~C6アルケノイル;それぞれ、場合により基C1~C6アルキル、ハロゲン、-OH、C1~C4アルコキシ又はC1~C4アルキルスルファニル1個以上で置換されていてもよい、C3~C8シクロアルキル、又はベンゾイル;それぞれ場合によりハロゲン、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシ、フェニル-C1~C3アルキルオキシ、フェノキシ、C1~C12アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、-N(C1~C12アルキル)2、ジフェニルアミノ、-(CO)O(C1~C8アルキル)、-(CO)-C1~C8アルキル、又は(CO)N(C1~C8アルキル)2で置換されていてもよい、C6~C14アリール、特にフェニル、ナフチル、フェナントリル、アントラニル、又はピレニルであり;R203及びR204は、互いに独立して、水素、C1~C24アルキル、Eで置換された及び/又はDで中断されたC1~C24アルキル;それぞれ、場合により基C1~C6アルキル、ハロゲン、-OH、又はC1~C4アルコキシ1個以上で置換されていてもよいC2~C5アルケニル、C3~C8シクロアルキル、又はベンゾイル;それぞれ、場合によりC1~C12アルキル、ベンゾイル又はC1~C12アルコキシで置換されている、フェニル-C1~C3アルキル、C1~C8アルカノイル、C3~C12アルケノイル、C6~C14アリール、特にフェニルナフチル、フェナントリル、アントラニル、又はピレニルであるか;あるいはR203とR204は一緒になって、場合により-O-、-S-、又は-NR205-で中断された及び/又はヒドロキシル、C1~C4アルコキシ、C2~C4アルカノイルオキシ又はベンゾイルオキシで置換されているC2~C8アルキレン又は分岐状C2~C8アルキレンであり、ここでR203及びR204により形成された環は、場合によりC1~C8-アルキル、C1~C8-アルコキシ、ハロゲン、又はシアノで1~3回置換されていることができるフェニルにより1又は2回縮合されていることができる;
205は、水素、C1~C24アルキル、Eで置換された及び/又はDで中断されたC1~C24アルキル;C2~C5アルケニル、C3~C8シクロアルキル、フェニル-C1~C3アルキル、C1~C8アルカノイル、C3~C12アルケノイル、C6~C14アリール、特にベンゾイル;それぞれ、場合によりC1~C12アルキル、ベンゾイル、又はC1~C12アルコキシで置換されている、フェニル、ナフチル、フェナントリル、アントラニル、又はピレニルであり;
Dは、-CO-、-COO-、-OCOO-、-S-、-SO-、-SO2-、-O-、-NR5-、-SiR6162-、-POR5-、-CR63=CR64-、又は-C≡C-であり;Eは、ハロゲン、-OR5、-SR5、-NR56
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000046
で置換されていてもよいC6~C14アリール、特にフェニル、ナフチル、フェナントリル、アントラニル、又はピレニル[式中、R62、R63及びR64は、互いに独立してC1~C8アルキル基、C6~C24アリール基又はC7~C12アラルキル基、-CN、環状エーテル及び/又は-B(OR652(式中、R65は、水素、C1~C24アルキル、C3~C8シクロアルキル、C7~C24アラルキル、C2~C18アルケニル、C2~C24アルキニル、ヒドロキシ、メルカプト、C1~C24アルコキシ、C1~C24アルキルチオ、C6~C30アリール、C2~C30ヘテロアリール、ハロゲン、特にフッ素、ハロアルカン、シリル、シロキサニル、及び隣接する置換基R65と一緒に形成された脂環式の環である)である];-OR5、-SR5、-NR56、-COR8、-COOR7、-CONR56、-CN、ハロゲン、シリル、C1~C18アルキル、又はヘテロアリールであり、
Gは、E、又はC1~C18アルキル(式中、R5及びR6は、互いに独立してH、C6~C18アリールである);C1~C18アルキル、C1~C18アルコキシ、又はシリルで置換されたC6~C18アリール;C1~C18アルキル、又は-O-で中断されたC1~C18アルキルであるか;あるいはR5とR6は一緒になって5又は6員環、特に
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000047
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000048
式(13c)又は式(13d)を形成し、R7は、H、C6~C18アリール、C7~C12アルキルアリール(場合によりC1~C18アルキル、もしくはC1~C18アルコキシで置換されている);C1~C18アルキル;又は-O-で中断されたC1~C18アルキルであり;
8は、C6~C18アリール;C1~C18アルキルもしくはC1~C18アルコキシで置換されたC6~C18アリール;C1~C18アルキル、C7~C12アルキルアリール、又は-O-で中断されたC1~C18アルキルであり;
61及びR62は、互いに独立して、C6~C18アリール;C1~C18アルキル、C1~C18アルコキシで置換されたC6~C18アリール;又は-O-で中断されたC1~C18アルキルであり、そして
63及びR64は、互いに独立して、H、C6~C18アリール;C1~C18アルキル、C1~C18アルコキシで置換されたC6~C18アリール;又は-O-で中断されたC1~C18アルキルであり;ただし、式12におけるR、R、R、R、R、R、R及びRの少なくとも1個は、H、-OR201、-SR202及びC1~C24アルキルとは異なる。
 また、含へテロ環化合物は、下記一般式(I)で表される化合物でもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000049
ここで、環aは、2つの隣接環と縮合する式(a1)又は(a2)で表される芳香環又は複素環を示し、環a'は、3つの隣接環と縮合する式(a1)で表される芳香環又は複素環を示し、Xは、CH又はNを示す。環bは、2つの隣接環と縮合する式(b1)で表される複素環を示す。
Ar1は、芳香族複素環基からなるm+n価の基を示す。
 Lは独立に、置換若しくは未置換の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を示し、少なくとも一つは縮環構造を有する。
 Rは独立に、水素、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ジアラルキルアミノ基、アミノ基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシル基、アルキルスルホニル基、ハロアルキル基、水酸基、アミド基、又は置換若しくは未置換の芳香族炭化水素基若しくは芳香族複素環基を示す。
mは1を示し、nは1又は2を示す。
一般式(I)で表される含ヘテロ環化合物には、一般式(II)~(IV)で表される化合物がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000050
ここで、環a、環b、L及びRは、一般式(I)の環a、環b、L及びRと同じ意味を有する。
Ar2は式(c1)で表される3価の基であり、Yは独立にCH又はNを示し、少なくとも一つはNである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000051
 一般式(III)及び(IV)において、L、R及びAr2は、一般式(II)のL、R及びAr2と同じ意味を有する。
 一般式(I)において、m=2の化合物としては、下記一般式(V)で表される化合物がある。また、一般式(V)で表される化合物には、一般式(VI)~(VII)で表される化合物がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000052
ここで、環a、環b、L及びRは、一般式(I)の環a、環b、L及びRと同じ意味を有する。
Ar3は芳香族複素環基からなる3価の基を示す。 
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000053
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000054
 一般式(VI)及び(VII)において、L、R及びAr3は、一般式(V)のL、R及びAr3と同じ意味を有する。
 環b'は独立に、2つの隣接環と縮合する式(b1)で表される複素環を示す。 
一般式(II)は、一般式(I)において、mが1、nが2の場合に該当する。 
一般式(I)、(II)において、環aは、2つの隣接環と縮合する式(a1)又は(a2)で表される芳香環又は複素環を示し、環a’は、3つの隣接環と縮合する式(a1)で表される芳香環又は複素環を示し、Xは、CH又はNを示す。環bは、2つの隣接環と縮合する式(b1)で表される複素環を示す。 
 Arは、芳香族複素環基からなるm+n価の基を示す。Arは、2~4価の基であることができる。
 Lは独立に、置換若しくは未置換の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を示し、少なくとも一つは縮環構造を有する。縮環構造としては、芳香族環が2~3縮合した芳香族炭化水素環又は芳香族複素環がある。芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基が置換基を有する場合、好ましい置換基としては、下記Rで説明するような基が挙げられる。
 Rは独立に、水素、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ジアラルキルアミノ基、アミノ基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシル基、アルキルスルホニル基、ハロアルキル基、水酸基、アミド基、置換若しくは未置換の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を示す。好ましいRは水素である。なお、Rがアルキル基、アルコキシル基、アルキルスルホニル基、ハロアルキル基、アルコキシカルボニル基である場合、炭素数は1~6であることが好ましく、アルケニル基、アルキニル基である場合、炭素数は2~6であることが好ましい。アシル基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ジアラルキルアミノ基である場合、炭素数は2~16であることが好ましい。
 さらに、含ヘテロ環化合物として、例えば、以下のようなジベンゾフラン誘導体、カルバゾール誘導体が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000055
[一般式(14)において、R~R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1~40のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数3~15のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数3~20の複素環基、置換基を有してもよい炭素数1~40のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数6~40の非縮合アリール基、置換基を有してもよい炭素数10~18の縮合アリール基、置換基を有してもよい炭素数6~20のアリールオキシ基、置換基を有してもよい炭素数7~20のアラルキル基、置換基を有してもよい炭素数6~40のアリールアミノ基、置換基を有してもよい炭素数1~40のアルキルアミノ基、置換基を有してもよい炭素数7~60のアラルキルアミノ基、置換基を有してもよい炭素数7~40のアリールカルボニル基、置換基を有してもよい炭素数1~40のハロゲン化アルキル基、シアノ基であり、RとRは互いに結合して環構造を形成してもよく、R~R10の各置換基は末端に重合性官能基を有することはない。R1~Rの少なくとも1つはカルバゾリル基またはアザカルバゾリル基である。Xは、硫黄原子または酸素原子である]。
 前記一般式(14)が下記一般式(15)で表されるものでもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000056
[一般式(15)において、R11~R24およびXの定義は、前記一般式(14)のR~R10およびXの定義と同様である。R11~R13の少なくとも1つはカルバゾリル基またはアザカルバゾリル基である。]。
 前記一般式(14)が下記一般式(16)で表されるものでもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000057
[一般式(16)において、R11~R24およびXの定義は、前記一般式(14)のR~R10およびXの定義と同様である。R11~R13の少なくとも1つはカルバゾリル基またはアザカルバゾリル基である。]
 前記一般式(14)が下記一般式(17)で表されるものでもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000058
[一般式(17)において、R11~R22およびXの定義は、前記一般式(14)のR~R10およびXの定義と同様である。R11~R13の少なくとも1つはカルバゾリル基またはアザカルバゾリル基である。]
 前記一般式(14)が下記一般式(18)で表されるものでもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000059
[一般式(18)において、R11~R28およびXの定義は、前記一般式(14)のR~R10およびXの定義と同様である。R11~R13の少なくとも1つはカルバゾリル基またはアザカルバゾリル基である。]
 前記一般式(15)、(16)における置換基R16~R24、または、前記一般式(17)における置換基R16~R17,R20~R22の少なくとも1つが、置換又は無置換のカルバゾリル基、置換又は無置換のジベンゾフラニル基、置換又は無置換のアザカルバゾリル基および置換又は無置換のジベンゾチオフェニル基から選ばれた置換基でもよい。
 前記一般式(18)における置換基R16~R28の少なくとも1つが、置換又は無置換のカルバゾリル基、置換又は無置換のジベンゾフラニル基、置換又は無置換のアザカルバゾリル基および置換又は無置換のジベンゾチオフェニル基から選ばれた置換基でもよい。
 このような化合物として以下に記載のものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000060
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000061
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000062
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000063
 また、含ヘテロ環化合物は、以下の一般式(21)または(22)で表されるラダー型含へテロ環化合物でもよい。本実施形態では、ラダー型含へテロ環化合物のうちラダー型フラン化合物が好ましい。ラダー型フラン化合物は、例えばカルバゾール、ジベンゾフラン誘導体と同様に、比較的大きな3重項エネルギーを得ることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000065
[式(21)および(22)において、Ar、ArおよびArは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数3~24のヘテロアリール基を表す。但し、Ar、ArおよびArは置換基Yを一個または複数個有していてもよく、複数個の場合はそれぞれ異なっていてもよく、Yは炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数7~24のアラルキル基、炭素数3~20のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、または環形成原子数3~24でAr、Ar、Arと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表す。
 式(21)および(22)において、X、X、XおよびXは、それぞれ独立に、O、SまたはN-RまたはCRを表す。
 式(21)および(22)において、R、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数7~24のアラルキル基、炭素数3~20のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数3~24のヘテロアリール基を表す。但し、XとXが共にN-Rでo、pが0、qが1の場合、または、XとXが共にN-Rでp、qが0、oが1の場合は、Rの少なくとも1つは置換もしくは無置換の環形成原子数8~24である1価の縮合ヘテロアリール基を表す。
 式(21)および(22)において、o、pおよびqは0または1、sは1、2または3を表す。nは2、3または4を表し、それぞれLを連結基とした2量体、3量体、4量体である。
 式(21)および(22)において、Lは単結合、炭素数1~20のアルキル基あるいはアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基あるいはシクロアルキレン基、炭素数2~20の1価あるいは2価のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の1価あるいは2価のアリール基、または環形成原子数3~24でArと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の1価あるいは2価のヘテロアリール基を表す。
 式(21)において、Lは単結合、炭素数1~20のアルキル基あるいはアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基あるいはシクロアルキレン基、炭素数2~20の1価あるいは2価のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の1価あるいは2価のアリール基、または環形成原子数3~24でArと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の1価あるいは2価のヘテロアリール基を表す。但し、XとXが共にCRでo、pが0、qが1であり、かつL、Lが共に置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の1価あるいは2価のアリール基である場合、または、XとXが共にCRでp、qが0、oが1であり、かつL、Lが共に置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の1価あるいは2価のアリール基である場合、L、Lは同時にArに対してパラ位置に連結する場合は無い。
 式(22)において、Lは、nが2の場合、単結合、炭素数1~20のアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキレン基、炭素数2~20の2価のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の2価のアリール基、または環形成原子数3~24でArと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の2価のヘテロアリール基を表し、nが3の場合、炭素数1~20の3価のアルカン、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20の3価のシクロアルカン、炭素数1~20の3価のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の3価のアリール基、または環形成原子数3~24でArと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の3価のヘテロアリール基を表し、nが4の場合、炭素数1~20の4価のアルカン、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20の4価のシクロアルカン、ケイ素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の4価のアリール基、または環形成原子数3~24でArと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の4価のヘテロアリール基を表す。但し、XとXが共にCRでo、pが0、qが1であり、かつL、Lが共に置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の1価、2価、3価あるいは4価のアリール基である場合、または、XとXが共にCRでp、qが0、oが1であり、かつL、Lが共に置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の1価、2価、3価あるいは4価のアリール基である場合、L、Lは同時にArに対してパラ位置に連結する場合は無い。
 式(21)および(22)において、Aは、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数3~20のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、または環形成原子数3~24でLと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表す。
 式(21)において、Aは、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数3~20のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、または環形成原子数3~24でLと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表す。但し、XとXがO、S、もしくはCRでo、pが0、qが1であり、かつL、Lが共に単結合である場合、または、XとXがO、S、もしくはCRでp、qが0、oが1であり、かつL、Lが共に単結合である場合、AとAは同時に水素原子である場合はない。
 式(21)および(22)において、A、A、L、LおよびLは、カルボニル基を含まない。]
 また、ラダー型含へテロ環化合物は、下記一般式(23)~(26)のいずれかで表されるものでもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000066
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000067
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000068
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000069
[式(23)~(26)において、X、X、XおよびXは、それぞれ独立に、O、S、またはN-Rを表す。
 式(23)~(26)において、Rは炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数7~24のアラルキル基、炭素数3~20のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数3~24のヘテロアリール基を表す。但し、XとX、またはXとXが共にN-Rの場合は、Rの少なくとも1つは置換もしくは無置換の環形成原子数8~24である1価の縮合ヘテロアリール基を表す。
 式(25)および(26)において、nは2、3または4を表し、それぞれLを連結基とした2量体、3量体、4量体である。
 式(23)~(26)において、Lは単結合、炭素数1~20のアルキル基あるいはアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基あるいはシクロアルキレン基、炭素数2~20の1価あるいは2価のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の1価あるいは2価のアリール基、または環形成原子数3~24のベンゼン環aと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の1価あるいは2価のヘテロアリール基を表す。
式(23)および(24)において、Lは単結合、炭素数1~20のアルキル基あるいはアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基あるいはシクロアルキレン基、炭素数2~20の1価あるいは2価のシリル基、置換もしくは無置換である環形成炭素数6~24の1価あるいは2価のアリール基、または環形成原子数3~24のベンゼン環cと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の1価あるいは2価のヘテロアリール基を表す。
 式(25)および(26)において、Lは、nが2の場合、単結合、炭素数1~20のアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキレン基、炭素数2~20の2価のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の2価のアリール基、または環形成原子数3~24でベンゼン環cと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の2価のヘテロアリール基を表し、nが3の場合、炭素数1~20の3価のアルカン、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20の3価のシクロアルカン、炭素数1~20の3価のシリル基、置換もしくは無置換で環形成炭素数6~24の3価のアリール基、または原子数3~24でベンゼン環cと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の3価のヘテロアリール基を表し、nが4の場合、炭素数1~20の4価のアルカン、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20の4価のシクロアルカン、ケイ素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の4価のアリール基、または環形成原子数3~24でベンゼン環cと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の4価のヘテロアリール基を表す。
 式(23)~(26)において、Aは、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数3~20のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、または環形成原子数3~24でLと炭素-炭素結合で連結するヘテロアリール基を表す。
 式(23)、式(24)において、Aは、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数3~20のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、または環形成原子数3~24でLと炭素-炭素結合で連結するヘテロアリール基を表す。但し、XとX、またはXとXが、OもしくはSであり、かつL、Lが共に単結合である場合、AとAは同時に水素原子である場合はない。
 式(23)~(26)において、Y、YおよびYは、炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数7~24のアラルキル基、炭素数3~20のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数3~24でベンゼン環a、b、cと炭素-炭素結合で連結するヘテロアリール基を表す。Y、Yの数は0、1、2または3、Yの数は0、1または2である。
 式(23)~(26)において、A、A、L、LおよびLは、カルボニル基を含まない。]
 また、ラダー型含へテロ環化合物は、下記一般式(27)~(32)のいずれかで表されるものでもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000070
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000071
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000072
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000073
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000074
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000075
[式(27)~(32)において、X、X10、X11、X12、X13およびX14は、それぞれ独立に、O、SまたはN-Rを表す。
 式(27)~(32)において、Rは炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数7~24のアラルキル基、炭素数3~20のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数3~24のヘテロアリール基を表す。但し、XとX10、X11とX12、またはX13とX14が共にN-Rの場合は、Rの少なくとも1つは置換もしくは無置換の環形成原子数8~24である1価の縮合ヘテロアリール基を表す。
 式(30)~(32)において、nは2、3または4を表し、それぞれLを連結基とした2量体、3量体、4量体である。
 式(27)~(32)において、Lは単結合、炭素数1~20のアルキル基あるいはアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基あるいはシクロアルキレン基、炭素数2~20の1価あるいは2価のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の1価あるいは2価のアリール基、または環形成原子数3~24のベンゼン環aと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の1価あるいは2価のヘテロアリール基を表す。
 式(27)~(29)において、Lは単結合、炭素数1~20のアルキル基あるいはアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基あるいはシクロアルキレン基、炭素数2~20の1価あるいは2価のシリル基、置換もしくは無置換である環形成炭素数6~24の1価あるいは2価のアリール基、または環形成原子数3~24のベンゼン環cと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の1価あるいは2価のヘテロアリール基を表す。
 式(30)~(32)において、Lは、nが2の場合、単結合、炭素数1~20のアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキレン基、炭素数2~20の2価のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の2価のアリール基、または環形成原子数3~24でベンゼン環cと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の2価のヘテロアリール基を表し、nが3の場合、炭素数1~20の3価のアルカン、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20の3価のシクロアルカン、炭素数1~20の3価のシリル基、置換もしくは無置換で環形成炭素数6~24の3価のアリール基、または原子数3~24でベンゼン環cと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の3価のヘテロアリール基を表し、nが4の場合、炭素数1~20の4価のアルカン、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20の4価のシクロアルカン、ケイ素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の4価のアリール基、または環形成原子数3~24でベンゼン環cと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の4価のヘテロアリール基を表す。
 式(27)~(32)において、Aは、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数3~20のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、または環形成原子数3~24でLと炭素-炭素結合で連結するヘテロアリール基を表す。
 式(27)~(29)において、Aは、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数3~20のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、または環形成原子数3~24でLと炭素-炭素結合で連結するヘテロアリール基を表す。但し、XとX10、X11とX12、またはX13とX14が、OもしくはSであり、かつL、Lが共に単結合である場合、AとAは同時に水素原子である場合はない。
 式(27)~(32)において、Y、YおよびYは、炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数7~24のアラルキル基、炭素数3~20のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数3~24でベンゼン環a、b、cと炭素-炭素結合で連結するヘテロアリール基を表す。Y、Yの数は0、1、2または3、Yの数は0、1または2である。
 式(27)~(32)において、A、A、L、LおよびLは、カルボニル基を含まない。]
 さらに、ラダー型含へテロ環化合物は、下記一般式(33)または(34)で表されるものでもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000076
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000077
[式(33)および(34)において、X15、X16は、それぞれ独立に、O、SまたはN-Rを表す。
 式(33)および(34)において、Rは炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数7~24のアラルキル基、炭素数3~20のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数3~24のヘテロアリール基を表す。但し、X15とX16が共にN-Rの場合は、Rの少なくとも1つは置換もしくは無置換の環形成原子数8~24である1価の縮合ヘテロアリール基を表す。
 式(34)において、nは2、3または4を表し、それぞれLを連結基とした2量体、3量体、4量体である。
 式(33)および(34)において、Lは単結合、炭素数1~20のアルキル基あるいはアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基あるいはシクロアルキレン基、炭素数2~20の1価あるいは2価のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の1価あるいは2価のアリール基、または環形成原子数3~24のベンゼン環aと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の1価あるいは2価のヘテロアリール基を表す。
 式(33)において、Lは単結合、炭素数1~20のアルキル基あるいはアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基あるいはシクロアルキレン基、炭素数2~20の1価あるいは2価のシリル基、置換もしくは無置換である環形成炭素数6~24の1価あるいは2価のアリール基、または環形成原子数3~24のベンゼン環cと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の1価あるいは2価のヘテロアリール基を表す。
 式(34)において、Lは、nが2の場合、単結合、炭素数1~20のアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキレン基、炭素数2~20の2価のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の2価のアリール基、または環形成原子数3~24でベンゼン環cと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の2価のヘテロアリール基を表し、nが3の場合、炭素数1~20の3価のアルカン、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20の3価のシクロアルカン、炭素数1~20の3価のシリル基、置換もしくは無置換で環形成炭素数6~24の3価のアリール基、または原子数3~24でベンゼン環cと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の3価のヘテロアリール基を表し、nが4の場合、炭素数1~20の4価のアルカン、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20の4価のシクロアルカン、ケイ素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24の4価のアリール基、または環形成原子数3~24でベンゼン環cと炭素-炭素結合で連結する置換もしくは無置換の4価のヘテロアリール基を表す。
 式(33)および(34)において、Aは、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数3~20のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、または環形成原子数3~24でLと炭素-炭素結合で連結するヘテロアリール基を表す。
 式(33)において、Aは、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数3~20のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、または環形成原子数3~24でLと炭素-炭素結合で連結するヘテロアリール基を表す。但し、X15とX16が、OもしくはSであり、かつL、Lが共に単結合である場合、AとAは同時に水素原子である場合はない。
 式(33)および(34)において、Y、YおよびYは、炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数7~24のアラルキル基、炭素数3~20のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数3~24でベンゼン環a、b、cと炭素-炭素結合で連結するヘテロアリール基を表す。Y、Yの数は0、1、2または3、Yの数は0、1または2である。
 式(33)および(34)において、A、A、L、LおよびLは、カルボニル基を含まない。]
 ここで、一般式(22)において、nが2であるものが好ましい。一般式(25)または(26)において、nが2であるものが好ましい。一般式(30)、(31)または(32)において、nが2であるものが好ましい。一般式(34)において、nが2であるものが好ましい。一般式(23)または(24)において、Y、YおよびYで表される置換基の合計数が3以下、一般式(25)または(26)における[]内構造1つに対するY、YおよびYで表される置換基の合計数が3以下であるものが好ましい。一般式(27)、(28)または(29)において、Y、YおよびYで表される置換基の合計数が3以下、一般式(30)、(31)または(32)における[]内構造1つに対するY、YおよびYで表される置換基の合計数が3以下であるものが好ましい。
 また、一般式(33)において、Y、YおよびYで表される置換基の合計数が3以下、一般式(34)における[]内構造1つに対するY、YおよびYで表される置換基の合計数が3以下であるものが好ましい。一般式(21)または(22)において、XとXまたはXとXが、それぞれN-Rで表され、XのN-RとXのN-R、またはXのN-RとXのN-Rが異なっているものが好ましい。一般式(23)~(26)において、XとXまたはXとXが、それぞれN-Rで表され、XのN-RとXのN-R、またはXのN-RとXのN-Rが異なっているものが好ましい。一般式(27)~(32)において、XとX10、X11とX12またはX13とX14が、それぞれN-Rで表され、XのN-RとX10のN-R、X11のN-RとX12のN-R、またはX13のN-RとX14のN-Rが異なっているものが好ましい。一般式(33)または(34)において、X15とX16が、それぞれN-Rで表され、X15のN-RとX16のN-Rが異なっているものが好ましい。一般式(21)または(22)において、XとXまたはXとXが共に酸素原子であるものが好ましい。一般式(23)~(26)において、XとXまたはXとXが共に酸素原子であるものが好ましい。
 さらに、一般式(27)~(32)において、XとX10、X11とX12またはX13とX14が、共に酸素原子であるものが好ましい。一般式(33)または(34)において、X15とX16が共に酸素原子であるものが好ましい。
 上記一般式(21)~式(34)のラダー型含ヘテロ環化合物としては、以下のようなものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000078
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000079
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000080
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000081
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000082
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000083
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000084
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000085
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000086
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000087
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000088
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000089
 そして、含へテロ環化合物としては、以下のアゾール化合物でもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000090

 
(一般式(A)中、RA1、RA2およびRA3は、それぞれ水素原子または脂肪族炭化水素基を表す。RA4、RA5およびRA6は、それぞれ置換基を表す。nA1、nA2およびnA3は、それぞれ0~3の整数を表す。XA1、XA2およびXA3は、それぞれ窒素原子またはC-RX(RXは水素原子または置換基を表す。)を表す。YA1、YA2およびYA3は、それぞれ窒素原子またはC-RYX(RYXは水素原子または置換基を表す。)を表す。)
 また、縮合多環芳香族誘導体又は含へテロ環化合物としては、以下のようなフェナントロリン誘導体でもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000091
 ここで、上記式において、X1~X10はNまたはC-Rであり、Rは置換基を表し、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000092
 上記式において、X1,X2,X3,X4は独立でNまたはC-A1を示し、A1は置換基を表し、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基をあらわす。
nは2以上の自然数、Zは連結基を表す。Rは水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す。
 また、含へテロ環化合物としては、以下のような金属錯体でもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000093
(上記式において、n=2のとき、Mは2価の金属イオン(マグネシウム、亜鉛、銅、パラジウム、プラチナ、金)、n=3のとき、Mは3価の金属イオン(アルミ、イットリウム、スカンジウム、希土類)、R~Rは各々独立に、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す。)
 mは、0または1であり、mが1の時Lは、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000094
であり、Ar~Arは、それぞれ独立に、置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示し、Zはシリコンまたはゲルマニウムを示し、R~Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す。
 また、含へテロ環化合物としては、以下のような金属錯体でもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000095

 
(式中、n=2のとき、Mは2価の金属イオン(マグネシウム、亜鉛、銅、パラジウム、プラチナ、金)、n=3のとき、Mは3価の金属イオン(アルミ、イットリウム、スカンジウム、希土類)。XはOまたはS、N-Y (YはH原子、メチル、エチル、アリール基)、R1~R8は各々独立に、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す。)
 mは、0または1であり、mが1の時Lは、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000096
であり、Ar~Arは、それぞれ独立に、置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示し、Zはシリコンまたはゲルマニウムを示し、R~Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す。)
 第1発光層及び前記第2発光層の縮合多環芳香族誘導体は、ナフタレン誘導体であり、第3発光層の含ヘテロ環化合物は、ラダー型含へテロ環化合物からなる組み合わせであることが好ましい。
 前記ナフタレン誘導体は、フェナントレン環、フルオレン環、フルオランテン環、ベンゾ[b]フルオランテン環、ベンゾクリセン環、ベンゾフェナントレン環から選択される骨格を1つ以上含むことが好ましい。
 また前記ラダー型含ヘテロ環化合物はラダー型フラン化合物であることが好ましい。
 また、第1発光層及び第2発光層の縮合多環芳香族誘導体は、式(1)または式(2)で表される化合物であって、第3発光層の含ヘテロ環化合物は、式(23)~(32)で表される式から選択される化合物である組み合わせであることが好ましい。
(燐光発光ドーパント)
 本実施形態において用いられる燐光発光ドーパントは、燐光発光を示すものであり、金属錯体を含有するものが好ましい。該金属錯体としては、第6周期のIr,Pt,Os,Au,及びReから選択される金属原子と配位子とを有するものが好ましい。特に、前記配位子は、オルトメタル結合を有することが好ましい。
 燐光量子収率が高く、発光素子の外部量子効率をより向上させることができるという点で、イリジウム(Ir),オスミウム(Os)および白金(Pt)から選ばれる金属を含有する化合物であると好ましく、イリジウム錯体、オスミウム錯体、白金錯体等の金属錯体であるとさらに好ましく、中でもイリジウム錯体及び白金錯体がより好ましく、オルトメタル化イリジウム錯体が最も好ましい。
 金属錯体の具体例を、以下に示すが、この中で緑~赤に発光する金属錯体が特に好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000097
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000098
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000099
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000100

 
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000101
 本実施形態の有機EL素子は、陰極と有機薄膜層との界面領域に還元性ドーパントを有することも好ましい。
 このような構成によれば、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。
 還元性ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ金属錯体、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属錯体、アルカリ土類金属化合物、希土類金属、希土類金属錯体、及び希土類金属化合物等から選ばれた少なくとも一種類が挙げられる。
 アルカリ金属としては、Na(仕事関数:2.36eV)、K(仕事関数:2.28eV)、Rb(仕事関数:2.16eV)、Cs(仕事関数:1.95eV)等が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。これらのうち好ましくはK、Rb、Cs、さらに好ましくはRb又はCsであり、最も好ましくはCsである。
 アルカリ土類金属としては、Ca(仕事関数:2.9eV)、Sr(仕事関数:2.0~2.5eV)、Ba(仕事関数:2.52eV)等が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。
 希土類金属としては、Sc、Y、Ce、Tb、Yb等が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。
 以上の金属のうち好ましい金属は、特に還元能力が高く、電子注入域への比較的少量の添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が可能である。
 アルカリ金属化合物としては、LiO、CsO、KO等のアルカリ酸化物、LiF、NaF、CsF、KF等のアルカリハロゲン化物等が挙げられ、LiF、LiO、NaFが好ましい。
 アルカリ土類金属化合物としては、BaO、SrO、CaO及びこれらを混合したBaSr1-xO(0<x<1)、BaCa1-xO(0<x<1)等が挙げられ、BaO、SrO、CaOが好ましい。
 希土類金属化合物としては、YbF、ScF、ScO、Y、Ce、GdF、TbF等が挙げられ、YbF、ScF、TbFが好ましい。
 アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体としては、それぞれ金属イオンとしてアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、希土類金属イオンの少なくとも一つ含有するものであれば特に限定はない。また、配位子にはキノリノール、ベンゾキノリノール、アクリジノール、フェナントリジノール、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジアリールオキサジアゾール、ヒドロキシジアリールチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシフルボラン、ビピリジル、フェナントロリン、フタロシアニン、ポルフィリン、シクロペンタジエン、β-ジケトン類、アゾメチン類、及びそれらの誘導体などが好ましいが、これらに限定されるものではない。
 還元性ドーパントの添加形態としては、界面領域に層状又は島状に形成すると好ましい。形成方法としては、抵抗加熱蒸着法により還元性ドーパントを蒸着しながら、界面領域を形成する発光材料や電子注入材料である有機物を同時に蒸着させ、有機物中に還元ドーパントを分散する方法が好ましい。分散濃度はモル比で有機物:還元性ドーパント=100:1~1:100、好ましくは5:1~1:5である。
 還元性ドーパントを層状に形成する場合は、界面の有機層である発光材料や電子注入材料を層状に形成した後に、還元ドーパントを単独で抵抗加熱蒸着法により蒸着し、好ましくは層の厚み0.1~15nmで形成する。
 還元性ドーパントを島状に形成する場合は、界面の有機層である発光材料や電子注入材料を島状に形成した後に、還元ドーパントを単独で抵抗加熱蒸着法により蒸着し、好ましくは島の厚み0.05~1nmで形成する。
 また、本実施形態の有機EL素子における、主成分と還元性ドーパントの割合としては、モル比で主成分:還元性ドーパント=5:1~1:5であると好ましく、2:1~1:2であるとさらに好ましい。
 本実施形態の有機EL素子は、発光層と陰極との間に電子輸送層又は電子注入層を有し、該電子輸送層又は電子注入層は、上記有機EL素子用材料を含むことが好ましく、主成分として含むことがより好ましい。ここで、電子注入層は電子輸送層として機能する層であってもよい。
 なお、「主成分として」とは、電子注入層が50質量%以上の有機EL素子用材料を含有していることを意味する。
 電子注入層又は電子輸送層は、発光層への電子の注入を助ける層であって、電子移動度が大きい。電子注入層はエネルギーレベルの急な変化を緩和する等、エネルギーレベルを調整するために設ける。
 電子輸送層又は電子注入層に用いる電子輸送性材料としては、分子内にヘテロ原子を1個以上含有する芳香族ヘテロ環化合物が好ましく用いられ、特に含窒素環誘導体が好ましい。また、含窒素環誘導体としては、含窒素6員環もしくは5員環骨格を有する芳香族環、又は含窒素6員環もしくは5員環骨格を有する縮合芳香族環化合物が好ましい。
 また、含窒素環誘導体としては、以下のような金属錯体でもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000102
(上記式において、n=2のとき、Mは2価の金属イオン(マグネシウム、亜鉛、銅、パラジウム、プラチナ、金)、n=3のとき、Mは3価の金属イオン(アルミ、イットリウム、スカンジウム、希土類)、R~Rは各々独立に、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す。)
 mは、0または1であり、mが1の時Lは、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000103
であり、Ar~Arは、それぞれ独立に、置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示し、Zはシリコンまたはゲルマニウムを示し、R~Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す。
 さらに、この含窒素環誘導体としては、例えば、下記式(A1)で表される含窒素環金属キレート錯体が好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000104
 R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、オキシ基、アミノ基、炭素数1~40の炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、又は、複素環基であり、これらは置換されていてもよい。
 ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。また、置換されていてもよいアミノ基の例としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基が挙げられる。
 炭素数1~40の炭化水素基としては、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。
 式(A1)のMとしては、前記した含窒素環誘導体としての金属錯体におけるMと同様のものが挙げられる。また、式(A1)のO-Lとしては、前記した含窒素環誘導体としての金属錯体における式(41)~式(44)のLと同様のものが挙げられる。
 本実施形態では、電子注入層や電子輸送層は、含窒素複素環誘導体を含むことが好ましい。
 電子注入層又は電子輸送層は、発光層への電子の注入を助ける層であって、電子移動度が大きい。電子注入層はエネルギーレベルの急な変化を緩和する等、エネルギーレベルを調整するために設ける。電子注入層又は電子輸送層に用いられる材料としては、8-ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体、オキサジアゾール誘導体、含窒素複素環誘導体が好適である。上記8-ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8-キノリノール又は8-ヒドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物、例えばトリス(8-キノリノール)アルミニウムを用いることができる。そして、オキサジアゾール誘導体としては、下記のものを挙げることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000105
 前記式中、Ar17、Ar18、Ar19、Ar21、Ar22及びAr25は、それぞれ置換基を有する若しくは有しないアリール基を示し、Ar17とAr18、Ar19とAr21、Ar22とAr25は、たがいに同一でも異なっていてもよい。Ar20、Ar23及びAr24は、それぞれ置換基を有する若しくは有しないアリーレン基を示し、Ar23とAr24は、たがいに同一でも異なっていてもよい。
 また、アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントラニレン基、ペリレニレン基、ピレニレン基などが挙げられる。そして、これらへの置換基としては炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基又はシアノ基等が挙げられる。この電子伝達化合物は、薄膜形成性の良好なものが好ましく用いられる。
 含窒素複素環誘導体としては、以下の構造を有する有機化合物からなる含窒素複素環誘導体であって、金属錯体でない含窒素化合物が挙げられる。例えば、(A)に示す骨格を含有する5員環もしくは6員環や、(B)に示す構造のものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000106
 前記(B)中、Xは炭素原子もしくは窒素原子を表す。ZならびにZは、それぞれ独立に含窒素ヘテロ環を形成可能な原子群を表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000107
 好ましくは、5員環もしくは6員環からなる含窒素芳香多環族を有する有機化合物。さらには、このような複数窒素原子を有する含窒素芳香多環族の場合は、上記式(A)と(B)もしくは式(A)と式(C)を組み合わせた骨格を有する含窒素芳香多環有機化合物。
 含窒素有機化合物の含窒素基は、例えば、以下で表される含窒素複素環基から選択される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000108
 前記各式中、Rは、炭素数6~40のアリール基、炭素数3~40のヘテロアリール基、炭素数1~20のアルキル基又は炭素数1~20のアルコキシ基であり、nは0~5の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のRは互いに同一又は異なっていてもよい。
 さらに、好ましい具体的な化合物として、下記式で表される含窒素複素環誘導体が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000109
 前記式中、HArは、置換基を有していても良い炭素数3~40の含窒素複素環であり、Lは単結合、置換基を有していてもよい炭素数6~40のアリーレン基又は置換基を有していてもよい炭素数3~40のヘテロアリーレン基であり、Arは置換基を有していても良い炭素数6~40の2価の芳香族炭化水素基であり、Arは置換基を有していても良い炭素数6~40のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数3~40のヘテロアリール基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000110
 前記式中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族基、置換もしくは未置換の脂肪族式環基、置換もしくは未置換の炭素環式芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環基を表し、X、Xは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子もしくはジシアノメチレン基を表す。
 また、下記の化合物(特開2000-173774号公報参照)も好適に用いられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000111
 前記式中、R、R、R及びRは互いに同一の又は異なる基であって、下記式で表わされるアリール基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000112
 前記式中、R、R、R、R及びR9は互いに同一の又は異なる基であって、水素原子、或いはそれらの少なくとも1つが飽和又は不飽和アルコキシル基、アルキル基、アミノ基又はアルキルアミノ基である。
 さらに、該含窒素複素環基もしくは含窒素複素環誘導体を含む高分子化合物であってもよい。
 また、電子輸送層は、下記式(201)~(203)で表される含窒素複素環誘導体の少なくともいずれか1つを含有することが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000113
 前記式(201)~(203)中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数6~60のアリール基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいキノリル基、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルコキシ基で、nは0~4の整数であり、Rは、置換基を有していてもよい炭素数6~60のアリール基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいキノリル基、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基又は炭素数1~20のアルコキシ基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数6~60のアリール基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいキノリル基、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルコキシ基であり、Lは、置換基を有していてもよい炭素数6~60のアリーレン基、置換基を有していてもよいピリジニレン基、置換基を有していてもよいキノリニレン基又は置換基を有していてもよいフルオレニレン基であり、Arは、置換基を有していてもよい炭素数6~60のアリーレン基、置換基を有していてもよいピリジニレン基又は置換基を有していてもよいキノリニレン基であり、Arは、置換基を有していてもよい炭素数6~60のアリール基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいキノリル基、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルコキシ基である。
 Arは、置換基を有していてもよい炭素数6~60のアリール基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいキノリル基、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルコキシ基、又は-Ar-Arで表される基(Ar及びArは、それぞれ前記と同じ)である。
 なお、前記式(201)~(203)において、Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数6~60のアリール基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいキノリル基、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルコキシ基である。
 なお、電子注入層又は電子輸送層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、1~100nmである。
 また、電子注入層の構成成分として、含窒素環誘導体の他に無機化合物として、絶縁体又は半導体を使用することが好ましい。電子注入層が絶縁体や半導体で構成されていれば、電流のリークを有効に防止して、電子注入性を向上させることができる。
 このような絶縁体としては、アルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも一つの金属化合物を使用するのが好ましい。電子注入層がこれらのアルカリ金属カルコゲニド等で構成されていれば、電子注入性をさらに向上させることができる点で好ましい。具体的に、好ましいアルカリ金属カルコゲニドとしては、例えば、LiO、KO、NaS、NaSe及びNaOが挙げられ、好ましいアルカリ土類金属カルコゲニドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS及びCaSeが挙げられる。また、好ましいアルカリ金属のハロゲン化物としては、例えば、LiF、NaF、KF、LiCl、KCl及びNaCl等が挙げられる。また、好ましいアルカリ土類金属のハロゲン化物としては、例えば、CaF、BaF、SrF、MgF及びBeF2等のフッ化物や、フッ化物以外のハロゲン化物が挙げられる。
 また、半導体としては、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg、Si、Ta、Sb及びZnの少なくとも一つの元素を含む酸化物、窒化物又は酸化窒化物等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。また、電子注入層を構成する無機化合物が、微結晶又は非晶質の絶縁性薄膜であることが好ましい。電子注入層がこれらの絶縁性薄膜で構成されていれば、より均質な薄膜が形成されるために、ダークスポット等の画素欠陥を減少させることができる。なお、このような無機化合物としては、アルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられる。
 このような絶縁体又は半導体を使用する場合、その層の好ましい厚みは、0.1nm~15nm程度である。また、本実施形態における電子注入層は、前述の還元性ドーパントを含有していても好ましい。
 正孔注入層又は正孔輸送層(正孔注入輸送層も含む)には芳香族アミン化合物、例えば、下記(IA)で表わされる芳香族アミン誘導体が好適に用いられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000114
 前記(IA)において、Ar~Arは置換もしくは無置換の核炭素数6~50のアリール基又は置換もしくは無置換の核原子数5~50のヘテロアリール基を表す。
 また、下記(IIA)の芳香族アミンも正孔注入層又は正孔輸送層の形成に好適に用いられる。なお、下記(IIA)においてAr~Arは、前記(IA)におけるAr~Arと同様のものを表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000115
 なお、本発明は、上記の説明に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変更は本発明に含まれる。
 例えば次のような変更も本発明の好適な変形例である。
 本発明では、前記発光層が電荷注入補助材を含有していることも好ましい。
 エネルギーギャップが広いホスト材料を用いて発光層を形成した場合、ホスト材料のイオン化ポテンシャル(Ip)と正孔注入・輸送層等のIpとの差が大きくなり、発光層への正孔の注入が困難となり、十分な輝度を得るための駆動電圧が上昇するおそれがある。
 このような場合、発光層に、正孔注入・輸送性の電荷注入補助剤を含有させることで、発光層への正孔注入を容易にし、駆動電圧を低下させることができる。
 電荷注入補助剤としては、例えば、一般的な正孔注入・輸送材料等が利用できる。
 具体例としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン系、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー等を挙げることができる。
 正孔注入性の材料としては上記のものを挙げることができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物が好ましい。
 また、米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有する、例えば、4,4’-ビス(N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ)ビフェニル(以下NPDと略記する)、また特開平4-308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4’,4”-トリス(N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ)トリフェニルアミン(以下MTDATAと略記する)等を挙げることができる。
 また、特許第3614405号公報、特許第3571977号公報又は米国特許第4,780,536号明細書に記載されているヘキサアザトリフェニレン誘導体等も正孔注入性の材料として好適に用いることができる。
 また、p型Si、p型SiC等の無機化合物も正孔注入材料として使用することができる。
 本実施形態の有機EL素子の各層の形成方法は特に限定されない。従来公知の真空蒸着法、スピンコーティング法等による形成方法を用いることができる。本実施形態の有機EL素子に用いる、前記有機薄膜層は、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)あるいは溶媒に解かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法による公知の方法で形成することができる。
 本実施形態の有機EL素子の各有機層の膜厚は特に制限されないが、一般に膜厚が薄すぎるとピンホール等の欠陥が生じやすく、逆に厚すぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常は数nmから1μmの範囲が好ましい。
 ここで、本実施形態の有機EL素子の動作について、図3に示す有機EL素子のバンドダイアグラムの一例を用いて説明する。
 図3に示した6つの長方形は、それぞれ正孔注入層61、正孔輸送層62、第1発光層51、第3発光層53、第2発光層52、及び電子輸送層71を示す。各長方形の上辺は、各層のアフィニティ準位を示し、下辺は、各層のイオン化ポテンシャル(概ねHOMOのエネルギーの大きさに等しい)を示す。ただし、第1発光層51、第2発光層52、及び第3発光層53については、層全体の準位ではなくそれぞれのホストの準位を示している。
 有機EL素子1に電圧を印加すると、陽極3から正孔注入層61及び正孔輸送層62を介して第1発光層51のホストに正孔が注入され、さらに、第1発光層51を介して第3発光層53、第2発光層52にも正孔が注入される。
 一方、陰極4から電子輸送層71を介して第2発光層52のホストに電子が注入され、さらに、第2発光層52を介して第3発光層53、第1発光層51にも電子が注入される。
 ここで、51A、52A、53Aはドーパントである。注入された電荷は各発光層内で再結合し、各ドーパントからの発光が得られる。3発光層53は、第1発光層51及び第2発光層52間に介在しているため、第1発光層51及び第2発光層52に溜まるキャリアの影響を受けにくい。
 したがって、第3発光層53に含まれる含ヘテロ環化合物の劣化を抑制することができる。
<変形例>
 本発明の有機EL素子の構成は、図4に示すような本実施形態の燐光発光層5に他の発光層を追加した構成でもよい。
 すなわち、赤色の第1発光層51、緑色の第3発光層53、赤色の第2発光層52、青色の第4発光層54を有し、有機薄膜層10として白色発光を呈する構成でもよい。赤色の第1発光層51、緑色の第3発光層53、及び赤色の第2発光層52は、連続して設けられていることが好ましいため、赤色の第2発光層52の陰極4側に青色の第4発光層54を配置することが好ましい。ここで、図示を省略するが、青色の第4発光層54は、赤色の第1発光層51の陽極3側に配置されていてもよい。
 このような有機EL素子1は、白色を呈するため、照明装置などに採用することができる。第4発光層は蛍光ドーパント又は燐光ドーパントを有する。好ましくは燐光ドーパントを有することが好ましい。
 さらに、本発明の有機EL素子の構成は、図5に示すような構成でもよい。
 すなわち、複数の発光ユニットが中間層を介在して構成されている。具体的には、陽極3、有機薄膜層としての第1の発光ユニット10、中間層8、第2有機薄膜層としての第2の発光ユニット10A、陰極4の順で構成されている。第1の発光ユニット10は正孔注入・輸送層6、本実施形態の燐光発光層5(第1発光層51、第3発光層53、第2発光層52)、電子注入・輸送層7の順で構成される。
 第2の発光ユニット10Aは、正孔注入・輸送層6、第5発光層55、電子注入・輸送層7の順で構成される。
 中間層8は、電荷発生層、透明導電層等から構成される。例えば、陽極側からアルカリ金属やアルカリ金属酸化物などのアルカリ金属化合物とHAT等の電子受容性材料を積層したものや、酸化物半導体、もしくは陽極側からアルカリ金属やアルカリ金属酸化物などのアルカリ金属化合物と酸化物半導体を積層したものにより構成される。
 なお、第2の発光ユニット10Aは、第1の発光ユニット10と同様の構成を有していても良い。
 このような構成の有機EL素子は、いわゆるタンデム型素子であるため、例えば、駆動電圧の低減を図ることができ、素子の長寿命化を図ることができる。
また、このような構成の有機EL素子は、白色を呈することもできる。
 以下、実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されない。
(実施例1)
 25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして、正孔注入層として、膜厚10nmの化合物HT1を1Å/sにて成膜した。
 この膜上に正孔輸送層として、膜厚10nmの化合物HT2を1Å/sにて成膜した。
 さらに、この化合物HT2膜上に膜厚3nmで化合物L1と化合物D1を2.85:0.15の膜厚比で成膜し第1発光層とした。製膜レートはそれぞれ1Å/s、0.052Å/sとした。
 この膜上に膜厚35nmで化合物L2と化合物D2を31.5:3.5の膜厚比で成膜し第3発光層とした。製膜レートはそれぞれ1Å/s、0.11Å/sとした。
 さらに、この膜上に膜厚10nmで化合物L1と化合物D1を9.5:0.5の膜厚比で成膜し第2発光層とした。製膜レートはそれぞれ1Å/s、0.11Å/sとした。
 この膜上に電子輸送層として膜厚30nmで化合物ET1を製膜レート1Å/sで成膜した。
 この後、LiFを膜厚0.5nm、製膜レート0.1Å/sで成膜した。このLiF膜上に金属Alを製膜レート1Å/sにて100nm蒸着させ金属陰極を形成し有機EL発光素子を形成した。
 実施例及び比較例で使用した化合物は以下の通りである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000116
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000117

 
化合物(L3)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000118

 
化合物(L4)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000119

 
化合物(L5)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000120

 
化合物(L6)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000121

化合物(D3)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000122
(実施例2)
 第2発光層として、化合物L1にかえ、化合物L3を用いた以外は実施例1と同様にして素子を作成した。
(実施例3)
 25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして、正孔注入層として、膜厚10nmの化合物HT1を1Å/sにて成膜した。
 この膜上に正孔輸送層として、膜厚10nmの化合物HT2を1Å/sにて成膜した。
 さらに、この化合物HT2膜上に膜厚3nmで化合物L1と化合物D1を2.85:0.15の膜厚比で成膜し第1発光層とした。製膜レートはそれぞれ1Å/s、0.052Å/sとした。
 この膜上に膜厚35nmで化合物L2と化合物D2を31.5:3.5の膜厚比で成膜し第3発光層とした。製膜レートはそれぞれ1Å/s、0.11Å/sとした。
 さらに、この膜上に膜厚10nmで化合物L1と化合物D1を9.5:0.5の膜厚比で成膜し第2発光層とした。製膜レートはそれぞれ1Å/s、0.11Å/sとした。
 この膜上に電子輸送層として膜厚30nmで化合物ET1を製膜レート1Å/sで成膜した。
 この後、アルカリ金属酸化物であるLiOを膜厚0.1nmで製膜レート0.1Å/sで成膜した。この膜上に、電子供与性材料であるHAT(ヘキサシアノアザトリフェニレン)を膜厚20nmで製膜レート1Å/sで成膜した。
 この後、正孔注入層として、膜厚20nmの化合物HT1を1Å/sにて成膜した。この膜上に、正孔輸送層として、膜厚20nmの化合物HT2を1Å/sにて成膜した。
 さらに、この化合物HT2膜上に、膜厚40nmで化合物L6と化合物D3を38:2の膜厚比で成膜し第5発光層とした。製膜レートはそれぞれ1Å/s、0.052Å/sとした。
 この膜上に電子輸送層として膜厚20nmで化合物ET1を製膜レート1Å/sで成膜した。
 この後、LiOを膜厚0.1nm、製膜レート0.1Å/sで成膜した。このLiO膜上に金属Alを製膜レート1Å/sにて100nm蒸着させ金属陰極を形成し有機EL発光素子を形成した。
(比較例1)
 25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして、正孔注入層として、膜厚10nmの化合物HT1を1Å/sにて成膜した。
 この膜上に正孔輸送層として、膜厚10nmの化合物HT2を1Å/sにて成膜した。
 さらに、この化合物HT2膜上に膜厚3nmで化合物L1と化合物D1を2.85:0.15の膜厚比で成膜し第1発光層とした。製膜レートはそれぞれ1Å/s、0.052Å/sとした。
 この膜上に膜厚35nmで化合物L2と化合物D2を31.5:3.5の膜厚比で成膜し第3発光層とした。製膜レートはそれぞれ1Å/s、0.11Å/sとした。
 さらに、この膜上に電子輸送層として膜厚40nmで化合物ET1を製膜レート1Å/sで成膜した。
 この後、LiFを膜厚0.5nm、製膜レート0.1Å/sで成膜した。このLiF膜上に金属Alを製膜レート1Å/sにて100nm蒸着させ金属陰極を形成し有機EL発光素子を形成した。
(比較例2)
 25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして、正孔注入層として、膜厚10nmの化合物HT1を1Å/sにて成膜した。
 この膜上に正孔輸送層として、膜厚10nmの化合物HT2を1Å/sにて成膜した。
 さらに、この化合物HT2膜上に膜厚35nmで化合物L2と化合物D2を31.5:3.5の膜厚比で成膜し第3発光層とした。製膜レートはそれぞれ1Å/s、0.11Å/sとした。
 さらに、この膜上に膜厚10nmで化合物L1と化合物D1を9.5:0.5の膜厚比で成膜し第2発光層とした。製膜レートはそれぞれ1Å/s、0.052Å/sとした。
 この膜上に電子輸送層として膜厚30nmで化合物ET1を製膜レート1Å/sで成膜した。
 この後、LiFを膜厚0.5nm、製膜レート0.1Å/sで成膜した。このLiF膜上に金属Alを製膜レート1Å/sにて100nm蒸着させ金属陰極を形成し有機EL発光素子を形成した。
(比較例3)
 第1発光層および第2発光層として、化合物L1にかえ化合物L4を用い、第3発光層として化合物L2にかえ化合物L5を用いた以外は実施例1と同様にして素子を作成した。
(評価)
 実施例1~3、比較例1~3の有機EL素子の評価は下記の通りである。
(1)初期性能:素子を10mA/cmの直流電流により発光させ、発光効率(L/J)を測定した。
(2)寿命:初期輝度10000nitにて定電流駆動し、輝度の50%減衰までの時間(LT50)で評価した。
(3)色度変化:初期状態での色度と、初期輝度10000nitにて定電流駆動し輝度の50%減衰を迎えた時の色度との差で評価した。
 これらの結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000123
 実施例1、2では、陽極側の第1発光層及び陰極側の第2発光層に、ヘテロ環骨格を有しない化合物であるL1又はL3を用いたため、比較例1~3と比較して、輝度半減寿命を向上させることができ、しかも、色度変化も大きく抑制することができた。また、実施例3では、実施例1、2と同様に、色度変化も大きく抑制でき、しかも、素子の長寿命を図ることもできた。
 したがって、電流密度の変化時と連続駆動時にも色安定性に優れた有機EL素子が得られることが分かった。
 本発明の有機EL素子は、照明装置や表示装置などに利用することができる。
  1  有機エレクトロルミネセンス素子
  2  基板
  3  陽極
  4  陰極
  5  燐光発光層
  6  正孔注入・輸送層
  7  電子注入・輸送層
  8  中間層
 10  有機薄膜層
 10A 第2有機薄膜層(第2の発光ユニット)
 51  第1発光層
 52  第2発光層
 53  第3発光層

Claims (15)

  1.  陽極と陰極との間に、少なくとも3つの発光層を有する有機薄膜層を備えた有機エレクトロルミネセンス素子であって、
     前記有機薄膜層は、前記陽極側の第1発光層と、前記陰極側の第2発光層と、前記第1発光層及び前記第2発光層間に介在された第3発光層と、を含んで構成され、
     前記第1発光層、前記第2発光層、及び前記第3発光層は、それぞれ燐光ドーパントを含有し、
     前記第1発光層、及び前記第2発光層は、縮合多環芳香族誘導体をホスト材料とする
     ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
  2.  請求項1に記載の有機エレクトロルミネセンス素子において、
     前記第3発光層は、含ヘテロ環化合物をホスト材料とする
     ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
  3.  請求項2に記載の有機エレクトロルミネセンス素子において、
     前記第3発光層の含ヘテロ環化合物の3重項エネルギーは、前記第1発光層及び前記第2発光層の縮合多環芳香族誘導体の3重項エネルギーよりも大きい
     ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
  4.  請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子において、
     前記縮合多環芳香族誘導体は、3重項エネルギーが2.0eV以上である
     ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
  5.  請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子において、
     前記縮合多環芳香族誘導体は、縮合多環芳香族炭化水素である
     ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
  6.  請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子において、
     前記第1発光層及び前記第2発光層に含まれる燐光ドーパントの発光波長は、いずれも前記第3発光層に含まれる燐光ドーパントの発光波長より長い
     ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
  7.  請求項6に記載の有機エレクトロルミネセンス素子において、
     前記第1発光層及び前記第2発光層に含まれる燐光ドーパントは、それぞれ赤色発光を示し、
     前記第3発光層に含まれる燐光ドーパントは、緑色発光を示す
     ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
  8.  請求項2から請求項7までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子において、
     前記第1発光層及び前記第2発光層の縮合多環芳香族誘導体は、ナフタレン誘導体であり、
     前記第3発光層の含ヘテロ環化合物は、ラダー型含へテロ環化合物である
     ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
  9.  請求項8に記載の有機エレクトロルミネセンス素子において、
     前記ナフタレン誘導体は、フェナントレン環、フルオレン環、フルオランテン環、ベンゾ[b]フルオランテン環、ベンゾクリセン環、ベンゾフェナントレン環から選択される骨格を1つ以上含む
     ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
  10.  請求項8に記載の有機エレクトロルミネセンス素子において、
     前記ラダー型含ヘテロ環化合物はラダー型フラン化合物である
     ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
  11.  請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子において、
     前記燐光ドーパントは、金属錯体を含有し、
     この金属錯体は、第6周期の金属原子と、配位子を有する
     ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
  12.  請求項11に記載の有機エレクトロルミネセンス素子において、
     前記金属原子は、イリジウムである
     ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
  13.  請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子において、
     前記第1発光層の発光色、前記第2発光層の発光色、及び前記第3発光層の発光色を含んで白色発光を呈する
     ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
  14.  請求項13に記載の有機エレクトロルミネセンス素子において、
     さらに第2有機薄膜層を備え、
     前記有機薄膜層及び第2有機薄膜層間には、中間層が介在している
     ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
  15.  請求項14に記載の有機エレクトロルミネセンス素子において、
     前記有機薄膜層及び前記第2有機薄膜層は、発光色がそれぞれ異なり、これらの発光色を含んで白色を呈する
     ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
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