JP2009010181A - 発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 最適なホスト材料とドーパント材料の組合せを見出し、高色純度、高発光効率かつ耐久性に優れた発光素子を提供する。
【解決手段】 本発明は、陽極と陰極との間に、少なくとも発光層を有する発光素子であって、特定構造を有するピレン化合物と特定構造を有するビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体とを含有する、発光素子である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電気エネルギーを光に変換できる発光素子に関する。
有機発光素子は、陽極と陰極との間に有機発光層を備える。陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔とが有機発光層内で再結合する際に、発光化合物の励起子を発生させ、この励起子が基底状態に戻る際に光を発生する。
1987年に、コダック社のC.W.Tangらが、有機薄膜発光素子が高輝度に発光することを開示した(非特許文献1参照)。この文献には、ITOガラス基板上に、ジアミン化合物を正孔輸送層に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)を発光層に、Mg:Agを陰極とした有機薄膜発光素子が開示されている。この有機薄膜発光素子は、10V程度の駆動電圧で1,000cd/mの緑色発光することが報告されている。
このような有機発光素子は、薄型であり、かつ低駆動電圧であっても高輝度に発光し、発光材料を選択することで多色発光が可能である。このため、ディスプレイなどへの応用が期待され、有機発光素子の研究・開発が活発に行われている。実用化の観点から、素子の発光効率の向上、低駆動電圧化、発光寿命の向上を図る必要がある。特に、高色純度発色時における素子の耐久性と発光効率を向上させることが重要である。
発光効率の高い発光素子を得る手段として、ホスト材料にドーパント材料を数%ドーピングした発光層を用いることが知られている(特許文献1参照)。
このような発光層に用いられるホスト材料には、高いキャリア(電子と正孔)移動度や均一な成膜性を有することなどが要求される。また、ドーパント材料には、高い蛍光量子収率や均一な分散性を有することなどが要求される。
このような発光材料として、以下のような発光材料が開発されている。例えば、青色発光材料としては、スチリルアミン誘導体(特許文献2参照)やペリレン誘導体(特許文献3参照)、ピレン誘導体を用いる技術が開示されている(特許文献4〜6参照)。緑色発光材料としては、スチルベン系化合物(特許文献7参照)、キノリン誘導体とキナクリドン誘導体との組合せ(特許文献8参照)、赤色発光材料としては、アミノスチリル誘導体(特許文献9参照)、クマリン誘導体とジシアノメチレンピラン誘導体との組合せ(特許文献10参照)などが開示されている。また、ビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体をドーパント材料として用いる技術(特許文献11参照)やアントラセン誘導体またはアルミノキノリノール誘導体等とを組み合わせる技術(特許文献12参照)も公開されている。
アプライド フィジクス レターズ(Applied Physics Letters)(米国)、1987年、第51巻、第12号、p.913−915 "有機EL素子とその工業化最前線"、エヌ・ティー・エス、1998年、p.66 特許第2814435号公報 特開平5−17765号公報 特開2003−86380号公報 特開2001−118682号公報 特開2004−75567号公報 特開2002−63988号公報 特開平2−247278号公報 特開平3−255190号公報 特開2002−134276号公報 特開平5−202356号公報 米国特許出願公開第2005/0221120号明細書 特開2003−257670号公報
しかし、いずれの発光材料においても、色純度・効率・耐久性の全てを満足するものはない。上記に例示した発光材料に限らず、発光材料を形成するホスト材料、ドーパント材料はそれぞれ数多くある。これらを組み合わせるとその数は膨大になる。
また、ホスト材料からドーパント材料へのエネルギー移動のし易さの指針として、一般的には、ホスト材料の蛍光スペクトルおよびドーパント材料の吸収スペクトルの重なり度合いや分子間距離が関係することなどが知られている(非特許文献2参照)。しかし、全ての発光メカニズムが解明されているものではなく、試行錯誤的な部分が多い。すなわち、より良好な発光特性を有する発光素子を得るためには、新規なホスト材料、ドーパント材料の発見だけではなく、最適なホスト材料とドーパント材料の組合せを見出すことが非常に重要になる。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的は、最適なホスト材料とドーパント材料の組合せを見出し、高色純度、高発光効率かつ耐久性に優れた発光素子を提供することにある。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
本発明は、陽極と陰極との間に、少なくとも発光層を有する発光素子であって、前記発光層は、一般式(1)で表されるピレン化合物と一般式(2)で表されるビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体とを含有する、発光素子である。
Figure 2009010181

(R〜R10は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、シリル基、−P(=O)−R11を示す。R〜R10は、隣接置換基との間で環を形成していてもよい。R11は、アリール基、ヘテロアリール基を示す。)
Figure 2009010181

(AおよびA’は少なくとも1つの窒素を含有する6員芳香族環に相当する独立したアジン環系を示し、XaおよびXbは各々独立に選ばれた置換基であって、その2つが連結することによりA又はA’に対して縮合環を形成し得るものを示し、mおよびnは各々独立に0〜4を示し、R12およびR13は各々独立に選ばれた置換基を示し、数字1,2,3,4,1’,2’,3’および4’は、各々独立に選ばれた炭素原子または窒素原子を示す。)
本発明では、一般式(1)で表されるピレン化合物と一般式(2)で表されるビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体とを組み合わせた発光材料を用いることで、高色純度、高発光効率かつ耐久性に優れる発光素子を提供する。
また、上記発光素子は、前記陰極と前記発光層との間に、少なくとも電子輸送層を有し、前記電子輸送層は、電子受容性窒素を含み、さらに炭素、水素、窒素、酸素、ケイ素、リンの中から選ばれる元素で構成されるヘテロアリール環構造を有する化合物を含有するものであるとよい。
上記したように発光効率を向上させるためには、電子と正孔の注入バランス因子(キャリアバランス)が重要となる。上記発光材料と、キャリアバランスをとるためには、電子輸送能の高い電子輸送層を設ければよい。電子受容性窒素を含む、ヘテロアリール環構造を有する化合物を含有するものは、電子輸送能が高いので、キャリアバランスをとることができる。この結果、発光効率の向上した発光素子を得ることができる。
本発明の発光素子では、一般式(1)で表されるピレン化合物と一般式(2)で表されるビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体とを組み合わせた発光材料を発光層に用いる。これにより、色純度・効率・耐久性の全てを満足する発光素子が得られる。
さらに、電子輸送層を設ける場合に、電子輸送能の高い化合物を用いる。この結果、高色純度、高発光効率かつ耐久性に優れた発光素子を得ることができる。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の発光素子は、陽極と、陰極と、これらの電極間に、発光素子材料を有する有機層を、備えている。
[基板]
本発明の発光素子は、基板上に形成されていると、機械的強度を保てるので好ましい。基板としては、ソーダガラスや無アルカリガラスなどのガラス基板が好適に用いられる。ガラス基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.5mm以上あれば十分である。ガラスの材質については、ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカリガラスの方が好ましいが、SiOなどのバリアコートを施したソーダライムガラスも市販されているのでこれを使用することもできる。
さらに、基板上に形成される電極(特に、陽極)が安定に機能するのであれば、基板はガラスである必要はなく、例えば、プラスチック基板上に陽極を形成してもよい。
[陽極]
本発明の発光素子に用いられる陽極の材料としては、正孔を有機層に効率よく注入できる材料であれば特に限定されない。好ましくは、比較的仕事関数の大きい材料である。例えば、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛インジウム、酸化錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物、金、銀、クロムなどの金属、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、あるいはポリチオフェン、ポリピロールおよびポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが挙げられる。これらの陽極電極材料は、単独で用いてもよく、複数の材料を混合して用いてもよい。また、陽極は一層構成でもよく、多層構成としてもよい。
電極の抵抗は、発光素子の発光に十分な電流が供給できる程度であればよい。発光素子の消費電力の観点からは、低抵抗であることが望ましい。例えば、300Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機能するが、好ましくは100Ω/□以下の低抵抗品を使用するとよい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ事ができるが、通常100〜300nmの間で用いられることが多い。
基板上に、陽極を形成する方法は特に制限はなく、公知の方法を用いればよい。例えば、陽極としてITO膜を形成する場合には、電子線ビーム法、スパッタリング法、化学反応法などの方法で形成すればよい。
[陰極]
本発明の発光素子に用いられる陰極の材料としては、電子を有機層に効率良く注入できる物質であれば特に限定されない。例えば、一般に白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウムおよびこれらの合金などが挙げられる。電子注入効率をあげて素子特性を向上させるためには、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウムなどの低仕事関数金属、またはこれらを含む合金が好ましい。
これらの低仕事関数金属は、一般に大気中で不安定であることが多く、取り扱いが困難である。このため、有機層に微量のリチウムやマグネシウム等の低仕事関数の金属、あるいはフッ化リチウムのような大気中で安定な低仕事関数の金属塩をドーピング(真空蒸着の膜厚計表示で1nm以下)した後に、電極保護のために白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウムおよびインジウムなどの大気中でより安定な金属を積層して陰極とする方法が好ましい。更にこれら金属を用いた合金、そしてシリカ、チタニアおよび窒化ケイ素などの無機物、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、炭化水素系高分子化合物などを保護膜層として積層することが、好ましい例として挙げられる。これらの電極の作製法は、抵抗加熱、電子線ビーム、スパッタリング、イオンプレーティングおよびコーティングなど、特に制限されない。
[有機層]
本発明の発光素子を構成する有機層は、発光素子材料で構成される発光層を備える。有機層は、発光層のみからなる構成のほかに、陽極と陰極との間に、(1)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、(2)発光層/電子輸送層、(3)正孔輸送層/発光層の順に積層された構成も含まれる。これらの層は、それぞれ単一層であってもよく、複数層で構成されていてもよい。
正孔輸送層および電子輸送層が複数層で構成されている場合に、電極に接する側の層をそれぞれ正孔注入層および電子注入層と呼ぶ場合がある。正孔注入材料および電子注入材料の材料は、それぞれ正孔輸送材料および電子輸送材料の材料と同じなので、以下の説明では、正孔輸送材料および電子輸送材料の材料として説明する。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、陽極から正孔が注入され、注入された正孔を輸送する層である。正孔輸送層の材料としては、陽極からの正孔の注入を容易にし、また注入された正孔を輸送する能力が高いことが要求される。
正孔輸送層は、正孔輸送材料の一種または二種以上を積層、混合するか、正孔輸送材料と高分子結着剤の混合物により形成される。正孔輸送材料としては、特に制限はなく、発光素子の作製に必要な薄膜を形成し、陽極から正孔が注入できて、さらに正孔を輸送できる化合物を用いることができる。好ましくは、4,4’−ビス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル、4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニル(フェニル)アミノ)トリフェニルアミンなどのトリフェニルアミン誘導体、ビス(N−アリルカルバゾール)またはビス(N−アルキルカルバゾール)などのビスカルバゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、ベンゾフラン誘導体やチオフェン誘導体、オキサジアゾール誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体などの複素環化合物、ポリマー系では前記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレン誘導体、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフルオレン、ポリビニルカルバゾールおよびポリシランなどである。
正孔輸送層は、抵抗加熱式または電子ビーム式の真空蒸着による方法、各種溶媒により溶解あるいは高分子結着剤を用いて混合物を調整した後に基板上に塗布する方法などを用いて形成すればよい。素子特性および量産安定性の観点から、真空蒸着による方法がより好ましい。
(発光層)
発光層では、正孔と電子との結合により、発光材料の励起子を生じさせ、励起子が基底状態に戻る際に発光する。
本発明において発光層は、1層であっても2層以上であってもよい。複数層の場合に、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
本発明において、発光層に用いられる発光材料は、少なくともホスト材料として一般式(1)で表されるピレン化合物と、ドーパント材料として一般式(2)で表されるビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体とを組み合わせた発光材料を用いる。本発明の一般式(1)で表されるピレン化合物と、一般式(2)で表されるビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体とを組み合わせた発光材料以外に、他の発光材料を用いてもよい。発光材料としてホスト材料とドーパント材料との混合物を用いると、膜形成が容易で、正孔・電子輸送能に優れ、発光効率や発光色を変更するなど発光の機能を分離できるので、発光効率、色純度、素子寿命の長期化の観点から好ましい。
本発明の発光層は、一般式(1)で表されるピレン化合物および一般式(2)で表されるビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体とを含有する。本発明のピレン化合物はドーパント材料としても用いることができる。ピレン化合物は、高い電荷輸送特性を有するので、本発明では、ホスト材料として用いる。また本発明のビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体はホスト材料としても用いることができる。ビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体は、高い蛍光量子収率を有し、蛍光スペクトルの半値幅が狭く高色純度発光が得られるので、本発明ではドーパント材料として用いる。
上記したように、本発明で用いるビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体は、高い蛍光量子収率を有することから、ドーパント材料として好適に用いられる。しかしながら、ビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体は、電子トラップ性が強くホスト材料との相互作用の影響が出やすい。このため、スペクトルの重なり度合いに優れるすべてのホスト材料との組合せで高発光効率を実現できるわけではない。本発明では、種々のホスト材料との組合せ評価を行った結果、本発明の一般式(1)で表されるピレン化合物がホスト材料として好ましいことを見出した。ピレン化合物は、本発明で用いるビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体との間で分子間相互作用が起こりにくく、ホスト材料からドーパント材料へのエネルギー移動が効率的に起こる。このため、高発光効率な素子が得られ、またホスト材料自身の発光が起こらないため、高色純度な発光が得られる。更に両者を組み合わせることでキャリアバランスをコントロールすることができ、素子寿命が大幅に向上する。
発光層が複数層の場合には、各発光層において、ホスト材料もしくはドーパント材料のいずれか一種類のみが発光してもよいし、ホスト材料とドーパント材料がともに発光してもよい。また、使用するホスト材料と発光性ドーパント材料とは、それぞれ一種類を用いても、複数種の組み合わせて用いてもよい。発光性ドーパント材料は、発光層の全体に含まれていても、部分的に含まれていても、いずれでもよい。
発光性ドーパント材料の量は、多すぎると濃度消光現象が起きる。このため、ホスト材料に対して20重量%以下で用いることが好ましく、さらに好ましくは10重量%以下である。ドーピング方法としては、ホスト材料との共蒸着法、ホスト材料と混合してから蒸着する方法、またはホスト材料と発光性ドーパント材料を望む割合で溶媒に溶かし塗布する方法が挙げられる。
(ピレン化合物)
次に、本発明における下記一般式(1)で表されるピレン化合物について説明する。
Figure 2009010181
式中、R〜R10は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、シリル基、−P(=O)−R11を示す。R〜R10は、隣接置換基との間で環を形成していてもよい。R11はアリール基、ヘテロアリール基を示す。
〜R10を構成するアルキル基としては、炭素数が1〜20の、より好ましくは1以上6以下の飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのアルキル基、さらに好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基が例示される。また、これらのアルキル基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、特に制限はなく、例えばアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などが挙げられる。置換基は
〜R10を構成するシクロアルキル基としては、炭素数が3〜20の飽和脂環式炭化水素基が挙げられる。具体的には、シクロプロピル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのシクロアルキル基が例示される。これらのシクロアルキル基においても、上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などの置換基を有していてもよい。
〜R10を構成する複素環基としては、炭素数が2〜20であり、炭素以外の原子を環内に有する脂肪族環からなる基が挙げられる。具体的には、ピラン環、ピペリジン環、環状アミドからなる基が例示される。これらの複素環基においても、上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などの置換基を有していてもよい。
〜R10を構成するアルケニル基としては、炭素数が2〜20の不飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。具体的には、ビニル基、アリル基、ブタジエニル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基が例示される。上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などの置換基を有していてもよい。
〜R10を構成するシクロアルケニル基としては、炭素数が2〜20の二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基が挙げられる。具体的には、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基などが例示される。上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などの置換基を有していてもよい。
〜R10を構成するアルケキル基としては、炭素数が2〜20の三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。具体的には、エチニル基などが例示される。上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などの置換基を有していてもよい。
〜R10を構成するアルコキシ基としては、炭素数が2〜20のエーテル結合を介した脂肪族炭化水素基が挙げられる。具体的には、メトキシ基などが例示される。脂肪族炭化水素基は、上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などの置換基を有していてもよい。
〜R10を構成するアルキルチオ基としては、上記アルコキシ基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。
〜R10を構成するアリールエーテル基としては、炭素数が6〜40のエーテル結合を介した芳香族炭化水素基が挙げられる。具体的には、フェノキシ基などが例示される。上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などの置換基を有していてもよい。
〜R10を構成するアリールチオエーテル基としては、上記アリールエーテル基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。
〜R10を構成するアリール基としては、炭素数が6〜40の芳香族炭化水素基が挙げられる。具体的には、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、ターフェニル基、ピレニル基などが例示される。上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などの置換基を有していてもよい。
〜R10を構成するヘテロアリール基としては、炭素数が2〜30である、炭素以外の原子を環内に有する芳香族基が挙げられる。具体的には、フラニル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、ピリジル基、キノリニル基などが例示される。上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などの置換基を有していてもよい。
〜R10を構成するハロゲンとしては、原子とは、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられる。
〜R10を構成するシアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、−P(=O)−R11は、置換基を有していても有していなくてもよい。置換基としては例えば上記のようなアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などが挙げられる。R11を構成するアリール基、ヘテロアリール基は、上記R〜R10を構成するアリール基、ヘテロアリール基と同様である。
〜R10を構成するシリル基としては、炭素数が2〜30であり、ケイ素数が1〜6のケイ素原子への結合を有する官能基が挙げられる。具体的には、トリメチルシリル基などが挙げられる。上記アルキル基と同様に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などの置換基を有していてもよい。
〜R10の隣接置換基との間で形成される環とは、任意の隣接2置換基(例えば一般式(1)のRとR)が互いに結合して形成された、共役または非共役の縮合環をいう。縮合環の構成元素としては、炭素以外にも窒素、酸素、硫黄、リンおよびケイ素から選ばれる元素を含んでいてもよい。また、縮合環がさらに別の環と縮合してもよい。
発光材料に含有されるホスト材料としては、前記ピレン化合物一種のみに限る必要はなく、複数のピレン誘導体を混合して用いる、あるいは既知のホスト材料の一種類以上をピレン誘導体と混合して用いても良い。具体的には、4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルなどの芳香族アミン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)をはじめとする金属キレート化オキシノイド化合物、ジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、アントラセン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、インデン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、オキサジアゾール誘導体、カルバゾール誘導体、ピロロピロール誘導体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリチオフェン誘導体が好適に用いられる。
本発明の一般式(1)で表されるピレン化合物としては、特に限定はされないが以下の具体例を挙げることができる。
Figure 2009010181

Figure 2009010181

(ビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体)
次に、本発明において用いる一般式(2)で表されるビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体について詳細に説明する。
Figure 2009010181


式中、AおよびA’は少なくとも1つの窒素を含有する6員芳香族環に相当する独立したアジン環系を示し、XaおよびXbは各々独立に選ばれた置換基であって、その2つが連結することによりA又はA’に対して縮合環を形成し得るものを示し、mおよびnは各々独立に0〜4を示し、R12およびR13は各々独立に選ばれた置換基を示し、数字1,2,3,4,1’,2’,3’および4’は、各々独立に選ばれた炭素原子または窒素原子を示す。これらの置換基は、上記ピレン化合物の置換基と同様である。
本発明の一般式(2)で表されるビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体としては、特に限定はされないが以下の具体例を挙げることができる。
Figure 2009010181

本発明で用いられるドーパント材料としては、前記ビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体一種のみに限る必要はなく、複数のビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体を混合して用いてもよく、既知のドーパント材料の一種類以上をビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体と混合して用いてもよい。具体的には従来から知られている、アントラセン、ピレン、ペリレンなどの縮合アリール環を有する化合物やその誘導体、フラン、ピロール、チオフェン、シロール、9−シラフルオレン、9,9’−スピロビシラフルオレン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、イミダゾピリジン、フェナントロリン、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリン、ピロロピリジン、チオキサンテンなどのヘテロアリール環を有する化合物やその誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、アミノスチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、アルダジン誘導体、クマリン誘導体、イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾールなどのアゾール誘導体およびその金属錯体および4,4’−ビス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルに代表される芳香族アミン誘導体などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
発光層は、抵抗加熱式または電子ビーム式の真空蒸着による方法、発光材料を各種溶媒により溶解あるいは高分子結着剤を用いて混合物を調整した後に基板上に塗布する方法により形成される。素子特性の観点から真空蒸着による方法がより好ましい。
[電子輸送層]
電子輸送層は、陰極から電子が注入され、注入された電子を輸送する層である。電子輸送層は、電子輸送層には、電子注入効率が高く、注入された電子を効率良く輸送することが要求される。このため、電子輸送層を構成する電子輸送材料としては、電子親和力が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発生しにくい物質であると好ましい。一方、正孔と電子の輸送バランスを考えた場合に、電子輸送層が陽極からの正孔が再結合せずに陰極側へ流れるのを効率よく阻止できる役割を主に果たすならば、電子輸送能力がそれ程高くない材料で構成されていてもよい。すなわち、電子輸送能力がそれ程高くない材料であっても、発光効率を向上させる効果は電子輸送能力が高い材料で構成されている場合と同等となる。したがって、本発明における電子輸送層には、正孔の移動を効率よく阻止できる正孔阻止材料で形成された層も同義のものとして含まれる。
電子輸送層に用いられる電子輸送材料は、特に限定されず、ナフタレン、アントラセンなどの縮合多環芳香族誘導体、4,4’−ビス(ジフェニルエテニル)ビフェニルに代表されるスチリル系芳香環誘導体、アントラキノンやジフェノキノンなどのキノン誘導体、リンオキサイド誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)などのキノリノール錯体、ベンゾキノリノール錯体、ヒドロキシアゾール錯体、アゾメチン錯体、トロポロン金属錯体およびフラボノール金属錯体などの各種金属錯体が挙げられる。特に、駆動電圧を低減し、高効率発光が得られることから、炭素、水素、窒素、酸素、ケイ素、リンの中から選ばれる元素で構成され、電子受容性窒素を含むヘテロアリール環構造を有する化合物を用いることが好ましい。特に、本発明のピレン化合物とビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体とを含有する発光層と組み合わせて用いることで、発光素子内での正孔・電子のバランスを保ちやすい。また、そのバランスが高い電荷輸送能を維持したまま実現されることから、低駆動電圧と長寿命の両立が可能となる。
ここで、電子受容性窒素とは、隣接原子との間に多重結合を形成している窒素原子を表す。窒素原子が高い電子陰性度を有することから、該多重結合は電子受容的な性質を有する。それゆえ、電子受容性窒素を含むヘテロアリール環は、高い電子親和性を有し、電子輸送能に優れ、電子輸送層に用いることで発光素子の駆動電圧を低減できる。電子受容性窒素を含むヘテロアリール環としては、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、キノリン環、キノキサリン環、ナフチリジン環、ピリミドピリミジン環、ベンゾキノリン環、フェナントロリン環、イミダゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、フェナンスロイミダゾール環などが挙げられる。
ヘテロアリール環構造を有する化合物としては、例えば、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、キノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、ビピリジンやターピリジンなどのオリゴピリジン誘導体、キノキサリン誘導体およびナフチリジン誘導体などが好ましい化合物として挙げられる。中でも、トリス(N−フェニルベンゾイミダゾール−2−イル)ベンゼンや2−[4−(9,10−ジナフタレン−2−イル−アントラセン−2−イル)フェニル−1−フェニル]−1H−ベンゾイミダゾールなどのイミダゾール誘導体、1,3−ビス[(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾリル]フェニレンなどのオキサジアゾール誘導体、N−ナフチル−2,5−ジフェニル−1,3,4−トリアゾールなどのトリアゾール誘導体、バソクプロインや1,3−ビス(1,10−フェナントロリン−9−イル)ベンゼンなどのフェナントロリン誘導体、2,2’−ビス(ベンゾ[h]キノリン−2−イル)−9,9’−スピロビフルオレンなどのベンゾキノリン誘導体、2,5−ビス[6’−(2’,2”−ビピリジル)]−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロールなどのビピリジン誘導体、1,3−ビス[4’−(2,2’:6’2”−ターピリジニル)]ベンゼンなどのターピリジン誘導体、ビス(1−ナフチル)−4−(1,8−ナフチリジン−2−イル)フェニルホスフィンオキサイドなどのナフチリジン誘導体が、電子輸送能の点から好ましく用いられる。
上記電子輸送材料は、単独でも用いてもよく、2種以上の電子輸送材料を混合して用いてもよく、その他の電子輸送材料の一種以上を上記の電子輸送材料に混合して用いてもよい。また、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの金属と混合して用いることも可能である。
電子輸送層のイオン化ポテンシャルは、特に限定されないが、好ましくは5.8eV以上8.0eV以下であり、より好ましくは6.0eV以上7.5eV以下である。
電子輸送層は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、コーティング法、インクジェット法、印刷法、レーザー誘起熱転写法などを用いて形成することができる。通常は、素子特性の点から抵抗加熱蒸着または電子ビーム蒸着が好ましい。
本発明の発光素子において、各層の厚みは、発光物質の抵抗値にもよるので限定することはできないが、通常1〜1000nmの間から選ばれる。発光層、電子輸送層、正孔輸送層などの有機層の膜厚はそれぞれ、好ましくは1nm以上200nm以下であり、さらに好ましくは5nm以上100nm以下である。
その他、正孔ブロック層、保護膜、封止膜など、発光素子に設けられる公知の層や膜を設けてもよい。
本発明の発光素子は、電気エネルギーを光に変換する。ここで電気エネルギーとしては主に直流電流が使用されるが、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。電流値および電圧値は特に制限はないが、素子の消費電力や寿命を考慮すると、できるだけ低いエネルギーで最大の輝度が得られるよう選べばよい。
本発明の発光素子は、例えばマトリクスおよび/またはセグメント方式で表示するディスプレイとして好適に用いられる。
マトリクス方式とは、表示のための画素が格子状やモザイク状など二次元的に配置され、画素の集合で文字や画像を表示する。画素の形状やサイズは用途によって決まる。例えば、パソコン、モニター、テレビの画像および文字表示には、通常一辺が300μm以下の四角形の画素が用いられ、また、表示パネルのような大型ディスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用いることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を配列すればよいが、カラー表示の場合には、赤、緑、青の画素を並べて表示させる。この場合、典型的にはデルタタイプとストライプタイプがある。そして、このマトリクスの駆動方法は、線順次駆動方法やアクティブマトリクスのどちらでもよい。線順次駆動はその構造が簡単であるが、動作特性を考慮した場合、アクティブマトリクスの方が優れる場合があるので、これも用途によって使い分けることが必要である。
本発明におけるセグメント方式とは、予め決められた情報を表示するようにパターンを形成し、このパターンの配置によって決められた領域を発光させる方式である。例えば、デジタル時計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ機器や電磁調理器などの動作状態表示および自動車のパネル表示などが挙げられる。そして、前記マトリクス表示とセグメント表示は同じパネルの中に共存していてもよい。
本発明の発光素子は、各種機器等のバックライトとしても好ましく用いられる。バックライトは、主に自発光しない表示装置の視認性を向上させる目的に使用され、液晶表示装置、時計、オーディオ装置、自動車パネル、表示板および標識などに使用される。特に、液晶表示装置、中でも薄型化が検討されているパソコン用途のバックライトに本発明の発光素子は好ましく用いられ、従来のものより薄型で軽量なバックライトを提供できる。
以下本発明を詳細に説明するため実施例を挙げるが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、実施例にある化合物の番号は、上記の化学式に記載した番号を意味する。
(実施例1)
化合物〔16〕および化合物〔23〕を用いた発光素子を以下のように作成した。
ITO透明導電膜を165nm堆積させたガラス基板(ジオマテック(株)製、8Ω/□、スパッタ品)を38×46mmに切断し、エッチングを行った。得られた基板を
“セミコクリーン56”(商品名、フルウチ化学(株)製)で15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。この基板を素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−4Pa以下になるまで排気した。
次に、抵抗加熱法によって、まず正孔注入材料として、銅フタロシアニンを10nm、正孔輸送材料として、4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルを50nm蒸着した。
次に、発光材料として、ホスト材料としてピレン化合物〔16〕を、ドーパント材料として化合物〔23〕をドープ濃度が2%になるように35nmの厚さに蒸着した。
次に、電子輸送材料として、下記式に示すE−1を20nmの厚さに積層した。
以上のように形成した有機層上に、フッ化リチウムを0.5nmの厚さに蒸着した後、アルミニウムを1000nm蒸着して陰極とし、5×5mm角の素子を作製した。ここで言う膜厚は、水晶発振式膜厚モニターの表示値である。
この発光素子を40mA/cmで直流駆動したところ、発光効率3.7lm/W、色度CIE(x,y)=(0.16、0.11)の高効率、高色純度青色発光が得られた。この発光素子を40mA/cmで直流駆動した時の輝度半減時間は、1,500時間であった。
Figure 2009010181
(実施例2)
ホスト材料として化合物〔2〕、ドーパント材料として化合物〔19〕を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を40mA/cmで直流駆動したところ、発光効率3.5lm/W、色度CIE(x,y)=(0.17,0.15)の高効率、高色純度青色発光が得られた。この発光素子を40mA/cmで直流駆動した時の輝度半減時間は、1,900時間であった。
(比較例1)
ホスト材料として下記に示すH−1を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を40mA/cmで直流駆動したところ、発光効率0.5lm/W、色度CIE(x,y)=(0.17,0.16)の青色発光が得られた。この発光素子を40mA/cmで直流駆動した時の輝度半減時間は、500時間であった。
Figure 2009010181
(比較例2)
ホスト材料として下記に示すH−2を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を40mA/cmで直流駆動したところ、発光効率1.5lm/W、色度CIE(x,y)=(0.16,0.14)の青色発光が得られた。この発光素子を40mA/cmで直流駆動した時の輝度半減時間は、1000時間であった。
Figure 2009010181
実施例1、2、比較例1、2から、本発明のホスト材料を用いない場合には、発光効率は0.5、1.5lm/Wと、実施例1、2の発光効率より、悪いことがわかった。また、実施例1、2の発光素子の輝度半減時間は、比較例に比べ長いことがわかる。
(比較例3)
ドーパント材料として下記に示すD−1を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を40mA/cmで直流駆動したところ、発光効率0.8lm/W、色度CIE(x,y)=(0.14,0.19)の青色発光が得られた。この発光素子を40mA/cmで直流駆動した時の輝度半減時間は、200時間であった。
Figure 2009010181

(比較例4)
ドーパント材料として下記に示すD−2を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を40mA/cmで直流駆動したところ、発光効率2.7lm/W、色度CIE(x,y)=(0.17,0.33)の青色発光が得られた。この発光素子を40mA/cmで直流駆動した時の輝度半減時間は、800時間であった。
Figure 2009010181
実施例1、2、比較例3、4から、本発明のドーパント材料を用いない場合には、発光効率は0.8、2.7lm/Wと、実施例1、2の発光効率より、悪いことがわかった。また、実施例1、2の発光素子の輝度半減時間は、比較例3、4に比べ長いことがわかる。
(実施例3)
電子輸送材料として下記に示すE−2を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を40mA/cmで直流駆動したところ、、発光効率2.9lm/W、色度CIE(x,y)=(0.15,0.12)の青色発光が得られた。この発光素子を40mA/cmで直流駆動した時の輝度半減時間は、1200時間であった。
Figure 2009010181
この結果から、本発明にかかる発光材料を用いた発光素子では、従来からの電子輸送層を用いても、電力効率、輝度半減時間に優れることがわかる。




Claims (2)

  1. 陽極と陰極との間に、少なくとも発光層を有する発光素子であって、
    前記発光層は、一般式(1)で表されるピレン化合物と一般式(2)で表されるビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体とを含有する、発光素子。
    Figure 2009010181

    (R〜R10は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、シリル基、−P(=O)−R11を示す。R〜R10は、隣接置換基との間で環を形成していてもよい。R11は、アリール基、ヘテロアリール基を示す。)
    Figure 2009010181

    (AおよびA’は少なくとも1つの窒素を含有する6員芳香族環に相当する独立したアジン環系を示し、XaおよびXbは各々独立に選ばれた置換基であって、その2つが連結することによりA又はA’に対して縮合環を形成し得るものを示し、mおよびnは各々独立に0〜4を示し、R12およびR13は各々独立に選ばれた置換基を示し、数字1,2,3,4,1’,2’,3’および4’は、各々独立に選ばれた炭素原子または窒素原子を示す。)
  2. 前記陰極と前記発光層との間に、少なくとも電子輸送層を有し、
    前記電子輸送層は、電子受容性窒素を含み、さらに炭素、水素、窒素、酸素、ケイ素、リンの中から選ばれる元素で構成されるヘテロアリール環構造を有する化合物を含有する、請求項1に記載の発光素子。





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