JP5561022B2 - 発光素子 - Google Patents

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本発明は、電気エネルギーを光に変換できる発光素子であって、表示素子、フラットパネルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標識、看板、電子写真機および光信号発生器などの分野に利用可能な発光素子に関するものである。
陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する際に発光するという有機薄膜発光素子の研究が、近年活発に行われている。この発光素子は、薄型でかつ低駆動電圧下での高輝度発光と、蛍光材料を選ぶことによる多色発光が特徴であり、注目を集めている。
この研究は、コダック社のC.W.Tangらによって有機薄膜素子が高輝度に発光することを示して以来、多くの研究機関が検討を行っている。コダック社の研究グループが提示した有機薄膜発光素子の代表的な構成は、ITOガラス基板上に正孔輸送性のジアミン化合物、発光層である8−ヒドロキシキノリンアルミニウム、そして陰極としてMg:Agを順次設けたものであり、10V程度の駆動電圧で1,000cd/mの緑色発光が可能であった(非特許文献1参照)。
また、有機薄膜発光素子は、発光層に種々の蛍光材料を用いることにより、多様な発光色を得ることが可能であることから、ディスプレイなどへの実用化研究が盛んである。三原色の発光材料の中では緑色発光材料の研究が最も進んでおり、現在は赤色発光材料と青色発光材料において、特性向上を目指して鋭意研究がなされている。
有機薄膜発光素子は、発光効率の向上、駆動電圧の低下、耐久性の向上を満たす必要がある。中でも、発光効率が低いと高輝度を要する画像の出力ができなくなり、所望の輝度を出力するための消費電力量が多くなる。また、素子の耐久性が十分でない場合、発光デバイスとして実用的な寿命を得ることは難しい。特に、青色発光素子に関しては、高発光効率を示しつつ耐久性に優れた、信頼性の高い素子を提供する青色発光材料は少ない。例えば、発光効率を向上させるために、様々な発光材料が開発されている(例えば、特許文献1〜6参照)。また、電子輸送層として用いられる材料の改良により発光効率を向上させる技術や、そのような材料にアルカリ金属をドープする技術が開示されている(例えば、特許文献7〜12参照)。
国際公開WO2007/29798号パンフレット 国際公開WO2008/108256号パンフレット 国際公開WO2008/15945号パンフレット 特開2007−131723号公報 特開2008−214308号公報 特開2007−169851号公報 特開2000−348864号公報 特開2004−277377号公報 特開2003−347060号公報 特開2002−352961号公報 特開2004−2297号公報 国際公開WO2010/001817号パンフレット
"Applied Physics Letters",(米国),1987年,51巻,12号,p.913−915
上述のように、有機薄膜発光素子には、発光効率の向上、駆動電圧の低下、耐久性の向上を満たす必要があり、特に、青色発光素子に関しては、耐久性に優れ、信頼性の高い素子を提供する青色発光材料は少ない。
また、電子輸送層に用いられる化合物を改良する場合であっても、特許文献7〜12のような従来公知の組み合わせでは、高発光効率と耐久性との両立には不十分であった。
本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、耐久性に優れた有機薄膜発光素子を提供することを目的とするものである。
本発明は陽極と陰極の間に少なくとも発光層および電子輸送層が存在し、電気エネルギーにより発光する発光素子であって、前記電子輸送層に下記一般式(1)で表されるピレン化合物を含有することを特徴とする発光素子である。
Figure 0005561022
〜Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基からなる群より選ばれる。Xはアルキル基またはアリール基である。Ar、Arはそれぞれ異なり式(2)で表される基、式(3)で表される基またはフルオレニル基である。
〜R 19 はそれぞれ独立に水素、炭化水素のみからなるアルキル基または炭化水素のみからなるアリール基であり、YおよびZはピレン骨格との連結に用いられる。ただし、式(2)においては、R 10 が炭化水素のみからなるアリール基であるか、R およびR 11 が炭化水素のみからなるアリール基である。
本発明により、耐久性に優れた有機電界発光素子を提供することができる。
本発明における一般式(1)で表されるピレン化合物について詳細に説明する。
Figure 0005561022
〜Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基からなる群より選ばれる。Xはアルキル基またはアリール基である。ArおよびArはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭化水素基で置換されていてもよい炭素原子数6以上30以下の芳香族炭化水素基である。
これらの置換基のうち、アルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。置換されている場合の追加の置換基は炭化水素のみから構成される基であれば特に制限は無く、例えば、アルキル基、アリール基等を挙げることができ、この点は、以下の記載にも共通する。また、アルキル基の炭素原子数は特に限定されないが、入手の容易性やコストの点から、通常1以上20以下、より好ましくは1以上8以下の範囲である。
シクロアルキル基とは、例えば、シクロプロピル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの飽和脂環式炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルキル基部分の炭素原子数は特に限定されないが、通常、3以上20以下の範囲である。
アルケニル基とは、例えば、ビニル基、アリル基、ブタジエニル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルケニル基の炭素原子数は特に限定されないが、通常、2〜20の範囲である。
シクロアルケニル基とは、例えば、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基などの二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。
アルキニル基とは、例えば、エチニル基などの三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルキニル基の炭素原子数は特に限定されないが、通常、2〜20の範囲である。
アリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ターフェニル基などの芳香族炭化水素基を示す。アリール基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリール基の炭素原子数は特に限定されないが、通常、6〜40の範囲である。
芳香族炭化水素基とはベンゼン環の組み合わせからなる全ての基を指し、ナフチル基やフェナントリル基といった縮合環だけでなく、ビフェニル基やナフチルフェニル基といった環同士が単結合で連結したものも含まれる。例えばフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ジフェニルフェニル基、ナフチル基、ナフチルフェニル基、フェナントリル基、フェナントリルフェニル基などが挙げられる。また、本明細書においてはフルオレニル基も芳香族炭化水素基に含める。したがって、フルオレニルフェニル基なども芳香族炭化水素基である。
ArおよびArはそれぞれ独立に炭化水素基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基であり、具体的にはフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ジフェニルフェニル基、ナフチル基、ナフチルフェニル基、フルオレニル基、フルオレニルフェニル基などが挙げられる。また、これらの基が炭化水素のみからなるアリール基および/またはアルキル基で置換されていてもよい。
さらに具体的には、ArおよびArはそれぞれ独立に式(2)で表される基、式(3)で表される基またはフルオレニル基であることが好ましい。
Figure 0005561022
〜R19はそれぞれ独立に水素、炭化水素のみからなるアルキル基または炭化水素のみからなるアリール基であり、YおよびZはピレン骨格との連結に用いられる。式(2)の中でも、R10が炭化水素のみからなるアリール基であるか、RおよびR11が炭化水素のみからなるアリール基であるものが特に好ましい。
ただし、一般式(1)で表されるピレン化合物の分子量が大きすぎる場合、蒸着による製膜が困難になることから、ArおよびArに含まれる炭素原子の数は、置換基に含まれる炭素原子の数も含めて6以上30以下が好ましい。また同様の理由から、ArおよびArに含まれる炭素原子数の合計は40以下が好ましい。
さらに、ArおよびArが異なっていると、分子の非対称性により薄膜安定性が向上するため好ましい。
Xはアルキル基またはアリール基であるが、好ましくは、炭素原子数1〜4の飽和炭化水素基、または置換されていてもいなくてもよい炭素原子数6〜18の芳香族炭化水素基である。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。特にXがtert−ブチル基であると、ピレン骨格同士の相互作用を抑制でき、薄膜安定性が向上するため望ましい。
一般式(1)で表されるピレン化合物は、ヘテロ原子を含まず、炭化水素基のみから構成される構造である点と、ピレン骨格の1、3、7位に置換基を有する点に特徴がある。このため、電気化学的安定性に優れ、高い耐久性を発現する。さらに、ピレン骨格の7位(X)にアルキル基またはアリール基を有するため、ピレン骨格同士の相互作用が抑制され、発光効率と薄膜安定性が向上する。
上記一般式(1)で表されるピレン化合物としては、特に限定されるものではないが、具体的には以下のような例が挙げられる。なお、Ar、ArおよびXの組み合わせとしては例示したものに限られず、これらに示された構造を適宜組み合わせることで、同様の特性を示す化合物を得ることができる。
Figure 0005561022
Figure 0005561022
次に、本発明の発光素子の実施の形態について詳細に説明する。本発明の発光素子は、陽極と陰極、およびそれら陽極と陰極との間に介在する有機層を有し、該有機層は少なくとも発光層と電子輸送層を含み、該発光層が電気エネルギーにより発光する。
有機層は、1)正孔輸送層/発光層/電子輸送層および、2)発光層/電子輸送層、などの積層構成が挙げられる。また、上記各層は、それぞれ単一層、複数層のいずれでもよい。正孔輸送層および電子輸送層が複数層を有する場合、電極に接する側の層をそれぞれ正孔注入層および電子注入層と呼ぶことがあるが、以下の説明では特に言及しない限りでは正孔注入材料は正孔輸送材料に、電子注入材料は電子輸送材料にそれぞれ含まれる。
本発明の発光素子において、陽極と陰極は素子の発光のために十分な電流を供給するための役割を有するものであり、光を取り出すために少なくとも一方は透明または半透明であることが望ましい。通常、基板上に形成される陽極を透明電極とする。
陽極に用いる材料は、正孔を有機層に効率よく注入できる材料、かつ光を取り出すために透明または半透明であれば、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)酸化亜鉛インジウム(IZO)などの導電性金属酸化物、あるいは、金、銀、クロムなどの金属、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマーなど特に限定されるものでないが、ITOガラスやネサガラスを用いることが特に望ましい。これらの電極材料は、単独で用いてもよいが、複数の材料を積層または混合して用いてもよい。透明電極の抵抗は素子の発光に十分な電流が供給できればよいので限定されないが、素子の消費電力の観点からは低抵抗であることが望ましい。例えば300Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供給も可能になっていることから、20Ω/□以下の低抵抗の基板を使用することが特に望ましい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ事ができるが、通常100〜300nmの間で用いられることが多い。
また、発光素子の機械的強度を保つために、発光素子を基板上に形成することが好ましい。基板は、ソーダガラスや無アルカリガラスなどのガラス基板が好適に用いられる。ガラス基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.5mm以上あれば十分である。ガラスの材質については、ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカリガラスの方が好ましい。または、SiOなどのバリアコートを施したソーダライムガラスも市販されているのでこれを使用することもできる。さらに、第一電極が安定に機能するのであれば、基板はガラスである必要はなく、例えば、プラスチック基板上に陽極を形成しても良い。ITO膜形成方法は、電子線ビーム法、スパッタリング法および化学反応法など特に制限を受けるものではない。
陰極に用いる材料は、電子を効率よく発光層に注入できる物質であれば特に限定されない。一般的には白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、インジウムなどの金属、またはこれらの金属とリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの低仕事関数金属との合金や多層積層などが好ましい。中でも、主成分としてはアルミニウム、銀、マグネシウムが電気抵抗値や製膜しやすさ、膜の安定性、発光効率などの面から好ましい。特にマグネシウムと銀で構成されると、本発明における電子輸送層および電子注入層への電子注入が容易になり、低電圧駆動が可能になるため好ましい。
さらに、陰極保護のために白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウムおよびインジウムなどの金属、またはこれら金属を用いた合金、シリカ、チタニアおよび窒化ケイ素などの無機物、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、炭化水素系高分子化合物などの有機高分子化合物を、保護膜層として陰極上に積層することが好ましい例として挙げられる。ただし、陰極側から光を取り出す素子構造(トップエミッション構造)の場合は、保護膜層は可視光領域で光透過性のある材料から選択される。これらの電極の作製法は、抵抗加熱、電子線ビーム、スパッタリング、イオンプレーティングおよびコーティングなど特に制限されない。
正孔輸送層は、正孔輸送材料の一種または二種以上を積層または混合する方法、もしくは、正孔輸送材料と高分子結着剤の混合物を用いる方法により形成される。また、正孔輸送材料に塩化鉄(III)のような無機塩を添加して正孔輸送層を形成してもよい。正孔輸送材料は、電界を与えられた電極間において正極からの正孔を効率良く輸送することが必要で、正孔注入効率が高く、注入された正孔を効率良く輸送することが望ましい。そのためには適切なイオン化ポテンシャルを持ち、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発生しにくい物質であることが要求される。このような条件を満たす物質として、特に限定されるものではないが、4,4’−ビス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル、4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニル(フェニル)アミノ)トリフェニルアミンなどのトリフェニルアミン誘導体、ビス(N−アリルカルバゾール)またはビス(N−アルキルカルバゾール)などのビスカルバゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、ベンゾフラン誘導体やチオフェン誘導体、オキサジアゾール誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体などの複素環化合物、フラーレン誘導体、ポリマー系では前記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレン誘導体、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフルオレン、ポリビニルカルバゾールおよびポリシランなどが好ましい。
さらにp型Si、p型SiC等の無機化合物も使用できる。また、下記一般式(4)で表される化合物、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(4F−TCNQ)または酸化モリブデンも用いることができる。
Figure 0005561022
20〜R25はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、ハロゲン、スルホニル基、カルボニル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基からなる群より選ばれる。
中でも、化合物(5)(1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル)が正孔輸送層または正孔注入層に含まれると、より低電圧駆動となるため好ましい。
Figure 0005561022
本発明において、発光層は単一層、複数層のどちらでもよく、それぞれ発光材料(ホスト材料、ドーパント材料)により形成され、これはホスト材料とドーパント材料との混合物であっても、ホスト材料単独であっても、いずれでもよい。すなわち、本発明の発光素子では、各発光層において、ホスト材料もしくはドーパント材料のみが発光してもよいし、ホスト材料とドーパント材料がともに発光してもよい。電気エネルギーを効率よく利用し、高色純度の発光を得るという観点からは、発光層はホスト材料とドーパント材料の混合からなることが好ましい。また、ホスト材料とドーパント材料は、それぞれ一種類であっても、複数の組み合わせであっても、いずれでもよい。ドーパント材料はホスト材料の全体に含まれていても、部分的に含まれていても、いずれでもよい。ドーパント材料は積層されていても、分散されていても、いずれでもよい。ドーパント材料は発光色の制御ができる。ドーパント材料の量は、多すぎると濃度消光現象が起きるため、ホスト材料に対して20重量%以下で用いることが好ましく、さらに好ましくは10重量%以下である。ドーピング方法は、ホスト材料との共蒸着法によって形成することができるが、ホスト材料と予め混合してから同時に蒸着してもよい。
具体的な発光材料としては、以前から発光体として知られていたアントラセンやピレンなどの縮合環誘導体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムを始めとする金属キレート化オキシノイド化合物、ビススチリルアントラセン誘導体やジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、インデン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、そして、ポリチオフェン誘導体などが使用できるが特に限定されるものではない。
ホスト材料は、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、トリフェニレン、ペリレン、フルオランテン、フルオレン、インデンなどの縮合アリール環を有する化合物やその誘導体、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンなどの芳香族アミン誘導体、トリス(8−キノリナート)アルミニウム(III)をはじめとする金属キレート化オキシノイド化合物、ジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、インデン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、カルバゾール誘導体、ピロロピロール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリチオフェン誘導体などが使用できるが特に限定されるものではない。
ドーパント材料は、特に限定されないが、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、クリセン、トリフェニレン、ペリレン、フルオランテン、フルオレン、インデンなどの縮合アリール環を有する化合物やその誘導体(例えば2−(ベンゾチアゾール−2−イル)−9,10−ジフェニルアントラセンや5,6,11,12−テトラフェニルナフタセンなど)、フラン、ピロール、チオフェン、シロール、9−シラフルオレン、9,9’−スピロビシラフルオレン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、イミダゾピリジン、フェナントロリン、ピリジン、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリン、ピロロピリジン、チオキサンテンなどのヘテロアリール環を有する化合物やその誘導体、ボラン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、4,4’−ビス(2−(4−ジフェニルアミノフェニル)エテニル)ビフェニル、4,4’−ビス(N−(スチルベン−4−イル)−N−フェニルアミノ)スチルベンなどのアミノスチリル誘導体、芳香族アセチレン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、スチルベン誘導体、アルダジン誘導体、ピロメテン誘導体、ジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−9−(2’−ベンゾチアゾリル)キノリジノ[9,9a,1−gh]クマリンなどのクマリン誘導体、イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾールなどのアゾール誘導体およびその金属錯体およびN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンに代表される芳香族アミン誘導体、有機遷移金属錯体(例えばIr(ppy)3などの有機イリジウム錯体)などが挙げられる。
本発明において、電子輸送層とは、陰極から電子が注入され、さらに電子を輸送する層である。電子輸送層には、電子注入効率が高く、注入された電子を効率良く輸送することが望まれる。そのため電子輸送層は、電子親和力が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発生しにくい物質であることが要求される。特に膜厚を厚く積層する場合には、低分子量の化合物は結晶化するなどして膜質が劣化しやすいため、安定な膜質を保つ分子量400以上の化合物が好ましい。一方で、正孔と電子の輸送バランスを考えた場合に、電子輸送層が陽極からの正孔が再結合せずに陰極側へ流れるのを効率よく阻止できる役割を主に果たすならば、電子輸送能力がそれ程高くない材料で構成されていても、発光効率を向上させる効果は電子輸送能力が高い材料で構成されている場合と同等となる。したがって、本発明における電子輸送層には、正孔の移動を効率よく阻止できる正孔阻止層も同義のものとして含まれる。
一般式(1)で表されるピレン化合物は、ピレン骨格と炭化水素基のみから構成される化合物であるため、熱的、電気化学的、光化学的安定性に優れる。また、ピレン骨格の7位にアルキル基あるいはアリール基から選ばれる置換基が導入されていることにより、安定な膜質を得ることが可能となる。
本発明で用いられる電子輸送材料は、本発明の一般式(1)で表されるピレン化合物各一種のみに限る必要はなく、本発明の複数のピレン化合物を混合して用いたり、その他の電子輸送材料の一種類以上を本発明の効果を損なわない範囲で本発明のピレン化合物と混合して用いてもよい。混合しうる電子輸送材料としては、特に限定されないが、ナフタレン、アントラセン、ピレンなどの縮合アリール環を有する化合物やその誘導体、4,4’−ビス(ジフェニルエテニル)ビフェニルに代表されるスチリル系芳香環誘導体、スチリルアミンなどのアリールアミン誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、クマリン誘導体、ナフタルイミド誘導体、アントラキノンやジフェノキノンなどのキノン誘導体、リンオキサイド誘導体、カルバゾール誘導体およびインドール誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)などのキノリノール錯体やヒドロキシフェニルオキサゾール錯体などのヒドロキシアゾール錯体、アゾメチン錯体、トロポロン金属錯体およびフラボノール金属錯体が挙げられる。
次に、ドナー性化合物について説明する。本発明におけるドナー性化合物は電子注入障壁の改善により、陰極または電子注入層からの電子輸送層への電子注入を容易にし、さらに電子輸送層の電気伝導性を向上させる化合物である。すなわち本発明の発光素子は、一般式(1)で表されるピレン化合物に加えて、電子輸送能力を向上させるために電子輸送層にドナー性化合物をドーピングしたものであることがより好ましい。
本発明におけるドナー性化合物の好ましい例としては、アルカリ金属、アルカリ金属を含有する無機塩、アルカリ金属と有機物との錯体、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属を含有する無機塩またはアルカリ土類金属と有機物との錯体などが挙げられる。アルカリ金属、アルカリ土類金属の好ましい種類としては、低仕事関数で電子輸送能向上の効果が大きいリチウム、ナトリウム、セシウムといったアルカリ金属や、マグネシウム、カルシウムといったアルカリ土類金属が挙げられる。
また、真空中での蒸着が容易で取り扱いに優れることから、金属単体よりも無機塩、あるいは有機物との錯体の状態であることが好ましい。さらに、大気中での取扱を容易にし、添加濃度の制御のし易さの点で、有機物との錯体の状態にあることがより好ましい。無機塩の例としては、LiO、Li2O等の酸化物、窒化物、LiF、NaF、KF等のフッ化物、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、Rb2CO3、Cs2CO3等の炭酸塩などが挙げられる。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の好ましい例としては、原料が安価で合成が容易な点から、リチウムが挙げられる。また、有機物との錯体における有機物の好ましい例としては、キノリノール、ベンゾキノリノール、フラボノール、ヒドロキシイミダゾピリジン、ヒドロキシベンズアゾール、ヒドロキシトリアゾールなどが挙げられる。中でも、アルカリ金属と有機物との錯体が好ましく、リチウムと有機物との錯体がより好ましく、リチウムキノリノールが特に好ましい。
また、電子輸送層中のドナー性化合物のドーピング割合が適切であると、陰極または電子注入層からの電子輸送層への電子の注入割合が増加し、陰極と電子注入層間または電子注入層と電子輸送層間でのエネルギー障壁が軽減され低駆動電圧化する。好適なドーピング濃度は材料やドーピング領域の膜厚によっても異なるが、有機化合物とドナー性化合物のモル比100:1〜1:100の範囲が好ましく、10:1〜1:10がより好ましい。
電子輸送層にドナー性化合物をドーピングして電子輸送能を向上させる方法は、薄膜層の膜厚が厚い場合に特に効果を発揮するものである。電子輸送層および発光層の合計膜厚が50nm以上の場合に特に好ましく用いられる。例えば、発光効率を向上させるために干渉効果を利用する方法があるが、これは発光層から直接放射される光と、陰極で反射された光の位相を整合させて光の取り出し効率を向上させるものである。この最適条件は光の発光波長に応じて変化するが、電子輸送層および発光層の合計膜厚が50nm以上となり、赤色などの長波長発光の場合には100nm近くの厚膜になる場合がある。
ドーピングする電子輸送層の膜厚は、電子輸送層の一部分または全部のどちらでも構わないが、電子輸送層全体の膜厚が厚いほどドーピングする濃度も濃い方がよい。一部分にドーピングする場合、少なくとも電子輸送層/陰極界面にはドーピング領域を設けることが望ましく、陰極界面付近にドーピングするだけでも低電圧化の効果は得られる。一方、ドナー性化合物が発光層にドーピングされると発光効率を低下させる悪影響を及ぼす場合には、発光層/電子輸送層界面にノンドープ領域を設けることが望ましい。
また、一般式(1)で表されるピレン化合物はピレン骨格と炭化水素基のみから構成される化合物であるため、正孔に対して化学的安定性に優れる。したがって、ピレン化合物(1)は正孔阻止層としても好適に用いることができる。すなわち、電子輸送層と発光層との間にピレン化合物(1)を第2の電子輸送層(正孔阻止層)として挿入することで、正孔による電子輸送層の劣化を防ぐことができ、素子の耐久性が向上する。
発光素子を構成する上記各層の形成方法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、コーティング法など特に限定されないが、通常は、素子特性の点から抵抗加熱蒸着または電子ビーム蒸着が好ましい。
有機層の厚みは、発光物質の抵抗値にもよるので限定することはできないが、1〜1000nmであることが好ましい。発光層、電子輸送層、正孔輸送層の膜厚はそれぞれ、好ましくは1nm以上200nm以下であり、さらに好ましくは5nm以上100nm以下である。
本発明の発光素子は、電気エネルギーを光に変換できる機能を有する。ここで電気エネルギーとしては主に直流電流が使用されるが、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。電流値および電圧値は特に制限はないが、素子の消費電力や寿命を考慮すると、できるだけ低いエネルギーで最大の輝度が得られるよう選ばれるべきである。
本発明の発光素子は、例えば、マトリクスおよび/またはセグメント方式で表示するディスプレイとして好適に用いられる。
マトリクス方式とは、表示のための画素が格子状やモザイク状など二次元的に配置され、画素の集合で文字や画像を表示する。画素の形状やサイズは用途によって決まる。例えば、パソコン、モニター、テレビの画像および文字表示には、通常一辺が300μm以下の四角形の画素が用いられ、また、表示パネルのような大型ディスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用いることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を配列すればよいが、カラー表示の場合には、赤、緑、青の画素を並べて表示させる。この場合、典型的にはデルタタイプとストライプタイプがある。そして、このマトリクスの駆動方法は、線順次駆動方法やアクティブマトリクスのどちらでもよい。線順次駆動はその構造が簡単であるが、動作特性を考慮した場合、アクティブマトリクスの方が優れる場合があるので、これも用途によって使い分けることが必要である。
本発明におけるセグメント方式とは、予め決められた情報を表示するようにパターンを形成し、このパターンの配置によって決められた領域を発光させる方式である。例えば、デジタル時計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ機器や電磁調理器などの動作状態表示および自動車のパネル表示などが挙げられる。そして、前記マトリクス表示とセグメント表示は同じパネルの中に共存していてもよい。
本発明の発光素子は、各種機器等のバックライトとしても好ましく用いられる。バックライトは、主に自発光しない表示装置の視認性を向上させる目的に使用され、液晶表示装置、時計、オーディオ装置、自動車パネル、表示板および標識などに使用される。特に、液晶表示装置、中でも薄型化が検討されているパソコン用途のバックライトに本発明の発光素子は好ましく用いられ、従来のものより薄型で軽量なバックライトを提供できる。
以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、下記の各実施例にある化合物の番号は上記に記載した化合物の番号を指すものである。
実施例1
ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板(ジオマテック(株)製、11Ω/□、スパッタ品)を38×46mmに切断し、エッチングを行った。得られた基板を “セミコクリーン56”(商品名、フルウチ化学(株)製)で15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。この基板を素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−4Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、まず正孔注入材料として、1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリルを10nm、正孔輸送材料として、4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルを50nm蒸着した。次に、発光材料に、ホスト材料として化合物(H−1)を、ドーパント材料として化合物(D−1)をドープ濃度が5重量%になるようにして40nmの厚さに蒸着した。次に、化合物(E−1)とドナー性化合物(フッ化リチウム)を混合した層を、電子輸送層として蒸着速度比1:1(=0.05nm/s:0.05nm/s)で20nmの厚さに蒸着して積層した。
次に、フッ化リチウムを0.5nm蒸着した後、アルミニウムを1000nm蒸着して陰極とし、5×5mm角の素子を作製した。ここで言う膜厚は、水晶発振式膜厚モニター表示値である。この発光素子を10mA/cmで直流駆動したところ、駆動電圧5.2V、外部量子効率4.8%、輝度半減時間7000時間の耐久性に優れた青色発光素子が得られた。
Figure 0005561022
実施例2〜
ホスト材料、ドーパント材料、電子輸送層として表1に記載した材料を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。各実施例の結果は表1に示した。なお、表1中、(E−3)および(2E−1)は下記に示す化合物である。
Figure 0005561022
比較例1〜9
ホスト材料、ドーパント材料、電子輸送材料として表1に記載した材料を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。各比較例の結果は表1に示した。なお、表1中、(E−4)〜(E−6)は下記に示す化合物である。
Figure 0005561022
Figure 0005561022
実施例17
ホスト材料、ドーパント材料、電子輸送層として表2に記載した材料を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。各実施例の結果は表2に示した。なお、表2中、(H−2)〜(H−8)、(D−2)〜(D−10)は下記に示す化合物である。
Figure 0005561022
Figure 0005561022
比較例10〜15
ホスト材料、ドーパント材料、電子輸送材料として表2に記載した材料を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。各比較例の結果は表2に示した。
Figure 0005561022
実施例18
ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板(ジオマテック(株)製、11Ω/□、スパッタ品)を38×46mmに切断し、エッチングを行った。得られた基板を “セミコクリーン56”(商品名、フルウチ化学(株)製)で15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。この基板を素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−4Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、まず正孔注入材料として、1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリルを10nm、正孔輸送材料として、4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルを50nm蒸着した。次に、発光材料に、ホスト材料として化合物(H−1)を、ドーパント材料として化合物(D−1)をドープ濃度が5重量%になるようにして40nmの厚さに蒸着した。次に、化合物(E−1)とドナー性化合物(2E−1:リチウムキノリノール)を蒸着速度比1:1(=0.05nm/s:0.05nm/s)で混合した層を、電子輸送層として20nmの厚さに積層した。
次に、リチウムキノリノールを1nm蒸着した後、マグネシウムと銀の共蒸着膜を蒸着速度比がマグネシウム:銀=10:1(=0.5nm/s:0.05nm/s)で100nm蒸着して陰極とし、5×5mm角の素子を作製した。ここで言う膜厚は、水晶発振式膜厚モニター表示値である。この発光素子を10mA/cmで直流駆動したところ、駆動電圧3.9V、外部量子効率6.1%、輝度半減時間7200時間の耐久性に優れた青色発光素子が得られた。
実施例19
電子輸送層として表3に記載した材料を用いた以外は、実施例18と同様にして発光素子を作製した。各実施例の結果は表3に示した。
Figure 0005561022
実施例20
ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板(ジオマテック(株)製、11Ω/□、スパッタ品)を38×46mmに切断し、エッチングを行った。得られた基板を “セミコクリーン56”(商品名、フルウチ化学(株)製)で15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。この基板を素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−4Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、まず正孔注入材料として、1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリルを10nm、正孔輸送材料として、4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルを50nm蒸着した。次に、発光材料に、ホスト材料として化合物(H−1)を、ドーパント材料として化合物(D−1)をドープ濃度が5重量%になるようにして40nmの厚さに蒸着した。次に電子輸送層1として(E−1)を5nmの厚さに蒸着した後、化合物(E−7)とドナー性化合物(2E−1)を混合した層を、電子輸送層2として蒸着速度比1:1(=0.05nm/s:0.05nm/s)で15nmの厚さに蒸着して積層した。
次に、フッ化リチウムを0.5nm蒸着した後、アルミニウムを1000nm蒸着して陰極とし、5×5mm角の素子を作製した。ここで言う膜厚は、水晶発振式膜厚モニター表示値である。この発光素子を10mA/cmで直流駆動したところ、駆動電圧4.1V、外部量子効率5.8%、輝度半減時間4500時間の耐久性に優れた青色発光素子が得られた。
Figure 0005561022
実施例21
電子輸送層2として化合物(E−8)とドナー性化合物(2E−1)を混合した層を用いた以外は、実施例20と同様にして発光素子を作製した。結果は表4に示した。
Figure 0005561022
比較例16
電子輸送層1として化合物(E−4)を用いた以外は、実施例24と同様にして発光素子を作製した。結果は表4に示した。
比較例17
発光材料を蒸着した後、電子輸送層1を蒸着せずに直接電子輸送層2を積層した以外は実施例24と同様にして発光素子を作製した。結果は表4に示した。
Figure 0005561022

Claims (6)

  1. 陽極と陰極の間に少なくとも発光層および電子輸送層が存在し、電気エネルギーにより発光する発光素子であって、前記電子輸送層に下記一般式(1)で表されるピレン化合物を含有することを特徴とする発光素子。
    Figure 0005561022
    (R〜Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基からなる群より選ばれる。Xはアルキル基またはアリール基である。Ar、Arはそれぞれ異なり式(2)で表される基、式(3)で表される基またはフルオレニル基である。
    〜R 19 はそれぞれ独立に水素、炭化水素のみからなるアルキル基または炭化水素のみからなるアリール基であり、YおよびZはピレン骨格との連結に用いられる。ただし、式(2)においては、R 10 が炭化水素のみからなるアリール基であるか、R およびR 11 が炭化水素のみからなるアリール基である。)
  2. Xがtert−ブチル基であることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  3. 電子輸送層がさらにドナー性化合物を含む請求項1または2記載の発光素子。
  4. ドナー性化合物がアルカリ金属、アルカリ金属を含有する無機塩、アルカリ金属と有機物との錯体、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属を含有する無機塩またはアルカリ土類金属と有機物との錯体である請求項記載の発光素子。
  5. ドナー性化合物がアルカリ金属と有機物との錯体またはアルカリ土類金属と有機物との錯体である請求項5記載の発光素子。
  6. 陰極がマグネシウムと銀で構成される請求項1〜のいずれか記載の発光素子。
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