WO2010109777A1 - 電気接点材 - Google Patents

電気接点材 Download PDF

Info

Publication number
WO2010109777A1
WO2010109777A1 PCT/JP2010/001444 JP2010001444W WO2010109777A1 WO 2010109777 A1 WO2010109777 A1 WO 2010109777A1 JP 2010001444 W JP2010001444 W JP 2010001444W WO 2010109777 A1 WO2010109777 A1 WO 2010109777A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
electrical contact
contact material
graphite
test
silver
Prior art date
Application number
PCT/JP2010/001444
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
畠山隆志
上西昇
鈴木恭彦
胡間紀人
Original Assignee
株式会社アライドマテリアル
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社アライドマテリアル filed Critical 株式会社アライドマテリアル
Priority to CN201080013341.2A priority Critical patent/CN102362326B/zh
Priority to JP2010526084A priority patent/JP4579348B1/ja
Priority to EP10755584.9A priority patent/EP2413337A4/en
Publication of WO2010109777A1 publication Critical patent/WO2010109777A1/ja

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H1/00Contacts
    • H01H1/02Contacts characterised by the material thereof
    • H01H1/021Composite material
    • H01H1/023Composite material having a noble metal as the basic material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C1/00Making non-ferrous alloys
    • C22C1/04Making non-ferrous alloys by powder metallurgy
    • C22C1/05Mixtures of metal powder with non-metallic powder
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C1/00Making non-ferrous alloys
    • C22C1/10Alloys containing non-metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C5/00Alloys based on noble metals
    • C22C5/06Alloys based on silver
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H1/00Contacts
    • H01H1/02Contacts characterised by the material thereof
    • H01H1/021Composite material
    • H01H1/023Composite material having a noble metal as the basic material
    • H01H1/0233Composite material having a noble metal as the basic material and containing carbides
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H1/00Contacts
    • H01H1/02Contacts characterised by the material thereof
    • H01H1/021Composite material
    • H01H1/027Composite material containing carbon particles or fibres

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Contacts (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

 ブレーカ等の過負荷試験や短絡試験による遮断試験後において消耗率を低減させることが可能な電気接点材と、ブレーカ等の短絡試験による遮断試験後における溶着を防止することが可能な電気接点材を提供する。一つの局面に従った電気接点材(31)は、グラファイトを4質量%以上7質量%以下含み、残部が銀と不可避的不純物からなり、たわみが0.5mm以上、ビッカース硬度が55以上、酸素含有量が100ppm以下である。この電気接点材(31)は、炭化タングステンをさらに含むことが好ましい。炭化タングステンの平均粒径は40nm以上3μm以下、炭化タングステンの含有量は2質量%以上4質量%以下であることが好ましい。もう一つの局面に従った電気接点材(31)は、グラファイトを0.5質量%以上2質量%以下含み、残部が銀と不可避的不純物からなり、たわみが0.8mm以上、ビッカース硬度が40以上、酸素含有量が100ppm以下である。

Description

電気接点材
 この発明は、一般的には電気接点材に関し、特定的には銀-グラファイト(Ag-Gr)系の材料からなる遮断器(ブレーカ)等に用いられる電気接点材に関するものである。
 銀-グラファイト系の材料からなる電気接点材は、従来からよく知られている。
 たとえば、特開平8-239724号公報(以下、特許文献1という)には、炭素を0.05~7重量%含有する銀、銀合金または銀複合材料からなる電気接点のための材料が開示されている。この電気接点のための材料では、炭素が平均一次粒径150nm未満のカーボンブラックの形で銀、銀合金または銀複合材料の粉末に添加されており、この混合物が押し出しにより冷間静水圧圧縮されて焼結されている。
 特許第3138965号公報(以下、特許文献2という)には、銀、銀を含む合金、または、銀を含む複合マテリアルと、0.5~10重量%の炭素とからなる電気接点のための複合マテリアルが開示されている。この電気接点のための複合マテリアルでは、炭素繊維と組み合わされた炭素粉末が粉末状の金属組成物とともに粉末冶金処理されて、炭素繊維の平均長さが炭素粉末粒子の平均直径の2倍以上であるマテリアルに形成されている。
 特開2007-169701号公報(以下、特許文献3という)には、銀粉末を主成分とする複合粉末の成形焼結体である電気接点用材料が開示されている。この電気接点用材料は、銀粉末の内部に炭素微粉末が分散混入されており、銀粉末を主成分とする主材料と炭素微粉末とをメカニカルアロイングにより混合して混合粉末とする工程と、この複合粉末を成形して成形体とする工程と、この成形体を焼結する工程とによって製造される。
特開平8-239724号公報 特許第3138965号公報 特開2007-169701号公報
 銀-グラファイト系材料からなる電気接点材を用いてブレーカを構成すると、その電気接点材の導電性が高いので発熱し難く、発熱による弊害はほとんどない。しかしながら、銀-グラファイト系材料からなる電気接点材を用いたブレーカの短絡遮断試験では、電気接点材に加えられる熱的衝撃や機械的衝撃によって、試験後における電気接点材の消耗率が大きいという問題がある。
 そこで、この発明の目的は、ブレーカ等の過負荷試験や短絡試験による遮断試験後において消耗率を低減させることが可能な電気接点材を提供することである。
 また、この発明のもう一つの目的は、ブレーカ等の短絡試験による遮断試験後における溶着を防止することが可能な電気接点材を提供することである。
 本発明者らは、銀-グラファイト系材料からなる電気接点材を用いたブレーカの短絡遮断試験後において電気接点材の消耗率の原因について種々検討した。
 まず、定格電流値が100~3200A程度の大電流用ブレーカは遮断電流が大きいので、そのブレーカに組み込まれる電気接点材に相対的に大きな電流が流れる。そこで、この電気接点材には、導電性よりも耐熱性が高いことが要求される。この要求を満たすためには、銀―グラファイト系材料における銀の含有量が相対的に低く、グラファイトの含有量が相対的に高い電気接点材が大電流用ブレーカに用いられる。具体的には、大電流用ブレーカに用いられる電気接点材は、グラファイトを4質量%以上7質量%以下含み、残部が銀と不可避的不純物からなる。
 大電流用ブレーカの遮断試験においては、大きな遮断電流でオンからオフへの動作が行われる短絡試験後の接点消耗が重要となる。この短絡試験で電気接点材が消耗する原因は、遮断電流が大きい条件でオンからオフへと瞬時に動作が行われるので、1回の短絡遮断試験時に電気接点材に加えられる熱的エネルギーや機械的衝撃が大きいものと考えられていた。
 ところが、本発明者らが、大電流用ブレーカの短絡試験後に電気接点材が消耗する原因について鋭意研究を重ねた結果、少なくとも電気接点材の常温における硬度をある特定値以上に相対的に大きくし、さらに、たわみ量をある特定値以上に相対的に大きくし、酸素含有量を特定値以下に抑制して、大電流が流れることによって発熱した状態(高温下)で変形しないように電気接点材を構成することにより、短絡試験後の消耗量を低減できることを見出した。この知見に基づいて、本発明の一つの局面に従った電気接点材は、次のような特徴を備えている。
 この発明の一つの局面に従った電気接点材は、グラファイトを4質量%以上7質量%以下含み、残部が銀と不可避的不純物を含み、たわみが0.5mm以上、ビッカース硬度が55以上、酸素含有量が100ppm以下である。
 この発明の一つの局面に従った電気接点材において、抗折力は210MPa以上であることが好ましい。
 また、この発明の一つの局面に従った電気接点材において、グラファイトの平均粒径は40nm以上8μm以下であることが好ましい。
 さらに、短絡試験による遮断試験後における溶着を防止するためには、この発明の一つの局面に従った電気接点材は、炭化タングステンをさらに含むことが好ましい。
 この場合、炭化タングステンの平均粒径は40nm以上3μm以下、炭化タングステンの含有量は2質量%以上4質量%以下であることが好ましい。炭化タングステンの平均粒径は40nm以上150nm以下であることがさらに好ましい。
 次に、定格電流値が1~60A程度の小電流用ブレーカは遮断電流が小さいので、そのブレーカに組み込まれる電気接点材に相対的に小さな電流が流れる。そこで、この電気接点材には、耐熱性よりも導電性が高いことが要求される。この要求を満たすためには、銀―グラファイト系材料における銀の含有量が相対的に高く、グラファイトの含有量が相対的に低い電気接点材が小電流用ブレーカに用いられる。具体的には、小電流用ブレーカに用いられる電気接点材は、グラファイトを0.5質量%以上2質量%以下含み、残部が銀と不可避的不純物からなる。
 小電流用ブレーカの遮断試験においては、小さな遮断電流でオンからオフへの動作が多数回繰り返し行われる過負荷試験後の接点消耗が重要となる。しかしながら、小電流用ブレーカの遮断試験では、遮断電流が小さい条件でオンからオフへと瞬時に動作が行われるので、1回の過負荷試験時に電気接点材に加えられる機械的衝撃が小さく、機械的衝撃による電気接点材の損傷は少ないものと従来から考えられていた。
 ところが、本発明者らが、小電流用ブレーカの過負荷試験後に電気接点材が消耗する原因について鋭意研究を重ねた結果、少なくとも電気接点材のたわみ量をある特定値以上に相対的に大きくし、さらに、電気接点材の常温における硬度をある特定値以上に相対的に大きくし、酸素含有量を特定値以下に抑制して、多数回繰り返しの機械的衝撃に耐え得るように電気接点材を構成することにより、過負荷試験後の消耗量を低減できることを見出した。この知見に基づいて、本発明のもう一つの局面に従った電気接点材は、次のような特徴を備えている。
 この発明のもう一つの局面に従った電気接点材は、グラファイトを0.5質量%以上2質量%以下含み、残部が銀と不可避的不純物を含み、たわみが0.8mm以上、ビッカース硬度が40以上、酸素含有量が100ppm以下である。
 この発明のもう一つの局面に従った電気接点材において、抗折力は120MPa以上であることが好ましい。
 また、この発明のもう一つの局面に従った電気接点材において、グラファイトの平均粒径は40nm以上8μm以下であることが好ましい。
 以上のようにこの発明によれば、大電流用ブレーカに組み込まれる電気接点材では、短絡試験後において消耗率を低減させることができ、また、小電流用ブレーカに組み込まれる電気接点材では、過負荷試験後において消耗率を低減させることができる。また、大電流用ブレーカに組み込まれる電気接点材では、炭化タングステンをさらに含ませることにより、短絡試験による遮断試験後において溶着を防止することができる。
この発明の一つの実施の形態としての電気接点材が組み込まれたブレーカを構成する固定側接点部材と可動側接点部材の閉状態における配置関係を示す側面図である。 この発明の一つの実施の形態としての電気接点材が組み込まれたブレーカを構成する固定側接点部材と可動側接点部材の開状態における配置関係を示す側面図である。
 まず、この発明の一つの実施の形態としての電気接点材が組み込まれたブレーカの構成について説明する。
 図1と図2に示すように、ブレーカ10は、固定側接点部材30と、固定側接点部材30に接触することができるように、または、固定側接点部材30から離隔することができるように、繰り返して移動可能に配置された可動側接点部材20とを備えている。固定側接点部材30は電気接点材31と台金32との接合体からなる。可動側接点部材20は電気接点材21と台金22との接合体からなる。この発明の実施形態による電気接点材31はブレーカ10の固定側接点部材30の一部分に使用される。なお、図1と図2に示される電気接点材31は、本発明に従った「電気接点材」の一例である。
 固定側接点部材30においては、電気接点材31と台金32とが、台金32側に一体的に形成された接合部32aの上面を接合面として、ろう材4を介して互いに接合されている。可動側接点部材20においては、電気接点材21と台金22とが、台金22側に一体的に形成された接合部の上面を接合面として、ろう材4を介して互いに接合されている。
 このようにして、可動側接点部材20と固定側接点部材30が構成されているので、図1に示すように固定側接点部材30の電気接点材31に対して可動側接点部材20の電気接点材21が接触した状態(閉状態)から、ブレーカ10の許容電流値を超える電流が所定時間流れた場合に、内蔵された接点引き外し装置(図示せず)が作動することによって、図2に示すように可動側接点部材20の電気接点材21が固定側接点部材30の電気接点材31から矢印Q方向に瞬時に引き離された状態に移行して、電流を遮断するように構成されている。なお、図1と図2に示すように、固定側接点部材30のうち、電気接点材31が設けられていない台金32の端部側が、ブレーカ10の1次側(電源側)端子に接続されているとともに、可動側接点部材20のうち、電気接点材21が設けられていない台金22の端部は、ブレーカ10の2次側(負荷側)端子に接続されている。
 まず、この発明の一つの局面では、定格電流値が100~3200A程度の大電流用ブレーカ10に組み込まれる可動側の電気接点材21は銀-炭化タングステン(Ag-WC)系の材料からなり、固定側の電気接点材31は銀-グラファイト(Ag-Gr)系の材料からなり、グラファイトを4質量%以上7質量%以下含み、残部が銀と不可避的不純物を含み、たわみが0.5mm以上、ビッカース硬度が55以上、酸素含有量が100ppm以下である。
 このように少なくとも電気接点材31の常温における硬度をある特定値以上に相対的に大きくして、さらに、たわみ量をある特定値以上に相対的に大きくし、酸素含有量を特定値以下に抑制して、大電流が流れることによって発熱した状態(高温下)で変形しないように電気接点材31を構成することにより、短絡試験後の消耗量を低減することができる。
 銀-グラファイト(Ag-Gr)系の材料においてグラファイトの含有量が増加すると、材料中に微細に分散されたグラファイト粒子がピン留め効果をもたらすので、材料が強化される。これにより、材料の硬度と抗折力が高くなる。グラファイトの含有量が4質量%未満では、ピン留め効果を得ることができない。グラファイトの含有量が7質量%を超えると、ピン留め効果が過剰になるので、たわみ量が小さくなる。
 大電流用途の短絡試験では衝撃が大きいので、強度が相対的に大きな材料が要求されるが、過負荷試験におけるブレーカの繰り返し開閉(繰り返し衝撃)に耐えるためには、たわみ量が0.5mm以上である必要がある。たわみ量が0.5mm未満では、材料の靭性が低いので、上記の繰り返し衝撃によって、電気接点材31に亀裂が発生する。ただし、製造上困難という理由により、たわみ量は2mm以下であることが好ましい。ここで、「製造上困難」ということは、たわみ量をどれだけ大きくしようとしても2mmが製造上の限界という意味である。
 大電流用途の短絡試験では衝撃が大きいので、その衝撃に耐えるためにはビッカース硬度が55以上必要であり、ビッカース硬度が55未満では、接点負荷の大きな短絡試験において、材料の硬度不足により、接点形状を維持することができない。なお、過負荷試験においては、接点負荷が小さいので、接点形状はビッカース硬度による影響をほとんど受けない。ただし、硬度が大きすぎると接点どうしの接触抵抗が大きくなるという理由により、ビッカース硬度は150以下であることが好ましい。
 酸素含有量が100ppmを超えると、短絡試験時に生じる数千度の高熱により、材料中に存在する酸素が気体になるので、電気接点材31の基材の一部分を飛散させる。これにより、電気接点材31が消耗する割合が増大する。なお、過負荷試験においては、接点負荷が小さいので、電気接点材31が消耗する割合は酸素含有量による影響をほとんど受けない。ただし、製造上困難という理由により、酸素含有量は20ppm以上であることが好ましい。ここで、「製造上困難」ということは、酸素含有量をどれだけ小さくしようとしても20ppmが製造上の限界という意味である。
 この発明の一つの局面に従った電気接点材31において、大電流用途の短絡試験では衝撃が大きいので、その衝撃に耐えるためには抗折力は210MPa以上であることが好ましい。抗折力が210MPa未満では、接点負荷の大きな短絡試験において、材料の機械的強度不足により、電気接点材31が破壊する。なお、過負荷試験においては、接点負荷が小さいので、抗折力による影響をほとんど受けない。ただし、製造上困難という理由により、抗折力は300MPa以下であることが好ましい。ここで、「製造上困難」ということは、抗折力をどれだけ大きくしようとしても300MPaが製造上の限界という意味である。
 また、この発明の一つの局面に従った電気接点材31において、グラファイトの平均粒径は40nm以上8μm以下であることが好ましい。グラファイトの平均粒径が40nm未満では、グラファイト粒子が細かすぎるので、銀粒子間にグラファイト粒子が密に詰まってしまう。このため、銀粒子同士が接触する面積が極端に小さくなる。本来、銀は電気接点材31の強度を保持する役割を果たすものであるが、銀粒子同士の接触面が極端に小さい状態で圧力が加えられても、銀が強度を保持することができなくなるので、成形体を形成することが困難になる。その結果、電気接点材31を製造することが困難になる。また、グラファイトの平均粒径が8μmを超えると、電気接点材31の硬度や抗折力が低下する。
 さらに、短絡試験による遮断試験後における溶着を防止するためには、この発明の一つの局面に従った電気接点材31は、炭化タングステンをさらに含むことが好ましい。電気接点材31が炭化タングステン(WC)をさらに含むことにより、電気接点材31の硬度や抗折力をさらに高くすることができ、たとえば、ビッカース硬度を70以上、抗折力を230MPa以上にすることができる。これにより、短絡試験後の消耗量をより効果的に低減することができる。
 銀-グラファイト(Ag-Gr)系の材料において、グラファイト粒子は、たとえば、繊維状の形態で分散している。短絡試験において接点同士が接触すると、数千度の高熱が発生するので、銀が溶出しやすくなる。これにより、接点同士が溶着してしまう。そこで、炭化タングステンをさらに含む銀-グラファイト-炭化タングステン(Ag-Gr-WC)系の材料からなる電気接点材31を用いると、銀が電気接点材31の表面に浮き出るのを防止することができるので、短絡試験において接点同士が接触して高熱が発生しても、銀が溶出し難くなる。その結果、短絡試験による遮断試験後における溶着を防止することができる。
 この場合、炭化タングステンの平均粒径は40nm以上3μm以下、炭化タングステンの含有量は2質量%以上4質量%以下であることが好ましい。炭化タングステンの平均粒径が40nm未満では、炭化タングステンの粉末を作製することが困難である。炭化タングステンの平均粒径が3μmを超えると、電気接点材31の箇所によって強度のばらつきが生じる。強度の低い箇所がつながるようになると、短絡試験後に電気接点材31が選択的に消耗する。炭化タングステンの含有量が2質量%未満では、銀の溶出を抑制することができないので、耐溶着性能に劣るとともに、電気接点材31の硬度を高める効果が小さい。炭化タングステンの含有量が4質量%を超えると、電気接点材31の電気伝導率が悪くなるので、発熱しやすくなる。このため、電気接点材31が短絡するときの消耗量が多くなる。
 炭化タングステンの平均粒径は40nm以上150nm以下であることがさらに好ましい。炭化タングステンの平均粒径が40nm以上150nm以下である場合、炭化タングステン粒子を銀中に均一に分散させることができるので、銀の溶出をより効果的に抑制することができる。これにより、短絡試験による遮断試験後における溶着を防止することができる。すなわち、電気接点材31の耐溶着性能を高めることができる。炭化タングステンの平均粒径が150nmを超えると、電気接点材31の表面に炭化タングステン粒子が多く存在することになるので、発熱しやすくなる。このため、電気接点材31が短絡するときの消耗量が多くなる。
 炭化タングステンをさらに含む銀-グラファイト-炭化タングステン(Ag-Gr-WC)系の材料から電気接点材31を作製する場合、グラファイトの平均粒径は、1μm以上5μm以下であることがさらに好ましい。グラファイトの平均粒径が1μm以上5μm以下である場合、電気接点材中にグラファイトを均一に分散させることができるので、電気接点材を強化させることができる。これにより、電気接点材の硬度と抗折力を高めることができる。グラファイトの平均粒径が1μm未満では、細かいグラファイト粒子と炭化タングステン粒子が、原料粉末の混合後に、銀粒子間に密に詰まってしまう。このため、銀粒子同士が接触する面積が極端に小さくなる。本来、銀は電気接点材31の強度を保持する役割を果たすものであるが、銀粒子同士の接触面が極端に小さい状態で圧力が加えられても、銀が強度を保持することができなくなるので、成形体を形成することが困難になる。この場合、グラファイト粒子と同様に銀粒子同士の接触を阻害する微粒の炭化タングステン粒子が存在している分、グラファイト粒子のみを含む銀-グラファイト系の材料と比較して、グラファイト粒子の許容最小粒径が大きくなる。グラファイトの平均粒径が5μmを超えると、銀粒子と炭化タングステン粒子が接触するための潤滑剤となるグラファイト粒子の数が少なくなるため、原料粉末の混合時に、炭化タングステン粒子が均一に分散せずに凝集し、炭化タングステンが均一に分散した電気接点材料を形成することが困難になる。このため、炭化タングステンを添加することによる効果、すなわち、銀の溶出をより効果的に抑制することにより、短絡試験による遮断試験後における溶着を防止するという効果が得られなくなるおそれがある。
 次に、この発明のもう一つの局面では、定格電流値が1~60A程度の小電流用ブレーカ10に組み込まれる可動側の電気接点材21は銀-炭化タングステン(Ag-WC)系の材料からなり、固定側の電気接点材31は銀-グラファイト(Ag-Gr)系の材料からなり、グラファイトを0.5質量%以上2質量%以下含み、残部が銀と不可避的不純物からなり、たわみが0.8mm以上、ビッカース硬度が40以上、酸素含有量が100ppm以下である。
 このように少なくとも電気接点材31のたわみ量をある特定値以上に相対的に大きくして、さらに、電気接点材の常温における硬度をある特定値以上に相対的に大きくし、酸素含有量を特定値以下に抑制して、多数回繰り返しの機械的衝撃に耐え得るように電気接点材31を構成することにより、過負荷試験後の消耗量を低減することができる。
 銀-グラファイト(Ag-Gr)系の材料においてグラファイトの含有量が増加すると、材料中に微細に分散されたグラファイト粒子がピン留め効果をもたらすので、材料が強化される。これにより、材料の硬度と抗折力が高くなる。グラファイトの含有量が0.5質量%未満では、ピン留め効果を得ることができない。グラファイトの含有量が2質量%を超えると、ピン留め効果が過剰になるので、たわみ量が小さくなる。
 小電流用途の短絡試験では衝撃が大電流用途に比べて小さく、その衝撃に耐えるためには強度が相対的に小さな材料が要求されるので、過負荷試験におけるブレーカの繰り返し開閉(繰り返し荷重)に耐えるためには、たわみ量が0.8mm以上である必要がある。たわみ量が0.8mm未満では、材料の靭性が低いので、上記の繰り返し荷重によって、電気接点材31に亀裂が発生する。ただし、製造上困難という理由により、たわみ量は2.5mm以下であることが好ましい。ここで、「製造上困難」ということは、たわみ量をどれだけ大きくしようとしても2.5mmが製造上の限界という意味である。
 小電流用途の短絡試験では衝撃が大電流用途に比べて小さいので、その衝撃に耐えるためにはビッカース硬度が40以上必要であり、ビッカース硬度が40未満では、接点負荷の大きな短絡試験において、材料の硬度不足により、接点形状を維持することができない。なお、過負荷試験においては、接点負荷が小さいので、接点形状はビッカース硬度による影響をほとんど受けない。ただし、硬度が大きすぎると接点どうしの接触抵抗が大きくなるという理由により、ビッカース硬度は100以下であることが好ましい。
 酸素含有量が100ppmを超えると、短絡試験時に生じる数千度の高熱により、材料中に存在する酸素が気体になるので、電気接点材31の基材の一部分を飛散させる。これにより、電気接点材31が消耗する割合が増大する。なお、過負荷試験においては、接点負荷が小さいので、電気接点材31が消耗する割合は酸素含有量による影響をほとんど受けない。ただし、製造上困難という理由により、酸素含有量は30ppm以上であることが好ましい。ここで、「製造上困難」ということは、酸素含有量をどれだけ小さくしようとしても30ppmが製造上の限界という意味である。
 この発明のもう一つの局面に従った電気接点材31において、小電流用途の短絡試験では衝撃が大電流用途に比べて小さいので、その衝撃に耐えるためには抗折力は120MPa以上であることが好ましい。抗折力が120MPa未満では、接点負荷の大きな短絡試験において、材料の機械的強度不足により、電気接点材31が破壊する。なお、過負荷試験においては、接点負荷が小さいので、抗折力による影響をほとんど受けない。ただし、製造上困難という理由により、抗折力は280MPa以下であることが好ましい。ここで、「製造上困難」ということは、抗折力をどれだけ大きくしようとしても280MPaが製造上の限界という意味である。
 また、この発明のもう一つの局面に従った電気接点材31において、グラファイトの平均粒径は40nm以上8μm以下であることが好ましい。グラファイトの平均粒径が40nm未満では、グラファイト粒子が細かすぎるので、銀粒子間にグラファイト粒子が密に詰まってしまう。このため、銀粒子同士が接触する面積が極端に小さくなる。本来、銀は電気接点材31の強度を保持する役割を果たすものであるが、銀粒子同士の接触面が極端に小さい状態で圧力が加えられても、銀が強度を保持することができなくなるので、成形体を形成することが困難になる。その結果、電気接点材31を製造することが困難になる。また、グラファイトの平均粒径が8μmを超えると、電気接点材31の硬度や抗折力が低下する。
 なお、この発明の銀-グラファイト(Ag-Gr)系の材料からなる電気接点材31は次のようにして製造される。
 まず、所定の組成に従って銀粉末とグラファイト粉末とを、たとえば、80~150Paの真空中で、たとえば、30~60分間混合する。その後、混合粉末に、たとえば、250~350Mpaの圧力を加えることにより、圧縮成形体を形成する。この圧縮成形体を、たとえば、850~950℃の温度の、たとえば、水素ガス等の還元性ガス雰囲気中で、たとえば、1~2時間保持することにより、仮焼結する。この仮焼結体を、真密度が、たとえば、97%以上になるように、たとえば、1000~1200MPaの加圧下でコイニング加工する。コイニング加工された仮焼結体を、たとえば、750~850℃の温度の、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で、または、水素ガス等の還元性ガス雰囲気中で、あるいは、これらの混合ガス雰囲気中で、たとえば、1~2時間保持することにより、予備加熱した後、100~200GPaの押出圧力を加えることにより、所定の形状になるように押出加工する。
 また、炭化タングステンを含む本発明の銀-グラファイト-炭化タングステン(Ag-Gr-WC)系の材料からなる電気接点材31は次のようにして製造される。
 まず、所定の組成に従って銀粉末とグラファイト粉末と炭化タングステン粉末とを、たとえば、80~150Paの真空中で、たとえば、30~60分間混合する。その後、混合粉末に、たとえば、250~350Mpaの圧力を加えることにより、圧縮成形体を形成する。この圧縮成形体を、たとえば、850~950℃の温度の、たとえば、水素ガス等の還元性ガス雰囲気中で、たとえば、1~2時間保持することにより、仮焼結する。この仮焼結体を、真密度が、たとえば、97%以上になるように、たとえば、1000~1200MPaの加圧下でコイニング加工する。コイニング加工された仮焼結体を、たとえば、750~850℃の温度の、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で、または、水素ガス等の還元性ガス雰囲気中で、あるいは、これらの混合ガス雰囲気中で、たとえば、1~2時間保持することにより、予備加熱した後、100~200GPaの押出圧力を加えることにより、所定の形状になるように押出加工する。
 以上のように本発明の銀-グラファイト(Ag-Gr)系または銀-グラファイト-炭化タングステン(Ag-Gr-WC)系の材料から電気接点材31を製造するためには、押出加工法が採用される。押出加工法によって電気接点材31を製造すると、原材料粉末における旧粉末粒界が引きちぎられることにより、押出加工体では粉末冶金にて最も脆い粉末粒界が強化される。これにより、材料の抗折力やたわみを高くすることができる。また、押出加工法によって材料が緻密化されるので、材料の硬度を高くすることができる。これに対して、焼結法を採用すると、原材料粉末における旧粉末粒界が焼結体にそのまま残存するので、押出加工体に比べて機械的強度の低い焼結体が得られる。
 本発明の製造方法では、上述したように原材料粉末が真空中で混合される。原材料粉末としての銀粉末の比重はグラファイト粉末の比重に対して約4.8倍であるので、銀粉末とグラファイト粉末を大気中で均一に分散させて混合することが困難である。このため、大気中で混合させて得られた混合粉末を用いて製造された電気接点材31は、粒子の均一分散強化による効果を得ることができないので、硬度と抗折力が低下する。これに対して、真空中で混合させて得られた混合粉末を用いて製造された電気接点材31は、粒子の均一分散強化による効果を得ることができる。
 また、本発明の製造方法では、上述したように圧縮成形体が還元性ガス雰囲気中で仮焼結されるので、原材料粉末の表面に付着した酸素が除去される。その結果、得られた電気接点材31の過負荷試験や短絡試験による遮断試験後における消耗量を低減することができる。これに対して、圧縮成形体が不活性ガス雰囲気中で仮焼結されると、焼結時に混入する酸素は存在しないが、原材料粉末の表面に付着した酸素が除去されないので、電気接点材の遮断試験後における消耗量が増大する。
 さらに、本発明の製造方法では、上述したように仮焼結体をコイニング加工した後に押出加工するので、予備加熱時の材料の密度が98%以上になる。このため、予備加熱時に加熱炉内から材料に進入する酸素の量を少なくすることができる。これにより、たとえば、最終的に得られた電気接点材31において酸素含有量を20ppm以上100ppm以下に制御することができる。これに対して、仮焼結体をコイニング加工しない場合には、材料の密度が90%程度であるので、予備加熱時に加熱炉内から材料に進入する酸素の量が多くなる。このため、銀の酸化が進行するので、最終的に得られる電気接点材31における酸素含有量が増加する。
 以下、上述の実施形態の効果を確認するために行った実施例と比較例とによる比較実験について以下に説明する。
 [実施例A]
 本実施例では、上述の実施形態に対応する実施例として、以下の実施例A1~A9による固定側の電気接点材31を作製した。また、本発明の実施例と同様の方法で、グラファイトの含有量、たわみ、ビッカース硬度および酸素含有量が本発明の範囲外である比較例A1~A8による固定側の電気接点材31を作製した。さらに、従来例に対応する比較例として、以下の比較例A11~A16、A21~A26、A31~A36、A41~A46による固定側の電気接点材31を作製した。これらの電気接点材31の各々を組み込んで構成された定格電流値が100Aの大電流用ブレーカの各々を用いて過負荷試験と短絡試験による遮断試験を行った。なお、可動側の電気接点材21は、銀を50質量%含み、残部が炭化タングステンからなる材料を用いた。
 本発明の実施例と比較例において電気接点材31を作製するために用いられた(グラファイト(Gr)粉末の平均粒径、作製された電気接点材31におけるグラファイト(Gr)の含有量、電気接点材31のたわみ、抗折力、硬度、酸素含有量および密度を以下の表1に示す。また、過負荷試験後の電気接点材31の消耗率、短絡試験後の電気接点材31の消耗率についての評価結果も表1に示す。なお、表1において下線が付されている数値は、本発明の範囲外であることを示す。
 なお、電気接点材31のたわみ、抗折力、硬度、酸素含有量および密度の測定方法、大電流用ブレーカの過負荷試験と短絡試験による遮断試験の方法、これらの遮断試験後の消耗率の評価については後述する。
 (実施例A1~A9)(比較例A1~A8)
 実施例A1~A9と比較例A1~A8では、表1に示す含有量でグラファイト(Gr)を含む銀-グラファイト(Ag-Gr)系材料の電気接点材31を次のようにして作製した。
 表1に示す平均粒径のグラファイト(Gr)粉末と、平均粒径が3μmの銀(Ag)粉末とを、表1に示すグラファイト含有量になるようにボールミルを用いて真空中(100Pa)で30分間混合した。得られた混合粉末にプレスで圧力300MPaを加えることにより、厚みが300mm、外径が80mmの円盤状の圧縮成形体を形成した。この圧縮成形体を還元性ガス雰囲気である950℃の温度の水素ガス中で1時間保持することにより、仮焼結した。この仮焼結体を、真密度が97%以上になるように、1100MPaの加圧下でコイニング加工した。コイニング加工された仮焼結体を、不活性ガス雰囲気である800℃の温度の窒素ガス中で2時間保持することにより、予備加熱した後、押出圧力100GPaを加えることにより、断面が10mm角の棒状体になるように押出加工した。得られた棒状体を1mmの厚みに切断することにより、電気接点材31を作製した。なお、平均粒径が10nmのグラファイト粉末を用いて上記の方法で電気接点材を作製しようとしたが、製造することができなかった。
 (比較例A11~A16)
 比較例A11~A16では、仮焼結体をコイニング加工する工程を行わない点を除いては、上記の実施例A1~A9と同様の工程に従って、表1に示す含有量でグラファイト(Gr)を含む銀-グラファイト(Ag-Gr)系材料の電気接点材31を作製した。
 (比較例A21~A26)
 比較例A21~A26では、銀粉末とグラファイト粉末を大気中で混合した点を除いては、上記の実施例A1~A9と同様の工程に従って、表1に示す含有量でグラファイト(Gr)を含む銀-グラファイト(Ag-Gr)系材料の電気接点材31を作製した。
 (比較例A31~A36)
 比較例A31~A36では、圧縮成形体を保護ガス雰囲気である950℃の温度の窒素ガス中で1時間保持することにより仮焼結した点を除いては、上記の実施例A1~A9と同様の工程に従って、表1に示す含有量でグラファイト(Gr)を含む銀-グラファイト(Ag-Gr)系材料の電気接点材31を作製した。
 (比較例A41~A46)
 比較例A41~A46では、表1に示す含有量でグラファイト(Gr)を含む銀-グラファイト(Ag-Gr)系材料の電気接点材31を次のようにして作製した。
 表1に示す平均粒径のグラファイト(Gr)粉末と、平均粒径が3μmの銀(Ag)粉末とを、表1に示すグラファイト含有量になるように大気中で30分間、手作業で混合した。得られた混合粉末にプレスで圧力300MPaを加えることにより、平面形状が10mm角で厚みが1mmの板状の圧縮成形体を形成した。この圧縮成形体を900℃の温度の真空中で1時間保持することにより、仮焼結した。この仮焼結体を、真密度が97%以上になるように、500MPaの加圧下でコイニング加工した。このようにして、電気接点材31が得られた。
 (たわみ)
 作製された電気接点材のたわみ[mm]は、JIS H5501に準拠して測定した。
 (抗折力)
 作製された電気接点材と同じ素材から5mm×2mm×30mmの大きさの抗折試験用の試料を作製した。この試料を用いて、支点間距離15mm、ヘッド速度1mm/minの条件で抗折力[MPa]を測定した。
 (硬度)
 ビッカース硬度計を用いて、JIS Z 2244に準拠して、作製された電気接点材のビッカース硬度[HV]を測定した。
 (酸素含有量)
 作製された電気接点材に残留する酸素含有量の測定は、株式会社堀場製作所製の酸素分析機器(機種BMGA520)を用いて赤外線吸収法によって行った。
 (密度)
 作製された電気接点材の密度(相対密度)は、電気接点材の重量を電気接点材の体積(縦寸法×横寸法×厚み寸法の積で得られる算出値)で除することによって算出された密度を、各材質の理論密度で除することによって算出した。
 (大電流用ブレーカの遮断試験(過負荷試験))
 過負荷試験は、220Vの負荷電圧で600Aの遮断電流を設定した。試験方法としては、CO責務(負荷電圧220Vで600Aの遮断電流が流れる回路にブレーカをセットし、スイッチOFF状態で強制的にスイッチをON投入して瞬時に電流を遮断させる試験)を50回行った。そして、過負荷試験後の電気接点材31の消耗率を次の式によって算出した。表1には、消耗率の評価として、算出された消耗率が5%以下であるとき「◎」、10%以下であるとき「○」、10%を超えるとき「×」で示す。
 (電気接点材の消耗率)=[{(試験前の電気接点材の厚み)-(試験後の電気接点材の厚み)}/(試験前の電気接点材の厚み)]×100(%)・・・(式1)。
 (大電流用ブレーカの遮断試験(短絡試験))
 短絡試験は、220Vの負荷電圧で5000Aの遮断電流を設定した。試験方法としては、O責務(ブレーカのスイッチON状態で遮断電流を流し、電流を遮断させる試験)とCO責務(負荷電圧220Vで5000Aの遮断電流が流れる回路にブレーカをセットし、スイッチOFF状態で強制的にスイッチをON投入して瞬時に電流を遮断させる試験)を次の手順で行った。すなわち、この短絡試験では、動作責務として1回のO責務と3回のCO責務をこの順で行った。そして、短絡試験後の電気接点材31の消耗率を上記の(式1)によって算出した。表1には、消耗率の評価として、算出された消耗率が10%以下であるとき「◎」、40%以下であるとき「○」、40%を超えるとき「×」で示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1から、定格電流値が100Aの大電流用ブレーカでは、少なくとも電気接点材の常温におけるビッカース硬度を55以上に相対的に大きくし、さらに、たわみ量を0.5mm以上に相対的に大きくし、酸素含有量を100ppm以下に抑制して、大電流が流れることによって発熱した状態(高温下)で変形しないように電気接点材を構成することにより、過負荷試験後の消耗率だけでなく、短絡試験後の消耗量をも低減できたことがわかる。
 [実施例B]
 本実施例では、上述の実施形態に対応する実施例として、以下の実施例B1~B9による固定側の電気接点材31を作製した。また、本発明の実施例と同様の方法で、グラファイトの含有量、たわみ、ビッカース硬度および酸素含有量が本発明の範囲外である比較例B1~B8による固定側の電気接点材31を作製した。さらに、従来例に対応する比較例として、以下の比較例B11~B16、B21~B26、B31~B36、B41~B46による固定側の電気接点材31を作製した。これらの電気接点材31の各々を組み込んで構成された定格電流値が30Aの小電流用ブレーカの各々を用いて過負荷試験と短絡試験による遮断試験を行った。なお、可動側の電気接点材21は、銀を50質量%含み、残部が炭化タングステンからなる材料を用いた。
 本発明の実施例と比較例において電気接点材31を作製するために用いられた(グラファイト(Gr)粉末の平均粒径、作製された電気接点材31におけるグラファイト(Gr)の含有量、電気接点材31のたわみ、抗折力、硬度、酸素含有量および密度を以下の表2に示す。また、過負荷試験後の電気接点材31の消耗率、短絡試験後の電気接点材31の消耗率についての評価結果も表2に示す。なお、表2において下線が付されている数値は、本発明の範囲外であることを示す。
 なお、電気接点材31のたわみ、抗折力、硬度、酸素含有量および密度の測定方法については、上述の実施例Aと同様である。小電流用ブレーカの過負荷試験と短絡試験による遮断試験の方法、これらの遮断試験後の消耗率の評価については後述する。
 (実施例B1~B9)(比較例B1~B8)
 実施例B1~B9と比較例B1~B8では、表2に示す含有量でグラファイト(Gr)を含む銀-グラファイト(Ag-Gr)系材料の電気接点材31を次のようにして作製した。
 表2に示す平均粒径のグラファイト(Gr)粉末と、平均粒径が3μmの銀(Ag)粉末とを、表2に示すグラファイト含有量になるようにボールミルを用いて真空中(100Pa)で30分間混合した。得られた混合粉末にプレスで圧力300MPaを加えることにより、厚みが300mm、外径が80mmの円盤状の圧縮成形体を形成した。この圧縮成形体を還元性ガス雰囲気である950℃の温度の水素ガス中で1時間保持することにより、仮焼結した。この仮焼結体を、真密度が97%以上になるように、1100MPaの加圧下でコイニング加工した。コイニング加工された仮焼結体を、不活性ガス雰囲気である800℃の温度の窒素ガス中で2時間保持することにより、予備加熱した後、押出圧力100GPaを加えることにより、断面が10mm角の棒状体になるように押出加工した。得られた棒状体を1mmの厚みに切断することにより、電気接点材31を作製した。なお、平均粒径が10nmのグラファイト粉末を用いて上記の方法で電気接点材を作製しようとしたが、製造することができなかった。
 (比較例B11~B16)
 比較例B11~B16では、仮焼結体をコイニング加工する工程を行わない点を除いては、上記の実施例B1~B9と同様の工程に従って、表2に示す含有量でグラファイト(Gr)を含む銀-グラファイト(Ag-Gr)系材料の電気接点材31を作製した。
 (比較例B21~B26)
 比較例B21~B26では、銀粉末とグラファイト粉末を大気中で混合した点を除いては、上記の実施例B1~B9と同様の工程に従って、表2に示す含有量でグラファイト(Gr)を含む銀-グラファイト(Ag-Gr)系材料の電気接点材31を作製した。
 (比較例B31~B36)
 比較例B31~B36では、圧縮成形体を保護ガス雰囲気である950℃の温度の窒素ガス中で1時間保持することにより仮焼結した点を除いては、上記の実施例B1~B9と同様の工程に従って、表2に示す含有量でグラファイト(Gr)を含む銀-グラファイト(Ag-Gr)系材料の電気接点材31を作製した。
 (比較例B41~B46)
 比較例B41~B46では、表2に示す含有量でグラファイト(Gr)を含む銀-グラファイト(Ag-Gr)系材料の電気接点材31を次のようにして作製した。
 表2に示す平均粒径のグラファイト(Gr)粉末と、平均粒径が3μmの銀(Ag)粉末とを、表2に示すグラファイト含有量になるように大気中で30分間、手作業で混合した。得られた混合粉末にプレスで圧力300MPaを加えることにより、平面形状が10mm角で厚みが1mmの板状の圧縮成形体を形成した。この圧縮成形体を900℃の温度の真空中で1時間保持することにより、仮焼結した。この仮焼結体を、真密度が97%以上になるように、500MPaの加圧下でコイニング加工した。このようにして、電気接点材31が得られた。
 (小電流用ブレーカの遮断試験(過負荷試験))
 耐久試験は、220Vの負荷電圧で180Aの遮断電流を設定した。試験方法としては、CO責務(負荷電圧220Vで180Aの遮断電流が流れる回路にブレーカをセットし、スイッチOFF状態で強制的にスイッチをON投入して瞬時に電流を遮断させる試験)を50回行った。そして、過負荷試験後の電気接点材31の消耗率を上記の(式1)によって算出した。表2には、消耗率の評価として、算出された消耗率が5%以下であるとき「◎」、10%以下であるとき「○」、10%を超えるとき「×」で示す。
 (小電流用ブレーカの遮断試験(短絡試験))
 短絡試験は、220Vの負荷電圧で300Aの遮断電流を設定した。試験方法としては、O責務(ブレーカのスイッチON状態で遮断電流を流し、電流を遮断させる試験)とCO責務(負荷電圧220Vで300Aの遮断電流が流れる回路にブレーカをセットし、スイッチOFF状態で強制的にスイッチをON投入して瞬時に電流を遮断させる試験)を次の手順で行った。すなわち、この短絡試験では、動作責務として1回のO責務と3回のCO責務をこの順で行った。そして、短絡試験後の電気接点材31の消耗率を上記の(式1)によって算出した。表2には、消耗率の評価として、算出された消耗率が10%以下であるとき「◎」、40%以下であるとき「○」、40%を超えるとき「×」で示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2から、定格電流値が30Aの小電流用ブレーカでは、少なくとも電気接点材のたわみ量を0.8mm以上に相対的に大きくし、さらに、電気接点材の常温におけるビッカース硬度を40以上に相対的に大きくし、酸素含有量を100ppm以下に抑制して、多数回繰り返しの機械的衝撃に耐え得るように電気接点材を構成することにより、短絡試験後の消耗率だけでなく、過負荷試験後の消耗量をも低減できたことがわかる。
 [実施例C]
 本実施例では、上述の実施形態に対応する実施例として、以下の実施例C1~C20による固定側の電気接点材31を作製した。また、従来例に対応する比較例として、以下の比較例C107、C207、C307、C407による固定側の電気接点材31を作製した。これらの電気接点材31の各々を組み込んで構成された定格電流値が100Aの大電流用ブレーカの各々を用いて過負荷試験と短絡試験による遮断試験を行った。なお、可動側の電気接点材21は、銀を50質量%含み、残部が炭化タングステンからなる材料を用いた。
 本発明の実施例と比較例において電気接点材31を作製するために用いられたグラファイト(Gr)粉末の平均粒径、作製された電気接点材31におけるグラファイト(Gr)の含有量、炭化タングステン(WC)粉末の平均粒径、作製された電気接点材31における炭化タングステン(WC)の含有量、電気接点材31のたわみ、抗折力、硬度、酸素含有量および密度を以下の表3に示す。また、過負荷試験後の電気接点材31の消耗率、短絡試験後の電気接点材31の消耗率についての評価結果も表3に示す。なお、表3において下線が付されている数値は、本発明の範囲外であることを示す。
 なお、電気接点材31のたわみ、抗折力、硬度、酸素含有量および密度の測定方法については、上述の実施例Aと同様である。大電流用ブレーカの過負荷試験と短絡試験による遮断試験の方法、これらの遮断試験後の消耗率の評価についても、上述の実施例Aと同様である。
 (実施例C1~C20)
 実施例C1~C20では、表3に示す含有量でグラファイト(Gr)と炭化タングステン(WC)を含む銀-グラファイト-炭化タングステン(Ag-Gr-WC)系材料の電気接点材31を次のようにして作製した。
 表3に示す平均粒径のグラファイト(Gr)粉末および炭化タングステン(WC)粉末と、平均粒径が3μmの銀(Ag)粉末とを、表3に示すグラファイト含有量および炭化タングステン含有量になるようにボールミルを用いて真空中(100Pa)で30分間混合した。得られた混合粉末にプレスで圧力300MPaを加えることにより、厚みが300mm、外径が80mmの円盤状の圧縮成形体を形成した。この圧縮成形体を還元性ガス雰囲気である950℃の温度の水素ガス中で1時間保持することにより、仮焼結した。この仮焼結体を、真密度が97%以上になるように、1100MPaの加圧下でコイニング加工した。コイニング加工された仮焼結体を、不活性ガス雰囲気である800℃の温度の窒素ガス中で2時間保持することにより、予備加熱した後、押出圧力100GPaを加えることにより、断面が10mm角の棒状体になるように押出加工した。得られた棒状体を1mmの厚みに切断することにより、電気接点材31を作製した。
 (比較例C107)
 比較例C107では、仮焼結体をコイニング加工する工程を行わない点を除いては、上記の実施例C1~C20と同様の工程に従って、表3に示すように実施例C7と同じ平均粒径と含有量でグラファイト(Gr)と炭化タングステン(WC)を含む銀-グラファイト-炭化タングステン(Ag-Gr-WC)系材料の電気接点材31を作製した。
 (比較例C207)
 比較例C207では、銀粉末とグラファイト粉末と炭化タングステン粉末を大気中で混合した点を除いては、上記の実施例C1~C20と同様の工程に従って、表3に示すように実施例C7と同じ平均粒径と含有量でグラファイト(Gr)と炭化タングステン(WC)を含む銀-グラファイト-炭化タングステン(Ag-Gr-WC)系材料の電気接点材31を作製した。
 (比較例C307)
 比較例C307では、圧縮成形体を保護ガス雰囲気である950℃の温度の窒素ガス中で1時間保持することにより仮焼結した点を除いては、上記の実施例C1~C20と同様の工程に従って、表3に示すように実施例C7と同じ平均粒径と含有量でグラファイト(Gr)と炭化タングステン(WC)を含む銀-グラファイト-炭化タングステン(Ag-Gr-WC)系材料の電気接点材31を作製した。
 (比較例C407)
 比較例C407では、表3に示す含有量でグラファイト(Gr)と炭化タングステン(WC)を含む銀-グラファイト-炭化タングステン(Ag-Gr-WC)系材料の電気接点材31を次のようにして作製した。
 表3に示す平均粒径のグラファイト(Gr)粉末および炭化タングステン(WC)粉末と、平均粒径が3μmの銀(Ag)粉末とを、表3に示すグラファイト含有量になるように大気中で30分間、手作業で混合した。得られた混合粉末にプレスで圧力300MPaを加えることにより、平面形状が10mm角で厚みが1mmの板状の圧縮成形体を形成した。この圧縮成形体を900℃の温度の真空中で1時間保持することにより、仮焼結した。この仮焼結体を、真密度が97%以上になるように、500MPaの加圧下でコイニング加工した。このようにして、電気接点材31が得られた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 表3から、銀-グラファイト-炭化タングステン(Ag-Gr-WC)系材料の電気接点材31を用いた、定格電流値が100Aの大電流用ブレーカでも、少なくとも電気接点材の常温におけるビッカース硬度を55以上に相対的に大きくし、さらに、たわみ量を0.5mm以上に相対的に大きくし、酸素含有量を100ppm以下に抑制して、大電流が流れることによって発熱した状態(高温下)で変形しないように電気接点材を構成することにより、過負荷試験後の消耗率だけでなく、短絡試験後の消耗量をも低減できたことがわかる。
 [実施例D]
 本実施例では、上述の実施形態に対応する実施例として、以下の実施例D1~D9による固定側の電気接点材31を作製した。本発明の実施例と同様の方法で、炭化タングステン粉末の平均粒径と炭化タングステンの含有量が本発明の好ましい範囲外である比較例D1~D4による固定側の電気接点材31を作製した。これらの電気接点材31の各々を組み込んで構成された定格電流値が100Aの大電流用ブレーカの各々を用いて溶着試験を行った。なお、可動側の電気接点材21は、銀を50質量%含み、残部が炭化タングステンからなる材料を用いた。
 本発明の実施例と比較例において電気接点材31を作製するために用いられたグラファイト(Gr)粉末の平均粒径、作製された電気接点材31におけるグラファイト(Gr)の含有量、炭化タングステン(WC)粉末の平均粒径、作製された電気接点材31における炭化タングステン(WC)の含有量を以下の表4に示す。また、溶着試験についての評価結果も表4に示す。なお、表4において下線が付されている数値は、本発明の好ましい範囲外であることを示す。
 なお、電気接点材31のたわみ、抗折力、硬度、酸素含有量および密度の測定方法については、上述の実施例Aと同様である。大電流用ブレーカの溶着試験の方法、溶着試験の評価については後述する。
 (実施例D1~D9)(比較例D1~D4)
 実施例D1~D9と比較例D1~D4では、表4に示す含有量でグラファイト(Gr)と炭化タングステン(WC)を含む銀-グラファイト-炭化タングステン(Ag-Gr-WC)系材料の電気接点材31を次のようにして作製した。
 表4に示す平均粒径のグラファイト(Gr)粉末および炭化タングステン(WC)粉末と、平均粒径が3μmの銀(Ag)粉末とを、表4に示すグラファイト含有量および炭化タングステン含有量になるようにボールミルを用いて真空中(100Pa)で30分間混合した。得られた混合粉末にプレスで圧力300MPaを加えることにより、厚みが300mm、外径が80mmの円盤状の圧縮成形体を形成した。この圧縮成形体を還元性ガス雰囲気である950℃の温度の水素ガス中で1時間保持することにより、仮焼結した。この仮焼結体を、真密度が97%以上になるように、1100MPaの加圧下でコイニング加工した。コイニング加工された仮焼結体を、不活性ガス雰囲気である800℃の温度の窒素ガス中で2時間保持することにより、予備加熱した後、押出圧力100GPaを加えることにより、断面が10mm角の棒状体になるように押出加工した。得られた棒状体を1mmの厚みに切断することにより、電気接点材31を作製した。
 (大電流用ブレーカの溶着試験)
 溶着試験は、265Vの負荷電圧で5000Aの遮断電流を設定した。試験方法としては、O責務(ブレーカのスイッチON状態で遮断電流を流し、電流を遮断させる試験)とCO責務(負荷電圧265Vで5000Aの遮断電流が流れる回路にブレーカをセットし、スイッチOFF状態で強制的にスイッチをON投入して瞬時に電流を遮断させる試験)を次の手順で行った。すなわち、この溶着試験では、動作責務として1回のO責務と5回のCO責務をこの順で行った。そして、溶着試験中または溶着試験後の電気接点材31の溶着具合を評価した。表4には、溶着具合の評価として、接点が全く溶着しないとき「◎」、ブレーカのON/OFFで簡単に溶着が外れる場合(軽溶着)「○」、ブレーカのON/OFFで簡単に溶着が外れない場合(重溶着)「×」で示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表4から、定格電流値が100Aの大電流用ブレーカでは、炭化タングステンの平均粒径が40nm以上150nm以下、炭化タングステンの含有量が2質量%以上4質量%以下である銀-グラファイト-炭化タングステン系材料で電気接点材を構成することにより、短絡試験による遮断試験後における溶着を防止できたことがわかる。
 今回開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。
 たとえば、上記の実施形態と実施例では、ブレーカ10の固定側接点部材30に本発明の電気接点材31を適用した例について示したが、本発明はこの例に限定されるものではなく、ブレーカ10の可動側接点部材20または固定側接点部材30のいずれかに本発明の電気接点材を用いてもよい。
 また、上記の実施形態と実施例では、開閉器の一例としてのブレーカ10に本発明の電気接点材31を用いた例について示したが、本発明はこの例に限定されるものではなく、たとえば、電磁開閉器などのブレーカ以外の開閉器(スイッチ機器)に本発明の電気接点材を用いてもよい。
 この発明の電気接点材は、定格電流値が100~3200Aの大電流用ブレーカ、または、定格電流値が1~60Aの小電流用ブレーカに組み込まれて用いられる。
 10:ブレーカ、21,31:電気接点材。

Claims (9)

  1.  グラファイトを4質量%以上7質量%以下含み、残部が銀と不可避的不純物を含み、たわみが0.5mm以上、ビッカース硬度が55以上、酸素含有量が100ppm以下である、電気接点材。
  2.  抗折力が210MPa以上である、請求項1に記載の電気接点材。
  3.  グラファイトの平均粒径が40nm以上8μm以下である、請求項1に記載の電気接点材。
  4.  炭化タングステンをさらに含む、請求項1に記載の電気接点材。
  5.  炭化タングステンの平均粒径が40nm以上3μm以下、炭化タングステンの含有量が2質量%以上4質量%以下である、請求項4に記載の電気接点材。
  6.  炭化タングステンの平均粒径が40nm以上150nm以下である、請求項5に記載の電気接点材。
  7.  グラファイトを0.5質量%以上2質量%以下含み、残部が銀と不可避的不純物を含み、たわみが0.8mm以上、ビッカース硬度が40以上、酸素含有量が100ppm以下である、電気接点材。
  8.  抗折力が120MPa以上である、請求項7に記載の電気接点材。
  9.  グラファイトの平均粒径が40nm以上8μm以下である、請求項7に記載の電気接点材。
     
PCT/JP2010/001444 2009-03-24 2010-03-03 電気接点材 WO2010109777A1 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201080013341.2A CN102362326B (zh) 2009-03-24 2010-03-03 电触点材料
JP2010526084A JP4579348B1 (ja) 2009-03-24 2010-03-03 電気接点材
EP10755584.9A EP2413337A4 (en) 2009-03-24 2010-03-03 ELECTRICAL CONTACT MATERIAL

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009071526 2009-03-24
JP2009-071526 2009-03-24

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2010109777A1 true WO2010109777A1 (ja) 2010-09-30

Family

ID=42780477

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2010/001444 WO2010109777A1 (ja) 2009-03-24 2010-03-03 電気接点材

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP2413337A4 (ja)
JP (1) JP4579348B1 (ja)
CN (2) CN102362326B (ja)
WO (1) WO2010109777A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102356988B1 (ko) * 2021-07-08 2022-02-08 주식회사 유승 전자부품 측정 소자용 분산 경화형 은계 복합재료 및 분말야금법에 의한 그의 제조방법
RU223847U1 (ru) * 2023-04-19 2024-03-05 Акционерное Общество "Инновационный Научно-Технический Центр" (Ао "Интц") Электрический контакт композиционный электромагнитного реле

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2586883B1 (en) * 2010-06-22 2015-11-04 A.L.M.T. Corp. Electrical contact material
RU176664U1 (ru) * 2017-07-10 2018-01-25 Общество с ограниченной ответственностью "Информационные технологии" (ООО "ИнфоТех") Композитный электрический контакт
CN109243872A (zh) * 2018-09-21 2019-01-18 靖江市海源有色金属材料有限公司 一种银石墨基电触头及其制备方法
RU198536U1 (ru) * 2019-11-01 2020-07-15 Общество С Ограниченной Ответственностью "Инновационные Технологии На Железнодорожном Транспорте" (Ооо "Итжт") Контакт-деталь низковольтного электромагнитного реле
EP4328933A1 (en) * 2022-08-26 2024-02-28 TE Connectivity Solutions GmbH Coating on a surface to transmit electrical current

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52147768A (en) * 1976-06-03 1977-12-08 Sumitomo Electric Industries Electric contact material
JPH08239724A (ja) 1995-02-01 1996-09-17 Degussa Ag 電気接点のための材料
JPH11507174A (ja) * 1996-04-01 1999-06-22 スクウエアー ディー カンパニー サーキットブレーカにおいて使用される電気接点およびその製造方法
JP3138965B2 (ja) 1991-04-10 2001-02-26 ドドウコ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・ドクトル・オイゲン・デュルベヒテル 炭素をもつ銀で作られた電気接点のための素材
JP2005120427A (ja) * 2003-10-16 2005-05-12 Matsushita Electric Works Ltd 電気接点用材料及び電気接点
JP2007169701A (ja) 2005-12-21 2007-07-05 Mitsubishi Material Cmi Kk 電気接点用材料及びその製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4689196A (en) * 1985-06-24 1987-08-25 Gte Products Corporation Silver-tungsten carbide-graphite electrical contact
JPS637345A (ja) * 1986-06-27 1988-01-13 Sumitomo Electric Ind Ltd 電気接点材料及びその製造方法
KR100415260B1 (ko) * 2001-07-31 2004-01-16 (주)삼동 무산소 구리-은 합금의 제조방법
CN1166475C (zh) * 2002-07-02 2004-09-15 华东师范大学 用纳米技术制备银/石墨电触头材料的方法
CN1256450C (zh) * 2003-06-04 2006-05-17 中国科学院金属研究所 一种银基电接触头材料
CN100365747C (zh) * 2003-12-23 2008-01-30 哈尔滨东大电工有限责任公司 一种低压电器用的电触头材料
CN1713463A (zh) * 2004-06-21 2005-12-28 上海电器科学研究所(集团)有限公司 一种制造纤维状银石墨/银触头的加工方法
CN1658346A (zh) * 2005-03-10 2005-08-24 上海大学 一种银-碳化钨-碳电触头材料的制造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52147768A (en) * 1976-06-03 1977-12-08 Sumitomo Electric Industries Electric contact material
JP3138965B2 (ja) 1991-04-10 2001-02-26 ドドウコ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・ドクトル・オイゲン・デュルベヒテル 炭素をもつ銀で作られた電気接点のための素材
JPH08239724A (ja) 1995-02-01 1996-09-17 Degussa Ag 電気接点のための材料
JPH11507174A (ja) * 1996-04-01 1999-06-22 スクウエアー ディー カンパニー サーキットブレーカにおいて使用される電気接点およびその製造方法
JP2005120427A (ja) * 2003-10-16 2005-05-12 Matsushita Electric Works Ltd 電気接点用材料及び電気接点
JP2007169701A (ja) 2005-12-21 2007-07-05 Mitsubishi Material Cmi Kk 電気接点用材料及びその製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
See also references of EP2413337A4 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102356988B1 (ko) * 2021-07-08 2022-02-08 주식회사 유승 전자부품 측정 소자용 분산 경화형 은계 복합재료 및 분말야금법에 의한 그의 제조방법
RU223847U1 (ru) * 2023-04-19 2024-03-05 Акционерное Общество "Инновационный Научно-Технический Центр" (Ао "Интц") Электрический контакт композиционный электромагнитного реле
RU225625U1 (ru) * 2024-02-15 2024-04-26 Акционерное Общество "Инновационный Научно-Технический Центр" (Ао "Интц") Электрический контакт композиционный электромагнитного реле

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2010109777A1 (ja) 2012-09-27
EP2413337A4 (en) 2014-08-20
CN102362326A (zh) 2012-02-22
EP2413337A1 (en) 2012-02-01
CN103794385A (zh) 2014-05-14
JP4579348B1 (ja) 2010-11-10
CN103794385B (zh) 2016-03-30
CN102362326B (zh) 2015-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4579348B1 (ja) 電気接点材
WO2011162398A1 (ja) 真空遮断器用電極材料の製造方法、真空遮断器用電極材料及び真空遮断器用電極
JP4898977B2 (ja) 電気接点材
US20150069020A1 (en) Contact Materials for High Voltage Direct Current Systems
KR0170798B1 (ko) 은 기초의 전기 접점 재료
WO2014136617A1 (ja) 電気接点材およびブレーカ
US6432157B1 (en) Method for preparing Ag-ZnO electric contact material and electric contact material produced thereby
US20150060741A1 (en) Contact material
JPH0791608B2 (ja) 接点材料およびその製造方法
JP5134166B2 (ja) 電気接点材
JP4898978B2 (ja) 電気接点材
JP4129304B2 (ja) 真空遮断器用接点材料,その製造方法および真空遮断器
CN112779436A (zh) 一种AgNi电触头材料及其制备方法
JPS637345A (ja) 電気接点材料及びその製造方法
JPH10195556A (ja) 電気接点材料の製造方法
EP4318516A1 (en) Composite material for electrical contacts and method of producing same
JP2000319734A (ja) 粉末冶金により製造された複合材料およびその製造方法
JPH0813065A (ja) 電気接点用焼結材料及びその製造方法
JP2015165041A (ja) 電気接点材
CN114182126A (zh) 一种高性能银碳化钨石墨触头材料制备方法
JP2003183749A (ja) 真空遮断器用接点材料および真空遮断器
JPH11503559A (ja) 銀ベースの接点材料からなる成形品の製造方法
JPH08209268A (ja) Cu−Cr−Ni系複合材料及びその製造方法
CN114457253A (zh) 一种用于微动开关的银镍-氧化铋材料及其制造方法
Hu Powder Metallurgy Electrical Contact Materials

Legal Events

Date Code Title Description
WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 201080013341.2

Country of ref document: CN

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 2010526084

Country of ref document: JP

121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 10755584

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 6260/DELNP/2011

Country of ref document: IN

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 2010755584

Country of ref document: EP

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE