WO2010104005A1 - 薄膜トランジスタの製造方法、及び薄膜トランジスタ - Google Patents

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  • Au having low adhesion to the partition layer and an insulating material having relatively high adhesion to the partition layer are arranged side by side. For example, if patterning is performed under a condition that no partition layer remains on the gate insulating film in the channel portion, the partition layer is not formed on the source electrode and the drain electrode, or even if formed, the liquid repellency is not good. It will be enough. On the other hand, when an attempt is made to form a partition layer on the source electrode and the drain electrode with good adhesion, the partition layer material remains in the highly insulating gate insulating film. In this case, the semiconductor layer cannot be formed over the entire channel portion due to the partition wall material remaining in the channel portion.
  • the stability may be different.
  • the liquid repellency of the surface of the partition layer formed on the source electrode and the drain electrode made of Au may be lowered when left in the atmosphere. For this reason, ink flows over the source electrode and the drain electrode, and the organic semiconductor film may not be formed in a predetermined shape.
  • a SiO 2 film having a film thickness of 100 nm is formed by sputtering, and then PC403 (manufactured by JSR) is formed thereon and opened at a position corresponding to the contact hole H formed in the insulating film GI.
  • a resist having Subsequently, the SiO 2 film was etched using dry etching to form a gate insulating film GI having a contact hole H (FIG. 3E).
  • an ITO nano ink containing ITO nanoparticles was applied using an ink jet method to form a transparent pixel electrode E.
  • the pixel electrode connection electrode EC and the pixel electrode E were connected to complete the TFT array 1A (FIG. 3G).
  • FIGS. 4A to 4H are schematic views showing the manufacturing process of the bottom gate bottom contact type TFT array 1A in this embodiment. 4A to 4H, the left diagram is a schematic plan view, and the right diagram is a schematic diagram taken along the line AA ′ in the left diagram. For the sake of clarity, some of the components are not shown, and there are portions that are perspective views.
  • a phenol resin film was formed using a spin coating method, and then patterned using a photolithography method to form a gate insulating film GI (FIG. 4B).

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Abstract

 隔壁層(バンク)を適正に形成することができ、且つ、生産性の優れた薄膜トランジスタの製造方法、及び薄膜トランジスタを提供する。ソース電極とドレイン電極との間のチャネル部に半導体膜を備えた薄膜トランジスタの製造方法において、下地層の表面に、ソース電極とドレイン電極がそれぞれその表面に形成されるべき2つの下地電極層を形成する工程と、2つの下地電極層を含む下地層の表面に、2つの下地電極層のソース電極とドレイン電極が形成されるべき領域を囲むように隔壁層を形成する工程と、隔壁層によって囲まれた2つの下地電極層の表面に、メッキ法を用いてソース電極とドレイン電極とを形成する工程と、ソース電極とドレイン電極が形成された後、隔壁層によって囲まれた領域に、半導体材料が溶解又は分散された半導体溶液を塗布し、半導体膜を成膜する工程と、を有する。

Description

薄膜トランジスタの製造方法、及び薄膜トランジスタ
 本発明は、薄膜トランジスタの製造方法、及び薄膜トランジスタに関し、特に半導体溶液を塗布して半導体膜を形成する薄膜トランジスタの製造方法、及び薄膜トランジスタに関する。
 近年、基板上に薄膜トランジスタ(以下、TFTとも記す)を形成する技術が大幅に進歩し、特にアクティブマトリクス型の大画面表示装置の駆動素子への応用開発が進められている。現在実用化されているTFTは、半導体材料としてa-Siやpoly-SiといったSi系の無機材料を用いて製造されているが、このような無機材料を用いたTFTの製造においては、真空プロセスや高温プロセスを必要とし、製造コストに大きく影響を及ぼしている。
 そこで、このような問題に対応する為、近年、有機材料を用いたTFT(以下、有機TFTとも記す)が種々検討されている。有機材料は無機材料に比べ、材料の選択肢が広く、また、有機TFTの製造工程においては、前述の真空プロセスや高温プロセスに代えて、印刷や塗布といった生産性に優れたプロセスが用いられる為、製造コストを抑えることができる。さらに、有機TFTは、耐熱性の乏しい、例えばプラスティックフィルム等の可撓性を有する基板にも形成することができる可能性があり、曲面ディスプレイ等多方面への応用が期待されている。
 有機半導体材料の塗布方法としては、有機半導体材料を溶解又は分散した溶液(以下、インクとも記す)を基板に直接塗布するインクジェット法やディスペンサ法等の液滴塗布技術が知られている。これらの技術は、1.真空プロセスが不要、2.材料の浪費がない、3.直接パターニングできる為、フォトリソグラフィー法と比べてエッチング工程が不要、といった利点がある。
 このような有機TFTにおいて、優れた電気特性と高い信頼性を得る為には、有機半導体膜を適正な膜厚で所定の位置に精度良く形成する必要がある。しかしながら、有機半導体膜を前述のインクジェット法やディスペンサ法等を用いて形成する際、塗布されたインクが乾燥し固形化するまでに基板の表面状態(撥液性・親液性)や乾燥雰囲気等の影響により濡れ広がり、周縁の不要な領域まで到達する場合がある。この場合、パターニング不良や充分な膜厚が得られなくなり、有機TFTの良好な特性が得られないといった問題が発生する。このため、塗布されたインクが所望の領域から濡れ広がるのを防止することが望ましい。
 また、最近では半導体材料として無機材料やその前駆体を用い、液滴塗布技術により塗布することが検討されている。しかしながら、この場合も有機材料の場合と同様に、適正な膜厚で所定の位置に精度良く半導体膜を形成することは容易ではないといった問題があった。
 そこで、特許文献1は、有機半導体膜を用いた有機EL素子等の製造方法に適した薄膜形成技術として、液体材料の塗布領域の周縁にバンクを設け、インクジェット液滴の塗布領域外への流出を防止するようにした技術を開示している。
特許第3692524号公報
 しかしながら、特許文献1に開示された技術をTFTの製造方法に適用した場合には、バンクを形成する際に問題が生じる。すなわち、TFTの場合には、バンクが形成される基板上に、ソース電極及びドレイン電極の電極材料が存在しており、基板と電極材料との異なる材料上にバンクを形成する必要がある。一方、バンクの材料は、インクに対して撥液性を有する材料であることが望まれ、このような撥液性を有する材料は他の材料との密着性が乏しいという性質を有する。したがって、例えば、基板の上にはバンクが形成できても電極材料の上にはバンクを形成できないといった問題が発生する。このため、適正なバンクが形成されずに、インクが塗布領域外に濡れ広がるおそれがある。
 本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、隔壁層(バンク)を適正に形成することができ、且つ、生産性の優れた薄膜トランジスタの製造方法、及び薄膜トランジスタを提供することを目的とする。
 上記目的は、下記の1から11の何れか1項に記載の発明によって達成される。
 1.ソース電極とドレイン電極との間のチャネル部に半導体膜を備えた薄膜トランジスタの製造方法において、
 下地層の表面に、前記ソース電極と前記ドレイン電極がそれぞれその表面に形成されるべき2つの下地電極層を形成する工程と、
 前記2つの下地電極層を含む前記下地層の表面に、前記2つの下地電極層の前記ソース電極と前記ドレイン電極が形成されるべき領域を囲むように隔壁層を形成する工程と、
 前記隔壁層によって囲まれた前記2つの下地電極層の表面に、メッキ法を用いて前記ソース電極と前記ドレイン電極とを形成する工程と、
 前記ソース電極と前記ドレイン電極が形成された後、前記隔壁層によって囲まれた領域に、半導体材料が溶解又は分散された半導体溶液を塗布し、半導体膜を成膜する工程と、を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
 2.前記ソース電極および前記ドレイン電極の材料は、Auを含むことを特徴とする前記1に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
 3.前記2つの下地電極層の材料は、Niを含むことを特徴とする前記2に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
 4.前記半導体溶液は、有機半導体材料を溶解した溶液であることを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
 5.前記半導体溶液は、インクジェット法を用いて塗布することを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
 6.前記下地層の材料は、有機材料であることを特徴とする前記1から5の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
 7.前記ソース電極および前記ドレイン電極ならびに前記チャネル部が占める領域の平面形状は略円形であることを特徴とする前記1から6の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
 8.前記薄膜トランジスタは、トップゲートボトムコンタクト構造であり、
 前記下地層は、基板であることを特徴とする前記1から7の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
 9.前記薄膜トランジスタは、ボトムゲートボトムコンタクト構造であり、
 前記下地層は、ゲート電極を覆うゲート絶縁膜であることを特徴とする前記1から7の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
 10.前記半導体溶液は、外部から遮断された密閉環境で塗布されることを特徴とする前記1から9の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
 11.前記1から10の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法を用いて製造されたことを特徴とする薄膜トランジスタ。
 本発明によれば、隔壁層を適正に形成することができ、これにより、半導体膜を適正な膜厚で所定の位置に精度良く形成することがでる。また、半導体溶液の塗布によって半導体膜を形成するため生産性を高めることができる。
本発明の実施形態におけるTFTアレイの概略構成を示す平面模式図である。 本実施形態におけるTFTの概略構成を示す模式図である。 本実施形態におけるトップゲートボトムコンタクト型のTFTの製造工程を示す模式図である。 本実施形態におけるボトムゲートボトムコンタクト型のTFTの製造工程を示す模式図である。 本発明の実施形態における別のボトムゲートボトムコンタクト型のTFTの製造工程を示す模式図である。
 以下、図面に基づいて、本発明の実施形態におけるTFT、及びTFTの製造方法を説明する。尚、図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
 図1は、本実施形態におけるトップゲートボトムコンタクト型のTFTアレイ1Aの概略構成を示す平面模式図である。
 TFTアレイ1Aは、図1に示すように、TFT1を備えた画素Pxが2次元マトリクス状に配列されている。
 各画素Pxは、TFTを構成する半導体膜SF、ゲート電極G、ソース電極S及びドレイン電極Dと、ドレイン電極Dと接続された画素電極Eとを備える。下地電極層Sx及び下地電極層Dxについては後述する。
 TFTアレイ1Aは、行選択線HL(以下、ゲートバスGBとも記す)および列信号線VL(以下、ソースバスSBとも記す)を備える。行選択線HLおよび列信号線VLは、外部から入力される映像信号に基づきTFT1を駆動するための行ドライバ及び列ドライバ(図示せず)にそれぞれ接続される。1つの行選択線HLには該当する行の画素Pxのゲート電極Gが全て接続され、1つの列信号線VLには該当する列の画素Pxのソース電極Sが全て接続されている。
 ここで、TFTアレイ1Aを表示層を備えた表示装置に適用した場合の表示制御動作の流れを説明する。
 最初に、行ドライバにより行選択線HLを介して表示データを設定すべき行を1つだけ選択する。行の選択は、選択する行の行選択線HLを活性化(ON)し、その他の行選択線HLを不活性(OFF)にすることで行われる。次に、列ドライバから、列信号線VLを介して表示データを画素Pxに伝達する。ここで、行選択線HLを不活性化すると、画素Pxに伝達された信号は記憶され、画素Pxは記憶された信号に基づきドレイン電極Dを介して画素電極Eに電圧を印加し表示層を駆動する。この一連の動作を全ての行について行うことで、一画面分の表示駆動がなされる。
 次に、本実施形態において、発明者が着目した課題について、詳細に説明する。
 特に有機TFTの場合、ソース電極及びドレイン電極の材料としては、Au(金)が好適である。ソース電極から有機半導体膜を介してドレイン電極に電流が流れる際、ソース電極及びドレイン電極と有機半導体膜の界面では有機半導体膜のイオン化ポテンシャルとソース電極及びドレイン電極の仕事関数の差の障壁が存在する。この障壁が大きいと注入律速となり、有機半導体膜は、キャリアを流す能力があるにも拘らずキャリアがソース電極及びドレイン電極より注入されず、電流が流れなくなってしまう。その点、Auを材料としたソース電極及びドレイン電極は、仕事関数が大きく、有機半導体に適した材料である。
 しかしながら、Auは、他の材料との反応性の低い材料で、他の材料との密着力の低い材料である。一方、ソース電極とドレイン電極との間のチャネル部に有機半導体膜を形成する場合、その周囲を撥液性を有する隔壁層で囲み込むことが有効である。この隔壁層に用いられる材料もまた表面エネルギーの低い密着性の乏しい材料である。したがって、Auで形成されたソース電極及びドレイン電極の上に隔壁層を形成することは容易ではない。これに対して、チャネル部自体は、基板又はゲート絶縁膜が露出した部分であり、隔壁層に対し比較的密着性の高い絶縁材料であることが一般的である。したがって、隔壁層を形成すべき表面には、隔壁層に対し密着性の低いAuと、隔壁層に対し比較的密着性の高い絶縁材料が並んで配置されていることとなる。例えば、チャネル部のゲート絶縁膜の上に隔壁層が残らない条件でパターニングを行うと、ソース電極及びドレイン電極の上には隔壁層が形成されず、または、形成されても撥液性が不十分になってしまう。一方、ソース電極及びドレイン電極の上に密着良く隔壁層を形成しようとすると、密着性の高いゲート絶縁膜に隔壁層材料が残留する。この場合、チャネル部に残留した隔壁層材料により、チャネル部全体に半導体膜を形成することができなくなる。このため、半導体膜は、所定の形状よりも小さく、その膜厚も適正な膜厚よりも厚くなる。また、残存した隔壁層材料の影響により、Id-VgカーブのVthがシフトする等、有機TFTの特性に影響を及ぼすこととなる。
 さらに、ソース電極及びドレイン電極とゲート絶縁膜との上に、おおよそ同様に隔壁層を形成できたとしても、その安定性が異なる場合がある。例えば、Auからなるソース電極及びドレイン電極の上に形成された隔壁層の表面の撥液性は、大気中に放置された場合低下することがある。このため、ソース電極及びドレイン電極の上にインクが流れ込み、有機半導体膜は、所定の形状に形成されないおそれがある。また、インクの乾燥速度を制御するために、周辺環境をインクの溶媒の雰囲気にする場合があるが、Auからなるソース電極及びドレイン電極の上に形成された隔壁層の表面の撥液性は、ゲート絶縁膜の上に形成された隔壁層の表面の撥液性よりも低下し易い傾向がある。このため、同様に、ソース電極及びドレイン電極の上にインクが流れ込み、半導体膜は、所定の形状に形成されなくなる。
 本実施形態では、ソース電極S及びドレイン電極Dに対応する下地電極層Sx及び下地電極層Dxを採用して、上述したような課題の解決を図っている。
 次に、本実施形態におけるTFTアレイ1Aにおける各画素Pxの構成するTFT1の概略構成を図2を用いて説明する。図2(a)は、トップゲートボトムコンタクト型TFT1、図2(b)は、ボトムゲートボトムコンタクト型TFT1、図2(c)は、別のボトムゲートボトムコンタクト型TFT1の概略構成を示す模式図である。尚、図2(a)~図2(c)において、上図は、断面模式図、下図は、半導体膜SFが成膜される前工程まで完了した状態を示す平面模式図である。
 TFT1は、図2(a)~図2(c)に示すように、基板P、ゲート電極G、ゲート絶縁膜GI、下地電極層Sx、下地電極層Dx、ソース電極S、ドレイン電極D、半導体膜SF、保護膜PV、画素電極E、及び隔壁層BK等から構成される。
 基板Pの材料としては、ポリイミドやポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)等の有機材料、ガラス、絶縁コートされた導電性材料等を用いることができる。
 ゲート電極Gの形成方法としては、スパッタ法、蒸着等を用いてゲート電極材料を成膜した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングすることで形成することができる。また、マスク蒸着法やインクジェット法を用いて形成することもできる。ゲート電極Gの材料としては、Al、Au、Ag、Pt、Pd、Cu、Cr、Mo、In、Zn、Mg等の金属、ITO、ZnO等の酸化物導電材料、PEDOT/PSS等の導電性高分子を用いることができる。また、これらの材料を複数用いて積層してもよい。
 ゲート絶縁膜GIの成膜方法としては、スパッタ法、蒸着、CVD法、スピンコート法、インクジェット法等を用いることができる。ゲート絶縁膜GIの材料としては、SiO、SiN等の無機材料、PVA、PVP、ポリイミド樹脂、ノボラック樹脂等の有機材料を用いることができる。また、これらの材料を複数用いて積層してもよい。尚、ゲート絶縁膜GIの材料としては、真空プロセスを用いることなく、大気圧下で作製し、製造コストを抑えるために、塗布可能な材料が好ましく、低温で形成可能な有機材料がより好ましい。
 下地電極層Sx及び下地電極層Dxの材料としては、Au、Pt等の貴金属を除き、メッキ処理により表面にソース電極及びドレイン電極の材料(Auが好適である)の層が形成できる金属が好ましく、ソース電極S及びドレイン電極Dの材料よりも隔壁層BKの材料との密着性が高い材料とされる。特に、ソース電極及びドレイン電極の材料としてAuを用いる場合には、Auをメッキするのに適したNiが好ましく、Ni以外であれば、Cr、Cu、Ag、Pd等の金属を用いることもできる。下地電極層Sx及び下地電極層Dxの形成方法としては、インクジェット法、転写印刷等のダイレクトパターニングが好ましい。また、スパッタ、蒸着等を用いて下地電極材料を成膜した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングすることで形成することもできる。
 隔壁層BKの材料としては、半導体材料を溶解または分散させた溶媒に対して撥液性の高い材料であればよく、フッ素系撥液材やシリコーン系撥液材等によって撥液性を付与した高分子材料を用いることができ、特にパターン形成を容易にできる点で感光性を有するレジスト材料を用いることが好ましい。感光性レジスト材料としては、例えば、アクリル系、フェノール系、ポリイミド系、PVA系の樹脂が挙げられる。
 また、隔壁層BKの材料として、感光性を有しない高分子材料を用いることも可能であり、例えば、アクリル系、エポキシ系、ポリイミド系、フェノール系、アリル系、ウレタン系、シリコーン系樹脂を用いることができる。この場合には、高分子材料を印刷法にてパターン状に塗布した後、その表面に撥液処理を行うことで撥液層CFを形成することができる。撥液処理としては、例えば、SF、SF、C、CHFなどのフッ素を含有するガス雰囲気下におけるプラズマ処理等が挙げられる。この場合のプラズマ処理は、減圧下で実施しても、大気圧下で実施しても構わない。
 また、隔壁層BKの高分子材料に撥液性を付与する方法としては、上述のように高分子材料に撥液材を混合する代わりに、撥液性を有する置換基を持つ高分子材料を用いても構わない。撥液性を有する置換基としては、例えば、フルオロアルキル基など少なくとも一部がフッ素置換された置換基が挙げられる。
 また、隔壁層BKは、単分子層でも複数分子積層された膜でも、また、数μmまでの厚みを有していてもよい。隔壁層BKは、下地となる層(トップゲートボトムコンタクト型TFT1の場合は基板P、下地電極層Sx及び下地電極層Dx、ボトムゲートボトムコンタクト型TFT1の場合はゲート絶縁膜GI、下地電極層Sx及び下地電極層Dx)と密着性の高いものが好ましい。隔壁層BKが単分子層の場合には、分子の一端が下地層と密着性が高く、他端が撥液性を有するものを用いることができる。
 隔壁層BKの形成方法としては、例えば、スピンコート法等を用いて隔壁層材料を成膜した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングすることで形成することができる。また、PDMS版等を用いて隔壁層材料を転写することも可能である。この場合には、PDMS版等の剛性、転写時の圧力等を調整することにより隔壁層BKを形成することが可能となる。
 隔壁層BKの平面形状は、ソース電極Sとドレイン電極Dとの間のチャネル部を含みソース電極S及びドレイン電極Dを囲うものである。囲えていない部分があると、塗布されたインク液滴がその部分より漏れ出すことになり、隔壁層BKとして機能しなくなる。また、隔壁層BKの平面形状は、ソース電極S・ドレイン電極Dを囲うドーナツ形状でもよいが、図2(a)~図2(c)の下図に示すように、少なくともソース電極S及びドレイン電極Dに対応する領域に開口を有し、下地層の全面に形成されていてもよい。
 ソース電極S及びドレイン電極Dの材料としては、半導体材料へのキャリアの注入特性が優れた材料を用いるのが好ましく、上述した通り、特にAuが好ましい。また、p型有機半導体の場合には、Au以外にも、仕事関数の大きいITO、Pt等を用いることができる。ソース電極S及びドレイン電極Dの形成方法としは、電気メッキや無電界メッキを用いることができるが、独立したソース電極S及びドレイン電極Dを有するTFTアレイ1Aにおいては無電界メッキが好ましい。メッキ液としては、隔壁層BKへのダメージを与えないメッキ液を選択する必要はあるが、一般に用いられているメッキ液を用いることができる。
 半導体膜SFの材料としては、溶媒に溶解または分散させるものであれば、限定されるものではなく、多環芳香族化合物や共役系高分子等を用いることができる。また、他の高分子材料、オリゴマー、低分子材料でもよく、塗布後に分子が分子間相互作用により規則正しく配列し結晶となるものが特に好ましい。ペンタセン、ポルフィリン、フタロシアニン、オリゴチオフェン、オリゴフェニレン、ポリチオフェン、ポリフェニレン、及びこれら誘導体などを用いることができる。具体的には、ペンタセン、6,13-ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセン、テトラベンゾポルフィリン、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)等を用いることができる。また、半導体の前駆体を溶媒に溶解させたものでもよい。また、有機無機ハイブリッド材料、無機材料でも溶媒と同時に塗布し、溶媒を乾燥させることで半導体膜SFを形成するものであれば用いることができる。また、半導体材料の溶液の溶媒としては、有機溶媒を用いることができ、例えば、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、クロロホルム、トリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素類等から半導体材料に適した溶媒を選択することができる。
 半導体膜SFの形成方法としては、半導体材料を溶媒に溶解または分散させた溶液をチャネル部近傍に塗布できる方法であれば限定されるものではない。例えば、インクジェット法を用いることができる。隔壁層BKの開口には、トップゲートボトムコンタクト型TFT1の場合、ソース電極S及びドレイン電極Dと基板Pが、ボトムゲートボトムコンタクト型TFT1の場合、ソース電極S及びドレイン電極Dとゲート絶縁膜GIが露出している。この時、インクに対する撥液性の関係は、以下の条件式(1)を満足することが必要である。尚、接触角はインクの溶媒を用いて測るのが現実に則している。
   隔壁層BKの接触角>ソース電極Sの接触角、ドレイン電極Dの接触角、及び基板P又はゲート絶縁膜GIの接触角・・・・・(1)
 尚、隔壁層BKとソース電極S、ドレイン電極D、及び、基板P又はゲート絶縁膜GIとの接触角の差は、好ましくは10°以上、より好ましくは20°以上である。尚、隔壁層BKとソース電極S、ドレイン電極D、及び基板P又はゲート絶縁膜GIとの接触角の差が大きい場合には、全面に塗布することで塗布方法として、スピンコート法、ディップコート法、スリットコート法等の全面印刷を利用することができる。
 また、ソース電極S及びドレイン電極Dと、及び基板P又はゲート絶縁膜GIとの接触角の差は、小さい方が好ましい。この差が大きい場合には、インクの飽和度(濃度)を高めに設定し、着弾後、隔壁層BK内でインク液滴が広がった後に速やかに半導体膜SFが形成できるようにする、または、インクの吐出時の基板温度を高く設定し、着弾後、隔壁層BK内でインク液滴が広がった後に速やかに半導体膜SFが形成できるようにする。
 保護膜PV(図2(b)、図2(c))の形成方法としては、スパッタ法等を用いて保護膜材料を成膜した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングすることで形成することができる。また、インクジェット法を用いることもできる。保護膜PVの材料としては、SiO、SiN等の無機材料、PVA、PVP、ポリイミド樹脂、ノボラック樹脂等の有機材料を用いることができる。また、これらの材料を複数用いて積層してもよい。尚、保護膜PVの材料としては、真空プロセスを用いることなく、大気圧下で作製し、製造コストを抑えることができるように、塗布可能な材料が好ましく、低温で形成可能な有機材料がより好ましい。また、保護膜PVは、半導体材料の耐久性が高い場合には必要でないこともある。保護膜PVのパターンは、半導体膜SFが形成された基板の全面を覆い、コンタクトホールHに対応する領域にのみ開口を設けた形状としてもよいし(図2(b))、半導体膜SFの表面を含む周辺部とバスラインの交差部のみに設けてもよい。半導体膜SFの表面を含む周辺部のみに形成する場合には、隔壁層BKを再度利用して半導体膜SFの表面のみに形成することも可能である(図2(c))。また、バスラインの交差部に対応する保護膜PVは、隔壁層BKに十分な絶縁性を確保することで省くことも可能である。
 画素電極Eの形成方法としては、スパッタ法を用いて画素電極材料を成膜した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングすることで形成することができる。また、インクジェット法を用いて形成することもできる。画素電極Eの材料としては、TFTアレイ1Aの用途に合わせて選択することができる。透明電極材料としては、ITO、ZnO等を用いることができる。尚、本実施形態においては、画素電極Eは、最上層に形成する構成としたが、ソース電極S及びドレイン電極Dと同一面、ゲート電極Gと同一面に形成してもよい。この場合、材料を共通化することで工程数を減らし、生産性を高めることができる。
 このような構成のTFTアレイ1Aにおいて、本実施形態では、半導体膜SFを適正な膜厚で所定の位置に精度良く形成するために、隔壁層BKを、ソース電極S及びドレイン電極Dの表面に形成することなく、ソース電極S及びドレイン電極Dがそれぞれ形成される下地電極層Sx及び下地電極層Dxを含む下地層(トップゲートボトムコンタクト型TFT1の場合は基板P、ボトムゲートボトムコンタクト型TFT1の場合ゲート絶縁膜GI)の表面に形成する。この場合、隔壁層BKは、下地電極層Sx及び下地電極層Dxのソース電極S及びドレイン電極Dが形成されるべき領域を囲むように形成される。そして、ソース電極S及びドレイン電極Dは、メッキ法を用いて、隔壁層BKによって囲まれた下地電極層Sx及び下地電極層Dxの表面に形成される。
 すなわち、下地電極層Sx及び下地電極層Dxの表面には直接半導体膜SFが形成されないので、下地電極層Sx及び下地電極層Dxの材料としては、半導体膜SFとの電気的な適正を考慮することなく、隔壁層BKとの密着性に重きを置いて選択することができる。これにより、隔壁層BKの剥がれや耐性の低下を抑えることができ、隔壁層BKに求められる撥液性能を発揮させ、且つ、その性能を安定させることができるようになる。
 一方、ソース電極S及びドレイン電極Dの表面には隔壁層BKが形成されないので、ソース電極S及びドレイン電極Dの材料としては、隔壁層BKとの密着性を考慮することなく、半導体膜SFとの電気的な適性に重きを置いて選択することができる。これにより、ソース電極S及びドレイン電極Dの材料として、半導体膜SFに好適な材料を用いることができ、TFTの性能を高めることができる。
 以下、本実施形態における実施例を説明する。
(実施例1)
 トップゲートボトムコンタクト型のTFTアレイの製造方法の実施例1を図3を用いて説明する。図3(a)~図3(g)は、本実施例におけるトップゲートボトムコンタクト型のTFTアレイ1Aの製造工程を示す模式図である。尚、図3(a)~図3(g)において、左図は平面模式図、右図は、左図におけるA-A′断面模式図である。尚、わかりやすさのために、一部の構成要素については図示を省略しており、また透視図としている部分がある。
 本実施例は、50mm×50mm角の基板Pを用いて、60dpiで縦横に各20個の画素Pxを有し、各画素PxにTFT1を1個備えた電子ペーパー用のTFTアレイ1Aを製作したものである。
 最初に、基板Pとしてガラスを用い、その上に、下地電極層Sx、下地電極層Dx及びソースバスSBをリフトオフ法で形成するためのレジストを成膜した後、RFスパッタ法を用いてNi膜を厚み50nmで成膜した。続いて、NMPを主成分とする剥離液でレジストを剥離し、下地電極層Sx、下地電極層Dx及びソースバスSBを形成した(図3(a))。
 次に、隔壁層BKの材料として感光性バンク剤NPAR-502(日産化学社製:アクリル樹脂にフッ素系界面活性材を添加したもの)をスピンコート法を用いて塗布した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングし、厚み500nmの隔壁層BKを形成した(図3(b))。この時、隔壁層BKは、下地電極層Sx及び下地電極層Dxの表面のソース電極S及びドレイン電極Dが形成されるべき領域を囲むように形成し、開口部は半径50μmの円形とした。また、この時に合わせて、画素電極接続電極ECと画素電極Eとを接続する為のコンタクトホールを形成し、開口部は半径30μmの円形とした。隔壁層BKは、Ni膜(下地電極層Sx及び下地電極層Dx)とガラス(基板P)の2種類の材料の表面に形成されることになるが、共に密着性が高く、安定した隔壁層BKを形成することができた。
 次に、隔壁層BKに囲まれた下地電極層Sx及び下地電極層Dxの表面、及び下地電極層DxのコンタクトホールHに対応する領域に、無電界メッキを用いてAuをメッキし、ソース電極S、ドレイン電極D及び画素電極接続電極ECを形成した(図3(c))。メッキは、NiからAuへの置換メッキ、Auを用いた自己触媒メッキの2段階で行い、ピンホールの少ない緻密なAu電極を形成した。具体的には、置換Auメッキ液フラッシュゴールドNC(奥野製薬工業社製)に10分浸漬して置換Auメッキ層を形成した後、さらに自己触媒型無電解Auメッキ液セルフゴールドOTK-SD(奥野製薬工業社製)に10分浸漬して触媒型無電解Auメッキ層を形成した。
 次に、半導体膜SFの材料としてテトラベンゾポルフィリンの前駆体の溶液を、隔壁層BKに囲まれた領域にインクジェット法を用いて塗布し、半導体膜SFを形成した(図3(d))。インクジェット法での吐出には4plの液滴を用いた。また、半導体膜SFの形成は、N雰囲気下で行い、そのまま200℃で加熱し、結晶化させた。この時、半導体膜SFは、縦横に各20個配列された全てのTFT1において、隔壁層BKの内部に精度良く成膜することができた。
 次に、スパッタ法を用いてSiO膜を膜厚100nmで成膜し、その上に、PC403(JSR社製)を成膜し、絶縁膜GIに形成するコンタクトホールHに対応する位置に開口を有するレジストを形成した。続いて、ドライエッチングを用いてSiO膜をエッチングし、コンタクトホールHを有するゲート絶縁膜GIを形成した(図3(e))。
 次に、インクジェット法を用いて銀ナノインク(ハリマ化成社製)を塗布し、ゲート電極G及びゲートバスGBを形成した(図3(f))。
 最後に、インクジェット法を用いてITOナノ粒子を含むITOナノインクを塗布し、透明の画素電極Eを形成した。この時併せて、画素電極接続電極ECと画素電極Eを接続し、TFTアレイ1Aを完成させた(図3(g))。
 このようにして完成させたTFTアレイ1Aにおいて、隔壁層BKの基板P、下地電極層Sx及び下地電極層Dxとの密着性は非常に良好であり、また、半導体膜SFは、適正な膜厚で所定の位置に精度良く形成されていることが確認できた。
(実施例2-1)
 ボトムゲートボトムコンタクト型のTFTアレイの製造方法の実施例2-1を図4を用いて説明する。図4(a)~図4(h)は、本実施例におけるボトムゲートボトムコンタクト型のTFTアレイ1Aの製造工程を示す模式図である。尚、図4(a)~図4(h)において、左図は平面模式図、右図は、左図におけるA-A′断面模式図である。尚、わかりやすさのために、一部の構成要素については図示を省略しており、また透視図としている部分がある。
 本実施例は、50mm×50mm角の基板Pを用いて、60dpiで縦横に各20個の画素Pxを有し、各画素PxにTFT1を1個備えた電子ペーパー用のTFTアレイ1Aを製作したものである。
 最初に、基板Pとしてガラスを用い、その上に、スパッタ法を用いてCr膜を厚み50nmで成膜した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングしゲート電極G及びゲートバスGBを形成した(図4(a))。
 次に、スピンコート法を用い、フェノール樹脂を成膜した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングし、ゲート絶縁膜GIを形成した(図4(b))。
 次に、下地電極層Sx、下地電極層Dx及びソースバスSBをリフトオフ法で形成するためのレジストを成膜した後、RFスパッタ法を用いてNi膜を厚み50nmで成膜した。続いて、NMPを主成分とする剥離液でレジストを剥離し、下地電極層Sx、下地電極層Dx及びソースバスSBを形成した(図4(c))。
 次に、感光性バンク剤NPAR-502(日産化学社製)をスピンコートを用いて塗布した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングし、厚み500nmの隔壁層BKを形成した(図4(d))。この時、隔壁層BKは、下地電極層Sx及び下地電極層Dxの表面のソース電極S及びドレイン電極Dが形成されるべき領域を囲むように形成し、開口部は半径50μmの円形とした。この時に合わせて、画素電極接続電極ECと画素電極Eとを接続する為のコンタクトホールHを形成し、開口部は半径30μmの円形とした。隔壁層BKは、Ni膜(下地電極層Sx及び下地電極層Dx)とフェノール樹脂膜(ゲート絶縁膜GI)の2種類の材料の表面に形成されることになるが、共に密着性が高く、安定した隔壁層BKを形成することができた。
 次に、隔壁層BKに囲まれた下地電極層Sx及び下地電極層Dxの表面、及び下地電極層DxのコンタクトホールHに対応する領域に、無電界メッキを用いてAuをメッキし、ソース電極S、ドレイン電極D及び画素電極接続電極ECを形成した(図4(e))。メッキは、NiからAuへの置換メッキ、Auを用いた自己触媒メッキの2段階で行い、ピンホールの少ない緻密なAu電極を形成した。具体的には、置換Auメッキ液フラッシュゴールドNC(奥野製薬工業社製)に10分浸漬して置換Auメッキ層を形成した後、さらに自己触媒型無電解Auメッキ液セルフゴールドOTK-SD(奥野製薬工業社製)に10分浸漬して触媒型無電解Auメッキ層を形成した。
 次に、半導体膜SFの材料としてテトラベンゾポルフィリンの前駆体の溶液を、隔壁層BKに囲まれた領域にインクジェット法を用いて塗布し、半導体膜SFを形成した(図3(f))。インクジェット法での吐出には4plの液滴を用いた。また、半導体膜SFの形成は、N雰囲気下で行い、そのまま200℃で加熱し、結晶化させた。この時、半導体膜SFは、縦横に各20個配列された全てのTFT1において、隔壁層BKの内部に精度良く成膜することができた。
 次に、スパッタ法を用いてSiO膜を厚み100nmで成膜し、その上に、PC403(JSR社製)を成膜し、保護膜PVに形成するコンタクトホールHに対応する位置に開口を有するレジストを形成した。続いて、ドライエッチングを用いてSiO膜をエッチングし、コンタクトホールHを有するゲート保護膜PVを形成した(図4(g))。
 最後に、インクジェット法を用いてITOナノ粒子を含むITOナノインクを塗布し、透明の画素電極Eを形成した。この時に合わせて、画素電極接続電極ECと画素電極Eを接続し、TFTアレイ1Aを完成させた(図4(h))。
 このようにして完成させたTFTアレイ1Aにおいて、隔壁層BKのゲート絶縁膜GI、下地電極層Sx及び下地電極層Dxとの密着性は非常に良好であり、また、半導体膜SFは、適正な膜厚で所定の位置に精度良く形成されていることが確認できた。
(実施例2-2)
 ボトムゲートボトムコンタクト型のTFTアレイの製造方法の実施例2-2を図5を用いて説明する。図5(a)、図5(b)は、本実施例におけるrボトムゲートボトムコンタクト型のTFTアレイ1Aの製造工程の一部を示す模式図である。尚、わかりやすさのために、一部の構成要素については図示を省略しており、また透視図としている部分がある。
 本実施例2-2による製造方法は、実施例2-1の場合と略同様であり、保護膜の形状と形成方法のみ異なるものである。すなわち、半導体膜SFの形成までの工程(図4(a)~図4(f))は、実施例2-1の場合と同様であるので、その説明は省略し、保護膜PVの形成工程以降の工程について説明する。
 半導体膜SFが形成された基板(図4(f))に対し、ポリイミド系樹脂を主成分がNMPの溶媒に溶解させた溶液をインクジェット法を用いて、隔壁層BKに囲まれた領域に塗布し保護膜PVを形成した(図5(a))。この時、保護膜PVは、隔壁層BKにより半導体膜SFの表面にのみ形成された。
 次に、実施例2-1の場合と同様にして、透明の画素電極Eを形成した。この時に合わせて、画素電極接続電極ECと画素電極Eを接続し、TFTアレイ1Aを完成させた(図5(b))。
 このようにして完成させたTFTアレイ1Aにおいて、隔壁層BKのゲート絶縁膜GI、下地電極層Sx及び下地電極層Dxとの密着性は非常に良好であり、また、半導体膜SFは、適正な膜厚で所定の位置に精度良く形成されていることが確認できた。
 以上に説明したように、本実施形態においては、隔壁層BKを、ソース電極S及びドレイン電極Dの表面に形成することなく、下地電極層Sx及び下地電極層Dxのソース電極S及びドレイン電極Dが形成されるべき領域を囲むように形成するようにした。そして、ソース電極S及びドレイン電極Dは、隔壁層BKによって囲まれた下地電極層Sx及び下地電極層Dxの表面にメッキ法を用いて形成するようにした。
 このことにより、下地電極層Sx及び下地電極層Dxの材料としては、半導体膜SFとの電気的な適正を考慮することなく、隔壁層BKとの密着性に重きを置いて選択することができ、隔壁層BKの剥がれや耐性の低下を抑えることができる。
 一方、ソース電極S及びドレイン電極Dの材料としては、隔壁層BKとの密着性を考慮することなく、半導体膜SFとの電気的な適正に重きを置いて選択することができ、半導体膜SFに好適な材料(例えば、Au)を用いることが可能となり、TFT1の性能を高めることができる。
 また、ソース電極S及びドレイン電極Dをメッキ法を用いて形成する際には、隔壁層BKをマスクとしてメッキ処理を行うことができる。これにより、材料を浪費することなく必要な領域にのみメッキ処理を行うことができるので生産性を高めることができる。
 これらにより、半導体膜SFを適正な膜厚で所定の位置に精度良く形成することができ、且つ、TFTとしての性能、及び生産性を高めることができる。
 また、本実施形態におけるTFTアレイ1Aにおいて、ソース電極Sおよびドレイン電極Dならびにチャネル部が占める領域の形状は略円形とするようにした。これにより、インクジェット法によって隔壁層BKの内部に良好にインクを着弾させることが可能となり、隔壁層の材料のインクへの溶け込みによる特性の劣化を抑えることができる。また、隔壁層BKに囲まれた領域で、インクが均一に乾燥され、TFT1間の性能のバラツキを抑えることができる。
 また、本実施形態におけるTFTアレイ1Aにおいては、半導体膜を形成するためにインクを塗布する工程を、外部から遮断された密閉環境で行うことができる。
 塗布型の半導体材料は、一般に水分や酸素に弱いため、これらの少ない環境で塗布、乾燥され、そのまま保護膜PVが形成されるのが好ましい。したがって、半導体材料は、例えばグローブボックスのような完全に密閉された空間で塗布されることが最も好ましい。しかしながら、密閉された空間でインクの塗布を行うと、その空間が揮発したインクの溶媒の雰囲気になってしまう。この時、ソース電極S及びドレイン電極Dの上に直接隔壁層BKが形成されている構成の場合、ソース電極S及びドレイン電極Dの表面に形成された隔壁層BKと、その他の部材の表面に形成された隔壁層BKとでインク溶媒の雰囲気による影響度合い(撥液性の低下)が異なるという問題がある。
 本実施形態におけるTFTアレイ1Aの構成においては、隔壁層BKを、ソース電極S及びドレイン電極Dの表面に形成することなく、下地電極層Sx及び下地電極層Dxならびに基板P又はゲート絶縁膜GIの表面に形成するものであるため、隔壁層BKの密着性が高く、強固な撥液性薄膜が形成されるので、インク溶媒の雰囲気に係る問題が生じない。その結果として、インクを塗布する工程を外部の雰囲気から遮断された密閉環境で行うことができる。
 1A TFTアレイ(薄膜トランジスタアレイ)
 1 TFT(薄膜トランジスタ)
 BK 隔壁層
 D ドレイン電極
 E 画素電極
 EC 画素電極接続電極
 G ゲート電極
 GI ゲート絶縁膜
 H コンタクトホール
 HL(GB) 行選択線(ゲートバス)
 P 基板
 PV 保護膜
 Px 画素
 S ソース電極
 Sx、Dx 下地電極層
 SF 半導体膜
 VL(SB) 列選択線(ソースバス)

Claims (11)

  1.  ソース電極とドレイン電極との間のチャネル部に半導体膜を備えた薄膜トランジスタの製造方法において、
     下地層の表面に、前記ソース電極と前記ドレイン電極がそれぞれその表面に形成されるべき2つの下地電極層を形成する工程と、
     前記2つの下地電極層を含む前記下地層の表面に、前記2つの下地電極層の前記ソース電極と前記ドレイン電極が形成されるべき領域を囲むように隔壁層を形成する工程と、
     前記隔壁層によって囲まれた前記2つの下地電極層の表面に、メッキ法を用いて前記ソース電極と前記ドレイン電極とを形成する工程と、
     前記ソース電極と前記ドレイン電極が形成された後、前記隔壁層によって囲まれた領域に、半導体材料が溶解又は分散された半導体溶液を塗布し、半導体膜を成膜する工程と、を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  2.  前記ソース電極および前記ドレイン電極の材料は、Auを含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  3.  前記2つの下地電極層の材料は、Niを含むことを特徴とする請求項2に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  4.  前記半導体溶液は、有機半導体材料を溶解した溶液であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  5.  前記半導体溶液は、インクジェット法を用いて塗布することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  6.  前記下地層の材料は、有機材料であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  7.  前記ソース電極および前記ドレイン電極ならびに前記チャネル部が占める領域の平面形状は略円形であることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  8.  前記薄膜トランジスタは、トップゲートボトムコンタクト構造であり、
     前記下地層は、基板であることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  9.  前記薄膜トランジスタは、ボトムゲートボトムコンタクト構造であり、
     前記下地層は、ゲート電極を覆うゲート絶縁膜であることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  10.  前記半導体溶液は、外部から遮断された密閉環境で塗布されることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  11.  請求項1から10の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法を用いて製造されたことを特徴とする薄膜トランジスタ。
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