WO2010098229A1 - マッサージ・チェア - Google Patents

Abstract

　マッサージ・チェアは、本体フレーム、座部、背凭れを含む。本体フレームは、背凭れを支持する背凭れフレームと、座部を支持するベースフレームとを含む。ベースフレームは、六面体の辺に対応する位置に配置された、複数の構造部材を組み合わせて形成される。そして、背凭れフレームの一部が、ベースフレームの構造部材の一部を兼ねている。

Description

マッサージ・チェア

　本発明は一般に、マッサージ・チェア、より詳細には、背凭れの中に置かれたマッサージ・ヘッドで使用者の背中にマッサージを付与するように構成されるマッサージ・チェアに関するものである。

　２００４年９月３０日に公開された日本国特許出願公開番号Ｐ２００４－２６７６７４Ａは、マッサージ装置を開示する。このマッサージ装置は、使用者が着座する座部と背凭れ部とを備える。背凭れ部の中には、使用者の背中にマッサージを付与するマッサージ機構が配置されている。

　座部は、マッサージ装置の設置面上に載置される六面体状の基台（フレーム）の上部に、クッション部を配してなる。基台は、六面体の各辺に対応する位置に１２個の棒状の部材を配置してなる。より詳細には、基台は、マッサージ装置の設置面上に載置された前後方向へ長い平行な２つの接地部材と、各接地部材の上方に配置された前後方向へ長い平行な２つの棒状部材と、上下に並べられた接地部材と棒状部材のそれぞれの前端近傍部分間を連結する２つの連結部材と、接地部材の中間部分と棒状部材の後端部分とをそれぞれ連結する２つの連結部材と、棒状部材の後端部分間を連結する枢軸とを含む。

　背凭れ部の内部には、上記マッサージ機構を背凭れ部の高さ方向へ移動させるための長方形状の枠体が含まれる。より詳細には、枠体は背凭れ部の高さ方向へ長いガイドレールを含む。

　そして、背凭れ部の下端部が、上記枢軸によって座部の後部に枢支されている。具体的には、座部の棒状部材の後端部分間を連結する上記枢軸が、背凭れ部の下端部を左右方向に貫通している。

　上記のように通常のマッサージ・チェアでは、その構造を維持するための構造部材として、基台を構成する１２個の棒状の部材と、背凭れ部の形状を維持するための長方形状の枠体とが必要であった。

　本発明は、強度を維持しつつ、マッサージ・チェアの構造を維持するための構造部材を減らすことを目的とする。

　本発明のマッサージ・チェアは、座部（４）、背凭れ（５）、背凭れフレーム（２）、ベースフレーム（３）を含む。座部（４）は、使用者が座ることができるように構成される。背凭れ（５）は、上記使用者の背中を支持するように構成され、その中にマッサージ・ヘッドが置かれる。ベースフレーム（３）は、座部（４）を支持するように構成される。背凭れフレーム（２）は、背凭れ（５）を支持するように構成される。

　上記ベースフレーム（３）は、六面体の辺に対応する位置に配置された、複数の構造部材を組み合わせて形成される。そして、背凭れフレーム（２）の一部が、ベースフレーム（３）の構造部材の一部を兼ねている。

　一実施形態において、ベースフレーム（３）は平面視において閉じた枠形状に構成され、かつ背凭れフレーム（２）は閉じた枠形状に構成されている。

　一実施形態において、背凭れフレーム（２）は、その下端に左右方向に長い横軸部材（２３）を有する。そしてこの横軸部材（２３）は、ベースフレーム（３）の構造部材が構成する六面体において、前方側の一辺に対応する位置の構造部材を兼ねている。

　この場合、上記横軸部材（２３）が兼ねるベースフレーム（３）の構造部材は、ベースフレーム（３）の構造部材が構成する六面体において、前方下側の一辺に対応する位置の構造部材であってもよい。

　この場合、さらに、背凭れフレーム（２）の上記横軸部材（２３）が、ベースフレーム（３）の前端よりも後方に位置することが好ましい。

　本発明の好ましい実施形態をさらに詳細に記述する。本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な記述および添付図面に関連して一層良く理解されるものである。
図１Ａは、本発明の一実施形態による本体フレームの斜視図であり、図１Ｂは、本発明の一実施形態による背凭れフレームの斜視図であり、図１Ｃは、本発明の一実施形態によるベースフレームの斜視図である。 本発明の一実施形態によるマッサージ・チェアの斜視図である。 本発明の一実施形態によるマッサージ・チェアの背凭れの斜視図である。 図２のＡ－Ａ線に沿ったマッサージ・チェアの要部の断面図である。

　図１Ａ、図２は、本発明の一実施形態によるマッサージ・チェアを示す。このマッサージ・チェアは、本体フレーム１、座部４、背凭れ５、左ウイング６及び右ウイング７を含む。

　本体フレーム１は、図１Ａ、図１Ｂ、図１Ｃに示すように、背凭れフレーム２とベースフレーム３とから構成される。

　背凭れフレーム２は、図１Ｂに示すように、同じ長さであって平行に配置される２本の背支持部材２１と、背支持部材２１の上端同士を連結する上側の横軸部材２２と、背支持部材２１の下端同士を連結する下側の横軸部材２３とを含む。背凭れフレーム２は、左右２本の背支持部材２１と上下２本の横軸部材２２，２３とで、閉じた枠形状に構成されている。上記のように、背凭れフレーム２を枠形状に構成することで、一部の構造部材に応力が集中するのを防止することができ、背凭れフレーム２の強度を向上させることができる。

　各背支持部材２１は、それぞれの中間部において弯曲部を有し、弯曲部より下側の部位の方が、弯曲部より上側の部位よりも前方にせり出す構造となっている。また、背支持部材２１の弯曲部よりも下方には、保持部材２４が設けられている。下側の横軸部材２３の左右両端には、固定部２５が形成されている。

　ベースフレーム３は、図１Ｃに示すように、六面体の複数の辺に対応する位置に複数の構造部材を配置し、これら複数の構造部材を組み合わせて構成される。この構造部材は、２本の棒状の支持部材３１と、座部支持部３２と、２本の前側の脚部材３３と、２本の後側の脚部材３４と、２本の棒状の補強部材３５と、棒状の連結部材３６とを含む。

　前後方向に長い２本の支持部材３１は、互いに平行に配置される。座部支持部３２は平板状であって、後側面の左端部及び右端部には、それぞれ左側及び右側の支持部材３１の前端部が嵌め込まれる。

　座部支持部３２の左右の側面には、それぞれ前側の脚部材３３が取り付けられ、各支持部材３１の後端部には、それぞれ後側の脚部材３４が取り付けられる。

　２本の支持部材３１の下方には、前後方向へ長い補強部材３５がそれぞれ配置される。各補強部材３５は、それぞれ前側の脚部材３３と後側の脚部材３４とに固定される。各補強部材３５の後端部には、左右方向に長い連結部材３６が固定され、補強部材３５同士を繋いでいる。

　各補強部材３５には、前側の脚部材３３と後側の脚部材３４との間において前側の脚部材３３の近傍に、それぞれ固定部材３７が取り付けられている。

　ベースフレーム３は、図１Ｃに示すように、支持部材３１と前後の脚部材３３と補強部材３５とで、側面視において閉じた枠形状となっている。

　背凭れフレーム２は、上記保持部材２４と上記固定部２５とによって、ベースフレーム３に固定される。より詳細には、上記各保持部材２４は、ベースフレーム３の後側の脚部材３４の上端にそれぞれねじ止め固定される。また、上記各固定部２５は、ベースフレーム３の上記固定部材３７にそれぞれねじ止め固定される。このとき、背支持部材２１の弯曲部よりも下側の部位が、ベースフレーム３が構成する六面体の内部に入り込んだ状態となっている。

　ここで、上記ベースフレーム３には、２本の補強部材３５の前端部間を連結する連結部材１０が設けられていない。その代わりに、背凭れフレーム２の下側の横軸部材２３が、補強部材３５の前端近傍部の間を連結する構造となっている。つまり、背凭れフレーム２の下側の横軸部材２３が、ベースフレーム３の前側の連結部材１０の役割を兼ねる構成となっている。このような構成とすることで、構造部材である前側の連結部材１０を減らすことができ、本体フレーム１の強度を維持しつつ重量を削減することができる。

　背凭れフレーム２をベースフレーム３に取り付けた状態では、背凭れフレーム２の下側の横軸部材２３と、ベースフレーム３の左右２本の補強部材３５と、ベースフレーム３の連結部材３６とで、平面視において閉じた枠形状となっている。さらに、背凭れフレーム２の２本の背支持部材２１において保持部材２４よりも上側の部分と、背凭れフレーム２の上側の横軸部材２２と、ベースフレーム３の２本の支持部材３１と、ベースフレーム３の座部支持部３２とで、平面視において閉じた枠形状となっている。このように、ベースフレーム３を平面視において閉じた枠形状とし、また、背凭れフレーム２とベースフレーム３とで閉じた枠形を構成することで、一部の構造部材に応力が集中するのを防止することができ、本体フレーム１の強度を向上させることができる。

　また、背凭れフレーム２の下側の横軸部材２３は、ベースフレーム３の前端である座部支持部３２の前端よりも後方に位置する。従って、座部支持部３２の下側には広い空間（収納空間８）が形成される。よって、この収納空間８内に、比較的大きな物体を自由に配置することができるようになっている。

　背凭れ５は、図３に示すように平面視及び正面視において矩形状であって、その前面で使用者の背中を支持するよう構成される。背凭れ５は、左側及び右側の２つの垂直部材５１と、これらの間に介在する上水平部材５２及び下水平部材５３とを含み、背凭れフレーム２によって裏面側から支持される。各垂直部材５１は、それぞれの中間部において背凭れフレーム２の背支持部材２１と同様に弯曲部を有し、弯曲部より下側の部位の方が、弯曲部より上側の部位よりも前方にせり出す構造となっている。また、各垂直部材５１の前面下部にはそれぞれクッション部５４が固定される。

　背凭れ５は、その前面中央部に、各垂直部材５１に沿った開口５５を有する。この開口５５の内部には、使用者にマッサージを付与するマッサージ機構（図示せず）が配置される。マッサージ機構は従来周知のものが用いられ、一例において、使用者の背中にマッサージを付与するマッサージ・ヘッドと、背凭れ５の高さ方向に沿ってマッサージ・ヘッドを動かす昇降機構を含む。この昇降機構は、可動範囲（開口５５）の中を背凭れ５の高さ方向に沿ってマッサージ・ヘッドを昇降させ、またマッサージ・ヘッドを駆動するよう構成される。

　背凭れ５は、開口５５を塞ぐ開口カバー５６を含む。これにより、開口５５から背凭れ５の裏側へ異物が入るのを防ぐことができる。また、背凭れ５の上水平部材５２の上部には、使用者の頭を支持するための頭用クッション５７が置かれる。

　座部４は、座部支持部３２の上部に配置されたクッションから構成され、使用者が座ることができるようになっている。座部４の後端部は、図４に示すように、背凭れ５におけるクッション部５４の下端部に連続している。すなわち、座部４の上面と背凭れ５の前面とが連続した曲面状に構成されており、使用者は、座部４の上面または背凭れ５のクッション部５４に着座することができる。このような構成とすることで、使用者は着座位置を前後に自由にずらすことができ、使用者の体格によらず、使用者の肩から腰にかけての広い範囲にマッサージを付与することができる。そして、座部４の上面、背凭れ５の前面、頭用クッション５７の前面を覆うように、前面カバー９が配置される。なお、図２では前面カバー９の図示は省略している。

　左ウイング６は肘掛け部６１を含み、マッサージ・チェアの左側部を形成する。右ウイング７は肘掛け部７１を含み、マッサージ・チェアの右側部を形成する。

　座部支持部３２の下方に形成された収納空間８には、例えば、前後へ出し入れ可能であって不使用時には収納空間８内に収納される足用マッサージ装置８１が配置される。ここで、収納空間８内には連結部材１０が存在しない。従って、足用マッサージ装置８１を収納空間から出し入れするときに、連結部材３６が邪魔になることがない。これにより、足用マッサージ装置８１の出し入れの動作機構が複雑化するのを防止することができ、マッサージ装置全体としての重量を減らすことができる。

　本発明を幾つかの好ましい実施形態について記述したが、この発明の本来の精神および範囲、即ち請求の範囲を逸脱することなく、当業者によって様々な修正および変形が可能である。

Claims (5)

1. 　使用者が座ることができる座部と、
   　マッサージ・ヘッドが中に置かれ、前記使用者の背中を支持するように構成される背凭れと、
   　前記座部を支持するように構成されるベースフレームと、
   　前記背凭れを支持するように構成される背凭れフレームと
   　を備え、
   　前記ベースフレームは、六面体の辺に対応する位置に配置された、複数の構造部材を組み合わせて形成され、
   　前記背凭れフレームの一部が、前記ベースフレームの構造部材の一部を兼ねていることを特徴とする
   　マッサージ・チェア。
2. 　前記ベースフレームは、平面視において閉じた枠形状に構成され、
   　かつ前記背凭れフレームは、閉じた枠形状に構成されていることを特徴とする
   　請求項１記載のマッサージ・チェア。
3. 　前記背凭れフレームは、その下端に左右方向に長い横軸部材を有し、
   　この横軸部材は、前記ベースフレームの前記構造部材が構成する六面体において、前方側の一辺に対応する位置の構造部材を兼ねていることを特徴とする
   　請求項１または２記載のマッサージ・チェア。
4. 　前記横軸部材が兼ねる前記ベースフレームの構造部材は、この構造部材が構成する六面体において、前方下側の一辺に対応する位置の構造部材であることを特徴とする
   　請求項３記載のマッサージ・チェア。
5. 　前記背凭れフレームの前記横軸部材が、前記ベースフレームの前端よりも後方に位置することを特徴とする
   　請求項４記載のマッサージ・チェア。

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