WO2010061759A1 - 湿気硬化型ホットメルト接着剤 - Google Patents

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Abstract

 本発明の目的は、環境面、成分の相溶性、初期接着強度、湿気硬化後の耐熱性及びタックフリータイム等のバランスに優れる湿気硬化型ホットメルト接着剤及びそのホットメルト接着剤の製造方法を提供することである。イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーを含む湿気硬化型ホットメルト接着剤であって、(A)ウレタン変性ロジンを含み、イソシアネート化合物の残存率は5.0重量%以下であり、湿気硬化後の耐熱軟化温度は60℃以上である湿気硬化型ホットメルト接着剤は、上記バランスに優れる。(A)ウレタン変性ロジンは、イソシアネート化合物と、水酸基を有するロジン誘導体の反応で得ることができ、(A)ウレタン変性ロジン、ポリオール及びイソシアネート化合物を混合することで湿気硬化型ホットメルト接着剤を製造できる。係る接着剤は、建築材料、電子材料及び自動車分野等に特に有用である。

Description

湿気硬化型ホットメルト接着剤
 本発明は、耐熱性に優れ、タックフリータイムが短く、初期接着強度にも優れた湿気硬化型ホットメルト接着剤及びその製造方法に関する。
 建築内装材分野(又は建材分野)及び電子材料分野等の様々な分野で、湿気硬化型ホットメルト接着剤が利用されている。湿気硬化型ホットメルト接着剤は、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含む接着剤であって、一般に加熱溶融状態で被着体同士(又は基材と被着体)に塗工され、冷却固化することにより初期接着後、イソシアネート基が大気中の水分で架橋して、ウレタンプレポリマーが高分子量化する湿気硬化によって、接着力及び耐熱性等が向上する接着剤である。
 湿気硬化型ホットメルト接着剤に要求される性能の一つに、初期接着強度がある。初期接着強度を高くするために、湿気硬化型ホットメルト接着剤に粘着付与樹脂を配合して基材への初期の濡れ性を高めること、又は熱可塑性樹脂を配合して初期凝集力を向上させること等が行われる。
 しかし、粘着付与樹脂や熱可塑性樹脂は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の主成分であるウレタンプレポリマーとの相溶性が必ずしも十分ではない。
 特許文献1及び2は、接着剤成分の相溶性を向上させるために、水酸基を有する粘着付与樹脂(以下、「水酸基含有粘着付与樹脂」ともいう)を配合することを開示する。特許文献1は、水酸基を有するロジン誘導体、ポリオール、イソシアネート化合物を一度に反応させ、ウレタンプレポリマーから成る湿気硬化型ホットメルト接着剤を製造することを開示する。特許文献2は、ヒドロキシル価を有する反応性粘着付与樹脂が配合されたウレタンホットメルト接着剤を開示し、反応性粘着付与樹脂、ポリオール、イソシアネート化合物、エチレンビニル系化合物等の熱可塑性ポリマーを一度に反応させることを開示する。
 特許文献1及び2に開示されている水酸基含有粘着付与樹脂は、接着剤成分との相溶性を向上させ得るが、湿気硬化型ホットメルト接着剤が有する特性、例えば、初期接着強度や湿気硬化後の耐熱性も低下させることがある。そこで、湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気硬化後の耐熱性を向上させるために、イソシアネート化合物を過剰に添加することが考えられるが、接着剤中に揮発性を有するイソシアネート化合物が多く残存することになり、環境的に好ましくない。
 更に、水酸基含有粘着付与樹脂を配合すると、湿気硬化型ホットメルト接着剤のタックフリータイムが長くなり、固化性能が低下し得る。即ち、タックフリータイムが長くなった湿気硬化型ホットメルト接着剤を用いて、木材やプラスチック等の基材に被着体を貼り合わせて積層品を製造すると、積層品の養生に時間を要する。従って、得られた積層品を裁断する際、基材と被着体の貼り合わせた後、得られた積層体を裁断するまでの時間を短くすると、裁断の際に積層体の断面にバリが発生することもあれば、被着体が基材から剥がれることもある。これに対し、基材と被着体を貼り合わせた後、積層体を裁断するまでの時間をある程度長くすれば、このような問題は解決するが、積層品の生産効率が低下する。従って、積層品の生産効率を高くするために、湿気硬化型ホットメルト接着剤のタックフリータイムを短くすること、初期接着強度を高くすること、基材と被着体を貼り合わせた後、積層体を裁断するまでの時間を短縮することが必要であった。
 このように、近年では、環境面、成分の相溶性(接着剤の均一性又は接着剤の相分離を生じない)、初期接着強度、タックフリータイム及び湿気硬化後の耐熱性等のバランスに優れた湿気硬化型ホットメルト接着剤が望まれており、その開発が急務となっている。
特許第3317698号 特表2003-515637号公報
 本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、その課題は、環境面、成分の相溶性、初期接着強度及び湿気硬化後の耐熱性に優れ、タックフリータイムが短い湿気硬化型ホットメルト接着剤及びそのような湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造方法を提供することである。
 本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに、特定の粘着付与樹脂を用いると、イソシアネート化合物を過剰に添加することなく、初期接着強度が高く、湿気硬化後の耐熱性に優れ、かつ、タックフリータイムが短く、湿気硬化型ホットメルト接着剤が得られることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
 即ち、本発明は、一の要旨において、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーを含む湿気硬化型ホットメルト接着剤であって、
 (A)ウレタン変性ロジンを含み
 イソシアネート化合物の残存率は5.0重量%以下であり、
 湿気硬化後の耐熱軟化温度は60℃以上である
湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供する。
 本発明は、一の態様において、(A)ウレタン変性ロジンは、イソシアネート化合物と、水酸基を有するロジン誘導体の反応で得られる湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供する。
 本発明は、他の態様において、(A)ウレタン変性ロジン、ポリオール及びイソシアネート化合物を混合することで得られる湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供する。
 本発明は、好ましい態様において、上記ウレタンプレポリマーは、ポリオールとイソシアネート化合物の反応で得られる湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供する。
 本発明は、他の好ましい態様において、更に、(B)熱可塑性樹脂を含んで成る湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供する。
 本発明は、他の要旨において、
 (i)イソシアネート化合物と水酸基を有するロジン誘導体の反応で(A)ウレタン変性ロジンを得る工程、及び
 (ii)(A)ウレタン変性ロジン、ポリオール及びイソシアネート化合物を混合する工程
を有する湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造方法を提供する。
 本発明は、他の態様において、(ii)工程において、ポリオールとイソシアネート化合物を混合することで、ウレタンプレポリマーを得る工程を含む、湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造方法であって、
 イソシアネート化合物の残存率は5.0重量%以下であり、
 湿気硬化後の耐熱軟化温度は60℃以上である
湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造方法を提供する。
 本発明は、好ましい要旨において、上述の製造方法で製造される上述の湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供する。
 本明細書において「タックフリータイム」とは、溶融した湿気硬化型ホットメルト接着剤を塗工したときから、接着剤表面のベタツキがとれるまでにかかる時間をいう。
 「初期接着強度」とは、湿気硬化型ホットメルト接着剤を溶融して被着体に塗布した後、接着剤の温度が低下して接着剤が固化して固体になった時の接着強度をいう。初期接着強度は、濡れ性や凝集力に影響される。
 「濡れ性」とは、加熱して溶融した湿気硬化型ホットメルト接着剤を基材(固体)に接触させたとき、溶融した接着剤が基材と接触する端部が作る角度(α)の大きさで測ることができる。αが小さいほど濡れ性が大きく、接着し易い。
 「凝集力」とは、加熱溶融した湿気硬化型ホットメルト接着剤を、アプリケーターを用いて塗布した後、冷える過程で生じる、接着剤中の分子間に働く相互作用に起因する力をいう。
 「最終接着強度」とは、溶融した湿気硬化型ホットメルト接着剤が固化後、接着剤中のイソシアネート基と大気中の水分が反応して硬化した後の、即ち、湿気硬化後の接着強度をいう。
 本発明において、「(A)ウレタン変性ロジン」とは、イソシアネート化合物と水酸基を有するロジン誘導体を反応させて得られる変性ロジンをいう。「水酸基を有するロジン誘導体」とは、ロジンが水酸基を有するように変性された誘導体をいう。例えば、ロジンとジオールとの反応によって、ロジンのカルボキシル基とジオールの一つの水酸基とをエステル結合で結合することで、水酸基を有するロジン誘導体を得ることができる。
 「(A)ウレタン変性ロジン」は、ロジン誘導体の有する水酸基とイソシアネート化合物を反応させて得られ、水酸基はイソシアネート基と反応してウレタン結合を形成する。従って、(A)ウレタン変性ロジンは、実質的に水酸基を有さず、その結果、イソシアネート化合物との実質的な反応性を有さない。
 従って、本発明者等は、湿気硬化型ホットメルト接着剤を製造する際に、(A)ウレタン変性ロジンを、プレポリマーを形成するポリオールとイソシアネート化合物との混合物に加えたとしても、ポリオールとイソシアネート化合物との反応に実質的に影響を与えないので、イソシアネート化合物を過剰に加える必要はないと考えた。その結果、発明者等は、上述の本発明に係る「(A)ウレタン変性ロジン」を含む湿気硬化型ホットメルト接着剤は、湿気硬化後の耐熱性に優れ、タックフリータイムが短縮された湿気硬化型ホットメルト接着剤を得ることができることを見出して、本発明を完成したものである。
 本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤は、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーを含む湿気硬化型ホットメルト接着剤であって、
 (A)ウレタン変性ロジンを含み
 イソシアネート化合物の残存率は5.0重量%以下であり、
 湿気硬化後の耐熱軟化温度は60℃以上であるので、
環境面、相溶性、初期接着強度、タックフリータイム及び湿気硬化後の耐熱性等のバランスに優れる。
 本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤は、イソシアネート化合物を過剰に添加して製造する必要がないので、環境面に優れ、各成分の相溶性にも優れる。湿気硬化後の耐熱性に優れ、初期の濡れ性や凝集力が高くなるので初期接着強度に優れ、且つ、タックフリータイムが短い。
 本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤で、基材(木質材料やプラスチック)と、被着体(フィルム、化粧シート、プラスチック)とを貼り合わせて積層品を製造すると、基材と被着体を貼り合わせた後、積層品を裁断加工するまでの時間が多少短くとも、被着体が剥がれたり、加工面にバリが生じたりすることがない。
 従って、積層品の生産効率を考慮すると、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は極めて有効である。
 本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、(A)ウレタン変性ロジンは、イソシアネート化合物と、水酸基を有するロジン誘導体の反応で得られるので、イソシアネート化合物がポリオールと直接反応する。(A)ウレタン変性ロジンとイソシアネート化合物は実質的に反応しないので、イソシアネート化合物を過剰に配合することなく耐熱性に優れ、タックフリータイムが短い湿気硬化型ホットメルト接着剤が得られる。
 本発明では、上記ウレタンプレポリマーは、ポリオールとイソシアネート化合物との反応で得られるので、(A)ウレタン変性ロジンは、その反応に実質的に関与しない。従って、湿気硬化後の耐熱性を向上させるために、イソシアネート化合物を過剰に用いる必要がないので、イソシアネート化合物の残存率が低くなり、環境的により好ましくなる。
 本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤は、更に、(B)熱可塑性樹脂を含んで成るので、タックフリータイムがより短縮され、イソシアネート化合物の残存率が低くとも湿気硬化後の耐熱性により優れ、且つ、相溶性により優れる。
 本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造方法は、
 (i)イソシアネート化合物と水酸基を有するロジン誘導体の反応で(A)ウレタン変性ロジンを得る工程、
 (ii)(A)ウレタン変性ロジン、ポリオール及びイソシアネート化合物を混合する工程
を有する製造方法なので、
 (A)ウレタン変性ロジンは、ポリオールとイソシアネート化合物との反応に関与しないので、イソシアネート化合物を過剰に加えることなく、湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気硬化後の耐熱性を高めることができる。
 更に、本願製造方法は、イソシアネート化合物の残存率を低く維持できるので、環境面も優れる。さらに、得られた湿気硬化型ホットメルト接着剤は、タックフリータイムが短くなり、初期凝集力が高くなるので初期接着力にも優れる。
 本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造方法は、
 (ii)工程において、ポリオールとイソシアネート化合物を混合することで、ウレタンプレポリマーを得る工程を含む、湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造方法であって、
 湿気硬化型ホットメルト接着剤のイソシアネート化合物の残存率は5.0重量%以下であり、湿気硬化後の耐熱軟化温度は60℃以上としているので、
 イソシアネート化合物が(A)ウレタン変性ロジンと実質的に反応しないから、湿気硬化型ホットメルト接着剤中のイソシアネート化合物の残存率がより低いにも関わらず、湿気硬化後の耐熱性が高い湿気硬化型ホットメルト接着剤を製造することができる。
 本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤は、「イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー」を含んで成る。
 本発明に係る「イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー」とは、目的とする湿気硬化型ホットメルト接着剤を得ることができる限り、特に制限されるものではない。このようなウレタンプレポリマーは、ポリオールとイソシアネート化合物とを従来既知の方法にしたがって反応させることで得られる。尚、本明細書では、「イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー」を、単に「ウレタンプレポリマー」とも記載する。
 本明細書において「ポリオール」とは、目的とするウレタンプレポリマーを得ることができれば、特に制限されるものではなく、「ポリオール」として、通常のポリウレタン製造に使用される公知のポリオールを用いることができる。ポリオールとして、官能基数が1~3個のものが好ましく、特に、二官能性ポリオール、いわゆるジオールが好ましい。ポリオールは、単独で又は組み合わせて用いることができる。
 そのような「ポリオール」として、例えば、エーテル系、エステル系、ポリカーボネート系、ポリジエン系等に分類されるポリオールを使用することができる。エーテル系ポリオールとして、例えば、ポリオキシテトラメチレンポリオール(PTMG)、ポリオキシプロピレンポリオール(PPG)及び、ポリオキシエチレンポリオール(PEG)等を例示できる。エステル系ポリオールとして、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンイソフタレート、ポリアルキレンフタレート及びポリカプロラクトンポリオール(PCL)等を例示できる。また、これらの共重合体、例えばPTMGとカプロラクトンのブロック共重合体、ポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールの共重合体等も使用できる。これらの共重合体は、例えばPTMGにε-カプロラクトンを開環共重合させる方法、ポリエステルポリオールにテトラヒドロフランやエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを開環共重合させる方法等により合成することができる。また、置換されたまたは無置換のポリアルキレンエーテルグリコール,ポリヒドロキシポリアルキレンエーテル等のポリヒドロキシジエーテル、ポリヒドロキシポリエステル、ポリオールのエチレンオキサイド付加物およびグリコールのモノ置換エステル等を例示できる。
 また、上記「イソシアネート化合物」とは、目的とするウレタンプレポリマーを得ることができれば、特に制限されるものではなく、「イソシアネート化合物」として、通常のポリウレタン製造に使用される公知のイソシアネート化合物を用いることができる。イソシアネート化合物として、一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均1~3個のものが好ましく、特に、二官能性イソシアネート化合物、いわゆるジイソシアネート化合物が好ましい。イソシアネート化合物は、単独で又は組み合わせて用いることができる。
 上記「イソシアネート化合物」として、例えば、エチレンジイソシアネート、エチリデン-ジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレン-ジイソシアネート、ヘキサメチレン-ジイソシアネート、トルエン-ジイソシアネート、シクロペンチレン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,4-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′-ジフェニルプロパン-4,4′-ジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,4-ナフチレンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、ジフェニル-4,4′-ジイソシアネート、アゾベンゼン-4,4′-ジイソシアネート、ジフェニルスルホン-4,4′-ジイソシアネート、ジクロロヘキサメチレンジイソシアネート、フルフリデンジイソシアネート、1-クロロベンゼン-2,4-ジイソシアネート等を例示できる。イソシアネート化合物は、単独で又は組み合わせて用いることができる。
 本発明に係る「ウレタンプレポリマー」を製造する場合、目的とするウレタンプレポリマーを得られる限り、モノオールやモノイソシアネートを用いることができ、三官能性ポリオール及び三官能性イソシアネートを用いることもできるが、二官能性ポリオール(ジオール)及び二官能性イソシアネート(ジイソシアネート)を用いて製造することが好ましい。「ウレタンプレポリマー」は、二官能性ポリオール及び二官能性イソシアネートを反応させて製造することが、得られる湿気硬化型ホットメルト接着剤の熱安定性及び製造方法(及びその製造工程)の制御の点から、より好ましい。尚、1モルの二官能性ポリオールに対して2モルの二官能性イソシアネートを用いると、比較的容易に目的とするウレタンプレポリマーを製造できるので好ましい。
 本発明において「(A)ウレタン変性ロジン」とは、水酸基を有するロジン誘導体とイソシアネート化合物との反応によって得られ、水酸基とイソシアネート基との反応によって形成されるウレタン結合を分子中に有する変性ロジンをいう。(A)ウレタン変性ロジンを製造する際は、更に、重量平均分子量1000以下のジオールを使用してもよい。
 「水酸基を有するロジン誘導体」とは、上述した通りであるが、より具体的には、例えば、ロジンと多価アルコールとのエステル、ホルマリン変性ロジン又は変性ロジンアルコールなどであって、残存水酸基を有するロジン誘導体をいう。水酸基を有するロジン誘導体の水酸基価は、10~180であることが好ましい。
 本発明に係る「水酸基を有するロジン誘導体」とは、ロジンに対して各種変性を行い、その結果、水酸基が残存したものであり、最も一般的なものとして、ロジンと多価アルコールとのエステルを例示できる。
 「ロジン」として、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどの未変性ロジンの他、これらのロジンをベースにした不均斉化ロジン、水素添加ロジン、重合ロジン及び、これらの精製物等を例示することができる。またこれらのロジン類にマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、アクリル酸などを付加した強化ロジンや、さらにその変性物を使用することも可能である。
 多価アルコールとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の三価アルコール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の四価アルコール、ジペンタエリスリトール等の六価アルコールを例示できる。
 ロジンと多価アルコールとのエステル(以下、「ロジンエステル」ともいう)は、既知の方法を使用して得ることができる。例えば、窒素ガス等の不活性雰囲気下に、ロジンとアルコールとを加熱して得ることができる。この際の反応条件は、一般的に250~280℃で、5~20時間かけて行われる。
 上記製造方法は、ホルマリン変性ロジン、変性ロジンアルコール等についても適用することができ、さらにフェノール化などの変性を施したロジンについても適用できる。
 ウレタン変性ロジンの原料となる「イソシアネート化合物」は、「ウレタンプレポリマー」の製造の際に記載した「イソシアネート化合物」と同一でも、異なってもいてもよい。ウレタン変性ロジンの原料となる「イソシアネート化合物」は、化合物中に一つ以上のイソシアネート基を有するものであれば良く、モノイソシアネートでも、ジイソシアネートであってもよい。多価アルコール等に付加されたイソシアネートであってもよい。
 「イソシアネート化合物の残存率」は、5.0重量%以下であり、3.0重量%以下であることが好ましく、特に1.0~3.0重量%であることが好ましい。イソシアネート化合物の残存率が5.0重量%より高くなると、環境衛生的にも好ましくなく、初期接着強度も低下し得る。
 湿気硬化型ホットメルト接着剤の「湿気硬化後の耐熱軟化温度」は、60℃以上、特に70℃以上であることが好ましい。
 本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤では、イソシアネート化合物と水酸基を有するロジン誘導体を反応させて得られる変性ロジン「(A)ウレタン変性ロジン」を用いるので、(A)ウレタン変性ロジンとウレタンプレポリマーを別々に制御することができる。従って、後述するように、イソシアネート化合物の残存率を5.0重量%以下に制御し、かつ、湿気硬化後の耐熱軟化温度を60℃以上に制御することができる。
 本明細書中において、「イソシアネート化合物の残存率」とは、湿気硬化型ホットメルト接着剤に残存する未反応イソシアネート化合物の重量%をいう。
 即ち、イソシアネート化合物の残存率は、下記式(I)で示される。
 式(I):
 イソシアネート化合物の残存率(重量%)
 =未反応イソシアネート化合物量(g)×100/湿気硬化型ホットメルト接着剤量(g)
 湿気硬化型ホットメルト接着剤中に残存する未反応イソシアネート化合物の量は、湿気硬化型ホットメルト接着剤にメタノールを混合し、接着剤中の未反応イソシアネート化合物がメタノールと反応して得られる反応物(X)の量を求めることで計算することができる。即ち、先ず、所定の量(g)の湿気硬化型ホットメルト接着剤と過剰のメタノールを混合して上述の反応物(X)の量を求める。次に、反応物(X)のその量の値から未反応イソシアネート化合物の重量(g)を算出する。そして、使用した湿気硬化型ホットメルト接着剤の重量(g)と未反応イソシアネート化合物の重量(g)からイソシアネート化合物の残存率(重量%)を算出する。
 実際に行った算出方法の概要を説明すると以下の通りである。先ず、湿気硬化型ホットメルト接着剤に係るプレポリマーを製造するために使用したイソシアネート化合物とメタノールとを反応させ、得られた反応物(X)をサンプル樹脂として、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて検量線を作成する。
 次に、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤とメタノールとを実際に反応させて、得られた反応樹脂をGPCで測定して、反応物(X)のピークを得る。そのピークと上述の検量線から、未反応イソシアネート化合物量(g)を算出することができる。
 最後に、測定した湿気硬化型ホットメルト接着剤の重量(g)と算出した未反応イソシアネート化合物量(g)からイソシアネート化合物の残存率を算出する。
 「湿気硬化後の耐熱軟化温度」とは、JIS K6833に規定された方法で測定された温度をいう。測定方法の概要を以下に記載する。
 先ず、湿気硬化型ホットメルト接着剤でパーティクルボードと易接着処理されたシートとを貼り合わせ、約120分後に、カッターを用いて25mm×150mmの大きさの試験片に切断する。20℃、湿度60%の条件で、約120時間養生後、500gの錘を試験片の耳部に吊り下げ、加熱浴槽の中で温度を上昇させる。接着剤が軟化し、重りが落下したときの温度を耐熱軟化温度とする。耐熱軟化温度は、耐熱性を示す温度であり、高いほど好ましい。
 本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤は、更に(B)熱可塑性樹脂を含んで成ってよい。
 本発明における「(B)熱可塑性樹脂」は、目的とする湿気硬化型ホットメルト接着剤の性能を妨げないものであれば、一般的に熱可塑性樹脂とよばれるものであってよく、特に限定されることはない。(B)熱可塑性樹脂は、通常、モノマーを重合して製造されるが、その原料となるモノマーとして、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、酢酸、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル等を例示できる。モノマーは、単独で又は組み合わせて使用することができる。
 本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤の相溶性、初期接着強度及び湿気硬化後の耐熱性等のバランスを考慮すると、これらモノマーの中でも、エチレンと酢酸ビニルの組み合わせが本発明では好適である。従って、(B)熱可塑性樹脂としては、エチレン酢酸ビニル樹脂が本発明で最も好ましい。エチレン酢酸ビニル樹脂の酢酸ビニル含有率は、10重量%以上であることが好ましく、特に20~40重量%であることが好ましい。酢酸ビニル含有率が10重量%未満の場合、相溶性が悪くなることがある。
 本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、必要に応じて他の添加剤を含んでもよい。「添加剤」とは、湿気硬化型ホットメルト接着剤に通常使用されるものであって、本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤に使用することができるものであれば特に制限されるものではない。そのような添加剤として、例えば、可塑剤、酸化防止剤、顔料、光安定剤、難燃剤及び触媒、ワックス等を例示することができる。
 「可塑剤」として、例えばジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルアジペート、ミネラルスピリット等を例示できる。
 「酸化防止剤」として、例えばフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等を例示できる。
 「顔料」として、例えば酸化チタン、カーボンブラック等を例示できる。
 「光安定剤」として、例えばベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン、ベンゾエート、ベンゾトリアゾール等を例示できる。
 「難燃剤」として、例えばハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤等を例示できる。
 「触媒」として、金属系触媒、例えば錫系触媒(トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンマレエート等)、鉛系触媒(オレイン酸鉛、ナフテン酸鉛、オクテン酸鉛等)、そのほかの金属系触媒(ナフテン酸コバルト等のナフテン酸金属塩等)、及びアミン系触媒、例えばトリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルへキシレンジアミン、ジアザビシクロアルケン類、ジアルキルアミノアルキルアミン類等を例示できる。
 「ワックス」として、例えばパラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックス等のワックスを例示できる。
 本発明に係る、湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造方法は、
 (i)イソシアネート化合物と水酸基を有するロジン誘導体の反応で(A)ウレタン変性ロジンを得る工程、
 (ii)(A)ウレタン変性ロジン、ポリオール及びイソシアネート化合物を混合する工程
を有する。
 (i)工程のイソシアネート化合物と水酸基を有するロジン誘導体の反応は、イソシアネート化合物と水酸基を有する一般的な化合物との反応方法と同様の方法を用いて行うことができ、通常、両者を混合することで行うことができる。
 (ii)工程の(A)ウレタン変性ロジン、ポリオール及びイソシアネート化合物を混合する方法は、既知の混合方法を用いて行うことができる。
 (i)工程に係る「混合」と(ii)工程に係る「混合」は、同様にして行うことができる。
 本発明では、上記製造方法を採用することで、湿気硬化型ホットメルト接着剤の「イソシアネート化合物の残存率」を5.0重量%以下、「湿気硬化後の耐熱軟化温度」を60℃以上に制御することができる。
 本発明に係る製造方法では、水酸基含有粘着付与樹脂とイソシアネート化合物を反応させて(A)ウレタン変性ロジンを生成し、その後、ポリオールおよびイソシアネート化合物を添加する湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造方法を提供するので、水酸基含有粘着付与樹脂、ポリオール、イソシアネート化合物を一度に(又は一括で)反応させる従来の製造方法とは全く異なる。水酸基含有粘着付与樹脂は、イソシアネート化合物と反応しうる水酸基を有する。この水酸基は、イソシアネート化合物や、ウレタンプレポリマー末端のイソシアネート基と反応し、鎖長延長反応の進行を停止させる。鎖長延長反応の停止によって、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、湿気硬化後、十分な耐熱性が得られないようになる。そこで、耐熱性を高くするために過剰のイソシアネート化合物を添加すると、湿気硬化型ホットメルト接着剤中に、多量のイソシアネート化合物が残存することとなり、イソシアネート化合物の残存率は、5.0重量%より高い値となる。多量のイソシアネート化合物が残存する湿気硬化型ホットメルト接着剤が熱で溶融すると、多量のイソシアネート化合物が熱により揮散し、作業環境が非常に悪くなる。更に、水酸基含有粘着付与樹脂がウレタンプレポリマー中に組入れられ、ウレタンプレポリマーの結晶性が阻害され、その結果、タックフリータイムが長くなり、初期凝集力の発現が遅れた湿気硬化型ホットメルト接着剤が得られることになる。
 このように本発明に係る製造方法は、従来の製造方法である「水酸基含有粘着付与樹脂、ポリオール、イソシアネート化合物を一括で反応させる製造方法」と異なり、まず水酸基含有粘着付与樹脂とイソシアネート化合物を反応させて、水酸基含有粘着付与樹脂の水酸基を消失させることを一つの特徴とする。水酸基を実質的に有さない(A)ウレタン変性ロジンとポリオール及びイソシアネート化合物を配合するので、ポリオールとイソシアネート化合物との反応は、(A)ウレタン変性ロジンに実質的に影響されることはなくなる。即ち、本発明に係る製造方法は、ウレタン変性ロジンとプレポリマーの製造を別々に行うことによって、各々の成分を独立して制御することを一つの特徴とする。従って、過剰のイソシアネート化合物を使用することなく、湿気硬化後の耐熱性に優れ、タックフリータイムが短く、初期接着強度に優れる湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供することができる。
 尚、なぜこのようにウレタン変性ロジンとプレポリマーの製造を別々に行うことによって、良好な結果を得られるのか、その理由は現在のところ不明であるが、プレポリマー形成反応に(A)ウレタン変性ロジンが関与せず、プレポリマーと(A)ウレタン変性ロジンの各々が独立して接着剤中で機能することによって、相乗的な効果を生じ、後述する実施例と比較例のような結果が得られたと考えられる。しかし、このような理由に、本発明は何ら制限されるものではない。
 従って、本発明は、上述の本発明に係る製造方法で製造される、上述の本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供する。
 本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤は、従来から湿気硬化型ホットメルト接着剤が使用されている分野で用いることができる。更に高い初期接着強度を要求される建築材料用の外装材及び内装材、フローリング、基材への化粧シートの貼り付け及びプロファイルラッピング等に用いることもできる。
 上記湿気硬化型ホットメルト接着剤は、化粧材料を建築内装部材として、床に貼り付ける際に好適であるが、床への貼り付けに限定されるものではなく、他の基材にも化粧シートを貼り付けることも出来る。従って、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、木工用、紙加工用、繊維加工用、一般用等として用いることもできる。
 本発明では、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、従来の湿気硬化型ホットメルト接着剤と同様の方法を用いて使用することができ、目的とする部材又は積層品を得られる限り特に制限されるものではない。また、例えば、基材に被着体を貼り付ける際、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、基材側に塗布しても良いし、被着体側に塗布しても良い。
 「被着体」は、通常使用されているもので差し支えなく、特に限定されるものではないが、具体的には、フィルムや化粧シートを例示できる。
 フィルムは、無色であっても着色されていても、透明であっても不透明であってもよいが、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アセテート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンを例示でき、ポリエステル樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレートを例示できる。
 化粧シートは、例えば以下のものを例示できる:硬質もしくは半硬質の塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等のプラスチック材料シート;木材をシート状に加工した突板;並びに各種化粧印刷の施された化粧紙。
 「基材」は、通常使用されているものを使用することができ、特に限定されるものではないが、例えば以下のものを例示できる:ラワン合板等の合板、中繊維板(MDF)、パーティクルボード、無垢材、木質繊維板等の木質系材料;セメントボード、石膏ボード、軽量気泡コンクリート(ALC)等の無機系材料;並びに塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等のプラスチック材料。
 これらの被着体と基材とを、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤で貼り合わせることで得られた積層品は、具体的に、建築材料、電子材料及び自動車分野等、種々の用途に利用可能である。
 積層品の製造には、特別な装置を使う必要はなく、搬送機、コーター、プレス機、ヒーター、裁断機からなる一般的に知られた製造ラインを用いて製造することができる。
 例えば、以下のようにして製造することができる。基材及び被着体を搬送機で流しながら、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤をコーターで基材若しくは被着体に塗布する。塗布する時の温度は、ヒーターで所定の温度に制御する。被着体をプレス機で基材に軽く押し付け、湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して、被着体と基材とを貼り合わせる。その後、貼りあわされた被着体と基材を放冷し、そのまま搬送機で流して、湿気硬化型ホットメルト接着剤を固化させる。その後、被着体が貼られた基材を裁断機で適当な大きさに裁断加工する。
 本発明では、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着強度が高く、タックフリータイムが短いので、早い段階での積層品の裁断加工が可能となり、生産効率が向上する。
 本発明の主な形態は、下記の通りである。
 1.イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーを含む湿気硬化型ホットメルト接着剤であって、
 (A)ウレタン変性ロジンを含み
 イソシアネート化合物の残存率は5.0重量%以下であり、
 湿気硬化後の耐熱軟化温度は60℃以上
である湿気硬化型ホットメルト接着剤。
 2.(A)ウレタン変性ロジンは、イソシアネート化合物と、水酸基を有するロジン誘導体の反応で得られる上記1に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
 3.(A)ウレタン変性ロジン、ポリオール及びイソシアネート化合物を混合することで得られる上記1又は2に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
 4.上記ウレタンプレポリマーは、ポリオールとイソシアネート化合物の反応で得られる上記1~3のいずれかに記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
 5.更に、(B)熱可塑性樹脂を含んで成る上記1~4のいずれかに記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
 6.(i)イソシアネート化合物と水酸基を有するロジン誘導体の反応で(A)ウレタン変性ロジンを得る工程、
 (ii)(A)ウレタン変性ロジン、ポリオール及びイソシアネート化合物を混合する工程
を有する湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造方法。
 7.(ii)工程において、ポリオールとイソシアネート化合物を混合することで、ウレタンプレポリマーを得る工程を含む、上記6に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造方法であって、
 イソシアネート化合物の残存率は5.0重量%以下であり、
 湿気硬化後の耐熱軟化温度は60℃以上である
湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造方法。
 8.上記6又は7に記載の製造方法で製造される上記1~5のいずれかに記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
 以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
 <実施例1>
 [ウレタン変性ロジンの製造]
 反応容器にロジンエステル(A’-4;荒川化学社製のスーパーエステルA100(商品名):水酸基価15、重量平均分子量920、軟化点100℃)を90重量部仕込み、120℃のオーブン中でロジンエステルを溶融した後、反応容器を120℃オイル浴で加熱しながら減圧下、1時間攪拌して、水分を取り除いた。
 次に120℃で、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、「MDI」ともいう)(日本ポリウレタン工業社製ミリオネートMT)を3.3重量部仕込み、減圧下、120℃で2時間攪拌し、ウレタン変性ロジン(A-1)を得た。
 ウレタン変性ロジン(A-1)の分子量分布をゲルパーミェーションクロマトグラフィー分析(GPC分析)で測定した結果、ウレタン変性ロジン(A-1)の分子量は、(A’-4)の分子量の約2倍であることが確認された。又、赤外分光スペクトル分析(IR分析)を行った結果、イソシアネート基による2300cm-1の吸収は、ほぼ消失していることが確認された。
 [湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造]
 ウレタン変性ロジン(A-1)27.5重量部、(B)熱可塑性樹脂である(B-1)エチレン酢酸ビニル樹脂(以下、「EVA樹脂」ともいう)(東ソー社製のウルトラセン726(商品名):メルトインデックス700、酢酸ビニル含有量31%)9.2重量部を反応容器に仕込み、次に、120℃でポリオール(1)(豊国製油社製のHS 2H-351A(商品名):水酸基価32、融点55℃、結晶性)41.2重量部、ポリオール(2)(豊国製油社製のHS 2F-306P(商品名):水酸基価37、ガラス転移点27℃、非晶性)13.7重量部を仕込み、減圧下、1時間攪拌して、水分を取り除いた。次に、120℃でMDIを8.4重量部仕込み、減圧下、2時間攪拌し、湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
 <実施例2~4>
 表1に示される組成で湿気硬化型ホットメルト接着剤を製造した。製造条件、製造操作は、実施例1の条件及び操作と同様である。実施例3では、実施例1で用いなかった3種類のポリオール、即ち、ポリオール(3)(宇部興産社製のエタナコール3010(商品名:水酸基価32、融点74℃、結晶性)、ポリオール(4)(豊国製油社製のHS 2H-359T(商品名):水酸基価32、融点110℃、結晶性)、ポリオール(5)(日本油脂社製のPEG#100U(商品名):水酸基価112、融点40℃、結晶性)を使用した。
 <実施例5>
 [ウレタン変性ロジンの製造]
 反応容器にロジンエステル(A’-4)を90重量部、シクロヘキサンジメタノール(以下、「CHDM」ともいう)(イーストマンケミカル社製:重量平均分子量144)を1.7重量部仕込み、120℃オーブン中でロジンエステルを溶融後、反応容器を120℃オイル浴中で加熱して、減圧下、1時間攪拌して、水分を取り除いた。次に、120℃でMDIを6.6重量部仕込み、減圧下、2時間攪拌して、ウレタン変性ロジン(A-2)を得た。
 ウレタン変性ロジン(A-2)の分子量分布をゲルパーミェーションクロマトグラフィー分析(GPC分析)で測定した結果、ウレタン変性ロジン(A-2)の分子量は、(A’-4)の分子量の約2倍であることが確認された。又、赤外分光スペクトル分析(IR分析)を行った結果、イソシアネート基による2300cm-1の吸収は、ほぼ消失していることが確認された。
 [湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造]
 ウレタン変性ロジン(A-2)27.5重量部及び、EVA樹脂9.2重量部を反応容器に仕込み、次に120℃でポリオール(1)を55.0重量部仕込み、減圧下、1時間攪拌して、水分を除去した。次に、120℃でMDIを8.3重量部仕込み、減圧下、2時間攪拌して、湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
 <実施例6~7>
 [ウレタン変性ロジンの製造]
 反応容器にロジンエステル(A’-5)(荒川化学社製のパインクリスタルKE359(商品名):水酸基価43、重量平均分子量900、軟化点100℃)を90重量部仕込み、120℃オーブン中でロジンエステルを溶融後、反応容器を120℃オイル浴中に浸し、減圧下、1時間攪拌して、水分を除去した。次に、120℃でMDIを7.7重量部仕込み、120℃で減圧下、2時間攪拌して、ウレタン変性ロジン(A-3)を得た。
 ウレタン変性ロジン(A-3)の分子量分布をゲルパーミェーションクロマトグラフィー分析(GPC分析)で測定した結果、(A’-5)の分子量の約2倍の分子量をもつウレタン変性ロジンが出来ていることが確認できた。又、赤外分光スペクトル分析(IR分析)を行った結果、イソシアネート基による2300cm-1の吸収がほぼ消失していることが確認された。
 [湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造]
 ウレタン変性ロジン(A-3)を用い、表1に示される組成で湿気硬化型ホットメルト接着剤を作製した。製造条件については、実施例1と同様である。
 <比較例1~6>
 MDI以外の全ての原料を表1に示される組成で反応容器に仕込み、120℃オーブン中にて樹脂を溶融後、反応容器を120℃オイル浴中で、減圧下、1時間攪拌して、水分を取り除いた。次いで、120℃で、表1に示される組成でMDIを仕込み、減圧下、2時間攪拌して、湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
 <試験方法>
 1.ウレタン変性ロジンの相溶性(湿気硬化型ホットメルト接着剤の相分離)
 湿気硬化型ホットメルト接着剤の相分離の有無を調べた。
 即ち、実施例および比較例の湿気硬化型ホットメルト接着剤を容器に採取し、120℃オーブン中で1時間放置し、目視で、相分離の有無を観察した。
 これとは別に、透明なポリエチレンテレフタレート(PET)基材に、上記実施例及び比較例の湿気硬化型ホットメルト接着剤を塗工した。20℃で1時間乾燥させ、PET基材上に、厚さ100μmのフィルムを作製し、フィルムの均一性を目視で判断した。接着剤の分離がなく、尚且つ、フィルムが均一なものについて相溶性が良好(○)、分離が確認される又はフィルムが不均一なものについては相溶性が不良(×)と評価した。
 2.イソシアネート化合物の残存率の測定
 [検量線作成]
 ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)5gを反応容器にとり、脱水トルエン20ml、脱水メタノール10mlを加え、室温で8時間以上攪拌しながら反応させた。次に100℃オーブン中にて8時間乾燥させた後、白色粉末状態の検量線作成用サンプル樹脂を得た。
 サンプル樹脂1mg、2.5mg、5mg、10mgをアンプル瓶に夫々採取し、テトロヒドロフラン(THF)をメスピペットにて10ml加え、THF溶液を調製した。調製した4種類の溶液をGPCにかけ、サンプル樹脂のピークから検量線を作成した。
 [湿気硬化型ホットメルト接着剤中のイソシアネート化合物の残存量(g)の算出]
 実施例および比較例の湿気硬化型ホットメルト接着剤5gを反応容器にとり、脱水トルエン20ml、脱水メタノール10mlを加え、室温で8時間攪拌し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の末端イソシアネート基及び未反応イソシアネート化合物と、メタノールとを反応させた。この反応によって得られた反応樹脂(Z)を100℃オーブン中で8時間乾燥させた。尚、反応樹脂(Z)の量を、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤の量と考えて、イソシアネート化合物の残存量(g)を算出した。反応樹脂(Z)10mgをアンプル瓶にとり、THF2mlをメスピペットで反応樹脂(Z)に加え、樹脂を溶解させてGPC測定用のTHF溶液とした。
 THF溶液20μlをGPCにかけ、反応樹脂(Z)のピークと、サンプル樹脂の検量線とを比較し、反応樹脂(Z)中に含まれるメタノールとMDIとの反応物(X)の量(即ち、未反応イソシアネート化合物の量)を算出し、イソシアネート化合物の残存率を求めた。
 イソシアネート化合物の残存率(%)は、下記式(I)を用いて算出した。
 式(I):
 イソシアネート化合物の残存率(重量%)
 =未反応イソシアネート化合物量(g)×100/湿気硬化型ホットメルト接着剤量(g)
 =メタノールとMDIの反応物(X)のGPC算出量×100/反応樹脂(Z)の量
 =メタノールとMDIの反応物(X)のGPC算出量×100/((アンプル瓶に採取された反応樹脂(Z)の量/2×10-3)×20×10-6
 =メタノールとMDIの反応物(X)のGPC算出量×100×2×10-3/(アンプル瓶に採取された反応樹脂(Z)の量×20×10-6
 =メタノールとMDIの反応物(X)のGPC算出量×100×2×10/(アンプル瓶に採取された反応樹脂(Z)の量×20)
 =メタノールとMDIの反応物(X)のGPC算出量×100×100/(アンプル瓶に採取された反応樹脂(Z)の量)
 =メタノールとMDIの反応物(X)のGPC算出量×10/(アンプル瓶に採取された反応樹脂(Z)の量)
 以下、反応物(X)の量、反応樹脂(Z)の量をg(グラム)単位で上記式に当てはめる。実施例では、反応樹脂(Z)10mgをアンプル瓶に採取しているので、イソシアネート化合物の残存率は、以下の式(II)で算出される。
 式(II):
 イソシアネート化合物の残存率(%)
 =メタノールとMDIのGPC算出反応物(X)の量×10/10(mg)×10-3
 =メタノールとMDIのGPC算出反応物(X)の量×10
 3.湿気硬化後の耐熱性
 実施例および比較例の湿気硬化型ホットメルト接着剤を、40g/mの量でパーティクルボードに塗布後、易接着処理したシートをラミネートした。シートをラミネートしたパーティクルボードを20℃、湿度60%の環境下で5日間養生した。養生後、シートを幅25mm、長さ150mmの形状にカッターで切断して、試験片とした。500gの錘を試験片の耳部に吊り下げ、50℃、湿度60%の環境下にて1時間放置した。次に、60℃、70℃と昇温し、それぞれの温度で1時間放置した。各温度下で、負荷(500gの錘)をかけられているにもかかわらず、変形等の変化が認められない場合に耐熱性良好(○)、クリープを生じたり、完全に凝集破壊して剥がれた場合を耐熱性不良(×)と評価した。
 4.タックフリータイム
 120℃で、実施例および比較例の湿気硬化型ホットメルト接着剤を、100μmの厚さで、PETに塗工した。20℃の環境中に配置したPET上の塗工した接着剤に紙片に押し当てて、紙片を剥がす際、当初、材料破壊していた紙片が材料破壊しなくなるまでの時間をタックフリータイムとした。タックフリータイムが2分以内のものを(○)、2分を超えるものを(×)と評価した。
 5.湿気硬化前フィルム強度
 実施例および比較例の湿気硬化型ホットメルト接着剤を離型フィルム間に、厚さ100μmになるように120℃で塗工し、室温(20℃)で2分後、離型フィルムを剥がして25mm幅、150mm長さのフィルムを切り出した。フィルムの上下50mmを持ち手とし、間50mmを測定箇所として、引張り試験機(インストロン社製 モデル5585)を用い、20℃で引張り速度100mm/分でフィルムの強度を測定した。尚、硬化前フィルム強度は、初期接着強度とほぼ対応する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に示すように、実施例1~7の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、(A)ウレタン変性ロジン、ポリオール、イソシアネート化合物を混合することで得た。(A)ウレタン変性ロジンは、ポリオールとイソシアネート化合物の反応に実質的に関与しないので、そのまま所望のウレタンプレポリマーを得ることができ、過剰のイソシアネート化合物を混合する必要がない。その結果、相溶性および耐熱性に優れ、イソシアネート化合物の残存率が低く(5.0重量%以下)、タックフリータイムも短く(2分以内)、湿気硬化前フィルム強度も高く初期接着強度に優れた湿気硬化型ホットメルト接着剤が得られた。
 これに対し、比較例1~6では、(A)ウレタン変性ロジンを使用せず、水酸基を有するロジンエステル、ポリオール及びイソシアネート化合物を混合した。ロジンエステルの水酸基が、ポリオールとイソシアネート化合物との反応に関与するので、所望のウレタンプレポリマーを得ることができない。そのため、タックフリータイムが長くなり(2分より長い)、初期接着強度(フィルム物性が測定不可)にも湿気硬化後の耐熱性にも乏しい湿気硬化型ホットメルト接着剤が得られる。比較例4の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、実施例と同等の耐熱性を有するが、耐熱性を高くするために過剰なイソシアネート化合物が混合され、イソシアネート化合物の残存率が高くなり(5.5重量%)、環境的に好ましくない。
 [関連出願]
 尚、本出願は、2008年11月27日に日本国でされた出願番号2008-302038を基礎出願とするパリ条約第4条に基づく優先権を主張する。この基礎出願の内容は、参照することによって、本明細書に組み込まれる。

Claims (2)

  1.  イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーを含む湿気硬化型ホットメルト接着剤であって、
     (A)ウレタン変性ロジンを含み
     イソシアネート化合物の残存率は5.0重量%以下であり、
     湿気硬化後の耐熱軟化温度は60℃以上
    である湿気硬化型ホットメルト接着剤。
  2.  (i)イソシアネート化合物と水酸基を有するロジン誘導体の反応で(A)ウレタン変性ロジンを得る工程、
     (ii)(A)ウレタン変性ロジン、ポリオール及びイソシアネート化合物を混合する工程
    を有する湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造方法。
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