WO2010058669A1 - 新規プロスタグランジンe1誘導体及びそれを封入するナノ粒子 - Google Patents

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Abstract

 PGE1の作用の持続性、徐放性に優れたPGE1誘導体を提供すること、更にかかるPGE1誘導体をナノ粒子化し、患部に効率的にターゲッティングし、薬物徐放性に優れ、かつ副作用を軽減させたPGE1誘導体含有ナノ粒子の提供であり、次式(I): [式中、nは1~12の整数を表す] で示されるプロスタグランジンE1誘導体であり、これを金属イオンにより疎水化し、ポリL-乳酸又はポリ(L-乳酸/グリコール酸)共重合体、及びポリDL-又はL-乳酸-ポリエチレングリコールブロック共重合体又はポリ(DL-又はL-乳酸/グリコール酸)-ポリエチレングリコールブロック共重合体と作用させることにより得られるプロスタグランジンE1誘導体含有ナノ粒子。

Description

新規プロスタグランジンE1誘導体及びそれを封入するナノ粒子
 本発明は、新規なプロスタグランジンE1(PGE1)誘導体及びそれを封入したナノ粒子に関する。
 プロスタグランジン(PG)は、プロスタン酸骨格をもつ一群の生理活性物質であり、アラキドン酸から生合成されるエイコサノイドの一つであって、種々の強い生理活性を有する化合物である。
 これまでに各種のプロスタグランジン誘導体が知られており、その中でもプロスタグランジンE1(PGE1)には、強い血管拡張作用、血小板凝集作用並びにこれら作用に基づく慢性動脈閉塞症の治療作用などが知られており、既に臨床的に幾つかのPGE1誘導体が登場してきている。
 本出願人もこれまでに幾つかのPGE1誘導体を合成し、その薬理作用の検討を行ってきており、例えばその一つとして、PGE1をエステル化して脂溶性を高めたPGE1のプロドラッグである開発コード番号AS013で示されるPGE1誘導体を提供している(特許文献1)。このAS103は、生体内で効率良くPGE1に変換されるように設計された化合物であり、PGE1のプロドラッグであることから、PGE1が有する血管拡張作用、血小板凝集作用、及び慢性動脈閉塞症の治療作用などを有することが知られている。また、AS013には血管新生促進作用があることも知られている。
 さらに局所への移行性を高めるべく、AS013を脂肪粒子中に包埋したリポ化製剤も提供しており、かかるリポ化製剤は、AS013の局所への親和性、集積性に優れており、そこで徐々にPGE1へ変換されることから、作用の持続性に優れた製剤である(特許文献2)。
 本発明者らは、これら一連のPGE1誘導体の合成・検索を行ってきたなかで、さらにPGE1誘導体としてPGE1の作用の持続性、徐放性を有する化合物の合成の検討を行い、その結果、PGE1をリン酸エステル誘導体とすることにより、きわめて効果的なプロドラッグとなることを見出した。
 また、これらのPGE1誘導体をナノ粒子化することにより、細胞内への取り込みに優れ、効果的にPGE1の作用を発揮することを確認し、本発明を完成させるに至った。
日本特許第2849608号公報 国際公開WO1999/9992号公報
 したがって本発明は、PGE1の作用の持続性、徐放性に優れたPGE1誘導体を提供すること、更にかかるPGE1誘導体をナノ粒子化し、患部に効率的にターゲッティングし、薬物徐放性に優れ、かつ副作用を軽減させたPGE1誘導体含有ナノ粒子を提供することを課題とする。
 上記の課題を解決するために、本発明の第一の基本的態様は、次式(I):
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
[式中、nは1~12の整数を表す]
で示されるプロスタグランジンE1誘導体である。
 より好ましい本発明は、上記式中、nが2である式(I)で示されるプロスタグランジンE1誘導体である。
 また本発明は、第二の基本的態様として、上記式(I)で示されるプロスタグランジンE1誘導体を含有するナノ粒子を提供するものであり、詳細には、式(I)で示されるプロスタグランジンE1誘導体を金属イオンにより疎水化し、これをポリL-乳酸又はポリ(L-乳酸/グリコール酸)共重合体、及びポリDL-又はL-乳酸-ポリエチレングリコールブロック共重合体又はポリ(DL-又はL-乳酸/グリコール酸)-ポリエチレングリコールブロック共重合体と作用させることにより得られるプロスタグランジンE1誘導体含有ナノ粒子である。
 好ましくは、本発明は、さらに塩基性低分子化合物を混合すること、また更に界面活性剤を配合することからなる上記のプロスタグランジンE1誘導体含有ナノ粒子であり、また、金属イオンが、亜鉛イオン、鉄イオン、銅イオン、ニッケルイオン、ベリリウムイオン、マンガンイオン又はコバルトイオンの1種又は2種以上であるプロスタグランジンE1誘導体含有ナノ粒子である。
 より好ましくは、本発明は、ポリDL-又はL-乳酸-ポリエチレングリコールブロック共重合体、又はポリ(DL-又はL-乳酸/グリコール酸)-ポリエチレングリコールブロック共重合体の重量平均分子量が3,000~30,000であるプロスタグランジンE1誘導体含有ナノ粒子である。
 また本発明は、塩基性低分子化合物が、(ジメチルアミノ)ピリジン、ピリジン、ピペリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、キヌクリジン、イソキノリン、ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン、ナフチルアミン、モルホリン、アマンタジン、アニリン、スペルミン、スペルミジン、ヘキサメチレンジアミン、プトレシン、カダベリン、フェネチルアミン、ヒスタミン、ジアザビシクロオクタン、ジイソプロピルエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミンから選択される1種又は2種以上のものであるプロスタグランジンE1誘導体含有ナノ粒子である。
 さらにまた本発明は、界面活性剤が、ホスファチジルコリン、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレン(80)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(20)コレステロールエステル、脂質-ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び脂肪酸-ポリエチレングリコール共重合体から選択される1種又は2種以上のものであるプロスタグランジンE1誘導体含有ナノ粒子である。
 最も好ましい本発明は、粒子の直径が20~300nmであるプロスタグランジンE1誘導体含有ナノ粒子である。
 本発明により、PGE1の作用の持続性に優れ、効果的にPGE1に変換されるプロドラッグとしてのPGE1誘導体が提供される。
 本発明が提供するPGE1誘導体は、PGE1より簡便な手段により合成することができる一方、PGE1への変換が容易なものであり、またその変換が持続的なものであり、さらに保存安定性に優れたものであることから、徐放性のPGE1作用を発揮する点で、極めて特異的なものである。
 また、本発明が提供するPGE1誘導体は、容易に疎水性の金属塩へ変換することができるため、ポリL-乳酸又はポリ(L-乳酸/グリコール酸)共重合体、及びポリDL-又はL-乳酸-ポリエチレングリコールブロック共重合体又はポリ(DL-又はL-乳酸/グリコール酸)-ポリエチレングリコールブロック共重合体を用いたナノ粒子化することが可能である。
 その結果、得られたナノ粒子は極めて安定なものであり、また粒子中におけるPGE1誘導体の残存が長期間に亘って持続するものである。したがって、本発明が提供するナノ粒子は、薬物の徐放性に優れ、その結果、PGE1の作用の持続性を図れる点で、極めて効果的なものである。
実施例2の結果を示した図であり、ブタ肝臓由来エステラーゼ(PLE)で処理した場合のPGE1及び中間体への変換率を示した。 実施例2の結果を示した図であり、ヒト胎盤由来アルカリホスファターゼ(ALP)で処理した場合のPGE1及び中間体への変換率を示した。 実施例2の結果を示した図であり、ヒト血清で処理した場合のPGE1及び中間体への変換率を示した。 実施例2の結果を示した図であり、PGE1(n=2)リン酸エステル誘導体[PGE1(C2)PONa]のPLE及びALPを同時処理したときのPGE1への変換率を示した。
実施例4の結果を示した図であり、ラットにおける血流量の変化を示した。 実施例4の結果を示した図であり、ラット血漿並びにヒト血清でのPGE1誘導体の、経時的なPGE1への変換率を示した。
実施例7の結果を示した図であり、PLA(分子量5000:PLA05)、PLLA(分子量5000:PLLA05)及びPLLA(分子量20000:PLLA20)を基剤とした場合の粒子径を示した。 実施例7の結果を示した図であり、PGE1誘導体の封入率を示した。 実施例7の結果を示した図であり、in vivoでの放出試験の結果を示した。
実施例8の結果を示した図であり、粒子作製時のpHを示した。 実施例8の結果を示した図であり、作成した粒子の粒子径を示した。 実施例8の結果を示した図であり、作成した粒子のPGE1誘導体の封入率を示した。
実施例9の結果を示した図であり、粒子径を示した。 実施例9の結果を示した図であり、封入率を示した。 実施例9の結果を示した図であり、in vitroでの放出試験の結果を示した。
実施例10の結果を示した図であり、37℃における条件下での安定性の結果を示した。 実施例10の結果を示した図であり、4℃における条件下での安定性の結果を示した。
 図中において、C2、C3、C4、C6、C8及びC12は、それぞれPGE1(C2)PONa、PGE1(C3)PONa、PGE1(C4)PONa、PGE1(C6)PONa、PGE1(C8)PONa、及びPGE1(C12)PONaを表す。
 本発明の一つの基本的態様は、上記した式(I)で示されるPGE1のリン酸エステル誘導体である。
 これまで種々のPGE1誘導体が提供されているが、リン酸エステル誘導体として提供するのは本発明が最初であり、したがって、これらのPGE1誘導体は新規化合物でもある。
 本発明が提供するPGE1誘導体、すなわちPGE1のリン酸エステル誘導体は、具体的には、以下の製造方法により調製することができる。
 その調製方法を化学反応式で記せば、以下の化学式でまとめられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
 上記の化学式中、nは1~12の整数を表し、THPはテトラヒドロピラニル基を表し、Bnはベンジル基を表す。また、(a)~(f)は各工程を表す。
 すなわち、対応するアルカンジオール化合物(II)の片方の水酸基(OH基)を3,4-ジヒドロ-2H-ピラン及び塩化アルミニウムを用いて反応を行い、テトラヒドロピラニル基(THP基)で保護し化合物(III)を得る[工程a]。反応は、通常の保護基(THP基)の導入に適用される反応条件が採用される。
 次いで、化合物(III)にジベンジル ジイソプロピルホスホラミダイト[((BnO)2-P(O)-N(iso-Pr))]を1H-テトラゾールの存在下に反応させて、化合物(III)の他方の水酸基の亜リン酸を調製し、続いて、m-クロロ過安息香酸等の過安息香酸を用いて亜リン酸を酸化し、リン酸誘導体(IV)を得る[工程b]。
 次に、得られたリン酸誘導体(IV)のテトラヒドロピラニル基をp-トルエンスルホン酸ピリジニウム-エタノール溶液中で脱保護を行い、化合物(V)を得た[工程c]。
 かくして得られた化合物(V)を用いてPGE1をエステル化し、目的とする本発明のPGE1のリン酸エステル誘導体へ誘導するのであるが、かかる誘導は以下のようにして行われる。
 すなわち、化合物(V)とPGE1化合物(VI)を、縮合剤として例えばEDC[1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド]塩酸塩を使用し、塩基として4-ジメチルアミノピリジンを用いて縮合させ、化合物(VII)へ誘導する[工程d]。
 次いで、得られた化合物(VII)のテトラヒドロピラニル基を、適当な溶媒、例えば、テトラヒドロフラン-水の混合液中酢酸により脱保護し、化合物(VIII)を得[工程e]、最後に化合物(VIII)のベンジル基を還元的に脱保護した後、酢酸ナトリウムによりリン酸ナトリウムに変換し、目的とする本発明のPGE1誘導体(I)へ導く[工程f]。
 なお、化合物(VIII)から本発明の目的化合物である式(I)のPGE1誘導体への脱ベンジル化は、例えば、10%パラジウム-炭素を用い、1,4-シクロヘキジエン/酢酸中の接触還元により行うことができる。
 上記で説明した本発明の式(I)で示されるPGE1誘導体の調製法における各工程(a)から(f)の反応条件は、一般的な各種化学の教科書に記載される条件を種々応用して行うことができる。
 かくして調製された本発明のPGE1誘導体としては、例えば、以下のものを例示することができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 上記のようにして調製された本発明のPGE1誘導体は、体内において容易にPGE1そのものに変換され、効果的にPGE1の有する血管拡張作用、血小板凝集作用等を発揮するものであった(後記する実施例を参照)。
 本発明は、また上記で調製したPGE1誘導体を封入したナノ粒子であるが、かかるナノ粒子は具体的には以下のようにして調製される。
 すなわち、従来から、乳酸・グリコール酸共重合体(以後、「PLGA」と記す場合もある)、または乳酸重合体(以後、「PLA」と記す場合もある)のマイクロ粒子ないしナノ粒子に薬物を封入する研究が種々行われている。
 本発明のナノ粒子の調製にあたってもこれらの生分解性重合体を使用するのが好ましく、これらのなかでも、特に、ポリDL-又はL-乳酸-ポリエチレングリコールブロック共重合体(DL-体をPDLLA-PEG、L-体をPLLA-PEGということもある)又はポリ(DL-又はL-乳酸/グリコール酸)-ポリエチレングリコールブロック共重合体(DL-体をPDLLGA-PEG、L-体をPLLGA-PEGということもある)は、ポリDL-乳酸(PDLLAということもある)若しくはポリL-乳酸(PLLAということもある)又はポリ(DL-乳酸/グリコール酸)共重合体(PDLLGAということもある)若しくはポリ(L-乳酸/グリコール酸)共重合体(PLLGAということもある)(これらの重合体をブロックAという)とポリエチレングリコール(PEGということもある)(ブロックBという)とを、エチレンジメチルアミノプロピルカルボジイミドなどの縮合剤のもとで反応させることにより得られた共重合体を使用してナノ粒子化するのが好ましい。
 なお、これらの共重合体は目的に応じて合成することができるが、市販されている同様のブロック共重合体を使用してもよい。
 ブロック共重合体の構成としてはA-Bタイプ、A-B-Aタイプ、B-A-Bタイプのいずれであっても本発明の目的を達成することができる。また、これらのブロック共重合体の重量平均分子量は3,000~30,000であることが好ましい。
 本発明が提供するナノ粒子の調製は、具体的には、式(I)で示されるPGE1誘導体を金属イオンにより疎水化し、この疎水化したPGE1誘導体をポリL-乳酸又はポリ(L-乳酸/グリコール酸)共重合体、及びポリDL-又はL-乳酸-ポリエチレングリコールブロック共重合体又はポリ(DL-又はL-乳酸/グリコール酸)-ポリエチレングリコールブロック共重合体と作用させることにより行うことができる。
 より具体的には、式(I)で示されるPGE1誘導体と金属イオンを、有機溶媒又は含水有機溶媒の溶媒中で混合して疎水性薬物とし、この混合液中にポリL-乳酸又はポリ(L-乳酸/グリコール酸)共重合体、さらにポリDL-又はL-乳酸-ポリエチレングリコールブロック共重合体又はポリ(DL-又はL-乳酸/グリコール酸)-ポリエチレングリコールブロック共重合体を加えて攪拌し、この溶液を水中に添加、拡散することにより調製することができる。
 また、ポリL-乳酸又はポリ(L-乳酸/グリコール酸)共重合体、さらにポリDL-又はL-乳酸-ポリエチレングリコールブロック共重合体又はポリ(DL-又はL-乳酸/グリコール酸)-ポリエチレングリコールブロック共重合体を溶媒に溶解した溶液と、式(I)で示されるPGE1誘導体の水溶液、及び金属イオン水溶液を同時に加えて混合しても同様のナノ粒子を調製することができる。
 使用される金属イオンとしては、亜鉛イオン、鉄イオン、銅イオン、ニッケルイオン、ベリリウムイオン、マンガンイオン、コバルトイオンのいずれかであり、それらの水溶性金属塩の1種又は2種以上が使用される。そのなかでも好ましくは亜鉛イオン、鉄イオンであり、塩化亜鉛、塩化鉄などが好ましく使用できる。
 上記の反応に使用される溶媒としては、アセトン、アセトニトリル、エタノール、メタノール、プロパノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの有機溶媒、あるいはこれらの含水溶媒であり、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、テトラヒドロフランが好ましい。
 本発明の式(I)で示されるPGE1誘導体含有ナノ粒子おいて、さらに塩基性低分子化合物を混合することによりPGE1誘導体のナノ粒子への封入率が増加し、10%程度まで封入することができる。
 このような塩基性低分子化合物としては(ジメチルアミノ)ピリジン、ピリジン、ピペリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、キヌクリジン、イソキノリン、ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン、ナフチルアミン、モルホリン、アマンタジン、アニリン、スペルミン、スペルミジン、ヘキサメチレンジアミン、プトレシン、カダベリン、フェネチルアミン、ヒスタミン、ジアザビシクロオクタン、ジイソプロピルエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン等を挙げることができ、好ましくは、2級又は3級アミン類であり、ジエタノールアミンが特に好ましい。
 かくして調製された式(I)で示されるPGE1誘導体を含有するナノ粒子に更に界面活性剤を配合してもよく、界面活性剤を配合することにより、生成したナノ粒子を安定化し、かつ粒子間の凝集を抑制することができる。したがって、ナノ粒子を含有する製剤の製剤化工程にとって好ましいものとなる。
 使用される界面活性剤としては、ホスファチジルコリン、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレン(80)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(20)コレステロールエステル、脂質-ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び脂肪酸-ポリエチレングリコール共重合体等をあげることができ、これらの界面活性剤から選択される1種又は2種以上を使用するのが好ましい。
 本発明が提供するPGE1誘導体を含有するナノ粒子にあっては、その粒子の粒子径は20~300nmの範囲内であり、好ましくは50~200nmであり、それぞれの薬物が目的とするターゲット患部に依存して、その粒子径を決定することができる。
 かくして調製した本発明の式(I)で示されるPGE1誘導体を含有するナノ粒子は、ナノ粒子の溶液又は懸濁液を、遠心分離、限外濾過、ゲル濾過、フィルター濾過、ファイバー透析などの操作により適宜精製した後、凍結乾燥して取得、保存される。
 その際、凍結乾燥した製剤を再懸濁して投与できるようにするため安定化剤及び/又は分散化剤を加えて凍結乾燥されることが好ましく、そのような安定化剤、分散化剤としてはショ糖、トレハロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどが好ましく使用される。
 本発明が提供する式(I)で示されるPGE1誘導体を含有するナノ粒子は、静脈注射用製剤、局所注射用製剤、点鼻剤、点眼剤、吸入剤、噴霧剤などの非経口投与用製剤の医薬品として使用され、なかでも静脈注射用製剤とすることで、当該ナノ粒子の特性、効果をより良く発揮することができる。
 これらの非経口投与用製剤の調製に使用される基剤、その他の添加剤成分としては、製剤学的に許容され、使用されている各種基剤、添加剤成分を挙げることができる。具体的には、生理食塩水、単糖類、二糖類、糖アルコール類、多糖類などの糖類;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースなどの高分子添加剤;イオン性又は非イオン性界面活性剤;などが剤型に応じて適宜選択され、使用することができる。
 以下に本発明を具体的実施例で詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1:PGE1誘導体の製造
 上記した製造方法に従って、上記した表1に記載の各種PGE1誘導体を合成した。
 すなわち、式(II)の化合物1.7mmolのジクロロメタン10mL溶液を、1H-テトラゾール2.5mmol及びN,N-ジベンジル ジイソプロピルホスホラミダイト3.4mmolと混合し、室温にて一夜攪拌した。その後m-クロロ過安息香酸3.4mmolを加え、室温にて30分間攪拌を行った。混合物にクロロホルム30mLを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mL及び食塩水にてそれぞれ3回洗浄し、溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル:ヘキサン=1:1~酢酸エチルにて溶出し、対応する式(IV)の化合物を無色油状物として得た。
 得られた式(IV)の化合物1.35mmol及びp-トルエンスルホン酸ピリジニウム0.3mmolのエタノール5mL溶液を55℃にて3時間攪拌した。溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル:ヘキサン=3:2~酢酸エチルにて溶出し、対応する式(V)の化合物を無色油状物として得た。
 次いで、得られた式(V)の化合物0.25mmol、EDC[1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド]塩酸塩0.4mmol、4-ジメチルアミノピリジン0.20mmol及び式(VI)のPGE1誘導体のジクロロメタン3mLを室温下に10分間攪拌した。混合物にクロロホルム30mLを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mL及び食塩水にてそれぞれ3回洗浄し、溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル:ヘキサン=1:1にて溶出し、対応する式(VII)の化合物を無色油状物として得た。
 上記で得られた式(VII)の化合物0.052mmolを、酢酸1.8mL、テトラヒドロフラン0.46mL及び水1.8mLの混合液に溶解させ、35℃にて4時間攪拌した。0℃にて反応物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液5mLを加え、酢酸エチル50mLで3回抽出を行った。有機層を合わせ、食塩水10mLにて3回洗浄後、溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル:ヘキサン=1:1にて溶出し、対応する式(VIII)の化合物を無色油状物として得た。
 式(VIII)の化合物0.026mmolを、10%パラジウム-炭素64mg、1.4-シクロヘキサジエン2.8mL及び酢酸0.2mLとエタノール5mL中に混合し、水素ガス雰囲気下、室温にて2時間攪拌した。10%パラジウム-炭素を濾別し、エタノールにて洗浄した。有機層を合わせ、濃縮し、目的とする式(I)の化合物を黄色油状物として得た。
 得られた化合物の性状、NMRデータを、前記表1中に示した。
実施例2:各種PGE1誘導体の酵素及び血清処理によるPGE1への変換
 上記実施例1で合成した各種PGE1誘導体を、ブタ肝臓由来エステラーゼ(PLE)、ヒト胎盤由来アルカリホスファターゼ(ALP)及びヒト血清で処理した場合のPGE1及び中間体への変換率を、HPLCを用いて測定した。
 また、PGE1(n=2)リン酸エステルナトリウム[PGE1(C2)PONa]のPLE及びALP同時処理したときのPGE1への変換率も検討した。
 さらに、対照としてPGE1のエステル誘導体であるAS103も同様実施した。
 なお、反応前のPGE1誘導体が完全にPGE1に変換された場合を変換率100%とした。
 具体的方法は以下のとおりである。
方法:
[ヒト血清処理]
 PGE1誘導体は、100mMエタノール溶液1μLとヒト血清99μLを混合し、37℃でインキュベーションした。その後2倍量のメタノールを添加し、氷上で30分間除タンパク質を行った。次いで、4℃、13200rpm、10分間の遠心を行い、上清200μLを遠心濃縮機で乾燥させた。乾燥したサンプルに、内部標準物資として10μg/mLの3-フェニルプロピオネート300μLを添加し、50mM EDTA(pH3.6)1.7mLを添加した。20分後、溶液をC18逆相カートリッジカラム(SepPack C-18)にロードし、超純水6mLで洗浄した後、アセトニトリル3mLで溶出した。溶出液は、等量の0.2mg/mLの9-anthryldiazomethane(ADAM)のアセトン溶液と混合し、遮光下37℃で18時間インキュベートし、インキュベーション後、サンプル中に含まれるPGE1量を、Super-ODS columnと蛍光検出器を用いて測定した。
[ブタ肝臓由来エステラーゼ(PLE)処理]
 PGE1誘導体は、100mMエタノール溶液1μL、ブタ肝臓由来エステラーゼ(PLE)溶液0.75μL、0.1M Tris-HCl(pH7.4)98.25μLを混合し、37℃でインキュベーションした。その後等量のメタノールを添加し、氷上で30分間除タンパク質を行った。次いで、4℃、13200rpm、10分間の遠心を行い、上清150μLを遠心濃縮機で乾燥させた。乾燥したサンプルに、内部標準物資として10μg/mLの3-フェニルプロピオネート300μLを添加し、50mM EDTA(pH3.6)1.7mLを添加した。20分後、溶液をC18逆相カートリッジカラム(SepPack C-18)にロードし、超純水6mLで洗浄した後、アセトニトリル3mLで溶出した。溶出液は、等量の0.2mg/mLの9-anthryldiazomethane(ADAM)のアセトン溶液と混合し、遮光下37℃で18時間インキュベートした。インキュベーション後、サンプル中に含まれるPGE1誘導体量を、Super-ODS columnと蛍光検出器を用いて測定した。
[ヒト胎盤由来アルカリホスファターゼ(ALP)処理]
 PGE1誘導体は、100mMエタノール溶液1μL、ヒト胎盤由来アルカリホスファターゼ(ALP)溶液1μL、0.1M Tris-HCl(pH7.4)98μLを混合し、37℃でインキュベーションした。その後等量のメタノールを添加し、氷上で30分間除タンパク質を行った。次いで、4℃、13200rpm、10分間の遠心し、上清をHPLCで分析した。
 上記におけるHPLC分析の条件は以下のとおりである
[HPLC条件]
 HPLCは、Waters Alliance HPLS system、ソフトウェアはEmpowerを使用した。ポンプやオートサンプラー等は、2795 Separation module、検出器は、2996 Photodiode Array detector、カラムは、4.6×100-mm(2-um)TSKgel super-ODS columnを使用した。移動相Aはアセトニトリル、移動相Bは5mM酢酸アンモニウム溶液を使用した。移動相Aを25%で1分間、その後7分で25~60%、さらに5分で60~100%となるように勾配をかけ、7分間100%で保つ条件でサンプルを分離した。
 流速は0.5mL/分、サンプル注入量は10μL、検出波長は195nmとした。
結果:
 これらの結果を図1~図4に示した。図1はブタ肝臓由来エステラーゼ(PLE)で処理した場合のPGE1及び中間体への変換率を、図2はヒト胎盤由来アルカリホスファターゼ(ALP)で処理した場合のPGE1及び中間体への変換率を、図3はヒト血清で処理した場合のPGE1及び中間体への変換率を示した。
 また図4は、PGE1(n=2)リン酸エステル誘導体[PGE1(C2)PONa]のPLE及びALPを同時処理したときのPGE1への変換率を示した。
 本発明が提供するPGE1誘導体は、持続的に活性体であるPGE1に変換されているのが判明する。
実施例3:ADP(アデノシン二リン酸)によって誘導される血小板凝集に対するPGE1誘導体の効果
 血小板を豊富に含む画分(PRP)と、PGE1誘導体を37℃でインキュベートした後、アデノシン二リン酸(ADP)(最終濃度:2μM)を添加することにより凝集を誘導した。3分後、血小板凝集計を用いて凝集の程度を測定した。
 サンプルとして、生理食塩水を用いたときに誘導された凝集を100%とし、凝集を50%阻害するPGE1誘導体の濃度を測定した。
 さらに、対照としてPGE1のエステル誘導体であるAS103も同様実施した。
 具体的方法は、以下のとおりである。
[血小板処理]
 血液は、1週間以上薬剤を服用していない健常人から、抗凝固剤として3.8%クエン酸ナトリウム(血液の1/9量)を使用して得た。血液を1000rpmで15分間遠心し、platelet-rich plasma(PRP)を得た。残りの血液を3000rpmで10分間遠心し、platelet-poor plasma(PPP)を得た。
 PRPの215μLを37℃で1分間インキュベーションし、サンプル10μLを添加した後、20μL ADPを25μL添加することにより凝集を誘導した。3分後、血小板凝集計(NKK hematracer 6:二光バイオサイエンス社、PAC-8S)を用いて、凝集の程度を測定した。
 PPPはコントロールとして用いた。
 サンプルとして生理食塩水を用いたときに誘発された凝集を100%として、凝集を50%阻害するPGE1誘導体の濃度を計算した。
 サンプルは、25mMのエタノール溶液を生理食塩水で種々の濃度に希釈して、実験に供した。
 その結果を下記表2に示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 本発明の式(I)中n=2のPGE1誘導体であるPGE1(C2)PONaは、徐放的な血小板凝集作用を示していることが判明する。
実施例4:PGE1誘導体のラット血流増加作用
 Wister系雄性ラットを麻酔下にレーザードップラー法により足蹠皮膚血流量を測定し、尾静脈よりPGE1誘導体[(n=2):PGE1(C2)PONa]を投与した。サンプル投与時を0分とし、血流量変化を観察した。
 また、PGE1誘導体[(n=2):PGE1(C2)PONa]をラット血漿で処理した時のPGE1への変換率を検討した。
 反応前のPGE1誘導体が完全にPGE1に変換された場合を100%とした。
方法:
 具体的方法は以下のとおりである。
[血流量の測定]
 Wister系雄性ラットを麻酔下にレーザードップラー法により足蹠皮膚血流量を測定し、尾静脈よりPGE1誘導体を投与した。
 サンプルの投与量は、10nmol/kgとした。
 サンプル投与時を0分として、血流量の変化を観察した。
結果:
 図5及び図6にその結果を示した。図5はラットにおける血流量の変化を示すが、その結果から判明するように、本発明の式(I)で示されるPGE1誘導体にあっては、血流量が持続的に維持されていることが理解される。
 図6はラット血漿並びにヒト血清でのPGE1誘導体の、経時的なPGE1への変換率を示したものであるが、上記の結果は、PGE1への変換が持続的である点からも理解されるものである。
 以下に、本発明の粒子の調製、得られたナノ粒子の特徴について記載していく。
実施例5:ナノ粒子の調製に使用するPLA-PEGの合成
 PEG2g、dl-Lactide2~6g及びオクチル酸スズ(0.5%重量)を重合管に入れ、充分に混合した後、油圧ポンプにて脱気した。オイルバスにて125℃で加熱し溶解させ、160℃に昇温して3~5時間反応させた。反応物を冷却後、20mL程度のジクロルメタンに溶解した。その後氷冷した大量のイソプロパノールに徐々に添加することで再沈澱させ、沈澱物を水に懸濁させ、凍結乾燥を行った。ゲル浸透クロマトグラフィー(TSKgel α-4000、α-3000、α-2000)及びNMR測定により、分子量を計算した。
 なお使用したPEGの平均分子量は約5000であり、PLAの平均分子量は約3000であった。
実施例6:ナノ粒子の作成方法
 粒子は、水中油溶媒拡散法で作製した。PLLAは1,4-ジオキサンに、PEG-PLA及びDEA(ジエタノールアミン)はアセトンに、塩化亜鉛及びPGE1誘導体は超純水に溶解して用いた。PLLA及びPEG-PLAの総量は25mgとした。
 PLLA溶液22.5μL、PEG-PLA溶液27.5μL、1M塩化亜鉛水溶液20.3μL、PGE1誘導体水溶液14.3μLの順に混合し、室温にて10分間インキュベーションした。超純水25mLを1000rpmで攪拌しているなかに得られた混合物を26Gの注射針を通して、48mL/時間の速度で滴下した。滴下終了後、0.5Mクエン酸ナトリウム水溶液(pH7.4)500μL、200mg/mL Tween80水溶液12.5μLを添加することにより、過剰な亜鉛イオンをキレートし、粒子の拡散を安定化させた。粒子の懸濁液は、Centriprep YM-50を用いて限外濾過により濃縮し、50mM EDTA(pH7)及び超純水を添加して濃縮を重ね、粒子を精製した。
 粒子中のPGE1誘導体封入量は、ADAMと反応させることにより、Super-ODS columnと蛍光検出器を用いて測定した。
 粒子中へのPGE1誘導体の封入率は、粒子の総重量に対するPGE1誘導体の重量比として定義した。
 粒子径とその分布は、動的光拡散法により測定した。
 その結果を下記表3に示した
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
 表中に示した結果からも判明するように、粒子中へのPGE1誘導体の封入率は充分なものであった。
 なお、ナノ粒子中へのPGE1誘導体の封入量の測定は以下のとおりである。
[粒子中のPGE1量の測定方法]
 粒子中のPGE1量は以下のようにして測定した。
 粒子懸濁液50μLを遠心濃縮機で乾燥させた。乾燥した粒子は、1,4-ジオキサン150μLで溶解した。続いて、内部標準物資として60μg/mLの3-フェニルプロピオネート150μL添加し、50mM EDTA(pH3.6)1.7mLを添加した。20分後、溶液をC18逆相カートリッジカラム(SepPack C-18)にロードした。超純水6mLで洗浄した後、アセトニトリル4.5mLで溶出した。溶出液は、等量の0.2mg/mLの9-anthryldiazomethane(ADAM)のアセトン溶液と混合し、遮光下37℃で18時間インキュベートした。インキュベーション後、PGE1量は、Super-ODSカラムと蛍光検出器を用いて測定した。
 粒子中へのPGE1の封入率は、粒子の総重量に対するPGE1の重量の比として定義した。
 PGE1-ADAMのHPLCの測定は以下のとおり行った。
 HLPCは、Waters Alliance HPLS system、ソフトウェアはEmpowerを使用した。ポンプやオートサンプラー等は、2795 Separation module、検出器は、2996 Photodiode Array detector及び2475 Multi λ Fluorescence Detector、カラムは、4.6×100-mm(2um)TSKgel super-ODS columnを使用した。
 移動相Aはアセトニトリル、移動相Bは超純水を使用した。
 移動相Aを65%で25分間、その後10分で65~100%となるように勾配をかけ、10分間100%で保つ条件でサンプルを分離した。
 流速は0.3mL/分、サンプル注入量は5μL、励起波長は365nm、検出波長は412nmとした。
実施例7:PGE1誘導体[n=2:PGE1(C2)PONa]を封入したナノ粒子の特徴
 ナノ粒子は、水中油溶媒拡散法で作製した。
 PLA(分子量:5000)或いはPLLA(分子量:5000或いは20000)及びPLA-PEG(分子量:8000)を基剤として用いてナノ粒子を作製した。
 各種ナノ粒子の粒径、封入率、及びin vivoでの放出試験を行った。
 なお、放出試験は、ナノ粒子を37℃、リン酸緩衝液中でインキュベーションし、各時間において粒子中に残存しているPGE1誘導体[n=2:PGE1(C2)PONa]量をHPLCで測定した。
 その結果を図7~図9に示した。
 図7は、PLA(分子量5000:PLA05)、PLLA(分子量5000:PLLA05)及びPLLA(分子量20000:PLLA20)を基剤とした場合の粒子径を示し、図8はPGE1誘導体の封入率を示し、図9はin vivoでの放出試験の結果を示した。
 その結果からも判明するように、PLLAを基剤として用いた場合に、得られたナノ粒子は良好な粒子径と薬物封入率、並びに徐放性を示していることが判明する。
実施例8:PGE1誘導体[n=2:PGE1(C2)PONa]を効率よくPLLAナノ粒子中に封入するための条件の検討
 上記実施例7の結果を踏まえ、更に効率よくPGE1誘導体を封入するための条件を検討した。
 すなわち、ナノ粒子作製時に、亜鉛量を21.4nmolに固定し、DEA(ジエタノールアミン)量を変更してナノ粒子を作製した。
 図10に、種々の条件において粒子作製時のpHを示し、図11に作製した粒子の粒子径を、図12にPGE1誘導体の封入率を示した。
実施例9:粒子作成条件変更後のPGE1誘導体[n=2:PGE1(C2)PONa]を封入したナノ粒子の特徴
 DEA量を変更した条件で、PLLA(分子量5000:PLLA05或いは20000:PLLA20)及びPLA-PEG(分子量:8000)を基剤として用いてナノ粒子を作製した。
 図13に、得られた各種ナノ粒子についての粒子径を、図14にPGE1誘導体の封入率を、図15にin vitroでの放出試験の結果を示した。
 なお、粒子からPGE1の放出試験は、具体的には以下の方法で行った。
 PGE1を封入したナノ粒子は、ウシ血清アルブミン(FBS)とリン酸緩衝液(PBS)の混合液(50%v/v)中に分散させた。37℃で各時間インキュベートした後、各溶液100μL 50mM EDTA(pH7)900μLを添加し、4℃、50,000×g、30分の遠心を行った。上清を除去し、超純水1mLを添加し、さらに遠心した。上清を除去し、沈殿に含まれるPGE1量をHPLCで測定した。
実施例10:PGE1の安定性試験
 PGE1誘導体[(n=2):PGE1(C2)PONa]の1mM量の水溶液を、それぞれ37℃及び4℃の条件下に放置(インキュベート)し、その経過時間による溶液中におけるPGE1誘導体の残存量をHPLCで測定した。
 さらに、対照としてPGE1のエステル誘導体であるAS103も同様実施した。
 その結果を図16及び図17に示した。なお、値は3回の実施における平均値±S.E.M.で示している。
 図16は、37℃の条件下でインキュベートした場合の安定性の結果を示したものであるが、本願発明のPGE1誘導体[(n=2):PGE1(C2)PONa]は、AS103に比較してその安定性が優れていることが理解される。
 また、図17は4℃の条件下でインキュベートした場合の安定性の結果を示したものであるが、かかる条件下ではさらに安定性が良好なものであることが理解される。
 以上記載のように、本発明により、PGE1の作用の持続性に優れ、効果的にPGE1に変換されるプロドラッグとしてのPGE1誘導体が提供される。
 本発明が提供するPGE1誘導体は、PGE1への変換が容易なものであり、またその変換が持続的なものであり、さらに保存安定性に優れ、徐放性のPGE1作用を発揮する点で、極めて特異的なものである。
 また、本発明が提供するPGE1誘導体はナノ粒子化することが可能であり、得られたナノ粒子は極めて安定なものであり、また粒子中におけるPGE1誘導体の残存が長期間に亘って持続するものである。したがって、本発明が提供するナノ粒子は、薬物の徐放性に優れ、その結果、PGE1の作用の持続性を図れる点で、極めて効果的なものであり、産業上の利用性は多大なものである。

Claims (10)

  1.  次式(I):
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    [式中、nは1~12の整数を表す]
    で示されるプロスタグランジンE1誘導体。
  2.  式中nが2である式(I)で示されるプロスタグランジンE1誘導体。
  3.  請求項1に記載の式(I)で示されるプロスタグランジンE1誘導体を金属イオンにより疎水化し、これをポリL-乳酸又はポリ(L-乳酸/グリコール酸)共重合体、及びポリDL-又はL-乳酸-ポリエチレングリコールブロック共重合体又はポリ(DL-又はL-乳酸/グリコール酸)-ポリエチレングリコールブロック共重合体と作用させることにより得られるプロスタグランジンE1誘導体含有ナノ粒子。
  4.  さらに、塩基性低分子化合物を混合することを特徴とする請求項3に記載のプロスタグランジンE1誘導体含有ナノ粒子。
  5.  さらに界面活性剤を配合することからなる請求項3又は4に記載のプロスタグランジンE1誘導体含有ナノ粒子。
  6.  金属イオンが、亜鉛イオン、鉄イオン、銅イオン、ニッケルイオン、ベリリウムイオン、マンガンイオン又はコバルトイオンの1種又は2種以上である請求項3、4又は5に記載のプロスタグランジンE1誘導体含有ナノ粒子。
  7.  ポリDL-又はL-乳酸-ポリエチレングリコールブロック共重合体又はポリ(DL-又はL-乳酸/グリコール酸)-ポリエチレングリコールブロック共重合体の重量平均分子量が3,000~30,000である請求項3~6のいずれかに記載のプロスタグランジンE1誘導体含有ナノ粒子。
  8.  塩基性低分子化合物が、(ジメチルアミノ)ピリジン、ピリジン、ピペリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、キヌクリジン、イソキノリン、ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン、ナフチルアミン、モルホリン、アマンタジン、アニリン、スペルミン、スペルミジン、ヘキサメチレンジアミン、プトレシン、カダベリン、フェネチルアミン、ヒスタミン、ジアザビシクロオクタン、ジイソプロピルエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミンから選択される1種又は2種以上のものである請求項4に記載のプロスタグランジンE1誘導体含有ナノ粒子。
  9.  界面活性剤が、ホスファチジルコリン、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレン(80)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(20)コレステロールエステル、脂質-ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び脂肪酸-ポリエチレングリコール共重合体から選択される1種又は2種以上のものである請求項5に記載のプロスタグランジンE1誘導体含有ナノ粒子。
  10.  粒子の直径が20~300nmである請求項3~9のいずれかに記載のプロスタグランジンE1誘導体含有ナノ粒子。
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