WO2010029803A1 - 端子金具及び端子金具付き電線 - Google Patents

Abstract

端子金具１０は、前端側部分に形成され、相手端子に接続される端子接続部１１と、後端側部分に形成され、端子接続部１１に連なる下板部２１、及び下板部２１の左右両側縁から立ち上げられた一対のカシメ片２２からなる圧着部１２とを有している。下板部２１と一対のカシメ片２２とで電線３０の端末部を包囲するように圧着部１２をかしめることにより電線３０の端末部を圧着する。カシメ片２２は、下板部２１よりも薄肉に形成され、かしめられた際に電線３０の端末部に当接する薄肉部２４を有している。

Description

端子金具及び端子金具付き電線

　本発明は、端子金具及び端子金具付き電線に関するものである。

　特許文献１には、従来の端子金具が開示されている。この端子金具は、前端側部分に相手端子に接続される端子接続部が形成されている。また、この端子金具は、後端側部分に端子接続部に連なる下板部を有している。下板部には、左右両側縁から立ち上げられた一対のカシメ片が前後に２組設けられ、このカシメ片と下板部とで圧着部が形成されている。詳しくは圧着部は、下板部と前側の一対のカシメ片とで電線の端末部の被覆が除去されて露出した芯線を包囲するようにかしめられるワイヤーバレル部と、下板部と後側の一対のカシメ片とで被覆された電線の端末部を包囲するようにかしめられるインシュレーションバレル部とから構成されている。この端子金具は、肉厚が一定の金属板材を曲げ加工等を施すことによって形成されているため、各カシメ片の肉厚は略一定である。
特開２００６－２２８７５９号公報

　しかし、上記従来の端子金具では、圧着部の上下方向の寸法は、電線の端末部の上下方向の寸法に下板部の厚さ及びカシメ片の厚さ分が加えられたものとなる。このため、電線の端末部が太くなると圧着部の上下方向の寸法が大きくなるため圧着部の低背化が困難になる。
　また、上記従来の端子金具では、インシュレーションバレル部の左右方向の寸法は、被覆された電線の端末部の左右方向の寸法に左右のカシメ片の厚さが加えられたものとなる。インシュレーションバレル部の左右方向の寸法が端子金具の左右方向の寸法の律速になっている。このため、電線の端末部が太くなるとインシュレーションバレル部の左右方向の寸法が大きくなり、端子金具の小型化が困難になる。

　本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、圧着部の外形寸法を小さくすることを目的とする。

　上記の目的を達成するための手段として、請求項１の発明は、前端側部分に形成され、相手端子に接続される端子接続部と、後端側部分に形成され、前記端子接続部に連なる下板部及び前記下板部の左右両側縁から立ち上げられた一対のカシメ片からなる圧着部とを有し、前記下板部と前記一対のカシメ片とで電線の端末部を包囲するように前記圧着部をかしめることにより前記電線の端末部を圧着する端子金具において、前記カシメ片は、前記下板部よりも薄肉に形成され、かしめられた際に前記電線の端末部に当接する薄肉部を有しているところに特徴を有する。

　請求項２の発明は、請求項１に記載のものにおいて、前記薄肉部は、かしめられた際に前記電線の端末部に対して上方から当接するところに特徴を有する。

　請求項３の発明は、請求項１又は２に記載のものにおいて、前記薄肉部は、かしめられた際に前記電線の端末部に対向する前記カシメ片の内面を凹ませて形成されているところに特徴を有する。

　請求項４の発明は、請求項２に記載のものにおいて、前記薄肉部は、かしめられた際に上方を向く前記カシメ片の外面を凹ませて形成されているところに特徴を有する。

　請求項５の発明は、請求項１ないし４のいずれか１項に記載のものにおいて、前記圧着部は、下板部の左右両側縁の前後２箇所から立ち上げられた２組の一対のカシメ片を有し、前側の一対のカシメ片は、前記下板部とともに、電線の端末部の被覆が除去されて露出した芯線を包囲するようにかしめられるワイヤーバレル部を構成し、後側の一対のカシメ片は、前記下板部とともに、被覆された電線の端末部を包囲するようにかしめられるインシュレーションバレル部を構成しており、前記薄肉部は、前記ワイヤーバレル部の前記カシメ片のみに形成されているところに特徴を有する。

　請求項６の発明は、請求項１に記載のものにおいて、前記圧着部は、下板部の左右両側縁の前後２箇所から立ち上げられた２組の一対のカシメ片を有し、前側の一対のカシメ片は、前記下板部とともに、電線の端末部の被覆が除去されて露出した芯線を包囲するようにかしめられるワイヤーバレル部を構成し、後側の一対のカシメ片は、前記下板部とともに、被覆された電線の端末部を包囲するようにかしめられるインシュレーションバレル部を構成しており、前記薄肉部は、前記インシュレーションバレル部の前記カシメ片に形成されているところに特徴を有する。

　請求項７の発明は、請求項６に記載のものにおいて、前記薄肉部は、かしめられた際に被覆された前記電線の端末部に対して横方向から当接するところに特徴を有する。

　請求項８の発明は、請求項６又は７に記載のものにおいて、前記薄肉部は、かしめられた際に被覆された前記電線の端末部に対向する前記カシメ片の内面を凹ませて形成されているところに特徴を有する。

　請求項９の発明は、請求項７に記載のものにおいて、前記薄肉部は、かしめられた際に横外方を向く前記カシメ片の外面を凹ませて形成されているところに特徴を有する。

　請求項１０の発明は、請求項６ないし９のいずれか１項に記載のものにおいて、前記薄肉部は、前記インシュレーションバレル部の前記カシメ片のみに形成されているところに特徴を有する。

　請求項１１の発明は、請求項１ないし１０のいずれか１項に記載のものにおいて、前記薄肉部は、前記カシメ片の中間部に叩き出しにより形成されているところに特徴を有する。

　請求項１２の発明は、請求項１ないし１１のいずれか１項に記載の端子金具を、端末部に接続してなる端子金具付き電線である。

　カシメ片の外面又は内面を凹ませて薄肉部を形成し、電線の端末部に対して薄肉部が当接するよう包囲して圧着部をかしめることにより、端子金具を電線の端末部に圧着する。このため、薄肉部と対応するカシメ片の厚さが薄くなり、その分、圧着部の外形寸法を小さくすることができる。これにより、例えば、圧着部の低背化を実現することができ、また、端子金具の小型化を実現することができる。

実施形態１の端子金具付き電線に係り、コネクタハウジングに装着された状態をあらわす側面図 実施形態１の金属板材の圧着部の形状をあらわす平面図 実施形態１のワイヤーバレル部の圧着前の形状をあらわす断面図 実施形態１のワイヤーバレル部の圧着後の形状をあらわす断面図 実施形態２のワイヤーバレル部の圧着前の形状をあらわす断面図 実施形態３のワイヤーバレル部の圧着後の形状をあらわす断面図 実施形態４の端子金具付き電線の概略側面図 実施形態４の端子金具を形成する金属板材をあらわす平面図図 実施形態４の圧着部を圧着する前の状態をあらわす平面図 実施形態４のインシュレーションバレル部の圧着後の断面図 実施形態５のインシュレーションバレル部の圧着後の断面図

　＜実施形態１＞
　以下、本発明を具体化した実施形態１を図１乃至図４を参照して説明する。本実施形態１の端子金具付き電線は、電線３０と、電線３０の端末部を圧着する端子金具１０とを備えている。端子金具１０は雌形のものであり、前端側部分には、角筒状をなし、雄形の相手端子に形成された細長い雄タブが挿入され接続される端子接続部１１が形成されている。電線３０は、芯線３１を被覆で包囲したものであり、芯線３１の材質は、アルミニウム又はアルミ合金である。アルミニウムは、銅に比べて導電率が低いため、芯線３１は、銅製の芯線よりも径を大きくすることによって、所定の電流値を確保している。

　端子金具１０の後端側部分には、電線３０を圧着する圧着部１２が形成されている。圧着部１２は、ワイヤーバレル部１３と、ワイヤーバレル部１３より後方に位置するインシュレーションバレル部１４とから構成されている。ワイヤーバレル部１３は、端子接続部１１に連なる下板部２１及び下板部２１の左右両側縁から立ち上げられた一対のカシメ片２２から形成されている。下板部２１及びカシメ片２２は左右対称の形状に形成されている。インシュレーションバレル部１４は、ワイヤーバレル部１３より後側の下板部２１及び下板部２１の左右両側縁から立ち上げられた一対のカシメ片２３から形成されている。下板部２１及びカシメ片２３も左右対称の形状に形成されている。ワイヤーバレル部１３のカシメ片２２の前端下部は、第１連結部２５Ｆにより端子接続部１１の側壁部の後端に連結されている。ワイヤーバレル部１３のカシメ片２２の後端下部は、第２連結部２５Ｒによりインシュレーションバレル部１４のカシメ片２３の前端下部に連結されている。

　ワイヤーバレル部１３の下板部２１はその全体に亘ってほぼ一定の厚みで構成されている。一方、ワイヤーバレル部１３の各カシメ片２２は、下板部２１よりも薄肉に形成され、かしめられた際に電線３０の端末部の被覆が除去されて露出した芯線３１に対して上方から当接する薄肉部２４を有している。薄肉部２４は、かしめられた際に芯線３１に対向するカシメ片２２の内面を凹ませて形成されている。この薄肉部２４は、図２に示すように、肉厚が一定の金属板材を所定形状に打ち抜き、各カシメ片２２の先端縁より内側であって、先端縁に沿って前後方向に長い略矩形状となるように叩き出しにより形成される。つまり、薄肉部２４は、それぞれのカシメ片２２毎に単一の凹所として構成され、カシメ片２２の周縁部を残した中間部に配置されている。この場合、薄肉部２４はワイヤーバレル部１３のカシメ片２２のみに形成され、例えば、下板部２１には形成されていないため、叩き出しによって端子金具１０の全長が大きく伸びてしまうのを抑えることができる。もっとも、叩き出しによって薄肉部２４の金属板材が多少とも延びる懸念があるが、本実施形態１の場合、各カシメ片２３の中間部を叩き出すため、カシメ片２３が前後に僅かに延びる程度に抑えられる。

　このように構成された端子金具１０に対して、芯線３１がワイヤーバレル部１３に位置し、電線３０の端末部の被覆を有する部分３２がインシュレーションバレル部１４に位置するように、電線３０を下板部２１に載置する。この状態で、ワイヤーバレル部１３のカシメ片２２及びインシュレーションバレル部１４のカシメ片２３を上方から押圧する。ワイヤーバレル部１３では、図４に示すように、下板部２１とカシメ片２２とで芯線３１を包囲し、薄肉部２４が芯線３１に対して上方から当接するようにかしめられ、芯線３１が圧着される。このため、ワイヤーバレル部１３の上下方向の寸法を小さくすることができ、ワイヤーバレル部１３の低背化が可能である。インシュレーションバレル部１４では、下板部２１とカシメ片２３とで電線３０の端末部の被覆を有する部分３２を包囲するようにかしめられ、電線３０の端末部の被覆を有する部分３２が圧着される。圧着済みの状態では、ワイヤーバレル部１３の高さが端子接続部１１よりも低いので、この高低差を利用してワイヤーバレル部１３の上方には、端子接続部１１に対してリテーナ４０を後方から係止させるための空間が確保されている。

　このように構成された端子金具付き電線は、図１に示すように、コネクタハウジング４０に形成されたキャビティ４１に挿入される。端子金具付き電線のキャビティ４１からの抜けを確実に規制するためにリテーナ４２がコネクタハウジング４０に嵌め込まれる。リテーナ４２は、ワイヤーバレル部１３の上方の空間に進出して、端子接続部１１の後端に係止し、この係止作用により端子金具１０が抜け止めされる。この際に、ワイヤーバレル部１３の上下方向の寸法が小さいため、リテーナ４２をキャビティ４１内に深く挿入することができる。このため、リテーナ４２の前端面と端子接続部１１の後端面との係り代を大きく設けることができ、端子金具付き電線の抜け止めを確実に行うことができる。

　また、ワイヤーバレル部１３の上下方向の寸法を小さく抑えることができるため、芯線３１の太い電線に対して、この端子金具１０を取り付けてもリテーナ４２の前端面が端子接続部１１の後端面に係止させることができ、端子金具付き電線の抜け止めを確実に行うことができる。つまり、この端子金具１０は、芯線３１の太さの相違する電線に対して利用することができる。

　＜実施形態２＞
　次に、本発明を具体化した実施形態２を図５を参照して説明する。本実施形態２の端子金具付き電線は、薄肉部２５を上記実施形態１とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態１と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。

　本実施形態２の端子金具付き電線は、薄肉部２５が各カシメ片２２の先端縁まで延びて形成されている。この場合、カシメ片２２の中間部から先端縁までを叩き出しにより薄肉にすれば良く、容易に薄肉部２５を形成することができる。また、先端縁が薄肉であるため、かしめられた際に芯線３１内に入り込みやすい。このため、ワイヤーバレル部１３を容易にかしめることができ、上下方向の寸法を小さくし、ワイヤーバレル部１３の低背化が可能である。

　＜実施形態３＞
　次に、本発明を具体化した実施形態３を図６を参照して説明する。本実施形態３の端子金具付き電線は、薄肉部２６を上記実施形態１等とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態１等と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。

　本実施形態３の端子金具付き電線は、薄肉部２６がかしめられた際に上方を向くカシメ片２２の外面、即ち、芯線３１との対向面とは反対側の面を凹ませて形成されている。この場合も、ワイヤーバレル部１３の上下方向の寸法を小さくすることができ、ワイヤーバレル部１３の低背化が可能である。

　実施形態１～３については、例えば、次のような態様であっても、本発明の技術範囲に含まれる。
　（１）上記実施形態１～３では、カシメ片の内面又は外面の一方のみを凹ませて薄肉部を形成しているが、両面を凹ませて薄肉部を形成してもよい。
　（２）上記実施形態１～３では、薄肉部はカシメ片がかしめられた際に芯線に対して上方から当接する部分のみに形成されているが、芯線の側方に当接する部分にまで薄肉部が延びて形成されていてもよい。また、薄肉部が芯線の側方に当接する部分のみに形成されるものであってもよい。
　（３）上記実施形態１～３では、端子接続部が角筒状をなしている雌形の端子金具について説明したが、本発明は端子接続部が細長く延びた雄タブと称される形態である雄形の端子金具にも適用できる。

　＜実施形態４＞
　次に、本発明を具体化した実施形態４を図７乃至図１０を参照して説明する。本実施形態４の端子金具付き電線は、電線１３０と、電線１３０の端末部を圧着する端子金具１１０とを備えている。端子金具１１０は雌形のものであり、前端側部分には、角筒状をなし、雄形の相手端子に形成された細長い雄タブが挿入され接続される端子接続部１１１が形成されている。電線１３０は、芯線１３１を被覆で包囲したものであり、芯線１３１の材質は、アルミニウム又はアルミ合金である。アルミニウムは、銅に比べて導電率が低いため、芯線１３１は、銅製の芯線よりも径を大きくすることによって、所定の電流値を確保している。

　端子金具１１０の後端側部分には、電線１３０を圧着する圧着部１１２が形成されている。圧着部１１２は、ワイヤーバレル部１１３と、ワイヤーバレル部１１３より後方に位置するインシュレーションバレル部１１４とから構成されている。ワイヤーバレル部１１３は、端子接続部１１１に連なる下板部１２１及び下板部１２１の左右両側縁から立ち上げられた一対のカシメ片１２２から形成されている。下板部１２１及びカシメ片１２２は左右対称の形状に形成されている。インシュレーションバレル部１１４は、ワイヤーバレル部１１３より後側の下板部１２１及び下板部１２１の左右両側縁から立ち上げられた一対のカシメ片１２３から形成されている。下板部１２１及びカシメ片１２３も左右対称の形状に形成されている。ワイヤーバレル部１１３のカシメ片１２２の前端下部は、第１連結部１２５Ｆにより端子接続部１１１の側壁部の後端に連結されている。ワイヤーバレル部１１３のカシメ片１２２の後端下部は、第２連結部１２５Ｒによりインシュレーションバレル部１１４のカシメ片１２３の前端下部に連結されている。

　インシュレーションバレル部１１４の下板部１２１はその全体に亘ってほぼ一定の厚みで構成されている。一方、インシュレーションバレル部１１４の各カシメ片１２２は、下板部１２１よりも薄肉に形成され、かしめられた際に電線１３０の端末部の被覆を有する部分１３２に対して横方向から当接する薄肉部１２４を有している。薄肉部１２４は、かしめられた際に電線１３０の端末部の被覆を有する部分１３２に対向するカシメ片１２３の内面を凹ませて形成されている。この薄肉部１２４は、図８に示すように、肉厚が一定の金属板材を所定形状に打ち抜き、各カシメ片１２３の中間位置に略矩形状となるように叩き出しにより形成される。つまり、薄肉部１２４は、それぞれのカシメ片１２２毎に単一の凹所として構成され、カシメ片１２２の周縁部を残した中間部に配置されている。この場合、薄肉部２４はインシュレーションバレル部１３のカシメ片２２のみに形成され、例えば、下板部２１には形成されていないため、叩き出しによって端子金具１０の全長が大きく伸びてしまうのを抑えることができる。もっとも、叩き出しによって薄肉部１２４の金属板材が多少とも延びる懸念があるが、本実施形態４の場合、各カシメ片１２３の中間部を叩き出すため、カシメ片１２３が前後に僅かに延びる程度に抑えられる。

　このように構成された端子金具１１０に対して、図９に示すように、芯線１３１がワイヤーバレル部１１３に位置し、電線１３０の端末部の被覆を有する部分１３２がインシュレーションバレル部１１４に位置するように、電線１３０を下板部１２１に載置する。この状態で、ワイヤーバレル部１１３のカシメ片１２２及びインシュレーションバレル部１１４のカシメ片１２３を上方から押圧する。インシュレーションバレル部１１４では、図１０に示すように、下板部１２１とカシメ片１２３とで電線１３０の端末部の被覆を有する部分１３２を包囲し、薄肉部１２４が電線１３０の端末部の被覆を有する部分１３２に対して横方向から当接するようにかしめられる。このため、インシュレーションバレル部１１４の左右方向の寸法を小さくすることができ、端子金具１１０の小型化が可能である。ワイヤーバレル部１１３では、下板部１２１とカシメ片１２２とで電線１３０の端末部の被覆が除去されて露出した芯線１３１を包囲するようにかしめられる。このようにして、電線１３０の端末部に端子金具１１０が圧着される。

　このように構成された端子金具付き電線は、インシュレーションバレル部１１４の左右方向の寸法を小さく抑えることができるため、芯線１３１の太い電線に対して、この端子金具１１０を取り付けても、インシュレーションバレル部１１４の左右方向の寸法が大きくなり過ぎず、コネクタハウジングに形成されたキャビティを大きくしなくても挿入することができる。つまり、この端子金具１１０は、太さの相違する電線に対して利用することができる。また、端子金具１１０を小型化にすることにより、コネクタハウジングに形成されるキャビティの間隔を小さくすることができる。

　＜実施形態５＞
　次に、本発明を具体化した実施形態５を図１１を参照して説明する。本実施形態５の端子金具付き電線は、薄肉部１２５を上記実施形態４とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態４と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。

　本実施形態５の端子金具付き電線は、薄肉部１２５がかしめられた際に横外方を向くカシメ片の外面、即ち、電線１３０の端末部の被覆を有する部分１３２との対向面とは反対側の面を凹ませて形成されている。この場合も、インシュレーションバレル部１１４の横方向の寸法を小さくすることができ、端子金具１１０の小型化が可能である。

　実施形態４及び５については、例えば、次のような態様であっても、本発明の技術範囲に含まれる。
　（１）上記実施形態４及び５では、薄肉部はカシメ片の中間部に形成されているが、薄肉部をカシメ片の先端縁まで延ばして形成してもよい。
　（２）上記実施形態４及び５では、カシメ片の内面又は外面の一方のみを凹ませて薄肉部を形成しているが、両面を凹ませて薄肉部を形成してもよい。
　（３）上記実施形態４及び５では、端子接続部が角筒状をなしている雌形の端子金具について説明したが、本発明は端子接続部が細長く延びた雄タブと称される形態である雄形の端子金具にも適用できる。

　１０、１１０…端子金具
　１１、１１１…端子接続部
　１２、１１２…圧着部
　１３、１１３…ワイヤーバレル部
　１４、１１４…インシュレーションバレル部
　２１、１２１…下板部
　２２、２３、１２２、１２３…カシメ片
　２４、１２４…薄肉部
　３０、１３０…電線
　３１、１３１…芯線 

Claims (12)

1. 　前端側部分に形成され、相手端子に接続される端子接続部と、
   　後端側部分に形成され、前記端子接続部に連なる下板部及び前記下板部の左右両側縁から立ち上げられた一対のカシメ片からなる圧着部とを有し、
   　前記下板部と前記一対のカシメ片とで電線の端末部を包囲するように前記圧着部をかしめることにより前記電線の端末部を圧着する端子金具において、
   　前記カシメ片は、前記下板部よりも薄肉に形成され、かしめられた際に前記電線の端末部に当接する薄肉部を有していることを特徴とする端子金具。
2. 　前記薄肉部は、かしめられた際に前記電線の端末部に対して上方から当接することを特徴とする請求項１記載の端子金具。
3. 　前記薄肉部は、かしめられた際に前記電線の端末部に対向する前記カシメ片の内面を凹ませて形成されていることを特徴とする請求項１又は２記載の端子金具。
4. 　前記薄肉部は、かしめられた際に上方を向く前記カシメ片の外面を凹ませて形成されていることを特徴とする請求項２記載の端子金具。
5. 　前記圧着部は、下板部の左右両側縁の前後２箇所から立ち上げられた２組の一対のカシメ片を有し、
   　前側の一対のカシメ片は、前記下板部とともに、電線の端末部の被覆が除去されて露出した芯線を包囲するようにかしめられるワイヤーバレル部を構成し、後側の一対のカシメ片は、前記下板部とともに、被覆された電線の端末部を包囲するようにかしめられるインシュレーションバレル部を構成しており、
   　前記薄肉部は、前記ワイヤーバレル部の前記カシメ片のみに形成されていることを特徴とする請求項１ないし４のいずれか１項記載の端子金具。
6. 　前記圧着部は、下板部の左右両側縁の前後２箇所から立ち上げられた２組の一対のカシメ片を有し、
   　前側の一対のカシメ片は、前記下板部とともに、電線の端末部の被覆が除去されて露出した芯線を包囲するようにかしめられるワイヤーバレル部を構成し、後側の一対のカシメ片は、前記下板部とともに、被覆された電線の端末部を包囲するようにかしめられるインシュレーションバレル部を構成しており、
   　前記薄肉部は、前記インシュレーションバレル部の前記カシメ片に形成されていることを特徴とする請求項１記載の端子金具。
7. 　前記薄肉部は、かしめられた際に被覆された前記電線の端末部に対して横方向から当接することを特徴とする請求項６記載の端子金具。
8. 　前記薄肉部は、かしめられた際に被覆された前記電線の端末部に対向する前記カシメ片の内面を凹ませて形成されていることを特徴とする請求項６又は７記載の端子金具。
9. 　前記薄肉部は、かしめられた際に横外方を向く前記カシメ片の外面を凹ませて形成されていることを特徴とする請求項７記載の端子金具。
10. 　前記薄肉部は、前記インシュレーションバレル部の前記カシメ片のみに形成されていることを特徴とする請求項６ないし９のいずれか１項記載の端子金具。
11. 　前記薄肉部は、前記カシメ片の中間部に叩き出しにより形成されていることを特徴とする請求項１ないし１０のいずれか１項記載の端子金具。
12. 　請求項１ないし１１のいずれか１項記載の端子金具を、端末部に接続してなる端子金具付き電線。 

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