JP2010049844A - コネクタ及び端子金具 - Google Patents

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Abstract

【課題】相手側端子金具との間の接続信頼性を確保する。
【解決手段】端子金具30、30Aは、相手側端子金具と接続可能な筒状の本体部33を有するとともに、本体部33よりも後方に位置して電線90の端末に接続されるワイヤバレル34を有し、コネクタハウジング10のキャビティ11内に挿入された状態で、コネクタハウジング10に装着されるリテーナ20の係止部22によって本体部33の後端37が係止されることにより、キャビティ11からの抜け止めが行われる。ワイヤバレル34と本体部33との間には、本体部33の後端37との間に係止部22を挟み込むことにより、係止部22に対する前後方向への相対変位を規制する突部40、40Aが設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、コネクタ及び端子金具に関する。
特許文献1には、従来のコネクタ及び端子金具が開示されている。端子金具は電線の端末に接続されるものであって、前後方向に延びて電線を支持する基板部と、基板部の前部に位置して相手側端子金具に電気的に接続される筒状の本体部と、基板部の後部に位置して電線の端末に圧着して接続されるバレル部とを有している。コネクタハウジングは、端子金具を挿入可能なキャビティを有するとともに、キャビティに連通する孔部を有している。コネクタハウジングには孔部を通して側方からリテーナが装着され、リテーナには本体部の後端を係止して端子金具のキャビティからの抜け止めをなす係止部が突設されている。
特開2003−203707公報
ところで、コネクタが自動車のような振動の激しいところに搭載された場合には、係止部と本体部の後端との間に生じるクリアランスの範囲で端子金具が前後方向にがたつく懸念がある。そうすると、相手側端子金具との接続部位が摺動摩耗し、接続信頼性が低下するおそれがある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、接続信頼性を確保することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、相手側端子金具と接続可能な筒状の本体部を有するとともに、前記本体部よりも後方に位置して電線の端末に接続されるバレル部を有する端子金具と、前記端子金具を挿入可能なキャビティを有するとともに、前記キャビティに連通する孔を有するコネクタハウジングと、前記孔内に挿入されて前記コネクタハウジングに装着されることにより、前記本体部の後端を係止して前記端子金具の前記キャビティからの抜け止めを行う係止部を有するリテーナとを備えたコネクタであって、前記端子金具には、前記バレル部と前記本体部との間に位置し、前記本体部の後端との間に前記係止部を挟み込むことにより、前記係止部に対する前記端子金具の前後方向への相対変位を規制する突部が設けられている構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記端子金具は、前後方向に延びて前記電線を支持する基板部を有し、前記突部は、前記基板部における前記電線の支持領域よりも前方の領域を板厚方向に折り曲げて形成されているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のものにおいて、前記突部が弾性を有しているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、相手側端子金具と接続可能な筒状の本体部を有するとともに、前記本体部よりも後方に位置して電線の端末に接続されるバレル部を有し、コネクタハウジングのキャビティ内に挿入された状態で、前記コネクタハウジングに装着されるリテーナの係止部によって前記本体部の後端が係止されることにより、前記キャビティからの抜け止めが行われる端子金具であって、
前記バレル部と前記本体部との間には、前記本体部の後端との間に前記係止部を挟み込むことにより、前記係止部に対する前後方向への相対変位を規制する突部が設けられている構成としたところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記突部は、前後方向に延びて前記電線を支持する基板部における前記電線の支持領域よりも前方の領域を板厚方向に折り曲げて形成されているところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項4又は5に記載のものにおいて、前記突部が弾性を有しているところに特徴を有する。
<請求項1及び請求項4の発明>
コネクタハウジングにリテーナが正規に装着されると、本体部の後端と突部との間に係止部が挟み込まれ、端子金具の係止部に対する前後方向への相対変位が規制されるから、端子金具がリテーナを介してコネクタハウジングに前後方向への遊動を規制された状態で保持される。したがって、端子金具の前後方向へのがたつきが抑えられ、相手側端子金具との間の接続信頼性が確保される。
<請求項2及び請求項5の発明>
突部が基板部における電線の支持領域よりも前方の領域を板厚方向に折り曲げて形成されているから、成形が容易である。また、成形時などにおける端子金具の伸長変形を突部で矯正でき、端子金具がキャビティ内に収まらずに部分的に突出する事態を回避できる。
<請求項3及び請求項6の発明>
突部が弾性を有しているから、端子金具に接続された電線が振動したときに、その振動力が突部で吸収されて本体部に伝わるのが回避される。その結果、接続信頼性のいっそうの向上を期待できる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1によって説明する。本実施形態に係るコネクタは、コネクタハウジング10、リテーナ20及び端子金具30を備えて構成されている。コネクタハウジング10は図示しない相手側コネクタと嵌合可能とされている。なお、以下の説明において前後方向については相手側コネクタとの嵌合面側を前方とする。
コネクタハウジング10は合成樹脂製であって全体としてブロック状をなし、その内部に、端子金具30を収容可能なキャビティ11が前後方向に延出して形成されている。コネクタハウジング10におけるキャビティ11の前面は端子金具30を前止め可能な前壁12によって塞がれ、前壁12には前方から相手側コネクタに装着された図示しない相手側端子金具の雄タブが挿入されるタブ挿入口13が開口して形成されている。
また、コネクタハウジング10におけるキャビティ11の内壁には、端子金具30に設けられたランス31(後述する)を弾性的に受ける係止溝14が凹設されている。さらに、コネクタハウジング10におけるキャビティ11の内壁には、係止溝14よりも後方に位置してキャビティ11と連通する孔15が前後方向と直交する方向に延出して形成されている。孔15の上端はコネクタハウジング10の側面に開口するリテーナ挿入口とされ、ここから孔15内にリテーナ20が挿入可能とされている。
リテーナ20は同じく合成樹脂製であって、コネクタハウジング10に仮係止位置と本係止位置とを前後方向とほぼ直交する方向に移動可能に保持されている。リテーナ20は常には孔15内に挿入されるリテーナ本体21と、リテーナ本体21に一体に連なって本係止位置にてキャビティ11内に突出状態で配置される係止部22とを有している。リテーナ本体21の前後長さは孔15の前後長さとほぼ同じとされ、リテーナ本体21は孔15内に遊動規制状態で収容可能とされている。
端子金具30は銅又は銅合金からなる導電性金属板を曲げ加工などして一体に形成され、電線90の端末に接続され、その状態でコネクタハウジング10のキャビティ11内に後方から挿入可能とされている。この端子金具30は、前後方向の全長に亘って延びる帯板状の基板部32と、基板部32の前部に位置して角筒状に折り曲げられる本体部33と、基板部32の後部に位置するオープンバレル状のバレル部34、35とを有している。基板部32の上面のうちバレル部34、35側の上面は電線90を支持する電線支持面36(支持領域)とされている。
本体部33には前方から相手側端子金具の雄タブが挿入可能とされ、その内部には相手側端子金具と弾性的に接続可能な図示しない弾性接触片が設けられている。本体部33の側壁にはランス31が切り起こして設けられている。本体部33の後端37はほぼ垂直に切り立つ形態とされ、そこに係止部22が係止することで端子金具30の後方への抜け止めがなされる。
バレル部34、35は、前側にあって電線90の端末にて露出された芯線91にかしめ付けられるワイヤバレル34と、後側にあって電線90の絶縁被覆92にかしめ付けられるインシュレーションバレル35とからなる。電線90はアルミニウム又はアルミニウムの合金からなるアルミニウム素線を撚り合せた芯線91とその周りを覆う樹脂製の絶縁被覆92とによって構成されている。
さて、ワイヤバレル34の前端と本体部33の後端37との間には、リテーナ20が本係止位置に至ったときに、係止部22を本体部33の後端37との間に挟み込むことにより、端子金具30のリテーナ20に対する前後方向への相対変位を規制する突部40が設けられている。この突部40は、基板部32を板厚方向に全幅に亘って山型に折り曲げた形態とされ、本体部33の後端37と平行に対向するようほぼ垂直に切り立つ第1係止片41と、第1係止片41の頂部から後方へ向けて下り勾配に配置されるテーパ状の第2係止片42とを有して構成されている。第1係止片41の基端は基板部32の一般部(電線支持面36とほぼ同じ高さの部分)とほぼ弧状に連なり、第1係止片41の頂端は第1係止片41の頂端とほぼ弧状に連なり、第2係止片42の基端は基板部32の一般部とほぼ弧状に連なっている。本体部33の後端37と第1係止片41の前端との間はリテーナ20の係止部22を適合状態で受ける嵌合空間60とされ、嵌合空間60の前後長さは係止部22の前後長さとほぼ同じとされている。前記電線支持面36は、基板部32の上面のうち第2係止片42の基端よりも後方に構成されている。
次に本実施形態の作用効果を説明する。
まず、コネクタハウジング10にリテーナ20を装着して仮係止位置に留め置く。その状態で、コネクタハウジング10のキャビティ11内に後方から端子金具30を挿入する。正規位置に装着された端子金具30は、前壁12に当て止めされてそれ以上の前進が規制されるとともに、ランス31が係止溝14に弾性的に嵌ることで後方への一次的な抜け止めがなされる。
続いて、リテーナ20を押し込んで本係止位置に至らす。すると、係止部22がキャビティ11内に突入するとともに本体部33の後端37と突部40の前端との間における嵌合空間60内に嵌合して、端子金具30の後方への二次的な抜け止めがなされる。また、係止部22が本体部33の後端37と突部40の前端との間に緊密に挟み込まれることによって、端子金具30がリテーナ20に前後方向への遊動を規制された状態で保持される。このとき、リテーナ20自身はコネクタハウジング10に前後方向に遊動規制状態で保持されているから、端子金具30はコネクタハウジング10に前後方向に遊動規制状態で保持されることとなる。したがって、端子金具30の前後方向へのがたつきが抑えられ、相手側端子金具との間の接続信頼性が確保される。
また、突部40が基板部32における電線支持面36よりも前方の領域を板厚方向に折り曲げて形成されているから、成形が容易である。さらに、芯線91へのワイヤバレル34の圧着に伴って基板部32が前後方向へ伸長して、端子金具30の後端部がキャビティ11の後端開口から後方へ突出する懸念があるものの、本実施形態によれば、仮に端子金具30が伸長変形しても、それは後から突部40を縮めることで矯正できるから、端子金具30がキャビティ11外に突出する事態を回避できる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図2によって説明する。実施形態2では、突部40Aの形態が実施形態1とは異なってはいるものの、実施形態1と共通する部分が多いため、実施形態1と同一の構造部位には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
実施形態2に係る端子金具30Aには、ワイヤバレル34の前端と本体部33の後端37とに一体に連なりつつ、基板部32の幅方向両端部をほぼ直角に立ち上げることによって前後方向に沿って配置される側板部44が設けられている。側板部44は、本体部33の後端37からワイヤバレル34の前端にかけてほぼ同じ高さで連なる一対の側板本体45と、側板本体45の前後方向途中の立ち上げ端(上端)から上方へ一体に突出する一対の突部40Aとによって構成されている。突部40Aはその板面を前後方向に沿わせて配置される剛体であり、その前端が本体部33の後端37とほぼ平行に対向するようほぼ垂直に切り立つ形態とされている。本体部33の後端37と突部40Aの前端との間は、実施形態1と同様、リテーナ20の係止部22の前後長さとほぼ同じ前後長さとされ、係止部22を適合状態で受ける嵌合空間60とされている。
実施形態2によれば、本体部33の後端37と突部40Aの前端との間における嵌合空間60内にリテーナ20の係止部22が嵌合することにより、端子金具30Aのリテーナ20に対する前後遊動が確実に規制されるため、端子金具30Aのがたつき抑制効果に優れる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1においては、突部が弾性を有する構成にしてもよい。こうすると、端子金具に接続された電線が振動したときに、その振動力が突部で吸収されて本体部に伝わるのが回避される。その結果、接続信頼性のいっそうの向上を期待できる。
(2)突部は、基板部に切り込みを入れることで画成される舌片を切り起こして形成されるものであってもよい。
(3)端子金具は本体部に雄タブを有する雄型端子金具であってもよい。
(4)ランスがコネクタハウジングのキャビティの内壁に突出して設けられ、係止溝が端子金具の本体部に凹設される構成にしてもよい。
(5)本発明は、インシュレーションバレルが電線の端末に嵌着されたゴム栓にかしめ付けられる防水コネクタにも適用可能である。
本発明の実施形態1に係るコネクタの断面図である。 実施形態2に係るコネクタの断面図である。
符号の説明
10…コネクタハウジング
11…キャビティ
15…孔
20…リテーナ
22…係止部
30、30A…端子金具
32…基板部
33…本体部
34…ワイヤバレル(バレル部)
35…インシュレーションバレル(バレル部)
36…電線支持面(支持領域)
37…後端
40、40A…突部
90…電線

Claims (6)

  1. 相手側端子金具と接続可能な筒状の本体部を有するとともに、前記本体部よりも後方に位置して電線の端末に接続されるバレル部を有する端子金具と、
    前記端子金具を挿入可能なキャビティを有するとともに、前記キャビティに連通する孔を有するコネクタハウジングと、
    前記孔内に挿入されて前記コネクタハウジングに装着されることにより、前記本体部の後端を係止して前記端子金具の前記キャビティからの抜け止めを行う係止部を有するリテーナとを備えたコネクタであって、
    前記端子金具には、前記バレル部と前記本体部との間に位置し、前記本体部の後端との間に前記係止部を挟み込むことにより、前記係止部に対する前記端子金具の前後方向への相対変位を規制する突部が設けられていることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記端子金具は、前後方向に延びて前記電線を支持する基板部を有し、前記突部は、前記基板部における前記電線の支持領域よりも前方の領域を板厚方向に折り曲げて形成されている請求項1記載のコネクタ。
  3. 前記突部が弾性を有している請求項2記載のコネクタ。
  4. 相手側端子金具と接続可能な筒状の本体部を有するとともに、前記本体部よりも後方に位置して電線の端末に接続されるバレル部を有し、コネクタハウジングのキャビティ内に挿入された状態で、前記コネクタハウジングに装着されるリテーナの係止部によって前記本体部の後端が係止されることにより、前記キャビティからの抜け止めが行われる端子金具であって、
    前記バレル部と前記本体部との間には、前記本体部の後端との間に前記係止部を挟み込むことにより、前記係止部に対する前後方向への相対変位を規制する突部が設けられていることを特徴とする端子金具。
  5. 前記突部は、前後方向に延びて前記電線を支持する基板部における前記電線の支持領域よりも前方の領域を板厚方向に折り曲げて形成されている請求項4記載の端子金具。
  6. 前記突部が弾性を有している請求項5記載の端子金具。
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