WO2010013329A1 - スピーカ装置、およびスピーカ装置の製造方法 - Google Patents

スピーカ装置、およびスピーカ装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

 細長形状の振動板と磁気回路とを備えるスピーカ装置で、磁気回路の長手方向端部付近で比較的大きな磁束密度を有すること、高音質、高音圧の音波を出力すること、磁気回路が比較的幅狭の磁気ギャップを有すること、上記スピーカ装置を簡単に高精度に作製することなど。  スピーカ装置1は、振動発生源の振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向と短手方向を有する振動板33と、振動板33に接合され、平面形状が環状に形成され長手方向に沿った直線部を有するボイスコイル31と、磁気回路2と、フレーム4とを有し、磁気回路2は、ヨーク21と、磁石22と、プレート23とを有する。ボイスコイル31は、磁気回路2の磁気ギャップMG1に配置され、ヨーク21の底面部211の長手方向端部より長手方向外側に延在する。プレート23は、ヨーク21の底面部211の長手方向の端部より長手方向外側に突出した突出部231を有する。

Description

スピーカ装置、およびスピーカ装置の製造方法
 本発明は、スピーカ装置、およびスピーカ装置の製造方法に関する。
 細長形状の振動板を備えたスピーカ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
 上記スピーカ装置は、内磁型磁気回路であり、短手方向の断面形状が略U字形のヨークと、そのヨーク上に配置された矩形状の磁石と、その磁石上に配置された矩形状のトッププレートとを有する。この磁気回路は、振動方向から見た平面形状が矩形状に形成され、長手方向に沿って直線状の磁気ギャップが形成されている。
 上記ヨークは、磁気ギャップに沿って側面部が形成され、長手方向端部には側面部が形成されていない。上記スピーカ装置は、細長形状の振動板に接合されたトラック形状のボイスコイルを有する。このボイスコイルは、直線部分と半円形状の曲線部分とを有する。このボイスコイルは、直線部分が磁気回路の磁気ギャップに配置され、曲線部分が磁気回路の長手方向端部より外側に配置されている。
特許第3156538号公報
 上記スピーカ装置では、ボイスコイルの直線部分が磁気回路の磁気ギャップに配置されており、ボイスコイルの長手方向の端部が、磁気回路の長手方向端部の外側に配置されており、このボイスコイルの長手方向の端部では磁気ギャップから離れているため磁束密度が小さい。このスピーカ装置では、駆動時、ボイスコイルに信号電流が印加されると、ボイスコイルの直線部分にローレンツ力が生じるが、ボイスコイルの長手方向の端部に生じるローレンツ力(駆動力)が小さく、振動板が不均一に振動して音質が低下する場合がある。
 このため、細長形状の振動板および磁気回路を備えたスピーカ装置で、高音質で、比較的高音圧の音波を出力することが望まれている。
 ところで、一般的なスピーカ装置は、ヨーク,磁石,プレートを備える磁気回路と、ボイスコイルと、振動板と、フレームとを有する。このスピーカ装置の製造方法は、例えば振動板の外周部を基準にボイスコイルを振動板に接着し、フレームの振動板接着部外周部を基準に磁気回路のヨークをフレームに接着し、ヨークの内寸(ヨークの側面部の内周面)を基準に磁気回路のヨーク上に磁石およびポールを接着して、スピーカ装置を作製している。上記スピーカ装置の製造方法では、各構成要素の公差分の積み上がりで組立精度が規定されるので、ボイスコイルと磁気回路との位置精度が比較的低い場合がある。
 また、上記スピーカ装置の製造方法では、ボイスコイルとプレート又はヨークの間の間隔(ギャップ)が全周で一定でない、製品ごとにギャップの間隔のばらつきが比較的大きい、位置精度が比較的低い、などの不具合が生じる場合がある。
 このため、高精度にスピーカ装置を作製することができるスピーカ装置の製造方法が望まれている。特に、ボイスコイルとプレートとを高精度に位置決めすることができるスピーカ装置の製造方法が望まれている。
 また、スピーカ装置の組立て精度が比較的低いと、磁気回路の磁気ギャップに配置されたボイスコイルが、ヨークやプレートに接触する、異音の発生、駆動力の低下、などの不具合が生じる場合がある。このため、一般的なスピーカ装置では、磁気回路が比較的幅広の磁気ギャップを要する。しかし、上記スピーカ装置では、磁気回路が比較的幅広の磁気ギャップを備えるので、磁気ギャップで磁束密度が比較的小さく、スピーカ駆動時、ボイスコイルに生じるローレンツ力が比較的小さく、振動板から放射される音波の音圧が比較的小さい。
 このため、比較的幅狭の磁気ギャップが形成された磁気回路を備えるスピーカ装置が望まれている。また、簡単な構造で、比較的高音圧の音波を放射することができるスピーカ装置が望まれている。
 本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、細長形状の振動板と磁気回路とを備えるスピーカ装置で、磁気回路の長手方向端部付近で比較的大きな磁束密度を有すること、比較的簡単な構造で、高音質、高音圧の音波を出力することができるスピーカ装置を提供すること、比較的幅狭の磁気ギャップが形成された磁気回路を備えるスピーカ装置を提供すること、上記スピーカ装置を簡単に高精度に作製すること、ボイスコイルとプレートとを高精度に位置決めすること、などが本発明の目的である。
 このような目的を達成するために、本発明は、以下の独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
 本発明に係るスピーカ装置は、振動発生源の振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向と短手方向を有する振動板と、前記振動板に直接又はボイスコイルボビンを介して接合されるとともに、前記振動伝達方向に直交する平面形状が環状に形成され、少なくとも前記長手方向に沿った直線部を有するボイスコイルと、前記ボイスコイルを駆動する、前記振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向と短手方向を有する磁気回路と、前記磁気回路を保持するとともに前記振動板を振動可能に支持するフレームとを有し、前記磁気回路は、長手方向と短手方向を有する形状の底面部と、該底面部の短手方向の端部と長手方向の端部のうち該短手方向の端部にのみ磁気ギャップを有する側面部とを備えたヨークと、前記ヨークの底面部上に配置された磁石と、前記磁石上に配置されたプレートとを有し、前記プレートと前記ヨークとの間に、前記長手方向に沿って直線状の磁気ギャップが形成され、前記ボイスコイルは、前記磁気回路の磁気ギャップに配置されるとともに、前記ヨークの底面部の長手方向端部より長手方向外側に延在し、前記磁気ギャップを構成する外側部又は内側中央部が、前記ヨークの底面部の長手方向の端部より長手方向外側に向かって突出した突出部を有することを特徴とする。
 また、本発明に係るスピーカ装置の製造方法は、振動発生源の振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向と短手方向を有する振動板と、前記振動板に直接又はボイスコイルボビンを介して接合されるとともに、前記振動伝達方向に直行する平面形状が環状に形成され、少なくとも前記長手方向に沿った直線部を有するボイスコイルと、前記ボイスコイルを駆動する、前記振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向と短手方向を有する磁気回路と、前記磁気回路を保持するとともに前記振動板を振動可能に支持するフレームとを有するスピーカ装置の製造方法であって、前記磁気回路は、長手方向と短手方向を有する形状の底面部と、該底面部の短手方向の端部と長手方向の端部のうち該短手方向の端部にのみ磁気ギャップを有する側面部とを備えたヨークと、該ヨークの底面部上に配置された磁石と、該磁石上に配置されたプレートとを有し、前記プレートと前記ヨークとの間に、前記長手方向に沿って直線状の磁気ギャップが形成され、前記ボイスコイルは、前記磁気回路の磁気ギャップに配置されるとともに、前記ヨークの底面部の長手方向端部より長手方向外側に延在し、前記磁気ギャップを構成する外側部又は内側中央部が、前記ヨークの底面部の長手方向の端部より長手方向外側に向かって突出した突出部を有し、前記フレームと前記振動板と前記ボイスコイルとを接合してアッセンブリを作製する第1のステップと、前記アッセンブリと前記磁気回路とを接合する際、前記磁気ギャップを構成する外側部又は内側中央部の突出部と、前記アッセンブリのボイスコイルの内周部とを基準に、前記アッセンブリと前記磁気回路との位置決めを行い、前記アッセンブリと前記磁気回路とを接合する第2のステップとを有することを特徴とする。
図1(A)は本発明の第1実施形態に係るスピーカ装置1の平面図であり、図1(B)は図1(A)に示されたスピーカ装置1のB-B線に沿った断面図であり、図1(C)は図1(A)に示されたスピーカ装置1のC-C線に沿った断面図である。 図2(A)はヨーク21の板厚の公差、ヨーク21の加工時の公差および傾きを説明するための断面図であり、図2(B)はヨーク加工時の公差および傾きを説明するための断面図である。 図3(A)は図1(B),図1(C)に示されたスピーカ装置1の磁気回路2の上面側からの斜視図であり、図3(B)は図1(B),図1(C)に示されたスピーカ装置1の磁気回路2の裏面側からの斜視図であり、図3(C)は、スピーカ装置1の振動板33,ボイスコイルボビン32,フレーム4の裏面側からの斜視図である。 図4(A)は図1(A)に示されたスピーカ装置1の要部を拡大した裏面側の底面図である。図4(B)は図1(A),図1(B)に示されたボイスコイル31およびヨーク21の裏面側の底面図である。 図5は図1(A)~図1(C)に示された本発明の第1実施形態に係るスピーカ装置1の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図6(A)はボイスコイル31、ボイスコイルボビン32、振動板33、エッジ34、およびフレーム4の組立て動作を説明するための断面図であり、図6(B)は治具G1による各構成要素の位置決め動作を説明するための断面図である。 図7(A)はヨーク21、磁石22、およびプレート23を組み立てる工程を説明するための断面図であり、図7(B)は治具G1による各構成要素の位置決め動作を説明するための断面図である。 図8は図1(A)に示されたスピーカ装置1の要部と治具G3とを拡大した裏面側の底面図である。 図9(A)はスピーカ装置1のボイスコイル31、プレート23、および治具G3の位置関係を説明するための短手方向の断面図であり、図9(B)はスピーカ装置1のボイスコイル31、プレート23、および治具G3の位置関係を説明するための長手方向の断面図である。 図10は本発明の第2実施形態に係るスピーカ装置1の要部および治具GA3の裏面図である。 図11は本発明の第3実施形態に係るスピーカ装置1Bの平面図であり、図11(B)は図11(A)に示されたスピーカ装置1BのB-B線に沿った断面図であり、図11(C)は図11(A)に示されたスピーカ装置1BのC-C線に沿った断面図である。 図12(A)は図11(B),図11(C)に示されたスピーカ装置1Bの磁気回路2Bの上面側からの斜視図であり、図12(B)は図11(B),図11(C)に示されたスピーカ装置1Bの磁気回路2Bの裏面側からの斜視図であり、図12(C)は図11(A)に示されたスピーカ装置1Bの振動板33,ボイスコイルボビン32,フレーム4の裏面側からの斜視図である。 図13(A)は図11(A)に示されたスピーカ装置1Bの要部を拡大した裏面側の底面図である。図13(B)は図11(A),図11(B)に示されたボイスコイル31およびヨーク21の裏面側の底面図である。 図14は図11(A)~図11(C)に示された本発明の第3実施形態に係るスピーカ装置1Bの製造方法を説明するためのフローチャートである。 図15(A)は図11(A)に示されたスピーカ装置1Bの要部と治具G5とを拡大した裏面側の底面図であり、図15(B)はスピーカ装置1Bのボイスコイル31、ヨーク21、および治具G5の位置関係を説明するための長手方向の断面図である。 図16(A)はスピーカ装置1Bの磁気回路2B,アッセンブリ430,および治具G3を説明するための短手方向の断面図であり、図16(B)はスピーカ装置1Bの磁気回路2,アッセンブリ430,および治具G5の位置関係を説明するための短手方向の断面図である。 図17(A)は本発明の第4実施形態に係るスピーカ装置1Cの要部を拡大した裏面側の底面図である。図17(B)は図17(A)に示されたボイスコイルおよびヨークの裏面側の底面図である。 図18(A)は本発明の他の実施形態に係るスピーカ装置の外磁型磁気回路2Eの斜視図であり、図18(B)は本発明の他の実施形態に係るスピーカ装置の外磁型磁気回路2Fの斜視図であり、図18(A),図18(B)に示された磁気回路2E,2Fの断面図である。 図19は本発明の他の実施形態に係るスピーカ装置の内磁型磁気回路2Hの底面図である。 図20(A)は本発明の第1具体例に係るスピーカ装置のヨーク21Kの断面図であり、図20(B)は第2具体例に係るヨーク21Mの断面図であり、図20(C)は第3具体例に係るヨーク21Nの断面図であり、図20(D)は本発明の第4具体例に係るヨーク21Pの断面図である。
符号の説明
 1 スピーカ装置
 2 磁気回路
 3 振動体
 4 フレーム
 21 ヨーク
 22 磁石
 23 プレート
 31 ボイスコイル
 32 ボイスコイルボビン
 33 振動板
 34 エッジ(振動板支持部)
 35 ダンパ
 211 底面部
 212 側面部
 213 突出部
 231 突出部
 G3 治具
 本発明の一実施形態に係るスピーカ装置は、振動発生源の振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向と短手方向を有する振動板と、振動板に直接又はボイスコイルボビンを介して接合されるとともに、振動伝達方向に直交する平面形状が環状に形成され、少なくとも長手方向に沿った直線部を有するボイスコイルと、ボイスコイルを駆動する、振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向と短手方向を有する磁気回路と、磁気回路を保持するとともに振動板を振動可能に支持するフレームとを有し、磁気回路は、長手方向と短手方向を有する形状の底面部と、該底面部の短手方向の端部と長手方向の端部のうち該短手方向の端部にのみ磁気ギャップを有する側面部とを備えたヨークと、ヨークの底面部上に配置された磁石と、磁石上に配置されたプレートとを有し、プレートとヨークとの間に、長手方向に沿って直線状の磁気ギャップが形成され、ボイスコイルは、磁気回路の磁気ギャップに配置されるとともに、ヨークの底面部の長手方向端部より長手方向外側に延在し、磁気ギャップを構成する外側部又は内側中央部が、ヨークの底面部の長手方向の端部より長手方向外側に向かって突出した突出部を有することを特徴とする。
 上記振動発生源は、例えばボイスコイルや振動板に相当する。
 上記スピーカ装置では、ヨークの側面部又はプレートの長手方向端部が、ヨークの長手方向の端部より長手方向外側に向かって突出した突出部を有するので、磁気回路の長手方向端部付近でも漏れ磁束により磁束密度を有し、スピーカ駆動時、ボイスコイルの長手方向端部にもローレンツ力が生じ、振動板が比較的大きな音波を出力することができる。
 また、本発明の一実施形態に係るスピーカ装置の製造方法は、上記構成のスピーカ装置の各構成要素を有し、フレームと振動板とボイスコイルとを接合してアッセンブリを作製する第1のステップと、そのアッセンブリと磁気回路とを接合する際、ヨークの側面部又はプレートの突出部と、アッセンブリのボイスコイルの内周部とを基準に、アッセンブリと磁気回路との位置決めを行い、アッセンブリと磁気回路とを接合する第2のステップとを有することを特徴とする。
 上記スピーカ装置の製造方法は、第1のステップでフレームと振動板とボイスコイルとを接合してアッセンブリを作製し、第2のステップで、ヨークの側面部又はプレートの突出部と、アッセンブリのボイスコイルの内周部とを基準に、アッセンブリと磁気回路との位置決めを行い、アッセンブリと磁気回路とを接合するので、比較的簡単に高精度に上記スピーカ装置を作製することができる。特に、上記スピーカ装置の製造方法は、ボイスコイルと磁気回路とを高精度に位置決めすることができる。
 また、上記スピーカ装置の製造方法により、比較的簡単に、高精度に、幅狭の磁気ギャップが形成された磁気回路を備えるスピーカ装置を作製することができる。
 また、上記スピーカ装置は、磁気回路が比較的幅狭の磁気ギャップを備え、その磁気ギャップにボイスコイルが高精度に配置されているので、比較的高音質で高音圧の音波を出力することができる。
 本発明の一実施形態に係るスピーカ装置は、例えば、テレビジョン放送受像機用スピーカ、モニタ用スピーカ、車載用スピーカ、携帯電話機用スピーカ、ヘッドホン、パーソナルコンピュータ用スピーカ、オーディオ装置、などの音響装置に採用することができる。
 以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るスピーカ装置、およびスピーカ装置の製造方法を説明する。
 [第1実施形態]
 図1(A)は、本発明の第1実施形態に係るスピーカ装置1の平面図であり、図1(B)は図1(A)に示されたスピーカ装置1のB-B線に沿った断面図であり、図1(C)は図1(A)に示されたスピーカ装置1のC-C線に沿った断面図である。図2(A)は、ヨーク21の板厚の公差、ヨーク21の加工時の公差および傾きを説明するための断面図である。図2(B)は、ヨーク加工時の公差および傾きを説明するための断面図である。
 図3(A)は、図1(B),図1(C)に示されたスピーカ装置1の磁気回路2の上面側からの斜視図である。図3(B)は、図1(B),図1(C)に示されたスピーカ装置1の磁気回路2の裏面側からの斜視図である。図3(C)は、スピーカ装置1の振動板33,ボイスコイルボビン32,フレーム4の裏面側からの斜視図である。図4(A)は、図1(A)に示されたスピーカ装置1の要部を拡大した裏面側の底面図である。図4(B)は、図1(A),図1(B)に示されたボイスコイル31およびヨーク21の裏面側の底面図である。
 本発明の第1実施形態に係るスピーカ装置1は、図1(A)~図1(C)に示されるように、磁気回路2、振動体3、およびフレーム4を有する。
 スピーカ装置1は、図1(A)に示されるように、振動方向(音響放射方向SD)から視認した場合、振動板33が長手方向および短手方向を有する。詳細には、振動板33は、振動発生源(振動板またはボイスコイル)の振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向および短手方向を有し、例えばトラック形状、楕円形状、長円形状、矩形状などに形成されており、実施形態ではトラック形状に形成されている。このトラック形状の振動板33は、直線部と、規定曲率の半円形状の曲線部とにより形成されている。
 音響放射方向SDは、本発明に係る振動発生源(振動板またはボイスコイル)の振動伝達方向の一実施形態に相当する。
 [磁気回路2]
 図1(B),図1(C),図3(A)に示されるように、本実施形態に係る磁気回路2は、振動発生源の振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向と短手方向を有する。また、磁気回路2は、長手方向に沿って直線状の磁気ギャップMG1が形成されている。磁気ギャップMG1には磁束が形成されている。磁気回路2は、磁気ギャップMG1にボイスコイル31が配置されており、そのボイスコイル31を駆動する。本実施形態に係る磁気回路2は、振動発生源の振動伝達方向に直交する平面形状が細長形状(矩形状)に形成されている。
 磁気回路2は、詳細には、ヨーク21、磁石22、およびプレート23を有する。
 プレート23は、本発明に係る磁気ギャップを構成する内側中央部の一実施形態に相当する。
 ヨーク21は、例えば、鉄などの金属材料で形成されている。ヨーク21は、長手方向および短手方向を有する。本実施形態に係るヨーク21は、図3(A)に示されるように、長手方向に細長形状(矩形状)に形成されている。
 ヨーク21は、詳細には、底面部211、および側面部212を有する。本実施形態では、底面部211、および側面部212は一体形成されている。ヨーク21は、短手方向断面形状が、底面部211と底面部211に略直交する両側面部212と備え、三方が外周をなし、内部に空間が形成されている。
 詳細には、底面部211は、長手方向および短手方向を有する形状に形成されており、例えば、略矩形状に形成されており、長手方向が振動板33の長手方向と同じ方向となるように形成されている。
 側面部212は、底面部211の短手方向の端部に、音響放射方向SDに向かって延在した形状に形成されている。詳細には、側面部212は、底面部211の短手方向の端部と長手方向の端部のうち、短手方向の端部にのみ磁気ギャップが形成されている。本実施形態では、側面部212は、短手方向の両端部に形成されている。つまり、本実施形態に係るヨーク21は、短手方向断面形状が略U字形状に形成されている。
 また、ヨーク21は、底面部211が平坦でなくともよく、側面部212が底面部211に対して傾斜したり、曲げ加工されていてもよい。ヨーク21は、底面部211とそれに略直交する両側面部212を備え、内部に空間が形成されていればよい。
 本実施形態に係るヨーク21は、例えば、鉄製の平板にプレス加工を施して、断面形状U字形状に形成されている。ヨーク21は、例えば図2(A)に示されるように、外寸LA211,内寸LB211は、板厚LC212の公差,加工精度の公差などにより、ばらつきが生じる。詳細には、ヨーク21の外寸LA211,内寸LB211は、図2(B)に示されるように、ヨーク21の側面部212の傾きの公差、詳細には、底面部211に対して垂直な角度90を基準として、その基準から角度θ1の公差により、ばらつきが生じる。
 一般的なスピーカ装置では、製造時、ヨークの外寸や内寸を基準に、スピーカ装置の各部品が組み立てられる。しかし、上記ヨークの外寸や内寸は、比較的大きな公差を有するので、スピーカ装置の組立て精度が比較的低い。このため、磁気回路の磁気ギャップを比較的広く形成することを要する。
 一方、本実施形態に係るスピーカ装置1は、ヨーク21の外寸LA211,内寸LB211の公差が比較的大きい場合でも、後述するように、プレート23に形成されたプレート突出部(突出部)231を基準に、スピーカ装置1の各部品が組み立てられるので、比較的高い組み立て精度を有する。また、スピーカ装置1は比較的高い組立精度を有するので、磁気回路2の磁気ギャップを比較的狭く規定することができる。
 磁石22は、ヨーク21の底面部211上に配置されている。磁石22は、振動発生源(振動板やボイスコイル)の振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向と短手方向を有する。本実施形態に係る磁石22は、平面形状が矩形状に形成され、長手方向がヨーク21の長手方向に沿って配置されている。磁石22は、振動板33の振動方向に沿って着磁されている。磁石22は、例えばネオジウム系、サマリウム・コバルト系、アルニコ系、希土類系、フェライト系、などの永久磁石を採用することができる。
 図1(B)に示されるように、本実施形態に係る磁石22は、その長手方向の長さLY22が、ヨーク21の長手方向の長さLY21と略同じである。また、磁石22は、その短手方向の長さが、ヨーク21の内寸より小さい。
 プレート23は、磁石22上に配置されている。プレート23は、振動発生源の振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向と短手方向を有する。本実施形態に係るプレート23は、矩形状に形成されている。
 プレート23は、その上端部の高さが、ヨーク21の上端部の高さと略同じ高さに規定されている。プレート23は、例えば、その厚みがヨークの厚みと略同じである。
 本実施形態に係るプレート23は、突出部231を有する。突出部231は、本発明に係るプレートの突出部の一実施形態に相当する。
 図1(B),図3(A),図3(B),図4(A),図4(B)に示されるように、突出部231は、スピーカ装置1を裏面側から見た場合、ヨーク21の底面部211の長手方向の端部から、長手方向外側に向かって突出した形状に形成されている。
 本実施形態に係るプレート23は、その長手方向の長さLY23が、磁石22の長手方向の長さLY22およびヨーク21の長手方向の長さLY21より長い。詳細には、図1(B)に示されるように、プレートLY21の長手方向の端部が、ヨーク21の長手方向の端部より、長手方向外側に向けて、長さLY230だけ延在している。つまり、プレート23は、ヨーク21の長手方向の長さLY21より、長さLY230の2倍だけ長い。
 本実施形態に係るプレート23は、裏面側から見た場合、長手方向の両端部が、ヨークの端部から突出した形状に形成されている。プレート23は、上記実施形態に限られるものではなく、例えば、一方の端部のみに突出部231が形成されていてもよい。
 本実施形態では、プレート23は、その長手方向の両端部が、ヨーク21の長手方向の両端部から長手方向外側に長さLY230だけ長い形状に形成されている。具体的には、プレート23は、その長手方向の長さLY23が、ヨーク21の長手方向の長さLY21より長い。また、プレート23は、その長手方向の長さLY23が、磁石22の長手方向の長さLY22より長い。また、プレート23は、その長手方向の端部が、ボイスコイル31の長手方向端部と、ヨーク21の底面部の長手方向端部との間に位置する。
 磁気回路2は、ヨーク21の側面部212の内周部と、プレート23との間に、長手方向に沿って直線状の磁気ギャップMG1が形成されている。
 また、磁気回路2は、ヨーク21の側面部212が、ヨーク21の底面部211の短手方向の端部に形成され、その短手方向の端部にのみ磁気ギャップMG1が形成されている。
 また、磁気回路2は、長手方向の端部には側面部が形成されておらず、ヨーク21は、長手方向端部に開口部が形成されている。
 ところで、一般的なスピーカ装置の矩形状の磁気回路では、プレートの長手方向の長さは、ヨークの長手方向の長さと同じ長さに形成されており、ボイスコイルの長手方向の端部付近での磁束密度が比較的小さい。
 一方、本発明の一実施形態に係る磁気回路2は、プレート23が突出部231を有するので、長手方向の端部付近にも漏れ磁束により磁束密度が形成される。このため、ボイスコイル31は、その長手方向端部付近に、上記一般的な磁気回路と比べて漏れ磁束も加わり大きな磁束密度が形成されている。このため、本実施形態に係るスピーカ装置1は、スピーカ駆動時、ボイスコイル31の長手方向端部付近にもローレンツ力が生じて、比較的大きな音圧の音波を出力することができる。
 本実施形態に係るプレート23の突出部231は、ボイスコイル31の直線部312に対向する対向面部(側面部)2310を有する。
 後述するように、プレート23とボイスコイル31は、プレート23の突出部231の対向面部(側面部)2310と、ボイスコイル31の第2の直線部312を基準として、位置関係が規定されている。
 [振動体3]
 振動体3は、フレーム4に振動可能に支持されている。詳細には、振動体3は、ボイスコイル31、ボイスコイルボビン(ボイスコイル支持部)32、振動板33、エッジ(振動板支持部)34、ダンパ35を有する。ボイスコイル31は、本発明に係るボイスコイルの一実施形態に相当し、振動板33は本発明に係る振動体の一実施形態に相当する。
 ボイスコイル31は、振動板33に直接又はボイスコイルボビン32を介して接合される。ボイスコイル31は、筒形状に形成され、振動方向から視認した平面形状、詳細には振動発生源の振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向および短手方向を有する。
 また、ボイスコイル31は、振動方向から見た平面形状が、トラック形状、楕円形状、長円形状、矩形状などに形成されており、本実施形態では、図1(B),図1(C),図3(C),図4(A),図4(B)に示されるように、トラック形状に形成されている。
 詳細には、図4(A),図4(B)に示されるように、ボイスコイル31は、直線部310、および曲線部313を有する。
 直線部310は、長手方向に沿って形成されている。また、ボイスコイル31の直線部310は、振動板33の長手方向に沿って平行に形成されている。また、直線部310は、第1の直線部311、第2の直線部(位置決め基準部)312を有する。
 第1の直線部311は、磁気回路2の直線状の磁気ギャップMG1に配置されている。
 第2の直線部312は、図1(B),図4(A),図4(B)に示されるように、第1の直線部311に接続されており、ヨーク21の底面部211の長手方向端部より外側に延在している。また、図4(A),図4(B)に示されるように、第2の直線部312は、ボイスコイル31の突出部231の側面部に対向するように、長手方向に沿って配置されている。
 後述するように、ボイスコイル31、振動板33、およびフレーム4を含むアッセンブリと、磁気回路2とを組立てる場合、第2の直線部312は、アッセンブリ(ボイスコイル31の内周部)と磁気回路2(プレート23)の位置合わせを行う際の基準となる。
 曲線部313は、ヨーク21の長手方向端部から外側に配置され、ボイスコイル31の端部付近に形成されている。本実施形態に係る曲線部313は、半円形状に形成されている。
 ボイスコイル31は、振動方向からの平面形状が矩形状であってもよく、この場合には、ボイスコイル31の長手方向端部の曲線部313が、直線部310に対して直角方向に沿った直線状に形成される。
 ボイスコイルボビン(ボイスコイル支持部)32は、筒形状に形成され、振動方向から視認される平面形状、詳細には振動発生源の振動伝達方向に直交する平面形状が、長手方向と短手方向を有する。本実施形態に係るボイスコイルボビン32は、図3(C)に示されるように、トラック形状に形成されている。トラック形状は、平行な2つの直線部と、直線部の端部に形成された略半円形状の曲線部で構成されている。ボイスコイルボビン32は、例えば、アルミニウムなどの金属材料、樹脂などにより形成されている。
 ボイスコイルボビン32は、その上端部が振動板33に接合されており、下端部付近にボイスコイル31が巻回されている。
 本実施形態に係るスピーカ装置1は、ボイスコイル31が、ボイスコイルボビン32を介して振動板33に接合されていたが、この形態に限られるものではない。例えば、ボイスコイル31は、振動板33に直接接合されていてもよい。
 振動板33は、フレーム4により振動可能に支持され、スピーカ駆動時に振動して、音響放射方向SDに音波を放射する。
 振動板33は、詳細には、第1の振動板(中央部)331、および第2の振動板(コーン状振動板)332を有する。
 エッジ(振動板支持部)34は、図1(A)~図1(C)に示されるように、環状に形成され、径方向断面形状が半円形状、波形状などに形成されており、その外周部がフレーム4に接着剤などにより接着固定され、その内周部が振動板33の外周部に接合されている。エッジ34と振動板33は、例えば同じ材料により一体形成されていてもよい。
 ダンパ35は、一方の端部がボイスコイル31又はボイスコイルボビン32に接合され、他方の端部がフレーム4に接合されており、ボイスコイル31を振動方向に沿って振動可能に支持するとともに、それ以外の方向の移動について規制する。
 [フレーム4]
 フレーム4は、磁気回路2を保持するとともに、振動板33を振動可能に支持する。例えば、フレーム4は、図1(A)~図1(C),図3(C),図4(A),図4(B)に示されるように、略中央部裏面側に開口部44が形成され、音響放射方向に向かって拡開した形状に形成されている。詳細には、フレーム4は、被嵌合部40、ヨーク上端接合部41、ヨーク側面接合部42、振動板端部接合平坦部43、およびヨーク長手方向端部接合部425を有する。上記ヨーク上端接合部41、ヨーク側面接合部42、振動板端部接合平坦部43、およびヨーク長手方向端部接合部425は、例えば樹脂、金属などの材料により一体形成されている。
 被嵌合部40は、フレーム4の裏面側に形成され、磁気回路2が嵌合される。詳細には、被嵌合部40には、磁気回路2のヨーク21が嵌合する。被嵌合部40は、ヨーク上端接合部41、ヨーク側面接合部42、およびヨーク長手方向端部接合部425を有する。
 ヨーク上端接合部41は、フレーム4の裏面側の開口部付近に形成され、ヨーク上端接合部41に接着剤などにより接合されている。
 ヨーク21の上端部のうち全部又は一部が、フレーム4のヨーク上端接合部41に接合されていてもよい。
 ヨーク側面接合部42は、フレーム4の裏面側の開口部付近に形成されるとともに、音響放射方向SDの反対側に向かって突出するとともに長手方向に沿って細長形状に形成されている。このヨーク側面接合部42は、ヨーク21の側面部212の外周部の嵌合面2125に接着剤などにより接合されている。
 ヨーク長手方向端部接合部425は、図4(A)に示されるように、ヨーク側面接合部42の長手方向端部から短手方向内側に屈曲した形状に形成されている。このヨーク長手方向端部接合部425の内周部に、ヨークの長手方向端部が接合する。
 本実施形態では、フレーム4と磁気回路2が嵌合した状態で、予めヨーク側面接合部42とヨークの側面部との間に、位置調整用の隙間が形成される。スピーカ製造時、ヨーク21とフレーム4との位置決めが行われた後、上記フレーム4とヨークの側面部の外周部との間に形成される位置調整用隙間に接着剤などが塗布されて、フレーム4と磁気回路2との接着固定が行われる。
 振動板端部接合平坦部43は、フレーム4の上端部付近に形成されており、振動板33が直接又はエッジ34を介して振動可能に接合されている。
 開口部44は、フレーム4の裏面側略中央部に形成されている。この開口部44付近に磁気回路2が配置される。
 また、フレーム4の開口部44には、スピーカ装置の製造時、位置決め用の治具が、スピーカ裏面側から挿入される。
 フレーム4の開口部44は、その長手方向の長さが、ヨークの長手方向の長さより長い。また、開口部44は、その長手方向の長さが、プレート23の長手方向の長さより長い。また、開口部44は、その長手方向の長さが、ボイスコイル31の長手方向の長さより長い。また、フレーム4の開口部44は、その短手方向の長さが、ボイスコイル31の短手方向の長さより長い。つまり、フレーム4の開口部44は、少なくともボイスコイル31の平面形状より大きい。
 また、フレーム4には端子部7が設けられている。端子部7は、例えば図1(B)に示されるように、フレーム4の裏面側に設けられており、錦糸線(電導線)701によりボイスコイル31に電気的に接続されている。また、端子部7は、例えば音響機器の音声信号処理回路やアンプなどに電気的に接続されている。
 [スピーカ装置の動作]
 上記スピーカ装置1の動作を説明する。
 例えば、音響機器から信号電流が端子部7に入力される。その信号電流が、端子部7から錦糸線701を介してボイスコイル31に入力される。ボイスコイル31に信号電流に応じたローレンツ力(駆動力)が生じ、ボイスコイル31が駆動力により振動方向に沿って振動する。また駆動力がボイスコイルボビン32を介して振動板33に伝動する。振動板33は、その駆動力により振動方向に沿って振動し、音響放射方向(SD)に向かって音波を出力する。
 例えば、プレート23の長手方向端部に突出部231が形成されていない一般的な矩形状の磁気回路では、ボイスコイルの長手方向端部の磁束密度が比較的小さい。このため、ボイスコイルの長手方向の端部付近に生じるローレンツ力が比較的小さい。
 一方、上記スピーカ装置1は、プレート23の長手方向端部が、ヨークの長手方向の端部より長手方向外側に向かって突出した突出部231を有するので、磁気回路2の長手方向端部付近でも漏れ磁束による磁束密度を有し、スピーカ駆動時、ボイスコイル31の長手方向端部にもローレンツ力が生じて、振動板33が比較的大きな音波を出力することができる。
 [スピーカ装置1の製造方法]
 図5は、図1(A)~図1(C)に示された本発明の第1実施形態に係るスピーカ装置1の製造方法を説明するためのフローチャートである。
 図6(A)は、ボイスコイル31、ボイスコイルボビン32、振動板33、エッジ34、およびフレーム4の組立て動作を説明するための断面図である。図6(B)は、治具G1による各構成要素の位置決め動作を説明するための断面図である。以下、製造装置(不図示)が、スピーカ装置を作製する動作を説明する。製造装置は、例えば、制御回路(CPU:Central Processing Unit)、メモリ、駆動装置などを有し、制御回路がメモリに記憶された、本発明に係るスピーカ装置の製造方法の手順を示すプログラムを実行して、駆動装置を駆動することにより、スピーカ装置1を作製する。
 ステップS1で、図6(A),図6(B)に示されるように、ボイスコイル31、ボイスコイルボビン32、振動板33、エッジ34、およびフレーム4を組み立てる。
 詳細には、先ず、図6(A)に示されるように、振動板33、ボイスコイル31、ボイスコイルボビン32、およびエッジ34が、規定の位置関係となるように、前工程で組み立てられる(この前工程は行わなくてもよく、各構成要素を順次組み立ててもよい)。
 次に、治具G1により、上記構成要素とフレーム4との位置決めが行われる。
 治具G1は、ボイスコイル31(ボイスコイルボビン32)の内径と略同じ外径の第1突出部G11と、フレーム4のヨーク側面接合部42の内径と略同じ外径の第2突出部G12と、第1突出部G11と第2突出部G12の間に形成された凹部G13とを有する。
 図6(B)に示されるように、フレーム4の被嵌合部40に、治具G1の第2突出部G12が嵌合された状態で、治具G1の第1突出部G11にボイスコイル31(ボイスコイルボビン32)が嵌合される。この状態で、振動板33の外周部がエッジ34を介してフレーム4の振動板端部接合平坦部43に接着剤などにより固定される。つまり、ボイスコイル31、ボイスコイルボビン32、振動板33、エッジ34、およびフレーム4の位置関係が規定される。その後、例えば接着剤が固化した後、治具G1をフレーム4から取り外す。
 上記ステップS1により、フレーム4、振動板33、ボイスコイルボビン32、およびボイスコイル31が接合されたアッセンブリ430が作製される。
 図7(A)は、ヨーク21、磁石22、およびプレート23を組み立てる工程を説明するための断面図である。図7(B)は、治具G1による各構成要素の位置決め動作を説明するための断面図である。
 ステップS2で、ヨーク21、磁石(着磁前)22、およびプレート23を組み立てる。詳細には、例えば、先ず図7(A)に示されるように、磁石22、およびプレート23が、規定の位置関係となるように組み立てられる(前工程)。
 次に、治具G2により上記磁石22とプレート23を有する組立部品と、ヨーク21との位置決めが行われる。
 治具G2は、図7(A),図7(B)に示されるように、断面形状がU字形状に形成され、凹部G20を有し、内径G21が、磁石23の短手方向の長さと略同じ大きさに形成され、その外径G22が、ヨーク21の短手方向に沿った内径と略同じ大きさに形成されている。
 図7(B)に示されるように、治具G2の凹部G20にプレート23および磁石22が嵌合した状態で、治具G2がヨーク21に嵌合される。この際、磁石22とヨーク21の接合面には予め接着剤が塗布されている。接着剤が固化した後、治具G2を磁気回路2から取り外す。
 磁石22は、例えば、スピーカ装置組み立て後、着磁装置により音響放射方向(厚み方向)に沿って着磁される。
 ステップS1とステップS2は、その順番が逆に行われてもよいし、同時に行われてもよい。
 図8は、図1(A)に示されたスピーカ装置1の要部と治具G3とを拡大した裏面側の底面図である。図9(A)は、スピーカ装置1のボイスコイル31、プレート23、および治具G3の位置関係を説明するための短手方向の断面図である。図9(B)は、スピーカ装置1のボイスコイル31、プレート23、および治具G3の位置関係を説明するための長手方向の断面図である。
 次に、図8,図9(A),図9(B)に示されるように、アッセンブリ430と磁気回路2とを接合する際、磁気回路2のプレート23の突出部231と、アッセンブリ430のボイスコイル31(ボイスコイルボビン32)の内周部とを基準に、アッセンブリ430と磁気回路2との位置決めを行い、アッセンブリ430と磁気回路2とを接合する。
 詳細には、ステップS3で、図8、図9(A),図9(B)に示されるように、ボイスコイル31の内周部と、プレート23の突出部231の間に、スピーカ裏面部から治具G3を嵌挿して、各構成要素の位置決めを行う。
 治具G3は、例えば図8、図9(A),図9(B)に示されるように、プレート23の外寸(プレート23の突出部231の対向面部(側面部)2310)とボイスコイル31の内寸(ボイスコイル31の第2の直線部312)との間に、スピーカ裏面側から嵌挿される。つまり、フレーム4は、裏面側に治具G3が挿入される開口部44が形成されている。
 本実施形態に係る治具G3は、図8に示されるように、平面形状が略U字形状に形成され、外周面(第1の当接面)G301、内周面(第2の当接面)G302、および凹状内底部(第3の当接面)G303を有する。
 外周面(第1の当接面)G301は、ボイスコイル31(ボイスコイルボビン32)の第2の直線部312の内周部に当接する。
 内周面(第2の当接面)G302は、プレート23の突出部231の対向面部(側面部)2310に当接する。
 凹状内底部(第3の当接面)G303は、プレート23の突出部231の長手方向端部に当接する。
 上記治具G3が、図8,図9(A),図9(A)に示されるように、ボイスコイル31の内周部とプレート23の突出部231との間に嵌挿することにより、ボイスコイル31とプレート23とが高精度に位置決めされる。
 ステップS4で、例えば、図9に示されるように、接着剤塗布装置901により接着剤902が、磁気回路2のヨーク21と、フレーム4のヨーク上端接合部41,ヨーク側面接合部42の間に塗布される。規定時間後、接着剤が固化して、磁気回路2とフレーム4とが接着固定される。
 上記ステップS3,S4により、ボイスコイル31とプレート23とが高精度に位置決めされるとともに、磁気回路2とフレーム4が高精度に位置決め固定される。
 接着剤が固化して、磁気回路2とフレーム4とが接着固定された後、治具G3が取り外される。
 ステップS5で、例えば、ダンパ35をボイスコイルボビン32とフレーム4に接合する工程、着磁装置により磁石22に着磁を行う工程、などの後工程を行う。
 ステップS6で、上記ステップS1~S5により作製されたスピーカ装置1に、例えば、組立のチェック、音響特性のチェックなど各種検査を行う。
 以上、説明したように、上記スピーカ装置1の製造方法は、フレーム4と振動板33とボイスコイル31(ボイスコイルボビン32)とを接合してアッセンブリ430を作製し、次に、磁気回路2のプレート23の突出部231とアッセンブリ430のボイスコイル31の内周部とを基準に、アッセンブリ430と磁気回路2との位置決めを行い、アッセンブリ430と磁気回路2とを接合するので、比較的簡単に高精度に上記スピーカ装置1を作製することができる。
 特に、上記スピーカ装置1の製造方法は、ボイスコイル31とプレート23とを高精度に位置決めすることができる。
 つまり、ボイスコイル31とプレート23とを高精度に位置決めすることができるので、磁気回路2の磁気ギャップMG1を比較的幅狭に規定することができる。本発明に係るスピーカ装置1は、磁気回路2が比較的幅狭の磁気ギャップを有し、ボイスコイル33と磁気回路2とが高精度に組み立てられているので、比較的小型化のスピーカ装置を提供することができる。
 また、本発明に係る磁気回路2は、幅狭の磁気ギャップMG1が形成されているので、磁気ギャップMG1に比較的大きな磁束密度が形成され、スピーカ駆動時、ボイスコイル31に比較的大きなローレンツ力が生じる。このため、振動板33は比較的を大きな音圧の音波を出力することができる。
 [第2実施形態]
 図10は、本発明の第2実施形態に係るスピーカ装置の要部および治具GA3の裏面図である。第1実施形態と同じ構成については説明を省略する。
 本実施形態に係るスピーカ装置の製造方法を説明する。
 図10に示されるように、本実施形態に係る治具GA3は、その外形が、ボイスコイル33の長手方向端部付近の形状に対応した形状に形成されており、長手方向端部に外周当接部GA305が形成されている。外周当接部GA305は、ボイスコイル31の長手方向端部に当接する形状に形成されている。
 本実施形態では、図10に示されるように、治具GA3がボイスコイル31と磁気回路2のプレート23の突出部231との間に嵌挿されて、スピーカ装置1が組み立てられるので、ボイスコイル31の長手方向端部と、磁気回路2(プレート23)の長手方向端部とが高精度に位置決めされ、その状態でフレーム4と磁気回路2とを接着固定することができる。
 [第3実施形態]
 図11は、本発明の第3実施形態に係るスピーカ装置1Bの平面図であり、図11(B)は図11(A)に示されたスピーカ装置1BのB-B線に沿った断面図であり、図11(C)は図11(A)に示されたスピーカ装置1BのC-C線に沿った断面図である。
 図12(A)は、図11(B),図11(C)に示されたスピーカ装置1Bの磁気回路2Bの上面側からの斜視図である。図12(B)は、図11(B),図11(C)に示されたスピーカ装置1Bの磁気回路2Bの裏面側からの斜視図である。図12(C)は、図11(A)に示されたスピーカ装置1Bの振動板33,ボイスコイルボビン32,フレーム4の裏面側からの斜視図である。図13(A)は、図11(A)に示されたスピーカ装置1Bの要部を拡大した裏面側の底面図である。図13(B)は、図11(A),図11(B)に示されたボイスコイル31およびヨーク21の裏面側の底面図である。第1実施形態と同じ構成については、説明を省略する。
 本実施形態に係るスピーカ装置1Bは、図11(A)~11(C),図12(A)~12(C),図13(A)~13(C)に示されるように、磁気回路2、振動体3、およびフレーム4を有する。
 磁気回路2は、ヨーク21、磁石22、およびプレート23を有する。ヨーク21は、本発明に係るヨークの一実施形態に相当する。
 本実施形態に係るヨーク21は、図12(A)に示されるように、振動板の振動に直交方向から見た平面形状が略矩形状に形成され、長手方向に細長い形状に形成されており、短手方向断面形状が略U字形状に形成されている。
 ヨーク21は、詳細には、底面部211、側面部212、および突出部213を有する。を有する。本実施形態では、底面部211、側面部212、および突出部213は一体形成されている。
 側面部212は、底面部211の短手方向の端部に、音響放射方向SDに向かって延在した形状に形成されている。詳細には、側面部212は、底面部211の短手方向の端部と長手方向の端部のうち、短手方向の端部にのみ形成されている。本実施形態では、側面部212は、短手方向の両端部に形成されている。つまり、ヨーク21は、短手方向断面形状が略U字形状に形成されている。
 突出部213は、側面部212の長手方向端部に形成され、ヨーク21の底面部211の長手方向の端部より長手方向外側に向かって突出した形状に形成されている。
 ヨーク21の側面部212の突出部213は、その長手方向の端部が、ボイスコイル31の長手方向端部と、ヨーク21の底面部211の長手方向端部との間に位置する。
 ヨーク21の側面部212は、その長手方向の長さLY2130が、磁石22の長手方向の長さLY22およびヨーク21の底面部211の長手方向の長さLY21より長い。詳細には、図11(B)に示されるように、ヨーク21の側面部212は、その長手方向の端部が、ヨーク21の底面部211の長手方向の端部より、長手方向外側に向けて、長さLY213だけ延在している。
 本実施形態に係るヨーク21は、裏面側から見た場合、突出部213の長手方向の両端部が、ヨーク21の底面部211の長手方向の端部ら突出した形状に形成されている。突出部213は、上記実施形態に限られるものではなく、例えば、ヨーク側面部の一方の端部のみに形成されていてもよい。
 また、突出部213は、ボイスコイル31の第2の直線部312に対向する対向面部(側面部)2130を有する。
 ボイスコイル31と磁気回路2とは、ヨーク213の突出部213の対向面部(側面部)2130と、ボイスコイル31の第2の直線部とを基準に、位置関係が規定されている。
 図12(B)に示されるように、本実施形態に係るヨーク213は、例えば、平板形状の鉄板を屈曲させて、断面形状が略U字形状となるように形成した後、研削機などでヨーク21の側面部長手方向端部が研削されて、切欠部217が形成されることにより、突出部213が形成される。
 ヨーク21の製造方法は、上記形態に限られるものではない。例えば、予め切欠部217と突出部213が形成された金属板にプレス加工を施すことにより、ヨーク21を作製してもよい。
 本実施形態に係るスピーカ装置1Bは、ヨーク21の外寸LA211,内寸LB211の公差が比較的大きい場合でも、後述するように、ヨーク側面部212の突出部213の対向面部(側面部)2130を基準に、スピーカ装置1Bの各部品が組み立てられるので、比較的高い組み立て精度を有する。また、スピーカ装置1Bは比較的高い組立精度を有するので、磁気回路2の磁気ギャップを比較的狭く規定することができる。
 本実施形態に係る磁気回路2は、ヨーク21の側面部212が突出部213を有するので、長手方向の端部付近に漏れ磁束が加わり比較的大きな磁束密度が形成される。このため、ボイスコイル31は、その長手方向端部付近に、一般的な磁気回路と比べて大きな磁束密度が形成されている。このため、本実施形態に係るスピーカ装置1Bは、スピーカ駆動時、ボイスコイル31の長手方向端部付近にもローレンツ力が生じて、比較的大きな音圧の音波を出力することができる。
 フレーム4は、ヨーク21の側面部212の突出部213の裏面側に開口部44を有する。この開口部44は、例えば、振動板裏面側の排圧用開口部、スピーカ製造時の治具の挿入口、などとして機能する。
 図14は、図11(A)~図11(C)に示された本発明の第3実施形態に係るスピーカ装置1Bの製造方法を説明するためのフローチャートである。
 図15(A)は、図11(A)に示されたスピーカ装置1Bの要部と治具G5とを拡大した裏面側の底面図である。図15(B)は、スピーカ装置1Bのボイスコイル31、ヨーク21、および治具G5の位置関係を説明するための長手方向の断面図である。図16(A)は、スピーカ装置1Bの磁気回路2B,アッセンブリ430,および治具G5を説明するための短手方向の断面図である。図16(B)は、スピーカ装置1Bの磁気回路2,アッセンブリ430,および治具G5の位置関係を説明するための短手方向の断面図である。第1実施形態と同じ動作については説明を省略する。
 ステップS1,ステップS2の後、ステップS3Aで、アッセンブリ430と磁気回路2とを接合する際、磁気回路2のヨーク23の突出部213と、アッセンブリ430のボイスコイル31(ボイスコイルボビン32)の内周部とを基準に、アッセンブリ430と磁気回路2との位置決めを行い、アッセンブリ430と磁気回路2とを接合する。
 詳細には、ステップS3Aで、図15(A),図15(B),図16(A),図16(B)に示されるように、ボイスコイル31の内周部と、ヨーク側面部の突出部213との間に、スピーカ裏面部から治具G5を嵌挿して、各構成要素の位置決めを行う。
 治具G5は、例えば、ヨーク側面部212の突出部213の内寸(突出部213の側面部2130)とボイスコイル31の内寸(ボイスコイル31の第2の直線部312)との間に、スピーカ裏面側から嵌挿される。つまり、フレーム4は、裏面側に治具G5が挿入される開口部44が形成されている。
 本実施形態に係る治具G5は、振動板の振動方向から見た平面形状が略凸字形状に形成され、最外周面(第1の当接面)G51、突出部外周面(第2の当接面)G52を有する。
 最外周面(第1の当接面)G51は、ヨーク側面部212の突出部213の側面部2130に当接する。
 突出部外周面(第2の当接面)G52は、ボイスコイル31(ボイスコイルボビン32)の第2の直線部312の内周部に当接する。
 上記治具G5が、ヨーク側面部212の突出部213の側面部2130と、ボイスコイル31の内周部との間に、スピーカ裏面部から治具G5を嵌挿することにより、ボイスコイル31と磁気回路2Bとが高精度に位置決めされる。
 ステップS4で、例えば、図16(B)に示されるように、接着剤塗布装置901により接着剤が、磁気回路2Bのヨーク21と、フレーム4のヨーク上端接合部41,ヨーク側面接合部42の間に塗布される。規定時間後、接着剤が固化して、磁気回路2とフレーム4とが接着固定される。
 上記ステップS3A,S4により、ヨーク21とボイスコイル31とが高精度に位置決め固定されるとともに、磁気回路2とフレーム4が高精度に位置決め固定される。
 接着剤が固化して、磁気回路2とフレーム4とが接着固定された後、治具G3が取り外される。
 ステップS5,S6について、第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
 以上、説明したように、本発明の第3実施形態に係るスピーカ装置1Bは、フレーム4と振動板33とボイスコイル31(ボイスコイルボビン32)とを接合してアッセンブリ430を作製し、次に、ヨーク21の側面部212の突出部213とアッセンブリ430のボイスコイル31の内周部とを基準に、アッセンブリ430と磁気回路2との位置決めを行い、アッセンブリ430と磁気回路2とを接合するので、比較的簡単に高精度に上記スピーカ装置1Bを作製することができる。
 特に、上記スピーカ装置1Bの製造方法は、ボイスコイル31とヨーク21とを高精度に位置決めすることができる。
 つまり、ボイスコイル31と磁気回路2とを高精度に位置決めすることができるので、磁気回路2の磁気ギャップMG1を比較的幅狭に規定することができる。上記スピーカ装置1Bは、磁気回路2が比較的幅狭の磁気ギャップを有し、ボイスコイル33と磁気回路2とが高精度に組み立てられているので、比較的小型化のスピーカ装置1Bを提供することができる。
 [第4実施形態]
 図17(A)は、本発明の第4実施形態に係るスピーカ装置1Cの要部を拡大した裏面側の底面図である。図17(B)は、図17(A)に示されたボイスコイルおよびヨークの裏面側の底面図である。第1実施形態,第3実施形態と同じ構成については、説明を省略する。
 本実施形態に係るスピーカ装置1Cは、磁気回路2、振動体3、およびフレーム4を有する。
 磁気回路2は、ヨーク21、磁石22、およびプレート23を有する。
 ヨーク21は第3実施形態に係るスピーカ装置1のヨークと同じ構成であり、プレート23は第1実施形態に係るスピーカ装置1のプレートと同じ構成である。
 本実施形態に係る磁気回路2は、ヨーク21の側面部212が突出部213を有するとともに、プレート23が突出部231を有するので、磁気回路2の長手方向の端部付近に磁気ギャップが延長され磁束密度が形成される。このため、ボイスコイル31は、その長手方向端部付近に、一般的な磁気回路と比べて大きな磁束密度が形成されている。また、本実施形態に係るスピーカ装置1Cは、スピーカ駆動時、ボイスコイル31の長手方向端部付近にもローレンツ力が生じて、比較的大きな音圧の音波を出力することができる。
 また、上記スピーカ装置1Cを製造する場合、ヨーク21の側面部212が突出部213と、プレート23が突出部231と、ボイスコイル31の第2の直線部312を基準として、アッセンブリ430と、磁気回路2とを高精度に位置決めして、接着固定することにより、スピーカ装置1Cをより高精度に作製することができる。
 以上、説明したように、本発明に係るスピーカ装置1は、振動発生源(振動板やボイスコイルなど)の振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向と短手方向とを有する振動板33と、振動板33に直接又はボイスコイルボビン32を介して接合されるとともに、振動伝達方向に直交する平面形状が環状に形成され、少なくとも長手方向に沿った直線部を有するボイスコイル31と、ボイスコイル31を駆動する、振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向と短手方向を有する磁気回路2と、磁気回路2を保持するとともに振動板を振動可能に支持するフレーム4とを有する。この磁気回路2は、振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向と短手方向を有する形状の底面部211と、該底面部211の短手方向の端部と長手方向の端部のうち短手方向の端部にのみ磁気ギャップMG1を有する側面部212とを備えたヨーク21と、該ヨーク21の底面部211上に配置された磁石22と、磁石22上に配置されたプレート23とを有し、プレート23とヨーク21との間に長手方向に沿って直線状の磁気ギャップMG1が形成されている。ボイスコイル31は、磁気回路2の磁気ギャップMG1に配置されるとともに、ヨーク21の底面部211の長手方向端部より長手方向外側に延在する。上記プレート23は、ヨーク21の底面部211の長手方向の端部より長手方向外側に向かって突出した突出部231を有するので、磁気回路2の長手方向端部付近でも漏れ磁束密度を有し、スピーカ駆動時、ボイスコイルの長手方向端部にもローレンツ力が生じ、振動板が比較的大きな音波を出力することができる。
 また、ヨーク側面部21にも突出部を設けることにより磁気ギャップが長くなり、スピーカ駆動時、ボイスコイルにより大きなローレンツ力が生じ、振動板が比較的大きな音波を出力することができる。
 また、本発明に係るスピーカ装置1の製造方法は、上記スピーカ装置1の各構成要素を有し、フレーム4と振動板33とボイスコイル31(ボイスコイルボビン32)とを接合してアッセンブリ430を作製するステップと、そのアッセンブリ430と磁気回路2とを接合する際、磁気回路2のプレート23の突出部231と、アッセンブリ430のボイスコイル31の内周部とを基準に、アッセンブリ430と磁気回路2との位置決めを行い、アッセンブリ430と磁気回路2とを接合するステップとを有するので、比較的簡単に高精度に上記スピーカ装置1を作製することができる。
 特に、上記スピーカ装置1の製造方法は、最終組立時に、プレート23の外寸と、ボイスコイル33の内寸を基準に位置決めを行うので、一般的なスピーカ装置の製造方法と比較して、非常に高精度にスピーカ装置1を組み立てて、作製することができる。
 また、ヨーク側面部21に突出部213を設けることにより、上記スピーカ装置の製造方法では、最終組立時に、特に、ヨーク21の突出部213の対向面部内寸と、ボイスコイル33の内寸を基準に位置決めを行うので、一般的なスピーカ装置の製造方法と比較して、非常に高精度にスピーカ装置を組み立てて、作製することができる。
 本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、各実施形態を組み合わせてもよい。
 上記実施形態に係るスピーカ装置は、ボイスコイル31、ボイスコイルボビン32、振動板33、フレーム4などが、振動方向から見た平面形状がトラック形状に形成されていたが、この形態に限られるものではなく、例えば、楕円形状、長円形状、矩形状などに形成されていてもよい。
 上記本発明に係るスピーカ装置は、内磁型磁気回路を有したが、この形態に限られるものではない。
 例えば、本発明に係るスピーカ装置は、図18(A)~図18(C)に示されるように、外磁型磁気回路を有していてもよい。詳細には、図18(A),図18(B)に示されるように、外磁型磁気回路2Eは、ヨーク21E、ヨーク21E上に配置された磁石22E、および磁石22E上に配置されたプレート23Eを有する。この外磁型磁気回路2Eは、磁気ギャップを構成する内側中央部、詳細にはヨーク21Eのポール部215が、ヨーク21Eの底面部211Eの長手方向の端部より長手方向外側に向かって突出した突出部2151Eを有する。
 また、図18(B),図18(C)に示されるように、外磁型磁気回路回路2Fは、ポール部215,底面部211Fが形成されたヨーク21F、ヨーク21F上に配置された磁石22E、および磁石22E上に配置されたプレート23Fを有する。この外磁型磁気回路2Fは、磁気ギャップを構成する外側部、詳細にはプレート23Fが、ヨーク21Fの底面部211Fの長手方向の端部より長手方向外側に向かって突出した突出部231Fを有する。
 図19は、本発明の他の実施形態に係るスピーカ装置の内磁型磁気回路2Hの底面図である。本発明に係るスピーカ装置の磁気回路は、上記実施形態に限られるものではなく、例えば図19に示されるように、ヨーク21Hの底面部211Hの長手方向端部219の中央部に、ヨーク内側に向かって、凹部が形成されていてもよい。つまり、磁気回路は、長手方向と短手方向を有し、プレート23がヨーク底面部の長手方向端部から突出していればよい。
 また、本発明に係るスピーカ装置の磁気回路は、上記実施形態に限られるものではなく、例えばヨークが図20(A)~図20(D)に示されるような形状に形成されていてもよい。詳細には、図20(A)に示されるように、ヨーク21Kは、断面形状が略U字形状に形成されていてもよいし、図20(B)に示されるように、ヨーク21Mは、側面部上端部が内側に向かって屈曲した形状に形成されていてもよいし、図20(C)に示されるように、略V字形状に形成されていてもよいし、図20(D)に示されるように、ヨーク21Pは、底面部が中央突起部を備えていてもよい。つまり、本発明に係るスピーカ装置のヨークは、断面形状が、底面部とそれに略直交する両側面部を備え、内部に空間が形成されていればよい。

Claims (6)

  1.  振動発生源の振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向と短手方向を有する振動板と、
     前記振動板に直接又はボイスコイルボビンを介して接合されるとともに、前記振動伝達方向に直交する平面形状が環状に形成され、少なくとも前記長手方向に沿った直線部を有するボイスコイルと、
     前記ボイスコイルを駆動する、前記振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向と短手方向を有する磁気回路と、
     前記磁気回路を保持するとともに前記振動板を振動可能に支持するフレームとを有し、
     前記磁気回路は、長手方向と短手方向を有する形状の底面部と、該底面部の短手方向の端部と長手方向の端部のうち該短手方向の端部にのみ磁気ギャップを有する側面部とを備えたヨークと、
     前記ヨークの底面部上に配置された磁石と、
     前記磁石上に配置されたプレートとを有し、
     前記プレートと前記ヨークとの間に、前記長手方向に沿って直線状の磁気ギャップが形成され、
     前記ボイスコイルは、前記磁気回路の磁気ギャップに配置されるとともに、前記ヨークの底面部の長手方向端部より長手方向外側に延在し、
     前記磁気ギャップを構成する外側部又は内側中央部が、前記ヨークの底面部の長手方向の端部より長手方向外側に向かって突出した突出部を有することを特徴とする
     スピーカ装置。
  2.  前記ボイスコイルは、前記磁気回路の直線状の磁気ギャップに配置される第1の直線部と、前記ヨークの底面部の長手方向端部より外側に延在する第2の直線部とを有し、
     前記磁気ギャップを構成する外側部又は内側中央部は、前記突出部が前記ボイスコイルの第2の直線部に対向する対向面部を有することを特徴とする請求項1に記載されるスピーカ装置。
  3.  前記ボイスコイルと前記磁気回路とは、前記磁気ギャップを構成する外側部又は内側中央部の突出部の対向面部と、前記ボイスコイルの第2の直線部とを基準に、位置関係が規定されていることを特徴とする請求項2に記載されるスピーカ装置。
  4.  前記磁気ギャップを構成する外側部又は内側中央部は、その長手方向の端部が、前記ボイスコイルの長手方向端部と、前記ヨークの底面部の長手方向端部との間に位置することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載されるスピーカ装置。
  5.  前記フレームは、少なくとも、前記磁気ギャップを構成する外側部又は内側中央部の突出部の裏面側に開口部を有することを特徴とする請求項4に記載されるスピーカ装置。
  6.  振動発生源の振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向と短手方向を有する振動板と、前記振動板に直接又はボイスコイルボビンを介して接合されるとともに、前記振動伝達方向に直行する平面形状が環状に形成され、少なくとも前記長手方向に沿った直線部を有するボイスコイルと、前記ボイスコイルを駆動する、前記振動伝達方向に直交する平面形状が長手方向と短手方向を有する磁気回路と、前記磁気回路を保持するとともに前記振動板を振動可能に支持するフレームとを有するスピーカ装置の製造方法であって、
     前記磁気回路は、長手方向と短手方向を有する形状の底面部と、該底面部の短手方向の端部と長手方向の端部のうち該短手方向の端部にのみ磁気ギャップを有する側面部とを備えたヨークと、該ヨークの底面部上に配置された磁石と、該磁石上に配置されたプレートとを有し、前記プレートと前記ヨークとの間に、前記長手方向に沿って直線状の磁気ギャップが形成され、前記ボイスコイルは、前記磁気回路の磁気ギャップに配置されるとともに、前記ヨークの底面部の長手方向端部より長手方向外側に延在し、前記磁気ギャップを構成する外側部又は内側中央部が、前記ヨークの底面部の長手方向の端部より長手方向外側に向かって突出した突出部を有し、
     前記フレームと前記振動板と前記ボイスコイルとを接合してアッセンブリを作製する第1のステップと、
     前記アッセンブリと前記磁気回路とを接合する際、前記磁気ギャップを構成する外側部又は内側中央部の突出部と、前記アッセンブリのボイスコイルの内周部とを基準に、前記アッセンブリと前記磁気回路との位置決めを行い、前記アッセンブリと前記磁気回路とを接合する第2のステップとを有することを特徴とする
     スピーカ装置の製造方法。
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