JP2007325075A - スピーカー装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気ギャップに対してイコライザの位置出しが容易な構造を有する磁気回路を備えたスピーカー装置を提供する。
【解決手段】スピーカー装置は、プレート(第1の磁性体)と、それとの間で磁気ギャップを形成し、マグネットと結合されてなるヨーク(第2の磁性体)とを含む磁気回路と、振動板の放音側の中央部に配置され、振動板から放射される音波の位相を制御するイコライザとを備える。第1の磁性体の中央部には、イコライザを取り付けるための取付部が設けられ、イコライザは振動板を介して取付部に取り付けられ、イコライザの中心軸と磁気ギャップの中心軸とは同軸上に位置している。これにより、振動板から放射される音波の位相制御を的確に行うことができ、指向特性などを良好にでき音質の向上を図ることができる。また、高価な切削加工品たるイコライザ位置出し用部材を設けていないので、その分磁気回路の部品点数を削減でき、スピーカー装置のコストダウンが図れる。
【選択図】図1
【解決手段】スピーカー装置は、プレート(第1の磁性体)と、それとの間で磁気ギャップを形成し、マグネットと結合されてなるヨーク(第2の磁性体)とを含む磁気回路と、振動板の放音側の中央部に配置され、振動板から放射される音波の位相を制御するイコライザとを備える。第1の磁性体の中央部には、イコライザを取り付けるための取付部が設けられ、イコライザは振動板を介して取付部に取り付けられ、イコライザの中心軸と磁気ギャップの中心軸とは同軸上に位置している。これにより、振動板から放射される音波の位相制御を的確に行うことができ、指向特性などを良好にでき音質の向上を図ることができる。また、高価な切削加工品たるイコライザ位置出し用部材を設けていないので、その分磁気回路の部品点数を削減でき、スピーカー装置のコストダウンが図れる。
【選択図】図1
Description
本発明は、スピーカー装置におけるイコライザの位置出し構造に関する。
従来より、放音側となる振動板の中央位置に配置され、振動板から放射される音波の位相を制御して、高音域における周波数特性を平坦化すると共に、指向特性や音圧特性等を調整する機能を有するイコライザ(位相等化器)を有するスピーカー装置が知られている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
ここで、特許文献1に記載のスピーカー装置(電気音響変換器)では、イコライザが、振動板の前方に配置され、さらに振動板中心部の開口穴に挿通された状態で、センターポールに固定されている。この構成の下、このスピーカー装置では、特に、振動板の開口穴周辺部に振動板自体の成形により振動板と一体の補強部が形成されている。これにより、振動板の面剛性の低下を防止でき、周波数特性において平坦な特性領域を拡げて音響特性を改善することができるとされている。
また、特許文献2に記載の電磁誘導型スピーカー装置では、リング状の磁気ギャップ内に直流磁界を発生させる磁気回路部と、導電材料によりリング状に形成されると共に磁気ギャップ内に配置された振動板と、振動板の前面側と背面側に夫々近接して配置されてなる第1及び第2の電磁誘導コイルとを備えて構成され、イコライザがポールピースに取り付けられている。この構成の下、この電磁誘導型スピーカー装置では、特に、第1及び第2の電磁誘導コイルには、これらコイルに同相の交流磁界が発生するように信号電流が供給される。これにより、振動板に安定した誘導電流の誘起を図り、高能率で十分な音圧出力特性を得、良好な音響再生を達成することができるとされている。
なお、上記の特許文献1及び2に記載のスピーカー装置は、いずれも外磁型の磁気回路を構成しており、その要素であるセンターポール(又はポールピース)にイコライザが配置されている。
本発明は、磁気ギャップに対してイコライザの位置出しが容易な構造を有する磁気回路を備えたスピーカー装置及びその製造方法を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、スピーカー装置であって、第1の磁性体と、前記第1の磁性体との間で磁気ギャップを形成する第2の磁性体と、を有する磁気回路と、振動板の放音側の中央部に配置され、前記振動板から放射される音波の位相を制御するイコライザと、を備え、前記第1の磁性体の中央部には、前記イコライザを取り付けるための取付部が設けられ、前記イコライザは前記振動板を介して前記取付部に取り付けられ、前記イコライザの中心を通る中心軸と前記磁気ギャップの中心を通る中心軸とは同軸上に位置していることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、スピーカー装置の製造方法であって、第1の磁性体を第2の磁性体に取り付けて、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体との間に磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成工程と、一定幅のギャップゲージを有する治具を用意し、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体との間に前記ギャップゲージを挿入することにより、前記磁気ギャップを一定の間隙に設定する磁気ギャップ設定工程と、を備える工程により磁気回路を作製する磁気回路作製工程と、振動板の放音側の中央部に位置するように、前記イコライザを前記振動板を介して前記第1の磁性体の中央部に設けられたイコライザ取付用の取付部に取り付け、前記イコライザの中心を通る中心軸と前記磁気ギャップの中心を通る中心軸とを同軸上に位置させるイコライザ取付工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の1つの実施形態では、スピーカー装置は、第1の磁性体と、前記第1の磁性体との間で磁気ギャップを形成する第2の磁性体と、を有する磁気回路と、振動板の放音側の中央部に配置され、前記振動板から放射される音波の位相を制御するイコライザと、を備え、前記第1の磁性体の中央部には、前記イコライザを取り付けるための取付部が設けられ、前記イコライザは前記振動板を介して前記取付部に取り付けられ、前記イコライザの中心を通る中心軸と前記磁気ギャップの中心を通る中心軸とは同軸上に位置している。
上記のスピーカー装置は、第1の磁性体と、第1の磁性体との間で磁気ギャップを形成する第2の磁性体と、を有する磁気回路と、振動板の放音側の中央部に配置され、振動板から放射される音波の位相を制御するイコライザと、を備えて構成される。
好適な例では、前記第1の磁性体は、筒状の形状を有する前記取付部と、前記取付部の外周壁から外側へ延在するフランジ部と、を有するのが好ましく、また、前記第2の磁性体は、リング状のマグネットを載置する載置部と、前記載置部の外周部から上方へ延在し、前記マグネットの側面を覆う筒状部と、前記筒状部の一端から内側へ折れ曲がる屈曲部と、を有するヨークと、前記載置部に取り付けられた前記リング状のマグネットと、を有して構成されるのが好ましく、また、前記イコライザは、前記取付部に嵌合する筒状部と、略円錐状の形状を有し、前記筒状部の一端側に設けられ、前記音波の位相を制御する位相制御部と、を有するのが好ましく、また、前記磁気ギャップは、前記屈曲部の内周壁と前記フランジ部の外周壁との間に形成された環状の間隙であるのが好ましい。
特に、このスピーカー装置では、第1の磁性体の中央部には、イコライザを取り付けるための取付部が設けられ、イコライザは振動板を介して取付部に取り付けられ、イコライザの中心を通る中心軸と磁気ギャップの中心を通る中心軸とは同軸上に位置している。好適な例では、前記第1の磁性体の中心軸と、前記第2の磁性体の中心軸と、前記磁気ギャップの前記中心軸とは同軸上に位置しているのが好ましい。
これにより、振動板から放射される音波の位相制御を的確に行うことができる。その結果、指向特性、周波数特性及び音圧特性などを良好にすることができ、音質の向上を図ることができる。
また、このスピーカー装置の製造過程では、第1の磁性体単体により、即ち、第1の磁性体の取付部にイコライザを取り付けるだけで、磁気ギャップに対するイコライザの中心位置出し作業、厳密に言えば、磁気ギャップの中心軸とイコライザの中心軸とを同軸上に位置させる作業を行うことができる。つまり、このスピーカー装置の製造過程では、高価な切削加工品たる、磁気ギャップに対するイコライザの中心位置出し部材を設ける必要がないので、その分だけ、磁気回路の部品点数を減らすことができ、スピーカー装置の製品コストを下げることができる。
また、このスピーカー装置では、磁気ギャップに対するイコライザの中心位置出し機能を有する第1の磁性体は圧延鋼などの材料により形成されているのが好ましい。これにより、その製造過程において第1の磁性体を切削するとしても当該第1の磁性体の高さ調整のために切削する程度であり、その切削加工に要する時間は少なく、その分だけ、スピーカー装置の製品コストを下げることができる。
上記のスピーカー装置の一つの態様では、前記取付部の外周壁の下端部には、当該取付部の一部を切り欠いてなる切り欠き部が設けられている。これにより、取付部の外周壁の下端部の厚さが小さくなり、第2の磁性体から取付部側への漏れ磁束を低減できる。
本発明の1つの実施形態では、スピーカー装置の製造方法は、第1の磁性体を第2の磁性体に取り付けて、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体との間に磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成工程と、一定幅のギャップゲージを有する治具を用意し、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体との間に前記ギャップゲージを挿入することにより、前記磁気ギャップを一定の間隙に設定する磁気ギャップ設定工程と、を備える工程により磁気回路を作製する磁気回路作製工程と、振動板の放音側の中央部に位置するように、前記イコライザを前記振動板を介して前記第1の磁性体の中央部に設けられたイコライザ取付用の取付部に取り付け、前記イコライザの中心を通る中心軸と前記磁気ギャップの中心を通る中心軸とを同軸上に位置させるイコライザ取付工程と、を備える。
上記のスピーカー装置の製造方法では、磁気ギャップ形成工程と、磁気ギャップ設定工程と、を備える工程により磁気回路を作製する磁気回路作製工程と、イコライザ取付工程と、を備える工程によりスピーカー装置が製造される。
磁気回路作製工程において、まず、磁気ギャップ形成工程は、第1の磁性体を第2の磁性体に取り付けて、第1の磁性体と第2の磁性体との間に磁気ギャップを形成する。次に、磁気ギャップ設定工程は、一定幅のギャップゲージを有する治具を用意し、第1の磁性体と第2の磁性体との間にギャップゲージを挿入することにより、磁気ギャップを一定の間隙に設定する。こうして、磁気ギャップが一定の間隙に設定された磁気回路が作製される。
次に、イコライザ取付工程は、振動板の放音側の中央部に位置するように、イコライザを振動板を介して第1の磁性体の中央部に設けられたイコライザ取付用の取付部に取り付け、イコライザの中心を通る中心軸と磁気ギャップの中心を通る中心軸とを同軸上に位置させる。こうして、スピーカー装置が製造される。
以上の製造方法によれば、治具を1回だけ用いることにより、磁気ギャップの中心軸に対するイコライザの中心軸の位置出しを行うことができる。即ち、治具を1回用いるだけで、イコライザの中心軸と、磁気ギャップの中心軸とを高い精度で同軸上に位置させることができる。よって、複数回治具を用いて、磁気ギャップの中心軸に対するイコライザの中心軸の位置出し作業を伴う磁気回路の製造方法と比較して、工数の削減を図ることができる。これにより、指向特性、周波数特性及び音圧特性等に優れた安価なスピーカー装置が得られる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[スピーカー装置の構成]
まず、図1及び図2を参照して、磁気ギャップに対するイコライザ(位相等化器)の中心位置出し構造を有するプレートを備えるスピーカー装置の構成について説明する。
まず、図1及び図2を参照して、磁気ギャップに対するイコライザ(位相等化器)の中心位置出し構造を有するプレートを備えるスピーカー装置の構成について説明する。
図1は、本発明の実施例に係るスピーカー装置100を、その中心軸L1を通る平面で切断したときの断面図を示す。図2(a)は、スピーカー装置100の構成要素であるイコライザ(位相等化器)10の構成を示す斜視図である。図2(b)は、スピーカー装置100の構成要素であり、磁気ギャップに対するイコライザ10の中心位置出し構造を有するプレート3の構成を示す斜視図である。なお、図1及び図2において、直線L1はスピーカー装置100及び磁気回路30の中心を通る中心軸を、また、直線L2はイコライザ10の中心を通る中心軸を、また、直線L3はプレート3の中心を通る中心軸を、また、直線L4は磁気ギャップ32の中心を通る中心軸を夫々示し、それらの各中心軸は同軸上に位置している。
スピーカー装置100は、図1に示すように、ヨーク1、マグネット2及びプレート3を含む磁気回路30と、樹脂プレート4、振動板5、ボイスコイルボビン6、ボイスコイル7、スペーサ8a、8b、8c及び8d、フランジ9、イコライザ10、並びに筐体11を含む振動系部材31と、ねじ12を含むその他の部材と、を有して構成される。なお、本発明では、スピーカー装置の構造及び駆動方式などに限定はない。
まず、磁気回路30の構成について説明する。
本磁気回路30は、内磁型の磁気回路として構成されている。
ヨーク1は、略円板状の形状を有し、リング状のマグネット2を載置する載置部1aと、載置部1aの外周部から上方へ突出する筒状部1bと、筒状部1bの上端から内側へ折れ曲がる屈曲部1cと、を備える。
載置部1aは、その中央位置に設けられ、ねじ12を挿通するための開口1abと、その外周部付近の上面側に設けられた階段状の段差部1acと、を夫々有する。段差部1acは、マグネット2をヨーク1の適正な位置に位置決めするための役割を有する。筒状部1bは、一定の間隔をおいてマグネット2と対向する位置に且つマグネット2の外側に設けられている。屈曲部1bの内周壁は、後述するプレート3のフランジ部3bの外周壁との間で磁気ギャップ32を形成する役割を有する。
マグネット2はリング状の形状を有する。マグネット2は、その外周壁の下端部がヨーク1の段差部1acの内周壁に位置決めされた状態で、ヨーク1の載置部1a上に取り付けられている。
プレート3は、筒状の形状を有し、イコライザ10を当該プレート3の中央部に取り付けるための取付部3aと、取付部3aの外周壁の下端部から外側へ延在するフランジ部3bと、を備え、マグネット2上に取り付けられている。プレート3は、圧延鋼などの材料にて形成されているのが好ましい。取付部3aの取付孔3cには、ねじ12が挿通されると共に、後述するイコライザ10の筒状部10bが挿入される。
以上の構成を有する磁気回路30では、プレート3のフランジ部3bの外周壁と、ヨーク1の屈曲部1cの内周壁との間に、環状の間隙(空間)を形成する磁気ギャップ32が形成されている。磁気ギャップ32は、後述するスピーカー装置100の製造方法において説明するように一定の間隙d3に設定されている。また、この磁気回路30では、ヨーク1の中心軸と、マグネット2の中心軸と、プレート3の中心軸L3とは同軸(中心軸L1)上に位置している。
次に、振動系部材31の構成について説明する。
樹脂プレート4は、樹脂材料により形成され、様々なスピーカー装置100の構成要素を支持する機能を有する。樹脂プレート4は、略円板状の形状を有し、磁気回路30を載置する載置部4aと、載置部4aの外周部から上方へ突出する筒状部4bと、筒状部4bの外周部から外側へ延在するフランジ部4cと、を備えている。載置部4aは、その中央位置に、ねじ12の頭の部分と嵌合すると共に、ねじ12を挿通するための開口4abを有し、当該載置部4a上には磁気回路30が取り付けられている。筒状部4bの内径はヨーク1の外径と略同一の大きさであり、筒状部4bは磁気回路30の側面側を覆っている。フランジ部4cは、振動板5の外周縁部や筐体11などを支持する役割を有する。フランジ部4cの内周部付近の上面には、上方へ突出する突出部4caが設けられている。この突起部4caは、後述するフランジ9の凹部9aと嵌合している。
ボイスコイルボビン6は、円筒状の形状を有し、プレート3の側面側を覆う位置に配置されていると共に、その一部は磁気ギャップ32内に配置されている。
ボイスコイル7は、磁気ギャップ32内に位置するボイスコイルボビン6の外周壁に巻かれており、ボイスコイル7の外周壁は、ヨーク1の屈曲部1cの内周壁と対向している。ボイスコイル7は、1つの配線からなり、図示しないプラス及びマイナスのリード線を夫々有している。プラス側のリード線はL(又はR)チャンネル信号の入力配線であり、マイナス側のリード線はグランド(GND:接地)信号の入力配線である。プラス及びマイナスの各リード線は、図示しない端子に電気的に接続されている一方、その端子は、図示しないアンプ側の出力配線にも電気的に接続されている。これにより、ボイスコイル7には、端子、プラス及びマイナスの各リード線を介してアンプ側から1チャンネル分の信号や電力が入力される。
振動板5は、リング状の平面形状を有し、音波を放射する役割を担う。振動板5の一部は、ボイスコイルボビン6の外周壁の上端部付近に取り付けられ、当該振動板5は、ボイスコイルボビン7と共に振動する。振動板5の内周部の下面及び上面には、リング状のスペーサ8a及び8bが夫々インサート成形により取り付けられていると共に、振動板5の外周部の下面及び上面にはリング状のスペーサ8c及び8dが夫々インサート成形により取り付けられている。そして、振動板5の内周部は、スペーサ8aを介して、プレート3の取付部3a上に取り付けられていると共に、振動板5の外周部は、スペーサ8cを介して、樹脂プレート4のフランジ部4cの内周部上に取り付けられている。
フランジ部9は、略環状の形状を有し、その下面及びその上面の各内周部側には凹部9a及び凹部9bが設けられている。フランジ部9は、その要素である凹部9aが樹脂プレート4のフランジ部4cに設けられた突出部4caと嵌合した状態で、且つ、スペーサ8c及び8dが取り付けられた振動板5の外周部を介在させた状態で、当該フランジ部4c上に取り付けられている。
イコライザ10は、振動板5から放射される音波の位相を制御して、高音域における周波数特性を平坦化すると共に、指向特性や音圧特性等を調整する機能を有する。イコライザ10は、自身をプレート3に固定する機能を有し、筒状の形状を有する筒状部10aと、その筒状部10aの一端側に設けられ、略円錐状の形状を有し、音波の位相を制御する位相制御部10bと、を有する。筒状部10a及び位相制御部10bの内部には、雌ねじ(ねじ孔)10cが形成されている。この雌ねじ10cは、ねじ12の先端に設けられた雄ねじと嵌合する。イコライザ10は、振動板5等を介して、筒状部10bが取付部3aの取付孔3cに挿入された状態で、当該プレート3に取り付けられている。これにより、イコライザ10は、振動板5の放音側の中央部に配置されている。また、イコライザ10の中心軸L2と、プレート3の中心軸L3とは同軸上に位置していると共に、環状の間隙をなす磁気ギャップ32の内径d1の中心を通る中心軸L4と、イコライザ10の筒状部10bの外径d2の中心を通る中心軸L2とは同軸上に位置している。
筐体11は、メッシュ(網)素材からなり、振動板5から放射された音波を外部へ通過させる役割を有する。筐体11の一端側11aは、フランジ9の凹部9bに取り付けられている。なお、本発明では、筐体11は、いわゆるパンチングメッシュ部材であっても構わないし、或いは、筐体11を設けなくても構わない。
以上に述べた振動系部材31と磁気回路30とは、ねじ12により共締めされている。即ち、ねじ12は、樹脂プレート4の開口4ab、ヨーク1の開口1ab、マグネット2の開口、プレート3の取付孔3c、振動板5の開口等に挿通され、さらに、そのねじ12の先端部分(雄ねじ)と、イコライザ10の雌ねじ(ねじ孔)10cとが共締めされている。
以上の構成を有するスピーカー装置100において、アンプ側から出力された信号及び電力は、端子並びにボイスコイル7のプラス及びマイナスのリード線を介してボイスコイル6へ供給される。これにより、磁気ギャップ32内でボイスコイル7に駆動力が発生し、振動板5をスピーカー装置100の中心軸L1方向に振動させる。こうして、スピーカー装置100は、矢印Y1の方向に音波を放射する。
次に、本発明の実施例に係る、磁気ギャップ32に対するイコライザ10の中心位置出し構造を有するプレートを備えるスピーカー装置の特有の作用効果について説明する。
本発明の実施例に係るスピーカー装置100は、プレート(第1の磁性体)3と、プレート3との間で環状の間隙たる磁気ギャップ32を形成し、マグネット2と結合されたヨーク(第2の磁性体)1と、を有する磁気回路30と、リング状の振動板5の放音面側の中央部に配置され、振動板5から放射される音波の位相を制御するイコライザ(位相等化器)10と、を備え、プレート3の中央部にはイコライザ10を取り付けるための取付部3aが設けられ、イコライザ10は振動板を介して取付部3aに取り付けられ、イコライザ10の中心を通る中心軸L2と磁気ギャップ32の中心を通る中心軸L4とは同軸上に位置している。
このように、本実施例では、特に、イコライザ10の中心を通る中心軸L2と磁気ギャップ32の中心を通る中心軸L4とが同軸上に位置しているので、振動板5から放射される音波の位相制御を的確に行うことができる。これにより、指向特性、周波数特性及び音圧特性などを良好にすることができ、音質の向上を図ることができる。
また、本実施例は、以下に説明する比較例と比較して、特有の作用効果を奏する。
まず、図3を参照して、比較例に係るスピーカー装置50の構成について説明する。なお、比較例において、本実施例に係るスピーカー装置100と同一の要素については同一の符号を付し、その説明は簡略化又は省略する。
比較例に係るスピーカー装置50と、本実施例に係るスピーカー装置100とを比較した場合、その両者は、本実施例のプレート3に相当する部材の構成が異なっており、それ以外の構成は同一である。
即ち、比較例では、プレート33は、環状の形状を有し、マグネット2上に取り付けられている。そして、プレート33の内周部の上面には、アルミニウムや銅などの基材を切削加工することにより形成され、プレート33より小さな外径を有する環状部材(センターリング)13が設けられている。この環状部材33は、磁気ギャップ32に対するイコライザ10の中心位置出し機能を有する。これにより、比較例では、ヨーク1、マグネット2、プレート33及び環状部材13により、内磁型の磁気回路30xが構成されている。
そして、イコライザ10の筒状部10bは、環状部材33に形成された開口13aに嵌合しており、これにより、イコライザ10の中心軸L2と、磁気ギャップ32の中心軸L4とが同軸上に位置している。
以上の構成を有する比較例では、イコライザ10の中心軸L2と、磁気ギャップ32の中心軸L4とが同軸上に位置しているので、上記した本実施例と同様の作用効果が得られるという利点がある。
しかしながら、比較例では、磁気ギャップ32に対するイコライザ10の中心位置出し機能を有する環状部材33が、アルミニウム等の基材を切削加工することにより形成されているので、その材料費及び切削加工に要する分の工数が増加して、環状部材33の製品コストが増加してしまうという問題がある。また、比較例では、その製造時に、磁気ギャップ32に対するプレート33の中心位置出し作業に加え、プレート33に対する環状部材33の中心位置出し作業をも行う必要がある。そのため、磁気ギャップ32に対するイコライザ10の中心位置出し作業に相当の時間を要するという問題がある。これらにより、比較例では、磁気回路30xの製品コストが増加し、ひいてはスピーカー装置50の製品コストが増加してしまうという問題がある。
これに対して、本実施例では、プレート3単体により、即ち、プレート3の取付部3aに設けられた取付孔3cにイコライザ10の筒状部10bを嵌合させるだけで、磁気ギャップ32に対するイコライザ10の中心位置出し作業、厳密に言えば、磁気ギャップ32の中心軸L4とイコライザ10の中心軸L2とを同軸上に位置させる作業を行うことができる。つまり、本実施例では、比較例に相当する高価な切削加工品たる環状部材33を設ける必要がないので、その分だけ、比較例と比較して磁気回路の部品点数を減らすことができ、スピーカー装置100の製品コストを下げることができる。
また、本実施例では、磁気ギャップ32に対するイコライザ10の中心位置出し機能を有するプレート3を圧延鋼などの材料により形成しており、製造過程においてプレート3を切削するとしても当該プレート3の高さ調整のために切削する程度であり、比較例に比較しても切削加工に要する時間は少なく、その分だけ、スピーカー装置100の製品コストを下げることができる。
[変形例]
次に、図4及び図5を参照して、本発明の変形例に係るスピーカー装置200の構成について説明する。なお、変形例において、上記した実施例に係るスピーカー装置100と同一の要素については同一の符号を付し、その説明は簡略化又は省略する。
次に、図4及び図5を参照して、本発明の変形例に係るスピーカー装置200の構成について説明する。なお、変形例において、上記した実施例に係るスピーカー装置100と同一の要素については同一の符号を付し、その説明は簡略化又は省略する。
図4は、本発明の変形例に係るスピーカー装置200を、その中心軸L1を通る平面で切断したときの断面図を示す。
変形例に係るスピーカー装置200と、上記した実施例に係るスピーカー装置100とを比較した場合、その両者は、磁気ギャップ32に対するイコライザ10の中心位置出し機能を有するプレートの形状が若干異なっており、それ以外の要素は同様の構成を有する。
即ち、図4において、プレート3xの形状を着目して分かるように、当該プレート3xの取付部3aの外周壁の下端部には、当該取付部3aを切り欠いてなる切り欠き部3axが設けられている。これにより、変形例では、上記した実施例に係る磁気回路30と比較して、磁気回路30yに生じる磁束の漏洩を低減できる。
この点について、図5を参照して簡単に説明する。図5(a)は、上記した実施例に係る磁気回路30の片側断面図を示す。一方、図5(b)は、図5(a)に対応する、変形例に係る磁界回路30yの片側断面図を示す。
一般的な内磁型の磁界回路では、プレートはリング状に形成されるので、磁気回路に生じる磁束はヨークと、マグネットと、プレートとの間においてループするように生じ、磁束の漏洩は少ない構造となっている。これに対して、上記した実施例では、磁気ギャップ32に対するイコライザ10の中心位置出し部、即ち、取付部3aをフランジ部3bと一体的に形成することにしているので、図5(a)に示すように、ヨーク1と、マグネット2、プレート3との間に生じるループ状の磁束(矢印Y2の部分)の一部が、漏れ磁束として破線矢印Y3に示すように取付部3aへ漏れてしまうという課題がある。
そこで、このような課題を改善するためには、取付部3aの外周壁の下端部を切り欠いて、その部分の厚さを小さくし、マグネット2から取付部3a側への磁束の漏洩を最小限にすることが有効である。そこで、変形例では、図5(b)に示すように、プレート3xの取付部3aの外周壁の下端部に、当該取付部3aを切り欠いてなる切り欠き部3axを設けている。これにより、その部分の厚さが小さくなり、上記の実施例と比較してマグネット2から取付部3a側への漏れ磁束を低減できる。
[スピーカー装置の製造方法]
次に、図6乃至図8を参照して、上記した本発明の実施例に係るスピーカー装置100の製造方法について説明する。なお、以下では、スピーカー装置100の構成要素についての詳細な説明は省略することがある。
次に、図6乃至図8を参照して、上記した本発明の実施例に係るスピーカー装置100の製造方法について説明する。なお、以下では、スピーカー装置100の構成要素についての詳細な説明は省略することがある。
図6(a)は、本実施例に係るスピーカー装置100の製造方法のフローチャートを示す。図6(b)は、図6(a)における磁気回路30の作製方法のフローチャートを示す。図7(a)及び(b)は、磁気回路30の作製方法の工程図を示す。図8は、スピーカー装置100の製造方法の工程図を示す。
まず、磁気回路30の作製工程を実行する(工程S1)。ここで、磁気回路作製工程は、磁気ギャップ形成工程P1と、磁気ギャップ設定工程P2と、を含む。
まず初めに、磁気ギャップ形成工程P1を実行する。具体的には、まず、図7(a)の矢印Y10に示すように、リング状のマグネット2をヨーク1側に移動させ、リング状のマグネット2の外周壁を、ヨーク1の段差部1acの内周壁に位置決めしつつ、当該リング状のマグネット2を、図示しない接着剤を介してヨーク1の載置部1a上に取り付ける。これにより、図7(b)に示すように、リング状のマグネット2の中心軸とヨーク1の中心軸とを同軸(中心軸L1)上に位置させることができる。次に、図7(a)の矢印Y11に示すように、プレート3をマグネット2側へ移動させ、当該プレート3を、図示しない接着剤を介してマグネット2上に仮配置する。これにより、図7(b)に示すように、プレート3のフランジ部3bの外周壁と、ヨーク1の屈曲部1cの内周壁との間に環状の間隙たる磁気ギャップ32が形成される。
次に、磁気ギャップ設定工程P2を実行する。具体的には、本工程では、磁気ギャップ32を一定の間隙に設定するギャップゲージを含む治具を用いて、当該磁気ギャップ32を一定の間隙に設定する。
ここで、本工程で用いる治具の構成について、図7(a)を参照して簡単に説明する。
治具40は、筒状体41と、筒状体41の一端側の外周壁から外側へ延在するフランジ部42と、筒状体41の他端側から突出するように設けられたギャップゲージ43と、を有して構成される。また、治具40は、その略中央に貫通穴44を有する。
筒状体41の内側は、プレート3の取付部3aと略同一の高さを有する円柱体をくり貫いた形状を有すると共に、プレート3の取付部3aの一端側と面接触する段部41aを有する。ギャップゲージ43は、環状の形状を有し、その厚さがd3に設定され、磁気ギャップ32を一定の間隙(幅)d3に設定する役割を有する。
本工程では、図7(a)の矢印Y12に示すように、上記の構成を有する治具40を半製品たる磁気回路30側へ移動させ、さらに、図7(b)に示すように、ギャップゲージ43を、ヨーク1の屈曲部1cとプレート3のフランジ部3bとの間に形成された磁気ギャップ32内に挿入し、さらに、段部41aとプレート3の取付部3aの一端面とが接触するように、かつ、プレート3のフランジ部3bと筒状体41の一端面41bとが接触するように、当該治具40をプレート3上に配置する。これにより、環状の磁気ギャップ32が一定の間隙(幅)d3に設定される。また、これにより、環状の磁気ギャップ32の中心を通る中心軸L4(環状の磁気ギャップ32の内径d1の中心を通る軸)と、イコライザ10の中心位置出し機能を有するプレート3の取付部3aの中心を通る中心軸L3とを同軸上に位置させることができる。
次に、その状態を暫くの間放置して、磁気回路30の作製に際して用いた接着剤を乾燥させ、その後、治具40をプレート3から取り出すことにより、図1に示す磁気回路30が作製される。
図6(a)に戻り、続いて、磁気回路の取付工程を実行する(工程S2)。なお、以下の各工程において、スピーカー装置用構成部材の取り付け状態は図1を参照されたい。
具体的には、図8の矢印Y20に示すように、上記の工程により作製された磁気回路30を、図示しない接着剤を介して樹脂プレート4の載置部4aに取り付ける。次に、図6(a)に示すように、スペーサ8a、8b、8c、8dを含む振動板5の取付工程を実行する(工程S3)。具体的には、図8に示すように、予め、リング状のスペーサ8a、8b、8c、8dをインサート成形してなるリング状の振動板5を用意し、その振動板5を、図8の矢印Y20に示すように、磁気回路30側へ移動させ、振動板5の内周部を、スペーサ8aを介して、図示しない制動剤によりプレート3の取付部3aの一端面に取り付けると共に、振動板5の外周部を、スペーサ8cを介して、図示しない制動剤によりヨーク1のフランジ部4c上に取り付ける。
次に、図6(a)に示すように、イコライザ10の取付工程を実行する(工程S4)。具体的には、図8の矢印Y22に示すように、イコライザ10を振動板5及び磁気回路30側へ移動させ、さらに、イコライザ10が振動板5の放音側の中央部に位置するように、当該イコライザ10を、振動板5を介してプレート3の中央部に設けられた取付部3aの取付孔3cに挿入しつつ当該取付部3aに取り付ける。これにより、新たに治具を用いることなく、イコライザ10の中心軸L2と、環状の磁気ギャップ32の中心軸L4とを同軸上に位置させることができる。これにより、イコライザ10を振動板5の中央部に的確に位置させることができる。
次に、図6(a)に示すように、フランジ9を含む筐体11の取付工程を実行する(工程S5)。具体的には、図8に示すように、予め、メッシュ(網)構造を有する筐体11の一端側11aをリング状のフランジ9の凹部9bに取り付けて、フランジ9を含む筐体11を作製しておき、続いて、図8の矢印Y23に示すように、その作製されたフランジ9を含む筐体11を振動板5及び磁気回路30側へ移動させ、フランジ9の凹部9aとヨーク1の突出部4caとを嵌合させつつ、フランジ9をヨーク1のフランジ部4c上に取り付ける。
次に、図6(a)に示すように、磁気回路30と振動系部材31の結合工程を実行する(工程S6)。具体的には、図8に示すように、ねじ12を矢印Y24に示す方向に移動させて、当該ねじ12を、樹脂プレート4の開口4ab、ヨーク1の開口1ab、マグネット2の開口、プレート3の取付孔3c、振動板5の開口等に挿通し、さらに、ねじ12の先端部(雄ねじ)と、イコライザ10の雌ねじ(ねじ孔)とを共締めする。こうして、本実施例に係るスピーカー装置100が製造される。なお、上記したスピーカー装置100の製造順序は一例であり、本発明では、上記の各工程はその順序を入れ変えても構わない。
また、本発明では、上記した製造方法において、プレート3の代わりにプレート3xを用いて磁気回路30yを作製し、当該磁気回路30yと振動系部材31とをねじ12を用いて結合すれば、上記した変形例に係るスピーカー装置200が得られる。
以上に述べたスピーカー装置の製造方法は、特に、プレート(第1の磁性体)3を、マグネット2とヨーク1とが結合されてなる第2の磁性体に取り付けて、第1の磁性体3と第2の磁性体との間に磁気ギャップ32を形成する磁気ギャップ形成工程と、一定幅d3のギャップゲージ43を有する治具40を用意し、第1の磁性体3と第2の磁性体との間にギャップゲージ43を挿入することにより、磁気ギャップ32を一定の間隙d3に設定する磁気ギャップ設定工程と、を備える工程により磁気回路30を作製する磁気回路作製工程と、振動板5の放音側の中央部に位置するように、イコライザ10を振動板5を介して第1の磁性体3の中央部に設けられたイコライザ取付用の取付部3aに取り付け、イコライザ10の中心を通る中心軸L2と磁気ギャップ32の中心を通る中心軸L4とを同軸上に位置させるイコライザ取付工程と、を備える。よって、以下に述べる比較例の製造方法と比較して、次のような有利な効果を奏する。
ここで、図9を参照して、比較例の主要な部分の製造方法について述べる。なお、以下では、本実施例と同一の要素については同一の符号を付し、その説明は簡略化又は省略する。
図9(a)及び(b)は、比較例に係る磁気回路30zの製造工程を示す。
まず、図9(a)に示すように、リング状のマグネット2をヨーク1の載置部1aに取り付け、マグネット2上に接着剤を介してリング状のプレート70を仮配置する。次に、図9(a)に示すように、治具40のギャップゲージ43を、ヨーク1の屈曲部1cとプレート70との間に形成される磁気ギャップ32内に挿入しつつ、治具40をプレート70上に配置して、磁気ギャップ32を一定の間隙d3に設定する。これにより、プレート70の中心軸L3と、磁気ギャップ32の中心を通る中心軸L4とを同軸上に位置させることができる。
次に、図示を省略するが、治具40をプレート70から取り出し、リング状の環状部材(センターリング)71を接着剤を介してプレート70上に仮配置する。ここで、環状部材71は、磁気ギャップ32の中心軸L4に対するイコライザ10の中心軸L2の位置出しの精度を高めるために、アルミニウムや銅などの切削加工品にて作製されている。次に、再度、治具40のギャップゲージ43を磁気ギャップ32に挿入しつつ、治具40の段部42aと環状部材71の一端面とを接触させつつ、当該治具40を環状部材71上に配置する。これにより、磁気ギャップ32の中心軸L4と、プレート70の中心軸L3と、環状部材71の中心を通る中心軸L5とを同軸上に位置させることができる。そして、その状態を暫くの間放置して、磁気回路30zの作製に際して用いた接着剤を乾燥させ、その後、治具40を環状部材71から取り出すことにより、比較例に係る磁気回路30zが作製される。
以上の製造方法を有する比較例では、上記したように、磁気ギャップ32の中心軸L4に対するイコライザ10の中心軸L2の位置出しのために治具40を2回使用する必要がある。
これに対して、本実施例の製造方法では、治具40を1回だけ用いることにより、磁気ギャップ32の中心軸L4に対するイコライザ10の中心軸L2の位置出しを行うことができる。即ち、治具40を1回用いるだけで、イコライザ10の中心軸L2と、環状の磁気ギャップ32の中心軸L4とを高い精度で同軸上に位置させることができる。よって、上記の比較例に係る製造方法と比較して、工数の削減を図ることができる。これにより、指向特性、周波数特性及び音圧特性等に優れた安価なスピーカー装置100が得られる。
また、比較例では、図示を省略するが、磁気ギャップ32の中心軸L4に対するイコライザ10の中心軸L2の位置出しの精度を高めるために、アルミニウムや銅などの基材を切削加工することにより、環状部材71を作製する切削工程を設ける必要がある(また、この場合、環状部材71を位置決めするための治具40の精度も高める必要があるため、その治具40を切削加工するための工程を設ける必要がある)が、本発明では、磁気ギャップ32の中心軸L4に対するイコライザ10の中心軸L2の位置出しの精度を高めるためには、プレート3の高さ調整のために当該プレート3の取付部3aの一端面を切削加工するだけの工程を設けるだけでよいので(上記では説明を省略している)、比較例と比較すると切削加工に要する時間は少なく、その分だけ、工数削減を図ることができる。
1 ヨーク
1c 屈曲部
2 マグネット
3 プレート
3a 取付部
3ax 切り欠き部
3b フランジ部
3c 取付孔
5 振動板
10 イコライザ
10a 筒状部
10b 位相制御部
32 磁気ギャップ
100、200 スピーカー装置
1c 屈曲部
2 マグネット
3 プレート
3a 取付部
3ax 切り欠き部
3b フランジ部
3c 取付孔
5 振動板
10 イコライザ
10a 筒状部
10b 位相制御部
32 磁気ギャップ
100、200 スピーカー装置
Claims (5)
- 第1の磁性体と、
前記第1の磁性体との間で磁気ギャップを形成する第2の磁性体と、を有する磁気回路と、
振動板の放音側の中央部に配置され、前記振動板から放射される音波の位相を制御するイコライザと、を備え、
前記第1の磁性体の中央部には、前記イコライザを取り付けるための取付部が設けられ、
前記イコライザは前記振動板を介して前記取付部に取り付けられ、前記イコライザの中心を通る中心軸と前記磁気ギャップの中心を通る中心軸とは同軸上に位置していることを特徴とするスピーカー装置。 - 前記第1の磁性体の中心軸と、前記第2の磁性体の中心軸と、前記磁気ギャップの前記中心軸とは同軸上に位置していることを特徴とする請求項1に記載のスピーカー装置。
- 前記第1の磁性体は、筒状の形状を有する前記取付部と、前記取付部の外周壁から外側へ延在するフランジ部と、を有し、
前記第2の磁性体は、リング状のマグネットを載置する載置部と、前記載置部の外周部から上方へ延在し、前記マグネットの側面を覆う筒状部と、前記筒状部の一端から内側へ折れ曲がる屈曲部と、を有するヨークと、前記載置部に取り付けられた前記リング状のマグネットと、を有し、
前記イコライザは、前記取付部に嵌合する筒状部と、略円錐状の形状を有し、前記筒状部の一端側に設けられ、前記音波の位相を制御する位相制御部と、を有し、
前記磁気ギャップは、前記屈曲部の内周壁と前記フランジ部の外周壁との間に形成された環状の間隙であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカー装置。 - 前記取付部の外周壁の下端部には、当該取付部の一部を切り欠いてなる切り欠き部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスピーカー装置。
- 第1の磁性体を第2の磁性体に取り付けて、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体との間に磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成工程と、
一定幅のギャップゲージを有する治具を用意し、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体との間に前記ギャップゲージを挿入することにより、前記磁気ギャップを一定の間隙に設定する磁気ギャップ設定工程と、を備える工程により磁気回路を作製する磁気回路作製工程と、
振動板の放音側の中央部に位置するように、前記イコライザを前記振動板を介して前記第1の磁性体の中央部に設けられたイコライザ取付用の取付部に取り付け、前記イコライザの中心を通る中心軸と前記磁気ギャップの中心を通る中心軸とを同軸上に位置させるイコライザ取付工程と、を備えることを特徴とするスピーカー装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006154562A JP2007325075A (ja) | 2006-06-02 | 2006-06-02 | スピーカー装置及びその製造方法 |
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JP2006154562A Pending JP2007325075A (ja) | 2006-06-02 | 2006-06-02 | スピーカー装置及びその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009122573A1 (ja) * | 2008-04-02 | 2009-10-08 | パイオニア株式会社 | スピーカ装置 |
WO2010023759A1 (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-04 | パイオニア株式会社 | スピーカ装置 |
-
2006
- 2006-06-02 JP JP2006154562A patent/JP2007325075A/ja active Pending
Cited By (3)
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WO2010023759A1 (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-04 | パイオニア株式会社 | スピーカ装置 |
JP4898957B2 (ja) * | 2008-08-29 | 2012-03-21 | パイオニア株式会社 | スピーカ装置 |
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