WO2009123213A1

WO2009123213A1 - 吸収性物品の製造方法及び吸収性物品の製造装置

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Publication number: WO2009123213A1
Application number: PCT/JP2009/056712
Authority: WO
Inventors: 智坂口; 範朋亀田; 友美奥
Original assignee: ユニ・チャーム株式会社
Priority date: 2008-03-31
Filing date: 2009-03-31
Publication date: 2009-10-08
Also published as: ZA201007801B; CO6321209A2; UA100260C2; BRPI0906301A8; BRPI0906301A2; MX2010010854A; EA201001572A1; MA33621B1

Abstract

本発明に係る吸収性物品の製造方法は、フラップライン上でフラップの連続体１２０においてフラップラインのＭＤ方向に沿う中心線Ｃの両側に所定領域に係合可能な係合部材３０ａ、３０ｂを配置する工程と、フラップライン上でフラップの連続体１２０の両側縁部をＭＤ方向に沿う中心線Ｃ側に折り返す工程と、フラップライン上でＣＤ方向に沿ってフラップの連続体１２０を切断することによってフラップ２０を形成する工程と、本体ライン上で吸収性物品の連続体１１０上に中心線ＣがＭＤ方向に沿うように所定間隔でフラップ２０を配置する工程とを有する。

Description

吸収性物品の製造方法及び吸収性物品の製造装置

　本発明は、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、該表面シートと該裏面シートとの間に介在する吸収体本体とを具備する吸収性物品の製造方法及び吸収性物品の製造装置に関する。

　一般に、オープンタイプのオムツにおいては、身体への装着を容易にするために、吸収体本体から外側に張り出したサイドフラップ（張出し部）を設ける必要がある。

　かかるサイドフラップを設けるために、サイドパネル材を吸収体本体の外側に張り出させ、トリミングによって残った部分をサイドフラップとする方法が知られているが、トリミングによって多くの無駄な材料が生じるという問題点があった。

　かかる問題点を解決するために、特許文献１に記載のオムツの製造方法が知られている。かかるオムツの製造方法は、以下の工程を有する。

（１）　帯状のオムツ本体を製作する工程。

（２）　帯状のシートによって、ほぼ台形形状のサイドフラップシートを製作する工程。

（３）　帯状のオムツ本体の両側周縁にサイドフラップシートを貼り付ける工程。

（４）　帯状のオムツ本体をサイドフラップシートと共に所定寸法に切断する工程。
特開平４-２６１６５５号公報

　しかしながら、上述したオープンタイプのオムツの製造方法では、帯状のオムツ本体の両側周縁における所定位置に、サイドフラップシートを精度よく位置決めしつつ貼り付ける必要があった。したがって、多くの制御が必要となり、設備が複雑になってしまうという問題点があった。

　また、上述したオープンタイプのオムツの製造方法では、帯状のオムツ本体において左右で別々のサイドフラップシートが配置されるため、本体ラインのＭＤ方向（搬送方向）におけるサイドフラップシートの位置が左右で一致していない場合、貼り合わせ工程が複雑になる等の不具合が発生するという問題点があった。

　そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、高度な制御を用いることなく、本体ラインのＭＤ方向においてサイドフラップの位置が左右で一致していないことに起因する不具合の発生を防止することができる吸収性物品の製造方法及び吸収性物品の製造装置を提供することを目的とする。

　本発明の特徴は、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、該表面シートと該裏面シートとの間に介在する吸収体本体とを具備する吸収性物品の製造方法であって、フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体において、該フラップラインの搬送方向に沿う中心線の両側に、所定領域に係合可能な係合部材を配置する係合部材配置工程と、前記フラップライン上で、該フラップラインの搬送方向に交差する方向に沿って前記フラップの連続体を切断することによって、フラップを形成するフラップ形成工程と、本体ライン上で連続搬送される長尺状の吸収性物品の連続体上に、前記中心線が該本体ラインの搬送方向に沿うように、所定間隔で、前記フラップを配置するフラップ配置工程とを有し、前記フラップライン上で、前記フラップの連続体の両側縁部を、該フラップラインの搬送方向に沿う中心線側に折り返すことを要旨とする。

　以上説明したように、本発明によれば、高度な制御を用いることなく、本体ラインのＭＤ方向においてサイドフラップの位置が左右で一致していないことに起因する不具合の発生を防止することができる吸収性物品の製造方法及び吸収性物品の製造装置を提供することができる。

図１は、本発明の第１－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法を説明するための図である。図２は、本発明の第１－１の実施形態に係る吸収性物品の平面図である。図３は、本発明の第１－１の実施形態に係る吸収性物品を展開した平面図である。図４(a)及び(b)は、本発明の第１－１の実施形態の変更例１に係る吸収性物品の製造方法を説明するための図である。図５(a)及び(b)は、本発明の第１－１の実施形態の変更例１に係る吸収性物品を展開していない状態のフラップの断面図である。図６は、本発明の第１－１の実施形態の変更例１に係る吸収性物品を展開した平面図である。図７は、本発明の第１－１の実施形態の変更例１に係る吸収性物品を展開した平面図である。図８は、本発明の第１－１の実施形態の変更例２に係る吸収性物品の製造方法を説明するための図である。図９は、本発明の第１－２の実施形態に係る係合部材配置機構２１０を示す斜視図である。図１０は、本発明の第１－２の実施形態に係る側縁折返機構２２０を示す斜視図である。図１１は、本発明の第１－２の実施形態に係る切断配置機構２３０を示す斜視図である。図１２は、本発明の第２－１の実施形態に係る吸収性物品の全体構造を示す斜視図である。図１３は、本発明の第２－１の実施形態に係る吸収性物品の平面図である。図１４は、本発明の第２－１の実施形態に係る吸収性物品を展開した平面図である。図１５は、本発明の第２－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法を説明するための図である。図１６は、本発明の第２－２の実施形態に係る吸収性物品の平面図である。図１７は、本発明の第２－２の実施形態に係る吸収性物品を展開した平面図である。図１８は、本発明の第２－２の実施形態に係る吸収性物品の製造方法を説明するための図である。図１９は、本発明の第２－３の実施形態に係る係合部材配置機構１２１０を示す斜視図である。図２０は、本発明の第２－３の実施形態に係る側縁折返機構１２２０を示す斜視図である。図２１は、本発明の第２－３の実施形態に係る切断配置機構１２３０を示す斜視図である。図２２は、本発明の第２－３の実施形態の変更例に係る切断配置機構１２５０を示す斜視図である。図２３は、本発明の第３－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法について説明するための図である。図２４(a)及び(b)は、本発明の第３－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法におけるフラップ接合工程について説明するための図である。図２５は、本発明の第３－１の実施形態の変更例１に係る吸収性物品の製造方法について説明するための図である。図２６は、本発明の第３－１の実施形態の変更例２に係る吸収性物品の製造方法について説明するための図である。図２７は、本発明の第３－１の実施形態の変更例３に係る吸収性物品の製造方法について説明するための図である。図２８は、本発明の第３－１の実施形態の変更例４に係る吸収性物品の製造方法について説明するための図である。図２９は、本発明の第３－１の実施形態の変更例５に係る吸収性物品の製造方法について説明するための図である。図３０は、本発明の第３－１の実施形態の変更例６に係る吸収性物品の製造方法について説明するための図である。図３１は、本発明の第３－１の実施形態の変更例７に係る吸収性物品の製造方法について説明するための図である。図３２は、本発明の第３－２の実施形態に係る係合部材配置機構２３１０を示す斜視図である。図３３は、本発明の第３－２の実施形態に係る折返部形成機構２３２０を示す斜視図である。図３４は、本発明の第３－２の実施形態に係る接合機構２３３０を示す斜視図である。

　以下において、本発明に係る第１の実施形態、第２の実施形態、第３の実施形態について、図面を参照しながら説明する。

［第１の実施形態］
（第１－１の実施形態）
　図１乃至図３を参照して、本発明の第１－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法について説明する。

　本発明の第１－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、液透過性の表面シート１２ｂと、液不透過性の裏面シート１２ａと、表面シート１２ｂと裏面シート１２ａとの間に介在する吸収体本体１０とを具備する吸収性物品（図２及び図３参照）を製造することができる。

　図２は、本実施形態に係る吸収性物品の製造方法によって製造されたオープンタイプのオムツにおいて、係合部材３０ａ、３０ｂがフラップ２０本体に係止されて仮止めされている状態を示す図である。

　図３は、本実施形態に係る吸収性物品の製造方法によって製造されたオープンタイプのオムツにおいて、係合部材３０ａ、３０ｂのフラップ２０本体への係合が外れて、フラップ２０が開いている状態を示す図である。

　以下、図１を参照して、本実施形態に係る吸収性物品の製造方法について説明する。

　第１に、吸収性物品に設けられるフラップ２０が搬送されるフラップライン上で行われる工程について説明する。

　ステップＳ１１において、フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体１２０において、フラップラインのＭＤ方向に沿う中心線Ｃの両側に、所定領域に係合可能な係合部材３０ａ、３０ｂを配置する。

　具体的には、フラップの連続体１２０の両側縁部４０ａ、４０ｂに、所定長間隔で、かかる係合部材３０ａ、３０ｂを接合する。

　ここで、係合部材３０ａ、３０ｂとしてフック部材（雄部材）が配置される場合には、前胴回り部材の所定領域に、被係合部材として被フック部材（雌部材）が設けられるものとする。

　なお、本実施形態では、前胴回り部材が不織布によって構成されているため、被フック部材を別途も受けなくても、前胴回り部材の所定領域自身が被フック部材の役割を果たす。

　ステップＳ１２において、フラップライン上で、フラップの連続体１２０の両側縁部４０ａ、４０ｂを、中心線Ｃ側に折り返す。具体的には、Ｂ-Ｂ’断面図に示すように、フラップライン上で、フラップの連続体１２０の両側縁部４０ａ、４０ｂを、フラップの連続体１２０の上側に折り返す。

　また、フラップの連続体１２０が搬送時にめくれ上がるという事態を防止するために、係合部材３０ａ、３０ｂを、フラップの連続体１２０に係止させることによって仮止めを行っている。さらに、フラップ２０の両側縁部４０ａ、４０ｂが折り返されてフラップ２０が重なることによって形成される折返し部分５０ａ、５０ｂに対してエンボス加工等を施すことによって仮止めを行ってもよい。

　ステップＳ１３において、フラップライン上で、フラップラインのＭＤ方向に交差する方向（ＣＤ方向）に沿って、所定長間隔で、フラップの連続体１２０を切断することによって、フラップ２０を形成する。

　第２に、吸収性物品の連続体１１０が搬送される本体ライン上で行われる工程について説明する。

　ステップＳ２１において、粉砕機によってパルプシートを粉砕して粉砕パルプを生成し、かかる粉砕パルプがパルプ供給ダクトを通過する際に高吸収性ポリマー（ＳＡＰ）を混入する。

　その後、パルプ供給ダクトから供給された粉砕パルプ及び高吸収性ポリマーの混合物を、積層ドラムによって所定形状に積層することによって、吸収体コア１を成形する。

　ステップＳ２２において、本体ラインのＭＤ方向に連続搬送されるシート状のティッシュ２ａ上に、本体ラインのＭＤ方向に所定長間隔で吸収体コア１を載置する。

　その後、本体ラインのＭＤ方向に沿って複数の吸収体コア１が載置されたティッシュ２ａに、本体ラインのＭＤ方向に連続搬送されるシート状のティッシュ２ｂを重ねる。

　ステップＳ２３において、シート状のティッシュ２ｂの上に、本体ラインのＭＤ方向に連続搬送される表面シート（液透過性）１２ｂを重ねて接合し、シート状のティッシュ２ａの下に、本体ラインのＭＤ方向に連続搬送される裏面シート（液不透過性）１２ａを重ねて接合する。

　ステップＳ２４において、別部材によって形成された防漏壁３を、本体ラインのＭＤ方向に沿って、吸収体本体１０の両側端に貼り付ける。

　ステップＳ２５において、本体ライン上で連続搬送される長尺状の吸収性物品の連続体１１０上に、中心線Ｃが本体ラインのＭＤ方向に沿うように、所定間隔で、ステップＳ１３において形成されたフラップ２０を配置する。

　具体的には、フラップライン上でステップＳ１３において形成されたフラップ２０を、吸収性物品の連続体１１０上に、熱可塑性樹脂によって接合する。

　ここで、フラップ２０の裏面側全体に熱可塑性樹脂を塗布してもよいし、フラップ２０の裏面側の一部にのみ熱可塑性樹脂を塗布してもよい。

　なお、ステップＳ２５において、かかるフラップ２０を、吸収性物品の連続体１１０上に、エンボスローラや超音波による熱圧着等によって接合してもよい。

　ステップＳ２６において、本体ライン上で、所定長間隔で、本体ラインのＣＤ方向に沿って吸収性物品の連続体１１０を切断する。

　以上説明した本発明の第１－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、高度な制御を用いることなく、本体ラインのＭＤ方向におけるサイドフラップの位置が左右で一致していないことに起因する不具合の発生を防止することができる。

　具体的には、本発明の第１－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、左右のサイドフラップを構成する一体化された形態を有するフラップ２０を、吸収性物品の連続体１１０上に配置するため、本体ラインのＭＤ方向におけるサイドフラップの位置を左右で一致させることができる。

　また、本発明の第１－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、フラップ２０の両側縁部４０ａ、４０ｂ以外の部分を、吸収性物品の連続体１１０との間の接合領域とすることができるため、フラップ２０と吸収性物品の連続体１１０との間の接合強度を強く保つことができると共に、接合領域が小さい場合に発生する熱可塑性樹脂がはみ出すという不具合を解消することができる。

　また、本発明の第１－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、本体ライン上で、フラップ２０の両側縁部が折り返されてフラップ２０が重なることによって形成されるが折返し部分５０ａ、５０ｂが吸収性物品の連続体１１０上に係止されているため、本体ライン上における搬送中にめくり返ることを防止することができる。

　本発明の第１－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、製品形態の制約を受けることなく、吸収体本体から張り出した１対のサイドフラップを有する吸収性物品を製造することができる。

（変更例１）
　図４乃至図７を参照して、本発明の第１－１の実施形態の変更例１に係る吸収性物品の製造方法について説明する。以下、本発明の第１－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法との相違点に着目して、本発明の変更例１に係る吸収性物品の製造方法について説明する。

　本変更例１に係る吸収性物品の製造方法では、ステップＳ１２において、フラップライン上で、複数回、フラップの連続体１２０の両側縁部４１ａ、４１ｂを折り返すものとする。

　例えば、図４（ａ）に示すように、ステップＳ１２において、フラップライン上で、フラップの連続体１２０の両側縁部４１ａ、４１ｂを２回折り返すと、図５（ａ）に示すように、係合部材３１ａ、３１ｂが上向きの状態となる。したがって、係合部材３１ａ、３１ｂをフラップの連続体１２０に係止させることができないため、かかる両側縁部４１a、４１bを、フラップの連続体１２０に、エンボスローラや超音波による熱圧着等によって仮止めさせてもよい。

　また、図４（ｂ）に示すように、ステップＳ１２において、フラップライン上で、フラップの連続体１２０の両側縁部４１ａ、４１ｂを３回折り返すと、図５（ｂ）に示すように、係合部材３１ａ、３１ｂが下向きの状態となる。したがって、係合部材３１ａ、３１ｂをフラップの連続体１２０に係止させることができる。なお、かかる場合であっても、かかる両側縁部４１a、４１bを、フラップの連続体１２０に、エンボスローラや超音波による熱圧着等によって仮止めさせてもよい。

　図６に、ステップＳ１２において、フラップライン上で、フラップの連続体１２０の両側縁部４１ａ、４１ｂを２回折り返した場合に製造される吸収性物品の展開図を示し、図７に、ステップＳ１２において、フラップライン上で、フラップの連続体１２０の両側縁部４１ａ、４１ｂを３回折り返した場合に製造される吸収性物品の展開図を示す。

　本変更例１に係る吸収性物品の製造方法によれば、本体ラインのＣＤ方向における吸収体本体１０の長さに比べて、本体ラインのＣＤ方向におけるフラップ２０の長さを確保することができる。

（変更例２）
　図８を参照して、本発明の第１－１の実施形態の変更例２に係る吸収性物品の製造方法について説明する。以下、本発明の第１－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法との相違点に着目して、本発明の変更例２に係る吸収性物品の製造方法について説明する。

　第１に、フラップライン上で行われる工程について説明する。

　ステップＳ１１において、フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体１２０において、フラップラインのＭＤ方向に沿う中心線Ｃの両側に、所定領域に係合可能な係合部材３２ａ、３２ｂを配置する。

　具体的には、フラップの連続体１２０において、フラップラインのＭＤ方向に沿う中心線Ｃの近傍領域の両側に、所定長間隔で、かかる係合部材３２ａ、３２ｂを配置する。

　ステップＳ１２において、フラップライン上で、フラップの連続体１２０の両側縁部４２ａ、４２ｂを、中心線Ｃ側に折り返す。具体的には、Ｂ-Ｂ’断面図に示すように、フラップライン上で、フラップの連続体１２０の両側縁部４２ａ、４２ｂを、フラップの連続体１２０の上側に折り返す。

　また、フラップの連続体１２０の搬送時にめくれ上がるという事態を防止するために、フラップ２０の折返し部分５２ａ、５２ｂに対してエンボス加工等を施すことによって仮止めを行ってもよい。

　ステップＳ１２Ａにおいて、フラップの連続体１２０において、中心線Ｃに沿ってフラップの連続体１２０を二分可能な切取り可能線（ミシン目）４２を形成する。

　なお、本体ラインのステップＳ２５において、フラップライン上でステップＳ１３において形成されたフラップ２０を上下反転させた後、吸収性物品の連続体１１０上に、熱可塑性樹脂によって接合する。

（第１－２の実施形態）
　次に、図９乃至図１１を参照して、本発明の第１－２の実施形態に係る吸収性物品の製造装置について説明する。吸収性物品の製造装置は、係合部材配置機構２１０と、側縁折返機構２２０と、切断配置機構２３０とを備える。

　まず、本発明の第１－２の実施形態に係る係合部材配置機構２１０について、図面を参照しながら説明する。図９は、本発明の第１－２の実施形態に係る係合部材配置機構２１０を示す斜視図である。

　図９に示すように、係合部材配置機構２１０は、フラップライン上（上述したステップ１１）で、フラップの連続体１２０において、該フラップラインのＭＤ方向に沿う中心線Ｃの両側に、所定領域に係合可能な係合部材３０ａ、３０ｂを配置する。本実施形態では、係合部材配置機構２１０は、フラップの連続体１２０の両側縁部４０ａ、４０ｂに係合部材３０ａ、３０ｂを配置する。

　係合部材配置機構２１０は、上刃ロール２１１と、下刃ロール２１２と、転写ロール２１３とによって大略構成される。なお、上刃ロール２１１、下刃ロール２１２及び転写ロール２１３は、それぞれ支軸（不図示）を中心に回転する。

　上刃ロール２１１は、係合部材の連続体１４０を切断する２つのブレード２１１Ａを有する。上刃ロール２１１の周速（Ｖ_１）は、下刃ロール２１２の周速（Ｖ_２）とほぼ同一である。

　また、上刃ロール２１１の周速（Ｖ_１）は、駆動ロール（不図示）により下刃ロール２１２に対して２つの係合部材の連続体１４０が供給される速度（Ｖ_３）よりも早い。上刃ロール２１１の周速（Ｖ_１）は、駆動ロール（不図示）により連続搬送されるフラップの連続体１２０の搬送速度（Ｖ_４）とほぼ同一、或いは、フラップの連続体１２０の搬送速度（Ｖ_４）よりも遅い。

　下刃ロール２１２は、ブレード２１１Ａと接することによって係合部材の連続体１４０を切断する２つの受け刃２１２Ａを有する。下刃ロール２１２には、係合部材の連続体１４０を吸着する複数の吸着穴２１２Ｂが形成される。下刃ロール２１２は、上刃ロール２１１に対して逆向きで回転する。下刃ロール２１２の周速（Ｖ_２）は、上述したように、上刃ロール２１１の周速（Ｖ_１）とほぼ同一である。

　転写ロール２１３は、下刃ロール２１２との間において、上刃ロール２１１及び下刃ロール２１２によって切断された係合部材３０ａ、３０ｂをフラップの連続体１２０上に転写する（貼り付ける）。

　転写ロール２１３の周速（Ｖ_５）は、フラップの連続体１２０の搬送速度（Ｖ_４）とほぼ同一である。すなわち、転写ロール２１３の周速（Ｖ_５）は、上述した上刃ロール２１１の周速（Ｖ_１）及び下刃ロール２１２の周速（Ｖ_２）とほぼ同一、或いは、上刃ロール２１１の周速（Ｖ_１）及び下刃ロール２１２の周速（Ｖ_２）よりも早い。

　次に、本発明の第１－２の実施形態に係る側縁折返機構２２０について、図面を参照しながら説明する。図１０は、本発明の第１－２の実施形態に係る側縁折返機構２２０を示す斜視図である。

　図１０に示すように、側縁折返機構２２０は、フラップの連続体１２０の両側縁部４０ａ、４０ｂを、フラップラインのＭＤ方向に沿う中心線Ｃ側に折り返す。

　側縁折返機構２２０は、大径ロール２２１と、搬送ロール２２２と、折込中心バー２２３と、案内ロール２２４とによって大略構成される。なお、大径ロール２２１、搬送ロール２２２及び案内ロール２２４は、それぞれ支軸（不図示）を中心に回転する。

　大径ロール２２１は、フラップの連続体１２０の中央域１２０Ｃ（両側縁部４０ａ、４０ｂよりも中心線Ｃ側）と接し、後述する案内ロール２２４と共に両側縁部４０ａ、４０ｂを立ち上げる。

　搬送ロール２２２は、フラップの連続体１２０を略水平な状態で搬送する。つまり、搬送ロール２２２が駆動することによって、フラップの連続体１２０が略水平な状態で搬送される。

　折込中心バー２２３は、両側縁部４０ａ、４０ｂを折り返す際に、フラップラインのＭＤ方向に沿った折返し位置を保持する。折込中心バー２２３は、フラップラインのＭＤ方向に伸び、かつ搬送ロール２２２により搬送されるフラップの連続体１２０と略平行に設けられている。

　案内ロール２２４は、両側縁部４０ａ、４０ｂを中心線Ｃ側に折り返すために、両側縁部４０ａ、４０ｂを案内する。案内ロール２２４は、案内ロール２２４Ａと、案内ロール２２４Ｂと、案内ロール２２４Ｃと、案内ロール２２４Ｄと、案内ロール２２４Ｅとによって構成される。

　案内ロール２２４Ａから案内ロール２２４Ｅにかけて、折込中心バー２２３を介して両側縁部４０ａ、４０ｂを立ち上げながら折り返す。つまり、案内ロール２２４Ａから案内ロール２２４Ｅにかけて、フラップの連続体１２０の中央域１２０Ｃに対する両側縁部４０ａ、４０ｂの傾斜角が徐々に小さくなる。

　ここで、側縁折返機構２２０により両側縁部４０ａ、４０ｂを折り返した後に、フラップの連続体１２０が搬送時にめくれ上がってしまうことを防止するために、折返し部分５０ａ、５０ｂに対してエンボス加工等を施すことによって仮止めを行ってもよい。

　次に、本発明の第１－２の実施形態に係る切断配置機構２３０について、図面を参照しながら説明する。図１１は、本発明の第１－２の実施形態に係る切断配置機構２３０を示す斜視図である。

　図１１に示すように、切断配置機構２３０は、フラップラインのＣＤ方向に沿ってフラップの連続体１２０を切断することによって、フラップ２０を形成する。また、切断配置機構２３０は、吸収性物品の連続体１１０上に、中心線Ｃが本体ラインのＭＤ方向に沿うように、所定間隔で、フラップ２０を配置する。

　切断配置機構２３０は、上刃ロール２３１と、下刃ロール２３２と、転写ロール２３３とによって大略構成される。上刃ロール２３１は、フラップの連続体１２０を切断する２つのブレード２３１Ａを有する。下刃ロール２３２は、ブレード２３１Ａと接することによってフラップの連続体１２０を切断する２つの受け刃２３２Ａを有する。下刃ロール２３２には、フラップの連続体１２０を吸着する複数の吸着穴２３２Ｂが形成される。

　なお、上刃ロール２３１、下刃ロール２３２及び転写ロール２３３の構成については、上述した係合部材配置機構２１０における上刃ロール２１１、下刃ロール２１２及び転写ロール２１３と同様である。従って、切断配置機構２３０の説明については省略する。

（その他の第１の実施形態）
　例えば、吸収性物品の製造方法で説明した順序については、特に制限はなく、吸収性物品を製造できればよく、目的に応じて適宜選択できることは勿論である。

　このように、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。

　なお、日本国特許出願第２００８－０９４１１２号（２００８年３月３１日出願）、日本国特許出願第２００９－０７４７７０号（２００９年３月２５日出願）の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。

［第２の実施形態］
（背景技術）
　一般に、オープンタイプのオムツにおいては、身体への装着を容易にするために、吸収体本体から外側に張り出したサイドフラップ（張出し部）を設ける必要がある。

　かかる問題点を解決するために、特許文献１に記載のオムツの製造方法が知られている。

　かかるオムツの製造方法は、以下の工程を有する。（１）第１側縁部と第２側縁部とを有するウェブに、複数の吸収体をＭＤ方向（当該ウェブの長手方向）に互いに離間した状態で配置する工程。（２）当該ウェブが、第１側縁部がオムツの横長部（サイドフラップに相当）となる第１グループと、第２側縁部がオムツの横長部となる第２グループとに分割されるように、かつ、第１グループ及び第２グループの各々に、吸収体が含まれるように、当該ウェブを、ＣＤ方向（当該ウェブの幅方向）に切り分ける工程。

　（特許文献１）特開２００３-１０２７７７号公報
（発明の開示）
　しかしながら、上述のオムツの製造方法では、製品形態が略Ｔ字型になってしまうといった製品形態上の制約を受けるという問題点があった。

　また、上述のオムツの製造方法では、連続搬送される長尺状のウェブを入れ子状に交互に切り分けるため、切り分け後は、オムツの横長部が連続していない状態で搬送されることになり、不安定な搬送状態になるという問題点があった。

　また、このような搬送状態において、オムツに対して折り返し工程を施す場合、非常に複雑な工程が必要になるという問題点があった。

　そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、安定した搬送状態を実現することで、複雑な工程を用いることなく、サイドフラップを形成する際の材料の浪費を抑制することが可能な吸収性物品の製造方法及び吸収性物品の製造装置を提供することを目的とする。

　本発明の特徴は、前胴回り部材と、後胴回り部材と、該前胴回り部材及及び該後胴回り部材を連結する股下部材とを具備する吸収性物品の製造方法であって、フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体において、該フラップラインの搬送方向に沿う中心線の両側に、所定領域に係合可能な係合部材を配置する係合部材配置工程と、前記フラップライン上で、該フラップラインの搬送方向に交差する方向に沿って前記フラップの連続体を切断することによって、フラップを形成するフラップ形成工程と、ライン上で、前記中心線が該本体ラインの搬送方向に直交するように、前記前胴回り部材又は前記後胴回り部材の連続体上に、前記フラップを配置するフラップ配置工程とを有し、前記フラップライン上で、前記フラップの連続体の両側縁部を、前記中心線側に折り返すことを要旨とする。

　以上説明したように、本発明によれば、安定した搬送状態を実現することで、複雑な工程を用いることなく、サイドフラップを形成する際の材料の浪費を抑制することが可能な吸収性物品の製造方法及び吸収性物品の製造装置を提供することができる。

（第２－１の実施形態）
　図１２乃至図１５を参照して、本発明の第２－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法について説明する。

　本発明の第２－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、前胴回り部材１０２０ｂと、後胴回り部材１０２０ａと、前胴回り部材１０２０ｂ及及び後胴回り部材１０２０ａを係合する股下部材（吸収体本体）１０１０とを具備する吸収性物品（図１２乃至図１４参照）を製造することができる。

　ここで、図１２は、本実施形態に係る吸収性物品の製造方法によって製造されたオープンタイプのオムツ（吸収性物品）の全体構造を示す斜視図である。

　図１３は、本実施形態に係る吸収性物品の製造方法によって製造されたオープンタイプのオムツにおいて、係合部材１０４０ａ、１０４０ｂがフラップ１０３０本体に係止して仮止めされている状態を示す図である。

　図１４は、本実施形態に係る吸収性物品の製造方法によって製造されたオープンタイプのオムツにおいて、フラップ１０３０（折り返し部分１０５１ａ、１０５１ｂ）が開いている状態を示す図である。

　以下、図１５を参照して、本実施形態に係る吸収性物品の製造方法について説明する。

　図１５に示すように、本実施形態に係る吸収性物品の製造方法では、長尺状のフラップの連続体１１３０を搬送するフラップラインと、長尺状の股下部材の連続体１１１０を搬送する吸収体ラインと、長尺状の一対の前胴回り部材の連続体１１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体１１２０ａを搬送する本体ラインとが用いられるものとする。

　なお、本実施形態では、図１５に示すように、フラップラインのＭＤ方向（搬送方向）と本体ラインのＭＤ方向と吸収体ラインのＭＤ方向とが同一の場合の例について説明しているが、本発明は、かかる例に限定されるものではない。

　第１に、股下部材１０１０に設けられる吸収体が搬送される吸収体ライン上で行われる工程について説明する。

　ステップＳ１０１１において、粉砕機によってパルプシートを粉砕して粉砕パルプを生成し、かかる粉砕パルプがパルプ供給ダクトを通過する際に高吸収性ポリマー（ＳＡＰ）を混入する。

　その後、パルプ供給ダクトから供給された粉砕パルプ及び高吸収性ポリマーの混合物を、積層ドラムによって所定形状に積層することによって、吸収体コア１００１を成形する。

　ステップＳ１０１２において、吸収体ラインのＭＤ方向に連続搬送されるシート状のティッシュ１００２ａ上に、吸収体ラインのＭＤ方向に所定長間隔で吸収体コア１００１を載置する。

　その後、吸収体ラインのＭＤ方向に沿って複数の吸収体コア１００１が載置されたティッシュ１００２ａに、吸収体ラインのＭＤ方向に連続搬送されるシート状のティッシュ１００２ｂを重ねる。

　ステップＳ１０１３において、シート状のティッシュ１００２ｂの上に、吸収体ラインのＭＤ方向に連続搬送される表面シート（液透過性）１０１２ｂを重ねて接合し、シート状のティッシュ１００２ａの下に、吸収体ラインのＭＤ方向に連続搬送される裏面シート（液不透過性）１０１２ａを重ねて接合する。

　ステップＳ１０１４において、別部材によって形成された防漏壁１００３を、吸収体ラインのＭＤ方向に沿って、股下部材１０１０の両側端に貼り付ける。

　ステップＳ１０１５において、吸収体ラインのＭＤ方向に連続搬送される股下部材（吸収体本体）の連続体１１１０を、回転ドラムの回転により搬送すると共に、当該回転ドラムの外周面に対向配置したカッターロールによって、所定長間隔でＣＤ方向に沿って切断することによって、股下部材１０１０を形成する。

　第２に、後胴回り部材１０２０ａに設けられるフラップ１０３０が搬送されるフラップライン上で行われる工程について説明する。

　ステップＳ１０２１において、フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体１１３０において、フラップラインのＭＤ方向に沿う中心線Ｃの両側に、前胴回り部材１０２０ｂの所定領域に係合可能な係合部材１０４０ａ、１０４０ｂを配置する。

　具体的には、フラップの連続体１１３０の両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂに、所定長間隔で、かかる係合部材１０４０ａ、１０４０ｂを接合する。

　ここで、係合部材１０４０ａ、１０４０ｂとしてフック部材（雄部材）が配置される場合には、前胴回り部材１０２０ｂの所定領域に、被係合部材として被フック部材（雌部材）が設けられるものとする。

　なお、本実施形態では、前胴回り部材１０２０ｂが不織布によって構成されているため、被フック部材を別途も受けなくても、前胴回り部材１０２０ｂの所定領域自身が被フック部材の役割を果たす。

　ステップＳ１０２２において、フラップライン上で、フラップの連続体１１３０の両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂを、中心線Ｃ側に折り返すと共に、両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂに配置されている係合部材１０４０ａ、１０４０ｂを、フラップの連続体１１３０に係止させて仮止めする。

　ここで、係合部材１０４０ａ、１０４０ｂによって両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂをフラップの連続体１１３０に係止させた後、更にエンボス加工等を施すことによって仮止めを行ってもよい。

　なお、後述するように、フラップ１０３０における中心線Ｃに交差する方向の幅が、前胴回り部材１１２０ｂ及び後胴回り部材１１２０ａの切断間隔よりも短くなるように、フラップの連続体１１３０の両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂを、中心線Ｃ側に折り返すものとする。

　ステップＳ１０２３において、フラップライン上で、フラップラインのＭＤ方向に交差する方向（ＣＤ方向）に沿って、所定長間隔で、フラップの連続体１１３０を切断することによって、フラップ１０３０を形成する。

　ここで、フラップの連続体１１３０を切断する前に、フラップの連続体１１３０に仮止めされている両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂの一部において、所定形状（例えば、足繰りに沿う曲線形状）の切り欠き部を形成してもよい。

　或いは、フラップの連続体１１３０を切断した後に、フラップ１０３０に仮止めされている両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂの一部において、所定形状（例えば、足繰りに沿う曲線形状）の切り欠き部を形成してもよい。

　第３に、前胴回り部材の連続体１１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体１１２０ａが搬送される本体ライン上で行われる工程について説明する。

　ステップＳ１０３１において、不織布から、長尺状の一対の胴回り部材の連続体（前胴回り部材の連続体１１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体１１２０ａ）を生成し、本体ラインのＭＤ方向に搬送する。

　なお、前胴回り部材の連続体１１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体１１２０ａは、伸縮性を有していてもよい。

　ステップＳ３２において、本体ライン上で連続搬送される長尺状の前胴回り部材の連続体１１２０ｂと長尺状の後胴回り部材の連続体１１２０ａとの間に、本体ラインのＭＤ方向に互いに離間した状態で、吸収体ライン上でステップＳ１０１５において形成された股下部材１０１０を配置する。

　ステップＳ１０３３において、本体ライン上で、中心線Ｃが本体ラインのＭＤ方向に直交するように、後胴回り部材の連続体１１２０ａ上に、ステップＳ１０２３において形成されたフラップ１０３０を配置する。

　具体的には、ステップＳ１０３３において、本体ライン上で、フラップ１０３０の各々と、後胴回り部材の連続体１１２０ａにおける１つの吸収性物品（後胴回り部材１０２０a）を構成する領域１０２０Ａの各々とが対応するように、フラップ１０３０と後胴回り部材の連続体１１２０ａとを接合する。

　また、フラップライン上でステップＳ１０２３において形成されたフラップ１０３０を９０°回転させた後、後胴回り部材の連続体１１２０ａ上に、熱可塑性樹脂によって接合する。

　ここで、フラップ１０３０の裏面側全体に熱可塑性樹脂を塗布してもよいし、フラップ１０３０の裏面側の一部にのみ熱可塑性樹脂を塗布してもよい。

　なお、ステップＳ１０３３において、かかるフラップ１０３０を、後胴回り部材の連続体１１２０ａ上に、エンボスローラや超音波による熱圧着等によって接合してもよい。また、ステップＳ１０３３において、かかるフラップ１０３０を、後胴回り部材の連続体１１２０ａ上で、股下部材１０１０の端部を覆うように配置してもよい。

　ステップＳ１０３４において、本体ライン上で、所定長間隔で、本体ラインのＣＤ方向に沿って前胴回り部材の連続体１１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体１１２０ａを切断する。

　具体的には、吸収性物品の幅方向における前胴回り部材１０２０ｂの長さＬ３と、吸収性物品の幅方向における後胴回り部材１０２０ａの長さＬ２とが等しくなるように、前胴回り部材の連続体１１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体１１２０ａを切断する。

　ここで、フラップ１０３０における中心線Ｃに交差する方向の幅Ｌ１は、前胴回り部材の連続体１１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体１１２０ａの切断間隔である所定長間隔（ピッチ）Ｌ２よりも短い。

　なお、上述の例では、前胴回り部材１０２０ｂの所定領域に係合可能な係合部材１０４０ａ、１０４０ｂが配置されているフラップ１０３０を後胴回り部材の連続体２１２０ａ上に配置するように構成されている例について説明しているが、本発明は、かかる例に限定されることはなく、後胴回り部材１０２０ａの所定領域に係合可能な係合部材１０４０ａ、１０４０ｂが配置されているフラップ１０３０を前胴回り部材の連続体２１２０ｂ上に配置するように構成されている例についても適用可能である。

　以上説明した本発明の第２－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、製品形態の制約を受けることなく、吸収体本体から張り出した１対のサイドフラップを有する吸収性物品を製造することができる。

　本発明の第２－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、本体ライン上で、股下部材１０１０を連続して搬送することができるため、安定した搬送状態を実現することができ、複雑な工程を施すことなく、吸収性物品を折り返すことができる。

　本発明の第２－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、フラップ１０３０が係合部材１０４０ａ、１０４０ｂによって固定されているため、搬送中にめくり返ることを防止することができる。

　本発明の第２－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、フラップ１０３０における中心線Ｃに交差する方向の幅Ｌ１は、所定長間隔（ピッチ）Ｌ２よりも短いため、本体ラインにおける切断のズレによるフラップ１０３０の両縁部１０５０ａ、１０５０ｂの切断を防止することができる。

　本発明の第２－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、前胴回り部材の連続体１１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体１１２０ａが連続して搬送されるため、前胴回り部材の連続体１１２０ｂの端部と後胴回り部材の連続体１１２０ａの端部と折り返し重ねることが容易にできるため、重ね合わせた前胴回り部材の連続体１１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体１１２０ａを同時に切断することができ、オープンタイプのオムツ及びパンツタイプのオムツを同じ切断工程によって製造することができる。したがって、かかる切断工程及び切断用カッター自身を変更することなく、オープンタイプのオムツ及びパンツタイプのオムツを製造することができる。

　本発明の第２－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、かかるフラップ１０３０を、後胴回り部材の連続体１１２０ａ上で、股下部材１０１０の端部を覆うように配置しているため、吸収体コア１００１を構成するＳＡＰや粉砕パルプが漏れるという事態を防止することができる。

　本発明の第２－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、フラップ１０３０の両縁部１０５０ａ、１０５０ｂ以外の部分を、後胴回り部材１０２０ａとの間の接合領域とすることができるため、フラップ１０３０と後胴回り部材１０２０ａとの間の接合強度を強く保つことができると共に、接合領域が小さい場合に発生する熱可塑性樹脂がはみ出すという不具合を解消することができる。

（第２－２の実施形態）
　図１６乃至図１８を参照して、本発明の第２－２の実施形態に係る吸収性物品の製造方法について説明する。以下、本発明の第２－２の実施形態に係る吸収性物品の製造方法について、本発明の第２－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法との相違点に着目して説明する。

　図１６は、本実施形態に係る吸収性物品の製造方法によって製造されたオープンタイプのオムツにおいて、係合部材１０４１ａ、１０４１ｂが後胴回り部材１０２０ａに係止されて仮止めされている状態を示す図である。

　図１７は、本実施形態に係る吸収性物品の製造方法によって製造されたオープンタイプのオムツにおいて、後述する切取り可能線（ミシン目）１０５０が破断されて、フラップ１０３０が開いている状態を示す図である。

　以下、図１８を参照して、本実施形態に係る吸収性物品の製造方法について説明する。

　第１に、吸収体ライン上で行われる工程については、上述の第２－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法において吸収体ライン上で行われる工程と同一であるため、説明を省略する。

　第２に、フラップライン上で行われる工程について説明する。

　ステップＳ１０２１Ａにおいて、フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体１１３０において、フラップラインのＭＤ方向に沿う中心線Ｃの両側に、前胴回り部材１０２０ｂの所定領域に係合可能な係合部材１０４１ａ、１０４１ｂを配置する。

　具体的には、フラップの連続体１１３０において、フラップラインのＭＤ方向に沿う中心線Ｃの近傍領域の両側に、所定長間隔で、かかる係合部材１０４１ａ、１０４１ｂを配置する。

　また、係合部材として、当該中心線Ｃの両側の各々に２つの係合部材１０４１ａ、１０４１を配置する代わりに、当該中心線Ｃの両側に跨って１つの係合部材を配置してもよい。

　ステップＳ１０２２Ａにおいて、フラップライン上で、フラップの連続体１１３０の両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂを、中心線Ｃ側に折り返す。具体的には、Ｂ-Ｂ’断面図に示すように、フラップライン上で、フラップの連続体１１３０の両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂを、フラップの連続体１１３０の上側に折り返す。

　ここで、フラップの連続体１１３０の搬送時にめくれ上がるという事態を防止するために、フラップ１０３０の折返し部分１０５１ａ、１０５１ｂに対してエンボス加工等を施すことによって仮止めを行ってもよい。

　ステップＳ１０２２Ｂにおいて、フラップの連続体１１３０において、中心線Ｃに沿ってフラップの連続体１１３０を二分可能な切取り可能線（ミシン目）１０５０を形成する。

　なお、切取り可能線１０５０は、ステップＳ１０２１ＡやＳ１０２２ＡやＳ１０２３において形成されてもよい。また、かかる切取り可能線１０５０は、中心線Ｃに沿っているものであれば、直線状であってもよいし、曲線状であってもよい。

　また、フラップライン上のいずれかの工程において、上述の中心線Ｃの近傍領域の一部において、所定形状（例えば、足繰りに沿う曲線形状）の切り欠き部を形成してもよい。

　第３に、本体ライン上で行われる工程について説明する。なお、ステップＳ１０３１及びＳ１０３２については、上述の第２－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法におけるステップＳ１０３１及びＳ１０３２と同一であるため、説明を省略する。

　ステップＳ１０３３Ａにおいて、本体ライン上で、中心線Ｃが本体ラインのＭＤ方向に直交するように、後胴回り部材の連続体１１２０ａ上に、ステップＳ１０２３において形成されたフラップ１０３０を配置する。

　具体的には、フラップライン上でステップＳ１０２３において形成されたフラップ１０３０を９０°回転及び上下反転させた後、後胴回り部材の連続体１１２０ａ上に、熱可塑性樹脂によって接合する。

　具体的には、ステップＳ１０３３Ａにおいて、本体ライン上で、フラップ１０３０の各々と、後胴回り部材の連続体１１２０ａにおける１つの吸収性物品（後胴回り部材１０２０a）を構成する領域１０２０Ａの各々とが対応するように、フラップ１０３０と後胴回り部材の連続体１１２０ａとを接合する。

　ここで、ステップＳ１０３３において、かかるフラップ１０３０を、後胴回り部材の連続体１１２０ａ上に、エンボスローラや超音波による熱圧着等によって接合することが好ましい。なお、さらに、フラップ１０３０の折返し部分１０５１ａ、１０５１ｂに対応する裏面側全体に熱可塑性樹脂を塗布してもよいし、フラップ１０３０の折返し部分１０５１ａ、１０５１ｂに対応する裏面側の一部にのみ熱可塑性樹脂を塗布してもよい。

　以上説明した本発明の第２－２の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、フラップ１０３０の中心線に沿って切取り可能線１０５０が形成されており、フラップ１０３０が二分されていないため、本体ライン上で搬送中にめくれ上がるという事態を防止することができる。

（第２－３の実施形態）
　次に、図１９乃至図２１を参照して、本発明の第２－３の実施形態に係る吸収性物品の製造装置について説明する。吸収性物品の製造装置は、係合部材配置機構１２１０と、側縁折返機構１２２０と、切断配置機構１２３０とを備える。

　まず、本発明の第２－３の実施形態に係る係合部材配置機構１２１０について、図面を参照しながら説明する。図１９は、本発明の第２－３の実施形態に係る係合部材配置機構１２１０を示す斜視図である。

　図１９に示すように、係合部材配置機構１２１０は、フラップライン上（上述したステップＳ２１）で連続搬送される長尺上のフラップの連続体１１３０において、該フラップラインのＭＤ方向に沿う中心線Ｃの両側に、所定領域に係合可能な係合部材１０４２ａ、１０４２ｂを配置する。本実施形態では、係合部材配置機構１２１０は、フラップの連続体１１３０の両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂに係合部材１０４２ａ、１０４２ｂを配置する。

　係合部材配置機構１２１０は、上刃ロール１２１１と、下刃ロール１２１２と、転写ロール１２１３とによって大略構成される。なお、上刃ロール１２１１、下刃ロール１２１２及び転写ロール１２１３は、それぞれ支軸（不図示）を中心に回転する。

　上刃ロール１２１１は、係合部材の連続体１１４０を切断する２つのブレード１２１１Ａを有する。上刃ロール１２１１の周速（Ｖ_１）は、下刃ロール１２１２の周速（Ｖ_２）とほぼ同一である。

　また、上刃ロール１２１１の周速（Ｖ_１）は、駆動ロール（不図示）により下刃ロール１２１２に対して２つの係合部材の連続体１１４０が供給される速度（Ｖ_３）よりも早い。上刃ロール１２１１の周速（Ｖ_１）は、駆動ロール（不図示）により連続搬送されるフラップの連続体１１３０の搬送速度（Ｖ_４）とほぼ同一、或いは、フラップの連続体１１３０の搬送速度（Ｖ_４）よりも遅い。

　下刃ロール１２１２は、ブレード１２１１Ａと接することによって係合部材の連続体１１４０を切断する２つの受け刃１２１２Ａを有する。下刃ロール１２１２には、係合部材の連続体１１４０を吸着する複数の吸着穴１２１２Ｂが形成される。下刃ロール１２１２は、上刃ロール１２１１に対して逆向きで回転する。下刃ロール１２１２の周速（Ｖ_２）は、上述したように、上刃ロール２１１の周速（Ｖ_１）とほぼ同一である。

　転写ロール１２１３は、下刃ロール１２１２との間において、上刃ロール１２１１及び下刃ロール１２１２によって切断された係合部材１０４２ａ、１０４２ｂをフラップの連続体１１３０上に転写する（貼り付ける）。

　転写ロール１２１３の周速（Ｖ_５）は、フラップの連続体１１３０の搬送速度（Ｖ_４）とほぼ同一である。すなわち、転写ロール１２１３の周速（Ｖ_５）は、上述した上刃ロール１２１１の周速（Ｖ_１）及び下刃ロール１２１２の周速（Ｖ_２）とほぼ同一、或いは、上刃ロール１２１１の周速（Ｖ_１）及び下刃ロール１２１２の周速（Ｖ_２）よりも早い。

　次に、本発明の第２－３の実施形態に係る側縁折返機構１２２０について、図面を参照しながら説明する。図２０は、本発明の第２－３の実施形態に係る側縁折返機構１２２０を示す斜視図である。

　図２０に示すように、側縁折返機構１２２０は、フラップの連続体１１３０の両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂを、フラップラインのＭＤ方向に沿う中心線Ｃ側に折り返す。

　側縁折返機構１２２０は、大径ロール１２２１と、搬送ロール１２２２と、折込中心バー１２２３と、案内ロール１２２４とによって大略構成される。なお、大径ロール１２２１、搬送ロール１２２２及び案内ロール１２２４は、それぞれ支軸（不図示）を中心に回転する。

　大径ロール１２２１は、フラップの連続体１１３０の中央域１１２０Ｃ（両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂよりも中心線Ｃ側）と接し、後述する案内ロール１２２４と共に両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂを立ち上げる。

　搬送ロール１２２２は、フラップの連続体１１３０を略水平な状態で搬送する。つまり、搬送ロール１２２２が駆動することによって、フラップの連続体１１３０が略水平な状態で搬送される。

　折込中心バー１２２３は、両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂを折り返す際に、フラップラインのＭＤ方向に沿った折返し位置を保持する。折込中心バー１２２３は、フラップラインのＭＤ方向に伸び、かつ搬送ロール１２２２により搬送されるフラップの連続体１１３０と略平行に設けられている。

　案内ロール１２２４は、両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂを中心線Ｃ側に折り返すために、両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂを案内する。案内ロール１２２４は、案内ロール２２４Ａと、案内ロール２２４Ｂと、案内ロール２２４Ｃと、案内ロール２２４Ｄと、案内ロール２２４Ｅとによって構成される。

　案内ロール２２４Ａから案内ロール２２４Ｅにかけて、折込中心バー１２２３を介して両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂを立ち上げながら折り返す。つまり、案内ロール２２４Ａから案内ロール２２４Ｅにかけて、フラップの連続体１１３０の中央域１１２０Ｃに対する両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂの傾斜角が徐々に小さくなる。

　ここで、側縁折返機構１２２０により両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂを折り返した後に、フラップの連続体１１３０が搬送時にめくれ上がってしまうことを防止するために、両側縁部１０５０ａ、１０５０ｂが折り返されてフラップ１０３０が重なることによって形成される折返し部分１０５１ａ、１０５１ｂに対してエンボス加工等を施すことによって仮止めを行ってもよい。

　次に、本発明の第２－３の実施形態に係る切断配置機構１２３０について、図面を参照しながら説明する。図２１は、本発明の第２－３の実施形態に係る切断配置機構１２３０を示す斜視図である。

　図２１に示すように、切断配置機構１２３０は、フラップラインのＣＤ方向に沿って所定長間隔で、フラップの連続体１１３０を切断することによって、フラップ１０３０を形成する。また、切断配置機構１２３０は、中心線Ｃが本体ラインのＭＤ方向に直交するように、後胴回り部材の連続体１１２０ａ上に、フラップ１０３０を配置する。

　具体的には、切断配置機構１２３０は、連続体切断ロール１２３１と、回転ドラム１２３２とによって大略構成される。

　連続体切断ロール１２３１は、ブレード（不図示）を有するブレードロール１２３１Ａと、受け刃（不図示）を有する受け刃ロール１２３１Ｂとによって構成される。なお、ブレードロール１２３１Ａの周速（Ｖ_８）は、受け刃ロール１２３１Ｂの周速（Ｖ_９）とほぼ同一である。

　回転ドラム１２３２は、ブレードロール１２３１Ａ及び受け刃ロール１２３１Ｂによって切断されたフラップ１０３０を吸着する複数の吸着パット１２３３を有する。回転ドラム１２３２は、支軸２３２Ａを中心に回転することによって、吸着パット１２３３に吸着されたフラップ１０３０を後胴回り部材の連続体１１２０ａ上に配置する。なお、回転ドラム１２３２の周速（Ｖ_１０）は、前胴回り部材の連続体１１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体１１２０ａの搬送速度（Ｖ_１１）とほぼ同一である。

　回転ドラム１２３２は、吸着パット１２３３を後胴回り部材の連続体１１２０ａの上方まで搬送する間に、回転機構（不図示）によって吸着パット１２３３を９０度回転する。これにより、切断配置機構１２３０は、フラップ１０３０を９０°回転及び上下反転させた後、後胴回り部材の連続体１１２０ａに接合させる。

（変更例）
　以下において、本発明の第２－３の実施形態の変更例に係る切断配置機構１２５０について、図面を参照しながら説明する。図２２は、変更例に係る切断配置機構１２５０を示す斜視図である。なお、上述した第２－３の実施形態に係る切断配置機構１２３０と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。

　ここで、本発明に係る吸収性物品の製造方法では、本体ライン上で、中心線Ｃが本体ラインのＭＤ方向に直交するように、後胴回り部材の連続体１１２０ａ上にフラップ３０を配置する。上述した第２－３の実施形態では、フラップ１０３０を９０°回転及び上下反転させた後、後胴回り部材の連続体１１２０ａ上にフラップ１０３０を接合する。これに対して、変更例では、フラップ１０３０を９０°回転及び上下反転させずに、後胴回り部材の連続体１１２０ａ上にフラップ１０３０を接合する。

　図２２に示すように、変更例に係る切断配置機構１２５０は、フラップの連続体１１３０を所定長間隔で切断することによって、フラップ１０３０を形成する。また、切断配置機構１２５０は、切断されて形成されたフラップ１０３０を回転させずに、後胴回り部材の連続体１１２０ａ上に、フラップ１０３０を配置する。

　具体的には、切断配置機構１２５０は、無端ベルト１２５１で運ばれたフラップの連続体１１３０を所定長間隔で切断するとともに、後胴回り部材の連続体１１２０ａ上に熱可塑性樹脂等によって貼り付ける。

　切断配置機構１２５０は、軸芯１２５２を中心に回転する上刃ロール１２５３と、軸芯１２５４を中心に回転する下刃ロール１２５５とを有する。

　上刃ロール１２５３には、上刃ロール１２５３の外周に所定間隔で、かつ軸芯１２５２と略平行に配設される複数のブレード１２５３Ａが設けられる。下刃ロール１２５５には、フラップの連続体１１３０が切断されることによって形成されたフラップ１０３０を吸引する吸引穴１２５５Ａと、フラップの連続体１１３０をブレード１２５３Ａとの間で切断する受け刃（不図示）とが設けられる。

　下刃ロール１２５５の周面には、フラップの連続体１１３０を弱い密着力で密着する第１ゾーンＺ１と、フラップの連続体１１３０が切断されることによって形成されたフラップ１０３０を第１ゾーンＺ１よりも強い密着力で密着する第２ゾーンＺ２とが設けられる。

　フラップの連続体１１３０は、第１ゾーンＺ１を通過する際には、下刃ロール１２５５の周面をスリップしながら、第１ゾーンＺ１に形成される吸引穴１２５５Ａによって下刃ロール１２５５の周面に吸着する。このとき、フラップの連続体１１３０がブレード１２５３Ａと受け刃との間で切断されることによって、フラップ１０３０が形成される。

　フラップ１０３０は、第２ゾーンＺ２を通過する際には、下刃ロール１２５５の周面をスリップせずに、第２ゾーンＺ２に形成される吸引穴１２５５Ａによって下刃ロール１２５５の周面に密着する。そして、フラップ１０３０は、下刃ロール１２５５によって後胴回り部材の連続体１１２０ａに接近し、当該後胴回り部材の連続体１１２０ａ上に貼り付けられる。

（その他の第２の実施形態）
　例えば、吸収性物品の製造方法で説明した順序については、特に制限はなく、吸収性物品を製造できればよく、目的に応じて適宜選択できることは勿論である。

　　なお、日本国特許出願第２００８－０９４０６４号（２００８年３月３１日出願）、日本国特許出願第２００９－０７４７７３号（２００９年３月２５日出願）の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。

［第３の実施形態］
（背景技術）
　一般に、オープンタイプのオムツにおいては、身体への装着を容易にするために、吸収体本体から外側に張り出したサイドフラップを設ける必要がある。

　以下の工程によって、かかるオープンタイプのオムツにおいてサイドフラップを設ける製造方法が知られている（例えば、特許文献１）。

（１）　フラップの連続体（連続ベルト部）においてＣＤ方向に沿って配設された各第１ベルト部面状ファスナと各第２ベルト部面状ファスナとの間に、ＣＤ方向（搬送方向に交差する方向）に沿って切取り可能線を形成する工程。

（２）　オムツ本体の連続体の一端部に沿ってフラップの連続体（連続ベルト部）を配設してＣＤ方向に接合領域を形成する工程。

（特許文献１）特開２００６-３４０８６２号公報
（発明の開示）
　しかしながら、上述したオープンタイプのオムツの製造方法では、フラップの連続体（連続ベルト部）を搬送するフラップライン上で切取り可能線とＭＤ方向（搬送方向）とが直交している。このため、当該切取り可能線が当該フラップライン上で切断されないように当該切取り可能線の破断強度を強くすると、製造されたオムツの使用者が当該切取り可能線を切断するのが困難になるという問題点があった。

　また、上述したオープンタイプのオムツの製造方法では、製造されたオムツの使用者が容易に切断可能な切取り可能線を切断できるように、当該切取り可能線の強度を弱くした場合、フラップライン上でフラップの連続体の搬送中に、切取り可能線が切れてしまうことがあり、当該フラップライン上でフラップの連続体（連続ベルト部）を連続搬送することができなくなる、或いは、当該フラップライン上でフラップの連続体（連続ベルト部）を連続搬送するために高度な制御が必要になり製造設備が複雑化してしまうという問題点があった。

　そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、高度な制御を用いることなくフラップライン上におけるフラップの連続体（連続ベルト部）の連続搬送を実現しつつ、使用者が容易に展開可能なサイドフラップを形成することができる吸収性物品の製造方法及び吸収性物品の製造装置を提供することを目的とする。

　本発明の特徴は、前胴回り部材と、後胴回り部材と、前記前胴回り部材及び前記後胴回り部材を連結する股下部材とを具備する吸収性物品の製造方法であって、フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体における１つのフラップを構成する領域の一部に、前記フラップラインの搬送方向及び前記搬送方向の反対方向に折り返し可能な一対の折り返し部を形成すると共に、前記一対の折り返し部の各々に、所定領域に係合可能な係合部材を配置する折り返し部形成工程と、前記１つのフラップを構成する領域の各々と、前記前胴回り部材又は前記後胴回り部材の連続体における１つの前記吸収性物品を構成する領域の各々とが対応するように、前記フラップの連続体と前記前胴回り部材又は前記後胴回り部材の連続体とを接合する接合工程とを有することを要旨とする。

　以上説明したように、本発明によれば、高度な制御を用いることなくフラップライン上におけるフラップの連続体（連続ベルト部）の連続搬送を実現しつつ、使用者が容易に展開可能なサイドフラップを形成することができる吸収性物品の製造方法及び吸収性物品の製造装置を提供することができる。

（第３－１の実施形態）
　図２３及び図２４を参照して、本発明の第３－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法について説明する。

　本発明の第３－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、前胴回り部材２０２０ｂと、後胴回り部材２０２０ａと、前胴回り部材２０２０ｂ及び後胴回り部材２０２０ａを係合する股下部材（吸収体本体）２０１０とを具備する吸収性物品、例えば、オープンタイプのオムツを製造することができる。

　以下、図２３を参照して、本実施形態に係る吸収性物品の製造方法について説明する。

　図２３に示すように、本実施形態に係る吸収性物品の製造方法では、長尺状のフラップの連続体２１３０を搬送するフラップラインと、長尺状の股下部材の連続体２１１０を搬送する吸収体ラインと、長尺状の一対の前胴回り部材の連続体２１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体２１２０ａを搬送する本体ラインとが用いられるものとする。

　なお、本実施形態では、図２３に示すように、フラップラインのＭＤ方向（搬送方向）と本体ラインのＭＤ方向と吸収体ラインのＭＤ方向とが同一の場合の例について説明しているが、本発明は、かかる例に限定されるものではない。

　第１に、股下部材２０１０に設けられる吸収体が搬送される吸収体ライン上で行われる工程について説明する。

　ステップＳ２０１１において、粉砕機によってパルプシートを粉砕して粉砕パルプを生成し、かかる粉砕パルプがパルプ供給ダクトを通過する際に高吸収性ポリマー（ＳＡＰ）を混入する。

　その後、パルプ供給ダクトから供給された粉砕パルプ及び高吸収性ポリマーの混合物を、積層ドラムによって所定形状に積層することによって、吸収体コア２００１(吸収体)を成形する。

　ステップＳ２０１２において、吸収体ラインのＭＤ方向に連続搬送されるシート状のティッシュ２００２ａ上に、吸収体ラインのＭＤ方向に所定長間隔で吸収体コア２００１を載置する。

　その後、吸収体ラインのＭＤ方向に沿って複数の吸収体コア２００１が載置されたティッシュ２００２ａに、吸収体ラインのＭＤ方向に連続搬送されるシート状のティッシュ２００２ｂを重ねる。

　ステップＳ２０１３において、シート状のティッシュ２００２ｂの上に、吸収体ラインのＭＤ方向に連続搬送される表面シート（液透過性）２０１２ｂを重ねて接合し、シート状のティッシュ２００２ａの下に、吸収体ラインのＭＤ方向に連続搬送される裏面シート（液不透過性）２０１２ａを重ねて接合する。

　ステップＳ２０１４において、別部材によって形成された防漏壁２００３を、吸収体ラインのＭＤ方向に沿って、股下部材２０１０の両側端に貼り付ける。

　ステップＳ２０１５において、吸収体ラインのＭＤ方向に連続搬送される股下部材２０１０（吸収体本体）の連続体２１１０を、回転ドラムの回転により搬送すると共に、当該回転ドラムの外周面に対向配置したカッターロールによって、所定長間隔でＣＤ方向に沿って切断する。

　第２に、後胴回り部材２０２０ａに設けられるフラップ２０３０が搬送されるフラップライン上で行われる工程について説明する。

　ステップＳ２０２１において、フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体２１３０における１つのフラップ２０３０を構成する領域２０３０Ａの一部に、所定領域に係合可能な係合部材２０４０ａ、２０４０ｂを配置する。

　具体的には、フラップの連続体２１３０において、所定長間隔で、かかる係合部材２０４０ａ、２０４０ｂを接合する。かかる係合部材２０４０ａ、２０４０ｂの長さは、フラップラインのＣＤ方向におけるフラップの連続体２１３０の長さよりも短いものとする。

　ここで、係合部材２０４０ａ、２０４０ｂとしてフック部材（雄部材）が配置される場合には、前胴回り部材２０２０ｂの所定領域に、被係合部材として被フック部材（雌部材）が設けられるものとする。

　なお、本実施形態では、前胴回り部材２０２０ｂが不織布によって構成されているため、被フック部材を別途も受けなくても、前胴回り部材２０２０ｂの所定領域自身が被フック部材の役割を果たす。

　ステップＳ２０２２において、上述の領域２０３０Ａの一部において、係合部材２０４０ａ、２０４０ｂの各々を含む領域に、フラップラインのＭＤ方向（搬送方向）及び当該ＭＤ方向の反対方向に折り返し可能な一対の折り返し部２０５０ａ、２０５０ｂを形成する。

　図２４（ａ）に示すように、かかる折り返し部２０５０ａは、フラップラインのＣＤ方向（搬送方向に交差する方向）に沿って形成された１つの第１切り込み部（第１スリット）２０５０ａ３と、フラップラインのＭＤ方向に沿って形成された２つの第２切り込み部（第２スリット）２０５０ａ１、２０５０ａ２とによって形成されるものとする。

　一方、折り返し部２０５０ｂは、フラップラインのＣＤ方向に沿って形成された１つの第１切り込み部（第１スリット）２０５０ｂ３と、フラップラインのＭＤ方向に沿って形成された２つの第２切り込み部（第２スリット）２０５０ｂ１、２０５０ｂ２とによって形成されるものとする。

　ここで、図２４（ｂ）に示すように、かかる折り返し部２０５０ｂが、蝶番式に、フラップラインのＭＤ方向に折り返され、かかる折り返し部２０５０ａが、フラップラインのＭＤ方向の反対方向に折り返された場合であっても、フラップの連続体２１３０が、フラップラインのＣＤ方向の全域に渡って切断されて折り返されることにはならないため、連続搬送中にめくれ上がってしまうという事態を回避することができる。

　なお、第１切り込み部（第１スリット）２０５０ａ３、２０５０ｂ３、及び、第２切り込み部（第２スリット）２０５０ａ１、２０５０ａ２、２０５０ｂ１、２０５０ｂ２の少なくとも一部は、ミシン目のような切取り可能線によって構成されていてもよい。

　特に、第１切り込み部（第１スリット）２０５０ａ３、２０５０ｂ３の少なくとも一部がミシン目のような切取り可能線によって構成されていることが好ましい。かかる構成によれば、フラップの連続体２１３０がフラップライン上で連続搬送されている際に、かかる折り返し部２０５０ａ、２０５０ｂがめくり返るという事態を防止することができる。

　また、第１切り込み部（第１スリット）２０５０ａ３、２０５０ｂ３、及び、第２切り込み部（第２スリット）２０５０ａ１、２０５０ａ２、２０５０ｂ１、２０５０ｂ２は、直線形状であってもよいし、曲線形状であってもよい。

　また、上述のステップＳ２２０１及びステップＳ２０２２の順番が反対であってもよい。すなわち、ステップＳ２０２２において、フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体２１３０における１つのフラップ２０３０を構成する領域２０３０Ａの一部に、フラップラインのＭＤ方向及び当該ＭＤ方向の反対方向に折り返し可能な一対の折り返し部２０５０ａ、２０５０ｂを形成した後に、かかる一対の折り返し部２０５０ａ、２０５０ｂの各々に、所定領域に係合可能な係合部材２０４０ａ、２０４０ｂを配置してもよい。

　第３に、前胴回り部材の連続体２１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体２１２０ａが搬送される本体ライン上で行われる工程について説明する。

　ステップＳ２０３１において、不織布から、長尺状の一対の胴回り部材の連続体（前胴回り部材の連続体２１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体２１２０ａ）を生成し、本体ラインのＭＤ方向に搬送する。

　なお、前胴回り部材の連続体２１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体２１２０ａは、伸縮性を有していてもよい。

　ステップＳ２０３２において、本体ライン上で連続搬送される長尺状の前胴回り部材の連続体２１２０ｂと長尺状の後胴回り部材の連続体２１２０ａとの間に、本体ラインのＭＤ方向に互いに離間した状態で、吸収体ライン上でステップＳ２０１５において形成された股下部材２０１０を配置する。

　ステップＳ２０３３において、本体ライン上で、フラップの連続体２１３０における１つのフラップ２０３０を構成する領域２０３０Ａの各々と、後胴回り部材の連続体２１２０ａにおける１つの吸収性物品（後胴回り部材２０２０a）を構成する領域２０２０Ａの各々とが対応するように、フラップの連続体２１３０と後胴回り部材の連続体２１２０ａとを接合する。

　すなわち、吸収性物品において、係合部材２０４０ａ、２０４０ｂが、後胴回り部材２０２０ａの中央付近に配置されるように、フラップの連続体２１３０と後胴回り部材の連続体２１２０ａとを接合する。

　具体的には、領域２０３０Ａ及び領域２０２０Ａを、吸収性物品の幅方向における端部に沿って接合することが好ましい。

　ここで、ステップＳ２０３３において、かかるフラップの連続体２１３０を、後胴回り部材の連続体２１２０ａ上に、エンボスローラや超音波による熱圧着等によって接合することが好ましい。なお、さらに、フラップの連続体２１３０の裏面側全体に熱可塑性樹脂を塗布してもよいし、フラップの連続体２１３０の裏面側の一部にのみ熱可塑性樹脂を塗布してもよい。

　また、ステップＳ２０３３において、一対の折り返し部２０５０ａ、２０５０ｂの各々に配置されている係合部材２０４０ａ、２０４０ｂを、後胴回り部材の連続体２１２０ａに係止させてもよい。

　ステップＳ２０３４において、本体ライン上で、所定長間隔で、本体ラインのＣＤ方向に沿って前胴回り部材の連続体２１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体２１２０ａを切断する。

　具体的には、吸収性物品の幅方向における前胴回り部材２０２０ｂの長さＬ３と、吸収性物品の幅方向における後胴回り部材２０２０aの長さＬ２とが等しくなるように、前胴回り部材の連続体２１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体２１２０ａを切断する。

　なお、上述の例では、前胴回り部材２０２０ｂの所定領域に係合可能な係合部材２０４０ａ、２０４０ｂが配置されているフラップの連続体２１３０を、後胴回り部材の連続体２１２０ａ上に配置するように構成されている例について説明しているが、本発明は、かかる例に限定されることはなく、後胴回り部材２０２０ａの所定領域に係合可能な係合部材２０４０ａ、２０４０ｂが配置されているフラップの連続体２１３０を、前胴回り部材の連続体２１２０ｂ上に配置するように構成されている例についても適用可能である。

　本発明の第３－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、フラップの連続体２１３０がフラップラインのＣＤ方向の全域に渡って切断されないように、一対の折り返し部２０５０ａ、２０５０ｂを形成しているため、製造されたオムツの使用者が容易に展開可能で、かつ、フラップライン上で切断されてしまい、当該フラップライン上でフラップの連続体を連続搬送することができなくなる、或いは、当該フラップライン上でフラップの連続体を連続搬送するために高度な制御が必要になり製造設備が複雑化してしまうという事態を回避することができる。

　本発明の第３－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、フラップの連続体２１３０を切断して形成したフラップ２０３０の各々を、後胴回り部材の連続体２１２０ａ上に配置するのではなく、フラップの連続体２１３０を、後胴回り部材の連続体２１２０ａ上に配置するため、高精度で複雑な設備が不要になる。

　本発明の第３－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法によれば、前胴回り部材の連続体３１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体３１２０ａが連続して搬送されるため、前胴回り部材の連続体３１２０ｂの端部と後胴回り部材の連続体３１２０ａの端部と折り返し重ねることが容易にできるため、重ね合わせた前胴回り部材の連続体３１２０ｂ及び後胴回り部材の連続体３１２０ａを同時に切断することができ、オープンタイプのオムツ及びパンツタイプのオムツを同じ切断工程によって製造することができる。したがって、かかる切断工程及び切断用カッター自身を変更することなく、オープンタイプのオムツ及びパンツタイプのオムツを製造することができる。

（変更例１）
　図２５を参照して、第３－１の実施形態の変更例１に係る吸収性物品の製造方法について説明する。以下、本発明の第３－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法との相違点に着目して、本発明の変更例１に係る吸収性物品の製造方法について説明する。

　図２５に示すように、フラップライン上で行われる工程では、ステップＳ２０２１において、フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体２１３０における１つのフラップ２０３０を構成する領域２０３０Ａの一部に、所定領域に係合可能な係合部材２０４１ａ、２０４１ｂを配置する。

　ステップＳ２０２２において、上述の領域２０３０Ａの一部において、係合部材２０４１ａ、２０４１ｂの各々を含む領域に、フラップラインのＭＤ方向及び当該ＭＤ方向の反対方向に折り返し可能な一対の折り返し部２０５１ａ、２０５１ｂを形成する。

　図２５に示すように、かかる一対の折り返し部２０５１ａ、２０５１ｂは、フラップラインのＣＤ方向に沿って形成された１つの第１切り欠き部（第１トリミング）２５１０と、フラップラインのＭＤ方向に沿って形成された４つの第２切り込み部（第２スリット）２０５１ａ１、２０５１ａ２、２０５１ｂ１、２０５１ｂ２とによって形成されるものとする。

　ここで、第１切り欠き部（第１トリミング）２５１０は、図２５に示すように、フラップラインのＣＤ方向における中央領域付近に設けられている。

　かかる場合、第２切り込み部（第２スリット）２０５１ａ１、２０５１ａ２、２０５１ｂ１、２０５１ｂ２の少なくとも一部がミシン目のような切取り可能線によって構成されていることが好ましい。かかる構成によれば、フラップの連続体２１３０がフラップライン上で連続搬送されている際に、かかる折り返し部２０５１ａ、２０５１ｂがめくり返るという事態を防止することができる。

（変更例２）
　図２６を参照して、本発明の第３－１の実施形態の変更例２に係る吸収性物品の製造方法について説明する。以下、本発明の第３－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法との相違点に着目して、本発明の変更例２に係る吸収性物品の製造方法について説明する。

　図２６に示すように、フラップライン上で行われる工程では、ステップＳ２０２１において、フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体２１３０における１つのフラップ２０３０を構成する領域２０３０Ａの一部に、所定領域に係合可能な係合部材２０４２ａ、２０４２ｂを配置する。

　ステップＳ２０２２において、上述の領域２０３０Ａの一部において、係合部材２０４２ａ、２０４２ｂの各々を含む領域に、フラップラインのＭＤ方向及び当該ＭＤ方向の反対方向に折り返し可能な一対の折り返し部２０５２ａ、２０５２ｂを形成する。

　図２６に示すように、かかる一対の折り返し部２０５２ａ、２０５２ｂは、フラップラインのＣＤ方向に沿って形成された１つの第１切り欠き部（第１トリミング）２５２０と、フラップラインのＭＤ方向に沿って形成された２つの第２切り込み部（第２スリット）２０５２ａ１、２０５２ｂ１とによって形成されるものとする。

　ここで、第１切り欠き部（第１トリミング）２５２０は、図２６に示すように、フラップラインのＣＤ方向における中央領域から端部Ｘに渡って設けられている。

　かかる場合、第２切り込み部（第２スリット）２０５２ａ１、２０５２ｂ１の少なくとも一部がミシン目のような切取り可能線によって構成されていることが好ましい。かかる構成によれば、フラップの連続体２１３０がフラップライン上で連続搬送されている際に、かかる折り返し部２０５２ａ、２０５２ｂがめくり返るという事態を防止することができる。

（変更例３）
　図２７を参照して、本発明の第３－１の実施形態の変更例３に係る吸収性物品の製造方法について説明する。以下、本発明の第３－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法との相違点に着目して、本発明の変更例３に係る吸収性物品の製造方法について説明する。

　図２７に示すように、フラップライン上で行われる工程では、ステップＳ２０２１において、フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体２１３０における１つのフラップ２０３０を構成する領域２０３０Ａの一部に、所定領域に係合可能な係合部材２０４３ａ、２０４３ｂを配置する。

　ステップＳ２０２２において、上述の領域２０３０Ａの一部において、係合部材２０４３ａ、２０４３ｂの各々を含む領域に、フラップラインのＭＤ方向及び当該ＭＤ方向の反対方向に折り返し可能な一対の折り返し部２０５３ａ、２０５３ｂを形成する。

　図２７に示すように、かかる一対の折り返し部２０５３ａ、２０５３ｂは、フラップラインのＣＤ方向に沿って形成された１つの第１切り欠き部（第１トリミング）２５３０と、フラップラインのＭＤ方向に沿って形成された２つの第２切り込み部（第２スリット）２０５３ａ１、２０５３ｂ１とによって形成されるものとする。

　ここで、第１切り欠き部（第１トリミング）２５３０は、図２７に示すように、フラップラインのＣＤ方向における中央領域から端部Ｙ（上述の端部Ｘの反対側の端部）に渡って設けられている。

　かかる場合、第２切り込み部（第２スリット）２０５３ａ１、２０５３ｂ１の少なくとも一部がミシン目のような切取り可能線によって構成されていることが好ましい。かかる構成によれば、フラップの連続体２１３０がフラップライン上で連続搬送されている際に、かかる折り返し部２０５３ａ、２０５３ｂがめくり返るという事態を防止することができる。

（変更例４）
　図２８を参照して、本発明の第３－１の実施形態の変更例４に係る吸収性物品の製造方法について説明する。以下、本発明の第３－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法との相違点に着目して、本発明の変更例４に係る吸収性物品の製造方法について説明する。

　図２８に示すように、フラップライン上で行われる工程では、ステップＳ２０２１において、フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体２１３０における１つのフラップ２０３０を構成する領域２０３０Ａの一部に、所定領域に係合可能な係合部材２０４４ａ、２０４４ｂを配置する。

　ステップＳ２０２２において、上述の領域２０３０Ａの一部において、係合部材２０４４ａ、２０４４ｂの各々を含む領域に、フラップラインのＭＤ方向及び当該ＭＤ方向の反対方向に折り返し可能な一対の折り返し部２０５４ａ、２０５４ｂを形成する。

　図２８に示すように、かかる一対の折り返し部２０５４ａ、２０５４ｂは、フラップラインのＣＤ方向に沿って形成された１つの第１切り欠き部（第１トリミング）２５４０と、フラップラインのＭＤ方向に沿って形成された１つの第２切り欠き部（第２トリミング）２５４１とによって形成されるものとする。

　ここで、第１切り欠き部（第１トリミング）２５４０は、図２８に示すように、フラップラインのＣＤ方向における中央領域から端部Ｘに渡って設けられている。

（変更例５）
　図２９を参照して、本発明の第３－１の実施形態の変更例５に係る吸収性物品の製造方法について説明する。以下、本発明の第３－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法との相違点に着目して、本発明の変更例５に係る吸収性物品の製造方法について説明する。

　図２９に示すように、フラップライン上で行われる工程では、ステップＳ２０２１において、フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体２１３０における１つのフラップ２０３０を構成する領域２０３０Ａの一部に、所定領域に係合可能な係合部材２０４５ａ、２０４５ｂを配置する。

　ステップＳ２０２２において、上述の領域２０３０Ａの一部において、係合部材２０４５ａ、２０４５ｂの各々を含む領域に、フラップラインのＭＤ方向及び当該ＭＤ方向の反対方向に折り返し可能な一対の折り返し部２０５５ａ、２０５５ｂを形成する。

　図２９に示すように、かかる一対の折り返し部２０５５ａ、２０５５ｂは、フラップラインのＣＤ方向に沿って形成された１つの第１切り欠き部（第１トリミング）２５５０と、フラップラインのＭＤ方向に沿って形成された１つの第２切り欠き部（第２トリミング）２５５１とによって形成されるものとする。

　ここで、第１切り欠き部（第１トリミング）２５５０は、図２９に示すように、フラップラインのＣＤ方向における中央領域から端部Ｙ（上述の端部Ｘの反対側の端部）に渡って設けられている。

（変更例６）
　図３０を参照して、本発明の第３－１の実施形態の変更例６に係る吸収性物品の製造方法について説明する。以下、本発明の第３－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法との相違点に着目して、本発明の変更例６に係る吸収性物品の製造方法について説明する。

　図３０に示すように、フラップライン上で行われる工程では、ステップＳ２０２１において、フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体２１３０における１つのフラップ２０３０を構成する領域２０３０Ａの一部に、所定領域に係合可能な係合部材２０４６ａ、２０４６ｂを配置する。

　ステップＳ２０２２において、上述の領域２０３０Ａの一部において、係合部材２０４６ａ、２０４６ｂの各々を含む領域に、フラップラインのＭＤ方向及び当該ＭＤ方向の反対方向に折り返し可能な一対の折り返し部２０５６ａ、２０５６ｂを形成する。

　図３０に示すように、かかる一対の折り返し部２０５６ａ、２０５６ｂは、フラップラインのＣＤ方向に沿って形成された１つの第１切り欠き部（第１トリミング）２５６０と、フラップラインのＭＤ方向に沿って形成された２つの第２切り欠き部（第２トリミング）２５６１ａ、２５６１ｂとによって形成されるものとする。

　ここで、第１切り欠き部（第１トリミング）２５６０は、図３０に示すように、フラップラインのＣＤ方向において第２切り欠き部２５６１ａから第２切り欠き部２５６１ｂに渡って設けられている。

（変更例７）
　図３１を参照して、本発明の第３－１の実施形態の変更例７に係る吸収性物品の製造方法について説明する。以下、本発明の第３－１の実施形態に係る吸収性物品の製造方法との相違点に着目して、本発明の変更例７に係る吸収性物品の製造方法について説明する。

　図３１に示すように、フラップライン上で行われる工程では、ステップＳ２０２１において、フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体２１３０における１つのフラップ２０３０を構成する領域２０３０Ａの一部に、所定領域に係合可能な４つの係合部材２０４７ａ、２０４７ｂ、２０４８ａ、２０４８ｂを配置する。

　ステップＳ２０２２において、上述の領域２０３０Ａの一部において、係合部材２０４７ｂ、２０４８ｂの各々を含む領域に、フラップラインのＭＤ方向に折り返し可能な２つの折り返し部２０５７ｂ、２０５８ｂを形成し、係合部材２０４７ａ、２０４８ａの各々を含む領域に、フラップラインのＭＤ方向の反対方向に折り返し可能な２つの折り返し部２０５７ａ、２０５８ａを形成する。

　図３１に示すように、折り返し部２０５７ａは、フラップラインのＣＤ方向に沿って形成された１つの第１切り込み部（第１スリット）２０５７ａ３と、フラップラインのＭＤ方向に沿って形成された２つの第２切り込み部（第２スリット）２０５７ａ１、２０５７ａ２とによって形成されるものとする。

　また、折り返し部２０５８ａは、フラップラインのＣＤ方向に沿って形成された１つの第１切り込み部（第１スリット）２０５８ａ３と、フラップラインのＭＤ方向に沿って形成された２つの第２切り込み部（第２スリット）２０５８ａ１、２０５８ａ２とによって形成されるものとする。

　また、折り返し部２０５７ｂは、フラップラインのＣＤ方向に沿って形成された１つの第１切り込み部（第１スリット）２０５７ｂ３と、フラップラインのＭＤ方向に沿って形成された２つの第２切り込み部（第２スリット）２０５７ｂ１、２０５７ｂ２とによって形成されるものとする。

　また、折り返し部２０５８ｂは、フラップラインのＣＤ方向に沿って形成された１つの第１切り込み部（第１スリット）２０５８ｂ３と、フラップラインのＭＤ方向に沿って形成された２つの第２切り込み部（第２スリット）２０５８ｂ１、２０５８ｂ２とによって形成されるものとする。

　ここで、ステップＳ２０２１において、フラップの連続体２１３０における１つのフラップ２０３０を構成する領域２０３０Ａの一部に、４つ以上の係合部材を配置し、ステップＳ２０２２において、かかる係合部材を含む領域に、２つ以上の折り返し部を形成するように構成されていてもよい。

　かかる場合、第１切り込み部（第１スリット）２０５７ａ３、２０５７ｂ３、２０５８ａ３、２０５８ｂ３の少なくとも一部がミシン目のような切取り可能線によって構成されていることが好ましい。かかる構成によれば、フラップの連続体２１３０がフラップライン上で連続搬送されている際に、かかる折り返し部２０５７a、２０５７b、２０５８ａ、２０５８ｂがめくり返るという事態を防止することができる。

（第３－２の実施形態）
　次に、図３２乃至図３４を参照して、本発明の第３－２の実施形態に係る吸収性物品の製造装置について説明する。吸収性物品の製造装置は、係合部材配置機構２３１０と、折返部形成機構２３２０と、接合機構２３３０とを備える。

　まず、本発明の第３－２の実施形態に係る係合部材配置機構２３１０について、図面を参照しながら説明する。図３２は、本発明の第３－２の実施形態に係る係合部材配置機構２３１０を示す斜視図である。

　図３２に示すように、係合部材配置機構２３１０は、フラップライン上（上述したステップＳ２０２１）で連続搬送される長尺状のフラップの連続体２１３０において、所定領域に係合可能な係合部材２０４０ａ、２０４０ｂを配置する。

　係合部材配置機構２３１０は、軸芯２３１２を中心に回転する上刃ロール２３１３と、軸芯２３１４を中心に回転する下刃ロール２３１５とを有する。

　上刃ロール２３１３には、上刃ロール２３１３の外周に所定間隔で、かつ軸芯２３１２に沿って配設される複数のブレード２３１３Ａが設けられる。下刃ロール２３１５には、係合部材の連続体２１４０が切断されることによって形成された係合部材２０４０ａ、２０４０ｂを吸引する吸引穴２３１５Ａと、係合部材の連続体２１４０をブレード２３１３Ａとの間で切断する受け刃（不図示）とが設けられる。

　下刃ロール２３１５の周面には、係合部材の連続体２１４０を所定の密着力で密着する第１ゾーンＺ１と、係合部材の連続体２１４０が切断されることによって形成された係合部材２０４０ａ、２０４０ｂを第１ゾーンＺ１よりも強い密着力で密着する第２ゾーンＺ２とが設けられる。

　係合部材の連続体２１４０は、第１ゾーンＺ１を通過する際には、下刃ロール２３１５の周面をスリップしながら、第１ゾーンＺ１に形成される吸引穴２３１５Ａによって下刃ロール２３１５の周面に吸着する。このとき、係合部材の連続体２１４０がブレード２３１３Ａと受け刃との間で切断されることによって、係合部材２０４０ａ、２０４０ｂが形成される。

　係合部材２０４０ａ、２０４０ｂは、第２ゾーンＺ２を通過する際には、下刃ロール２３１５の周面をスリップせずに、第２ゾーンＺ２に形成される吸引穴２３１５Ａによって下刃ロール２３１５の周面に密着する。そして、係合部材２０４０ａ、２０４０ｂは、下刃ロール２３１５の回転によってフラップの連続体２１３０に接近し、当該フラップの連続体２１３０上に貼り付けられる。

　次に、本発明の第３－２の実施形態に係る折返部形成機構２３２０について、図面を参照しながら説明する。図３３は、本発明の第３－２の実施形態に係る折返部形成機構２３２０を示す斜視図である。

　図３３に示すように、折返部形成機構２３２０は、フラップの連続体２１３０における１つのフラップ２０３０を構成する領域の一部に、フラップラインのＭＤ方向及びＭＤ方向の反対方向に折り返し可能な一対の折り返し部２０５０ａ、２０５０ｂを形成する。

　折返部形成機構２３２０は、支軸（不図示）を中心に回転する切取ロール２３２１と、切取ロール２３２１との間でフラップの連続体２１３０を挟み込む挟込ロール２３２２とを有する。

　切取ロール２３２１の周速（Ｖ_７）は、フラップの連続体２１３０の搬送速度（Ｖ_４）とほぼ同一である。切取ロール２３２１には、折り返し部２０５０ａ、２０５０ｂを形成する折返加工刃２３２１Ａが形成される。折返加工刃２３２１Ａは、折り返し部２０５０ａ、２０５０ｂの形状に対応している。

　次に、本発明の第３－２の実施形態に係る接合機構２３３０について、図面を参照しながら説明する。図３４は、本発明の第３－２の実施形態に係る接合機構２３３０を示す斜視図である。

　図３４に示すように、接合機構２３３０は、１つのフラップ２０３０を構成する領域の各々と、後胴回り部材の連続体２１２０ａにおける１つの吸収性物品を構成する領域の各々とが対応するように、フラップの連続体２１３０と後胴回り部材の連続体２１２０ａとを接合する。

　接合機構２３３０は、本体ライン上（上述したステップＳ２０３３）で、フラップラインのＭＤ方向が本体ラインのＭＤ方向に対応するように、フラップの連続体２１３０と後胴回り部材の連続体２１２０ａとを接合する。接合機構２３３０は、一対のローラ２３３１，２３３２を有する。なお、一対のローラ２３３１，２３３２の周速（Ｖ_８）は、フラップの連続体２１３０の搬送速度（Ｖ_４）とほぼ同一である。

　ローラ２３３１は、搬送されるフラップの連続体２１３０を後胴回り部材の連続体２１２０ａ上に案内する。一方、ローラ２３３２は、後胴回り部材の連続体２１２０ａ及びフラップの連続体２１３０を挟んでローラ２３３１に対向する。一対のローラ２３３１，２３３２は、後胴回り部材の連続体２１２０ａ及びフラップの連続体２１３０を挟持する。これにより、接合機構２３３０は、後胴回り部材の連続体２１２０ａとフラップ２０３０とを接合する。

（その他の第３の実施形態）
　例えば、吸収性物品の製造方法で説明した順序については、特に制限はなく、吸収性物品を製造できればよく、目的に応じて適宜選択できることは勿論である。

　なお、日本国特許出願第２００８－０９４０６５号（２００８年３月３１日出願）、日本国特許出願第２００９－０７４７７８号（２００９年３月２５日出願）の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。

　以上説明したように、本発明に係る吸収性物品の製造方法によれば、高度な制御を用いることなく、本体ラインのＭＤ方向においてサイドフラップの位置が左右で一致していないことに起因する不具合の発生を防止することができる吸収性物品の製造方法を提供することができる。

　また、本発明に係る吸収性物品によれば、安定した搬送状態を実現し、複雑な工程を用いることなく、サイドフラップを形成する際の材料の浪費を抑制することが可能な製造方法を提供することが可能である。

　また、本発明に係る吸収性物品によれば、高度な制御を用いることなくフラップライン上におけるフラップの連続体（連続ベルト部）の連続搬送を実現しつつ、使用者が容易に展開可能なサイドフラップを形成することができる吸収性物品の製造方法を提供することができる。

Claims

　液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、該表面シートと該裏面シートとの間に介在する吸収体本体とを具備する吸収性物品の製造方法であって、
　フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体において、該フラップラインの搬送方向に沿う中心線の両側に、所定領域に係合可能な係合部材を配置する係合部材配置工程と、
　前記フラップライン上で、該フラップラインの搬送方向に交差する方向に沿って前記フラップの連続体を切断することによって、フラップを形成するフラップ形成工程と、
　本体ライン上で連続搬送される長尺状の吸収性物品の連続体上に、前記中心線が該本体ラインの搬送方向に沿うように、所定間隔で、前記フラップを配置するフラップ配置工程とを有し、
　前記フラップライン上で、前記フラップの連続体の両側縁部を、該フラップラインの搬送方向に沿う中心線側に折り返すことを特徴とする吸収性物品の製造方法。
　前記係合部材配置工程において、前記フラップの連続体の両側縁部に前記係合部材を配置し、
　前記フラップの連続体の両側縁部を、前記中心線側に折り返すことを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品の製造方法。
　前記フラップの連続体の両側縁部を、前記中心線側に折り返すと共に、該両側縁部に配置されている前記係合部材を該フラップの連続体に係止させることを特徴とする請求項２に記載の吸収性物品の製造方法。
　前記係合部材配置工程において、前記フラップの連続体において、前記フラップラインの搬送方向に沿う中心線の近傍領域の両側に、前記係合部材を配置すると共に、前記中心線に沿って該フラップの連続体を二分可能な切取り可能線を形成することを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品の製造方法。
　複数回、前記フラップの連続体の両側縁部を折り返すことを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品の製造方法。
　前記フラップ配置工程において、前記フラップを前記吸収性物品の連続体上に接合することを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品の製造方法。
　液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、該表面シートと該裏面シートとの間に介在する吸収体本体とを具備する吸収性物品の製造装置であって、
　長尺状のフラップの連続体において、フラップラインの搬送方向に沿う中心線の両側に、所定領域に係合可能な係合部材を配置する係合部材配置機構と、
　前記フラップの連続体の両側縁部を、前記フラップラインの搬送方向に沿う中心線側に折り返す側縁折返機構と、
　前記フラップラインの搬送方向に交差する方向に沿って前記フラップの連続体を切断することによって、前記フラップを形成するとともに、長尺状の吸収性物品の連続体上に、前記中心線が本体ラインの搬送方向に沿うように、所定間隔で、前記フラップを配置する切断配置機構と
を備えることを特徴とする吸収性物品の製造装置。
　前胴回り部材と、後胴回り部材と、該前胴回り部材及及び該後胴回り部材を連結する股下部材とを具備する吸収性物品の製造方法であって、
　フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体において、該フラップラインの搬送方向に沿う中心線の両側に、所定領域に係合可能な係合部材を配置する係合部材配置工程と、
　前記フラップライン上で、該フラップラインの搬送方向に交差する方向に沿って前記フラップの連続体を切断することによって、フラップを形成するフラップ形成工程と、
　本体ライン上で、前記中心線が該本体ラインの搬送方向に直交するように、前記前胴回り部材又は前記後胴回り部材の連続体上に、前記フラップを配置するフラップ配置工程とを有し、
　前記フラップライン上で、前記フラップの連続体の両側縁部を、前記中心線側に折り返すことを特徴とする吸収性物品の製造方法。
　前記本体ライン上で、所定長間隔で、該本体ラインの搬送方向に交差する方向に沿って前記前胴回り部材の連続体及び前記後胴回り部材の連続体を切断する胴回り部材切断工程を有し、
　前記フラップにおける前記中心線に交差する方向の幅は、前記所定長間隔よりも短いことを特徴とする請求項８に記載の吸収性物品の製造方法。
　前記係合部材配置工程において、前記フラップの連続体の両側縁部に前記係合部材を配置し、
　前記フラップの連続体の両側縁部を、前記中心線側に折り返すことを特徴とする請求項８に記載の吸収性物品の製造方法。
　前記フラップの連続体の両側縁部を、前記中心線側に折り返すと共に、該両側縁部に配置されている前記係合部材を該フラップの連続体に係止させることを特徴とする請求項１０に記載の吸収性物品の製造方法。
　前記両側縁部の一部において、所定形状の切り欠き部を形成する工程を有することを特徴とする請求項１０に記載の吸収性物品の製造方法。
　前記係合部材配置工程において、前記フラップの連続体において、前記フラップラインの搬送方向に沿う中心線の近傍領域の両側に、前記係合部材を配置すると共に、前記中心線に沿って該フラップの連続体を二分可能な切取り可能線を形成することを特徴とする請求項８に記載の吸収性物品の製造方法。
　前記近傍領域の一部において、所定形状の切り欠き部を形成する工程を有することを特徴とする請求項１３に記載の吸収性物品の製造方法。
　前記フラップ配置工程において、前記フラップを前記前胴回り部材又は前記後胴回り部材の連続体上に接合することを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品の製造方法。
　前記本体ライン上で連続搬送される長尺状の前記前胴回り部材の連続体と長尺状の前記後胴回り部材の連続体との間に、該本体ラインの搬送方向に互いに離間した状態で前記股下部材を配置する股下部材配置工程を有することを特徴とする請求項８に記載の吸収性物品の製造方法。
　前記フラップ配置工程において、前記フラップを、前記股下部材の端部を覆うように配置する請求項８に記載の吸収性物品の製造方法。
　前記胴回り部材切断工程において、前記吸収性物品の幅方向における前記前胴回り部材の長さと、前記吸収性物品の幅方向における前記後胴回り部材の長さとが等しくなるように、前記前胴回り部材の連続体及び前記後胴回り部材の連続体を切断することを特徴とする請求項９に記載の吸収性物品の製造方法。
　前胴回り部材と、後胴回り部材と、該前胴回り部材及及び該後胴回り部材を連結する股下部材とを具備する吸収性物品の製造装置であって、
　フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体において、該フラップラインの搬送方向に沿う中心線の両側に、所定領域に係合可能な係合部材を配置する係合部材配置機構と、
　前記フラップの連続体の両側縁部を、前記中心線側に折り返す側縁折返機構と、
　前記フラップラインの搬送方向に交差する方向に沿って前記フラップの連続体を切断することによって、フラップを形成するとともに、前記中心線が本体ラインの搬送方向に直交するように、前記前胴回り部材又は前記後胴回り部材の連続体上に、前記フラップを配置する切断配置機構と
を備えることを特徴とする吸収性物品の製造装置。
　前胴回り部材と、後胴回り部材と、前記前胴回り部材及び前記後胴回り部材を連結する股下部材とを具備する吸収性物品の製造方法であって、
　フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体における１つのフラップを構成する領域の一部に、前記フラップラインの搬送方向及び前記搬送方向の反対方向に折り返し可能な一対の折り返し部を形成すると共に、前記一対の折り返し部の各々に、所定領域に係合可能な係合部材を配置する折り返し部形成工程と、
　前記１つのフラップを構成する領域の各々と、前記前胴回り部材又は前記後胴回り部材の連続体における１つの前記吸収性物品を構成する領域の各々とが対応するように、前記フラップの連続体と前記前胴回り部材又は前記後胴回り部材の連続体とを接合する接合工程とを有することを特徴とする吸収性物品の製造方法。
　前記折り返し部形成工程において、前記フラップラインの搬送方向に交差する方向に沿って形成された第１切り込み部又は第１切り欠き部の少なくとも１つと、前記フラップラインの搬送方向に沿って形成された第２切り込み部又は第２切り欠き部の少なくとも１つとによって、前記一対の折り返し部を形成することを特徴とする請求項２０に記載の吸収性物品の製造方法。
　前記接合工程において、前記一対の折り返し部の各々に配置されている前記係合部材を、前記前胴回り部材又は前記後胴回り部材の連続体に係止させることを特徴とする請求項２０に記載の吸収性物品の製造方法。
　本体ライン上で連続搬送される長尺状の前胴回り部材連続体と長尺状の後胴回り部材連続体との間に、前記本体ラインの搬送方向に互いに離間した状態で前記股下部材を配置する股下部材配置工程を有することを特徴とする請求項２０に記載の吸収性物品の製造方法。
　前記接合工程において、前記フラップの連続体と前記前胴回り部材又は前記後胴回り部材の連続体とを接合することを特徴とする請求項２０に記載の吸収性物品の製造方法。
　前記接合工程において、前記フラップの各々が前記股下部材上に載置されている吸収体本体の端部を覆うように、前記フラップの連続体と前記前胴回り部材又は前記後胴回り部材の連続体とを接合することを特徴とする請求項２０に記載の吸収性物品の製造方法。
　前記吸収性物品の幅方向における前記前胴回り部材の長さと、前記吸収性物品の幅方向における前記後胴回り部材の長さとが等しくなるように、前記前胴回り部材の連続体及び前記後胴回り部材の連続体を切断する胴回り部材切断工程を有することを特徴とする請求項２０に記載の吸収性物品の製造方法。
　前胴回り部材と、後胴回り部材と、前記前胴回り部材及び前記後胴回り部材を連結する股下部材とを具備する吸収性物品の製造装置であって、
　フラップライン上で連続搬送される長尺状のフラップの連続体において、所定領域に係合可能な係合部材を配置する係合部材配置機構と、
　前記フラップの連続体における１つのフラップを構成する領域の一部に、前記フラップラインの搬送方向及び前記搬送方向の反対方向に折り返し可能な一対の折り返し部を形成する折返部形成機構と、
　前記１つのフラップを構成する領域の各々と、前記前胴回り部材又は前記後胴回り部材の連続体における１つの前記吸収性物品を構成する領域の各々とが対応するように、前記フラップの連続体と前胴回り部材又は後胴回り部材の連続体とを接合する接合機構と
を備えることを特徴とする吸収性物品の製造装置。