WO2009122899A1

WO2009122899A1 - カバー及び該カバーを備える照明装置

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Publication number: WO2009122899A1
Application number: PCT/JP2009/055142
Authority: WO
Inventors: 則孝岡村; 山本　裕之
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2008-04-03
Filing date: 2009-03-17
Publication date: 2009-10-08
Also published as: EP2275737A4; KR101126894B1; US20110019429A1; CN101990615B; CN101990615A; EP2275737A1; KR20100127310A

Abstract

　部材に開口された装着孔に装着された被装着体及び前記装着孔の内面間の隙間、並びに装着孔の縁部近傍に生じたバリ等の凹凸により被装着体と部材との間に生じる隙間を被覆することができるカバー及び該カバーを備える照明装置を提供する。　部材に開口された装着孔に装着された被装着体及び前記装着孔の内面間の隙間を被覆すべき化粧枠１において、装着孔の縁部に離隔して対向すべき鍔部１２と、鍔部１２の外周縁に略全周に亘って設けられた突設部１５とを備えているから、鍔部１２により、被装着体及び前記装着孔の内面間の隙間、並びに装着孔の縁部近傍に生じたバリ等の凹凸により被装着体と部材との間に生じる隙間を被覆することができる。また化粧枠１の突設部１５が部材との間に隙間を生じることなく略全周に亘って部材に当接してあるから、化粧枠１の外周縁に沿って濃淡の異なる影が生じることなく、美観に資する。

Description

カバー及び該カバーを備える照明装置

　本発明は、天井等の部材に開口された装着孔に装着された被装着体と前記装着孔の内面との間の隙間を被覆すべきカバー及び該カバーを備える照明装置に関する。

　天井等の部材に開口された装着孔に装着される被装着体である照明装置等の装置は、装着孔に挿入され、一般に、装着孔の内面と装置本体とを適長離隔した状態にて板ばね等の装着体により部材に固定してある。このような装置は、装着孔の内面及び装置本体間に生じる隙間を被覆すべく、カバーを備えている（例えば、特許文献１参照）。

　特許文献１に開示された照明装置は、天井に設けられた装着孔に装着される照明装置本体と、該照明装置本体の側面に設けられた装着体である取付金具と、照明装置本体の下端に設けられたカバーとを備えている。この照明装置は、照明装置本体を装着孔に挿入し、カバーの上面と取付金具とにより天井の上下面を挟持することにより照明装置本体を固定するように構成してある。そして、この照明装置は、照明装置本体の下端に設けられたカバーの上面を天井の下面に当接させることにより、装着孔の内面及び装置本体間に生じる隙間を被覆するようにしてある。
実開平５－８７７２３号公報

　ところで、天井への装着孔の施工は、刃幅の狭い鋸、所謂引き回し鋸、又は所定の径のホールカッター等を用いて行われている。このため、鋸による切断及び切り取られた天井材の取外しに伴い天井の下面側にはみ出るバリが生じる。また、照明装置を交換する際に、古い照明装置の取外しに伴い取付金具により装着孔の縁部の一部が削られ、天井の下面側にはみ出る虞がある。

　このように装着孔近傍の天井の下面にバリ等により凹凸が生じた場合、特許文献１に記載の照明装置においては、カバーの上面を天井の下面に全面に亘って当接させることができなくなり、凹凸に応じてカバーの上面と天井の下面との間に隙間が生じる。この結果、設置状態における品位が損なわれるとともに、カバーの外周縁に沿って濃淡の異なる影が生じて美観を損なうという問題があった。

　本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、天井等の部材に開口された装着孔に装着された被装着体及び前記装着孔の内面間の隙間、並びに装着孔の縁部近傍に生じたバリ等の凹凸により被装着体と部材との間に生じる隙間を被覆することができるカバー及び該カバーを備える照明装置を提供することを目的とする。

　本発明に係るカバーは、天井等の部材の装着孔に装着される被装着体に取り付けられ、前記被装着体と前記装着孔の間の隙間を覆うカバーであって、前記装着孔のバリ等の凹凸により前記被装着体と前記部材との間に生じる隙間を被覆する被覆部を備えることを特徴とする。

　本発明にあっては、天井等の部材に開口された装着孔のバリ等の凹凸により被装着体と部材との間に生じる隙間を被覆する被覆部をカバーに設けている。被覆部を適切に形成することにより、被装着体及び前記装着孔の内面間の隙間、並びに装着孔の縁部近傍に生じたバリ等の凹凸により被装着体と部材との間に生じる隙間を被覆することが可能となる。

　本発明に係るカバーは、前記被覆部は、前記カバーの外周縁に設けられていることを特徴とする。

　本発明にあっては、カバーの外周縁に被覆部を設けており、被覆部を適切に形成することにより、バリ等の凹凸が装着孔の縁部のごく近傍に留まらない場合においても、バリ等の凹凸により被装着体と部材との間に生じる隙間を被覆することが可能となる。

　本発明に係るカバーは、部材に開口された装着孔に装着された被装着体及び前記装着孔の内面間の隙間を被覆すべきカバーにおいて、前記装着孔の縁部に離隔して対向すべき対向部と、該対向部の外周縁に略全周に亘って設けられた被覆部とを備えることを特徴とする。

　本発明にあっては、部材に開口された装着孔の縁部に離隔して対向すべき対向部と、対向部の外周縁に略全周に亘って設けられた被覆部とをカバーに設けている。該カバーを装着孔及び被装着体に合わせて適切に形成することにより、被装着体及び前記装着孔の内面間の隙間、並びに装着孔の縁部近傍に生じたバリ等の凹凸により被装着体と部材との間に生じる隙間を被覆することが可能となる。また、対向部の外周縁に略全周に亘って設けられた被覆部を適切に形成することにより、バリ等の凹凸が装着孔の縁部のごく近傍に留まらない場合においても、カバーを部材に隙間を生じることなく当接させることが可能となる。この結果、装置の美観に資する。

　本発明に係るカバーは、前記被覆部には、切欠き部が設けてあることを特徴とする。

　本発明にあっては、被覆部に切欠き部を設けているから、例えば、切欠き部に薄肉板状の工具を挿入して力を加えることにより容易に部材から取外すことができる。

　本発明に係るカバーは、前記切欠き部は、開口側に向けて広がる傾斜面を有することを特徴とする。

　本発明にあっては、切欠き部に開口側に向けて広がる傾斜面を設けているから、例えば、切欠き部に薄肉板状の工具を挿入して力を加えて部材から一部を離隔させつつ、傾斜面に沿って工具をずらせて部材との隙間が生じる範囲を広げることにより、さらに容易に部材から取外すことができる。

　本発明に係るカバーは、前記部材に対向する面の前記切欠き部に対応する部分に、補強部を有していることを特徴とする。

　本発明にあっては、部材に対向する面の切欠き部に対応する部分に補強部を設けており、補強部を適切に設けることにより、例えば、切欠き部に薄肉板状の工具を挿入して力を加えたときに、加えられた力が補強部にも分散されることになるから、被覆部の切欠き部を設けている部分及び切欠き部近傍の対向部が変形しないように補強することができる。

　本発明に係るカバーは、前記切欠き部の近傍に、該切欠き部に挿入される工具を所定の位置で止める突起を備えることを特徴とする。

　本発明にあっては、切欠き部に挿入される工具を所定の位置にて止めるべく切欠き部の近傍に突起を設けており、該突起を適切に設けることにより、例えば、被装着体を部材に装着する装着体の近傍に切欠き部を設けたときに、切欠き部に挿入した工具が装着体まで到達することを避けることができ、工具による取外し作業を阻害することがない。

　本発明に係る照明装置は、前述の発明に記載のカバーを備えたことを特徴とする。

　本発明にあっては、カバーを装着孔及び照明装置本体に合わせて適切に形成することにより、装着孔の内面及び前記装置本体間の隙間、並びに装着孔の縁部近傍に生じたバリ等の凹凸により照明装置本体と天井等の部材との間に生じる隙間を被覆することが可能となる。また、カバーの外周縁に設けられた被覆部を適切に形成することにより、バリ等の凹凸が装着孔の縁部のごく近傍に留まらない場合においても、バリ等の凹凸により被装着体と部材との間に生じる隙間を被覆することが可能となる。この結果、照明装置の美観に資する。また、例えば、切欠き部に薄肉板状の工具を挿入して力を加えることにより容易に照明装置を天井から取外すことができる。

　本発明によれば、天井等の部材との間に隙間を生じることなく、装着孔の内面及び前記装置本体間の隙間、並びに装着孔の縁部近傍に生じたバリ等の凹凸による被装着体と部材との間に生じる隙間を被覆することができる。

本発明の実施の形態１に係る化粧枠の平面図である。図１のII－II線による断面図である。図１の III－III 矢視から見た側面図である。化粧枠の切欠き部近傍の部分拡大外観斜視図である。実施の形態１に係る化粧枠を備える照明装置の模式的外観斜視図である。照明装置の側面図である。図６の VII－VII 矢視から見た図である。図６のVIII－VIII矢視から見た図である。天井に照明装置を装着した状態を示す図である。コネクタカバーの外観図である。コネクタカバーの外観図である。電源モジュールの外観図である。コネクタカバーの外観図である。コネクタカバーの外観図である。コネクタカバーの嵌合状態を示す図である。実施の形態２に係る化粧枠の部分拡大外観斜視図である。実施の形態３に係る化粧枠の部分拡大外観斜視図である。化粧枠の切欠き部近傍における模式的部分拡大断面図である。実施の形態４に係る化粧枠を用いた照明装置の模式的部分拡大断面図である。照明装置の模式的部分拡大正面図である。フィルタの一例である。本発明の実施の形態５に係る落下防止部材の模式的平面図である。図２０のXXI－XXI 矢視から見たコイルばねの拡大図である。実施の形態５に係る落下防止部材を備える照明装置の外観斜視図である。照明装置の模式的側面図である。照明装置本体の天井の装着孔への取付手順を説明する図である。照明装置本体の天井の装着孔への取付手順を説明する図である。照明装置本体の天井の装着孔への取付手順を説明する図である。照明装置本体の天井の装着孔への取付手順を説明する図である。本発明の実施の形態６に係る落下防止部材の模式的平面図である。本発明の実施の形態７に係る落下防止部材の模式的平面図である。他の衝撃吸収手段の模式図である。板状のばねの動作説明図である。板状のばねの動作説明図である。落下防止部材として屈曲ワイヤを用いて照明装置本体及び電源部間を接続した例を示す図である。本発明の実施の形態９に係るコネクタカバーの模式的外観斜視図である。第１カバー構成体の模式的外観図である。第１カバー構成体の模式的外観図である。第２カバー構成体の模式的外観図である。第２カバー構成体の模式的外観図である。コネクタカバーの固定手順の説明図である。コネクタカバーの固定手順の説明図である。実施の形態９に係るコネクタカバーを備える照明装置の外観斜視図である。照明装置の模式的側面図である。図３５の XXXVI－XXXVI 線による矢視図である。電源モジュールの外観図である。コネクタカバーと照明装置本体とを一体的に構成した例を示す図である。

符号の説明

　１，１ａ，１ｂ，１ｃ　化粧枠（カバー）
　１２　鍔部（対向部）
　１５　突設部（被覆部）
　１５ｂ　切欠き部
　１５ｃ　傾斜面
　１６，１６ａ　補強部
　１６ｂ　突起
　６　板ばね（装着体）
　１０ａ　照明装置本体（被装着体）
　１１００　天井（部材）
　１１００ａ　装着孔
　１０１，１０１ａ，１０１ｂ　落下防止部材
　１０２　放熱器
　１０３　ＬＥＤモジュール（光源）
　１１０　照明装置（被保持部材）
　１１０ａ　照明装置本体
　１１１　フック（掛止体）
　１１２　コイルばね（衝撃吸収体、衝撃吸収手段）
　１１３　ワイヤ
　１１５　板状のばね（衝撃吸収体、衝撃吸収手段）
　１１５ｄ　スリット
　１１６　屈曲ワイヤ（衝撃吸収体、衝撃吸収手段）
　１１０１　保持部材
　２０１　コネクタカバー
　２０２　第１カバー構成体
　２２１　円筒部
　２２３　突起（係合手段）
　２０３，２０３ａ　第２カバー構成体
　２３１　円筒部
　２３５　係合片（係合手段）
　２３４　切欠き部
　２３４ａ　狭窄部
　２８１　メスコネクタ（第１コネクタ）
　２８６　オスコネクタ（第２コネクタ）

　以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。以下の説明において、本発明に係るカバーとして、天井等の部材の装着孔に装着される照明装置の化粧枠を例示して説明する。なお、照明装置としては、ダウンライトを例示する。
（実施の形態１）
　図１は、本発明の実施の形態１に係る化粧枠１の平面図である。図２は、図１のII－II線による断面図であり、図３は、図１の III－III 矢視から見た側面図である。

　化粧枠１は、天井等の部材に開口された装着孔に装着された被装着体及び装着孔の内面間の隙間を被覆すべく用いられる。詳細については後述する。化粧枠１は、円筒部１１と、円筒部１１の一端から直交する方向に径方向両側に延設された対向部である鍔部１２とを備えている。なお、本実施の形態に係る化粧枠１は、射出成形により一体成形された樹脂製であり、耐衝撃性等の機械的強度が大であり、難燃性材料であるポリカーボネート樹脂製が望ましい。

　円筒部１１は、周方向の３カ所に軸長方向の全長に亘って径方向内側に凹ませてなる固定部１３，１３…を有している。該固定部１３，１３…の軸長方向に鍔部１２と逆側に延設された延設部１３ａ，１３ａ…には、貫通孔１３ｂ，１３ｂ…が夫々設けてある。

　円筒部１１の一端に設けられ、その中央に開口を有する円板状をなす鍔部１２は、円筒部１１側の一面１２ａが略平面に、他面１２ｂが径方向の内側から外側に向けて緩やかに傾斜する傾斜面になるように形成してある。円筒部１１及び鍔部１２間には、直角三角形状の複数（図において６つ）の補強板１４，１４…が円筒部１１及び鍔部１２夫々に直角をなし、周方向に等配をなして設けてある。該補強板１４，１４…により、取外し時に鍔部１２に加わる力により鍔部１２が変形することを防止することができる。なお、化粧枠１は、被装着体が装着される装着孔の縁部に鍔部１２の一面１２ａが離隔して対向するように、被装着体又は部材に取付けられる。この鍔部１２の形状及び寸法は、天井等の部材に開口された装着孔、該装着孔に装着された被装着体及び装着孔の内面間の隙間等に応じて適切に設定してある。

　また鍔部１２の他面１２ｂには、円筒部１１と略同一直径の環状の溝１２ｃが同心をなして設けてある。これは、化粧枠１を射出成形により製造する際に、溶融樹脂が固まる速度が肉厚に応じて異なることに起因して生じる凹みであるヒケが万一生じた場合に、該ヒケを目立たなくするためである。従って、溝１２ｃは、円筒部１１の形状に対応した形状であればよく、本実施の形態のように環状に限定されない。

　鍔部１２の一面１２ａの側の外周縁には、該一面１２ａに直交し、円筒部１１に平行をなして全周に亘って突設されてなる扁平な円筒状の被覆部である突設部１５が設けてある。突設部１５の径方向の厚みは、後述の如く、天井等の部材の装着孔に被装着体が装着されたときに、部材から受ける反作用力により変形しない程度の剛性を保ちつつ、装着孔の縁部近傍と対向する面積を確保すべく可能な限り薄い方が望ましい。なお、突設部１５の高さは、化粧枠１が用いられる天井等の部材の材質、部材に設けられる装着孔の孔径等に応じて適切に設定してある。

　突設部１５の天井と対向する面には、扁平な直方体状の凹状を有する複数（図において３つ）の切欠き部１５ｂ，１５ｂ…が、固定部１３，１３…と同一周方向位置に設けてある。なお、切欠き部１５ｂ，１５ｂ…の深さは、化粧枠１を部材に取付けた状態にて薄肉板状の工具を切欠き部１５ｂ，１５ｂ…に挿入することができる範囲内にて可能な限り浅くしてあり、例えば、０．５ｍｍである。切欠き部１５ｂ，１５ｂ…の突設部１５の周方向の長さは、工具の寸法を考慮して適切に設定してある。

　図４は、化粧枠１の切欠き部１５ｂ，１５ｂ…近傍の部分拡大外観斜視図であり、簡易化した概略図である。図１及び図４に示すように、鍔部１２の一面１２ａには、切欠き部１５ｂ，１５ｂ…に対応した部分、即ち切欠き部１５ｂ，１５ｂ…と同一周方向位置の切欠き部１５ｂ，１５ｂ…及び固定部１３，１３…間の鍔部１２の径方向の全長に亘って、補強部１６，１６…が夫々設けてある。補強部１６，１６…の上面は、切欠き部１５ｂ，１５ｂ…の底面と面一にしてある。

　図５は、実施の形態１に係る化粧枠１を備える照明装置１０の模式的外観斜視図である。図６は、照明装置１０の側面図であり、一部を部分断面にて示している。図７は、図６の VII－VII 矢視から見た図であり、一部を部分断面にて示している。図８は、図６のVIII－VIII矢視から見た図であり、一部を部分断面にて示している。

　図において１０ａは、照明装置本体である。照明装置本体１０ａは、アルミニウム等の金属製の放熱器２を備えている。放熱器２は、略円板状の伝熱板２１を有している。伝熱板の一面２１ａには、矩形板状の複数（図において１０個）の放熱板２２，２２…が平行をなして立設してある。伝熱板の一面２１ａには、これら複数の放熱板２２，２２…の略中央を通り、該複数の放熱板２２，２２…に直交するように連結板２３が立設してある。なお、連結板２３は、図７に示す如く、伝熱板２１の中央部を避けるように形成してあり、伝熱板２１の中央部には配線用の貫通孔２１ｃが設けてある。後述するＬＥＤモジュールを伝熱板２１の周方向に複数配設する照明装置においては、伝熱板２１の中央部に配線用の貫通孔２１ｃを設けることにより、ＬＥＤモジュールへの配線が容易となる。

　伝熱板２１の周縁部には、複数のネジ穴２１ｄ，２１ｄ…が設けてある。また、放熱器２の伝熱板２１の周縁部には、矩形板状の取付部２４，２４…が伝熱板２１の径方向に直交するように、周方向に３等配をなして立設してある。取付部２４，２４…は、複数の放熱板２２，２２…に夫々連設されて一体的に構成されており、一つの取付部２４が放熱板２２，２２…に直角をなして連設されるように配してある。取付部２４，２４…の外面２４ａ，２４ａ…は平面に形成してある。取付部２４には、ネジ穴２４ｂ，２４ｃが上下に並設してある。なお、本実施の形態において、放熱器２は、ダイキャストにより一体成形してあるが、これに限定されず、押出加工又は切削加工により形成してもよい。

　放熱器２の伝熱板２１の他面２１ｂには、図８に示す如く、光源としての複数（図において４つ）のＬＥＤモジュール３，３…が周方向に等配をなして取付けてある。ＬＥＤモジュール３，３…は、矩形のセラミック（例えば、酸化アルミニウム）基板３１，３１…と、該セラミック基板３１，３１…の一面の中央部に密集して実装された複数（例えば、３６個）のＬＥＤ素子及び該複数のＬＥＤ素子を封止し、蛍光体が分散された封止樹脂を有する発光部３２，３２…と、入力端子及び出力端子とを備えてなる。ＬＥＤモジュール３，３…の入力端子及び出力端子には、リード線３３，３３…が接続してある。なお、ＬＥＤモジュール３，３…と伝熱板２１との間には、熱伝導シート又はグリースを介装する方が望ましい。これらＬＥＤモジュール３，３…の点灯に伴い該ＬＥＤモジュール３，３…にて発生する熱は、放熱器２の伝熱板２１、放熱板２２，２２…及び連結板２３に伝達され、自然対流により外部へ放散されることになる。なお、放熱器２の表面は、黒色等にする方がふく射放熱の促進の観点から望ましい。

　放熱器２の伝熱板２１の他面２１ｂの側には、反射板４が設けてある。反射板４には、該反射板４を放熱器２に取付けたときにＬＥＤモジュール３，３…に対応する位置に、ＬＥＤモジュール３，３…を取り囲むように、略半球状の凹部を有する複数の反射部４１，４１…が形成してある。反射板４は、ステンレス等の金属、反射率の高い塗料を塗布された金属又は高全反射率（約９８％）及び高拡散反射率（約９５％）という光学特性を有する超微細発泡光反射材（例えば、ＭＣＰＥＴ（登録商標））、あるいは光散乱性の金属酸化物（例えば二酸化チタン）等の材料を充填した樹脂材料（例えばポリカーボネート）により形成されている。

　反射板４には、反射板４を放熱器２に取付けたときに伝熱板２１に設けられたネジ穴２１ｄ，２１ｄ…に対応する位置に、略円柱状の凹部を有する固定部４２，４２…が設けてある。また、反射板４の周縁には、周壁４３が立設してある。反射板４は、周壁４３の端面を伝熱板２１に当接させて、ネジ４５，４５…を反射板４の固定部４２，４２…に設けられた貫通孔に挿通させ、伝熱板２１に設けられたネジ穴２１ｄ，２１ｄ…に螺合させることにより放熱器２に固定してある。ＬＥＤモジュール３，３…からの光は、この反射板４の反射部４１，４１…にて反射されて、ＬＥＤモジュール３，３…の光軸となす角度が所定角度以下になる範囲に含まれることになる。この結果、照明機器の直下照度が強くなるように配光特性が制御された光が照明装置から出射されることになる。

　以上のように構成された照明装置本体１０ａの放熱器２の伝熱板２１の側には、前述した本発明に係る化粧枠１が設けてある。なお、固定部１３，１３…の貫通孔１３ｂ，１３ｂ…は、化粧枠１を放熱器２に取付けたときに放熱器２の取付部２４，２４…に設けられたネジ穴２４ｃ，２４ｃ…に対応する位置に夫々設けてある。この化粧枠１は、円筒部１１に反射板４を内嵌させて、固定部１３，１３…の延設部１３ａ，１３ａ…を放熱器２の取付部２４，２４…の外面２４ａ，２４ａ…に当接させた状態にて、ネジ１７，１７…を貫通孔１３ｂ，１３ｂ…に挿通させ、ネジ穴２４ｃ，２４ｃ…に螺合させることにより放熱器２に固定してある。化粧枠１の内側の鍔部１２の内面には、ＬＥＤモジュール３，３…を覆うように、円板状の樹脂製の透過板５が取付けてある。透過板５は、例えば、ポリカーボネート樹脂製である。

　また、放熱器２の伝熱板２１の側には、複数（図において３つ）の板ばね６，６…が設けてある。板ばね６は、ステンレス鋼等の金属製であり、細長い矩形板を屈曲させて、図６に示すようにＶ字状に形成してある。板ばね６の一側には、矩形板状の取付部６１が設けてある。屈曲部６２を挟んだ板ばね６の他側には、取付部６１の側に凸状に湾曲し、板ばね１の長手方向に沿う断面形状が円弧状である第１の押圧部６３及び第２の押圧部６４が連設してある。なお、第１の押圧部６３と第２の押圧部６４の湾曲の曲率半径は異なっており、第２の押圧部６４の曲率半径Ｒ２は第１の押圧部６３の曲率半径Ｒ１よりも大（Ｒ１＜Ｒ２）である。また、板ばね６の他側の端部には、第２の押圧部６４に連設された腕部６５の端部から該腕部６５に角度をなして取付部６１の逆側に折り曲げられてなる抜止部６６が設けてある。

　このような板ばね６，６…は、ネジ２５，２５…を板ばね６，６…の取付部６１，６１…に設けられた貫通孔に挿通させ、放熱器２の取付部２４，２４…に設けられたネジ穴２４ｂ，２４ｂ…に螺合させることにより、取付部２４，２４…の外面２４ａ，２４ａ…に板ばね６，６…の取付部６１，６１…を密着させた状態にて、周方向に３等配をなして放熱器２に固定してある。なお、放熱器２の取付部２４，２４…には前述した化粧枠１が固定部１３，１３…を当接させた状態にて固定してある。化粧枠１の切欠き部１５ｂ，１５ｂ…は、このように取付けられた板ばね６，６…と同一の周方向位置になるように設けてある。

　なお、抜止部６６は、板ばね６１の第１の押圧部６３及び第２の押圧部６４が天井に当接しない状態において、照明装置１０の落下を防止するために設けてある。また、放熱器２の外側の放熱板２２，２２には、貫通孔（図示せず）が夫々設けてある。該貫通孔には、ワイヤの一端がフック等により掛止される。ワイヤの他端は建屋の梁に固定されている。これにより、例えば、地震等の災害時に、抜止部６６が照明装置１０を保持できずに照明装置１０が天井に設けられた装着孔から脱落した場合に、照明装置１０が下まで落下することを防止することができる。なお、ワイヤだけでは脱落時の衝撃が大きすぎる場合は、間にひっぱりコイルばねを設けてもよい。

　放熱器２の外側から二枚目の放熱板２２，２２には、取付板７１，７１が夫々放熱板２２，２２と平行をなしてネジ７２，７２…により固定してある。取付板７１，７１の上部には、該取付板７１，７１に直角をなして円板７３が取付けてある。この円板７３により、照明装置本体１０ａ、特に放熱板２２，２２…の間に埃等の異物が入り込まないようにすることができると共に、断熱材により照明装置本体１０ａの上部を覆った場合に、放熱器２の放熱板２２，２２…及び連結板２３の表面から熱伝達により暖められた空気が外部に流出する通風路を確保することができる。また、この円板７３は、外部からの埃や上の階からの水滴等に対する保護としても有効に機能する。

　以上のように構成された照明装置１０は、透過板５の側を下側にして、天井に設けられた装着孔に板ばね６，６…を介して固定され、所謂ダウンライトとして用いられる。照明装置１０は、例えば、直径が１２５ｍｍである天井の装着孔に、照明装置本体１０ａと装着孔の内面とを適長離隔した状態にて天井に装着されている。図９は、天井に照明装置１０を装着した状態を示す図である。

　照明装置１０は、板ばね６，６…の腕部６５の側を照明装置本体１０ａの側に押し付けた状態にて、天井１１００に設けられた装着孔１１００ａに下側から挿入し、板ばね６，６…から手を離し照明装置本体１０ａをさらに押し込むことにより、図９に示す如く、天井１１００の装着孔１１００ａに固定される。より詳しくは、装着孔１１００ａへの装着時に照明装置本体１０ａの側に押し付けられ、弾性変形した板ばね６が、押付力の解除に伴い図６に示す自然状態に復帰しようとしたときに、板ばね６の第１の押圧部６３が円弧の略中央近傍にて装着孔１１００ａの上縁部に斜め上側から当接する。これにより、部材である天井１１００の設置面に対して垂直方向である下方向の分力が作用して天井１１００の上面１１００ｂが第１の押圧部６３により下方向に押圧されると共に、照明装置本体１０ａに上方向の分力が作用して天井１１００の下面１１００ｃが化粧枠１の鍔部１２の上面により上方向に押圧されることになる。この結果、照明装置１０は天井１１００を第１の押圧部６３及び、天井１１００との鍔部１２により挟持した状態にて天井１１００に固定されることになる。

　このように天井１１００に照明装置１０が固定されたとき、本実施の形態に係る化粧枠１を用いることにより、天井１１００の装着孔１１００ａの縁部に離隔して対向する対向部である化粧枠１の鍔部１２により、照明装置本体１０ａ及び装着孔１１００ａの内面間の隙間が被覆される。また、鍔部１２の上面１２ａは、天井の下面１１００ｃと適長離隔しており、これにより、装着孔１１００ａの縁部近傍にバリ、天井１１００の下面１１００ｃに貼られた化粧紙の剥離等が生じたときに、バリ、化粧紙の剥離等を隠すことができる。鍔部１２の上面１２ａ及び天井の下面１１００ｃ間の間隔が、鍔部１２の内縁側（円筒部１１の側）から外縁側（突設部１５の側）の広い範囲に亘って一定に保たれているから、バリ、化粧紙の剥離等が装着孔１１００ａの縁部のごく近傍に留まらない場合においても、バリ、化粧紙の剥離等を隠すことができる。また、化粧枠１の突設部１５が天井１１００との間に隙間を生じることなく略全周に亘って天井１１００の下面１１００ｃに当接してあるから、化粧枠１の外周縁に沿って濃淡の異なる影が生じることなく、設置状態での品位が損なわれず美観に資する。

　このように天井１１００に装着された照明装置１０は、ＬＥＤモジュール３，３…に、照明装置本体１０ａの外部に設けられた電源部を介して外部電源から電力が供給されるように構成してある。

　ＬＥＤモジュール３，３…には、伝熱板２１の中央部に設けられた貫通孔２１ｃを挿通させた複数（図において４つ）のリード線３３，３３…の一端が接続してある。該リード線３３，３３…の他端は、図７に示す如く、メスコネクタ８１に接続してある。メスコネクタ８１側のリード線３３，３３…は、保護チューブ８２により一本に纏められている。該保護チューブ８２の外周面には、金属製の保護スプリング８３が外嵌させてある。これにより、ネズミ等の害獣によりリード線３３，３３…が齧られることを防止することができる。

　扁平な直方体状のメスコネクタ８１は、後述するオスコネクタの凸部に嵌合可能な凹部を有する接続端子であり、カバー構成体であるコネクタカバー８４により保護される。図１０Ａ及び図１０Ｂは、コネクタカバー８４の外観図である。図１０Ａは、コネクタカバー８４の正面図を、図１０Ｂは図１０Ａの X－X 矢視から見た図である。

　コネクタカバー８４は、円筒部８４ａと、該円筒部８４ａの一側に連設され、円筒部８４ａよりも小さな直径を有する縮径部８４ｂと、円筒部８４ａの他側に連設され、円筒部８４ａよりも大きな直径を有する拡径部８４ｃとを有している。縮径部８４ｂは、保護チューブ８２及び保護スプリング８３の外径よりも大きな内径となるように形成してある。円筒部８４ａ及び拡径部８４ｃは、メスコネクタ８１を内部に収容可能なように形成してある。拡径部８４ｃには、略Ｌ字状に切欠かれた切欠き部８４ｄ，８４ｄが周方向に２等配をなして設けてある。

　図１１は、電源モジュールの外観図であり、一部を部分断面にて示している。電源モジュール９は、直方体状の外形を有する電源カバー９０と、該電源カバー９０の内部に収容され、トランス、抵抗、コンデンサ等の各種回路部品を有してなる電源部９１と、該電源部９１に接続された端子台９２と、該端子台９２を収容し、電源カバー９０の一側に外嵌される端子カバー９３とを備えてなる。

　電源モジュール９の電源部９１には、リード線９４，９４…の一端が接続してある。リード線９４，９４…の他端は、図１１に示す如く、オスコネクタ８６に接続してある。リード線９４，９４…は、保護チューブ８７により一本に纏められている。該保護チューブ８７の外周面には、金属製の保護スプリング８８が外嵌させてある。これにより、ネズミ等の害獣によりリード線９４，９４…が齧られることを防止することができる。

　扁平な直方体状のオスコネクタ８６は、複数（図において４つ）の凸部を有する接続端子であり、カバー構成体であるコネクタカバー８９により保護される。図１２Ａおよび図１２Ｂは、コネクタカバー８９の外観図である。図１２Ａは、コネクタカバー８９の正面図を、図１２Ｂは図１２Ａの XII－XII 矢視から見た図である。

　なお、コネクタのオス、メス形状又は方式は、仕様の異なる機種では異なるものとしてあり、これにより照明装置と電源モジュールとの組み合わせを混同する虞がなくなる。特に２機種のみのラインナップの場合は、Ａ機種照明装置の照明装置本体側のコネクタをオス形状に、電源モジュール側のコネクタをメス形状とし、Ｂ機種照明装置の照明装置本体側のコネクタをメス形状に、電源モジュール側のコネクタをオス形状とするだけでもよい。

　コネクタカバー８９は、円筒部８９ａと、該円筒部８９ａの一側に連設され、円筒部８９ａよりも小さな直径を有する縮径部８９ｂとを有している。縮径部８９ｂは、保護チューブ８７及び保護スプリング８８の外径よりも大きな内径となるように形成してある。円筒部８９ａは、オスコネクタ８６を内部に収容可能なように形成してある。また、円筒部８９ａには、半球状に突出する突出部８９ｃ，８９ｃが周方向に２等配をなして設けてある。突出部８９ｃ，８９ｃの直径は、切欠き部８４ｄ，８４ｄの最狭部分の間隔と同一になるように形成してある。

　図１３は、コネクタカバー８４，８９の嵌合状態を示す図である。電源モジュール９に接続されたオスコネクタ８６をＬＥＤモジュール３，３…に接続されたメスコネクタ８１に嵌合させることにより、照明装置本体１０ａの外部に設けられた電源部９１がリード線９４，９４…，３３，３３…を介してＬＥＤモジュール３，３…に接続されることになる。この後、図１３に示す如く、コネクタカバー８４の拡径部８４ｃにコネクタカバー８９を突出部８９ｃ，８９ｃが切欠き部８４ｄ，８４ｄに一致するように差し込み、相対回転させる。相対回転に伴い、切欠き部８４ｄ，８４ｄにより切り出された押圧片８４ｅ，８４ｅが突出部８９ｃ，８９ｃにより径方向外向きの力を受け、僅かに外側に撓み、この撓みに応じて、自然状態に復帰しようとする押圧片８４ｅ，８４ｅにより突出部８９ｃ，８９ｃに径方向内向きの力が作用するから、コネクタカバー８４とコネクタカバー８９とが一体化される。これにより、オスコネクタ８６及びメスコネクタ８１がコネクタカバー８４，８９の内部に収容されることになり、オスコネクタ８６及びメスコネクタ８１をネズミ等の害獣から保護することができる。

　このように天井１１００の装着孔１１００ａに装着された照明装置１０は、交換等により天井１１００から取外される。取外し作業は、切欠き部１５ｂ，１５ｂ…に薄肉板状の工具を挿入して力（例えば、照明装置の自重の２～３倍の力）を加えて、天井１１００との間に隙間（例えば、１ｍｍ程度）を生じさせ、さらに大きな下方向の力（例えば照明装置の自重の５～６倍の力）を加えて引き抜くことにより行われる。

　本実施の形態に係る化粧枠１を備える照明装置１０は、化粧枠１の突設部１５に、突設部１５の周方向の適長に亘って、扁平な直方体状の凹状を有する複数の切欠き部１５ｂ，１５ｂ…が形成してある。これにより、切欠き部１５ｂ，１５ｂ…に薄肉板状の工具を挿入して力を加えたときに、照明装置１０に十分な下方向の力を容易に加えることができ、天井１１００から照明装置を容易に取外すことができる。なお、切欠き部１５ｂ，１５ｂ…の深さは、化粧枠１を天井１１００に装着した状態にて薄肉板状の工具を切欠き部１５ｂ，１５ｂ…に挿入することができる範囲内にて可能な限り浅くしてあり、例えば、０．５ｍｍの深さに設定してある。従って、照明装置１０を天井１１００に装着したときに天井１１００との間に僅かな隙間しか生じないから、化粧枠１の外周縁に沿って生じる影の濃淡が殆ど変わらず、天井との間の隙間も生じないので美観を損ねずにすむ。

　また、補強部１６，１６…は、切欠き部１５ｂ，１５ｂ…に対応した部分、即ち切欠き部１５ｂ，１５ｂ…と同一周方向位置の切欠き部１５ｂ，１５ｂ…及び固定部１３，１３…間の鍔部１２の径方向の全長に亘って、補強部１６，１６…の上面が、切欠き部１５ｂ，１５ｂ…の底面と面一になるように鍔部１２の一面１２ａの側に設けてある。これにより、切欠き部１５ｂ，１５ｂ…に薄肉板状の工具を挿入して、力を加えたときに、補強部１６，１６…にも加えられた力が分散されることになるから、突設部１５の切欠き部１５ｂ，１５ｂ…を設けている部分及び該切欠き部１５ｂ，１５ｂ…近傍の鍔部１２が変形しないように補強することができる。

　また、化粧枠１の突設部１５に、照明装置１０を組み立てたときに板ばね６，６…と同一周方向位置になるように、切欠き部１５ｂ，１５ｂ…を設けている。これにより、切欠き部１５ｂ，１５ｂ…に挿入した薄肉板状の工具により板ばね６，６…の付勢力に抗して化粧枠１に加えられる力が、２つの板ばねの間に切欠き部を設けた場合と比較して小さくなるから、照明装置１０を天井１１００から容易に取外すことができる。

（実施の形態２）
　図１４は、実施の形態２に係る化粧枠１ａの部分拡大外観斜視図であり、簡易化した概略図である。突設部１５に設けられた切欠き部１５ｂ，１５ｂ…は、図１４に示す如く、開口側に向けて広がる傾斜面１５ｃ，１５ｃを両側に有している。その他の構成は、図４に示す実施の形態１と同様であるため、対応する構成部材に図４と同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。

　本実施の形態に係る化粧枠１ａを実施の形態１にて述べた照明装置本体１０ａに適用したときに、突設部１５の端面１５ａの一部に設けられた切欠き部１５ｂ，１５ｂ…に開口側に向けて広がる傾斜面１５ｃ，１５ｃを設けているから、切欠き部１５ｂ，１５ｂ…に薄肉板状の工具を挿入して力を加えて天井から一部を離隔させつつ、傾斜面１５ｃ，１５ｃに沿って工具をずらせて天井との隙間が生じる範囲を広げることにより、さらに容易に天井から照明装置を取外すことができる。

　なお、本実施の形態においては、傾斜面１５ｃ，１５ｃを切欠き部１５ｂ，１５ｂ…の底面から突設部１５の端面１５ａに向けて深さが直線的に減少する傾きが一定の傾斜面としたが、これに限定されず、傾斜面の傾きを切欠き部１５ｂ，１５ｂ…の底面から突設部１５の端面１５ａに向けて変化させてもよい。また、傾斜面に限定されず、工具を鍔部１２の周方向に移動させることが可能なように切欠き部１５ｂ，１５ｂ…の底面と端面１５ａとの間を形成してあればよい。

（実施の形態３）
　図１５は、実施の形態３に係る化粧枠１ｂの部分拡大外観斜視図であり、簡易化した概略図である。図１６は、化粧枠１ｂの切欠き部１５ｂ，１５ｂ…近傍における模式的部分断面図である。鍔部１２の一面１２ａには、切欠き部１５ｂ，１５ｂ…に対応した部分、即ち切欠き部１５ｂ，１５ｂ…と同一周方向位置の切欠き部１５ｂ，１５ｂ…及び固定部１３，１３…間の鍔部１２の径方向の適長に亘って、補強部１６ａ，１６ａ…が夫々設けてある。補強部１６ａ，１６ａは、切欠き部１５ｂ，１５ｂ…から鍔部１２の径方向に延設され、延設端が固定部１３，１３…の外面と適長離隔するように形成してある。補強部１６ａ，１６ａ…の上面は、切欠き部１５ｂ，１５ｂ…の底面と面一にしてある。

　補強部１６ａ，１６ａ…の延設端には、固定部１３，１３…と離隔して対向する矩形板状の突起１６ｂ，１６ｂ…が立設してある。なお、固定部１３，１３…及び突起１６ｂ，１６ｂ…間の間隔は、化粧枠１ｂを照明装置本体１０ａに取付けたときに、図中に二点鎖線にて示すように、固定部１３，１３…及び突起１６ｂ，１６ｂ…間に板ばね６，６…が位置するように設定してある。その他の構成は、図２及び４に示す実施の形態１と同様であるため、対応する構成部材に図２及び４と同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。

　本実施の形態に係る化粧枠１ｂを実施の形態１にて述べた照明装置本体１０ａに適用したときに、固定部１３，１３…と突起１６ｂ，１６ｂ…との間に板ばね６，６…が位置するから、切欠き部１５ｂ，１５ｂ…に薄肉板状の工具を挿入したときに、該工具が突起１６ｂ，１６ｂ…により所定の位置で工具の挿入が止められて移動を制限され、工具が板ばね６，６…まで到達することを避けることができる。これにより、工具に力を加えたときに板ばね６，６…が邪魔にならず、照明装置の取外し作業をスムーズに行うことができる。

　なお、本実施の形態において、突起１６ｂ，１６ｂ…を矩形板状に形成しているが、突起の形状はこれに限定されず、工具が板ばね近傍まで到達しないように工具の挿入を阻害する形状であればよい。

　なお、以上の実施の形態１乃至３に係る化粧枠においては、突設部１５に３つの切欠き部１５ｂ，１５ｂ…を鍔部１２の周方向に等配をなして設けているが、これに限定されない。切欠き部の数は、板ばねの数に応じて適宜設定される。切欠き部を設ける位置は、板ばねの近傍であればよく、板ばねと同一周方向位置に設ける必要はない。

　また、補強部を切欠き部の底面と面一になるように形成しているが、これに限定されない。

　さらに、化粧枠を照明装置本体１０ａに取付けているが、天井１１００等の部材に取付けるように構成してもよい。

（実施の形態４）
　以上の実施の形態１乃至３に係る化粧枠を備える照明装置は、電源の投入に伴い、電源部から整流された所定値の直流電流がＬＥＤモジュール等の光源に供給され、供給された電流に応じて光源が点灯する。一般に用いられている照明装置は、光源の光量を制御することにより照射面での明るさを変化させており、また、光源として発光色が異なる複数の光源を用い、該複数の光源の光量を夫々制御することにより、複数の光源からの光が照射される照射面での光色を変化させている。このような調光方法は、きめ細かい光量及び光色の変更を自動にて行うことが可能となる一方、構成及び制御が複雑になる。そこで、より簡易な構成にて調光が可能な照明装置が望まれている。

　図１７は、実施の形態４に係る化粧枠１ｃを用いた照明装置の模式的部分拡大断面図である。図１８は、照明装置の模式的部分拡大正面図である。なお、照明装置は、実施の形態１において述べた照明装置と同様に構成してある。

　化粧枠１ｃの鍔部１２の内縁部には、該鍔部１２と同心をなして円弧状のガイド孔１２ｄが約９０°に亘って設けてある。化粧枠１ｃのその他の構成は、図１６に示す実施の形態３と同様であるため、対応する構成部材に図３と同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。

　化粧枠１ｃの内側の鍔部１２の内面には、ＬＥＤモジュールを覆うように、樹脂製の透過板５ａが設けてある。透過板５ａは、凸状に湾曲された略円板形状を有している。透過板５ａの外周縁の一部には、透過板５ａに略直交し、透過板５ａの突出方向に延びる円柱状の突起５０ａが設けてある。

　透過板５ａは、突起５０ａを化粧枠１ｃに設けられた円弧状のガイド孔１２ｄに挿入して、図１７の如く、化粧枠１ｃに取付けられる。この透過板５ａの上側には、光学部材としての円板状のフィルタ５１が内嵌されている。図１９は、フィルタ５１の一例である。

　フィルタ５１は、着色されたポリカーボネート樹脂製であり、図１９に示す如く、周方向に色の濃淡を連続的に変化させてある。本実施の形態においては、９０°毎に周方向の色の濃淡の変化を繰り返すようにフィルタ５１を形成してある。このように９０°毎に色の濃淡の変化を繰り返すように構成しているのは、周方向に４等配してあるＬＥＤモジュールを光源として備える照明装置に適用しているためであり、繰り返し角度は、ＬＥＤモジュール等の光源の数、配置等に応じて適宜設定される。なお、フィルタ５１は、ポリカーボネート樹脂製に限定されず、アクリル樹脂等の他の樹脂でもよいし、ガラスでもよい。

　この構成において、突起５０ａを化粧枠１ｃに設けられたガイド孔１２ｄに沿って動かすことにより、突起５０ａが設けられた透過板５ａが回転し、この回転に伴い透過板５ａに内嵌されたフィルタ５１が一体的に回転する。ＬＥＤモジュールから出射される光は、フィルタ５１のＬＥＤモジュール直下の部分を主として透過するから、透過後の光の色の濃淡を、フィルタ５１の回転に応じて無段階に変化させることができる。

　なお、本実施の形態においては、周方向の色の濃淡を変化させるようにフィルタ５１を形成しているが、これに限定されない。例えば、周方向の色を連続的に変化させるようにフィルタを形成してもよい。この場合、フィルタの回転に応じてフィルタを透過する光の色がフィルタの色に応じて変化するから、照射面での光色を変化させることができる。また、一色に均一に着色したフィルタを用いてもよく、この場合、透過板を着色するよりも製造が容易であるという利点がある。

　また、周方向の透過率を高低に連続的に変化させるようにフィルタを形成してもよい。この場合、フィルタの回転に応じてフィルタを透過する光の量が変化するから、照射面での明るさを無段階に変化させることができる。また、周方向位置に応じて光の散乱の度合いを変化させてもよい。

　また、光源からの光の出射方向にあるガラス、水面等にて反射する光の量を減少させて光の映り込みを防止すべく、所定方向の光以外をカットする偏光フィルタを用いてもよい。また、異なるレンズやプリズムを周方向に配置してなるシートを用いることにより、光の出射方向を変えるようにしてもよい。

　また、本実施の形態においては、色の濃淡、色の種類、透過率の高低等を周方向に変化されるようにフィルタ５１を形成しているが、フィルタ５１ではなく透過板を周方向に色の濃淡等を変化させるように形成してもよいし、フィルタ及び透過板夫々を異なる特性を持たせるように形成してもよい。

　また、本実施の形態においては、化粧枠１ｃに設けられたガイド孔１２ｄに挿入する突起５０ａを透過板５ａに設けて、透過板５ａを回転させることによりフィルタ５１を回転させるように構成してあるが、これに限定されず、フィルタに突起を設けて、該突起を化粧枠１ｃに設けられたガイド孔１２ｄに挿入して、フィルタを直接回転させるように構成してもよい。

　なお、以上の実施の形態１乃至４においては、光源として複数のＬＥＤ素子が実装されてなるＬＥＤモジュール３，３…を用いているが、これに限定されず、高輝度のＬＥＤチップ、ＥＬ（Ｅｌｅｃｔｒｏ　Ｌｕｍｉｎｅｓｃｅｎｃｅ）、蛍光灯、電球等を用いてもよい。

　また、以上の実施の形態１乃至４においては、ダウンライトに化粧枠を取付けた例について述べたが、ダウンライトに限定されず、他のタイプの照明装置、照明装置以外の天井等の部材に設置される機器にも本発明に係る化粧枠は適用可能であり、その他、請求の範囲に記載した事項の範囲内において種々変更した形態にて実施することが可能であることは言うまでもない。

（実施の形態５）
　以上の実施の形態１乃至４に記載の照明装置１０の如く、天井等の部材に開口された装着孔に装着されるダウンライト等の照明装置においては、一般に、照明装置が床面まで落下することを防止すべく、前述したように、ワイヤとフックとを備える落下防止部材が設けてある。このような落下防止部材においては、照明装置等の被保持部材の落下が制限されたときに、該落下防止部材に加わる力がそのままフックに作用して、該フックの口が開いて被保持部材が床面まで落下して衝突してしまうという虞があった。落下防止部材と被保持部材との掛止が解除されることを防止して、被保持部材が床面まで落下することを防止することができるように構成された落下防止部材について以下述べる。

　図２０は、本発明の実施の形態５に係る落下防止部材の模式的平面図である。落下防止部材１０１は、天井等の高所に設置して用いられる装置（被保持部材）を天井裏の梁等の保持部材に保持して前記装置の落下を防止すべく用いられる。

　落下防止部材１０１は、被保持部材を掛止する掛止体であるフック１１１を備えている。フック１１１は、ステンレス鋼等の金属製であり、細長い矩形板を屈曲させて形成してある。フック１１１は、図２０に示すように、Ｊ字状に屈曲された掛止部１１１ａを有している。掛止部１１１ａの一側には、Ｃ字状に屈曲された連結部１１１ｂが連設してある。連結部１１１ｂには、矩形板状の押え部１１１ｃが連設してある。押え部１１１ｃの端部は、掛止部１１１ａに内側から当接させてある。

　フック１１１の連結部１１１ｂには、衝撃吸収手段であるコイルばね１１２が連結してある。図２１は、図２０の XXI－XXI 矢視から見たコイルばねの拡大図である。コイルばね１１２は、ステンレス鋼等の金属製であり、金属線を螺旋状に巻回してなるばね部１１２ａと、該ばね部１１２ａの両側に夫々設けられた環状の連結部１１２ｂ，１１２ｃとを有している。コイルばね１１２は、連結部１１２ｂにフック１１１の連結部１１１ｂを挿通させることによりフック１１１に連結してある。なお、連結部１１２ｂ，１１２ｃは、剛性を高くすべく、２巻きにしてある。また、これらの金属部材は必要に応じて熱処理が施される。

　コイルばね１１２は、被保持部材が設置場所から落下したときに、コイルばね１１２の振幅が自然長の約２倍になるように、及び振動回数が少ない回数に（好ましくは２，３回程度に）なるように設定してあることが望ましい。なお、コイルばね１１２は、弾性変形の範囲内にて用いるように設定してもよいし、塑性変形させるように設定してもよい。

　コイルばね１１２の連結部１１２ｃには、ステンレス鋼等の金属製のワイヤ１１３が連結してある。ワイヤ１１３は、一端の側をコイルばね１１２の連結部１１２ｃに挿通させ、環状にした状態にて円筒状のスリーブ１１４ａを被せて該スリーブ１１４ａを押し潰して形成された環状の連結部１１３ａにより、コイルばね１１２と連結してある。ワイヤ１１３の他端には、同様に環状にした状態にて円筒状のスリーブ１１４ｂを被せて該スリーブ１１４ｂを押し潰して形成された環状部１１３ｂが設けてある。なお、ワイヤ１１３の長さは、被保持部材の設置場所、該設置場所と保持部材との位置関係に応じて適切に設定してある。

　この落下防止部材１０１は、例えば、被保持部材が約１ｋｇであり、被保持部材の設置場所と保持部材との距離が約６００ｍｍである場合、以下のように設定する。ワイヤ１１３の連結部１１３ａ及び環状部１１３ｂ間の長さを約６００ｍｍに、ワイヤ１１３の強度を被保持部材が約６００ｍｍ自然落下した場合に殆ど塑性変形しない程度の剛性を有するようにする。また、コイルばね１１２の初張力が１ｋｇ以上になるようにする。

　このように構成された落下防止部材１０１は、ワイヤ１１３の環状部１１３ｂの側を天井裏の梁等の保持部材に引っ掛け、ワイヤ１１３の環状部１１３ｂに落下防止部材１０１を他側から通すことにより、特別な固定機構を設けることなく、簡単かつ確実に、さらに張力がかかればかかるほど強固に保持部材に固定される。そして、落下防止部材１０１は、他側に設けられたフック１１１の掛止部１１１ａにて被保持部材を掛止することにより、被保持部材を保持部材に保持することが可能となる。この状態にて、被保持部材が天井等の設置場所から落下したときに、落下防止部材１０１に被保持部材の位置エネルギに応じた力が作用する。この作用力により主としてコイルばね１１２が伸長し、該コイルばね１１２の特性に応じて決まる距離（以下、距離ｘと記す）にて被保持部材の落下が制限される。この距離ｘは、落下前の位置エネルギがすべてコイルばねの変形に変換されると考えれば、（２ｍｇｈ／ｋ）^0.5により求められる（ここで、ｍ：質量、ｇ：重力加速度、ｈ：落下高さ、ｋ：ばね定数である）。この被保持部材が床面に衝突しないように落下が制限されるときに、落下防止部材１０１に大きな力が作用するが、コイルばね１１２を被保持部材に応じて適切に設定することにより、被保持部材の落下が制限されるときに生じる衝撃を、コイルばね１１２の伸縮又は不可逆的変形に伴って消費されるエネルギとして吸収することができ、フック１１１に加わる力を小さくすることができる。この結果、フック１１１の掛止部１１１ａと押え部１１１ｃとが離隔して被保持部材とフック１１１との掛止が解除されることを防止することができ、被保持部材を保持部材に保持して被保持部材が床面まで落下することを防止することができる。

　また、ワイヤ１１３の他側にコイルばね１１２を設けているから、天井裏の梁等の保持部材に落下防止部材１０１を取付けるときに、コイルばね１１２が邪魔にならず、取付けが容易であり、またコイルばね１１２の状態（変形又は破損を含む）を室内側からも確認しやすい。また、コイルばね１１２を衝撃吸収手段として用いているから、コイルばね１１２のみという簡易な構成にて被保持部材の落下が制限されるときに生じる衝撃を吸収することができる。

　この落下防止部材１０１は、例えば、天井に開口された装着孔に装着されるダウンライト等の照明装置が床面まで落下することを防止すべく用いられる。以下、照明装置として、天井に設けられ、部屋を局所的に照明するダウンライトを例に説明する。図２２は、実施の形態５に係る落下防止部材１０１を備える照明装置１１０の外観斜視図である。図２３は、照明装置１１０の模式的側面図であり、一部を部分断面にて示している。

　図において１１０ａは、照明装置本体である。照明装置本体１１０ａは、アルミニウム等の金属製の放熱器１０２を備えている。放熱器１０２は、図２３に示すように、略円板状の伝熱板１２１を有している。伝熱板の一面１２１ａには、矩形板状の複数の放熱板１２２，１２２…が平行をなして立設してある。伝熱板の一面１２１ａには、これら複数の放熱板１２２，１２２…の略中央を通り、該複数の放熱板１２２，１２２…に直交するように連結板（図示せず）が立設してある。

　伝熱板１２１の周縁部には、複数のネジ穴１２１ｄ，１２１ｄ…が設けてある。また、放熱器１０２の伝熱板１２１の周縁部には、矩形板状の取付部１２３，１２３…が伝熱板１２１の径方向に直交するように、周方向に３等配をなして立設してある。取付部１２３，１２３…は、複数の放熱板１２２，１２２…に夫々連設されて一体的に構成されており、一つの取付部１２３が放熱板１２２，１２２…に直角をなして連設されるように配してある。取付部１２３，１２３…の外面１２３ａ，１２３ａ…は平面に形成してある。取付部１２３には、ネジ穴１２３ｂ，１２３ｃが上下に並設してある。なお、放熱器１０２は、ダイキャストにより一体成形してもよいし、切削加工により形成してもよい。また、押出加工による複数の部材を組み合わせて形成してもよい。

　放熱器１０２の伝熱板１２１の他面１２１ｂには、光源としての複数（図において６つ）のＬＥＤモジュール１０３，１０３…が周方向に等配をなして取付けてある。ＬＥＤモジュール１０３，１０３…は、矩形のセラミック（例えば、酸化アルミニウム）基板と、該セラミック基板の一面の中央部に密集して実装された複数（例えば、３６個）のＬＥＤ素子及び該複数のＬＥＤ素子を封止し、蛍光体が分散された封止樹脂を有する発光部と、入力端子及び出力端子とを備えてなる。なお、ＬＥＤモジュール１０３，１０３…と伝熱板１２１との間には、熱伝導シート又はグリースを介装する方が望ましい。これらＬＥＤモジュール１０３，１０３…の点灯に伴い該ＬＥＤモジュール１０３，１０３…にて発生する熱は、放熱器１０２の伝熱板１２１、放熱板１２２，１２２…及び連結板に伝達され、自然対流により外部へ放散されることになる。

　放熱器１０２の伝熱板１２１の他面１２１ｂの側には、反射板１０４が設けてある。反射板１０４には、該反射板１０４を放熱器１０２に取付けたときにＬＥＤモジュール１０３，１０３…に対応する位置に、ＬＥＤモジュール１０３，１０３…を取り囲むように、略半球状の凹部を有する複数の反射部１４１，１４１…が形成してある。反射板１０４は、ステンレス等の金属、反射率の高い塗料を塗布された金属又は高全反射率（約９８％）及び高拡散反射率（約９５％）という光学特性を有する超微細発泡光反射材（例えば、ＭＣＰＥＴ（登録商標））、あるいは光散乱性の金属酸化物（例えば二酸化チタン）等の材料を充填した樹脂材料（例えばポリカーボネート）により形成されている。

　反射板１０４には、反射板１０４を放熱器１０２に取付けたときに伝熱板１２１に設けられたネジ穴１２１ｄ，１２１ｄ…に対応する位置に、略円柱状の凹部を有する固定部１４２，１４２…が設けてある。また、反射板１０４の周縁には、周壁１４３が立設してある。反射板１０４は、周壁１４３の端面を伝熱板１２１に当接させて、ネジ１４５，１４５…を反射板１０４の固定部１４２，１４２…に設けられた貫通孔に挿通させ、伝熱板１２１に設けられたネジ穴１２１ｄ，１２１ｄ…に螺合させることにより放熱器１０２に固定してある。ＬＥＤモジュール１０３，１０３…からの光は、この反射板１０４の反射部１４１，１４１…にて反射されて、ＬＥＤモジュール１０３，１０３…の光軸となす角度が所定角度以下になる範囲に含まれることになる。この結果、照明装置１１０の直下照度が強くなるように配光特性が制御された光が照明装置１１０から出射されることになる。

　放熱器１０２の伝熱板１２１の側には、化粧枠１０５が設けてある。化粧枠１０５は、円筒部１５１と、円筒部１５１の一端から直交する方向に径方向に延設された環状の鍔部１５２とを有してなる。円筒部１５１には、周方向の３カ所から鍔部１５２の逆側に延設された延設部１５１ａ，１５１ａ…が設けてある。該延設部１５１ａ，１５１ａ…には、貫通孔１５１ｂ，１５１ｂ…が設けてある。なお、貫通孔１５１ｂ，１５１ｂ…は、化粧枠１０５を放熱器１０２に取付けたときに放熱器１０２の取付部１２３，１２３…に設けられたネジ穴１２３ｃ，１２３ｃ…に対応する位置に夫々設けてある。この化粧枠１０５は、円筒部１５１の他端の側に反射板１０４を内嵌させて、延設部１５１ａ，１５１ａ…を放熱器１０２の取付部１２３，１２３…の外面１２３ａ，１２３ａ…に当接させた状態にて、ネジ１５３，１５３…を貫通孔１５１ｂ，１５１ｂ…に挿通させ、ネジ穴１２３ｃ，１２３ｃ…に螺合させることにより放熱器１０２に固定してある。化粧枠１０５の鍔部１５２の内面には、ＬＥＤモジュール１０３，１０３…を覆うように、円板状の樹脂製の透過板１０６が取付けてある。透過板１０６は、例えば、ポリカーボネート樹脂製である。

　また、放熱器１０２には、複数の板ばね１０７，１０７…が設けてある。板ばね１０７は、ステンレス鋼等の金属製であり、細長い矩形板を屈曲させて、図２３に示すようにＶ字状に形成してある。板ばね１０７の一側には、矩形板状の取付部１７１が設けてある。屈曲部１７２を挟んだ板ばね１０７の他側には、取付部１７１の側に凸状に湾曲し、板ばね１０７の長手方向に沿う断面形状が円弧状である第１の押圧部１７３及び第２の押圧部１７４が連設してある。また、板ばね１０７の他側の端部には、第２の押圧部１７４に連設された腕部１７５の端部から該腕部１７５に角度をなして取付部１７１の逆側に折り曲げられてなる抜止部１７６が設けてある。

　このような板ばね１０７，１０７…は、ネジ１２４，１２４…を板ばね１０７，１０７…の取付部１７１，１７１…に設けられた貫通孔に挿通させ、放熱器１０２の取付部１２３，１２３…に設けられたネジ穴１２３ｂ，１２３ｂ…に螺合させることにより、取付部１２３，１２３…の外面１２３ａ，１２３ａ…に板ばね１０７，１０７…の取付部１７１，１７１…を密着させた状態にて、周方向に３等配をなして放熱器１０２に固定してある。なお、板ばね１０７の抜止部１７６は、板ばね１０７の第１の押圧部１７３及び第２の押圧部１７４が天井に当接しない状態において、照明装置１１０の落下を防止するために設けてある。

　また、放熱器１０２の外側の放熱板１２２，１２２には、掛止孔１２２ａ，１２２ａが夫々設けてある。放熱板１２２，１２２に設けられた掛止孔１２２ａ，１２２ａのいずれか一方には、前述した本発明に係る落下防止部材１０１が取付けられる。この落下防止部材１０１により、後述するように、照明装置１１０が床面まで落下することを防止することが可能となる。

　放熱器１０２の外側から二枚目の放熱板１２２，１２２には、取付板１８１，１８１が夫々放熱板１２２，１２２と平行をなしてネジ１８２，１８２…により固定してある。取付板１８１，１８１の上部には、該取付板１８１，１８１に直角をなして円板１８３が取付けてある。この円板１８３により、照明装置本体１１０ａ、特に放熱板１２２，１２２…の間に埃、水滴等の異物が入り込まないようにすることができ、放熱器１０２の放熱性能が低下することを抑制することができる。また、上の階からの水漏れ等により水滴が天井１１００に落下した場合において、照明装置本体１１０ａの内部に水滴が入ることを防止することができる。

　ここで、円板１８３について説明する。円板１８３は、放熱器１０２の放熱板１２２の間に埃、水滴等の異物が入り込まないように、放熱器１０２の上部に設けられているが、円板１８３の径は放熱器１０２の外周の径よりも小さく、照明装置本体１１０ａを上面側（ＬＥＤモジュール１０３，１０３…が取り付けられた側の反対の側）から見て放熱器１０２の外周の内側に円板１８３が位置するように設けられていることが好ましい。これにより、後述するように、天井に設けられた装着孔に照明装置本体１１０ａを天井の下側から挿入する場合に、円板１８３が装着孔の周面に接触することがないので、照明装置本体１１０ａを容易に天井に取り付けることが可能となる。

　また、照明装置本体１１０ａの外部には、トランス、抵抗、コンデンサ等の各種回路部品を備えてなる電源部（図示せず）が設けてある。電源部は、リード線（図示せず）及びコネクタ（図示せず）を介してＬＥＤモジュール１０３，１０３…と接続してある。コネクタを保護するコネクタカバー１９１は、オスコネクタ及びメスコネクタ夫々を内部に収容可能な第１カバー構成体１９１ａ及び第２カバー構成体１９１ｂを備えている。第１カバー構成体１９１ａと第２カバー構成体１９１ｂとを係合させて一体化することにより、コネクタがコネクタカバー１９１の内部に収容される。これにより、ネズミ等の害獣からコネクタを保護することができる。

　ＬＥＤモジュール１０３，１０３…及び第１カバー構成体１９１ａ間のリード線、第２カバー構成体１９１ｂ及び電源部間のリード線は、夫々保護チューブ１９２ａ，１９２ｂにより一本に纏められており、該保護チューブ１９２ａ，１９２ｂの外周面には、金属製の保護スプリング１９３ａ，１９３ｂが外嵌させてある。これにより、ネズミ等の害獣によりリード線が齧られることを防止することができる。

　以上のように構成された照明装置１１０は、透過板１０６の側を下側にして、天井１１００に設けられた装着孔１１００ａに板ばね１０７，１０７…を介して固定され、所謂ダウンライトとして用いられる。以下、照明装置１１０の取付手順について説明する。図２４Ａ乃至図２４Ｄは、照明装置本体１１０ａの天井１１００の装着孔１１００ａへの取付手順を説明する図である。

　まず、落下防止部材１０１のワイヤ１１３の環状部１１３ｂの側を保持部材である天井裏の梁１１０１に引っ掛け、ワイヤ１１３の環状部１１３ｂに落下防止部材１０１を他側から通すことにより、図２２に示すように、落下防止部材１０１を梁１１０１に固定する。次に、落下防止部材１０１のフック１１１を掛止孔１２２ａ，１２２ａのいずれか一方に引っ掛ける。これにより、落下防止部材１０１は、照明装置本体１１０ａを梁１１０１に懸吊することにより保持することが可能となる。この状態にて、板ばね１０７，１０７…の腕部１７５，１７５…の側を照明装置本体１１０ａの側に押し付けた状態にて、図２４Ａに示すように、天井１１００に設けられた装着孔１１００ａに天井１１００の下側から照明装置本体１１０ａを若干斜めにした状態にて、図中に白抜き矢符にて示すように挿入する。そして、図２４Ｂに示すように、装着孔１１００ａに放熱器１０２の上部に設けられた円板１８３を挿通させる。その後、図２４Ｃに示すように、板ばね１０７，１０７…から手を離して、照明装置本体１１０ａを図中に白抜き矢符にて示すように上方向に移動させ、装着孔１１００ａにさらに押し込む。この状態において、板ばね１０７，１０７…の弾性変形に応じて生じる付勢力により、板ばね１０７，１０７…の第１の押圧部１７３及び第２の押圧部１７４のいずれか一方が天井１１００の装着孔１１００ａの上縁部に斜め上側から押し付けられる。この結果、天井１１００に下方向の力が作用し、この反作用により化粧枠１０５が板ばね１０７，１０７…から上方向の力を受け、鍔部１５２の上面が天井１１００の下面に圧着することになり、図２４Ｄに示す如く、照明装置１１０が天井１１００の装着孔１１００ａに固定されることになる。

　このように固定された照明装置１１０は、例えば、地震等の災害時に、抜止部１７６，１７６…が照明装置本体１１０ａを保持できないことにより、又は天井１１００の破損により、天井１１００から脱落することがある。このときに、前述した如く、落下防止部材１０１のコイルばね１１２により、照明装置本体１１０ａが床面に衝突しないように落下が制限されるときに生じる衝撃を吸収することができるから、フック１１１に加わる力を小さくすることができる。この結果、コイルばね１１２のみという簡易な構成の衝撃吸収手段により、フック１１１の掛止部１１１ａと押え部１１１ｃとが離隔して照明装置本体１１０ａとフック１１１との掛止が解除されることを防止することができ、照明装置本体１１０ａを梁１１０１に懸吊することにより保持して照明装置本体１１０ａが床面まで落下することを防止することができる。

　また、本発明の照明装置１１０は軽量かつ小型であるＬＥＤを光源として用いており、アルミニウム製の放熱器１０２の照明装置１１０全体の重量に占める割合が大である。照明装置本体１１０ａを放熱器１０２に設けられた掛止孔１２２ａ，１２２ａにて落下防止部材１０１の掛止体１１１に掛止することにより、照明装置本体１１０ａを梁１１０１にワイヤ１１３にて懸吊して保持するようにしてあるから、懸吊時における照明装置本体１１０ａの揺動、破損等を抑制することができる。

（実施の形態６）
　図２５は、本発明の実施の形態６に係る落下防止部材の模式的平面図である。本実施の形態に係る落下防止部材１０１ａは、衝撃吸収手段として、衝撃吸収体であるコイルばね１１２，１１２を２つ備えてなる。落下防止部材１０１ａのワイヤ１１３の環状の連結部１１３ａとフック１１１の連結部１１１ｄとの間には、２つのコイルばね１１２，１１２が並列に連結してある。その他の構成は、図２０に示す実施の形態５と同様であるため、対応する構成部材に図２０と同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。

　このように構成された落下防止部材１０１ａは、前述した実施の形態５に係る落下防止部材１０１と同様に、落下防止部材１０１ａのコイルばね１１２，１１２により、被保持部材が床面に衝突しないように落下が制限されるときに生じる衝撃を吸収することができるから、フック１１１に加わる力を小さくすることができる。この結果、コイルばね１１２，１１２のみという簡易な構成の衝撃吸収手段により、フック１１１の掛止部１１１ａと押え部１１１ｃとが離隔して被保持部材とフック１１１との掛止が解除されることを防止することができ、被保持部材を保持部材に懸吊することにより保持して保持部材が床面まで落下することを防止することができる。

　２つのコイルばね１１２，１１２を並列に設けているから、一つが破損しても衝撃吸収手段として機能させることができる。また、例えば、コイルばね１１２，１１２に特性の異なるコイルばねを用いて、段階的にコイルばね１１２，１１２を衝撃吸収手段として機能させることにより、被保持部材の設置場所に応じて、落下防止部材１０１ａの衝撃吸収の度合いを適切に設定することが可能となる。

　本実施の形態に係る落下防止部材１０１ａは、実施の形態５に係る落下防止部材１０１と同様に、照明装置１１０に適用することができ、照明装置本体１１０ａとフック１１１との掛止が解除されることを防止して、照明装置本体１１０ａを梁１１０１に懸吊することにより保持して照明装置本体１１０ａが床面まで落下することを防止することができる。また、照明装置本体１１０ａを放熱器１０２に設けられた掛止孔１２２ａ，１２２ａにて落下防止部材１０１ａの掛止体１１１に掛止することにより、懸吊時における照明装置本体１１０ａの揺動、破損等を抑制することができる。

　なお、本実施の形態において、２つのコイルばね１１２，１１２を用いているが、２つに限定されず、３つ以上であってもよい。

（実施の形態７）
　図２６は、本発明の実施の形態７に係る落下防止部材の模式的平面図である。本実施の形態に係る落下防止部材１０１ｂは、衝撃吸収手段として、衝撃吸収体であるコイルばね１１２，１１２…を３つ備えてなる。落下防止部材１０１ｂのワイヤ１１３の環状の連結部１１３ａとフック１１１の連結部１１１ｂとの間には、３つのコイルばね１１２，１１２…が直列に連結してある。その他の構成は、図２０に示す実施の形態５と同様であるため、対応する構成部材に図２０と同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。

　このように構成された落下防止部材１０１ｂは、前述した実施の形態５に係る落下防止部材１０１と同様に、落下防止部材１０１ｂのコイルばね１１２，１１２…により、被保持部材が床面に衝突しないように落下が制限されるときに生じる衝撃を吸収することができるから、フック１１１に加わる力を小さくすることができる。この結果、コイルばね１１２，１１２…のみという簡易な構成の衝撃吸収手段により、フック１１１の掛止部１１１ａと押え部１１１ｃとが離隔して被保持部材とフック１１１との掛止が解除されることを防止することができ、被保持部材を保持部材に懸吊することにより保持して保持部材が床面まで落下することを防止することができる。

　３つのコイルばね１１２，１１２…を直列に設けているから、例えば、コイルばね１１２，１１２…に特性の異なるコイルばねを用いて、段階的にコイルばね１１２，１１２…を衝撃吸収手段として機能させることにより、被保持部材の設置場所に応じて、落下防止部材１０１ｂの衝撃吸収の度合いを適切に設定することが可能となる。

　本実施の形態に係る落下防止部材１０１ｂは、実施の形態５に係る落下防止部材１０１と同様に、照明装置に適用することができ、照明装置本体１１０ａとフック１１１との掛止が解除されることを防止して、照明装置本体１１０ａを梁１１０１に懸吊することにより保持して照明装置本体１１０ａが床面まで落下することを防止することができる。また、照明装置本体１１０ａを放熱器１０２に設けられた掛止孔１２２ａ，１２２ａにて落下防止部材１０１ｂの掛止体１１１に掛止することにより、懸吊時における照明装置本体１１０ａの揺動、破損等を抑制することができる。

　なお、本実施の形態において、３つのコイルばね１１２，１１２…を用いているが、３つに限定されず、２つでも４つ以上であってもよい。

　また、実施の形態６においては、複数のコイルばねを並列に設けており、実施の形態７においては、複数のコイルばねを直列に設けているが、これらを組み合わせてもよい。

（実施の形態８）
　以上の実施の形態においては、落下防止部材の衝撃吸収手段としてコイルばねを用いているが、衝撃吸収手段はコイルばねに限定されない。図２７は、他の衝撃吸収手段の模式図である。

　図において１１５は、矩形状のばね部１１５ａと、該ばね部１１５ａの両端に延設され、取付孔１１５ｃ，１１５ｃが設けられた三角形状の取付部１１５ｂ，１１５ｂとを有してなる板状のばねである。この板状のばね１１５は、ステンレス鋼等の金属製である。ばね部１１５ａには、図２７に示すように、板状のばね１１５の長手方向に直交する方向に複数のスリット１１５ｄ，１１５ｄ…が設けてある。この板状のばね１１５は、実施の形態５乃至７に係る落下防止部材のコイルばねに代えて用いられる。例えば、図２０に示す実施の形態５に係る落下防止部材において、板状のばね１１５は、コイルばね１１２に代えて、取付孔１１５ｃ，１１５ｃにフック１１１の連結部１１１ｂ及びワイヤ１１３の連結部１１３ａを夫々挿通させることにより、フック１１１及びワイヤ１１３に連結させて用いられる。

　この構成において、被保持部材の落下の制限に伴って落下防止部材に対して生じる衝撃に応じて、板状のばね１１５に力が作用する。図２８Ａ及び図２８Ｂは、板状のばね１１５の動作説明図である。図２８Ａは、落下防止部材に対して生じる衝撃が小さい場合を示しており、図２８Ｂは、落下防止部材に対して生じる衝撃が大きい場合を示している。

　板状のばね１１５に力が作用していない初期状態においては、図２７に示すように、ばね部１１５ａに設けられたスリット１１５ｄ，１１５ｄ…は閉じた状態である。被保持部材の落下の制限に伴って落下防止部材に対して生じる衝撃に応じて板状のばね１１５に力が作用したとき、ばね部１１５ａには、スリット１１５ｄ，１１５ｄ…が設けてあることにより取付部１１５ｂ，１１５ｂよりも大きな応力が生じる。この応力に応じて、ばね部１１５ａは伸長し、スリット１１５ｄ，１１５ｄ…が開いて、図２８Ａに示す状態となる。このときのばね部１１５ａの変形は弾性変形である。このため、板状のばね１１５に作用する力がなくなると、ばね部１１５ａは図２７に示す状態に戻る。さらに大きな力が板状のばね１１５に作用したとき、ばね部１１５ａはさらに伸長し、スリット１１５ｄ，１１５ｄ…が大きく開いて、図２８Ｂに示す状態となる。このときのばね部１１５ａの変形は塑性変形である。このため、板状のばね１１５に作用する力がなくなっても、ばね部１１５ａは図２７に示す状態には戻らない。

　このように、落下防止部材に対して生じる衝撃が小さい場合は、板状のばね１１５の弾性変形により衝撃を吸収する一方、落下防止部材に対して生じる衝撃が大きい場合は、板状のばね１１５の塑性変形により被保持部材の落下に伴う運動エネルギを積極的に消費して衝撃を吸収することができる。これにより、被保持部材が床面に衝突しないように落下が制限されるときに生じる衝撃を十分に吸収することができ、フック１１１に加わる力を小さくすることができる。この結果、板状のばね１１５のみという簡易な構成の衝撃吸収手段により、フック１１１の掛止部１１１ａと押え部１１１ｃとが離隔して被保持部材とフック１１１との掛止が解除されることを防止することができ、被保持部材を保持部材に懸吊することにより保持して保持部材が床面まで落下することを防止することができる。

　本実施の形態に係るばねを有する落下防止部材は、実施の形態５乃至７に係る落下防止部材と同様に、照明装置に適用することができ、照明装置本体１１０ａとフック１１１との掛止が解除されることを防止して、照明装置本体１１０ａを梁１１０１に懸吊することにより保持して照明装置本体１１０ａが床面まで落下することを防止することができる。また、照明装置本体１１０ａを放熱器１０２に設けられた掛止孔１２２ａ，１２２ａにて落下防止部材の掛止体１１１に掛止することにより、懸吊時における照明装置本体１１０ａの揺動、破損等を抑制することができる。

　本実施の形態においては、板状のばね１１５を一つのみを用いた場合を例に説明したが、これに限定されず、実施の形態６に係る落下防止部材の如く、複数のばねを並列に設けてもよいし、実施の形態７に係る落下防止部材の如く、複数のばねを直列に設けてもよいし、これらを組み合わせてもよい。

　なお、以上の実施の形態５乃至８においては、落下防止部材の衝撃吸収手段として、コイルばね又はその伸長方向に交叉する方向に複数のスリットが並設された板状のばねを用いているが、これらに限定されず、落下防止部材に対する衝撃を吸収することができる部材であればよい。また、衝撃吸収手段の材料として、記憶形状合金を用いてもよい。この場合、衝撃吸収手段が落下防止部材に対する衝撃を吸収して変形しても、形状が変形前の状態に戻るので、衝撃吸収手段を繰り返し使用することが可能となる。

　また、以上の実施の形態５乃至８においては、衝撃吸収手段とフックとを別体に形成しているが、一体形成してもよい。

　また、以上の実施の形態５乃至８に係るワイヤ及び／又は衝撃吸収手段の表面に樹脂をコーティングして、該樹脂の変形等により衝撃を吸収するようにしてもよい。

　また、以上の実施の形態５乃至８においては、落下防止部材のワイヤ、衝撃吸収手段及びフックを金属製としているが、これに限定されず、樹脂製であってもよく、また、ガラス繊維や炭素繊維を含んだ強化樹脂製でもよい。さらに、落下防止部材の途中にスイベル等のねじれ防止の機構を設けてもよい。

　また、以上の実施の形態５乃至８においては、保持部材として天井裏の梁を例示しているが、これに限定されず、保持部材は天井裏に設置される照明装置の電源部であってもよい。電源部は天井裏に配設されている電力線に接続されて固定されているので、被保持部材である照明装置本体と電源部との間を落下防止部材で接続することで、前述したような効果を得ることができる。

　このように電源部を保持部材として用いる場合に、落下防止部材として実施の形態５乃至８に係る落下防止部材を用いることができる。また、衝撃吸収部材としてワイヤを屈曲させて、ワイヤの屈曲部分の伸縮又は不可逆的変形により衝撃を吸収するように構成された屈曲ワイヤを有する落下防止部材を用いることができる。

　図２９は、落下防止部材として屈曲ワイヤを用いて照明装置本体１１０ａ及び電源部間を接続した例を示す図である。図において１１６は、ワイヤを屈曲させて、ワイヤの屈曲部分の伸縮又は不可逆的変形により衝撃を吸収するように構成された屈曲ワイヤである。コネクタカバー１９１の第１カバー構成体１９１ａ及び第２カバー構成体１９１ｂ、及び電源部１０９の電源カバーには、夫々ワイヤを挿通する挿通孔１９１ｃ，１９１ｄ，１０９ａが設けてある。一方の屈曲ワイヤ１１６は、屈曲ワイヤ１１６の一端及び他端の側を放熱器１０２の放熱板１２２に設けられた掛止孔１２２ａ及び第１カバー構成体１９１ａに設けられた挿通孔１９１ｃに夫々挿通させてスリーブ１１４ａ，１１４ａにより環状に形成された連結部１１６ａ，１１６ａにより、照明装置本体１１０ａの放熱器１０２とコネクタカバー１９１との間を接続している。他方の屈曲ワイヤ１１６は、屈曲ワイヤ１１６の一端及び他端の側を第２カバー構成体１９１ｂ及び電源部１０９の電源カバーに設けられた挿通孔１９１ｄ，１０９ａに夫々挿通させてスリーブ１１４ａ，１１４ａにより環状に形成された連結部１１６ａ，１１６ａにより、コネクタカバー１９１と電源部１０９との間を接続している。

　本構成とすることにより、照明装置本体１１０ａが天井の装着孔から落下しようとした場合であっても、屈曲ワイヤ１１６，１１６自体が衝撃吸収部材として作用して、照明装置が床面に衝突しないように懸吊して保持することができる。より詳細には、屈曲ワイヤ１１６，１１６の屈曲部分が伸びることによって、落下防止部材又は放熱器１０２、コネクタカバー１９１及び電源部１０９に取り付けられた落下防止部材の掛止部に加わる衝撃を吸収することができる。

　また、落下防止部材として屈曲ワイヤ１１６，１１６を用いた場合は、屈曲ワイヤ１１６，１１６は屈曲部を伸ばした長さが、照明装置本体１１０ａ、コネクタカバー１９１及び電源部１０９のそれぞれの間のケーブル１９２ａ，１９２ｂの長さよりも短いことが好ましい。よって、落下の際の衝撃がケーブル１９２ａ，１９２ｂに加わらないようにすることができる。なお、照明装置本体１１０ａと電源部１０９を屈曲ワイヤで直接接続していてもよい。

　また、実施の形態５乃至８においては、電源部とＬＥＤモジュール１０３，１０３…とを接続するリード線を保護する保護チューブ及び保護スプリングを設け、落下防止部材を別途設けている。前記リード線及び該リード線の保護部材を適切に設定することにより、落下防止部材を兼ねるように構成してもよい。この場合、リード線を一本に纏める保護チューブとして可撓性を有する部材、例えばスプリングケーブルを用い、該スプリングケーブルを所定の剛性を有するようにすればよい。

　また、実施の形態５乃至８においては、照明装置の光源として複数のＬＥＤ素子が実装されてなるＬＥＤモジュール１０３，１０３…を用いているが、これに限定されず、高輝度のＬＥＤチップ、ＥＬ（Ｅｌｅｃｔｒｏ　Ｌｕｍｉｎｅｓｃｅｎｃｅ）、蛍光灯、電球等を用いてもよい。

　また、実施の形態５乃至８においては、照明装置としてダウンライトを例に説明したが、これに限定されず、他のタイプの照明装置にも本発明に係る落下防止部材は適用可能である。例えば、天井に設けられ、部屋全体を照明する扁平な直方体形状を有するシーリングライトにも適用可能である。この場合、照明装置本体のうち最も重い部材に落下防止部材の掛止体を取付けることが好ましく、また照明装置本体の寸法に応じて複数箇所（例えば、照明装置本体の上面の４隅のうち対角線上の２箇所）に落下防止部材の掛止体を取付けることが好ましい。

　また、本発明は、照明装置に限定されず、照明装置以外の天井に設置される例えば空気調和装置や監視カメラ等の機器にも適用可能である。さらに、天井面に限定されず、壁面等の設置面に設置される照明装置等の機器に対しても同様に適用可能である。

　以上の実施の形態に記載の照明装置等の電気機器と該電気機器に電力を供給する電源とを接続する電力線の中途には、前述した如く、相互に接続されるコネクタが設けてあるのが一般的である。取付け及び取外しが容易な構成にてコネクタを保護することができるコネクタカバーについて以下詳述する。

（実施の形態９）
　図３０は、本発明の実施の形態９に係るコネクタカバー２０１の模式的外観斜視図である。コネクタを保護すべく、該コネクタを内部に収容するコネクタカバー２０１は、第１カバー構成体２０２と、該第１カバー構成体２０２に一部にて外嵌する第２カバー構成体２０３とを備えてなる。図３１Ａ及び図３１Ｂは、第１カバー構成体２０２の模式的外観図である。図３１Ａは正面図であり、図３１Ｂは図３１ＡのXXXI－XXXI線による矢視図である。図３２Ａ及び図３２Ｂは、第２カバー構成体２０３の模式的外観図である。図３２Ａは正面図であり、図３２Ｂは図３２Ａの XXXII－XXXII 線による矢視図である。

　第１カバー構成体２０２は、円筒形状を有し、コネクタの少なくとも一部を収容するとともに、一側端部にて第２カバー構成体２０３に嵌合する円筒部２２１と、該円筒部２２１の他側に連設され、コネクタが一端に設けられたリード線等の電力線又は該電力線の保護チューブを外嵌保持する保持部２２２とを備えている。なお、円筒部２２１と保持部２２２との連結部は、円筒部２２１から保持部２２２に向けて連続的に縮径してある。

　円筒部２２１には、図３１Ｂに示すように、半球状に突出する突起２２３，２２３が周方向に２等配をなして設けてある。なお、突起２２３，２２３は、以下に述べる第２カバー構成体２０３に設けられた係合手段に係合するように、適切な軸長方向長さＬになるようにしてある。

　円筒部２２１の一側に連設された保持部２２２は、円筒部２２１よりも小さい直径を有する円筒状である。なお、円筒部２２１の直径は、内部に収容されるコネクタの寸法に応じて、保持部２２２の直径は、電力線又は該電力線の保護チューブの径に応じて決定してある。

　第２カバー構成体２０３は、円筒形状を有し、一側端部にて第１カバー構成体２０２の円筒部２２１に外嵌する円筒部２３１と、該円筒部２３１の他側に連設され、コネクタの少なくとも一部を収容する収容部２３２と、該収容部２３２の円筒部２３１の逆側に連設され、コネクタが一端に設けられたリード線等の電力線又は該電力線の保護チューブを外嵌保持する保持部２３３とを備えている。なお、収容部２３２と保持部２３３との連結部は、収容部２３２から保持部２３３に向けて連続的に縮径してある。

　円筒部２３１の内径は、第１カバー構成体２０２の円筒部２２１の外径よりも大となるようにしてある。円筒部２３１の端縁には、図３２Ａに示すように、その一端が円筒部２３１の端部に開口させてある略Ｌ字状の切欠き部２３４，２３４が周方向に２等配をなして設けてある。切欠き部２３４，２３４は、一辺が円筒部２３１の軸長方向に、他辺が円筒部２３１の端縁に離隔して周方向に沿うように形成してある。切欠き部２３４，２３４には、他の部分の幅Ｗよりも狭い幅Ｗs を有する狭窄部２３４ａ，２３４ａが設けてある（Ｗs ＜Ｗ）。切欠き部２３４，２３４の狭窄部２３４ａ，２３４ａの幅Ｗs は、突起２２３，２２３の軸長方向長さＬよりも僅かに小さくなるようにしてある（Ｗs ＜Ｌ）。なお、突起２２３，２２３の軸長方向長さＬは、切欠き部２３４，２３４の他の部分の幅Ｗよりも小さくなるようにしてある（Ｌ＜Ｗ）。

　この切欠き部２３４，２３４により、第１カバー構成体２０２に設けられた突起２２３，２２３と係合する係合片２３５，２３５が形成してある。係合片２３５，２３５は、切欠き部２３４，２３４の狭窄部２３４ａ，２３４ａにより形成され、軸長方向に突出する凸部２３５ａ，２３５ａを有している。なお、切欠き部２３４，２３４は、切削加工により形成してもよいし、一体成形により形成してもよい。

　円筒部２３１の他側に連設された収容部２３２は、円筒部２３１よりも小さい直径を有する円筒状である。収容部２３２の円筒部２３１との逆側に連設された保持部２３３は、収容部２３１よりも小さい直径を有する円筒状である。なお、収容部２３２の直径は、内部に収容されるコネクタの寸法に応じて、保持部２３３の直径は、電力線又は該電力線の保護チューブの径に応じて決定してある。

　図３３Ａ及び図３３Ｂは、第１カバー構成体２０２と第２カバー構成体２０３とを固定するコネクタカバー２０１の固定手順の説明図である。まず、第１カバー構成体２０２の突起２２３，２２３と第２カバー構成体２０３の切欠き部２３４，２３４との周方向位置を一致させ、突起２２３，２２３が切欠き部２３４，２３４に沿って移動するように該切欠き部２３４，２３４をガイドとして、図３３Ａに白抜き矢符にて示すように、第２カバー構成体２０３の円筒部２３１に、第１カバー構成体２０２を円筒部２２１の側から差し込む。

　次に、図３３Ｂに白抜き矢符にて示すように、突起２２３，２２３が切欠き部２３４，２３４に沿って移動するように該切欠き部２３４，２３４をガイドとして、第１カバー構成体２０２を第２カバー構成体２０３に対して相対回転させる。この相対回転により、第１カバー構成体２０２の突起２２３，２２３が第２カバー構成体２０３の切欠き部２３４，２３４の狭窄部２３４ａ，２３４ａに達したとき、係合片２３５，２３５の凸部２３５ａ，２３５ａと突起２２３，２２３とが当接する。このとき凸部２３５ａ，２３５ａが突起２２３，２２３から当接面に直交する方向の力（径方向外向きの分力を含む）を受け、図３３Ｂに示すように、係合片２３５，２３５が当接面に直交する方向に弾性変形する。このとき、突起２２３，２２３には、逆作用として当接面に直交する逆方向の力（径方向内向きの分力を含む）が働く。

　さらに、この力に逆らって第１カバー構成体２０２を第２カバー構成体２０３に対して相対回転させる。第１カバー構成体２０２の突起２２３，２２３が第２カバー構成体２０３の切欠き部２３４，２３４の狭窄部２３４ａ，２３４ａを通過したとき、係合片２３５，２３５の凸部２３５ａ，２３５ａに作用していた力がなくなるから、図３０に示すように、係合片２３５，２３５は自然状態に復帰して第１，第２カバー構成体２０２，２０３が一体化される。狭窄部２３４ａ，２３４ａの通過時に係合片２３５，２３５を弾性変形させるために所定の力が必要となるから、コネクタカバー２０１は、第１，第２カバー構成体２０２，２０３間の係合が解除されないように固定されることになる。

　以上のように構成された実施の形態９に係るコネクタカバー２０１は、第１カバー構成体２０２の円筒部２２１に、第２カバー構成体２０３の円筒部２３１の側に突出する突起２２３，２２３を設け、第２カバー構成体２０３の円筒部２３１の端縁に、可撓性を有し、突起２２３，２２３に係合する係合片２３５，２３５を設けて、第１，第２カバー構成体２０２，２０３を円筒部２２１，２３１にて相対移動及び相対回転させて、突起２２３，２２３と係合片２３５，２３５との係合／係合解除をすることより第１，第２カバー構成体２０２，２０３間の係合／係合解除をするように構成してある。これにより、第１，第２カバー構成体２０２，２０３を相対移動及び相対回転させるという容易な動作にて、取付け及び取外しを容易に行うことができるとともに、内部に収容されるコネクタを鼠等の害獣が齧らないように、また塵埃等の異物が付着しないように保護することができる。さらには、万が一コネクタ部で発火した場合、周囲への延焼を防止することができる。

　また、第１，第２カバー構成体２０２，２０３を相対移動及び相対回転させて、突起２２３，２２３を略Ｌ字状の切欠き部２３４，２３４に沿って移動させ、狭窄部２３４ａ，２３４ａの通過時に係合片２３５，２３５を弾性変形させるようにしてあるから、狭窄部２３４ａ，２３４ａの通過時に係合片２３５，２３５を弾性変形させるために所定の力が必要となり、第１，第２カバー構成体２０２，２０３間の係合が解除されないように固定することができる。

　内側の第１カバー構成体２０２の円筒部２２１に第２カバー構成体２０３の円筒部２３１の側に突出する突起２２３，２２３を、外側の第２カバー構成体２０３の円筒部２３１に係合片２３５，２３５を設けているから、突起２２３，２２３と係合片２３５，２３５の係合状態を視認しつつ第１，第２カバー構成体２０２，２０３間の係合／係合解除をすることができ、取付け及び取外しの作業がより容易となる。

　なお、本実施の形態においては、内側の第１カバー構成体２０２の円筒部２２１に第２カバー構成体２０３の円筒部２３１の側（外側）に突出する突起２２３，２２３を、外側の第２カバー構成体２０３の円筒部２３１に係合片２３５，２３５を設けているが、これに限定されず、逆にしてもよい。即ち、内側の第１カバー構成体の円筒部に係合片を、外側の第２カバー構成体の円筒部に第１カバー構成体の円筒部の側（内側）に突出する突起を設けてもよい。この場合、コネクタカバー２０１の表面に凹凸がなく、外観が良好となる。また、係合手段が外部に曝されていないから、塵埃等の異物が付着せず、長期間経たのちの取外し作業も支障なく行うことができる。

　このコネクタカバー２０１は、例えば、天井に開口された装着孔に取付けられるダウンライト等の照明装置と電源とを接続するコネクタを保護すべく用いられる。以下、照明装置として、天井に設けられ、部屋を局所的に照明するダウンライトを例に説明する。図３４は、実施の形態９に係るコネクタカバー２０１を備える照明装置１１０の外観斜視図である。図３５は、照明装置１１０の模式的側面図であり、一部を部分断面にて示している。図３６は、図３５の XXXVI－XXXVI 線による矢視図であり、一部を部分断面にて示している。

　図において２０４は、アルミニウム等の金属製の放熱器である。放熱器２０４は、図３５に示すように、略円板状の伝熱板２４１を有している。伝熱板２４１の一面２４１ａには、矩形板状の複数の放熱板２４２，２４２…が平行をなして立設してある。伝熱板２４１の一面２４１ａには、これら複数の放熱板２４２，２４２…の略中央を通り、該複数の放熱板２４２，２４２…に直交するように連結板２４３が立設してある。なお、連結板２４３は、図３６に示す如く、伝熱板２４１の中央部を避けるように形成してあり、伝熱板２４１の中央部には配線用の貫通孔２４１ｃが設けてある。

　放熱器２０４の伝熱板２４１の周縁部には、矩形板状の固定部２４４，２４４…が伝熱板２４１の径方向に直交するように、周方向に３等配をなして立設してある。固定部２４４，２４４…は、複数の放熱板２４２，２４２…に夫々連設されて一体的に構成されており、一つの固定部２４４が放熱板２４２，２４２…に直角をなして連設されるように配してある。

　放熱器２０４の伝熱板２４１の他面２４１ｂには、光源としての複数（図において６つ）のＬＥＤモジュール２０５，２０５…が周方向に等配をなして取付けてある。ＬＥＤモジュール２０５は、矩形のセラミック（例えば、酸化アルミニウム）基板の一面の中央部に密集して実装された複数のＬＥＤ素子を、蛍光体が分散された封止樹脂により封止してなる。なお、ＬＥＤモジュール２０５，２０５…と伝熱板２４１との間には、熱伝導シート又はグリースが介装してある。これらＬＥＤモジュール２０５，２０５…の点灯に伴い該ＬＥＤモジュール２０５，２０５…にて発生する熱は、放熱器２０４の伝熱板２４１、放熱板２４２，２４２…及び連結板に伝達され、自然対流により外部へ放散されることになる。

　放熱器２０４の伝熱板２４１の他面２４１ｂの側には、反射板２０６が設けてある。反射板２０６には、該反射板２０６を放熱器２０４に取付けたときにＬＥＤモジュール２０５，２０５…に対応する位置に、ＬＥＤモジュール２０５，２０５…を取り囲むように、略半球状の凹部を有する複数の反射部２６１，２６１…が形成してある。

　反射板２０６の周縁部には、略円柱状の凹部２６２，２６２…が設けてある。また、反射板２０６の周縁には、周壁２６３が立設してあり、反射板２０６は周壁２６３の端面を伝熱板２４１に当接させて、ネジ２６５，２６５…を反射板２０６の凹部２６２，２６２…に設けられた貫通孔に挿通させ、伝熱板２４１に設けられたネジ穴に螺合させることにより放熱器２０４に固定してある。ＬＥＤモジュール２０５，２０５…からの光は、この反射板２０６の反射部２６１，２６１…にて反射されて、ＬＥＤモジュール２０５，２０５…の光軸となす角度が所定角度以下になる範囲に含まれることになる。この結果、照明装置２１０の直下照度が強くなるように配光特性が制御された光が照明装置２１０から出射されることになる。

　放熱器２０４の伝熱板２４１の側には、化粧枠２０７が設けてある。化粧枠２０７は、円筒部２７１と、円筒部２７１の一端から直交する方向に径方向に延設された環状の鍔部２７２とを有してなる。円筒部２７１には、周方向の３カ所から鍔部２７２の逆側に延設された延設部２７１ａ，２７１ａ…が設けてある。

　この化粧枠２０７は、円筒部２７１の他端の側に反射板２０６を内嵌させて、延設部２７１ａ，２７１ａ…を放熱器２０４の固定部２４４，２４４…に当接させた状態にて、ネジ２７３，２７３…を延設部２７１ａ，２７１ａ…に設けられた貫通孔に挿通させ、放熱器２０４の固定部２４４，２４４…に設けられたネジ穴に螺合させることにより放熱器２０４に固定してある。化粧枠２０７の鍔部２７２の内面には、ＬＥＤモジュール２０５，２０５…を覆うように、円板状の樹脂製の透過板２７０が取付けてある。透過板２７０は、例えば、ポリカーボネート樹脂製である。

　また、放熱器２０４には、複数の板ばね２７５，２７５…が設けてある。板ばね２７５は、ステンレス鋼等の金属製であり、細長い矩形板を屈曲させて、図３５に示すようにＶ字状に形成してある。板ばね２７５の一側には、矩形板状の固定部２７５ａが設けてある。屈曲部２７５ｂを挟んだ板ばね２７５の他側には、固定部２７５ａの側に凸状に湾曲し、板ばね２７５の長手方向に沿う断面形状が円弧状である第１の押圧部２７５ｃ及び第２の押圧部２７５ｄが連設してある。また、板ばね２７５の他側の端部には、第２の押圧部２７５ｄに連設された腕部の端部から該腕部に角度をなして固定部２７５ａの逆側に折り曲げられてなる抜止部２７５ｅが設けてある。なお、抜止部２７５ｅは、板ばね２７５の第１の押圧部２７５ｃ及び第２の押圧部２７５ｄが天井に当接しない状態において、照明装置２１０の落下を防止するために設けてある。

　このような板ばね２７５，２７５…は、ネジ２４５，２４５…を板ばね２７５，２７５…の固定部２７５ａ，２７５ａ…に設けられた貫通孔に挿通させ、放熱器２０４の固定部２４４，２４４…に設けられたネジ穴に螺合させることにより、固定部２４４，２４４…に板ばね２７５，２７５…の固定部２７５ａ，２７５ａ…を密着させた状態にて、周方向に３等配をなして放熱器２０４に固定してある。

　放熱器２０４の外側から二枚目の放熱板２４２，２４２には、取付板２７７，２７７が夫々放熱板２４２，２４２と平行をなしてネジ２７８，２７８…により固定してある。取付板２７７，２７７の上部には、該取付板２７７，２７７に直角をなして円板２７９が取付けてある。この円板２７９は、照明装置本体２１０ａ、特に放熱板２４２，２４２…の間に埃、水滴等の異物が入り込むことを防止すべく設けてある。

　以上のように構成された照明装置２１０は、透過板２７０の側を下側にして、板ばね２７５，２７５…の抜止部２７５ｅの側を照明装置本体２１０ａの側に押し付けた状態にて、図３４中に二点鎖線にて示す天井１１００に設けられた装着孔１１００ａに下側から挿入し、板ばね２７５，２７５…から手を離し照明装置本体２１０ａをさらに押し込むことにより、天井１１００に設けられた装着孔１１００ａに板ばね２７５，２７５…を介して固定され、所謂ダウンライトとして用いられる。

　この照明装置２１０は、ＬＥＤモジュール２０５，２０５…に、照明装置本体２１０ａの外部に設けられた電源モジュールに設けられた電源部を介して外部電源から電力が供給されるように構成してある。

　図３７は、電源モジュールの外観図であり、一部を部分断面にて示している。電源モジュール２０９は、直方体状の外形を有する電源カバー２９０と、該電源カバー２９０の内部に収容され、トランス、抵抗、コンデンサ等の各種回路部品を有してなる電源部２９１と、該電源部２９１に接続された端子台２９２と、該端子台２９２を収容し、電源カバー２９０の一側に外嵌される端子カバー２９３とを備えてなる。

　電源モジュール２０９の電源部２９１には、電力線であるリード線２９４，２９４…の一端が接続してある。リード線２９４，２９４…の他端は、図３７に示す如く、第１コネクタであるメスコネクタ２８１に接続してある。メスコネクタ２８１は、扁平な直方体形状を有し、複数（図において４つ）の凹部を有する接続端子である。リード線２９４，２９４…は、保護チューブ２８２により一本に纏められており、該保護チューブ２８２の外周面には、金属製の保護スプリング２８３が外嵌させてある。これらの保護チューブ２８２及び保護スプリング２８３は、鼠等の害獣によりリード線２９４，２９４…が齧られることを防止すべく設けてある。

　一方、ＬＥＤモジュール２０５，２０５…には、伝熱板２４１の中央部に設けられた貫通孔２４１ｃを挿通させた複数のリード線２５１，２５１…の一端が接続してある。リード線２５１，２５１…の他端は、図３６に示す如く、第２コネクタであるオスコネクタ２８６に接続してある。オスコネクタ２８６は、扁平な直方体形状を有し、メスコネクタ２８１の凹部に嵌合可能な凸部を有する接続端子である。オスコネクタ２８６側のリード線２５１，２５１…は、保護チューブ２８７により一本に纏められており、該保護チューブ２８７の外周面には、金属製の保護スプリング２８８が外嵌させてある。これらの保護チューブ２８７及び保護スプリング２８８は、鼠等の害獣によりリード線２５１，２５１…が齧られることを防止すべく設けてある。

　このようなメスコネクタ２８１及びオスコネクタ２８６には、本発明に係るコネクタカバー２０１の第１カバー構成体２０２及び第２カバー構成体２０３が夫々設けてある。第１カバー構成体２０２は、図３７に示すように、円筒部２２１の側がメスコネクタ２８１に、保持部２２２の側が電源モジュール２０９に接続されるリード線２９４，２９４…の一端の側になるように、保護チューブ２８２及び保護スプリング２８３を内部に挿通させて、メスコネクタ２８１の少なくとも一部を内部に収容可能なように設けてある。なお、保護チューブ２８２の両端には、リード線及び保護チューブ２８２を結束する結束バンド２８４，２８４（所謂インシュロック）が取付けてある。これらの結束バンド２８４，２８４は、電源カバー２９０及び第１カバー構成体２０２の内部に夫々設けてあり、保護チューブ２８２が電源カバー２９０及び第１カバー構成体２０２から抜け出るのを防いでいる。

　第２カバー構成体２０３は、図３６に示すように、円筒部２３１の側がオスコネクタ２８６に、保持部２３３の側がＬＥＤモジュール２０５，２０５…に接続されるリード線２５１，２５１…の一端の側になるように、保護チューブ２８７及び保護スプリング２８８を内部に挿通させて、オスコネクタ２８６の少なくとも一部を内部に収容可能なように設けてある。なお、保護チューブ２８７の両端には、リード線及び保護チューブ２８７を結束する結束バンド２８９，２８９（所謂インシュロック）が取付けてある。オスコネクタ２８６の側の結束バンド２８９は、第２カバー構成体２０３の内部に収容されるように設けてあり、保護チューブ２８７が第２カバー構成体２０３から抜け出るのを防いでいる。

　電源モジュール２０９に接続されたメスコネクタ２８１とＬＥＤモジュール２０５，２０５…に接続されたオスコネクタ２８６とを嵌合させる。この結果、照明装置本体２１０ａの外部に設けられた電源部２９１がリード線２９４，２９４…，２５１，２５１…を介してＬＥＤモジュール２０５，２０５…に接続されることになる。この後、前述した如く、コネクタカバー２０１の第１カバー構成体２０２の円筒部２２１を第２カバー構成体２０３の円筒部２３１に差し込み、係合手段である突起２２３，２２３及び係合片２３５，２３５を係合させることにより、コネクタカバー２０１を一体化させる。なお、第１カバー構成体２０２及び第２カバー構成体２０３は、相互に接続された状態のメスコネクタ２８１及びオスコネクタ２８６を内部に収容可能なように、適切に形成してある。

　以上により、メスコネクタ２８１及びオスコネクタ２８６がコネクタカバー２０１の内部に収容されることになり、鼠等の害獣が齧らないように、また塵埃等の異物が付着しないように、メスコネクタ２８１及びオスコネクタ２８６を保護することができ、さらには、万が一コネクタ部で発火した場合、周囲への延焼を防止することができるので、これに起因した照明装置の故障、感電等の不具合および火災を防止することができる。

　また、前述した第１，第２カバー構成体２０２，２０３を相対移動及び相対回転させる作業は、片手にて可能な容易な作業であるから、前述した照明装置２１０のように、天井に設けられた装着孔に設置し、天井の裏側に電力線及びコネクタを設ける照明装置の場合は特に、照明装置の取付け及び取外しの作業性の向上に資する。

（実施の形態１０）
　実施の形態９に係るコネクタカバー２０１は、照明装置本体２１０ａと別体に構成してあるが、コネクタカバーを照明装置本体と一体的に構成することも可能である。図３８は、コネクタカバーと照明装置本体とを一体的に構成した例を示す図である。

　放熱器２０４の伝熱板２４１に立設された３枚の放熱板２４２，２４２…には、図３８に示すように、円筒状の円筒部２３６を有する第２カバー構成体２０３ａが一体的に設けてある。この円筒部２３６には、実施の形態９に係るコネクタカバー２０１の第２カバー構成体２０３と同様に、切欠き部２３４，２３４及び係合片２３５，２３５が設けてある。その他の構成は、図３０乃至図３７に示す実施の形態９と同様であるため、対応する構成部材に同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。

　この構成において、まず、メスコネクタ２８１とオスコネクタ２８６とを接続する。次に、実施の形態９において述べたコネクタカバー２０１と同様に、第１カバー構成体２０２の円筒部２２１を第２カバー構成体２０３ａの円筒部２３６に差し込み、係合手段である突起２２３，２２３及び係合片２３５，２３５を係合させることにより、第１カバー構成体２０２と第２カバー構成体２０３ａとを一体化する。

　以上により、メスコネクタ２８１及びオスコネクタ２８６がコネクタカバーの内部に収容されることになり、鼠等の害獣が齧らないように、また塵埃等の異物が付着しないように、メスコネクタ２８１及びオスコネクタ２８６を保護することができ、さらには、万が一コネクタ部で発火した場合、周囲への延焼を防止することができるので、これに起因した照明装置の故障、感電等の不具合および火災を防止することができる。

　また、第１，第２カバー構成体２０２，２０３ａを相対移動及び相対回転させる作業は、片手にて可能な容易な作業であるから、天井に設けられた装着孔に設置し、天井の裏側に電力線及びコネクタを設ける照明装置の場合は特に、照明装置の取付け及び取外しの作業性の向上に資する。

　なお、本実施の形態においては、第２カバー構成体２０３ａの円筒部２３６に係合片２３５，２３５を設けているが、これに限定されず、逆にしてもよい。即ち、内側の第１カバー構成体の円筒部に係合片を、外側の第２カバー構成体の円筒部に第１カバー構成体の円筒部の側（内側）に突出する突起を設けてもよい。この場合、コネクタカバーの表面に凹凸がなく、外観が良好となる。また、係合手段が外部に曝されていないから、塵埃等の異物が付着せず、長期間経たのちの取外し作業も支障なく行うことができる。

　なお、係合片及び突起の形状は、以上の実施の形態９及び１０において述べた形状に限定されず、相互に係合可能な形状であればよい。また、以上の実施の形態９及び１０においては、係合片を円筒部に設けた切欠き部により形成してあるが、これに限定されず、円筒状の円筒部から突設させて形成してもよい。

　また、以上の実施の形態９及び１０においては、光源として複数のＬＥＤ素子が実装されてなるＬＥＤモジュール２０３，２０３…を用いているが、これに限定されず、高輝度のＬＥＤチップ、ＥＬ（Ｅｌｅｃｔｒｏ　Ｌｕｍｉｎｅｓｃｅｎｃｅ）、蛍光灯、電球等を用いてもよい。

　また、以上の実施の形態９及び１０においては、ダウンライトにコネクタカバーを用いた例について述べたが、ダウンライトに限定されず、他のタイプの照明装置、照明装置以外の電気機器にも適用可能である。

Claims

　天井等の部材の装着孔に装着される被装着体に取り付けられ、前記被装着体と前記装着孔の間の隙間を覆うカバーであって、
　前記装着孔のバリ等の凹凸により前記被装着体と前記部材との間に生じる隙間を被覆する被覆部を備えることを特徴とするカバー。
　前記被覆部は、前記カバーの外周縁に設けられていることを特徴とする請求項１に記載のカバー。
　部材に開口された装着孔に装着された被装着体及び前記装着孔の内面間の隙間を被覆すべきカバーにおいて、前記装着孔の縁部に離隔して対向すべき対向部と、該対向部の外周縁に略全周に亘って設けられた被覆部とを備えることを特徴とするカバー。
　前記被覆部には、切欠き部が設けてあることを特徴とする請求項１から３の何れか一つに記載のカバー。
　前記切欠き部は、開口側に向けて広がる傾斜面を有することを特徴とする請求項４に記載のカバー。
　前記部材に対向する面の前記切欠き部に対応する部分に、補強部を有していることを特徴とする請求項４または５に記載のカバー。
　前記切欠き部の近傍に、該切欠き部に挿入される工具を所定の位置で止める突起を備えることを特徴とする請求項４から請求項６の何れか一つに記載のカバー。
　請求項１から請求項７の何れか一つに記載のカバーを備えたことを特徴とする照明装置。