JP6029789B2 - Led照明装置 - Google Patents
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Description
このシーリングライトの天井への取り付けは、被取付部材である天井の配線器具に、まずアダプタを取り付け、次にこのアダプタに照明器具本体を取り付け、最後にセードを装着する手順で行うが、特に最近は、この取り付け作業を安全かつ簡単に行えるシーリングライトが検討されている。
しかし、この特許文献1に記載された照明器具では、照明器具本体に発光モジュールや配線用部品類が露出した状態のまま搭載されているため、安全性に問題がある。
発明者らは、LED照明装置の安全性向上に関して保護カバーの利用を検討している。特に、保護カバーを複数の保護カバー片で構成し、当該保護カバーよりLED基板や点灯回路基板を覆うことで安全性を向上させることができた。
保護カバーを複数の保護カバー片で構成すると、保護カバー片の重量が軽くなり、作業がしやすくなる。しかしながら、1つ目の保護カバー片をベース部材に取り付けた後、2つ目以降の保護カバーを1つめの保護カバー片と位置合わせする際に、点灯回路基板と干渉してしまうおそれがあることが判明した。本発明では、安全性を向上しつつ、保護カバー片をベース部材に取り付ける際に点灯回路基板を傷つけにくくできるLED照明装置を提供することも目的としている。
本発明の一態様に係るLED照明装置は、被取付部材に取り付けられるLED照明装置本体を備えるLED照明装置であって、前記LED照明装置本体は、光源としてのLED素子と、前記LED素子が実装されるLED基板と、前記LED素子に電力を供給する点灯回路基板と、前記被取付部材と反対側の面に前記LED基板と前記点灯回路基板とが配されるベース部材と、前記LED基板と前記点灯回路基板とを覆う状態で前記ベース部材に取り付けられる保護カバーとを備え、前記保護カバーは、複数の保護カバー片を、隣接する保護カバー片の端部同士を重ね合わせた重畳部分を有する状態で、組み合わせてなり、前記点灯回路基板は、前記LED照明装置本体を前記LED素子の光出射方向から見たときに、前記重畳部分から離間していることを特徴としている。
他の一態様に係るLED照明装置において、前記保護カバーは、前記光出射方向から見たときに、中央に開口部を有する環状をし、前記環状をする保護カバーの径方向の中央部分において、前記重畳部分における前記ベース部材との距離は、前記重畳部分以外の部分における前記ベース部材との距離よりも短くなっている。
他の一態様に係るLED照明装置において、前記点灯回路基板は、前記各保護カバー片内において、前記保護カバー片の両端間の中間領域に配置されている。
他の一態様に係るLED照明装置において、前記点灯回路基板は1つ以上あり、当該1つ以上の点灯回路基板は、前記複数のうちの何れかの保護カバー片内に配置されている。
他の一態様に係るLED照明装置において、前記点灯回路基板は2つあり、当該点灯回路基板同士の配線は、前記保護カバーの前記重畳部分を横切って配されている。
他の一態様に係るLED照明装置において、前記LED素子は、前記光出射方向から見たときに、前記保護カバーの前記重畳部分と重畳しないように配置されている。
他の一態様に係るLED照明装置において、前記保護カバーは、前記光出射方向から見たときに、前記重畳部分が前記ベース部材に設けられた凹部と重畳しないように、前記ベース部材に取り付けられている。
他の一態様に係るLED照明装置において、前記点灯回路基板に電力を供給するための電力線は、前記光出射方向から見たときに、保護カバー内であって前記重畳部分に沿うように設置されている。
他の一態様に係るLED照明装置において、前記点灯回路基板と前記LED基板との配線は、前記光出射方向から見たときに、前記保護カバー内であって前記重畳部分に沿うように設置されている。
他の一態様に係るLED照明装置において、前記保護カバーは、2つの前記保護カバー片からなる。
この場合、第1の手段によれば、上記のように、点灯回路基板を、複数に分けて構成し、それぞれ異なる保護カバーに分けて配置されているため、点灯回路同士の発熱による影響も回避することができ、点灯回路基板の発熱を、効率良く放熱することができるとともに、薄型化及びコンパクト化してコストダウンを実現することができる実益がある。
第4の手段によれば、上記のように、保護カバーは、2つの保護カバー片に分けて構成しているため、組立工数及び部品点数を削減することができ、これにより、コストダウンを実現することができる実益がある。
第6の手段によれば、上記のように、点灯回路基板同士の配線は、光源が存在しない保護カバーの嵌装部を跨いで配線されているため、光源の出射光に影響を与えることなく広く均一に照らせることを実現することができる実益がある。
第7の手段によれば、上記のように、光源は、保護カバーの嵌装部と重畳しないように配置されているため、光源の出射光に影響を与えることなく広く均一に照らせることを実現することができる実益がある。
また、第9によれば、電力線は、補強用のリブに対応する位置に配置された保護カバーの嵌装部に沿って配線されているため、凹部状の放射状リブを利用して光源の出射光に影響を与えることなく配線することができ、これにより、コストダウンを実現することができる実益がある。同様に、上記のように、点灯回路基板と光源基板の配線も、補強用のリブに対応する位置に配置された保護カバーの嵌装部に沿って配線されているため、凹部状の放射状リブを利用して光源の出射光に影響を与えることなく配線することができ、これにより、コストダウンを実現することができる実益がある。
第12の手段によれば、上記のように、光源は、LED素子であるため、省電力化に優れたLED照明装置を実現することができ、これにより、コストダウンを実現することができる実益がある。
以下に本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお本実施形態は一例であり、これに限定されるものではない。
LED照明装置本体1は、図1乃至図5に示すように、ベース部材21とこのベース部材21に嵌装して固定され引掛刃12が設けられる引掛刃保持部材11とから一体として構成される一体部材2と、このベース部材21に配設されるLED素子25を点灯させるための電力をLED素子25に供給する点灯回路基板23と、LED素子25が実装されるLED基板24と、点灯回路基板23とLED基板24を覆う保護カバー26からなっている。ベース部材21は、特に、図2及び図3に示すように、これらのLED基板24及び点灯回路基板23が搭載されると共に引掛刃保持部材11が取り付けられた一体構造となり、これらの部材を保持している。このLED照明装置本体1は、LED照明装置本体1の引掛刃12を用いて、天井面5等の被取付部材の配線器具7に回動して取付けられる。なお、LED基板24と点灯回路基板23は、ベース部材21における配線器具7と反対側の面に配される。
LED照明装置本体1のベース部材21は、冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料を使用して、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって作成される。ベース部材21は、図2乃至図6に示すように、円盤形状で、特に図11に示すように中心部に円形のベース部材開口部21aが開口し、LED照明装置本体1を配線器具7に取り付ける時に、引掛保持部10を介して、外部より目視出来るように形成されている。
引掛保持部10は、図6に示すように、引掛刃保持部材11と、引掛刃保持部材11に固定されている引掛刃12とロック部材13と電力線14で、構成されている。この引掛保持部10により、LED照明装置本体1が配線器具7と電気的かつ機械的に連結される。
引掛刃保持部材11は、図6乃至図8に示すように、この引掛刃保持部材11を天井面5等の被取付部材の配線器具7に取付ける引掛刃12を一対の対称位置に固定して回動するための略矩形の回動部11a、引掛刃12を固定するためのネジが挿入される引掛刃固定溝11c、引掛刃12を強固に固定する凹凸が設けられている引掛刃設置溝11dと、透光性カバー3を固定する保護カバー固定溝11oと、ベース部材21とベース部材位置合わせ部11gで位置合わせしてベース部材嵌装部11hで固定するためのベース部材固定溝11nとを有している。この引掛刃保持部材11は、図7及び図8に示すように、略円盤形状に形成され、特に図7に示すように中心部に回動部11aと、ベース部材21と嵌装するベース部材嵌装部11hと、引掛刃12からの商用電力を点灯回路基板23に供給するための電力線14が配線される配線溝11eと、この配線を固定する配線固定部11fが開口するように成形されている。また、引掛刃12の下部にはロック部材13を納めるロック部材配置部11mが設けられ、ロック開口部11bよりロック部材13の押部13dが回動部11aより出ている。
引掛刃12は、図9に示すように、導電性を有する黄銅等の金属材料を使用して、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって作成される。この場合、引掛刃保持部材11には、図6に示すように、一対の引掛刃12が設置され、これらの一対の引掛刃12は、図1乃至図6から解るように、各々、引掛刃保持部材11の回動部11aの凹形状の引掛刃設置溝11dに設置され、特に図6から解るように、ネジにより刃固定孔12bが引掛刃固定溝11cに固定されて、被取付部材である天井面5の配線器具7側へ突出する。より具体的は、一対の引掛刃12は、図1乃至図6に示すように、引掛刃保持部材11の上側に略L字形状の引掛部12aが立設するように、引掛刃保持部材11の引掛刃設置溝11dに、刃固定部12cと刃端子固定部12dを合わせてネジを締め付けることにより引掛刃保持部材11に固定される。引掛刃12には、配線器具7に挿入して回動するときに、大きな力が加えられるので、引掛刃設置溝11dを設けて引掛刃12を固定している。引掛刃12の刃端子孔12eには、電力線14が挿入されて、ハンダにより固定される。これにより、配線器具7からの外部電力と点灯回路基板23が引掛刃12を介して電気的に接続されることになる。
ロック部材13は、図6に示すように、引掛刃保持部材11に挿入されて、引掛刃12が天井面5等の配線器具7に設けられている穴に爪を挿入された状態で、LED照明装置本体1を配線器具7に固定するためのロック機構である。ロック部材13は、図10に示すように、略N字形状のポリアセタール(POM)等の弾性特性を有する樹脂で作成されている。図10はロック部材13の動作状況を示しており、図10(a)は通常時の形状で固定爪13aが突出している状態で、図10(b)はロック部材13の押部13dを押した状態で固定爪13aが引っ込んでいる状態である。ロック部材13は、ロック機構を解除するために、押部13dを押されると、図10(b)に示すように、ロックベース部13eの下部に設けられた半円柱状のベース突部13fが回動部11aの内側下部を滑り、ばね部13gが押される。このばね部13gは押されると、図10(b)に示すように、立ち上がるように圧縮されて、これにより、固定ベース部13bの側面に設けられた半円柱状の固定突部13cが回動部11aの内側側部を滑り、固定爪13aが下方に引っ込むこととなる。特に、可動する部分に突部を設けているため、スムーズに固定爪13aの出し入れができる構造となっている。
基板は、図13に示すように、ベース部材21のLED照明装置本体1を天井面5に取り付けた場合の床面側に、LED素子25が搭載されたLED基板24とLED素子25を点灯させるための点灯回路基板23が配設されている。LED基板24は、ベース部材21のLED基板固定部21dに配置されている。点灯回路基板23は、ベース部材21の周縁部側リブ211bに配置されて、LED基板24の周囲に、即ち、図13及び図14に示すように、LED基板24よりもLED照明装置本体1の外周側に配置されている。これにより、LED基板24と点灯回路基板23とが重ならないように配置されるため、薄型化が可能であると同時に、特にLED素子25が実装されたLED基板24を、LED照明装置本体1の外周側のみに偏って配置することなく設置することができるため、広く均一に光を照射することができる。また、このように点灯回路基板23をLED基板24よりも外側に設置することにより、図13及び図14に示すように、点灯回路基板23を複数の基板に分けて配置することもできるようになり、これにより、LED照明装置100をコンパクト化してコストダウンをすることができると共に点灯回路基板23を光の出射の障害とならない位置に配置して広く均一に光を出射することもできる。
LED基板24は、図2、図3、図13及び図14に示すように、複数のLED基板24を円環状に配置して成る。より具体的には、図示の実施形態では、LED基板24は、所定の幅寸法を有した円弧形状の6枚の基板が基板接続線によりつなぎ合わされるように配設されて全体として略サークル状に形成されて、ベース部材21のLED基板固定部21dに配置されている。この場合、このLED基板24とLED基板24に実装される光源としてのLED素子25は、LED照明装置本体1(のベース部材21)と直交する方向において、図15に示す複数の保護カバー片26m、26nの嵌装部26kと重畳しないように配置されている。これにより、嵌装部26kが光源の出射光に影響を与えることなく広く均一に照らせることを実現することができる。保護カバー片26m、26nの嵌装部26kは、本発明における保護カバーの「端部」の一例に相当し、嵌装部26k同士が重なった部分は、本発明の「重畳部分」の一例に相当する。
なお、このLED基板24に実装するLED素子25としては、公知の種々のLEDを用いることができる。本実施形態では、照明用の電球色を発光する高輝度タイプのLED素子と、昼光色を発光する高輝度タイプのLED素子が用いられて、調色が可能なLED照明装置100の構成となっている。
点灯回路基板23は、図2、図3、図13及び図14に示すように、配線器具7から引掛刃保持部材11を介して供給される交流電流を直流に変換してLED基板24に供給するために、ベース部材21の周縁部側リブ211bの前面側で、LED基板24の周囲に円弧形状に配設されている。点灯回路基板23は、図13及び図14に示すように、回路部品23c、23dが片面に配線された紙フェノール基板(FR−1)で構成されている。点灯回路基板23の回路部品23c、23dが搭載されていない裏面を、ベース部材21の前面側に絶縁シートを介して配設することにより、点灯回路基板23から発生する熱を、ベース部材21を介して放熱することが可能となる。なお、この点灯回路基板23を構成する回路部品23c、23dとしては、過電流保護、ノイズカット、整流、平滑、調光制御などを行うための各種ダイオード、コンデンサ、トランス、IC、抵抗などの公知の電子部品を使用することができる。
また、この場合も、電力線14と同様、点灯回路基板23とLED基板24の配線は、図15に示すように、放射方向リブ21fに対応する位置に配置された保護カバー26の嵌装部26kに沿って配線することにより、放射方向リブ21fを利用して、光源であるLED素子25の出射光に影響を与えることなく配線することができ、これにより、コストダウンを実現することができる。なお、点灯回路基板23とLED基板24の配線は、保護カバー26内に配されている。
更に、LED基板24は、図13及び図14に示すように、LED基板24のうちLED素子25よりもLED照明装置本体1の中央側において配線により点灯回路基板23と接続され、一方、点灯回路基板23も、点灯回路基板23のうちLED照明装置本体1の中央寄りにおいて配線によりLED基板24と接続されている。即ち、LED基板24と点灯回路基板23とは、各々のLED照明装置本体1の中央側(中央寄り)において相互に接続されているため、配線が、LED素子の光の出射の障害となることがなく、影を出さないで広く均一に光を出射することができる。
なお、点灯回路基板23は、ここでは、調光回路基板23aと調色回路基板23bの2つがあり、それぞれの保護カバー片26m、26n内に配置されている。点灯回路基板23は、光出射方向から見たときに、半円環状をし、周方向の中間領域に位置するように、ベース部材21に搭載されている。
また、保護カバー片26m、26nは、光出射方向から見たときに、半円環状をした部分の径方向の中央部分がベース部材21から最も離れるように突出し、周方向の両端部分での突出量が周方向の中間部分の突出量よりも少ない形状をしている。このため、保護カバー片26m、26nの周方向の中間部分に背の高い回路部品を配置することができる。
保護カバー26は、図2乃至図4、図15、図16に示すように、ポリカーボネート(PP)等の難燃性樹脂から円環形状に形成され、ベース部材21上に配置されているLED基板24と点灯回路基板23とを覆うように、保護カバー連結部26bで連結されてベース部材21に取り付けられている。この保護カバー26は、図2乃至図4、図15、図16に示すように、分割された複数の保護カバー片、具体的には、図示の実施形態では、第1の保護カバー片26mと第2の保護カバー片26nを、これらの保護カバー片26m、26nに設けられた嵌装部26kを相互に嵌装することにより連結して成っている。
なお、この保護カバー26は、その嵌装部26kが、図4及び図5に示すように、LED照明装置本体1のベース部材21に設けられた凹部状の補強リブの一部(具体的には、放射方向リブ21f)に対応する位置に配置されている。つまり保護カバー26は、光出射方向から見たときに、嵌装部26kが放射方向リブ21fと重畳するように、ベース部材21に取り付けられている。これは、前述したように、LED素子25が存在しない嵌装部26kを利用して各種配線をすることにより、影が出るのを防止するためである。なお、放射方向リブ21fは、本発明の「凹部」の一例に相当する。
また、この保護カバー26は、図2乃至図4、図15、図16に示すように、嵌装部26kが、保護カバー26の他の部分よりも凹んだ位置に形成されている。換言すると、保護カバーは26、光出射方向から見たときに、中央部に保護カバー開口部26aを有する環状をし、この環状をする保護カバー26の径方向の中央部分において、嵌装部26k(重畳部分)におけるベース部材21との距離は、重畳部分(嵌装部26k)以外の部分におけるベース部材21との距離よりも短くなっている。
これは、2つの保護カバー片26m、26nの嵌装距離を短くして嵌装部26kの連結強度を高めると共に、各保護カバー片26m、26n毎に、内部に収納されるLED基板24、点灯回路基板23を確実に保護するためである。このため、保護カバー26は、図2及び図16に示すように、半円状の縦断面を有することとも合わせ、全体として外周付近に近付くに連れてベース部材21に向かって傾斜し、外周部付近程、内部の高さが低くなり、空間的に狭くなる。また、保護カバー片26m、26nの周方向の端部(嵌装部26kである)が中間部よりも凹んでいるため、ベース部材21に先に取り付けられた保護カバー片(例えば、26m)の端部とベース部材21との間隔を小さくできる。これにより、もう一つの保護カバー片26nを取り付ける際も、点灯回路基板23に保護カバー片26nが接触するようなことを少なくできる。
従って、また、点灯回路基板23は、可及的に、この保護カバー26の外周から離れた位置に設置する方が、放熱のための空間を確保するために望ましい。この場合、点灯回路基板23は、各保護カバー片26m、26n内において、保護カバー片26m、26nの両端に設けられた2つの嵌装部26kのどちらからも最も遠い距離となる位置に配置されるように設置する。即ち、点灯回路基板23は、各保護カバー片26m、26n内において、その略中央部、具体的には、保護カバー片26m、26nの両端に設けられた2つの嵌装部26kからの距離が略均等となる位置に配置されるように設置する。これにより、保護カバー片26m、26nのうち比較的高さの高い位置に点灯回路基板23を設置することができ、可及的に薄型化しつつも、その範囲内で点灯回路基板23と保護カバー片26m、26nとの間の距離を最大限に大きく設定して放熱に必要な空間を確保することができるので、薄型化が可能であると共に広く均一に光を照射することができ、点灯回路基板23の発熱を効率良く放熱することができる。
なお、点灯回路基板23は、LED照明装置本体1の中心からの放射方向(保護カバー26の幅方向)においても、できるだけ保護カバー26から離した方がよいが、本発明における保護カバー26は、LED基板24と、その外側に配置された点灯回路基板23の両方を覆うため、保護カバー26の幅方向においては、中央に配置することが困難であるが、少しでも、LED素子25の出射光に影響を与えないため、例えば、背の高い点灯回路部品を保護カバー26の幅方向における外周部寄りに配置すること等が望ましい。
なお、この場合には、複数の点灯回路基板23(ここでは、調光回路基板23aと調色回路基板23bである。)同士の配線(リード線23j)は、図13及び図14から理解できる通り、保護カバー26の嵌装部26kを横切るように嵌装部26kに跨がって設置される。この配線(リード線23j)は、光源であるLED素子25が存在しない保護カバー26の嵌装部26kを跨いで配線されているため、光源の出射光に影響を与えることなく広く均一に照らせることができる。
上述したLED照明装置本体1を構成する引掛保持部10、ベース部材21、点灯回路基板23、LED基板24、保護カバー26の相互の位置関係について、図2と図3を参照しながら説明する。まず、図2に示すように、引掛保持部10とベース部材21が嵌装されて固定されて一体部材2を構成し、ベース部材21のベース部材開口部21aの周囲に6枚の円弧状のLED基板24が配設されている。点灯回路基板23が、LED基板24の周囲(LED基板24の外側)に配設されている。LED基板24と点灯回路基板23を覆うように、円環状の保護カバー26が配設されている。これらにより、本発明のLED照明装置100は、省スペース化することが可能になり、コンパクト化することができ、コストを削減することが可能となる。
一方、このLED照明装置本体1に取り付けられる透光性カバー3は、図1乃至図3、及び図17乃至図20に示されるように、保護カバー26と嵌合する後透光性カバー31とLED照明装置本体1を覆う前透光性カバー32から成り、特に図2に示すように、LED照明装置本体1の前面側(天井面5に設置した場合の床面側)を覆っている全面発光タイプの透光性カバー3である。本発明においては、透光性カバー3は、ポリプロピレン(PP)等の熱可塑性合成樹脂を使用して、特に図2に示すように、円環形状の後透光性カバー31とドーム形状の前透光性カバー32とを、後透光性カバー31の後カバー開口部31cを保護カバー26に滑らせるように挿入して内側に設けられた前カバー嵌合部31bと、前透光性カバー32の後カバー嵌合部32aを嵌合させて一体として形成している。これにより、製造工程を削減して、製造に要する手間とコストを削減することができると同時に、透光性カバー3のコンパクト化及び軽量化を実現することができる。
以上のように、本実施形態では、点灯回路基板23がLED基板24よりも外側に設けて構成されている。これらによってLED照明装置100は、コンパクト化してコストダウンでき、良好な意匠性を示している。なお、本実施形態では、LED照明装置本体1の形状を円筒形にしたが、これに限定されず断面が4角形等からなる扁平な多角柱であってもよい。また、上記では、光源として、LED素子25を例に説明したが、光源の種類に特に限定はなく、他に、例えば、有機ELを使用したLED照明装置とすることもできる。
以下に本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、照明装置の一例としてシーリングライトについて説明する。ここでいう「シーリングライト」は、引掛シーリングやローゼット等の被取付部材に取り付けられて使用する照明装置をいう。
以下では便宜的にシーリングライトは天井面に取り付けられ、シーリングライトの照明光は下方(床面側)に向けて照射されるものとして説明する。なお、天井面の被取付部材に取り付けられるシーリングライトとしては、例えば、居間、和室、寝室、子供部屋等の各居室に使用されるものや、廊下、トイレ、玄関等に使用されるもの等がある。また、被取付部材として、壁面に設けられたものがあり、このような照明装置にも適用できる。
照明装置、ここでは一実施例として示すシーリングライト1100は、図21乃至図23に示すように、特に図22に示すように、LED照明装置本体1001と、このLED照明装置本体1001に搭載されたLED素子1025が発する光の出射方向を覆うように、LED照明装置本体1001に取り付けられる透光性カバー1003とで構成されている。
シーリングライト1100は、配線器具1007に引掛刃1012を介してLED照明装置本体1001が取り付けられ、その後、LED照明装置本体1001に透光性カバー1003が取り付けられることで、天井面1005に取り付けられる。
(2.−1 LED照明装置本体の取り付け)
LED照明装置本体1001は、天井面1005(図22)に既設の引掛シーリングや引掛ローゼット等の被取付部材である配線器具1007に、電気的かつ機械的に接続される引掛刃1012により着脱自在に装着して天井面1005に設置される。具体的には図21乃至図23、図35及び図37に示すように、天井面1005に既設の配線器具1007に、LED照明装置本体1001を支持しながらLED照明装置本体1001の中央部に備えられた引掛保持部1010にある引掛刃1012を挿入し、その状態で、LED照明装置本体1001を上方に押圧しながら配線器具1007と引掛刃1012とが係合する方向にLED照明装置本体1001を回動する。
なお、引掛保持部1010に備わった引掛刃1012を天井面1005に既設の配線器具1007に挿入する際、詳細は後述するが、引掛保持部1010が透明な合成樹脂材料製の引掛刃保持部材1011により主要部分が構成されているため、LED照明装置本体1001の中央部の下方からでも、配線器具1007の位置や設置の向きが、引掛保持部1010を透過視して視認できるので、LED照明装置本体1001を配線器具1007に取り付ける作業を簡単に行うことができる。
このようにして、LED照明装置本体1001を回動して配線器具1007に取り付けた後、LED照明装置本体1001に取り付けられた保護カバー1026の外周部に設けられた4か所の後透光性カバー嵌合部1026dに、後透光性カバー1031の上端外周部に設けられた4か所の保護カバー嵌合部1031aを位置合わせして嵌合させ、後透光性カバー1031をLED照明装置本体1001に取り付ける。
更に後透光性カバー1031の下端外周部に設けられた4か所の前カバー嵌合部1031bに、前透光性カバー1032の上端外周部に設けられた4か所の後カバー嵌合部1032aを位置合わせして嵌合させ、前透光性カバー1032を後透光性カバー1031に取り付ける。これにより、シーリングライト1100として使用可能となる。
天井用ばね1022は、例えば、接着剤、ねじ、ピン等の固定手段によりベース部材1021に固定される。具体例として、天井用ばね1022は、長辺の一方端(長手方向の一端である。)がベース部材1021に挿入して固定され、他の一端(長手方向の他端である。)は固定されていない状態で、ベース部材1021に取り付けられている。天井用ばね1022の他端は、ベース部材1021の天井面1005側に単に当接しているが、当接していなくてもよい。天井面1005にシーリングライト1100を装着する際は、最初に天井面1005に天井用ばね1022が当接するため、天井用ばね1022の湾曲が小さくなる方向に変形させながら、すなわちシーリングライト1100を天井面1005の方向に押し上げながら、引掛保持部1010の引掛刃1012を、天井面1005に既設の配線器具1007に挿入する。
シーリングライト1100が天井面1005に取り付けられた後は、天井用ばね1022の復元力により、シーリングライト1100は常時、天井面1005から引き離す方向(下方)の力を受けた状態で天井面1005と略平行に支持される。天井用ばね1022の復元力は、天井面1005に装着されたシーリングライト1100の位置ずれや振動を防止する機能も持つ。
なお、ここでは、天井用ばね1022は、湾曲したプラスチック製の板ばねとしたが、シーリングライト1100を天井面1005に取り付けた状態で、シーリングライト1100を天井面1005から離間させる方向の力を常時発する機能を持てば特に限定はなく、他に例えば、金属などを弾性変形する形状に加工した弾性体、又はゴムなどの弾性材料からなる弾性体を用いることもできる。
本実施形態においては、LED照明装置本体1001は、図22及び図23に示すように、ベース部材1021と、このベース部材1021に嵌装して固定されてベース部材1021と一体となる引掛保持部1010と、LED素子1025と、ベース部材1021に配設されLED素子1025が実装されるLED基板1024と、このLED素子1025を点灯させるための電力を供給する点灯回路基板1023と、この点灯回路基板1023とLED基板1024とを覆う保護カバー1026から構成されている。
ここで、引掛保持部1010は、特に図26乃至図29に示すように、引掛刃保持部材1011に引掛刃1012を備える。この引掛刃1012は、シーリングライト1100を電気的かつ機械的に、天井面1005に既設の配線器具1007に直接接続する役割を担う。引掛保持部1010は、ベース部材1021の中央部のベース部材開口部1021aに組み込まれて一体化されている。より具体的には、引掛保持部1010は、円盤状のベース部材1021の中央部に形成されたベース部材開口部1021aを塞ぐように、床面側(下方)からベース部材1021に固定されて、ベース部材1021とほぼ同一面状に設置される。
また、図示の実施形態では、LED基板1024と点灯回路基板1023は、図33及び図34に示すように、複数設けられている。複数のLED基板1024は、ベース部材1021に形成されたLED基板保持部1021dに固定されている。複数の点灯回路基板1023は、ベース部材1021のうちLED基板保持部1021dを除いた部分、具体的には、LED基板保持部1021dよりもベース部材1021の外周側において外周縁部側リブ1211bの裏面(下面)の所定位置に直接、固定される。つまり、複数の点灯回路基板1023は、床面側から見たときに、ベース部材1021におけるLED基板1024の外側部分に固定されている。
保護カバー1026は、LED基板1024や点灯回路基板1023を保護するために、下方からこれらを覆う。より具体的には、保護カバー1026は、図33乃至図36、図42及び図43に示すように、ベース部材1021に固定されたLED基板1024及び点灯回路基板1023、LED基板1024間の電気配線(リード線1024b)及び点灯回路基板1023とLED基板1024を結ぶ電気配線(リード線1023d)などがベース部材1021の下方に露出しないように、下方から覆う。この保護カバー1026は、図42に示すように、ベース部材1021の床面側である下面に固定される。
このシーリングライト1100は、補助器具であるアダプタを介さず、天井面1005に既設の配線器具1007の引掛刃嵌入孔に直接、引掛刃1012を挿入して取り付ける構造であり、天井面1005からのシーリングライト1100の突出量を小さく(薄く)することが可能となる。
LED照明装置本体1001のベース部材1021は、例えば、厚さ0.5mm〜2.0mmの冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料を使用して、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって製作される。ベース部材1021は、平板状をし、床面側から見たときに、中央部にベース部材開口部1021aを有する環状をしている。ここでの「中央部」は、ベース部材1021の中心又は重心を含む領域である。ベース部材1021は、具体的には、図31に示すように、円盤形状である。その中央部には、円形状のベース部材開口部1021aが形成されている。つまり、ベース部材1021は、外周形状及び内周形状が円形状である円環状をしている。
このベース部材開口部1021aに、引掛保持部1010が、引掛刃保持部材1011のベース部材位置合わせ部1011g(図26)を引掛刃保持部位置合わせ部1021g(図31)に嵌装させて位置決めした状態で、ベース部材開口部1021aを塞ぐように固定され、ベース部材1021の中央部に引掛刃1012が設置される。これに伴って、この引掛刃1012を保持する引掛保持部1010に隣接してLED基板保持部1021dが形成される。
引掛保持部1010は、その上部がベース部材開口部1021aに下方から入り込んでベース部材開口部1021aを塞ぐ状態で、ベース部材1021に固定されている。これにより、引掛保持部1010の引掛刃1012がベース部材1021の上面から上方へと延出するようになる。
引掛刃保持部材1011は、例えば、合成樹脂材料から形成される。ここで、例えば、引掛刃1012を備えた引掛刃保持部材1011が透明な合成樹脂材料から形成される(なお、少なくとも形成後に透明であればよい。)と、ベース部材開口部1021aが引掛保持部1010で塞がれた後であっても、LED照明装置本体1001を天井面1005に既設の配線器具1007に取り付ける作業において、LED照明装置本体1001の下方からベース部材開口部1021a(引掛保持部1010)を透過して、配線器具1007の位置や向きを視認できるので、取り付け作業が簡易になる。なお、合成樹脂材料は、透明でなくても、軽量化、絶縁性の観点からの実益がある。
このベース部材開口部1021aによる空間及びこの空間に固定された引掛保持部1010のことを、ここでは、透過窓1015(図25)と称する。即ち、図示の実施形態においては、透明性材料から形成された引掛保持部1010が透過窓1015を兼任している。
また、ベース部材1021の最外周部には、外縁部を下方に屈曲させたベース外縁部1021cが形成されている。ベース部材1021の径方向には放射状に、複数の放射方向リブ1021fが形成されている。つまり、ベース部材1021は、下方へと屈曲したベース外縁部1021cを外周縁に有している。また、ベース部材1021は、天井面1005側に突出し且つ径方向に延伸する複数の放射方向リブ1021fを有している。
ここで、突出部(LED基板保持部1021d)を基準にすると、ベース部材1021は、突出部の内周側に内周縁部側リブ1211aを、突出部の外周側に外周縁部側リブ1211bをそれぞれ有している。
これら円環状のLED基板保持部1021d、ベース外縁部1021c、放射方向リブ1021fのリブ効果により、ベース部材1021は機械的剛性が強化されている。この剛性強化により、ベース部材1021を構成する金属材料の厚さを薄くすることが可能となり、シーリングライト1100の軽量化を実現でき、この軽量化によりシーリングライト1100の天井面1005への取り付け作業が一層容易になる。
LED基板1024を固定するLED基板保持部1021dの下面(配置面1211c)は、図32に示すように、平坦面であるが、水平、即ち、ベース部材1021のうちLED基板保持部1021dを除いた他の部分である平板面(例えば、点灯回路基板1023が装着されている面である。)と平行ではなく、ベース部材1021のLED基板保持部1021dを除いた他の部分である平板面に対し所定の傾斜をなして形成されている。
この場合、図32に特に示すように、このLED基板保持部1021dの配置面1211cは、ベース部材1021の平板面からの配置面1211cの離間距離が、ベース部材1021の外周側よりもベース部材1021の中心側(ベース部材開口部1021aに近い側)の方が大きくなるように、傾斜して形成されている。
即ち、ベース部材1021の仮想中心に近い側が、ベース部材1021の外周に近い側に比べて下方(床面側)に位置するように、配置面1211cは傾斜している。つまり、配置面1211cは、ベース部材開口部1021aから離れるに従って突出量(平板面を基準としている。)が少なくなる状態で、傾斜している。これにより、この配置面1211cに保持されるLED基板1024が、外向きに(ベース部材の外周側を向くように)傾斜して設置されているため、LED素子1025が発する光の照射角は広く確保され、光を広く均一に照射することができる。
また、LED基板1024を固定するLED基板保持部1021dの配置面1211cは、図32に示すように、ベース部材1021の下方に向けて突出した突出部の下面に形成され、この配置面1211cのうちのベース部材1021の外周側における平板面からの突出高さが、点灯回路基板1023の表面位置よりも高くなるように設定されている。つまり、配置面1211cは、点灯回路基板1023の下面よりも下方に位置する。このため、回路部品1023a、1023b(図34)による影が出にくく、光を広く均一に出射することができる。
なお、ここではベース部材1021を円盤状としたが、必ずしも、円盤状に限定されるものではなく、他に、例えば、方形平板状の外形とすることもできる。また、ベース部材開口部1021aを円形状としたが、必ずしも、円形状に限定されるものでなく、他に、例えば、四角形、六角形等の多角形状とすることもできる。
ベース部材1021は、図31及び図32に示すように、ベース部材開口部1021aに嵌合する引掛保持部1010と当接する引掛刃保持嵌装部1021bをベース部材開口部1021aの周辺下面に有している。引掛刃保持嵌装部1021bには、ベース部材開口部1021a側から切り欠かれた切欠が設けられている。この切欠は、引掛刃保持部位置合わせ部1021gであり、引掛刃保持部材1011のベース部材位置合わせ部1011gと嵌合する。ベース部材1021を床面側から見たときに、引掛刃保持嵌装部1021bの外周側の近い位置に突出部(LED基板保持部1021d)を有しているので、引掛刃保持嵌装部1021bでの機械的特性もリブ効果により確保される。
ベース部材1021には、LED基板保持部1021dや点灯回路基板1023の固定部が予め加工(例えば、一体加工である。)で形成されているが、引掛保持部1010を装着することにより、天井面1005に既設されている配線器具1007に直接、電気的かつ機械的に接続可能な引掛刃1012を、さらに備えることになる。
ベース部材1021には、他に、引掛刃保持部材1011を固定するための引掛刃保持部固定孔1021hと、LED基板1024を固定するためのLED基板固定孔1021jと、点灯回路基板1023を固定するための点灯回路基板固定孔1021kと、保護カバー1026を固定するための保護カバー固定孔1021mと、天井用ばね1022を固定するための天井用ばね固定孔1021nが設けられている。これらの孔は、図示しないねじや引掛けピンが挿入されて目的とする要素部材、例えばLED基板1024や引掛保持部1010などをベース部材1021に固定する際に使用される。なお、引掛刃保持部固定孔1021hは、上記の引掛刃保持嵌装部1021bに設けられている。
引掛保持部1010は、図26乃至図28に示すように、少なくとも、引掛刃保持部材1011と、一対の引掛刃1012とを有している。ここでは、引掛保持部1010は、引掛刃保持部材1011と、この引掛刃保持部材1011の中央部に設けられた略矩形溝状の回動部1011aに組み込まれた、2個一対で機能する引掛刃1012と、ロック部材1013と、電力線1014とから成っている。シーリングライト1100は、引掛保持部1010の引掛刃1012により配線器具1007と電気的かつ機械的に直接に連結される。引掛保持部1010は、LED照明装置本体1001を配線器具(被取付部材)7に取り付ける取付部として機能する。
引掛刃保持部材1011は、少なくとも透明性を有している。ここでの引掛刃保持部材1011は、透明性を有し、かつ、絶縁性と難燃性にも優れた合成樹脂材料から製作されている。このような合成樹脂材料として、例えば、ポリカーボネート(PC)を使用することができる。この場合、具体的には、引掛刃保持部材1011全体を、ポリカーボネート(PC)から一体成形することができる。このように全体が透明材料からなる引掛刃保持部材1011を備えた引掛保持部1010が、ベース部材1021の中央部に設けられたベース部材開口部1021aに取り付けられて、透過窓1015となる。これにより、引掛保持部1010に備わった引掛刃1012を天井面1005に既設されている配線器具1007の引掛刃嵌入孔に挿入してシーリングライト1100を取り付ける際、引掛刃保持部材1011が透明な合成樹脂材料製であるため、LED照明装置本体1001の下方からでも、LED照明装置本体1001の中央部の透過窓1015を透過できる。これにより、死角の無い広い視野で、配線器具1007の周辺部を含めて配線器具1007の位置や設置の向きを視認できる。このため、LED照明装置本体1001を配線器具1007に取り付ける作業を簡単に行うことができる。透過窓1015、すなわち引掛刃保持部材1011を形成する合成樹脂材料(形成後の材料である。)として、光透過率が70%以上の透明性を有するものが好ましい。
なお、透過窓1015は、半透明であっても配線器具1007の視認性に問題はないが、できれば、明確に視認可能なレベルであることが望ましい。これは、透過率が小さい場合には、充分な視認性を確保することが困難となる可能性があるためである。
この引掛刃保持部材1011の後面側の中央円形部には、引掛刃保持部材1011を天井面1005の配線器具1007に取付けるための引掛刃1012を装着するスペースが設けられている。ここでは、天井面1005側から見たときに略矩形溝状を呈する回動部1011aの内部に形成されている。換言すると、回動部1011aは、引掛刃保持部材1011における中央部から下方へと矩形状に凹入し、凹入した内部が引掛刃1012を装着するためのスペースとなっている。
この回動部1011aの溝部(内部)には、引掛刃1012を固定するためのねじが挿入される引掛刃固定溝1011cと、引掛刃1012を強固に固定する凹凸が設けられた引掛刃設置部1011dとが形成されている。
つまり、図26及び図27に示すように、回動部1011aの内部には、引掛刃1012を固定するための固定手段が設けられている。固定手段は、ボス、リブ、凹部、凹み等により構成されている。具体的には、回動部1011aの底面から上方に突出するボス1011c’、底面や側面に設けられ且つ上方へと延伸するリブ1011u、1011v、側面に設けられた凹みであって上下方向に延伸する溝1011w等により構成される。
ボス1011c’は、回動部1011aの開口にまで達しておらず、引掛刃保持部材1011の後面より底面側の位置に上面を有する。ボス1011c’はねじ穴を上面に有する。このねじ穴が上記の引掛刃固定溝1011cである。リブ1011u、1011vは、後述する引掛刃1012の刃固定部1012cに当接する。リブ1011vは、ボス1011c’側の上部が切り欠かれており、切欠の側面が刃固定部1012cに当接し、切欠の底面が刃固定部1012cの底面に当接する。リブ1011u、1011vはボス1011c’と連結されている。溝1011wは、引掛刃1012の刃固定部1012cの位置決め突起1012fと嵌合する。溝1011wの上下方向の底の位置は、ボス1011c’の上面位置と略一致する。上記の固定手段により、引掛刃1012の刃固定部1012cは、位置決めされた状態で支持され、最終的には、ねじにより固定される。なお、上記の引掛刃設置部1011dは、ボス1011c’、リブ1011u、1011v及び溝1011wにより構成される。
また、引掛刃保持部材1011の後面(上面)側の外周部には、引掛刃保持部材1011をベース部材1021に固定する際の位置決めに使用するベース部材位置合わせ部1011gと、ベース部材1021に固定する際の固定面(当接面)となるベース部材嵌装部1011hが形成されている。
つまり、引掛刃保持部材1011の後面における段差1011iの外周部分が、ベース部材1021の引掛刃保持嵌装部1021bを床面側から支持(当接)するベース部材嵌装部1011hとなっている。ベース部材位置合わせ部1011gは、段差1011iから径方向へと張り出しており、ベース部材1021の引掛刃保持部位置合わせ部1021gと係合する。なお、ベース部材位置合わせ部1011gと引掛刃保持部位置合わせ部1021gとの嵌合関係(凹凸関係)は、逆であってもよい。
さらに、引掛刃保持部材1011の後面(上面)側の回動部1011aの一端からは、外周部に向けて、引掛刃1012からの商用電力を点灯回路基板1023に供給するための電力線1014が収まる配線溝1011eと、配線溝1011e内に配された電力線1014を固定する配線固定部1011fが形成されている。
引掛刃保持部材1011は、電力線1014を収容するための配線溝1011eを有している。この配線溝1011eは、引掛刃保持部材1011の径方向に延伸している。図27及び図28に示すように、配線溝1011eの回動部1011aに近い端部が回動部1011aと、配線溝1011eの外周側の端部が外筒1011pの切欠1011tと、それぞれつながる。
さらに、引掛刃保持部材1011の後面(上面)側の中央部に設けられた回動部1011aの一端角部には、後述のロック部材1013を納めるロック部材配置部1011mが設けられ、ロック開口部1011bよりロック部材1013の押部1013dが回動部1011aから露出している。ロック部材配置部1011mは、回動部1011aの内部のボス1011c’と、矩形状の凹部をした回動部1011aを構成する短手側の側面との間に形成され、ボス1011c’より低い部分の空間を含んでいる。ロック開口部1011bは、回動部1011aの側面に形成されている。
引掛刃保持部材1011の前面(下面)側の周辺部には、保護カバー1026の内周部を固定するための保護カバー固定溝1011oと、引掛刃保持部材1011をベース部材1021に固定するためのベース部材固定溝1011nが形成されている。なお、ここでは、つまみ部1011jは引掛刃保持部材1011の後面側に開口する内部空間を有し、この空間が前述した回動部1011aとして兼用されている。これにより、引掛保持部1010の構造の簡略化や引掛刃保持部材1011の薄肉化が図れる。また、つまみ部1011jは、操作性を考慮した大きさとなっているため、内部空間が大きくできる。これにより、引掛刃1012等を収容し易くできる。
保護カバー固定溝1011oとベース部材固定溝1011nは、ボス部に設けられている。ボス部(保護カバー固定溝1011oとベース部材固定溝1011n)は、外筒1011pと内筒1011rとの間に形成されている。このため、保護カバー固定溝1011oやベース部材固定溝1011nが異物と干渉するのを抑制できる。保護カバー固定溝1011oとベース部材固定溝1011nは、外筒1011pと一体となっている(連続している)。このため、保護カバー固定溝1011oとベース部材固定溝1011nの強度を向上させることができる。内筒1011rの外周面には、保護カバー1026の引掛保持固定ガイド1026jの外周面が当接する。これにより内筒1011rが補強されることとなる。
引掛刃1012は、図29に示すように、導電性を有する黄銅等の金属材料を使用して、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって製作される。引掛刃1012は、平板状の刃固定部1012cと、刃固定部1012cの端部から立設する引掛部1012aとを有する。刃固定部1012cには、固定用の刃固定孔1012bと電気接続用の刃端子孔1012eとが設けられている。ここでは、引掛部1012aは、逆「L」字状をしている。
引掛刃1012は、回動部1011a内に固定される。具体的には、引掛刃保持部材1011には、図26に示すように、この引掛刃1012が2個一対で設置され、各々、引掛刃保持部材1011の回動部1011aに設けられた凹形状の引掛刃設置部1011d(図27)に挿置され、刃固定孔1012bから挿入されて引掛刃固定溝1011cにねじ込まれるねじで固定される。この状態では、引掛部1012aの先端部が、天井面1005の被取付部材の配線器具1007の側へ突出している。
より具体的には、一対の引掛刃1012は、図21乃至図27に示すように、引掛刃保持部材1011の上側に略L字形状の引掛部1012aが立設するように、引掛刃保持部材1011の引掛刃設置部1011dに、刃固定部1012cと刃端子固定部分1012dを合わせて、ねじで引掛刃保持部材1011に固定される。つまり、引掛刃1012の刃固定部1012cと回動部1011a内のボス1011c’やリブ1011u、1011vとが当接する状態で、天井面1005側から刃固定孔1012bを挿通するねじが引掛刃固定溝(ねじ穴)11cに螺合する。これにより、引掛刃1012が引掛刃保持部材1011に固定(保持)される。
引掛刃1012には、配線器具1007に挿入して回動するとき、横方向(回転方向)に大きな力が加わるため、引掛刃設置部1011dを設けて引掛刃1012を固定している。換言すると、引掛刃1012は、刃固定部1012cの側面がリブ1011u、1011vと当接し、さらに、位置決め突起1012fが溝1011wに挿入した状態で、回動部1011aの内部に固定される。また、引掛部1012aは刃固定部1012cの隅から立設し、引掛部1012aの背面が回動部1011aの側面に当接する状態で、固定されている。これにより、引掛刃1012は引掛刃保持部材1011に強固に固定される。
引掛刃1012の刃端子孔1012eには、電力線1014が挿入されて、刃端子孔1012eから上方へ導出する電力線1014の端部がハンダにより刃端子固定部分1012dに固定される。これにより、配線器具1007からの外部電力と点灯回路基板1023とが引掛刃1012を介して電気的に接続されることになる。
ロック部材1013は、LED照明装置本体1001が天井面1005の配線器具1007に装着されてシーリングライト1100として使用されている状態で、引掛刃1012が配線器具1007から外れないようにするための引掛刃のロック機能を持つ。
ロック部材1013は、図30に示すように、配線器具1007の引掛刃嵌入孔に対して挿抜方向に移動可能な出没自在に配された固定ベース部(第1可動部)1013bと、解除の際に操作され且つ操作方向に移動可能に配されたロックベース部(第2可動部)1013eと、固定ベース部1013bとロックベース部1013eとを連結するばね部1013gとを有している。ばね部1013gは、無負荷状態では傾斜している(図30(a))。解除操作の際にロックベース部1013eが固定ベース部1013bに近づくように移動すると、ばね部1013gは直立状態となり、固定ベース部1013bを没入させる(図30(b))。なお、固定ベース部1013bの挿抜方向の挿方向先端部には固定爪1013aが設けられ、ロックベース部1013eの外側には押部1013dが設けられている。また、ここでの固定爪1013aは、挿抜方向は上下方向であり、押部1013dの操作方向は水平方向である。ロック部材1013は、固定爪1013aが回動部1011aから天井面1005側へと進出し、押部1013dがロック開口部1011b(図27)からつまみ部1011jの外部に張り出すように、回動部1011a内に配されている。
具体的には、ロック部材1013は、図26に示すように、引掛刃保持部材1011の回動部1011aの中の引掛刃1012の根元部分に収納されている。天井面1005等の配線器具1007に設けられている、ここでは図示しない弧状の引掛刃嵌入孔に引掛刃1012の先端部(引掛部1012a)が挿入された後、回動されて、LED照明装置本体1001が配線器具1007に固定されたとき、固定爪1013a(図30)が、配線器具1007に設けられている弧状の引掛刃嵌入孔に入り、引掛刃1012が配線器具1007から外れる方向への回動、すなわち固定時とは逆の回動を防止する。ロック部材1013は、図30に示すように略N字形状をし、ポリアセタール(POM)等の弾性特性を有する樹脂で製作されている。図30はロック部材1013の動作状況を示しており、図30(a)は通常時の形状で固定爪1013aが上方に突出している状態である。LED照明装置本体1001が配線器具1007に取り付けられた状態では、配線器具1007に設けられている弧状の引掛刃嵌入孔の中で、固定爪1013aが図30(a)の状態を維持している。したがって、LED照明装置本体1001が配線器具1007に固定された状態では、配線器具1007に設けられている弧状の引掛刃嵌入孔には、一端に引掛刃1012の引掛部1012aが、他端にはロック部材1013の固定爪1013aが挿入されており、配線器具1007に対し、引掛刃1012が回動できない状態になる。
一方、図30(b)は、ロック部材1013の押部1013dが押され、固定爪1013aが下方に引っ込んだ状態である。LED照明装置本体1001を配線器具1007から取り外す際は、押部1013dを押し、固定爪1013aを引っ込めて、すなわち、配線器具1007に設けられている弧状の引掛刃嵌入孔から固定爪1013aを抜いて、引掛刃1012を回動可能な状態にして取り外す。
ここで、可動する部分にベース突部1013fや固定突部1013cなどの半円柱状突部を設けているため、固定爪1013aが、配線器具1007に設けられている弧状の溝からスムーズに挿抜できる構造となっている。
LED素子1025が搭載されたLED基板1024とLED素子1025を点灯させるための点灯回路基板1023は、図33に示すように、ベース部材1021のLED照明装置本体1001を天井面1005に取り付けた場合の床面側に配設されている。LED基板1024は、引掛刃保持部材1011の外側に隣接してベース部材1021のLED基板保持部1021dに配置されている。点灯回路基板1023は、ベース部材1021の外周縁部側リブ1211bに配置されて、LED基板1024の周囲、即ち、LED基板保持部1021dに重ならないように、LED基板保持部1021d、ひいてはLED基板1024よりもベース部材1021の外周側に設けられている構成となっている。これにより、LED基板1024がベース部材1021の中央部近くに配置されるため、センター部が暗くなることなく均一な明るさの照明が得られる。また、点灯回路基板1023を複数の基板に分けて配置できるようになり、シーリングライト1100をコンパクト化してコストダウンを実現することができる。
LED基板1024は、図22、図23、図33及び図34に示すように、複数枚あり、ベース部材1021におけるベース部材開口部1021aの周囲に配されている。より具体的には、複数のLED基板1024はLED基板保持部1021dの配置面1211cにねじ、ピン等の固定手段を利用して固定されている。LED基板1024は、所定の幅寸法を有した長尺状をしている。ここでは、LED基板1024は、矩形状をし、長手方向の各端部が三角形状に面取りされている。つまり、LED基板1024は、円弧形状に近い形状をしている。ここでは、複数枚のLED基板1024は、ベース部材開口部1021aを囲んだ1重の環状に配されている。具体的には、6枚のLED基板1024が基板接続線によりつなぎ合わされるように配設されて全体として略サークル状(正確には六角形状に近いが、略円形状とする。)に形成される状態で、ベース部材1021のLED基板保持部1021dに配置されている。このLED基板1024は、片面に配線されたガラスコンポジット基板(CEM−3)からなり、片面側にLED素子1025が実装されている。なお、LED基板1024にLED素子1025が実装されたものもLED基板と称する場合もある。
このように複数のLED基板1024を用いることにより、周方向に隣接するLED基板1024間で熱的収縮を吸収して基板の変形を抑制することができる。また、LED基板1024は、長手方向の端部が三角形状となっているため、環状に配置された場合に隣接するLED基板1024間の隙間を小さくできる。また、LED基板1024の長手方向の端部が三角形状をしているため、LED素子1025をLED基板1024の長手方向の端部の頂角近傍にまで実装できる。これにより、複数のLED基板1024を環状に配したときに、隣接するLED基板1024の長手方向の最端に実装されたLED素子1025同士の間隔を小さくできる。
また、図34に示すように、LED基板1024同士の基板間の配線は、上述のように基板接続線(リード線1024b)が利用される。隣接するLED基板1024は一方のLED基板1024に設けられたコネクタ1024aに接続されたリード線1024bが他方のLED基板1024にハンダで接続されることにより行われている。即ち、複数のLED基板1024は、一端が一方のLED基板1024に接続されたリード線1024bと、他方のLED基板1024に設置されリード線1024bの他端に接続されるコネクタ1024aとにより相互に接続されている。これにより、組み立て時のLED基板1024同士の接続を容易にできるうえ、組み立て工数及び部品点数を削減することができ、コストダウンを実現することができる。なお、点灯回路基板1023と接続するための基板配線も同様の接続構成としている。また、これらのLED基板1024同士の接続は、図33及び図34に示すように、LED基板1024のうちLED照明装置本体1001の外周側において接続されている。このため、LED基板1024同士の接続のための配線がLED素子1025からの光出射を妨げることなく、広く均等に光出射することができる。
また、LED基板1024同士の配線は、図33や図34に示すように、複数のLED素子1025が実装されている列から離れた領域で行われている。このため、LED基板1024の長手方向の端部の頂角近傍にまでLED素子1025を実装できる。これにより、複数のLED基板1024を環状に配したときに、隣接する各LED基板1024の長手方向の最端に位置するLED素子1025同士の間隔を小さくできる。
このLED基板1024に実装するLED素子1025としては、公知の種々のLED素子を用いることができる。本実施形態では、照明用の白色光を発光する高輝度タイプのLED素子と、昼光色を発光する高輝度タイプのLED素子が用いられて、調色が可能なシーリングライト1100となっている。
点灯回路基板1023は、図22、図23、図33及び図34に示すように、配線器具1007から引掛刃1012を介して供給される交流電流を直流に変換してLED基板1024に供給するために、ベース部材1021の外周縁部側リブ1211bの前面側で、LED基板1024の周囲に円弧形状に配設されている。点灯回路基板1023は、点灯基板1023A、1023Bと、この点灯基板1023A、1023Bに実装され且つ各回路機能を構成する回路部品1023a、1023bとから構成される。なお、点灯回路は、回路部品1023a、1023bが点灯基板1023A、1023Bに実装されて、点灯基板1023A、1023Bに形成されている配線パターンにより接続されることで構成される。
点灯回路基板1023は、具体的には、図34に示すように、回路部品1023a、1023bが片面に配線された紙フェノール基板(FR−1)で構成されている。点灯基板1023A、1023Bは、1個であってもよいし、複数個あってもよい。基板はここでは2個ある。点灯回路基板1023は、床面側から見たときに、環状に配されたLED基板1024の外周側全周に沿って又外周側一部に沿って配されている。ここでは、外周側に沿う一部の領域に点灯回路基板1023は配されている。点灯基板1023A、1023Bは、床面側から見たとき円弧状をしているため、LED基板1024に沿うことができる。点灯基板1023A、1023Bの回路部品1023a、1023bが搭載されていない裏面を、ベース部材1021の前面側に絶縁シートを介して接触させることにより、点灯回路基板1023から発生する熱を、ベース部材1021を介して効率よく放熱している。なお、この点灯回路基板1023を構成する回路部品1023a、1023bとしては、過電流保護、ノイズカット、整流、平滑、調光制御などの回路機能を行うための各種ダイオード、コンデンサ、トランス、IC、抵抗などの公知の電子部品を使用することができる。
また、LED基板1024と点灯回路基板1023との配線は、図33や図34に示すように、LED素子1025は実装されている列から離れた領域(ここでは、LED素子1025が実装されている列よりもベース部材開口部1021a側である)で行われている。このため、LED基板1024の長手方向の端部の頂角近傍にまでLED素子1025を実装できる。これにより、複数のLED基板1024を環状に配したときに、隣接する各LED基板1024の長手方向の最端に実装されたLED素子1025同士の間隔を小さくできる。
点灯基板1023A、1023Bは、図33及び図34に示すように、円弧状をしている。主基板である点灯基板1023Aは、周方向の各端部で電力線1014やリード線1023dと接続されている。このため、電力線1014とリード線1023dとの離間距離が長くなり、電気的安全性を向上させることができる。特に、電力線1014とリード線1023dは、ベース部材1021のベース部材開口部1021a(の中心)を挟んで対向する部位に配されている。このため、電力線1014とリード線1023dとの接触をなくすことができる。
また、回路部品1023a、1023bの高さは、LED素子1025から出射される光の1/2ビーム角(光の広がり具合(配光)を示し、光源の直下照度(最大光度)の1/2の照度になる点と光源中心を結んだ線と、光源中心の鉛直方向線とのなす角度をいう)の出射光が、回路部品1023a、1023bに照射されないように配置する必要がある。これにより、透光性カバー1003に、影が出なく、均一な明るさになる。
また、ベース部材1021におけるLED基板1024の外側部分は、点灯回路基板1023を配置する領域として利用できる。このため、点灯回路基板1023を複数の基板に分けて配置することもできるようになり、シーリングライト1100をさらにコンパクト化してコストダウンをすることができる。この時の点灯回路基板1023の分割としては、入力回路部と出力回路部とを分割したり、調光回路と調色回路に分けて搭載する機種により選択できるように分割したりすることができる。
更に、点灯回路基板1023は、図42及び図43に示すように、保護カバー1026により全体を保護されているために、通常は点灯回路基板1023に設けられるカバーを省くことができ、部品点数削減によるコストダウンを図ることができる。
保護カバー1026は、ベース部材1021に取り付けられる。保護カバー1026は、ポリカーボネート(PP)等の透明性を有する難燃性の合成樹脂材料からなり、その形状は、図22乃至図24、図35、図36に示すように、ドーナツ状に連続する中空パイプのリングを、このドーナツを側面視(ドーナツの中空部分の中心軸と直交する方向から見た状態である。)したときの長円を上下に2等分する仮想平面で切断したときの下半分の形状に類似しており(すなわち、横断面が略半パイプ状の形状を有している)、その切断面側がベース部材1021への固定側(図23)となる。なお、略半パイプの軸心は、仮想の切断されなかった円パイプの軸心と同じである。
換言すると、保護カバー1026は、ベース部材開口部1021aの中心を通る仮想回転軸に対して、仮想回転軸から離れた位置に存在する円の中心を通り且つ仮想回転軸と直交する仮想線分で前記円を切断した下半分の半円に近い形状の近似半円を回転させてなる中空の半ドーナツ状をしている。近似半円の中心を仮想回転軸に対して回転させたものが半パイプの軸心である。
このリング状の保護カバー1026を側面視して、リングの仮想中心軸を含む仮想垂直面で切断したときの保護カバー1026の断面(この断面を「横断面」ともいう。)は、図22及び図36に示すように、下に凸な円弧が離間して2つ並列する形状となる。保護カバー1026をベース部材1021に装着したとき、前述した下に凸な円弧の内側、すなわち実際の立体構造では上面が開口したリング状の半パイプの内側空間が、ベース部材1021に搭載された点灯回路基板1023とLED基板1024の両方を合わせて下方から覆い、点灯回路基板1023とLED基板1024の光の出射方向側の面を覆う。つまり、保護カバー1026は、半パイプの横断面において、光の出射方向にドーム状(上記「下に凸な円弧」に相当する。)に張り出すドーム部1026nを有する。なお、半パイプの横断面において、ドーム部1026nにおける回転体の仮想回転軸に近い側を内周側とし、仮想回転軸から離れた側を外周側とする。保護カバー1026は、半パイプの横断面において、ドーム部1026nの内周縁より内側に、保護カバー1026を引掛刃保持部材1011に固定するための引掛刃固定部1026hを有している。保護カバー1026は、ドーム部1026nの外周縁より外側に、保護カバー1026をベース部材1021に固定するためのベース部材固定部(ベース部材固定孔1026f)を有している。
これにより、点灯回路基板1023及びLED基板1024の双方をLED素子1025の光出射方向側から露出させることなく覆うことができると同時に、点灯回路基板1023とLED基板1024を別々のカバーを準備して、個々に覆う必要がなくなるため、部品点数の増加を抑え、コスト削減に効果が大きい構成となっている。
保護カバー片1026A、1026Bは、同一な構成であるため、1つの成形型で製造される。このためコスト削減につながる。なお、ここでは、2つの保護カバー片1026A、1026Bは、同一の構成としたが、異なる構成としてもよい。また、保護カバー片1026A、1026Bは、保護カバー1026を略均等に分割したような形状をしているが、保護カバー1026を不均等に分割したような形状であってもよい。また、3以上の複数個の保護カバー片から保護カバーが構成されてもよい。
保護カバー片1026A、1026Bは、互いに対向する端部が保護カバー当接部1026bとなっている。保護カバー片1026Aの保護カバー当接部1026bと、保護カバー片1026Bの保護カバー当接部1026bとが重なり合うことで連結される。この保護カバー当接部1026b同士が重なった部分を重畳部分とする。なお、保護カバー当接部1026bは、第1の実施形態における嵌装部26kに相当する。
2つの保護カバー片1026A、1026Bは、図41乃至図43に示すように、各々ベース部材1021に取り付けられ、各保護カバー連結部1026tで連結される。ベース部材1021へは、1部材ずつ、順次取り付け作業を行えばよく、位置合わせ等の作業が容易である。
保護カバー連結部1026tは、図41乃至図46保護カバー片1026A、1026Bにおける周方向の一方の端部に設けられた突状の嵌合片1026uと、周方向の他方の端部に設けられ且つ嵌合片と嵌合する嵌合溝1026vとを有する。つまり、保護カバー片1026Aの嵌合片1026uが保護カバー片1026Bの嵌合溝1026vと嵌合し、保護カバー片1026Bの嵌合片1026uが保護カバー片1026Aの嵌合溝1026vと嵌合する。これにより、2つの保護カバー片1026A、1026Bが連結される。
嵌合片1026uと嵌合溝1026vとが嵌合する状態で、嵌合片1026uと嵌合溝1026vとを貫通する貫通孔1026wが設けられており、この貫通孔1026wを挿通するねじにより保護カバー1026がベース部材1021に固定される。
ここでは、内周側連通部が貫通孔1026kであり、外周側連通部が切欠1026mである。しかしながら、保護カバー1026がベース部材1021に取り付けられた状態で、保護カバー1026の内側と保護カバー1026の外側とが連通できればよく、内周側連通部及び外周側連通部の形態は特に限定するものではない。例えば、内周側連通部及び外周側連通部を、貫通孔で構成しても良いし、切欠で構成してもよいし、内周側連通部を切欠で、外周側連通部を貫通孔でそれぞれ構成してもよい。
これらの複数の貫通孔1026kは、必ずしも、均等な間隔で設ける必要はなく、また、すべて同じ大きさや形状の貫通孔1026kとする必要もなく、保護カバー1026の引掛刃保持部材1011への取り付け等を考慮して、配置や大きさを設定することができる。保護カバー1026はベース部材1021の平板面と平行な平坦部分(引掛刃固定部1026h)を内周側に有しており、この平坦部分がねじによりベース部材1021に螺着される。ねじの位置は、図41及び図43に示すように、周方向に隣接する貫通孔1026kの間である。
以上のように、保護カバー1026の内周端部に形成された貫通孔1026kと、外周縁部に形成された切欠1026mとは、LED素子1025を冷却するための冷却機能(放熱性)を担うことができるなお、点灯回路基板1023の回路部品1023a、1023bの発生する熱も、LED素子1025の発熱と同様に、循環空気流により放出できる。
同様に、保護カバー1026の外周縁部に沿って形成されている切欠1026mの開口も、図35に示すように、LED素子1025から出射される光の1/2ビーム角の出射光よりも、ベース部材1021側(天井面1005側)に位置するように配することにより、切欠1026mの影が透光性カバー1003に映る事態を防止することができる。
2つの保護カバー片1026A、1026Bにおいて、2つの保護カバー当接部1026bによる重畳部分は単なる当接(重なり)ではなく、2つの保護カバー片1026A、1026Bのうち、一方の保護カバー片1026A、1026Bの端部は保護カバー1026の板厚の略上半分がカットされ(段状に形成されている)、この略上半分がカットされた一方の端部に係合する他方の保護カバー片1026B、1026Aの端部は保護カバー1026の板厚の略下半分がカットされた形状(いわゆる、木材を継ぐ建築用語でいう「相欠き」加工)に成形されて、これらの端部により保護カバー当接部1026bが形成される。したがって、2つの保護カバー片1026A、1026Bの円弧状(横断面においてである。)の端部を互いに対向させてリング状に連結した状態の重畳部分は、上半分カットと下半分カットの端部が対向しており、このカット部を嵌め合わせると、保護カバー1026のうち保護カバー当接部1026b(重畳部分)以外の部分と略同一の厚さを維持したままスムーズに2つの部材が連結される。
なお、ここでは、当接部の構造として、保護カバー片1026A、1026Bの端部をカットしているが、例えば、一方の保護カバー片の端部をそのままにし、他方の保護カバー片の端部を一方の保護カバー片の端部の上面又は下面に沿って延出するような構造とすることもできる。
図36及び図43、特に図36に示すように、横断面において、ベース部材1021の平板面を基準にして、重畳部分の頂部の高さが、重畳部分以外の他の部分での頂部の高さよりも低くなっている。つまり、重畳部分とLED基板1024(又はベース部材1021)との距離は、重畳部分以外の他の部分とLED基板1024(又はベース部材1021)との距離よりも短くなっている。
各保護カバー片1026A、1026Bは、床面側から見たときの周方向の中央部分よりも端部に近い部分から保護カバー当接部1026bに近づくに従って頂部の高さが徐々に低くなる領域1026pを有している。1つの領域1026pは、図24に示すように、保護カバー開口部1026a(引掛保持部1010)の中心を基準として約30度の角度である。つまり、重畳部分を挟んで60度の範囲が、他の部分の頂部の高さよりも低くなっている。これにより、透光性カバー1003に重畳部分が影として映るのを抑制できる。
パイプ状の引掛保持固定ガイド1026jは、その内周面が引掛刃保持部材1011の内筒1011r(図28)の外周面に当接するように、設けられている。なお、引掛保持固定ガイド1026jの内周の形状及び引掛刃保持部材1011の内筒1011rの外周形状は、円形状である。このため、保護カバー1026を内筒1011rに沿って回動させることができ、保護カバー1026の引掛刃保持部材1011に対する位置決めを容易に行える。
引掛保持固定ガイド1026jには、図35から解るように、パイプの中心(保護カバー開口部1026aの中心でもある。)に対して、対向する2か所に溝(ここでは、「U」字状である。)が設けられている。一方は、点灯回路基板1023への電力線1014を通す凹部となる電力線配線溝1026gであり、他方の溝には引掛刃保持部材1011の保護カバー位置ピン1011s(図28)が嵌る。2か所の溝形状は相同であり、どちらを点灯回路基板1023への電力線1014を通す凹部となる電力線配線溝1026gとするかの区別はない。
引掛保持固定ガイド1026jに形成されている溝は、2つの保護カバー片1026A、1026Bの保護カバー当接部1026bにおいて、保護カバー片1026A、1026Bに跨って形成されている。このため、保護カバー片1026A、1026B単位では、「U」字状の半分の形状で切り欠かれている。
保護カバー1026を、引掛刃保持部材1011が装着されたベース部材1021に取り付ける際、引掛保持固定ガイド1026jの内側に、引掛刃保持部材1011の内筒1011r(図28)が挿入されるように保護カバー1026とベース部材1021を位置合わせし、次に、保護カバー1026を回動して、引掛保持固定ガイド1026jの前述したU字状の溝に、引掛刃保持部材1011の配線溝1011e(図28)、または保護カバー位置ピン1011sを嵌め込むと、保護カバー1026が、ベース部材1021の正しい固定位置に位置合わせできたことになる。
なお、点灯回路基板1023への電力線1014を通す凹部となる電力線配線溝1026gは、図35に示すように、引掛刃保持部材1011から点灯回路基板1023へ電力を送る電力線1014を通すためのU字状の溝として形成されている。
図43に示すように、保護カバー1026は、LED基板1024と点灯回路基板1023が保護カバー1026の外に露出しない状態で、LED基板1024及び点灯回路基板1023を覆っており、LED照明装置本体1001を配線器具1007に取り付ける際に、設置作業者の電気的安全性が図れるとともに、設置作業者がLED素子1025等に触れて照明性能を劣化させる事態も回避できる。
保護カバー1026は、周方向に間隔を置いて複数個(ここでは4個である。)の後透光性カバー嵌合部1026dを有している。後透光性カバー嵌合部1026dは、図46に示すように、外周端部からベース部材1021の平板面と平行な方向であって外方へ張り出すと共に周方向に延伸する張出部分1026rと、張出部分1026rの周方向の一端から上下に延伸する規制部分1026sとからなる。ここでの張出部分1026rの周方向の一端は、後透光性カバー1031を保護カバー1026に取り付ける際に回動させる側(進行する側である)に存する端である。
後透光性カバー1031は、床面側から見たときに環状をし、図44に示すように、後透光性カバー嵌合部1026dの位置に対応して、周方向に間隔をおいて複数個(ここでも4個である。)の保護カバー嵌合部1031aを有している。後透光性カバー1031が筒状(ここでは円筒状である。)をしている。保護カバー嵌合部1031aは、筒状の上端部の内周面からベース部材1021の平板面と平行な方向であって内方へと張り出すと共に周方向に延伸する張出部により構成されている。
周方向に隣接する後透光性カバー嵌合部1026dの間隔は、後透光性カバー1031の保護カバー嵌合部1031aの周方向の長さより大きい。なお、後透光性カバー1031の回動方向は、後透光性カバー嵌合部1026dの規制部分1026sに向かう方向である。
保護カバー1026に後透光性カバー1031が取り付けられた状態では、後透光性カバー1031の保護カバー嵌合部1031aの下面が、保護カバー1026の後透光性カバー嵌合部1026dの上面に係合(当接)している。
後透光性カバー1031の保護カバー嵌合部1031aは、張出部分1026rの回動方向の先端部位(嵌合した状態で保護カバー1026の規制部分1026sに近い部位である。)の下面に、ベース部材1021側に凹入する凹み1031dを有している。保護カバー片1026A、1026Bの少なくとも1つの後透光性カバー嵌合部1026dは、後透光性カバー1031が保護カバー1026に取り付けられた状態において、保護カバー嵌合部1031aの凹み1031dに対応する部位に、上下方向に弾性変形可能な弾性片1026qを有している。なお、通常は、弾性片1026qは上方(ベース部材1021側である)へと張り出している。後透光性カバー1031が保護カバー1026に取り付けられた際に、保護カバー1026の弾性片1026qが、後透光性カバー1031の凹み1031dに係合する。これにより、後透光性カバー1031の保護カバー1026からの脱落が抑制される。
また、後透光性カバー1031を床面側から見たとき、保護カバー嵌合部1031aの内周縁形状は円弧状をしている。この円弧状の半径及び中心は、ドーム部1026nの外周縁の半径及び中心と略一致している。
この場合、保護カバー1026は、透光性カバー1003を滑らせて所定の位置に案内するカバーガイド部を有することになる。つまり、このカバーガイド部は、図示の実施形態では、具体的には、図45及び図36に示すように、保護カバー1026のうち、LED素子1025が発する光が出射する側の面の外周部側面に形成された略凸状曲面(ドーム部1026nの表面であって頂部より外周側に位置する面)から成っている。より具体的には、図45に示すように、保護カバー1026の外周部側面(表面)は、側面視したとき、下端(床面に最も近い部位)からベース部材1021の方向に向けて(上方に向けて)、先述したように円弧状をなして拡がっている(図36及び図45参照)。
実際の保護カバー1026は、床面側から見たとき、リング状(図44)であって、その下端部(ドーム部1026nの頂部である。)の直径は、保護カバー嵌合部1031aのある部分の後透光性カバー開口1031cの直径より小さくなっている。特に、保護カバー1026の下端部の直径は、保護カバー嵌合部1031aの内周縁の直径より小さい。したがって、保護カバー1026に後透光性カバー1031を取り付ける際は、図44及び図45に示すように、後透光性カバー開口1031cへ保護カバー1026の下端部が挿入されるように、後透光性カバー1031を保護カバー1026の下方から上方に向けて移動させればよい。このとき、保護カバー1026と後透光性カバー1031が水平方向に位置ずれしていても、一旦、後透光性カバー開口1031cに保護カバー1026の下端部が入っていれば、上記のように、保護カバー1026の外周部側面が略凸状曲面に形成されているため、その後は、後透光性カバー1031を上方に移動させれば、後透光性カバー開口1031cが、保護カバー1026の外周側面の円弧状曲面に沿って滑りながら水平方向にも移動する。最終的には水平方向は自己位置合わせ(セルフアライメント)的に、所定の正しい位置に合ってくる。換言すると、後透光性カバー1031の保護カバー嵌合部1031aの内周縁をドーム部1026nの外周側表面に沿って移動させると、保護カバー嵌合部1031aの内周縁が、ドーム部1026nの外周縁に自然と案内される。この位置は、保護カバー嵌合部1031aが後透光性カバー嵌合部1026dに嵌合する際に、後透光性カバー1031を回動させる位置に相当する。
後透光性カバー1031の保護カバー嵌合部1031aが後透光性カバー嵌合部1026dに当接する位置に達した後は、後透光性カバー1031を回動させ、後透光性カバー嵌合部1026dと保護カバー嵌合部1031aを嵌合させれば、保護カバー1026への後透光性カバー1031の取り付け作業が完了する。
ここで、保護カバー1026の外周部側面が下に凸な曲面であることにより、この曲面に沿って後透光性カバー開口1031cを滑らせて移動させながら、後透光性カバー1031を自己位置合わせ的に保護カバー1026の嵌合位置に導く位置合わせ作業のアシスト機能を果たしている。このため、後透光性カバー1031を、LED照明装置本体1001に対して、当初から厳密に水平方向の位置を一致させる作業を要することなく、簡易に位置決めしながら適切に保護カバー1026に取り付けることができる。
また、後透光性カバー1031の保護カバー嵌合部1031aは、上端部の内周から径方向の内方に向けて張り出す。このため、保護カバー1026に後透光性カバー1031を取り付ける際に、ドーム部1026nに保護カバー嵌合部1031aが最初に当接することとなり、後透光性カバー1031は保護カバー1026の取り付ける位置へと確実に案内されることとなる。
また、保護カバー1026は、相互に同一の2つの保護カバー片1026A、1026Bから構成されていることも前述したが、これらの2つの保護カバー当接部1026bの近傍もシボ加工が施されている。
上記のような保護カバー1026の外表面へのシボ加工により、回路部品1023a、1023bの影や保護カバー当接部1026b(重畳部分である。)の影の発生を抑え、透光性カバー1003から出射する光を全面で均一化させることができる。なお、保護カバー1026の外表面において、シボ加工が施されていない部分は透明である。
具体的には、保護カバー1026の上面開口の縁から1/2ビーム角で規定した線までの範囲で突起サイズ(高さ)を、上面開口の縁では大きく、他方、1/2ビーム角で規定した線付近では小サイズとなるように、突起サイズを傾斜的に変化させたシボ加工を施している。突起サイズの傾斜的変化には、上面開口縁で60μmとし、1/2ビーム角の規定線付近では5μmとすることなどが挙げられる。
このような突起サイズに対する傾斜的シボ加工を、保護カバー1026の表面に施すことにより、床面に平行に近い浅い角度で出射するLED素子1025の照明光は、大きなサイズ突起により大きく拡散されるために、回路部品1023a、1023bの影が効果的に抑制される一方、床面と直交する方向に近い角度で出射するLED素子1025の照明光に対する拡散性は小さく、床面と直交する方向を明るく照射できるようになる。
また、保護カバー1026の外形を、上面が開口したリング状の半パイプ(断面が下に凸な円弧状)としたが、保護カバー開口部1026aの周辺は、内部のLED基板1024や点灯回路基板1023と干渉せず、照明光に強度むらを発生させないなど、照明装置の性能を劣化させない範囲で形状の変更は可能である。また、保護カバー1026の外周外面はリング状の全周が全て略曲面である必要はなく、照明光に強度むらを発生させない範囲で、部分的に傾斜面が含まれていればよい。
LED照明装置本体1001を構成する引掛保持部1010、ベース部材1021、点灯回路基板1023、LED基板1024、保護カバー1026の相互の位置関係について、図22と図23を参照しながら説明する。
まず、図23に示すように、引掛保持部1010がベース部材1021に嵌装されて固定される。また、ベース部材1021のベース部材開口部1021aの周囲には、6枚のLED基板1024が円環状に配設される。点灯回路基板1023が、LED基板1024の外周側の周囲に配設される。LED基板1024と点灯回路基板1023を覆うように、円環状の保護カバー1026が配設される。
透光性カバー1003は、ここでは、図22に示すように、後透光性カバー1031と前透光性カバー1032とを有する。つまり、後透光性カバー1031はLED照明装置本体1001に取り付けられ、前透光性カバー1032は後透光性カバー1031に取り付けられる。
LED照明装置本体1001に取り付けられる透光性カバー1003は、図21乃至図23、及び図37乃至図40に示すように、保護カバー1026と嵌合する後透光性カバー1031と、この後透光性カバー1031の下部の開口部に取り付けられて、LED照明装置本体1001を下方から覆う前透光性カバー1032との2つの部材からなる。両カバー1031、1032は、ポリプロピレン(PP)等の熱可塑性合成樹脂を使用して製作される。
後透光性カバー1031は、高さの低い筒状をし、図44に示すように、上部開口部側に保護カバー嵌合部1031aを有し、下部開口部側に前カバー嵌合部1031bを有している。保護カバー嵌合部1031aは、保護カバー1026の後透光性カバー嵌合部1026dと嵌合する。前カバー嵌合部1031bは、前透光性カバー1032の後カバー嵌合部1032aと嵌合する。
前透光性カバー1032は、図39に示すように、ドーム形状をし、開口部側に後カバー嵌合部1032aを有している。後カバー嵌合部1032aは、後透光性カバー1031の前カバー嵌合部1031bと嵌合する。
後透光性カバー嵌合部1026dと保護カバー嵌合部1031aとは、複数個あり、互いに対応した位置に設けられ、後透光性カバー1031を保護カバー1026に対して回動させることで、両嵌合部1026d、1031aは嵌合する。前カバー嵌合部1031bと後カバー嵌合部1032aとは、複数個あり、互いに対応した位置に設けられ、前透光性カバー1032を後透光性カバー1031に対して回動させることで、両嵌合部1031b、1032aは嵌合する。
LED照明装置本体1001に透光性カバー1003を取り付ける際は、まず、ベース部材1021に取り付けられた保護カバー1026に、円環形状の後透光性カバー1031を取り付け、次に、後透光性カバー1031の下部開口の内側に設けられた前カバー嵌合部1031bと、前透光性カバー1032の後カバー嵌合部1032aを嵌合させて、ドーム形状の前透光性カバー1032を後透光性カバー1031に取り付ける。
透光性カバー1003が、後透光性カバー1031と前透光性カバー1032の2つの部材に分かれていることにより、一体構造である場合より、それぞれが軽量のため、保護カバー1026への後透光性カバー1031の取り付け作業や、後透光性カバー1031への前透光性カバー1032の取り付け作業が、床面方向から天井面1005を見上げる視点での作業であっても、簡単に行うことができる。
なお、後透光性カバー1031を保護カバーに位置合わせして取り付ける作業手順の詳細と、その作業が簡単に行えることは、すでに説明ずみである。
また、透光性カバー1003は、連続した曲面形状にすることや、高密度となる光拡散面を形成するシボ加工を施したり、材料に拡散剤を含有させること等により、シーリングライト1100からの出射光を全面で均一にさせることができる。
更に、引掛刃保持部材1011及び透過窓1015を、絶縁性材料から形成しているため、引掛刃1012を、LED照明装置本体1001を通電状態の配線器具1007に接続しても、金属製部材などと電気的に短絡が生じる虞はなく、簡単かつ安心してLED照明装置本体1001の取り付けや取り外し作業を行うことができる。
(1. 取付部材)
実施形態では、ベース部材21、1021と引掛保持部(取付部材の一例に相当する。)10、1010が一体に組み立てられていたが、ベース部材と取付部材とは別体で構成されてもよい。つまり、取付部材に従来のアダプタを利用してもよい。
実施形態では、点灯回路基板23、1023は、光出射方向から見たときに、環状に配されたLED基板24、1024の外側に配されていたが、内側であってもよい。なお、上述したように、点灯回路基板は環状に配されたLED基板の外側に配された方が種々の効果が得られる。
実施形態では、保護カバー26、1026は、LED基板24、1024が配置された形状に合わせて、円環状をしている。しかしながら、保護カバーは、LED基板が配置されている形状に合わせる必要はなく、例えば、六角環状等の多角環状をしていてもよい。なお、形状を合わせる方が、LED照明装置としての小型化が図れる。
実施形態では、保護カバー片26m、26n、1026A、1026Bの端部(嵌装部26kや保護カバー当接部1026bである。)は、径方向に延伸する直線状をしている。しかしながら、端部は、径方向に延伸する曲線状であってもよい。また、保護カバー片26m、26n、1026A、1026Bの端部(嵌装部26kや保護カバー当接部1026bである。)は、保護カバー26、1026の中心を通る直線上に位置している。しかしながら、端部は、保護カバー26、1026の中心を通る直線上に位置しなくても良い。ただし、LED基板の配置(配光特性)を考慮すると、直線上に位置する方が好ましい。
以上、この発明の実施形態や変形例を説明したが、この発明は、これらの実施形態や変形例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なし得る各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
2:一体部材
10:引掛保持部
11:引掛刃保持部材
11a:回動部
11b:ロック開口部
11c:引掛刃固定溝
11d:引掛刃設置溝
11e:配線溝
11f:配線固定部
11g:ベース部材位置合わせ部
11h:ベース部材嵌装部
11j:つまみ部
11m:ロック部材配置部
11n:ベース部材固定溝
11o:保護カバー固定溝
12:引掛刃
12a:引掛部
12b:刃固定孔
12c:刃固定部
12d:刃端子固定部
12e:刃端子孔
13:ロック部材
13a:固定爪
13b:固定ベース部
13c:固定突部
13d:押部
13e:ロックベース部
13f:ベース突部
13g:ばね部
14:電力線
21:ベース部材
21a:ベース部材開口部
21b:引掛刃保持嵌装部
21c:ベース外縁部
21d:LED基板固定部
21e:周方向リブ
211a:中央部側リブ
211b:周縁部側リブ
21f:放射方向リブ
21g:引掛刃保持部位置合わせ部
21h:引掛刃保持部固定孔
21j:LED基板固定孔
21k:点灯回路基板固定孔
21m:保護カバー固定孔
21n:天井用ばね固定孔
22:天井用ばね
23:点灯回路基板
23a:調光回路基板
23b:調色回路基板
23c:回路部品
23d:回路部品
23e:常夜灯
23f:常夜灯保護カバー
23g:受光素子
23h:コネクタ
23j:リード線
24:LED基板
24a:コネクタ
24b:リード線
25:LED素子
26:保護カバー
26a:保護カバー開口部
26b:保護カバー連結部
26c:保護カバー外縁部
26d:後透光性カバー嵌合部
26e:引掛固定孔
26f:ベース部材固定孔
26g:電力線配線溝
26h:保護カバー貫通孔
26j:保護カバー切欠部
26k:嵌装部
26m:第1の保護カバー片
26n:第2の保護カバー片
3:透光性カバー
31:後透光性カバー
31a:保護カバー嵌合部
31b:前カバー嵌合部
31c:後カバー開口部
32:前透光性カバー
32a:後カバー嵌合部
5: 天井面
7:配線器具
100:LED照明装置
Claims (2)
- 光源としてのLED素子と、
前記LED素子が実装されるLED基板と、
前記LED基板が配される平板状のベース部材と、
前記ベース部材における前記LED基板が配される側に配され且つ前記LED素子に電力を供給する点灯回路基板と、
被取付部材に取り付けられる引掛刃を有する取付部材と
を備え、
前記ベース部材は、中央部に前記取付部材用の貫通孔を有するとともに、当該貫通孔を囲繞する状態で表側に環状に突出する突出部を有し、
前記突出部に前記LED基板を固定するためのねじ穴を複数有し、
前記ベース部材における前記突出部の外周側は、当該突出部の表面よりも裏側に位置し、当該外周側に前記点灯回路基板が配され、
前記LED基板は、前記点灯回路基板よりも表側に配されている
LED照明装置。 - 前記点灯回路基板は円弧状をしている
請求項1に記載のLED照明装置。
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