JP5793263B1 - Led照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】広く均一に照らせることができるLED照明装置を提供する。【解決手段】LED照明装置100は、取付部を介して被取付部材に着脱自在に取り付けられるLED照明装置において、取付部を中央部に有するベース部材10と、光源であるLED素子15と、ベース部材10に配され且つLED素子15が実装されるLED基板14とを備える。LED基板14は、LED素子15の光出射方向から見たときに、中央部の中心O1とベース部材10の外縁部10c上の仮想点との中点M1上に位置する。【選択図】図8

Description

本発明は、LED素子を光源に使用したLED照明装置に関するものである。
近年、環境意識の高まりから、省電力化に優れたLED素子を光源に使用した、電源内蔵型の電球型LEDランプが普及してきた。更に最近は、天井直付け型のシーリングライトや、天井面から吊り下げられて室内を照らす吊下げ型照明機器においても、LED素子を使用した照明装置が開発され、市場に導入されてきている。
このような天井直付けシーリングライトは、天井面に取り付けられた引掛シーリングボディ等の配線器具(被取付部材である。)に、アダプタを介して照明装置を装着するものであり、特に最近は厚みの薄いシーリングライトが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、例えば、特許文献1に記載されている照明装置は、LEDを含んでなる光源と、光源に電力を供給する電源基板と、光源及び電源基板を保持する保持体と、光源を覆う透光性カバーとを備えている。保持体は、保持体を取付部材を介して被取付部材に取付けるための穴をその略中央に有し、電源基板は、保持体の穴の周囲に設けられ、光源は、電源基板の周囲に設けられ、照明装置は、保持体の穴に対向して配置されるセンタカバーをさらに備えている。これにより、被取付部材からの突設高さを低減することができ、照明装置を薄型化することができる。
しかしながら、この特許文献1に記載されている照明装置においては、光源、電源基板及び取付部材を夫々被取付部材に対して互いに重なり合わないように保持体に配置している。このため、薄型化はできるが、センタカバーから均一な光を出射させることが難しくなる問題があった。
特許第5374662号
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、広く均一に照らせることができるLED照明装置を提供することにある。
本発明は、取付部を介して被取付部材に着脱自在に取り付けられるLED照明装置において、前記取付部を中央部に有するベース部材と、光源であるLED素子と、前記ベース部材に配され且つ前記LED素子が実装されるLED基板とを備え、前記LED基板は、前記LED素子の光出射方向から見たときに、前記中央部の中心と前記ベース部材の外縁部上の仮想点との中点上に位置することを特徴としている。
本発明によれば、LED基板は中央部分に位置しているため、広く均一に照らすことができる。
第1の実施形態のLED照明装置の外観斜視図である。 第1の実施形態のLED照明装置の垂直断面図である。 第1の実施形態のLED照明装置の分解斜視図である。 第1の実施形態のLED照明装置の前透光性カバーを外した状態の平面図である。 第1の実施形態に用いられるベース部材の斜視図である。 第1の実施形態に用いられるベース部材の断面図である。 第1の実施形態に用いられるアダプタの斜視図である。 第1の実施形態に用いられる点灯基板とLED基板の配置図である。 第1の実施形態に用いられる点灯基板とLED基板の上面図である。 第1の実施形態に用いられる保護カバーの斜視図である。 第1の実施形態に用いられる保護カバーの断面図である。 第1の実施形態に用いられる後透光性カバーの斜視図である。 第1の実施形態に用いられる後透光性カバーの断面図である。 第1の実施形態に用いられる前透光性カバーの斜視図である。 第1の実施形態に用いられる前透光性カバーの断面図である。 第2の実施形態のLED照明装置の外観斜視図である。 第2の実施形態のLED照明装置の垂直断面図である。 第2の実施形態のLED照明装置の分解斜視図である。 第2の実施形態のLED照明装置の透光性カバーを外した状態の前面図である。 第2の実施形態のLED照明装置の透光性カバーを外した状態の後面図である。 第2の実施形態に用いられる引掛保持部の斜視図である。 第2の実施形態に用いられる引掛刃保持部材の後面斜視図である。 第2の実施形態に用いられる引掛刃保持部材の前面斜視図である。 第2の実施形態に用いられる引掛刃の斜視図である。 (a)は第2の実施形態に用いられるロック部材のロック状態における斜視図であり、(b)はロック部材の解除状態における斜視図である。 第2の実施形態に用いられるベース部材の斜視図である。 第2の実施形態に用いられるベース部材の断面図である。 第2の実施形態に用いられる点灯回路基板とLED基板の配置図である。 第2の実施形態に用いられる点灯回路基板とLED基板の上面図である。 第2の実施形態に用いられる保護カバーの斜視図である。 第2の実施形態に用いられる保護カバーの断面図である。 第2の実施形態に用いられる後透光性カバーの斜視図である。 第2の実施形態に用いられる後透光性カバーの断面図である。 第2の実施形態に用いられる前透光性カバーの斜視図である。 第2の実施形態に用いられる前透光性カバーの断面図である。 第2の実施形態に用いられる保護カバーの分解斜視図である。 第2の実施形態に用いられる保護カバーの取り付けを示す斜視図である。 第2の実施形態に用いられる保護カバー取り付け後のLED照明本体の斜視図である。 第2の実施形態に用いられる透光性カバーの取り付けを示す斜視図である。 第2の実施形態に用いられる透光性カバーの取り付けを示す側面図である。 変形例における点灯基板とLED基板の配置図である。 変形例における点灯基板とLED基板の配置図である。
<概要>
本発明の一態様に係るLED照明装置は、取付部を介して被取付部材に着脱自在に取り付けられるLED照明装置において、前記取付部を中央部に有するベース部材と、光源であるLED素子と、前記ベース部材に配され且つ前記LED素子が実装されるLED基板とを備え、前記LED基板は、前記LED素子の光出射方向から見たときに、前記中央部の中心と前記ベース部材の外縁部上の仮想点との中点上に位置することを特徴する。
他の一態様に係るLED照明装置は、前記ベース部材は、前記取付部用の開口を前記中央部に有し、前記取付部が前記開口に組み込まれて一体化されている。
他の一態様に係るLED照明装置は、前記ベース部材は、前記取付部用の開口を前記中央部に有し、前記取付部が前記開口を介して着脱自在に前記ベース部材に装着される。
また、別の態様に係るLED照明装置は、LED素子を含んでなるLED基板と、LED素子に電力を供給する点灯基板と、LED基板及び点灯基板を保持するベース部材と、LED基板を覆う透光性カバーとを備えるLED照明装置であって、ベース部材は、ベース部材を被取付部材に取付けるための穴をその略中央に有し、LED基板は、ベース部材の穴の周囲に設けられ、点灯基板は、LED基板の周囲に設けられていることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
<第1の実施形態>
本実施形態に係るLED照明装置は、LED素子を含んでなるLED基板と、前記LED素子に電力を供給する点灯基板と、前記LED基板及び前記点灯基板を保持するベース部材と、前記LED基板を覆う透光性カバーとを備えるLED照明装置であって、前記ベース部材は、前記ベース部材を被取付部材に取付けるための穴(開口)をその略中央に有し、前記LED基板は、前記ベース部材の前記穴の周囲に設けられ、前記点灯基板は、前記LED基板の周囲に設けられている。
以下に第1の実施形態の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお本実施形態は一例であり、これに限定されるものではない。
図1乃至図3は、第1の実施形態の照明装置100の一つを示し、この本実施形態に係わるLED照明装置100は、図1乃至図3に示すように、LED照明本体1と、このLED照明本体1に取り付けられてLED照明本体1を覆う透光性カバー3とから成っている。このLED照明装置100は、特に図2に示すように、天井面5にあらかじめ設置されているロゼットや引掛シーリングボディ等の被取付部材である配線器具7に電気的かつ機械的に接続される取付部材(本発明の取付部の一例に相当する。)アダプタ6を備え、さらにアダプタ6にLED照明本体1が着脱自在に装着される。
天井面5にLED照明装置100を装着する場合、ベース部材10の天井面5側に取付けられているプラスチック等の天井用ばね12を天井面5へ向け、アダプタ6とベース部材10のアダプタ受け部10bとを接続するように、LED照明本体1を天井面5へと押し込む。その後、LED照明本体1の前面側に、透光性カバー3を嵌合して、LED照明装置100はシーリングライトとして使用可能となる。天井用ばね12は、天井面5に接触させることにより、LED照明装置100の位置ずれや振動を防止することができる。この場合、配線器具7が天井面5に設けられていれば、天井面5に特別な補強を施すことなく、施工性良くLED照明装置100を取付けることができる。
(1. LED照明本体)
LED照明本体1は、図2と図3に示すように、ベース部材10と、このベース部材10を天井面5等の被取付部の配線器具7に取り付けられたアダプタ6に取付けるアダプタ受け部10b(図5参照)と、このベース部材10に配設されるLED素子15を点灯させるための点灯基板13と、LED素子15を搭載しているLED基板14と、点灯基板13とLED基板14を覆う保護カバー16からなっている。
(1.−1 ベース部材)
LED照明本体1のベース部材10は、冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料を使用して、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって作成される。ベース部材10は、図2乃至図6に示すように、円盤形状で、特に図5に示すように中心部(中央部)に円形のベース部材開口部10aが開口し、LED照明本体1をアダプタ6に取り付ける時に、当該ベース部材開口部10aを利用して外部より目視出来るように形成されている。つまり、ベース部材10は、床面側(LED素子の光出射方向と同じ意味である。)から見ると中央部に開口を有する環状をしている。より具体的には、ベース部材10は、円環状をしている。なお、ベース部材開口部10aは、アダプタ6用の開口の一例に相当する。ここでは、ベース部材開口部10aは、床面側から見ると、円形状をしているが、例えば、正方形、長方形、多角形等の他の形状であってもよい。
ベース部材10には、図5に示すように、中央部側リブ101aと周縁部側リブ101bから成る環状の周方向リブ10eと、放射方向リブ10fが加工されている。これらのリブ10e、10fを設けることにより、ベース部材10の強度を補強することができ、ベース部材10を構成する金属材料の厚みを薄くすることが可能になり、軽量化とコストダウンを実現することができるとともに、放熱面積を増加することができる。
ベース部材開口部10aの周囲には、アダプタ6を固定するためのアダプタ受け部10bが、加工により設けられている。中央部側リブ101aと周縁部側リブ101bの間の環形状部分に、基板固定部10dが設けられている。換言すると、基板固定部10dは、ベース部材10における基板固定部10d以外の部位よりも床面側に張り出している。基板固定部10dは、LED基板14に搭載されているLED素子15の光出射について、LED照明本体1を天井面5に取り付けた場合における床面側の全体に均一にするため、中心部側がLED照明本体1を天井面5に取り付けた場合の床面側に向け傾斜するように設けられている。つまり、基板固定部10dは、中央部から離れるに従って天井面5に近づくように傾斜している。基板固定部10dは、床面側から見ると、中央部のベース部材開口部10aに近い側に設けられており、アダプタ受け部10bの機械的特性を確保する機能を有する。
(1.−2 基板配置)
LED照明本体1のベース部材10を天井面5に取り付けた場合の床面側に、LED素子15が搭載されたLED基板14とLED素子15を点灯させるための点灯基板13が配設されている。LED基板14は、ベース部材10の基板固定部10dに配置されている。点灯基板13は、ベース部材10の周縁部側リブ101bに配置されて、LED基板14の周囲の一部領域あるいは全領域(ここでは一部領域である。)に設けられている構成となっている。つまり、点灯基板13は、ベース部材10を床面側からみたときに、LED基板14の外側に位置する。これにより、点灯基板13を複数の基板に分けて配置することもできるようになり、LED照明装置100をコンパクト化してコストダウンをすることができる。
(1.−3 LED基板)
LED基板14は、図2、図3、図8及び図9に示すように、複数枚あり、ベース部材10におけるベース部材開口部10aの周囲に配されている。より具体的には、複数のLED基板14は基板固定部10dにねじ、ピン等の固定手段を利用して固定されている。LED基板14は、所定の幅寸法を有した長尺状をしている。ここでは、LED基板14は、矩形状をし、各端部が三角形状に面取りされている。つまり、LED基板14は、円弧形状に近い形状をしている。ここでは、複数枚のLED基板14は、ベース部材開口部10aを囲んだ1重の環状に配されている。具体的には、6枚のLED基板14が基板接続線によりつなぎ合わされるように配設されて全体として略サークル状(正確には6角形状であるが、略円形状とする。)に形成される状態で、ベース部材10の基板固定部10dに配置されている。このLED基板14は、片面に配線されたガラスコンポジット基板(CEM−3)から成り、片面側にLED素子15が実装されている。なお、LED基板14にLED素子15が実装されたものもLED基板と称する場合もある。このように分割された基板(換言すると、複数の基板である。)を用いることにより、基板の分割部分(換言すると、周方向に隣接する基板間)で熱的収縮を吸収して基板の変形を抑制することができる。また、LED基板14は、長手方向の端部が三角形状となっているため、環状に配置された場合に隣接するLED基板14間の隙間を小さくできる。
また、特に図9に示すように、LED基板14同士の基板配線は、上述のように基板接続線(リード線14b)が利用される。隣接するLED基板14は、一方のLED基板14に設けられたコネクタ14aに接続されたリード線14bが他方のLED基板14にハンダで接続されることにより行われている。これにより、組み立て時のLED基板14同士の接続が容易にできるうえ、部品点数を削減することができる。点灯基板13と接続するための基板配線も同様の構成をとっている。
また、このLED基板14には、図9に示すように、LED素子15が、仮想の円周上に配置されている。また、円周上のLED素子15が、千鳥状の関係を構成するように配置しても良い。LED基板14は、中心部側がLED照明本体1を天井面5に取り付けた場合の床面側に向け傾斜するように設けられている基板固定部10dに配置されている。それにより、LED基板14は、透光性カバー3が均一な明るさになる基板を構成できる。なお、LED基板14は、ベース部材10に合成樹脂性のピン等により固定されている。LED基板14のLED素子15が搭載されていない裏面を、ベース部材10の基板固定部10dに固定して熱的に結合されていることにより、LED基板14から発生する熱をベース部材10により放熱することが可能となる。これにより、LED素子15の発光効率の低下を抑制することもできるようになる。なお、LED基板14において、LED素子15のLED素子搭載面側に、高反射シートを貼合することや、高反射用樹脂を塗布することにより、光取り出し効率を改善することができる。
(1.−4 LED素子)
このLED基板14に実装されるLED素子15としては、公知の種々のLEDを用いることができる。本実施形態では、照明用の白色光を発光する高輝度タイプのLED素子と、昼光色を発光する高輝度タイプのLED素子とが用いられて、調色が可能なLED照明装置の構成となっている。
(1.−5 点灯基板)
点灯基板13は、図2、図3、図8及び図9に示すように、配線器具7からアダプタ6を介して供給される交流電流を直流に変換してLED基板14に供給する。点灯基板13は、基板と、この基板に実装され且つ各機能を有する回路を構成する回路部品13a、13bとから構成される。点灯基板13は、1個であってもよいし、複数個あってもよい。点灯基板13は、ここでは1個である。点灯基板13は、床面側から見たときに、環状に配されたLED基板14の外周側全周に沿って又外周側一部に沿って配されている。ここでは、外周側に沿う一部の領域に点灯基板13は配されている。点灯基板13は、具体的には、円弧状をし、ベース部材10の周縁部側リブ101bの前面側(床面側)に配設されている。点灯基板13は、回路部品13a、13bが片面に配線された紙フェノール基板(FR−1)で構成されている。点灯基板13の回路部品13a、13bが搭載されていない裏面を、ベース部材10の前面側に絶縁シートを介して配設することにより、点灯基板13から発生する熱を、ベース部材10を介して放熱することが可能となる。なお、この点灯基板13を構成する回路部品13a、13bとしては、過電流保護、ノイズカット、整流、平滑、調光制御などの回路機能を行うための各種ダイオード、コンデンサ、IC、抵抗などの公知の電子部品を使用することができる。
点灯基板13へのアダプタ6からの電力配線はベース部材10の放射方向リブ10fに沿わせて配線している。点灯基板13からのLED素子15への直流供給は、特に図9に示すように、LED基板14と点灯基板13とを接続する接続線により行われる。この配線はリード線13dが利用され、リード線13dの一方端がコネクタ13cを介して点灯基板13に接続され、リード線13dの他方端はハンダでLED基板14に接続されている。これにより、組み立て時のLED基板14との接続が容易にできるうえ、部品点数を削減することができる。
点灯基板13における回路部品13a、13bの配置は、点灯基板13の中心(内周)側には背の低い回路部品13aが、点灯基板13の外(周)側には背の高い回路部品13bが、配置されている。その結果、回路部品13aの高さより回路部品13bの高さは、高くなっている。
回路部品13a、13bの高さは、LED素子15から出射される光の1/2ビーム角(光の広がり具合(配光)を示し、光源の直下照度(最大光度)の1/2の照度になる点と光源中心を結んだ線と、光源中心の鉛直方向線とのなす角度をいう)の出射光が、回路部品13a、13bに照射されないように配置する必要がある。これにより、透光性カバー3に、回路部品13a、13bの影が出なく、均一な明るさになる。
なお、点灯基板13の回路部品搭載面側に、高反射シートを貼合することや、高反射用樹脂を塗布することにより、さらに光取り出し効率の改善や影の発生を防止することができる。また、点灯基板13を複数の基板に分けて配置することもできるようになり、LED照明装置100をコンパクト化してコストダウンをすることができる。
点灯基板13は、保護カバー16により全体が保護されているために、通常点灯基板13に設けられるカバーを省くことができ、部品点数削減によるコストダウンを図ることができる。
(1.−6 保護カバー)
保護カバー16は、図2乃至図4、図10、図11に示すように、ポリカーボネート(PP)等の難燃性樹脂からなる。保護カバー16は、円環形状で、ベース部材10上に配置されているLED基板14と点灯基板13を覆うように、ベース部材10に取り付けられている。保護カバー16の中心部には、保護カバー開口部16aが設けられており、保護カバー開口部16aの周囲がベース部材10の中央部側リブ101aに固定されている。また、保護カバー16の外縁部の保護カバー外縁部16cは、ベース部材10の周縁部側リブ101bに固定されている。なお、保護カバー16のベース部材10の取付けは、例えば、ねじ等により行われている。保護カバー16は、LED基板14と点灯基板13を覆っているので、LED照明本体1をアダプタ6に取り付けにおける、設置者の電気的な安全を図ることができる。
保護カバー16には、透光性カバー3の後透光性カバー31と嵌合させる、透光性カバー嵌合部16bが設けられており、後透光性カバー31の保護カバー嵌合部31aと嵌合させることができる。後透光性カバー31を保護カバー16に固定することにより、金属部材のベース部材10におけるベース外縁部10cに固定する場合に比較して嵌合部を作成する加工工数を減ずることができる。
(1.−7 LED照明本体の組付)
上述したLED照明本体1を構成するベース部材10、点灯基板13、LED基板14、保護カバー16の相互の位置関係について、図2と図3を参照しながら説明する。ベース部材10のベース部材開口部10aの周囲に6枚のLED基板14が環状に配設されている。点灯基板13が、LED基板14の外側に配設されている。LED基板14と点灯基板13を覆うように、円環状の保護カバー16が配設されている。これらにより、第1の実施形態のLED照明装置100は、省スペース化することが可能になり、コンパクト化することができ、コストを削減することが可能となる。
(2. 透光性カバー)
LED照明本体1に取り付けられる透光性カバー3は、図1乃至図3、及び図12乃至図15に示されるように、保護カバー16と嵌合する後透光性カバー31とLED照明本体1を覆う前透光性カバー32から成り、特に図2に示すように、LED照明本体1を覆っている。透光性カバー3は、ポリプロピレン(PP)等の熱可塑性合成樹脂を使用して、特に図2に示すように、円環形状の後透光性カバー31とドーム形状の前透光性カバー32とを、後透光性カバー31の前カバー嵌合部31bと、前透光性カバー32の後カバー嵌合部32aとを嵌合させて、一体としている。
これにより、製造工程を削減して、製造に要する手間とコストを削減することができると同時に、透光性カバー3のコンパクト化及び軽量化を実現することができる。
なお、透光性カバー3の材質として、ポリプロピレン(PP)を用いるのは、軽量化及びコストダウンを図る上で好適であることに加え、外部のリモコンから出される赤外線の信号を透過して、赤外線の信号を到達させるのに、好適だからである。また、透光性カバー3は、連続した曲面形状にすることや、高密度となる光拡散面を形成するシボ加工を施したり、材料に拡散剤を含有させたり等することにより、さらに全面で均一に発光させることができる。これにより、透光性カバー3は、出射光を光拡散して全面で均一に発光させることができる。
(3. アダプタ)
アダプタ6は、図7に示すように、天井面5に設置された配線器具7に、上面側に設けられた引掛刃6bによって電気的かつ機械的に接続されるもので略円筒状をなし、配線器具7に差し込み、天井面5と直交する方向を中心軸として回動して固定される。固定を保持させるために、アダプタ6の上面側に止め具6cが設けられている。止め具6cは、周壁のボタン6dを押入操作することにより解除されるようになっている。アダプタ6の周壁の両側には一対の係止部6aが設けられている。一対の係止部6aは内蔵されたスプリングによって、常時外周側へ突出するように設けられている。この係止部6aは、下面側に設けられたレバーを操作することにより没入するようになっている。係止部6aは、ベース部材10のアダプタ受け部10bと係合することで、LED照明本体1がアダプタ6に取り付けられる。このアダプタ6からは、点灯基板13へ接続する図示しない電源コードが導出されていて、点灯基板13とコネクタを介して接続されるようになっている。
アダプタ6は、透明な樹脂により成形されており、これにより、配線器具7にアダプタ6を回動して固定する時に、配線器具7が見やすくなり、引掛刃6bの配線器具7への差し込みが行い易くすることができる。
(4. LED基板の配置について)
LED基板14は、LED素子15の光出射方向から見たときに、図8に示すように、ベース部材開口部10aの中心O1とベース部材10のベース外縁部(本発明の外縁部の一例に相当する。)10c上の仮想点との中点M1上に位置している。つまり、LED基板14は、ベース外縁部10c上の仮想点を移動させたときの中点M1の軌道C1上になるように配置されている。LED素子15は、ベース部材開口部10aの中心O1、ベース外縁部10cとの中点M1の軌道C1に沿って環状に配されている。これらの構成により、LED基板14がベース部材10の径方向の中央に配されることになり、床面側からLED照明装置100を見たときに、全体的に均一な光が出射される。
ベース部材開口部10aの中心O1とベース外縁部10cとの最小距離を半径rとし、中心O1を基準にすると、LED素子15は、半径rに対して、0.3倍以上、0.6倍以下の範囲内に配されている。好ましくは、半径rに対して、0.35倍以上〜0.55倍以下の範囲内に配されている。これにより、ベース部材10を床面側から見たときに、LED基板14とベース部材開口部10aとの間にスペースができる。これにより、保護カバー16をベース部材10に装着する際に、保護カバー16がLED基板14やLED基板14上のLED素子15に接触するのを抑制できる。
(5. LED基板と点灯基板の位置関係)
LED基板14は、LED素子15の光出射方向から見たときに、図8に示すように、ベース部材開口部10aの中心O1とベース外縁部10c上の仮想点との中点M1上に位置している。特に、LED基板14において、中点M1を通る軌道C1よりも外側に位置する部分の面積が、軌道C1よりも内側に位置する部分面積よりも小さい
このため、ベース部材10を床面側から見たときに、LED基板14の外周側にLED基板14の内周側よりも広いスペースができる。この広いスペースに点灯基板13は配される。したがって、点灯基板13を構成する基板上に実装される回路部品13a、13bの間隔を広げることも可能になり、点灯基板13で発生する熱の蓄積を抑制することができる。
点灯基板13は、上述のように、LED基板14の外側のスペースを利用して配されるため、例えば、回路部品13a、13bを環状に配されたLED基板14に沿って配することができる。これにより、全体としてLED照明装置100のコンパクト化を図ることができる。
(6. その他)
以上のように、本実施形態では、点灯基板がLED基板の周囲に設けて構成されている。これらによってLED照明装置は、コンパクト化してコストダウンでき、良好な意匠性を示している。
<第2の実施形態>
以下に第2の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、照明装置の一例としてシーリングライトについて説明する。ここでいう「シーリングライト」は、引掛シーリングやロゼット等の被取付部材に取り付けられて使用する照明装置をいう。
以下では便宜的にシーリングライトは天井面に取り付けられ、シーリングライトの照明光は下方(床面側)に向けて照射されるものとして説明する。なお、被取付部材として、天井面に設けたものや、壁面に設けられたものがある。天井面の被取付部材に取り付けられるシーリングライトとしては、例えば、居間、和室、寝室、子供部屋等の各居室に使用されるものや、廊下、トイレ、玄関等に使用されるもの等がある。
以下では便宜的にシーリングライトは天井に取り付けられ、シーリングライトの照明光は下方(床面側)に向けて照射されるものとして説明するが、これに限定されるものではない。
(1. シーリングライトの構成)
LED照明装置、ここでは一実施例として示すシーリングライト1100は、図16乃至図18に示すように、LED照明本体1001と、このLED照明本体1001に搭載されたLED素子1025が発する光の出射方向を覆うように、LED照明本体1001に取り付けられる透光性カバー1003とで構成されている。
(2. シーリングライトの天井への取り付け)
このシーリングライト1100は、天井面5(図17)に既設のロゼットや引掛シーリングボディ等の被取付部材である配線器具1007に、電気的かつ機械的に接続される引掛刃1012を備えたLED照明本体1001を、この引掛刃1012により着脱自在に装着して、天井面に設置される。具体的には図16乃至図18、図30及び図32に示すように、天井面1005に既設の配線器具1007に、LED照明本体1001の中央部に備えられた引掛保持部1010の引掛刃1012を挿入し、その状態で、LED照明本体1001を上方に押圧しながら配線器具1007と引掛刃1012が係合する方向に回動する。なお、引掛保持部1010が、本発明の「取付部」の一例に相当する。
その後、LED照明本体1001に取り付けられた保護カバー1026の外周部に設けられた4か所の後透光性カバー嵌合部1026dに、後透光性カバー1031の上端外周部に設けられた4か所の保護カバー嵌合部1031aを位置合わせして嵌合させ、後透光性カバー1031をLED照明本体1001に取り付ける。更に後透光性カバー1031の下端外周部に設けられた4か所の前カバー嵌合部1031bに、前透光性カバー1032の上端外周部に設けられた4か所の後カバー嵌合部1032aを位置合わせして嵌合させ、前透光性カバー1032を後透光性カバー1031に取り付けるとシーリングライト1100として使用可能となる。
なお、天井面1005にシーリングライト1100を装着する際、図16及び図17に示す後述するLED照明本体1001のベース部材1021の天井面1005側に装着されている3本の天井用ばね1022(図16)の中央部が天井面1005の3か所に当接する。この天井用ばね1022は、図16及び図17に示すように、細長い板状で、自然状態(荷重を加えない状態)において、長辺方向の中央部が凸となるような弓状に湾曲したプラスチック製の板ばねである。荷重を受けて湾曲形状が自然状態時の湾曲形状から変化すると、自然状態の湾曲形状に戻る方向に(反復)力を発生する。
天井用ばね1022は、長辺の一方端(換言すると、長手方向の一方端である。)がベース部材1021にねじで固定され、他方の一端は固定されずにベース部材1021の天井面側に単に当接した状態でベース部材1021に取り付けられている。天井面1005にシーリングライト1100を装着する際は、天井用ばね1022の湾曲が小さくなる方向に変形させながら、すなわちシーリングライト1100を天井面1005の方向に押し上げながら、引掛保持部1010の引掛刃1012を、天井面1005に既設の配線器具1007の取付溝に挿入する。
シーリングライト1100が天井面1005に取り付けられた後は、天井用ばね1022の復元力により、シーリングライト1100は常時、天井面1005から引き離す方向(下方)の力を受けた状態で天井面1005と略平行に支持される。天井用ばね1022の復元力は、天井面1005に装着されたシーリングライト1100の位置ずれ、振動、ガタ付き等を防止する機能も持つ。
なお、ここでは、天井用ばね1022は、湾曲したプラスチック製の板ばねとしたが、シーリングライト1100を天井面1005に取り付けた状態で、シーリングライト1100を天井面1005から離間させる方向の力を常時発する機能を持てば特に限定はなく、他に例えば、金属などを弾性変形する形状に加工した弾性体、又はゴムなどの弾性材料からなる弾性体を用いることもできる。
(3. LED照明本体の構成)
LED照明本体1001は、図17及び図18に示すように、ベース部材1021と、このベース部材1021に嵌装して固定される引掛刃保持部材1011と、ベース部材1021に配設されLED素子1025が実装されるLED基板1024と、このLED素子1025を点灯させるための電力を供給する点灯回路基板1023と、この点灯回路基板1023とLED基板1024とを覆う保護カバー1026から構成されている。
ここで、引掛保持部1010は、特に図21乃至図24に示すように、引掛刃1012を備え、この引掛刃1012は、シーリングライト1100を電気的かつ機械的に、天井面1005に既設の配線器具1007に接続する役割を担う。引掛保持部1010は、ベース部材1021の中央部のベース部材開口部1021aに組み込まれて一体化されている。より具体的には、引掛保持部1010は、円盤状のベース部材1021の中心部に形成されたベース部材開口部1021aを塞ぐように、天井面1005の反対側(下方)からベース部材1021に固定される。
また、図示の実施形態では、LED基板1024と点灯回路基板1023は、図28及び図29に示すように、複数設けられ、これらの複数のLED基板1024と点灯回路基板1023は、ベース部材1021に形成されたLED基板固定部1021d及び周縁部側リブ1211bの裏面(下面)の所定位置に直接、固定される。
保護カバー1026は、特に図37及び図38に示すように、ベース部材1021に固定されたLED基板1024及び点灯回路基板1023、LED基板1024間の電気配線及び点灯回路基板1023とLED基板1024を結ぶ電気配線などがベース部材1021の下方に露出しないように、下方から覆う。この保護カバー1026は、図37に示すように、ベース部材1021の下面に固定される。
(3.−1 ベース部材)
LED照明本体1001のベース部材1021は、例えば、厚さ0.5mm〜2.0mmの冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料を使用して、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって製作される。ベース部材1021は、平板状をし、床面側から見たときに、中央部にベース部材開口部1021aを有する環状をしている。ここでの「中央部」は、ベース部材1021の中心又は重心を含む領域である。ベース部材1021は、具体的には、図26に示すように、円盤形状で、その中心部には、円形のベース部材開口部1021aが形成されている。つまり、ベース部材1021は、円環状をしている。ベース部材開口部1021aに、後述する透明樹脂材料で製作された引掛刃保持部材1011が固定される。固定は、ベース部材位置合わせ部1011g(図21)と、引掛刃保持部位置合せ部1021g(図26)とが嵌合する状態(換言すると、位置決めした状態である。)で行われる。引掛刃保持部材1011が固定された後でも引掛刃保持部材1011が透明であるため、LED照明本体1001を配線器具1007に取り付ける際、引掛刃保持部材1011を介して、LED照明本体1の下方からでも配線器具1007が視認でき、LED照明本体1001を配線器具1007に取り付ける作業を簡単に行うことができる。
ベース部材1021には、図26及び図27に示すように、下方に向けて突出する突出部が形成されている。突出部は、底面側からみて、環状をしている。ここでは、円環状をしている。突出部の下面(床面側の面)は平坦状をしており、この平坦部分がLED基板固定部1021dとなっている。つまり、円盤状のベース部材1021には、図26及び図27に示すように、下方に向けて突出し、その頂面に平坦なLED基板固定部1021dが形成された略円環状に配列された突起部が形成されている。また、ベース部材1021の最外周部には、外縁部を下方に屈曲させたベース外縁部(本発明の外縁部の一例に相当する。)1021cが形成されている。ベース部材1021は、径方向に延伸するリブ1021fを複数有している。複数のリブ1021fは、ベース部材1021の径方向に沿って放射状に形成されている。
これら円環状のLED基板固定部1021d、ベース外縁部1021c、放射方向リブ1021fのリブ効果により、ベース部材1021は機械的剛性が強化されている。この剛性強化により、ベース部材1021を構成する金属材料の厚みを薄くすることが可能となり、シーリングライト1100の軽量化を実現でき、この軽量化によりシーリングライト1100の天井面1005への取り付け作業が一層容易になる。
略円環状の下方突部であって、その下方側の頂面が平坦面をなすLED基板固定部1021dは、円盤状のベース部材1021の仮想中心から略等角度の間隔(ここでは、60度)で放射状に形成された放射方向リブ1021fによって、円環が複数に区画され(ここでは、6区画)ている。複数に区画されたそれぞれの区画にLED基板1024が固定される。つまり、各LED基板1024は、突出部における隣接するリブ1021f間に配され、固定される。
LED基板1024を固定するLED基板固定部1021dの下面は、図27に示すように、平坦面であるが、水平ではなく、傾斜している。傾斜面は、ベース部材1021の仮想中心(ベース部材開口部1021a)に近い側がベース部材1021の外周に近い側に比べて下方に位置するように、傾斜している。
ベース部材1021は、図26及び図27に示すように、ベース部材開口部1021aに嵌合する引掛保持部1010と当接する当接部1021bをベース部材開口部1021aの周辺下面に有している。当接部1021bには、ベース部材開口部1021a側から切り欠かれた切欠が設けられている。この切欠は、引掛刃保持部位置合せ部1021gであり、引掛刃保持部材1011のベース部材位置合わせ部1011gと嵌合する。ベース部材1021を床面側から見たときに、当接部1021bの外周側の近い位置に突出部を有しているので、当接部1021bでの機械的特性も確保できる。
ベース部材1021には、LED基板固定部1021dや点灯回路基板1023の固定部が予め加工(一体加工)で形成されているが、引掛保持部1010を装着することにより、天井面1005に既設されている配線器具1007に直接、電気的かつ機械的に接続可能な引掛刃1012を、さらに備えることになる。
ベース部材1021には、他に、引掛刃保持部材1011を固定するための引掛刃保持部固定孔1021hと、LED基板1024を固定するためのLED基板固定孔1021jと、点灯回路基板1023を固定するための点灯回路基板固定孔1021kと、保護カバー1026を固定するための保護カバー固定孔1021mと、天井用ばね1022を固定するための天井用ばね固定孔1021nが設けられている。これらの孔は、ねじや引掛けピンを利用して目的とする要素部材(例えばLED基板)を固定する際に使用される。なお、引掛刃保持部固定孔1021hは、上記の当接部1021bに設けられている。
(3.−2 引掛保持部の構成)
引掛保持部1010は、図21に示すように、引掛刃保持部材1011と、引掛刃保持部材1011に固定されて、2個一対で機能する引掛刃1012と、ロック部材1013と、電力線1014から構成されている。シーリングライト1100は、この引掛保持部1010により配線器具1007と電気的かつ機械的に連結される。
(3.−3 引掛刃保持部材)
引掛刃保持部材1011は、図21乃至図23に示すように、外筒1011pと内筒1011rの2重筒を有する有底円筒状で、底側に相当する後面(上面)側は、外筒底面から内筒底面がさらに外方向に突出しており、中央の円形部が突出した2段底面(図22)をなしている。
つまり、引掛刃保持部材1011は、ベース部材開口部1021aと嵌合するための段差1011iを上面に有している。段差1011iは、外周側よりも中央側が高くなっている(より天井に近づく)。
この引掛刃保持部材1011の後面側の中央円形部には、この引掛刃保持部材1011を天井面1005の配線器具1007に取付けるための引掛刃1012を備えた略矩形溝状(換言すると、天井側から見たときに矩形状に凹入する形状である。)を呈する回動部1011aが形成されている。この回動部1011aの溝部(内部)には、引掛刃1012を固定するためのねじが挿入される引掛刃固定溝(換言すると、ねじ穴である。)1011cと、引掛刃1012を強固に固定する凹凸が設けられた引掛刃設置溝(換言すると、ねじ孔である。)1011dとが形成されている。
引掛刃保持部材1011の後面(上面)側の外周部には、引掛刃保持部材1011をベース部材1021に固定する際の位置決めに使用するベース部材位置合わせ部1011gと、ベース部材1021に固定する際の固定面(当接面)となるベース部材嵌装部1011hが形成されている。ベース部材嵌装部1011hは、ベース部材1021の当接部1021bを下側から支持する支持部として機能する。
引掛刃保持部材1011の後面(上面)側の回動部1011aの一端からは、外周部に向けて、引掛刃1012からの商用電力を点灯回路基板1023に配線するための電力線1014が収まる配線溝1011eと、配線溝1011e内に配された電力線1014を固定する配線固定部1011fが形成されている。
後面(上面)側の中央部に設けられた回動部1011aの一端角部には、ロック部材1013を納めるロック部材配置部1011mが設けられ、ロック開口部1011bよりロック部材1013の押部1013dが回動部1011aから露出している。
引掛刃保持部材1011の前面(下面)側には、図23に示すように、中央部に、天井面1005に既設されている配線器具1007に対してLED照明本体1001(図18)を着脱する際、LED照明本体1001を手動で回動させるときに使用すれば便利な略直方体のつまみ部1011jが形成され、周辺部には、保護カバー1026の内周部を固定するための保護カバー固定溝1011oと、ベース部材1021に固定するためのベース部材固定溝1011nが形成されている。保護カバー1026のベース部材1021への固定にはねじが利用され、保護カバー固定溝1011oは、換言すると、ねじ穴であり、ベース部材固定溝1011nは、換言すると、ねじ孔である。
なお、ここでは、つまみ部1011jは引掛刃保持部材1011の後面側に開口する内部空間を有し、この空間は前述の回動部1011aとして兼用されている。
引掛刃保持部材1011は、少なくとも引掛刃1012の周囲に位置する部分が、絶縁性材料から形成されている。ここでは、引掛刃保持部材1011全体を、例えば、難燃性のポリカーボネート(PC)等の熱可塑性合成樹脂で一体成型している。このため、シーリングライト1100を通電状態の配線器具1007に接続しても、金属製部材、例えばベース部材1021などと電気的に短絡が生じる虞はなく、簡単かつ安心してシーリングライトの取り付けや取り外し作業を行うことができる。
なお、引掛刃保持部材1011の製作に使用する絶縁性材料は、必ずしも、ポリカーボネートに限定されるものではなく、引掛刃保持部材1011として必要な剛性と絶縁性を備えていればよく、例えば、難燃化したポリブチレンテレフタレート(PBT)等の絶縁性材料を使用することもできる。また、ここでは、引掛刃保持部材1011の全体を絶縁性材料で一体成型したが、少なくとも、引掛刃保持部材1011のうち、引掛刃1012に接触する部分又は引掛刃1012に面する部分が絶縁性材料から形成されていればよく、引掛刃保持部材1011の一部のみを絶縁性材料で形成することや、金属製材料の引掛刃保持部材1011に絶縁性材料を被覆した形態とすることもできる。
また、引掛刃保持部材1011の前面側(下面)には、図19及び図20に示すように、LED基板1024と、点灯回路基板1023が実装されたベース部材1021が嵌装されている。さらに、LED基板1024と点灯回路基板1023を覆う保護カバー1026が固定されている。
(3.−4 引掛刃)
引掛刃1012は、図24に示すように、導電性を有する黄銅等の金属材料を使用して、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって製作される。引掛刃保持部材1011には、図21に示すように、この引掛刃1012が2個一対で設置され、各々、引掛刃保持部材1011の回動部1011aに設けられた凹形状の引掛刃設置溝1011d(図22)に挿置され、刃固定孔1012bから挿入されて引掛刃固定溝1011cにねじ込まれるねじで固定され、引掛部1012aの先端部が、回動部1011aから張り出し、引掛刃保持部材1011の後面側、すなわち、天井面1005の被取付部材の配線器具1007の側へ突出している。
より具体的には、一対の引掛刃1012は、図16乃至図21に示すように、引掛刃保持部材1011の上側に略L字形状の引掛部1012aが立設するように、引掛刃保持部材1011の引掛刃設置溝1011dに刃固定部1012cと刃端子固定部1012dとを合わせて、ねじで引掛刃保持部材1011に固定される。引掛刃1012には、配線器具1007の取付溝に挿入して回動するとき、横方向(回転方向)に大きな力が加わるため、引掛刃設置溝1011dを設けて引掛刃1012を固定している。引掛刃1012の刃端子孔1012eには、電力線1014が挿入されて、ハンダにより固定される。これにより、配線器具1007からの外部電力と点灯回路基板1023が引掛刃1012を介して電気的に接続されることになる。
なお、引掛刃1012は、一般的なシーリングライト1100を天井面1005に取り付ける際に用いられているアダプタの引掛刃と同規格になっている。したがって、配線器具1007に、アダプタ等の中継器具を使用することなく、引掛刃保持部材1011に設けられた引掛刃1012によりLED照明本体1001を被取付部である配線器具1007に直接、電気的かつ機械的に接続できる。また、引掛刃1012は、後述する固定用のロック機構を備えており、LED照明本体1001は、配線器具1007に引掛刃1012を挿入して回動することによる引掛刃1012の押圧力とロック機構により固定されている。
(3.−5 ロック部材)
ロック部材1013は、図21に示すように、引掛刃保持部材1011の回動部1011aの中の引掛刃1012の根元部分に収納されている。天井面1005等の配線器具1007に設けられている弧状の取付溝(ここでは図示しない)に引掛刃1012の先端部が挿入された後、回動されて、LED照明本体1001が配線器具1007に固定されたとき、固定爪1013a(図25)が、配線器具1007に設けられている取付溝に入り、引掛刃1012が配線器具1007から外れる方向への回動、すなわち固定時とは逆の回動を防止する。ロック部材1013は、図25に示すように、略N字形状のポリアセタール(POM)等の弾性特性を有する樹脂で製作されている。図25はロック部材1013の動作状況を示しており、図25(a)は通常時の形状で固定爪1013aが上方に突出している状態である。LED照明本体1001が配線器具1007に取り付けられた状態では、配線器具1007に設けられている取付溝の中で、固定爪1013aが図25(a)の状態を維持している。したがって、LED照明本体1001が配線器具1007に固定された状態では、配線器具1007に設けられている弧状の取付溝には、一端(LED照明本体1001を装着する際に回動させる方向の先端側の端である。)に引掛刃1012の引掛部1012aが、他端にはロック部材1013の固定爪1013aが挿入されており、配線器具1007に対し、引掛刃1012が回動できない状態になる。
一方、図25(b)はロック部材1013の押部1013dが押され、固定爪1013aが下方に引っ込んだ状態である。LED照明本体1001を配線器具1007から取り外す際は、押部1013dを押し、固定爪1013aを引っ込めて、すなわち、配線器具1007に設けられている取付溝から固定爪1013aを抜いて、引掛刃1012を回動可能な状態にして取り外す。
押部1013dが押されたときのロック部材1013の動きをさらに詳細に説明する。ロック機構を解除するために、押部1013dが押されると、ロックベース部1013eの下部に設けられた半円柱状のベース突部1013fが回動部1011aの内側下部を滑り、ばね部1013gが押される。ばね部1013gが押されると、ばね部1013gが立ち上がり(側面視で傾斜していたばね部1013gの傾斜が垂直に近づく)、固定ベース部1013bの側面に設けられた半円柱状の固定突部1013cが回動部1011aの内側側部を下方に滑り、固定爪1013aが下方に引っ込むこととなる。
ここで、可動する部分にベース突部1013fや固定突部1013cなどの半円柱状突部を設けているため、固定爪1013aが、配線器具1007に設けられている取付溝からスムーズに挿抜できる構造となっている。
(3.−6 LED基板及び点灯回路基板の配置)
LED素子1025が搭載されたLED基板1024とLED素子1025を点灯させるための点灯回路基板1023は、図28に示すように、LED照明本体1001のベース部材1021を天井面1005に取り付けた場合の床面側に配設されている。LED基板1024は、ベース部材1021のLED基板固定部1021d(図26)に配置されている。点灯回路基板1023は、ベース部材1021の周縁部側リブ1211b(図26)に配置されて、LED基板1024の周囲に設けられている構成となっている。これにより、点灯回路基板1023を複数の基板に分けて配置することもできるようになり、シーリングライト1100をコンパクト化してコストダウンをすることができる。
(3.−7 LED基板)
LED基板1024は、図17、図18、図28及び図29に示すように、所定の幅寸法を有した円弧形状の6枚の基板が基板接続線によりつなぎ合わされるように配設されて全体として略サークル状に形成されて、ベース部材1021のLED基板固定部1021d(図26)に配置されている。このLED基板1024は、片面に配線されたガラスコンポジット基板(CEM−3)から成り、片面側にLED素子1025が実装されている。このように分割された基板を用いることにより、基板の分割部分で熱的収縮を吸収して基板の変形を抑制することができる。また、図29に示すように、LED基板1024同士の基板間の配線は、一方のLED基板1024にコネクタ1024aが設けられ、他方のLED基板1024にリード線1024bをハンダで接続することにより行われている。即ち、複数のLED基板1024は、一端が一方のLED基板1024に接続されたリード線1024bと、他方のLED基板1024に設置されリード線1024bの他端に接続されるコネクタ1024aにより相互に接続されている。つまり、隣接するLED基板1024は、一方のLED基板1024のコネクタ1024aに接続されたリード線1024bを、他方のLED基板1024にハンダ付けすることで、電気的に接続される。これにより、組み立て時のLED基板1024同士の接続を容易にできるうえ、組み立て工数及び部品点数を削減することができ、コストダウンを実現することができる。なお、点灯回路基板1023と接続するための基板配線も同様の接続構成としている。また、これらのLED基板1024同士の接続は、図28及び図29に示すように、LED基板1024のうちLED照明本体1001の外周側において接続されている。このため、LED基板1024同士の接続のための配線がLED素子1025からの光出射を妨げることなく、広く均等に光出射することができる。
また、このLED基板1024は、図示の実施形態では、図29に示すように、LED素子1025が、直線状に配置されている。但し、LED素子1025の個数や配列には特に限定はなく、直線状ではなく、千鳥状の関係を構成するように配置することもできる。LED基板1024は、中心部側がLED照明本体1001を天井面1005に取り付けた場合の床面側に向け傾斜するように設けられているLED基板固定部1021d(図26)に配置されている。それにより、LED基板1024は、透光性カバー1003が均一な明るさになる基板を構成し、ベース部材1021に合成樹脂性のピン等により固定されている。LED基板1024のLED素子1025が搭載されていない裏面を、ベース部材1021のLED基板固定部1021dに直接固定して熱的に結合させることにより、LED基板1024から発生する熱をベース部材1021により放熱することが可能となる。これにより、LED素子1025の発光効率を高めることもできるようになる。なお、LED基板1024のLED素子搭載面側に、高反射シートを貼合することや、高反射用樹脂を塗布することにより、さらに光取り出し効率の改善することができる。
(3.−8 LED素子)
このLED基板1024に実装するLED素子1025としては、公知の種々のLEDを用いることができる。第2の実施形態では、照明用の白色光を発光する高輝度タイプのLED素子と、昼光色を発光する高輝度タイプのLED素子が用いられて、調色が可能なシーリングライト1100となっている。
(3.−9 点灯回路基板)
点灯回路基板1023は、図17、図18、図26、図28及び図29に示すように、配線器具7から引掛刃保持部材1011を介して供給される交流電流を直流に変換してLED基板1024に供給するために、ベース部材1021の周縁部側リブ1211bの前面側で、LED基板1024の周囲に円弧形状に配設されている。点灯回路基板1023は、点灯回路の各回路機能を構成する回路部品1023a、1023bと、これらが実装される基板とから構成されている。点灯回路基板1023は、図29に示すように、回路部品1023a、1023bが片面に配線された紙フェノール基板(FR−1)で構成されている。点灯回路基板1023の回路部品1023a、1023bが搭載されていない裏面を、ベース部材1021の前面側に絶縁シートを介して配設することにより、点灯回路基板1023から発生する熱を、ベース部材1021を介して効率よく放熱している。なお、この点灯回路基板1023を構成する回路部品1023a、1023bとしては、過電流保護、ノイズカット、整流、平滑、調光制御などを行うための各種ダイオード、コンデンサ、トランス、IC、抵抗などの公知の電子部品を使用することができる。
この点灯回路基板1023には、引掛刃保持部材1011の配線溝1011eからの電力線1014が接続される。この場合、図28及び図29に示すように、この電力線1014は、LED基板1024のうち略円環状に配置されているLED素子1025が搭載されていない部分を跨いで配線されている。つまり、電力線1014は、周方向に沿って隣接するLED基板1024間(隣接するLED基板1024の端部も含む。)であってLED基板1024の裏側(ベース部材1021側)を通る状態で配されている。この配線は、図28及び図29に示すように、LED基板1024のうち、LED素子1025が搭載された実装面とは反対側の面側においてLED基板1024を跨いで設置されている。これにより、床面側から見たときに、点灯回路基板1023をLED基板1024の外側に設けても、電力の供給のための配線によりLED素子1025からの光出射が妨げられることなく、広く均一に照射することができると同時に不自然な影が発生することもない。また、電力線1014は、LED基板1024とベース部材1021とに挟まれた状態となる。このため、電力線1014を固定するための他の部材が不要となる。
また、この場合、特に図28に示すように、配線は、ベース部材1021に設けられた強度補強用のリブ1021fに沿って設置することができる。つまり、配線は、天井面側に凹入している放射方向リブ1021f内に配される。具体的には、図28に示すように、電力線1014を、ベース部材1021の放射方向リブ1021fに沿わせて設置することにより、LED基板24のLED素子25が搭載されていない面を跨がせることができる。これにより、引掛刃保持部材1011と点灯回路基板1023の配線は、ベース部材1021に設けられた凹部状等の強度補強用のリブ1021fを配線の収納部として兼用して配線することができるため、新たに配線用の部材を設けることなく安定的、かつ、適切に配線することができ、コストダウンを実現することができる。また、放射方向リブ1021fの利用により、LED基板1024の姿勢を変えることなく、LED基板1024の裏面側に電力線1014を配線することができる。
この点灯回路基板1023からのLED素子1025への直流供給は、特に図29に示すように、点灯回路基板1023にコネクタ1023cを固定し、このコネクタ1023cに接続されたリード線1023dをLED基板1024にハンダで接続することにより、点灯回路基板1023とLED基板1024とを電気的に接続して行われている。この時、リード線1023dを、図28に示すように、放射方向リブ1021fを利用して、LED基板1024のLED素子1025搭載側の裏面を通過させて、LED基板1024の中心側に接続させる。これにより、LED素子1025からの出射光がリード線1023dに当たることなく、透光性カバー1003に影が映るのを防止している。また、LED基板1024の姿勢を変えることなく、LED基板1024の裏面側にリード線1023dを配線することができる。リード線1023dは、LED基板1024とベース部材1021とに挟まれた状態となる。このため、リード線1023dを固定するための他の部材が不要となる。よって、組み立て時のLED基板1024との接続が容易にできるうえ、部品点数を削減することができる。但し、点灯回路基板1023とLED基板1024との基板接続は、この形態に限定されるものではなく、他に、例えば、点灯回路基板1023の内周側とLED基板1024の外周側とを、LED基板1024を跨がらせることなく、接続することもできる。
点灯回路基板1023における回路部品1023a、1023bの配置は、点灯回路基板1023の中心側には背の低い回路部品1023aが、点灯回路基板1023の外側には背の高い回路部品1023bが、配置されている。その結果、回路部品1023aの高さより回路部品1023bの高さは、高くなっている。
点灯回路基板1023は、図28及び図29に示すように、円弧状をし、周方向の各端部で電力線1014やリード線1023dと接続されている。このため、電力線1014とリード線1023dとの離間距離が長くなり、電気的安全性を向上させることができる。特に、電力線1014とリード線1023dは、ベース部材1021のベース部材開口部1021aを挟んで対向する部位に配されている。このため、電力線1014とリード線1023dとが接触するようなことを少なくすことができる。
また、回路部品1023a、1023bの高さは、LED素子1025から出射される光の1/2ビーム角(光の広がり具合(配光)を示し、光源の直下照度(最大光度)の1/2の照度になる点と光源中心を結んだ線と、光源中心の鉛直方向線とのなす角度をいう)の出射光が、回路部品1023a、1023bに照射されないように配置する必要がある。これにより、透光性カバー1003に、影が出なく、均一な明るさになる。
なお、点灯回路基板1023の回路部品搭載面側に、高反射シートを貼合することや、高反射用樹脂を塗布することにより、さらに光取り出し効率の改善や影の発生を防止することができる。
また、ベース部材1021におけるLED基板1024の外側部分は、点灯回路基板1023を配置する領域として利用できる。このため、点灯回路基板1023を複数の基板に分けて配置することもできるようになり、シーリングライト1100をさらにコンパクト化してコストダウンをすることができる。この時の点灯回路基板1023の分割としては、入力回路部と出力回路部とを分割したり、調光回路と調色回路に分けて搭載することにより、シーリングライトの機種で選択できるように分割することができる。
更に、点灯回路基板1023は、図37乃至図38に示すように、保護カバー1026により全体を保護されているために、通常点灯回路基板1023に設けられるカバーを省くことができ、部品点数削減によるコストダウンを図ることができる。
(3.−10 保護カバー)
保護カバー1026は、ベース部材1021に取り付けられる。保護カバー1026は、ポリカーボネート(PP)等の難燃性樹脂から成り、その形状は、図17乃至図19、図30、図31に示すように、ドーナツ状に連続する中空パイプのリングを、このドーナツを側面視(ドーナツの中空部分の中心軸と直交する方向から見た状態である。)したときの長円を上下に2等分する仮想平面で切断したときの下半分の形状に類似しており、その切断面側がベース部材1021への固定側(図18)となる。
このリング状の保護カバー1026を側面視して、リングの仮想中心を含む仮想垂直面で切断したときの保護カバー1026の断面は、図17及び図31に示すように、下に凸な円弧が離間して2つ並列する形状となる。保護カバー1026をベース部材1021に装着したとき、前述した下に凸な円弧の内側、すなわち実際の立体構造では、上面が開口したリング状の半パイプの内側空間が、ベース部材1021に搭載されたLED基板1024や点灯回路基板1023を収納して下方から覆う。
保護カバー1026は、特に図36に示すように、側面視して、リングの仮想中心を含む仮想垂直面で2等分割した形状の2つの部材から構成されており、2つ部材を合わせて一体の保護カバー1026となる。この2つの部材は相同であって、左右の部材を取り違えるなどのミスが起こる虞はない。2つ部材は、図37に示すように、各々ベース部材1021に取り付けられ、保護カバー連結部1026bで連結される。ベース部材1021へは、1部材づつ、順次取り付け作業を行えばよく(図37)、位置合わせ等の作業が容易である。
なお、2つの部材において、円弧状部分の連結部端面は単なる当接ではなく、2つの円弧のうち、1方の円弧の端部は板厚の略上半分がカットされ、他方の円弧の端部は板厚の略下半分がカットされた形状(いわゆる、木材を継ぐ建築用語でいう「相欠き」加工)に成形されている。したがって、2つの部材の円弧状端部を互いに対向させてリング状に連結する連結部は、上半分カットされた端部と下半分カットされた端部とが対向しており、このカット部を嵌め合わせると、略同板厚を維持したまま、スムーズに2つの部材が連結される。
図30に示すように、2つの部材を連結した保護カバー1026を平面視した中心部には、保護カバー開口部1026aが設けられている。保護カバー開口部1026aの縁には、ベース部材1021へ取り付ける方向(上方)に向けてパイプ状の引掛保持固定ガイド1026jが伸びている。引掛保持固定ガイド1026jには、図30から解るように、パイプの中心に対して、対向する2か所にU字状の溝が設けられている。一方の溝は電力線配線溝1026gであり、他方の溝には引掛刃保持部材1011の保護カバー位置ピン1011s(図23)が嵌る。2か所の溝形状は相同であり、どちらを電力線配線溝1026gとするかの区別はない。
保護カバー1026を、引掛刃保持部材1011が装着されたベース部材1021に取り付ける際、引掛保持固定ガイド1026jの内側に、引掛刃保持部材1011の内筒1011r(図23)が挿入されるように保護カバー1026とベース部材1021を位置合わせし、次に、保護カバー1026を回動して、引掛保持固定ガイド1026jの前述したU字状の溝に、引掛刃保持部材1011の配線溝1011e(図23)、又は保護カバー位置ピン1011sを嵌め込むと、保護カバー1026が、ベース部材21の正しい固定位置に位置合わせできたことになる。
なお、電力線配線溝1026gは、引掛刃保持部材1011から点灯回路基板1023へ電力を送る電力線1014を収納するための溝である。
引掛保持固定ガイド1026jの外側には、円環状の引掛保持固定部1026h(図30)が設けられている。前述の手順によって保護カバー1026が、ベース部材1021の正しい固定位置に合っていることを確認した後、保護カバー1026は、引掛保持固定部1026hに設けられた引掛固定孔1026eで、ベース部材1021にねじで固定される。保護カバー1026の保護カバー外縁部1026c(図31)の上端は、上端面が平坦なリング状になっており、ベース部材固定孔1026fで、ねじによりベース部材1021の周縁部側リブ1211b(図26)の面に、当接して固定されている。
図38に示すように、保護カバー1026は、LED基板1024と点灯回路基板1023が、保護カバー1026の外に露出しない状態に覆っており、LED照明本体1001を配線器具1007に取り付ける際に、設置作業者の電気的安全性が図れるとともに、設置作業者がLED素子1025等に触れて照明性能を劣化させる事態も回避できる。
特に、透光性カバー1003は、この保護カバー1026に取り付けられる。具体的には、図36から解るように、保護カバー1026の外周部の4か所には、透光性カバー1003の後透光性カバー1031(図32)を嵌合して固定するための後透光性カバー嵌合部1026d(図36)が設けられている。保護カバー1026に後透光性カバー1031を取り付ける際は、この後透光性カバー嵌合部1026dと保護カバー嵌合部1031a(図39)を位置合わせし回動させることにより、後透光性カバー嵌合部1026dと保護カバー嵌合部1031aとを嵌合させることができる。
この場合、保護カバー1026は、透光性カバー1003を滑らせて所定の位置に案内するカバーガイド部を有する。このカバーガイド部は、具体的には、図40に示すように、保護カバー1026のうち、LED素子1025が発する光が出射する側の面の外周部側面に形成された略凸状曲面から成っている。より具体的には、保護カバー1026の外周部側面は、側面視したとき、下端からベース部材1021の方向に向けて(上方に向けて)、先述したように円弧状をなして拡がっている。実際の保護カバー1026はリング状(図39)であって、その下端部のリング直径は、保護カバー嵌合部1031aの無い部分の後透光性カバー開口1031cの直径より小さくなっている。したがって、保護カバー1026に後透光性カバー1031を取り付ける際は、図39及び図40に示すように、後透光性カバー開口1031cへ保護カバー下端部が挿入されるように、後透光性カバー1031を保護カバー1026の下方から上方に向けて移動させればよい。このとき、保護カバー1026と後透光性カバー1031が水平方向に位置ずれしていても、一旦、後透光性カバー開口1031cに保護カバー下端部が入っていれば、上記のように、保護カバー1026の外周部側面が略凸状曲面に形成されているため、その後は、後透光性カバー1031を上方に移動させれば、後透光性カバー開口1031cが、保護カバー1026の外周側面の円弧状曲面に沿って滑りながら水平方向にも移動する。最終的には水平方向は自己位置合わせ(セルフアライメント)的に、所定の正しい位置に合ってくる。後透光性カバー1031の保護カバー嵌合部1031aが後透光性カバー嵌合部1026dに当接する位置に達した後は、後透光性カバー1031を回動させ、後透光性カバー嵌合部1026dと保護カバー嵌合部1031aを嵌合させれば、保護カバー1026への後透光性カバー1031の取り付け作業が完了する。
ここで、保護カバー1026は、その外周部側面が下に凸な曲面であることにより、この曲面に沿って後透光性カバー開口1031cを滑らせて移動させながら、後透光性カバー1031を自己位置合わせ的に保護カバー1026の嵌合位置に導く位置合わせ作業のアシスト機能を果たしている。このため、後透光性カバー1031を、LED照明本体1001に対して、当初から厳密に水平方向に一致させる作業を要することなく、簡易に位置決めしながら適切に保護カバー1026に取り付けることができる。
上述した特許文献2や特許文献(特許第5320563号公報)などに記載された例では、透光性カバーを照明器具本体に取り付ける際、照明器具本体の外周に設けられた透光性カバーの取り付け部に対して、透光性カバーを水平方向に完全に一致させる必要があるのに対し、ここでは、水平方向の位置合わせ作業が事実上、不要であって、透光性カバー取り付け作業の簡易化が可能となっている。
なお、保護カバー1026の外縁側には、高密度となる光拡散面を形成するシボ加工を施したり、材料に拡散剤を含有させること等により、点灯回路基板1023による影の発生を抑えて、透光性カバー1003から出射する光を全面で均一化させることができる。
ここでは、保護カバー1026を相同な2つの部材で構成したが、相同であるか否かは問わず、2以上の部材で構成してもよいし、例えば分割せず1つで部材とすることもできる。
また、保護カバー1026の外形を、上面が開口したリング状の半パイプ(断面が下に凸な円弧状)としたが、保護カバー開口部1026aの周辺は、内部のLED基板1024や点灯回路基板1023と干渉せず、照明光に強度むらを発生させないなど、シーリングライトの性能を劣化させない範囲で形状の変更は可能である。また、保護カバー1026の外周外面はリング状の全周が全て略曲面である必要はなく、照明光に強度むらを発生させない範囲で、部分的に傾斜面が含まれていればよい。
(3.−11 LED照明本体の組付)
LED照明本体1001を構成する引掛保持部1010、ベース部材1021、点灯回路基板1023、LED基板1024、保護カバー1026の相互の位置関係について、図17と図18を参照しながら説明する。
まず、図18に示すように、引掛保持部1010がベース部材1021に嵌装されて固定される。また、ベース部材1021のベース部材開口部1021aの周囲には、6枚のLED基板1024が環状に配設される。点灯回路基板1023が、LED基板1024の外周側の周囲に配設される。LED基板1024と点灯回路基板1023を覆うように、円環状の保護カバー1026が配設される。
(4.透光性カバーの構成と取り付け)
LED照明本体1001に取り付けられる透光性カバー1003は、図16乃至図18、及び図32乃至図35に示すように、保護カバー1026と嵌合(装着)する後透光性カバー1031と、この後透光性カバー1031の下部の開口部に取り付けられて、LED照明本体1001を下方から覆う前透光性カバー1032との2つの部材から成り、ポリプロピレン(PP)等の熱可塑性合成樹脂を使用して製作される。LED照明本体1001に透光性カバー1003を取り付ける際は、まず、ベース部材1021に取り付けられた保護カバー1026に、円環形状の後透光性カバー1031を取り付け、次に、後透光性カバー1031の下部開口の内側に設けられた前カバー嵌合部1031bと、前透光性カバー1032の後カバー嵌合部1032aとを嵌合させて、ドーム形状の前透光性カバー1032を後透光性カバー1031に取り付ける。
透光性カバー1003が、後透光性カバー1031と前透光性カバー1032の2つの部材に分かれていることにより、一体構造である場合より、それぞれが軽量のため、保護カバー1026への後透光性カバー1031の取り付け作業や、後透光性カバー1031への前透光性カバー1032の取り付け作業が、床面方向から天井面を見上げる視点での作業であっても、簡単に行うことができる。
なお、後透光性カバー1031を保護カバー1026に位置合わせして取り付ける作業手順の詳細と、その作業が簡単に行えることは、すでに説明ずみである。
なお、透光性カバー1003の材質として、ポリプロピレン(PP)を用いる理由は、軽量化及びコストダウンを図る上で好適であることに加え、ここでは説明していないが、外部のリモコンから出される赤外線信号を透過させて、シーリングライト1100の内部の受信部に到達させるのに好適だからである。
また、透光性カバー1003は、連続した曲面形状にすることや、高密度となる光拡散面を形成するシボ加工を施したり、材料に拡散剤を含有させること等により、シーリングライト1100からの出射光を全面で均一にさせることができる。
以上のように、第2の実施形態では、天井面1005の引掛シーリングボディ等の配線器具1007に、アダプタ等の補助器具を用いることなく直接取り付けが可能な引掛刃1012を備えたシーリングライト1100において、LED照明本体1001に取り付けられた保護カバー1026に、透光性カバー1003を簡単な作業で取り付けることができる。
<その他>
(1. LED基板)
上記例では、LED基板14、1024にはLED素子15、1025がベース部材開口部10a、1021aの廻りに沿って1列の環状に配されている。
しかしながら、LED素子は、LED基板上に複数列状に配されてもよい。例えば、図41に示すように、LED素子2015はLED基板2014上に2列状に配されてもよい。この場合、LED素子2015の全体の配置は、ベース部材開口部2010aの中央を中心とした2重環状となる。LED基板2014は、ここでも複数あり、ベース部材開口部2010aの廻りを1重で囲んでいる(環状に配されている)。本例の場合も、LED基板2014は、LED素子2015の光出射方向からみたときに、図41に示すように、ベース部材開口部2010aの中心O2とベース部材2010の外縁部(本発明の外縁部の一例に相当する。)2010c上の仮想点との中点M2上に位置している。本例の場合、各LED基板2014上の2列のLED素子2015は、ベース部材開口部2010aの中心O2と、ベース外縁部2010cとの中点M2の軌道C2の内側と外側になるように配されている。
(2. ベース部材)
上記のベース部材10、1021は、床面側から見たときに外周形状が円形状をしていたが、他の形状であってもよい。例えば、図42に示すようにベース部材3010の外周形状が正方形状であってよい。さらには、ベース部材は、五角形状、六角形状等の多角形状であってもよいし、楕円状、長円形状をしていてもよい。LED基板3014は、ここでも複数あり、ベース部材開口部3010aの廻りを1重で囲んでいる(環状に配されている)。本例の場合も、LED基板3014は、LED素子3015の光出射方向から見たときに、図42に示すように、ベース部材開口部3010aの中心O3とベース部材3010の外縁部(本発明の外縁部の一例に相当する。)3010c上の仮想点との中点M3上に位置している。M3の軌道C3は、ベース部材開口部3010aの中心O3とベース外縁部3010cとの距離が最小となる部分での中点M3を通り、ベース部材3010の外周形状に相似になるようにすればよい。
また、ベース部材開口部3010aの中心O3とベース外縁部3010cとの最小の距離を最小距離Dとし、中心O3を基準にすると、LED素子3015は、最小距離Dに対して、0.3倍以上の点を通り且つ外周と同じ形状をする仮想線分C3aと、0.6倍以下の点を通り且つ外周と同じ形状をする仮想線分C3bとの間の範囲内に配されている。好ましくは、最小距離Dに対して、0.35倍以上の点を通る仮想線分C3aと、0.55倍以下の点を通る仮想線分C3bとの間の範囲内に配されている。なお、図42の仮想線分C3aは最小距離Dの0.35倍の距離D1の点を通り、仮想線分C3bは最小距離Dの0.53倍の距離D2の点を通る。
上記のベース部材10、1021、2010は、ベース部材開口部10a、1021a、2010aの形状(ベース部材の内周形状である。)と、外周形状とが互いに円形状をして一致している。しかしながら、図42に示すように、ベース部材開口部3010aの形状と、外周形状とが異なる形状であってもよい。なお、床面側から見たときに、ベース部材開口部の形状が円形状でない場合、開口部の中心は、重心としてもよい。
また、上記実施形態及び上記例では、ベース部材開口部10a、1021a、2010a、3010aは床面側から見たときに円形にしたが、これに限定されず、例えば、四角形、五角形等の多角形であってもよいし、長円形、楕円形等であってもよい。
(3. 取付部)
取付部は、第1の実施形態ではベース部材10に着脱自在に取り付けられるアダプタ6により構成され、第2の実施形態ではベース部材2010に一体に組み込まれた引掛保持部1010により構成されている。このように、取付部は、シーリングライトを被取付部材に対して取り付ける際に、被取付部材側に存在していてもよい(第1の実施形態である。)し、LED照明本体側に存在してもよい(第2の実施形態である。)。
本発明は、リビングや和室、更に、寝室や子供部屋等の各居室や廊下、玄関等の天井面や壁面等に沿って設置されるLED照明装置として、広く適用することができる。
1:LED照明本体
10:ベース部材
10a:ベース部材開口部
10b:アダプタ受け部
10c:ベース外縁部(外縁部)
10d:基板固定部
10e:周方向リブ
101a:中央部側リブ
101b:周縁部側リブ
10f:放射方向リブ
12:天井用ばね
13:点灯基板
13a:回路部品
13b:回路部品
13c:コネクタ
13d:リード線
14:LED基板
14a:コネクタ
14b:リード線
15:LED素子
16:保護カバー
16a:保護カバー開口部
16b:透光性カバー嵌合部
16c:保護カバー外縁部
3:透光性カバー
31:後透光性カバー
31a:保護カバー嵌合部
31b:前カバー嵌合部
32:前透光性カバー
32a:後カバー嵌合部
5: 天井面
6: アダプタ
6a:係止部
6b:引掛刃
6c:止め具
6d:ボタン
7:配線器具
100:LED照明装置

Claims (4)

  1. 取付部を介して被取付部材に着脱自在に取り付けられるLED照明装置において、
    開口を中央に有する板状のベース部材と、
    光源であるLED素子と、
    前記LED素子が実装されるLED基板と
    を備え、
    前記ベース部材は、前記LED素子の光出射方向から見たときに、前記開口を囲繞する内環状部と、前記内環状部の外側で当該内環状部を囲繞する中環状部と、前記中環状部の外側で当該中環状部を囲繞する外環状部とを有し、
    前記中環状部は、前記内環状部と前記外環状部よりも前記被取付部材が存在する側と反対側に突出し、
    前記LED基板は前記中環状部に配され、
    前記中環状部は、前記LED素子の光出射方向から前記ベース部材を見たときに、前記開口の中心と前記ベース部材の外縁部上の仮想点との中点上に位置し、
    前記ベース部材は、前記中環状部の内周縁から当該中環状部を超えて前記外環状部へと延伸するリブを周方向に等間隔を置いて複数有している
    LED照明装置。
  2. 記取付部が、当該取付部が前記被取付部材に取り付けられる前の状態において前記開口に組み込まれて一体化されている
    請求項1に記載のLED照明装置。
  3. 記取付部が前記開口を介して着脱自在に前記ベース部材に装着される
    請求項1に記載のLED照明装置。
  4. 前記リブは、前記被取付部材側に凹入し、
    前記中環状部のリブにおける前記被取付部材側の面は、前記外環状部のリブにおける前記被取付部材側の面よりも前記被取付部材側と反対側に位置し、
    前記中環状部は、前記外縁部よりも前記開口に近い側に位置する
    請求項1〜3の何れか1項に記載のLED照明装置。
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