JP2016004754A - Led照明装置 - Google Patents

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Akira Kishimoto
亮 岸本
伊藤 大介
Daisuke Ito
大介 伊藤
和樹 平野
Kazuki Hirano
和樹 平野
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Akihiko Okumura
明彦 奥村
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Abstract

【課題】低コスト化と高い放熱性を実現しつつ、照明装置の着脱を安全かつ簡単に行う。【解決手段】LED照明装置は、LED素子を搭載したLED基板24と、LED素子に点灯電力を供給する点灯回路部品を実装した点灯回路基板と、LED素子の光出射方向を覆う透光性カバーと、LED基板24と透光性カバーの間に、LED基板24及び点灯回路基板の双方をLED素子の光出射方向側から露出させることなく覆う保護カバー26を備える。この保護カバー26は、複数の保護カバー片を合わせて一体の構成をなす。円環状をなす保護カバー26の内周縁部に形成された貫通孔26kと外周縁部に形成された切欠26mを通して流れる空気流により、LED照明装置は高い放熱性を有する。【選択図】 図26

Description

本発明は、LED素子を光源に使用したLED照明装置に係り、特に天井面に設置された配線器具に接続される天井直付け型シーリングライトにおける、LED素子及びこのLED素子を点灯させる電力を供給する点灯回路部を搭載するLEDランプ本体部の改良に関するものである。
近年、環境意識の高まりから、省電力化に優れたLED素子を光源に使用した、電源内蔵型の電球型LEDランプが普及してきた。更に最近は、天井直付け型のシーリングライトや、天井面から吊り下げられて室内を照らす吊下げ型照明器具においても、LED素子を使用した照明装置が開発され、市場に導入されてきている。
このような天井直付けシーリングライトは、一般的に、被取付部である天井の配線器具にシーリングライトを取り付けるためのアダプタと、照明器具本体と、セード(カバー)から成り、照明器具本体にはLED素子が実装されたLED基板や、LED素子を点灯させる電力を供給する点灯回路基板および、これらを電気的に接続する配線部材が搭載されている。
このシーリングライトの天井への取り付けは、被取付部である天井の配線器具に、まずアダプタを取り付け、次にこのアダプタに照明器具本体を取り付け、最後にセードを装着する手順で行うが、特に最近は、この取り付け作業を安全かつ簡単に行えるシーリングライトが検討されている。
具体的には、例えば、特許文献1には、照明器具本体上に複数の発光モジュールと発光モジュールを駆動するための回路ブロック(点灯回路)、および回路ブロックと発光モジュール間や各発光モジュール間を電気的に接続するためのコネクタなどの配線用部品類が搭載された照明器具の構造が記載されている。
しかし、この特許文献1に記載された照明器具では、照明器具本体に発光モジュールや配線用部品類が露出した状態のまま搭載されているため、照明器具本体の取り付け作業時に作業者が誤って発光モジュールや配線用部品類に触れると、これらを傷付けたり破損し断線させてしまう虞がある。そのため、照明器具の取り付け作業には慎重を要し、作業の簡易化を進める上で大きな改善課題である。
このため、最近は、取り付け作業者がLED素子や点灯回路部品、配線用部品等に直接接触する事態を回避するため、照明器具本体からLED基板や配線用部品が露出しないようLED基板の前面を保護カバーで覆うなどの対策を採ったものがある。
具体的には、例えば、特許文献2には、発光素子(LED素子)が実装された基板の前面側の全面を、発光素子の配置に沿って略サークル状に一体的に形成された、透光性を有してレンズ体を兼ねた環状絶縁性樹脂製の拡散部材で覆う構成が記載されている。この構造では、発光素子を含めて基板の全面が保護されている。
しかし、この構造では照明器具の取り付け作業者がLED素子に接触する事態は回避できるが、透光性拡散部材を発光素子の直上に密着して設置する必要があり、個々の発光素子のサイズに比べてサイズの大きな一体型拡散部材を高精度に位置合わせして固定する必要があり、照明器具の組立作業のコストアップが避けられない。
また、作業者が発光素子に接触する危険性を回避するために発光素子を絶縁性樹脂で覆っているため、発光素子からの発熱を、発光素子を囲む空間の気体(空気)の流れを利用して発光素子からの発熱を直接排熱することが難しくり、発光素子の温度が上昇してその寿命を劣化させてしまう虞があるという課題への対策が必要である。
特開2013−38018号公報 特許第5320563号
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、高い放熱性能を有しつつ、被取付部である天井に既設の配線器具への着脱作業を安全かつ簡単に行うことができるLED照明装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、LED素子を搭載したLED基板と、LED素子に点灯電力を供給する点灯回路部品を実装した点灯回路基板と、LED素子の光出射方向を覆う透光性カバーと、LED基板と透光性カバーとの間に位置して、少なくともLED基板を覆う保護カバーを備えたLED照明装置において、保護カバーは、LED照明装置に装着された状態において、保護カバーを境としたLED基板側の空間と透光性カバー側の空間とを連通するように保護カバーに形成された連通部を備えることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、上記第1の解決手段において保護カバーは、点灯回路基板をも覆うことを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2のいずれかの解決手段において、保護カバーは、縦断面が略半パイプ状の形状を有してリング状に配置され、連通部は、保護カバーの内周縁部及び外周縁部に形成されていることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第1乃至第3のいずれかの解決手段において、保護カバーは、複数の保護カバー片を合わせて一体の構成をなし、LED基板及び点灯回路基板の双方を覆うことを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第4の解決手段において、保護カバーを構成する複数の保護カバー片は、材料、外形、外観において、相互に略同一であることを特徴とするLED照明装置。
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第1乃至第5のいずれかの解決手段において、保護カバーは縦断面が略半パイプ状の形状を有してリング状に配置され、連通部は、保護カバーの内周縁部において、この保護カバーの内周縁に沿って形成された1か所以上の貫通孔から成ることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、上記第1乃至第6のいずれかの解決手段において、保護カバーは縦断面が略半パイプ状の形状を有してリング状に配置され、連通部は、保護カバーの外周縁部において、この保護カバーの外周縁に沿って形成された1か所以上の切欠から成ることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、上記第1乃至第7のいずれかの解決手段において、連通部は、指を貫通させることができない大きさ及び形状を有することを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第9の手段として、上記第1乃至第8のいずれかの解決手段において、複数の保護カバー片は、各保護カバー片に形成された連結部により相互に連結され、保護カバー片の連結部の厚みは、保護カバーのうち連結部以外の部分の厚みと略同一の厚みであることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第10の手段として、上記第1乃至第9のいずれかの解決手段において、保護カバーは透明性を有する難燃性の合成樹脂材料からなることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第11の手段として、上記第1乃至第10のいずれかの解決手段において、保護カバーの外周部の外面側には光を拡散させるための表面処理が施されていることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第12の手段として、上記第1乃至第11のいずれかの解決手段において、保護カバーは、点灯回路基板への電気配線を通す凹部が設けられていることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第13の手段として、上記第1乃至第12のいずれかの解決手段において、LED基板と点灯回路基板はベース部材に保持され、ベース部材は、ベース部材を被取付部に直接に電気的かつ機械的に取り付けるための引掛刃を具備することを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第14の手段として、上記第1乃至第13のいずれかの解決手段において、透光性カバーは、保護カバーの外周縁部に取り付けられることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
本発明によれば、上記のように、LED素子を実装したLED基板と、LED素子に点灯電力を供給する点灯回路部品を実装した点灯回路基板の双方が、保護カバーによって光の出射方向側から覆われてベース部材上で露出していないため、LED基板や点灯回路基板が搭載され、引掛刃を備えたベース部材を天井に既設された配線器具に着脱する作業を透光性カバーが外された状態で行っても、作業者がLED基板や点灯回路基板に接触することがなく、取付作業を安全に行うことができる実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、保護カバーは分割された複数の略同一の保護カバー片から構成されていることから、部品の混同や取り付け方向の間違いなどが起こる虞はなく、個々には軽量でもあり、取付作業を簡単に行うことができる実益がある。
特に、本発明によれば、上記のように、保護カバーには連通部が形成されているため、空気が、リング状の保護カバーの外周縁部に形成された連通部から流入すると共に、内周縁部に形成された連通部から流出して対流が発生することにより、LED素子が発生する熱は、効率的に保護カバーの外部に排熱されて保護カバーの内部空間に熱が籠もることがないため、LED素子の温度上昇が抑制され、LEDの寿命を劣化させる虞がない実益がある。
本発明のLED照明装置の外観斜視図である。 本発明のLED照明装置の垂直断面図である。 本発明のLED照明装置の分解斜視図である。 本発明のLED照明装置の透光性カバーを外した状態の前面図である。 本発明のLED照明装置の透光性カバーを外した状態の後面図である。 本発明に用いられる引掛保持部の斜視図である。 本発明に用いられる引掛刃保持部材の後面斜視図である。 本発明に用いられる引掛刃保持部材の前面斜視図である。 本発明に用いられる引掛刃の斜視図である。 本発明に用いられるロック部材のロック状態における斜視図である。 本発明に用いられるロック部材の解除状態における斜視図である。 本発明に用いられるベース部材の斜視図である。 本発明に用いられるベース部材の断面図である。 本発明に用いられる点灯回路基板とLED基板の配置図である。 本発明に用いられる点灯回路基板とLED基板の上面図である。 本発明に用いられる保護カバーの斜視図である。 本発明に用いられる保護カバーの断面図である。 本発明に用いられる後透光性カバーの斜視図である。 本発明に用いられる後透光性カバーの断面図である。 本発明に用いられる前透光性カバーの斜視図である。 本発明に用いられる前透光性カバーの断面図である。 本発明に用いられる保護カバーの分解斜視図である。 本発明に用いられる保護カバーの取り付けを示す斜視図である。 本発明に用いられる保護カバー取り付け後のLEDランプ本体の斜視図である。 本発明に用いられる透光性カバーの取り付けを示す斜視図である。 本発明に用いられる透光性カバーの取り付けを示す側面図である。 本発明に用いられる保護カバー片の斜視図である。
以下に本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお本実施形態は一例であり、これに限定されるものではない。ここでは、本発明のLED照明装置の実施の形態として、天井に既設のロゼットや引掛シーリングボディに取り付けが可能な引掛刃を備えたシーリングライトを一例として採り上げて説明する。なお、以下では便宜的にシーリングライトは天井に取り付けられ、シーリングライトの照明光は下方(床面側)に向けて照射されるものとして説明するが、これに限定されるものではない。
(1.シーリングライトの構成)
LED照明装置、ここでは一実施例として示すシーリングライト100は、図1乃至図3に示すように、LEDランプ本体1と、このLEDランプ本体1に搭載されたLED素子25が発する光の出射方向を覆うように、LEDランプ本体1に取り付けられる透光性カバー3とで構成されている。
(2.シーリングライトの天井への取り付け)
このシーリングライト100は、天井面5(図2)に既設のロゼットや引掛シーリングボディ等の被取付部である配線器具7に、電気的かつ機械的に接続される引掛刃12を備えたLEDランプ本体1を、この引掛刃12により着脱自在に装着して天井面5に設置される。具体的には図1乃至図3、図15及び図17に示すように、天井面5に既設の配線器具7に、LEDランプ本体1を支持しながらLEDランプ本体1の中央部に備えられた引掛保持部10に保持された引掛刃12を挿入し、その状態で、LEDランプ本体1を上方に押圧しながら配線器具7と引掛刃12が係合する方向にLEDランプ本体1を回動する。
なお、引掛保持部10に備わった引掛刃12を天井面5に既設の配線器具7に挿入する際、詳細は後述するが、引掛保持部10が透明な合成樹脂材料製であるため、LEDランプ本体1の中央部の下方からでも、配線器具7の位置や設置の向きが、引掛保持部10を透過視して視認できるので、LEDランプ本体1を配線器具7に取り付ける作業を簡単に行うことができる。
このようにして、LEDランプ本体1を回動して配線器具7に取り付けた後、LEDランプ本体1に取り付けられた保護カバー26の外周部に設けられた4か所の後透光性カバー嵌合部26dに、後透光性カバー31の上端外周部に設けられた4か所の保護カバー嵌合部31aを位置合わせして嵌合させ、後透光性カバー31を取り付ける。更に後透光性カバー31の下端外周部に設けられた4か所の前カバー嵌合部31bに、前透光性カバー32の上端外周部に設けられた4か所の後カバー嵌合部32aを位置合わせして嵌合させ、前透光性カバー32を取り付けるとシーリングライト100として使用可能となる。
なお、天井面5にシーリングライト100を装着する際、図1及び図2に示す後述するLEDランプ本体1のベース部材21の天井面5側に装着されている3本の天井用ばね22(図1)の中央部が天井面5の3か所に当接する。この天井用ばね22は、図1及び図2に示すように、細長い板状で、自然状態(荷重を加えない状態)において、長辺方向の中央部が凸となるような弓状に湾曲したプラスチック製の板ばねである。荷重を受けて湾曲形状が自然状態時の湾曲形状から変化すると、自然状態の湾曲形状に戻る方向に(反復)力を発生する。
天井用ばね22は、長辺の一方端がベース部材21にねじで固定され、他の一端は固定されずにベース部材21の天井面側に単に当接した状態でベース部材21に取り付けられている。天井面5にシーリングライト100を装着する際は、天井用ばね22の湾曲が小さくなる方向に変形させながら、すなわちシーリングライト100を天井面5の方向に押し上げながら、引掛保持部10の引掛刃12を、天井面5に既設の配線器具7に挿入する。
シーリングライト100が天井面5に取り付けられた後は、天井用ばね22の復元力により、シーリングライト100は常時、天井面5から引き離す方向(下方)の力を受けた状態で天井面5と略平行に支持される。天井用ばね22の復元力は、天井面5に装着されたシーリングライト100の位置ずれや振動を防止する機能も持つ。
なお、ここでは、天井用ばね22は、湾曲したプラスチック製の板ばねとしたが、シーリングライト100を天井面5に取り付けた状態で、シーリングライト100を天井面5から離間させる方向の力を常時発する機能を持てば特に限定はなく、他に例えば、金属などを弾性変形する形状に加工した弾性体、又はゴムなどの弾性材料からなる弾性体を用いることもできる。
(3. LEDランプ本体の構成)
LEDランプ本体1は、図2及び図3に示すように、ベース部材21と、このベース部材21に嵌装して固定されてベース部材10と一体となる引掛保持部10と、ベース部材21に配設されLED素子25が実装されるLED基板24と、このLED素子25を点灯させるための電力を供給する点灯回路基板23と、この点灯回路基板23とLED基板24とを覆う保護カバー26から構成されている。
ここで、引掛保持部10は、特に図6乃至図9に示すように、引掛刃12を備え、この引掛刃12は、シーリングライト100を電気的かつ機械的に、天井面5に既設の配線器具7に直接接続する役割を担う。引掛保持部10は、円盤状のベース部材21の中心部に形成されたベース部材開口部21aを塞ぐように、天井面5の反対側(下方)からベース部材21に固定されて、ベース部材21とほぼ同一面状に設置される。
また、図示の実施の形態では、LED基板24と点灯回路基板23は、図13及び図14に示すように、複数設けられ、これらの複数のLED基板24は、ベース部材21に形成されたLED基板保持部21dに、これらの複数の点灯回路基板23は、ベース部材21のうちLED基板保持部21dを除いた部分、具体的には、LED基板保持部21dよりもベース部材21の外周側において周辺部側リブ211bの裏面(下面)の所定位置に直接、固定される。
保護カバー26は、特に図22及び図23に示すように、ベース部材21に固定されたLED基板24及び点灯回路基板23、LED基板24間の電気配線及び点灯回路基板23とLED基板24を結ぶ電気配線などがベース部材21の下方に露出しないように、下方から覆う。この保護カバー26は、図22に示すように、ベース部材21の下面に固定される。
このシーリングライト100は、補助器具であるアダプタを介さず、天井面5に既設の配線器具7に直接、引掛刃12を挿入して取り付ける構造であり、天井面5からのシーリングライト100の突出量を小さく(薄く)することが可能となる。
(3.−1 ベース部材)
LEDランプ本体1のベース部材21は、例えば、厚さ0.5mm〜2.0mmの冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料を使用して、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって製作される。ベース部材21は、図11に示すように、円盤形状である。その中心部には、円形のベース部材開口部21aが形成され、この開口部21aに、引掛保持部10が、ベース部材位置合わせ部11g(図6)を引掛刃保持部位置合せ部21g(図11)に嵌装させて位置決めした状態で、ベース部材開口部21a塞ぐように固定され、ベース部材21の中央に引掛刃12が設置され、この引掛刃12を保持する引掛保持部10に隣接してLED基板保持部21dが形成される。
なお、引掛刃12を備えた引掛保持部10は、透明な合成樹脂材料から形成される。このため、ベース部材開口部21aが引掛保持部10で塞がれた後であっても、LEDランプ本体1を天井面5に既設の配線器具7に取り付ける作業において、LEDランプ本体1の下方からベース部材開口部21aを透過して、配線器具7の位置や向きを視認できるので、取り付け作業が簡易になる。
このベース部材開口部21aによる空間及びこの空間に固定された引掛保持部10のことを、ここでは、透明窓15(図5)と称する。即ち、図示の実施の形態においては、透明性材料から形成された引掛保持部10が、透明窓15を兼任している。
円盤状のベース部材21には、図11及び図12に示すように、下方(シーリングライト100を天井面5に設置した場合の床面側)に向けて突出し、その頂面にLED基板24を保持するための平坦な保持面211cが形成され略円環状に配列されたLED基板保持部21dが形成されている。また、ベース部材21の最外周部には、外縁部を下方に屈曲させたベース外縁部21cが形成されている。ベース部材21の径方向には放射状に、複数の放射方向リブ21fが形成されている。これら円環状のLED基板保持部21d、ベース外縁部21c、放射方向リブ21fのリブ効果により、ベース部材21は機械的剛性が強化されている。この剛性強化により、ベース部材21を構成する金属材料の厚みを薄くすることが可能となり、シーリングライト100の軽量化を実現でき、この軽量化によりシーリングライト100の天井面5への取り付け作業が一層容易になる。
略円環状の下方突部であって、その下方側の頂面が平坦面である保持面211cをなすLED基板保持部21dは、図11に示すように、円盤状のベース部材21の仮想中心から略等角度の間隔(ここでは、60°)で放射状に形成された放射方向リブ21fによって、円環が複数に区画され(ここでは、6区画)ている。複数に区画されたそれぞれの区画にLED基板24が固定される。
LED基板24を固定するLED基板保持部21dの下面(保持面211c)は、図12に示すように、平坦面であるが、水平、即ち、ベース部材21のうちLED基板保持部21dを除いた他の部分である平板面と平行ではなく、ベース部材21のLED基板保持部21dを除いた他の部分である平板面に対し所定の傾斜をなして形成されている。
この場合、図12に特に示すように、このLED基板保持部21dの保持面211cは、ベース部材21の平板面からの保持面211cの離間距離が、ベース部材21の外周側よりもベース部材の中心側の方が大きくなるように(即ち、ベース部材21の仮想中心に近い側が、ベース部材21の外周に近い側に比べて下方(床面側)に位置するように)傾斜して形成されている。このため、この保持面211cに保持されるLED基板24が、外向きに(ベース部材の外周側を向くように)傾斜して設置されているため、LED素子25が発する光の照射角は広く確保され、光を広く均一に照射することができる。
このLED基板保持部21dの保持面211cの傾斜の傾斜角度は、シーリングライト100の中央部が暗くならない範囲で、LED素子25から発する光の照射角を可能な限り広く確保できる角度を選択すればよく、ベース部材21の平板面に対し、5°〜20°の範囲であることが望ましい。
また、LED基板24を固定するLED基板保持部21dの保持面211cは、図12に示すように、ベース部材21の下方に向けて突出して形成され、この保持面211cのうちのベース部材21の外周側における平板面からの突出高さが、点灯回路基板23の表面位置よりも高くなるように設定されている。このため、点灯回路部品による影が出にくく、光を広く均一に出射することができる。
なお、ここではベース部材21を円盤状としたが、必ずしも、円盤状に限定されるものではなく、他に、例えば、方形平板状の外形とすることもできる。
ベース開口部21aの周囲には、図11及び図12に示すように、引掛保持部10を、引掛刃保持部位置合せ部21gで位置決めして固定するための引掛刃保持嵌装部21bが設けられている。ベース部材21には、LED基板保持部21dや点灯回路基板23の固定部が予め一体加工で形成されているが、引掛保持部10を装着することにより、天井面5に既設されている配線器具7に直接、電気的かつ機械的に接続可能な引掛刃12を、さらに備えることになる。
ベース部材21には、他に、引掛刃保持部材11を固定するための引掛刃保持部固定孔21hと、LED基板24を固定するためのLED基板固定孔21jと、点灯回路基板23を固定するための点灯回路基板固定孔21kと、保護カバー26を固定するための保護カバー固定孔21mと、天井用ばね22を固定するための天井用ばね固定孔21nが設けられている。これらの孔は、図示しないねじや引掛けピンが挿入されて目的とする要素部材、例えばLED基板24や引掛保持部10などをベース部材21に固定する際に使用される。
(3.−2 引掛保持部の構成)
引掛保持部10は、図6に示すように、引掛刃保持部材11(図7)と、この引掛刃保持部材11の中央部に設けられた略矩形溝状の回動部11aに組み込まれた、2個一対で機能する引掛刃12と、ロック部材13と、電力線14とから成っている。シーリングライト100は、引掛保持部10の引掛刃12により配線器具7と電気的かつ機械的に直接に連結される。
(3.−3 引掛刃保持部材)
引掛刃保持部材11は、透明性を有し、かつ、絶縁性と難燃性にも優れた合成樹脂材料から製作する。このような合成樹脂材料として、例えば、ポリカーボネート(PC)を使用することができる。この場合、具体的には、引掛刃保持部材11全体を、ポリカーボネート(PC)から一体成型することができる。このように全体が透明材料から成る引掛刃保持部材11を備えた引掛保持部10が、ベース部材21の中央に設けられたベース部材開口21aに取り付けられて、透過窓15となる。これにより、引掛保持部10に備わった引掛刃12を天井面5に既設されている配線器具7に挿入してシーリングライト100を取り付ける際、引掛刃保持部材11が透明な合成樹脂材料製であるため、LEDランプ本体1の下方からでも、LEDランプ本体1の中央部の透過窓15を透過して、死角の無い広い視野で、配線器具7の周辺部を含めて配線器具7の位置や設置の向きを視認できる。このため、LEDランプ本体1を配線器具7に取り付ける作業を簡単に行うことができる。透過窓15、すなわち引掛刃保持部材11を形成する合成樹脂材料の光透過率は70%以上の高い透明性を有している。
なお、透過窓15の光透過率は70%以下であっても配線器具7の視認性に問題はないが、少なくとも、2%以上、好ましくは、5%以上であることが望ましい。これよりも透過率が小さい場合には、充分な視認性を確保することが困難となる可能性があるためである。
引掛刃保持部材11は、図6乃至図8に示すように、外筒11rと内筒11pの2重筒を有する有底円筒状で、底側に相当する後面(上面)側は、内筒底面が外筒底面からさらに後方向(上方)に突出して、中央の円形部が突出した2段底面(図7)をなしている。この引掛刃保持部材11の後面側の中央円形部には、この引掛刃保持部材11を天井面5の配線器具7に取付けるための引掛刃12を装着するスペースである略矩形溝状を呈する回動部11aが形成されている。この回動部11aの溝部(内部)には、引掛刃12を固定するためのねじが挿入される引掛刃固定溝11cと、引掛刃12を強固に固定する凹凸が設けられた引掛刃設置溝11dとが形成されている。
また、引掛刃保持部材11の後面(上面)側の外周部には、引掛刃保持部材11をベース部材21に固定する際の位置決めに使用するベース部材位置合せ部11gと、ベース部材21に固定する際の固定面となるベース部材嵌装部11hが形成されている。
さらに、引掛刃保持部材11の後面(上面)側の回動部11aの一端からは、外周部に向けて、引掛刃12からの商用電力を点灯回路基板23に供給するための電力線14が収まる配線溝11eと、電力線14を固定する配線固定部11fが形成されている。
さらに、引掛刃保持部材11の後面(上面)側の中央部に設けられた回動部11aの一端角部には、ロック部材13を納めるロック部材配置部11mが設けられ、ロック開口部11bよりロック部材13の押部13dが回動部11aから露出している。
一方、引掛刃保持部材11の前面(下面)側には、図8に示すように、中央部に、天井面5に既設されている配線器具7に対してLEDランプ本体1(図3)を着脱する際、LEDランプ本体1を手動で回動させるときに使用すれば便利な略直方体形に突起したつまみ部11jが形成されている。このつまみ部11jは、図8に示すように、詳細には長辺側の両壁面が僅かに凹形に湾曲して、指でつまみ、回動し易い形状となっている。さらに、この両壁面には滑り止めとしての凹凸が形成されている。
引掛刃保持部材11の前面(下面)側の周辺部には、保護カバー26の内周部を固定するための保護カバー固定溝11oと、ベース部材21に固定するためのベース部材固定溝11nが形成されている。
なお、ここでは、つまみ部11jは引掛刃保持部材11の後面側に開口する内部空間を有し、この空間が前述した回動部11aとして兼用されている。
また、この引掛刃保持部材11は、上述したように、ポリカーボネート(PC)等の絶縁性材料から形成されているため、引掛刃12を引掛刃保持部材11に直接取り付けて、この引掛刃12をシーリングライト100を通電状態の配線器具7に接続しても、金属製部材、例えばベース部材21などと電気的に短絡が生じる虞はなく、簡単かつ安心してシーリングライト100の取り付けや取り外し作業を行うことができる。また、このように、引掛刃保持部材11をポリカーボネートから形成することにより、軽量化と透明化を促進することもできる。
なお、引掛刃保持部材11の製作に使用する材料は、必ずしも、ポリカーボネートに限定されるものではなく、透明性、絶縁性、難燃性の他、引掛刃保持部材11として必要な剛性を備えた材料であればよく、他に、例えば、難燃化したポリブチレンテレフタレート(PBT)等の絶縁性材料を使用することもできる。また、ここでは、引掛刃保持部材11の全体が絶縁性材料で一体成型されているが、少なくとも、引掛刃保持部材11のうち、引掛刃12に接触する部分又は引掛刃12に面する部分が絶縁性材料から形成されていればよく、引掛刃保持部材11の一部のみを絶縁性材料で形成することや、金属製材料の引掛刃保持部材11に絶縁性材料を被覆した形態とすることもできる。
(3.−4 引掛刃)
引掛刃12は、図9に示すように、導電性を有する黄銅等の金属材料を使用して、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって製作される。引掛刃保持部材11には、図6に示すように、この引掛刃12が2個一対で設置され、各々、引掛刃保持部材11の回動部11aに設けられた凹形状の引掛刃設置溝11d(図7)に挿置され、刃固定孔12bから挿入されて引掛刃固定溝11cにねじ込まれるねじで固定され、引掛部12aの先端部が、引掛刃保持部材11の後面側、すなわち、天井面5の被取付部の配線器具7の側へ突出している。
より具体的には、一対の引掛刃12は、図1乃至図6に示すように、引掛刃保持部材11の上側に略L字形状の引掛部12aが立設するように、引掛刃保持部材11の引掛刃設置溝11dに、刃固定部12cと刃端子固定部12dを合わせて、ねじで引掛刃保持部材11に固定される。引掛刃12には、配線器具7に挿入して回動するとき、横方向(回転方向)に大きな力が加わるため、引掛刃設置溝11dを設けて引掛刃12を固定している。引掛刃12の刃端子孔12eには、電力線14が挿入されて、ハンダにより固定される。これにより、配線器具7からの外部電力と点灯回路基板23が引掛刃12を介して電気的に接続されることになる。
なお、引掛刃12は、一般的なシーリングライト100を天井面5に取り付ける際に用いられているアダプタの引掛刃と同規格になっている。したがって、配線器具7に、アダプタ等の中継器具を使用することなく、引掛刃保持部材11に設けられた引掛刃12によりLEDランプ本体1を被取付部である配線器具7に直接、電気的かつ機械的に接続できる。また、引掛刃12は、後述する固定用のロック機構を備えており、LEDランプ本体1は、配線器具7に引掛刃12を挿入して回動することによる引掛刃12の押圧力とロック機構により固定されている。
(3.−5 ロック部材)
ロック部材13は、LEDランプ本体1が天井面5の配線器具7に装着されてシーリングライト100として使用されている状態で、引掛刃12が配線器具7から外れないようにするための引掛刃のロック機能を持つ。具体的には、ロック部材13は、図6に示すように、引掛刃保持部材11の回動部11aの中の引掛刃12の根元部分に収納されている。天井面5等の配線器具7に設けられている、ここでは図示しない弧状の溝に引掛刃12の先端部が挿入された後、回動されて、LEDランプ本体1が配線器具7に固定されたとき、固定爪13a(図10)が、配線器具7に設けられている弧状の溝に入り、引掛刃12が配線機器7から外れる方向への回動、すなわち固定時とは逆の回動を防止する。ロック部材13は、図10に示すように、略N字形状のポリアセタール(POM)等の弾性特性を有する樹脂で製作されている。図10はロック部材13の動作状況を示しており、図10(a)は通常時の形状で固定爪13aが上方に突出している状態である。LEDランプ本体1が配線機器7に取り付けられた状態では、配線器具7に設けられている弧状の溝の中で、固定爪13aが図10(a)の状態を維持している。したがって、LEDランプ本体1が配線器具7に固定された状態では、配線器具7に設けられている弧状の溝には、一端に引掛刃12の引掛部12aが、他端にはロック部材13の固定爪13aが挿入されており、配線器具7に対し、引掛刃12が回動できない状態になる。
一方、図10(b)はロック部材13の押部13dが押され、固定爪13aが下方に引っ込んだ状態である。LEDランプ本体1を配線器具7から取り外す際は、押部13dを押し、固定爪13aを引っ込めて、すなわち、配線器具7に設けられている弧状の溝から固定爪13aを抜いて、引掛刃を回動可能な状態にして取り外す。
押部13dが押されたときのロック部材13の動きをさらに詳細に説明する。ロック機構を解除するために、押部13dが押されると、ロックベース部13eの下部に設けられた半円柱状のベース突部13fが回動部11aの内側下部を滑り、ばね部13gが押される。ばね部13gが押されると、ばね部13gが立ち上がり(側面視で傾斜していた13gの傾斜が垂直に近づく)、固定ベース部13bの側面に設けられた半円柱状の固定突部13cが回動部11aの内側側部を下方に滑り、固定爪13aが下方に引っ込むこととなる。
ここで、可動する部分にベース突部13fや固定突部13cなどの半円柱状突部を設けているため、固定爪13aが、配線器具7に設けられている弧状の溝からスムーズに挿抜できる構造となっている。
なお、ロック部材13の押部13dは、ロック部材13が引掛刃保持部材11の回動部11aの中の引掛刃12の根元部分に収納された状態で、回動部11aのロック開口部11dに露出している。LEDランプ本体1を天井面5から取り外す際は、ロック部材13の押部13aを押して引掛刃12のロックを解除する必要があるが、押部13dが回動部11aと同様に透明であると、この押部13aが視認し難い。そのため、ロック部材13は、透明体に対して視覚的に視認しやすい色である、例えば透明性の低いオレンジ色等に着色されている。
(3.−6 LED基板および点灯回路基板の配置)
LED素子25が搭載されたLED基板24とLED素子25を点灯させるための点灯回路基板23は、図13に示すように、ベース部材21のLEDランプ本体1を天井面5に取り付けた場合の床面側に配設されている。LED基板24は、引掛刃保持部材11の外側に隣接してベース部材21のLED基板保持部21dに配置されている。点灯回路基板23は、ベース部材21の周縁部側リブ211bに配置されて、LED基板24の周囲、即ち、LED基板保持部21dに重ならないように、LED基板保持部21d、ひいてはLED基板24よりもベース部材21の外周側に設けられている構成となっている。これにより、LED基板24がベース部材21の中心部近くに配置されるため、センター部が暗くなることなく均一な明るさの照明が得られる。また、点灯回路基板23を複数の基板に分けて配置することもできるようになり、シーリングライト100をコンパクト化してコストダウンを実現することができる。
(3.−7 LED基板)
LED基板24は、図2、図3、図13及び図14に示すように、所定の幅寸法を有した円弧形状の6枚の基板が基板接続線によりつなぎ合わされるように配設されて全体として略サークル状に形成されて、ベース部材21のLED基板保持部21dに配置されている。このLED基板24は、片面に配線されたガラスコンポジット基板(CEH−3)から成り、片面側にLED素子25が実装されている。このように分割された基板を用いることにより、基板の分割部分で熱的収縮を吸収して基板の変形を抑制することができる。また、図14に示すように、LED基板24同士の基板間の配線は、一方のLED基板24にコネクタ24aが設けられ、他方のLED基板24にリード線24bをハンダで接続することにより行われている。即ち、複数のLED基板24は、一端が一方のLED基板24に接続されたリード線24bと、他方のLED基板24に設置されリード線24bの他端に接続されるコネクタ24aにより相互に接続されている。これにより、組み立て時のLED基板24同士の接続を容易にできるうえ、組み立て工数及び部品点数を削減することができ、コストダウンを実現することができる。なお、点灯回路基板23と接続するための基板配線も同様の接続構成としている。また、これらのLED基板24同士の接続は、図13及び図14に示すように、LED基板24のうちLEDランプ本体1の外周側において接続されている。このため、LED基板24同士の接続のための配線がLED素子25からの光出射を妨げることなく、広く均等に光出射することができる。
また、このLED基板24は、図示の実施の形態では、図14に示すように、LED素子25が、直線状に配置されている。但し、LED素子25の個数や配列には特に限定はなく、直線状ではなく、千鳥状の関係を構成するように配置することもできる。LED基板24は、中心部側がLEDランプ本体1を天井面5に取り付けた場合の床面側に向け傾斜するように設けられているLED基板保持部21dに配置されている。それにより、LED基板24は、透光性カバー3が均一な明るさになる基板を構成し、ベース部材21に合成樹脂性のピン等により固定されている。LED基板24のLED素子25が搭載されていない裏面を、ベース部材21のLED基板保持部21dに直接固定して熱的に結合させることにより、LED基板24から発生する熱をベース部材21により放熱することが可能となる。これにより、LED素子25の効率を高めることもできるようになる。なお、LED基板24のLED素子搭載面側に、高反射シートを貼合することや、高反射用樹脂を塗布することにより、さらに光取り出し効率の改善することができる。
(3.−8 LED素子)
なお、このLED基板24に実装するLED素子25としては、公知の種々のLED素子を用いることができる。本実施形態では、照明用の白色光を発光する高輝度タイプのLED素子と、昼光色を発光する高輝度タイプのLED素子が用いられて、調色が可能なシーリングライト100となっている。
(3.−9 点灯回路基板)
点灯回路基板23は、図2、図3、図13及び図14に示すように、配線器具7から引掛刃保持部材11を介して供給される交流電流を直流に変換してLED基板24に供給するために、ベース部材21の周縁部側リブ211bの前面側で、LED基板24の周囲に円弧形状に配設されている。点灯回路基板23は、図14に示すように、回路部品23a、23bが片面に配線された紙フェノール基板(FR−1)で構成されている。点灯回路基板23の回路部品23a、23bが搭載されていない裏面を、ベース部材21の前面側に絶縁シートを介して配設することにより、点灯回路基板23から発生する熱を、ベース部材21を介して効率よく放熱している。なお、この点灯回路基板23を構成する回路部品23a、23bとしては、過電流保護、ノイズカット、整流、平滑、調光制御などを行うための各種ダイオード、コンデンサ、トランス、IC、抵抗などの公知の電子部品を使用することができる。
この点灯回路基板23には、引掛刃保持部材11の配線溝11eからの電力線14が接続されるが、この場合、図13及び図14に示すように、この電力線14は、LED基板24のうち略円環状に配置されているLED素子25が搭載されていない部分を跨いで配線されている。この場合、この配線は、図13及び図14に示すように、LED基板24のうち、LED素子25が搭載された実装面とは反対側の面側においてLED基板24を跨いで設置されている。これにより、点灯回路基板23をLED基板24の外側に設けても、電力の供給のための配線によりLED素子25からの光出射が妨げられることなく、広く均一に照射することができると同時に不自然な影が発生することもない。
また、この場合、特に図13に示すように、配線は、ベース部材21に設けられた強度補強用のリブ21fに沿って設置することができる。具体的には、図13に示すように、電力線14を、ベース部材21の放射方向リブ21fに沿わせて設置することにより、LED基板24のLED素子25が搭載されていない面を跨がせることができる。これにより、引掛刃保持部材11と点灯回路基板23の配線は、ベース部材21に設けられた凹部状等の強度補強用のリブ21fを配線の収納部として兼用して配線することができため、新たに配線用の部材を設けることなく安定的、かつ、適切に配線することができ、コストダウンを実現することができる。
この点灯回路基板23からのLED素子25への直流供給は、特に図14に示すように、点灯回路基板23にコネクタ23cを固定し、LED基板24にコネクタ23cに接続されるリード線23dをハンダで接続することにより、点灯回路基板23とLED基板24とを電気的に接続して行われている。この時、リード線23dを、図13に示すように、放射方向リブ21fを利用して、LED基板24のLED素子25搭載側の裏面を通過させて、LED基板24の中心側に接続させる。これにより、LED素子25からの出射光がリード線23dに当たることなく、透光性カバー3に影が映るのを防止している。よって、組み立て時のLED基板24との接続が容易にできるうえ、部品点数を削減することができる。但し、点灯回路基板23とLED基板24との基板接続は、この形態に限定されるものではなく、他に、例えば、点灯回路基板23の内周側とLEDランプ本体1のLED基板24の外周側とを、LED基板24を跨らせることなく、接続することもできる。
点灯回路基板23における回路部品23a、23bの配置は、点灯回路基板23の中心側には背の低い回路部品23aが、点灯回路基板23の外側には背の高い回路部品23bが、配置されている。その結果、回路部品23aの高さより回路部品23bの高さは、高くなっている。
また、回路部品23a、23bの高さは、LED素子25から出射される光の1/2ビーム角(光の広がり具合(配光)を示し、光源の直下照度(最大光度)の1/2の照度になる点と光源中心を結んだ線と、光源中心の鉛直方向線とのなす角度をいう)の出射光が、回路部品23a、23bに照射されないように配置する必要がある。これにより、透光性カバー3に、影が出なく、均一な明るさになる。
なお、点灯回路基板23の回路部品搭載面側に、高反射シートを貼合することや、高反射用樹脂を塗布することにより、さらに光取り出し効率の改善や影の発生を防止することができる。
また、点灯回路基板23を複数の基板に分けて配置することもできるようになり、シーリングライト100をさらにコンパクト化してコストダウンをすることができる。この時の点灯回路基板23の分割としては、入力回路部と出力回路部と分割したり、調光回路と調色回路に分けて搭載する機種により選択できるように分割することができる。
更に、点灯回路基板23は、図22及び図23に示すように、保護カバー26により全体を保護されているために、通常点灯回路基板23に設けられるカバーを省くことができ、部品点数削減によるコストダウンを図ることができる。
(3.−10 保護カバー)
保護カバー26は、ベース部材21に取り付けられる。保護カバー26は、ポリカーボネート(PP)等の透明性を有する難燃性の合成樹脂材料から成り、その形状は、図2乃至図4、図15、図16に示すように、ドーナツ状に連続する中空パイプのリングを、このドーナツを側面視したときの長円を上下に2等分する仮想平面で切断したときの下半分の形状に類似しており(すなわち、縦断面が略半パイプ状の形状を有している)、その切断面側がベース部材21への固定側(図3)となる。このリング状の保護カバー26を側面視して、リングの仮想中心を含む仮想垂直面で切断したときの保護カバー26の断面は、図2及び図16に示すように、下に凸な円弧が離間して2つ並列する形状となる。保護カバー26をベース部材21に装着したとき、前述した下に凸な円弧の内側、すなわち実際の立体構造では、上面が開口したリング状の半パイプの内側空間が、ベース部材21に搭載された点灯回路基板23とLED基板24の両方を合わせて下方から覆い、点灯回路基板23とLED基板24の光の出射方向側の面を覆う。これにより、点灯回路基板23及びLED基板24の双方をLED素子25の光出射方向側から露出させることなく覆うことができると同時に、点灯回路基板23とLED基板24を別々のカバーを準備して、個々に覆う必要がなくなるため、部品点数の増加を抑え、コスト削減に効果が大きい構成となっている。
保護カバー26は、図21に示すように、前述したリング状の半パイプを更に2等分割した円弧状の形状を有する2つの保護カバー片(図21)から構成されており、これらの2つの保護カバー片を合わせてリング状に配置された一体の保護カバー26となる。これらの2つの保護カバー片は、材料、外形、外観において、相互に略同一であって、左右の部材を取り違えるなどの部品の混同や取り付け方向の間違いが起こる虞れはない。2つの保護カバー片は、図22に示すように、各々ベース部材21に取り付けられ、保護カバー連結部26bで連結される。ベース部材21へは、1部材ずつ、順次取り付け作業を行えばよく(図22)、位置合わせ等の作業が容易である。
このリング状に配置された保護カバー26には、図15及び図26に示すように、シーリングライト100(LED照明装置)に装着された状態において、保護カバー26を境としたLED基板24側の空間と透光性カバー3側の空間とを連通してLED素子25を空気流を利用して冷却させるための連通部が設けられている。この連通部は、図示の実施の形態では、図15及び図26に示すように、保護カバー26の内周縁部において、この保護カバー26の内周縁に沿って形成された1か所以上の貫通孔26kと、保護カバー26の外周縁部において、この保護カバーの外周縁に沿って形成された1か所以上の切欠26mであるのが示されている。
貫通孔26kは、具体的には、図15及び図26に示すように、複数の(具体的には、図示の実施の形態では、図15に示すように、8つの)貫通孔26kが、所定の間隔を空けて円環状に配置して形成されている。これらの各貫通孔26kは、リング状に配置された保護カバー26の内周縁に沿って、光の出射面側から見て略矩形状(より厳密には、保護カバー26の内周縁に沿って若干湾曲する円弧状)に開口するように、保護カバー26の一部を貫通させることにより形成されている。従って、保護カバー26を境としたLED基板24側の空間と透光性カバー3側の空間との間で空気が対流することができる。
一方、切欠26mは、具体的には、図15及び図26に示すように、複数の(具体的には、図示の実施の形態では、12の)切欠26mが、保護カバー26の外周縁の一部を切り欠くことにより、所定の間隔を空けて配置されている。これらの各切欠26mは、シーリングライト100の側面方向から見て、略矩形状に開口し、保護カバー26を境としたLED基板24側の空間と透光性カバー3側の空間との間で、空気を対流させることができる。なお、これらの複数の切欠26mは、必ずしも、均等な間隔で設置する必要はなく、また、すべて同じ大きさや形状の切欠26mとする必要もなく、保護カバー26のベース部材21への取付等を考慮して、配置や大きさを設定することができる。なお、保護カバー26の外周縁部において形成される連通部は、図示の実施の形態では、切欠26mとしたが、必ずしも、外周縁部を切り欠いて形成された連通部に限定されるものではなく、保護カバー26の内周縁部側と同様に、孔状に形成された貫通孔とすることもできる。
これらの連通部を形成したことにより、ベース部材21に搭載されたLED基板上24のLED素子25が発光して発熱すると、保護カバー26の内側空間の空気は、温度が上昇し、例えば内周縁部に設けられた連通部である貫通孔26kから保護カバー26の外側空間へと流出する。代って、保護カバー26の外側空間にある温度が低い空気が、外周縁部に設けられた連通部である切欠26mから流入する。これにより、温度が上昇して保護カバー26の外側空間に流出した空気は、透光性カバー3やベース部材21を介して冷却され、保護カバー26の外周縁部から切欠26mを通して再び保護カバー26の内側空間へ還流してくる。この保護カバー26の内側空間と外側空間を円滑に循環する空気流によりLED素子25は効率よく冷却され、動作寿命の劣化を抑制することができる。
以上のように、保護カバー26の内周縁部に形成された貫通孔26kと、外周縁部に形成された切欠26mとは、LED素子25を冷却するための冷却機能(放熱性)を担うことができる。
なお、これらの連通部である各貫通孔26k及び各切欠26mは、指を貫通させることができない大きさ及び形状を有する。具体的には、図示の実施の形態において略矩形状に開口する各貫通孔26k及び各切欠26mにおいては、矩形状の短辺の長さ(孔の横手方向の幅乃至は切欠の高さ)が、4mmに設定されている(矩形状の長辺の長さは、指が入らなければ特に限定はない)。これは、この短辺の長さが大きすぎると、LEDランプ本体1を天井面5から着脱する際、作業者の手指が開口に入り、LED素子25やリード線24b等に接触する虞があるためである。従って、略矩形状に開口する各貫通孔26k及び各切欠26mの、矩形状の短辺の長さは、最大でも12mmを超えないことが望ましい。
なお、貫通孔26kは、保護カバー26の内周縁部に沿って形成されているが、図15に示すように、貫通孔26kの開口が、保護カバー26が覆う全てのLED素子25から出射される光の1/2ビーム角の出射光よりも、ベース部材21側(天井面5側)に位置するように配することにより、貫通孔26kの影が透光性カバー3に映る事態を防止することができる。
同様に、保護カバー26の外周縁部に沿って形成されている切欠26mの開口も、図15に示すように、LED素子25から出射される光の1/2ビーム角の出射光よりも、ベース部材21側(天井面5側)に位置するように配することにより、切欠26mの影が透光性カバー3に映る事態を防止することができる。
なお、図示の実施の形態では、貫通孔26kは、略矩形状の開口を有し、計8か所に形成したが、前述した1/2ビーム角よりベース部材21側に位置すること、及び、指を貫通させることができない大きさ及び形状を有することとの条件を満たせば、特に形状、配置、配列数に制限はなく、例えば、円形状(真円、楕円のいずれも含む)や三角形等の多角形状の開口を有する貫通孔26kとして、内周縁に沿って1列に多数配列することもできる。同様に、切欠26mにも、前述した1/2ビーム角よりベース部材21側に位置すること、及び、指を貫通させることができない大きさ及び形状を有することとの条件を満たせば、形状、配置等に制限はない。なお、保護カバー26をベース部材21に固定した状態で、保護カバー26の機械的強度が十分確保できる範囲内であれば、上記条件を満たす範囲内では、できるだけ、1つ以上形成する貫通孔26k及び1つ以上形成する切欠26mの開口の合計面積が大きい方が、前述した空気流に対する流体抵抗が下がり、LED素子25の冷却効果は向上する。
2つの保護カバー片において、保護カバー連結部26bによる円弧状の連結部分は単なる当接ではなく、2つの保護カバー片のうち、1方の保護カバー片の端部は保護カバー26の板厚の略上半分がカットされ、この略上半分がカットされた一方の端部に係合する他方の保護カバー片の端部は保護カバー26の板厚の略下半分がカットされた形状(いわゆる、木材を継ぐ建築用語でいう「相欠き」加工)に成形されて、これらの端部により保護カバー連結部26bが形成される。したがって、2つの部材の円弧状端部を互いに対向させてリング状に連結する連結部分は、上半分カットと下半分カットの端部が対向しており、このカット部を嵌め合わせると、保護カバー26のうち保護カバー連結部26b以外の部分と略同一の厚みを維持したままスムーズに2つの部材が連結される。
図15に示すように、2つの部材を連結した保護カバー26を平面視した中心部には、保護カバー開口部26aが設けられている。保護カバー開口部26aの縁には、ベース部材21へ取り付ける方向(上方)に向けてパイプ状の引掛保持固定ガイド26jが伸びている。引掛保持固定ガイド26jには、図15から解るように、パイプの中心に対して、対向する2か所にU字状の溝が設けられている。一方は、点灯回路基板23への電気配線を通す凹部となる電力線配線溝26gであり、他方の溝には引掛刃保持部材11の保護カバー位置ピン11s(図8)が嵌る。2か所の溝形状は相同であり、どちらを点灯回路基板23への電気配線を通す凹部となる電力線配線溝26gとするかの区別はない。
保護カバー26を、引掛刃保持部材11が装着されたベース部材21に取り付ける際、引掛保持固定ガイド26jの内側に、引掛刃保持部材11の内筒11r(図8)が挿入されるように保護カバー26とベース部材21を位置合わせし、次に、保護カバー26を回動して、引掛保持固定ガイド26jの前述したU字状の溝に、引掛刃保持部材11の配線溝11e(図8)、または保護カバー位置ピン11sを嵌め込むと、保護カバー26が、ベース部材21の正しい固定位置に位置合わせできたことになる。
なお、点灯回路基板23への電気配線を通す凹部となる電力線配線溝26gは、図15に示すように、引掛刃保持部材11から点灯回路基板23へ電力を送る電力線14を通すためのU字状の溝として形成されている。
引掛保持固定ガイド26jの外側には、円環状の引掛刃固定部26h(図15)が設けられている。前述の手順によって保護カバー26が、ベース部材21の正しい固定位置に合っていることを確認した後、保護カバー26は、引掛刃固定部26hに設けられた引掛固定孔26eで、ベース部材21にねじで固定される。保護カバー26の保護カバー外縁部26c(図16)の上端は、上端面が、切欠26mを除いて、平坦なリング状になっており、計8ヶ所に設けられたベース部材固定孔26fで、ねじによりベース部材21の周縁部側リブ211bの面に固定されている。
図23に示すように、保護カバー26は、LED基板24と点灯回路基板23が、保護カバー26の外に露出しない状態に覆っており、LEDランプ本体1を配線器具7に取り付ける際に、設置作業者の電気的安全性が図れるとともに、設置作業者がLED素子25等に触れて照明性能を劣化させる事態も回避できる。
透光性カバー3は、この保護カバー26に取り付けられる。具体的には、図21から解るように、保護カバー26の外周部には4か所に、透光性カバー3の後透光性カバー31(図17)を嵌合して固定するための後透光性カバー嵌合部26d(図21)が設けられている。保護カバー26に後透光性カバー31を取り付ける際は、この後透光性カバー嵌合部26dと保護カバー嵌合部31aを位置合わせし回動させることにより、後透光性カバー嵌合部26dと保護カバー嵌合部31aとを嵌合させることができる。
この場合、保護カバー26は、透光性カバー3を滑らせて所定の位置に案内するカバーガイド部を有する。このカバーガイド部は、図示の実施の形態では、具体的には、図25に示すように、保護カバー26のうち、LED素子25が発する光が出射する側の面の外周部側面に形成された略凸状曲面から成っている。より具体的には、図25に示すように、保護カバー26の外周部側面は、側面視したとき、下端からベース部材21の方向に向けて(上方に向けて)、先述したように円弧状をなして拡がっている。実際の保護カバー26はリング状(図24)であって、その下端部のリング直径は、保護カバー嵌合部31aの無い部分の後透光性カバー開口31cの直径より小さくなっている。したがって、保護カバー26に後透光性カバー31を取り付ける際は、図24及び図25に示すように、後透光性カバー開口31cへ保護カバー下端部が挿入されるように、後透光性カバー31を保護カバー26の下方から上方に向けて移動させればよい。このとき、保護カバー26と後透光性カバー31が水平方向に位置ずれしていても、一旦、後透光性カバー開口31cに保護カバー下端部が入っていれば、上記のように、保護カバー26の外周部側面が略凸状曲面に形成されているため、その後は、後透光性カバー31を上方に移動させれば、後透光性カバー開口31cが、保護カバー26の外周側面の円弧状曲面に沿って滑りながら水平方向にも移動する。最終的には水平方向は自己位置合わせ(セルフアライメント)的に、所定の正しい位置に合ってくる。後透光性カバー31の保護カバー嵌合部31aが後透光性カバー嵌合部26dに当接する位置に達した後は、後透光性カバー31を回動させ、後透光性カバー嵌合部26dと保護カバー嵌合部31aを嵌合させれば、保護カバー26への後透光性カバー31の取り付け作業が完了する。
ここで、保護カバー26は、その外周部側面が下に凸な曲面であることにより、この曲面に沿って後透光性カバー開口31cを滑らせて移動させながら、透光性カバー31を自己位置合わせ的に保護カバー26の嵌合位置に導く位置合わせ作業のアシスト機能を果たしている。このため、後透光性カバー31を、LEDランプ本体1に対して、当初から厳密に水平方向の位置を一致させる作業を要することなく、簡易に位置決めしながら適切に保護カバー26に取り付けることができる。
保護カバー26は、その外周部の外面側には光を拡散させるための表面処理が施されている。より具体的には、保護カバー26が上面が開口したリング状の半パイプに類似の形状(図16)であることは前述したが、この上面開口の縁と、半パイプの外表面上の所定の線で囲まれた領域には、光拡散性を有するシボ加工が施されている。ここで、上記の所定の線とは、複数のLED素子25(図14)から出射された光の内、前述した1/2ビーム角の出射光が、半パイプ状を成す保護カバー26の外表面と交わる点群を結んで、直線近似(保護カバー26がリング状のため、実際には前記点群を結ぶと、リング上の円となる)して描ける線である。
また、保護カバー26は、相互に同一の2つの保護カバー片から構成されていることも前述したが、これらの2つの保護カバー連結部26bの近傍もシボ加工が施されている。
上記のような保護カバー26の外表面へのシボ加工により、回路部品23a、23bの影や保護カバー連結部26bの影の発生を抑え、透光性カバー3から出射する光を全面で均一化させることができる。
なお、保護カバー26の外表面において、シボ加工が施されていない部分は透明である。
光を拡散させるための表面処理であるシボ加工について、さらに詳細に説明する。保護カバー26のシボ加工は、外表面に高さが5μm乃至100μmの範囲に入る微細突起を密に形成して実現している。一般的に、保護カバー26のような透光性部材の表面にシボ加工を施したとき、突起サイズが5μm以下では光の拡散性をほとんど示さないが、5μm以上になると、突起サイズが大きくなるほど光拡散性も大きくなる。
本発明では、保護カバー26の上面開口の縁から1/2ビーム角で規定した線までの範囲で突起サイズ(高さ)を、上面開口の縁では大きく、他方、1/2ビーム角で規定した線付近では小サイズとなるよう、突起サイズを傾斜的に変化させたシボ加工を施している。突起サイズの傾斜的変化には、上面開口縁で60μmとし、1/2ビーム角の規定線付近では5μmとすることなどが挙げられる。
このような突起サイズに対する傾斜的シボ加工を、保護カバー26の表面に施すことにより、床面に平行に近い浅い角度で出射するシーリングライト100の照明光は、大きなサイズ突起により大きく拡散されるために、回路部品23a、23bの影が効果的に抑制される一方、床面方向に近い角度で出射するシーリングライト100の照明光に対する拡散性は小さく、床面方向を明るく照射することができるようになる。
ここでは、保護カバー26を相互に同一の2つの保護カバー片で構成したが、相互に同一であるか否かは問わず2以上の部材で構成してもよいし、例えば分割せず1つで部材とすることもできる。
また、保護カバー26の外形を、上面が開口したリング状の半パイプ(断面が下に凸な円弧状)としたが、保護カバー開口部26aの周辺は、内部のLED基板24や点灯回路基板23と干渉せず、照明光に強度むらを発生させないなど、照明装置の性能を劣化させない範囲で形状の変更は可能である。また、保護カバー26の外周外面はリング状の全周が全て略曲面である必要はなく、照明光に強度むらを発生させない範囲で、部分的に傾斜面が含まれていればよい。
(3.−11 LEDランプ本体の組付)
LEDランプ本体1を構成する引掛保持部10、ベース部材21、点灯回路基板23、LED基板24、保護カバー26の相互の位置関係について、図2と図3を参照しながら説明する。
まず、図3に示すように、引掛保持部10がベース部材21に嵌装されて固定される。また、ベース部材21のベース部材開口部21aの周囲には、6枚の円弧状のLED基板24が配設される。点灯回路基板23が、LED基板24の外周側の周囲に配設される。LED基板24と点灯回路基板23を覆うように、円環状の保護カバー26が配設される。
(4.透光性カバーの構成と取り付け)
LEDランプ本体1に取り付けられる透光性カバー3は、図1乃至図3、及び図17乃至図20に示すように、保護カバー26と嵌合する後透光性カバー31と、この後透光性カバー31の下部の開口部に取り付けられて、LEDランプ本体1を下方から覆う前透光性カバー32との2つの部材から成り、ポリプロピレン(PP)等の熱可塑性合成樹脂を使用して製作される。LEDランプ本体1に透光性カバー3を取り付ける際は、まず、ベース部材21に取り付けられた保護カバー26に、円環形状の後透光性カバー31を取り付け、次に、後透光性カバー31の下部開口の内側に設けられた前カバー嵌合部31bと、前透光性カバー32の後カバー嵌合部32aを嵌合させて、ドーム形状の前透光性カバー32を後透光性カバー31に取り付ける。
透光性カバー3が、後透光性カバー31と前透光性カバー32の2つの部材に分かれていることにより、一体構造である場合より、それぞれが軽量のため、保護カバー26への後透光性カバー31の取り付け作業や、後透光性カバー31への前透光性カバー32の取り付け作業が、床面方向から天井面を見上げる視点での作業であっても、簡単に行うことができる。
なお、後透光性カバー31を保護カバーに位置合わせして取り付ける作業手順の詳細と、その作業が簡単に行えることは、すでに説明ずみである。
なお、透光性カバー3の材質として、ポリプロピレン(PP)を用いる理由は、軽量化及びコストダウンを図る上で好適であることに加え、ここでは説明していないが、外部のリモコンから出される赤外線信号を透過させて、シーリングライト100の内部の受信部に到達させるのに好適だからである。
また、透光性カバー3は、連続した曲面形状にすることや、高密度となる光拡散面を形成するシボ加工を施したり、材料に拡散剤を含有させること等により、シーリングライト100からの出射光を全面で均一にさせることができる。
以上のように、本実施形態では、天井面の引掛シーリングボディ等の取付器具7に、アダプタ等の補助器具を用いることなく直接取り付けが可能な引掛刃12を備えたシーリングライト100において、LEDランプ本体1に取り付けられた保護カバー26に、透光性カバー3を簡単な作業で取り付けることができる。
以上、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なし得る各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
本発明は、リビングや和室、更に、寝室や子供部屋等の各居室や廊下、玄関等の天井面や壁面等に沿って設置されるLED照明装置として、広く適用することができる。
1:LEDランプ本体
2:取付部材
10:引掛保持部
11:引掛刃保持部材
11a:回動部
11b:ロック開口部
11c:引掛刃固定溝
11d:引掛刃設置溝
11e:配線溝
11f:配線固定部
11g:ベース部材位置合せ部
11h:ベース部材嵌装部
11j:つまみ部
11m:ロック部材配置部
11n:ベース部材固定溝
11o:保護カバー固定溝
11p:内筒
11r:外筒
11s:保護カバー位置ピン
12:引掛刃
12a:引掛部
12b:刃固定孔
12c:刃固定部
12d:刃端子固定部
12e:刃端子孔
13:ロック部材
13a:固定爪
13b:固定ベース部
13c:固定突部
13d:押部
13e:ロックベース部
13f:ベース突部
13g:ばね部
14:電力線
15:透過窓
21:ベース部材
21a:ベース部材開口部
21b:引掛刃保持嵌装部
21c:ベース外縁部
21d:LED基板保持部
211c:保持面
21e:周方向リブ
211a:中央部側リブ
211b:周縁部側リブ
21f:放射方向リブ
21g:引掛刃保持部位置合せ部
21h:引掛刃保持部固定孔
21j:LED基板固定孔
21k:点灯回路基板固定孔
21m:保護カバー固定孔
21n:天井用ばね固定孔
22:天井用ばね
23:点灯回路基板
23a:回路部品
23b:回路部品
23c:コネクタ
23d:リード線
24:LED基板
24a:コネクタ
24b:リード線
25:LED素子
26:保護カバー
26a:保護カバー開口部
26b:保護カバー連結部
26c:保護カバー外縁部
26d:後透光性カバー嵌合部
26e:引掛固定孔
26f:ベース部材固定孔
26g:電力線配線溝
26h:引掛保持固定部
26j:引掛保持固定ガイド
26k:貫通孔
26m:切欠
3:透光性カバー
31:後透光性カバー
31a:保護カバー嵌合部
31b:前カバー嵌合部
31c:後カバー開口部
32:前透光性カバー
32a:後カバー嵌合部
5: 天井面
7:配線器具
100:シーリングライト

Claims (14)

  1. LED素子を搭載したLED基板と、前記LED素子に点灯電力を供給する点灯回路部品を実装した点灯回路基板と、前記LED素子の光出射方向を覆う透光性カバーと、前記LED基板と前記透光性カバーとの間に位置して、少なくとも前記LED基板を覆う保護カバーを備えたLED照明装置において、前記保護カバーは、前記LED照明装置に装着された状態において、前記保護カバーを境とした前記LED基板側の空間と前記透光性カバー側の空間とを連通するように前記保護カバーに形成された連通部を備えることを特徴とするLED照明装置。
  2. 請求項1に記載されたLED照明装置であって、前記保護カバーは、前記点灯回路基板をも覆うことを特徴とするLED照明装置。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載されたLED照明装置であって、前記保護カバーは、縦断面が略半パイプ状の形状を有してリング状に配置され、前記連通部は、前記保護カバーの内周縁部及び外周縁部に形成されていることを特徴とするLED照明装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたLED照明装置であって、前記保護カバーは、複数の保護カバー片を合わせて一体の構成をなし、前記LED基板及び前記点灯回路基板の双方を覆うことを特徴とするLED照明装置。
  5. 請求項4に記載されたLED照明装置であって、前記保護カバーを構成する前記複数の保護カバー片は、材料、外形、外観において、相互に略同一であることを特徴とするLED照明装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載されたLED照明装置であって、前記保護カバーは縦断面が略半パイプ状の形状を有してリング状に配置され、前記連通部は、前記保護カバーの内周縁部において、前記保護カバーの内周縁に沿って形成された1か所以上の貫通孔から成ることを特徴とするLED照明装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載されたLED照明装置であって、前記保護カバーは縦断面が略半パイプ状の形状を有してリング状に配置され、前記連通部は、前記保護カバーの外周縁部において、前記保護カバーの外周縁に沿って形成された1か所以上の切欠から成ることを特徴とするLED照明装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載されたLED照明装置であって、前記連通部は、指を貫通させることができない大きさ及び形状を有することを特徴とするLED照明装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載されたLED照明装置であって、前記複数の保護カバー片は、各前記保護カバー片に形成された連結部により相互に連結され、前記保護カバー片の連結部の厚みは、前記保護カバーのうち前記連結部以外の部分の厚みと略同一の厚みであることを特徴とするLED照明装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載されたLED照明装置であって、前記保護カバーは透明性を有する難燃性の合成樹脂材料からなることを特徴とするLED照明装置。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれかに記載されたLED照明装置であって、前記保護カバーの外周部の外面側には光を拡散させるための表面処理が施されていることを特徴とするLED照明装置。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれかに記載されたLED照明装置であって、前記保護カバーは、前記点灯回路基板への電気配線を通す凹部が設けられていることを特徴とするLED照明装置。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれかに記載されたLED照明装置であって、前記LED基板と前記点灯回路基板はベース部材に保持され、前記ベース部材は、前記ベース部材を被取付部に直接に電気的かつ機械的に取り付けるための引掛刃を具備することを特徴とするLED照明装置。
  14. 請求項1乃至請求項13のいずれかに記載されたLED照明装置であって、前記透光性カバーは、前記保護カバーの外周縁部に取り付けられることを特徴とするLED照明装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017188389A (ja) * 2016-04-08 2017-10-12 アイリスオーヤマ株式会社 Led照明装置
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