WO2009119524A1

WO2009119524A1 - 空気調和装置

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Publication number: WO2009119524A1
Application number: PCT/JP2009/055703
Authority: WO
Inventors: 奥田　健志
Original assignee: 東芝キヤリア株式会社
Priority date: 2008-03-27
Filing date: 2009-03-23
Publication date: 2009-10-01

Abstract

　送風機（２０）の保守・交換作業を容易化するとともに、装置本体（７）の小型化を図ることで天井懐高さの減少に対応させるため、装置本体（７）を天井梁（１）から吊下げ固定して被空調室（３）内の天井板（２）と天井梁（１）との間に位置させ、装置本体（７）に吸込み口（１０）及び被空調室と連通する吹出しダクト（１１）を接続する吹出し口（１２）を設け、装置本体（７）内部に熱交換器（１８）と送風機（２０）を配置し、装置本体（７）に取外し自在な側面板（１５）を備え、熱交換器（１８）を長辺部（Ｇ）と短辺部（Ｔ）とを折曲げ形成して平面視で略Ｌ字状をなし、送風機を熱交換器（１８）の長辺部（Ｇ）と短辺部（Ｔ）とで囲まれるように配置し、かつ、側面板を取外すことにより、装置本体（７）内部から送風機（２０）を脱着自在とした。

Description

空気調和装置

　本発明は、天井梁から吊下げ固定されて、被空調室の天井板と天井梁との間に位置し、吹出しダクトを介して被空調室内へ熱交換空気を吹出す、天井埋込み形のダクト式室内機である空気調和装置に関する。

　空気調和装置の室外機として、室外機外箱の正面に、空気吹出し口と、この空気吹出し口の両側に配置した外気吸込み口とを、略水平に横に並べて設け、吹出し口背面側に熱交換器と送風機を同一水平面上に設け、熱交換器と送風機の両側に吸込み口に接続される風路吸込み部を設けた構成が知られている（例えば、特公平５－２３３３７号公報参照）。

　そして、熱交換器は、室外機外箱の前面部に設けた送風機の背面及び両側を包囲するように配設している。具体的には、熱交換器は平面視で直状もしくは略Ｕ字状に形成されていて、直状熱交換器の場合は送風機の背面に沿って設けられ、略Ｕ字状熱交換器の場合は送風機の背面及び両側部を包囲するよう設けられている。

　このような空気調和装置の室外機に対して、定期的に保守をなす。特に、電動部品である送風機に対する保守は丁寧に行う必要がある。それでも長期に亘って使用すると、送風機が損傷し、交換しなければならない場合がある。すなわち、室外機外箱から損傷した送風機を取出し、新品の送風機を収容配置する。

　上述した空気調和装置の室外機では、次のような問題があった。すなわち、送風機の前面側に直状熱交換器が配置され、この熱交換器に対向する室外機外箱面に吹出しダクトが接続される。送風機の左右両側には、外気吸込み口と連通する風路吸込み部が形成される。略Ｕ字状熱交換器の場合は、この熱交換器が背面側と左右両側から送風機を囲み、送風機に対向する外箱面に吹出しダクトが接続される。

　したがって、いずれの構造にしても、送風機は前後と左右両側を熱交換器もしくは吹出しダクトで囲まれる。少なくとも、熱交換器もしくは吹出しダクトを動かさずに、送風機を外箱から取出すには、外箱を構成する天板を取外すしかない。

　ところが、近年の建築物においては、天井板が設けられる位置である天井高さを、より高く取る傾向にある。これに対して、建築物の高さを規制する法律や、コストの点から天井梁の高さはほとんど変らない。その結果、天井板と天井梁との間隔である、天井懐高さが減少傾向にある。

　このような空気調和機の室外機を、天井板と天井梁との間の天井懐に配置すると、外箱の天板と天井梁との間隔もわずかでしかない。そのため、天板を取外して送風機を保守する、もしくは天板を取外して送風機を取出すことのいずれの作業も困難を極め、作業性が著しく劣る。

　やむを得ず、吹出しダクトを外箱と天井板との間から取外し、そのうえで、外箱の前面板を取外す。さらに、直状熱交換器を取外すことで送風機が露出し、ようやく送風機の保守もしくは取外し交換ができる。Ｕ字状熱交換器の場合は、吹出しダクトを取外し、前面板を取外すことで送風機が露出する。これらの作業も困難であることは変りがない。

　なお、上記室外機を室内機に適用した場合、吹出しダクトは冷気漏れによる結露の防止対策として、厳重なシールを施す。送風機の保守や交換で一旦、吹出しダクトを取外すと、作業が終って再び吹出しダクトを接続した際に、シール性の維持のために余分な工数を必要とする。したがって、室内機においては吹出しダクトを取外さないことが望ましい。

　そこで本発明は、天井梁から吊下げ固定して被空調室の天井板と天井梁との間に位置し、吸込み口と吹出しダクトが接続される吹出し口を備えたうえで、送風機に対する保守及び交換の作業を容易にできて作業性の向上を得られ、併せて装置本体の外形寸法の縮小化を推進して、天井懐高さの減少に対応できる空気調和装置を提供することを目的としている。

　前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の空気調和装置は次のように構成されている。

　天井梁から吊下げ固定されて、被空調室の天井板と天井梁との間に位置する装置本体と、この装置本体に設けられ、吸込み口及び、被空調室内と連通する吹出しダクトが接続される吹出し口と、上記装置本体内部で、上記吸込み口と吹出し口との間に配置される熱交換器と、この熱交換器と上記吹出し口との間に配置され、駆動にともなって装置本体外部の空気を吸込み口から吸込んで上記熱交換器に導き、さらに上記吹出し口から吹出しダクトを介して被空調室内へ送風する送風機とを具備し、上記装置本体は、取外し自在な側面板を備え、上記熱交換器は、平面視で長辺部と、この長辺部に対して折曲げ形成される短辺部とで略Ｌ字状をなし、上記送風機は、上記熱交換器を構成する長辺部と短辺部とで囲まれるように配置され、かつ上記装置本体の側面板を取外すことにより、装置本体内部から脱着自在とした。

図１は、本発明における実施の形態に係る空気調和装置の据付け状態を示す図である。図２は、同空気調和装置の斜視図である。図３は、同空気調和装置の概略横断平面図である。図４は、同空気調和装置の一部を省略して分解した斜視図である。図５は、本発明における第２の実施の形態に係る空気調和装置の概略横断平面図である。図６は、同空気調和装置の一部を分解した斜視図である。図７は、本発明における第３の実施の形態に係る空気調和装置の概略横断平面図である。図８は、本発明における第４の実施の形態に係る空気調和装置の概略横断平面図である。図９は、本発明における第５の実施の形態に係る空気調和装置の概略横断平面図である。図１０は、同空気調和装置の一部を省略した斜視図である。図１１は、本発明における第６の実施の形態に係る空気調和装置の一部を省略した斜視図である。図１２は、同空気調和装置の一部を分解した斜視図である。図１３は、本発明における第７の実施の形態に係る空気調和装置の概略横断平面図である。図１４は、同空気調和装置の斜視図である。図１５は、本発明における第８の実施の形態に係る空気調和装置の概略横断平面図である。図１６は、同空気調和装置一部の斜視図。

　以下、本発明の実施の形態を、図面にもとづいて説明する。　
　図１は、天井埋込み形のダクト式室内機である、基本的な空気調和装置Ｋの概略の取付け図。図２は、空気調和装置Ｋの概略の斜視図である。

　図１に示すように、建築物における天井梁１と所定間隔を存して天井板２が設けられ、天井板２の下部には被空調室３が形成される。天井梁１と天井板２との間は、たとえば「天井懐」４と呼ばれていて、この天井懐４の高さ寸法が減少傾向にあることは、上述したとおりである。

　天井梁１には複数本の吊下げボルト５の上端部が埋設されていて、それぞれが吊下げ固定される。吊下げボルト５の下端に空気調和装置Ｋを構成する筐体である装置本体７が吊持される。具体的には、装置本体７の左右両側部下端隅部にフランジ８が取付け固定されていて、このフランジ８に吊下げボルト５の下端部が挿通される。

　一方、吊下げボルト５下端に設けられるねじ部にナット９が螺合され、このナット９で装置本体７のフランジ８を受ける。したがって、装置本体７は、天井板２と天井梁１との間に形成される天井懐４に位置して取付けられる。

　装置本体７の一側部（右側部）には、吸込みダクト１１ｓが接続される吸込み口１０が設けられている。上記吸込みダクト１１ｓの吸込み口１０接続端部とは反対側の端部は、吸込みユニット１３ｓが接続される。

　上記吸込みユニット１３ｓは、天井板２上に載設された状態になっていて、天井板２に設けられる開口部に接続される。すなわち、吸込みユニット１３ｓは天井板２から室内に対して開口される天井吸込み口１４ｓを備えていて、この天井吸込み口１４ｓはグリルによって遮蔽される。

　装置本体７の他側部（左側部）には、ここでは２本の吹出しダクト１１ｄが接続される２つの吹出し口１２が設けられる。上記吹出しダクト１１ｄの吹出し口１２接続端部とは反対側の端部は、吹出しユニット１３ｄに接続される。

　上記吹出しユニット１３ｄは、天井板２上に載設された状態になっていて、天井板２に設けられる開口部に接続される。すなわち、吹出しユニット１３ｄは天井板２から室内に対して開口される天井吹出し口１４ｄを備えていて、この天井吹出し口１４ｄはグリルによって遮蔽される。

　つぎに、上記空気調和装置Ｋにおける装置本体７の内部構成について説明する。　
　図３は、第１の実施の形態に係る空気調和装置Ｋ１の概略横断平面図。図４は、同実施の形態に係る空気調和装置Ｋ１の一部を省略して分解した斜視図である。

　装置本体７は、正面視と側面視及び平面視のいずれも矩形状に形成される筐体であり、それぞれの前後側面と左右側面と天面及び底面とも矩形状の板体が組合せられることにより構成される。なお、各図において天板は省略している。

　図３に示す装置本体７の横断平面視では、図の上部側の側面板に上記吸込み口１０が設けられ、下部側の側面板に２つの吹出し口１２が設けられる。図４に示す装置本体７の斜視図では、図の右上部の側面板１６ａに吸込み口１０が設けられ、図の左下部の側面板１６ｂに２つの吹出し口１２が設けられる。

　これら吸込み口１０が設けられる側面板１６ａと、２つの吹出し口１２が設けられる側面板１６ｂの、それぞれ下端両側部に、上述した吊下げボルト５に吊持するためのフランジ８が設けられている。また、いずれの図も、吹出し口１２に接続される吹出しダクト１１ｄは省略している。

　ここでは、図３と図４に示す右側部の側面板１５が、取外し自在となっている。すなわち、この側面板１５の周辺部に所定間隔を存して取付け用孔Ｘが設けられていて、この側面板１５に組合される前後の側面板１６ａ，１６ｂにねじ孔Ｙが設けられる。取付け用孔Ｘを介してねじ孔Ｙに取付けねじが螺挿され、側面板１５の取付けがなされている。

　上記取外し自在の側面板１５には、上述した吸込み口１０と、吹出し口１２が設けられておらず、さらに吊下げボルト５に吊持されるフランジ８も設けられていない。したがって、取付けねじを取外すことにより、装置本体７から側面板１５の取外しが自在となっている。

　装置本体７内の、上記吸込み口１０と吹出し口１２との間に、熱交換器１８が収容配置される。この熱交換器１８は、装置本体７底部に設けられるドレン皿１９に載置され、上端部は天板にほぼ近接するよう高さ寸法を有する。熱交換器１８は、平面視で、長辺部Ｇと、この長辺部Ｇに対して折曲げ形成される短辺部Ｔとで略Ｌ字状をなす。

　熱交換器１８の長辺部Ｇは、装置本体７の上記吸込み口１０と並行に配置され、吸込み口１０と対向する。短辺部Ｔは、取外しを可能とする側面板１５とは反対側の側面板１７に沿って配置される。

　熱交換器１８は、垂直方向に沿って３列に並べられ、かつ互いに狭小の間隙を存して設けられる複数のフィンに、熱交換パイプが貫通して構成される、いわゆるフィンチューブタイプの熱交換器である。長辺部Ｇの端部に熱交換パイプと連通する冷媒導入配管と、冷媒導出配管が設けられる。

　取外し自在な側面板１５には、上記冷媒導入管と冷媒導出管の接続部Ｐが挿通し、装置本体７外部へ突出するための切欠き部Ｚが設けられている。上記冷媒導入官及び冷媒導出管の接続部Ｐには、渡り配管が接続されていて、これら渡り配管は図示しない屋外に配置される室外機まで延設される。

　このような熱交換器１８に対して、送風機２０が配置される。上記送風機２０は、吹出し口１２が設けられる側面板１６ａに密着して取付けられ、かつ取外しが可能な側面板１５と熱交換器１８の長辺部Ｇ及び短辺部Ｔとは所定間隔を存し、これらで囲まれる空間スペースに配置される。

　上記送風機２０は、ファンモータ２１と、このファンモータ２１の回転軸に取付けられる多翼型ファン２２と、この多翼型ファン２２を囲むファンケーシング２３とからなる。これらファンモータ２１と多翼型ファン２２及びファンケーシング２３の軸方向は、熱交換器１８の長辺部Ｇと並行である。

　上記ファンモータ２１は、両側面から回転軸が突出する二軸のファンモータが用いられていて、それぞれの回転軸に同一構造の多翼型ファン２２が取付けられる。ファンケーシング２３は多翼型ファン２２を囲んでいて、この中心軸に対向して吸込口体２４が設けられ、多翼型ファン２２の周面に対向して吹出口体２５が設けられる。

　各ファンケーシング２３の吹出口体２５は、上記側面板１６ｂに設けられる吹出し口１２に取付けられる。したがって、上記ファンケーシング２３の吹出口体２５は、吹出し口１２を介して、吹出し口１２に接続される吹出しダクト１１ｄと連通し、さらには吹出しユニット１３ｄを介して室内３に連通することとなる。

　送風機２０の装置本体７と熱交換器１８に対する配置構成と、送風機２０自体の構成から、一方のファンケーシング２３の吸込口体２４は熱交換器１８の短辺部Ｔと対向する。また、他方のファンケーシング２３の吸込口体２４は上記取外し自在な側面板１５と対向する。

　第１の実施の形態における空気調和装置Ｋ１は以上のように構成されていて、冷凍サイクル運転の開始とともに送風機２０が駆動される。装置本体７内部が負圧化し、天井吸込み口１４ｓ周辺の室内３空気が、吸込みユニット１３ｓ、吸込みダクト１１ｓ及び装置本体７の側面板１６ａに設けられる吸込み口１０を介して装置本体７内部に吸込まれる。

　装置本体７内において、吸込み口１０から吸込まれた空気は熱交換器１８の長辺部Ｇを流通し、あるいは熱交換器１８の短辺部Ｔを流通する。冷凍サイクル運転により、熱交換器１８には冷媒が導かれていて、吸込み口１０から熱交換器１８を流通する空気と熱交換する。

　熱交換した空気は送風機２０を構成するファンケーシング２３の吸込口体２４から吸込まれ、吹出口体２５から吹出される。さらに、吹出し口１２から吹出しダクト１１ｄに導かれ、吹出しユニット１３ｄに集合したあと、天井吹出し口１４ｄから室内へ吹出される。すなわち、室内に対する空調作用がなされる。

　定期的に空気調和装置Ｋ１に対する保守点検が必要である。特に、送風機２０はファンモータ２１を備えていて、長期の使用に亘ると故障の発生に至ることがある。送風機２０に対する保守点検は側面板１５を取外して行う。また、故障した送風機２０を装置本体７から取出し、新品の送風機２０を配置する作業も、側面板１５を取外して行う。

　先に説明した構成から、送風機２０の一側部と装置本体７の側面板１７との間には熱交換器１８の短辺部Ｔが介在しているが、送風機２０の他側部と装置本体７の側面板１５との間には何らの介在物も存在しない。しかも、この側面板１５は取外しが自在であるところから、側面板１５を取外せば送風機２０を装置本体７外部へ容易に取出しできる。

　なお、送風機２０の一側部には熱交換器１８の短辺部Ｔが介在しているから、熱交換器１８を取外さない限り、送風機２０を装置本体７外部へ取出すことはできない。送風機２０の背部には熱交換器１８の長辺部Ｔが介在しているから、熱交換器１８を取外さない限り、送風機２０を装置本体７外部へ取出すことはできない。

　送風機２０のファンケーシング吹出口体２５側には、側面板１６ｂを介して吹出しダクト１１ｄが取付けられているから、この吹出しダクト１１ｄを装置本体７から取外さない限り、送風機２０の装置本体７外部への取外しは不可能である。無理して吹出しダクト１１ｄを取外すと、再度の接続の際に厳重なシール工事を必要として手間がかかる。

　送風機２０の上部には何らの介在物もないから、装置本体７を構成する天板を取外せば、少なくとも送風機２０に対する保守点検が可能である。しかしながら、天井懐４高さが小さく、天井板２と天井梁１との間隔が極く狭いので、極めて困難な作業となる。ましてや、装置本体７の開放された上面から送風機２０を取出すのはほとんど不可能である。

　すなわち、本実施の形態における装置本体７の構成によれば、装置本体７の側面板１５を取外し自在とした。この側面板１５を取外すことにより、送風機２０を装置本体７内部から脱着自在とでき、保守点検と交換作業の作業性の向上を図れる。天板を外す必要がないので、天井懐４高さを取らなくてもよく、据付け制約を緩和することができる。

　また、室内機でありながら、熱交換器１８を平面視で長辺部Ｇと短辺部Ｔとの略Ｌ字状に折曲げ形成したから、大能力室内機として必要な熱交換器長さと、送風機２０の風量を確保しつつ、装置本体７の外形寸法を低減し、重量の軽減を図って、設置自由度と搬入作業性が大幅に改善する。

　熱交換器１８を平面視で長辺部Ｇと短辺部Ｔとの略Ｌ字状に折曲げ形成したから、熱交換器１８の長さを長くでき、十分な熱交換能力を確保することから、従来に比べて大風量時の熱交換器を通過する風速を低下させることができ、ドレン皿１９に溜まったドレン水が送風空気により飛散する水とび現象を抑制することができる。

　図５は、第２の実施の形態に係る空気調和装置Ｋ２の概略横断平面図。図６は、同実施の形態に係る空気調和装置Ｋ２の一部を省略したうえで分解した斜視図である。　
　装置本体７の構成と、この装置本体７内部に収容配置される熱交換器１８と送風機２０の構成は、先に説明した第１の実施の形態でのものと何らの変りもない。したがって、同じ構成部品については同番号を付して新たな説明を省略する。（以下、同じ）
　ここでの特徴は、熱交換器１８と送風機２０との間に、オプションの機能ユニットＳを配置したことであり、さらに上記送風機２０と同様、必要に応じて装置本体７の側面板１５を取外すことにより、上記機能ユニットＳを装置本体７外部へ取外し自在としたことである。

　なお説明すると、上記機能ユニットＳは、たとえば加湿ユニットであって、暖房運転時に水道水を汲み上げて上端部から複数条の細流として流下させる。熱交換器１８と熱交換して得られる暖気が、上記加湿ユニットＳを流通し、水滴を蒸発させるとともに、水滴を吹き飛ばして蒸発させる。

　加湿ユニットＳを出た状態で暖気の湿度が上昇し、そのまま吹出し口１２から吹出しダクト１１ｄと吹出しユニット１３ｄを介して天井吹出し口１４ｄから室内へ吹出される。したがって、室内を暖房するとともに加湿して、乾燥を防止できる。

　上記加湿ユニットＳにおいても、長期の使用に亘ると水垢等の発生があり、適宜、このような水垢等の除去を行ってユニット内を清浄化する必要がある。このときは、加湿ユニットＳを装置本体７から取外して清浄化の作業をなす。

　加湿ユニットＳは矩形板状をなし、熱交換器１８の長辺部Ｇと送風機２０のファンケーシング２３との間の空間スペースに介設される。すなわち、加湿ユニットＳの前面と後面に送風機ファンケーシング２３と熱交換器長辺部Ｇとが対向している。したがって、加湿ユニットＳの前後面から装置本体７外に取外すことはできない。

　また、加湿ユニットＳの一側部は熱交換器１８の短辺部Ｔと対向していて、この側部から装置本体７外に加湿ユニットＳを取外すことはできない。天板を取外せば加湿ユニットＳの装置本体７外への取外しが可能であるが、上述したように天井板２と天井梁１との間隔である天井懐４が狭いので作業が困難である。

　これに対して、加湿ユニットＳの他側部と側面板１５との間には何らの介在物も存在せず、しかもこの側面板１５は装置本体７から取外し自在に取付けられている。送風機２０と同様、加湿ユニットＳも側面板１５を取外すことにより装置本体７内部から脱着可能であり、保守点検等の必要な作業が容易にでき、作業性の向上を図れることとなる。

　図７は、第３の実施の形態に係る空気調和装置Ｋ３の概略横断平面図である。　
　ここでの特徴は、長さを短縮した短辺部Ｔａを備える熱交換器１８と、送風機２０を構成するファンケーシング２３の吸込口体２４との間に、熱交換器１８を通過した空気をファンケーシング２３に設けられる吸込口体２４へ案内するための、整流板３０を備えたことである。

　先に説明したように、熱交換器１８は、平面視で長辺部Ｇと、この長辺部Ｇに対して折曲げ形成される短辺部Ｔとで略Ｌ字状に形成される。長辺部Ｇが装置本体７の吸込み口１０と並行して設けられ、短辺部Ｔは長辺部Ｇ及び吸込み口１０とは９０°の角度を存して折曲げられる。

　熱交換器１８は、全体的にフィンを狭小の間隙を存して並べ、熱交換パイプを貫通させた構成である。熱交換器長辺部Ｇにおいて、吸込み口１０の長手方向と熱交換パイプの軸方向とが並行し、フィンの板面方向とが直交する。すなわち、吸込み口１０から吸込まれる空気の流通方向は、フィン板面と、フィン相互の隙間方向と一致する。

　送風機２０が作動し、吸込み口１０を負圧化することで、吸込み口１０から装置本体７内に空気が吸込まれ、吸込み口１０に対向する熱交換器１８の長辺部Ｇを流通する。詳しくは、吸込み口１０から吸込まれた空気は熱交換器長辺部Ｇを構成するフィン相互間を流通し、すこぶる円滑に導かれる。

　ところが、吸込み口１０から吸込まれた空気の一部は、装置本体７の側面板１７と熱交換器１８の短辺部Ｔとの間に一旦回り込み、ここから送風機ファンケーシング２３の吸込口体２４に吸込まれようとする。

　上述した第１、第２の実施の形態において、短辺部Ｔは長辺部Ｇに対して９０°の角度で折曲げ形成されているので、吸込み口１０に吸込まれる空気の流通方向と、フィン板面とフィン相互の間隙方向とは９０°の角度を存することになる。

　したがって、装置本体側面板１７と熱交換器短辺部Ｔとの間に一旦回り込んだ空気は、流通方向を９０°変更してから熱交換器短辺部Ｔのフィン相互間を流通しなければならない。このままでは短辺部Ｔにおける熱交換効率が極めて低くなり、熱交換器１８全体の熱交換効率を下げてしまう。

　そこで、第３の実施の形態では、長さを極力短くした短辺部Ｔａを備え、ほとんどの空気を長辺部Ｇに流通させるようにした。さらにそのうえ、短辺部Ｔａの先端から、対向する送風機ファンケーシング２３の吸込口体２４周辺部位との間に整流板３０を備えた。

　この整流板３０の一端部は短辺部Ｔａ先端に取付けられるところから、この端部ではファンケーシング吸込口体２４とは間隙を存しているが、整流板３０の他端部は吸込口体２４周辺のファンケーシング２３側面部位に直接、接触しており間隙はない。　
　上記熱交換器短辺部Ｔａを極力短くすることにより、吸込み口１０から吸込まれた空気はほとんど短辺部Ｔａに回ることなく、そのまま長辺部Ｇを円滑に流通する。そして、整流板３０に案内されてファンケーシング吸込口体２４に導かれ、吸込まれる。

　上記整流板３０を備えたことで、ファンケーシング吸込口体２４に導かれる空気を整流して淀み領域が解消される。したがって、送風機２０の動圧ロスの軽減化を図り、送風機特性の向上を得られる。　
　このような整流板３０を備えても、上記側面板１５を取外すことにより装置本体７内部から送風機２０を脱着可能とし、保守点検等の必要な作業が容易にでき、作業性の向上を図れることは変りがない。

　図８は、第４の実施の形態に係る空気調和装置Ｋ４の概略横断平面図である。　
　ここでの特徴は、熱交換器１８を構成する短辺部Ｔｂを、送風機２０を構成するファンケーシング２３の吸込口体２４と対向するとともに、長辺部Ｇと短辺部Ｔｂが交差する曲げ部から短辺部Ｔｂの先端に亘って、９０°よりも大きな角度で曲げ形成したことである。

　すなわち、基本的には長辺部Ｇと短辺部Ｔｂとを折曲げ形成した熱交換器１８であり、長辺部Ｇを吸込み口１０と並行にして配置する。したがって、吸込み口１０から吸込まれた空気は長辺部Ｇを構成するフィンの相互間を、すこぶる円滑に導かれる。

　空気の一部は熱交換器１８の短辺部Ｔｂに回り込み、ファンケーシング吸込口体２４に吸込まれようとする。上述したように、短辺部Ｔを長辺部Ｇに対して９０°の角度で折曲げ形成されている限り、吸込み口１０からの空気吸込み方向と、フィン相互の間隙方向とは９０°の角度を存していて、短辺部Ｔには空気が流通し難い。

　しかしながら、この実施の形態では、第３の実施の形態で説明したように短辺部Ｔａの長さ寸法を極端に短縮せず、そのままの長さとする。そして、長辺部Ｇと短辺部Ｔｂが交差する曲げ部から短辺部Ｔｂの先端に亘って、９０°よりも大きな角度で折曲げ形成する。

　長辺部Ｇに対する短辺部Ｔの折曲げ角度から、ファンケーシング２３の吸込口体２４に対して短辺部Ｔｂを構成するフィン相互間は斜めに対向する。装置本体７の吸込み口１０から吸込まれて熱交換器短辺部Ｔｂに回った空気は、斜めに形成されたフィン相互間を流通する。

　これにより、熱交換器短辺部Ｔｂを介してファンケーシング吸込口体２４へ空気が流通し易くなり、熱交換器１８の吸込み風速分布が改善されるとともに、送風機２０の内部抵抗が低減されて、送風機２０の消費電力の低減化を図れる。　
　このような熱交換器１８構成であっても、上記側面板１５を取外すことにより装置本体７内部から送風機２０を脱着可能とし、保守点検等の必要な作業が容易にでき、作業性の向上を図れることは変りがない。

　図９は、第５の実施の形態に係る空気調和装置Ｋ５の概略横断平面図。図９は、同実施の形態に係る空気調和装置Ｋ５の一部を省略した内部斜視図である。　
　この実施の形態の空気調和装置Ｋ５は、第１ないし第４の実施の形態における空気調和装置Ｋ１～Ｋ４と比較して小型であり、熱交換能力が小さなものに適用される。

　すなわち、熱交換器１８Ａは熱交換面積が小さく、これに適用して送風機２０Ａも送風量が小さいものが選択される。ただし、装置本体７に対する熱交換器１８Ａと送風機２０Ａの配置構成については変りがない。

　具体的には、長辺部Ｇと短辺部Ｔとからなる熱交換器１８Ａにおいて、短辺部Ｔの長手方向寸法は第１ないし第４の実施の形態で説明したものと略同一に設定されるが、長辺部Ｔの長手方向寸法は第１ないし第４の実施の形態よりも短く形成され、その分、熱交換面積が小さい。

　熱交換器１８Ａを構成する長辺部Ｇの長手方向寸法に合せて吸込み口１０の長手方向寸法が設定され、かつ送風機２０Ａのファンモータ２１容量が決められる。したがって、ここでは、通常の一軸モータが採用されている。

　ファンモータ２１の回転軸に取付けられる多翼型ファン２２は１つであり、この多翼型ファン２２を囲むファンケーシング２３も１つしか存在しない。したがって、装置本体７の側面部に１つの吹出し口１２が設けられ、ここに接続される吹出しダクト１１ｄも１つとなる。

　なお、装置本体７には取外し自在な側面板１５を備えていることは変りがない。実際には、熱交換器１８Ａを構成する熱交換パイプと接続する冷媒導入管と冷媒導出管との接続部Ｐが側面板１５を介して装置本体７外部に突出している。　
　したがって、接続部Ｐが突出する側面板１５ａ部位は装置本体７に取付け固定とし、送風機２０Ａを構成するファンモータ２１と対向する側面板１５部位のみ、装置本体７から取外し自在としてよい。

　送風機２０Ａを構成するファンモータ２１は、多翼型ファン２２及びファンケーシング２３を介して熱交換器１８Ａの短辺部Ｔ及び側面板１７の反対側に位置し、かつ装置本体７における取外し自在な側面板１５と直接、対向して配置される。

　以上の構成から、送風機２０Ａの一側部と装置本体７の側面板１７との間には熱交換器１８Ａの短辺部Ｔが介在しているが、送風機２０Ａの他側部と装置本体７の側面板１５との間には何らの介在物も存在しない。しかも、この側面板１５は取外しを可能とするところから、側面板１５を取外せば送風機２０Ａを装置本体７外部へ取外せる。

　これ以外の側面部へ送風機２０Ａを移動しようとしても、熱交換器１８Ａもしくは吹出しダクト１１を外さない限り不可能である。また、天板を外して作業するにはすこぶる作業性が悪い。上記側面板１５を取外すことにより、送風機２０Ａを装置本体７内部から脱着自在とし、作業性の向上を図れる。

　天板を外す必要がないので、天井懐４高さを取らなくてもよく、据付け制約を緩和できる。室内機でありながら、熱交換器１８を平面視で長辺部Ｇと短辺部Ｔとの略Ｌ字状に折曲げ形成したから、必要な熱交換器１８Ａ長さと、送風機２０Ａの風量を確保しつつ、装置本体７の外形寸法を低減し、重量の軽減を図って、設置自由度と搬入作業性が大幅に改善する。

　熱交換器１８Ａの長さを長くできるところから、大風量時の熱交換器１８Ａ通過風速を低下させ、ドレン水の水とび現象を抑制することができる。そして、同じ理由により熱交換パイプの列数を低減できる。

　図１１は、第６の実施の形態に係る空気調和装置Ｋ６の一部を省略した斜視図。図１２は、同実施の形態に係る空気調和装置Ｋ６の一部を分解した斜視図である。　
　この実施の形態の空気調和装置Ｋ６は、上述した第５の実施の形態における空気調和装置Ｋ５に適用するよう図示しているが、第１ないし第４の実施の形態で説明した空気調和装置Ｋ１～Ｋ４に適用してもよい。

　装置本体７の構成と、この装置本体７内部に収容配置される熱交換器１８Ａと送風機２０Ａの構成も、先に第５の実施の形態で説明したものをそのまま適用しており、同構成部品については同番号を付して新たな説明は省略する。

　ここでは取外し自在とする側面板１５の外面に電気部品箱３５を取付けたことを、主たる特徴としている。上述したように、装置本体７内部に収容配置される送風機２０Ａは、１つのファンモータ２１と、１つの多翼型ファン２２及び、この多翼型ファン２２を囲むファンケーシング２３とから構成される。

　そして、送風機２０Ａのファンモータ２１は、取外し自在な側面板１５と間隙を存して対向している。電動部品であるファンモータ２１には制御信号を送るための信号ケーブルが接続されていて、この信号ケーブルは電気部品箱３５内に収容される制御用電気部品もしくは回路基板に、たとえばコネクタ接続される。

　送風機ファンモータ２１と電気部品箱３５との間隔が極く短く形成されることにより、配線ケーブルの長さ寸法を短く設定でき、部品費の低減に寄与する。しかも、熱交換器１８Ａや吹出しダクト１１を外すことなく、電気部品箱３５とともに側面板１５を取外すことで、送風機２０Ａに対するメンテナンス作業が可能となることは変りがない。

　図１３は、第７の実施の形態に係る空気調和装置Ｋ７の概略横断平面図。図１４は、同実施の形態に係る空気調和装置Ｋ７の斜視図である。　
　この実施の形態の空気調和装置は、上述した第６の実施の形態における空気調和装置Ｋ６を発展させたものである。すなわち、取外し自在な側面板１５の外面に電気部品箱３５を取付けることは変りがないが、ここでは電気部品箱３５は蝶番４０を介して装置本体７に枢支されることが主たる特徴である。

　電気部品箱３５を装置本体７の外面に機械的に取付け固定した場合、天井懐４高さが無いと、送風機２０Ａ交換の際に側面板１５を取外し、電気部品箱３５を天井裏もしくは天井裏から出して床上に置き、それから送風機２０Ａの交換作業を行うこととなり、必要最低限の手間がかかる。

　また、電気部品箱３５の取外しにあたって、電気部品箱３５内の電気部品や制御基板と、ファンモータ２１などの電動部品から延出される接続コードとを接続するコネクタを外す作業を行う。この作業は天井裏の暗い中、作業用の照明灯のもとで行わなくてはならず、コネクタ取付けの不良を誘発する要因になる虞れがある。

　この実施の形態で説明したように、電気部品箱３５を装置本体７外面に蝶番４０を介して枢支すれば、送風機２０Ａの取外しにあたって、電気部品箱３５を回動することで側面板１５の取外しが可能となる。したがって、送風機２０Ａに対する保守作業が容易であり、作業性の大幅改善化が得られる。

　図１５は、第８の実施の形態に係る空気調和装置Ｋ８の概略横断平面図。図１６は、同実施の形態に係る空気調和装置Ｋ８一部の斜視図である。　
　この実施の形態の空気調和装置Ｋ８における電気部品箱３５は、取外し自在な側面板１５の外面に蝶番４０を介して回動自在に枢支される。そして、側面板１５ａに配線貫通部４５を備えたことを主たる特徴としている。

　この配線貫通部４５には、電気部品箱３５内に収容される制御基板と、ファンモータや各種センサから延出される配線コードが貫通する。したがって、必要に応じて電気部品箱３５を回動する際に、コネクタ接続を解除してから行う必要がない。そのままの状態で電気部品箱３５の回動が可能であり、作業性の大幅改善を得られる。

　なお、本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。

　本発明によれば、装置本体を天井懐に配置しながら、送風機に対する保守もしくは交換の作業を容易化して作業性の向上を得られ、併せて装置本体の外形寸法の縮小化を推進して、天井懐高さの減少に対応できる。

Claims

　天井梁から吊下げ固定されて、被空調室の天井板と天井梁との間に位置する装置本体と、
　この装置本体に設けられ、吸込み口及び、被空調室内と連通する吹出しダクトが接続される吹出し口と、
　上記装置本体内部で、上記吸込み口と吹出し口との間に配置される熱交換器と、
　この熱交換器と上記吹出し口との間に配置され、駆動にともなって装置本体外部の空気を吸込み口から吸込んで上記熱交換器に導き、さらに上記吹出し口から吹出しダクトを介して被空調室内へ送風する送風機とを具備し、
　上記装置本体は、取外し自在な側面板を備え、
　上記熱交換器は、平面視で長辺部と、この長辺部に対して折曲げ形成される短辺部とで略Ｌ字状をなし、
　上記送風機は、上記熱交換器を構成する長辺部と短辺部とで囲まれるように配置され、かつ上記装置本体の側面板を取外すことにより、装置本体内部から脱着自在とした
ことを特徴とする空気調和装置。
　上記熱交換器と上記送風機との間に、オプションの機能ユニットが配置され、
　この機能ユニットは、装置本体の側面板を取外すことにより、装置本体内部から脱着自在とした
ことを特徴とする請求項１記載の空気調和装置。
　上記送風機は、ファンモータと、このファンモータの回転軸に取付けられる多翼型ファンと、この多翼型ファンを囲むとともに、多翼型ファンの中心軸に対向して吸込口体を備え、多翼型ファンの周面に対向して吹出口体を備えたファンケーシングとからなり、
　上記熱交換器は、長辺部を上記装置本体の吸込み口と並行にして配置され、
　上記送風機は、ファンモータと多翼型ファン及びファンケーシングの軸方向を、上記熱交換器の長辺部と並行にして配置され、
　上記熱交換器の短辺部は、送風機ファンケーシングの吸込口体と対向して配置されるとともに、長辺部と短辺部が交差する曲げ部から短辺部の先端に亘って、９０°よりも大きな角度で曲げ形成される
ことを特徴とする請求項１記載の空気調和装置。
　上記送風機は、ファンモータと、このファンモータの回転軸に取付けられる多翼型ファンと、この多翼型ファンを囲むとともに、多翼型ファンの中心軸に対向して吸込口体を備え、多翼型ファンの周面に対向して吹出口体を備えたファンケーシングとからなり、
　上記熱交換器は、長辺部を上記装置本体の吸込み口と並行にして配置され、
　上記送風機は、ファンモータと多翼型ファン及びファンケーシングの軸方向を、上記熱交換器の長辺部と並行にして配置され、かつ上記ファンモータは、多翼型ファン及びファンケーシングを介して熱交換器の短辺部の反対側に位置し、かつ装置本体の取外し自在な側面板と対向して配置される
ことを特徴とする請求項１記載の空気調和装置。