WO2009096402A1

WO2009096402A1 - 吸収性物品

Info

Publication number: WO2009096402A1
Application number: PCT/JP2009/051307
Authority: WO
Inventors: Jun Kudo
Original assignee: Unicharm Corporation
Priority date: 2008-01-28
Filing date: 2009-01-28
Publication date: 2009-08-06
Also published as: KR20100113579A; CN101969905A; EA201001220A1; EP2246019A4; SG187471A1; MX2010008201A; BRPI0905779A2; EA018550B1; EP2246019A1; AU2009210037A1; JP2009172294A; MY150432A; CA2713533A1; US20110125117A1; MA32107B1; JP5150281B2

Abstract

　ナプキン本体２は、少なくとも液透過性のトップシート３と、液不透過性のバックシート４と、トップシート３とバックシート４の間に配置されており液体を吸収する吸収体５と構成される。ナプキン本体２のトップシート３側には取り外し可能な被覆シート２０Ａが設けられる。被覆シート２０Ａの長手方向の長さ及び幅方向の長さは、ナプキン本体２の長手方向の長さ及び幅方向の長さ以下であり、トップシート３に接している。

Description

吸収性物品

　本発明は、ショーツに貼着して使用する生理用ナプキン、ライナー、失禁パッド等の吸収性物品に関する。

　吸収性物品である生理用ナプキンの第１従来例は、特許文献１に開示されている。この第１従来例の生理用ナプキン１００は、図１４（ａ）、（ｂ）に示すように、吸収性本体であるナプキン本体１０１と、ナプキン本体１０１から取り外し可能な被覆シート１１０とを有する。ナプキン本体１０１は、液透過性のトップシート１０２と、液不透過性のバックシート１０３と、吸収体１０４とから構成されている。吸収体１０４は、トップシート１０２とバックシート１０３の間に配置されて液体を吸収する。トップシート１０２とバックシート１０３の外縁は、ホットメルト接着部１０５（図１４（ａ）において網目ハッチングで図示）によって接着されている。バックシート１０３の外面には、接着部１０６が設けられている。接着部１０６の外面には、剥離シート１０７が接着されている。

　被覆シート１１０は、トップシート１０２の表面に配置されている。被覆シート１１０は、トップシート１０２の一部に配置されたホットメルト接着部１１１によってナプキン本体１０１に仮止めされている。

　次に、前記生理用ナプキン１００の装着手順を簡単に説明する。先ず、剥離シート１０７を剥がす。次に、被覆シート１１０付きのナプキン本体１０１をショーツの適正な位置に位置合わせする。位置合わせした被覆シート１１０付きのナプキン本体１０１を指又は掌を使ってショーツ側に押し当てる。被覆シート１１０付きのナプキン本体１０１を接着部１０６によってショーツに貼り付ける。次に、ナプキン本体１０１から被覆シート１１０を取り外せば、装着が完了する。

　生理用ナプキンの第２従来例は、特許文献２に開示されている。この第２従来例の生理用ナプキン１２０は、図１５（ａ）、（ｂ）に示すように、吸収性本体であるナプキン本体１２１と、ナプキン本体１２１から取り外し可能な被覆シート１３０とを有する。ナプキン本体１２１は、液透過性のトップシート１２２と、液不透過性のバックシート１２３と、液体を吸収する吸収体１２４と、一対のウイング１２５とから構成されている。吸収体１２４は、トップシート１２２とバックシート１２３との間に配置される。一対のウイング１２５は、トップシート１２２及びバックシート１２３の長手方向に沿った外縁から幅方向に張り出している。

　トップシート１２２とバックシート１２３の外縁は、ホットメルト接着部１２６（図１５（ａ）にて網目ハッチングで図示）によって接着されている。バックシート１２３の外面には、接着部１２７が設けられている。接着部１２７の外面には、剥離シート１２８が接着されている。一対のウイング１２５は、トップシート１２２の表面に折り畳まれている。折り畳まれた状態の各ウイング１２５の外面には、接着部１２９がそれぞれ設けられている。

　被覆シート１３０は、一対のウイング１２５の上からナプキン本体１２１のトップシート１２２側の面を覆う。被覆シート１３０は、一対のウイング１２５に設けられた接着部１２９によって、ナプキン本体１２１に仮止めされている。

　次に、前記生理用ナプキン１２０の装着手順を簡単に説明する。先ず、剥離シート１２８をナプキン本体１２１から剥がす。次に、被覆シート１３０付きのナプキン本体１２１をショーツの適正な位置に合わせる。位置合わせした被覆シート１３０付きのナプキン本体１２１を指又は掌を使ってショーツ側に押し当てる。被覆シート１３０付きのナプキン本体１２１を接着部１２７によってショーツに貼り付ける。次に、ナプキン本体１２１から被覆シート１３０を取り外す。次に、各ウイング１２５をショーツのクロッチ部の側縁で折り返す。折り返した各ウイング１２５を指又は掌を使ってショーツ側に押し当てる。、各ウイング１２５を接着部１２９によってショーツに貼り付ける。
特開平８－５６９８９号公報特開２００５－５８７８３号公報

　第１従来例の生理用ナプキン１００では、ナプキン本体１０１の長手方向及び幅方向の寸法よりも被覆シート１１０の長手方向及び幅方向の寸法が大きい。これにより、ユーザは、ショーツにナプキン本体１０１を位置合わせする際に、ナプキン本体１０１の外形を目視できない。そのため、ショーツの適正な位置にナプキン本体１０１を位置合わせすることが難しい。

　また、第２従来例の生理用ナプキン１２０では、ナプキン本体１２１の長手方向及び幅方向の寸法よりも被覆シート１３０の長手方向及び幅方向の寸法が小さい。従って、ユーザは、ナプキン本体１２１をショーツに位置合わせする際に、ナプキン本体１２１の外形を目視できる。そのため、第１従来例のような不都合はない。しかし、第２従来例の生理用ナプキン１２０では、各ウイング１２５を折り返す前に、被覆シート１３０をナプキン本体１２１より取り外す必要がある。そのため、ユーザが各ウイング１２５をショーツに貼り付ける際に、ユーザの指や掌がトップシート１２２に接触する。従って、ユーザの指や掌の汚れ、雑菌等がトップシート１２２に付着し、トップシート１２２が清潔に保てない場合があった。

　そこで、本発明は、吸収性本体をショーツの適正な位置に簡単に位置合わせすることができ、装着過程においてトップシートを清潔に保つことができる吸収性物品を提供することを目的とする。

　上記目的を達成する請求項１の発明は、少なくとも、着用者の肌に当接される液透過性のトップシートと、着衣に当接される液不透過性のバックシートとから構成される吸収性本体とを備える吸収性物品であって、前記トップシートを覆う被覆シートを有し、前記被覆シートは、前記トップシートにおける前記トップシートと前記着用者の排泄部とが当接する当接面に接しており、前記被覆シートの長手方向の両端の少なくとも一部が前記吸収性本体の長手方向の両端と一致する又は短い、及び前記被覆シートの幅方向の両端の少なくとも一部が前記吸収性本体の幅方向の両端と一致する又は短いことを要旨とする。

　請求項２の発明は、請求項１に記載の吸収性物品であって、前記吸収性本体は、包装状態より開いた状態で、前記吸収性本体の幅方向に張り出す一対のウイングを有し、前記包装状態において前記一対のウイングは、前記被覆シートの上に折り返されることを要旨とする。

　請求項３の発明は、請求項１に記載の吸収性物品であって、前記被覆シートは、前記トップシートにおける前記トップシートと前記着用者の排泄部とが当接する当接面の全面を覆うことを要旨とする。

　請求項４の発明は、請求項１に記載の吸収性物品であって、被覆シートの長手方向の端縁は、吸収性本体の長手方向の端縁と一致し、被覆シートの幅方向の端縁は、吸収性本体の幅方向の端縁と一致することを要旨とする。

　請求項５の発明は、請求項１に記載の吸収性物品であって、前記被覆シートは、前記吸収性本体の周縁箇所のうちで、前記トップシートと前記バックシートとが互いに接着された接着位置において、前記トップシートに仮止めされることを要旨とする。

　請求項６の発明は、請求項１に記載の吸収性物品であって、前記被覆シートは、熱融着性繊維を含むことを要旨とする。

　請求項７の発明は、請求項１に記載の吸収性物品であって、請求項１～請求項６のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記被覆シートは、液透過性と親水性の少なくとも一方を有することを要旨とする。

　請求項８の発明は、請求項１に記載の吸収性物品であって、請求項１～請求項７のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記被覆シートは、水分解性を有することを要旨とする。

　本発明によれば、吸収性本体を容易に適正な位置に位置合わせすることができ、しかも、装着過程においてトップシートの清潔性を保つことができる。

図１は、本発明の第１の実施の形態を示し、生理用ナプキンの全体斜視図である。図２は、本発明の第１の実施の形態を示し、生理用ナプキンの平面図である。図３は、本発明の第１の実施の形態を示し、図２のＡ－Ａ線断面図である。図４は、本発明の第１の実施の形態を示し、生理用ナプキンの装着過程を示す斜視図である。図５は、本発明の第１の実施の形態を示し、生理用ナプキンの装着過程を示す斜視図である。図６は、本発明の第２の実施の形態を示し、生理用ナプキンの平面図である。図７は、本発明の第２の実施の形態を示し、図６のＢ－Ｂ線断面図である。図８は、本発明の第３の実施の形態を示し、生理用ナプキンの平面図である。図９は、本発明の第３の実施の形態を示し、図８のＣ－Ｃ線断面図である。図１０は、本発明の第４の実施の形態を示し、生理用ナプキンの平面図である。図１１は、本発明の第４の実施の形態を示し、図１０のＤ－Ｄ線断面図である。図１２は、本発明の第５の実施の形態を示し、生理用ナプキンの平面図である。図１３は、本発明の第５の実施の形態を示し、図１２のＥ－Ｅ線断面図である。図１４（ａ）は、第１従来例の生理用ナプキンの斜視図、図１４（ｂ）は、図１４（ａ）のＦ－Ｆ線断面図である。図１５（ａ）は、第２従来例の生理用ナプキンの斜視図、図１５（ｂ）は、図１５（ａ）のＧ－Ｇ線断面図である。

　以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

（第１の実施の形態）
　図１～図５は本発明の第１の実施の形態を示し、図１は生理用ナプキンの全体斜視図、図２は生理用ナプキンの平面図、図３は図２のＡ－Ａ線断面図、図４及び図５はそれぞれ生理用ナプキンの装着過程を示す斜視図である。

　図１～図３に示すように、吸収性物品である生理用ナプキン１Ａは、吸収性本体であるナプキン本体２と、ナプキン本体２に設けられた被覆シート２０Ａとを有する。

　ナプキン本体２は、着用者の肌に当接される液透過性のトップシート３と、着衣であるショーツに当接される液不透過性のバックシート４と、トップシート３とバックシート４の間に配置されており液体を吸収する吸収体５と、トップシート３の長手方向に沿った外縁よりも外側に配置された液不透過性の一対のサイドシート６と、一対のサイドシート６及びバックシート４の長手方向に沿った外縁から幅方向に張り出す一対のウイング７とから構成されている。

　トップシート３の長手方向の寸法は、バックシート４の長手方向の寸法と同じである。トップシート３の幅方向の寸法は、バックシート４の幅方向の寸法よりも小さい。バックシート４の幅方向の寸法は、一対のサイドシート６の幅方向の寸法とトップシート３の幅方向の寸法とを合わせた寸法と同じである。トップシート３と一対のサイドシート６とは、互いに重ね合わされた箇所でホットメルト等の糊によって互いに接着されている。一対のサイドシート６とバックシート４とは、長手方向に沿った外縁から幅方向への張り出し部分を含む外縁のほぼ全域においてホットメルト等の糊によって接着されている。トップシート３と吸収体５との間は、適所においてホットメルト等の糊によって接着されている。バックシート４において、着衣と当接する当接面には、ナプキン本体２と着衣とがずれることを防止するための接着部８が設けられている。接着部８の外面には、剥離シート９が接着されている。

　吸収体５は、粉砕パルプの積層体と、この積層体を包むティッシュとから構成されている。吸収体５は、上記した粉砕パルプに高吸収性ポリマー粉末や熱可塑性合成繊維を混合したものであっても良い。

　一対のウイング７は、個包装状態から開いた状態（図１にて実線で示す）で、ナプキン本体部２の幅方向に張り出している。一対のウイング７は、一対のサイドシート６とバックシート４の一部がナプキン本体部２の幅方向に張り出している。なお、一対のウイング７は、一対のサイドシート６やバックシート４とは別の部材から構成されていてもよい。バックシート４は、ウイング７の端部まで延ばされていなくてもよい。一対のウイング７のバックシート４側の表面には、ナプキン本体２と着衣とがずれることを防止するための接着部１０がそれぞれ設けられている。一対のウイング７は、使用前（個包装）の状態（図１にて二点鎖線で示す）では、トップシート３側に折り畳まれている。接着部１０の外面には、剥離シート（図示せず）が接着されている。

　被覆シート２０Ａは、熱融着性繊維を含む材料より形成される。被覆シート２０Ａは、トップシート３と着用者の肌とが当接する当接面に直接配置されている。一対のウイング７は、トップシート３側に折り畳まれた状態で、被覆シート２０Ａの上に配置される。被覆シート２０Ａは、トップシート３と着用者の排泄部とが当接する当接面を、少なくとも覆っている。被覆シート２０Ａの長手方向及び幅方向の両端の少なくとも一部は、ナプキン本体２の長手方向及び幅方向と同じ又は短い。つまり、トップシート３が被覆シート２０Ａで覆われた状態でもナプキン本体２の外形が目視によって把握できる。この第１の実施の形態では、被覆シート２０Ａの長手方向及び幅方向の寸法とトップシート３の長手方向及び幅方向の寸法とは、ほぼ同じである。被覆シート２０Ａの長手方向の前後の端縁の位置は、ナプキン本体２の長手方向の前後の端縁の位置と同じ位置となっている。被覆シート２０Ａは、トップシート３における、トップシート３と着用者の肌とが当接する当接面の全面を覆っている。

　被覆シート２０Ａは、トップシート３とバックシート４とがホットメルト等の糊で互いに接着された接着位置と同じ位置において、トップシート３に仮止めされている。具体的には、被覆シート２０Ａは、ナプキン本体２の周縁箇所のうち、前端位置と後端位置において、熱融着部１１によって、トップシート３に仮止めされている。

　従来、吸収性物品の製造工程においては、吸収体５の成形後、吸収体５を介在させたトップシート３とバックシート４との間をホットメルト等の糊で接着する。トップシート３とバックシート４との間を接着した後に、更に接着箇所の接着強度を高めるために、吸収体５の外縁を一定の幅で加熱し、トップシート３とバックシート４とを溶着する。これにより、吸収体５を所定の位置に固定（シール）する。シールした後、製品形状にカットしている。一方、本実施形態の製造工程においては、吸収体５の外周部を溶着し、吸収体を所定位置に固定するシール工程の前に、トップシート３において、着用者の肌が当接する当接面側に被覆シート２０Ａを重ねる工程を追加する。被覆シート２０Ａ、トップシート３及びバックシート４を重ねた状態でシール工程が行われる。被覆シート２０Ａやトップシート３に熱融着性繊維が含まれている場合には、熱によって熱融着性繊維が互いに熱融着するため、被覆シート２０Ａとトップシート３との間に糊や接着剤を介在させなくても被覆シート２０Ａとトップシート３とが仮止めされる。従って、被覆シート２０Ａの仮止め工程を別途付加することなく被覆シート２０Ａを仮止めでき、製造工程の複雑化を防止できる。

　被覆シート２０Ａは、柔軟性を有すると共に親水性を有するシート材によって形成されている。具体的には、不織布（エアースルー、スパンボンド、ポイントボンド、スパンレース等）やエアレイドパルプシートが好ましく、その中でもスパンレース不織布が特に好ましい。スパンレース不織布は、１．７ｄｔｅｘの繊維長４０ｍｍのレーヨン繊維が６０％、２．２ｄｔｅｘの繊維長５１ｍｍのポリエステル繊維が４０％をほぼ均一にブレンドしたものをスパンレース法で製造した不織布である。被覆シート２０Ａの１ｍ^２当りの重さ（以下、坪量という）は、５０ｇ／ｍ^２であり、厚みは、０．５５ｍｍである。

　以上のように構成された生理用ナプキン１Ａは、使用前の状態では、ナプキン本体２が被覆シート２０Ａと共に折り畳まれ、個包装に収容されているのが一般的である。

　次に、前記生理用ナプキン１Ａの装着手順を簡単に説明する。先ず、ショーツ３０を膝当たりまでずらす。個包装状態である場合には、個包装を剥がして生理用ナプキン１Ａを取り出し、生理用ナプキン１Ａを広げる。個包装を剥がすときに、生理用ナプキン１Ａのバックシート４及び一対のウイング７に設けられた剥離シート９（図示せず）がそれぞれ剥がされる。次に、一対のウイング７を手で持ち、ナプキン本体２をショーツ３０の適正な位置に位置合わせする。図４に示すように、位置合わせしたナプキン本体２を指又は掌を使ってショーツ３０側に押圧し、ナプキン本体２を接着部８によってショーツ３０に貼り付ける。次に、図５に示すように、各ウイング７をショーツ３０のクロッチ部３０ａの側縁で折り返す。折り返した各ウイング７を指又は掌を使ってショーツ３０側に押圧し、各ウイング７を接着部１０によってショーツ３０に貼り付ける。その後、被覆シート２０Ａをナプキン本体２より引き剥がせば、装着が完了する。尚、ウイング７の接着部１０をショーツ３０に貼り付けた後に、バックシート４に設けられた接着部８をショーツ３０に貼り付けても良い。

　以上、生理用ナプキン１Ａは、ナプキン本体２のトップシート３の表面に取り外しできる被覆シート２０Ａが設けられる。被覆シート２０Ａは、トップシート３と着用者の排泄部とが当接する当接面を、少なくとも覆っている。被覆シート２０Ａの長手方向の長さは、ナプキン本体２の長手方向の長さと同じである。被覆シート２０Ａは、トップシート３と着用者の肌とが当接する当接面に直接配置されている。従って、ユーザがナプキン本体２をショーツ３０に装着する際にナプキン本体２の外形を目視できる。これにより、ナプキン本体２をショーツ３０の適正な位置に容易に装着できる。又、被覆シート２０Ａをナプキン本体２に取り付けた状態でショーツ３０に装着することができるため、ユーザは、トップシート３を直接触ることなく装着できる。そして、ナプキン本体２をショーツ３０に装着した後に被覆シート２０Ａをナプキン本体２より取り外すことができるため、装着過程においてトップシート３が清潔に保たれる。

　被覆シート２０Ａは、親水性を有する。従って、ナプキン本体２より取り外された被覆シート２０Ａは、拭き用途に利用できるため、使い勝手が良い。特に、この実施の形態では、被覆シート２０Ａはスパンレース不織布である。被覆シート２０Ａの坪量は、５０ｇ／ｍ^２であり、厚みは、０．５５ｍｍである。この不織布は比較的厚手のため、肌が濡れた状態でも十分にふき取ることが可能である。

　被覆シート２０Ａは、トップシート３における、トップシート３と着用者の肌とが当接する当接面の全面を覆うことのできる外径サイズを有する。従って、ユーザの指がトップシート３に接触することを確実に防止できる。

　被覆シート２０Ａは、熱融着性繊維を含む。また、被覆シート２０Ａは、前述のように、トップシート３と着用者の肌とが当接する当接面に重ねられた後に、シール工程が行われる。シール工程において、吸収体５をトップシート３とバックシート４との間に固定した後に製品形状にカットされる。そのため、被覆シート２０Ａは、ナプキン本体２の周縁箇所のうち、トップシート３とバックシート４との間を接着する位置と同じ位置において、トップシート３に仮止めされる。ここで、被覆シート２０Ａとナプキン本体２の間には、糊等が介在されていないため、ナプキン装着時には、着用者は、被覆シート２０Ａを簡単に引き剥がすことができる。そのため、仮止めという。

　このように、被覆シート２０Ａを仮止めするための仮止め工程を別途付加することなく被覆シート２０Ａを熱融着部１１においてトップシート３に仮止めできる。従って、製造工程の複雑化を防止できる。また、トップシート３において、少なくとも、着用者の排泄部が当接する当接面を含む中央領域には仮止め箇所がないため、仮止めによるトップシート３の損傷がなく、トップシート３の少なくとも中央領域において、良好な肌触りを確実に確保できる。その上、被覆シート２０Ａの一部が捲れることにより、トップシート３の一部が露呈することがない。従って、確実にトップシート３を保護することができる。また、着用者は、被覆シート２０Ａの中央部をつまんで被覆シート２０Ａをナプキン本体２より容易に取り外すことができる。また、被覆シート２０Ａは、熱融着部１１によってナプキン本体２に仮止めされるため、被覆シート２０Ａを取り外した後で、被覆シート２０Ａが接着されていた箇所に糊や接着剤が残ることがない。従って、トップシート３を清潔に保つことができるとともに、着用者の排泄部が当接する当接面を含む中央領域において、肌触りの劣化を防止できる。

　生理用ナプキン１Ａは、一対のウイング７を有する。一対のウイング７がトップシート３側に折り畳まれた状態では、一対のウイング７が被覆シート２０Ａの上面に配置されている。着用者は、被覆シート２０Ａをナプキン本体２に取り付けた状態で、ウイング７をショーツ３０のクロッチ部３０ａの側縁部に装着できる。従って、装着過程において、トップシート３を清潔に保つことができる。本発明は、ウイング無しの生理用ナプキンに適用できることはもちろんである。

　なお、本実施形態のように、ウイング７を有する生理用ナプキン１Ａを製造する際には、トップシート３とウイング７を構成するサイドシート６とを一体化させた後に、トップシート３及びウイング７とバックシート４との間を糊や接着剤で接合する。次に、ナプキン本体２と着用者の肌とが当接する当接面に被覆シート２０Ａを重ねた後、トップシート３とバックシート４とをシールする。シールした後に製品形状にカットし、ナプキン本体２と着用者の肌とが当接する当接面に重ねられた被覆シート２０Ａの上面にウイング７を折り返すことが好ましい。

（第２の実施の形態）
　図６及び図７は本発明の第２の実施の形態を示し、図６は生理用ナプキンの平面図、図７は図６のＢ－Ｂ線断面図である。

　この第２の実施の形態に係る生理用ナプキン１Ｂを前記第１の実施の形態に係る生理用ナプキン１Ａと比較するに、被覆シート２０Ｂの構成及びその仮止め構造が相違する。

　つまり、図６及び図７に示すように、被覆シート２０Ｂは、一対のウイング７を除くナプキン本体２とほぼ同じ外形サイズである。そして、被覆シート２０Ｂは、ナプキン本体２の周縁箇所の内で、前方位置と後方位置と両側の４隅の位置で熱融着部１１，１１ａによって仮止めされている。

　他の構成は、前記第１の実施の形態と同一であるため、説明を省略する。図面の同一構成箇所には同一符号を付して明確化を図る。

　この第２の実施の形態によれば、ナプキン本体２と着用者の肌とが当接する当接面（トップシート３及びサイドシート６）の全域を清潔に保つことができる。

（第３の実施の形態）
　図８及び図９は本発明の第３の実施の形態を示し、図８は生理用ナプキンの平面図、図９は図８のＣ－Ｃ線断面図である。

　この第３の実施の形態に係る生理用ナプキン１Ｃを前記第１の実施の形態に係る生理用ナプキン１Ａと比較するに、被覆シート２０Ｃの構成及びその仮止め構造が相違する。

　つまり、図８及び図９に示すように、被覆シート２０Ｃは、一対のウイング７を含むナプキン本体２とほぼ同じ外形サイズである。そして、被覆シート２０Ｃは、ナプキン本体２の周縁箇所の内で、前方位置と後方位置と両側の４隅の位置と各ウイング７の周縁箇所で熱融着部１１，１１ａ，１１ｂによって仮止めされている。

　この第３の実施の形態によれば、ナプキン本体２と着用者の肌とが当接する当接面（トップシート３及びサイドシート６）の全域を清潔に保つことができる。また、製造時におけるシール工程では、被覆シート２０Ｃがナプキン本体２に熱融着部１１，１１ａ，１１ｂによって仮止めされた後、仮止めされた被覆シート２０Ｃをナプキン本体２と同じサイズにカットすれば良いため、製造性に優れている。更に、ウイング７を清潔に保つことができる。

（第４の実施の形態）
　図１０及び図１１は本発明の第４の実施の形態を示し、図１０は生理用ナプキンの平面図、図１１は図１０のＤ－Ｄ線断面図である。

　この第４の実施の形態に係る生理用ナプキン１Ｄを前記第１の実施の形態に係る生理用ナプキン１Ａと比較するに、被覆シート２０Ｄを仮止めするための構造のみが相違する。

　つまり、図１０及び図１１に示すように、被覆シート２０Ｄは、前記第１の実施の形態と同様に、トップシート３と同じ外形サイズである。被覆シート２０Ｄの全ての周縁箇所は、熱融着部１１，１１ｃによってトップシート３と仮止めされている。

　この第４の実施の形態によれば、被覆シート２０Ｄが剥がされない限り、トップシート３の清潔性をほぼ完全に確保できる。

（第５の実施の形態）
　図１２及び図１３は本発明の第５の実施の形態を示し、図１２は生理用ナプキンの平面図、図１３は図１２のＥ－Ｅ線断面図である。

　この第５の実施の形態に係る生理用ナプキン１Ｅを前記第２の実施の形態に係る生理用ナプキン１Ｂと比較するに、被覆シート２０Ｅの仮止め構造構成のみが相違する。

　つまり、図１２及び図１３に示すように、被覆シート２０Ｅは、一対のウイング７を除くナプキン本体２とほぼ同じ外形サイズであるが、ナプキン本体２の周縁箇所の内で、前方位置と後方位置と両側の全ての側方位置で熱融着部１１，１１ｃによって仮止めされている。前方位置の熱融着部１１は、２箇所に分割され、ナプキン本体２の前方の中央位置では仮止めされていない。

　この第５の実施の形態によれば、トップシート３とサイドシート６とにおける、ナプキン本体２と着用者の肌と当接する当接面の全面を清潔に保つことができる。また、被覆シート２０Ｅの前方位置では仮止め箇所が分割されているため、被覆シート２０Ｅを剥がし易いという利点がある。具体的には、被覆シート２０Ｅの前方位置の中央を指でつまんで引き剥がすこともできる。尚、被覆シート２０Ｅの後方位置の熱融着部１１を分割しても良いし、前方位置と後方位置の双方の熱融着部１１を分割しても良い。

（被覆シートの寸法）
　前記各実施の形態では、被覆シート２０Ａ～２０Ｅが種々の外形寸法である場合を示したが、被覆シートは、少なくともトップシート３と着用者の排泄部とが当接する当接面を覆っていればよい。被覆シートの長手方向及び幅方向の両端の少なくとも一部がナプキン本体２の各両端と同じ又は各両端より短ければ良い。このような外形寸法であれば、着用者は、被覆シートの上からナプキン本体２の外形を目視で把握できるため、着用者は、ナプキン本体２をショーツの適正な位置に容易に位置合わせすることができる。また、トップシート３を被覆シートで覆うことにより、装着過程において、トップシート３を清潔に保つことができる。

（被覆シートの変形例等）
　被覆シート２０Ａ～２０Ｅの坪量は、被覆シート２０Ａ～２０Ｅを拭き用途に用いる場合には、２０～１２０ｇ／ｍ^２であることが好ましく、更には３０～８０ｇ／ｍ^２であることがより好ましい。坪量が２０ｇ／ｍ^２未満であると、身体を拭く際に、被覆シート２０Ａ～２０Ｅに拭き取られた対象物が被覆シート２０Ａ～２０Ｅから染み出て、着用者の手を汚す可能性がある。坪量が１２０ｇ／ｍ^２を超えると、身体を拭くには硬すぎる。又、坪量だけではなくカンチレバー法による剛軟度が１００ｍｍ以下であることが好ましく、更には８０ｍｍ以下である方がより好ましい。１００ｍｍを超えると、ドレープ性が悪く、拭き取り性も低下する。

　尚、被覆シート２０Ａ～２０Ｅについて拭き用途を考慮せずに単にトップシート３の被覆目的のみに使用する場合には、被覆シート２０Ａ～２０Ｅはフィルムでも良く、その場合には、坪量は、１０ｇ／ｍ^２以上でも十分である。

　被覆シート２０Ａ～２０Ｅは、液透過性を有する材料で形成しても良い。液透過性を有する被覆シート２０Ａ～２０Ｅは、例えば、疎水性の繊維に親水性処理を施すことによって形成する。液透過性を有するシート材を使用すれば、着用者が間違えて被覆シート２０Ａを剥がさずに装着した場合でも、経血等を下層に透過させることができる。

　被覆シート２０Ａ～２０Ｅは、水分解性を有する材料で形成しても良い。具体的には、パルプ７０％、１．１ｄｔｅｘで繊維長７ｍｍのレーヨン２５％、１．７ｄｔｅｘで繊維長３ｍｍのテンセル５％をほぼ均一にブレンドし、抄紙したものである。坪量は、４５ｇ／ｍ^２、厚み０．５ｍｍである。水分解性を有する材料を使用すれば、被覆シート２０Ａ～２０Ｅをトイレに流すことができるため、使い勝手が良い。

　被覆シート２０Ａ～２０Ｅは、抗菌性を有する材料で形成しても良い。具体的には、カテキン成分を含んだスパンレース不織布である。着用者の排泄部における菌の繁殖が抑制できる。

　被覆シート２０Ａ～２０Ｅは、消臭性を有するシート材にて形成しても良い。臭いの発生が抑制できる。

　被覆シート２０Ａ～２０Ｅは、上記した種々の材料を組み合わせることにより、２つ以上の機能を付与すると、より好ましい。例えば、被覆シート２０Ａ～２０Ｅとして液透過性と親水性の双方を有するものを使用する。このようなものを使用すれば、被覆シート２０Ａ～２０Ｅの拭き用途における拭き取り性が向上する。又、被覆シート２０Ａ～２０Ｅとして液透過性と水分解性の双方を有するものを使用する。このようなものを使用すれば、被覆シート２０Ａ～２０Ｅを拭き用途に使用した後、トイレに流すことができるため、非常に使い勝手が良い。

　被覆シート２０Ａ～２０Ｅには、保湿性のあるものを塗布しても良い。また、被覆シート２０Ａ～２０Ｅを機能性材料が溶解した薬液中に通しても良い。又、機能性材料が溶解した薬液が封入された携帯用スプレー缶を、生理用ナプキン１Ａの製品に同梱する。又は別売りにする。着用者は、機能性材料が溶解した薬液を必要に応じて被覆シート２０Ａ～２０Ｅに噴霧すれば、所望の機能を付加できる。

　被覆シート２０Ａ～２０Ｅの製造時における搬送方向の５％伸度強度は、０．２Ｎ／２５ｍｍ以上であることが好ましい。０．２Ｎ／２５ｍｍ未満であると、製造搬送時に被覆シート２０Ａ～２０Ｅが製造時に搬送方向に伸びてしまう。被覆シート２０Ａ～２０Ｅが伸びた状態で仮止めされると、被覆シート２０Ａ～２０Ｅには、元の状態に戻ろうとする応力が働き、使用前に仮止めが剥がれてしまう可能性があるためである。

　被覆シート２０Ａ～２０Ｅは、二つ折り以上に折り畳まれた状態でナプキン本体２に仮止めしても良い。ナプキン本体２より剥ぎ取った被覆シート２０Ａ～２０Ｅを広げると、使用面積が広がり、使い勝手が良い。

（生理用ナプキン以外の吸収性物品）
　前記各実施の形態では、本発明を吸収性物品である生理用ナプキン１Ａ～１Ｅに適用した場合を示したが、本発明は、いわゆるライナー、失禁用品（失禁パットという）等にも適用できる。ライナー、失禁パットの一例としては、トップシートとバックシートを有するがトップシートとバックシート間に吸収体を有しないタイプ、又は、トップシートと吸収体とバックシートとを有するタイプなどに適用可能である。

　生理用ナプキン１Ａ～１Ｅにおいて、製造時の搬送方向は、製品の長手方向であることが多い。しかし、ライナーは、生理用ナプキン１Ａ～１Ｅの製造時の搬送方向とは異なり、製造時の搬送方向が製品の幅方向であることが多い。従って、ライナーの場合、被覆シートの長手方向の端縁と、吸収性本体であるナプキン本体の長手方向の端縁とを揃えることが容易になる。詳細には、被覆シートと吸収性本体のカットとを一度のカット工程で行うことができる。

（その他）
　生理用ナプキン１Ａ～１Ｅには、被覆シート２０Ａ～２０Ｅをナプキン本体２に付けた状態で、使用しないように注意書きを付けることが好ましい。但し、被覆シート２０Ａ～２０Ｅが液透過性の材料であれば、被覆シート２０Ａ～２０Ｅをナプキン本体２に付けたまま装着しても体液を被覆シート２０Ａ～２０Ｅを通してナプキン本体２側に透過させることができ、生理用ナプキン１Ａ～１Ｅの本来の機能を保持できる。

　なお、日本国特許出願第２００８－０１６４６９号（２００８年１月２８日出願）の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。

　以上のように、本発明に係る吸収性物品は、吸収性本体をショーツの適正な位置に簡単に位置合わせすることができ、装着過程においてトップシートを清潔に保つことができるため、ライナー、失禁用品、おむつ、生理用ナプキンにおいて有用である。

Claims

　少なくとも、着用者の肌に当接される液透過性のトップシートと、着衣に当接される液不透過性のバックシートとから構成される吸収性本体とを備える吸収性物品であって、
　前記トップシートを覆う被覆シートを有し、
　前記被覆シートは、前記トップシートにおける前記トップシートと前記着用者の排泄部とが当接する当接面に接しており、
　前記被覆シートの長手方向の両端の少なくとも一部が前記吸収性本体の長手方向の両端と一致する又は短い、及び前記被覆シートの幅方向の両端の少なくとも一部が前記吸収性本体の幅方向の両端と一致する又は短い吸収性物品。
　請求項１に記載の吸収性物品であって、
　前記吸収性本体は、包装状態より開いた状態で、前記吸収性本体の幅方向に張り出す一対のウイングを有し、
　前記包装状態において前記一対のウイングは、前記被覆シートの上に折り返されることを特徴とする吸収性物品。
　請求項１に記載の吸収性物品であって、
　前記被覆シートは、前記トップシートにおける前記トップシートと前記着用者の排泄部とが当接する当接面の全面を覆うことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１に記載の吸収性物品であって、
　被覆シートの長手方向の端縁は、吸収性本体の長手方向の端縁と一致し、被覆シートの幅方向の端縁は、吸収性本体の幅方向の端縁と一致することを特徴とする吸収性物品。
　請求項１に記載の吸収性物品であって、
　前記被覆シートは、前記吸収性本体の周縁箇所のうち、前記トップシートと前記バックシートとが互いに接着された接着位置において、前記トップシートに接着されることを特徴とする吸収性物品。
　請求項１に記載の吸収性物品であって、
　前記被覆シートは、熱融着性繊維を含むことを特徴とする吸収性物品。
　請求項１に記載の吸収性物品であって、
　前記被覆シートは、液透過性と親水性の少なくとも一方を有することを特徴とする吸収性物品。
　請求項１に記載の吸収性物品であって、
　前記被覆シートは、水分解性を有することを特徴とする吸収性物品。