明 細 書
表示装置および表示装置製造用組成物、 表示装置 技術分野
この発明は、 表示装置および表示装置製造用組成物、 表示装置に関す る。 さらに詳しくは、 例えば、 大画面の有機 E Lディスプレイに好適な 表示装置の製造方法および表示装置製造用組成物および表示装置に関す る。
本出願は、 日本国において 2 0 0 8年 1月 1 1 日に出願された日本特 許出願番号 2 0 0 8 - 0 04 1 8 5号を基礎として優先権を主張するも のであり、 この出願は参照することにより、 本出願に援用される。 背景技術
近年、 液晶ディスプレイに代わる表示装置として、 有機 E L素子を用い た有機 E Lディスプレイが注目されている。 有機 E Lディスプレイは、 有機材料に電流を流すことで材料自らが発光する自発光型ディスプレイ で、 バックライ トが不要であることに加え、 優れた色再現性や高コント ラスト、 動画に適した応答性、 広視野角などの優れた特徴を有している。 このような優れた特徴を有する有機 E Lディスプレイは、 フラッ トパ ネルディスプレイとして理想的な特性を有しており、 2 mm以下の厚み で、 1ィンチから 4 0ィンチサイズの高画質および高視認性のディスプ レイを実現することができる。
しかしながら、 液晶ディスプレイとの競合も相まって、 大面積基板へ の展開、 消費電力の低減、 信頼性の向上、 コス トの低減などの課題があ る。 特に、 大面積基板への展開が非常に重要な課題となっている。 この 際に問題となるのが、 フルカラー化のための光の三原色 (RGB) を発
光する RG B画素を形成する方法である。
RGB画素を形成する方法としては、 (1 ) RGBの発光層を平面的 に配置する塗り分け法、 ( 2 ) 青色発光を蛍光変化する色変換法、 (3) 白色発光をカラーフィルターで三原色に分けるカラーフィルター 法などが提案されている。
( 2) の色変換法や (3) のカラーフィルター法では、 色純度が悪いこ とや輝度の低下を招くなどの問題があるため、 最先端のディスプレイデ バイスの性能を満足できない。 ( 1 ) の塗り分け法を用いた場合には、 発光画素のミクロ化に加えて、 複数種の発光層を高精度に塗り分けて基 板上に製膜する塗分け技術が必要となる。
複数種の発光層を塗り分ける技術としては、 例えば、 特許第 2 7 3 4 4 6 4号公報に記載されているように、 マスクの開口に 1色目の有機 E L素子を形成した後、 別の開口にて 2色目の有機 E L素子を設けるよう に、 マスクを変更する方法が提案されている。 この方法は単純ではある 力 、 多色エリア分け有機 E L素子の作製には極めて有効である。
また、 特開平 8 - 2 2 7 2 7 6号公報では、 特許第 2 7 3 44 6 4号 公報に記載されている方法を発展させ、 周期的に微小開口を設けたマス クを 1色の発光層を形成するごとに画素ピッチ分だけ移動し、 2色、 3 色目の発光層を製膜する方法が提案されている。 この方法では、 発光層 の相互の間に有機層が存在しない場合に、 絶縁層は、 陰極と透明電極の 短絡を防ぐとともに、 画素の形状を定める重要な役割を有する。
さらに、 特開平 3— 1 0 5 8 9 4号公報では、 ガラス基板上に陽極と して I TO膜を形成し、 正孔注入層としてフタ口シァニンを形成して、 この上に紫外線照射により橋かけ反応を生じる水溶液をスピンコーティ ングにより塗布し、 感孔性の発光層を形成した後、 ネガマスクを通して 紫外線を照射することによって、 発光層をパター-ングする技術が提案
されている。
さらに、 特開平 6 - 1 3 1 84号公報では、 発光部を構成する複数の 層のうち、 少なく とも 1つの層を感光製樹脂から形成することで、 光に よる感光作用を利用してパターユングすることができるようにした技術 が提案されている。
さらに、 特開平 1 0— 6 9 9 8 1号公報では、 発光層として、 正孔輸 送物質および Zまたは電子輸送物質と、 有機発光物質とを、 マトリ ック ス材料としての現像可能な光硬化性樹脂にドーピングさせることにより、 有機 L ED (膜) のフォ トリソグラフイーバターニングを可能とする技 術が提案されている。
特開平 3— 1 0 5 8 9 4号公報、 特開平 6 - 1 3 1 8 4号公報および 特開平 1 0— 6 9 9 8 1号公報で提案されている技術では、 例えば、 感 光性のポリマー材料のような感光性マトリックス材料を添加することに よって、 その樹脂の感光特性または熱硬化特性を活かして不溶化領域を 形成して、 溶媒に対する溶解性を変化させてパター-ングするようにし ている。
さらに、 ィンクジヱッ トのへッドから有機材料の溶液や R G Bの色素 を I TO (Indium Tin Oxide) 電極に落としていくことで、 RGBを塗 り分けるインクジェッ ト法も、 有機材料のロスがなく、 有機材料の利用 効率を高めることができるので有効である。
しかしながら、 特許第 2 7 344 6 4号公報おょぴ特開平 8 - 2 2 7 2 7 6号公報で提案されているマスクによる蒸着塗り分けでは、 大型マ スクに密着させることが困難な上、 マスク上に堆積する有機物を除去す る必要があるなど、 量産面で課題がある。
また、 特開平 3 - 1 0 5 8 9 4号公報、 特開平 6— 1 3 1 8 4号公報 および特開平 1 0— 6 9 9 8 1号公報で提案されている技術では、 下記
の ( 1 ) 〜 (4 ) の問題がある。
( 1 ) マトリ ックス材料に所謂発光機能材料を添加するので発光機能材 料の含有率が低く、 高い発光性を得ることができない。 (2 ) 添加する マトリ ックス材料の光学的な吸収が存在するために、 高い発光特性が得 られない。 (3 ) 発光機能材料がマトリ ックス材料に含有しているだけ なので光照射後の現像工程にて発光機能材料が流出してしまい、 高い発 光特性が得られない。 (4 ) 熱硬化性樹脂を用いた場合には、 定法では 周囲への伝播を防止することが困難であり、 加熱する領域を小さくする ことが困難である。 さらに、 微細化する場合には特殊な装置等を準備す る必要があり、 高額で実現性が乏しい。
さらに、 インクジェッ ト法を用いた塗り分けでは、 インクジェッ トで
R G Bを形成する場合には、 パンクと呼ばれる土手構造を作製し、 その 中にインクジェットでインクを滴下する必要があり、 さらに、 I T O電 極上を親水性にし、 バンクを疎水性にするための表面処理を行う必要が ある。
このように、 従来の塗り分け技術は、 特性の問題やそのプロセスの煩 雑さから、 実用的な技術とはいい難い。
したがって、 この発明の目的は、 簡便な手法により、 高発光効率およ ぴ優れた動画特性を得ることができる表示装置の製造方法、 表示装置製 造用組成物おょぴ表示装置を提供することにある。 発明の開示
上述した課題を解決するために、 第 1の発明は、 第 1電極および第 2 電極と、 第 1電極および第 2電極の間に設けられた少なく とも発光層を 含む 1層以上の有機層と、 .を備える表示装置の製造方法であって、 発光 層を、 ラジカル開始剤とラジカル重合反応性を有する発光材料とからな
る組成物層を形成する工程と、 組成物層を励起することにより、 組成物 層のうち組成物層が高分子化された領域を形成する工程と、 組成物層の うち、 高分子化された領域以外を除去する工程とにより形成することを 特徴とする表示装置の製造方法である。
第 1の発明では、 発光層を、 ラジカル開始剤とラジカル重合反応性を 有する発光材料とからなる組成物層を形成する工程と、 組成物層を励起 することにより、 組成物層のうち組成物層が高分子化された領域を形成 する工程と、 組成物層のうち、 高分子化された領域以外を除去する工程 とにより形成することによって、 簡便な手法により、 高発光効率おょぴ 優れた動画特性の表示装置を得ることができる。
第 2の発明は、 第 1電極および第 2電極と、 第 1電極および第 2電極 の間に設けられた少'なく とも発光層を含む 1層以上の有機層と、 を備え る表示装置の製造方法であって、 発光層を、 酸発生剤と、 高分子化され た発光材料とからなる組成物層を形成する工程と、 組成物層を励起する ことにより、 組成物層のうち発光材料が低分子化された領域を形成する 工程と、 低分子化された領域を除去する工程とにより形成することを特 徴とする表示装置の製造方法である。
第 2の発明では、 発光層を、 酸発生剤と、 高分子化された発光材料と からなる組成物層を形成する工程と、 組成物層を励起することにより、 組成物層のうち発光材料が低分子化された領域を形成する工程と、 低分 子化された領域を除去する工程とにより形成することによって、 簡便な 手法により、 高発光効率および優れた動画特性の表示装置を得ることが できる。
第 3の発明は、 ラジカル開始剤と、 ラジカル重合反応性を有する発光 材料とを含む表示装置製造用組成物である。
第 3の発明では、 ラジカル開始剤と、 ラジカル重合反応性を有する発
光材料とを含む組成物を使用して発光層を形成することで、 簡便な手法 により、 高発光効率および優れた動画特性の表示装置を得ることができ る。
第 4の発明は、 酸分解剤と、 ラジカル重合反応性を有する発光材料と を含む表示装置製造用組成物である。
第 4の発明では、 酸分解剤と、 ラジカル重合反応性を有する発光材料 とを含む組成物を使用して発光層を形成することで、 簡便な手法により、 高発光効率および優れた動画特性の表示装置を得ることができる。
第 5の発明は、 第 1の電極および第 2の電極と、 第 1の電極と第 2の 電極との間に設けられた少なく とも発光層を含む 1層以上の有機層と、 を備え、 発光層が、 ラジカル重合反応性を有する発光材料に由来する繰 り返し単位を構造に含む高分子化合物を有することを特徴とする表示装 置である。
第 5の発明では、 高発光効率および優れた動画特性を得ることができ る。 図面の簡単な説明
第 1図は、 この発明の一実施形態による表示装置の構成例を示す断面 図である。
第 2図 A〜第 2図 Fは、 この発明の一実施形態による表示装置の製造 方法の第 1の例を説明するための工程図である。
第 3図 G〜第 3図 Lは、 この発明の一実施形態による表示装置の製造 方法の第 1の例を説明するための工程図である。
第 4図 A〜第 4図 Fは、 この発明の一実施形態による表示装置の製造 方法の第 2の例を説明するための工程図である。
第 5図 G〜第 5図 Lは、 この発明の一実施形態による表示装置の製造
方法の第 2の例を説明するための工程図である。
第 6図 A〜第 6図 Fは、 実施例 1を説明するための工程図である。
第 7図 G〜第 7図 Hは、 実施例 1を説明するための工程図である。
第 8図 A〜第 8図 Fは、 実施例 2を説明するための工程図である。 第 9図 G〜第.9図 Hは、 実施例 2を説明するための工程図である。 第 1 0図 A〜第 1 0図 Fは、 実施例 3を説明するための工程図である。 第 1 1図 G〜第 1 1図 Hは、 実施例 3を説明するための工程図である。 第 1 2図 A〜第 1 2図 Fは、 実施例 4を説明するための工程図である。 第 1 3図 G〜第 1 3図 Hは、 実施例 4を説明するための工程図である。 第 1 4図 A〜第 1 4図 Fは、 実施例 5を説明するための工程図である。 第 1 5図 G〜第 1 5図 Hは、 実施例 5を説明するための工程図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<表示装置の構成 >
第 1図は、 この発明の一実施形態による表示装置の構成例を示す断面 図である。
この表示装置は、 発光した光を基板 1 0側から取り出す構成のいわゆ るボトムエミッション型であり、 基板 1 0上に設けられた第 1電極 1 1 と、 第 2電極 1 9との間に、 第 1電極 1 1側から正孔注入層 1 2と、 正. 孔輸送層 1 3と、 発光層 1 5と正孔ブロッキング層 1 6と電子輸送層 1 7と電子注入層 1 8とがこの順で挟まれた構造を有する。
基板 1 0は、 可視領域に吸収の無い透明基板で構成されており、 例え ば、 ソーダライム基板などのガラス基板やプラスチック基板などを用い ることができる。
第 1電極 (アノード) 1 1は、 可視領域に吸収が無く導電性の高い透
明電極である。 第 1電極 1 1は、 発光層 1 5に正孔を注入する電極であ り、 所定の位置で電圧—電流が印加できるように必要に応じてパターン ィ匕されている。 第 1電極 1 1の材料としては、 例えば、 Ι Τ Ο、 Ι Ζ Ο (Indium Zinc Oxi de) などの酸化物などを用いることができる。
正孔注入層 1 2および電子注入層 1 8は、 第 1電極 1 1およぴ第 2電 極 1 9から電子および正孔をスムーズに受け入れるために設けられたも のである。 正孔輸送層 1 3および電子輸送層 1 7は、 電子および正孔を 発光層 1 5にスムーズに移動させるために設けられたものである。 正孔 ブロッキング層 1 6は、 発光特性を劣化する正孔の侵入を抑制するため に設けられたものである。 正孔注入層 1 2、 正孔輸送層 1 3、 正孔ブロ ッキング層 1 6および電子輸送層 1 7には、 それぞれの機能に適した材 料を用いることができる。
発光層 1 5は、 ラジカル重合反応性を有する発光材料に由来する繰り 返し単位を構造に含む高分子化合物を含む。 カラー発光を行うために、 赤色を発光する赤色発光層 1 5 と、 緑色を発光する緑色発光層 1 5 G と、 青色を発光する青色発光層 1 5 Bと、 が複数配設されている。 赤色 発光層 1 5 R、 緑色発光層 1 5 Gおよび青色発光層 1 5 Bには、 それぞ れに適した材料を用いる。
第 2電極 (力ソード) 1 9は、 発光層 1 5に電子を注入する電極であ る。 第 2電極 1 9は、 基板 1 0の配線と電気的に接続している。 第 2電 極 1 9の材料としては、 例えば、 アルミニゥム (A 1 ) 、 M g A g合金 などを用いることできる。
表示装置では、 第 1電極 1 1と第 2電極 1 9との間に、 電源 2 0を通 じて必要な電圧—電流を印加すると、 第 1電極 1 1から正孔が第 2電極 1 9から電子が発光層 1 5に注入され、 発光層 1 5で正孔と電子が再結 合することにより発光する。
なお、 表示装置は、 第 1電極 1 1ノ正孔注入層 1 2 Z正孔輸送層 1 3 Z発光層 1 5ノ正孔ブロッキング層 1 6 Z電子輸送層 1 7ノ電子注入層 1 8 /第 2電極 1 9の構造を有するが、 表示装置の構造はこれに限定さ れるものではない。 例えば、 表示装置は、 第 1電極 1 1ノ発光層 1 5 / 第 2電極 1 9、 第 1電極 1 1 /正孔輸送層 1 3ノ発光層 1 5 /電子輸送 層 1 7 Z第 2電極 1 9などの構造を有するようにしてもよい。
ぐ表示装置の製造方法の第 1の例 >
次に表示装置の製造方法の第 1の例について、 第 2図〜第 5図を参照 しながら説明する。 表示装置の製造方法の第 1の例の説明では、 第 1電 極 1 1ノ正孔輸送層 1 3 Z発光層 1 5 Z電子輸送層 1 7 Z電子注入層 1 8 /第 2電極 1 9の構造を有する表示装置を製造する例について説明す る。 なお、 第 1図と共通する部位に対しては同一の番号を付し、 詳細な 説明を省略する。
<赤色発光層 1 5 Rのパター-ング >
第 2図 Aに示すように、 基板 1 0上に第 1電極 1 1 と正孔輸送層 1 3 とをこの順で形成する。 第 1電極 1 1は、 必要に応じて塩化水素などの 無機酸によって、 フォトリ ソグラフィ一法などにより形成されたマスク を用いてパターン加工されたものであってもよい。 第 1電極 1 1、 正孔 輸送層 1 3の形成は、 例えば、 真空蒸着法などで行う。 なお、 正孔輸送 層 1 3に重合反応性を有する材料を用い、 製膜中に熱フィラメントから 電子を放出させることで重合反応を促進させるようにすると、 後工程の 現像処理の際に、 耐溶剤性を確保できるので好ましい。 また、 正孔輸送 層 1 3形成時に製膜中に熱フィラメントから電子を放出させることで重 合反応を促進させる方法を採らないときには、 製膜後、 全面に電子照射 を行うことで架橋反応を進行させて正孔輸送層 1 3を高分子化するよう にしてもよレヽ。
第 2図 Bに示すように、 さらに、 例えば真空蒸着法などにより、 赤色 発光層 1 5 Rの前駆体となる前駆体層 1 4 Rを正孔輸送層 1 3上に形成 する。 前駆体層 1 4 Rは、 ラジカル開始剤と、 ラジカル重合反応性を有 する発光材料との組成物からなる。
第 2図 Cに示すように、 紫外線を照射する際に、 前駆体層 1 4 Rの所 望の領域において、 重合開始剤を分解させてラジカルを発生させるため にマスクを用いる。 前駆体層 1 4 Rの紫外線が照射された領域では、 ラ ジカル開始剤が紫外線の照射により励起されて、 ラジカルを発生させ、 発生したラジカルにより、 発光材料がラジカル重合反応によって高分子 化される。 紫外線の照射は、 ラジカル開始剤の安定性の点から、 窒素ガ スなどの不活性ガス雰囲気下または真空雰囲気下で行うことが好ましい。 なお、 紫外線の照射の換わりに、 電子線、 イオンまたは放射線を照射す るようにしてもよい。
このように、 前駆体層 1 4 Rに紫外線を照射する際に、 マスクを用い て紫外線照射を受けた領域のみラジカル重合反応を進行させ、 次工程に て薬剤による現像処理を行うことによって、 所望の領域に赤色発光層 1 5 Rを形成することが可能である。
ラジカル重合反応性を有する発光材料は、 例えば、 ホールと電子とが 再結合性を有する有機材料にラジカル反応性の官能基が導入されたホス ト材料と、 励起分子が失活する際に光を放出する有機材料であるゲスト 材料とから構成される。 ゲス ト材料は、 例えば、 ホスト材料上で生じる ホールと電子との再結合により、 ホス ト材料が励起状態になり、 その励 起エネルギーがゲスト材料に移動して励起され発光する。 また、 例えば、 ゲスト材料は、 電子とホールがゲス ト材料上で再結合することにより、 励起され発光する。
ラジカル官能基が導入されたホス ト材料としては、 具体的には、 例え
ば、 ィ匕 1で表される化合物を用いることができる。 また、 より具体的に は、 化 2で表される化合物を用いることができる。 さらに、 より具体的 には、 ィヒ 3で表される化合物を用いることができる。
(式中、 Xは、 ホールと電子とが再結合性を有する有機化合物である。 Yは、 Xの何れかの部位に導入された、 例えば、 ビュル基、 アクリル酸 基、 メタクリル酸基などのラジカル反応性の官能基である。 )
(化 2 )
(式中、 Yは、 力ルバゾールの何れかの部位に導入された、 例えば、 ビ ニル基、 アクリル酸基、 メタクリル酸基などのラジカル反応性の官能基 である。 )
(化 3 )
ホス ト材料は、 ラジカル反応性の官能基を有するので、 紫外線が照射
された領域のみ高分子化することが可能である。 ラジカル反応性の官能 基は、 より優れた発光効率を得られる点から、 一つ有することが好まし レ、。
さらに、 ゲスト材料にラジカル反応性の官能基を有する材料を用いれ ば、 ホスト材料と共重合体を形成するため、 後工程で非重合領域を除去 する際のゲス ト材料の溶出を低減できるので好ましい。
さらに、 ゲス ト材料として、 蛍光性材料を用いる場合には、 燐光性材 料に比べて材料合成が平易であり、 特性劣化に繋がる不純物含有量が低 く、 高純度の材料を入手することが容易である。 また、 燐光性材料のよ うに、 高価なイリジウムや白金などの材料を用いることなく、 合成され ているので、 燐光材料に比べて安価である。 さらに、 燐光性材料のよう に錯体構造ではなく、 安定な分子構造を有しているために熱的に安定で ある。
第 2図 Dに示すように、 非重合領域を除去することによって、 パター ン化された赤色発光層 1 5 Rを形成する。 有機溶媒を用いた溶解除去や 基板を加熱することで除去する加熱除去などで、 非重合領域を選択的に 除去することができる。 材料の劣化を低減できる点からは、 加熱除去が 好ましい。
く緑色発光層 1 5 Gのパターニング〉
第 2図 E〜第 2図 Fおよび.第 3図 Gに示すように、 正孔輸送層 1 3上 およびパターン化された赤色発光層 1 5 R上に、 緑色発光層 1 5 Gの前 駆体層 1 4 Gを形成した後、 上述した第 2図 C〜第 2図 Dに示す工程を 順次行い、 パターン化された緑色発光層 1 5 Gを形成する。
く青色発光層 1 5 Gのパターユング >
第 3図 H〜第 3図 Jに示すように、 正孔輸送層 1 3上、 パターン化さ れた赤色発光層 1 5 Rおよびパターン化された緑色発光層 1 5 G上に、
青色発光層 1 5 Bの前駆体層 1 4 Bを形成した後、 上述した第 2図 C〜 第 2図 Dに示す工程を順次行い、 パターン化された青色発光層 1 5 Bを 形成する。
<電子輸送層 1 7、 電子注入層 1 8、 第 2電極 1 9の形成 >
第 3図 K〜第 3図 Lに示すように、 第 1電極 1 1上および発光層 1 5 R〜 1 5 B上に、 電子輸送層 1 7、 電子注入層 1 8、 第 2電極 1 9をこ の順に、 例えば、 真空蒸着法などにより形成する。 以上により、 表示装 置を製造することができる。
第 2図〜第 3図で示す表示装置の製造方法の第 1の例では、 具体的な 材料としては、 上述した材料の他、 例えば、 以下の材料を適宜選択して 用いることができる。 なお、 発光材料には、 下記の材料に適宜ラジカル 反応性を有する官能基を導入して用いる。
ラジカル系光重合開始剤としては、 例えば、 2 , 2—ジメ トキシー 1 , 2ージフエュノレエタン一 1一オン、 1—ヒ ドロキシ一シク口へキシノレ一 フエ二ノレ一ケ トン、 2—ヒ ドロキシ一 2—メチノレ一 1一フエ二ノレ一プロ パン一 1一オン、 1 - [ 4— ( 2—ヒ ドロキシエ トキシ) 一フエニル] — 2—ヒ ドロキシ一 2—メチノレー 1一プロ ノ ンー 1—オン、 2—ヒ ロ ド キシ一 1 一 { 4 - [ 4一 ( 2—ヒ ドロキシー 2—メチル一プロ ピオ二 ノレ) —ベンジノレ] フエ二ノレ } 一 2—メチノレープロ ノ ンー 1一オン、 2 - メチルー 1一 (4ーメチルチオフエニル) 一 2—モルフォリ ノプロパン 一 1 _オン、 2—べンジル _ 2—ジメチルァミ ノ _ 1 一 (4—モルフォ リ ノフエ-ル) 一ブタノ ン一 1 、 2— (ジメチルァミ ノ) 一 2— [ ( 4 一メチルフエニル) メチル] ー 1一 [ 4一 (4一モルホリ -ル) フエ- ル] 一 1ーブタノンなどのアルキルフエノン系光重合開始剤を用いるこ とができる。
また、 例えば、 2 , 4 , 6—トリメチルベンゾィルージフヱ二ルーフ
ォスフィンオキサイ ド、 ビス (2, 4, 6— トリメチノレべンゾィル) 一 フエニルフォスフィンォキサイ ドなどのァシルフォスフィンォキシド系 光重合開始剤を用いることができる。
また、 例えば、 ビス ( 77 5 — 2 , 4—シクロペンタジェン一 1ーィ ル) 一ビス ( 2 , 6—ジフルオロー 3— ( 1 H—ピロ一ルー 1—ィル) 一フエニル) チタニウムなどのチタノセン系光重合開始剤を用いること ができる。
その他の光重合開始剤としては、 例えば、 1, 2 _オクタンジオン、 1一 [4— (フエ-ルチオ) _, 2 _ (O—べンゾィルォキシム) ] 、 エタノン, 1 _ [ 9—ェチノレ一 6— ( 2—メチノレべンゾィノレ) _ 9 H_ 力ノレパゾーノレ _ 3—ィノレ] 一, 1一 (0—ァセチルォキシム) などのォ キシムエステルを用いることができる。
また、 例えば、 ォキシフエニル酢酸、 2— [ 2—ォキソ一 2—フエ二 ノレァセ トキシエトキシ] ェチノレエステノレとォキシフエ二ノレ酉乍酸、 2 - ( 2—ヒ ドロキシエトキシ) ェチルエステルの混合物などのォキシフエ -ル酢酸エステルを用いることできる。
重合促進剤としては、 例えば、 ェチルー 4ージメチルァミノべンゾェ ート、 2ーェチルへキシル一 4 -ジメチルァミノベンゾエートなどを用 いることができる。
カチオン系光重合開始剤としては、 例えば、 A : ョードニゥム, (4 一メチルフエニル) [4— ( 2—メチルプロピル) フエニル] 一へキサ フルオロフォスフェート ( 1一) B : プロピレンカーボネートなどを用 いることができる。
蛍光性色素としては、 例えば、 クマリン系色素、 ピラン系色素、 シァ ニン系色素、 クロコユウム系色素などの蛍光性化合物を用いることがで きる。
また、 例えば、 アントラセン類、 ピレン類、 ペリ レン類などの多環芳 香族炭化水素を用いることができる。
さらに、 例えば、 ォキサゾール、 チアゾール、 イミダゾール、 ォキサ ジァゾール、 チアジアゾール、 口フィ ン、 クマリ ン、 ナイノレレッ ド、 4 H _ビラニリデンプ口パンジニトリル誘導体、 ポリチォフェン、 ポリ ビ 二ルカルバゾールなどのへテロ芳香族化合物を用いることができる。
さらに、 例えば、 シァニン、 ォキソノール、 ァズレニウム、 ピリ リ ウ ムなどのポリメチン系化合物を用いることができる。
さらに、 例えば、 ジアミノスチルベン誘導体、 ポリフエ二レンビニレ ン、 ァゾメチン、 ァゾベンゼンなどのスチルベン系化合物を用いること ができる。
さらに、 例えば、 キノ リン類、 ナフタレン類、 8—キノ リノール、 A 1 3 +錯体、 ベリ リ ゥム錯体などのキレート金属錯体を用いることがで きる。
さらに、 例えば、 キノ リノール、 2—ヒ ドロキシフエニルベンゾォキ サゾール、 2— ( 2 —ピリジル) フエノール、 2— ( 3 —ォキサジァゾ リル) フヱノール誘導体、 2—ヒ ドロキシベンジリデンァ二リン誘導体 (ァゾメチン化合物) などの亜鉛錯体を用いることができる。
さらに、 例えば、 キレートランタノィ ド錯体、 例えば、 フルォレセレ ン、 ローダミンなどの Bキサンテン系色素を用いることができる。
さらに、 例えば、 キナタリ ドン、 ジケトピロロピロール誘導体、 銅フ タ口シァニンなどの有機顔料等の関連色素を用いることができる。 また、 無機有機複合系、 ポリシラン、 スピロ化合物、 スクヮリ リ ウム色素、 フ ルォレセィン等を用いることができる。
燐光性色素としては、 以下の緑色材料、 青色材料、 赤色材料などを用 いることができる。
緑色材料としては、 トリス ( 2一フエ二ルビリジン) イ リジウム (II I) ( I r ( p p y ) 3 ) 、 ビス ( 2—フエニルピリジン) (ァセチル ァセトネート) イリジウム (II) 、 トリス [ 2 — (p— トリル) ピリジ ン] イ リジウム (III) ( I r (m p p y ) 3 ) などを用いることがで さる。
青色材料としては、 ビス ( 3, 5—ジフルオロー 2 — ( 2—ピリジィ ル) フエニル) 一 ( 2—カルボキシピリ ジィル) イ リ ジウム (III) (F i r P i c ) 、 ビス (4 8, 6 8—ジフルオロフェニノレピリジネ一 ト) テ トラキス ( 1 一ピラゾリル) ボレートイ リジウム (III) ( F I r 6 ) などを用いることができる。
赤色材料としては、 トリ ス ( 1—フエ二ルイソキノ リ ン) イリジウム (III) ( I r ( p i q ) 3 ) 、 ビス ( 1 —フヱ二ルイ ソキノ リ ン) (ァセチルァセ トネート) イ リジウム (III) ( I r ( p i q ) 2 ( a c a c ) ) 、 ビス [ 1 一 ( 9, 9 一ジメチル一 9 H—フルオレン一 2一 ィル) 一イ ソキノ リ ン] (ァセチルァセ トネー ト) イ リジウム (III) ( I r ( f 1 i q ) 2 ( a c a c ) ) 、 ビス [ 3 — ( 9 , 9ージメチル 一 9 H—フルオレン一 2—ィル) イソキノ リ ン] (ァセチルァセ トネー ト) イ リ ジウム (III) ( I r ( f 1 q ) 2 ( a c a c ) ) 、 ト リ ス ( 2—フヱニルキノ リ ン) イ リ ジウム (III) ( I r ( 2 - p h q ) 3 ) 、 ビス ( 2 _フエ二ルキノ リン) (ァセチルァセ トネート) イ リジ ゥム (III) ( I r ( 2 - p h q ) 2 ( a c a c ) ) などを用いること できる。
正孔輸送性材料としては、 N, N' —ビス ( 3—メチルフエニル) 一 N, N ' ージフエ二ノレ一 [ 1 , 1 , ービフエニル] — 4, 4 ' —ジアミ ン (丁?0) 、 4, 4 ' , 4 ' , 一 トリス [ 3 —メチノレフエ-ノレ (フエ ニル) ァミノ ] ト リ フエニルァミ ン (m— MT D AT A) 、
4, 4, , 4 ' , ー ト リス [ 1—ナフチル (フエ-ル) ァミ ノ] ト リ フ ェ-ルァミン ( 1—TNATA) 、 4 , 4 ' , 4, ' 一 ト リ ス [2—ナ フチル (フエニル) ァミ ノ ] ト リスフェニルァミン (2—ΤΝΑΤΑ) 、 4, 4 ' , 4, ' — ト リ ス [ビフエ-ルー 4一イノレー (3—メチノレフエ ニル) ァミノ] ト リ フエニルァミ ン (p— PMTDATA) , 4 , 4 ' , 4 ' , 一 ト リ ス [9, 9一ジメチルー 2—フノレオレニノレ (フエ-ノレ) 了 ミ ノ] ト リ フエニルァミ ン (T FATA) 、 4, 4, , 4 ' ' — ト リ (N—力ルパゾリル) ト リ フエ-ルァミン (T CTA) 、 1 , 3 , 5— ト リス [N— (4—ジフエニルァミノフエュル) フエニルァミノ ] ベン ゼン (p— D PA— TDAB) 、 1 , 3 , 5— ト リス { 4— [メチルフ ェニノレ (フエ-ノレ) ァミ ノ ] フエ二ノレ } ベンゼン (MTDAP B) 、 N, N' , 一ジ (ビフエ-ル一 4一ィル) 一 N, N ' —ジフエ二ルー [ 1, 1 ' —ビフエ二ノレ] — 4 , 4, 一ジァミ ン (p _ B P D) 、 N, N, N ' , N ' —テ トラキス ( 9 , 9—ジメチルー 2—フルォレニル) 一 [ 1 , 1 ' -ビフエニル] ― 4 , 4, —ジァミン (F FD) などを用い ることができる。
電子輸送性材料としては、 A l q 3 (トリ ス (8—キノ リ ノ レート) アルミニウム (III) ) 、 ォキサジァゾール誘導体等、 1 , 3 , 5— ト リス [ 5— (4— t e r t—ブチルフエニル) 一 1 , 3, 4ーォキサジ ゾールー 2—ィル] ベンゼン (T P OB) 、 5, 5, 一ビス (ジメシチ ルボリル) 一 2 , 2, 一ビチォフェン (BMB— 2 T) 、 5, 5, 一ビ ス (ジメ シチルボリル) 一 2 , 2 ' : 5, , 2 ' ' —ターチォフェン
(BMB一 3 T)
などを用いることができる。
発光性アモルファス分子材料としては、 トリ ( o—ターフェ二ルー 4 —ィル) ァミン (o— TTA) 、 ト リ (p—ターフェ二ルー 4一ィル)
ァミン (p— TTA) など、 オリ ゴチォフェン誘導体としては、 2, 5 一ビス { 4一 [ビス (4—メチルフヱニル) ァミノ] フエ-ル} トリオ フェン (BMA- 1 T) 、 5 , 5 ' 一ビス { 4一 [ビス (4ーメチルフ ェニル) ァミノ ] フエ二ル } 一 2 , 2 ' -ビチォフエン (BMA— 2 T) 、 5, 5 ' —ビス { 4一 [ビス (4—メチルフヱ-ル) ァミノ] フ ェュル } - 2 , 2 ' : 5 ' , 2 ' ' 一ターチォフェン (BMA— 3 T) 、 5, 5, ' ' , 一ビス { 4一 [ビス (4一メチルフエニル) ァミノ] フ ェニル } - 2, 2 ' : 5 ' 2 ' ' : 5 ' , , 2, ' ' 一クオーターチォ フェン (BMA— 4 T) などを用いることができる。
表示装置の製造方法の第 1の例では、 多色塗分けの場合において、 透 明電極である第 1電極 1 1上に正孔輸送層 1 3を形成した後、 第 1色目 の赤色発光層 1 5 Rの前駆体層 1 4 Rを全面に形成し、 その後、 紫外線 を照射することで所望の領域の重合反応を促進し、 現像処理を行うこと でパターン化された赤色発光層 1 5 Rを形成する。
その後、 該第 1色目の赤色発光層 1 5 R上に第 2色目の緑色発光層 1 5 Gの前駆体層 1 4 Gを全面に形成する。 その後、 所望な位置に紫外線 を照射することで、 第 2色目の前駆体層 1 4 Gの重合反応を進行させる ことで、 照射領域に対する溶媒の不溶化を達成することができる。 また、 同様の工程を繰り返すことにより 3色目の青色発光層 1 5 Bを形成する。 以上により、 所謂 RGBの三色のパターンを形成した後、 電子輸送層 1 7、 電子注入層 1 8およぴ第 2電極 1 9を形成することで、 発光層 1 5 などの有機層にダメージを与えることなく除去が可能であり、 高い発光 特性の有機発光ダイオードを形成することができる。 従って、 簡便な手 法で平面型表示装置が確実に形成することが可能となり、 高い特性の有 機発光ダイォードの形成が可能となる。
ぐ表示装置の製造方法の第 2の例〉
表示装置の製造方法の第 2の例について、 第 4図〜第 5図を参照しな がら説明する。 表示装置の製造方法の第 2の例の説明では、 第 1電極 1 1 Z正孔輸送層 1 3 Z発光層 1 4 /電子輸送層 1 7ノ電子注入層 1 8ノ 第 2電極 1 9の構造を有する表示装置を製造する例について説明する。 なお、 第 1図と共通する部位に対しては同一の番号を付し、 詳細な説明 を省略する。
く赤色発光層 1 5 Rのパターニング>
第 4図に示すように、 基板 1 0上に第 1電極 1 1と正孔輸送層 1 3と をこの順で形成する。 第 1電極 1 1は、 必要に応じて塩化水素などの無 機酸によって、 フォ トリ ソグラフィ一法などにより形成されたマスクを 用いてパターン加工されたものであってもよい。 第 1電極 1 1、 正孔輸 送層 1 3の形成は、 例えば、 真空蒸着法などで行う。 なお、 正孔輸送層 1 3に重合反応性を有する材料を用い、 製膜中に熱フィラメントから電 子を放出させることで重合反応を促進させるようにすると、 後工程の現 像処理の際に、 耐溶剤性を確保できるので好ましい。 また、 正孔輸送層 1 3形成時に製膜中に熱フィラメントから電子を放出させることで重合 反応を促進させる方法を採らないときには、 製膜後、 全面に電子照射を 行うことで架橋反応を進行させて正孔輸送層 1 3を高分子化するように してもよい。
第 4図 Bに示すように、 さらに、 赤色発光層 1 5 Rを正孔輸送層 1 3 上に、 例えば真空蒸着法などにより、 酸発生剤と、 ラジカル重合反応性 を有する発光材料との組成物を形成し、 電子線などを照射して、 発光材 料を高分子化することにより形成する。 なお、 例えば、 l e _ 5 t o r rの真空下で、 例えば 1 5 0 °Cで 1時間加熱することで発光材料を高分 子化するようにしてもよい。
第 4図 Cに示すように、 紫外線を照射する際に、 赤色発光層 1 5尺の
所望の領域において、 酸発生剤から酸を発生さるためにマスクを用いる。 紫外線照射された領域では、 赤色発光層 1 5 R中に含有する酸発生剤か ら酸が発生し、 発生した酸と、 高分子化した発光材料とが反応して、 主 鎖切断が発生して低分子化された領域 (光分解領域 1 4 R ' と称する) を形成する。
第 4図 Dに示すように、 光分解領域 1 4 R ' を、 有機溶媒で溶解除去 することによって、 パターン化された赤色発光層 1 5 Rを形成する。 な お、 光分解領域 1 4 R ' の除去を加熱除去で行ってもよい。 材料の劣化 を低減できる点からは、 加熱除去が好ましい。
<緑色発光層 1 5 Gのパターニング>
第 4図 E〜第 4図 Fおよび第 5図 Gに示すように、 正孔輸送層 1 3上 およびパターン化された赤色発光層 1 5 R上に、 酸発生剤と、 ラジカル 重合反応性を有する発光材料との組成物を形成し、 電子線などを照射し、 発光材料を高分子化することにより、 緑色発光層 1 5 Gを形成した後、 上述した第 4図 C〜第 4図 Dに示す工程を順次行い、 光分解領域 1 4 G ' を除去してパターン化された緑色発光層 1 5 Gを形成する。
<青色発光層 1 5 Bのパターユング >
第 5図 H〜第 5図 Jに示すように、 正孔輸送層 1 3上、 パターン化さ れた赤色発光層 1 5 R上おょぴパターン化された緑色発光層 1 5 G上に、 酸発生剤と、 ラジカル重合反応性を有する発光材料との組成物を形成し、 電子線などを照射し、 発光材料を高分子化することにより、 青色発光層 1 5 Bを形成した後、 上述した第 4図 C〜第 4図 Dに示す工程を順次行 い、 光分解領域 1 4 B, を除去してパターン化された青色発光層 1 5 B を形成する。
<電子輸送層 1 7、 電子注入層 1 8、 第 2電極 1 9の形成 >
第 5図 K〜第 5図 Lに示すように、 第 1電極 1 1および発光層 1 5 R
〜 1 5 B上に、 電子輸送層 1 7、 電子注入層 1 8、 第 2電極 1 9をこの 順に、 例えば、 真空蒸着法などにより形成する。 以上により、 表示装置 を製造することができる。
表示装置の製造方法の第 2の例では、 酸発生剤としては、 芳香族ジァ -ゥム塩、 o —キノンジアジド、 o —ナフ トキノンジアジドスルホン酸 クロライ ドなどを用いることができる。 また、 表示装置の製造方法の第 1の例で説明したものと同様の材料を、 適宜選択して用いることができ る。
表示装置の製造方法の第 2の例では、 多色塗分けの場合において、 透 明電極である第 1電極 1 1上に正孔輸送層 1 3を形成した後、 第 1色目 の赤色発光層 1 5 Rを全面に形成し、 その後、 紫外線を照射することで 所望の領域の酸分解反応を促進し、 現像処理を行うことでパターン化さ れた赤色発光層 1 5 Rを形成する。
その後、 該第 1色目の赤色発光層 1 5 R上に第 2色目の緑色発光層 1 5 Gを全面に形成する。 その後、 所望な位置に紫外線を照射することで、 第 2色目の緑色発光層 1 5 Gの酸分解反応を進行させることで、 照射領 域に対する溶媒の可溶化を達成することができる。 また同様の工程を繰 り返すことにより 3色目の青色発光層 1 5 Bを形成する。 以上により、 所謂 R G Bの三色のパターンを形成した後、 電子輸送層 1 7、 電子注入 層 1 8および第 2電極 1 9を形成することで発光層 1 5などの有機層に ダメージを与えることなく除去が可能であり、 高い発光特性の有機発光 ダイオードを形成することができる。 従って、 簡便な手法で平面型表示 装置が確実に形成することが可能となり、 高い特性の有機発光ダイォー ドの形成が可能となる。
さらに、 この発明の具体的な実施例について図面を参照して説明する。 ただし、 この発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例 1〉
実施例 1は、 特に、 発光材料のホスト材料としてラジカル重合反応性 を有するアクリルカルバゾール、 ゲス ト材料として I r系色素を用い、 ラジカル開始剤としてべンゾフエノンを用いて表示装置を製造した具体 例である。 以下、 第 6図〜第 7図を参照しながら、 実施例 1について説 明する。
第 6図に示すように、 ソーダライムガラス基板 1 1 0上に電圧一電流 を印加する可視領域に吸収の無い導電層として I TO層 1 1 1を定法の スパッタ法により 1 0 0 ηιιι形成した。 なお、 実施例 1では、 I TO層 1 1 1のパターン化は行わなかった。
さらに、 正孔輸送層 1 1 2を以下の条件で形成した。 なお、 後工程の 現像処理の際における耐溶剤性を確保するために、 製膜中に熱フィラメ ントから電子を放出させることで重合反応を促進させた。
(正孔輸送層 1 1 2形成条件)
原料 : アクリル変性 N, N, 一ビス (3—メチルフヱニル) 一 N, N ' ージフエ二ノレ一 [ 1 , 1 ' —ビフエ二ノレ] — 4 ' 4 ' —ジァミ ン
(a c r y l -T P D)
蒸着条件:蒸着温度/蒸着圧力 = 2 0 0°C/ 1 e - 5 t o r r
第 6図 Bに示すように、 正孔輸送層 1 1 2を形成した後に、 赤色発光 層 1 1 4 Rの前駆体となる前駆体層 1 1 3 Rを真空蒸着法により以下の 条件で形成した。 なお、 後工程の紫外線照射により重合反応を発生させ るラジカル開始剤としてのベンゾフエノンは、 ホス ト材料およぴゲス ト 材料と共に蒸着を行った。
(前駆体層 1 1 3 R形成条件)
原料 : ホス ト材料: カルバゾールァクリ レート
ゲス ト材料: トリス ( 1一フエ二ルイソキノ リン) イ リジ
ゥム (III)
開始剤材料:ベンゾフニノン
蒸着条件 :蒸着温度 Z蒸着圧力 = 2 0 0°CZl e— 5 t o r r
第 6図 Cに示すように、 前駆体層 1 1 3 Rを製膜した後、 前駆体層 1 1 3 Rの所望の領域において、 ラジカル開始剤を分解させ、 ラジカルを 発生させるためにマスクを用いて紫外線を照射した。 前駆体層 1 1 3 R のうち、 紫外線を照射した領域では、 ラジカル重合反応が進行し高分子 ィ匕される。
第 6図 Dに示すように、 非重合領域を有機溶媒で溶解除去することで、 パターン化された赤色発光層 1 1 4 Rを形成した。
第 6図 Eに示すように、 緑色発光層 1 1 4 Gの前駆体となる前駆体層 1 1 3 Gを以下の条件で形成した。 なお、 ラジカル開始剤としてべンゾ フエノンは、 ホスト材料およびゲスト材料と共に蒸着を行った。
(前駆体層 1 1 3 G形成条件)
原料 : ホス ト材料: カルバゾールァクリ レート
ゲス ト材料: トリス ( 2—フエ二ルビリジン) イリジウム
(III)
開始剤材料:ベンゾフエノン
蒸着条件 :蒸着温度/蒸着圧力 = 2 0 0°C/ 1 e - 5 t o r r
前駆体層 1 1 3 Gを製膜後、 前駆体層 1 1 3 Gの所望の領域において、 前駆体層 1 1 3 G中に含有するラジカル開始剤を分解させ、 ラジカルを 発生させるためにマスクを用いて紫外線を照射した。
更に、 第 6図 Fに示すように、 非重合領域を有機溶媒で溶解除去する ことで、 パターン化された緑色発光層 1 1 4 Gを形成した。
第 7図 Gに示すように、 さらに、 正孔輸送層 1 1 2、 赤色発光層 1 1
4 Rおよび緑色発光層 1 1 4 G上に、 青色発光層 1 1 4 Bの前駆体とな
る前駆体層を以下の条件で形成した後、 第 6図 C〜第 6図 Dと同様のェ 程を順次行い、 電子輸送層 1 1 5を以下の条件で所望の領域に形成した。
(青色発光層 1 1 4 Bの前駆体層形成条件)
原料 : ホス ト材料: カルパゾールァクリ レート
ゲス ト材料: ビス (3 , 5一ジフルォロ一 2— ( 2—ピリ ジィル) フエ二ルー ( 2—カルボキシピリジィル) イリジウム (III) 開始剤材料:ベンゾフヱノン
蒸着条件 :蒸着温度/蒸着圧力 = 1 8 0 °C/ 1 e— 5 t o r r
(電子輸送層 1 1 5形成条件)
原料 : キノ リノールアルミ錯体: (トリス (8—キノ リノレート) アルミニゥム (ΠΙ) (A 1 q 3 )
蒸着条件:蒸着温度 Z蒸着圧力 = 2 0 0°C/ l e - 5 t o r r
さらに、 第 7図 Hに示すように、 電子注入層 1 1 6および電極層 1 1 7を以下の条件で所望の領域に形成し、 表示装置を完成した。
(電子注入層形成条件)
原料 : L i F
蒸着条件:蒸着温度/蒸着圧力 = 3 0 0°0/ 1 e - 5 t o r r
(電極層形成条件)
原料 : A 1
蒸着条件 :蒸着温度 Z蒸着圧力 = 2 0 0°0/ 1 e - 5 t o r r
<実施例 2 >
実施例 2は、 特に、 発光材料のホス ト材料としてラジカル重合反応性 を有するァクリルカルバゾール、 ゲス ト材料として同様にラジカル重合 反応性を有する I r系色素を用い、 ラジカル開始剤としてメチルァミノ ベンゾフヱノンなどを用いて表示装置を作製した具体例である。
実施例 2では、 ラジカル重合反応性を有するゲス ト材料を用いること
で紫外線照射時に発生するラジカルによりゲスト材料にもラジカル重合 反応やホスト材料との共重合反応が進行することで、 後工程での薬剤に よる非重合領域除去工程でのゲスト材料の溶解および流出を効果的に抑 制することができると考えられる。 以下、 第 8図〜第 9図を参照しなが ら実施例 2について説明する。
第 8図に示すように、 ソーダライムガラス基板 2 1 0上に、 電圧ー電 流を印加する可視領域に吸収の無い導電層として I TO層 2 1 1を定法 のスパッタ法により 1 0 0 nm形成した。 なお、 実施例 2では、 I TO 層 2 1 1のパターン化は行わなかった。
さらに、 正孔輸送層 2 1 2を以下の条件で形成した。 なお、 後工程の 現像処理の際における耐溶剤性を確保するために、 製膜中に熱フィラメ ントから電子を放出させることで重合反応を促進させた。
(正孔輸送層 2 1 2形成条件)
原料 : N, N ' —ビス ( 3—メチノレフエ二ノレ) 一 N, N ' —ジフエ 二ルー [ 1 , 1 ' 一ビフエニル] — 4 , 4 ' ージァミン アク リル変性 (a c r y l -T P D)
蒸着条件:蒸着温度 Z蒸着圧力 = 2 0 0°CZl e— 5 t o r r
第 8図 Bに示すように、 正孔輸送層 2 1 2を形成した後に、 赤色発光 層 2 1 4 Rの前駆体となる前駆体層 2 1 3 Rを'真空蒸着法により、 以下 の条件で形成した。 なお、 ラジカル開始剤としてのメチルァミノべンゾ フエノンは、 ホス ト材料およびゲスト材料と共に蒸着した。
(前駆体層 2 1 3 R形成条件)
原料 : ホスト材料: カルバゾールァクリ レート
ゲス ト材料: アタ リル変性 ビス ( 1一フエュルイソキノ リ ン) (ァセチルァセ トネー ト) イ リ ジウム (III)
開始剤材料: メチルァミ ノベンゾフヱノン
蒸着条件 :蒸着温度 Z蒸着圧力 = 2 0 0°CZ 1 e— 5 t o r r 製膜後、 第 8図 Cに示すように、 前駆体層 2 1 3 Rを製膜した後、 前 駆体層 2 1 3 Rの所望の領域において、 前駆体層 2 1 3 R中に含有する ラジカル開始剤を分解させ、 ラジカルを発生させるためにマスクを用い て紫外線を照射した。 紫外線を照射した領域では、 ラジカル重合反応が 進行し高分子化される。
さらに、 第 8図 Dに示すように、 非重合領域を有機溶媒で溶解除去す ることで、 パターン化された赤色発光層 2 1 4 Rを形成した。
第 8図 Eに示すように、 緑色発光層 2 1 4 Gの前駆体となる前駆体層 2 1 3 Gを以下の条件で形成した。 なお、 ラジカル反応開始剤としてメ チルァミ ノベンゾフエノンは、 ホス ト材料およびゲス ト材料と共に蒸着 を行った。
(前駆体層 2 1 3 G形成条件)
原料 : ホス ト材料: カルバゾールァク リ レー ト
ゲス ト材料 : アク リル変性 ビス ( 2—フエニルピリジ ン) (4一ビニルフエ二ルビリ ジン) イ リ ジウム (III)
開始剤材料: メチルァミ ノベンゾフヱノン
蒸着条件 :蒸着温度ノ蒸着圧力 = 2 0 0°CZl e— 5 t o r r
前駆体層 2 1 3 Gを製膜後、 前駆体層 2 1 3 Gの所望の領域において、 前駆体層 2 1 3 G中に含有するラジカル開始剤を分解させ、 ラジカルを 発生させるために、 マスクを用いて紫外線を照射した。
さらに、 第 8図 Fに示すように、 非重合領域を有機溶媒で除去するこ とで、 パターン化された緑色発光層 2 1 4 Gを形成した。
第 9図 Gに示すように、 さらに、 正孔輸送層 2 1 2、 赤色発光層 2 1 4 Rおよび緑色発光層 2 1 4 G上に青色発光層 2 1 4 Bの前駆体となる 前駆体層を以下の条件で形成した後、 第 8図 C〜第 8図 Dと同様の工程
を順次行い、 パターン化された青色発光層 2 1 4 Bを形成した。 その後、 さらに、 電子輸送層 2 1 5を以下の条件で所望の領域に形成した。
(青色発光 2 1 4 Bの前駆体層形成条件)
原料 : ホスト材料: カルパゾールァクリ レート
ゲスト材料: ビス (4 8 , 6 8—ジフルオロフェニノレピリ ジネート) テ トラキス ( 1一ピラゾリル) ボレートイリジウム (III)
(F I r 6 )
開始剤材料:ベンゾフ ノン
蒸着条件 :蒸着温度 Z蒸着圧力 = 1 8 0°CZl e— 5 t o r r
(電子輸送層 2 1 5形成条件)
原料 : キノ リ ノールアルミ錯体; (トリス (8—キノ リノレート) アルミニウム (A l q 3)
蒸着条件:蒸着温度 Z蒸着圧力 = 2 0 0°C/ l e— 5 t o r r
更に、 第 9図 Hに示すように、 電子注入層 2 1 6および上部電極とな る電極層 2 1 7を以下の条件で所望の領域に形成し、 表示装置を完成し た。
(電子注入層 2 1 6形成条件) .
原料 : L i F
蒸着条件:蒸着温度ノ蒸着圧力 3 0 0 °C/ 1 e - 5 t o r r
(電極層 2 1 7形成条件)
原料 : A 1
蒸着条件:蒸着温度ノ蒸着圧力 = 2 0 0°C/ 1 e - 5 t o r r
<実施例 3 >
実施例 3は、 特に、 発光材料のホス ト材料としてラジカル重合反応性 を有するアクリルカルバゾール、 ゲス ト材料として同様にラジカル重合 反応性を有する I r系色素を用い、 ラジカル開始剤としてジメチルアミ
ノベンゾフエノンなどを用いた具体例である。
実施例 3では、 ラジカル重合反応性を有するゲスト材料を用いること で、 紫外線照射時に発生するラジカルによりゲスト材料にもラジカル重 合反応やホスト材料との共重合反応が進行することで、 後工程での非重 合領域除去工程において、 ゲス ト材料の溶解および流出を効果的に抑制 することができると考えられる。
また、 実施例 3は、 非重合領域を加熱により除去することで、 非重合 領域除去工程で薬剤を用いた実施例 2に比べて、 各発光層へのダメージ を最少になるように対策した具体例である。 以下、 第 1 0図〜第 1 1図 を参照しながら実施例 3について説明する。
第 1 0図に示すように、 ソーダライムガラス基板 3 1 0上に、 電圧一 電流を印加する可視領域に吸収の無い導電層として I TO層 3 1 1を定 法のスパッタ法により 1 00 nm形成した。 なお、 実施例 3では、 I T O層 3 1 1のパターン化は行わなかった。
さらに、 正孔輸送層 3 1 2を以下の条件で形成した。 なお、 後工程の 現像処理における耐溶剤性を確保するために、 製膜中に熱フィラメント から電子を放出させることで重合反応を促進させた。
ぐ正孔輸送層 3 1 2形成条件〉
原料 : N, N ' 一ビス (3—メチルフエニル) 一N, N ' —ジフエ 二ルー [1 , 1, 一ビフエニル] 一 4, 4, ージァミン アクリル変性 (a c r y l -TPD)
蒸着条件:蒸着温度 蒸着圧力 = 200°CZ l e— 5 t o r r
第 1 0図 Bに示すように、 正孔輸送層 3 1 2を形成した後に、 赤色発 光層 3 1 4 Rの前駆体となる前駆体層 3 1 3 Rを真空蒸着法により以下 の条件で形成した。 なお、 後工程の紫外線照射により重合反応を発生さ せるラジカル開始剤としてのメチルァミノベンゾフエノンは、 ホスト材
料およびゲスト材料と共に蒸着を行った。
く前駆体層 3 1 4 R形成条件 >
原料 : ホス ト材料: カルバゾールァクリ レート
ゲス ト材料: アクリル変性 ビス ( 1―フエ二ルイソキノ リン) (ァセチルァセトネート) イリジウム (ΠΙ)
開始剤材料: メチルァミノベンゾフヱノン
蒸着条件 :蒸着温度/蒸着圧力 = 2 0 0°CZ 1 e— 5 t o r r 第 1 0図 Cに示すように、 前駆体層 3 1 3 Rを製膜した後、 前駆体層 3 1 3 Rの所望の領域において、 前駆体層 3 1 3 R中に含有する開始剤 を分解させ、 ラジカルを発生させるためにマスクを用いて紫外線を照射 した。 前駆体層 3 1 3 Rのうち、 紫外線を照射した領域では、 ラジカル 重合反応が進行し高分子化される。
第 1 0図 Dに示すように、 以下の条件で基板 3 1 0を加熱することに よって、 非重合領域を除去することで、 パターン化された赤色発光層 3 1 4 Rを形成した。
(加熱条件)
加熱温度 Z圧力 = 2 0 0 °C/ l e - 5 t o r r
第 1 0図 Eに示すように、 緑色発光層 3 1 4 Gの前駆体となる前駆体 層 3 1 3 Gを真空蒸着法により以下の条件で形成した。 なお、 ラジカル 開始剤としてジメチルァミノべンゾフエノンは、 ホスト材料およぴゲス ト材料と共に蒸着を行った。
(前駆体層 3 1 3 G形成条件)
原料 : ホスト材料: カルバゾ一ルァクリ レート
ゲス ト材料 : アタ リル変性 ビス ( 2—フヱニルピリ ジ ン) (ァセチルァセトネート) イリジウム (II)
開始剤材料: ジメチルァミノベンゾフヱノン
蒸着条件 :蒸着温度/蒸着圧力 = 2 0 0 °C/ 1 e - 5 t o r r 前駆体層 3 1 3 Gを製膜後、 前駆体層 3 1 3 Gの所望の領域において、 前駆体層 3 1 3 G中に含有するラジカル開始剤を分解させ、 ラジカルを 発生させるためにマスクを用いて紫外線を照射した。
更に、 第 1 0図 Fに示すように、 以下の条件で基板 3 1 0を加熱する ことにより非重合領域を除去することで、 パターン化された緑色発光層 3 1 3 Gを形成した。
(加熱条件)
加熱温度 圧力 = 2 0 0 °C/ l e - 5 t o r r
第 1 1図 Gに示すように、 さらに、 正孔輸送層 3 1 2、 赤色発光層 3
1 4 Rおよび緑色発光層 3 1 4 G上に、 青色発光層 3 1 4 Bの前駆体と なる前駆体層を以下の条件で形成した後、 第 1 0図 C〜第 1 0図 Dと同 様の工程を順次行い、 パターン化された青色発光層 3 1 4 Bを形成した。 その後、 電子輸送層 3 1 5を以下の条件で所望の領域に形成した。
(青色発光層 3 1 4 Bの前駆体層形成条件)
原料 : ホス ト材料: カルバゾールァクリ レート
ゲス ト材料: アタリル酸変性 ビス (4 8 , 6 8 -ジフル オロフェニルピリジネート) テトラキス ( 1 —ピラゾリル) ボレートイ リジゥム (III) (F I r 6 )
開始剤材料: ジメチルァミノベンゾフヱノン
蒸着条件 :蒸着温度/蒸着圧力 = 1 9 0°C/ l e— 5 t o r r
(電子輸送層 3 1 5形成条件)
原料 : キノ リノールアルミ錯体; (トリス (8—キノリノ レート) アルミニゥム (III) (A 1 q 3 )
蒸着条件:蒸着温度/蒸着圧力 = 2 0 0°CZl e— 5 t o r r
更に、 第 1 1図 Hに示すように、 電子注入層 3 1 6および上部電極と
なる電極層 3 1 7を真空蒸着法により、 以下の条件で所望の領域に形成 し、 表示装置を完成した。
(電子注入層 3 1 6形成条件)
原料 : L i F
蒸着条件:蒸着温度 Z蒸着圧力 = 30 0°C/l e— 5 t o r r
(電極層 3 1 7形成条件)
原料 : A 1
蒸着条件:蒸着温度 Z蒸着圧力 = 3 00°C/1 e - 5 t o r r
ぐ実施例 4 >
実施例 4は、 特に、 発光材料のホス ト材料としてラジカル反応性を付 与したアクリルカルパゾール、 ゲスト材料として蛍光性色素を用い、 ラ ジカル開始剤としてベンゾフヱノ ンを用いた具体例である。 以下、 第 1 2図〜第 1 3図を参照しながら、 実施例 4について説明する。
第 1 2図に示すように、 ソーダライムガラス基板 4 1 0上に電圧ー電 流を印加する可視領域に吸収の無い導電層として I T〇層 4 1 1を定法 のスパッタ法により 1 0 0 n m形成した。 なお、 実施例 4では、 I TO 層 4 1 1をフォトリソグラフィ一法によりパターン加工を行った。
さらに、 正孔輸送層 4 1 2を真空蒸着法により以下の条件で形成した。 後工程の現像処理における耐溶剤性を確保するために、 製膜中に熱フィ ラメン トから電子を放出させることで重合反応を促進させた。
(正孔輸送層 4 1 2形成条件)
原料 : N, N, 一ビス (3—メチルフエニル) 一 N, N' —ジフエ 二ルー [ 1 , 1, ービフエニル] —4, 4 ' ージァミ ン アク リル変性 (a c r y l -TPD)
蒸着条件:蒸着温度 蒸着圧力 = 20 0°C/ l e— 5 t o r r
第 1 2図 Bに示すように、 正孔輸送層 4 1 2を形成した後に、 赤色発
光層 4 1 4 Rの前駆体となる前駆体層 4 1 3 Rを真空蒸着法により、 以 下の条件で形成した。 なお、 ラジカル開始剤としてのベンゾフエノンは、 ホスト材料およぴゲスト材料と共に蒸着を行った。
(前駆体層 4 1 3 R形成条件)
原料 : ホス ト材料: カルバゾールァク リ レー ト
ゲス ト材料: ( 4 - (ジーシァノーメチレン) 一 2—メチ ルー 6— ( p —ジメチルーアミ ノースチリル) 一 4 H—ピラン) ( D C M)
開始剤材料:ベンゾフヱノン
蒸着条件 :蒸着温度 Z蒸着圧力 = 2 0 0 °C / 1 e— 5 t o r r
第 1 2図 Cに示すように、 前駆体層 4 1 3 Rを製膜した後、 前駆体層 4 1 3 Rの所望の領域において、 ラジカル開始剤を分解させ、 ラジカル を発生させるためにマスクを用いて紫外線を照射した。 前駆体層 4 1 3 Rのうち、 紫外線を照射した領域では、 ラジカル重合反応が進行し高分 子化される。
第 1 2図 Dに示すように、 非重合領域を有機溶媒で溶解除去すること で、 パターン化された赤色発光層 4 1 4 Rを形成した。
第 1 2図 Eに示すように、 緑色発光層 4 1 4 Gの前駆体となる前駆体 層 4 1 3 Gを以下の条件で形成した。 なお、 ラジカル開始剤としてのベ ンゾフヱノンは、 ホスト材料およびゲス ト材料と共に蒸着を行った。 (前駆体層 4 1 3 G形成条件)
原料 : ホス ト材料: カルバゾールァク リ レート
ゲス ト材料: キナク リ ドン
開始剤材料:ベンゾフエノン
蒸着条件 :蒸着温度/蒸着圧力 = 2 0 0 °C / 1 e - 5 t 0 r r
前駆体層 4 1 3 Gを製膜後、 前駆体層 4 1 3 Gの所望の領域において、
前駆体層 4 1 3 G中に含有するラジカル開始剤を分解させ、 ラジカルを 発生させるためにマスクを用いて紫外線を照射した。
さらに、 第 1 2図 Fに示すように、 非重合領域を有機溶媒で溶解除去 することで、 パターン化された緑色発光層 4 1 4 Gを形成した。
第 1 3図 Gに示すように、 さらに、 正孔輸送層 4 1 2、 赤色発光層 4 1 4 Rおよび緑色発光層 4 1 4 G上、 青色発光層 4 1 4 Bの前駆体とな る前駆体層を以下の条件で形成した後、 電子輸送層 4 1 5を以下の条件 で所望の領域に形成した。
(青色発光層 4 1 4 Bの前駆体層形成条件)
原料 : ホス ト材料: カルバゾールァクリ レート
ゲスト材料:ペリ レン
開始剤材料:ベンゾフエノン
蒸着条件 :蒸着温度 Z蒸着圧力 = 2 0 0°C/1 e - 5 t o r r
(電子輸送層 4 1 5形成条件)
原料 : キノ リ ノールアルミ錯体; ト リス ( 8—キノ リ ノ レー ト) アルミニゥム (HI) (A 1 q 3 )
蒸着条件:蒸着温度 Z蒸着圧力 = 2 0 0°C/ l e— 5 t o r r
さらに、 第 1 3図 Hに示すように、 電子注入層 4 1 6および上部電極 となる電極層 4 1 7を以下の条件で所望の領域に形成し、 表示装置を完 成した。
(電子注入層 4 1 6形成条件)
原料 : L i F
蒸着条件:蒸着温度 Z蒸着圧力 = 3 0 0°C/1 e - 5 t o r r
(電極層 4 1 7形成条件)
原料 : A 1
蒸着条件:蒸着温度/蒸着圧力 = 2 0 0°CZl e — 5 t o r r
<実施例 5 >
実施例 5は、 特に、 発光材料のホス ト材料としてラジカル重合反応性 を有するアク リルカルバゾール、 ゲスト材料として I r系色素を用い、 酸発生剤としては、 ό _キノンジアジドを用いて、 表示装置を製造した 具体例である。 以下、 第 1 4図〜第 1 5図を参照しながら実施例 5につ いて説明する。
第 1 4図に示すように、 ソーダライムガラス基板 5 1 0上に電圧ー電 流を印加する可視領域に吸収の無い導電層として I TO層 5 1 1をスパ ッタ法により 1 0 0 nm形成した。 なお、 実施例 5では、 I T〇層 5 1 1のパターン化は行わなかった。
さらに、 正孔輸送層 5 1 2を真空蒸着法により、 以下の条件で形成し た。 後工程における現像処理における耐溶剤性を確保するために、 製膜 中に熱フイラメントから電子を放出させることで重合反応を促進させた。 (正孔輸送層 5 1 2形成条件)
原料 : Ν, Ν, 一ビス ( 3—メチノレフエ-/レ) 一Ν, Ν ' —ジフエ 二ルー [ 1 , 1, 一ビフエニル] — 4, 4 ' ージァミン アク リル変性
(a c r y l -T PD)
蒸着条件:蒸着温度/蒸着圧力 = 2 0 0°C/ 1 e - 5 t o r r
第 1 4図 Bに示すように、 正孔輸送層 5 1 2を形成した後に、 赤色発 光層 5 1 4 Rを真空蒸着法により以下の条件で形成した。 なお、 電子線 を照射し、 発光材料を高分子化した。 また、 後工程の紫外線照射により 酸を発生させる酸発生剤としての o—キノンジアジドは、 ホスト材料お よびゲスト材料と共に蒸着を行った。
(赤色発光層 5 1 4 R形成条件)
原料 : ホス ト材料: カルバゾールァク リ レー ト
ゲスト材料: トリス ( 1一フエニルイソキノリン) イリジゥ
ム (III)
酸発生剤 : o—キノンジアジド
蒸着条件:蒸着温度 Z蒸着圧力 = 2 0 0°C/ l e - 5 t o r r
第 1 4図 Cに示すように、 赤色発光層 5 1 4 Rを製膜した後、 赤色発 光層 5 1 4 Rの所望の領域において、 酸発生剤を分解させ、 酸を発生さ せるためにマスクを用いて紫外線を照射した。 赤色発光層 5 1 4 Rのう ち、 紫外線が照射された領域では、 分解反応が進行し、 低分子化される。 第 1 4図 Dに示すように、 光分解領域 5 1 3 Rを有機溶媒で溶解除去 することで、 パターン化された赤色発光層 5 1 4 Rを形成した。
第 1 4図 Eに示すように、 緑色発光層 5 1 4 Gを、 真空蒸着法により 以下の条件で形成した。 なお、 電子線を照射し、 発光材料を高分子化し た。 また、 酸発生剤 o—キノンジアジドは、 ホス ト材料おょぴゲス ト材 料と共に蒸着を行った。
(緑色発光層 5 1 4 G形成条件)
原料 : ホス ト材料: 力ルバゾールアタリ レート
ゲス ト材料: ト リ ス ( 2—フヱニルビリ ジン) イ リ ジウム
(III)
酸発生剤: o—キノンジアジド
蒸着条件:蒸着温度 Z蒸着圧力 = 2 0 0°CZl e— 5 t o r r
緑色発光層 5 1 4 Gを製膜した後、 緑色発光層 5 1 4 Gの所望の領域 において、 酸発生剤を分解させ、 酸を発生させるためにマスクを用いて 紫外線を照射した。
更に、 第 1 4図 Fに示すように、 光分解領域 5 1 3 Rを有機溶媒で溶 解除去することで、 パターン化された緑色発光層 5 1 4 Gを形成した。 第 1 5図 Gに示すように、 さらに、 正孔輸送層 5 1 2、 赤色発光層 5
1 4 Rおよび緑色発光層 5 1 4 G上に、 青色発光層 5 1 4 Bを以下の条
件で形成した後、 第 14図 C〜第 1 4図 Dと同様の工程を順次行い、 パ ターン化された青色発光層 5 14 Bを形成した。 その後、 さらに電子輸 送層 5 1 5を以下の条件で所望の領域に形成した。
(青色発光層 5 1 4 B形成条件)
原料 : ホス ト材料: カルバゾールァクリ レート
ゲス ト材料: ビス ( 3 , 5—ジフルォロ一 2— ( 2—ピリジ ィル) フエ-ルー ( 2—カルボキシピリジィル) イ リジウム (III) 酸発生剤 : o—キノンジアジド
蒸着条件:蒸着温度/蒸着圧力 = 1 80°CZl e— 5 t o r r
(電子輸送層 5 1 5形成条件)
原料: キノ リ ノールアルミ錯体; (トリス (8—キノ リ ノ レート) アル ミニゥム (III) (A 1 q 3 )
蒸着条件 蒸着温度/蒸着圧力 = 200°C/1 e - 5 t o r r
更に、 第 1 5図 Hに示すように、 電子注入層 5 1 6および上部電極と なる電極層 5 1 7を以下の条件で所望の領域に形成し、 表示装置を完成 した。
(電子注入層 5 1 6形成条件) .
原料: L i F
蒸着条件:蒸着温度/蒸着圧力 = 300 °C/ 1 e - 5 t o r r
(電極層 5 1 7形成条件)
原料: A 1
蒸着条件:蒸着温度/蒸着圧力 = 200°C/ l e— 5 t o r r
以上この発明の実施形態および実施例について説明したが、 この発明 は、 上述したこの発明の実施形態おょぴ実施例に限定されるものでは無 く、 この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能であ る。
例えば、 発光層の発光色は、 赤色、 青色、 緑色に限定されるものでは ない。 また、 異なる 3色の発光層を形成する表示装置の製造方法につい て、 説明したが、 1色または 2色の発光層や、 4色以上の発光層を有す る表示装置の製造方法にも適用可能である。
また、 例えば、 上述の実施形態および実施例で挙げた数値、 構造、 材 料などは、 あくまで例に過ぎず、 必要に応じて、 これと異なる数値、 構 造、 材料などを用いてもよい。
この発明によると、 簡便な手法により、 高発光効率および優れた動画 特性を得ることができる。