2— (4—メ トキシカルボニルメチルフエノキシメチル) 安息香酸メチル及び その製造方法 技術分野
本発明は、 2— (4—メ トキシカルボニルメチルフエノキシメチル) 安息香 酸メチル及びその製造方法に関する。
明 背景技術
書
抗アレルギー薬として有用な医薬品であるォロパタジンの製造方法として、 ジベンゾォキセピン酢酸からォロパタジンを製造する次のスキームで示される 反応工程が、 特開平 6— 9 6 0 9号公報に開示されている。
ジベンゾォキセピン酢酸は、 フタリ ドまたは 2—メチル安息香酸から製造さ れる 2 _ ( 4—メ トキシカルボニルメチルフヱノキシメチル) 安息香酸または そのェチルエステルを閉環反応に付すことにより製造され、 例えば、 特開平 6
- 9 6 0 9号公報及び米国特許第 4 0 8 2 8 5 0号明細書にその製造方法が開 示されている。
特開平 6— 9 6 0 9号公報に記載されている 2— ( 4—カルボキシメチルフ エノキシメチル) 安息香酸のエステルの製法は、 次のスキームで示される方法 であり、 4—ヒドロキシフヱニル酢酸メチルに対して 1 . 6 2倍モル量のフタ リ ドを使用し、 さらに 1 5 0 °Cという高い温度で 6時間反応させるものである。
しかしながら、 この方法では、 2 _ ( 4—カルボキシメチルフエノキシメチ ル) 安息香酸の収率が必ずしも十分ではなく、 フタリ ドを過剰に使用すること になるので経済的な方法ではない。 また、 1 5 0 °Cという高温が必要なため、 工業的生産を考えた場合に熱源として蒸気ラインを利用することが難しく不利 である。
一方、 米国特許第 4 0 8 2 8 5 0号明細書に記載されている 2— ( 4—エト キシカルボニルメチルフエノキシメチル) 安息香酸ェチルの製法は、 次のスキ ームで示される方法であり、 2—メチル安息香酸ェチルを四塩化炭素中で、 過 酸化ベンゾィルを触媒として N—ブロムスクシンイミ ドにより臭素化し、 得ら れる 2—ブロムメチル安息香酸ェチルと 4—ヒ ドロキシフエニル酢酸ェチルの ナトリウム塩とを 1 6時間反応させ、 さらに加水分解する方法である。
しかしながら、 この方法においても、 使用する溶媒、 過酸化物、 高価なハロ ゲン化剤などが工業的実施における制約となり、 問題が多い。 発明の開示
本発明は、 医薬品の中間体として有用な 2— ( 4—メ トキシカルボ二ルメチ ルフヱノキシメチル) 安息香酸ェチル、 その製造方法及びその用途としてのジ ベンゾォキセピン酢酸の製造方法を提供する。
即ち、 本発明は、
[ 1 ] 式 (1 )
(1)
で表される 2— (4ーメ トキシカルボエルメチルフエノキシメチル) 安息香酸 メチル、
で表される 2—クロルメチル安息香酸メチルと式 (3) HO-^ ^-CH
2C0
2CH
3 (3) で表される 4—ヒドロキシフヱニル酢酸メチル又はその塩とを反応させる式 (1)
で表される 2— (4—メ トキシカルボニルメチルフエノキシメチル) 安息香酸 メチルの製造方法、
[3] 以下の工程 1〜3を包含する 2— (4—メ トキシカルボニルメチルフエ ノキシメチル) 安息香酸メチルの製造方法:
[工程 1]フタリ ドと塩ィヒチォニルとを反応させて 2—クロルメチルベンゾィル クロリ ドを製造する工程、
[工程 2] 2—クロルメチルベンゾイルク口リ ドとメタノールとを反応させて式 (2)
で表される 2—クロルメチル安息香酸メチルを製造する工程、
[工程 3 ] 2—クロルメチル安息香酸メチルと式 ( 3 )
HO ^-CH
2C0
2CH
3 (3) で表される 4—ヒ ドロキシフヱニル酢酸メチルとを反応させて式 (1)
で表される 2— (4—メ トキシカルボニルメチルフエノキシメチル) 安息香酸 メチルを製造する工程、 及び '
[4] 2_ (4—メ トキシカルボニルメチルフエノキシメチル) 安息香酸メチ ルを加水分解して、 式 (4)
で表される 2— (4—カルボキシメチルフエノキシメチル)安息香酸を製造し、 次いでこれを環化反応させる式 (5)
で表されるジべンゾォキセピン酢酸の製造方法に関する。 本発明によれば、 効率的に、 かつ工業的規模で安価に 2— (4一カルボキシ メチルフエノキシメチル) 安息香酸を製造できるので、 ジベンゾォキセピン酢 酸の製造上有利である。 また、 本発明の製造方法においては、 140°C未満の 温度で一連の反応を行うことができるので、 蒸気加熱を利用しゃすく省エネル ギ一に有利である。
で表される 2—クロルメチル安息香酸メチルと式 (3) HO-^ CH
2C0
2CH
3 (3) で表される 4ーヒ ドロキシフエニル酢酸メチル又はその塩とを反応させること により、 式 (1)
で表される 2— ( 4—メ トキシカルボニルメチルフヱノキシメチル) 安息香酸 メチルを製造する。 · 式 (1 ) で表される 2—クロルメチル安息香酸メチルは、 例えば以下で説明 する工程 1および工程 2により製造することができる。
[工程 1 ]フタリ ドと塩ィ匕チォニルとを反応させて 2 _クロルメチルベンゾィ ルクロリ ドを製造する工程
本工程は、 米国特許第 6 2 2 2 0 6 0号明細書の記載にしたがって行われ、 通常溶媒中で行われる。 例えば、 フタリ ドを適当な溶媒に溶解して得られる溶 液に、 塩化チォニルを加熱下に添加することにより、 フタリ ドと塩ィ匕チォニル とを反応させることができる。 溶媒としては、 キシレン、 トルエン等の芳香族 炭化水素、 クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素などが挙げられ、 キシレン が好ましい。また、 B F 3 _エーテル錯体等の酸触媒を使用することが好ましい。 溶媒を用いる場合、 その使用量は、 フタリ ドの 1 0 0重量部に対して 1 0 0 〜 1 0 0 0重量部の割合が好ましい。 溶液中には、 反応を促進するために四級 アンモニゥム塩 (例えばべンジルトリェチルアンモニゥムクロリ ド、 ベンジル トリメチルアンモニゥムクロリ ド、 テトラプチルアンモニゥムブロミ ド等) を 含有させることが好ましい。 その含有量はフタリ ドの 1モルに対して 0 . 0 1 〜0 . 2モル程度の割合が好ましい。
また、 触媒を用いる場合、 その使用量は、 フタリ ドの 1モルに対して 0 . 0 1〜0 . 2モル程度の割合が好ましい。
塩化チォニルの使用量は、 フタリ ドの 1モルに対して 1〜 2モル程度の割合 が好ましい。 塩化チォニルの添加時のフタリ ド又はその溶液の温度は、 8 0〜 1 3 0 °Cが好ましい。 また、 塩化チォニルの 1モルにつき 0 . 5〜2時間程度 の時間をかけて、 塩化チォニルを滴下することが好ましい。 塩化チォ-ルの滴 下終了後は、 反応をより確実に行うために、 1 2 0〜1 3 5 °C程度の温度で 1 〜 5時間程度攪拌することが好ましい。
反応終了後には、 過剰の塩ィヒチォ-ルと溶媒を除去するが、 その方法として は、 常圧で塩化チォニルを留去した後に、 必要により減圧下で溶媒を留去する のが好ましい。 このようにして、 2 _クロルメチルベンゾイルクロリ ドが残渣 として得られる。
[工程 2 ] 2—クロルメチルベンゾイルクロリ ドとメタノールとを反応させて 式 (2 )
で表される 2—クロルメチル安息香酸メチルを製造する工程
この工程では、 工程 1で得られた 2—クロルメチルベンゾイルクロリ ドをそ のまま精製することなくメタノールとの反応に使用することができる。
その方法としては、 例えば、 2 _クロルメチルベンゾイルクロリ ドの 1モル にっき 0 . 5〜 2時間程度の時間をかけて、 メタノールを滴下することが好ま しレ、。 メタノールを 2—クロルメチルベンゾイルク口リ ドに滴下した後、 3 0 〜 6 0 °Cで 0 . 5〜 1時間程度攪拌する。 メタノールを適当な溶媒で希釈して 滴下することもできる。 また、 メタノールと適当な溶媒の混合液に 2—クロル メチルベンゾイルクロリ ドを滴下してもよレ、。 溶媒としては、 トルエン、 キシ レン等の芳香族炭化水素、 クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素などが挙げ られ、 トルエンが好ましい。 メタノールの使用量は、 2 _クロルメチルベンゾ イルクロリ ドの 1モルに対して 1〜 3モル程度の割合が好ましい。
反応液には、 反応により生じた塩ィヒ水素が含まれることになるので、 アル力 リで中和することが好ましい。 例えば、 所定量の炭酸カリウム水溶液に上記反 応液を 0〜5 0 °Cで滴下すればよい。 中和後は、 約 1 5〜3 5重量%の食塩水 で ¾浄した後、 有機層を減圧下で濃縮することにより、 式 (2 ) で表される 2 —クロルメチル安息香酸メチルを残渣として得ることができる。
上記のようにして得られた 2 _クロルメチル安息香酸メチルを用いて、 次に 説明する工程 3を行うことにより、 式 (1 ) で表される 2 _ ( 4—メ トキシカ ルポニルメチルフエノキシメチル) 安息香酸メチルを製造することができる。
[工程 3 ] 2—クロルメチル安息香酸メチルと式 (3 )
HO— CH
2C0
2CH
3 (3) で表される 4—ヒ ドロキシフヱニル酢酸メチル又はその塩とを反応させ、 式 ( 1 )
で表される 2 _ ( 4—メ トキシカルボニルメチルフエノキシメチル) 安息香酸 メチルを製造する工程
この工程では、 工程 1で得られた 2 _クロルメチル安息香酸メチルをそのま ま精製することなく次の反応に使用することができる。 一方、 4ーヒドロキシ フエニル酢酸メチルは、 4ーヒ ドロキンフヱニル酢酸に、 硫酸、 塩酸、 リン酸 等の酸触媒の存在下でメタノールを反応させて得ることができる。
本工程は、 通常塩基の存在下に溶媒中で、 5 0〜1 2 0 °C程度の加熱条件下 にて行われる。 使用される塩基としては、 例えば炭酸力リゥム、 炭酸ナトリウ ム等のアル力リ金属炭酸塩、 水酸化力リウム、 水酸化ナトリゥム等のアル力リ 金属水酸化物などが挙げられ、 溶媒としては、 ジメチルァセトアミ ド等の酸ァ ミ ド、 トルエン等の芳香族炭化水素、 クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素 などが挙げられる。
具体的には、 例えば、 2—クロルメチル安息香酸メチル、 炭酸カリウム及び 溶媒 (例えば、 ジメチルァセトアミ ド) を混合し、 5 0〜1 2 0 °Cに加熱した 溶液に、 4ーヒ ドロキシフヱニル酢酸メチルを添加、 同温度で 1〜 1 2時間程 度攪拌することにより行うことができる。 炭酸カリウムは、 通常 2—クロルメ チル安息香酸メチルの 1モルに対して 0 . 5〜 1 . 5モル程度の割合で使用さ れ、 溶媒は、 通常 4—ヒ ドロキシフエニル酢酸メチルの 1 0 0重量部に対して 1 0 0〜5 0 0重量部程度の割合で使用される。 4ーヒ ドロキシフヱニル酢酸 メチルは 2 _クロルメチル安息香酸メチルとほぼ等しいモル数、 例えば 4—ヒ ドロキシフエニル酢酸メチル 1モルに対して 0 . 9 5〜1 . 0 5モルの割合で 使用され、 例えば 0 . 5〜2時間程度かけて上記加熱溶液に滴下される。 尚、 4ーヒ ドロキシフヱニル酢酸メチルは予め、 炭酸カリウム、 炭酸ナトリウム等
のアル力リ金属炭酸塩、 水酸化力リウム、 水酸化ナトリゥム等のアル力リ金属 水酸化物などの塩基と反応させて、 カリウム塩、 ナトリウム塩等に導き、 2 _ クロルメチル安息香酸メチルと 4ーヒ ドロキシフヱエル酢酸メチルの塩とを反 応させることもできる。
上記の反応後は、 通常の方法により目的物を分離すればよい。 例えば反応液 を水に注入し、 有機溶媒 (例えばトルエン) を加えて有機層を分取した後、 さ らに水で洗浄、 有機溶媒を留去することにより、 目的とする式 (1 ) で表され る 2 _ ( 4—メ トキシカルボニルメチルフエノキシメチル) 安息香酸メチルが 得られる。
また、 この 2— ( 4— トキシカルボニルメチルフエノキシメチル) 安息香 酸メチルを加水分解することにより、 式 (4 )
で表される 2— ( 4—カルボキシメチルフエノキシメチル) 安息香酸を製造す ることができ、 次いでこれを環化することにより、 式 (5 )
で表されるジべンゾォキセピン酢酸を製造することができる。
2 - ( 4—メ トキシカルボニルメチルフエノキシメチル) 安息香酸メチルの 加水分解は、 エステルの酸又は塩基による通常の加水分解法にしたがって行え ばよい。
例えば、 2— ( 4—メ トキシカルボニルメチルフエノキシメチル) 安息香酸 メチルをメタノール、 エタノール等のアルコール溶媒に溶解し、 水酸化力リウ ム、 水酸化ナトリウム等の塩基性水溶液、 又は塩酸、 硫酸等の酸性水溶液で処 理する。 使用される塩基又は酸は、 2— ( 4—メ トキシカルボニルメチルフエ ノキシメチル) 安息香酸メチル 1モルに対し、 通常 1モル〜大過剰量、 好まし くは 1モル〜 5モル程度の割合である。 反応温度は通常 2 0〜 8 0 °C程度であ る。
また、 2— (4—カルボキシメチルフエノキシメチル) 安息香酸の環化反応 は、 通常の脱水縮合反応の条件下で行えばよい。
例えば、 2— ( 4 _カルボキシメチルフエノキシメチル) 安息香酸と無水ト リフルォロ酢酸、 ポリリン酸、 五酸ィヒリン等の脱水剤とを反応させることによ り、 環化反応を行うことができる。 無水トリフルォロ酢酸を使用する場合、 通 常クロルべンゼン等のハロゲン化炭化水素などの溶媒が使用され、 B F 3—エー テル錯体等の触媒を使用することが好ましい。反応温度は、通常一 20〜50°C 程度である。 実施例
以下に実施例で本発明をさらに具体的に説明するが、 本発明は以下の実施例 に限定されるものではない。
実施例 1 : 2—クロルメチル安息香酸メチルの製造を経由した 2— (4—メ ト キシカルボニルメチルフエノキシメチル) 安息香酸メチルの製造
[工程 1 ]
1 L容の四つ口フラスコに、キシレン 64 3m l、フタリ ド 1 34. 1 g (1. 0モル) 、 ベンジルトリェチルアンモニゥムクロリ ド 1 8. 2 g (0. 08モ ル) 及び BF3_エーテル錯体 9. 9 g (0. 0 7モル) を加え、 1 00°Cにカロ 熱した。 次いで、 塩ィ匕チォニル 1 42. 8 g (1. 2モル) を 1時間かけて滴 下し、 さらに 1 25〜 1 32 °Cで 2時間攪拌した。 常圧で内温が 1 35 °Cにな るまでキシレンと過剰の塩化チォニル (約 35 Om l ) を留去し、 さらに減圧 下にキシレン (約 35 Om l ) を留去した。
[工程 2]
工程 1で得られた濃縮残渣にメタノール 80. 1 g (2. 5モル) を 1時間 かけて滴下した。 この間、 水浴で冷却して内温を 60°C以下に保った。 その後 50でで 1時間攪拌を行い、 25 °Cまで冷却した。
次に、 この反応液にトルエン 30 Om 1を加えた液を、 炭酸カリウム 70. 0 g (0. 5 1モル) を水 30 Om 1に溶解した溶液に 30分間かけて滴下し た。 分取したトルエン層を 30%食塩水 1 30 gで洗浄後、 減圧下に濃縮して
2—クロロメチル安息香酸メチル 1 89. 2 gを得た。 見かけ収率は 1 02. 5%であった。
MS (m/z) 1 84 (M+)
[工程 3]
50 Om 1容の四つ口フラスコに、 4—ヒ ドロキシフエニル酢酸 30. 4 g (0. 20モル) とメタノール 30 Om 1を仕込み、 硫酸 0. 1 gを加え加熱 還流下で 1時間撹拌した後、減圧下で大部分のメタノールを留去した。次いで、 メタノール 1 00m lを加え再度、 メタノールを留去して 4ーヒ ドロキシフエ ニル酢酸メチルを得た。
上記の工程 2で得た 2—クロロメチル安息香酸メチル 38. 8 g ( 0. 2 1 モル) 、 炭酸カリウム 30. 4 g (0. 22モル) 及びジメチルァセトアミ ド
1 0 Om 1を 1 L容の四つ口フラスコに仕込み、 90°Cまで加熱した。
この溶液に、 上記で得られた 4—ヒドロキシフヱニル酢酸メチルの全量を 1 時間かけて滴下し、 その後 90°Cで 7時間撹拌を行った。 反応液を水 400m 1に注入し、 次いでトルエン 20 Om 1を加え、 トルエン層を分取した。 得ら れたトルエン層を水 20 Om 1で洗浄の後、 トルエンを留去し、 2— (4—メ トキシカルボニルメチルフエノキシメチル) 安息香酸メチル 64. 3 g (0.
2045モル) を得た。 見かけ収率は 1 02. 2%であった。
JH NMR (400MH z, CDC 1 3)
δ 3. 5 7 ( s , 2H) , 3. 68 ( s , 3 Η) , 3. 90 ( s , 3 Η) ,
5. 49 (s , 2Η) , 6. 95 ( d , J = 8. 8 Η ζ , 2 Η) , 7. 1 9 (d, J = 8. 4H z, 2Η) , 7. 3 7 ( t , J = 7. 6Η ζ, 1 Η) ,
7. 74 (d, J = 7. 6, 1Η) , 8. 02 (d, J = 8. 0, 1 Η) 実施例 2 : (1 1 _ォキソ_6, 1 1—ジヒ ドロジべンズ [b, e] ォキセピ ン一 2—ィル) 酢酸の製造
実施例 1で得た 2— (4—メ トキシカルボニルメチルフエノキシメチル) 安 息香酸メチルの全量を四つ口フラスコに仕込み、 水酸化ナトリウム 1 7. 0 g を水 1 0 Om 1に溶解した溶液と、 メタノール 1 5 Om 1 とを加え、 65°Cで
2時間撹拌を行った。
その後室温 (約 25°C) まで冷却してから、 水 200mlで希釈し、 次いで 活性炭 2. 0 gを加え室温で 1時間撹拌の後、 ブフナー漏斗で濾過して活性炭 を分別し、 さらに該活性炭をブフナー漏斗上にて水 100m lで洗浄した。 濾 過母液と洗浄液とを合わせ、 60°Cに加熱したものに、 酢酸 26. 5 gを水 5 Om 1に溶解した溶液を 2時間かけて滴下し、 同温度で結晶を析出させた。 次 いで、 10°Cまで冷却後、 ブフナー漏斗により濾過して結晶を採取し、 さらに 水 200mlで洗浄した。 洗浄後の結晶を減圧下に乾燥して 2— (4—カルボ キシメチルフエノキシメチル) 安息香酸 46. 5 g (0. 1624モル) を得 た。 収率 (実施例 1の 4ーヒ ドロキシフ ニル酢酸からの収率) は 81. 2% であった。
Η NMR (400MHz, DMSO— d6)
δ 3. 47 ( s , 2H) , 5. 45 (s, 2Η) , 6. 90 (d, J = 8. 0Hz, 2H) , 7. 16 (d, J = 8. 4Hz, 2 H) , 7. 47 ( t , J = 7. 6Hz, 1H) , 7. 36 (t, J = 7. 4H z , 1 H) , 7. 5 7 (d, J = 7. 2, 1H) , 7. 86 (d, J = 7. 6, 1 H)
上記で得られた 2— (4—カルボキシメチルフエノキシメチル) 安息香酸の 全量と、 クロルベンゼン 200ml とを 500mlの四つ口フラスコに仕込み、 無水トリフルォロ酢酸 75. 0 g (0. 3753モル) を加え、 約 20°Cで 4 時間攪拌した。 次いで、 _ 10〜0°Cで BF3—エーテル錯体 2. 3 g (0. 0 162モル)を 10分間かけて滴下した後、 さらに 30分攪拌してから分液し、 有機層を水 20 Om 1で洗浄した。 有機層を、 水酸ィ匕ナトリウム 7. 2 gを 3 0 Om 1の水に溶解した液中に加えて 30分間攪拌した後、 分液した。 分液し た水層に活性炭 2. O gを加えて 30分間攪拌し、 ブフナー漏斗により濾過し て活性炭を分別し、 さらに該活性炭をブフナー漏斗上にて水 1 Omlで洗浄し た。 濾液と洗浄液とを合わせたものを約 40°Cに保ち、 これに酢酸 1 1. 3 g (0. 1876モル) と水 5 Om 1 との混合液を 30分間かけて滴下した。 滴 下終了後、 0〜10°Cに冷却し、 ブフナー漏斗により濾過して析出結晶を採取 し、 さらに水 20 Om 1で洗浄した。 洗浄後の結晶を減圧下で乾燥し、 表題化 合物 42. O gを得た。 収率 (2— (4—カルボキシメチルフエノキシメチル)
安息香酸からの収率) は 96. 4 %、 HP LCで測定した純度は 99. 9 %で あつ 7こ。
(HP LC条件)
カラム: I n e r t s i l ODS_5 z m (4. 6 mm I D X 1 5 c m) 移動相: 0. 02%トリフルォロ酢酸水溶液ノアセトニトリル =5 5→3 /7 (30分)
検出波長: UV254 nm
' NMR (40 OMH z , DMSO— d6)
5 3. 6 3 ( s , 2H) , 5. 30 ( s , 2 H) , 7. 07 (d, J = 8. 0H z, 2H) , 7. 48 ( t, J = 3. 6Hz, 1 H) , 7. 5 5 (d-d, J = 7. 9Hz, 2H) , 7. 6 7 ( t , J = 7. 6 H z , 1 H) , 7. 78 (d, J = 7. 6 H z , 1 H) , 7. 97 (d, J = 2. OH z , 1 H) 産業上の利用可能性
本発明は、 医薬品の中間体として有用な 2— (4—メ トキシカルボ二ルメチ ルフエノキシメチル) 安息香酸ェチル、 その製造方法及びその用途としてのジ ベンゾォキセピン酢酸の製造方法を提供する。 このジベンゾォキセピン酢酸は、 抗アレルギー薬として有用な医薬品であるォロパタジンを製造するのに使用で きる。