WO2007072910A1

WO2007072910A1 - インクジェット記録物の製造方法およびその方法によって得られるインクジェット記録物

Info

Publication number: WO2007072910A1
Application number: PCT/JP2006/325503
Authority: WO
Inventors: Tatsurou Tsuchiya; Yoshiyuki Morikawa; Masanori Kano
Original assignee: Sakata Inx Corp.
Priority date: 2005-12-22
Filing date: 2006-12-21
Publication date: 2007-06-28
Also published as: JPWO2007072910A1; JP4889655B2

Abstract

　インクジェットインク記録物上に紫外線遮断層を設け色あせを防止する方法において、従来の方法と比較して生産性に優れ、かつ得られた記録物の耐光性が良好であるインクジェット記録物の製造方法を提供する。複数のノズルを有するオンデマンド方式のインクジェット記録装置を用い、インクジェット用インクを第１ノズルから噴射して画像を形成した後、インクジェット用紫外線遮断コーティング剤を第２ノズルから噴射して、上記画像の上に紫外線遮断コーティング剤層を設けることからなり、前記インクジェット用紫外線遮断コーティング剤が、ポリシロキサンで処理された平均粒子径０．２μｍ以下の酸化亜鉛粒子およびポリアミン誘導体型分散剤を含有することを特徴とするインクジェット記録物の製造方法。

Description

明細書

インクジェット記録物の製造方法およびその方法によって得られるインクジエツト記録物

技術分野

[0001] 本発明は、一台のオンデマンド方式のインクジェット記録装置を用いて、インクジェット用インクによる画像形成と、当該インクジェットインク画像の上への紫外線遮断コ一ティング剤層の形成を一度に行うインクジェット記録物の製造方法およびその方法によって得られるインクジェット記録物に関する。

背景技術

[0002] 近年、ポスターや看板の製造等の産業用に使用する印刷機として、オンデマンド方式のインクジェット記録装置が広く用いられるようになって、る。

[0003] このインクジェット記録装置は、シート、フィルム、台紙、板等の記録媒体の表面の所定の場所に、黒色、赤色、青色、黄色等の複数のインク滴をドット状に着弾させて、そのドットにより、記録媒体表面に単色 (混色)または多色の絵図や文字を記録するような構造とされている。

[0004] しかし、上記インクジェット用インクの多くは、太陽光等の特に紫外線を含む光に曝された場合、退色して色あせた状態に変化し、ポスターや看板等の記録物を屋外で使用する場合は著しく色あせた状態になる。

[0005] そこで、このような場合には、（1)インクジェット用インク中に紫外線吸収剤を含有させる方法 (例えば、特開 2003— 096337号公報参照）、（2)記録物表面を、紫外線遮断効果を持つ透明なラミネートフィルムで覆う方法、（3)記録物表面に、紫外線遮断コーティング剤をスプレー、コーター、ハケ、特殊な塗工機等を用いて塗工する方法 (例えば、特開 2002— 200743号公報)等で紫外線遮断層を設け、色あせを防止する方法が提案されている。

[0006] しかし、上記（1)の方法では、屋外の強い光に曝された場合、色あせを防止する効果が充分に得られず、上記（2)の方法では、記録物表面にラミネートフィルムを熱圧着する際に、記録物とラミネートフィルムとの熱膨張率の差による皺が生じ、（3)の方法では、色あせの防止はできるが、別途、紫外線遮断コーティング剤を塗布する手段が必要であり、時間を要する等の問題があった。

発明の開示

[0007] 本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、インクジェットインク記録物上に紫外線遮断層を設け色あせを防止する方法において、従来の方法と比較して生産性に優れ、かつ得られた記録物の耐光性が良好であるインクジェット記録物の製造方法およびその方法で得られる記録物を提供することである。

[0008] 本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、一台のオンデマンド方式のインクジェット記録装置で、インクジェット記録画像と、その記録画像を覆うように紫外線遮断コーティング剤層とを一度に設けることにより、上記課題を全て解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。

[0009] すなわち、本発明は、下記のインクジェット記録物の製造方法およびその方法で得られる記録物を提供する。

[0010] (1)複数のノズルを有するオンデマンド方式のインクジェット記録装置を用い、前記複数のノズルを、インクジェット用インクを噴射するため第 1ノズルと、インクジェット用紫外線遮断コーティング剤を噴射するための第 2ノズルとに分けて使用し、インクジエツト用インクを第 1ノズルから噴射して画像を形成した後、インクジェット用紫外線遮断コ一ティング剤を第 2ノズルから噴射して、上記画像の上に紫外線遮断コーティング剤層を設けることからなり、前記インクジェット用紫外線遮断コーティング剤が、ポリシ口キサンで処理された平均粒子径 0. 2 m以下の酸ィ匕亜鉛粒子、当該酸化亜鉛粒子の分散剤として使用する、ポリアミン化合物のアミノ基および Zまたはィミノ基に、ポリエステル、ポリアミドおよびポリエステルアミドよりなる群力選ばれる少なくとも 1種を結合させてなるポリアミン誘導体、ならびに溶剤を含有するインクジェット用紫外線遮断コーティング剤であって、該インクジェット用紫外線遮断コーティング剤中におけるポリシロキサンで処理した酸ィ匕亜鈴粒子の含有量が 5〜30質量％であることを特徴とするインクジェット記録物の製造方法。

[0011] (2)前記インクジェット用インクが、着色剤、結着榭脂、溶剤を含有する溶剤型のインクジェット用インクである前記（1)項記載のインクジェット記録物の製造方法。 [0012] (3)前記ポリアミン誘導体が、ポリエステル、ポリアミドおよびポリエステルアミドよりなる群力選ばれる少なくとも 1種を有するポリアリルアミン誘導体、ポリエステル、ポリアミドおよびポリエステルアミドよりなる群力選ばれる少なくとも 1種を有するポリビュルァミン誘導体、ポリエステル、ポリアミドおよびポリエステルアミドよりなる群力選ばれる少なくとも 1種を有するポリ（低級アルキレンィミン)誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも 1種である前記（1)または（2)項記載のインクジェット記録物の製造方法。

[0013] (4)前記ポリアミン誘導体が、下記一般式（1)で示されるポリアリルアミン誘導体および下記一般式（2)で示されるポリビュルァミン誘導体よりなる群力選ばれる少なくとも 1種である前記（1)〜（3)項の、ずれかに記載のインクジェット記録物の製造方法

[0014] [化 1]

X „ _ T T _ Τ Τ „ _ 7"

\ J. 2 し Χ ± II 丄

I ( i )

T T _ -p ^

[0015] [式中、 Xおよび Yは、それぞれ独立に、水素原子、重合開始剤残基または連鎖移動触媒残基を表わし、 R¹は— ΝΗ 、 -ΝΗ +·— OCOR²または— NHCOR² (ここで、 R²

2 3

はカルボキシル基を有するポリエステル、カルボキシル基を有するポリアミドまたは力ルポキシル基を有するポリエステルアミドのカルボキシル基を除いた残基を表わす）を表わし、 ηは 2〜 1000の整数を表わす。ただし、 η個の R¹の中には、 NHCOR² が少なくとも 1個含まれる]。

[0016] [化 2]

1 ( 2 ) R ¹

[0017] [式中、 X、 Y、

および nは上記と同じ定義のものであり、 n個の R¹中には、 NHC

OR²が少なくとも 1個含まれる]。

[0018] (5)前記（1)〜 (4)項の、ずれかに記載のインクジェット記録物の製造方法により得られるインクジェット記録物。

発明を実施するための最良の形態

[0019] まず、本発明で使用するオンデマンド方式インクジェット記録装置について説明する。

[0020] 本発明では、複数のノズルを有するオンデマンド方式のインクジェット記録装置であつて、インクを噴射するノズルと、紫外線遮断コーティング剤を噴射する少なくとも 1つのノズルに振り分けて利用することが可能なものであればよい。

[0021] したがって、紫外線遮断コーティング剤の噴射用ノズルは、インクジェット用インクを噴射して画像を形成するための既設のノズルの中で、使用されていないノズルを利用してもよぐまた、インクジェット用インクを噴射するノズルとは別に新たに設けてもよい。

[0022] 次に、本発明で使用するインクジェット用インクについて説明する。

[0023] 本発明で使用するインクジェット用インクとしては、従来公知のもので、例えば、着色剤、結着榭脂、溶剤を含有する溶剤型のインクジェット用インク組成物が例示できる。

[0024] インクジェット用インク組成物で使用する着色剤としては、 C. I.ソルベントブラック 2 2、 23、 27、 29、 34、 43、 47、 123、 C. I.ソルベントイェロー 19、 21、 32、 61、 79、 80、 81、 82、 C. I.ソルベントレッド 8、 35、 83、 84、 100、 109、 118、 119、 121、 1 22、 160、 C. I.ソルベントブルー 25、 55、 70等の油溶性含金属染料、ァゾ系顔料、ジォキサジン顔料、キナクリドン顔料、ニトロ系顔料、フタロシアニン顔料、各種染料のレーキ等の有機顔料、カーボンブラック、酸ィ匕チタン等が挙げられる。ただし、使用し得る着色剤は、これらに限定されるものではない。これら着色剤は単独または 2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤のインクジェット用インク中の含有量は、 0. 1〜15質量％の範囲が好ましい。該着色剤の含有量が 0. 1質量％未満では、色濃度が低下し、一方 15質量％を超えるとインク粘度や流動性の面力使用が困難となる。

[0025] また、インクジェット用インク糸且成物で使用する結着榭脂としては、インクジェット用ィンクを被記録媒体に良好に密着させるためのものであり、具体例としては、塩化ビ- ルー酢酸ビュル共重合体、アミノ系榭脂、ニトロセルロース、フエノール系榭脂、ブチラール系榭脂、ポリアミド系榭脂、ロジン変性フエノール系榭脂、ロジンエステル、ロジン変性マレイン酸系榭脂、キシレン系榭脂、アクリル系榭脂、ポリウレタン系榭脂、ポリエステル系榭脂等が例示できる。

[0026] 上記結着榭脂は、使用する溶剤への溶解性および溶解時の溶液粘度、被記録媒体への密着性、記録物の耐摩擦性等の観点から、適宜 1種または 2種以上を選択して使用することができる。上記結着榭脂は、密着性、粘度および吐出安定性の点から、インクジェット用インク中に 0. 1〜30質量％の範囲で使用することが好ましい。

[0027] また、インクジェット用インク組成物で使用する溶剤としては、メチルェチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロへキサンノン等のケトン類、メタノール、ェタノ一ノレ、ブタノーノレ、アミノレアノレコーノレ、ベンジノレアノレコーノレ、シクロへキサノーノレ、ジァセトンアルコール等の 1価のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコーノレモノェチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノブチノレエーテノレ

、ジプロピレングリコールモノェチルエーテル、プロピレングリコーノレモノメチノレエーテル、プロピレングリコールモノェチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジェチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジェチルエーテル等のアルキレングリコールジアルキノレエーテノレ類、エチレングリコーノレモノアセテート、プロピレングリコーノレモノァセテート等のアルキレングリコールモノアセテート類、エチレングリコール、ジエチレングリコーノレ、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレンダリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等の 2価のアルコール類、酢酸ェチル、酢酸プチル、乳酸メチル、乳酸ブチル等のエステル類、 γ—プチ口ラタトン等のラタトン類、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤類等の有機溶剤が例示できる。これら溶剤は、 1種または必要に応じて 2種以上を組み合わせて使用する。

[0028] 上記溶剤は、適度な粘度、乾燥性を付与するため、インクジヱット用インク中に 65.

0-99. 8質量％の範囲で使用することが好ましい。

[0029] さらに、インクジット用インクには、インクの性能を低下させない範囲で各種添加剤を含有させることができる。カゝかる添加剤としては、 _PH調整剤、粘度調整剤、防鲭剤、消泡剤、分散剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素含有界面活性剤、その他の界面活性剤が例示できる。

[0030] 以上の各種構成材料力インクジェット用インクを調製するには、（1)着色剤が染料の場合は、染料、結着榭脂、溶剤、必要に応じて、各種添加剤を密閉容器中に入れ、攪拌し均一に混合溶解し、その後、メンブランフィルターで濾過することにより、 (2) 着色剤が顔料の場合は、顔料、結着榭脂、溶剤、必要に応じて、顔料分散剤等の各種添加剤を混合した後、直径 0. 2〜3mmのセラミックスビーズを粉砕メディアとした循環式ビーズミル等で練肉し、その後メンブランフィルターで濾過する方法などが利用できる。本発明のインクジェット用インク組成物の粘度は、 2〜： LOmPa' sとなるように調整するのが好ましい。

[0031] 次に、本発明で使用するインクジェット用紫外線遮蔽コーティング剤について説明する。

[0032] 本発明で使用するインクジェット用紫外線遮蔽コーティング剤としては、ポリシロキサンで処理された酸化亜鉛粒子と、当該酸化亜鉛粒子の分散剤として使用する、ポリアミンィ匕合物のアミノ基および Zまたはィミノ基に、ポリエステル、ポリアミドおよびポリエステルアミドよりなる群力選ばれる少なくとも 1種を結合させてなるポリアミン誘導体の少なくとも 1種と、溶剤と、必要により結着樹脂とを含有するインクジェット用紫外線遮断コーティング剤が例示できる。

[0033] 本発明においてはポリシロキサンで処理された酸ィ匕亜鉛粒子を使用する。無処理の酸ィ匕亜鉛粒子またはポリシロキサン以外の処理剤で処理した酸ィ匕亜鉛粒子は分散性の点力好ましくない。

[0034] 上記ポリシロキサンで処理された酸ィ匕亜鉛粒子としては、好ましくは平均粒子径 0. 2 μ m以下、より好ましくは 0. 01-0. 1 μ mのものが利用できる。ここで、酸化亜鉛粒子の平均粒子径は、ポリシロキサンで処理した後の平均粒子径である。酸化亜鉛粒子の平均粒子径は一次平均粒子径であり、測定装置として透過型電子顕微鏡写真を使用して測定した値である。酸化亜鉛粒子の平均粒子径が 0. 2 mを超える場合には、可視光線の散乱を起し、可視領域におけるインクジェット用紫外線遮断コーテイング剤の透明性が低下する。ポリシロキサンによる酸ィ匕亜鉛粒子の処理は常法によつて行うことができ、ポリシロキサンの被覆量は酸ィ匕亜鉛の質量に対して 1〜30質量 %程度が好ましい。ポリシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルェチルシロキサン、ポリジェチルシロキサン等のポリジアルキルシロキサン、ポリメチルフエニルシロキサン等のポリアルキルァリールシロキサン、ポリジフエニルシロキサン等のポリジァリールシロキサン等が使用できる。

[0035] また、ポリシロキサンで処理された酸ィ匕亜鉛粒子は、インクジェット用紫外線遮断コ一ティング中に 5〜30質量％の範囲で使用することが好ま U、。酸化亜鉛粒子の使用量 (酸化亜鉛自体の量および被覆されたポリシロキサンの量の合計量）が 5質量％より少ないと、インク画像の太陽光等による色あせを防止する効果が低下し、一方使用量が 30質量％より多いと、ノズルからの吐出安定性が不安定になる傾向がある。

[0036] 次に、ポリシロキサンで処理された酸ィ匕亜鉛粒子を分散させるための分散剤としては、ポリアミンィ匕合物のアミノ基および Zまたはィミノ基に、ポリエステル、ポリアミドおよびポリエステルアミドよりなる群力選ばれる少なくとも 1種を結合させたポリアミン誘導体が例示でき、これらは単独でまたは併用して使用できる。

[0037] 上記ポリアミン誘導体の好まし、例としては、ポリエステル、ポリアミドおよびポリエステルアミドよりなる群力選ばれる少なくとも 1種を有するポリアリルアミン誘導体、ポリエステル、ポリアミドおよびポリエステルアミドよりなる群力選ばれる少なくとも 1種を有するポリビュルァミン誘導体、ポリエステル、ポリアミドおよびポリエステルアミドよりなる群力選ばれる少なくとも 1種を有するポリ（低級アルキレンィミン)誘導体が挙げられ、さらに好ましい例としては、下記一般式（1)で示されるポリアリルアミン誘導体および下記一般式（2)で示されるポリビニルァミン誘導体が挙げられる。これらは単独で使用してもよぐ 2種以上を併用してもよい。

[0038] [化 3]

X„ _ T T _ Τ Τ \ „ _ 7"

\ J. し Χ ± / II 丄

1 ( i ) τ τ _ r 1

[0039] [式中、 Xおよび Yは、それぞれ独立に、水素原子、重合開始剤残基または連鎖移動触媒残基を表わし、 R¹は— NH

2、 -NH +·— OCOR²または— NHCOR² (ここで、 R²

3

はカルボキシル基を有するポリエステル、カルボキシル基を有するポリアミドまたは力ルポキシル基を有するポリエステルアミドのカルボキシル基を除いた残基を表わす）を表わし、 nは 2〜 1000の整数を表わす。ただし、 n個の R¹の中には、 NHCOR² が少なくとも 1個含まれる]。

[0040] [化 4]

( i 1 11 } i

1 ( 2 )

[0041] [式中、 X、 Y、

および nは上記と同じ定義のものであり、 n個の R¹中には、 NHC OR²が少なくとも 1個含まれる]。

[0042] 前記カルボキシ基を有するポリアミドとしては、たとえば、 ε一力プロラタタム、 ω— ラウ口ラタタムなどのラタタムや、アミノカプロン酸、 11—アミノウンデカン酸などのアミノカルボン酸など力得られるものが挙げられる。また、二塩基酸 (ポリエステルの製造に使用するものと同様なもの）とエチレンジァミン、 1, 4 ジァミノブタン、へキサメチレンジァミンなどのジァミンとの反応により得られるものが挙げられる。

[0043] 前記カルボキシル基を有するポリエステルとしては、たとえば、 12 ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、 9および 10 ヒドロキシステアリン酸の混合物、ヒマシ油脂肪酸、水添ヒマシ油脂肪酸、乳酸などのヒドロキシカルボン酸や、 ε一力プロラタトン、 β プロピオラタトン、 γ ブチロラタトン、 δ ノレ口ラタトン、 13ーメチノレー δ ーノレロラタトン、 4ーメチルカプロラタトン、 2—メチルカプロラタトンなどのラタトンなどから得られるものが挙げられる。また、無水マレイン酸、フマール酸、無水フタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸などの二塩基酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどのジオールとの反応により得られるものが挙げられる。

[0044] 前記カルボキシル基を有するポリエステルアミドとしては、前記ポリエステル、ポリアミドの製造に使用する、ヒドロキシカルボン酸、ラタトン、あるいは二塩基酸およびジォ一ルカ選ばれる少なくとも 1種と、アミノカルボン酸、ラタタム、あるいは二塩基酸およびジァミン力選ばれる少なくとも 1種の反応により得られるものなどが挙げられる。

[0045] 上記分散剤の使用量は、酸ィ匕亜鉛粒子 100質量部に対して、 10〜40質量部の範囲が好ましい。分散剤の使用量が 10質量部より少ないと、酸ィ匕亜鉛粒子の分散性が低下し、一方 40質量部より多くてもそれ以上顔料分散性の向上がみられない。

[0046] 次に、インクジェット用紫外線遮蔽コーティング剤に使用する溶剤としては、ェチレングリコーノレモノメチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノェチノレエーテノレ、ジェチレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、ジプロピレングリコーノレモノェチノレエーテノレ、プロピレングリコーノレモノメチノレエーテル、プロピレングリコーノレモノェチノレエーテノレ等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジェチルエーテル、ジエチレングリコーノレジブチノレエ一テル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジェチルエーテル等のアルキレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノァセテート、プロピレングリコールモノアセテート等のアルキレングリコールモノアセテート類

、酢酸ェチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸ブチル等のエステル類、 yーブチロラタトン等のラタトン類等が挙げられる。これらは単独で使用してもよぐ 2種以上を併用してちよい。

[0047] また、インクジェット用紫外線遮蔽コーティング剤で必要により使用する結着樹脂としては、酸ィ匕亜鉛粒子をインクジェット画像上に良好に密着させるためのものであり、具体例としては、塩ィ匕ビ二ルー酢酸ビニル共重合体、アミノ系榭脂、ニトロセルロース、フエノール系榭脂、プチラール系榭脂、ポリアミド系榭脂、ロジン変性フエノール系榭脂、ロジンエステル、ロジン変性マレイン酸系榭脂、キシレン系榭脂、アクリル系榭脂、ポリウレタン系榭脂、ポリエステル系榭脂等が例示できる。

[0048] 上記結着榭脂は、使用する溶剤への溶解性および溶解時の溶液粘度、インクジェット画像上への密着性、記録物の耐摩擦性等の観点から、適宜 1種または 2種以上を選択して使用することができる。上記結着榭脂は、密着性、粘度および吐出安定性の点から、インクジェット用紫外線遮蔽コーティング剤中に 0. 1〜30質量％の範囲で使用することが好ましい。

[0049] 以上の各種構成材料から本発明のインクジェット用紫外線遮断コーティング剤を調製するには、溶剤に酸ィ匕亜鉛粒子を分散させるための分散剤としてのポリアミン誘導体を溶解させポリアミン誘導体溶液とし、さらに酸化亜鉛粒子を撹拌混合し、練肉機で練肉し、必用に応じて溶剤、結着榭脂を加え混合することにより得ることができる。本発明のインクジェット用紫外線遮断コーティング剤の粘度は、本発明のインクジエツト用インク組成物と同様に、 2〜： LOmPa · sとなるように調整するのが好ま、。

[0050] 前記練肉機としては、湿式サーキュレーションミル、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、パールミル等を挙げることができる。

[0051] 次に、本発明のインクジェット記録物の製造方法について説明する。

[0052] 本発明のインクジェット記録物の製造方法は、複数のノズルを有するオンデマンド方式のインクジェット記録装置を用い、そのノズルを、インクジェットインクを噴射するためのノズルと、インクジェット用紫外線遮断コーティング剤を噴射するためのノズルに分けて利用し、被記録媒体に、まず各色のインクジェット用インクをノズルから吐出させ所望の画像や文字を形成した後、さらにその画像や文字を覆うようにインクジエツト用紫外線遮断コーティング剤をノズルから吐出させ、一度に画像や文字と、紫外線遮断コーティング剤層を形成させる方法である。

実施例

[0053] 以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「％」は「質量％」を意味し

、「部」は「質量部」を意味する。

[0054] 実施例 1、 2および比較例 1〜7

<インクジェット用紫外線遮断コーティング剤のベース組成物（実施例 1、 2および比較例 1〜4、 6用 >

表 1に記載した各分散剤の 2部をジエチレングリコールジェチルエーテル 28部に溶解し、表 1に記載した各酸ィ匕亜鉛の 20部を攪拌混合した後、ビーズミルで練肉して、実施例 1、 2、比較例 1〜4、 6用のインクジェット紫外線コーティング剤のベース組成物を得た。

[0055] 表 1に示される酸化亜鉛は、ポリシロキサン処理した酸化亜鉛としては、 NANOFI NE 50SD (堺化学工業 (株)製）、シリカ ·アルミナ処理した酸化亜鉛としては、 NA NOFINE 50A (堺化学工業 (株)製）、シリカ ·有機処理した酸化亜鉛としては、 NA NOFINE 50W-LP2 (堺化学工業 (株）製）、未処理酸化亜鉛としては、 NANOF INE 50 (堺ィ匕学工業 (株)製)である。また表 1に示される分散剤のうち、ァジスパー PB821は味の素ファインテクノ (株)製のポリアミン誘導体であり、ポリアリルァミンに遊離のカルボキシル基を有するポリエステルを反応させて得られるポリアリルアミン誘導体である。

[0056] DISPER BYK111はビックケミ一社製のリン酸基型分散剤である。

[0057] <インクジェット用紫外線遮断コーティング剤のベース組成物（比較例 5用） >

表 1に記載した分散剤 4. 0部をジエチレングリコールジェチルエーテル 40部に溶解し、表 1に記載した酸ィ匕亜鉛 (NANOFINE 50SD) 40. 0部を攪拌混合した後、ビーズミルで練肉して、比較例 5用のインクジェット紫外線遮断コーティング剤のベース組成物を得た。

[0058] くインクジェット紫外線遮断コーティング剤 >

実施例 1、 2および比較例 1〜4、 6用のベース組成物ならびに比較例 5用のベース組成物の必要量 (実施例 1、比較例 1〜4についてはベース組成物 50部、実施例 2 についてはベース糸且成物 12. 5部、比較例 6についてはベース糸且成物 7. 5部、比較例 5についてはベース組成物 84部を使用）用いて、表 1の配合 (各材料の使用量は質量部で表記されている）となるようにその他の材料を撹拌混合して、実施例 2および比較例 1〜6のインクジェット用紫外線遮断コ一ティング剤を得た。

[0059] く溶剤型インクジェット用インク〉

ァジスパー PB821 (味の素ファインテクノ (株)製分散剤） 3部をジエチレングリコールジェチルエーテル 9部に溶解し、これに顔料としてシムラファーストイェロー 4407 ( 大日本インキ化学工業 (株)製) 3部を攪拌混合した後、ビーズミルを用いて練肉し、ベースインクを得た。次にトリエチレングリコールジメチルエーテル 22部、ジエチレングリコールジメチルエーテル 60. 5部、ソルバイン C (塩化ビュル酢酸ビュル榭脂、日信化学工業 (株)製) 2部、 DISPER BYK315 (ビックケミ一社製分散剤) 0. 5部を加え、各種材料を攪拌混合して 25°Cにおける粘度が 4. ImPa' sの溶剤型インクジェット用インクを得た。

[0060] <記録物 >

市販のインクジェット記録装置（ローランドディー.ジー. （株)製 SOLJET PRO II SC— 540)を用いて、ポリ塩化ビュルシート（商品名：カプジェットグロスパーナ一、フィルムルックス社製）に溶剤型インクジェット用インクでベタ画像を形成後、形成したベタ画像の上に実施例 1、 2および比較例 1〜6のインクジェット紫外線遮断コーティング剤を吐出し、実施例 2および比較例 1〜6の記録物を得た。

[0061] また、溶剤型インクジェット用インキでベタ画像を形成しただけの比較例 7の記録物も得た。

[0062] <評価 >

(粘度）

実施例 1、 2および比較例 1〜6のインクジェット用紫外線遮断コーティング剤の 25 °Cにおける粘度を粘度計 (東機産業 (株)製 RE100L型)を用いて測定した。

[0063] (分散安定性）

実施例 1、 2および比較例 1〜6のインクジェット用紫外線遮断コーティング剤をガラス瓶にとり密栓して、 60°Cで 1力月保存した後の粘度測定、および沈降物の有無の目視観察に基づヽて評価した。

[0064] ，粘度

25°Cにおける粘度を粘度計 (東機産業 (株)製 RE100L型)を用いて測定した。，沈降物の有無

評価基準

A：沈降物が全く生じない。

B :沈降物は生じるが、軽く振れば無くなる。

C：激しく振っても沈降物がなくならな!/、。

[0065] (耐光性）

サンシャインスーパーロングライフウエザーメーター (スガ試験機 (株)製)を使用し、実施例 1〜2および比較例 1〜6の記録物の照射前と照射後の Lab値の色差 ΔΕにより評価した。 [0066] (吐出安定性）

一般的な室内環境と考えられる 20°Cの温度下で、上記のインクジェット記録装置で、ポリ塩化ビュルシート（商品名：カプジェットグロスバーナー、フィルムルックス社製 )に溶剤型インクジェット用インクでベタ画像を形成後、画像の上に実施例 1、 2、比較例 1〜6のインクジェット紫外線遮断コーティング剤を吐出する記録形成を連続し繰り返し、 AOに相当するサイズでカットして記録物 100枚を得た。印字上にインクジエツト用紫外線遮断コーティング剤が塗布されて、な、部分 (ノズルからインクジェット用紫外線遮断コーティング剤が吐出されなくなって生じた、インクジェット紫外線遮断コーティング剤が塗布されて、な、部分）が何枚目で発生したかで吐出安定性を評価し 7こ。

[0067] 評価基準

A：印刷されなヽ部分が 71枚目以降に発生するか、印刷されなヽ部分が 100枚目まで発生しない。

B：印刷されな、部分が 51枚目〜 71枚目で発生する。

C：印刷されな、部分が 31枚目〜50枚目で発生する。

D：印刷されな、部分が 30枚目までに発生する。

[0068] [表 1]

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インクジェット記録装置で、インクジェット記録画像と、その記録画像を覆うように紫外線遮断コーティング剤層とを一度に設けることにより、従来の方法と比較して生産性に優れ、かつ得られた記録物の耐光性が良好である。

Claims

請求の範囲

[1] 複数のノズルを有するオンデマンド方式のインクジェット記録装置を用い、前記複数のノズルを、インクジェット用インクを噴射するため第 1ノズルと、インクジェット用紫外線遮断コーティング剤を噴射するための第 2ノズルとに分けて使用し、インクジェット用インクを第 1ノズルカゝら噴射して画像を形成した後、インクジェット用紫外線遮断コ一ティング剤を第 2ノズルから噴射して、上記画像の上に紫外線遮断コーティング剤層を設けることからなり、前記インクジェット用紫外線遮断コーティング剤が、ポリシ口キサンで処理された平均粒子径 0. 2 m以下の酸ィ匕亜鉛粒子、当該酸化亜鉛粒子の分散剤として使用する、ポリアミン化合物のアミノ基および Zまたはィミノ基に、ポリエステル、ポリアミドおよびポリエステルアミドよりなる群力選ばれる少なくとも 1種を結合させてなるポリアミン誘導体、ならびに溶剤を含有するインクジェット用紫外線遮断コーティング剤であって、該インクジェット用紫外線遮断コーティング剤中におけるポリシロキサンで処理した酸ィ匕亜鈴粒子の含有量が 5〜30質量％であることを特徴とするインクジェット記録物の製造方法。

[2] 前記インクジェット用インクが、着色剤、結着榭脂、溶剤を含有する溶剤型のインクジエツト用インクである請求の範囲第 1項記載のインクジェット記録物の製造方法。

[3] 前記ポリアミン誘導体が、ポリエステル、ポリアミドおよびポリエステルアミドよりなる群力選ばれる少なくとも 1種を有するポリアリルアミン誘導体、ポリエステル、ポリアミドおよびポリエステルアミドよりなる群力選ばれる少なくとも 1種を有するポリビュルアミン誘導体、ポリエステル、ポリアミドおよびポリエステルアミドよりなる群力選ばれる少なくとも 1種を有するポリ（低級アルキレンィミン)誘導体よりなる群力選ばれる少なくとも 1種である請求の範囲第 1項または第 2項記載のインクジェット記録物の製造方法

[4] 前記ポリアミン誘導体が、下記一般式（1)で示されるポリアリルアミン誘導体および下記一般式（2)で示されるポリビュルァミン誘導体よりなる群力選ばれる少なくとも 1種である請求の範囲第 1項〜第 3項のいずれかに記載のインクジェット記録物の製造方法。

[化 1] X- (CH₂ -CH) 11一 Y

1 ( i)

CH₂ - R ¹

[式中、 Xおよび Yは、それぞれ独立に、水素原子、重合開始剤残基または連鎖移動触媒残基を表わし、 R¹は— ΝΗ、 -ΝΗ +·— OCOR²または— NHCOR² (ここで、 R²

2 3

はカルボキシル基を有するポリエステル、カルボキシル基を有するポリアミドまたは力ルポキシル基を有するポリエステルアミドのカルボキシル基を除いた残基を表わす）を表わし、 ηは 2〜 1000の整数を表わす。ただし、 η個の R¹の中には、— NHCOR² が少なくとも 1個含まれる]。

[化 2] JE J 2 メ Γ1 Υ JP

[式中、 X、 Y、

および nは上記と同じ定義のものであり、 n個の R¹中には、— NHC OR²が少なくとも 1個含まれる]。

請求の範囲第 1項〜第 4項のいずれかに記載のインクジェット記録物の製造方法により得られるインクジェット記録物。