明 細 書
トナー用樹脂組成物及びトナー用樹脂組成物の製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、低温定着性及び耐高温オフセット性に優れるトナーを得ることが可能なト ナー用榭脂組成物、トナー及び該トナー用榭脂組成物の製造方法に関する。
背景技術
[0002] 電子写真等において静電荷像を現像する方式として、乾式現像方式が多用されて いる。乾式現像方式において、通常、トナーはキャリアと呼ばれる鉄粉、ガラスビーズ 等との摩擦によって帯電し、これが感光体上の静電潜像に電気的引力によって付着 し、次に用紙上に転写され、加熱ローラ等によって定着されて永久可視像となる。
[0003] 定着の方法としては、トナーに対して離型性を有する材料で表面を形成した熱定着 ローラの表面に、被定着シートのトナー画像を圧接触させながら通過せしめることに より行う加熱ローラ法が汎用されている。
[0004] この熱定着ローラ法を用いる場合は、消費電力等の経済性を向上させるため、及び 、複写速度を上げるため、より低温で定着可能なトナーが求められている。
しかしながら、上記の低温定着性を改善しょうとすると、トナーの一部が熱定着ローラ 表面に付着し、それが紙に再転写するといつたオフセット現象が起こりやすくなつたり 、榭脂同士が様々な環境を通して受ける熱によってトナーが凝集するブロッキング現 象が起こりやすくなつたりするといつた問題がある。
[0005] 従来のポリエステル系トナーでは、通常 3官能以上の多官能モノマーを共重合するこ とによって、ポリマー内に化学的架橋構造を形成させ、耐高温オフセット性を保持さ せていた。しかし、このような方法では、低分子量のポリマーから分子量の高い架橋 ポリマーまでが存在することとなり、分子量分布が広くなるため、耐高温オフセット性と 低温定着性とを両立させることが困難であった。
[0006] 特許文献 1には、トナーのバインダー榭脂として、テレフタル酸と炭素数 2〜6の直鎖 型アルキレングリコールから導かれる単位とを全使用モノマー単位に対して 50モル %以上含む結晶性ポリエステル榭脂を用いることが提案されて 、る。
しかしながら、この技術では、結晶性ポリエステル榭脂のみを用いているので、定着 可能な温度幅が狭ぐ低温定着性を損なうことなぐ耐高温オフセット性及び耐ブロッ キング性を保つことが困難であった。
[0007] 特許文献 2には、トナーのバインダー榭脂として、 3価以上の多価単量体、芳香族ジ カルボン酸、及び、分岐鎖を持つ脂肪族アルコールを 50モル%以上含む脂肪族ァ ルコールを重合してなる非結晶性ポリエステル榭脂を用いることが提案されて 、る。 しかしながら、この技術においても、 3価以上の多価単量体、ジカルボン酸、ジォー ル等を用いることから、得られる非結晶性ポリエステルの分子量分布が広くなり、特に 低温定着性が充分ではな力つた。
[0008] また、特許文献 3には、 2塩基のカルボン酸、ジオール及びトリオールを反応してなり 、水酸基価が 6〜: LOOのポリエステルと、所定量のイソシァネートとをスクリューを内蔵 する混練手段を用いて混練、反応させることにより、ゲル分率が所定範囲内であるバ インダー榭脂を製造する方法が開示されている。しかしながら、押出混練機等のスク リューを内蔵する混練手段を用いて混練を行う場合、ポリエステルとイソシァネートと の架橋が不充分となることにより、得られるトナーの耐高温オフセット性が損なわれる ため、所望のトナー性能が得られな力つた。
[0009] また、特許文献 4には、トナーのバインダー榭脂として、 2塩基のカルボン酸、ジォー ル及び 3価以上の多価アルコールを重合してなる水酸基価 30〜80の分岐状ポリエ ステルと、 2塩基のカルボン酸、ジオール及び特定のモノカルボン酸を重合してなる 水酸基価 5以下の低分子量線状ポリエステルとの混合物を、所定量のジイソシァネ ートで反応させて得られるウレタン変性ポリエステルを用いることが提案されている。 通常、分岐状ポリエステルと低分子量線状ポリエステルとの混合物にイソシァネート を反応させると、イソシァネートが分岐状ポリエステルだけでなぐ低分子量線状ポリ エステルの OH基にも反応し、低分子量線状ポリエステルによる低温定着性の発現 が損なわれることがあるが、このような技術では、末端の大部分力 SCOOH基である低 分子量線状ポリエステルを使用するため、低分子量線状ポリエステルとイソシァネー トとが実質的に反応せず、低分子量線状ポリエステルによる低温定着性の発現が期 待できる。
しかしながら、実際には、分岐状ポリエステルとイソシァネートとの反応で生成される 架橋体と、低分子量線状ポリエステルとの間に粘度差があることにより、榭脂の混練 が不充分となり、トナーのバインダー榭脂として用いた場合、画質に不具合が生じる ことがあった。
特許文献 1:特許第 2988703号公報
特許文献 2:特許第 2704282号公報
特許文献 3:特許第 2986820号公報
特許文献 4:特許第 3654766号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0010] 本発明は、上記現状に鑑み、低温定着性、耐高温オフセット性及び画質に優れるト ナーを得ることが可能なトナー用榭脂組成物、トナー及び該トナー用榭脂組成物の 製造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0011] 本発明は、数平均分子量が 2000〜7000、水酸基価が 20〜80の分岐状ポリエステ ル (A)と、数平均分子量が 2000〜5000、水酸基価が 20〜55の低分子量線状ポリ エステル )との混合物に、 1分子中に 2個以上のイソシァネート基を有するイソシァ ネートイ匕合物を反応させてなるトナー用榭脂組成物であって、前記分岐状ポリエステ ル (A)同士の架橋構造体と、前記分岐状ポリエステル (A)と前記低分子量線状ポリ エステル )とが前記イソシァネート化合物により結合した構造体と、前記低分子量 線状ポリエステル (B)の未反応体とを含有するトナー用榭脂組成物である。
[0012] また、本発明は、分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルをバレル及びス クリューを内蔵する混練機に投入し、溶融する工程 1、前記バレル及びスクリューを内 蔵する混練機の開口部から、前記分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステ ルが含有する水分を除去することにより、前記分岐状ポリエステル及び低分子量線 状ポリエステルの含水率を 0. 3重量%以下にする工程 2、及び、含水率を 0. 3重量 %以下にした前記分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルに 1分子中に 2個以上のイソシァネート基を有するイソシァネートイ匕合物を添加し反応させる工程 3
を有するトナー用榭脂組成物の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
[0013] 本発明者らは鋭意検討の結果、分岐状ポリエステルと低分子量線状ポリエステルと の混合物にイソシァネートイ匕合物を反応させ、トナー用榭脂組成物を製造する際に、 末端部分に多数の OH基を有する低分子量線状ポリエステルを用いることで、低分 子量線状ポリエステルによる低温定着性の発現という本来の目的は損なわれず、か つ、榭脂の分散状態を均一にすることができ、低温定着性、耐高温オフセット性及び 画質等のトナー性能に優れるトナーを得ることが可能となることを見出し、本発明を完 成させるに至った。
[0014] 上記分岐状ポリエステル (A)は、ジカルボン酸、ジオール及び 3価以上の多価カル ボン酸又は 3価以上の多価アルコールを反応させてなるものであることが好ましい。 なお、本明細書において、分岐状ポリエステルとは、ポリエステル骨格中に分岐構造 を有するポリエステルのことを 、う。
[0015] 上記ジカルボン酸、ジオール及び 3価以上の多価カルボン酸又は 3価以上の多価ァ ルコールを反応させる方法としては、例えば、上記ジカルボン酸、ジオール及びトリ力 ルボン酸を反応釜に一括投入して、エステル交換反応及び縮合反応させる方法等 により得ることができる。なお、この方法では、トリカルボン酸の添加量が多くなると、 反応が早く進行しすぎて分子量が上昇してしまうことがある。このような場合は、最初 にジカルボン酸とジオールとのエステル交換反応を行 、、エステル交換反応がほぼ 終了した時点でトリカルボン酸を投入し、反応させることで、望ましい物性の分岐状ポ リエステルを得ることができる。
[0016] 上記ジカルボン酸としては、例えば、 o—フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハ ク酸、アジピン酸、セバシン酸、ァゼライン酸、ォクチルコハク酸、シクロへキサンジカ ルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、ィタコン酸、デカメチレン カルボン酸、これらの無水物及び低級アルキルエステル等が挙げられる。なかでも、 結晶性を付与するために、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、及び、これらの無 水物及び低級アルキルエステルが好適に用 ヽられる。
[0017] 上記ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、 1, 3—プロパンジオール、 1, 4
ブタンジオール、ジエチレングリコール、 1, 5 ペンタンジオール、 1, 6 へキサ ンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー ル、 1, 2 プロパンジオール、 1, 3 ブタンジオール、 2, 3 ブタンジオール、ネオ ペンチルグリコール(2, 2 ジメチルプロパン 1, 3 ジオール)、 1, 2 へキサン ジオール、 2, 5 へキサンジオール、 2—メチルー 2, 4 ペンタンジオール、 3—メ チルー 1, 3 ペンタンジオール、 2 ェチルー 1, 3 へキサンジオール等の脂肪族 ジオール類; 2, 2 ビス(4 ヒドロキシシクロへキシル)プロパン、 2, 2-ビス(4 ヒド 口キシシクロへキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付カ卩物、 1, 4ーシクロへキサ ンジオール、 1, 4ーシクロへキサンジメタノール等の脂環族ジオール類等が挙げられ る。これらのなかでは、脂肪族ジオール類が好ましい。
[0018] 上記 3価以上の多価カルボン酸としては、例えば、トリカルボン酸を用いることができ る。また、上記トリカルボン酸のほか、ピロメリット酸、 1, 2, 7, 8—オクタンテトラカルボ ン酸及びこれらの酸無水物等が挙げられる。なお、これらは単独で用いてもよぐ 2種 以上を併用してもよい。
上記トリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、 1, 2, 4 シクロへキサントリカル ボン酸、 2, 5, 7 ナフタレントリカルボン酸、 1, 2, 4 ナフタレントリカルボン酸、 1, 2, 5 へキサントリカルボン酸及びこれらの酸無水物等が挙げられる。
[0019] 上記 3価以上の多価アルコールとしては、例えば、ソルビトール、 1, 2, 3, 6 へキサ ンテトラロール、 1, 4ーソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリ ペンタエリスリトール、庶糖、 1, 2, 4 ブタントリオール、 1, 2, 5 ペンタトリオール、 グリセロール、 2 メチルプロパントリオール、 2—メチルー 1, 2, 4 ブタントリオール 、トリメチロールェタン、トリメチロールプロパン、 1, 3, 5 トリヒドロキシメチルベンゼ ン等が挙げられる。なお、これらは単独で用いてもよぐ 2種以上を併用してもよい。
[0020] 上記 3価以上の多価カルボン酸または 3価以上の多価アルコールの添カ卩量の好まし い下限は、ジカルボン酸の添カ卩量に対して 0. 5モル%、好ましい上限は 20モル%で ある。 0. 5モル%未満であると、得られる分岐状ポリエステルの分岐部分が少なくな るため、イソシァネートイ匕合物との反応性が低下することがある。また、イソシァネート 化合物と反応させても充分な架橋密度を有する架橋ポリエステルが得られず、耐高
温オフセット性が不充分となることがある。 20モル%を超えると、架橋密度が上がり、 耐高温オフセット性は向上する力 低温定着性が低下することがある。
[0021] 上記分岐状ポリエステル (A)は、数平均分子量の下限が 2000、上限が 7000である 。 2000未満であると、得られるトナーの耐オフセット性及び耐久性が不充分となるこ とがあり、 7000を超えると、得られるトナーが低温定着性に劣るものとなる。好ましい 上限は 5000である。
[0022] 上記分岐状ポリエステル (A)の水酸基価の下限は 20、上限は 80である。
20未満であると、上記分岐状ポリエステル (A)の架橋反応点が減少することから、得 られる架橋ポリエステルの架橋密度が低くなり、耐高温オフセット性が不充分となり、 80を超えると、上記分岐状ポリエステル (A)の架橋反応点が増え、架橋密度が上が り、耐高温オフセット性は向上するが、低温定着性が低下する。
[0023] 上記分岐状ポリエステル (A)は、平均分岐度の好ましい下限が 2. 1、好ましい上限 が 7. 0である。 2. 1未満であると、上記分岐状ポリエステル (A)の架橋反応点が減少 することから、得られる架橋ポリエステルの架橋密度が低くなつて、耐高温オフセット 性が低下することがあり、 7. 0を超えると、上記分岐状ポリエステル (A)の架橋反応 点が増え、架橋密度が上がり、耐高温オフセット性は向上するが、低温定着性が低 下することがある。
本明細書において、平均分岐度とは、下記式(1)に示すように、分岐状ポリエステル (A) lg当たりの水酸基数 (NOH)を、分岐状ポリエステル (A) lg当たりの分子数 (N )で割ったもののことをいう。なお、 NOHは、数平均分子量(Mn)を用いて、 NOH = lZMnで表され、 Nは、分岐状ポリエステル (A)の水酸基価(OHV)を用いて、 N = OHVX 10"3/56. 1で表される。従って、上記平均分岐度は、 Mn及び OHVを用 いて表すこともできる。
ここで、平均分岐度が 2. 0となる場合は、全てのポリエステルが直鎖ポリエステルで あることを示しており、平均分岐度が 2. 0より大きくなるほど、分岐状ポリエステル (A) の割合が多 、ことを示して 、る。
[0024] [数 1]
B u = N O H/N
= (O H V X 1 0 " 3 / 5 6 . 1 ) / ( 1 /M n ) = O H V X M n X 1 0 - 3ノ5 6 . 1 ( 1 )
[0025] 上記分岐状ポリエステル (A)は、含水率が 0. 1重量%以下であることが好まし 、。 0 . 1重量%を超えると、ポリエステルが加水分解を起こして分子量が大きく低下するこ とがある。
[0026] 上記分岐状ポリエステル (A)の含水率を測定する方法としては特に限定されず、例 えば、 JIS K 7251に準拠してカールフィッシャー法により求める方法や、 JIS K 7 209に準拠して吸水後の重量増分を求める等の方法が挙げられる。
[0027] 上記分岐状ポリエステル (A)は、上記含水率が 0. 1重量%以下であり、かつ、イソシ ァネートイ匕合物のイソシァネート基 (NCO基)に対して水酸基 (OH基)の当量比(O H基 ZNCO基)の好ましい下限が 1、好ましい上限が 28である。 1未満であると、耐 高温オフセット性は向上する力 低温定着性が低下することがある。 28を超えると、 耐高温オフセット性が不充分となることがある。
より好まし 、下限は 4、より好まし!/ヽ上限は 20である。
[0028] 上記分岐状ポリエステル (A)のガラス転移温度の好まし 、下限は 30°C、好まし!/ヽ上 限は 80°Cである。 30°C未満であると、高温耐オフセット性ゃ耐ブロッキング性が充分 に得られず、 80°Cを超えると、低温定着性が劣る。より好ましい下限は 50°C、より好 ましい上限は 65°Cである。
[0029] 上記分岐状ポリエステル (A)のガラス転移温度にっ 、ては、テレフタル酸等の芳香 族ジカルボン酸はガラス転移温度を向上させる働きがあり、セバシン酸やアジピン酸 等の長鎖の脂肪族ジカルボン酸はガラス転移温度を低下させる働きがあるのでこれ らのジカルボン酸を適宜組み合わせることにより目的のガラス転移温度を達成するこ とができる。しかし、芳香族ジカルボン酸と長鎖の脂肪族ジカルボン酸とを適宜組み 合わせること〖こよって目的のガラス転移温度を達成することができたとしても、軟ィ匕温 度が高くなりすぎる傾向がある。
そこで、上記分岐状ポリエステル (A)は、屈曲した分子構造を分子鎖中に導入できる 2価の屈曲モノマー又は分岐鎖を有する 2価のモノマーのいずれかを少なくとも含有 する多価カルボン酸と多価アルコールを含むモノマー混合物を重合させてなることが 好ましい。
これら 2価の屈曲モノマーや分岐鎖を有する 2価のモノマーを含有するモノマー混合
物を重合してなるポリマーは、 目的のガラス転移温度と低い軟ィ匕温度をより容易に両 立させることができる。
[0030] 上記 2価の屈曲モノマーとしては、オルト位又はメタ位がカルボキシル基で置換され た芳香族ジカルボン酸、オルト位又はメタ位がヒドロキシル基で置換された芳香族ジ オール、非対称位置にカルボキシル基を有する多環芳香族ジカルボン酸、非対称位 置にヒドロキシル基を有する多環芳香族ジオール等ポリマーの分子鎖に屈曲した分 子構造を導入できるモノマーであればジカルボン酸ゃジオールに限定されず、例え ば、ジカルボン酸の無水物や低級エステル、モノヒドロキシモノカルボン酸等であって もよぐ例えば、無水フタル酸、 o フタル酸、イソフタル酸、 1, 4 ナフタレンジカル ボン酸、 2, 7 ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸及びこれらの無水物や低 級エステル;サリチル酸、 3 -ヒドロキシ - 2-ナフタレンカルボン酸等のモノヒドロキシ モノカルボン酸;カテコール、 1, 4ーシクロへキサンジメタノール等のジオールが挙げ られる。
[0031] また、分岐鎖を有する 2価のモノマーは、分岐鎖の立体障害によりポリマーの結晶化 を効果的に抑制する。結晶化を効果的に抑制できる分岐鎖を有するモノマーとして は、分岐アルキル鎖を有する脂肪族ジオールや、分岐アルキル鎖を有する脂環式ジ オール等が挙げられる。なお、脂環式ジオールとしては、複数の脂環式ジオールが 分岐アルキレン鎖により連結された脂環式ジオールが好ましい。
上記分岐鎖を有する 2価のモノマーとしては特に限定されず、例えば、 1, 2—プロパ ンジオール、 1, 3 ブタンジオール、 2, 3 ブタンジオール、ネオペンチルグリコー ル(2, 2 ジメチルプロパン 1, 3 ジオール)、 1, 2 へキサンジオール、 2, 5— へキサンジオール、 2—メチルー 2, 4 ペンタンジオール、 3—メチルー 1, 3 ペン タンジオール、 2 ェチルー 1, 3 へキサンジオール、 2 ブチルー 2 ェチルー 1 , 3 プロパンジオール、 2, 4 ジェチルー 1, 5 ペンタンジオール等の脂肪族ジ オール; 2, 2 ビス(4 ヒドロキシシクロへキシル)プロパン、 2, 2 ビス(4 ヒドロキ シシクロへキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物等の脂環族ジオール類等 が挙げられる。
[0032] 本発明のトナー用榭脂組成物では、低分子量線状ポリエステル (B)として、数平均
分子量が 2000〜5000、水酸基価が 20〜55であるもの(以下、末端水酸基低分子 量線状ポリエステルとも 、う)を用いる。
上記分岐状ポリエステル (A)と末端水酸基低分子量線状ポリエステルと混合した後、 イソシァネート化合物を反応させた場合、分岐状ポリエステル (A)と末端水酸基低分 子量線状ポリエステルとはともに末端基の大部分が水酸基であるため、分岐状ポリエ ステル (A)同士の架橋構造体及び低分子量線状ポリエステル (B)の未反応体以外 に、分岐状ポリエステル (A)と低分子量線状ポリエステル (B)とがイソシァネートイ匕合 物により結合した構造体が形成される。
このような、分岐状ポリエステル (A)と低分子量線状ポリエステル (B)とがイソシァネ 一トイ匕合物により結合した構造体は、分岐状ポリエステル (A)同士の架橋構造体及 び低分子量線状ポリエステル (B)の未反応体の何れにも相溶しやす!/ヽため、得られ るトナー用榭脂組成物は、適度な架橋密度を有する架橋ポリエステルに低分子量線 状ポリエステル (B)が均一に混合された構成となる。これにより、低温定着性と耐高 温オフセット性のバランスに優れるトナーを作製することが可能となる。また、低分子 量線状ポリエステル (B)が均一に混合された構成となることにより、トナーを製造した 場合に離型剤、着色剤、荷電制御剤、磁性粉等の配合剤との分散性が良好となり、 画質の優れるトナーを作製することが可能となる。
なお、本明細書において、線状ポリエステルとは、エステル構造が直鎖状に存在する ポリエステルのことをいう。但し、上記線状ポリエステルは、末端部がカルボン酸等で 酸変性されたものであってもょ 、。
[0033] 上記低分子量線状ポリエステル (B)として特に限定されず、例えば、ジカルボン酸と ジオールとを縮重合させることにより得られるものを用いることができる。
なお、上記ジカルボン酸及びジオールとしては、上述した分岐状ポリエステル (A)と 同様のものを用いることができる。
[0034] 上記低分子量線状ポリエステル (B)の数平均分子量の好ま 、下限は 2000、好ま しい上限は 5000である。 2000未満であると、得られるトナーの耐ブロッキング性が 不充分となることがあり、 5000を超えると、低温定着性が劣ることがある。
[0035] 上記低分子量線状ポリエステル (B)の水酸基価にっ 、ては平均分子量に応じて決
定される力 下限は 20、上限は 55である。 20未満であると、得られるトナーの低温定 着性が劣り、 55を超えると、耐ブロッキング性が不充分となる。
[0036] 上記低分子量線状ポリエステル (B)のガラス転移温度の好ま 、下限は 30°C、好ま しい上限は 80°Cである。 30°C未満であると、耐ブロッキング性が充分に得られないこ とがあり、 80°Cを超えると、上記低分子量線状ポリエステル (B)の添カ卩により低温定 着性を向上させる効果が充分に発揮されないことがある。
[0037] 上記分岐状ポリエステル (A)と低分子量線状ポリエステル (B)との混合重量比は、 2 0: 80-80: 20であることが好まし!/、。上記分岐状ポリエステル (A)の比率が 20重量 %未満であると、イソシァネートイ匕合物との反応性が低下することがあり、 80重量%を 超えると、低分子量成分が少なくなりすぎ、得られるトナーの低温定着性が低下する ことがある。より好まし 、混合重量比は 30: 70-70: 30である。
[0038] 上記イソシァネートイ匕合物は、 1分子中に 2個以上のイソシァネート基を有する。上記 イソシァネート基が 1分子中に 2個未満であると、架橋ポリエステルの生成が不充分と なり、耐高温オフセット性が低下する。
好ましくは、 1分子中に 3個以上である。 1分子中に 3個以上とすることで、分岐状ポリ エステル (A)とイソシァネートイ匕合物との反応性が向上し、架橋密度が適度なものと なるため、耐高温オフセット性に優れるトナーが得られるトナー用榭脂組成物を製造 することができる。
[0039] 上記イソシァネートイ匕合物において、イソシァネート基の含有量の好ましい下限は上 記分岐状ポリエステル (A) lモルに対して 0. 3モル、好ましい上限は 3モルである。 0 . 3モル未満であると、架橋ポリエステルの生成が不充分となり、耐高温オフセット性 が低下する。 3モルを超えると、架橋に関与しない余剰のイソシァネートイ匕合物が増 加し、イソシァネートイ匕合物自体の物性に近くなることから、低温定着性等の物性が 低下する。
[0040] 上記イソシァネートイ匕合物は 1分子中に 2個以上のイソシァネート基を有する化合物 であれば特に限定されず、例えば、イソホロンジイソシァネート、 2, 4 トリレンジイソ シァネート、 2, 6 トリレンジイソシァネート、へキサメチレンジイソシァネート、トリメチ ルへキサメチレンジイソシァネート、ジフエニルメタン— 4, 4'—ジイソシァネート(MD
1)、水添 MDI、ポリメリック MDI、 1, 5—ナフタレンジイソシァネート、ノルボルナンジ イソシネート、トリジンジイソシァネート、キシリレンジイソシァネート(XDI)、水添 XDI、 リジンジイソシァネート、トリフエ-ルメタントリイソシァネート、トリス (イソシァネートフエ -ル)チォフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシァネート、 1, 6, 10—ゥンデ力 ントリイソシァネート等が挙げられる。
[0041] 本発明では、分岐状ポリエステル (A)、低分子量線状ポリエステル (B)及びイソシァ ネート化合物を反応させた後に、得られるトナー用榭脂組成物の特性を損なわない 範囲で、更に別のポリエステルを添カ卩してもよい。
[0042] 上記別のポリエステルとしては、例えば、上記数平均分子量が 2000〜1万である線 状ポリエステル等が挙げられる。上記数平均分子量が 2000〜1万である線状ポリエ ステル (以下、単に線状ポリエステルともいう)を投入することにより、架橋後に得られ る架橋ポリエステルの架橋密度を適度なものとすることができ、架橋ポリエステルと線 状ポリエステルとを更に均一に混合することができる。
[0043] 上記線状ポリエステルとしては、例えば、ジカルボン酸とジオールとを縮重合させるこ とにより得られるものを用いることができる。
なお、上記ジカルボン酸及びジオールとしては、上述した分岐状ポリエステル (A)と 同様のものを用いることができる。
[0044] 上記線状ポリエステルの数平均分子量の好ましい下限は 2000、好ましい上限は 1万 である。 2000未満であると、トナーの耐ブロッキング性が不充分となることがあり、 1万 を超えると、低温定着性が低下することがある。より好ましい下限は 2500、より好まし い上限は 6000である。
[0045] 本発明にお 、て、上記別のポリエステルを添加する場合、添加量の好ま ヽ上限は 30重量%である。 30重量%を超えると、得られるトナーの低温定着性及び耐高温ォ フセット性が損なわれることがある。より好まし!/、下限は 20重量%である。
[0046] 本発明では、上記分岐状ポリエステル (A)、低分子量線状ポリエステル (B)及びイソ シァネートイ匕合物を水分の存在下で反応させてもよい。このような方法を用いることで 、分子内にウレァ結合を多く有する架橋ポリエステルを製造することができる。これに より、得られる架橋ポリエステルは、耐熱性に優れ、混練時にも熱分解しにくいため、
物性の安定した榭脂となる。
上記水分の存在下で反応させる方法としては、特に限定されず、例えば、原料として 水を含む分岐状ポリエステルを用いる方法や、原料と同時に水を投入する方法等が 挙げられる。
[0047] 原料として水を含むポリエステルを用いる場合、水分量の好ましい下限は 0. 01重量 %、好ましい上限は 1. 0重量%である。 0. 01重量%未満であると、充分なウレァ結 合を形成することができず、 1. 0重量%を超えると、ポリエステルが加水分解を起こし て分子量が大きく低下することがある。
[0048] 本発明では、分岐状ポリエステル (A)、低分子量線状ポリエステル (B)及びイソシァ ネート化合物を反応させた後に、更に多価アルコールを投入することが好ましい。こ れにより、所望の架橋密度を有する架橋ポリエステルを得ることができる。
[0049] 上記多価アルコールとしては特に限定されず、例えば、ソルビトール、 1, 2, 3, 6— へキサンテトラロール、 1, 4ーソノレビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー ル、トリペンタエリスリトール、ショ糖、 1, 2, 4—ブタントリオール、 1, 2, 5—ペンタトリ オール、グリセロール、 2—メチルプロパントリオール、 2—メチルー 1, 2, 4ーブタント リオール、トリメチロールェタン、トリメチロールプロパン、 1, 3, 5—トリヒドロキシメチル ベンゼン等が挙げられる。なお、これらは単独で用いてもよぐ 2種以上を併用しても よい。
[0050] 上記多価アルコールの添加量の好ましい下限は 0. 01重量%、好ましい上限は 3. 0 重量%である。 0. 01重量%未満であると、上記多価アルコールの添加効果が充分 に発揮されず、 3. 0重量%を超えると、架橋密度が上がりすぎ、低分子量線状ポリエ ステル (B)の分散性が低下することがある。
[0051] 上記分岐状ポリエステル (A)、低分子量線状ポリエステル (B)及びイソシァネートイ匕 合物を反応させる方法としては、上記イソシァネート反応が充分に進行するような方 法であれば特に限定されず、例えば、イソシァネート反応が充分に進行する温度で、 反応釜や溶融押出機を用いて溶融混練し反応させる方法等が挙げられる。なかでも 、分岐状ポリエステル (A)とイソシァネート化合物との架橋反応を充分に進行させるこ とができ、連続生産が可能である等の理由から、一軸又は二軸方式の押出混練機が
好ましぐ二軸押出混練機がより好ましい。
[0052] 本発明のトナー用榭脂組成物は、上述した方法を用いて製造することにより、分岐状 ポリエステルお)同士からなる架橋構造体と、分岐状ポリエステル (A)と低分子量線 状ポリエステル (B)とがイソシァネートイ匕合物により結合した構造体と、低分子量線状 ポリエステル (B)の未反応体とを含有するものとなる。
[0053] 本発明のトナー用榭脂組成物は、上記分岐状ポリエステル (A)同士力もなる架橋構 造体を有することで、得られるトナーに耐高温オフセット性を保持させることができる。 また、上記低分子量線状ポリエステル (B)の未反応体を有することで、低温定着性の 発現に寄与するものとすることができる。
カロえて、本発明のトナー用榭脂組成物は、分岐状ポリエステル (A)と低分子量線状 ポリエステルお)とがイソシァネートイ匕合物により結合した構造体を有することで、分 岐状ポリエステル (A)同士の架橋構造体と低分子量線状ポリエステル (B)との相溶 性が大幅に向上する。その結果、本発明のトナー用榭脂組成物は、適度な架橋密度 を有する架橋ポリエステルに低分子量線状ポリエステル (B)が均一に混合された構 成となるため、低温定着性と耐高温オフセット性のバランスに優れるトナーを作製す ることが可能となる。また、トナーを作製した場合に離型剤、着色剤、荷電制御剤、磁 性粉等の配合剤の分散性が良好となり画質の優れるトナーを作製することが可能と なる。
[0054] 本発明のトナー用榭脂組成物は、反応前の分岐状ポリエステル (A)のピーク分子量 以下の分子量を有する分岐状ポリエステル (A)の未反応体 (以下、分岐状ポリエステ ル (A)の未反応体とも!ヽぅ)及び低分子量線状ポリエステル (B)を含有することが好 ましい。
なお、本明細書において、上記分岐状ポリエステル (A)の未反応体とは、上記分岐 状ポリエステル (A)、低分子量線状ポリエステル (B)及びイソシァネートイ匕合物との 反応後に残存する成分であって、反応前の分岐状ポリエステル (A)のテトラヒドロフラ ン可溶分をゲルパーミュエーシヨンクロマトグラフィーで測定することにより得られるピ ーク分子量以下の分子量を有する分子量成分の総称を 、 、、これらは分岐状ポリエ ステル (A)のみならず低分子量線状ポリエステル (B)も含んだものに相当する。
[0055] 本発明のトナー用榭脂組成物は、上記分岐状ポリエステルの未反応体 (A)を含有す ることで、得られるトナーを適度な低温定着性を有するものとすることができる。
また、上記分岐状ポリエステル (A)とイソシァネート化合物とからなる架橋構造体と、 上記分岐状ポリエステル (A)の未反応体とは、相溶性が極めて良好である。その結 果、本発明のトナー用榭脂組成物は、適度な架橋密度を有する架橋構造体に、上 記分岐状ポリエステル (A)の未反応体が均一に混合された構成となるため、低温定 着性と耐高温オフセット性のバランスに優れるトナーを作製することが可能となるとと もに、離型剤、着色剤、荷電制御剤、磁性粉等の配合剤の分散性が良好となり画質 の優れるトナーを作製することが可能となる。
[0056] 本発明のトナー用榭脂組成物における分岐状ポリエステル (A)の未反応体の含有 量を測定する方法としては特に限定されないが、本発明のトナー用榭脂組成物のテ トラヒドロフラン可溶分 (以下、 THF可溶分とも 、う)の分子量分布をゲルパーミユエ ーシヨンクロマトグラフィー(以下、 GPCともいう)を用いて測定した場合の、上記反応 前の分岐状ポリエステルのピーク分子量以下の範囲のピーク面積の全ピーク面積に 対する面積比を測定することにより、上記分岐状ポリエステル (A)の未反応体の含有 量の目安とすることができる。
[0057] 上記反応前の分岐状ポリエステル (A)のピーク分子量以下の範囲のピーク面積の全 ピーク面積に対する面積比を測定する手段としては、以下の方法を用いることができ る。
なお、図 la及び bは、反応前の分岐状ポリエステル (A)及び本発明のトナー用榭脂 組成物の THF可溶分を GPCで測定した場合に得られる分子量分布曲線である。 まず、反応前の分岐状ポリエステル (A)の THF可溶分を GPCで測定した場合に得 られる分子量分布曲線(図 la)から、全ピーク面積である A領域の面積を求める。次 いで、破線で示す反応後のトナー用榭脂組成物の分子量分布曲線(図 lb)から、予 め反応前の分岐状ポリエステル (A)の分子量分布曲線を測定することにより求めた ピーク分子量(図 lb中の X)以下の範囲である B領域の面積を求める。そして、 A領域 に対する B領域の面積の割合を算出することにより、上記反応前の分岐状ポリエステ ル (A)のピーク分子量以下の範囲のピーク面積の全ピーク面積に対する面積比を求
めることができる。
[0058] 本発明のトナー用榭脂組成物の THF可溶分の分子量分布を GPCを用いて測定し た場合、反応前の分岐状ポリエステルのピーク分子量以下の範囲のピーク面積は、 全ピーク面積に対して好ましい下限が 20%、好ましい上限が. 45%である。 20%未 満であると、耐高温オフセット性は向上するが、低温定着性が低下することがある。 4 5%を超えると、耐高温オフセット性が不充分となることがある。
[0059] 上記 GPCの測定装置としては特に限定されず、例えば、 HTR— C (日本ミリポアリミ テッド社製)、 GPC- 101 (昭和電工社製)等が挙げられる。
上記 GPCに用いるカラムとしては特に限定されず、例えば、 KF— 800シリーズ (昭 和電工社製)、 TSK-GEL HHRシリーズ (東ソ一社製)等が挙げられる。
[0060] また、本発明のトナー用榭脂組成物では、テトラヒドロフランに不可溶な成分 (ゲル分 )の好ましい下限は 1重量%、好ましい上限は 40重量%である。 1重量%未満である と、耐高温オフセット性が低下することがあり、 40重量%を超えると、低温定着性が不 充分となることがある。
[0061] 本発明のトナー用榭脂組成物は、テトラヒドロフランに浸漬し、常温で 16時間振とうし た後、 200メッシュの金網フィルターで濾過する方法により測定した膨潤率の好まし V、下限が 500%、好まし!/、上限力 000%である。
上記膨潤率は、架橋ポリエステルの架橋密度と関連性があることから、間接的にトナ 一用榭脂組成物中における架橋ポリエステルと線状ポリエステルとの混合の均一性 を示す指標となる。
従って、膨潤率が上記範囲内であると、架橋構造が適度な密度で形成され、かつ、 架橋ポリエステルと線状ポリエステルとが均一に混合されていると考えられることから
、得られるトナーは、低温定着性と耐高温オフセット性とを両立したものとすることがで きる。
500%未満であると、架橋密度が高くなりすぎ、耐高温オフセット性は向上するが、低 温定着性が低下することがある。 4000%を超えると、架橋密度が低くなりすぎ、これ に伴って、耐高温オフセット性が不充分となることがある。より好ましい下限は 700% 、より好ましい上限は 3500%である。
[0062] 本発明のトナー用榭脂組成物は、フロー軟化点の下限が 100°C、上限が 160°Cであ る。 100°C未満であると、耐高温オフセット性が不充分となり、 160°Cを超えると、低 温定着性が低下する。好ましい上限は 150°Cであり、より好ましい上限は 145°Cであ る。
なお、本明細書においてフロー軟ィ匕点とは、例えば、高化式フローテスター(例えば 、島津製作所社製の「CFT— 500型」等)を用い、荷重 20kg/cm2、オリフィス lmm Φ X lmm、予備温度 60°C、予備時間 5分、チャート速度 20mmZ分、プランジャー 1. 0cm2、昇温速度 6±0. 5°CZminの条件下で、目開き 1. 19mmの JIS標準篩を 通過する 1. Ogの測定試料を溶融流出させ、プランジャー降下量と温度との関係を求 めたときに、榭脂の流出開始時におけるプランジャー降下量と、榭脂の流出停止時 におけるプランジャー降下量との中間のプランジャー降下量 hZ2を与えるときの温 度 Tfを意味する。
図 2に、等速昇温法によりフロー軟ィ匕点 Tfを求める際のプランジャー降下量と時間( 温度)との関係を示す図を示した。
[0063] 本発明のトナー用榭脂組成物は、 170°Cの条件下で 450%の剪断ひずみを与えた ときに、上記剪断ひずみを与えてから 0. 1秒後の緩和弾性率 G (0. 1)の好まし
170¾
Vヽ下限が 100Pa、好まし!/ヽ上限が 1500Paである。
本発明者らは鋭意検討の結果、トナーにおけるオフセット現象は、溶融したトナーの 凝集力が、トナーと熱定着ローラとの接着力よりも小さい場合に発生し、トナーの耐高 温オフセット性は、トナー用榭脂組成物の凝集力の大きさと、大変形下でのトナー用 榭脂組成物の緩和弾性率に関係があることを見出した。そして、本発明者らは更に 鋭意検討した結果、一定の緩和弾性率を有するトナー用榭脂組成物を用いれば、ト ナ一の耐高温オフセット性を維持しつつ、低温定着性を改善できることを見出した。 なお、上記緩和弾性率は、例えば、本発明のトナー用榭脂組成物を溶融した後に所 定の大きさの円盤状に成形したものを試験用試料とし、緩和弾性率測定装置 (例え ば、ティー ·エイ 'インスツルメント社製、 ARES等)を用いて測定することができる [0064] 本発明のトナー用榭脂組成物の酸価としては特に限定されないが、好ましい下限が 1、好ましい上限が 30である。このような酸価は、上記架橋ポリエステルや上記線状
ポリエステルの末端の官能基、具体的には例えばカルボキシル基等に起因するもの である。酸価がこの範囲にあると、得られるトナーが低温定着性に優れることに加え、 紙との親和性も向上する。
[0065] 本発明のトナー用榭脂組成物は、例えば、以下に示すトナー用榭脂組成物の製造 方法を用いることにより製造することができる。
本発明のトナー用榭脂組成物の製造方法は、分岐状ポリエステル及び低分子量線 状ポリエステルをバレル及びスクリューを内蔵する混練機に投入し、溶融する工程 1、 前記スクリューを内蔵する混練機の開口部から、前記分岐状ポリエステル及び低分 子量線状ポリエステルが含有する水分を除去することにより、前記分岐状ポリエステ ル及び低分子量線状ポリエステルの含水率を 0. 3重量%以下にする工程 2、及び、 含水率を 0. 3重量%以下にした前記分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエス テルにイソシァネートイ匕合物を添加し反応させる工程 3を有する方法である。
[0066] 本発明者らは、鋭意検討の結果、分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステ ルをバレル及びスクリューを内蔵する混練機に投入し、溶融した後、混練機の開口部 カゝら分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルが含有する水分を除去し、 分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルの含水率を所定の割合に低下さ せた後に、イソシァネートイ匕合物を投入することによって、溶融させた分岐状ポリエス テル及び低分子量線状ポリエステルにイソシァネートイ匕合物を効率よく反応させるこ とが可能となり、低温定着性、耐高温オフセット性及び画質等のトナー性能に優れる トナーを得ることが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
[0067] 本発明のトナー用榭脂組成物の製造方法では、バレル及びスクリューを内蔵する混 練機を用いる。このような混練機を用いることによって、分岐状ポリエステル及び低分 子量線状ポリエステルとイソシァネートイ匕合物とを連続的に供給し混練することができ 、かつ、分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルとイソシァネートイ匕合物と の架橋反応を充分に進行させることができるため、本発明のトナー用榭脂組成物を 連続的に製造することが可能となる。
[0068] 上記バレル及びスクリューを内蔵する混練機としては特に限定されないが、一軸押出 混練機、二軸同方向押出混練機、ニ軸異方向押出混練機等の二軸押出混練機、四
軸押出混練機、フィーダ一ルーダー、ニーダー、射出成形機等を使用することができ る。なかでも、二軸押出混練機が好ましい。
[0069] 上記バレル及びスクリューを内蔵する混練機は、上流側から、分岐状ポリエステル及 び低分子量線状ポリエステルを供給するための供給部、前記分岐状ポリエステル及 び低分子量線状ポリエステルが含有する水分を除去するための開口部、及び、イソ シァネートイ匕合物を添加するための添加部をこの順に有することが好ましい。
このような構造を有することによって、分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエス テルを溶融し、分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルが含有する水分 を除去した後、イソシァネートイ匕合物を添加することによって、架橋反応させることが できる。
[0070] 図 3は、本発明のトナー用榭脂組成物の製造方法を行うためのスクリューを内蔵する 混練機の一例を示した模式図である。図 3に示すように、押出混練機 1には、上流側 から供給部 2、開口部 3及び添加部 4がこの順で設置されている。
本発明では、まず分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルを定量フィー ダーを用いて供給部 2から連続的に供給し、加熱することにより溶融混練する。その 後、開口部 3から分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルが含有する水 分を除去し、分岐状ポリエステルを所定の含水率とした後に、添加部 4からイソシァネ ート化合物を連続的に供給する。そして、更に溶融混練することによって、分岐状ポ リエステル及び低分子量線状ポリエステルとイソシァネートイ匕合物とを反応させること により、トナー用榭脂組成物を製造することができる。
[0071] 上記スクリューを内蔵する混練機は、スクリューの直径 (D)に対する長さ (L)の比 (L ZD)の好ましい下限が 20、好ましい上限が 100である。 20未満であると、スクリュー の長さが短いため、溶融、脱水、混練、反応等が不充分となることがある。 100を超え ると、加熱時間が長くなり、生成した架橋ポリエステルが熱分解や熱劣化をすることか ら、耐高温オフセット性を改善できないことがある。より好ましい下限は 30、より好まし い上限は 60である。
[0072] 上記スクリューは、上記開口部から効率良く水分の除去を行うために、上記分岐状ポ リエステル及び低分子量線状ポリエステルを溶融する工程 1の後、及び、上記イソシ
ァネートイ匕合物を添加する工程 3の前に、それぞれシール構成を有することが好まし い。このようなシール構成を有することによって、上記分岐状ポリエステルが含有する 水分を安定的に除去することが可能となる。
上記シール構成としては特に限定されないが、例えば、二軸同方向押出機を使用す る場合には、逆ネジのスクリュー、ニーデイングディスク、シールリング等を使用するこ とがでさる。
[0073] 上記開口部は、該開口部から上記分岐状ポリエステルが含有する水分を除去できる ものであれば特に限定されないが、例えば、ベント口であることが好ましぐ減圧装置 が取り付けられたベント口であって、ベント口の内部及びスクリューの一部を減圧し、 真空雰囲気にすることが可能な真空ベント口であることがより好ま 、。
上記スクリューを内蔵する混練機の開口部を真空ベント口とすることによって、上記 分岐状ポリエステルが含有する水分を減圧した状態で除去することが可能となるため 、効果的に水分を除去することができる。
[0074] 上記開口部は、大気圧の下で上記分岐状ポリエステルが含有する水分を除去するこ とができるものであればよいが、上記真空ベント口を有する場合には、減圧装置を用 いて減圧することによって、上記分岐状ポリエステルの含水率を効果的に低下するこ とが可能となる。上記真空ベント口を用いて減圧する場合には、真空度の好ましい上 限は 200Torr、より好ましい上限は 100Torr、更に好ましい上限は 30Torrである。
[0075] 上記開口部において、上記スクリューの直径 (D)に対する長さ (L)の比 (LZD)の好 ましい下限は 1、より好ましい下限は 5である。上記開口部における上記スクリューの 長さは、長ければ長い程水分を充分に除去することが可能となるが、使用する混練 機の全長とのバランスが重要である。
[0076] 本発明のトナー用榭脂組成物の製造方法は、分岐状ポリエステル及び低分子量線 状ポリエステルをバレル及びスクリューを内蔵する混練機に投入し、溶融する工程 1 を有する。
上記分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルを溶融する温度としては特 に限定されないが、好ましい下限は 50°C、好ましい上限は 200°Cである。 50°C未満 であると、分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルを充分に溶融すること
ができないことがある。 200°Cを超えると、分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリ エステルが熱分解や熱劣化するため、得られるトナーの耐高温オフセット性が悪ィ匕す ることがある。
[0077] 上記工程 1においては、更に分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルを 1 20°C以上に加熱して溶融することが好ましい。 120°C以上に加熱することにより、分 岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステル中に含まれる水分、揮発成分等を 除去することができる。
上記分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルを溶融する際の温度の好ま しい上限は 180°Cである。 180°Cを超えると、分岐状ポリエステルが熱分解や熱劣化 するため、得られるトナーの耐高温オフセット性が悪ィ匕することがある。
[0078] 本発明のトナー用榭脂組成物の製造方法は、上記スクリューを内蔵する混練機の開 口部から、上記分岐状ポリエステルが含有する水分を除去することにより、上記分岐 状ポリエステルの含水率を 0. 3重量%以下にする工程 2を有する。
従来の分岐状ポリエステル力 水分を除去する方法では、予め固体状態の分岐状ポ リエステルを真空乾燥する等の方法が採られていた。し力しながら、この方法では、 分岐状ポリエステルの含水率を 0. 3重量%以下に安定させるために 20時間以上必 要となったり、分岐状ポリエステルの融点が低いため加熱する際に合着したり、分岐 状ポリエステルの内部に微量の水分が残存したり、混練機に投入するまでのわずか な時間に空気中の水分を吸収してしまったりすることがあった。これに対して、本発明 では、上記分岐状ポリエステルが含有する水分を除去する際に、分岐状ポリエステル を溶融状態にしておくことによって分岐状ポリエステルから充分に水分を除去し、か つ、水分を除去した分岐状ポリエステルを連続工程でイソシァネートイ匕合物と反応さ せることから、水分による反応の阻害がほとんど起こらな 、。
[0079] 上記分岐状ポリエステルが含有する水分を除去する際、上記分岐状ポリエステルの 温度としては特に限定されないが、好ましい下限は 80°Cである。 80°C未満であると、 溶融した上記分岐状ポリエステル力も効率良く水分を除去できな 、ことがある。より好 ましい下限は 100°Cである。
[0080] 上記工程 2においては、溶融した分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステ
ルを 90〜 130°Cに制御することが好ま 、。上記分岐状ポリエステル及び低分子量 線状ポリエステルを 90〜130°Cに制御することによって、後述するように、添加したィ ソシァネートイ匕合物を分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステル中で微分 散させることが可會となる。
なお、上述のように本発明のトナー用榭脂組成物の製造方法においては、工程 1で 分岐状ポリエステルを 120°C以上に加熱することが好ましいが、上記分岐状ポリエス テル及び低分子量線状ポリエステルを供給した後、速やかに 120°C以上とするため には、通常、供給部 2付近においてバレルを強加熱する必要がある。従って、何らか の冷却を行って温度を制御しない限り、分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリ エステルの温度は溶融後にも 120°Cを超えて上昇していく。本発明のトナー用榭脂 組成物の製造方法にお!ヽては、この分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエス テルの温度上昇を抑えて 90〜 130°Cに制御することが重要である。
上記分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルの温度を 90〜 130°Cに制 御する方法としては特に限定されず、例えば、バレル及びスクリューを有する混練機 のバレル又はスクリューを冷却水等により冷却する方法等が挙げられる。
[0081] 水分を除去した上記分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルの含水率の 上限は 0. 3重量%である。 0. 3重量%を超えると、分岐状ポリエステルが含有する水 分力、分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルとイソシァネートイ匕合物と の反応を阻害するため、得られるトナー用榭脂組成物の粘度を充分に高くすることが できず、トナーとして耐高温オフセット性を発現することができなくなる。好ましい上限 は 0. 1重量%である。
[0082] 本発明のトナー用榭脂組成物の製造方法は、含水率を 0. 3重量%以下にした上記 分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルに、 1分子中に 2個以上のイソシ ァネート基を有するイソシァネートイ匕合物を添加し反応させる工程 3を有する。
0. 3重量%以下の含水率を有する分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステ ルに、イソシァネートイ匕合物を添加することによって、これらの反応が水分によって阻 害されることなぐ充分に反応が進行し、架橋ポリエステルを生成することが可能とな る。
[0083] 上記工程 3において、上記イソシァネートイ匕合物を添加する際の上記分岐状ポリエス テル及び低分子量線状ポリエステルの温度の好ま U、下限は 90°C、好ま 、上限は 130°Cである。 90°C未満であると、分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステ ルの溶融粘度が高くなり過ぎ、イソシァネートイ匕合物を添加しても微分散させることが できないため、均一かつ適度な架橋構造を有する架橋ポリエステルが形成されず、 得られるトナーが耐高温オフセット性を発現できないことがある。 130°Cを超えると、ィ ソシァネートイ匕合物を添加した場合、イソシァネートイ匕合物が充分に分散する前に分 岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルとイソシァネートイ匕合物との反応が 開始してしまい、イソシァネートイ匕合物を微分散させることができないため、均一かつ 適度な架橋構造を有する架橋ポリエステルが形成されず、得られるトナーが耐高温 オフセット性を発現できな 、ことがある。
[0084] このように上記イソシァネートイ匕合物を添加する際の上記分岐状ポリエステル及び低 分子量線状ポリエステルの温度を 90〜130°Cとすることによって、分岐状ポリエステ ル及び低分子量線状ポリエステルとイソシァネートイ匕合物との反応が進行してしまう 前に、分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルに対してイソシァネートイ匕 合物を充分に分散させることができるため、均一かつ適度な架橋構造を有するトナー 用榭脂組成物を製造することが可能となり、得られるトナーを、低温定着性、耐高温 オフセット性等のトナー性に優れるものとすることができる。
[0085] 上記イソシァネートイ匕合物を添加した後の混練温度としては、分岐状ポリエステル及 び低分子量線状ポリエステルとイソシァネートイ匕合物との架橋反応が充分に進行して 、架橋ポリエステルを得ることができる温度であれば特に限定されないが、好ましい下 限は 100°C、好ましい上限は 230°Cである。 100°C未満であると、架橋反応が進行し にくぐ架橋ポリエステルの生成が不充分となることがある。 230°Cを超えると、生成し た架橋ポリエステルが熱分解や熱劣化することにより、耐高温オフセット性を改善でき な!、ことがある。より好まし!/ヽ上限は 200°Cである。
[0086] 上記分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルに上記イソシァネート化合 物を添加した後、上記押出混練機内での滞留時間の好ましい下限は 3分、好ましい 上限は 30分である。 3分未満であると、分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエ
ステルとイソシァネートイ匕合物との架橋反応が不充分となることがある。 30分を超える と、生成した架橋ポリエステルが熱分解や熱劣化することにより、耐高温オフセット性 を改善できな 、ことがある。より好ま U、上限は 20分である。
[0087] 本発明のトナー用榭脂組成物をバインダー榭脂として用いて、必要に応じて、離型 剤、着色剤、電荷制御剤、磁性体、ゴム状ポリマー、スチレン アクリル酸エステル共 重合体からなるトナー用榭脂、キャリア、クリーニング性向上剤等と混合することにより 、トナーを製造することができる。このようなトナーもまた、本発明の 1つである。
なお、本発明のトナーは、本発明のトナー用榭脂組成物を用いることにより低温定着 性及び耐高温オフセット性の両方に優れて ヽることから、離型剤を含有して ヽなくて ちょい。
[0088] 上記離型剤としては特に限定されず、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンヮ ッタス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ポリエチレンワックス等のォレフィン系ワックス やパラフィン系ワックス;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルヮッ タス等の脂肪族エステル系ワックス;脱酸カルナバワックス;バルチミン酸、ステアリン 酸、モンタン酸等の飽和脂肪族酸系ワックス;プラシジン酸、エレォステアリン酸、バリ ナリン酸等の不飽和脂肪族酸系ワックス;ステアリルアルコール、ァラルキルアルコー ノレ、ベへ-ノレァノレコーノレ、カノレナゥビノレアノレコーノレ、セリノレアノレコーノレ、メリシノレアノレ コール等の飽和アルコール系ワックスや脂肪族アルコール系ワックス;ソルビトール等 の多価アルコール系ワックス;リノール酸アミド、ォレイン酸アミド、ラウリン酸アミド等の 飽和脂肪酸アミド系ワックス;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビス力プリン酸 アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、へキサメチレンビスステアリン酸アミド等の飽和 脂肪酸ビスアミド系ワックス;エチレンビスォレイン酸アミド、へキサメチレンビスォレイ ン酸アミド、 N, N,ージォレイルアジピン酸アミド、 N, N,ージォレイルセバシン酸アミ ド等の不飽和酸アミド系ワックス; m キシレンビスステアリン酸アミド、 N, N,—ジステ ァリルイソフタル酸アミド等の芳香族ビスアミド系ワックス;ステアリン酸カルシウム、ラ ゥリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩; スチレンやアクリル酸等のビュル系モノマーをポリオレフインにグラフト重合させたダラ フト変性ワックス;ベへニン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価アルコ一ルとを反応させ
た部分エステルワックス;植物性油脂を水素添加して得られるヒドロキシル基を有する メチルエステルワックス;エチレン成分の含有割合が高いエチレン 酢酸ビュル共重 合体ワックス;アクリル酸等の飽和ステアリルアタリレートワックス等の長鎖アルキルァ タリレートワックス;ベンジルアタリレートワックス等の芳香族アタリレートワックス等が挙 げられる。なかでも、長鎖アルキルアタリレートワックスや芳香族アタリレートワックスは 、トナー用榭脂組成物との相溶性に優れ透明性の高いトナーが得られることから好適 である。これらの離型剤は単独で用いてもよいし、 2種以上を併用してもよいが、特に 融点が 30°C以上異なる 2種以上の離型剤を併用することが好ましい。
上記離型剤のトナー中における大きさとしては特に限定されないが、長径が 2 m以 下であることが好ましい。
[0089] 上記着色剤としては特に限定されず、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、サ 一マルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、ァニリ ンブラック、フタロシア-ンブルー、キノリンイェローランプブラック、ローダミン B、ァ ゾ系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、アントラキノン系顔料、ジォキサジン系 顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、スレン系顔料、インジコ系顔料、 キノフタロン、ジケトピロロピロール、キナクリドン等が挙げられる。
これらの着色剤の配合量の好ましい下限は、通常、トナー用榭脂組成物 100重量部 に対して 1重量部、好ましい上限は 10重量部である。
[0090] 上記電荷制御剤には、正帯電用と負帯電用との 2種類がある。上記正帯電用電荷制 御剤としては、例えば、ニグ口シン染料、アンモニゥム塩、ピリジ-ゥム塩、ァジン等が 挙げられ、負帯電用電荷制御剤としては、例えば、クロム錯体、鉄錯体等が挙げられ る。なかでも、酸変性荷電制御剤が好適であり、サリチル酸変性であるとトナー用榭 脂組成物と架橋してゴム弾性を発現する。ジ tert ブチルサリチル酸クロム錯体ジ tert ブチルサリチル酸亜鉛錯体等のアルキル置換サルチル酸の金属錯体は、 無色又は淡色であるためトナーの色調に影響を与えないので好ましい。また、上記 電荷制御剤としては、荷電制御榭脂(CCR)も好適に用いることができる。上記荷電 制御榭脂としては、例えば、 4級アンモ-ゥム塩を含むモノマー、有機フッ素系モノマ 一、スルホン酸基含有モノマー、フエ-ルマレイミド系モノマー等を共重合したスチレ
ンアクリルポリマー等が挙げられる。
これらの電荷制御剤の配合量の好ましい下限は、通常、トナー用榭脂組成物 100重 量部に対して 0. 1重量部、好ましい上限は 10重量部である。
[0091] 上記磁性体としては、例えば、商品名「TAROX BLシリーズ」(チタン工業社製)、 商品名「EPTシリーズ」、商品名「MATシリーズ」、商品名「MTSシリーズ」(いずれも 戸田工業社製)、商品名「DCMシリーズ」(同和鉄粉社製)、商品名「KBCシリーズ」 、商品名「KBIシリーズ」、商品名「KBFシリーズ」、商品名「KBPシリーズ」(いずれも 関東電ィ匕工業社製)、商品名「BayOXide Eシリーズ」(Bayer AG社製)等が挙げ られる。
なお、従来のトナーでは、上記磁性体を添加した場合、トナー中の樹脂の比率が非 磁性トナーに比べて低下することや、定着ローラの-ップ圧を高めることにより、耐高 温オフセット性が発現しにくい傾向になる力 本発明のトナーでは、磁性体を添加し た場合であっても、良好な耐高温オフセット性を発現させることが可能となる。このよう に磁性体を添加した場合でも優れた耐高温オフセット性を実現できる理由の 1つとし ては、本発明のトナー用榭脂組成物では、イソシァネート基が榭脂中に高分散して おり、これに伴い、トナーに添加した極性基を有する離型剤についても良好に分散さ れることが挙げられる。
このように本発明の榭脂組成物は、通常用いられるトナーの中でも、トナー全体に占 める樹脂の比率が最も低いと考えられる磁性一成分トナーにおいて、良好な耐高温 オフセット性を発現させることができることから、あらゆるトナーに適応することができる
[0092] 上記ゴム状ポリマーとしては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエン ゴム、二トリルゴム(アクリロニトリル—ブタジエン共重合体)、クロロプレンゴム、ブチル ゴム、アタリノレゴム、ポリウレタンエラストマ一、シリコーンゴム、エチレン プロピレン共 重合体、エチレン プロピレン ジェン共重合体、クロロスルフィン化ポリエチレン、 エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン アクリル酸共重合体、エチレン アクリル 酸エステル共重合体、塩素化ポリエチレン、ェピクロロヒドリンゴム、二トリルイソプレン ゴム等の合成ゴム、ポリエステルエラストマ一、ウレタンエラストマ一等のエラストマ一、
スチレン一ブタジエン一スチレンブロック共重合体、スチレン一イソプレン一スチレン ブロック共重合体、スチレン一エチレンブチレン一スチレンブロック共重合体、スチレ ンーエチレンプロピレン スチレンブロック共重合体等の芳香族炭化水素と共役ジェ ン系炭化水素とのブロック共重合体が挙げられる。なお、ブロック共重合体にはスチ レン ブタジエンブロック共重合体やスチレン イソプレンブロック共重合体等が混 合されてあってもよぐこれらの水素添加物が混合されてあつてもよい。
また、末端に水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、スルホニル基、シァノ基、ニトロ 基、ハロゲン基等の極性基を有する芳香族炭化水素と共役ジェンとのブロック共重 合体力もなるゴム状ポリマーは、トナーとの親和性に優れるので好ましい。これら末端 に極性基を有するブロック共重合体はリビング重合により得ることができる。
ゴム状ポリマーは、トナーに含まれる榭脂の樹脂強度を向上させることができる。よつ て、ゴム状ポリマーを含有するトナーは、トナーのフィルミング現象を防止することがで き、また、高い榭脂強度が必要な非磁性 1成分トナーに好適なトナーが得られる。
[0093] 上記キャリアとしては、例えば、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、 希土類等の金属単体、合金、酸化物、フ ライト等が挙げられる。キャリアは表面が酸 化されていてもよい。また、キャリア表面がポリテトラフルォロエチレン、モノクロロトリフ ルォロエチレンポリマー、ポリフッ化ビ-リデン、シリコーンポリマー、ポリエステル、ジ tert ブチルサリチル酸の金属錯体、スチレン系ポリマー、アクリル系ポリマー、ポ リアミド、ポリビニルブチラール、ニグ口シン塩基性染料、シリカ粉末、アルミナ粉末等 で被覆されて ヽてもよ ヽ。キャリアを被覆することにより好まし 、摩擦帯電性をキャリア に付与することができる。
[0094] 上記クリーニング性向上剤としては、トナー粒子と混合することによりトナーの流動性 が向上するものであれば特に限定されない。トナーの流動性が向上するとトナーがク リー-ングブレードに付着しに《なる。例えば、フッ化ビ-リデンポリマー等のフッソ 系ポリマー粉末、アクリル酸エステルポリマー等のアクリル系ポリマー粉末、ステアリン 酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛等の脂肪酸金属塩粉末、酸化亜鉛 粉末、酸化チタン粉末等の金属酸化物粉末、微粉末シリカ粉末、シランカップリング 剤やチタンカップリング剤やシリコンオイル等により表面処理が施されたシリカ粉末、
ヒュームドシリカ等が挙げられる。また、上記クリーニング性向上剤としては、アクリル 系ポリマーやスチレン系ポリマー等からなる粒径 0. 05〜0. 5 mの球体も好適に用 いることがでさる。
[0095] 本発明のトナーは、ゲルパーミュエーシヨンクロマトグラフィーで測定したときに、重量 平均分子量が 2000以下の位置にピークが認められることが好まし 、。これにより定 着性が向上する。また、本発明のトナーは、ゲルパーミュエーシヨンクロマトグラフィー で測定したときに、重量平均分子量が 1万以上の位置にピークが認められることが好 ましい。これにより耐水性が向上する。
[0096] 本発明のトナーの粒径としては特に限定されないが、 5 m以下である場合には特に 高い画質が得られる。
本発明のトナーの含水分量としては特に限定されないが、好ましい下限は 0. 01重 量%、好ましい上限は 0. 2重量%である。 0. 01重量%未満であると、製造上の問題 力 製造が困難となり、 0. 2重量%を超えると、充分な帯電安定性が得られないこと がある。
本発明のトナーの安息角としては特に限定されないが、 23°C、湿度 60%における安 息角の好ましい下限は 1度、好ましい上限は 30度である。 1度未満であると、トナーの ハンドリングが困難となることがあり、 30度を超えると、トナーの流動性が不足すること がある。なお、上記トナーの安息角は、例えば、ノ ウダ一テスター(例えば、ホソカワミ クロン社製 PT—N型等)等により測定することができる。
[0097] 本発明のトナーの表面粗さとしては特に限定されないが、好ましい下限は 0. 01 m 、好ましい上限は 2 μ mである。 0. 01 μ m未満であると、印字を行うことが困難となる ことがあり、 2 mを超えると得られる画像の表面光沢が不充分となることがある。なお 、上記表面粗さは、本発明のトナーを用いて印字した画像の印字部を JIS B 0601 に算術平均粗さ (Ra)の測定方法として規定される方法により測定することができる。
[0098] 本発明のトナーは、低温力 高温にわたる広い範囲で良好な定着性を発現すること ができ、低温定着性と耐高温オフセット性、耐ブロッキング性との両方に優れることか ら、スィッチをいれてから印刷が可能になるまでの時間を短縮することができるので、 経済的であり、更に、ローラの温度が下がっても画像の鮮明性を維持することができ
るので、印刷の高速ィ匕を図ることができる。本発明のトナーは、画像再現性に優れる
[0099] また、本発明のトナーは、離型オイルが塗布された定着ローラにより定着されてもよい 力 定着ローラに離型オイルが塗布されていなくても良好な定着性を発現することが できる。
発明の効果
[0100] 本発明によれば、低温定着性及び耐高温オフセット性に優れるトナーを得ることが可 能なトナー用榭脂組成物、トナー及び該トナー用榭脂組成物の製造方法を提供でき る。
発明を実施するための最良の形態
[0101] 以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみ に限定されるものではない。
[0102] (実施例 1)
(1)分岐状ポリエステルの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を 常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸 9 0モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸 5モル、無水フタル酸 5モル、 3価以上の 多価単量体として、トリメリット酸 2. 5モル、分岐モノマー成分としてネオペンチルグリ コール 100モル、他のジオールとしてエチレングリコール 100モル、エステル化縮合 触媒としてチタンテトラブトキシド (TBB) O. 05モルを仕込み、 200°Cで、生成する水 を蒸留塔より留出させながらエステルイ匕反応を行った。蒸留塔より水が留出しなくな つた時点でエステルイ匕反応を終了した。
エステル化反応終了後、 60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、 真空ポンプからのラインを開き、反応系内を 5mmHg以下に減圧し、 240°C、攪拌回 転数 60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ 留出させて、分岐状ポリエステルを得た。
なお、得られた分岐状ポリエステルの水酸基価を測定したところ、 40であった。
[0103] (2)低分子量線状ポリエステルの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を 常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ジ メチル 90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸ジメチル 10モル、ネオペンチル グリコール 100モル、他のジオールとしてエチレングリコール 100モル、エステル化縮 合触媒としてチタンテトラブトキシド (TBB) O. 05モルを仕込み、 200°Cで、生成する 水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステルイ匕反応を行った。蒸留塔より 水が留出しなくなつた時点でエステルイ匕反応を終了した。
エステル化反応終了後、 60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、 真空ポンプからのラインを開き、反応系内を 5mmHg以下に減圧し、 240°C、攪拌回 転数 60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ 留出させて、低分子量線状ポリエステルを得た。なお、得られた低分子量線状ポリエ ステルの水酸基価を測定したところ、 38であった。
[0104] (3)トナー用榭脂組成物の製造
得られた分岐状ポリエステル 68. 2重量部と低分子量線状ポリエステル 29. 3重量部 とを定量フィーダ一を用いて二軸押出機 (池貝社製、 L/D = 37)に連続的に供給し 、バレル温度 120°Cで溶融混練した後、二軸押出機の第一ベント口より揮発成分を 除去した。
次いで、二軸押出機の第二ベント口から 1分子中に 2個以上のイソシァネート基を有 するポリメリック型 MDI (44V20、住化バイエルウレタン社製) 2. 5重量部を連続的に 供給し、更にバレル温度 170°Cで溶融混練を行うことにより、トナー用榭脂組成物を 得た。
[0105] (4)トナーの製造
得られたトナー用榭脂組成物 100重量部に荷電制御剤(S— 34、オリエント化学社 製) 1重量部、カーボンブラック 5重量部(MA— 100、三菱化学社製)、カルナバヮッ タス 3. 5重量部(融点 83°C)をヘンシェルミキサーで充分に混合した後、 130°Cで溶 融混練し、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル (ラボジェット、日本-ユーマチック 社製)で微粉砕して、平均粒径約 8〜12 1!1のトナー粉末を得た。更に、このトナー 粉末を分級機 (MDS— 2、日本-ユーマチック社製)で分級して、平均粒径約 10
mのトナー微粉末を得た。このトナー微粉末 100重量部に、疎水性シリカ (R972、 日 本ァエロジル社製) 1. 0重量部を均一に混合 (外添)してトナーを製造した。
[0106] (実施例 2)
トナー用榭脂組成物の製造において、分岐状ポリエステルの添加量を 39重量部、低 分子量線状ポリエステルの添力卩量を 58. 5重量部、ポリメリック型 MDI (44V20、住 化バイエルウレタン社製)の添加量を 2. 5重量部とした以外は、実施例 1と同様にし てトナー用榭脂組成物及びトナーを製造した。
[0107] (比較例 1)
トナー用榭脂組成物の製造において、分岐状ポリエステルの添加量を 97. 5重量部 、低分子量線状ポリエステルの添加量を 0重量部、ポリメリック型 MDI (44V20、住化 バイエルウレタン社製)の添加量を 2. 5重量部とした以外は、実施例 1と同様にしてト ナー用榭脂組成物及びトナーを製造した。
[0108] (比較例 2)
(1)低分子量線状ポリエステルの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を 常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ジ メチル 90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸ジメチル 10モル、ネオペンチル グリコール 100モル、他のジオールとしてエチレングリコール 100モル、エステル化縮 合触媒としてチタンテトラブトキシド (TBB) O. 05モルを仕込み、 200°Cで、生成する 水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステルイ匕反応を行った。蒸留塔より 水が留出しなくなつた時点でエステルイ匕反応を終了した。
エステル化反応終了後、 60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、 真空ポンプからのラインを開き、反応系内を 5mmHg以下に減圧し、 240°C、攪拌回 転数 60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ 留出させて、ポリエステノレを得た。
得られたポリエステルの全量に対して無水トリメリット酸 13モルを加え、 200°Cで約 1 時間反応させることにより、低分子量線状ポリエステルを得た。なお、得られた低分子 量線状ポリエステルの酸価を測定したところ、 53であり、水酸基価を測定したところ、
2であった。
[0109] 次いで、トナー用榭脂組成物の製造において、実施例 1の分岐状ポリエステルの添 カロ量を 68. 2重量部とし、得られた低分子量線状ポリエステルの添力卩量を 29. 3重量 部、ポリメリック型 MDI (44V20、住化バイエルウレタン社製)の添力卩量を 2. 5重量部 とした以外は、実施例 1と同様にしてトナー用榭脂組成物及びトナーを製造した。
[0110] (評価)
実施例 2及び比較例 1、 2で作製したトナー用榭脂組成物又はトナーについて、 以下の方法により評価を行った。結果を表 1に示した。
[0111] [ポリエステル及びトナー用榭脂組成物の分子量の測定]
GPC測定装置として、日本ミリポアリミテッド社製の HTR—Cを用い、カラムには昭和 電工社製の KF— 800P ( 1本)、 KF— 806M (2本)、 KF— 802. 5 ( 1本)を直列に つな!/ヽで使用し、重量平均分子量 (Mw)及び数平均分子量 (Mn)を測定した。測定 条件は、温度は 40°C、試料は 0. 2重量%THF溶液(0. 45 mのフィルターを通過 したもの)、注入量は 100 レキャリア溶媒は THF、校正試料として標準ポリスチレ ンを用いた。
[0112] [ガラス転移温度 (Tg)の測定]
トナー用榭脂組成物について、示差走査熱量計 (セイコー電子工業社製、 DSC-6 200R)を用いて、昇温速度 10°CZ分で、 JIS K 7121に準拠して測定し、該規格 ( 9. 3「ガラス転移温度の求め方」)に記載されている中間ガラス転移温度を求めた。
[0113] [膨潤率及び THF不溶分 (ゲル分率)の測定]
得られたトナー用榭脂組成物 0. 3gをサンプル瓶に秤取し、これに THF30gを入れ、 常温にて 16時間振とうした後、 200メッシュ金網フィルターで濾過し、不溶分を 3回共 洗いすることにより、得られた残留物の重量 (膨潤体重量)を測定した。次いで、得ら れた残留物を 110°Cで 1時間、乾燥し、乾燥後の重量 (乾燥体重量)を測定した。こ のようにして得られた膨潤体重量及び乾燥体重量から、以下の式により、膨潤率及 び THF不溶分 (ゲル分率)を求めた。
膨張率 = (膨潤体重量 Z乾燥体重量) X 100
テトラヒドロフラン不溶分 (%) = (乾燥体重量 Z試料重量) X 100
[0114] [フロー軟ィ匕温度の測定]
高化式フローテスター(島津製作所社製、 CFT— 500型)を用い、荷重 20kgZcm2 、オリフィス lmm φ X lmm、予備温度 60°C、予備時間 5分、チャート速度 20mmZ 分、プランジャー 1. 0cm2、昇温速度 6±0. 5°CZminの条件下で、目開き 1. 19m mの JIS標準篩を通過する 1. Ogの測定試料を溶融流出させ、図 1に示すように、榭 脂の流出開始時におけるプランジャー降下量と、榭脂の流出停止時におけるプラン ジャー降下量との中間のプランジャー降下量 hZ2を与えるときの温度 Tfを測定した
[0115] [緩和弾性率の測定]
トナー用榭脂組成物を溶融後、直径 25mm、高さ lmmの円盤状に成形し、これを試 験用試料とした。これを直径 25mmの円盤-円盤治具に取り付け、緩和弾性率測定 装置 (ティー 'エイ'インスツルメント社製、 ARES)を用いて 170°C、初期剪断ひずみ 450%の条件で、剪断ひずみを与えて力 0. 1秒後の緩和弾性率 G (0. 1)を測
170¾ し 7こ。
[0116] [ブロッキング'性の評価]
トナー 10gを lOOmLサンプル瓶に取り、 50°Cの恒温槽中に 8時間放置した後、パゥ ダーテスター(ホソカワミクロン社製)を用いて 250 μ mのフィルターでふる!/ヽに力 4ナフ ィルター上に凝集物が残存するかを観察し、凝集物がある場合には、トナー重量に 対する凝集物の重量 (重量%)を求めた。
[0117] [フィルミング評価]
1万枚印刷を行い、感光体ローラにトナーが付着していないかを目視で観察し、トナ 一の付着が見られないものをフィルミングなしと評価した。
[0118] [高温オフセット温度及び低温オフセット温度の測定]
実施例 1〜2及び比較例 1〜2で得られたトナー 6. 5重量部を平均粒径 50〜80 /z m の鉄粉キャリア 93. 5重量部と混合して現像剤を作製した。電子写真複写機としてコ ユカ社製の UBIX4160AFを熱定着ローラの設定温度が最大 250°Cまで変えられる ように改造したものを用いた。
熱定着ローラの設定温度を段階的に変化させて、各設定温度の熱定着ローラによつ
て未定着トナー像を転写紙に定着させた複写物を得た。
得られた複写物の余白部分や定着画像がトナーにより汚されているか否かを観察し 、汚れが生じない温度領域を非オフセット温度領域とした。また、非オフセット温度領 域の最大値を高温オフセット温度とし、最小値を低温オフセット温度とした。
[0119] [トナーの最低定着温度の測定]
電子写真複写機の熱定着ローラの設定温度を段階的に変えて複写を行い、余白部 分や定着画像にかぶりが発生することなく余白部分や定着画像がトナーにより汚され ておらず、得られた複写物の定着画像をタイプライター用メンパットで擦ったとき、定 着画像の濃度の低下が 10%未満である場合を定着良好と判定し、その時の最低温 度を求めた。
なお、画像の濃度はマクベス光度計を用いて測定した。
[0120] [画質 (カプリの有無、画像濃度)の確認]
高温オフセット温度及び低温オフセット温度の測定の試験と同様に未定着画像を形 成し、 100枚目の画像を定着させ目視により画質 (カプリの有無)を確認した。カプリ の発生が問題のな!、レベルである場合をカプリなしとし、問題となるようなカプリが発 生している場合をカプリありとした。また、画像の濃度をマクベス光度計を用いて測定 した。
[0121] [表 1]
実施例 1 実施例 2 比較例 1 比較例 2
Τレフタル酸シ'メチル 90 90 90 90 イリフタル酸シ'メチル 5 5 5 5 ポ 原料モノマ- 無水フタル酸 5 5 5 5 配合 (モル) 卜リメリツ卜酸 2.5 2.5 2.5 2.5 リ分刀 ネオへ。ンチルク 'リコ一ル 100 100 100 100 岐 エチレンク'リコール 100 100 100 100 ί状 ガラス転移温度 C) 52 52 52 52 ル 重量平均分子量 1 7000 1 7000 17000 17000 評価
数平均分子量 3 I 00 3100 3100 3100 水酸基価 40 40 40 40 テレフタル酸シ'メチル 90 90 - 90 イソフタル酸シ'メチル 1 0 10 ― 10 原料モノマ- ポ低 無水トリメリット酸 一 ― ― 13 配合 (モル)
リ分 ネオ ンチルゲリコ—ル 100 100 一 100 ェ子 エチレンク'リコール t oo 100 ― 100 里 ガラス転移温度 (°c) 54 54 ― 62 亍線 重量平均分子量 9400 9400 ― 1 1200 ル状 評価 效平均分子量 4900 4900 ― 3000 水酸基価 38 38 3 酸価 2 2 53 ホ-リメリック MDI ホ メリック MDI ホ。リメリック MDI ホ'リメリック MD1 イソシァネート 種類 (44V20) (MR200) (44V20) (44V20) 化合物
1分子中のイソシァネート基数 約 3個 約 3個 約 3個 約 3個 分岐状ポリエステル 68.2 39 97.5 68.2 卜 配合 低分子量線状ポリエステル 29.3 58.5 0 29.3 ナ (重量部) ホ°リエステル中の含水率(%) 0.10 0.10 0.10 0.10
1 イソシァネート化合物 2.5 2.5 2.5 2.5 用 ガラス転移温度 (°c) 61 63 60 61 樹 重量平均分子量 70000 40700 60700 57000 脂 数平均分子量 7700 7500 10600 9700 組 評価 フロー軟化点 C) 144.6 125.8 163.6 139.0 成 緩和弾性率 Gi 7(K0.1 ) (Pa) 8 30 102 3.50 X 102 1 ,55 X 103 5.50 102 物 THF不可溶分(ゲル分率) 6.1 4.4 7.8 5.2 膨澗率 [: %) 3700 2000 5300 3100 トナー用樹脂組成物 100 too 100 100 力—ホ'ンブラック (MA - 100) 5 5 5 5 配合
荷電制御剤 (S— 34) 1 1 1 1
(重量部〉
3.5 3.5 3.5 3.5 離型剤
カルナハ' カルナハ" カルナハ" カルナハ' 卜
ブロッキング(重量%) 0.5 0.5 0.5 0.5 ナ
1 フィルミング評価 なし なし なし なし 高温オフセット温度(°c) 240 220 240以上 230 評価 低温オフセット温度(°c) 145 125 1 60 140 最低定着温度 1 0 120 155 135 画質 (画像; 度) 1.5 1 .5 1 ,5 1.0 画質 (かぶりの有無) なし なし なし あり (実施例 3)
(1)分岐状ポリエステルの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を 常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸 9 0モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸 5モル、無水フタノレ酸 5モル、 3価以上の 多価単量体として、トリメリット酸 2. 5モル、分岐モノマー成分としてネオペンチルグリ
コール 100モル、他のジオールとしてエチレングリコール 100モル、エステル化縮合 触媒としてチタンテトラブトキシド (TBB) O. 05モルを仕込み、 200°Cで、生成する水 を蒸留塔より留出させながらエステルイ匕反応を行った。蒸留塔より水が留出しなくな つた時点でエステルイ匕反応を終了した。
エステル化反応終了後、 60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、 真空ポンプからのラインを開き、反応系内を 5mmHg以下に減圧し、 240°C、攪拌回 転数 60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ 留出させて、分岐状ポリエステルを得た。
[0123] (2)低分子量線状ポリエステルの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を 常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ジ メチル 90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸ジメチル 10モル、ネオペンチル グリコール 100モル、他のジオールとしてエチレングリコール 100モル、エステル化縮 合触媒としてチタンテトラブトキシド (TBB) O. 05モルを仕込み、 200°Cで、生成する 水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステルイ匕反応を行った。蒸留塔より 水が留出しなくなつた時点でエステルイ匕反応を終了した。
エステル化反応終了後、 60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、 真空ポンプからのラインを開き、反応系内を 5mmHg以下に減圧し、 240°C、攪拌回 転数 60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ 留出させて、低分子量線状ポリエステルを得た。なお、得られた低分子量線状ポリエ ステルの水酸基価を測定したところ、 38であった。
[0124] (3)トナー用榭脂組成物の製造
得られた分岐状ポリエステル 92. 5重量部と低分子量線状ポリエステル 5. 0重量部と を定量フィーダ一を用いて二軸押出機 (池貝社製、 L/D= 37)に連続的に供給し、 バレル温度 120°Cで溶融混練した後、二軸押出機の第一ベント口より揮発成分を除 去した。
次いで、二軸押出機の第二ベント口から 1分子中に 2個以上のイソシァネート基を有 するポリメリック型 MDI (44V20、住化バイエルウレタン社製) 2. 5重量部を連続的に
供給し、更にバレル温度 170°Cで溶融混練を行うことにより、トナー用榭脂組成物を 得た。
[0125] (4)トナーの製造
得られたトナー用榭脂組成物 100重量部に荷電制御剤(S— 34、オリエント化学社 製) 1重量部、カーボンブラック 5重量部(MA— 100、三菱化学社製)、カルナバヮッ タス 3. 5重量部(融点 83°C)をヘンシェルミキサーで充分に混合した後、 130°Cで溶 融混練し、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル (ラボジェット、日本-ユーマチック 社製)で微粉砕して、平均粒径約 8〜12 1!1のトナー粉末を得た。更に、このトナー 粉末を分級機 (MDS— 2、日本-ユーマチック社製)で分級して、平均粒径約 10 mのトナー微粉末を得た。このトナー微粉末 100重量部に、疎水性シリカ (R972、日 本ァエロジル社製) 1. 0重量部を均一に混合 (外添)してトナーを製造した。
[0126] (実施例 4)
(1)分岐状ポリエステルの製造
実施例 3と同様にして分岐状ポリエステルを得た。
(2)低分子量線状ポリエステルの製造
実施例 3と同様にして低分子量線状ポリエステルを得た。
[0127] (3)トナー用榭脂組成物の製造
得られた分岐状ポリエステルの添加量を 92. 5重量部、低分子量線状ポリエステルの 添加量を 5. 0重量部、ポリメリック型 MDI (44V20、住化バイエルウレタン社製)の添 加量を 2. 1重量部とした以外は、実施例 3と同様にしてトナー用榭脂組成物を得た。
[0128] (4)トナーの製造
得られたトナー用榭脂組成物を用いて実施例 3と同様にしてトナーを製造した。
[0129] (実施例 5)
(1)分岐状ポリエステルの製造
トリメリット酸の添加量を 4. 3モルとした以外は、実施例 3と同様にして分岐状ポリエス テルを得た。
(2)低分子量線状ポリエステルの製造
実施例 3と同様にして低分子量線状ポリエステルを得た。
[0130] (3)トナー用榭脂組成物の製造
得られた分岐状ポリエステルの添加量を 70. 0重量部、低分子量線状ポリエステルの 添加量を 27. 5重量部、ポリメリック型 MDI (44V20、住化バイエルウレタン社製)の 添加量を 1. 5重量部とした以外は、実施例 3と同様にしてトナー用榭脂組成物を得 た。
[0131] (4)トナーの製造
得られたトナー用榭脂組成物を用いて実施例 3と同様にしてトナーを製造した。
[0132] (実施例 6)
(1)分岐状ポリエステルの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を 常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸 9 0モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸 5モル、無水フタル酸 5モル、 3価以上の 多価単量体として、トリメリット酸 2. 5モル、分岐モノマー成分としてネオペンチルグリ コール 100モル、他のジオールとしてエチレングリコール 100モル、エステル化縮合 触媒としてチタンテトラブトキシド (TBB) O. 05モルを仕込み、 200°Cで、生成する水 を蒸留塔より留出させながらエステルイ匕反応を行った。蒸留塔より水が留出しなくな つた時点でエステルイ匕反応を終了した。
エステル化反応終了後、 60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、 真空ポンプからのラインを開き、反応系内を 5mmHg以下に減圧し、 240°C、攪拌回 転数 60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ 留出させて、分岐状ポリエステルを得た。
[0133] (2)低分子量線状ポリエステルの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を 常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ジ メチル 90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸ジメチル 10モル、ネオペンチル グリコール 100モル、他のジオールとしてエチレングリコール 100モル、エステル化縮 合触媒としてチタンテトラブトキシド (TBB) O. 05モルを仕込み、 200°Cで、生成する 水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステルイ匕反応を行った。蒸留塔より
水が留出しなくなつた時点でエステルイ匕反応を終了した。
エステル化反応終了後、 60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、 真空ポンプからのラインを開き、反応系内を 5mmHg以下に減圧し、 240°C、攪拌回 転数 60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ 留出させて、低分子量線状ポリエステルを得た。なお、得られた低分子量線状ポリエ ステルの水酸基価を測定したところ、 38であった。
[0134] (3)トナー用榭脂組成物の製造
得られた分岐状ポリエステル 70. 0重量部と低分子量線状ポリエステル 27. 5重量部 とを定量フィーダ一を用いて二軸押出機 (池貝社製、 L/D = 37)に連続的に供給し 、バレル温度 120°Cで溶融混練した後、二軸押出機の第一ベント口より揮発成分を 除去した。
次いで、二軸押出機の第二ベント口から 1分子中に 2個以上のイソシァネート基を有 するポリメリック型 MDI (44V20、住化バイエルウレタン社製) 1. 8重量部を連続的に 供給し、更にバレル温度 170°Cで溶融混練を行うことにより、トナー用榭脂組成物を 得た。
[0135] (4)トナーの製造
得られたトナー用榭脂組成物 100重量部に荷電制御剤(S— 34、オリエント化学社 製) 1重量部、カーボンブラック 5重量部(MA— 100、三菱化学社製)、カルナバヮッ タス 3. 5重量部(融点 83°C)をヘンシェルミキサーで充分に混合した後、 130°Cで溶 融混練し、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル (ラボジェット、日本-ユーマチック 社製)で微粉砕して、平均粒径約 8〜12 1!1のトナー粉末を得た。更に、このトナー 粉末を分級機 (MDS— 2、日本-ユーマチック社製)で分級して、平均粒径約 10 mのトナー微粉末を得た。このトナー微粉末 100重量部に、疎水性シリカ (R972、日 本ァエロジル社製) 1. 0重量部を均一に混合 (外添)してトナーを製造した。
得られたトナー用榭脂組成物を用いて実施例 6と同様にしてトナーを製造した。
[0136] (比較例 3)
(1)分岐状ポリエステルの製造
トリメリット酸の添力卩量を 4. 7モル、分岐モノマー成分としてネオペンチルグリコールの
添力卩量を 45モル、他のジオールとしてエチレングリコールの添力卩量を 45モルにした 以外は、実施例 3と同様にして分岐状ポリエステルを得た。
[0137] (2)低分子量線状ポリエステルの製造
実施例 3と同様にして低分子量線状ポリエステルを得た。
[0138] (3)トナー用榭脂組成物の製造
得られた分岐状ポリエステルの添加量を 70. 0重量部、低分子量線状ポリエステルの 添加量を 27. 5重量部、ポリメリック型 MDI (44V20、住化バイエルウレタン社製)の 添加量を 5. 2重量部とした以外は、実施例 3と同様にしてトナー用榭脂組成物を得 た。
[0139] (4)トナーの製造
得られたトナー用榭脂組成物を用いて実施例 3と同様にしてトナーを製造した。
[0140] (比較例 4)
( 1)直鎖ポリエステルの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を 常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸 9 0モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸 10モル、分岐モノマー成分としてネオべ ンチルダリコール 100モル、他のジオールとしてエチレングリコール 100モル、エステ ルイ匕縮合触媒としてチタンテトラブトキシド (TBB) O. 05モルを仕込み、 200°Cで、生 成する水を蒸留塔より留出させながらエステルイ匕反応を行った。蒸留塔より水が留出 しなくなつた時点でエステルイ匕反応を終了した。
エステル化反応終了後、 60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、 真空ポンプからのラインを開き、反応系内を 5mmHg以下に減圧し、 240°C、攪拌回 転数 60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ 留出させて、直鎖ポリエステルを得た。
[0141] (2)トナー用榭脂組成物の製造
得られた直鎖ポリエステルの添力卩量を 96. 3重量部、ポリメリック型 MDI (44V20、住 化バイエルウレタン社製)の添加量を 3. 7重量部とした以外は、実施例 3と同様にし てトナー用榭脂組成物を得た。
[0142] (3)トナーの製造
得られたトナー用榭脂組成物を用いて実施例 3と同様にしてトナーを製造した。
[0143] (比較例 5)
(1)分岐状ポリエステルの製造
トリメリット酸の添加量を 5. 9モルとした以外は、実施例 3と同様にして分岐状ポリエス テルを得た。
[0144] (2)低分子量線状ポリエステルの製造
実施例 3と同様にして低分子量線状ポリエステルを得た。
[0145] (3)トナー用榭脂組成物の製造
得られた分岐状ポリエステルの添加量を 92. 5重量部、低分子量線状ポリエステルの 添加量を 5. 0重量部、ポリメリック型 MDI (44V20、住化バイエルウレタン社製)の添 加量を 1. 5重量部とした以外は、実施例 3と同様にしてトナー用榭脂組成物を得た。
[0146] (4)トナーの製造
得られたトナー用榭脂組成物を用いて実施例 3と同様にしてトナーを製造した。
[0147] (評価)
実施例 3〜6及び比較例 3〜5で作製した分岐状ポリエステル、トナー用榭脂組成物 又はトナーについて、実施例 1〜2及び比較例 1〜2の場合と同様にして、ポリエステ ル及びトナー用榭脂組成物の分子量分布、ガラス転移温度、フロー軟化温度、緩和 弾性率、高温オフセット温度、低温オフセット温度、トナーの最低定着温度の測定を 行うとともに、ブロッキング性、フィルミング、画質 (カプリの有無、画像濃度)の評価を 行った。また、以下の方法による評価を行った。結果を表 2に示した。
[0148] [分岐状ポリエステルの水酸基価の測定]
得られた分岐状ポリエステルについて、 JIS K 0070に準拠した方法により水酸基価 を求めた。
[0149] [分岐状ポリエステルの酸価の測定]
得られた分岐状ポリエステルにつ 、て、エチルアルコールの代わりにテトラヒドロフラ ン (THF)を用いた以外は、 JIS K 6751に準拠した方法により酸価を求めた。
[0150] [平均分岐度の算出]
上述のように測定した分岐状ポリエステルの水酸基価 (OHV)及び数平均分子量( Mn)から、分岐状ポリエステルの平均分岐度を算出した。
[0151] [面積比の測定]
上述した分岐状ポリエステルの分子量分布の測定で得られた分岐状ポリエステルの 分子量分布曲線を用いて、反応前の分岐状ポリエステルの全ピーク面積 (A領域)を 求めた後、上述で得られたトナー用榭脂組成物中における、反応前の分岐状ポリエ ステルのピーク分子量以下の範囲に該当するピーク面積 (B領域)を求めた。これら の面積から、分岐状ポリエステルのピーク分子量以下の範囲のピーク面積の全ピー ク面積に対する面積比を算出した。
[0152] [含水率の測定]
得られた分岐状ポリエステルについて、 JIS K 7251に準拠した方法により含水率 を求めた。
[0153] [表 2]
(実施例 7)
(1)分岐状ポリエステルの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を 常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、カルボン酸成分としてテレフタル酸 90 モル、イソフタル酸 5モル、無水フタル酸 5モル、トリメリット酸 2. 5モル、ジオール成分 としてネオペンチルグリコール 100モル、エチレングリコール 100モル、触媒としてチ タンテトラブトキシド (TBB) O. 05モルを仕込み、 200°Cで、生成する水を蒸留塔より 留出させながらエステル交換反応を行った。蒸留塔より水が留出しなくなつた時点で エステル交換反応を終了した。
エステル交換反応終了後、 60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に 、真空ポンプからのラインを開き、反応系内を 5Torr以下に減圧し、 240°C、攪拌回
転数 60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ 留出させて、分岐状ポリエステルを得た。
なお、得られた分岐状ポリエステルの水酸基価を測定したところ、 40であった。
[0155] (2)低分子量線状ポリエステルの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を 常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ジ メチル 90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸ジメチル 10モル、ネオペンチル グリコール 100モル、他のジオールとしてエチレングリコール 100モル、エステル化縮 合触媒としてチタンテトラブトキシド (TBB) O. 05モルを仕込み、 200°Cで、生成する 水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステルイ匕反応を行った。蒸留塔より 水が留出しなくなつた時点でエステルイ匕反応を終了した。
エステル化反応終了後、 60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、 真空ポンプからのラインを開き、反応系内を 5mmHg以下に減圧し、 240°C、攪拌回 転数 60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ 留出させて、低分子量線状ポリエステルを得た。なお、得られた低分子量線状ポリエ ステルの水酸基価を測定したところ、 38であった。
[0156] (3)トナー用榭脂組成物の製造
得られた分岐状ポリエステル 60. 0重量部と低分子量線状ポリエステル 38. 0重量部 とを定量フィーダ一を用いて二軸押出混練機 (池貝社製、 L/D = 37)に連続的に 供給し、バレル温度 160°Cで溶融混練した後、二軸押出機のベント口より大気圧下 で水分を除去した。
その際、分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルの温度は、 160°Cであ つた。添カ卩口から 1分子中に 2個以上のイソシァネート基を有するポリメリック型 MDI ( 44V20、住化バイエルウレタン社製) 2. 0重量部を連続的に供給し、更にバレル温 度 170°Cで溶融混練を行うことにより、トナー用榭脂組成物を得た。
[0157] (4)含水率の測定
得られた分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルを二軸押出混練機 (池 貝社製、 L/D = 37)に連続的に供給し、バレル温度 160°Cで溶融混練した後、二
軸押出機のベント口より大気圧下で水分を除去した後、イソシァネートイヒ合物を添カロ せずに溶融混練した。
混練した分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルは冷却後、粉砕し、 10 0メッシュの篩いを通過させて乾燥前分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエス テルとした。得られた乾燥前分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステル 3g を秤量し、アルミトレイに乗せて、 110°C、 3時間ギアオーブンで乾燥させ、乾燥後分 岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルとした。
反応前分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルの含水率は、下記式(2) で表される。なお、反応前分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルの含 水率は、イソシァネートイ匕合物を添加する際の分岐状ポリエステル及び低分子量線 状ポリエステルの含水率とほぼ同様の値ということができる。
[0158] [数 2]
. , _ ¾ ^前分岐状ポリエステル重量—乾燥後分岐状ポリエステル重量 " 1 00 ( 2 )
S水率 ( "½) = 乾燥前分岐状ポリエステル重量 得られた反応前分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルの含水率を算出 したところ、 0. 3重量%であった。
[0159] (5)トナーの製造
得られたトナー用榭脂組成物 100重量部に荷電制御剤(S— 34、オリエント化学社 製) 1重量部、カーボンブラック 5重量部(MA— 100、三菱化学社製)、カルナバヮッ タス 3. 5重量部(融点 83°C)をヘンシェルミキサーで充分に混合した後、 130°Cで溶 融混練し、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル (ラボジェット、 日本-ユーマチック 社製)で微粉砕して、平均粒径約 8〜12 1!1のトナー粉末を得た。更に、このトナー 粉末を分級機 (MDS— 2、 日本-ユーマチック社製)で微細粒子を分級除去して、平 均粒径約 10 /z mのトナー微粉末を得た。このトナー微粉末 100重量部に、疎水性シ リカ (R972、 日本ァエロジル社製) 1. 0重量部を均一に混合 (外添)してトナーを製 し 7こ。
[0160] (実施例 8)
(1)トナー用榭脂組成物及びトナーの製造
トナー用榭脂組成物の製造において、開口部を真空ベント口とし、 lOOTorrに減圧 した状態で水分を除去したこと以外は、実施例 7と同様にしてトナー用榭脂組成物及 びトナーを製造した。
[0161] (2)含水率の測定
分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルを二軸押出混練機 (池貝社製、 L/D = 37)に連続的に供給し、バレル温度 160°Cで溶融混練した後、二軸押出機 の真空ベント口より lOOTorrに減圧した状態で水分を除去した後、イソシァネートイ匕 合物を添加せずに溶融混練した以外は、実施例 7と同様にして、反応前分岐状ポリ エステル及び低分子量線状ポリエステルの含水率を算出したところ、 0. 1重量%で めつに。
[0162] (比較例 6)
(1)トナー用榭脂組成物及びトナーの製造
トナー用榭脂組成物の製造において、ベント口を塞ぎ、分岐状ポリエステル及び低 分子量線状ポリエステル力も水分を除去しな力つたこと以外は、実施例 7と同様にし てトナー用榭脂組成物及びトナーを製造した。
[0163] (2)含水率の測定
分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルを二軸押出混練機 (池貝社製、 L/D = 37)に連続的に供給し、バレル温度 160°Cで溶融混練した後、二軸押出機 の真空ベント口より lOOTorrに減圧した状態で水分を除去した後、イソシァネートイ匕 合物を添加せずに溶融混練した以外は、実施例 7と同様にして、反応前分岐状ポリ エステル及び低分子量線状ポリエステルの含水率を算出したところ、 0. 6重量%で めつに。
[0164] (評価)
実施例 7、 8及び比較例 6で作製したトナー用榭脂組成物又はトナーについて、実施 例 1〜2及び比較例 1〜2の場合と同様にして、ポリエステル及びトナー用榭脂組成 物の分子量分布、ガラス転移温度、フロー軟化温度、緩和弾性率、高温オフセット温 度、低温オフセット温度、トナーの最低定着温度の測定を行うとともに、ブロッキング 性、フィルミング、画質 (カプリの有無、画像濃度)の評価を行った。結果を表 3に示し
た。
[0165] [表 3]
[0166] (実施例 9)
(1)分岐状ポリエステルの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を 常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸 9 0モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸 5モル、無水フタル酸 5モル、 3価以上の 多価単量体として、トリメリット酸 2. 5モル、分岐モノマー成分としてネオペンチルグリ コール 100モル、他のジオールとしてエチレングリコール 100モル、エステル化縮合 触媒としてチタンテトラブトキシド (TBB) O. 05モルを仕込み、 200°Cで、生成する水 を蒸留塔より留出させながらエステルイ匕反応を行った。蒸留塔より水が留出しなくな つた時点でエステルイ匕反応を終了した。
エステル化反応終了後、 60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、 真空ポンプからのラインを開き、反応系内を 5mmHg以下に減圧し、 240°C、攪拌回 転数 60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ 留出させて、分岐状ポリエステルを得た。
なお、得られた分岐状ポリエステルの水酸基価を測定したところ、 40であった。
[0167] (2)低分子量線状ポリエステルの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を 常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ジ メチル 90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸ジメチル 10モル、ネオペンチル グリコール 100モル、他のジオールとしてエチレングリコール 100モル、エステル化縮 合触媒としてチタンテトラブトキシド (TBB) O. 05モルを仕込み、 200°Cで、生成する 水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステルイ匕反応を行った。蒸留塔より 水が留出しなくなつた時点でエステルイ匕反応を終了した。
エステル化反応終了後、 60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、 真空ポンプからのラインを開き、反応系内を 5mmHg以下に減圧し、 240°C、攪拌回 転数 60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ 留出させて、低分子量線状ポリエステルを得た。なお、得られた低分子量線状ポリエ ステルの水酸基価を測定したところ、 38であった。
[0168] (3)トナー用榭脂組成物の製造
得られた分岐状ポリエステル 60. 0重量部と低分子量線状ポリエステル 38. 0重量部 とを定量フィーダ一を用いて二軸押出機 (池貝社製、 L/D = 37)に連続的に供給し 、バレル温度 160°Cで溶融混練した後、二軸押出機の第一ベント口より水分及び揮 発成分を除去した。このとき、分岐状ポリエステルの温度は、 160°Cであった。
その後、チラ一水 (4°C)を流してバレルを冷却することによって、イソシァネート添カロ 直前での分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルの温度を 100°Cに下げ た。第二ベント口から 1分子中に 2個以上のイソシァネート基を有するポリメリック型 M DI (44V20、住化バイエルウレタン社製) 2. 0重量部を連続的に供給し、更にバレル 温度 170°Cで溶融混練を行うことにより、トナー用榭脂組成物を得た。
[0169] (4)トナーの製造
得られたトナー用榭脂組成物 100重量部に荷電制御剤(S— 34、オリエント化学社 製) 1重量部、カーボンブラック 5重量部(MA— 100、三菱化学社製)、カルナバヮッ タス 3. 5重量部(融点 83°C)をヘンシェルミキサーで充分に混合した後、 130°Cで溶 融混練し、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル (ラボジェット、日本-ユーマチック 社製)で微粉砕して、平均粒径約 8〜12 1!1のトナー粉末を得た。更に、このトナー 粉末を分級機 (MDS— 2、日本-ユーマチック社製)で微細粒子を分級除去して、平 均粒径約 10 /z mのトナー微粉末を得た。このトナー微粉末 100重量部に、疎水性シ リカ (R972、 日本ァエロジル社製) 1. 0重量部を均一に混合 (外添)してトナーを製 し 7こ。
[0170] (比較例 7)
実施例9で得られた分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルを使用し、ト ナー用榭脂組成物の製造において、バレル温度 160°Cで溶融混練した後、バレル を冷却せずに分岐状ポリエステル及び低分子量線状ポリエステルの温度が 160°Cの ときにイソシァネートを添加したこと以外は、実施例 9と同様にしてトナー用榭脂組成 物及びトナーを製造した。
[0171] (評価)
実施例 9及び比較例 7で作製したトナー用榭脂組成物又はトナーにっ ヽて、実施例 1〜2及び比較例 1〜2の場合と同様にして、ポリエステル及びトナー用榭脂組成物
の分子量分布、ガラス転移温度、フロー軟化温度、緩和弾性率、高温オフセット温度 、低温オフセット温度、トナーの最低定着温度の測定を行うとともに、ブロッキング性、 フィルミング、画質 (カプリの有無、画像濃度)の評価を行った。結果を表 4に示した。
[表 4]
実施例 9 比較例 7 亍レフタル Sきシ'メチル 90 90 イソフタル酸シ 'メチル 5 5 原料モノマー 無水フタル酸 5 5 配合 (モル) 卜リメリツ卜酸 2.5 2.5 分岐状 ネオへ 'ンチルゲリコール 100 100 ポリエステル エチレンク "リコール 100 100
ガラス転移温度(°c) 52 52 重量平均分子量 1 7000 17000 評価
数平均分子量 3100 3100 水酸基価 40 40 テレフタル酸シ'メチル 90 90 イソフタル酸シ'メチル 10 10 原料モノマ- 無水トリメリット酸 - 配合 (モル) ―
ネオへ 'ンチルゲリコール 100 100 低分子量線状 エチレンク'リコ-ル 100 100 ポリエステル ガラス te移温度 (°c) 54 54
重量平均分子量 9400 9400 評価 数平均分子量 4900 4900
水酸基価 38 38 酸価 2 2 ホ。リメリック MDI ホ。リメリック 種類 (44V20) (44V20) イソシァネート
化合物
1分子中のイソシァネ一ト基数 約 3個 約 3個 イソシァネート化合物を添加する直前の
分岐状ポリエステルの温度 (¾) 100 160
分岐状ポリエス亍ル 60.0 60.0 配合
低分子量線状ポリエステル 38.0 38.0
(重量部)
トナー用 イソシァネート化合物 2.0 2.0 樹脂組成物 ガラス転移温度 C) 63 58
評価 フロー軟化点(°c) ) 28 1 19
緩和弹性率 G ¾(0.1 )(Pa) 5.8 X 102 1.3 X 102 トナー用樹脂組成物 100 100 カーホ'ン ラック (MA - 100) 5 5 配合
荷電制御剤 (S-34) 1 1
(重量部)
3.5 3.5 離型剤
カルナハ' カルナハ' 卜ナー ブロッキング(重量%) 0.5 0.5 フィルミング評価 なし なし 高温オフセット温度(°C) 230 160 低温オフセット温度 C) 120 120 最低定着温度 (°C) 125 130 画質 (かぶりの有無) なし あり
産業上の利用可能性
[0173] 本発明によれば、低温定着性、耐高温オフセット性及び画質に優れるトナー用榭脂 組成物、トナー及び該トナー用榭脂組成物の製造方法を提供できる。
図面の簡単な説明
[0174] [図 la]反応前の分岐状ポリエステル (A)を GPCで測定した場合に得られる分子量分 布曲線である。
[図 lb]本発明のトナー用榭脂組成物、及び、反応前の分岐状ポリエステル (A)を GP Cで測定した場合に得られる分子量分布曲線である。
[図 2]等速昇温法によりフロー軟ィ匕点 Tfを求める際のプランジャー降下量と時間(温 度)との関係を示す模式的フローチャートである。
[図 3]本発明のトナー用榭脂組成物の製造方法を連続的に行う際に使用する混練機 の一例を示した模式図である。
[0175] 1 押出混練機
2 供給部
3 開口部
4 添加部