WO2007032339A1 - 通信システム、インターフェース装置、および、信号伝達装置 - Google Patents

通信システム、インターフェース装置、および、信号伝達装置 Download PDF

Info

Publication number
WO2007032339A1
WO2007032339A1 PCT/JP2006/318052 JP2006318052W WO2007032339A1 WO 2007032339 A1 WO2007032339 A1 WO 2007032339A1 JP 2006318052 W JP2006318052 W JP 2006318052W WO 2007032339 A1 WO2007032339 A1 WO 2007032339A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
conductor
signal transmission
conductor portion
transmission device
communication system
Prior art date
Application number
PCT/JP2006/318052
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
Hiroyuki Shinoda
Hiroto Itai
Naoya Asamura
Tetsuro Kiyomatsu
Original Assignee
Cell Cross Corporation
The University Of Tokyo
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cell Cross Corporation, The University Of Tokyo filed Critical Cell Cross Corporation
Priority to US12/066,541 priority Critical patent/US7724203B2/en
Priority to EP06797844.5A priority patent/EP1926222A4/en
Priority to JP2007535477A priority patent/JP4565579B2/ja
Publication of WO2007032339A1 publication Critical patent/WO2007032339A1/ja

Links

Classifications

    • H04B5/28

Abstract

 通信システムは、略平行に配置される導電体で外形が平板状の形状の第1導体部(111)と第2導体部(121)とを有する信号伝達装置と、第1導体部(111)に対向する第1電極(1211)と第2電極(1222)とを有するインターフェース装置とを有し、信号伝達装置においてシートインピーダンスのリアクタンス成分から求められる正規化リアクタンスを1より極端に小さくならないようにし、信号伝達装置とインターフェース装置との距離から求められる正規化距離を1程度以下に近付けて、信号伝達装置とインターフェース装置の間の浸出領域(141)と、第1導体部(111)の外形と第2導体部(121)の外形とに挟まれる狭間領域(131)と、において、当該電磁場を伝達する。

Description

明 細 書
通信システム、インターフェース装置、および、信号伝達装置
技術分野
[0001] 本発明は、インターフェース装置の電極をシート状の概形を有する信号伝達装置 に非接触に対向させて信号を効率良く伝達する通信システム、インターフェース装置 、および、信号伝達装置に関する。
背景技術
[0002] 従来から、複数の通信素子が埋め込まれたシート状 (布状、紙状、箔状、板状、膜 状、フィルム状、メッシュ状など、面としての広がりを持ち、厚さが薄いもの。)の通信 装置に関する技術が、本願の発明者らによって提案されている。たとえば、以下の文 献では、個別の配線を形成することなぐシート状の部材 (以下「シート状体」という。 ) に埋め込まれた複数の通信素子が信号を中継することにより信号を伝達する通信装 置が提案されている。
特許文献 1:特開 2004— 007448号公報
[0003] ここで、 [特許文献 1]に開示される技術においては、各通信素子は、シート状体の 面に格子状、三角形状、もしくは蜂の巣状の図形の頂点に配置される。各通信素子 は、当該通信素子により発生された電位の変化が近傍には強ぐ遠方には減衰して 伝播することを利用して、周辺に配置されている他の通信素子とのみ通信する。
[0004] この局所的な通信により通信素子間で信号を順次伝達することによって、目的とす る通信素子まで信号が伝達される。また、複数の通信素子は管理機能により階層に 分けられ、各階層において経路データが設定されており、効率よく最終目的の通信 素子まで信号を伝達することが可能となる。
[0005] 一方で、発明者らの研究により、互いに対向するシート状体に挟まれる狭間領域に 電磁場を存在させ、 2つのシート状体の間の電圧を変化させて当該電磁場を変化さ せたり、当該電磁場の変化によってシート状体の間の電圧を変化させて、電磁場を 進行させ、通信を行う技術が開発されている。
[0006] 2つのシート状体の間の電圧を検知するには、通信機器を直接両者に有線接続し たり、コネクタをシート状体に設け、これを通信機器に接続するのが一般的であった。 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] し力しながら、このような有線接続をできるだけ行わな 、ようにし、外部の通信機器 をシート状体の近傍に寄せることによって信号の伝達ができるようにすると、ユーザに とっても使いやすくなり、メンテナンス効率も向上する。
[0008] そこで、このような要望に対応するための新しい技術が強く求められている。
[0009] 本発明は、このような要望に応えるもので、インターフェース装置の電極をシート状 の概形を有する信号伝達装置に非接触に対向させて信号を効率良く伝達する通信 システム、インターフェース装置、および、信号伝達装置を提供することを目的とする 課題を解決するための手段
[0010] 以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する
[0011] 本発明の第 1の観点に係る通信システムは、電磁場の変化により信号を伝達するシ ート状の信号伝達装置 (101)と、当該信号伝達装置 (101)との間で信号を伝達するィ ンターフェース装置と、を有し、以下のように構成する。
[0012] まず、信号伝達装置 (101)は、当該電磁場の周波数帯 ω /(2 π )において導電体で ある外形が平板状の形状の第 1導体部 (111)、第 1導体部 (111)と略平行に距離 hだけ 離間して配置され、当該電磁場の周波数帯 ω /(2 π )にお 、て導電体である外形が 平板状の形状の第 2導体部 (121)を備える。
[0013] 一方、インターフェース装置 (1201)は、第 1導体部 (111)に対向する面を有する第 1 電極 (1211)、第 1導体部 (111)に対向する面を有し、当該第 1電極 (1211)とは異なる位 置に配置される第 2電極 (1222)を備える。
[0014] さらに、
[0015] 当該第 1導体部 (111)と当該第 2導体部 (121)との間の狭間領域 (131)の誘電率 ε 、
2 透磁率 2と、
[0016] 第 1導体部 (111)の表面における当該表面広がり方向の電界 Εの電流密度 Iに対す る比であるシートインピーダンス σ = E /l = r + jXのリアクタンス成分 Xと、
[0017] 当該第 1電極 (1211)および当該第 2電極 (1222)の少なくとも一方の電極と第 1導体 部 (111)との間の浸出領域 (141)の誘電率 ε 、透磁率 と、
1 1
Ύ = Χ ε / [1ι ω ( ε μ - ε μ ))
2 2 2 1 1
と定義される正規ィ匕シートリアクタンス yと、
[0018] 当該少なくとも一方の電極と第 1導体部 (111)との間の距離 Hに対して
r? = H ε /(h ε )
2 1
と定義される正規化距離 r?と、について、
( μ ε — μ ε ) ω 2 + Χ ε ω /h > 0
2 2 1 1 2
[0019] が成立する。
[0020] そして、 γが 1より極端に小さい値ではない。
[0021] さらに、 7?が 1と同程度もしくは 1以下になるまで、インターフェース装置 (1201)と信 号伝達装置 (101)とを近付けて、当該浸出領域 (141)と、当該狭間領域 (131)と、にお いて、当該周波数帯で、当該第 1導体部 (111)の表面広がり方向に当該電磁場を伝 達する。
[0022] また、本発明の通信システムにおいて、第 1導体部 (111)の、少なくとも一方の電極 が対向する領域は、導電体の空間的分布が不均一であるように構成することができる
[0023] また、本発明の通信システムにおいて、第 1導体部 (111)は、メッシュ状の導電体か らなるように構成することができる。
[0024] また、本発明の通信システムにおいて、第 1導体部 (111)は、凹凸をつけて波打たせ た形状の導電体薄膜からなるように構成することができる。
[0025] また、本発明の通信システムにおいて、第 1導体部 (111)は、布状に編んだ導電体 繊維力 なるように構成することができる。
[0026] また、本発明の通信システムにおいて、狭間領域 (131)には誘電体が充填され、第 1 導体部 (111)は当該充填された誘電体の表面近傍に導電体微粒子を混入させること によって形成されるように構成することができる。
[0027] また、本発明の通信システムにおいて、第 2導体部 (121)は、第 1導体部 (111)と同じ 構造力もなるように構成することができる。
[0028] また、本発明の通信システムにおいて、狭間領域 (131)には、空気を包含する多孔 質性の誘電体が充填されるように構成することができる。
[0029] また本発明の通信システムにおいて、当該第 1電極 (1211)および当該第 2電極 (122 2)は、当該第 1導体部 (111)に略垂直な方向の面と、当該第 1導体部 (111)に略平行な 方向の面と、を有する略 L字形であり、当該第 1電極 (1211)および当該第 2電極 (1222 )の当該第 1導体部 (111)に略垂直な方向の面は、互いに平行に間隔 wで対向し、当 該第 1電極 (1211)および当該第 2電極 (1222)の当該第 1導体部 (111)に略平行な方向 の面は、当該 L字形の角力 離れるにしたがって当該第 1導体部 (111)との距離を滑 らカに増カロさせ、当該第 1電極 (1211)および当該第 2電極 (1222)の当該第 1導体部 (1 11)に略垂直な方向の面同士の間の誘電率 ε に対して、
3
v = w e /( e )
2 3
と定義される正規化間隔 Vについて、 Vと 7?は同程度であるように構成することがで きる。
[0030] また本発明の通信システムにおいて、当該狭間領域 (131)の厚さは、当該電磁場の 周波数帯の波長と同程度もしくはそれ以下であるように構成することができる。
[0031] また、本発明の通信システムにおいて、当該第 2導体部 (121)は、建築物の壁に貼り 付けられ、当該第 2導体部 (121)を覆うように当該電磁波の周波数帯における絶縁体 が配置され、当該第 1導体部 (111)は、当該配置された絶縁体に貼り付けられるように 構成することができる。
[0032] また、本発明の通信システムにおいて、当該第 2導体部 (121)は、乗物の外殻をな す導電体であり、当該第 2導体部 (121)の内側を覆うように当該電磁波の周波数帯に おける絶縁体が配置され、当該第 1導体部 (111)は、当該配置された絶縁体に貼り付 けられるように構成することができる。
[0033] 本発明のその他の観点に係るインターフェース装置 (1201)は、上記の通信システム におけるインターフェース装置 (1201)である。
[0034] 本発明のその他の観点に係る信号伝達装置 (101)は、上記の通信システムにおけ る信号伝達装置 (101)である。 [0035] 本発明のその他の観点に力かる通信システムは、上記の信号伝達装置 (101)と、当 該信号伝達装置 (101)により伝達される信号を受信する導線アンテナと、を備え、導 線アンテナは、信号伝達装置 (101)の第 1導体部 (111)からの距離が、
L = [ . β ε — μ ε ) ω + X ε ω /h]
2 2 1 1 2
により定義される減衰距離 Lより極端に大きくない距離より近く(典型的には、減衰距 離 L以下の近く)に配置されるように構成する。
[0036] また、本発明の通信システムにお 、て、信号伝達装置 (101)が伝達する信号は、当 該信号伝達装置 (101)の第 1導体部 (111)および第 2導体部 (121)に有線接続されるケ 一ブル力も供給されるように構成することができる。
発明の効果
[0037] 本発明によれば、インターフェース装置の電極をシート状の概形を有する信号伝達 装置に非接触に対向させて信号を効率良く伝達する通信システム、インターフェース 装置、および、信号伝達装置を提供することができる。
図面の簡単な説明
[0038] [図 1]本発明の基本関連技術に係るインターフェース装置と組み合わせて使用する 信号伝達装置の概要構成を示す説明図である。
[図 2]本基本関連技術の信号伝達装置に対する最も単純な形状のインターフェース 装置の様子を示す説明図である。
[図 3]本発明の基本関連技術に係るインターフェース装置と組み合わせて使用する 信号伝達装置の概要構成を示す説明図である。
[図 4]信号伝達装置の分析に用いる座標系の様子を示す説明図である。
[図 5]信号伝達装置の種々の場所の垂直電界の強度を示す説明図である。
[図 6]電磁場の指向性を説明するための説明図である。
[図 7]指向性を有するインターフェース装置の一つの基本関連技術の概要構成を示 す説明図である。
[図 8]インターフェース装置における tと wの値の関係を示す説明図である。
[図 9]内部導体部の経路導体部に接続される側の概形を示す説明図である。
[図 10]インターフェース装置の形状のパラメータを示す説明図である。 [図 11]内部導体部の近傍の領域に生ずる電磁場の様子を示す説明図である。
[図 12] φ モードの電磁場の様子を示す説明図である。
1
圆 13]円形のインターフェース装置の概要構成を示す説明図である。
圆 14]円形のインターフェース装置の概要構成を示す説明図である。
圆 15]インターフェース装置の他の基本関連技術を示す説明図である。
圆 16]パラメータの関係と、電流や磁場の様子を示す説明図である。
圆 17]インピーダンス整合を行う手法を示す説明図である。
圆 18]信号伝達装置とインターフェース装置の実験パラメータを示す説明図である。 圆 19]インターフェース装置を信号伝達装置力も次第に離していく場合の受信電力 を示すグラフである。
[図 20]2つのインターフェース装置の一方のメッシュに対する向きを変化させた場合 の他方の受信電力を示すグラフである。
[図 21]2つのインターフェース装置の一方の位置を移動させた場合の他方の受信電 力を示すグラフである。
圆 22]インターフェース装置の他の基本関連技術の断面を示す説明図である。 圆 23]インターフェース装置と、これが接続可能な他の形態の信号伝達装置のとの 関係を示す断面図である。
圆 24]信号伝達装置に有線接続を行う場合の説明図である。
圆 25]信号伝達装置の第 1導体部をメッシュ状ではなぐストライプ状にした基本関連 技術を示す説明図である。
[図 26]インターフェース装置と信号伝達装置とからなる通信システムの実施例の断面 形状を示す説明図である。
圆 27]本願発明の実施形態に係る信号伝達装置とインターフェース装置における諸 条件を説明する説明図である。
圆 28]正規ィ匕シートリアクタンス γ = 1としたときの、正規化距離 7?と吸い出される電 磁エネルギーの関係を示すグラフである。
[図 29]ある正規ィ匕シートリアクタンス γに対して、吸出し可能なエネルギー割合の最 大となるときの正規化距離 7?の値( 7? )を示すグラフである。 圆 30]ある正規ィ匕シートリアクタンス γに対して、正規ィ匕距離 7?を変化させたときの吸 出し可能なエネルギー割合の最大値 ((J1+J2) )を示すグラフである。
max
[図 31] Ύ = 0.1としたときの、正規化距離 ηと吸い出し可能なエネルギー割合の関係 を示すグラフである。
圆 32]結合を強めるためのインターフェース装置の電極形状を説明する説明図であ る。
圆 33]インターフェース装置の具体的な形状の一例を示す説明図である。
[図 34]インターフェース装置の銅板製の電極の展開図である。
[図 35]信号伝達装置とインターフェース装置の通信性能の実験の諸元を表す説明 図である。
圆 36]通信性能実験の結果を示すグラフ群である。
圆 37]実験で用いる等方性インターフェース装置の概要構成を示す説明図である。
[図 38]実験における等方性インターフェース装置、信号伝達装置、導線アンテナの 配置を示す説明図である。
圆 39]等方性インターフェース装置と導線アンテナの間の信号伝達性能を示すダラ フである。
圆 40]等方性インターフェース装置同士を 30cm離間させて信号伝達装置に密着さ せ、 lGHz〜8.5GHz帯における信号伝達性能を調べた結果を示すグラフである。 符号の説明
101 f¾号 達装置
111 第 1導体部
121 第 2導体部
131 狭間領域
141 浸出領域
151 対向領域
201 通信回路
202 ループ型アンう
203 ダイポール型つ 601 インターフェース装置
602 内部導体部
603 外部導体部
604 経路導体部
605 絶縁体部
606 接 ¾τέ点
901 導体板
902 同軸ケーブル
903 接合部
904 帯状の導体部
1201 インターフェース装置
1211 第 1電極
1218 同軸ケーブル
1222 第 2電極
1231 通信機器
発明を実施するための最良の形態
[0040] 以下に本発明の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明の ためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者で あればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用 することが可能であるが、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
[0041] 以下では、平板状の形状をした信号伝達装置と、当該信号伝達装置に近接させて 信号を取得したり信号を送り込んだりするためのインターフェース装置について、順 に説明する。
[0042] なお、以下では、理解を容易にするため、信号伝達に用いる電磁波の周波数帯に おいて導電体であるものを「導電体」と呼び、当該周波数帯において誘電体であるも のを「誘電体」と呼ぶ。したがって、たとえば、直流電流に対しては絶縁体であるもの を「導電体」と呼ぶこともある。
実施例 1 [0043] (信号伝達装置の基本関連技術)
図 1は、本技術に係る信号伝達装置の概要構成を示す説明図である。以下、本図 を参照して説明する。
[0044] 本図(b)は、本技術に係る信号伝達装置 101の断面図である。本図に示すように、 信号伝達装置 101は、メッシュ状の第 1導体部 111と、これに略平行な平板状の第 2 導体部 121と、を備えている。
[0045] ここで、第 1導体部 111と第 2導体部 121とに挟まれる領域が、狭間領域 131であり
、本図において第 1導体部 111の上側にある領域が、浸出領域 141である。
[0046] 本図(a)は、信号伝達装置 101の上面図である。本技術の第 1導体部 111は、正 方形のメッシュ状となっており、正方形の中から第 2導体部 121が透けて見えて 、る。
[0047] またメッシュの繰り返し単位は横に隣り合う正方形の中心同士の距離に等しぐこれ は、正方形の一辺の長さにほぼ等しい。
[0048] 本技術では、狭間領域 131および浸出領域 141はいずれも空気となっているが、 いずれか一方もしくは両方もしくはそれらの一部分を、各種の誘電体としたり、水や土 としたり、真空としたりしても良い。
[0049] 第 1導体部 111と第 2導体部 121の外形は、いずれもシート状 (布状、紙状、箔状、 板状、膜状、フィルム状、メッシュ状など、面としての広がりを持ち、厚さが薄いもの。 ) である。
[0050] したがって、たとえば、部屋の壁を本技術の信号伝達装置とする場合には、まず第 2導体部 121として金属箔等ゃ金属の網等の導体を貼り付けたり、つぎに絶縁体を 吹き付けてから、第 1導体部 111として金属の網を貼り付け、さらに絶縁体の壁紙を 貼り付ければ良い。また、電車などの乗物の壁を信号伝達装置とする場合には、第 2 導体部 121として外殻の金属壁をそのまま用 、ることができる。
[0051] さて、このように、信号伝達装置 101において、第 1導体部 111と第 2導体部 121と に挟まれる狭間領域 131の間を伝播する電磁波モードに注目する。
[0052] 力りに第 1導体部 111がメッシュではなぐ箔状の開孔がない構造であった場合に は、電磁波は狭間領域 131に完全に閉じ込められる。
[0053] し力しながら、第 1導体部 111は、メッシュ状の構造を持ち、開孔がある。このような 、導体の分布が均質でない形状では、電磁波の染み出しが生じる。この染み出しが 生じる領域が、浸出領域 141である。
[0054] 浸出領域 141の高さ (厚さ)は、第 1導体部 111に近接させる外部の導体の形状や 大きさ等によって変化するが、外部に導体が存在しない場合には、第 1導体部 111 の表面力もの距離に応じて、指数的に電磁波の強度が減衰するようになる。
[0055] たとえば、外部導体の大きさがメッシュの繰り返し単位と同程度の大きさ、あるいはこ れより小さい場合には、メッシュの繰り返し単位と同程度の距離にまで近づくことによ つて通信シートを伝播するモードと強く結合できるようになる。
[0056] 一方、外部導体の大きさがメッシュの繰り返し単位に比べて十分に大きい場合など には、浸出領域 141の中のメッシュと外部導体の間に吸 、出される電磁エネルギー の割合は、 2つの距離によって変化するが、後述する「正規化距離」によって、有意な 量の電磁エネルギーを吸い出せる距離を定めることができる。
[0057] 以下では、外部導体として各種のインターフェース装置を採用した場合について、 適宜説明を加える。
[0058] 図 2は、本技術の信号伝達装置に対する最も単純な形状のインターフェース装置 の様子を示す説明図である。本図では、ループアンテナもしくはダイポールアンテナ をインターフェース装置とすることによって、信号伝達装置 101との間で通信を行う様 子が示されている。以下、本図を参照して説明する。
[0059] メッシュ状の第 1導体部 111の表面に存在する浸出領域 141に、送受信を行う通信 回路 201と、当該通信回路に接続されたループ型アンテナ 202と、の組合せが、本 図では 4つ示されている。
[0060] ループ型アンテナ 202の長さは、信号伝達装置 101により伝達される電磁波の波 長の半分程度が好適であるが、これより大きくとも小さくとも、通信は可能である。
[0061] 本図では、長方形状のループ型アンテナ 202を第 1導体部 111の表面に平行に配 置する場合、第 1導体部 111の表面に垂直に配置する場合が示されて!/ヽる。
[0062] また、本図では、コの字型のループ型アンテナ 202の両端が通信回路 201によつ て終端されており、第 1導体部 111の表面に平行に配置されている場合が示されて いる。 [0063] さらに、本図では、コの字型のループ型アンテナ 202が通信回路 201に接続され、 さらにその端部が通信回路 201の反対側にまで延伸しているような形状のものを、第 1導体部 111の表面に垂直に配置する場合が示されて 、る。
[0064] このほか、同軸ケーブルの芯線が露出しただけのダイポール型アンテナ 203を利 用したインターフェース装置も図示されている。この場合は、ダイポール型アンテナ 2 03の芯線を第 1導体部 111〖こ近接させること〖こよって、同軸ケーブルに接続された 通信機器と信号伝達装置 101との間で、電磁波の授受が可能となる。
[0065] これらの通信回路 201同士や、同軸ケーブルに接続された通信機器と通信回路 2 01とは、信号伝達装置 101を介して互いに通信を行うことが可能である。また、本図 には示していないが、第 1導体部 111と第 2導体部 121とに直接有線接続される通信 機器がある場合には、当該通信機器との通信も可能である。このようにして、 1対 1、 1 対 N、 N対 1、 N対 Nのいずれの通信も可能である。
[0066] さらに、通信回路 201として、 RFIDタグの回路を用い、本装置をタグの読み取り装 置とすることもできるし、さらにそこにセンサを搭載することもできる。また、通信回路か ら配線によって外部機器と接続したり、通信回路に接続するかわりに同軸ケーブルに 接続し、外部機器と接続する使用形態もある。
[0067] また、マイクロ波を用いて、インターフェース装置側を充電して、電力を供給すること も可能である。
[0068] また、上記の技術では、第 2導体部 121は、箔状の開孔のない導電体としているが 、第 2導体部 121を第 1導体部 111と同様のメッシュ状としても良い。図 3はこのような 構成に係る断面図である。
[0069] 本図に示すように、第 2導体部 121の外側にも浸出領域 141に相当する対向領域 151が存在し、ここにも電磁波が染み出すようになる。したがって、表面と裏面の両方 に電磁波が浸出するため、インターフェース装置をいずれかの面に近接させれば、 信号の授受が可能になる。
[0070] さて、以下では、このような浸出領域 141の理論的背景について簡単に説明する。
上記のような構成の信号伝達装置 101では、狭間領域 131 (およびその近傍である 浸出領域 141や対向領域 151)において、信号伝達装置 101の外側へ電磁波を「放 射」せずに進行する電磁波のモード φ nが存在する。
[0071] ここで、狭間領域 131と同程度の強度の電磁場が染み出し、かつ遠方への電磁放 射がな 、近接場の高さ Lは、特に導体が近接して 、な 、場合にはメッシュの繰り返し の単位長さを dとしたとき、 L = d/(2 π )程度である。
[0072] ここで、浸出領域 141や対向領域 151において、第 1導体部 1 1 1や第 2導体部 121 の表面力もの距離を ζとしたとき、染み出した電磁波の振幅は、概ね e— Z/Lのように減衰 する。
[0073] したがって、第 1導体部 1 1 1 (や第 2導体部 121)力も距離 Lの範囲にインターフエ一 ス装置を配置して、 φ を誘起して、信号の伝達を行うのである。なお、インターフエ一 ス装置の感度によって、距離 Lではなぐ長さ d程度としても良い。すなわち、浸出領 域 141 (や対向領域 151)の厚さは、 L乃至 d程度と考えることができる。
[0074] 以下、さらに詳細に考える。図 4は、信号伝達装置 101の分析に用いる座標系の様 子を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
[0075] 本図に示すように、 z = 0には、繰り返し単位長さが dのメッシュ状の第 1導体部 1 1 1 が配置され、 z = - Dには、第 2導体部 121が配置されているものとする。そして、第 1 導体部 1 1 1と第 2導体部 121以外は、誘電率 εの誘電体で満たされているものとす る。メッシュは正方形の網目状とする。原点はメッシュ交点に重なっており、 X軸、 y軸 はメッシュに平行である。
[0076] このとき、電磁エネルギー力 Sメッシュ近傍に局在しており、電磁場のうちの電場 Eに ついて、
Figure imgf000014_0001
という形をした進行波解が存在する。ここで、 Eは、電界の z成分、 A, k , kは定数、 K x,y,z)は X方向、 y方向に周期 dを持つ関数であり、 k = (k ,k ,0)は、進行波の進行方向 を示す波数ベクトル (伝搬ベクトル)である。他の電磁場成分についても、同様の形に 書くことができる。
[0077] すなわち、任意の x,y,zに対して、
l x+d,y,z) = i(x,y,z) = i(x,y+a,z)
が成立する。 [0078] さて、 Eを含む電磁場は、誘電体にお!、て、波動方程式
Δ Ε = -( ω 2/ο2
を満たし、
+ k = ω /c
である。なお、本願発明における波数 kについては、後述する。
[0079] ここで、 z > 0での電磁場に注目すると、 fの周期性により、 fは以下のようなフーリエ展 開が可能である。
l x,y,z) = ∑ a(m,n exp(2 π J m x/ d)exp(2 π J n y/ d)g(m,n,z
ここで、 m,nは整数である。
[0080] dが電磁波長えより十分小さぐ 2 π /dが ω /cより十分大きぐ(m,n)≠(0,0)では、フ 一リエ展開の各成分の独立性より、成分
u(m,n) = exp(2 π j m x/ d)exp(2 π j n y/ a)g(m,n,z)
は、近似的に、
Δ u = (-(2 π m/d)2-(2 π n/d)2+ 3 V 3 z2)u = 0
すなわち、
3 V 3 z2 g = (2 π )2(πι22)/(12 §
を満たす。したがって、
g(m,n,z) ^ B exp、一 2 π (m +n / z/d)
である。ただし、 Bは定数である。したがって、(m,n)≠(0,0)の成分については、その減 衰距離は、 (1/(2 π )以下となる。
[0081] ここで、(m,n)≠(0,0)の成分は、メッシュ構造の周期の変調を受けた進行波成分に 相当する。
[0082] また、(m,n)=(0,0)に相当する成分、すなわち、メッシュ構造の周期の変調を受けて いない進行波成分については、後述する (本願発明に係る実施形態)にて説明する Eで与えられるが、到達する程度等についても後述する。
[0083] このような理論的背景により第 1導体部 111を d = 2[mm]の正方形網目状のメッシュ 状の形状の導体とし、第 2導体部 121を箔状の導体とし、第 1導体部 111に平均線電 荷密度 σ = 0.001[C/m]を与えたときに、生じる垂直電界 E [V/m]に定数 4 π εを乗じ たものを求めてみた。
[0084] 上記と同様に、第 1導体部 111は z = 0に配置され、第 2導体部 121は z = -Dに配 置されている。原点はメッシュ交点に重なっており、 X軸、 y軸はメッシュに平行である。
[0085] 図 5は、この場合の、信号伝達装置の種々の場所の垂直電界の強度を示す説明図 である。以下、本図を参照して説明する。なお、本図において、(m,n) = (0,0)の項の 寄与は除かれている。
[0086] 本図上段の 3つのグラフに示すように、 (x,y) = (0,0)、 (x,y) = (d/2,d/2)、 (x,y) = (d/2, 0)のいずれの場合も、 z = l[mm]付近力も垂直電界がほぼ 0になることがわかる。また 、 y = l[mm], z = 0.2[mm]における垂直電界は、本図下段の 1つのグラフに示すよう な周期パターンとなる。
[0087] このように、メッシュの繰り返し単位長さが 2mmのとき、電磁場の染み出しは約 lmmと 考えられるから、この距離以下に、メッシュ周期と同程度の大きさの構造を持つインタ 一フェース装置を近付ければ、電磁場との間での結合が可能になり、信号の送受が 可能となると考えられる。
[0088] なお、 z = -Dに配置される第 2導体部 121を z = 0に配置される第 1導体部 111と同 じメッシュ構造とした場合の電界分布は、対称の原理により、 z = -D/2に箔状の第 2 導体部 121を配置し、 z = 0にメッシュ状の第 1導体部 111を配置した場合と同じ分布 となる。したがって、上記と同様の結論が得られる。
[0089] このように、メッシュ周期と同程度の大きさのインタフェースとの結合にぉ 、ては、浸 出領域 141や対向領域 151の厚さとしては、(1/(2 π )〜(! /2〜(!程度のオーダーを考 慮すれば十分であり、浸出領域 141や対向領域 151の中にインターフェースを「浸 す」ことによって、通信を行うことができるのである。
[0090] なお、メッシュは必ずしも正方形の繰り返しである必要はなぐ各種の多角形形状の メッシュとしても良い。また、メッシュの単位は同じ形状に限る必要はなぐ適切な網目 状となっていれば、異なる形状であっても良い。この場合には、上記の dに相当する 値は、各メッシュの大きさの平均であると考えることができる。また、これらの基本周期 が存在する場合は、その周期を dと考えることもできる。
[0091] このほか、平板導体にハ-カム状に円形のパンチ穴を複数開孔したものを、第 1導 体部 111としても良い。この場合は、円の中心同士の距離が、上記の dに相当する。
[0092] (インターフェース装置の基本関連技術)
上記の説明では、インターフェース装置においてループ型アンテナ 202やダイポー ル型アンテナ 203を用いていたが、以下では、指向性を持つ電磁場を放出できるよう なインターフェース装置を提案する。
[0093] なお、ここで提案するインターフェース装置は、上記の信号伝達装置 101と組み合 わせて使用するのが好適であるが、信号を伝達する電磁場に接することができれば、 通信は可能である。したがって、当該インターフェース装置を使用する局面は、上記 の信号伝達装置 101との組み合わせには限られない。
[0094] 図 6は、このような電磁場の指向性を説明するための説明図である。以下、本図を 参照して説明する。
[0095] 本図に示すように、信号伝達装置 101の第 1導体部 111と第 2導体部 121に垂直 に設定された z軸の周りの角度を Θとすると、本技術に係るインターフェース装置が放 出する電磁場 Φ は、 z方向の電界を E、 z軸左回りの磁場成分を B としたとき、
1 z Θ
E ^ e(r,z)cos Θ ;
B ^ b(r,z)cos Θ ;
Θ
ただし、 V = (x + )である。
[0096] 図 7は、このような指向性を有するインターフェース装置の一つの技術の概要構成 を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
[0097] インターフェース装置 601は、大別して、内部導体部 602、外部導体部 603、経路 導体部 604に分けることができる。
[0098] 内部導体部 602は、信号伝達装置 101に近接する導体であり、幅 tの帯状の形状 をしており、その一端は、外部導体部 603に、その他端は、経路導体部 604に、それ ぞれ接続されている。
[0099] 外部導体部 603は、箱状の構造をして内部導体部 602を覆って 、る。外部導体部 603には開孔があり、その開孔を経路導体部 604が非接触に貫通している。
[0100] これにより、外部導体部 603〜内部導体部 602〜経路導体部 604の電流経路が成 立する。そして、外部導体部 603の開孔付近で、外部導体部 603と経路導体部 604 に同軸ケーブルや、信号送受信回路を結合して、ここに流れる電流を変化させると、 電磁波が主に、本図矢印の方向に放出されることになる。
[0101] このように、外部導体部 603が内部導体部 602および経路導体部 604を覆うことに よって、インタフェース装置 601の外部への無用な電磁放射が防止できるので、信号 伝達装置 101との間で、効率よく電磁エネルギを授受できるようになる。
[0102] なお、外部導体部 603、内部導体部 602、経路導体部 604以外の部分は誘電体 で充填されていてもよい。また、外部導体部 603、内部導体部 602、経路導体部 604 は、その表面が表皮厚さ分だけ導体であればよぐその内部の材料は任意であって よい。
[0103] 外部導体部 603と内部導体部 602の互いに対向しあう面は平行であることが望まし ぐ内部導体部 602もまた平面帯状となっていることが望ましいが、段差や凹凸があ つても良い。
[0104] 外部導体部 603と内部導体部 602の互いに対向しあう面の距離を wとしたとき、 tが
Wよりも極端に大きくならないことが望ましい。すなわち、 tが Wと同程度、もしくは tが W 以下であることが望ましい。
[0105] 図 8は、インターフェース装置 601における tと wの値の関係を示す説明図である。
以下、本図を参照して説明する。
[0106] tが wと同程度かそれ以下であれば、内部導体部 602に電流が流れることで生じる 電磁場は、インターフェース装置 601の外部にも生ずるようになり(本図右側の網か け領域)、信号伝達装置 101の進行波モードと結合して、進行波を誘起することがで きる。
[0107] 一方、 tが大きくなり、インターフェース装置 601の底面をすベて覆えば、信号の送 受はまったくできなくなる。
[0108] しかし、底面の一部に隙間が開いていれば、信号伝達装置 101の狭間領域 131の 進行波モードとの結合が生じる。そこで、インターフェース装置 601を駆動するケー ブルや通信回路とのインピーダンス整合をとる際に、(ケーブルとインターフェース装 置 601との接続部である)外部導体部 603の開孔から、インタフェース装置 601内部 佃 Jをみたときのインピーダンスを/ J、さくするために、 tを wより大きくする場合も考えられ る。
[0109] ただしその場合、本図左側の網かけ領域 S内に蓄積されるエネルギーの、インター フェース装置 601の外側に生じる電磁エネルギーに対する割合が大きくなり、領域 S に接する第 1導体部 111や、領域 Sにおける誘電損失によって余計なエネルギーロス が生じてしまう。
[0110] したがって、 tそのものを大きくするのではなぐ内部導体部 602を、複数の細い帯 力もなるようにして、インピーダンス整合をとる手法を採用することができる。図 9は、こ のような場合の内部導体部 602の経路導体部 604に接続される側の概形を示す説 明図である。
[0111] 本図に示すように内部導体部 602はフォーク状の形状をしており、細い帯が、経路 導体部 604から複数延伸して、外部導体部 603 (本図には図示せず)に接続されるよ うに構成するのである。
[0112] また、内部導体部 602の長さ R (内部導体部 602が外部導体部 603に接続される点 と、内部導体部 602が経路導体部 604に接続される点と、の距離は R - mになる。)と 、当該電磁場の波長えとについて、 2 π ί?がえより極端に小さくはないことが望ましい
[0113] ここで、 λは、信号伝達装置 101における進行波の波長 2 π /(k 2 + k 2)V2である。
x y
[0114] 仮に 2 π R« λが成立してしまうと、電流経路の近傍に局所的に生ずる電磁エネル ギーに対して、遠方の放射されるエネルギーの割合が著しく小さくなるため、信号伝 達装置 101に電磁波を送り込む際のエネルギーロス (インタフェース部周辺の誘電損 失、金属の抵抗による)の割合が大きくなつてしまうからである。
[0115] さて、このような概形のインターフェース装置 601は、上記の信号伝達装置 101と結 合できるほか、 2枚のシート状導電体を対向させて局所的に開孔を設けた信号伝達 装置や、 1枚のシート状導電体の上にシート状誘電体を貼付した信号伝達装置とも 結合させることができる。したがって、インターフェース装置 601は、種々の信号伝達 装置に対して適用することができる。
[0116] 以下では、インターフェース装置 601が発生させる電磁場についてさらに詳細に検 討する。 [0117] 図 10は、インターフェース装置 601の形状のパラメータを示す説明図である。以下
、本図を参照して説明する。
[0118] 内部導体部 602 (以下、適宜「近接経路」とも呼ぶ。)の長さを R、内部導体部 602と 外部導体部 603との間の距離を w、内部導体部 602が経路導体部 604との接続点を 超えてさらに延伸する長さを mとする。
[0119] 図 11は、このような条件のもとで、内部導体部 602の近傍の領域 Sに生ずる電磁場 の様子を示す説明図である。
[0120] インターフェース装置 601に接続される同軸ケーブルのインピーダンスと、同軸ケ 一ブルが接続される部分からインターフェース装置 601の内部を見たインピーダンス が近くなるように R, m, w, tを調整する。ここで、そして、 R = λ /4のときに、インピー ダンスのリアクタンス成分がゼロ交差する場所がある。そこで、 Rの長さをゼロ交差す る場所に設定する。
[0121] 次に、インピーダンスの実部が、同軸ケーブルのインピーダンスになるように、 m, t, wをあわせて調整するのである。
[0122] このような φ モードの電磁場が生ずるのである力 図 12は、 φ モードの電磁場の 様子を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
[0123] 本図上段と本図下段に示される長方形は、内部導体部 602に相当するものである
。また、外部導体部 603は、点線で示される円形形状をしている。
[0124] 本図上段は、信号伝達装置 101内の磁場 B の 0 = 0, 180° の方向についての分
Θ
布の様子を示すものである。他の方向は、本図の分布を cos Θ倍した形状になる。な お、中心近くでは、磁場には動経方向成分 Bも存在するが、本技術においては、大 きな役割を果たすものではな 、。
[0125] 信号伝達装置 101内の第 1導体部 111を流れる電流の様子を示す。このように、電 流を 1方向に誘導するだけで電磁波が放出できるため、都合が良い。
[0126] すなわち、本技術のインターフェース装置 601が生じさせる電磁場は、非対称な φ
1 モードの電磁場との重なりが大きぐ信号伝達装置 101の近傍で一方向の磁場もしく は電流を誘導するだけで電磁波が放出される。このため、本技術のインターフェース 装置 601が生じさせる信号伝達装置 101の電磁場と良く結合するのである。 [0127] 以下では、他の形状のインターフェース装置について、さらに提案する。図 13およ び図 14は、円形のインターフェース装置の概要構成を示す説明図である。以下、本 図を参照して説明する。
[0128] 図 13上段は、インターフェース装置 601の底面図であり、中段および下段は断面 図である。図 14は、インターフェース装置 601の斜視図である。
[0129] 本図に示すように、円形のインターフェース装置 601の外部導体部 603は、円板に 円柱状の側面をつけた形状をしており、円板の逆側には縁取がされている。内部導 体部 602は、その縁取に接続されている。
[0130] また、内部導体部 602は、円形の中心を通過しており、円形の中心に相当する場 所で、経路導体部 604に接続されている。
[0131] 経路導体部 604は、外部導体部 603の中心付近に設けられた開孔を貫通している
[0132] そして、外部導体に覆われる領域は、誘電体が充填され、絶縁体部 605をなして 、 る。
[0133] この構造では、インターフェース装置 601の中心軸にっ 、て対称な定在波とも結合 しゃすぐ φ モードと軸対称モード (インタフェース装置 601から放射状に全方向等 しいエネルギー密度で電磁波が進行するモード)の両方に結合できるため、インター フェース装置 601がメッシュのどこに存在しても、場所依存性の少ない安定した結合 が可能になると考えられる。
[0134] また、本技術では、内部導体部 602を十文字状の形状とし、当該十文字の中心が 経路導体部 604に接続され、当該十文字の 4つの端が外部導体部 603に接続され るように構成しても良い。
[0135] 図 15は、この他の技術を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
[0136] 本図に示す例では、内部導体部 602と経路導体部 604とが一体化しており、一本 のループ状の導線が円板状の外部導体部 603の接続点 606で接続されて 、る。こ のようにシールドとして機能する外部導体部 603に覆われる中に、ループして電流経 路を確保することとしても良い。
[0137] このほか、内部導体部 602が外部導体部 603に接続されていない形態を考えるこ ともできる。図 16は、このような場合のパラメータの関係と、電流や磁場の様子を示す 説明図である。以下、本図を参照して説明する。
[0138] 内部導体部 602が外部導体部 603に直接接続されていない形態では、本図上段 に示すように、内部導体部 602の長さ Rは、波長えの半分程度とすることが望ましい。 内部導体部 602の幅 tや内部導体部 602と外部導体部 603の間の距離 w、内部導体 部 602と経路導体部 604の接点から内部導体部 602の端点までの距離のうち小さい 方の距離 mを調整することでインピーダンス整合をとる。
[0139] 本図下段の 3つのグラフは、電流分布、磁場分布、電場分布を示すものである。図 11のグラフの形状をさらに延長したもの力 本図のグラフの形状である。
[0140] 本図に示す例の場合、内部導体部 602の長さは、電磁波長 λの半分に設定されて いる。本図に示すように、内部導体部 602の右側先端からインターフェース装置 601 の中心寄りに向かって距離 Xにおけるインピーダンス Ζを見ると、 X = 0では、回路が開 放されているため Ζ =∞であるが、 χ = λ /4で Ζ = 0となる。
[0141] したがって、 χ = λ /4の地点で、内部導体部 602と外部導体部 603をショートしたの と同じこととなる。すなわち、波長えにおいては、内部導体部 602と外部導体部 603 がー種のコンデンサを形成することによって、ループ状の電流経路が形成されている と考えることができるのである。
[0142] 図 17は、インピーダンス整合を行う他の手法を示す説明図である。以下、本図を参 照して説明する。
[0143] 本図に示すように、内部導体部 602が途中で切断されており、容量結合的に結合 されることとなっている。
[0144] このように、内部導体部 602を途中で切断するのは、インターフェース装置 601の 入口で、内部導体部 602に容量 (典型的にはコンデンサである。)を直列接続するの と同じ効果をもたらす。
[0145] これらの場合、電流経路は分断される力 分断地点の近傍はいわばコンデンサとし て機能することとなり、通信に用いる周波数帯によっては良好な接続が可能であるこ とが、実験により確認されている。すなわち、このような場合であっても、非直流成分 につ 、ては、電流ループが形成されて!、ると考えることができる。 [0146] 図 17に示す技術の場合、インターフェース装置 601の外形が小さくとも、分断を行 うことによってインピーダンス整合がとりやすくなる、という利点がある。
[0147] また、図 16や図 17に示す技術の場合、(分断を含む)ループ構造を流れる電流と 経路長によって電磁波の放射ゃ受入の強度が決定されるのであり、分断の位置と信 号伝達装置 101との相対的位置関係が、その強度を直接的に決定するわけではな い。
[0148] このように、上記の技術では、電磁波を 2次元的に封じ込めて通信を行うため、一定 距離への情報伝達に必要なエネルギー力 V、わゆる無線通信の場合よりも小さ!/、。
[0149] また、エネルギーが拡散される範囲が狭いため、電力供給を行うことも可能である。
[0150] さらに、マルチパス問題が回避でき、無線に比べて高速ィ匕が可能であると考えられ る。
[0151] そして、電気的な配線不要で、インターフェース装置 601と信号伝達装置 101との 信号の授受ができる。
[0152] (基本関連技術の実験結果)
インターフェース装置 601の外部導体部 603に覆われた領域には比誘電率 10の 誘電体を充填し、周波数帯は 2.4GHzであり、 R = 10mmとし、 w = 1.6mmとした。なお 、経路導体部 604の接続位置 mは、 m = 5mmの場合にも良好な結果を示したが、以 下では m = Ommの場合の実験結果を示す。また、メッシュ周期 d = 15mmである。
[0153] 図 18は、信号伝達装置 101とインターフェース装置 601の実験パラメータを示す説 明図である。
[0154] 本図における諸元にて、 2つのインターフェース装置 601を中心間隔 10[cm]で配 置し、振幅 1[V]の 2.4[GHz]信号を一方力も他方に送信する。他方のインターフエ一 ス装置 601の高さ (z軸方向の位置。 )を変化させたときの受信電圧 (S12)を観測した 。また、両側のインターフェースには 50[Ω]のケーブルを接続して、ネットワークアナ ライザを用いて、受信電圧 (S 12)を計測するのである。
[0155] なお、本図における諸元においては、「線幅 lmm、メッシュの開口部辺 14mm」と なっているが、これらは、メッシュの繰り返し単位 dが 15mmである場合に相当する。
[0156] 図 19は、その結果を示すグラフである。 0.5mm程度離れるまでに、受信強度は急 速に減衰した。
[0157] 次の実験は、 2つのインターフェース装置 601同士の間隔を 6[cm]とし、受信側のィ ンターフェース装置 601のメッシュに対する向きを三通り考えた。 1GHzから 5GHzの 間で、各周波数ごとに IV振幅の信号を入力したときの受信電圧 S12をグラフにして ある。 2つのインターフェースに 50 Ωのケーブルを接続して、ネットワークアナライザを 用いて受信電圧(S12)を計測するのである。
[0158] 図 20は、その結果を示すグラフである。グラフ横軸の左端が lGHz、右端が 5GHz に相当する。本図に示す通り、広い帯域で信号が観測され、の有効性が確認された 。なお、それぞれのインピーダンスを本図最下段に示してある。インターフェース装置 601と信号伝達装置 101との間の結合が強!、ため、設置の向きによって 2.4GHz帯 におけるインピーダンスが変化していることがわかる。
[0159] 図 21は、上記の場合で、一方のインターフェース装置 601の位置を移動させた場 合のグラフである。本図に示す通り、いずれの場所においても、十分な強度の信号が 観測された。
[0160] 以下では、上記の技術の種々の変形例について説明する。
[0161] 図 22は、インターフェース装置の他の技術の断面を示す説明図である。以下、本 図を参照して説明する。
[0162] 本図下段に記載のインターフェース装置 601は、図 2に記載の通信回路 201からな る通信装置とループ型アンテナ 202の組合せを外側導体部 603で覆ったものに相当 する形態である。ループ型アンテナ 202の開放側力 内側導体部 602に相当し、ル ープ型アンテナ 202の外側導体部 603側力 経路導体部 604に相当する、と考える ことができる。
[0163] 本図中段に記載のインターフェース装置 601は、経路導体部 604にかえて、通信 回路 201からなる通信装置を採用するとともに、当該通信回路 201からなる通信装置 で外側導体部 603と内側導体部 602を直結するものである。
[0164] 本図上段に記載のインターフェース装置 601は、内部導体部 602と外部導体部 60
3とが接続される点が、開孔の近傍である形態であり、図 15に示す技術に類似するも のである。 [0165] 本発明のインターフェース装置 601は、内部導体部 602がループの一部をなし、当 該ループは、インターフェース装置 601が信号伝達装置 101に接すると信号伝達装 置 101の表面に対して垂直になることによって、電磁場の密な結合をなすものである 。このとき、電磁場の漏れを防止するために、これらを覆う外部導体部 603を用意す るのである。
[0166] 図 23は、インターフェース装置と、これが接続可能な他の形態の信号伝達装置のと の関係を示す断面図である。以下、本図を参照して説明する。
[0167] 本図上段に記載のインターフェース装置 601は、対向して配置される 2つの導体板
(シート状の導体でも良い。以下同様。) 901のうち、開孔を持つ導体板 901の開孔 付近に配置されている。上記技術同様、 2つの導体板 901の間に電磁波が封じ込め られるので、信号伝達が可能であると同時に、開孔から染み出す電磁場を介して、ィ ンターフェース装置 601が通信を行うのである。
[0168] 本図下段に記載のインターフェース装置 601も上記と同様である力 本技術では、 下方の導体板 901と、これより幅の狭い情報の導体 901と、が配置されており、 2つの 導体板 901は、いずれも、本図に直交する方向に延伸していて、全体としては帯状 の形状をしている。そして、 2つの導体板 901に挟まれる領域に電磁波を封じ込める のであるが、幅が異なるため、本図に示すように、下方の導体板 901が露出している ところでは電磁場が染み出す。そこで、これを用いて、インターフェース装置 601が通 信を行う。
[0169] 図 24は、信号伝達装置に有線接続を行う場合の説明図である。以下、本図を参照 して説明する。
[0170] 本図に示すように、信号伝達装置 101のメッシュ状の第 1導体部 111が同軸ケープ ル 902の芯線に接続される接合部 903の直前で、インピーダンスを整合するように電 線の幅を調整する。また、同軸ケーブル 902の外側導体は、第 2導体部 121に接続 される。
[0171] また、本図に示す例では、第 1導体部 111の縁には、帯状の導体部 904が配置さ れており、帯状の導体部 904と第 2導体部 121との間には、集合抵抗などの電磁波 吸収体を配置して、電磁波の漏れを防止している。 [0172] 図 25は、信号伝達装置の第 1導体部をメッシュ状ではなぐストライプ状にした技術 を示す説明図である。
[0173] 本図に示すように、信号伝達装置 101の第 1導体部 111が、第 2導体部 121の本 図手前側に配置され、第 1導体部 111は、メッシュ状ではなく根本で集中したストライ プ状の形状となっている。このストライプの間隔を dとすると、上記技術と同様、電磁波 の染み出しの程度は d程度となるので、上記技術と同様の浸出領域を形成することが できる。
[0174] (本願発明に係る実施形態)
以下では、上記の基本関連技術に基づいて、本願発明に係る通信システムについ て説明する。なお、以下に説明する本願発明に係る実施形態であっても、上記基本 関連技術の要素を適宜選択して適用することが可能である。
[0175] 上記の基本関連技術では、主として、インターフェース装置の電極として、信号伝 達装置 101の第 1導体部 111として、メッシュの繰り返し単位と同程度もしくはこれより 小さなものを想定していた。本願発明では、インターフェース装置の電極や信号伝達 装置 101の第 1導体部 111として、これとは異なる要件を課するものとする。
[0176] 本願発明では、信号伝達装置 101の第 1導体部 111としては、以下のようなものを 考える。
(a)上記基本関連技術と同様のメッシュ状の導体。
(b)—枚の導体薄板を波打たせたり、凹凸を設けることによって、平面でなくしたも の。メッシュ状の導体とは異なり、開口は不要である。
(c)導電性繊維を絡み合わせて布状 (フェルト状)にしたもの。目の細か ヽメッシュ 状の導体と考えることもできる力 「メッシュ」に比べると、 3次元的に絡み合った構造 をしている。
(d)導電体微粒子を誘電体の中に分散分布させたシート状の素材。導電体微粒子 同士が離間していても、通信周波数帯によっては、「導電体」として機能することにつ いては、上述の通りである。
(e)極めて誘電率の高!、誘電体。
[0177] 上記 (a)〜(c)はいずれも、インターフェース装置の電極が離間して対向する第 1導 体部 111の領域には、インターフェース装置の電極に広がり方向について、導電体 の空間的分布に偏りがあるものである。
[0178] なお、狭間領域 131に充填される誘電体と第 1導体部 111とを一体に構成すること もでき、この場合には、上記 (d) (e)は、当該誘電体の表面において導電体が不均一 に分布することとすれば良ぐこの際の「表面」は、極めて薄いものであっても良い。
[0179] 上述の基本関連技術で主に説明した電極の大きさがメッシュの繰り返し単位と同程 度もしくはこれより小さいインターフェース装置を考えると、電極に対向する第 1導体 部 111の領域 (これは、電極と同じ広さである。)は狭い。したがって、当該狭い領域 における導電体の空間的分布は、本願発明の場合に比べて均一性が高いと考える ことができる。
[0180] 一様な平面形状の導体では、電流経路は直線状となる力 上記のような導電体分 布の不均一性 (偏り)があると、電流経路は直線状ではなくなる。すなわち、本願発明 にお 、ては、第 1導体部 111における電流経路が直線状でな 、ことを想定するので ある。
[0181] これは、「メッシュの繰返し単位長」に相当する各量 (波打つ周期や繊維 ·微粒子同 士の平均間隔等)が、伝達信号の周波数帯の波長よりも十分に小さいことを想定する ことでちある。
[0182] なお、両面通信を可能としたい場合には、第 2導体部 121についても同様の形状と すれば良い。
[0183] 図 26は、インターフェース装置とメッシュ状の第 1導体部を有する信号伝達装置と 力もなる通信システムの実施例の断面形状を示す説明図である。以下、本図を参照 して説明する。
[0184] 本図に示すように、インターフェース装置 1201は、第 1電極 1211と第 2電極 1222 を有し、第 1電極 1211と第 2電極 1222とは、いずれも信号伝達装置 101の浸出領 域 141の「異なる位置」に配置されている。
[0185] 本図 (a)では、信号伝達装置 101の第 1導体部 111からの距離がほぼ等しぐ信号 伝達装置 101のシート状の広がり方向に平行に、第 1電極 1211と第 2電極 1222が 配置されている様子を示す。 [0186] 本図(b)では、第 1電極 1211と第 2電極 1222は、第 1導体部 111からの距離が異 なる。なお、本図(b)では、第 1電極 1211と第 2電極 1222との大きさを異なるものとし ているが、同じ大きさとしても良い。
[0187] 本図(c)では、第 1電極 1211は、円板のような形状、第 2電極 1222は、これを覆う 蓋のついた筒のような形状をしているものの断面図であり、電極 1211、 1222は、形 状'位置 ·距離ともに異なるが、軸対称の形状を有しており、同軸ケーブル 1218を介 して通信機器 1231に接続されている。
[0188] 本図(d)では、本図(c)に示す第 2電極 1222の蓋筒形状側に、第 1電極 1211の 円板に向力う縁をさらに設けた形状である。
[0189] 本図(c) (d)における第 2電極 1222の筒の半径は、第 2電極 1222と第 1電極 121 1の間における電磁波長 (誘電体を充填しても良いし、空気としても良い。)をえとす ると、 0.38 λ程度とするのが典型的である力 このサイズは適宜変更することができ る。また、第 1電極 1211と第 2電極 1222との間隔や、第 2電極 1222から伸びる縁の 幅は、ケーブルとの接合部からみた駆動インピーダンスの整合をとるように設定する ことが望ましい。
[0190] 第 1電極 1211、第 2電極 1222が第 1導体部 111の浸出領域に配置されると、これ と近接結合する。したがって、通信機器 1231、第 1電極 1211、第 2電極 1222、第 1 導体部 111によって (非直流の)電流回路が形成される。
[0191] たとえば、第 1電極 1211や第 2電極 1222の大きさが電磁波長より小さぐ極端なく びれや渦巻き形状などを持たない単純形状の場合は、電磁波長に対して十分近い 距離まで第 1電極 1211、第 2電極 1222が第 1導体部 111に近接すると、一種のコン デンサを形成して、容量結合すると考えられる。これが最も単純な近接結合の例であ る。
[0192] 一方、第 1電極 1211や第 2電極 1222の形状が一方向に長力つたり、ある程度の 二次元的な広がりを有していて、その大きさの一方が電磁波長と同程度になると、そ の表面に電流分布、電荷分布が生じる。このときに、第 1電極 1211、第 2電極 1222 が電磁波長に対して小さな距離まで第 1導体部 111に近接すると、第 1導体部 111 の対向面には、第 1電極 1211や第 2電極 1222の対向面とは概ね逆向きの電流分 布、電荷分布が誘導される。
[0193] 前者は、電磁場として低周波 (電磁波長が電極より大きくなる低周波)を採用した場 合に典型的なものであり、信号伝達装置 101、インターフェース装置 1201、通信機 器 1231の組合せを、準定常的な電気回路 ·電子回路として見ることができる場合に 相当する。
[0194] 後者は、電磁波としてマイクロ波などの高周波を採用した場合に典型的なものであ り、信号伝達装置 101、インターフェース装置 1201、通信機器 1231の組合せを、高 周波回路、特に、電磁波による伝達を含めて考慮する場合に相当する。
[0195] 一般に、本図 (b)に示すような第 1電極 1211と第 1導体部 111との距離と、第 2電 極 1222と第 1導体部 111との距離と、を異なるものとする形態は、低周波による通信 に好適である。
[0196] 一方、本図(a)に示すような、第 1電極 1211と第 1導体部 111との距離と、第 2電極 1222と第 1導体部 111との距離と、は略等しいものとする形態は、マイクロ波等の高 周波による通信に好適である。このとき、第 1電極 1211と第 2電極 1222との、端から 端までの距離 (電極間隔そのものではなぐ電極の厚さも考慮した総延長距離)は、「 電磁波長よりも極端に小さい」ということがないようにする必要がある。たとえば、電磁 波長の 1Z10〜1Z100よりも大きい、という程度にすれば、十分である。なお、これ は、通信機器 231の駆動回路や受信回路によって異なるため、実際の寸法は、実機 や実験によって求めることとしても良い。
[0197] 本図(c)に示すような、第 1電極 1211と第 2電極 1222の形状や位置、距離をすベ て異なるものとする形状は、種々の電磁波長で利用することが可能である。以下、詳 細に説明する。
[0198] なお、第 1電極 1211、第 2電極 1222の大きさは、本願発明では、メッシュの繰返し 単位長より大き!、ため、インターフェース装置 1201の信号伝達装置 101に対する位 置依存性が低くなり、通信を行う際の位置決めが容易になる。
[0199] 上記のようなメッシュ状の第 1導体部 111を採用した場合には、基本関連技術にお けるような「繰返し単位長」を考えることができるが、本願発明においては、このような 繰返しを必ずしも要件とはしないため、これ以外の条件を想定する必要がある。発明 者らは、鋭意研究を進めた上で、「正規ィ匕シートリアクタンス」によって当該条件を定 めることに想到した。以下、説明する。
[0200] 図 27は、本願発明の実施形態に係る信号伝達装置とインターフェース装置におけ る諸条件を説明する説明図である。以下、本図を参照して説明する。
[0201] なお、本発明においては、第 1電極 1211と第 2電極 1222の一方、もしくは、双方が 、以下のような条件を満たせば良い。したがって、本図では、第 1電極 1211と第 2電 極 1222とを代表する 1つの電極を図示している。
[0202] 信号伝達装置 101の第 1導体部 111と第 2導体部 121の間の電圧を周波数帯 ω /( 2 π )において変化させると、第 1導体部 111表面付近に電界が生じ、第 1導体部 111 表面付近に電流が流れる。
[0203] ここで、当該電界の第 1導体部 111表面方向(本図水平方向)の成分は Ε exp(} ω t + α ) (単位 [VZm])、当該電流密度の第 1導体部 111表面方向の成分は I eXp(j co t+ β ) (単位 [AZm])となると考えられるから、位相 a , βや振幅 Ε , Iを考えることがで き、シート抵抗と同様にシートインピーダンス σを考えることができる。すなわち、 σ = Ε /Ι = r + jX
である。なお、 Iには、誘電体中を振動する電荷による寄与も含めるものとする。また、 シートがメッシュ等の構造を持つ場合には、 I、 Eはその構造の周期にわたる平均値 とする。
[0204] 第 1導体部 111が均質な良導体である場合には、 σ ^ 0となるが、本願発明では、 第 1導体部 1 11における導体分布は均質ではない。したがって、 σ ≠ 0である。
[0205] ここで、 σには実数成分 rと虚数成分 Xとが存在する。この虚数成分 Xをシートリアク タンスという。
[0206] 本願発明においては、電流は、不均質な導体分布に沿って折れ曲がった経路を強 制されて流れることとなったり、互いに離間する導電体同士の間で流れたりするから、 微小なコイルやコンデンサが配置されているのと同様の効果が得られるため、インダ クタンス成分やキャパシタンス成分が生じ、 X≠ 0となる。たとえば、メッシュの場合に は X > 0となり、導体微粒子が離間して分散分布している場合には Xく 0となる。
[0207] なお、 Xの絶対値が極端に大きい場合には、電磁場の漏れが大きくなる力 通信シ ステムの構成は可能である。以下では、理解を容易にするため、 Xが適切な小さな値 であるという典型的な状況を想定して説明する。
[0208] さて、第 1導体部 111の表面には、上記の基本関連技術と同様に、ある程度の電磁 場が浸出しているが、浸出する電界の大きさはシートインピーダンス σに比例するた め、 σが小さい場合には、浸出する電磁エネルギーは小さい。
[0209] 発明者らの分析によれば、
第 1導体部 111と第 2導体部 121の間の電圧 V、
信号伝達装置 101の外側の誘電率 ε 、透磁率 、
1 1
第 1導体部 111と第 2導体部 121の間の誘電率 ε 、透磁率 、
2 2
第 1導体部 111と第 2導体部 121の間の距離 h
とすると、漏れ電界の第 1導体部 111の表面に垂直な方向(本図垂直方向)成分 Eは z
、第 1導体部 111表面に沿った位置 Xおよび第 1導体部 111表面からの距離 zに対し て、近似的に以下のように表すことができる。
E = (k '/k ) V exp (- k z) exp、― jkx) exp(— j ω t);
z 2 1 1
k = j σ ε ω /h ;
Figure imgf000031_0001
[0210] なお、近似のために、
k h< l ;
2
ε k sin(k h)/( ε k )< l
1 2 2 2 1
を仮定している。また、狭間領域 131の厚さ hが、電磁波長と同程度、もしくはそれ以 下とすることに相当する。
[0211] このように、電極 1211、 1222が近付かない限り、もれ電界は小さい。しかしながら、 電極 1211、 1222力近付くと、電極 1211、 1222と第 1導体咅 111との間に電磁エネ ルギ一が吸い出されるようになり、上記基本関連技術に対応付けて説明すると、「浸 出領域 141が両者の間に電極 1211、 1222と第 1導体部 111との間に吸い出されて 高さが増す」こととなる。誘電率 ε 、透磁率 は、第 1導体部 111と、電極 1211、 12
1 1
22との間の誘電率および透磁率である。 [0212] このような状況下では、第 1導体部 111と電極 1211、 1222の間に吸い出された電 界の表面方向成分 E uおよび表面垂直成分 E uは、
第 1導体部 111と電極 1211、 1222の間の距離 H
としたときに、
! 2 ! 2 2
k — k μ ε ω ;
1 1 1
! 2 , ! 2 2
k + k μ ε ω ;
2 2 2
ε /〔k tan(k h)〕 - ε /〔k tan(k H)〕 = 1
2 2 2 1 1 1 /0 ω σ)
の解 k, k , kを用いて、漏れ電界の第 1導体部 111の表面に垂直な方向(本図垂直
1 2
方向)成分 Eは、第 1導体部 111表面に沿った位置 Xおよび第 1導体部 111表面から z
の距離 Zにつ 、て、近似的に以下のように表すことができる。
E u = Ci/(k sinh(k H》'sinh〔― k (z— H)〕 exp(-jkx) exp(jcot);
x 1 1
Eu = C/(k sinh(k H》'cosh〔k (z— H)〕 exp(-jkx) βχρθ'ωΐ)
z 1 1 1
[0213] さて、 xの正方向に進行する波動に限定すると、 k, k , kの解は実質的に 2組である
1 2
から、電磁場は 2つのモードで伝播することになる。また、これらのモードは異なる空 間波長をもっており、原理上それぞれを分離して検出することが可能である。この 2つ のモードをそれぞれ、モード 1(あるいは J1)、モード 2(あるいは J2)と呼ぶ。
[0214] すなわち、電極 1211、 1222、第 1導体部 111、第 2導体部 121は無限に続くと考 え、電極 1211、 1222、第 2導体部 121は良導体で抵抗率ゼロとし、第 1導体部 111 のシートインピーダンスを σとする。また、これらの厚さは十分薄いものとする。さらに 以下の [数 1] [数 2]においては、これまでと異なり、第 2導体部 121からの垂直方向 の距離を ζとする。
[0215] これらの導体の平面の広がり方向(X— y平面)に伝播する波動のうち、 X方向に進行 する y方向に均一な波動場は、マクスゥエルの方程式を解くことにより、 2つのモードの 重ね合わせで表現される。
[0216] 以下には、 ε = ε = ε μ = μ = μとしたときの、 2つのモードのうち、 J1の波
1 2 1 2
動 Φ と、 J2の波動 Φ と、の近似式を示す。
1+ 2+
[0217] [数 1] Φ「 = φ
Figure imgf000033_0001
ΦιΛχ) = ただしんヽ. = ψ μ (θ
Figure imgf000033_0004
[0218] [数 2]
Figure imgf000033_0002
exp (-ゾ ) expひ ) ただし A =、—J'Wどび + εμω
Figure imgf000033_0005
k h
[0219] なお、近似が成立するための条件は以下の通りである。
[0220] [数 3]
Figure imgf000033_0003
[0221] ここで、 Cは定数であり、 E uは、信号伝達装置 101の外側の垂直電界、 B uは、信号
z y
伝達装置 101の外側の y方向磁界、 E Lは、信号伝達装置 101の内側の垂直電界、 B y 4ま、信号伝達装置 101の内側の y方向磁界である。
[0222] モード 1の波動 Φ H'hは、浸出領域 141と狭間領域 131に均一の電磁場が発生し、
1+
第 1導体部 111に電流が流れな 、モードである。
[0223] モード 2の波動 Φ H'hにおいて、 σ = jX (X > 0)のとき、 k , kは実数で、 k 〉 kであ
2+ A S A S る。さらに、 Xがインダクタンス性で ωに比例するときは、 kは ωに比例し、モード 2の
A
伝播速度は周波数によらず一定で、群速度と位相速度も一致する。
[0224] かりに、 H》hとし、インターフェース装置 1201が信号伝達装置 101から遠くにある とすると、エネルギーの大部分は信号伝達装置 101内に存在することになる。 [0225] ここで以下のように、シートリアクタンス Xを正規ィ匕した正規ィ匕シートリアクタンス yと 、第 1導体部 111と電極 1211、 1222の間の距離 Hを正規化した正規化距離 7?を考 える。
Ύ = Χ ε / [1ι ω ( ε μ - ε μ )];
2 2 2 1 1
r? = Η ε /(h ε )
2 1
[0226] これにつ 、て、発明者らは、各種の数値シミュレーションを行 、、どのような関係が 成立する場合に電界の吸出しが十分に生じる力 を検討した。以下ではその数値シ ミュレーシヨンにっ 、て説明する。
[0227] 図 28は、正規ィ匕シートリアクタンス γ = 1としたときの、正規ィ匕距離 r?と吸い出され る電磁エネルギーの関係を示すグラフである。以下、本図を参照して説明する。
[0228] 本グラフでは、入射する電磁エネルギーの大きさを 1と仮定して、半無限長の電極 1 211、 1222に左から右に向かってこの電磁エネルギーの波動が到達した際の電極 1 211、 1222と第 1導体部 101の間を X方向に流れる電磁エネルギーの大きさを表示 している。
[0229] 本グラフでは、 μ = μ を仮定しており、誘電率比 ε r = ε / ε と第 1導体部 11
1 2 ― 2 1
1 ·第 2導体部 121間の距離 hとの組み合わせについて、 4通りの様子を示しており、 横軸 (規格化距離 (H/h) ε—r)が正規ィ匕距離 r?、縦軸 (J1+J2)が第 1導体部 111と第 2導体部 121の間に入射された電磁エネルギーが、第 1導体部 111と電極 1211、 12 22の間に吸い出される割合を表す。
[0230] なお、縦軸 (J1+J2)には、 2つのモードがそれぞれ単独で存在しているとしたときの エネルギーの和を示している力 実際には 2つのモードが干渉した状態が実現される
[0231] 本図を見ると、正規ィ匕距離 7?が 0.5程度のときに吸い出される割合が約 50パーセ ントと最大となる。また、正規ィ匕距離 r?が 0.2〜0.8では少なくとも 4割程度を吸い出 すことができ、正規ィ匕距離 7?が 0.1〜0.3では少なくとも 3割程度を吸い出すことがで きることがわ力る。また、 hの値や ε—rの値を変化させても、この傾向はほとんど変わ りがない。
[0232] 図 29は、ある正規ィ匕シートリアクタンス γに対して、吸出し可能なエネルギー割合 の最大となるときの正規ィ匕距離 r?の値(r? )を示すグラフである。図 30は、ある正規 max
化シートリアクタンス γに対して、正規ィ匕距離 r?を変化させたときの吸出し可能なェ ネルギー割合の最大値 ((J1+J2) )を示すグラフである。以下、本図を参照して説明 max
する。
[0233] 図 30を見ると、正規ィ匕シートリアクタンス γの値にかかわらず、最大で 5割程度の吸 出しができることがわかる。図 29を見ると、正規化距離の最大値 7? については、 γ max
が 0.5のときは、 7? は 0.3程度、 γが 1のときは、 7? は 0.4程度であり、 hの値や ε max max
—rの値を変化させても、この傾向はほとんど変わりがない。
[0234] 図 31は、 γ = 0.1としたときの、正規化距離 ηと吸い出し可能なエネルギー割合の 関係を示すグラフである。以下、本図を参照して説明する。
[0235] 本図を見ると、 y = 0.1のときは、十分な電磁場エネルギーを吸い出すためには、 正規ィ匕距離 r?を 0.1程度に近付ける必要がある。
[0236] なお、以上の数値シミュレーションでは、 X > 0の場合を考えた力 X < 0の場合は、
Ύの絶対値をとることによって、以上の分析と同様の結論が得られる。
[0237] これらの分析から、以下のような事実がわかる。
[0238] 信号伝達装置 101の第 1導体部 111と、インターフェース装置 1201の第 1電極 12 11、第 2電極 1222と、の間に少々隙間があっても(極端に近付けなくとも)通信が可 能なようにするための実用的な γの絶対値の下限は 0.1〜0.2程度である力 ある程 度高い性能を呈するためには、 0.3〜0.4程度もしくはそれ以上とすることが望ましい 。言い換えれば、 γの絶対値の大きさは、「1より極端に小さくない」必要がある。
[0239] また、 yの絶対値が 1と同程度(下限が 0.1〜0.4程度)もしくはそれより大きい場合 には、正規化距離 r?を 1程度以下にすれば通信に十分な電磁場エネルギーを吸い 出すことができる。
[0240] また、正規化距離 ηが一定の場合、実際の距離 Ηと誘電率 ε は反比例するから、
2
狭間領域 131の誘電率 ε は、適当な上限値に抑える必要がある。
2
[0241] さらに、第 1導体部 111と第 2導体部 121に挟まれる狭間領域 131の厚さ hが、波長 と同程度、もしくは波長以下とすることが望ましい。もっとも、厚さ hが波長以上となって も、通信は可能である。 [0242] これらの条件は、いずれも、本発明が実用的に動作するための各種パラメータの範 囲を表すものである。
[0243] なお、電極 1211、 1222の表面や、第 1導体部 111の表面に誘電体の層や膜が存 在する場合は、正規化距離は、上記の計算に基づいて計算された空間の正規ィ匕距 離に、誘電体の正規化距離を加算した和で与えられる。インターフェース装置 1201 の電極 1211、 1222の表面に誘電率 ε、厚さ tの誘電体が存在する場合は、当該誘 電体正規化距離に対する寄与分は t ε /(h ε )である。
2
[0244] また、インタフェース装置 1201の電極 1211、 1222は良導体で構成するのが典型 的であるが、第 1導体部 111のシートインピーダンスと同程度、もしくはそれ以下のシ ートインピーダンスをもつ材料で構成しても、上記と同様の効果が得られる。
[0245] 図 32は、結合を強めるためのインターフェース装置の電極形状を説明する説明図 である。以下、本図を参照して説明する。
[0246] 本図に示すように、第 1導体部 111の表面に平行な方向に Xだけ移動したときの第 1 導体部 111と電極 1211、 1222との距離が一定ではなぐ Η(χ)のような関数で表現さ れるものとする。 Η(χ)は十分滑らかであり、反射が生じないものとすると、
[0247] 位置 Xにおいて、第 1導体部 111と電極 1211、 1222の間の浸出領域 141を通過 する電磁的パワーを W、第 1導体部 111と第 2導体部 121の間の狭間領域 131を通
1
過する電磁的パワーを wとする。これらの比、
2
r(x) = W /W
1 2
は、上記の 2つのモードの一方 (J2)について、
Figure imgf000036_0001
となる。
[0248] したがって、本図に示すように、 Η(χ)が減少するような方向に電磁波が進行すると、 第 1導体部 111と電極 1211、 1222の間の浸出領域 141を通過するエネルギーの割 合が増加していく。直観的には、
(a)第 1導体部 111と電極 1211、 1222の間の電圧と、
(b)第 1導体部 111と第 2導体部 121の間の電圧と、
が等 、値を保ったままに電磁波が伝播して!/、く。 [0249] したがって、第 1電極 1211と第 2電極 1222は、第 1導体部 111との距離 H(x)が滑ら かに変化して 、くように構成し、たとえば外部の通信機器と接続される部分に近 、と ころで、最も距離が短くなるようにすることが望ま 、。
[0250] 図 33は、このようなインターフェース装置の具体的な形状の一例を示す説明図であ る。以下、本図を参照して説明する。なお、本図では、各部の寸法を数字で表示して V、るため、各部を参照する符号は図示を省略して 、る。
[0251] 本図に示すインターフェース装置 1201は、第 1電極 1211と第 2電極 1222を銅板 を折り曲げることにより構成している。
[0252] 図 34は、第 1電極 1211、第 2電極 1222を構成する銅板製の電極の展開図である 。以下、本図を参照して説明する。
[0253] この銅板は、幅 80mm程度、長さ 100mm程度の長方形の銅板から、半径 150mm 程度の扇形を 2つ除去した形状をしており、扇形は短辺の一方では短辺の頂点(図 中の長方形の左側の 2つの頂点)を通過し、短辺の他方では、その中央から 7.5mm 程度離間した点(図中の 15mmだけ離間した点)を通過して 、る。その結果細くなつ た先端力も 40mm程度のところ(図中一点鎖線)を半径 lmm程度で直角に折り曲げ るとともに、反対の端から 30mm程度の範囲は半径 50mm程度で滑らかに弓形に反 らしている。細くなつた先端には SMAコネクタを介して同軸ケーブルが配置されてい る。
[0254] インターフェース装置 1201の下面の広がりに相当する部分力 第 1導体部 111に 対向配置される部分で、第 1導体部 111との間で浸出領域 141を形成する。一方、ィ ンターフェース装置 1201の中央に屹立する部分 (側面図でその外形が屹立してい る部分)は、平行板導波路として機能する。
[0255] さて、正規化距離 7? = Η ε /h e 力 ^程度ということは、
2 1
Η/ ε =h/ s
1 2
ということであるが、これと同様の関係が、平行板導波路の部分でも成立することが望 ましい。すなわち、平行板導波路の間隔を W、これらの間の領域の誘電率を ε とす
3 ると、
W/ ε = Η/ ε =h/ ε ということになる。言い換えれば、 Wの正規化距離は、
W s /(h s )
2 3
ということである、これが 1程度であれば良い、ということである。したがって、用途や素 材のコストなどを考慮して、平行板導波路の間に充填する誘電体を選択すれば良い
[0256] インターフェース装置 1201の電極 1211、 1222を、本図に示すように断面図が弓 形の形状に形成しておき、その下面を第 1導体部 111に対向させる。そして、断面図 左側から電磁波が伝播すると、インターフェース装置 1201と信号伝達装置 101との 最近接部に近付くにつれ、電磁エネルギーが両者の間に吸い出されてくる。
[0257] したがって、最近接部に平行板導波路を設けてこれを受信回路に導けば、信号が 受信される。逆に、送信回路から平行板導波路を介して電磁波を送出すれば、再近 接部から左右に分かれるように信号を信号伝達装置 101に伝達することができる。
[0258] 図 35は、上記の信号伝達装置 101とインターフェース装置 1201の通信性能の実 験の諸元を表す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
[0259] 本図に示すように、メッシュ状の通信シートからなる信号伝達装置 101 (諸元は本図 右上参照。)の上に、近接コネクタ力もなるインターフェース装置 1201を 2つ配置して (本図左側参照。白長方形がインターフェース装置 1201、網目模様が信号伝達装 置 101)、同軸ケーブルを介して両者をそれぞれネットワークアナライザに接続し、ィ ンターフェース装置 1201の距離 Rを変化させて、このときの通過係数 S12を計測する
[0260] 本図では、導電プリントにより第 1導体部 111を形成し、導電布により第 2導体部 12 1を形成し、狭間領域 131には誘電層基材を配置して、誘電層を形成している。なお 、実験 2のハ-カム板は、 1辺 4mmの四角柱形状の中空プラスチック棒を並べた構 造である。
[0261] 図 36は、上記通信性能実験の結果を示すグラフ群である。以下、本図を参照して 説明する。
[0262] 本図では、 3.45GHzにおける S12 (—方のインターフェース装置 1201に入力した 電力に対する他方のインターフェース装置 1201に到達した電力の比)の測定結果を 示している。
[0263] gはインターフェース装置 1201と信号伝達装置 101との最短距離を意味し、 g = Om m, lmm, 2mmの 3通りについて測定した結果を本図左側に示している。 g = Omm〜l mm程度の変動であれば、 S12は概ね— 30dB以上となり、良好な接続が実現されて いることがわ力る。
[0264] 本図右側では、特定の gに対して、各種の通信周波数帯にお!、て、計測された Sノ ラメータ Sl l、 S12、 S22を示している。 S12を見ると、 1GHz帯(グラフ左端)から 8.5GHz (グラフ右端)まで、概ね 30dB以上となっており、広帯域の通信が実現で きていることがわかる。
[0265] なお、図 26に示すように、第 1電極 1211と第 2電極 1222の第 1導体部 111に対す る距離は、等しくとも良いし異なっていても良い。また、第 1電極 1211と第 2電極 122 2の少なくとも一方が、上記のような正規化リアクタンスおよび正規ィ匕距離の条件を満 たして ヽれば通信は可能である。
[0266] 以上の説明では、主にメッシュ状の第 1導体部 111を持つ信号伝達装置 101がィ ンダクタンス性のリアクタンスを持つ場合について説明した力 以下では、誘電体内 に導電体微粒子が分散配置されるようなキャパシタンス性のリアクタンスを持つ場合 について説明する。
[0267] まずこのような信号伝達装置 101の構造についてである力 最も簡単には、誘電率 の高いシート状の誘電体を用意し、その片面の表面近傍に金属微粒子を混ぜ込む。 他方の面には金属箔を貼り付けたり、あるいは表面近傍に金属微粒子を混ぜ込むこ ととしても良い。
[0268] このようにすると、シート状の誘電体につ!、て、一方の面 (金属微粒子が混ぜ込ま れた一方の面領域)が第 1導体部 111、他方の面 (金属箔、もしくは、金属微粒子が 混ぜ込まれた他方の面領域)が第 2導体部 121、その間の狭間領域 131は誘電体そ のもの、と 、うことになる。
[0269] この場合も、正規ィ匕シートリアクタンスの絶対値が 1より極端に小さくないことが必要 となるが、インダクタンス性の場合には自動的に満たされる以下の条件
k 2 = ( ε — μ ε ) ω 2 + Χ ε ω /h > 0 が成立する必要がある。この場合、 kおよび kがいずれも実数となり、シート状の形状
1
に沿って進行するエバネッセント場が形成される。
[0270] さて、シートリアクタンスがインダクタンス性かキャパシタンス性かにかかわらず、同じ 正規化距離に対応する実際の距離 Hは、狭間領域 131に充填される誘電体の誘電 率 ε に反比例する。また、ほとんどの場合、信号伝達装置 101外部の誘電率 ε は
2 1 空気の誘電率となり、定数であることが多い。したがって、信号伝達装置 101の厚さ をなるベく薄くするためには、誘電率 ε
2はできるだけ小さいことが望ましい。
[0271] ところが一般に、固体素材の誘電率は空気の誘電率より大きい。そこで、狭間領域 131には多孔質性材料等の空気を含む材料を充填すると、できるだけ誘電率 ε を
2 小さくし、信号伝達装置 101を薄くすることができる。
実施例 2
[0272] 本願発明に係る信号伝達装置 101は、上記のインターフェース装置 1201以外と組 み合わせても通信が可能である。上記のインターフェース装置 1201は、 y軸方向に はあまり広がらな 、電磁波を X軸方向に電磁波を伝播させるような異方性の形状を持 つていたが、等方性 (等方型)のインターフェースを採用することができるほか、導線 のアンテナとも通信が可能である。
[0273] 信号伝達装置 101の表面で、電磁波は、 exp(-k z)に比例して減衰する。ここで、上
1
述の通り、
k = [( μ ε — μ ε ) ω + X ε ω /h〕
1 2 2 1 1 2
であり、これは
k h < l
1
を仮定した近似式である。減衰距離 Lは、
L = 1/k
1
と表現できる力 典型的には数 cm程度である。したがって、この程度の高さもしくはよ り近くにアンテナを設置すると、信号伝達装置 101を伝播している電磁波をアンテナ で検知し、信号を受信できることになる。
[0274] 正規ィ匕シートリアクタンスが 1程度であれば、多くの場合 Lは、信号伝達装置 101の 面方向に伝播する電磁波長 λと同程度のオーダー(より正確には λ /(2 π )と同程度 である。)となる。ただし、狭間境界 131と浸出領域 141の誘電率が等しい場合には、 これとは異なることちある。
[0275] 一般に、面方向に伝播する電磁波の波数 kは、
κ = μ ε ω — k = μ ε ω - j σ ε ω /h
2 2 2 2 2 2
のように表現できる。
[0276] さて、このようなアンテナと等方性インターフェースに対する信号伝達装置 101の性 能について、以下のような実験を行った。図 37は、当該実験で用いる等方性インタ 一フェース装置の概要構成を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
[0277] 本図に示す等方性インターフェース装置は、図 26 (c)に示すインターフェース装置
1201に類似するもので、本図に示す長さをあらわす数値の単位は mmである。
[0278] 図 38は、当該実験における等方性インターフェース装置、信号伝達装置 101、導 線アンテナの配置を示す説明図である。
[0279] 本図に示すように、図 35に示す実験 2 (ハ-カム板)の信号伝達装置 101の表面に は O. lmm厚の絶縁フィルムが貼られている。したがって、等方性インターフェース装 置を絶縁フィルムに密着させると、 H = O. lmm程度となる。
[0280] 導線アンテナは長さ 2cmの導線を同一直線上に 2つ配置して全長 4cmとし、 50 Ω 同軸ケーブルを接続したものである。
[0281] 両者の間には、金属板が配置されている力 実験に際してエバネッセント波以外の モードを遮断するためのものである。
[0282] 図 39は、等方性インターフェース装置と導線アンテナの間の信号伝達性能を示す グラフである。以下、本図を参照して説明する。
[0283] 本図に示す通り、導線アンテナの受信感度は信号伝達装置 101からの距離 zに対 して、ほぼ指数的に減衰しているが、導線アンテナを受信側専用として用いる場合に は、実用的な感度での受信が可能であることがわかる。
[0284] なお、必要のない限り、電磁エネルギーは信号伝達装置 101から外に出ないことが 望ましい。したがって、電極を近付けたときだけエネルギーが吸い出されるように設計 することとなるが、このためには、 Xの大きさはむやみに大きくする必要はない。したが つて、本実験のように、導線アンテナを用いて信号伝達装置 101を伝達されている信 号を検知する場合には、導線アンテナの配置位置と感度の諸条件力も逆に Xの上限 を設定すれば良い。
[0285] 図 40は、この等方性インターフェース装置同士を 30cm離間させて信号伝達装置 1 01に密着させ、 lGHz〜8.5GHz帯における信号伝達性能を調べた結果を示すグ ラフである。
[0286] 本図は、ネットワークアナライザにより計測された S12を表示するものである力 2.4 GHz帯では、 S12 = 20dB程度であり、このような等方性インターフェース装置を用い た場合にも、実用的な感度で通信が可能であることがわかる。なお、実験を行った周 波数は 2.4GHzであり、アンテナの共振周波数はあえてそれより高い 4.1GHzに設 定してある。
[0287] (優先権の主張)
出願人は、本願において、特許協力条約による国際出願 PCTZJP2005Z1671 8 (2005年 9月 12日出願)を基礎とする優先権を主張するものとし、指定国の法令が 許す限り、当該基礎出願の内容を本願にすべてとりこむものとする。
産業上の利用可能性
[0288] 以上説明したように、本発明によれば、インターフェース装置の電極をシート状の概 形を有する信号伝達装置に非接触に対向させて信号を効率良く伝達する通信シス テム、インターフェース装置、および、信号伝達装置を提供することができる。

Claims

請求の範囲
電磁場の変化により信号を伝達するシート状の信号伝達装置 (101)と、当該信号伝 達装置 (101)との間で信号を伝達するインターフェース装置と、を有する通信システム であって、
(a) 前記信号伝達装置 (101)は、
当該電磁場の周波数帯 ω /(2 π )にお!/、て導電体である外形が平板状の形状の第 1導体部 (111)、
前記第 1導体部 (111)と略平行に距離 hだけ離間して配置され、当該電磁場の周波 数帯 ω /(2 π )において導電体である外形が平板状の形状の第 2導体部 (121) を備え、
(b) 前記インターフェース装置 (1201)は、
前記第 1導体部 (111)に対向する面を有する第 1電極 (1211)、
前記第 1導体部 (111)に対向する面を有し、当該第 1電極 (1211)とは異なる位置に 配置される第 2電極 (1222)
を備え、
(c)当該第 1導体部 (111)と当該第 2導体部 (121)との間の狭間領域 (131)の誘電率 ε
2
、透磁率 2と、
前記第 1導体部 (111)の表面における当該表面広がり方向の電界 Εの電流密度 Iに 対する比であるシートインピーダンス σ = E /l = r + jXのリアクタンス成分 Xと、 当該第 1電極 (1211)および当該第 2電極 (1222)の少なくとも一方の電極と前記第 1 導体部 (111)との間の浸出領域 (141)の誘電率 ε 、透磁率 と、
1 1
Ύ = Χ ε / [1ι ω ( ε μ - ε μ ))
2 2 2 1 1
と定義される正規ィ匕シートリアクタンス yと、
当該少なくとも一方の電極と前記第 1導体部 (111)との間の距離 Hに対して
r? = H ε /(h ε )
2 1
と定義される正規化距離 r?と、について、
( μ ε — μ ε ) ω 2 + Χ ε ω /h > 0
2 2 1 1 2
が成立し、 γが 1より極端に小さい値ではなぐ
r?が 1と同程度もしくは 1以下になるまで、前記インターフェース装置 (1201)と前記 信号伝達装置 (101)とを近付けて、
当該浸出領域 (141)と、当該狭間領域 (131)と、において、当該周波数帯で、当該第 1導体部 (111)の表面広がり方向に当該電磁場を伝達する
ことを特徴とする通信システム。
[2] 請求項 1に記載の通信システムであって、
前記第 1導体部 (111)の、前記少なくとも一方の電極が対向する領域は、導電体の 空間的分布が不均一である
ことを特徴とする通信システム。
[3] 請求項 2に記載の通信システムであって、
前記第 1導体部 (111)は、メッシュ状の導電体力 なる
ことを特徴とする通信システム。
[4] 請求項 2に記載の通信システムであって、
前記第 1導体部 (111)は、凹凸をつけて波打たせた形状の導電体薄膜からなる ことを特徴とする通信システム。
[5] 請求項 2に記載の通信システムであって、
前記第 1導体部 (111)は、布状に編んだ導電体繊維力もなる
ことを特徴とする通信システム。
[6] 請求項 2に記載の通信システムであって、
前記狭間領域 (131)には誘電体が充填され、前記第 1導体部 (111)は当該充填され た誘電体の表面近傍に導電体微粒子を混入させることによって形成される
ことを特徴とする通信システム。
[7] 請求項 1から 6の 、ずれ力 1項に記載の通信システムであって、
前記第 2導体部 (121)は、前記第 1導体部 (111)と同じ構造力もなる
ことを特徴とする通信システム。
[8] 請求項 1から 6の!、ずれ力 1項に記載の通信システムであって、
前記狭間領域 (131)には、空気を包含する多孔質性の誘電体が充填される ことを特徴とする通信システム。
[9] 請求項 1から 6の 、ずれ力 1項に記載の通信システムであって、
当該第 1電極 (1211)および当該第 2電極 (1222)は、当該第 1導体部 (111)に略垂直 な方向の面と、当該第 1導体部 (111)に略平行な方向の面と、を有する略 L字形であり 当該第 1電極 (1211)および当該第 2電極 (1222)の当該第 1導体部 (111)に略垂直な 方向の面は、互いに平行に間隔 wで対向し、
当該第 1電極 (1211)および当該第 2電極 (1222)の当該第 1導体部 (111)に略平行な 方向の面は、当該 L字形の角から離れるにしたがって当該第 1導体部 (111)との距離 を滑らかに増加させ、
当該第 1電極 (1211)および当該第 2電極 (1222)の当該第 1導体部 (111)に略垂直な 方向の面同士の間の誘電率 ε
3に対して、
V = w ε /(h ε )
2 3
と定義される正規化間隔 Vについて、 Vと 7?は同程度である
ことを特徴とする通信システム。
[10] 請求項 1に記載の通信システムであって、
当該狭間領域 (131)の厚さは、当該電磁場の周波数帯の波長と同程度もしくはそれ 以下である
ことを特徴とする通信システム。
[11] 請求項 1に記載の通信システムであって、
当該第 2導体部 (121)は、建築物の壁に貼り付けられ、
当該第 2導体部 (121)を覆うように当該電磁波の周波数帯における絶縁体が配置さ れ、
当該第 1導体部 (111)は、当該配置された絶縁体に貼り付けられる
ことを特徴とする通信システム。
[12] 請求項 1に記載の通信システムであって、
当該第 2導体部 (121)は、乗物の外殻をなす導電体であり、
当該第 2導体部 (121)の内側を覆うように当該電磁波の周波数帯における絶縁体が 配置され、
当該第 1導体部 (111)は、当該配置された絶縁体に貼り付けられる
ことを特徴とする通信システム。
[13] 請求項 1から 6、 10、 11、 12のいずれ力 1項に記載の通信システムにおけるインタ 一フェース装置 (1201)。
[14] インターフェース装置との間で電磁場の変化により信号を伝達するシート状の信号 伝達装置 (101)であって、
当該電磁場の周波数帯 ω /(2 π )にお!/、て導電体である外形が平板状の形状の第 1導体部 (111)、
前記第 1導体部 (111)と略平行に距離 hだけ離間して配置され、当該電磁場の周波 数帯 ω /(2 π )において導電体である外形が平板状の形状の第 2導体部 (121) を備え、
当該第 1導体部 (111)と当該第 2導体部 (121)との間の狭間領域 (131)の誘電率 ε
2、 透磁率 と、
2
前記第 1導体部 (111)の表面における当該表面広がり方向の電界 Εの電流密度 Iに 対する比であるシートインピーダンス σ = E /l = r + jXのリアクタンス成分 Xと、 当該インターフェース装置と前記第 1導体部 (111)との間の浸出領域 (141)の誘電率 ε 、透磁率 と、
1 1
Ύ = Χ ε /[ήω( ε μ - ε μ )
2 2 2 1 1
と定義される正規ィ匕シートリアクタンス yと、
当該インターフェース装置と前記第 1導体部 (111)との間の距離 Hに対して r? = H ε /(h ε )
2 1
と定義される正規化距離 r?と、について、
(μ ε — μ ε )ω2 + Χ ε ω/h > 0
2 2 1 1 2
が成立し、
γが 1より極端に小さい値ではなぐ
r?が 1と同程度もしくは 1以下になるまで、前記インターフェース装置 (1201)と前記 信号伝達装置 (101)とを近付けて、 当該浸出領域 (141)と、当該狭間領域 (131)と、において、当該周波数帯で、当該第 1導体部 (111)の表面広がり方向に当該電磁場を伝達する
ことを特徴とする信号伝達装置 (101)。
[15] 請求項 14に記載の信号伝達装置 (101)であって、
前記第 1導体部 (111)の、前記少なくとも一方の電極が対向する領域は、導電体の 空間的分布が不均一である
ことを特徴とする信号伝達装置 (101)。
[16] 請求項 14に記載の信号伝達装置 (101)であって、
前記第 1導体部 (111)は、メッシュ状の導電体力 なる
ことを特徴とする信号伝達装置 (101)。
[17] 請求項 14に記載の信号伝達装置 (101)であって、
前記第 1導体部 (111)は、凹凸をつけて波打たせた形状の導電体薄膜からなる ことを特徴とする信号伝達装置 (101)。
[18] 請求項 14に記載の信号伝達装置 (101)であって、
前記第 1導体部 (111)は、布状に編んだ導電体繊維力もなる
ことを特徴とする信号伝達装置 (101)。
[19] 請求項 14に記載の信号伝達装置 (101)であって、
前記狭間領域 (131)には誘電体が充填され、前記第 1導体部 (111)は当該充填され た誘電体の表面近傍に導電体微粒子を混入させることによって形成される
ことを特徴とする信号伝達装置 (101)。
[20] 請求項 14から 19のいずれか 1項に記載の信号伝達装置 (101)であって、
前記第 2導体部 (121)は、前記第 1導体部 (111)と同じ構造力もなる
ことを特徴とする信号伝達装置 (101)。
[21] 請求項 14から 19のいずれか 1項に記載の信号伝達装置 (101)であって、
前記狭間領域 (131)には、空気を包含する多孔質性の誘電体が充填される ことを特徴とする信号伝達装置 (101)。
[22] 請求項 14から 19のいずれか 1項に記載の信号伝達装置 (101)であって、
当該第 2導体部 (121)は、建築物の壁に貼り付けられ、 当該第 2導体部 (121)を覆うように当該電磁波の周波数帯における絶縁体が配置さ れ、
当該第 1導体部 (111)は、当該配置された絶縁体に貼り付けられる
ことを特徴とする信号伝達装置 (101)。
[23] 請求項 14から 19のいずれか 1項に記載の信号伝達装置 (101)であって、
当該第 2導体部 (121)は、乗物の外殻をなす導電体であり、
当該第 2導体部 (121)の内側を覆うように当該電磁波の周波数帯における絶縁体が 配置され、
当該第 1導体部 (111)は、当該配置された絶縁体に貼り付けられる
ことを特徴とする信号伝達装置 (101)。
[24] 請求項 14から 19のいずれか 1項に記載の信号伝達装置 (101)と、当該信号伝達装 置 (101)により伝達される信号を受信する導線アンテナと、を備える通信システムであ つて、
前記導線アンテナは、前記信号伝達装置 (101)の第 1導体部 (111)からの距離が、 L = [ , μ ε — μ ε ) ω + X ε ω /h]
2 2 1 1 2
により定義される減衰距離 Lより極端に大きくない距離より近く配置される
ことを特徴とする通信システム。
[25] 請求項 24に記載の通信システムであって、
前記信号伝達装置 (101)が伝達する信号は、当該信号伝達装置 (101)の第 1導体部 (111)および第 2導体部 (121)に有線接続されるケーブルから供給される
ことを特徴とする通信システム。
PCT/JP2006/318052 2005-09-12 2006-09-12 通信システム、インターフェース装置、および、信号伝達装置 WO2007032339A1 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US12/066,541 US7724203B2 (en) 2005-09-12 2006-09-12 Communication system, interface device, and signal carrying apparatus
EP06797844.5A EP1926222A4 (en) 2005-09-12 2006-09-12 COMMUNICATION SYSTEM, INTERFACE DEVICE, AND SIGNAL TRANSFER DEVICE
JP2007535477A JP4565579B2 (ja) 2005-09-12 2006-09-12 通信システム、インターフェース装置、および、信号伝達装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2005/016718 WO2007032049A1 (ja) 2005-09-12 2005-09-12 信号伝達装置
JPPCT/JP2005/016718 2005-09-12

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2007032339A1 true WO2007032339A1 (ja) 2007-03-22

Family

ID=37864655

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2005/016718 WO2007032049A1 (ja) 2005-09-12 2005-09-12 信号伝達装置
PCT/JP2006/318052 WO2007032339A1 (ja) 2005-09-12 2006-09-12 通信システム、インターフェース装置、および、信号伝達装置

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2005/016718 WO2007032049A1 (ja) 2005-09-12 2005-09-12 信号伝達装置

Country Status (4)

Country Link
US (2) US7626561B2 (ja)
EP (2) EP1926221A4 (ja)
JP (2) JP4650906B2 (ja)
WO (2) WO2007032049A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7724203B2 (en) 2005-09-12 2010-05-25 Cell Cross Corporation Communication system, interface device, and signal carrying apparatus
JP2010197293A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 National Institute Of Information & Communication Technology 位置推定装置
JP2013021541A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Hitachi Ltd 電磁波伝搬装置および電磁波インターフェース
WO2013124935A1 (ja) * 2012-02-24 2013-08-29 日本電気株式会社 受電装置、給電装置、通信装置
JP2020137074A (ja) * 2019-02-25 2020-08-31 帝人株式会社 読取システム

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4605203B2 (ja) * 2007-10-15 2011-01-05 ソニー株式会社 通信システム並びに通信装置
JP2010056952A (ja) * 2008-08-28 2010-03-11 Serukurosu:Kk 電磁波伝達媒体システムと電磁波伝達媒体を接続する方法
JP2010074792A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Murata Mfg Co Ltd 通信体及びカプラ
JP2010074793A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Murata Mfg Co Ltd カプラ
JP2010074790A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Murata Mfg Co Ltd 通信体及びカプラ
US8421692B2 (en) * 2009-02-25 2013-04-16 The Boeing Company Transmitting power and data
JP5678888B2 (ja) * 2009-09-01 2015-03-04 日本電気株式会社 通信伝達装置、通信カプラ及びインピーダンス調整シート
WO2011027497A1 (ja) * 2009-09-01 2011-03-10 日本電気株式会社 通信システム及び通信装置
WO2011061823A1 (ja) * 2009-11-18 2011-05-26 トヨタ自動車株式会社 スイッチ装置
JP5589630B2 (ja) 2010-07-14 2014-09-17 富士通株式会社 アンテナ装置、rfidシステム
US20130193772A1 (en) * 2010-10-08 2013-08-01 Nec Corporation Surface communication device
JPWO2012046548A1 (ja) * 2010-10-08 2014-02-24 日本電気株式会社 サーフェイス通信装置
US9153866B2 (en) 2010-11-19 2015-10-06 Nec Corporation Communication medium
WO2013080476A1 (ja) * 2011-12-02 2013-06-06 日本電気株式会社 通信シート、スマートシェルフ
US9373877B2 (en) 2011-12-02 2016-06-21 Nec Corporation Communication sheet, smart shelf
JP6489020B2 (ja) * 2013-10-30 2019-03-27 日本電気株式会社 送電装置及びワイヤレス電力伝送システム
GB2520747C (en) * 2013-11-29 2020-03-18 Pragmatic Printing Ltd Antenna and apparatus comprising antenna
JP2015139276A (ja) * 2014-01-22 2015-07-30 国立研究開発法人情報通信研究機構 給電シート及び給電システム
KR102273336B1 (ko) * 2019-08-26 2021-07-06 충북대학교 산학협력단 Rf-id용 전자파 흡수체 및 이를 포함하는 장치

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004007448A (ja) 2001-10-12 2004-01-08 Serukurosu:Kk 通信装置
WO2007032049A1 (ja) 2005-09-12 2007-03-22 Cell Cross Corporation 信号伝達装置

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3059322A (en) * 1961-03-17 1962-10-23 Grady L Teague Method of making a collapsible antenna of wire mesh
US3290688A (en) * 1962-06-11 1966-12-06 Univ Ohio State Res Found Backward angle travelling wave wire mesh antenna array
US3165817A (en) * 1962-09-10 1965-01-19 Grady L Teague Method of making a collapsible antenna of wire mesh
US3855598A (en) * 1970-10-23 1974-12-17 Hughes Aircraft Co Mesh articles particularly for use as reflectors of electromagnetic waves
US3982248A (en) * 1974-07-01 1976-09-21 Trw Inc. Compliant mesh structure for collapsible reflector
ATE22627T1 (de) * 1981-09-04 1986-10-15 Contraves Ag Vorrichtung zur kontaktlosen uebertragung von informationen zwischen relativ zueinander rotierenden bauteilen.
US4868580A (en) * 1987-11-23 1989-09-19 Lockheed Missiles & Space Company, Inc. Radio-frequency reflective fabric
JP2000278189A (ja) * 1999-03-25 2000-10-06 Yasuto Takeuchi 床下の空間を伝搬手段とする室内無線システム
US6683583B2 (en) * 2000-02-11 2004-01-27 3M Innovative Properties Company Flexible electrode antenna
TW498409B (en) * 2001-07-04 2002-08-11 Ind Tech Res Inst Forming method and apparatus of integrated circuit with passive devices
JP2003158437A (ja) * 2001-09-06 2003-05-30 Murata Mfg Co Ltd Lcフィルタ回路、積層型lcフィルタ、マルチプレクサおよび無線通信装置
JP2003273785A (ja) * 2002-03-12 2003-09-26 Hitachi Ltd 施設内通信方法及び施設内通信装置
EP1635491A1 (en) * 2003-06-18 2006-03-15 Cell Cross Corporation Communication unit
JP2005167980A (ja) * 2003-11-12 2005-06-23 Shuho:Kk アンテナパターンおよびそれを有する電磁波エネルギー処理装置
TW200614591A (en) * 2004-09-14 2006-05-01 Textilma Ag Textile strip comprising an integrated antenna thread for an RF transponder
CN101180765B (zh) * 2005-04-01 2013-06-05 日本写真印刷株式会社 显示器用透明天线和带天线的显示器用透光性构件以及带天线的壳体用构件

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004007448A (ja) 2001-10-12 2004-01-08 Serukurosu:Kk 通信装置
WO2007032049A1 (ja) 2005-09-12 2007-03-22 Cell Cross Corporation 信号伝達装置

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
See also references of EP1926222A4
SHINODA H. ET AL.: "Two-Dimensional Communication technology Inspired by Robot Skin", FIRST IEEE TECHNICAL EXHIBITION BASED CONFERENCE ON ROBOTICS AND AUTOMATION 2004 (TEXCRA '04), 18 November 2004 (2004-11-18), pages 99 - 100, XP010791678 *
YASUTOSHI MAKINO ET AL.: "Two Dimensional Communication Technology for Networked Sensing System", PROC. OF INSS2005 (SECOND INTERNATIONAL WORKSHOP ON NETWORKED SENSING SYSTEMS), June 2005 (2005-06-01), XP003010514 *

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7724203B2 (en) 2005-09-12 2010-05-25 Cell Cross Corporation Communication system, interface device, and signal carrying apparatus
JP2010197293A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 National Institute Of Information & Communication Technology 位置推定装置
JP2013021541A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Hitachi Ltd 電磁波伝搬装置および電磁波インターフェース
WO2013124935A1 (ja) * 2012-02-24 2013-08-29 日本電気株式会社 受電装置、給電装置、通信装置
JPWO2013124935A1 (ja) * 2012-02-24 2015-05-21 日本電気株式会社 受電装置、給電装置、通信装置
JP2020137074A (ja) * 2019-02-25 2020-08-31 帝人株式会社 読取システム
JP7217171B2 (ja) 2019-02-25 2023-02-02 帝人株式会社 読取システム

Also Published As

Publication number Publication date
US7626561B2 (en) 2009-12-01
JPWO2007032339A1 (ja) 2009-03-19
WO2007032049A1 (ja) 2007-03-22
US20090179822A1 (en) 2009-07-16
EP1926221A4 (en) 2011-12-28
JP4565579B2 (ja) 2010-10-20
EP1926222A1 (en) 2008-05-28
JPWO2007032049A1 (ja) 2009-03-19
EP1926222A4 (en) 2015-04-22
JP4650906B2 (ja) 2011-03-16
US7724203B2 (en) 2010-05-25
US20090128256A1 (en) 2009-05-21
EP1926221A1 (en) 2008-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2007032339A1 (ja) 通信システム、インターフェース装置、および、信号伝達装置
JP2007150654A (ja) センサ装置
JP4717830B2 (ja) タグ装置
JP4345850B2 (ja) 通信システム及び通信装置
KR100621335B1 (ko) 폴더타입 통신 핸드셋 장치 내에서의 접지효과 감소 장치
JP4915401B2 (ja) 電力伝送システム並びに電力送電装置
JP2007150652A (ja) 信号伝達装置用のインターフェース装置
KR20100070690A (ko) 무선 전력전송용 공진기
JP2007281678A (ja) 信号伝達システム
JP5243213B2 (ja) 電磁波インターフェース装置およびそれを用いた信号伝達システム
JP2010063213A (ja) 受電装置及び電力伝達システム
JP5086963B2 (ja) 電磁波インターフェース装置及び電磁波伝達システム
Ghaddar et al. Embroidered spoof surface plasmon polariton transmission line for wireless body sensor network
JP2009225199A (ja) 小型無線装置におけるアンテナ構造およびその形成方法ならびに無線識別タグ
JP5692464B2 (ja) デルタ平面パッチアンテナ装置
US20060105799A1 (en) Portable telephone
JP2010252121A (ja) 電磁波インタフェース装置および通信機器
JP5647528B2 (ja) アンテナ装置
WO2007032050A1 (ja) インターフェース装置
Kuhn et al. Broadband Antenna Probe for Microwave EMC Measurements
KR102611108B1 (ko) 표면파 패치 안테나 및 이를 이용한 무선통신 장치
KR102105684B1 (ko) 무선 통신 장치 및 방법
Rudant et al. Investigation of lumped loading technique for printed antenna miniaturization
Arai Smart suit for body area network
WO2014045486A1 (ja) シート伝送システム、電磁波伝播シート及び近接カプラ

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application
ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2007535477

Country of ref document: JP

Kind code of ref document: A

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 12066541

Country of ref document: US

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 2006797844

Country of ref document: EP